IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-定着装置及び画像形成装置 図1
  • 特許-定着装置及び画像形成装置 図2
  • 特許-定着装置及び画像形成装置 図3
  • 特許-定着装置及び画像形成装置 図4
  • 特許-定着装置及び画像形成装置 図5
  • 特許-定着装置及び画像形成装置 図6
  • 特許-定着装置及び画像形成装置 図7
  • 特許-定着装置及び画像形成装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】定着装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20231212BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G03G15/20 505
G03G21/00 530
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019168037
(22)【出願日】2019-09-17
(65)【公開番号】P2021047221
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【弁理士】
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】八木 昌隆
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-184292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源を有し、画像が転写されたシートに対して加熱処理及び加圧処理を施すことによって画像をシートに定着させる定着部材と、
前記定着部材と非接触の状態で前記定着部材の周囲又は内側に配置される被加熱部材と、
前記定着部材と前記被加熱部材との間の空間に配置される仕切り部材と、
前記被加熱部材に取り付けられる複数のスペーサー部材と、
を備え
前記仕切り部材は、前記複数のスペーサー部材によって張架された状態で支持されることを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記定着部材は、
前記熱源を有し、前記シートを加熱する第1定着部材と、
前記第1定着部材に対向して配置され、前記第1定着部材との間にニップ部を形成し、前記ニップ部に通紙される前記シートを加圧する第2定着部材と、
を備え、
前記仕切り部材は、第1定着部材と、前記第1定着部材の周囲に配置されている前記被加熱部材との間の空間に配置される第1遮熱部材を有することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記第1遮熱部材は、第1の樹脂フィルムを備え、
前記第1の樹脂フィルムの熱変形温度は、前記加熱処理のための設定温度以上であることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記第1定着部材は、
前記熱源を有する加熱ローラと、
前記加熱ローラに掛架され、前記第1定着部材と前記ニップ部との間を循環移動する定着ベルトと、
を更に備え、
前記仕切り部材は、前記定着ベルトの内側において、前記第1定着部材と、前記第1定着部材の周囲に配置されている前記被加熱部材との間の空間に配置される第2遮熱部材を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の定着装置。
【請求項5】
前記定着ベルトは、樹脂基材を備えており、
前記第2遮熱部材は、第2の樹脂フィルムを備え、
前記第2の樹脂フィルムの熱変形温度は、前記樹脂基材の熱変形温度以上であることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
【請求項6】
前記仕切り部材は、前記第1定着部材と対向する表面に金属反射面を有することを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の定着装置。
【請求項7】
前記仕切り部材は、前記被加熱部材と対向する裏面側に空気層を形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の定着装置。
【請求項8】
前記複数のスペーサー部材のそれぞれは、前記仕切り部材よりも熱伝導率が低い部材であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の定着装置。
【請求項9】
請求項1乃至のいずれかに記載の定着装置と、
シートに対して画像を転写し、前記シートを前記定着装置に搬送する画像形成部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置及び画像形成装置に関し、特に定着装置における放熱ロスを削減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタやMFP(Multifunction Peripherals)などの電子写真方式の画像形成装置は、
印刷用紙などのシートに転写されたトナー画像を定着させるための定着装置を備えている。定着装置は、トナー画像が転写されたシートに対して加熱処理及び加圧処理を施すことにより、シートに画像を定着させる。
【0003】
近年、上記のような画像形成装置は、省エネルギーに関する性能アップが強く望まれている。そのため、定着装置においては、シートに対する加熱処理を行うための熱伝導率の向上や、無駄な放熱ロスの削減などが望まれている。例えば、定着装置における放熱ロスは、熱源を有する定着部材から、定着部材の周囲に配置されている部材への熱伝導を抑えることにより改善される。
【0004】
従来、定着装置における放熱ロスを改善するために、例えば定着部材に対して対向配置された対向部材の表面にアルミ製のシート部材を貼り付ける技術が提案されている(例えば特許文献1)。この従来技術では、定着部材の周囲に配置されている対向部材の表面にアルミ製のシート部材が貼り付けられるため、定着部材からの輻射熱がシート部材によって反射され、対向部材の温度上昇を或る程度は抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-15661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術は、定着部材に対向している対向部材の表面に対して直接シート部材が貼り付けられるため、シート部材から対向部材への熱伝導率が高く、シート部材の温度上昇に伴って対向部材の温度も上昇し易い傾向にある。そのため、上記従来技術よりも更に放熱ロスを削減することが望まれる。
【0007】
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、従来よりも更に効果的に放熱ロスを削減できるようにした定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、定着装置であって、熱源を有し、画像が転写されたシートに対して加熱処理及び加圧処理を施すことによって画像をシートに定着させる定着部材と、前記定着部材と非接触の状態で前記定着部材の周囲又は内側に配置される被加熱部材と、前記定着部材と前記被加熱部材との間の空間に配置される仕切り部材と、前記被加熱部材に取り付けられる複数のスペーサー部材と、を備え、前記仕切り部材は、前記複数のスペーサー部材によって張架された状態で支持されることを特徴とする構成である。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1の定着装置において、前記定着部材は、前記熱源を有し、前記シートを加熱する第1定着部材と、前記第1定着部材に対向して配置され、前記第1定着部材との間にニップ部を形成し、前記ニップ部に通紙される前記シートを加圧する第2定着部材と、を備え、前記仕切り部材は、第1定着部材と、前記第1定着部材の周囲に配置されている前記被加熱部材との間の空間に配置される第1遮熱部材を有することを特徴とする構成である。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項2の定着装置において、前記第1遮熱部材は、第1の樹脂フィルムを備え、前記第1の樹脂フィルムの熱変形温度は、前記加熱処理のための設定温度以上であることを特徴とする構成である。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3の定着装置において、前記第1定着部材は、前記熱源を有する加熱ローラと、前記加熱ローラに掛架され、前記第1定着部材と前記ニップ部との間を循環移動する定着ベルトと、を更に備え、前記仕切り部材は、前記定着ベルトの内側において、前記第1定着部材と、前記第1定着部材の周囲に配置されている前記被加熱部材との間の空間に配置される第2遮熱部材を有することを特徴とする構成である。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項4の定着装置において、前記定着ベルトは、樹脂基材を備えており、前記第2遮熱部材は、第2の樹脂フィルムを備え、前記第2の樹脂フィルムの熱変形温度は、前記樹脂基材の熱変形温度以上であることを特徴とする構成である。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項2乃至5のいずれかの定着装置において、前記仕切り部材は、前記第1定着部材と対向する表面に金属反射面を有することを特徴とする構成である。
【0014】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれかの定着装置において、前記仕切り部材は、前記被加熱部材と対向する裏面側に空気層を形成することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項に係る発明は、請求項1乃至7のいずれかの定着装置において、前記支持部材は、前記仕切り部材よりも熱伝導率が低い部材であることを特徴とする構成である。
【0017】
請求項に係る発明は、画像形成装置であって、請求項1乃至のいずれかに記載の定着装置と、シートに対して画像を転写し、前記シートを前記定着装置に搬送する画像形成部と、を備えることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、定着部材と前記被加熱部材との間の空間に配置される仕切り部材により、従来よりも更に効果的に放熱ロスを削減することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】画像形成装置の概念的構成を示す図である。
図2】第1実施形態における定着装置の構成例を示す断面図である。
図3】仕切り部材を拡大して示す図である。
図4】スペーサー部材の例を示す図である。
図5】定着部材を斜め上方からみた斜視図である。
図6】第2実施形態における定着装置の構成例を示す断面図である。
図7】フレーム部材の一構成例を示す斜視図である。
図8】フレーム部材とローラ支持板との接続部を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0021】
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置1の概念的構成を示す図である。図1に示す画像形成装置1は、タンデム方式でカラー画像を形成することが可能なプリンタである。画像形成装置1は、印刷用紙などの複数枚のシート9を収容して1枚ずつ給紙する給紙トレイ8を有し、給紙トレイ8から給紙されるシート9にカラー画像又はモノクロ画像を形成し、装置本体の上部に設けられた排出口5から排紙トレイ6上にシート9を排出する。この画像形成装置1は、装置本体の内部に、シート9を搬送する搬送部2と、搬送部2によって搬送されるシート9に対して画像を転写して画像形成を行う画像形成部3と、画像が転写されたシート9に対して加熱処理及び加圧処理を施すことによって画像をシート9に定着させる定着装置4とを備えている。画像形成装置1は、それら搬送部2、画像形成部3及び定着装置4を同期して動作させることにより、シート9に対する画像形成を行う。また画像形成装置1は、装置本体の内部に制御部7を備えており、この制御部7が搬送部2、画像形成部3及び定着装置4といった各部の動作を制御する。
【0022】
搬送部2は、給紙トレイ8と、ピックアップローラ10と、搬送ローラ12と、搬送路13と、タイミングローラ14と、二次転写ローラ15と、排出ローラ16とを有している。
【0023】
給紙トレイ8は、印刷用紙などのシート9を格納する容器である。給紙トレイ8に格納できるシート9の種類は様々であり、例えば薄紙、厚紙、普通紙、再生紙、コート紙、OHPフィルムなどがある。尚、図1では、画像形成装置1が1つの給紙トレイ8を有する場合を示しているが、複数の給紙トレイ8が設けられたものであっても構わない。
【0024】
給紙トレイ8の近傍位置にはピックアップローラ10と搬送ローラ12とが設けられる。ピックアップローラ10と搬送ローラ12は、給紙トレイ8に格納されているシート9を搬送路13へ送り出すためのローラである。ピックアップローラ10は、給紙トレイ8に収容されている最上部のシート9に当接し、その最上部にあるシート9を搬送ローラ12に向けて送り出す。搬送ローラ12は、給紙ローラ12aと分離ローラ12bとを備え、ピックアップローラ10によって複数枚のシート9が送り出された場合、最上部の1枚のシート9だけを下流側の搬送路13に給紙する機能を有している。
【0025】
搬送路13へ送り出されたシート9は、その後、タイミングローラ14によって画像が転写される位置である二次転写ローラ15に向けて送り出される。搬送路13は、画像形成装置1がシート9に対して画像形成を行う際にシート9を矢印F2方向へ搬送するための経路である。例えば、搬送部2は、搬送路13に沿って搬送中のシート9の先端がタイミングローラ14に到達すると、そこでシート9を一旦停止させる。そして搬送部2は、画像形成部3において中間転写ベルト33に形成されるトナー像が二次転写ローラ15の位置に到達するタイミングに合わせてタイミングローラ14を駆動し、シート9を二次転写ローラ15の位置へ搬送する。これにより、シート9は、二次転写ローラ15の位置を通過するときにその表面にトナー像(画像)が転写される。その後、シート9は、定着装置4に導かれて加熱処理及び加圧処理を含むトナー像の定着処理が施される。
【0026】
画像形成部3は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色のトナー像を形成し、搬送部2によって搬送されるシート9が二次転写ローラ15の位置を通過する際に、そのシート9に対してそれら4色のトナー像を同時に転写することが可能な構成である。画像形成部3は、各色に対応する複数のトナーボトル19(19Y,19M,19C,19K)と、各色に対応する複数の画像形成ユニット20(20Y,20M,20C,20K)と、各色に対応する複数の露光部25(25Y,25M,25C,25K)と、転写ユニット30とを備えている。
【0027】
転写ユニット30は、所定間隔を隔てて配置される一対のローラ31,32と、無端ベルトによって構成され、一対のローラ31,32に掛架された状態に配置される中間転写ベルト33と、中間転写ベルト33の内側において各画像形成ユニット20に対向する位置に配置される複数の一次転写ローラ34(34Y,34M,34C,34K)とを有し、これらが一体的に組み付けられたユニットである。
【0028】
一対のローラ31,32のうち、一方のローラ31は、装置本体1aの内部に設けられる駆動軸に装着されて回転する駆動ローラであり、駆動軸が回転駆動されることによって中間転写ベルト33を矢印F1方向へ循環移動させる。他方のローラ32は、装置本体1aの内部に設けられる従動軸に装着され、中間転写ベルト33の循環移動に伴い、従動回転する。これら一対のローラ31,32は、中間転写ベルト33に一定のテンションを付与した状態で装置本体1aの内部において所定間隔離れた位置に設置される。ローラ31は、駆動軸に装着されることにより、二次転写ローラ15に対向する位置に設置され、二次転写ローラ15との間に中間転写ベルト33を挟み込んだ状態で中間転写ベルト33に押圧力を付与している。そしてローラ31は、搬送部2によって搬送されるシート9を中間転写ベルト33と二次転写ローラ15との間に挟み込んで押圧することにより、中間転写ベルト33の表面に形成されているトナー像をシート9に二次転写させる。
【0029】
各色に対応する画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kは、転写ユニット30の下方位置に設けられており、各色に対応する露光部25Y,25M,25C,25Kは各画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの更に下方位置に設けられている。トナーボトル19Y,19M,19C,19Kは、転写ユニット30の上部に配置され、各画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kに対して各色のトナーを含む現像剤を供給する。
【0030】
各画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kは同様の構成を有しており、使用するトナーの色が異なるだけである。すなわち、各画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kは、感光体ドラムとして構成される像担持体21と、像担持体21の周囲に配置される、帯電部22と、現像器23と、クリーニングブレード24とを備えている。尚、以下において、各画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを区別する必要がないときには、それらを総称して画像形成ユニット20と呼ぶことがある。
【0031】
像担持体21は、ドラム表面に感光層を有しており、例えば転写ユニット30の一次転写ローラ34による転写圧が付与された中間転写ベルト33と接触した状態で右回り方向(時計回り方向)に回転する。その回転方向に沿って像担持体21の周囲には、クリーニングブレード24と、帯電部22と、現像器23とが配置されている。帯電部22は、像担持体21の表面に接する帯電ローラを備えて構成され、像担持体21の表面を所定電荷に帯電させる。露光部25は、帯電部22によって帯電した感光層を画像データに基づいて露光することにより、像担持体21の表面に静電潜像を形成する。現像器23は、トナーとキャリアとを含む現像剤が内部に充填されており、その現像剤を像担持体21の表面に供給し、静電潜像をトナーで顕像化させることにより像担持体21の表面にトナー像を形成する。像担持体21に形成されたトナー像は、中間転写ベルト33と接触する位置で中間転写ベルト33に一次転写される。一次転写ローラ34には、像担持体21の表面に形成される帯電したトナー像と逆極性となるバイアス電圧が印加されており、静電気力によって像担持体21の表面に形成されているトナー像を中間転写ベルト33に一次転写させることができる。
【0032】
各画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kは、それぞれの一次転写ローラ34Y,34M,34C,34Kと協働しながら、矢印F1方向に循環移動する中間転写ベルト33に対して各色のトナー像を順次重畳させながら一次転写していく。したがって、中間転写ベルト33が最下流の画像形成ユニット20Kの位置を通過すると、中間転写ベルト33の表面には、4色のトナー像が重畳されたカラー画像が形成される。尚、シート9にモノクロ画像を形成する場合には、画像形成ユニット20Y,20M,20Cが動作せず、K(ブラック)に対応する画像形成ユニット20Kのみが動作して中間転写ベルト33にKのトナーのみによるモノクロ画像が形成される。
【0033】
そして中間転写ベルト33に形成されるトナー像は、二次転写ローラ15と対向する位置を通過するときに、搬送部2によって給紙されるシート9と接触し、そのシート9の表面に二次転写される。すなわち、二次転写ローラ15は、中間転写ベルト33を挟んでローラ31と対向する位置に設けられており、中間転写ベルト33に一次転写されたトナー像がシート9と接触するときに、帯電したトナーと逆極性のバイアス電圧が印加されることでトナー像をシート9に二次転写させる。
【0034】
二次転写ローラ15の位置でトナー像が転写されたシート9は、その後、定着装置4へと搬送される。定着装置4は、トナー像が転写されたシート9に対して加熱処理及び加圧処理を施すことでトナー像をシート9に定着させる定着部材40を有している。この定着部材40は、第1定着部材41と、第2定着部材42とを有している。第1定着部材41と第2定着部材42は、互いに当接してニップ部を形成しており、そのニップ部にシート9を通紙させることでシート9に対する加熱処理及び加圧処理を施す。以下、このような定着装置4について詳しく説明する。
【0035】
図2は、第1実施形態における定着装置4の構成例を示す断面図である。図2に示すように、定着装置4にはシート9を通紙させる経路43が形成されており、第1定着部材41と第2定着部材42は、その経路43を挟んで互いに対向する位置に配置される。
【0036】
第1定着部材41は、内側に熱源となるヒーター44が配置された加熱ローラ45と、加熱ローラ45に対向して配置される支持部材56と、支持部材56の上部に配置される第1パッド46と、支持部材56の側面に配置される第2パッド47と、加熱ローラ45と、第1パッド46及び第2パッド47に掛架された状態に配置される定着ベルト48とを備えている。第1定着部材41は、加熱ローラ45がR1方向に回転することにより、定着ベルト48をF3方向へ循環移動させる。ヒーター44は、加熱ローラ45を加熱することにより、定着ベルト48を所定の温度に昇温させる。定着ベルト48は、樹脂基材を備えており、昇温した状態でF3方向へ循環移動することに伴い、経路43を通過するシート9に対して加熱処理を施す。
【0037】
第2定着部材42は、第1定着部材41に対向して配置される加圧ローラ49を備えている。この加圧ローラ49は、第2パッド47に対向する位置で第1定着部材41に当接してニップ部Pを形成する。すなわち、加圧ローラ49は、定着ベルト48との間にニップ部Pを形成する。そして加圧ローラ49は、シート9がそのニップ部Pを通過する際に、シート9に所定の押圧力を付与することで加圧処理を施す。
【0038】
このような定着部材40の周囲又は内側には、定着部材40と非接触の状態で様々な被加熱部材50が配置されている。例えば、第1定着部材41の第1パッド46の上方位置には、シート9を排出口5に向けて案内するための第1案内部材61と、第1案内部材61を支持する支持部材51とが配置されている。また、第1定着部材41の加熱ローラ45の上方位置には、定着ベルト48の温度調整を行うためのサーモスタット62と、サーモスタット62を支持する支持部材52とが配置されている。また、加熱ローラ45の下方位置には、温度を検出する温度センサ63と、温度センサ63を支持する支持部材53とが配置されている。また、加圧ローラ49の上方位置には、シート9を排出口5に向けて案内するための第2案内部材64と、第2案内部材64を支持する支持部材54とが配置されている。また、加圧ローラ49の下方位置には、シート9を第1定着部材41と第2定着部材42との間のニップ部Pに案内するためのガイド部材55が配置されている。更に、定着部材40の内側、より具体的には第1定着部材41の内側には、上述のように、第1パッド46と第2パッド47とを支持する支持部材56が配置されている。これら部材のうち、支持部材51,52,53,54,56及びガイド部材55は、一定の剛性を保持するために所定の厚さを有する金属性の部材によって構成され、例えばL字状又はU字状に折り曲げられた板金部材によって構成される。これら支持部材51,52,53,54,56及びガイド部材55は、いずれも定着部材40の昇温に伴って加熱される被加熱部材50であり、被加熱部材50の温度が上昇する程、定着装置4における放熱ロスが大きくなる。
【0039】
定着装置4にシート9が通紙されるとき、加熱ローラ45によって加熱される定着ベルト48が高温状態(約150℃)となるため、定着ベルト48の外側の周囲に近接して配置されている支持部材51,52,53は、定着ベルト48の表面からの輻射と対流により高温状態となる可能性がある。例えば、30枚程度の印刷が行われる場合、支持部材51,52,53は、50℃程度まで昇温する。仮に室温が25℃であったとすると、支持部材51,52,53は、第1定着部材41から放射される熱エネルギーによって約25℃昇温することになる。本実施形態の定着装置4は、この放熱ロスを低減するため、第1定着部材41と、被加熱部材50である支持部材51,52,53との間の空間に熱エネルギーの伝導を低減するための仕切り部材70を備えている。
【0040】
一方、加圧ローラ49の周囲に近接して配置されている支持部材54及びガイド部材55は、支持部材51,52,53に比べると温度上昇率は低く、約3℃の昇温となる。つまり、支持部材54及びガイド部材55に対する放熱ロスが少ないため、本実施形態の定着装置4は、支持部材54及びガイド部材55に対して仕切り部材70を設けない構成を採用している。
【0041】
また、定着ベルト48の内側に配置される支持部材56は、加熱ローラ45及び定着ベルト48のそれぞれの表面からの輻射と対流に加え、更に第1パッド46及び第2パッド47を介した熱伝導も作用するため、最も温度上昇率が大きくなり、約100℃の昇温となる。そのため、本実施形態の定着装置4は、少なくとも加熱ローラ45及び定着ベルト48のそれぞれの表面からの輻射と対流が支持部材56を昇温させることによる放熱ロスを低減させるため、加熱ローラ45と、支持部材56との間の空間に熱エネルギーの伝導を低減するための仕切り部材70を備えている。
【0042】
仕切り部材70は、例えば柔軟性を有する薄型の樹脂フィルムを基材とする部材であり、第1定着部材41と支持部材51,52,53,56との間の空間に配置されることで、表面側と裏面側との双方に空気層を有する空間を形成し、加熱ローラ45や定着ベルト48からの輻射と対流による熱エネルギーの伝導を遮断する。このような仕切り部材70は、輻射熱を反射する機能と、熱対流による高温空気の拡散を抑制する機能との2つの機能を有している。
【0043】
また、仕切り部材70は、所定高さを有し、且つ、断熱性を有するスペーサー部材73を介して第1定着部材41の外側の周囲及び内側に配置されている各部材に張架された状態に取り付けられる。例えば、第1パッド46の上方位置においては、第1案内部材61と支持部材51との複数箇所にスペーサー部材73が取り付けられ、それら複数のスペーサー部材73の間に仕切り部材70が張設される。また、加熱ローラ45の上方位置においては、支持部材51と支持部材52との複数箇所にスペーサー部材73が取り付けられ、それら複数のスペーサー部材73の間に仕切り部材70が張設される。また、加熱ローラ45の側方位置においては、支持部材52と支持部材53との複数箇所にスペーサー部材73が取り付けられ、それら複数のスペーサー部材73の間に仕切り部材70が張設される。更に、定着ベルト48の内側においては、支持部材56の複数箇所にスペーサー部材73が取り付けられ、それら複数のスペーサー部材73の間に仕切り部材70が張設される。すなわち、仕切り部材70は、第1定着部材41の周囲及び内側において、所定のテンションが付与された状態で複数のスペーサー部材73間に張設されるのである。仕切り部材70とスペーサー部材73との接着には、例えば耐熱性の高いシリコーン系の両面テープなどを用いることができる。
【0044】
このような仕切り部材70は、遮熱部材として第1定着部材41の外側の周囲及び内側に配置される。第1定着部材41の外側の周囲に配置される仕切り部材70は、第1遮熱部材71として配置される。また、第1定着部材41の内側(定着ベルト48の内側)に配置される仕切り部材70は、第2遮熱部材72として配置される。第1遮熱部材71と第2遮熱部材72とは、同じ材料のものによって形成されるものであっても良いし、互いに異なる材料のものによって形成されるものであっても良い。例えば、第1定着部材41の外側よりも内側の方が高温状態となるため、第2遮熱部材72の材料として第1遮熱部材71よりも熱変形温度が高いものを採用するようにしても良い。ここで、熱変形温度とは、樹脂の耐熱性を表す指標値のひとつであり、一定荷重をかけた状態において温度を一定速度で上昇させた時に所定の変形を起こす温度をいい、荷重たわみ温度と同義である。
【0045】
図3は、被加熱部材50に取り付けられる仕切り部材70を拡大して示す図である。仕切り部材70が上述した2つの機能を効果的に発揮するためには、次の4つの条件を満たすことが求められる。第1に、仕切り部材70の熱容量が小さいことである。第2に、仕切り部材70における基材の熱伝導率が低いことである。第3に、仕切り部材70の表面における輻射熱の反射率が高いことである。そして第4に、仕切り部材70自体に耐熱性があることである。これら4つの条件を満たすことにより、仕切り部材70は、有効な遮熱部材として機能する。
【0046】
そのため、仕切り部材70は、図3に示すように、スペーサー部材73によって被加熱部材50の表面から浮いた状態に支持され、仕切り部材70と被加熱部材50との間に空気層を有する空間59を形成している。仕切り部材70と被加熱部材50との間に空間59が存在することにより、仕切り部材70から被加熱部材50に対して熱が直接伝導されないようになり、被加熱部材50が高温になるのを防いでいる。
【0047】
また、仕切り部材70が第1遮熱部材71として構成される場合には、基材として第1の樹脂フィルム74が用いられる。また、仕切り部材70が第2遮熱部材72として構成される場合には、基材として第2の樹脂フィルム75が用いられる。基材として第1の樹脂フィルム74及び第2の樹脂フィルム75を用いることにより、上述した第1の条件及び第2の条件を満たすことができる。例えば、汎用的な板金であるSPCC(冷間圧延鋼板)の熱伝導率は、65W/m・Kであるのに対し、樹脂フィルムの熱伝導率は一般に0.5W/m・K以下である。尚、第1の樹脂フィルム74及び第2の樹脂フィルム75は、厚さ200μm以下の薄いフィルムを用いることが好ましい。
【0048】
一方、樹脂フィルムそれ自体は輻射熱の反射率が低い。そこで仕切り部材70は、基材となる第1の樹脂フィルム74及び第2の樹脂フィルム75の表面に対して金属反射面76を形成している。この金属反射面76は、例えば第1の樹脂フィルム74及び第2の樹脂フィルム75の表面に対してアルミ箔を貼り付けることによって形成しても良いし、またアルミ蒸着膜として形成しても良い。このような薄膜状の金属反射面76を設けることにより、第1遮熱部材71及び第2遮熱部材72は、図3に示すように輻射熱Hを高い反射率で反射できるようになり、上述した第3の条件を満たす。
【0049】
さらに、第1の樹脂フィルム74及び第2の樹脂フィルム75は、定着部材40によって放射される熱によって変形しないことが求められる。そこで、第1定着部材41の外側の周囲に配置される第1遮熱部材71の基材である第1の樹脂フィルム74の熱変形温度は、定着装置4がシート9の加熱処理を行うために設定される設定温度以上であることが好ましい。また、第1定着部材41の内側に配置される第2遮熱部材72の基材である第2の樹脂フィルム75の熱変形温度は、定着ベルト48の樹脂基材の熱変形温度以上であることが好ましい。第1の樹脂フィルム74及び第2の樹脂フィルム75の熱変形温度をそのように設定することで、第1遮熱部材71及び第2遮熱部材72は、十分な耐熱性を有することとなり、上述した第4の条件を満たす。
【0050】
ここで、一般的な樹脂材料と熱変形温度との関係は、次の表1に示す通りである。
【0051】
【表1】
【0052】
例えば、定着装置4がシート9の加熱処理を行うために設定される設定温度が135℃である場合、第1遮熱部材71の基材である第1の樹脂フィルム74として、表1におけるポリカーボネート(PC)以下の複数の樹脂材料のうちから1つの樹脂材料を選択すれば良い。
【0053】
また、第1定着部材41の内側に配置される第2遮熱部材72の基材である第2の樹脂フィルム75の場合は、第1遮熱部材71よりも高い温度の耐熱性が必要となる。特に画像形成装置1においてジャムなどが発生して定着装置4の動作が緊急停止した場合には、定着ベルト48の内側は例えば230℃といった極めて高い温度状態となることがある。定着ベルト48の樹脂基材は、そのような高温状態でも変形せずに原形を保持する材料が用いられており、例えばポリイミド(PI)などが採用されている。そのため、第2遮熱部材72の基材である第2の樹脂フィルム75としても、表1におけるポリアミドイミド(PAI)とポリイミド(PI)とのいずれか一方の樹脂材料を選択すれば、十分な耐熱性を得ることができる。尚、ポリアミドイミドはポリイミドに比べると高価であるため、ポリイミドを選択すれば、低コストで十分な耐熱性を確保することができる。
【0054】
また、スペーサー部材73も熱伝導率が低い樹脂材料で形成するようにしても良い。特に、スペーサー部材73は、被加熱部材50に対して直接取り付けられる部材であるため、被加熱部材50への熱伝導を低く抑えるために、仕切り部材70(具体的には第1遮熱部材71)よりも熱伝導率が低い樹脂材料で形成されることがより好ましい。例えば、ポリフェニレンサルファイドのガラス40%(PPS-GF40)樹脂などをスペーサー部材73の材料として好適に用いることができる。その他にも、例えばスペーサー部材73の材料として、ガラスクロスや、シリコーンスポンジゴムなどを採用しても良い。
【0055】
図4は、スペーサー部材73の例を示す図である。例えばスペーサー部材73は、図4(a)に示すように、所定長さを有する2本の棒状体が互いに平行に配置されることによって構成される。この場合、第1遮熱部材71又は第2遮熱部材72の両端部が2つのスペーサー部材73のそれぞれの上端面に貼り付けられる。
【0056】
また、スペーサー部材73は、図4(b)に示すように、互いに平行な2本の棒状体73aの両端部を相互に接続する接続部73bを有し、全体として枠形状を有する構造であっても構わない。この場合、第1遮熱部材71又は第2遮熱部材72の周縁部が枠形状の上端面に貼り付けられる。
【0057】
また、定着装置4における放熱ロスは、定着ベルト48の法線方向の周囲だけでなく、定着ベルト48の側方の周囲にも生じる。そのため、上述した仕切り部材70は、定着ベルト48の側方にも配置される。図5は、定着部材40を斜め上方からみた斜視図である。図5に示すように、定着部材40の左右両側には、加熱ローラ45、支持部材56及び加圧ローラ49を支持するローラ支持板81と、ヒーター44を支持するヒーター支持板82とが配置される。ヒーター支持板82は、ローラ支持板81の後方位置に設けられており、ローラ支持板81に設けられた開口部83を介してヒーター44を加熱ローラ45の内側で支持している。このような構成の場合、定着部材40の側方においてローラ支持板81及びヒーター支持板82が被加熱部材50となるため、ローラ支持板81及びヒーター支持板82の表面(定着部材40に対向する面)に対して仕切り部材70が配置される。この仕切り部材70も上述したようにスペーサー部材73を介してローラ支持板81及びヒーター支持板82の表面から離間した状態に張設される。
【0058】
このように本実施形態の定着装置4は、定着部材40の周囲及び内側において、熱源となる部分と被加熱部材50との間の空間に仕切り部材70を配置しており、その仕切り部材70によって被加熱部材50が高温状態となることを防ぎ、熱源からの放熱ロスを低減するようにしており、従来よりも放熱ロスの削減効果をより一層向上させることが可能である。
【0059】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、定着部材40の外側における仕切り部材70の設置態様が第1実施形態とは異なる例を説明する。
【0060】
図6は、第2実施形態における定着装置4の構成例を示す断面図である。図6に示すように、本実施形態の定着装置4は、第1定着部材41の外側において、定着ベルト48の周囲にフレーム部材85が配置され、そのフレーム部材85の定着ベルト48に対向する面に対して仕切り部材70を張設した遮熱構造を有している。
【0061】
図7は、フレーム部材85の一構成例を示す斜視図である。フレーム部材85は、定着ベルト48の幅方向に沿って配置される複数の第1フレーム86と、互いに隣接する2つの第1フレーム86間を接続する複数の第2フレーム87とを備え、全体としてU字状の樋形状を有している。そして仕切り部材70は、フレーム部材85の内面側に張設される。また第1実施形態と同様に、仕切り部材70とフレーム部材85との接着には、例えば耐熱性の高いシリコーン系の両面テープなどを用いることができる。
【0062】
このようなフレーム部材85は、熱伝導率の低い樹脂材料で形成されることが好ましい。しかしその反面、強度と取り付け精度の面では金属材料で形成されることが好ましい。例えば定着ベルト48と仕切り部材70との間の隙間として2~5mm程度を確保できるのであれば、高い強度や取り付け精度が重要ではなくなるため、樹脂材料で形成されたフレーム部材85を用いれば良い。これに対し、定着ベルト48と仕切り部材70との間の隙間が2mm未満となる場合には、フレーム部材85に高い強度と取り付け精度とが求められることになる。その場合には、金属材料で形成されたフレーム部材85を用いるようにすれば良い。
【0063】
各第1フレーム86の両端部には、スペーサー部材73に取り付けるための取付部88が設けられる。フレーム部材85は、その取付部88を介してスペーサー部材73に取り付けられる。そしてスペーサー部材73は、定着部材40の左右両側方に配置されているローラ支持板81に取り付けられる。例えば、スペーサー部材73は、ポリカーボネート(PC)などの樹脂材料で形成される熱伝導率の低い部材である。
【0064】
図8は、フレーム部材85とローラ支持板81との接続部を拡大して示す図である。図8に示すように、フレーム部材85の取付部88は、ネジ部材91によってスペーサー部材73に固定される。このネジ部材91の先端は、スペーサー部材73の内部に留まり、ローラ支持板81には接触しない構造である。そのため、フレーム部材85が仮に高温状態になってもフレーム部材85の熱がネジ部材91を介して直接ローラ支持板81に伝導しないようになっている。
【0065】
また、スペーサー部材73は、ネジ部材92によってローラ支持板81の所定位置に固定される。このネジ部材92は、フレーム部材85とは接触することなく、スペーサー部材73をローラ支持板81に固定する。そのため、フレーム部材85が仮に高温状態になってもフレーム部材85の熱がネジ部材92を介して直接ローラ支持板81に伝導しないようになっている。
【0066】
このように本実施形態の定着装置4は、フレーム部材85を用いることにより、第1定着部材41と被加熱部材50との間の空間に仕切り部材70を配置している。このようなフレーム部材85を用いれば、定着部材40の周囲に対して仕切り部材70を比較的簡単に取り付けることができると共に、定着部材40の周囲に配置する部品の数を少なくすることができるという利点がある。
【0067】
尚、本実施形態において上述した点以外の構成は第1実施形態で説明したものと同様である。
【0068】
(変形例)
以上、本発明に関する幾つかの好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記各実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0069】
例えば、上記実施形態では、加圧ローラ49の周囲に近接して配置されている支持部材54及びガイド部材55に対して仕切り部材70を設けない構成例を説明した。しかし、本発明は、それに限られるものではなく、加圧ローラ49の周囲に近接して配置されている支持部材54及びガイド部材55に対定着部材しても仕切り部材70を設ける構成を採用しても良い。
【0070】
また、上記実施形態では、第1定着部材41に定着ベルト48が設けられている構成例を説明した。しかし、第1定着部材41は、必ずしも定着ベルト48を備えていないものであっても構わない。例えば、第1定着部材41は、内側にヒーター44が配置された加熱ローラ45のみを有し、その加熱ローラ45が加圧ローラ49と接触し、加圧ローラ49との間にニップ部Pを形成するものであっても構わない。
【0071】
また、上記実施形態において定着部材40の周囲に配置されている被加熱部材50は単なる一例であり、上記実施形態において説明した部材とは異なる被加熱部材50が定着部材40の周囲に配置されている場合には、そのような部材と定着部材40との間の空間に仕切り部材70を配置したものであれば良い。
【符号の説明】
【0072】
1 画像形成装置
4 定着装置
40 定着部材
41 第1定着部材
42 第2定着部材
44 ヒーター(熱源)
48 定着ベルト
50 被加熱部材
51,52,53,54,56 支持部材(被加熱部材)
55 ガイド部材(被加熱部材)
59 空間
70 仕切り部材
71 第1遮熱部材(仕切り部材)
72 第2遮熱部材(仕切り部材)
73 スペーサー部材
74 第1の樹脂フィルム
75 第2の樹脂フィルム
76 金属反射面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8