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特許7400272シート収容装置、画像形成システム及び延長ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】シート収容装置、画像形成システム及び延長ユニット
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/26 20060101AFI20231212BHJP
   B65H 1/04 20060101ALI20231212BHJP
   B65H 31/26 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
B65H1/26 Z
B65H1/04 310C
B65H31/26
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019159419
(22)【出願日】2019-09-02
(65)【公開番号】P2021038044
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 義規
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 潔
(72)【発明者】
【氏名】前田 祥一
(72)【発明者】
【氏名】池田 将士
【審査官】山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-104135(JP,A)
【文献】特開2017-128403(JP,A)
【文献】特開2012-116625(JP,A)
【文献】特開2016-000653(JP,A)
【文献】特開平09-290934(JP,A)
【文献】特開2002-338069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/26
B65H 1/04
B65H 31/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部内に設けられ、積載されたシートの一部を下方から支持する積載部と、
前記積載部を上昇させる上昇部と、
前記本体部に接続され、前記積載部が上昇する過程で前記シートの他の一部を下方から支持する支持部と、
を有すると共に、
前記支持部は、前記積載部の側から上り勾配となるように傾斜する傾斜部と、前記傾斜部に対して上側に設けられ前記傾斜部と反対側に水平方向に延びる水平部と、を備え、
前記傾斜部の下端部は、前記積載部の側の底面に対して回転可能に支持されており、
前記傾斜部の上端部は、前記積載部の上昇により前記水平部から下り勾配となるように延びた斜面に摺動可能とされているシート収容装置。
【請求項2】
前記支持部は、前記本体部から外側に突出した位置に設けられている請求項1に記載のシート収容装置。
【請求項3】
前記積載部に対して前記シートの長さ方向の一端側に前記支持部が設けられている請求項1又は請求項2に記載のシート収容装置。
【請求項4】
前記積載部に積載された前記シートを搬送する搬送部が設けられており、
前記支持部は、前記シートの搬送方向における上流側の部分を支持する請求項3に記載のシート収容装置。
【請求項5】
前記搬送部は、前記積載部に積載された前記シートに空気を吹き込み、最上部の前記シートを吸着して搬送する構成とされている請求項4に記載のシート収容装置。
【請求項6】
前記シートが積載される前記支持部の積載面の高さは、前記積載部が最下降位置にある場合の前記積載部の積載面の高さよりも高い請求項5に記載のシート収容装置。
【請求項7】
前記上昇部は、前記シートの搬送方向上流側に配置されて前記積載部を上昇させる上流側ワイヤと、前記シートの搬送方向下流側に配置されて前記積載部を上昇させる下流側ワイヤと、を備え、
前記支持部は、前記上流側ワイヤよりも前記シートの搬送方向上流側で前記シートを支持する構成とされている請求項4から請求項6までのいずれか1項に記載のシート収容装置。
【請求項8】
前記支持部が直接又は間接的に前記本体部に固定されている請求項7に記載のシート収容装置。
【請求項9】
前記シートの搬送方向における前記積載部の下流側端部から前記支持部の上流側端部までの長さは、A3サイズのシートの長手方向の長さよりも長い請求項4から請求項8までのいずれか1項に記載のシート収容装置。
【請求項10】
前記シートの搬送方向における前記積載部の下流側端部から前記支持部の上流側端部までの長さは、1200mmの長さの前記シートの末端がはみ出さない長さとされている請求項9に記載のシート収容装置。
【請求項11】
前記積載部と前記支持部との間に、前記積載部に取り付けられて前記積載部の長さを延長する延長積載部が設けられている請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載のシート収容装置。
【請求項12】
搬送部を有する請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載のシート収容装置と、
前記シート収容装置から搬送された前記シートに画像を形成する画像形成装置と、
を有する画像形成システム。
【請求項13】
シート収容装置の本体部に取り付けられ、前記本体部内に設けられた積載部が前記本体部に対し上昇する過程で、前記積載部に積載されたシートの一部を下方から支持する支持部を有すると共に、
前記支持部は、前記積載部の側から上り勾配となるように傾斜する傾斜部と、前記傾斜部に対して上側に設けられ前記傾斜部と反対側に水平方向に延びる水平部と、を備え、
前記本体部に取り付けられた状態で、前記傾斜部の下端部は、前記積載部の側の底面に対して回転可能に支持されており、前記傾斜部の上端部は、前記積載部の上昇により前記水平部から下り勾配となるように延びた斜面に摺動可能な構成とされている延長ユニット。
【請求項14】
前記積載部に取り付けられて、前記積載部の長さを延長する延長積載部を備える請求項13に記載の延長ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート収容装置、画像形成システム及び延長ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、給紙トレイのトレイ底板を延長して長尺紙を搭載するように長尺オプションが設けられた給紙装置が開示されている。この給紙装置では、長尺オプションの取付時は給紙トレイを引き出せないようにロックする機構を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-000653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、積載部にシートの全質量がかかる構成と比較して、上昇部の負荷が低減されるシート収容装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様に係るシート収容装置は、本体部と、前記本体部内に設けられ、積載されたシートの一部を下方から支持する積載部と、前記積載部を上昇させる上昇部と、前記本体部に接続され、前記積載部が上昇する過程で前記シートの他の一部を下方から支持する支持部と、を有する。
【0006】
第2の態様に係るシート収容装置は、第1の態様に記載のシート収容装置において、前記支持部は、前記本体部から外側に突出した位置に設けられている。
【0007】
第3の態様に係るシート収容装置は、第1の態様又は第2の態様に記載のシート収容装置において、前記積載部に対して前記シートの長さ方向の一端側に前記支持部が設けられている。
【0008】
第4の態様に係るシート収容装置は、第3の態様に記載のシート収容装置において、前記積載部に積載された前記シートを搬送する搬送部が設けられており、前記支持部は、前記シートの搬送方向における上流側の部分を支持する。
【0009】
第5の態様に係るシート収容装置は、第4の態様に記載のシート収容装置において、前記搬送部は、前記積載部に積載された前記シートに空気を吹き込み、最上部の前記シートを吸着して搬送する構成とされている。
【0010】
第6の態様に係るシート収容装置は、第5の態様に記載のシート収容装置において、前記シートが積載される前記支持部の積載面の高さは、前記積載部が最下降位置にある場合の前記積載部の積載面の高さよりも高い。
【0011】
第7の態様に係るシート収容装置は、第4の態様から第6の態様までのいずれか1つの態様に記載のシート収容装置において、前記上昇部は、前記シートの搬送方向上流側に配置されて前記積載部を上昇させる上流側ワイヤと、前記シートの搬送方向下流側に配置されて前記積載部を上昇させる下流側ワイヤと、を備え、前記支持部は、前記上流側ワイヤよりも前記シートの搬送方向上流側で前記シートを支持する構成とされている。
【0012】
第8の態様に係るシート収容装置は、第7の態様に記載のシート収容装置において、前記支持部が直接又は間接的に前記本体部に固定されている。
【0013】
第9の態様に係るシート収容装置は、第4の態様から第8の態様までのいずれか1つの態様に記載のシート収容装置において、前記シートの搬送方向における前記積載部の下流側端部から前記支持部の上流側端部までの長さは、A3サイズのシートの長手方向の長さよりも長い。
【0014】
第10の態様に係るシート収容装置は、第9の態様に記載のシート収容装置において、前記シートの搬送方向における前記積載部の下流側端部から前記支持部の上流側端部までの長さは、1200mmの長さの前記シートの末端がはみ出さない長さとされている。
【0015】
第11の態様に係るシート収容装置は、第1の態様から第10の態様までのいずれか1つの態様に記載のシート収容装置において、前記支持部は、前記積載部の側から上り勾配となるように傾斜する傾斜部と、前記傾斜部の上側から水平方向に延びる水平部と、を備える。
【0016】
第12の態様に係るシート収容装置は、第11の態様に記載のシート収容装置において、前記傾斜部の下端部は、前記積載部の側の底面に対して回転可能に支持されており、前記傾斜部の上端部は、前記積載部の上昇により前記水平部から下り勾配となるように延びた斜面に摺動可能とされている。
【0017】
第13の態様に係るシート収容装置は、第1の態様から第12の態様までのいずれか1項に記載のシート収容装置において、前記積載部と前記支持部との間に、前記積載部に取り付けられて前記積載部の長さを延長する延長積載部が設けられている。
【0018】
第14の態様に係る画像形成システムは、搬送部を有する第1の態様から第13の態様までのいずれか1つの態様に記載のシート収容装置と、前記シート収容装置から搬送された前記シートに画像を形成する画像形成装置と、を有する。
【0019】
第15の態様に係る延長ユニットは、シート収容装置の本体部に取り付けられ、前記本体部内に設けられた積載部が前記本体部に対し上昇する過程で、前記積載部に積載されたシートの一部を下方から支持する支持部を有する。
【0020】
第16の態様に係る延長ユニットは、第15の態様に記載の延長ユニットにおいて、前記支持部は、前記積載部の側から上り勾配となるように傾斜する傾斜部と、前記傾斜部の上側から水平方向に延びる水平部と、を備える。
【0021】
第17の態様に係る延長ユニットは、第15の態様又は第16の態様に記載の延長ユニットにおいて、前記積載部に取り付けられて、前記積載部の長さを延長する延長積載部を備える。
【発明の効果】
【0022】
第1の態様に係るシート収容装置によれば、積載部にシートの全質量がかかる構成と比較して、上昇部の負荷が低減される。
【0023】
第2の態様に係るシート収容装置によれば、本体部内に支持部を収容する場合と比較して、本体部がコンパクトになる。
【0024】
第3の態様に係るシート収容装置によれば、積載部のみにシートを積載する場合と比較して、通常サイズ以外の長尺シートが積載される。
【0025】
第4の態様に係るシート収容装置によれば、支持部がシートの搬送方向における下流側を支持する構成と比較して、支持部によるシートの支持が安定化する。
【0026】
第5の態様に係るシート収容装置によれば、積載部に積載されたシートのうち最上部のシートを給紙ロールのみによって搬送する場合と比較して、シートの重送が抑制される。
【0027】
第6の態様に係るシート収容装置によれば、支持部の積載面の高さが積載部の積載面の高さよりも低いと比較して、積載部が上昇した場合にシートの質量を支持しやすい。
【0028】
第7の態様に係るシート収容装置によれば、支持部が上流側ワイヤよりもシートの搬送方向下流側でシートを支持する場合と比較して、積載部の上昇時に支持部と干渉しにくい。
【0029】
第8の態様に係るシート収容装置によれば、支持部が積載部に固定されている場合と比較して、構造が簡単になる。
【0030】
第9の態様に係るシート収容装置によれば、A3サイズよりも長いシートが積載可能となる。
【0031】
第10の態様に係るシート収容装置によれば、1200mmの長さのシートが積載可能となる。
【0032】
第11の態様に係るシート収容装置によれば、積載部の側と水平部との間に空間がある構成と比較して、シートを積載したときにシートが垂れ下がることが抑制される。
【0033】
第12の態様に係るシート収容装置によれば、傾斜部の下端部は積載部の側の底面に固定されている場合と比較して、水平部と傾斜部との間からのシートの垂れ下がりが抑制される。
【0034】
第13の態様に係るシート収容装置によれば、積載部に支持部が直接設けられている場合と比較して、長いサイズのシートが積載される。
【0035】
第14の態様に係る画像形成システムによれば、積載部にシートの全質量がかかる構成と比較して、上昇部の負荷が低減される。
【0036】
第15の態様に係る延長ユニットによれば、積載部にシートの全質量がかかる構成と比較して、上昇部の負荷が低減される。
【0037】
第16の態様に係る延長ユニットによれば、積載部の側と水平部との間に空間がある構成と比較して、シートを積載したときにシートが垂れ下がることが抑制される。
【0038】
第17の態様に係る延長ユニットによれば、積載部に支持部が直接設けられる場合と比較して、長いサイズのシートが積載される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】第1実施形態に係るシート収容装置を備えた画像形成システムを示す正面図である。
図2】第1実施形態に係るシート収容装置を示す斜視図である。
図3】第1実施形態に係るシート収容装置に用いられる開閉部材と回転部材を回転させて積載部上の積載空間を開放した状態を示す斜視図である。
図4】第1実施形態に係るシート収容装置の延長装置及び延長装置に取り付けられた第2延長ユニットを示す断面図である。
図5】第1実施形態に係るシート収容装置の延長装置を示す斜視図である。
図6】第1実施形態に係るシート収容装置の延長装置を、開閉カバーを開放した状態を示す斜視図である。
図7】第1実施形態に係るシート収容装置の第1延長ユニットの一部を示す斜視図である。
図8】第1実施形態に係るシート収容装置の延長装置に取り付けられた第2延長ユニットを示す斜視図である。
図9】第1実施形態に係るシート収容装置の延長装置に取り付けられた第2延長ユニットを、開閉カバーを開放した状態で示す斜視図である。
図10】第2延長ユニットの第1支持部を示す斜視図である。
図11】第2延長ユニットの第2支持部を示す斜視図である。
図12】第1延長ユニット及び第2延長ユニットの上に積載された記録媒体を上昇させる第1状態を示す側面図である。
図13】第1延長ユニット及び第2延長ユニットの上に積載された記録媒体を上昇させる第2状態を示す側面図である。
図14】シート収容装置の記録媒体の積載部を昇降させる昇降装置を示す側面図である。
図15】シート収容装置の記録媒体の積載部を昇降させる昇降装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。以下の説明では、図面に矢印Xで示す方向を装置幅方向、矢印Yで示す方向を装置高さ方向とする。また、装置幅方向及び装置高さ方向のそれぞれに直交する方向(矢印Z方向)を装置奥行き方向とする。
【0041】
<画像形成システムの構成>
図1には、第1実施形態に係るシート収容装置10を備えた画像形成システム200の一例が正面図にて示されている。
【0042】
図1に示されるように、画像形成システム200は、シートの一例としての記録媒体に画像を形成する画像形成装置202と、画像形成装置202に記録媒体を供給するシート収容装置10と、を備えている。シート収容装置10は、画像形成装置202の側部に隣接するように配置されている。図示を省略するが、画像形成装置202の内部には、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、該画像形成部に記録媒体を搬送する搬送手段とが設けられている。画像形成部と搬送手段の構成及び配置は特に限定されない。シート収容装置10は、オプションで画像形成装置202に取り付けられるものであり、単独で取引される。
【0043】
<シート収容装置の構成>
(全体構成)
図2には、第1実施形態に係るシート収容装置10が斜視図にて示されている。図2に示されるように、シート収容装置10は、装置本体としての本体部12と、本体部12の側部から本体部12の外側に向かって張り出すように取り付けられた取付装置14と、を備えている。取付装置14は、オプションにより本体部12に後付けされる構成とされている。
【0044】
図3及び図4に示されるように、本体部12の内部には、複数の記録媒体Pが積載される積載部16(図4参照)の上方に積載空間Sが設けられている。本体部12の側部に取付装置14が取り付けられることで、本体部12のみの場合に積載部16上に積載される記録媒体Pの長手方向の長さよりも長い長尺の記録媒体Pが収容可能とされている。取付装置14は、長尺の記録媒体Pが積載される延長積載部の一例としての第1延長ユニット50を備えている(図4参照)。また、取付装置14には、第1延長ユニット50を延長する支持部の一例としての第2延長ユニット60が取り付けられている(図4参照)。第2延長ユニット60は、オプションにより取付装置14に取り付けられる構成とされている。
【0045】
図2及び図3に示されるように、シート収容装置10は、本体部12の上部に設けられると共に記録媒体Pが積載される積載空間Sを開閉する開閉部材20と、開閉部材20による積載空間Sの開放動作を補助するダンパ36と、を備えている(図3参照)。また、シート収容装置10は、開閉部材20の上に重なるように配置される回転部材22を備えている。回転部材22は、開閉部材20の開閉に伴って本体部12に対して回転可能とされている。回転部材22の上部には、手差し用の記録媒体(図示省略)が配置される。取付装置14における本体部12の側部から張り出した部分には、長尺の記録媒体Pが積載される積載空間Sを開閉する後述の開閉カバー30が設けられている。
【0046】
さらに、シート収容装置10は、本体部12の奥行き方向(すなわち、Z方向)の前側の下部に、記録媒体Pとは別種の記録媒体(図示省略)が格納される引き出しトレイ26を備えている。引き出しトレイ26は、本体部12から引き出されることで、記録媒体Pとは別種の記録媒体(図示省略)が格納されるようになっている。
【0047】
(本体部)
図2及び図3に示されるように、本体部12は、シート収容装置10の取付装置14以外の部分の筐体としての機能を有する。本体部12は、装置奥行き方向(すなわち、Z方向)の手前側に配置された前壁12Aと、装置奥行き方向の奥側に配置された後壁12Bと、を備えている。また、本体部12は、装置幅方向(すなわち、X方向)の一方側に配置された側壁12Cと、装置幅方向の他方側に配置された側壁(図2中に図示されていない)と、を備えている。前壁12Aは、複数のパネルにより構成されている。引き出しトレイ26は、前壁12Aの上部側及び前壁12Aの装置幅方向の他方側を除いた範囲に設けられている。
【0048】
また、本体部12は、前壁12Aと後壁12Bと側壁12Cと他の側壁(図2中に図示されていない)の上部に配置された上壁12Dを備えている。上壁12Dは、装置幅方向の他方側にのみ配置されている。前壁12Aと後壁12Bの上端は上壁12Dに繋がっており、積載空間Sの一部が上壁12Dで覆われている。
【0049】
前壁12Aと後壁12Bは、記録媒体Pの搬送方向との交差方向、すなわち矢印Zに示す装置奥行き方向の両側から記録媒体Pの積載空間Sを挟む構成とされている。また、前壁12Aには、上壁12Dと反対側の部分の高さを、上壁12Dと連結される側の部分の高さよりも低くした切欠き部32が設けられている。
【0050】
図4に示されるように、本体部12の内部には、記録媒体Pが積載される積載部16を備えている。図示を省略するが、本体部12に取付装置14を取り付けない場合には、本体部12の内部の積載部16上に、通常サイズの記録媒体Pが直接積載される。通常サイズの記録媒体Pとして、例えば、長手方向の長さが488mmまでの記録媒体Pが使用される。このようなサイズの記録媒体Pの一例としては、A3サイズ以下の記録媒体が該当する。
【0051】
本体部12には、積載部16を上下方向に昇降させる昇降装置100(図14参照)が設けられている。昇降装置100は、積載部16の上側に積載された記録媒体Pの最上部の記録媒体Pの位置が定められた高さとなるように、積載部16を上昇させる構成とされている。ここで、昇降装置100は、上昇部の一例である。昇降装置100の構成については、後に説明する。
【0052】
本体部12の内部には、上壁12D側に配置されると共に、積載部16の上側に積載された記録媒体Pを一枚ずつ搬送する搬送部38が設けられている。搬送部38は、積載部16の上側の最上部の記録媒体Pを送り出す給紙ロール40と、給紙ロール40よりも装置幅方向内側に配置されて最上部の記録媒体Pを吸着する吸着部42と、を備えている。さらに、搬送部38は、本体部12の内部の側壁48に配置された複数の空気吹出部44を備えている。複数の空気吹出部44は、積載部16の上側に積載された複数の記録媒体Pの上部と対向する位置に配置されており、複数の記録媒体Pの間に空気を吹き込む構成とされている。
【0053】
給紙ロール40は、一対のロールで構成されており、記録媒体Pを画像形成装置202(図1参照)側、すなわち矢印A方向に送り出す。吸着部42は、記録媒体Pの搬送方向に沿って移動可能に支持されており、記録媒体Pを吸着した状態で記録媒体Pの搬送方向下流側に移動することで、給紙ロール40の接触部に記録媒体Pを供給する。空気吹出部44は、複数の記録媒体Pの間に空気を吹き込むことで、給紙ロール40による記録媒体Pの重送を抑制するようになっている。
【0054】
(開閉部材)
開閉部材20は、積載部16に複数の記録媒体Pを配置するために、開閉カバー30と分担して記録媒体Pの積載空間Sを開放する。図2及び図3に示されるように、開閉部材20は、前壁12Aと後壁12Bの上部間に設けられている。本実施形態では、開閉部材20は、本体部12の上壁12Dと隣接する位置に設けられている。
【0055】
開閉部材20は、記録媒体Pの搬送方向(すなわち、図3に示す矢印A方向)の下流側に設けられるヒンジ(図示省略)周りに回転して記録媒体Pの積載空間S(図3参照)を開閉する構成とされている。ヒンジは、前壁12Aと後壁12Bの装置幅方向の一端側である上壁12D(図2参照)の端縁側に設けられている。開閉部材20は、積載空間Sを閉止した状態で、上壁12Dより記録媒体Pの搬送方向(すなわち、図3に示す矢印A方向)の上流側における前壁12Aと後壁12Bの端部までを覆っている。
【0056】
開閉部材20には、積載空間Sの閉止状態で開閉部材20の縁部から張り出し、切欠き部32と開閉部材20の縁部との隙間を埋める張出部34が設けられている(図2参照)。張出部34は、開閉部材20の先端部20A側に設けられている。
【0057】
ダンパ36は、筒状のダンパ本体36Aと、ダンパ本体36Aから進退可能に設けられたロッド36Bと、を備えている。ダンパ本体36Aにおけるロッド36Bと反対側の端部は、開閉部材20に回転可能に支持されている。ロッド36Bの先端部(すなわち、ダンパ本体36Aと反対側の端部)は、後壁12Bに回転可能に支持されている。ダンパ36は、ロッド36Bがダンパ本体36Aに対して進出する方向に押される構成とされており、積載空間Sを開放する方向に開閉部材20を途中まで持ち上げると、ダンパ36の作用により開閉部材20が持ち上げられるようになっている。
【0058】
図2に示されるように、開閉部材20の先端部20Aには、開閉部材20による積載空間Sの閉止状態で、開閉部材20の本体部12へのロックを解除するハンドル46が設けられている。ハンドル46は、例えば、上下方向に回転する構成とされており、ハンドル46を上方に持ち上げることで、開閉部材20の本体部12へのラッチ機構(図示省略)によるロックが解除され、開閉部材20が積載空間Sを開放する方向へ回転可能となる構成とされている。
【0059】
(取付装置)
取付装置14は、本体部12の側部に取り付けられることで、通常サイズよりも長手方向の長さが長い長尺の記録媒体Pを収容する機能を有する。図2及び図3に示されるように、取付装置14は、本体部12の側壁12Cの上方から本体部12の外側に向かって張り出している。本実施形態では、取付装置14は、前壁12Aと後壁12Bとの間と、側壁12Cの外側とに跨って配置されている。取付装置14は、本体部12の側壁12Cに取り付けられる筐体としての本体部14Aと、本体部14Aの上側に設けられた開閉カバー30と、を備えている。
【0060】
開閉カバー30は、本体部14Aの装置奥行き方向(すなわち、Z方向)の奥側に設けられたヒンジ(図示省略)により、装置奥行き方向に沿って回転する構成とされている(図3参照)。開閉カバー30を装置奥行き方向(Z方向)の手前側から奥側に向かって上方に回転することにより、長尺の記録媒体Pの積載空間Sの一部が開放されるようになっている。また、開閉カバー30は、取付装置14の前壁12Aと後壁12Bから張り出した部分を覆っている。
【0061】
図4図6に示されるように、取付装置14は、本体部14Aと本体部12とに跨って配置された第1延長ユニット50を備えている。第1延長ユニット50は、平面視にて積載部16における装置幅方向(すなわち、矢印X方向)の外側に記録媒体Pの積載面を延長する構成とされている(図4参照)。第1延長ユニット50は、本体部12の内部の積載部16の最下降位置に対して記録媒体Pの積載面をかさ上げするかさ上げ部52と、かさ上げ部52の側から平面視にて積載部16の外側に延長される延長部54と、を備えている。
【0062】
かさ上げ部52は、本体部12の内部の積載部16の上に配置されている(図4参照)。本実施形態では、かさ上げ部52は、積載部16における記録媒体Pの積載面16Aの上に配置されている。かさ上げ部52の上面には、長尺の記録媒体Pが積載される積載面52Aが形成されている。
【0063】
かさ上げ部52は、一例として、積載部16の積載面16A上に取り付けられる本体部70と、本体部70の上に配置されて記録媒体Pの積載面となる上壁部72と、を備えている。
【0064】
延長部54は、かさ上げ部52の側部に取り付けられており、本体部12の内部から取付装置14の本体部14Aの内部に跨って配置されている(図4参照)。言い換えると、延長部54は、前壁12Aと後壁12Bとの間から記録媒体Pの搬送方向(すなわち、矢印A方向)の上流側に張り出している。シート収容装置10では、前壁12Aと後壁12Bとの間における側壁12Cの上方は、記録媒体Pの搬送方向の上流側に向けて開放されており(図3参照)、この開放された部分に跨って延長部54が配置されている。本実施形態では、シート収容装置10の装置幅方向(すなわち、X方向)と、記録媒体Pの搬送方向(すなわち、矢印A方向)は同じである。延長部54の上面には、長尺の記録媒体Pが積載される積載面54Aが形成されている。延長部54は、かさ上げ部52に対して記録媒体Pの長手方向(すなわち、長さ方向)の一端側に設けられている。
【0065】
延長部54は、かさ上げ部52の側方に図示しない締結具により固定されており、積載部16の上昇により延長部54がかさ上げ部52と一体で上昇する。
【0066】
かさ上げ部52の積載面52A及び延長部54の積載面54Aの上には、長尺の記録媒体Pが積載される。すなわち、かさ上げ部52上には、記録媒体Pの一部である長手方向の一端部側が配置され、延長部54上には、記録媒体のPの他の一部である長手方向の他端側が配置される。延長部54における記録媒体Pの長手方向の他端側、すなわち記録媒体Pの搬送方向の上流側の端部には、記録媒体Pの長手方向の他端側の端面を規制するエンドガイド58が設けられている(図6参照)。エンドガイド58は、例えば、L字状に形成されており、一端部が延長部54の積載面54A上面に支持されている。本実施形態では、エンドガイド58と延長部54は金属製とされており、エンドガイド58が磁力により延長部54に着脱可能に吸着される構成とされている。エンドガイド58は、第2延長ユニット60が取り付けられる際には、延長部54から離脱される。
【0067】
かさ上げ部52側の一端部から延長部54側の他端部までの長さ(装置幅方向に沿った長さ)は、A3サイズの記録媒体Pの長手方向の長さよりも長い。本実施形態では、かさ上げ部52側の一端部から延長部54側の他端部までの長さ(装置幅方向に沿った長さ)は、864mmの長さの記録媒体Pの末端がはみ出さない長さとされている。本実施形態では、かさ上げ部52及び延長部54上に積載される長尺の記録媒体Pとして、例えば、長手方向の長さが488mmより長く、864mm以下のサイズの記録媒体Pが積載可能とされている。
【0068】
取付装置14における装置奥行き方向(すなわち、矢印Z方向)両側の側壁56には、延長部54の上に積載された記録媒体Pの上部に空気を送り込む複数の空気吹出部44が設けられている。
【0069】
(第2延長ユニット)
図4図8及び図9に示されるように、第2延長ユニット60は、本体部14Aのかさ上げ部52と反対側の端部、すなわち延長部54側の端部に設けられている。第2延長ユニット60は、本体部12の積載部16に対して記録媒体Pの長手方向の一端側(すなわち、記録媒体Pの搬送方向の上流側)に設けられている。第2延長ユニット60は、本体部14Aに取り付けられる第1支持部62と、延長部54と第1支持部62との間に斜め方向に掛け渡される第2支持部64と、を備えている。第1支持部62は、本体部12に取り付けられた取付装置14の本体部14Aに接続されている。すなわち、第1支持部62は、本体部12に間接的に固定され、積載部16が上昇した場合でも、上昇しないように構成されている。第1支持部62は、本体部14Aから外側に突出するように設けられている。ここで、第1延長ユニット50及び第2延長ユニット60は、延長ユニットの一例である。
【0070】
開閉カバー30には、切欠き部31が形成されており、開閉カバー30の一部を構成する角部カバー30Aが切欠き部31に着脱可能に設けられている。角部カバー30Aを取り外した状態で、第2延長ユニット60が本体部14Aに取り付けられる(図8参照)。
【0071】
第1支持部62は、本体部14Aの側壁15に固定される縦壁部62Aと、縦壁部62Aの上端から斜め方向に延びた斜面部62Bと、斜面部62Bの上端から縦壁部62Aと反対側に水平方向に延びた水平部62Cと、を備えている(図10参照)。斜面部62Bは、斜面の一例である。斜面部62Bは、水平部62Cから下り勾配となるように延びている。水平部62Cの上面には、長尺の記録媒体Pが積載される積載面63が設けられている。水平部62Cの高さは、延長部54の高さよりも高い。すなわち、第1支持部62の積載面63の高さは、積載部16がフレーム13と接触する最下降位置にある場合の積載部16の積載面16Aの高さよりも高い(図14参照)。一例として、第1支持部62は、本体部14Aの側壁15にボルト等の締結具により固定されている。第1支持部62が本体部14Aの側壁15に固定された状態で、第1支持部62は、閉止された開閉カバー30の切欠き部31に挿通されている(図8参照)。
【0072】
第2支持部64は、斜め方向の下端部64A側が延長部54に支持され、斜め方向の上端部64B側が斜面部62Bに接触している。第2支持部64は、下端部64Aの縁部が切り欠かれた切欠き部74と、切欠き部74の対向する壁に掛け渡されたロッド76と、を備えている(図11参照)。ロッド76は、装置奥行き方向(すなわち、Z方向)に配置されている。切欠き部74及びロッド76は、第2支持部64の幅方向に2箇所設けられている。
【0073】
図7に示されるように、延長部54には、ロッド76を回転可能に支持する支持片80が設けられている。支持片80は、延長部54の装置奥行き方向(すなわち、Z方向)に2箇所設けられている。支持片80には、ロッド76が挿入される凹部82が設けられている。本実施形態では、支持片80は、延長部54の積載面54Aの高さよりも低くなるように窪んだ窪み部84に設けられている。ここで、積載面54Aは、底面の一例である。
【0074】
第2支持部64のロッド76が支持片80の凹部82に挿入された状態で、第2支持部64が支持片80に対して回転可能とされている。第2支持部64の上端部64Bは、斜面部62Bに接触している(図12参照)。第2支持部64は、積載部16の側の延長部54から上り勾配となるように傾斜している。第2支持部64は、延長部54の上昇に伴って斜面部62Bと摺動可能とされている(図13参照)。また、図13参照の状態から更に積載面54Aが上昇した場合、第2支持部64の上端部64Bは水平部62Cの積載面63に沿って記録媒体Pの搬送方向上流側に摺動し、水平部62C上に重なった状態となる。
【0075】
かさ上げ部52、延長部54及び第2延長ユニット60の上には、一例として、長手方向の長さが864mmより長く、1500mm以下のサイズの長尺の記録媒体Pが積載される。その際、記録媒体Pの長手方向の一端部側は、かさ上げ部52上に配置され、記録媒体Pの長手方向の他端部側は、延長部54から第2支持部64を経て第1支持部62の水平部62Cの上に配置される。第2支持部64及び第1支持部62は、昇降装置100により積載部16が上昇する過程で、記録媒体Pの搬送方向上流側を下方から支持する。水平部62Cの高さは、延長部54の高さよりも高いため、長尺の記録媒体Pは図4に示す側面視にてクランク状となる。
【0076】
図4に示されるように、シート収容装置10では、かさ上げ部52、延長部54及び第2延長ユニット60の上に積載された複数の記録媒体Pの間に空気吹出部44から空気が吹き込まれる。さらに、最上部の記録媒体Pが吸着部42により吸着され、吸着部42が記録媒体Pの搬送方向下流側に移動することで、吸着部42に吸着された記録媒体Pが給紙ロール40により矢印A方向に送り出される。
【0077】
(昇降装置)
図14には、昇降装置100の構成が側面図にて示されている。また、図15には、昇降装置100の構成が斜視図にて示されている。図14では、昇降装置100の構成を分かりやすくするため、模式的な構成を図示している。
【0078】
図14及び図15に示されるように、昇降装置100は、積載部16の奥行き方向の一方(図15では矢印Z方向の手前側)の下部に連結された2本のワイヤ102A、102Bと、本体部12の上部側に配置されると共にワイヤ102A、102Bがそれぞれ巻き掛けられるプーリ104A、104Bと、を備えている。また、昇降装置100は、プーリ104A、104Bからの2本のワイヤ102A、102Bを巻き上げる巻き上げプーリ106を備えている(図13参照)。
【0079】
昇降装置100は、図示を省略するが、積載部16の奥行き方向の他方(図14では矢印Z方向の奥側)にも、2本のワイヤ102A、102Bと、プーリ104A、104Bと、巻き上げプーリ106(図14に図示)と、を備えている。図14に示されるように、装置奥行き方向両側の巻き上げプーリ106は、プーリ軸108で接続されている。巻き上げプーリ106には、カップリング機構120(図15参照)を介してモータ110が接続されている。カップリング機構120は、巻き上げプーリ106とモータ110とを接続し、又は接続を遮断する構成とされている。
【0080】
図15に示されるように、積載部16の下部には、装置奥行き方向(矢印Z方向)に沿って2本のフレーム112が取り付けられており、2本のワイヤ102A、102Bは、それぞれフレーム112に連結されている。ワイヤ102Aは、積載部16における記録媒体Pの搬送方向下流側に配置されている(図14参照)。ワイヤ102Bは、積載部16における記録媒体Pの搬送方向上流側に配置されている(図14参照)。ワイヤ102Aは、下流側ワイヤの一例であり、ワイヤ102Bは、上流側ワイヤの一例である。第2延長ユニット60(図4参照)は、ワイヤ102Bよりも記録媒体Pの搬送方向上流側で記録媒体Pを支持する構成とされている。
【0081】
図14に示されるように、本体部12の内部には、水平方向に配置されると共に、積載部16が最下降位置まで下降したときに積載部16の下部が接触するフレーム13が設けられている。積載部16がフレーム13と接触する最下降位置まで下降した状態で、積載部16の上にかさ上げ部52が配置されると共に、かさ上げ部52における記録媒体Pの搬送方向上流側の側部に延長部54が取り付けられている。
【0082】
図14に示されるように、昇降装置100には、積載部16の上側(図14ではかさ上げ部52及び延長部54の上)に積載された記録媒体Pの最上部の記録媒体Pの位置を検出するセンサ114が設けられている。昇降装置100では、センサ114による検出信号に基づき、モータ110を回転させることで、記録媒体Pの最上部の記録媒体Pの位置が定められた高さとなるように、積載部16を上昇させる。
【0083】
<作用及び効果>
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0084】
シート収容装置10では、通常サイズよりも長手方向の長い長尺の記録媒体P(例えば、864mmより長く、1200mmまでの長さの記録媒体P)を使用する際には、本体部12に取付装置14を取り付け、さらに取付装置14の第1延長ユニット50を延長する第2延長ユニット60を取り付ける。
【0085】
第1延長ユニット50は、積載部16上に配置されるかさ上げ部52と、かさ上げ部52の上下方向上側の側部に図示しない締結具により取り付けられた延長部54と、を備えている。第1延長ユニット50は、昇降装置100による積載部16の上昇に伴って上昇する。すなわち、積載部16上のかさ上げ部52と、かさ上げ部52の上下方向上側の側部に取り付けられた延長部54とが積載部16と一体として上昇する。
【0086】
第2延長ユニット60は、第1支持部62と第2支持部64とを備えている。第1支持部62の縦壁部62Aは、ボルト等の締結具により取付装置14の本体部14Aの側壁15に固定される。第2支持部64のロッド76は、延長部54に設けられた支持片80の凹部82に挿入され、第2支持部64の上端部64Bを斜面部62Bに接触させる。
【0087】
かさ上げ部52、延長部54及び第2延長ユニット60(すなわち第2支持部64及び第1支持部62)の上には、長尺の記録媒体Pが積載される(図4参照)。かさ上げ部52には、長尺の記録媒体Pの搬送方向の下流側が支持され、第2延長ユニット60には、長尺の記録媒体Pの搬送方向の上流側が支持される。
【0088】
第1支持部62は、本体部14Aの側壁15に固定されているため、昇降装置100により積載部16及び第1延長ユニット50が上昇しても、第2延長ユニット60は上昇しない。第2支持部64の上端部64Bは、延長部54の上昇に伴って斜面部62Bと摺動可能とされており、延長部54の上昇に伴って積載面54Aに対する斜面部62Bの角度が小さくなる(図12及び図13参照)。
【0089】
昇降装置100は、かさ上げ部52の上側に積載された記録媒体Pの最上部の記録媒体Pの位置が定められた高さとなるように、積載部16を上昇させる(図4参照)。この状態で、シート収容装置10では、搬送部38により記録媒体Pが一枚ずつ画像形成装置202に供給される。
【0090】
上記のシート収容装置10では、第2延長ユニット60の第1支持部62は、本体部12に取り付けられた取付装置14の本体部14Aに接続されている。第2延長ユニット60は、昇降装置100により積載部16が上昇する過程で記録媒体Pの搬送方向上流側を下方から支持する。このため、シート収容装置10では、積載部にシートの全質量がかかる構成と比較して、昇降装置100の負荷が低減される。
【0091】
また、シート収容装置10では、第2延長ユニット60は、本体部14Aから外側に突出した位置に設けられている。このため、シート収容装置10では、本体部内に支持部を収容する場合と比較して、本体部12及び本体部14Aがコンパクトになる。
【0092】
また、シート収容装置10では、積載部16に対して記録媒体Pの長手方向の一端側に第2延長ユニット60が設けられている。このため、シート収容装置10では、積載部のみにシートを積載する場合と比較して、通常サイズ以外の長尺の記録媒体Pが積載される。
【0093】
また、シート収容装置10では、積載部16に積載された記録媒体Pを搬送する搬送部38が設けられており、第2延長ユニット60は、記録媒体Pの搬送方向における上流側の部分を支持する。このため、シート収容装置10では、支持部がシートの搬送方向における下流側を支持する構成と比較して、第2延長ユニット60による記録媒体Pの支持が安定化する。
【0094】
また、シート収容装置10では、搬送部38は、積載部16の上側に積載された記録媒体Pに空気を吹き込み、最上部の記録媒体Pを吸着して搬送する構成とされている。このため、シート収容装置10では、積載部に積載されたシートのうち最上部のシートを給紙ロールのみによって搬送する場合と比較して、記録媒体Pの重送が抑制される。
【0095】
また、シート収容装置10では、記録媒体Pが積載される第2延長ユニット60の第1支持部62の積載面63の高さは、積載部16が最下降位置にある場合の積載部16の積載面16Aの高さよりも高い。このため、シート収容装置10では、支持部の積載面の高さが積載部の積載面の高さよりも低いと比較して、積載部16が上昇した場合に記録媒体Pの質量を支持しやすい。
【0096】
また、シート収容装置10では、昇降装置100は、ワイヤ102A、102Bを備えている。第2延長ユニット60は、記録媒体Pの搬送方向上流側のワイヤ102Bよりも記録媒体Pの搬送方向上流側で記録媒体Pを支持する。このため、シート収容装置10では、支持部が上流側ワイヤよりもシートの搬送方向下流側でシートを支持する場合と比較して、積載部16及び第1延長ユニット50の上昇時に第2延長ユニット60と干渉しにくい。
【0097】
また、シート収容装置10では、第2延長ユニット60の第1支持部62が本体部14Aに固定されている。このため、シート収容装置10では、支持部が積載部に固定されている場合と比較して、構造が簡単になる。
【0098】
また、シート収容装置10では、記録媒体Pの搬送方向における積載部16の下流側端部と第2延長ユニット60の第1支持部62の上流側端部の長さは、一例として、A3サイズのシートの長手方向の長さよりも長く、1200mmより短い。このため、シート収容装置10では、A3サイズよりも長いシートが積載可能となる。
【0099】
また、シート収容装置10では、記録媒体Pの搬送方向における積載部16の下流側端部から第2延長ユニット60の第1支持部62の上流側端部までの長さは、1200mmの長さの記録媒体Pの末端がはみ出さない長さとされている。一例として、1200mm以上、1700mm以下の長さである。このため、シート収容装置10では、1200mmの長さの記録媒体Pが積載可能となる。
【0100】
また、シート収容装置10では、第2延長ユニット60は、積載部16の側から上り勾配となるように傾斜する第2支持部64と、第2支持部64の上側から水平方向に延びる第1支持部62の水平部62Cと、を備えている。このため、シート収容装置10では、積載部の側と水平部との間に空間がある構成と比較して、記録媒体Pを積載したときに記録媒体Pが垂れ下がることが抑制される。
【0101】
また、シート収容装置10では、第2支持部64の下端部は、延長部54に対して回転可能に支持されており、第2支持部64の上端部は、積載部16の上昇により水平部62Cから下り勾配となるように延びた斜面部62Bに摺動可能とされている。このため、シート収容装置10では、傾斜部の下端部は積載部の側の底面に固定されている場合と比較して、水平部62Cと第2支持部64との間からの記録媒体Pの垂れ下がりが抑制される。
【0102】
また、シート収容装置10では、積載部16と第2延長ユニット60との間に、積載部16に取り付けられて積載部16の長さを延長する第1延長ユニット50が設けられている。このため、シート収容装置10では、積載部に支持部が直接設けられている場合と比較して、長いサイズの記録媒体Pが積載される。
【0103】
また、画像形成システム200は、シート収容装置10と、シート収容装置10から搬送された記録媒体Pに画像を形成する画像形成装置202と、を有する。このため、画像形成システム200では、積載部にシートの全質量がかかる構成と比較して、昇降装置100の負荷が低減される。
【0104】
また、第2延長ユニット60は、シート収容装置10の本体部14Aに取り付けられ、積載部16が本体部14Aに対し上昇する過程で、積載部16に積載された記録媒体Pの一部を下方から支持する。このため、第2延長ユニット60では、積載部にシートの全質量がかかる構成と比較して、上昇部の負荷が低減される。
【0105】
また、第2延長ユニット60は、積載部16の側から上り勾配となるように傾斜する第2支持部64と、第2支持部64の上側から水平方向に延びる第1支持部62の水平部62Cと、を備える。このため、第2延長ユニット60では、積載部の側と水平部との間に空間がある構成と比較して、記録媒体Pを積載したときに記録媒体Pが垂れ下がることが抑制される。
【0106】
また、第2延長ユニット60と積載部16の間には、積載部16に取り付けられて、積載部16の長さを延長する第1延長ユニット50が設けられている。このため、積載部に支持部が直接設けられる場合と比較して、長いサイズの記録媒体Pが積載される。
【0107】
〔補足説明〕
本実施形態のシート収容装置10では、第2延長ユニット60の第1支持部62が本体部12に取付装置14の本体部14Aを介して接続、すなわち、本体部12に間接的に接続されていたが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、第2延長ユニットの第1支持部が本体部に直接接続される構成でもよい。
【0108】
本実施形態において、延長部54に対する第2支持部64の支持構造は変更が可能である。例えば、第2支持部を延長部に別体のヒンジ構造により回転可能に取り付ける構成でもよい。
【0109】
本実施形態において、第2延長ユニット60は、第1支持部62と第2支持部64とを備えていたが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、第2延長ユニットの構成部品及び形状は変更が可能である。
【0110】
本実施形態では、シート収容装置10は、画像形成装置202よりも記録媒体Pの搬送方向上流側に設けられ、シート収容装置10から画像形成装置202に記録媒体Pを搬送したが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、シート収容装置を画像形成装置よりも記録媒体の搬送方向下流側に設け、画像形成装置により画像が形成された記録媒体をシート収容装置に回収する構成でもよい。
【0111】
また、シート収容装置10では、記録媒体Pが使用されているが、本開示のシート収容装置は、記録媒体に限られない。本開示のシート収容装置では、例えば、記録媒体以外のシート状媒体(例えば、金属製シート、樹脂製シート、布製シートなど)であれば適用可能である。
【0112】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0113】
10 シート収容装置
12 本体部
14A 本体部
16 積載部
38 搬送部
40 給紙ロール(搬送部の一例)
42 吸着部(搬送部の一例)
44 空気吹出部(搬送部の一例)
50 第1延長ユニット(延長積載部の一例、延長ユニットの一例)
52 かさ上げ部(延長積載部の一例)
54 延長部(延長積載部の一例)
54A 積載面(底面の一例)
60 第2延長ユニット(支持部の一例、延長ユニットの一例)
62 第1支持部(支持部の一例)
62B 斜面部(斜面の一例)
62C 水平部
63 積載面
64 第2支持部(傾斜部の一例)
64A 下端部
64B 上端部
100 昇降装置(上昇部の一例)
102A ワイヤ(下流側ワイヤの一例)
102B ワイヤ(上流側ワイヤの一例)
200 画像形成システム
202 画像形成装置
P 記録媒体(シートの一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15