(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20231212BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G09B29/00
(21)【出願番号】P 2019217512
(22)【出願日】2019-11-29
【審査請求日】2022-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】橋本 優希
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-174415(JP,A)
【文献】特開2013-125240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標物および前記目標物までの経路を含む地図データと、前記目標物までの経路の一部に対して、前記目標物から所定距離となる位置に設定される領域に関する領域データと、を記憶する記憶部と、
ユーザ端末の位置情報を取得する取得部と、
前記取得部で取得した位置情報が前記領域内にある場合、前記目標物に関する情報を前記ユーザ端末に送信する制御部と、を備え、
前記目標物に関する情報は、所定の再生時間を有する音声データを含み、
前記目標物と前記領域との前記所定距離は、前記音声データの再生時間長に基づいて調整されている、情報提供装置。
情報提供装置。
【請求項2】
前記経路の一部は、ユーザが歩くことが想定される歩行エリアであり、
前記領域は、前記歩行エリアの幅に基づいて設定されている、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記領域は、前記歩行エリアの幅方向の両端から、所定長分延びている、請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記目標物から前記経路上の所定距離の間に分岐点がある場合は、前記領域は、前記目標物から、前記所定距離より長い距離である第2の所定距離となる経路上に設定される、請求項1~
3のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記制御部は、連続的に取得された前記ユーザ端末の少なくとも2つの位置情報から前記領域への進入方向を算出し、前記進入方向に基づいて、前記目標物に関する情報を送信するか否かを決定する、請求項1~
4のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ユーザ端末から取得した連続的な位置情報が、前記領域内にある場合、前記目標物に関する情報を前記ユーザ端末に送信する、請求項1~
5のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記記憶部は、ユーザ端末群と、前記目標物に関する情報の送信有無との履歴情報をさらに記憶し、
前記制御部は、前記履歴情報に基づいて、前記目標物に関する情報を前記ユーザ端末に送信する、請求項1~
6のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記記憶部は、前記目標物に関する情報の送信時間をさらに記憶し、前記制御部は、前記送信時間に基づいて、前記目標物に関する情報を送信する、請求項
7に記載の情報提供装置。
【請求項9】
目標物および前記目標物までの経路を含む地図データと、前記目標物までの経路の一部に対して、前記目標物から所定距離となる位置に設定される領域に関する領域データと、を記憶し、
ユーザ端末の位置情報を取得し、
取得された位置情報が前記領域内にある場合に、前記目標物に関する情報を前記ユーザ端末に送信
し、
前記目標物に関する情報は、所定の再生時間を有する音声データを含み、
前記目標物と前記領域との前記所定距離は、前記音声データの再生時間長に基づいて調整されている、情報提供方法。
【請求項10】
目標物および前記目標物までの経路を含む地図データと、前記目標物までの経路の一部に対して、前記目標物から所定距離となる位置に設定される領域に関する領域データと、を記憶する処理と、
ユーザ端末の位置情報を取得する処理と、
取得された位置情報が前記領域内にある場合、前記目標物に関する情報を前記ユーザ端末に送信する処理
であって、前記目標物に関する情報は、所定の再生時間を有する音声データを含み、前記目標物と前記領域との前記所定距離は、前記音声データの再生時間長に基づいて調整されている処理、をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報提供装置、情報提供方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどの通信装置の普及に伴い、ジオフェンスと呼ばれる位置情報を利用するサービスが開始している。ジオフェンスとは、地図上に設けられた仮想的なフェンス(境界線)で囲まれたエリアである。こうしたジオフェンスを設定して、そのフェンスに入ったユーザが所持するユーザ端末に対して、ジオフェンス内の店舗等から、広告やクーポンなどの店舗に関する情報を提供する。
【0003】
例えば、特許文献1には、管理サーバが、移動端末装置からの供給に応じて、施設に関するイベント情報を移動端末装置に提供することが記載されている。さらに、同文献には、移動端末装置が経路を移動すると、ジオフェンス境界線が動的に作成されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザが歩行する経路上に、店舗などの対象施設を中心としたエリアのジオフェンスを設置しても、ユーザ端末に適切にサービスを提供することができない場合がある。したがって、複雑な道路に対しても、適切にジオフェンスを設定し、ユーザに対して適切に情報やサービスを提供することが求められている。
【0006】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、適切に領域を設定し、該領域に進入したユーザに対して適切に情報を提供することができる情報提供装置、情報提供方法、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様にかかる情報提供装置は、
目標物および前記目標物までの経路を含む地図データと、前記目標物までの経路の一部に対して、前記目標物から所定距離となる位置に設定される領域に関する領域データと、を記憶する記憶部と、
ユーザ端末の位置情報を取得する取得部と、
前記取得手段で取得した位置情報が前記領域内にある場合、前記目標物に関する情報を前記ユーザ端末に送信する制御部と、を備える。
【0008】
本開示の第2の態様にかかる情報提供方法は、
目標物および前記目標物までの経路を含む地図データと、前記目標物までの経路の一部に対して、前記目標物から所定距離となる位置に設定される領域に関する領域データと、を記憶し、
ユーザ端末の位置情報を取得し、
取得された位置情報が前記領域内にある場合に、前記目標物に関する情報を前記ユーザ端末に送信する。
【0009】
本開示の第3の態様にかかるプログラムは、
目標物および前記目標物までの経路を含む地図データと、前記目標物までの経路の一部に対して、前記目標物から所定距離となる位置に設定される領域に関する領域データと、を記憶する処理と、
ユーザ端末の位置情報を取得する処理と、
取得された位置情報が前記領域内にある場合、前記目標物に関する情報を前記ユーザ端末に送信する処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、適切に領域を設定し、該領域に進入したユーザに対して適切に情報を提供することができる情報提供装置、情報提供方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1にかかる情報提供システムの構成例を説明する図である。
【
図2】実施の形態2にかかる情報提供システムの構成例を説明する図である。
【
図3】実施の形態2にかかるサーバの構成例を説明する図である。
【
図4】実施の形態2にかかるユーザ端末20のハードウェア構成例を示す図である。
【
図5】比較例のジオフェンスの設定方法とその問題点を説明する図である。
【
図6】実施の形態2にかかるジオフェンスの設定方法を説明する図である。
【
図7】実施の形態2にかかるジオフェンスの設定方法を説明する図である。
【
図8】実施の形態2にかかるジオフェンスの設定方法を説明する図である。
【
図9】実施の形態2にかかるジオフェンスの設定方法を説明する図である。
【
図10】ジオフェンスへの進入方向の設定方法を説明する図である。
【
図11】ジオフェンスへの進入方向の判別方法を説明する図である。
【
図12】ジオフェンスへ進入後の移動方向の判別方法を説明する図である。
【
図13】ジオフェンスへの再進入時にコンテンツを配信しない例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。
図1を参照して、本実施の形態にかかる情報提供装置を説明する。
本実施の形態にかかる情報提供装置100は、目標物および前記目標物までの経路を含む地図データと、前記目標物までの経路の一部に対して、前記目標物から所定距離となる位置に設定された領域に関する領域データと、を記憶する記憶部102と、ユーザ端末の位置情報を取得する取得部103と、取得部103で取得した位置情報が前記領域内にある場合、前記目標物に関する情報を前記ユーザ端末に送信する制御部101と、を備える。
【0013】
情報提供装置100は、コンピュータであり、CPU(central processing unit)、メモリ、インターフェース回路等により構成される電子回路ユニットである。
【0014】
目標物までの経路とは、歩行者が目標物に到達するまでに通過する道筋であり、推定到着時間が最も短い道筋に限らず、歩行者と通過し得る様々な道筋を含むことができる。
【0015】
目標物と該領域との所定距離は、ユーザの歩く歩行速度と目標物に関する情報、又はその情報のコンテンツの長さに応じて任意に設定することができる。例えば、ユーザの歩くスピードが0.5m/s、コンテンツの長さが30sの場合、15mとすることができる。
【0016】
目標物は、建物や施設、店舗に限らず、標識、看板、マネキン、マスコット人形、動物、花火等、種々の物体を含むことができる。
【0017】
目標物に関する情報は、標識、看板、マネキン、マスコット人形、動物、花火等に関する情報、施設のイベント情報、クーポン情報、道案内(ディスプレイに表示する、又は音声サービス)、交通情報(渋滞や事故情報)、観光情報、映像や音響AR(Augmented Reality)などを含むことができる。
【0018】
本実施の形態によれば、街全体に存在し得る複雑な道路に対しても、目標物までの経路上に適切に領域を設定し、該領域に進入したユーザに対して適切に情報を提供することができる。
【0019】
実施の形態2
図2は、情報提供システムの構成例を説明する図である。
情報提供システム1は、サーバ10(情報提供装置とも呼ばれる場合がある)と、有線又は無線ネットワーク30を介してサーバ10と接続されたユーザ端末20を備える。ネットワーク30は、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、及びワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)、例えば、インターネット、移動体通信網を含み得る。
【0020】
サーバ10は、ジオフェンス内に入ったユーザに対して、例えば、地図上の特定の施設、例えば、店舗に関する情報(例えば、クーポン、イベントなど)や「映像AR」と「音響AR」を融合した案内サービス(コンテンツサービスとも呼ばれる場合がある)を提供する。特定の店舗は、予め設定されたジオフェンスに関連づけられている。本明細書においては、ジオフェンスは、単に領域とも呼ばれる場合がある。
【0021】
図3は、サーバの構成例を説明する図である。
サーバ10は、制御部101と、記憶部102を有するコンピュータである。制御部101は、CPU(中央処理装置)を有する。記憶部102は、地図情報データベース1021、登録位置情報データベース1022、ユーザ情報データベース1023、ジオフェンスデータベース1024、コンテンツデータベース1025を含む。
【0022】
地図情報データベース1021は、車道や歩道などを含む道路網、交差点およびT字路などを含む分岐点、信号機、交通標識、様々な建物、施設などの情報を含むことができる。
【0023】
登録位置情報データベース1022は、例えば、店舗や建物、美術館、映画館、遺跡、観光名所などの登録対象物に関する情報を含む。また、登録位置情報データベース1022は、標識、看板、マネキン、マスコット人形、動物、花火等、種々の物体を含んでもよい。施設の関係者が、こうした情報を本情報提供システム1に事前に登録することで、施設に関連付けられたジオフェンスに入ったユーザのユーザ端末20に対して、こうした情報が提供され得る。登録位置情報に関する情報と、映像ARや音響ARとを融合したコンテンツデータが提供されてもよい。
【0024】
ユーザ情報データベース1023は、ユーザ端末を介して情報を受けたいユーザについてのユーザID、パスワード、端末ID、年齢、性別、趣味、嗜好などのユーザに関する情報を含むことができる。また、ユーザ情報データベース1023は、ユーザが情報配信を希望する店舗や建物、美術館、映画館、遺跡、観光名所、標識、看板、マネキン、マスコット人形、動物、花火等、種々の物体などの対象物を含むことができる。ユーザIDは、ユーザを一意に識別する識別子である。端末IDは、端末を一意に識別する識別子である。
【0025】
ジオフェンスデータベース1024は、前述した登録位置情報に関連付けられて、設定されたジオフェンスのジオフェンスID、緯度、経度、範囲、大きさを含むことができる。ジオフェンスIDは、ジオフェンスを一意に識別する識別子である。
【0026】
コンテンツデータベース1025は、ジオフェンスIDおよびユーザIDに関連付けられたコンテンツを含むことができる。コンテンツは、所定時間を有する音響ARを有するコンテンツであってもよいし、映像ARと音響ARとを融合した所定時間を有するコンテンツデータとしてもよい。こうしたコンテンツの長さ、すなわち、所定再生時間は、ユーザの歩く速度やジオフェンスと店舗までの距離等を考慮して、任意に設定することができる。
【0027】
さらに、記憶部102は、ユーザ端末群と、前記目標物に関する情報の送信有無との履歴情報をさらに記憶することができる。また、記憶部102は、前記目標物に関する情報の送信時間をさらに記憶することができる。
【0028】
ユーザ端末20は、例えば、街の中を歩くユーザが携帯し得るコンピュータであり、例えば、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、スマートフォンウォッチ、ヒアラブルデバイスなどの携帯端末とすることができる。
【0029】
図4は、本実施形態におけるサーバ10又はユーザ端末20のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、サーバ10又はユーザ端末20は、CPU201、RAM202、ROM203などを有するコンピュータ(情報処理装置)である。CPU201は、RAM202、ROM203、または、ハードディスク204に格納されたソフトウェアに従い演算および制御を行う。RAM202は、CPU201が各種処理を実行する際の一時記憶領域として使用される。ハードディスク204には、オペレーティングシステム(OS)や、後述の登録プログラムなどが記憶される。ディスプレイ205は、液晶ディスプレイとグラフィックコントローラとから構成され、ディスプレイ205には、画像やアイコンなどのオブジェクト、および、GUIなどが表示される。入力部206は、ユーザがユーザ端末20に各種指示を与えるための装置であり、例えば、ボタンやキーボード、スクリーンキーボード、マウスなどによって構成される。I/F(インターフェース)部207は、IEEE 802.11aなどの規格に対応した無線LAN通信や有線LAN通信を制御することができ、TCP/IPなどのプロトコルに基づき同一通信ネットワークおよびインターネットを介して外部機器と通信する。位置検出部208は、GPS(Global Positioning System)を含み、人工衛星によって送信された電波を受信することにより、地球上におけるユーザ端末の現在地及び現在時刻を検出することができる。システムバス209は、CPU201、RAM202、ROM203、および、ハードディスク204などとのデータのやり取りを制御する。
【0030】
なお、上記したユーザ端末20のハードウェア構成例では、映像ARなどの映像や画像データを表示するためのディスプレイ205を有しているが、音響ARなど音声データを提供する音声サービスの場合は、ディスプレイ205を有しなくてもよい。また、音声サービスを受聴するため、ユーザ端末のI/F(インターフェース)部207と有線又は無線で接続されたイヤホンやヘッドホン、ヘッドセット、ヒアラブルデバイスなどを用いてもよい。
【0031】
次に、本開示の特徴部分の一つである、ジオフェンスの設定方法について詳細に説明する。
図5は、比較例のジオフェンスの設定方法とその問題点を説明する図である。
ここでは、施設400(例えば、店舗)に対して、ジオフェンスを設定する。
この比較例では、施設400を中心として、円形状のジオフェンスGが設定されている。すなわち、施設400の座標(緯度、経度)を中心として、所定の半径の領域がジオフェンスとして設定されている。このように、施設の緯度及び経度と、ジオフェンスの半径を情報提供システムに入力することで、ジオフェンス内に施設が含まれるように容易にジオフェンスが設定される。ユーザがジオフェンスの領域に進入したことを、ユーザが携帯するユーザ端末のGPSが検出すると、店舗に関する情報(例えば、クーポンやイベント情報など)がユーザ端末に提供される。しかし、ユーザ端末に音声データを提供するサービスを開発するにあたり、以下のような3つの問題が生じている。
(1)店舗に向かう動線上にない道であっても、ジオフェンスの領域の一部が道に重なると、対象とすべきでないユーザにも、不適切に音声サービスが提供されてしまう。こうした誤検知を回避するように、ジオフェンスの半径を設定することが難しい。
(2)店舗から遠ざかるユーザ8に対しても、不適切に音声サービスが提供されてしまう。
(3)ジオフェンスに入った後、急に方向転換したユーザ9に対しても、不適切に音声サービスが提供されてしまう。
以上の問題に加えて、特に、GPSを用いるサービスでは、GPSの測定誤差(約10m)を回避することができない。そのため、適切に情報が提供されるように、測定誤差を考慮してジオフェンスを設定する必要がある。
【0032】
図6は、本実施の形態にかかる例示的なジオフェンスの設定方法を説明する図である。
音声サービスでは、ユーザがジオフェンスに進入したことにより、店舗に関する音声サービス(所定の時間を有する)を、ユーザ端末を介してユーザに提供する。
上記した3つの問題点に対する解決方法は以下の通りである。
(1)ユーザが店舗に至る動線上で、店舗から所定距離だけ離れた位置にジオフェンスG1,G2,G3,G4を配置する。ユーザを店舗に円滑に誘導するには、所定時間の音声サービスが終了するとほぼ同時に、ユーザを店舗に到着させることが好ましい。
(2)ジオフェンスへの進入方向を設定する。これにより、ジオフェンスへの進行方向とは反対側にある施設の音声サービスを提供しない。店舗から遠ざかるユーザに音声サービスが提供されるのを防止できる。
(3)ジオフェンスへの進入検知において、ユーザがジオフェンスに一定時間、滞在したことを確認し、その後、音声サービスを提供する。これにより、急に方向転換したユーザに音声サービスが提供されるのを防止できる。
以下、各問題点に対する解決方法について、具体的に説明する。
【0033】
図7は、施設400から所定距離だけ離間してジオフェンスG1,G2を設定する例を示す。
図7に示すように、施設400の前に、一本道Rが左右に延びている。ユーザである店舗の顧客が道Rを通って店舗に到達することを想定し、店舗から所定距離だけ離れた位置に2つのジオフェンスG1,G2を設定する。
図7の矢印A1および矢印A2は、音声サービスの開始と終了を概略的に示している。ユーザの所持するユーザ端末の位置がジオフェンス内に進入した場合、音声サービスを開始し、ユーザの歩行速度に合わせて、ちょうどユーザが店舗に到達するあたりで、音声サービスが終了する。すなわち、店舗とジオフェンスとの距離は、音声サービスなどのコンテンツの所定時間とユーザの歩行速度を考慮して、任意に設定される。歩行速度は、ユーザの年齢、性別などに考慮して、設定してもよい。サーバ10が、ユーザIDおよび端末IDを取得することにより、ユーザの年齢、性別などに考慮して、施設(店舗)とジオフェンスとの距離の距離を、動的に変更してもよい。また、ジオフェンスは、施設と重ならないように設定されてもよい。
【0034】
また、
図7に示すように、ジオフェンスG1,G2は、道路に対して、略垂直方向に細長くなるように設定されている。これは、GPSによる測定誤差を考慮するためである。図示していないが、通常、道路に沿って多数の建物や高層ビルが存在する。そのため、建物の反射によるGPSのずれは、道路に対して垂直方向に大きくなる傾向があると考えられる。
【0035】
ジオフェンスの細長い形状は、矩形や楕円形、複数の円形の組み合わせ(
図8で後述する)を含む好適な細長い形状とすることができる。矩形のジオフェンスを設定する場合は、4点の座標(緯度経度情報)を入力すればよい。
【0036】
なお、本例では、店舗に対して左右に延びる一本道を想定したが、左右の道路のうち片方の道が行き止まりなどにより、通行できない場合、反対側の道のみにジオフェンスを設定することができる。
【0037】
図8は、例示的な細長い形状のジオフェンスの詳細図である。
図8は、
図7に示すような一本道を想定して、ジオフェンスを設定している。
【0038】
対象施設400から延びた線L1から、線L1に対して垂直な方向にXm離れた位置を中心として半径Rmの円形のジオフェンスG11を設置する。このジオフェンスG11と所定半径Rmずらして重ねた、半径Rmの円形のジオフェンスG12を設置する。さらに、このジオフェンスG12とRmずらして重ねた、半径Rmの円形のジオフェンスG13を設置する。このように、複数の円形のジオフェンスG11、G12、G13をグループ化して、細長いジオフェンスG1を形成する。
【0039】
同様に、線L1に対して、複数の円形のジオフェンスG11、G12、G13の反対側に、複数の円形のジオフェンスG21、G22、G23を設置する。すなわち、対象施設400から延びた線L1から、線L1に垂直な方向にXm離れた位置を中心として半径Rmの円形のジオフェンスG21を設置する。このジオフェンスG21と所定半径Rmずらして重ねた、半径Rmの円形のジオフェンスG22を設置する。さらに、このジオフェンスG22とRmずらして重ねた、半径Rmの円形のジオフェンスG23を設置する。このように、複数の円形のジオフェンスG21、G22、G23をグループ化して、細長いジオフェンスG2を形成する。
【0040】
図8では、3つの円形ジオフェンスを、一つのジオフェンスとしてグループ化したが、歩行者の動線や道幅を考慮して、2つ、又はそれ以上の円形のジオフェンスをグループ化してもよい。
【0041】
本例では、施設400から円形ジオフェンスの中心までの距離Xmは、約15mとし、円形ジオフェンスの半径は、約3mとする。隣接する円形ジオフェンスの重なり部分(
図8では、最小幅)は、4.5m以上とすることが望ましい。細長いジオフェンスの長手方向の長さLは、10m以下とする。細長いジオフェンスは、道幅(又は歩行エリアの幅)と少なくとも同じ長さ分だけ道(又は歩行エリア)の両端からそれぞれ延ばすことが好ましい。また、細長いジオフェンスが矩形の場合、長手方向の長さは、10m以下で、幅が4.5m以上の矩形とすることができる。なお、これらは、道幅、歩行者の平均歩行速度、GPSの測定間隔(約1秒間隔)、コンテンツの時間などを考慮して定められたものであり、本開示は、これらに限定されない。
【0042】
上記したように、例えば、音声データの再生時間長に基づいて領域が設定される所定距離を定める。そのため、記憶部102のコンテンツデータベースに記憶された音声データが更新されたり、一部の追加や削除がされた場合などにより、音声データの再生時間長が変化した場合には、制御部101は、それに応じて施設とジオフェンスとの所定距離を変更してもよい。
【0043】
上記の例では、店舗前の一本道を歩行エリアであると想定した。しかし、実際の道幅にかかわらず、歩行者が歩くことが想定されるエリア(歩道を含む)を歩行エリアと定め、該歩行エリアに対応して、ジオフェンスを設定することができる。テーマパークのような歩行者(ユーザ)が歩くことが想定されるエリアが広い場合は、例えば、テーマパークの入口と、ユーザにより予約済のアトラクションの入口とをつなぐ経路を歩行エリアと定めてもよい。
【0044】
細長いジオフェンスの長手方向の長さLは、歩行エリアの幅と、GPSの測定誤差を考慮して定めることができる。すなわち、細長いジオフェンスの長手方向の長さLは、歩行エリアの幅の両端から、両方の外側に向かって測定誤差を許容する所定の幅だけ延ばすことが好ましい。言い換えると、GPS測定誤差が10mであるとするならば、細長いジオフェンスの長手方向の長さLは、歩行エリアの幅に加え20mの長さを有する。より好ましくは、歩行エリアの幅の両端から、両方の外側に向かってGPSの測定誤差分だけ延ばしてもよい。
【0045】
図9は、交差点C1を含む道路網R1,R2,R3,R4に施設から所定距離だけ離間してジオフェンスG1,G2,G3,G4を設定する例を示す。本例においても、前述したように、対象施設から所定距離だけ離れた位置にジオフェンスを設定する。ただし、施設が、交差点やT字路など分岐点の近傍(分岐点から所定距離内)に道路R4に沿って設けられている場合は、分岐された各道R1、R2,R3(施設がある道路から離れた道路)上に、それぞれジオフェンスを設置する。すなわち、
図9に示すように、施設400が交差点C1から所定距離Xm場合、ジオフェンスG2を、交差点C1に対して、施設400と反対側の道路R2に設置し、ジオフェンスG3を、施設400から交差点を右折する道R3に設置し、ジオフェンスG1を、施設400から交差点を左折する道R1上に設置する。
【0046】
すなわち、施設までの経路が分岐する(例えば、交差点やT字路など、)場合、分岐点の手前から所定距離(Xm)だけ離れた位置にジオフェンスG1、G2、G3を設定する。言い換えると、目標物(施設)から前記経路上の所定距離の間に分岐点がある場合は、ジオフェンス(領域)は、目標物に対し、所定距離より長い距離である第2の所定距離となる経路上の位置に設定される、ということができる。第2の所定距離は、所定距離より、分岐点を通過する経路分だけ長く設定される。
【0047】
また、
図9の矢印A1~A4は、音声サービスなどのコンテンツが再生中であることを示している。矢印A1、A2、A3が示すように、分岐点を経由して施設400に接近し得るユーザが、交差点C1に入る手前でコンテンツが終了する。また、矢印A4が示すように、歩行者が施設のある道路を歩く場合は、コンテンツの再生は施設の手前で終了する。このように、施設までの経路が分岐する手前に、ジオフェンスを設置し、かつ施設に関するコンテンツを分岐する前に終了することで、施設に確実に移動しないユーザに対して、不必要な情報が提供されることを防止する。
【0048】
情報提供システム1においては、
図6に示すように、ユーザが、ディスプレイに表示された地図情報における対象施設400にカーソル5を合わせて、マウスをクリックすることで、自動的に、ジオフェンスが適切に設定されてもよい。
【0049】
なお、
図9では、説明の便宜上、円形のジオフェンスG1~G4を使用したが、前述したように、道路に対して略垂直方向に細長く延びてジオフェンスG1~G4を形成することで、GPSの測定誤差をカバーすることができる。
【0050】
続いて、
図10を参照してジオフェンスへの進入方向の設定方法について説明する。
図10では、図面を簡略化するため、円形のジオフェンスを図示しているが、前述したように道幅から延びた細長い形状のジオフェンスを用いてもよい。
図10に示すように、ジオフェンスG1~G4は、いずれも、施設400に向かう方向(すなわち、交差点C1に向かう方向)を進入方向(
図10では、○で示す)と定めている。このため、当該進入方向から入ったユーザに対して、そのユーザ端末に音声サービスを提供する。音声サービスのコンテンツは、ジオフェンス毎に異なるように定めてもよい。例えば、ユーザがジオフェンスG1に進入するときに再生される音声サービスは、「施設は、次の交差点を右に曲がり、右手にあります」とアナウンスすることができる。ユーザがジオフェンスG2に進入するときに再生される音声サービスは、「施設は、次の交差点をまっすぐ進んで右手にあります」とアナウンスすることができる。ユーザがジオフェンスG3に進入するときに再生される音声サービスは、「次の交差点を左に曲がり、右手にあります」とアナウンスすることができる。さらに、ユーザがジオフェンスG4に進入するときに再生される音声サービスは、「まっすぐ進んで左手にあります」とアナウンスすることができる。
【0051】
一方、施設400から遠ざかる方向(すなわち、交差点C1から遠ざかる方向)を非進入方向(
図10では、Xで示す)と定めており、当該非進入方向から入ったユーザに対して、音声サービスは提供されない。
【0052】
図11は、ユーザのジオフェンスへの進入方向を判別する方法を説明する図である。
なお、本情報提供システムにおいては、GPS測定間隔は約1秒間隔で行うものとして説明するが、任意の測定間隔に設定してもよい。
【0053】
ユーザ端末を所持するユーザが、ジオフェンスGへ進入する際、GPSにより、位置P1から位置P2に進行したとする。その場合、位置P1から位置P2への進入角度θを、所定方向(本例では、北方向)を基準として算出する。算出された進入角度が、例えば、180度<θ<360度の場合は、ユーザは、適切な進入方向からジオフェンスに進入したものとみなすことができる。
【0054】
一方、ユーザ端末を所持するユーザが、ジオフェンスGへ進入する際、GPSの測定間隔(約1秒)で、位置P3から位置P4に進行したとする。その場合、位置P3から位置P4への進入角度θを、所定方向(本例では、北方向)を基準として算出する。進入角度が、例えば、0度<θ<180度の場合は、ユーザは、不適切な進入方向(非進入方向)からジオフェンスに進入したものとみなすことができる。
【0055】
あるいは、変形例として、次のように、ユーザの進入方向を判別してもよい。まず、
図11に示すように、ジオフェンスGの境界線の一部QRSを進入境界線と定め、ジオフェンスGの境界線の一部QTSを非進入境界線と定める。
【0056】
ユーザ端末を所持するユーザがジオフェンスGへ進入する際、GPSの測定間隔(約1秒)で、位置P1から位置P2に進行したとする。この場合、ユーザがジオフェンスGの進入境界線QRSを越えて進入しているので、ユーザがジオフェンスで予め定められた進入方向から進入したと判断することができる。
【0057】
一方、ユーザ端末を所持するユーザが、ジオフェンスGへ進入する際、GPSの測定間隔(約1秒)で、位置P3から位置P4に進行したとする。その場合、ユーザがジオフェンスGの非進入境界線QTSを越えて進入しているので、ユーザがジオフェンスで定められた非進入方向から進入したと判断することができる。
【0058】
なお、上記した例では、ジオフェンスへの進入前後の測定間隔の2点の測定値から、進入方向を判断したが、2点以上、例えば、3点や4点の測定値から、進入方向を判断してもよい。
【0059】
進入方向だけを判別するだけでは、ジオフェンスに進入後、急に方向転換したユーザに対しても、不適切に音声サービスが提供されてしまう。そこで、この問題点への解決方法を説明する。
【0060】
図12を参照して、進入後の移動方向を判別する方法を説明する。
ユーザが予め定められた進入方向からジオフェンスへ進入したことを検知した後、さらに、GPS測定間隔にわたって連続したGPS測定値(少なくとも2つの測定値)を測定する。これにより、ユーザがジオフェンスに進入後のユーザの移動方向を判断することができる。
【0061】
例えば、
図12に示すように、GPSの測定間隔で、ユーザの位置P1および位置P2が測定されたあと、更に、次の位置P3がジオフェンスG内にあることが検知された場合、ユーザ端末に対して、音声サービスを提供する。言い換えると、ユーザがジオフェンスG内に所定時間(本例では、約2秒)以上滞在した場合、音声サービスを提供する。
【0062】
一方、GPSにより、ユーザの位置P4および位置P5が測定されたあと、更に、次の位置P6がジオフェンスGの外にあることが検知された場合、ユーザ端末に対して、音声サービスを提供しない。これにより、ユーザ端末の位置が一時的に誤ってジオフェンス内に入ってしまった場合には、ユーザ端末に対して、コンテンツが配信されないようにすることができる。
【0063】
なお、上記の例では、進入後の移動方向を判別する際、2点の測定値を測定したが、ジオフェンス内の3点以上を測定したあと、コンテンツを再生するようにしてもよい。また、判別直後から音声出力の開始時点までの間隔は、ジオフェンスと対象施設との距離やコンテンツの再生時間に応じて、適宜調整することができる。
【0064】
さらに、ジオフェンス内に進入したユーザに対して一度配信したコンテンツは、再度、同ユーザがジオフェンスに進入しても、同ユーザに対して配信しなくてもよい。具体的には、
図13に示すように、ジオフェンス外の位置P1と、ジオフェンス内の位置P2および位置P3を測定したあと、施設400に関連付けられたコンテンツが再生される。その後、ユーザが、ジオフェンス内の位置P4を経て、ジオフェンス外の位置P5、P6、P7と移動し、再度、ジオフェンス内の位置P8,P9と移動したとする。この場合、情報処理装置は、一度コンテンツを配信したユーザに対して、所定時間内は、同じコンテンツを再度配信してしないようにすることができる。
【0065】
具体的には、音響AR用音声情報に対し再生有無フラグを設けている。情報処理装置(ユーザ端末又はクラウド側のサーバ)では、ユーザ端末で出力した音響AR用音声情報に対して再生済フラグを所定時間(例えば1時間)設定する。情報処理装置は、ユーザがジオフェンス進入時に、ユーザID又は端末IDを確認するとともに、ジオフェンスIDに対応する音響AR用音声情報のフラグの有無を確認する。そして、情報処理装置は、フラグがある場合には、同ユーザ端末に対してコンテンツを再生せず、フラグが無い場合に、同ユーザ端末に対して再生する。このように、記憶部102は、ユーザ端末群と、目標物に関する情報の送信有無との履歴情報をさらに記憶し、制御部101は、前記履歴情報に基づいて、目標物に関する情報をユーザ端末20に送信することができる。記憶部102は、目標物に関する情報の送信時間をさらに記憶し、制御部は、送信時間に基づいて、目標物に関する情報を送信することができる。
【0066】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0067】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記した音声サービスを、音像定位技術を用いて、音像定位位置が目標物の位置に設定された音響AR用音声情報を出力することも可能である。一般に音響AR用音声情報は、目標物に対するユーザ位置に基づいて加工された音声情報を、ユーザが所持するヒアラブルデバイスに出力する。本実施形態にかかる情報提供システムでは、ジオフェンス立ち入りを検出するときは、ユーザ位置と目標物との位置関係はほとんど同じであるため、ユーザの位置情報に基づいた加工を行わずに予めジオフェンス位置に基づいて加工済の音響AR用音声情報をそのままユーザ端末に出力することが可能である。
【0068】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
目標物および前記目標物までの経路を含む地図データと、前記目標物までの経路の一部に対して、前記目標物から所定距離となる位置に設定される領域に関する領域データと、を記憶する記憶部と、
ユーザ端末の位置情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した位置情報が前記領域内にある場合、前記目標物に関する情報を前記ユーザ端末に送信する制御部と、を備える、情報提供装置。
(付記2)
前記経路の一部は、ユーザが歩くことが想定される歩行エリアであり、
前記領域は、前記歩行エリアの幅に基づいて設定されている、付記1に記載の情報提供装置。
(付記3)
前記領域は、前記歩行エリアの幅方向の両端から、所定長分延びている、付記2に記載の情報提供装置。
(付記4)
前記目標物に関する情報は、所定の再生時間を有する音声データを含む、付記1~3のいずれか一項に記載の情報提供装置。
(付記5)
前記目標物と前記領域との前記所定距離は、前記音声データの再生時間長に基づいて調整されている、付記4に記載の情報提供装置。
(付記6)
前記目標物から前記経路上の所定距離の間に分岐点がある場合は、前記領域は、前記目標物から、前記所定距離より長い距離である第2の所定距離となる経路上に設定される、付記1~5のいずれか一項に記載の情報提供装置。
(付記7)
前記制御部は、連続的に取得された前記ユーザ端末の少なくとも2つの位置情報から前記領域への進入方向を算出し、前記進入方向に基づいて、前記目標物に関する情報を送信するか否かを決定する、付記1~6のいずれか一項に記載の情報提供装置。
(付記8)
前記制御部は、前記ユーザ端末から取得した連続的な位置情報が、前記領域内にある場合、前記目標物に関する情報を前記ユーザ端末に送信する、付記1~7のいずれか一項に記載の情報提供装置。
(付記9)
前記記憶部は、ユーザ端末群と、前記目標物に関する情報の送信有無との履歴情報をさらに記憶し、
前記制御部は、前記履歴情報に基づいて、前記目標物に関する情報を前記ユーザ端末に送信する、付記1~8のいずれか一項に記載の情報提供装置。
(付記10)
前記記憶部は、前記目標物に関する情報の送信時間をさらに記憶し、前記制御部は、前記送信時間に基づいて、前記目標物に関する情報を送信する、付記9に記載の情報提供装置。
(付記11)
目標物および前記目標物までの経路を含む地図データと、前記目標物までの経路の一部に対して、前記目標物から所定距離となる位置に設定される領域に関する領域データと、を記憶し、
ユーザ端末の位置情報を取得し、
取得された位置情報が前記領域内にある場合に、前記目標物に関する情報を前記ユーザ端末に送信する、情報提供方法。
(付記12)
目標物および前記目標物までの経路を含む地図データと、前記目標物までの経路の一部に対して、前記目標物から所定距離となる位置に設定される領域に関する領域データと、を記憶する処理と、
ユーザ端末の位置情報を取得する処理と、
取得された位置情報が前記領域内にある場合、前記目標物に関する情報を前記ユーザ端末に送信する処理と、をコンピュータに実行させる、プログラム。
【符号の説明】
【0069】
1 情報提供システム
5 カーソル
8 ユーザ
9 ユーザ
10 サーバ
20 ユーザ端末
30 ネットワーク
100 情報提供装置
101 制御部
102 記憶部
103 取得部(取得手段)
400 施設
1021 地図情報データベース
1022 登録位置情報データベース
1023 ユーザ情報データベース
1024 ジオフェンスデータベース
1025 コンテンツデータベース