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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】通紙表示装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/06 20060101AFI20231212BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231212BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20231212BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
B65H7/06
G03G21/00 386
B41J2/01 305
B41J2/01 451
B41J2/01 401
B41J29/42 E
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019160793
(22)【出願日】2019-09-04
(65)【公開番号】P2021038069
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高野 智弘
(72)【発明者】
【氏名】松月 優人
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 崇
(72)【発明者】
【氏名】田口 義之
【審査官】山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-215377(JP,A)
【文献】特開平09-150992(JP,A)
【文献】特開平01-299141(JP,A)
【文献】特開昭61-248838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/06
G03G 21/00
B41J 2/01
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた通紙経路上の複数箇所の各々に対応する複数の個別表示部を備えた通紙確認部と、
前記複数の個別表示部のうちの通紙された箇所に対応する個別表示部に通紙されたことを表示させる通紙確認制御部とを備え
前記通紙確認制御部が、前記複数箇所のうちのいずれかの第1箇所への通紙がないまま該第1箇所よりも下流側の第2箇所に通紙された場合に、前記通紙確認部に通紙の誤りを表示させることを特徴とする通紙表示装置。
【請求項2】
前記通紙確認制御部が、前記第1箇所に対応する前記個別表示部に通紙の誤りを表示させることを特徴とする請求項に記載の通紙表示装置。
【請求項3】
前記通紙確認制御部が、前記第2箇所に対応する前記個別表示部に通紙の誤りを表示させることを特徴とする請求項に記載の通紙表示装置。
【請求項4】
前記通紙確認制御部が、前記複数箇所に対応する前記複数の個別表示部に通紙の誤りを表示させることを特徴とする請求項に記載の通紙表示装置。
【請求項5】
前記通紙確認部が、前記複数箇所に対応する前記複数の個別表示部とは別に通紙の誤りを表示する誤り表示部を備え、
前記通紙確認制御部が、前記誤り表示部に通紙の誤りを表示させることを特徴とする請求項に記載の通紙表示装置。
【請求項6】
前記通紙されたことの表示が点灯であって、前記通紙の誤りの表示が点滅であることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の通紙表示装置。
【請求項7】
前記通紙の誤りの表示が、前記通紙されたことの表示とは異なる色の表示であることを特徴とする請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の通紙表示装置。
【請求項8】
前記通紙確認部が、音を発する発音部を備え、
前記通紙確認制御部が、前記複数箇所のうちのいずれかの第1箇所への通紙がないまま該第1箇所よりも下流側の第2箇所に通紙された場合に、前記発音部に通紙の誤りを表す音を発生させることを特徴とする請求項1からのうちのいずれか1項に記載の通紙表示装置。
【請求項9】
前記複数の個別表示部が、前記通紙経路とは別途に設けられていることを特徴とする請求項1からに記載の通紙表示装置。
【請求項10】
前記複数の個別表示部が、配列されていることを特徴とする請求項に記載の通紙表示装置。
【請求項11】
前記通紙確認部が、前記複数の個別表示部を備えるとともに、前記通紙経路上の複数箇所の各々に、通紙の道標となる道標表示部を備え、
前記通紙確認制御部が、前記複数箇所のうちの通紙された最下流である第3箇所の次の下流側である第4箇所に対応する前記道標表示部に、当該道標表示部に対応する箇所が次に通紙すべき当該第4箇所であることを表示させることを特徴とする請求項10に記載の通紙表示装置。
【請求項12】
前記通紙確認部が、前記通紙経路を模した模式図を有し、
前記複数の個別表示部が、前記通紙経路上の複数箇所の各々に対応する前記模式図上の各位置に配置されていることを特徴とする請求項に記載の通紙表示装置。
【請求項13】
前記通紙確認部が、前記複数の個別表示部の各々を、前記通紙経路上の複数箇所の各々に備えていることを特徴とする請求項1からに記載の通紙表示装置。
【請求項14】
前記通紙確認制御部が、前記複数箇所のうちの通紙された最下流である第3箇所の次の下流側である第4箇所に対応する前記個別表示部に、当該個別表示部に対応する箇所が次に通紙すべき当該第4箇所であることを表示させることを特徴とする請求項13に記載の通紙表示装置。
【請求項15】
請求項1から14のうちのいずれか1項に記載の通紙表示装置を備え、前記通紙経路を少なくとも一部に含む通紙経路に通紙された連続用紙に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通紙表示装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
連続用紙に画像を形成する画像形成装置が知られている。例えば、特許文献1には、用紙の経路長が長くなすると経路が複雑になり用紙を通紙させることが困難になる場合があることを課題とする画像形成装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-055471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、通紙の誤りを抑制する通紙表示装置、およびその通紙表示装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、
予め定められた通紙経路上の複数箇所の各々に対応する複数の個別表示部を備えた通紙確認部と、
前記複数の個別表示部のうちの通紙された箇所に対応する個別表示部に通紙されたことを表示させる通紙確認制御部とを備え
前記通紙確認制御部が、前記複数箇所のうちのいずれかの第1箇所への通紙がないまま該第1箇所よりも下流側の第2箇所に通紙された場合に、前記通紙確認部に通紙の誤りを表示させることを特徴とする通紙表示装置である。
【0007】
請求項に係る発明は、前記通紙確認制御部が、前記第1箇所に対応する前記個別表示部に通紙の誤りを表示させることを特徴とする請求項に記載の通紙表示装置である。
【0008】
請求項に係る発明は、前記通紙確認制御部が、前記第2箇所に対応する前記個別表示
部に通紙の誤りを表示させることを特徴とする請求項に記載の通紙表示装置である。
【0009】
請求項に係る発明は、前記通紙確認制御部が、前記複数箇所に対応する前記複数の個別表示部に通紙の誤りを表示させることを特徴とする請求項に記載の通紙表示装置である。
【0010】
請求項に係る発明は、
前記通紙確認部が、前記複数箇所に対応する前記複数の個別表示部とは別に通紙の誤りを表示する誤り表示部を備え、
前記通紙確認制御部が、前記誤り表示部に通紙の誤りを表示させることを特徴とする請求項に記載の通紙表示装置である。
【0011】
請求項に係る発明は、前記通紙されたことの表示が点灯であって、前記通紙の誤りの表示が点滅であることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の通紙表示装置である。
【0012】
請求項7に係る発明は、前記通紙の誤りの表示が、前記通紙されたことの表示とは異なる色の表示であることを特徴とする請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の通紙表示装置である。
【0013】
請求項に係る発明は、
前記通紙確認部が、音を発する発音部を備え、
前記通紙確認制御部が、前記複数箇所のうちのいずれかの第1箇所への通紙がないまま該第1箇所よりも下流側の第2箇所に通紙された場合に、前記発音部に通紙の誤りを表す音を発生させることを特徴とする請求項1からのうちのいずれか1項に記載の通紙表示装置である。
【0014】
請求項に係る発明は、前記複数の個別表示部が、前記通紙経路とは別途に設けられていることを特徴とする請求項1からに記載の通紙表示装置である。
【0015】
請求項10に係る発明は、前記複数の個別表示部が、配列されていることを特徴とする請求項に記載の通紙表示装置である。
【0016】
請求項11に係る発明は、
前記通紙確認部が、前記複数の個別表示部を備えるとともに、前記通紙経路上の複数箇所の各々に、通紙の道標となる道標表示部を備え、
前記通紙確認制御部が、前記複数箇所のうちの通紙された最下流である第3箇所の次の下流側である第4箇所に対応する前記道標表示部に、当該道標表示部に対応する箇所が次に通紙すべき当該第4箇所であることを表示させることを特徴とする請求項10に記載の通紙表示装置である。
【0017】
請求項12に係る発明は、
前記通紙確認部が、前記通紙経路を模した模式図を有し、
前記複数の個別表示部が、前記通紙経路上の複数箇所の各々に対応する前記模式図上の各位置に配置されていることを特徴とする請求項9に記載の通紙表示装置である。
【0018】
請求項13に係る発明は、前記通紙確認部が、前記複数の個別表示部の各々を、前記通紙経路上の複数箇所の各々に備えていることを特徴とする請求項1からに記載の通紙表示装置である。
【0019】
請求項14に係る発明は、前記通紙確認制御部が、前記複数箇所のうちの通紙された最下流である第3箇所の次の下流側である第4箇所に対応する前記個別表示部に、当該個別表示部に対応する箇所が次に通紙すべき当該第4箇所であることを表示させることを特徴とする請求項13に記載の通紙表示装置である。
【0020】
請求項15に係る発明は、請求項1から14のうちのいずれか1項に記載の通紙表示装置を備え、前記通紙経路を少なくとも一部に含む通紙経路に通紙された連続用紙に画像を形成することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の通紙表示装置および請求項15の画像形成装置によれば、この通紙表示装置を備えていない画像形成装置と比べ、通紙の誤りが抑制される。
【0022】
また、請求項の通紙表示装置および請求項15の画像形成装置によれば、通紙されたことのみを表示する通紙表示装置を備えた場合と比べ、通紙の誤りが抑制される。
【0023】
請求項の通紙表示装置によれば、第1箇所以外の箇所に対応する個別表示部に通紙の誤りを表示させる場合と比べ、通紙を抜かした箇所が分かりやすい。
【0024】
請求項の通紙表示装置によれば、第2箇所以外の箇所に対応する個別表示部に通紙の誤りを表示させる場合と比べ、通紙を今間違えたことが分かりやすい。
【0025】
請求項の通紙表示装置によれば、いずれか1か所の個別表示部に通紙の誤りを表示させる場合と比べ、通紙を誤ったことが分かりやすい。
【0026】
請求項の通紙表示装置によれば、個別表示部に通紙の誤りを表示させる場合と比べ、通紙を誤ったことが分かりやすい。
【0027】
請求項の通紙表示装置によれば、点灯と点滅との相違よりも近似した表示態様と比べ、通紙を誤ったことが分かりやすい。
【0028】
請求項の通紙表示装置によれば、色が異なることの相違よりも近似した表示態様と比べ、通紙を誤ったことが分かりやすい。
【0029】
請求項の通紙表示装置によれば、発音部が存在しない場合と比べ、通紙を誤ったことが分かりやすい。
【0030】
請求項の通紙表示装置によれば、個別表示部を通紙経路上に備えている場合と比べ、通紙確認部の全体の表示状態の視認が容易である。
【0031】
請求項10の通紙表示装置によれば、個別表示部が配列されていない場合と比べ、通紙の進度を把握しやすい。
【0032】
請求項11の通紙表示装置によれば、道標表示部を備えていない場合と比べ、通紙の誤りが抑制される。
【0033】
請求項12の通紙表示装置によれば、模式図が存在しない場合、あるいは個別表示部が模式図上の対応する各位置に配置されていない場合と比べ、通紙の経路および進度を把握しやすい。
【0034】
請求項13の通紙表示装置によれば、通紙確認部が通紙経路とは別途に設けられている場合と比べ、現時点の通紙箇所における通紙の成否を把握しやすい。
【0035】
請求項14の通紙表示装置によれば、次に通紙すべき箇所の表示がない場合と比べ、通紙の誤りが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の第1例の画像形成装置の概略構成図である。
図2】通紙確認部と通紙確認制御部を示した模式図である。
図3】本体ユニットに正常に通紙された場合の、LDEが点灯していく様子を時系列的に示した図である。
図4】通紙確認制御部内で実行される第1例の通紙確認制御プログラムのフローチャートを示した図である。
図5】通紙ミスがあったときの表示態様の第1例(A)~第6例(F)を示した図である。
図6】通紙確認制御部内で実行される第2例の通紙確認制御プログラムのフローチャートを示した図である。
図7】通紙確認部におけるLEDの配列の第2例を示した図である。
図8】本発明の第2例の画像形成装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0038】
図1は、本発明の第1例の画像形成装置の概略構成図である。この画像形成装置10には、本発明の第1例としての通紙表示装置が含まれている。
【0039】
この画像形成装置10は、給紙ユニット20と、本体ユニット30と、巻取ユニット40とを備えている。
【0040】
給紙ユニット20には、長尺の用紙Pが卷回されたロールRがセットされる。そして、この給紙ユニット20は、そのロールRを矢印UWの向きに回転させながら、用紙Pを本体ユニット30に供給する。
【0041】
本体ユニット30は、用紙搬送用の複数本の搬送ロール31と、画像書込み用の印字ヘッド32と、乾燥ドラム33とを備えている。この本体ユニット30内では、給紙ユニット20から供給されてきた用紙Pは、複数本の搬送ロール31に巻き架けられて、印字ヘッド32および乾燥ドラム33を経由する矢印xで示す用紙搬送路に沿って搬送される。
【0042】
印字ヘッド32では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、サイアン(C)、および黒(K)の各色のインクが使用され、用紙P上に、インクジェット方式による画像形成が行なわれる。画像形成後の用紙Pは、乾燥ドラム33に巻き架けられて乾燥された後、巻取ユニット40に送りだされる。
【0043】
巻取ユニット40では、本体ユニット30から送り込まれてきた用紙Pを矢印Wの向きに巻き取る。
【0044】
本体ユニット30には、さらに、制御部34と操作表示部35が備えられている。制御部34は、この画像形成装置10の全体の制御を担っている。ここで、制御部34には、図2に示す通紙確認制御部60が備えられている。
【0045】
また、操作表示部34は、この画像形成装置10とその操作者との間を繋ぐユーザインターフェースである。具体的には、操作表示部34には、この画像形成装置10の状態を表示する表示部や操作者がこの画像形成装置10に指示を与えるための操作ボタン等が備えられている。この操作表示部34には、表示部や操作ボタンが一体となったタッチパネル式のものであってもよい。この操作表示部34には、図2に示す通紙確認部50が含まれている。
【0046】
本体ユニット30にはさらに複数のセンサ36が備えられている。これらのセンサ36は、各センサ36が設置された箇所に用紙Pが存在するか否かを検出するセンサである。各センサ36による検出結果は、制御部34に入力される。
【0047】
この画像形成装置10の稼働前には、本体ユニット30内の各搬送ロール31に、用紙Pを、この図1に示す矢印xに沿う搬送経路に沿うように通紙する必要がある。本実施形態の画像形成装置10の場合、用紙Pの通紙にあたっては、作業員が人手で通紙する必要がある。仮に、例えば図1に示す矢印X'のように通紙するなど、通紙の経路を誤り、そのまま稼働を開始すると、用紙搬送がうまくいかずに用紙Pが破断するおそれがある。そこで、本実施形態は、センサ36を備えて、正しい経路に沿って通紙されているか否かを監視することとしている。
【0048】
図2は、通紙確認部と通紙確認制御部を示した模式図である。
【0049】
通紙確認部50は、図1の操作表示部35の一部を構成しており、ここには、LED51の配列の第1例として、一列に配列されたLED51が示されている。配列されたLED51の個数は、図1に示したセンサ36の個数と一致していて、各LED51は、各センサ36にそれぞれ対応している。これらのLED51は、本発明にいう個別表示部に一例に相当する。なお、ここでは、LED51が配列されているものとしているが、表示画面内に表示される表示体であってもよい。ただし、ここでは、LEDが配列されているものとして説明を続ける。
【0050】
また、通紙確認制御部60は、図1の制御部34に組み込まれている、通紙確認部50のLED51の制御を担当している部分である。この通紙確認制御部60では、後述する通紙確認制御プログラムが実行されて、各LED51の点灯(連続点灯;オン)、点滅、および消灯(オフ)が制御される。また、各LED51は複数色で点灯するLEDであり、通紙確認制御部60は、LED51をどの色で点灯あるいは点滅させるかも制御している。また、この通紙確認制御部60は、後述する実施形態によっては、LED51の制御のみでなく、別のLED52やブザー53(図5参照)の制御も担っている。
【0051】
図3は、本体ユニットに正常に通紙された場合の、LDEが点灯していく様子を時系列的に示した図である。
【0052】
図3(A)は、通紙開始前の段階を表している。ここでは、全てのLED61がオフとなっている。
【0053】
図3(B)は、矢印xで示した搬送経路上の最上流に設置されているセンサ36_1に近接した搬送ロール31_1に用紙Pが巻き架けられ、次の搬送ロール31_2には未だ巻き架けられていない段階を表している。ここでは、最初の1個のLED51_1のみがオンとなっている。このときのLED51_1の点灯色を、点灯色1とする。
【0054】
図3(C)は、矢印xで示した搬送経路上の最上流および2番目に設置されている2つのセンサ36_1,36_2に近接した2本の搬送ロール31_1,31_2に用紙Pが巻き架けられ、次の搬送ロール31_3には未だ巻き架けられていない段階を表している。以下、同様にして、図3(D)→・・→図3(E)→図3(F)のように、通紙が進むにしたがって、最下流のセンサ36_12に対応するLED51_12まで順次に点灯する。
【0055】
図4は、通紙確認制御部内で実行される第1例の通紙確認制御プログラムのフローチャートを示した図である。
【0056】
ここでは、先ず、変数nに1が代入される(ステップS01)。そして、そのセンサn(ここではセンサ1)が用紙Pを検出していることを表すオンであるか否かが判定される(ステップS02)。センサnがオンのときは、そのセンサnに対応するLEDnをオンにする(ステップS03)。このステップS03よりも前にセンサnがオン(すなわちLEDnがオン)の場合もあるが、その場合は、LEDnのオンが上書きされるだけで状態の変化はない。また、ステップS02でセンサnがオフの状態にあると判定したときは、そのセンサnに対応するLEDnをオフにする(ステップS04)。ステップS03と同様、ステップS04よりも前にセンサnがオフ(すなわちLEDnがオフ)の場合もあるが、その場合は、LEDnのオフが上書きされるだけで状態の変化はない。
【0057】
ステップS03あるいはステップS04の実行の後、変数nが、本体ユニット30に備えられたセンサ36の個数N、すなわち、通紙確認部50に配列されているLED51の個数Nに達したか否かが判定される(ステップS05)。変数nが個数Nに未だ達していないときは、nが1だけインクリメントされて(ステップS06)、ステップS02に戻り、上記と同じ処理が繰り返される。一方、変数nが個数Nに達したときは、ステップS01に戻って、変数nに再度1が代入されて、上記の処理が繰り返される。
【0058】
図2の通紙確認制御部60において、この図4に示した第1例の通紙確認制御プログラムが実行されると、通紙が正しく行われたときは、図3に示したとおり、LED51が順次に最後まで点灯し、この点灯により、通紙が正しく行われたことが確認される。
【0059】
図5は、通紙ミスがあったときの表示態様の第1例(A)~第6例(F)を示した図である。
【0060】
ここでは、第1例(A)~第6例(F)のいずれにおいても、図1に示した12個のセンサ36のうちのセンサ36_1~36_4に対応する搬送ロール31_1~31_4までは正常に通紙され、次のセンサ36_5に対応する搬送ロール31_5には通紙されずに、図1に矢印x'で示すルートを通って次のセンサ36_6に対応する搬送ロール31_6に通紙されたものとする。
【0061】
図5(A)に示す第1例は、図2に示した通紙確認制御部60での、図4に示した第1例の通紙確認制御プログラムの実行による、通紙ミスがあったときの表示態様である。
【0062】
図4に示した第1例の通紙確認制御プログラムの場合、単純に、用紙Pを検出したセンサ36に対応するLED51をオンとし、用紙Pを検出していないセンサ36に対応するLED51をオフとしている。このため、図5(A)では、LED51_1~51_4が点灯し、LED51_5はオフのまま、次のLED51_6が点灯している。
【0063】
この図5(A)の表示を確認することにより、通紙ミスがあったこと、および通紙されていない箇所が判明する。
【0064】
図5(B)に示す第2例の場合、センサ36_5がオフのままセンサ36_6がオンになると、センサ36_6に対応するLED51_6を点灯させるとともに、センサ36_5に対応するLED51_5を点滅させている。あるいは、点滅の代わりに異なる表示色である表示色2で点灯させてもよい。さらには、その異なる表示色である表示色2で点滅させてもよい。このように、通紙ミスのあった箇所に対応するLED51を点滅や異なる色での表示とすると、通紙ミスがあったこと、および通紙されていない箇所が強調表示される。
【0065】
この図5(B)の表示態様、および図5(C)~図5(F)の表示態様は、図4に示した第1例の通紙確認制御プログラムでは実現不能である。そこで、これらの図5(B)~~図5(F)の表示態様について実現が可能な第2例の通紙確認制御プログラムについて説明し、その後、図5に戻って、図5(C)~図5(F)の表示態様について説明する。
【0066】
図6は、通紙確認制御部内で実行される第2例の通紙確認制御プログラムのフローチャートを示した図である。
【0067】
ここでは、先ず、変数nに1が代入される(ステップS11)。そして、そのセンサn(ここではセンサ1)が用紙Pを検出していることを表すオンであるか否かが判定される(ステップS12)。センサnがオンのときは、そのセンサnに対応するLEDnをオンにする(ステップS13)。次に変数nが個数Nと同数であるか否かが判定される(ステップS14)。変数nが個数Nに未だ達していないときは、nが1だけインクリメントされて(ステップS15)、ステップS12に戻る。ステップS14において、変数nが個数Nに達していると判定されると、この図6の処理を終了する。
【0068】
ステップS12においてセンサnがオフと判定されると、ステップS16に進み、センサn+1以降のいずれかのセンサがオンか否かが判定される。そして、センサn+1以降のいずれのセンサもオフの場合は、ステップS12に戻り、センサnがオンであるか否かが再度判定される。
【0069】
センサnがオフのまま、センサn+1以降のいずれかのセンサがオンであると判定されると(ステップS16)、ステップS17の誤り処理が実行される。この誤り処理(ステップS17)の態様は、図5(B)~図5(F)の各々によって異なる。図5(B)の第2例の場合、このステップS17の誤り処理は、通紙ミスの箇所に対応するLED51の点滅表示、あるいは他と異なる表示色である表示色2での表示である。
【0070】
図5に戻って、説明を続ける。
【0071】
図5(C)に示した第3例の場合、図6のステップS17における誤り処理として、全てのLED51が、点滅表示され、あるいは異常を表す表示色2で点灯あるいは点滅表示される。
【0072】
この図5(C)の第3例の場合、通紙ミスがあったことが強調表示されが、通紙ミスのあった箇所を特定する表示はない。ただし、この通紙確認部50の表示がこの表示に変わったタイミングから通紙ミスのあった箇所を推定することができる。
【0073】
図5(D)に示した第4例の場合、通紙の誤り箇所のLED51_4を除く他の全てのLED51_1~51_3,51_5~51_12については、図5(C)の第3例と同じく、例えば点滅表示される。そして、通紙の誤り箇所のLED51_4については、他のLED51_1~51_3,51_5~51_12とは異なる表示、例えば同じ表示色1による点滅表示、あるいは異なる表示色での点灯ないしは点滅表示がなされる。
【0074】
この図5(D)の第4例の場合、図5(C)と同様に、通紙ミスがあったことが強調表示される。さらに、この図5(D)の第4例の場合、通紙ミスのあった箇所の特定もなされている。
【0075】
図5(E)に示した第5例の場合、通紙確認部50には、通紙箇所を表す12個のLED51の他に通紙ミスがあったことを表示するLED52が備えられている。この図5(E)に示した第5例の場合、通紙箇所を表す12個のLED51の表示態様は、図5(A)の第1例の場合と同様である。通紙ミスがあったときは、LED52が、例えば点滅する。このLED52は、本発明にいう誤り表示部の一例に相当する。
【0076】
この図5(E)に示した第5例の場合、通紙ミスがあるか否かは、常に1個のLED52にのみ着目していればよい。このLED52の表示により通紙ミスがあったことが分かった後で、通紙箇所を表す12個のLED51の中から、通紙ミスのあった箇所を探せばよい。
【0077】
図5(F)に示した第6例の場合、通紙確認部50には、通紙箇所を表す12個のLED51の他に通紙ミスがあったときに鳴るブザー53が備えられている。このブザー53は、本発明にいう発音部の一例に相当する。この図5(F)に示した第6例の場合、通紙箇所を表す12個のLED51の表示態様は、図5(A)の第1例や図5(E)の第5例の場合と同様である。通紙ミスがあったときは、ブザー53が鳴る。
【0078】
この図5(E)に示した第6例の場合、通紙ミスがあるか否かは、ブザー53の音で通知される。したがって、普段は、通紙確認部50に目を向けている必要はない。ブザー53の雷鳴により通紙ミスがあったことが分かった後で通紙確認部50に着目し、通紙箇所を表す12個のLED51の中から、通紙ミスのあった箇所を探せばよい。
【0079】
なお、この図5では、通紙ミスがあったときの様々な表示態様を例示したが、通紙ミスがあったときの表示態様はここに例示した態様に限られるものではなく、どのような表示態様であってもよい。
【0080】
図7は、通紙確認部におけるLEDの配列の第2例を示した図である。
【0081】
この通紙確認部50には、図1に示した画像形成装置10の本体ユニット30の通紙経路を模した模式図54が描かれている。そして、本体ユニット30内の搬送経路上の、センサ36を配置した箇所と対応する、その模式図内の箇所に、LED51が配置されている。
【0082】
このように、LED51を搬送経路と対応付けた箇所に配置すると、LED51を一列に配置した図2の場合と比べ、通紙の進行の程度や通紙ミスのあった箇所がより分かりやすく表示される。
【0083】
図8は、本発明の第2例の画像形成装置の概略構成図である。ここでは、図1に示した第1例の画像形成装置10の構成要素に対応する構成要素には、図1において付した符号と同一の符号を付して示し、相違点についてのみ、説明する。
【0084】
この図8に示した第2例の画像形成装置10には、各センサ36に隣接した位置に、各LED51が配置されている。これらのLED51の集合が、通紙確認部50を構成している。
【0085】
図2あるいは図7に示した通紙確認部50は、図1の操作表示部35に含まれているが、この図8に示すように、通紙確認部50を、本体ユニット30内の搬送経路に沿う位置に備えたLED51で構成してもよい。
【0086】
この図8に示したLED配列の態様であっても、通知ミスがあったときに、図5(A)~図5(F)のいずれかの表示態様を採用することができる。また、この図8に示したLED配列の態様の場合、通知ミスがあった第1箇所よりも下流側の、その第1箇所の通紙ミスをそのままにして通紙があった第2箇所のLED51に、通紙ミスがあったことを表示してもよい。通紙ミスが判明した時点における、通紙の作業者の居場所は第2箇所であり、したがって、第2箇所のLED51を使って通紙ミスを表示したほうが、作業者が気づきやすいからである。
【0087】
また、この図8に示したLED配列の態様の場合、正しく通紙されているときに、通紙の済んだ搬送ロール31のうちの最下流の搬送ロール31に対応するLED51よりも、さらに次に隣接する下流側のLED51を使って、通紙の道標となる表示、すなわち、次に通紙すべき箇所を指し示す表示を行ってもよい。この使い方としてのLED51は、本発明にいう道標表示部の一例に相当する。すなわち、これは、通紙確認部50を構成する個別確認部としてのLED51に道標表示部の役割を兼用させることが可能であることを意味している。
【0088】
ただし、この図8に示したLEDを本発明にいう道標表示部としてのみ用い、図1あるいは図7に示したような通紙確認部50を別途備えていてもよい。その場合、図8に示したLED51を通紙確認部50用のLED51と兼用するよりも、例えば、次の通紙の箇所を指し示すだけでなく複数のLEDの点滅の順序などで通紙の方向を指し示すなど、通紙の道標として、よりふさわしい表示を行うことも可能である。
【0089】
なお、ここでは、インクジェット方式で画像を生成する画像形成装置10について説明したが、本発明は画像形成の方式を問うものではなく、例えば電子写真方式など、他の方式で画像を生成する画像形成装置にも本発明を適用することができる。
【0090】
また、本発明は、画像形成装置には限られず、通紙が必要な装置に組み込まれ、あるいは通紙が必要な装置と連携する通紙表示装置として、広く適用することができる。
【符号の説明】
【0091】
10 画像形成装置
20 給紙ユニット
30 本体ユニット
31,31_1,・・,31_12 搬送ロール
32 印字ヘッド
33 乾燥ドラム
34 制御部
35 操作表示部
36,36_1,・・,36_12 センサ
40 巻取ユニット
50 通紙確認部
51,51_1,・・,51_12 LED
60 通紙確認制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8