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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】電気掃除機及び掃除機システム
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/24 20060101AFI20231212BHJP
   A47L 9/00 20060101ALI20231212BHJP
   A47L 9/02 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
A47L9/24 Z
A47L9/00 105C
A47L9/02 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019196620
(22)【出願日】2019-10-29
(65)【公開番号】P2021069505
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】朝日 洋平
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 浩志郎
(72)【発明者】
【氏名】清水 映吾
(72)【発明者】
【氏名】黒川 悠文
(72)【発明者】
【氏名】志村 嶺
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大聡
(72)【発明者】
【氏名】関口 剛徳
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-214508(JP,A)
【文献】特開2007-330689(JP,A)
【文献】特表2016-506849(JP,A)
【文献】特開平08-182641(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2003-0059664(KR,A)
【文献】特開2009-011416(JP,A)
【文献】特開2019-162232(JP,A)
【文献】国際公開第2019/114964(WO,A1)
【文献】特表2021-505222(JP,A)
【文献】特開2012-115288(JP,A)
【文献】特開2002-177177(JP,A)
【文献】特開平08-117159(JP,A)
【文献】特開平04-096716(JP,A)
【文献】特開平10-262875(JP,A)
【文献】特表2004-513696(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102007036524(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/00- 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが把持するための把持部が設けられた本体と、
塵埃を吸い込むための吸込口が形成された吸込具と、
一端が前記吸込具に接続され、他端が前記本体に接続され、軸が湾曲した中空筒状の管体と、を備え、
前記吸込具は、
底面に前記吸込口が形成され、上面視において第1方向の幅より前記第1方向に直交する第2方向の幅の方が小さい外形を有する吸込口体と、
前記吸込口体と前記管体とを接続するためのジョイント部と、を備え、
上面視において、前記吸込口体の前記第1方向の中心から前記把持部までの前記第1方向に沿った距離は、前記中心から前記ジョイント部までの前記第1方向に沿った距離よりも短く、
前記吸込口体は、前記第1方向における前記ジョイント部が設けられた側から反対側にいくにつれて前記第2方向の幅が小さくなる先細り形状である電気掃除機。
【請求項2】
前記吸込口体の前記第1方向の前記中心は、上面視において前記把持部の外形より内側に配置される請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記把持部は、前記吸込口体の前記第1方向の前記中心を通り、かつ、前記吸込口体の前記底面及び前記第1方向の両方に垂直な仮想面と交わるように配置される請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記管体の前記他端は、側面視において前記本体の中心に接続される請求項1から請求項のいずれか一項に記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記吸込口体は、前記吸込口に配置され、回転方向が切替可能な回転ブラシを備えた請求項1から請求項のいずれか一項に記載の電気掃除機。
【請求項6】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の電気掃除機と、
前記電気掃除機の前記本体が載置される支持装置と、を備え、
前記支持装置に前記本体が載置された状態の前記電気掃除機の外形は、側面視において前後非対称であり、
前記支持装置の外形は、側面視において前後非対称であり、
前記支持装置に前記本体が載置された状態の前記電気掃除機と前記支持装置とを合わせた全体の外形は、側面視において前後対称である掃除機システム。
【請求項7】
前記支持装置に前記本体が載置された状態の前記電気掃除機の外形は、上面視において前後非対称であり、
前記支持装置の外形は、上面視において前後非対称であり、
前記支持装置に前記本体が載置された状態の前記電気掃除機と前記支持装置とを合わせた全体の外形は、上面視において前後対称である請求項に記載の掃除機システム。
【請求項8】
前記支持装置に前記本体が載置された状態の前記電気掃除機は、前記本体を前記第1方向に移動させることで前記支持装置から取外可能である請求載又は請求項に記載の掃除機システム。
【請求項9】
前記支持装置は、前記支持装置に前記本体が載置された状態の前記電気掃除機の一部に引力を作用可能な磁石を備えた請求項から請求項のいずれか一項に記載の掃除機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気掃除機及び掃除機システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機においては、塵埃を吸い込むための吸込口が形成された吸込口体と、吸込口体に連結された吸引パイプと、平面視における吸込口体の長手方向の中心よりも一端側に偏った位置で吸込口体と吸引パイプとを連結している連結部と、を備えた吸込具を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-214508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されるような電気掃除機においては、使用時において塵埃を吸い込む吸込口体とユーザが持って吸込口体を操作する把持部との位置は、吸引パイプ(管体)を介して離れている。そして、吸込口体の長手方向の中心よりも一端側に偏った位置で吸込口体と吸引パイプ(管体)とが連結されているため、力の入れ具合等について、把持部を持って吸込口体を操作することが難しい場合が考えられる。
【0005】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものである。その目的は、吸込口体の長手方向の長さを効率的に使用でき、広いところ及び狭いところを容易に掃除できるとともに、吸込口体の操作性を向上することが可能である電気掃除機及び掃除機システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る電気掃除機は、ユーザが把持するための把持部が設けられた本体と、塵埃を吸い込むための吸込口が形成された吸込具と、一端が前記吸込具に接続され、他端が前記本体に接続され、軸が湾曲した中空筒状の管体と、を備え、前記吸込具は、底面に前記吸込口が形成され、上面視において第1方向の幅より前記第1方向に直交する第2方向の幅の方が小さい外形を有する吸込口体と、前記吸込口体と前記管体とを接続するためのジョイント部と、を備え、上面視において、前記吸込口体の前記第1方向の中心から前記把持部までの前記第1方向に沿った距離は、前記中心から前記ジョイント部までの前記第1方向に沿った距離よりも短く、前記吸込口体は、前記第1方向における前記ジョイント部が設けられた側から反対側にいくにつれて前記第2方向の幅が小さくなる先細り形状である。
【0007】
この発明に係る掃除機システムは、上記のように構成された電気掃除機と、前記電気掃除機の前記本体が載置される支持装置と、を備え、前記支持装置に前記本体が載置された状態の前記電気掃除機の外形は、側面視において前後非対称であり、前記支持装置の外形は、側面視において前後非対称であり、前記支持装置に前記本体が載置された状態の前記電気掃除機と前記支持装置とを合わせた全体の外形は、側面視において前後対称である。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る電気掃除機及び掃除機システムによれば、吸込口体の長手方向の長さを効率的に使用でき、広いところ及び狭いところを容易に掃除できるとともに、吸込口体の操作性を向上することが可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の斜視図である。
図2】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の側面図である。
図3】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の前面図である。
図4】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の後面図である。
図5】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の上面図である。
図6】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の本体の断面図である。
図7】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の本体と管体と吸込具とを取り外した状態を模式的に示す図である。
図8】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の本体と吸込具とを接続した状態を示す図である。
図9】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具の斜視図である。
図10】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具の上面図である。
図11】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具の底面図である。
図12】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具の側面図である。
図13】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具の後面図である。
図14】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の使用状態の例を示す斜視図である。
図15】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の他の使用状態を示す斜視図である。
図16】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の他の使用状態を示す斜視図である。
図17】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の変形例を示す側面図である。
図18】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の変形例を示す側面図である。
図19】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の変形例を示す側面図である。
図20】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の変形例を示す側面図である。
図21】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具の変形例を示す側面図である。
図22】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具の変形例を示す後面図である。
図23】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具の変形例における要部の斜視図である。
図24】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具の変形例における要部の断面図である。
図25】この発明の実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具の変形例を示す斜視図である。
図26】この発明の実施の形態1に係る支持装置の斜視図である。
図27】この発明の実施の形態1に係る支持装置の側面図である。
図28】この発明の実施の形態1に係る支持装置の前面図である。
図29】この発明の実施の形態1に係る支持装置の後面図である。
図30】この発明の実施の形態1に係る支持装置の上面図である。
図31】この発明の実施の形態1に係る掃除機システムの斜視図である。
図32】この発明の実施の形態1に係る掃除機システムの側面図である。
図33】この発明の実施の形態1に係る掃除機システムの前面図である。
図34】この発明の実施の形態1に係る掃除機システムの後面図である。
図35】この発明の実施の形態1に係る掃除機システムの上面図である。
図36】この発明の実施の形態1に係る掃除機システムの電気掃除機と支持装置を示す図である。
図37】この発明の実施の形態1に係る掃除機システムの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。また、前面及び後面を含めて側面と表現する場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1から図37を参照しながら、この発明の実施の形態1について説明する。図1は電気掃除機の斜視図である。図2は電気掃除機の側面図である。図3は電気掃除機の前面図である。図4は電気掃除機の後面図である。図5は電気掃除機の上面図である。図6は電気掃除機の本体の断面図である。図7は電気掃除機の本体と管体と吸込具とを取り外した状態を模式的に示す図である。図8は電気掃除機の本体と吸込具とを接続した状態を示す図である。図9は電気掃除機の吸込具の斜視図である。図10は電気掃除機の吸込具の上面図である。図11は電気掃除機の吸込具の底面図である。図12は電気掃除機の吸込具の側面図である。図13は電気掃除機の吸込具の後面図である。図14は電気掃除機の使用状態の例を示す斜視図である。図15及び図16は電気掃除機の他の使用状態を示す斜視図である。図17から図20は電気掃除機の変形例を示す側面図である。図21は電気掃除機の吸込具の変形例を示す側面図である。図22は電気掃除機の吸込具の変形例を示す後面図である。図23は電気掃除機の吸込具の変形例における要部の斜視図である。図24は電気掃除機の吸込具の変形例における要部の断面図である。図25は電気掃除機の吸込具の変形例を示す斜視図である。図26は支持装置の斜視図である。図27は支持装置の側面図である。図28は支持装置の前面図である。図29は支持装置の後面図である。図30は支持装置の上面図である。図31は掃除機システムの斜視図である。図32は掃除機システムの側面図である。図33は掃除機システムの前面図である。図34は掃除機システムの後面図である。図35は掃除機システムの上面図である。図36は掃除機システムの電気掃除機と支持装置を示す図である。図37は掃除機システムの変形例を示す図である。
【0012】
この実施の形態に係る電気掃除機100は、コードレスタイプの縦型あるいはスティック型と呼ばれる電気掃除機である。図1から図5に示すように、電気掃除機100は、本体110、管体120及び吸込具130を備えている。以下においては、図1から図5に示す状態を基準にして電気掃除機100の上下、前後、左右の各方向を特定する。これらの図1から図5では、電気掃除機100が直立し、本体110が吸込具130の上方に配置された状態を示している。
【0013】
本体110は、内部に取り込んだ空気からごみ及び塵埃を分離し、ごみ及び塵埃が取り除かれた空気を排出するためのものである。本体110から排出された清浄空気は、例えば、室内に戻される。以下、ごみ及び塵埃を含む空気を「含塵空気」とも呼ぶ。また、ごみ及び塵埃が取り除かれた空気を「清浄空気」とも呼ぶ。
【0014】
管体120は、例えば、矩形筒状を呈する直状の部材である。なお、管体120の形状は、これに限られない。他に例えば、管体120は円筒形状を呈していてもよい。また、円筒形状でなく、管体120の外形の断面が円形となるような形状であってもよい。さらに、管体120は、直状に限らず棒状でもよい。
【0015】
管体120の一端は、本体110に接続されている。管体120の他端は、吸込具130に接続されている。後述するように、管体120は、本体110及び吸込具130のそれぞれに対して着脱可能に形成されている。吸込具130は、下向きに形成された開口すなわち後述する吸込口から、例えば床面上のごみ及び塵埃を空気と一緒に吸い込むためのものである。
【0016】
図6に示すように、本体110は、ケース部112及び集塵部116を備えている。ケース部112は、例えば、円筒形状を呈している。ケース部112には、把持部111が設けられている。把持部111は、電気掃除機100を使用して清掃する際にユーザが持つためものである。ここで説明する構成例では、把持部111は、ケース部112の上面部の中央から上方に突出して設けられている。把持部111は、例えば、円柱状を呈する。把持部111の軸は、ケース部112の軸と一致している。
【0017】
ケース部112の後側には、図示しない排気口が形成されている。ケース部112は、例えば、成型品である。集塵部116は、ケース部112の下方に配置されている。集塵部116は、ケース部112に対して着脱可能に取り付けられている。集塵部116は、例えば、ケース部112と直径が等しい円筒形状を呈している。集塵部116の軸は、ケース部112の軸と一致している。このため、集塵部116の外周面は、ケース部112の外周面と連続した外観を呈している。つまり、本体110全体の外観は、例えば、円筒形状を呈している。
【0018】
本体110は、接続管部117を備えている。接続管部117は、集塵部116の後側かつケース部112の下側に配置されている。接続管部117の下端には、本体接続口118が形成されている。接続管部117の上端側は、ケース部112に取り付けられた集塵部116の内部に通じている。こうして、吸込具130、管体120及び接続管部117は、外部から本体110の内部に至る吸気風路を形成している。なお、管体120及び接続管部117の吸気風路の断面形状は、例えば円形である。
【0019】
集塵部116の内部は、集塵部116の上部に形成された開口を介してケース部112の内部に通じている。ケース部112の内部は、前述した排気口を介して外部に通じている。つまり、ケース部112の内部には、集塵部116から外部に至る排気風路が形成されている。
【0020】
ケース部112の内部には、電動送風機115、二次電池113及び回路基板114が設けられている。電動送風機115は、前述した吸気風路及び排気風路に気流を発生させるためのものである。電動送風機115は、二次電池113と電気的に接続されている。電動送風機115は、二次電池113から電力を供給されることにより駆動する。回路基板114は、二次電池113から電動送風機115への電力供給を制御する。二次電池113は例えばリチウムイオンバッテリーからなる。例えば、把持部111又は本体110の前面には、図示しない操作スイッチが設られている。操作スイッチは、電気掃除機100の運転を制御するためのものである。操作スイッチは、回路基板114と電気的に接続されている。
【0021】
集塵部116は、含塵空気からごみ及び塵埃を分離し、分離したごみ及び塵埃を一時的に溜めておくためのものである。集塵部116は、内部で含塵空気を旋回させることにより、遠心力によってごみ及び塵埃を空気から分離する。つまり、集塵部116は、サイクロン分離機能を有するサイクロン分離装置である。
【0022】
電動送風機115は、操作スイッチに対する操作に応じて駆動する。電動送風機115が駆動すると、吸気風路に吸引力が作用し、吸込具130から含塵空気が吸い込まれる。吸込具130に吸い込まれた含塵空気は、管体120及び接続管部117を通過して集塵部116の内部に取り込まれる。集塵部116では、含塵空気からごみ及び塵埃が分離される。集塵部116から排出された清浄空気は、電動送風機115を通過する。電動送風機115を通過した清浄空気は、排気風路を進み排気口から本体110の外部に排出される。
【0023】
図7に示すように、管体120の一端側には、管体接続部121が設けられている。管体接続部121は、本体110の本体接続口118に接続可能である。管体120の他端側には、管体接続口122が設けられている。吸込具130は、吸込口体131とジョイント部132とを備えている。ジョイント部132の一端は吸込口体131に接続されている。ジョイント部132の他端側には、吸込具接続部133が設けられている。吸込具接続部133は、管体120の管体接続口122に接続可能である。
【0024】
なお、吸込具接続部133は、本体110の本体接続口118にも接続可能である。吸込具接続部133を本体接続口118に接続することで、図8に示すように、管体120を介することなく本体110に直接、吸込具130を接続し、短い状態で電気掃除機100を使用できる。また、電気掃除機100は、吸込具130及び管体120を取り外し、本体接続口118から直接吸引するハンディ型掃除機としても使用できる。
【0025】
次に、図9から図13を参照しながら、吸込具130の構成について説明する。吸込具130は吸込口体131とジョイント部132とからなる。ジョイント部132は吸込口体131と管体120とを連結する。吸込口体131は、吸込具130のうちジョイント部132を除く部位である。
【0026】
吸込口体131の底面には、吸込口13が形成されている。電動送風機115が吸引動作を開始すると、吸込口13から含塵空気が吸引される。吸込口13は、吸込口体131の底面の他に、吸込口体131の側面、前面及び後面のいずれかの面に形成されてもよい。また、上に挙げた吸込口体131の複数の面に吸込口13が形成されてもよい。ただし、吸込口13のうち1つは、少なくとも下向きに形成される。つまり、吸込口13は、例えば、吸込口体131の底面及び1つ以上の側面に形成されてもよい。吸込口体131は、複数の面に吸込口13を有する場合、底面に形成された吸込口13の開口が最も大きくなるよう形成される。
【0027】
吸込具130の吸込口体131は、近位端15及び遠位端16を有する。図1から図5では、近位端15は後方、遠位端16は前方に配置されている。ジョイント部132は上面視にて、遠位端16より近位端15に近い位置に配置される。ここで説明する構成例では、ジョイント部132は近位端15に配置されている。
【0028】
近位端15から遠位端16までの長さ(最大長さ)をLとする。近位端15から遠位端16への方向を吸込口体131の長手方向と呼ぶ。吸込口体131の幅(最大幅)をWとする。幅Wは、上面視で吸込口体131の長手方向に対して垂直な方向の吸込口体131の大きさである。吸込口体131の長さLは、吸込口体131の幅Wより長い。
【0029】
この実施の形態では、上面視における吸込口体131の形状は、長方形である。上面視で吸込口体131の長手方向に対して垂直な方向を、以下、吸込口体131の短手方向と呼ぶ。ここで、吸込口体131の長手方向を第1方向、吸込口体131の短手方向を第2方向と呼ぶことにすると、吸込口体131は、上面視において第1方向の幅より第1方向に直交する第2方向の幅の方が小さい外形を有する。そして、ジョイント部132は、第1方向における中央から端側に偏った位置に設けられている。
【0030】
この実施の形態では、上面視において近位端15から遠位端16にかけては、直線状に延びる。このような構成に限らず、上面視で近位端15及び遠位端16は、少なくとも部分的に、曲線又は折れ曲がった外観を呈していてもよい。また、遠位端16になるにつれて先細りしたような形状を呈していてもよい。そのような場合、吸込口体131の長さLは、上面視において近位端15と遠位端16との間の長手方向の最大長さを指すものとする。
【0031】
この実施の形態では、吸込口体131の幅Wは、吸込口体131の長手方向に沿って、一定である。このような構成に限らず、吸込口体131の幅Wは、吸込口体131の長手方向に沿って、変化してもよい。その場合、吸込口体131の幅Wは、吸込口体131の最大幅を指すものとする。
【0032】
上面視における吸込口体131の長手方向の長さLは、10cm以上かつ25cm以下に形成されている。好ましくは長さLは、15cm以上かつ25cm以下とする。さらに好ましくは長さLは、15cm以上且つ20cm以下とする。
【0033】
ジョイント部132は、吸込口体131の側面のうち、上面視における吸込口体131の長手方向の一端に相当する面に設けられるのが好ましい。なお、ジョイント部132は、吸込口体131の側面又は後面のうち、側面視における吸込口体131の長手方向の一端に相当する面に設けられていてもよい。なお、ここでいう一端に相当する面は、1つの面に限られず、複数の面であってもよい。一端に相当する面が複数の面である場合とは、具体的に例えば、一端に相当する面が階段状になっている場合等である。この場合、階段状の面の1つ又は複数にわたった部分にジョイント部132が設けられる。
【0034】
また、ジョイント部132は、上面視における吸込口体131の短手方向の中心に配置されるのが好ましい。ここで説明する構成例では、ジョイント部132は、吸込口体131の近位端15の端面に設けられている。
【0035】
吸込口体131は、下ケース11と上ケース12を組み合わせて外観が構成される。吸込口体131の内部には、回転ブラシ21が回転自在に収納されている。回転ブラシ21は、吸込口体131の内部に、吸込口13に臨んで設けられている。回転ブラシ21は、吸込口体131に内蔵された駆動手段であるモータ22によって回転駆動される。モータ22の駆動力は、ベルト23を介して回転ブラシ21に伝達され、回転ブラシ21を予め設定された方向に回転させる。
【0036】
吸込口体131の底面には、支持部材(図示せず)によって支持された車輪14が設けられている。この支持部材は、吸込口体131に回動自在に取り付けられている。また、この支持部材は、吸込口体131が床面から浮いている状態においては車輪14を床面側に突出した状態にし、吸込口体131が着床した状態においては車輪14が吸込口体131の内側に引っ込んだ状態にするように構成されている。
【0037】
吸込口体131には、車輪14が引っ込んだときにオンするスイッチ(図示せず)が内蔵されている。このスイッチがオンすることにより、回転ブラシ21は駆動可能な状態になる。操作スイッチ7の操作に応じて電動送風機115が駆動した状態で、回転ブラシ21は駆動する。
【0038】
なお、吸込具130は、回転ブラシ21を備えていなくともよい。吸込具130が回転ブラシ21を備えていない場合、吸込具130は、外観が左右対称となる形状を有していることが好ましい。このようにすることで、掃除方向によるごみ及び塵埃の除去性能の差を少なくできる。
【0039】
この実施の形態におけるジョイント部132は、第1回転部31及び第2回転部32を備える。第2回転部32は、第2回転軸Yを中心に回転できるように吸込口体131に対して接続されている。第1回転部31は、第1回転軸Xを中心に回転できるように第2回転部32に対して接続されている。また、第1回転部31は、前述した吸込具接続部133を有する。
【0040】
第2回転軸Yは、第1回転軸Xに対して平行でない。第2回転軸Yは、第1回転軸Xに対して、交差又はねじれの位置にある。図中、第1回転軸X及び第2回転軸Yを一点鎖線で示す。この実施の形態では、第2回転軸Yは、吸込口体131の長手方向に対して実質的に平行である。第1回転軸Xは、第2回転軸Yに対して実質的に垂直又は直交の関係である。このように、この実施の形態におけるジョイント部132は、相互に平行でない複数の回転軸である第1回転軸X及び第2回転軸Yを有する。このため、ジョイント部132は複数の方向に自在に回転可能である。
【0041】
前述したように、ジョイント部132は、吸込口体131の近位端15の端面に接続されている。ジョイント部132の第2回転部32は、吸込口体131の近位端15の端面に対して第2回転軸Yを中心に回転可能に接続されている。ジョイント部132の第2回転部32が第2回転軸Yを中心に回転することに伴って、第1回転軸Xの向きが変化するが、第1回転軸Xは第2回転軸Yに対して垂直又は直交に維持される。
【0042】
第2回転部32は、吸込口体131に対して、予め設定された角度の範囲で、第2回転軸Yを中心に回転可能である。ジョイント部の第1回転部31は、第2回転部32に対して、予め設定された角度の範囲で、第1回転軸Xを中心に回転可能である。ジョイント部が第1回転軸X及び第2回転軸Yを中心として回転しても、吸込口13の開口方向は維持される。つまり、ジョイント部132と接続されている管体120は、吸込口13の開口方向を維持した状態で、吸込口体131に対して、予め設定された角度範囲で傾けることが可能である。
【0043】
図12に示すように、ジョイント部132が第1回転軸Xを中心として回転することで、吸込口体131の長手方向に対するジョイント部132の角度の大きさを変えることができる。ジョイント部132は、第1回転軸Xを中心として例えば70°から180°までの範囲で回転可能である。
【0044】
図13における両矢印は、ジョイント部132が第2回転軸Yを中心として回転可能な角度範囲の一例を示している。鉛直方向上向きを0°とした場合、ジョイント部132は、例えば、第2回転軸Yを中心として-90°から90°までの範囲で回転可能である。
【0045】
図10から図13は、第2回転軸Yを中心としたジョイント部132の角度が0°である状態を示すものである。図10及び図11に示すように、第2回転軸Yを中心としたジョイント部132の角度が0°である状態で、吸込口体131の短手方向に沿った方向のジョイント部132及び管体120の幅は、吸込口体131の短手方向の最大長さと同等又は小さい。つまり、ジョイント部132及び管体120は、第1回転軸Xを中心としたジョイント部132の角度が0°である状態における吸込口体131の短手方向に沿った方向の長さが、吸込口体131の短手方向の長さと同等か、又はそれより小さく形成されている。
【0046】
また、図10及び図11に示すように、ジョイント部132は、第2回転軸Yを中心としたジョイント部132の角度が0°である状態で、上面視における吸込口体131の短手方向の中心を通る直線を対称軸として対称性を持つ。そして、図12及び図13に示すように、第1回転軸Xを中心としたジョイント部132の角度が0°である状態で、ジョイント部132の下端は、吸込口体131の底面より高い位置にある。
【0047】
以上のように構成された電気掃除機100において、図14に示すように、ユーザは、例えば、把持部111を把持して本体110を傾けた状態で清掃を行う。図14における両矢印は、把持部111の動かし方の一例を示している。ひねり方向Aの動きは、把持部111の中心軸周りの回転である。傾き方向Bの動きは、床面に対する把持部111及び管体120の角度を変える動きである。
【0048】
図15は、吸込口体131を短手方向に沿って動かす使用形態を示している。図16は、吸込口体131を長手方向に沿って動かす使用形態を示している。以下、図15に示す使用形態を「L字形態」とも呼び、図16に示す使用形態を「I字形態」とも呼ぶ。
【0049】
ユーザは、電気掃除機100を用いて清掃を行う際に、基本的に把持部111を把持して吸込口体131を操作する。例えば、図14に示すひねり方向Aに把持部111が回転されることにより、ジョイント部132が回転し、吸込口体131の向きが変化する。つまり、ユーザは、例えば、把持部111をひねることで、自分から見て前後に動かす際の吸込口体131の向きを変化させる。この場合、吸込口体131の使用形態は、L字形態とI字形態との間で変化する。吸込口体131をL字形態で使用すると、清掃範囲は広くなる。一方、吸込口体131をI字形態で使用すると、清掃範囲は狭くなる。L字形態とI字形態との間で使用形態が変化するとき、上面視において、吸込口体131は、ジョイント部132を中心として回転する。このとき、吸込口体131は、床面等の被清掃面から底面が離れることなく回転する。このときの吸込口体131の回転半径は、上面視において、吸込口体131の長手方向の長さと同程度である。
【0050】
吸込口体131には、塵埃を吸い込むための吸込口13が形成されている。管体120は、ジョイント部132によって吸込口体131に連結されている。ジョイント部132は、相互に平行でない複数の回転軸を有し、上面視における吸込口体131の長手方向の中心よりも一端側に偏った位置で、吸込口体131と管体120とを連結している。これにより、例えば、吸込口体131の長手方向の中心にジョイント部132を配置した場合(以下、これを「T字型」の電気掃除機とも呼ぶ)に比べて、吸込口体131の長手方向の端部とジョイント部132との距離が長くなる。つまり、上面視においてジョイント部132を中心として吸込口体131を回転させる際の回転半径が長くなる。このため、吸込口体131の長手方向の長さを効率的に使用することができる。その結果、吸込口体131を回転させた際の清掃範囲を広くすることができ、短時間で効率的な清掃が可能となる。
【0051】
また、状況に応じて、吸込口体131の使用形態をL字形態とI字形態との間で変化させることが可能である。例えば、部屋の中央等の広い場所を清掃する場合は、吸込口体131がL字形態で使用される。また、例えば、家具の隙間等の狭い場所を清掃する場合は、吸込口体131がI字形態で使用される。つまり、吸込口体131の向きを変えるだけで、広狭多様なシーンの清掃に対応できる。このため、清掃場所に応じた吸込口体131の取り外し及び付け替えは不要となる。その結果、ユーザの負担を軽減することができる。
【0052】
なお、このように構成された電気掃除機100は、図3及び図4に示すように、前面視及び後面視において左右対称の外観を呈する。一方、図2に示すように、電気掃除機100は、側面視において左右非対称の外観を呈する。
【0053】
さらに、以上のように構成された電気掃除機100においては、例えば図1図2及び図5等に示すように、上面視において、吸込口体131の前述した第1方向すなわち長手方向の中心Cから把持部111までの第1方向に沿った距離が、中心Cからジョイント部132までの第1方向に沿った距離よりも短い。このため、前述したL字形態及びI字形態のメリットを享受しつつ、吸込口体131の長手方向の中心Cにジョイント部132を配置した従来のT字型の電気掃除機と近い感覚でユーザが使用でき、掃除しやすい。
【0054】
また、特に図5に示すように、吸込口体131の第1方向の中心Cは、上面視において把持部111の外形より内側に配置されている。つまり、中心Cは、上面視における把持部111の外形に含まれている。あるいは、特に図2に示すように、把持部111は、吸込口体131の第1方向の中心Cを通り、かつ、吸込口体131の底面0及び第1方向の両方に垂直な仮想面Pと交わるように配置されている。このため、電気掃除機100の使用時における吸込口体131と把持部111との位置関係が従来のT字型の電気掃除機に近くでき、ユーザは容易に電気掃除機100を扱うことが可能である。
【0055】
なお、以上においては、本体110と吸込具130とを連結する管体120の軸が直線状である場合の構成例を説明した。しかし、管体120の軸の形状はこれに限られず、管体120の軸が湾曲又は屈曲していてもよい。図17に示すのは、管体120の軸が湾曲している構成例である。管体120の軸を湾曲又は屈曲させることで、より容易に本体110を吸込具130の中心に近い位置に配置できる。
【0056】
また、以上においては、本体110に管体120が接続される位置が本体110の下面の後端部である場合の構成例を説明した。しかし、本体110に管体120が接続される位置はこれに限られず、管体120の端部が側面視において本体110の中心に接続されるようにしてもよい。図18の(a)から(c)に示すのは、管体120の端部が側面視において本体110の中心に接続される構成例である。図18の(a)では、管体120の軸が直線状である。図18の(b)及び(c)は、管体120の軸が屈曲している例である。
【0057】
さらに、この実施の形態の電気掃除機100の変形例として、図19の(a)から(c)に示すような構成も考えられる。図19の(a)に示すのは、管体120の端部が側面視において本体110の中心に接続されるものであるが、管体120の一部が側面視において本体110の中心よりも前方に配置されるように、管体120の軸が屈曲した変形例である。また、図19の(b)に示すのは、把持部111を本体110のケース部112における上面の中心でなく、ケース部112における上面の前端に設けた変形例である。この例では、把持部111の上端側が後方に向けて緩やかに湾曲している。そして、図19の(c)に示すのは、側面視で管体120を直線状にして本体110を湾曲させた変形例である。以上のいずれの変形例によっても、上面視において、吸込口体131の長手方向の中心から把持部111までの距離を、吸込口体131の長手方向の中心からジョイント部132までの距離よりも短くすることができる。
【0058】
前述したように、この実施の形態の電気掃除機100は、上面視において、吸込口体131の長手方向の中心Cから把持部111までの距離が、中心Cからジョイント部132までの距離よりも短い。このため、吸込口体131を短手方向に沿って動かすL字形態においてユーザが右手で把持部111を持つ場合、ユーザから見て吸込口体131の中心より左側にジョイント部132が配置される向きで使用すると、ジョイント部132及び管体120がユーザの体と干渉しやすくなる。したがって、L字形態においてユーザが右手で把持部111を持つ場合には、ユーザから見て吸込口体131の中心より右側にジョイント部132が配置される向きで使用するのがよいと言える。逆に、L字形態においてユーザが左手で把持部111を持つ場合には、ユーザから見て吸込口体131の中心より左側にジョイント部132が配置される向きで使用するのがよいと言える。このような事情から吸込口体131の進行方向が反転する場合が考えられる。そこで、例えば前述の操作スイッチを操作すること等により、回転ブラシ21の回転方向を切替可能にしてもよい。
【0059】
なお、以上においては、本体110のケース部112とは別に把持部111が設けられていた。しかし、この点については、図20に示ように、本体110のケース部112自体が把持部111を兼ねていてもよい。この場合においても、上面視において、吸込口体131の長手方向の中心から把持部111であるケース部112までの距離は、吸込口体131の長手方向の中心からジョイント部132までの距離よりも短くなっている。
【0060】
前述したように、吸込具130のジョイント部132は、吸込口体131の近位端15の端面に設けられている。そして、ジョイント部132の下端は、吸込口体131の底面より高い位置にある。ここで、把持部111を持ったユーザの吸込具130を押す力が強すぎると、吸込口体131の遠位端16側が浮き上がり、ジョイント部132が床面等の被清掃面に接触してしまう可能性がある。そこで、図21及び図22に示すように、吸込口体131の近位端15の端面に、突出部134を設けてもよい。
【0061】
これらの図に示すように、突出部134は、ジョイント部132の下側に配置されている。そして、吸込口体131を被清掃面上に置いた際に、突出部134がジョイント部132と被清掃面との間に配置される。このため、ユーザが把持部111を持って押した際に、吸込口体131の遠位端16側が浮き上がり、ジョイント部132が被清掃面に接触してしまうことを抑制できる。
【0062】
なお、突出部134は、吸込口13を構成する他の部材と一体に設けられてもよいし、別部材であってもよい。また、吸込口13が、突出部134にまでわたって形成されていてもよい。なお、図21に示すように、ジョイント部132は、吸込口体131の側面のうち、上面視における吸込口体131の長手方向の一端に相当する面に設けられている。また、ジョイント部132は、吸込口体131の側面又は後面のうち、側面視における吸込口体131の長手方向の一端に相当する面に設けられている。
【0063】
図21及び図22に示すジョイント部132の構造の詳細は、図23及び図24に示すようになっている。すなわち、ジョイント部132は、第1回転部31、第2回転部32、球状部33及びシャッター部34を備えている。第2回転部32は、吸込口体131の近位端15の端面に回転可能に取り付けられている。第1回転部31の一端側には、球状部33が設けられている。第1回転部31は、球状部33を介して、第2回転部32に対して回転可能に取り付けられている。第1回転部31の他端側は、吸込具接続部133に接続されている。第1回転部31の球状部33と、第2回転部32との間には、シャッター部34が設けられている。このシャッター部34により、第2回転部32に対する第1回転部31の可動範囲を広げつつ、第1回転部31と第2回転部32との間に隙間が生じることを防止している。
【0064】
ここで設明する構成例では、ジョイント部132は大部分が樹脂材料で構成されている。例えば、第1回転部31、第2回転部32、球状部33及びシャッター部34は樹脂材料からなる。つまり、ジョイント部132の内部風路を形成する部品の大部分が樹脂材料から構成されている。なお、シャッター部34は、設けられていなくともよい。
【0065】
なお、吸込具130のジョイント部132は、吸込口体131の近位端15の端面でなく、図25に示すように、吸込口体131の近位端15と遠位端16との間で、かつ、遠位端16より近位端15に近い位置に配置されていてもよい。同図に示すように、ジョイント部132は、第1回転部31及び第2回転部32を備える。第2回転部32は、第2回転軸Yの周りに回転できるように吸込口体131に対して接続されている。第1回転部31は、第1回転軸Xの周りに回転できるように第2回転部32に対して接続されている。図25中、第1回転軸X及び第2回転軸Yを一点鎖線で示す。第2回転軸Yは、第1回転軸Xに対して、ねじれの位置にある。
【0066】
把持部111は、全体が棒状に形成されていなくともよい。把持部111は、棒状の部位及びリング状の先端部を有していてもよい。この場合、棒状の部位は、径が一様な太さに形成されてもよい。リング状の先端部は、曲線的な形状に形成されてもよいし、直線的な形状に形成されてもよい。リング状の先端部は、棒状の部位の中心軸に垂直な方向の最大長さが、棒状の部位の径より大きく形成されている。このように把持部111が形成されている場合は、棒状の部位の径が一様であっても、ユーザの手が把持部111から滑った際に、把持部111の先端部を親指及び小指の付け根等で支持することが可能である。これにより、把持部111の全体が棒状且つ先端部が相対的に太く形成された場合と同様に、電気掃除機100の使用時に把持部111が手から滑落することを抑制し、操作性をさらに向上させるという効果が得られる。つまり、把持部111の全体が棒状に形成されているか否かに関わらず、把持部111の長手方向の端部のうち吸込口体131から遠い側が、棒状の部位の中心軸から離れる方向に拡大した形状に形成されていれば、当該効果が得られる。
【0067】
以上のように構成された電気掃除機100は、図3及び図4に示すように、前面視及び後面視において左右対称の外観を呈する。一方、図2に示すように、電気掃除機100は、側面視において前後非対称の外観を呈する。
【0068】
次に、図26から図30を参照しながら、この実施の形態に係る支持装置200の構成について説明する。支持装置200は、台座部210、アーム部220及び支持部230を備えている。
【0069】
台座部210は、載置部211及び外周部212を有している。外周部212は、上面視において、円形又は環状を呈する。外周部212は、上面視における台座部210の外側の輪郭を形成している。載置部211は、外周部212の直径に沿って架け渡されるように形成されている。つまり、外周部212は、載置部211を取り囲むように配置され、載置部211は台座部210の中央に配置されている。
【0070】
載置部211は、側面視における幅が吸込具130の長手方向の寸法と同一又は吸込具130の長手方向の寸法より長くなるように形成されている。電気掃除機100が支持装置200に載置された状態において、載置部211の上面には、吸込具130が載置される。
【0071】
アーム部220は、台座部210から上向きに伸びるように形成されている。アーム部220の一端は、外周部212と載置部211と繋がる部分に固定されている。ここに示す構成例では、アーム部220は、側面視における台座部210の前端部から上向きに突出している。そして、アーム部220は、側面視において、上側の部位ほど台座部210の中心を通る軸に近付くように湾曲又は屈曲している。
【0072】
アーム部220は、前面視又は後面視において直線状を呈する。アーム部220は、前面視又は後面視において、台座部210の前後方向における中央に配置されている。ここで説明する構成例では、アーム部220は、電気掃除機100の管体120と同形状である。すなわち、アーム部220及び管体120は、断面が円形の同径の部材からなる。
【0073】
支持部230は、台座部210の上方に形成されている。支持部230は、アーム部220の一端と繋がっている。支持部230は、例えば、アーム部220の上面に固定されている。すなわち、アーム部は、台座部210と支持部230とを繋ぐ部位である。
【0074】
アーム部220は、前面視又は後面視において、支持部230の左右方向における中央と重なるように配置されている。ここに示す構成例では、支持部230は、円錐台形状を呈している。ただし、支持部230の形状はこれに限られず、支持部230は他に例えば円筒形状でもよい。支持部230は、上面視において、台座部210と中心が一致するように配置されている。つまり、支持部230の軸は、台座部210の左右方向における中心を通る軸と一致している。支持部230の上面の支持面部231は、電気掃除機100の本体110と直径が等しい円形状を呈している。
【0075】
以上のように構成された支持装置200は、前面視及び後面視において左右対称の外観を呈する。一方、側面視においては、支持装置200は左右非対称の外観を呈する。
【0076】
次に、図31から図36を参照しながら、この実施の形態に係る掃除機システム1の構成について説明する。掃除機システム1は、以上のように構成された電気掃除機100及び支持装置200を備えている。図31から図35は、電気掃除機100が支持装置200に載置されている状態を示している。以下において、電気掃除機100が支持装置200に載置されている状態を「支持状態」とも呼ぶ。
【0077】
支持状態において、支持装置200の支持部230の上には、電気掃除機100の本体110が位置する。また、支持部230の支持面部231の少なくとも一部には、本体110の底面の少なくとも一部が対向している。
【0078】
支持状態において、側面視でアーム部220と管体120と吸込具130と支持部230とで囲まれた空間が形成される。また、支持部230の軸は、本体110の軸と一致する。さらに、支持部230の外周面は、本体110の外周面と連続した外観を呈する。つまり、支持状態において、ケース部112、集塵部116及び支持部230を合わせた全体の外観は、例えば、円筒形状を呈する。
【0079】
支持状態において、アーム部220の上端は、本体110の底面と同じ高さにある。また、アーム部220の後方には管体120が配置されている。このとき、後面視において、接続管部117及び管体120は、支持部230の左右方向における中央と重なる。載置部211に載置された吸込具130は、長手方向の一端がアーム部220の後部に対向している。このとき、前面視及び後面視において、管体120はアーム部220と重なる。また、側面視において、アーム部220と管体120とは、本体110及び支持部230の軸を対称軸として線対称の関係にある。
【0080】
前面視及び後面視における掃除機システム1の輪郭は、前面視及び後面視における電気掃除機100の輪郭と支持装置200の輪郭とを重ね合わせたものに相当する。前述したように、電気掃除機100及び支持装置200は、それぞれ単体で、前面視及び後面視において左右対称の外形を呈する。このため、支持装置200に本体110が載置された状態の電気掃除機100と支持装置200とを合わせた掃除機システム1全体の外形は、図33及び図34に示すように、前面視及び後面視において左右対称の外形を呈する。
【0081】
側面視における掃除機システム1の輪郭は、側面視における電気掃除機100の輪郭と支持装置200の輪郭とを組み合わせたものに相当する。支持装置200に本体110が載置された状態の電気掃除機100の外形は、主に吸込具130の長手方向の一端にジョイント部132が配置されることに伴って、側面視において前後非対称である。また、支持装置200の外形も、側面視において前後非対称である。しかし、図32に示すように、支持装置200に本体110が載置された状態の電気掃除機100と支持装置200とを合わせた掃除機システム1全体の外形は、側面視において前後対称である。このため、掃除機システム1全体の一体性を向上させることができる。
【0082】
また、支持装置200に本体110が載置された状態の電気掃除機100の外形は、主に吸込具130の長手方向の一端にジョイント部132が配置されることに伴って、上面視において前後非対称である。そして、支持装置200の外形も、図30等に示すように、上面視において前後非対称である。しかし、支持装置200に本体110が載置された状態の電気掃除機100と支持装置200とを合わせた掃除機システム1全体の外形は、上面視において前後対称である。このため、掃除機システム1全体の一体性をさらに向上させることができる。
【0083】
以上のように構成された掃除機システム1において、支持装置200に本体110が載置された状態の電気掃除機100は、図32の矢印D又は矢印Eに示すように、本体110を前述の第1方向すなわち吸込口体131の長手方向に移動させることで支持装置200から取外可能である。そして、図36に示すように、電気掃除機100を支持装置200に対して着脱できる。
【0084】
この際、支持装置200は、支持装置200に本体110が載置された状態の電気掃除機100の一部に引力を作用可能な磁石232を備えてもよい。図36に示す構成例では、支持装置200の支持部230の後面に磁石232が設けられている。磁石232は、支持状態において、電気掃除機100の管体120と対向する位置に配置されている。そして、支持状態において、支持部230の磁石232と対向する管体120の部分は、磁石232により吸引される金属等の磁性体を備えている。このようにすることで、磁石232の引力を利用して電気掃除機100を支持装置200の適切な位置に容易に載置できる。また、支持状態の電気掃除機100が支持装置200から不用意に外れてしまうことを抑制できる。
【0085】
なお、支持装置200は、電気掃除機100の二次電池113を充電可能な充電スタンドであってもよい。この場合、図37に示すように、電気掃除機100の本体110の前面に、受電部119が設けられる。受電部119は、電力の供給を受ける機能を有する。受電部119は、例えば、ケース部112内部の回路基板114と電気的に接続された端子である。
【0086】
また、支持装置200には、給電部241が設けられている。図37に示す構成例では、支持部230の上部に柱状部240が設けられている。そして、柱状部240に給電部241が設けられている。支持装置200は、図示しない電源ケーブルを有している。給電部241は、例えば、図示しないリード線により電源ケーブルと電気的に接続されている。電気掃除機100が支持装置200に載置されると、受電部119と給電部241とが電気的に接続される。給電部241及び受電部119は、電磁共鳴方式により非接触で電力伝送を行うものであってもよい。そして、支持装置200の電源ケーブルが外部電源に接続され、電気掃除機100が支持装置200に載置されることで、給電部241及び受電部119を介して電気掃除機100の二次電池113が充電される。
【0087】
なお、電気掃除機100は、本体110の本体接続口118及び管体120の管体接続口122の一方又は両方に着脱可能なアタッチメントを備えていてもよい。そして、この場合、支持装置200のアーム部220に、未使用のアタッチメントを保持可能なアタッチメント保持部を備えてもよい。この際、アタッチメント保持部を、アーム部220の左右両側面の同等な上下方向位置にそれぞれ設けるようにするとよい。このようにすることで、複数のアタッチメントを支持装置200に保持させることができる。
【符号の説明】
【0088】
1 掃除機システム
11 下ケース
12 上ケース
13 吸込口
14 車輪
15 近位端
16 遠位端
21 回転ブラシ
22 モータ
23 ベルト
31 第1回転部
32 第2回転部
33 球状部
34 シャッター部
60 延長管ホルダー
100 電気掃除機
110 本体
111 把持部
112 ケース部
113 二次電池
114 回路基板
115 電動送風機
116 集塵部
117 接続管部
118 本体接続口
119 受電部
120 管体
121 管体接続部
122 管体接続口
130 吸込具
131 吸込口体
132 ジョイント部
133 吸込具接続部
134 突出部
200 支持装置
210 台座部
211 載置部
212 外周部
220 アーム部
230 支持部
231 支持面部
232 磁石
240 柱状部
241 給電部
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