(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20231212BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20231212BHJP
G06T 7/70 20170101ALI20231212BHJP
【FI】
H04N1/387 110
G06T7/00 660A
G06T7/70 A
H04N1/387 200
(21)【出願番号】P 2019222735
(22)【出願日】2019-12-10
【審査請求日】2022-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】林 亮太郎
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-121371(JP,A)
【文献】特開2007-087262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/387
G06T 7/00
G06T 7/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データが示す画像領域を複数の領域に分割し、分割領域に対応する分割画像データを印刷装置に送信する画像処理装置であって、
前記画像データが示す画像から第1オブジェクトを検出し、
検出した前記第1オブジェクトの前記画像領域における位置を検出し、
検出した前記画像領域における前記第1オブジェクトの位置に基づいて、前記第1オブジェクトを構成する第2オブジェクトに対応する第2オブジェクト領域を前記分割領域が含むように前記画像領域を分割する画像処理部を備え、
前記画像処理部は、
ユーザーが指定したサイズ、又は、前記印刷装置が印刷可能な印刷媒体の最大幅に対応するサイズを、前記分割領域の最大のサイズとして前記画像領域を分割し、
検出した前記第1オブジェクトに対応する第1オブジェクト領域のサイズが前記最大のサイズを上回る場合、
前記第1オブジェクトから前記第2オブジェクトを検出し、
検出した前記第2オブジェクトの前記画像領域における位置を検出し、
前記第1オブジェクトから検出された前記第2オブジェクトが2つ以上であって、2つ以上の前記第2オブジェクト領域を含み且つ前記最大のサイズ以下のサイズである領域を前記画像領域に形成可能である場合、当該領域を1の前記第2オブジェクト領域として前記画像領域を分割する、
画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理部は、
前記第2オブジェクト領域を含まない前記分割領域のサイズが前記最大のサイズを上回る場合、1の前記分割領域が前記最大のサイズ以下のサイズになるまで、前記第2オブジェクト領域を含まない前記分割領域をさらに分割する、
請求項
1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像処理部は、
検出した前記第1オブジェクトに対応する第1オブジェクト領域のサイズが前記最大のサイズ以下である場合、前記第1オブジェクト領域、及び、前記第2オブジェクト領域を前記分割領域が含むように前記画像領域を分割する、
請求項
1又は
2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第1オブジェクトは、顔であり、
前記第2オブジェクトは、眼、鼻、及び、口の少なくともいずれかである、
請求項1から
3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像データが示す画像領域を複数の領域に分割し、分割領域に対応する分割画像データを印刷装置に送信する画像処理装置の制御方法であって、
前記画像データが示す画像から第1オブジェクトを検出し、
検出した前記第1オブジェクトの前記画像領域における位置を検出し、
検出した前記画像領域における前記第1オブジェクトの位置に基づいて、前記第1オブジェクトを構成する第2オブジェクトに対応する第2オブジェクト領域を前記分割領域が含むように前記画像領域を分割する
画像処理装置の制御方法であって、
ユーザーが指定したサイズ、又は、前記印刷装置が印刷可能な印刷媒体の最大幅に対応するサイズを、前記分割領域の最大のサイズとして前記画像領域を分割し、
検出した前記第1オブジェクトに対応する第1オブジェクト領域のサイズが前記最大のサイズを上回る場合、
前記第1オブジェクトから前記第2オブジェクトを検出し、
検出した前記第2オブジェクトの前記画像領域における位置を検出し、
前記第1オブジェクトから検出された前記第2オブジェクトが2つ以上であって、2つ以上の前記第2オブジェクト領域を含み且つ前記最大のサイズ以下のサイズである領域を前記画像領域に形成可能である場合、当該領域を1の前記第2オブジェクト領域として前記画像領域を分割する、
画像処理装置の制御方法。
【請求項6】
画像データが示す画像領域を複数の領域に分割し、分割領域に対応する分割画像データを印刷装置に送信する画像処理装置の制御部
により実行されるプログラムであって、
前記制御部に、
前記画像データが示す画像から第1オブジェクトを検出させ、
検出した前記第1オブジェクトの前記画像領域における位置を検出させ、
検出した前記画像領域における前記第1オブジェクトの位置に基づいて、前記第1オブジェクトを構成する第2オブジェクトに対応する第2オブジェクト領域を前記分割領域が含むように前記画像領域を分割させる
プログラムであって、
ユーザーが指定したサイズ、又は、前記印刷装置が印刷可能な印刷媒体の最大幅に対応するサイズを、前記分割領域の最大のサイズとして前記画像領域を分割し、
検出した前記第1オブジェクトに対応する第1オブジェクト領域のサイズが前記最大のサイズを上回る場合、
前記第1オブジェクトから前記第2オブジェクトを検出し、
検出した前記第2オブジェクトの前記画像領域における位置を検出し、
前記第1オブジェクトから検出された前記第2オブジェクトが2つ以上であって、2つ以上の前記第2オブジェクト領域を含み且つ前記最大のサイズ以下のサイズである領域を前記画像領域に形成可能である場合、当該領域を1の前記第2オブジェクト領域として前記画像領域を分割する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像を複数に分割し、分割画像ごと印刷する技術が知られている。例えば、特許文献1は、分割画像ごと印刷するプリントシステムにおいて、N-1番目の分割画像の右端とN番目の分割画像の左端とを同濃度で印刷する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のように画像を複数に分割する際には、眼や口等の特定のオブジェクトが複数の分割画像に亘って分割されないようにしたいとするニーズがある。眼や口等のオブジェクトの分割画像を並べたり貼り合わせたりして1の印刷物を得る場合、つなぎ目の位置ずれ等が目立ちやすいためである。しかしながら、従来、特定のオブジェクトが分割されないようにするためには分割位置を手動で調整する必要がありユーザーの手間がかかっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する一態様は、画像データが示す画像領域を複数の領域に分割し、分割領域に対応する分割画像データを印刷装置に送信する画像処理装置であって、前記画像データが示す画像から第1オブジェクトを検出し、検出した前記第1オブジェクトの前記画像領域における位置を検出し、検出した前記画像領域における前記第1オブジェクトの位置に基づいて、前記第1オブジェクトを構成する第2オブジェクトに対応する第2オブジェクト領域を前記分割領域が含むように前記画像領域を分割する画像処理部を備える、画像処理装置である。
【0006】
上記課題を解決する別の一態様は、画像データが示す画像領域を複数の領域に分割し、分割領域に対応する分割画像データを印刷装置に送信する画像処理装置の制御方法であって、前記画像データが示す画像から第1オブジェクトを検出し、検出した前記第1オブジェクトの前記画像領域における位置を検出し、検出した前記画像領域における前記第1オブジェクトの位置に基づいて、前記第1オブジェクトを構成する第2オブジェクトに対応する第2オブジェクト領域を前記分割領域が含むように前記画像領域を分割する、画像処理装置の制御方法である。
【0007】
上記課題を解決するさらに別の一態様は、画像データが示す画像領域を複数の領域に分割し、分割領域に対応する分割画像データを印刷装置に送信する画像処理装置の制御部であって、前記制御部に、前記画像データが示す画像から第1オブジェクトを検出させ、検出した前記第1オブジェクトの前記画像領域における位置を検出させ、検出した前記画像領域における前記第1オブジェクトの位置に基づいて、前記第1オブジェクトを構成する第2オブジェクトに対応する第2オブジェクト領域を前記分割領域が含むように前記画像領域を分割させる、プログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】画像領域分割処理によって分割された画像領域の一例を示す図。
【
図4】画像領域分割処理における制御装置の動作を示すフローチャート。
【
図5】顔の位置と顔領域のサイズとの検出を説明するための図。
【
図8】分割領域と隣接分割領域と結合を説明するための図。
【
図9】顔構成オブジェクトに係る検出を説明するための図。
【
図10】顔構成オブジェクト群領域の形成を説明するための図。
【
図12】分割領域と隣接分割領域と結合を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、印刷システム1000の構成を示す図である。
図1に示すように、印刷システム1000は、プリンター1と、制御装置2とを備える。プリンター1は、印刷装置の一例に対応する。制御装置2は、画像処理装置の一例に対応する。
【0010】
まず、プリンター1について説明する。
プリンター1は、インクをインクジェット式で噴射することにより印刷媒体に文字や画像等を印刷する装置である。
図1に示すように、プリンター1は、プリンター制御部10と、プリンター通信部11と、印刷部12とを備える。
【0011】
プリンター制御部10は、CPUやMPU等のプログラムを実行するプロセッサーであるプリンタープロセッサー110、及び、プリンター記憶部120を備え、プリンター1の各部を制御する。プリンター制御部10は、プリンタープロセッサー110が、プリンター記憶部120に記憶された制御プログラム120Aを読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。
【0012】
プリンター記憶部120は、プリンタープロセッサー110が実行するプログラムや、プリンタープロセッサー110により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。プリンター記憶部120は、プリンタープロセッサー110が実行する制御プログラム120A、及び、プリンター1の動作に関する各種の設定値を含む設定データ120Bを記憶する。プリンター記憶部120は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、プリンター記憶部120は、揮発性記憶領域を備え、プリンタープロセッサー110が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶する構成としてもよい。
【0013】
プリンター通信部11は、所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、プリンター制御部10の制御により、制御装置2と所定の通信規格に従って通信する。プリンター通信部11と制御装置2との通信規格は、無線通信規格でも有線通信規格でもよい。
【0014】
印刷部12は、インクジェットヘッドや、インクジェットヘッドを駆動する駆動回路、キャリッジ、キャリッジを搬送方向と交差する主走査方向に走査させる走査モーター、走査モーターを駆動するモータードライバー、印刷媒体をキャリッジの主走査方向と交差する方向に搬送する搬送モーター、その他の印刷媒体への印刷に関する構成を備える。印刷部12は、プリンター制御部10の制御で、印刷媒体に文字や画像等を印刷する。
【0015】
次に、制御装置2について説明する。制御装置2は、プリンター1を制御する装置であり、例えばコンピューターによって構成される。本実施形態の制御装置2は、印刷媒体に印刷する文字や画像等の画像データを生成し、生成した画像データに基づいて印刷データを生成し、生成した印刷データをプリンター1に送信する。
【0016】
制御装置2は、制御装置制御部20と、制御装置通信部21と、制御装置入力部22と、制御装置表示部23とを備える。
【0017】
制御装置制御部20は、CPUやMPU等のプログラムを実行するプロセッサーである制御装置プロセッサー210、及び、制御装置記憶部220を備え、制御装置2の各部を制御する。制御装置制御部20は、制御装置プロセッサー210が、制御装置記憶部220に記憶された制御プログラム220Aを読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。
【0018】
制御装置制御部20は、制御装置プロセッサー210が第1プログラム220Cを読み出して実行することにより、画像データ生成部2110として機能する。第1プログラム220Cは、画像データを生成するためのプログラムであり、予め制御装置2にインストールされている。
また、制御装置制御部20は、制御装置プロセッサー210が第2プログラムを読み出して実行することにより、画像処理部2120、及び、通信制御部2130として機能する。画像処理部2120、及び、通信制御部2130の詳細については後述する。第2プログラム220Dは、印刷データの生成、及び、生成した印刷データの送信を行うためのプログラムであり、予め制御装置2にインストールされている。第2プログラム220Dは、プログラムの一例に対応する。
【0019】
制御装置記憶部220は、制御装置プロセッサー210が実行するプログラムや、制御装置プロセッサー210により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。制御装置記憶部220は、制御装置プロセッサー210が実行する制御プログラム220A、制御装置2の動作に関する各種の設定値を含む設定データ220B、第1プログラム220C、及び、第2プログラム220Dを記憶する。制御装置記憶部220は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、制御装置記憶部220は、揮発性記憶領域を備え、制御装置プロセッサー210が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶する構成としてもよい。
なお、本実施形態では、制御プログラム220A、第1プログラム220C、及び、第2プログラム220Dは、別プログラムとして例示するが、3つのプログラムが1のプログラムを構成してもよく、第1プログラム220C、及び、第2プログラム220Dで1のプログラムを構成してもよい。
【0020】
制御装置通信部21は、所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、プリンター制御部10の制御により、制御装置2と所定の通信規格に従って通信する。
【0021】
制御装置入力部22は、ユーザーからの操作を受け付けるキーボードや、マウス、タッチパネル等の入力手段を備え、ユーザーの入力手段に対する操作を検出し、制御装置制御部20に出力する。制御装置制御部20は、制御装置入力部22からの入力に基づいて、入力手段に対する操作に対応する処理を実行する。
【0022】
制御装置表示部23は、複数のLEDや、表示パネル等を備え、制御装置制御部20の制御で、LEDを所定の態様で点灯/消灯や、表示パネルへの情報の表示等を実行する。
【0023】
上述したように、制御装置制御部20は、画像データ生成部2110、画像処理部2120、及び、通信制御部2130として機能する。
【0024】
画像データ生成部2110は、印刷媒体に印刷する文字や画像等の画像データGDを生成し、生成した画像データGDを画像処理部2120に出力する。
【0025】
画像処理部2120は、画像データ生成部2110が生成した画像データGDが示す画像領域GAを複数の領域に分割し、分割領域BAごと、分割領域BAに対応する画像である分割画像を印刷するための印刷データを生成する。画像処理部2120は、生成した印刷データを通信制御部2130に出力する。
【0026】
通信制御部2130は、画像処理部2120が生成した印刷データを、制御装置通信部21によってプリンター1に送信する。
【0027】
次に、印刷システム1000の動作について説明する。
図2は、印刷システム1000の動作を示すフローチャートである。
図2において、フローチャートFAは、制御装置2の動作を示す。また、フローチャートFBは、プリンター1の動作を示す。
【0028】
制御装置2の画像処理部2120は、印刷データを生成するトリガーが発生したか否かを判別する(ステップSA1)。例えば、画像処理部2120は、画像データ生成部2110から画像データGDの入力があった場合、ステップSA1において印刷データを生成するトリガーが発生したと判別する。
【0029】
画像処理部2120は、印刷データを生成するトリガーが発生していないと判別した場合(ステップSA1:NO)、再度、ステップSA1の処理を実行する。
【0030】
一方、画像処理部2120は、印刷データを生成するトリガーが発生したと判別した場合(ステップSA1:YES)、画像領域分割処理を実行する(ステップSA2)。
【0031】
画像領域分割処理とは、画像データ生成部2110が生成した画像データGDが示す画像領域GAを複数の領域に分割する処理である。画像領域分割処理の詳細については、
図4を参照して後述する。
【0032】
画像処理部2120は、画像領域分割処理において分割した複数の分割領域BAから1の分割領域BAを特定する(ステップSA3)。
【0033】
次いで、画像処理部2120は、画像データGDが示す画像において特定した分割領域BAに対応する画像である分割画像を印刷するための印刷データを生成する(ステップSA4)。
【0034】
画像処理部2120は、分割画像を印刷するための印刷データを生成する際、分割画像に対して、解像度変換処理や、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理、コマンド付加処理等の各種処理を実行する。なお、分割画像を印刷するための印刷データには、分割画像の画像データである分割画像データが含まれる。
【0035】
次いで、通信制御部2130は、画像処理部2120が生成した印刷データを、制御装置通信部21によってプリンター1に送信する(ステップSA5)。前述した通り、印刷データには、分割画像データが含まれるため、印刷データを送信することは、分割画像データを送信することに相当する。
【0036】
次いで、画像処理部2120は、画像領域分割処理において分割した複数の分割領域BAの全てをステップSA3で特定したか否かを判別する(ステップSA6)。
【0037】
画像処理部2120は、分割領域BAの全てをステップSA3で特定していないと判別した場合(ステップSA6:NO)、処理をステップSA3に戻し、未特定の分割領域BAをステップSA3で一つ特定し、ステップSA4以降の処理を再度行う。
【0038】
一方、画像処理部2120は、画像領域分割処理において得た分割領域BAの全てをステップSA3において特定したと判別した場合、処理を終了する。
【0039】
図3は、画像領域分割処理によって分割された画像領域GAの一例を示す図である。
図3に示す画像領域GAは、5本の分割線BLによって12の分割領域BAに分割されている。分割線BLは、画像領域GAにおいて縦方向、又は、横方向のいずれかに一直線で設定される。
【0040】
図3の場合、画像処理部2120は、12の分割領域BAのそれぞれについて、分割画像を印刷するための印刷データを生成する。そして、通信制御部2130は、プリンター1に12の印刷データを送信する。
【0041】
フローチャートFBを参照して、プリンター1のプリンター制御部10は、プリンター通信部11によって印刷データを受信したか否かを判別する(ステップSB1)。
【0042】
プリンター制御部10は、印刷データを受信したと判別した場合(ステップSB1:YES)、受信した印刷データが示す分割画像を印刷部12によって印刷媒体に印刷する(ステップSB2)。
【0043】
図3の場合、プリンターは、異なる分割画像が印刷された印刷物を12枚生成する。ユーザーは、プリンター1が生成した12の印刷物を並べたり張り合わせたりすることによって、画像データGDが示す画像が印刷された所望の大きさの1の印刷物を得ることができる。この印刷方法は、タイリング印刷や、分割印刷と呼ばれ、例えば、ポスターや、看板、横断幕等の作成時に利用される。特に、この印刷方法は、プリンター1が印刷可能な印刷媒体の最大幅より大きい1の印刷物を得るために利用される。
【0044】
図4は、画像領域分割処理における制御装置2の動作を示すフローチャートである。
図4のフローチャートの説明では、画像データ生成部2110が出力した画像データGDが示す画像には、顔が含まれることを前提とする。顔は第1オブジェクトの一例に対応する。
【0045】
画像処理部2120は、画像領域分割処理において、画像データ生成部2110が出力した画像データGDをY軸X軸が定義された座標系に展開して行う。座標系においてY軸及びX軸は、一方の軸の軸方向がプリンター1の印刷媒体の搬送方向に対応し、他方の軸の軸方向が搬送方向と直交する方向に対応する。画像データGDは、画像領域GAの縦方向がY軸と平行になり、且つ、画像領域GAの横方向がX軸と平行になるように座標系に展開される。
【0046】
画像処理部2120は、画像データ生成部2110が出力した画像データGDが示す画像から顔を検出する(ステップSA201)。
【0047】
画像処理部2120は、ステップSA201において、例えば以下の検出方法によって画像から顔を検出する。
ステップSA201において、画像処理部2120は、あるサイズを有する矩形の検出枠を画像領域GAにおいて移動させ、移動した位置ごとに検出枠内の画像から特徴量を所定のアルゴリズムで算出する。画像処理部2120は、移動した位置ごとに、算出した特徴量と、予め定められている顔の特徴量との一致度合を算出し、算出した一致度合が所定の閾値以上となるか否かを判別する。画像処理部2120は、所定の閾値以上となる検出枠の画像を顔として検出する。なお、検出枠のサイズを変更することにより種々の大きさの顔を画像から検出できる。
なお、顔の検出方法は、あくまで一例であって上記の検出方法に限定されず、例えば画像における色差に基づいて顔を検出する方法でもよい。
【0048】
次いで、画像処理部2120は、ステップSA201において、画像データGDが示す画像から顔を検出すると、検出した顔の画像領域GAにおける位置と、検出した顔に対応する顔領域FCAのサイズを検出する(ステップSA202)。顔領域FCAは、第1オブジェクト領域の一例に対応する。顔領域FCAは、画像領域GAにおける矩形の領域である。
【0049】
図5は、画像領域GAにおける顔の位置と、顔領域FCAのサイズとの検出を説明するための図である。
図5は、画像データGDが示す画像から画像処理部2120が1の顔を検出した場合を示している。
【0050】
まず、画像処理部2120は、検出した顔を含み且つ領域の面積が最も小さくなるような顔領域FCAを決定する。なお、画像処理部2120は、顔を検出した際の検出枠を顔領域FCAとしてもよい。
【0051】
画像処理部2120は、決定した顔領域FCAの四角のそれぞれについて座標を検出する。そして、画像処理部2120は、検出した座標の組み合わせを、画像領域GAにおける顔の位置として検出する。
図5の場合、画像処理部2120は、(X1、Y1)、(X1、Y2)、(X2、Y1)、及び、(X2、Y2)の座標の組み合わせを、画像領域GAにおける顔の位置として検出する。
【0052】
また、画像処理部2120は、顔領域FCAの四角のそれぞれについて座標に基づいて顔領域FCAのサイズを検出する。本実施形態において、顔領域FCAのサイズとは、直交する2つの辺の長さの組み合わせを示し、X軸の辺の長さとY軸の辺の長さとの組み合わせとを示す。
図3の場合、画像処理部2120は、X2-X1を示す辺の長さと、Y2-Y1を示す辺の長さとの組み合わせを、顔領域FCAのサイズとして検出する。
【0053】
図4のフローチャートの説明に戻り、画像処理部2120は、顔の画像領域GAにおける位置と、顔領域FCAのサイズとを検出すると、検出した顔領域FCAのサイズが、分割可能最大サイズを上回るか否かを判別する(ステップSA203)。
【0054】
分割可能最大サイズとは、画像処理部2120が画像領域GAを分割可能な分割領域BAの最大のサイズを示す。分割領域BAは矩形の領域であるため、分割可能最大サイズは、X軸と平行の辺の長さと、Y軸と平行の辺の長さとの組み合わせを示す。分割可能最大サイズは、ユーザーが指定したサイズ、又は、プリンター1が印刷可能な印刷媒体の最大幅に対応するサイズである。分割可能最大サイズがユーザーが指定したサイズである場合、分割可能最大サイズが示す2辺の長さの組み合わせは、ユーザーが指定した長さの組み合わせとなる。一方、分割可能最大サイズが印刷媒体の最大幅に対応するサイズである場合、分割可能最大サイズが示す2辺の長さは、印刷媒体の最大幅に対応する長さとなる。
【0055】
ステップS203において、画像処理部2120は、顔領域FCAの直交する2辺のそれぞれについて、分割可能最大サイズが示す対応する辺の長さを上回るか否かを判別する。すなわち、画像処理部2120は、顔領域FCAのX軸と平行な辺の長さが、分割可能最大サイズが示すX軸と平行な辺の長さを上回るか否か、及び、顔領域FCAのY軸と平行な辺の長さが、分割可能最大サイズが示すY軸と平行な辺の長さを上回るか否か、を判別する。画像処理部2120は、2辺とも分割可能最大サイズを上回らないと判別した場合、ステップS203において否定判別し、いずれか1辺が上回る場合、ステップS203において肯定判別する。なお、以下の説明において、分割可能最大サイズとの比較及び判別は、上述した比較及び判別と同様に行われる。
【0056】
画像処理部2120は、顔領域FCAのサイズが分割可能最大サイズ以下であると判別した場合(ステップSA203:NO)、分割線BLを画像領域GAに設定する(ステップSA204)。ステップS203:NOを経由したステップS204の処理の場合、画像処理部2120は、顔領域FCAを基準に分割線BLを画像領域GAに設定する。
【0057】
図6は、分割線BLの設定を説明するための図である。
図6は、画像データGDが示す画像から画像処理部2120が1の顔を検出し、且つ、顔領域FCAのサイズが分割可能最大サイズ以下である場合を示している。
【0058】
画像処理部2120は、顔領域FCAの辺のそれぞれに対して、辺と平行で且つ辺と重畳する分割線BLを設定する。
【0059】
図6の場合、画像処理部2120は、X座標がX1でありY軸に平行な辺H1に対して、辺H1と平行で且つ辺H1と重畳する分割線BL1を画像領域GAに設定する。なお、辺H1と重畳するとは、分割線BL1のX座標がX1であることを示す。
【0060】
また、
図6の場合、画像処理部2120は、X座標がX2でありY軸に平行な辺H2に対して、辺H2と平行で且つ辺H2と重畳する分割線BL2を画像領域GAに設定する。なお、辺H2と重畳するとは、分割線BL2のX座標がX2であることを示す。
【0061】
また、
図6の場合、画像処理部2120は、Y座標がY1でありX軸に平行な辺H3に対して、辺H3と平行で且つ辺H3と重畳する分割線BL3を画像領域GAに設定する。なお、辺H3と重畳するとは、分割線BL3のY座標がY1であることを示す。
【0062】
また、
図6の場合、画像処理部2120は、Y座標がY2でありX軸に平行な辺H4に対して、辺H4と平行で且つ辺H4と重畳する分割線BL4を画像領域GAに設定する。なお、辺H4と重畳するとは、分割線BL4のY座標がY2であることを示す。
【0063】
図4のフローチャートの説明に戻り、画像処理部2120は、ステップSA204で分割線BLを設定すると、ステップSA204の設定により画像領域GAが分割された複数の分割領域BAから1の分割領域BAを特定する(ステップSA205)。
【0064】
次いで、画像処理部2120は、ステップS205で特定した分割領域BAのサイズが、分割可能最大サイズを上回るか否かを判別する(ステップSA206)。
【0065】
画像処理部2120は、分割可能最大サイズを上回らないと判別した場合(ステップSA206:NO)、ステップSA204の設定により画像領域GAが分割された分割領域BAの全てをステップSA205で特定したか否かを判別する(ステップS208)。
【0066】
画像処理部2120は、全て特定していないと判別した場合(ステップSA208:NO)、処理をステップSB205に戻し、未特定の分割領域BAから1の分割領域BAを特定して、ステップSA206以降の処理を再度行う。
【0067】
一方、画像処理部2120は、全て特定したと判別した場合(ステップSA208:YES)、ステップSA209の処理を行う。
【0068】
ステップSA206の説明に戻り、分割可能最大サイズ以下であると判別した場合(ステップSA206:YES)、ステップSA205で特定した分割領域BAに対して分割線BLを設定し、ステップSA205で特定した分割領域BAをさらに分割する(ステップSA207)。
【0069】
図7は、分割領域BAに対する分割線BLの設定を説明するための図である。
【0070】
図7は、画像データGDが示す画像から画像処理部2120が1の顔を検出し、且つ、顔領域FCAのサイズが分割可能最大サイズ以下である場合を示している。また、
図7は、ステップS204における分割線BL1、BL2、BL3、BL4の設定によって、画像領域GAが9つの分割領域BAに分割された場合を示している。また、
図7では、9つの分割領域BAのうち、分割領域BA-3、BA-6、BA-9のX軸と平行の辺が分割可能最大サイズを上回るとする。また、
図7では、9つの分割領域BAのうち、分割領域BA-7、BA-8、BA-9のY軸と平行の辺が分割可能最大サイズを上回るとする。
【0071】
画像処理部2120は、分割領域BA-1、BA-2、BA-4、BA-5のそれぞれについて、いずれの辺が分割可能最大サイズ以下であると判別し、分割線BLの設定を行わない。
【0072】
画像処理部2120は、分割領域BA-3、BA-6、BA-9のそれぞれについては、分割可能最大サイズを上回ると判別し、それぞれに分割線BLを設定する。
図7では、分割領域BA-3、BA-6、BA-9のそれぞれについて、X軸と平行の辺を2等分割することで分割後の各領域が分割可能最大サイズ以下のサイズになるとする。そのため、
図7では、画像処理部2120は、分割領域BA-3、BA-6、BA-9のそれぞれについて、共通する分割線BL5が設定される。分割線BL5は、X座標がX3で、Y軸に平行な線である。この分割線BL5の設定により、分割領域BA-3は、分割領域BA-31と分割領域BA-32とにさらに分割され、分割領域BA-6は、分割領域BA-61と分割領域BA-62とにさらに分割される。分割領域BA-9については後に説明する。
【0073】
また、画像処理部2120は、分割領域BA-7、BA-8、BA-9のそれぞれについては、分割可能最大サイズを上回ると判別し、それぞれに分割線BLを設定する。
図7では、分割領域BA-7、BA-8、BA-9のそれぞれについて、Y軸と平行の辺を2等分割することで分割後の各領域が分割可能最大サイズ以下のサイズになるとする。そのため、
図7では、画像処理部2120は、分割領域BA-7、BA-8、BA-9のそれぞれについて、共通する分割線BL6が設定される。分割線BL6は、Y座標がY3で、X軸に平行な線である。この分割線BL6の設定により、分割領域BA-7は、分割領域BA-71、BA-72との2つの分割領域BAに分割され、分割領域BA-8は、分割領域BA-81、BA-82の2つの分割領域BAに分割される。分割領域BA-9は、X軸と平行な辺、及び、Y軸と平行な辺が2等分割されるため、分割領域BA-91、BA-92、BA-93、BA-94の4つの分割領域BAに分割される。
【0074】
図4に示すフローチャートの説明に戻り、ステップSA209において、画像処理部2120は、ステップSA204、及び、ステップS206の設定により画像領域GAが分割された複数の分割領域BAから1の分割領域BAを特定する(ステップSA209)。
【0075】
次いで、画像処理部2120は、ステップSA209で特定した分割領域BAと辺を介して隣接する分割領域BAを特定する(ステップSA210)。以下の説明において、ステップSA209で特定した分割領域BAと辺を介して隣接する分割領域BAを、「隣接分割領域」という。
【0076】
次いで、画像処理部2120は、ステップSA209で特定した分割領域BAと、ステップSA210で特定した隣接分割領域とを結合しても結合した分割領域BAが分割可能最大サイズ以下となる隣接分割領域が有るか否かを判別する(ステップSA211)。
【0077】
画像処理部2120は、ステップSA211で否定判別した場合、処理をステップSA213に移行させる。一方、画像処理部2120は、ステップSA111で肯定判別した場合、結合しても分割可能最大サイズ以下となる隣接分割領域と、ステップSA209で特定した分割領域BAとを結合する(ステップSA212)。
【0078】
次いで、画像処理部2120は、ステップSA204、及び、ステップSA206の設定により画像領域GAが分割された分割領域BAの全てをステップSA209で特定したか否かを判別する(ステップS213)。
【0079】
画像処理部2120は、全て特定していないと判別した場合(ステップSA213:NO)、処理をステップSB209に戻し、未特定の分割領域BAを特定して、ステップSA210以降の処理を再度行う。
【0080】
図8は、分割領域BAと隣接分割領域と結合を説明するための図である。
図8は、画像データGDが示す画像から画像処理部2120が1の顔を検出し、且つ、顔領域FCAのサイズが分割可能最大サイズ以下である場合を図示している。また、
図8は、ステップSA204、SA206において分割線BL1、BL2、BL3、BL4、BL5、BL6が設定され、画像領域GAが16つの分割領域BAに分割されたとする。
【0081】
また、
図8では、分割領域BA-1と分割領域BA-2とが結合しても分割可能最大サイズ以下であるとする。また、
図8では、分割領域BA-4と分割領域BA-5とが結合しても分割可能最大サイズ以下であるとする。また、分割領域BA-71と分割領域BA-81とが結合しても分割可能最大サイズ以下であるとする。また、分割領域BA-72と分割領域BA-82とが結合しても分割可能最大サイズ以下であるとする。
【0082】
画像処理部2120は、ステップS209で分割領域BA-1を特定すると、ステップS210において分割領域BA-1の隣接分割領域として分割領域BA-2、BA-4を特定する。上述した通り、
図8では、分割領域BA-1と分割領域BA-2とが結合しても分割可能最大サイズ以下であるため、画像処理部2120は、分割領域BA-1、BA-2を結合し、結合した領域を1の分割領域BA-1´とする。
【0083】
また、画像処理部2120は、ステップS209で分割領域BA-4を特定すると、ステップS210において分割領域BA-4の隣接分割領域として分割領域BA-1、BA-5、BA-71を特定する。なお、分割領域BA-4の特定前に、分割領域BA-1を特定し結合が行われていた場合、分割領域BA-4の隣接分割領域として、分割領域BA-1の代わりに分割領域BA-1´を特定する。
図8では、分割領域BA-4と分割領域BA-5とが結合しても分割可能最大サイズ以下であるため、画像処理部2120は、分割領域BA-4、BA-5を結合し、結合した領域を1の分割領域BA-4´とする。
【0084】
また、画像処理部2120は、ステップS209で分割領域BA-71を特定すると、ステップS210において分割領域BA-71の隣接分割領域として分割領域BA-4、BA-73、BA-81を特定する。なお、分割領域BA-71の特定前に、分割領域BA-4の特定及び結合が行われていた場合、分割領域BA-71の隣接分割領域として、分割領域BA-4の代わりに分割領域BA-4´を特定する。
図8では、分割領域BA-71と分割領域BA-81とが結合しても分割可能最大サイズ以下であるため、画像処理部2120は、分割領域BA-71、BA-81を結合し、結合した領域を1の分割領域BA-71´とする。
【0085】
また、画像処理部2120は、ステップS209で分割領域BA-72を特定すると、ステップS210において分割領域BA-72の隣接分割領域として分割領域BA-71、BA-82を特定する。なお、分割領域BA-72の特定前に、分割領域BA-71の特定及び結合が行われていた場合、分割領域BA-72の隣接分割領域として、分割領域BA-71の代わりに分割領域BA-71´を特定する。
図8では、分割領域BA-72と分割領域BA-82とが結合しても分割可能最大サイズ以下であるため、画像処理部2120は、分割領域BA-72、BA-82とを結合し、結合した領域を1の分割領域BA-72´とする。
【0086】
図4に示すフローチャートの説明に戻り、画像処理部2120は、全て特定したと判別した場合(ステップSA213:YES)、ステップSA3以降の処理を実行する。
【0087】
すなわち、画像処理部2120が画像領域GAを
図8に示すように最終的に分割した場合、分割領域BA-1´、BA-31、BA-32、BA-4´、BA-61、BA-62、BA-71´、BA-91、BA-92、BA-72´、BA-93、BA-94のそれぞれについて、分割画像データを生成し、プリンター1に送信する。
【0088】
ステップSA203の説明に戻り、画像処理部2120は、顔領域FCAのサイズが分割可能最大サイズを上回ると判別した場合(ステップSA203:YES)、ステップSA201で検出した顔を構成する顔構成オブジェクトを検出する(ステップSA214)。顔構成オブジェクトは、眼、口、及び、鼻の少なくともいずれかである。顔構成オブジェクトは、第2オブジェクトの一例を示す図である。
【0089】
画像処理部2120は、ステップSA214において、例えば以下の検出方法によって顔から顔構成オブジェクトを検出する。
画像処理部2120は、あるサイズを有する矩形の検出枠を顔領域FCAにおいて移動させ、移動した位置ごとに検出枠内の画像から特徴量を所定のアルゴリズムで算出する。画像処理部2120は、移動した位置ごとに、算出した特徴量と、予め定められている顔構成オブジェクトの特徴量との一致度合を算出し、算出した一致度合が所定の閾値以上となるか否かを判別する。画像処理部2120は、所定の閾値以上となる検出枠の画像を顔構成オブジェクトとして検出する。なお、検出枠のサイズを変更することにより種々の大きさの顔構成オブジェクトを画像から検出できる。
なお、顔構成オブジェクトの検出方法は、あくまで一例であって上記の検出方法に限定されず、例えば画像における色差に基づいて検出方法でもよい。
【0090】
次いで、画像処理部2120は、ステップSA214において顔構成オブジェクトを検出すると、検出した顔構成オブジェクトごと、顔構成オブジェクトの画像領域GAにおける位置と、顔構成オブジェクトに対応する顔構成オブジェクト領域KOAのサイズを検出する(ステップSA215)。顔構成オブジェクト領域KOAは、第2オブジェクト領域の一例に対応する。顔構成オブジェクト領域KOAは、矩形の領域である。
【0091】
図9は、画像領域GAにおける顔構成オブジェクトの位置と顔構成オブジェクト領域KOAのサイズとの検出を説明するための図である。
【0092】
図9では、画像データGDが示す画像から画像処理部2120が1の顔を検出した場合を図示している。
【0093】
まず、画像処理部2120は、検出した顔構成オブジェクトを含み且つ領域の面積が最も小さくなるような顔構成オブジェクト領域KOAを決定する。なお、画像処理部2120は、顔構成オブジェクトを検出した際の検出枠を顔構成オブジェクト領域KOAとしてもよい。
【0094】
画像処理部2120は、決定した顔構成オブジェクト領域KOAの四角のそれぞれについて座標を検出する。そして、画像処理部2120は、検出した座標の組み合わせを、画像領域GAにおける顔構成オブジェクトの位置として検出する。
【0095】
図9の場合、画像処理部2120は、(X5、Y6)、(X5、Y7)、(X6、Y6)、及び、(X6、Y7)の座標の組み合わせを、画像領域GAにおける左眼を示す顔構成オブジェクトの位置として検出する。
【0096】
図9の場合、画像処理部2120は、(X7、Y6)、(X7、Y7)、(X8、Y6)、及び、(X8、Y7)の座標の組み合わせを、画像領域GAにおける右眼を示す顔構成オブジェクトの位置として検出する。
【0097】
図9の場合、画像処理部2120は、(X4、Y4)、(X4、Y5)、(X9、Y4)、及び、(X9、Y5)の座標の組み合わせを、画像領域GAにおける口を示す顔構成オブジェクトの位置として検出する。
【0098】
また、画像処理部2120は、顔構成オブジェクト領域KOAの四角の座標に基づいて顔構成オブジェクト領域KOAのサイズを検出する。本実施形態において、顔構成オブジェクト領域KOAのサイズとは、直交する2つの辺の長さの組み合わせであり、X軸と平行な辺の長さとY軸と平行な辺の長さとの組み合わせである。
【0099】
図9の場合、画像処理部2120は、X6-X5を示す辺の長さと、Y7-Y6を示す辺の長さとの組み合わせを、左眼の顔構成オブジェクト領域KOAのサイズとして検出する。
【0100】
図9の場合、画像処理部2120は、X8-X7を示す辺の長さと、Y7-Y6を示す辺の長さとの組み合わせを、右眼の顔構成オブジェクト領域KOAのサイズとして検出する。
【0101】
図9の場合、画像処理部2120は、X9-X4を示す辺の長さと、Y5-Y4を示す辺の長さとの組み合わせを、口の顔構成オブジェクト領域KOAのサイズとして検出する。
【0102】
図4に示すフローチャートの説明に戻り、画像処理部2120は、ステップSA214で複数の顔構成オブジェクトを検出したか否かを判別する(ステップSA216)。
【0103】
画像処理部2120は、ステップSA214で複数の顔構成オブジェクトを検出していない、すなわち1の顔構成オブジェクトを検出したと判別した場合(ステップSA216:NO)、処理をステップS204に移行させ、ステップS204以降の処理を実行する。画像処理部2120は、ステップSA214、SA215、ステップSA216:NOを経由してステップS204の処理を行う場合、顔領域FCAと同様に、顔構成オブジェクト領域KOAを基準に分割線BLを設定する。そして、画像処理部2120は、顔構成オブジェクト領域KOAを基準に設定した分割線BLに基づいて、ステップS205以降の処理を実行する。
【0104】
一方、画像処理部2120は、ステップSA214で複数の顔構成オブジェクトを検出したと判別した場合(ステップSA216:YES)、分割可能最大サイズ以下となる、2つ以上の顔構成オブジェクト領域を含む矩形領域を形成できるか否かを判別する(ステップSA217)。以下の説明において、2つ以上の顔構成オブジェクト領域を含む矩形領域を、「顔構成オブジェクト群領域」といい、「KGA」の符号を付す。
【0105】
画像処理部2120は、顔構成オブジェクト群領域KGAを形成できないと判別した場合(ステップSA217:NO)、処理をステップS204に移行させ、ステップS204以降の処理を実行する。画像処理部2120は、ステップSA214、SA215、SA216:YES、SA217:NOを経由してステップS204の処理を行う場合、顔領域FCAと同様に、顔構成オブジェクト領域KOAの各々を基準に分割線BLを設定する。そして、画像処理部2120は、顔構成オブジェクト領域KOAの各々を基準に設定した分割線BLに基づいて、ステップS205以降の処理を実行する。
【0106】
一方、画像処理部2120は、顔構成オブジェクト群領域KGAを形成できると判別した場合(ステップSA216:YES)、1の顔構成オブジェクト領域KOAとして、顔構成オブジェクト群領域KGAを形成する(ステップSA217)。
【0107】
図10は、顔構成オブジェクト群領域KGAの形成を説明するための図である。
図10は、画像データGDが示す画像から画像処理部2120が1の顔を検出し、且つ、顔領域FCAのサイズが分割可能最大サイズより大きい場合を示している。また、
図10は、顔から、左眼、右眼、及び、口の3つの顔構成オブジェクトを検出した場合を示している。
【0108】
また、
図10では、左眼を示す顔構成オブジェクト領域KOAと、右眼を示す顔構成オブジェクト領域KOAとを含む領域のサイズが、分割可能最大サイズ以下であるとする。
【0109】
画像処理部2120は、この場合、左眼に対応する顔構成オブジェクト領域KOAと、右眼に対応する顔構成オブジェクト領域KOAとを含む顔構成オブジェクト群領域KGAを、1の顔構成オブジェクト領域KOAとする。なお、
図10において、左眼に対応する顔構成オブジェクト領域KOAと、右眼に対応する顔構成オブジェクト領域KOAと、口に対応する顔構成オブジェクト領域KOAと、を含む領域のサイズが分割可能最大サイズ以下である場合、当該領域を顔構成オブジェクト群領域KGAとして形成する。
【0110】
図4のフローチャートの説明に戻り、画像処理部2120は、1の顔構成オブジェクト領域KOAとして顔構成オブジェクト群領域KGAを形成すると、処理をステップS204に移行させ、ステップS204以降の処理を実行する。画像処理部2120は、ステップSA214、SA215、SA216:YES、SA217:YES、SA218を経由してステップS204の処理を行う場合、顔領域FCAと同様に、1又は複数の顔構成オブジェクト領域KOAを基準に分割線BLを設定する。そして、画像処理部2120は、顔構成オブジェクト領域KOAを基準に設定した分割線BLに基づいて、ステップS205以降の処理を実行する。
【0111】
ここで、
図10のように、左眼を示す顔構成オブジェクト領域KOAと、右眼を示す顔構成オブジェクト領域KOAとを含む顔構成オブジェクト群領域KGAを1の顔構成オブジェクト領域KOAとした場合のステップS204以降の処理を具体的に説明する。
【0112】
図11は、分割線BLの設定を説明するための図である。
図11は、画像データGDが示す画像から画像処理部2120が1の顔を検出し、且つ、顔領域FCAのサイズが分割可能最大サイズより大きい場合を示している。また、
図11は、顔から、左眼、右眼、及び、口の3つの顔構成オブジェクトを検出した場合を図示している。また、
図11は、顔構成オブジェクト群領域KGAとして形成された左眼、及び右眼を含む顔構成オブジェクト領域KOAと、口を含む顔構成オブジェクト領域KOAとを示す。
【0113】
画像処理部2120は、顔構成オブジェクト領域KOAの辺のそれぞれについて、辺と平行で且つ辺と重畳する分割線BLを設定する。
【0114】
画像処理部2120は、左眼、及び、右眼を含む顔構成オブジェクト領域KOAについては、以下の分割線BLを設定する。
【0115】
図11の場合、画像処理部2120は、X座標がX11でありY座標に平行な辺H5について、辺H5と平行で且つ辺H5と重畳する分割線BL7を画像領域GAに設定する。なお、辺H5と重畳するとは、分割線BL7のX座標がX11であることを示す。なお、画像処理部2120は、口を含む顔構成オブジェクト領域KOA内には分割線BL7を設定しない。これは、ステップSA210以降の処理で、口が、異なる複数の分割領域BAに亘って分割され得るためである。
【0116】
また、
図11の場合、画像処理部2120は、X座標がX12でありY座標に平行な辺H6について、辺H6と平行で且つ辺H6と重畳する分割線BL8を画像領域GAに設定する。なお、辺H6と重畳するとは、分割線BL8のX座標がX12であることを示す。なお、画像処理部2120は、口を含む顔構成オブジェクト領域KOA内には分割線BL8を設定しない。これは、ステップSA210以降の処理で、口が、異なる複数の分割領域BAに亘って分割され得るためである。
【0117】
また、
図11の場合、画像処理部2120は、Y座標がY11でありX座標に平行な辺H7について、辺H7と平行で且つ辺H7に重畳する分割線BL9を画像領域GAに設定する。なお、辺H7と重畳するとは、分割線BL9のY座標がY11であることを示す。
【0118】
また、
図11の場合、画像処理部2120は、Y座標がY10でありX座標に平行な辺H8について、辺H8と平行で且つ辺H8に重畳する分割線BL10を画像領域GAに設定する。なお、辺H8と重畳するとは、分割線BL10のY座標がY10であることを示す。
【0119】
画像処理部2120は、口を含む顔構成オブジェクト領域KOAについては、以下の分割線BLを設定する。
【0120】
図11の場合、画像処理部2120は、X座標がX10でありY座標に平行な辺H9に対して、辺H9と平行で且つ辺H9と重畳する分割線BL11を画像領域GAに設定する。なお、辺H9と重畳するとは、分割線BL11のX座標がX10であることを示す。
【0121】
また、
図11の場合、画像処理部2120は、X座標がX13でありY座標に平行な辺H10について、辺H10と平行で且つ辺H10と重畳する分割線BL12を画像領域GAに設定する。なお、辺H10と重畳するとは、分割線BL12のX座標がX13であることを示す。
【0122】
また、
図11の場合、画像処理部2120は、Y座標がY9でありX座標に平行な辺H11に対して、辺H11と平行で且つ辺H11に重畳する分割線BL13を画像領域GAに設定する。なお、辺H11と重畳するとは、分割線BL13のY座標がY9であることを示す。
【0123】
また、
図11の場合、画像処理部2120は、Y座標がY8でありX座標に平行な辺H12に対して、辺H12と平行で且つ辺H12に重畳する分割線BL14を画像領域GAに設定する。なお、辺H12と重畳するとは、分割線BL14のY座標がY8であることを示す。
【0124】
図11の分割線BLの設定が終了すると、画像処理部2120は、ステップSA205~ステップSA208の処理を実行し、その後、ステップS209~ステップS213の処理を実行する。
【0125】
図12は、分割領域BAと隣接分割領域と結合を説明するための図である。
【0126】
図12は、
図11に示す分割線BLの設定後、ステップS205~ステップS208の処理を実行した後の分割線BLを示している。すなわち、
図12では、
図11に示す分割線BLの設定後、ステップS205~ステップS208において更なる分割線BLの設定がなされていない画像領域GAを示している。
【0127】
図12は、分割線BL7、BL8、BL9、BL10、BL11、BL12、BL13、BL14の設定によって、画像領域GAが23の分割領域BAに分割されている場合を示している。
【0128】
また、
図12では、分割領域BA-101、BA-106が結合しても分割可能最大サイズ以下であるとする。
また、
図12では、分割領域BA-102、BA-103、BA-104、BA-107、BA-108、BA-109が結合しても分割可能最大サイズ以下であるとする。
また、
図12では、分割領域BA-105、BA-110が結合しても分割可能最大サイズ以下であるとする。
また、
図12では、分割領域BA-112、BA-113、BA-114が結合しても分割可能最大サイズ以下であるとする。
また、
図12では、分割領域BA-116、BA-119が結合しても分割可能最大サイズ以下であるとする。
また、
図12では、分割領域BA-117、BA-120、BA-121、BA-122が結合しても分割可能最大サイズ以下であるとする。
また、
図12では、分割領域BA-118、BA-123が結合しても分割可能最大サイズ以下であるとする。
【0129】
図12の場合、画像処理部2120は、ステップSA209~ステップSA213の処理を実行し、分割領域BA-101、BA-106を結合して、1の分割領域BA-124とする。
また、
図12の場合、画像処理部2120は、ステップSA209~ステップSA213の処理を実行し、分割領域BA-102、BA-103、BA-104、BA-107、BA-108、BA-109が結合して、1の分割領域BA-125とする。
また、
図12の場合、画像処理部2120は、ステップSA209~ステップSA213の処理を実行し、分割領域BA-112、BA-113、BA-114を結合して、1の分割領域BA-128とする。
また、
図12の場合、画像処理部2120は、ステップSA209~ステップSA213の処理を実行し、分割領域BA-116、BA-119を結合して、1の分割領域BA-130とする。
また、
図12の場合、画像処理部2120は、ステップSA209~ステップSA213の処理を実行し、分割領域BA-117、BA-120、BA-121、BA-122を結合して、1の分割領域BA-131とする。
また、
図12の場合、画像処理部2120は、ステップSA209~ステップSA213の処理を実行し、分割領域BA-118、BA-123を結合して、1の分割領域BA-132とする。
【0130】
そして、画像処理部2120は、
図12に示すように画像領域GAを最終的に分割すると、分割領域BA-124、BA-125、BA-126、BA-111、BA-128、BA-115、BA-130、BA-131、BA-132の9つの分割領域BAのそれぞれについて、印刷データを生成する。
【0131】
以上の説明では、顔構成オブジェクト領域KOAが分割可能最大サイズ以下であることを前提とした。顔構成オブジェクト領域KOAが分割可能最大サイズを上回る場合、画像処理部2120は、顔構成オブジェクト領域KOAを複数の分割領域BAに亘って分割するようにしてもよい。また、この場合、画像処理部2120は、制御装置表示部23によって、顔構成オブジェクトが分割されてプリンター1に印刷されることを報知してもよい。
【0132】
また、以上の説明では、画像データGDが示す画像から1の顔を検出した場合を前提としたが、複数の顔を検出した場合、画像処理部2120は、以下の動作を実行する。
【0133】
すなわち、顔領域FCAの全てが分割可能最大サイズ以下である場合、画像処理部2120は、顔構成オブジェクト、及び、顔構成オブジェクト領域KOAの代わりに、顔及び顔領域FCAを処理対象として、ステップSA215以降の処理を実行する。
【0134】
また、顔領域FCAの全てが分割可能最大サイズを上回る場合、画像処理部2120は、全ての顔を対象にステップSA214、及び、ステップSA215の処理を行い、その後、ステップSA216以降の処理を実行する。
【0135】
また、分割可能最大サイズ以下の顔領域FCAと分割可能最大サイズを上回る顔領域FCAがある場合、画像処理部2120は、まず、後者の顔領域FCAから顔構成オブジェクトの検出、顔構成オブジェクトの位置検出、及び、顔構成オブジェクト領域KOAのサイズの検出を行い、その後、前者の顔領域FCAと、後者の顔領域FCAから検出した顔構成オブジェクト領域KOAとに基づいて、ステップSA217以降の処理を実行する。
【0136】
以上、説明したように、制御装置2は、画像データGDが示す画像領域GAを複数の領域に分割し、分割領域BAに対応する分割画像データをプリンター1に送信する。制御装置2は、画像データGDが示す画像から顔を検出し、検出した顔の画像領域GAにおける位置を検出し、検出した画像領域GAにおける顔の位置に基づいて、顔構成オブジェクトに対応する顔構成オブジェクト領域KOAを分割領域BAが含むように画像領域GAを分割する画像処理部2120を備える。
【0137】
制御装置2の制御方法は、画像データGDが示す画像から顔を検出し、検出した顔の画像領域GAにおける位置を検出し、検出した画像領域GAにおける顔の位置に基づいて、顔構成オブジェクトに対応する顔構成オブジェクト領域KOAを分割領域BAが含むように画像領域GAを分割する。
【0138】
制御装置2の制御装置制御部20が実行する第2プログラム220Dは、制御装置制御部20に、画像データGDが示す画像から顔を検出させ、検出した顔の画像領域GAにおける位置を検出させ、検出した画像領域GAにおける顔の位置に基づいて、顔構成オブジェクトに対応する顔構成オブジェクト領域KOAを分割領域BAが含むように画像領域GAを分割させる。
【0139】
制御装置2、制御装置2の制御方法、及び、第2プログラム220Dによれば、顔構成オブジェクト領域KOAを分割領域BAが含むように画像領域GAを分割するため、顔構成オブジェクトが複数の分割画像に亘って分割されないように自動で画像データGDが示す画像を分割できる。また、顔構成オブジェクトが複数の分割画像に亘って分割されないように自動で画像データが示す画像を分割できるため、顔構成オブジェクトが分割されないようにする手間がユーザーに掛からず、速やかに印刷を開始できる。また、複数の印刷物を並べたり張り合わせたりして1の印刷物を得た際、位置ずれ等によって顔構成オブジェクトの印刷品質が低下することを防止できる。
【0140】
画像処理部2120は、ユーザーが指定したサイズ、又は、プリンター1が印刷可能な印刷媒体の最大幅に対応するサイズを、分割可能最大サイズとして画像領域GAを分割する。
【0141】
これによれば、分割領域BAのサイズが、ユーザーが指定したサイズ、又は、プリンター1が印刷可能な印刷媒体の最大幅に対応するサイズより大きくなることがなく、分割領域BAに対応する分割画像が確実に印刷された印刷物をプリンター1が生成できる。そのため、複数の印刷物を並べたり張り合わせたりして1の印刷物を得た際に、画像データGDが示す画像の一部分が欠落しているといった事態が発生することを防止できる。
【0142】
画像処理部2120は、顔構成オブジェクト領域KOAを含まない分割領域BAのサイズが分割可能最大サイズを上回る場合、1の分割領域BAが分割可能最大サイズ以下のサイズになるまで、顔構成オブジェクト領域KOAを含まない分割領域BAをさらに分割する。
【0143】
これによれば、顔構成オブジェクトを含まない分割領域BAのサイズが、分割可能最大サイズ以下とすることができ、顔構成オブジェクトを含まない分割領域BAに対応する分割画像が確実に印刷された印刷物をプリンター1が生成できる。そのため、複数の印刷物を並べたり張り合わせたりして1の印刷物を得た際に、画像データGDが示す画像の一部分が欠落しているといった事態が発生することを防止できる。
【0144】
画像処理部2120は、検出した顔に対応する顔領域FCAのサイズが分割可能最大サイズ以下である場合、顔領域FCA、及び、顔構成オブジェクト領域KOAを分割領域BAが含むように画像領域GAを分割する。
【0145】
これよれば、顔が複数の分割画像に亘って不必要に分割されないように自動で画像データGDが示す画像を分割できる。よって、複数の印刷物を並べたり張り合わせたりして1の印刷物を得た際、位置ずれ等によって顔の印刷品質が低下することを防止できる。
【0146】
画像処理部2120は、検出した顔に対応する顔領域FCAのサイズが分割可能最大サイズを上回る場合、顔から顔構成オブジェクトを検出し、検出した顔構成オブジェクトの画像領域GAにおける位置を検出し、検出した画像領域GAにおける顔の位置に基づいて、顔構成オブジェクト領域KOAを分割領域BAが含むように画像領域GAを分割する。
【0147】
これによれば、顔領域FCAのサイズが分割可能最大サイズを上回る場合に、顔構成オブジェクトに係る処理を実行するため、不必要に顔構成オブジェクトに係る処理を実行することがなく、速やか且つ効率的な画像領域GAの分割を行うことができる。
【0148】
画像処理部2120は、顔から顔構成オブジェクトを2つ以上検出し、分割可能最大サイズ以下のサイズであり且つ2つ以上の顔構成オブジェクト領域を含む顔構成オブジェクト群領域KGAを画像領域GAに形成可能である場合、顔構成オブジェクト群領域KGAを1の顔構成オブジェクト領域KOAとして画像領域GAを分割する。
【0149】
これによれば、可能な限り顔構成オブジェクトが1の分割領域BAに含まれるように画像領域GAを分割できるため、プリンター1が生成する印刷物の数を減らせると共に、可能な限り複数の顔構成オブジェクトが印刷された1の印刷物をプリンター1が生成できるようにできる。よって、複数の印刷物によって1の印刷物を得る際に生じる位置ずれをより確実に抑制でき、当該1の印刷物の印刷品質が低下することをより確実に抑制できる。
【0150】
顔構成オブジェクトは、眼、鼻、及び、口の少なくともいずれかである。
【0151】
これによれば、眼、鼻、及び、口の少なくともいずれかが複数の分割画像に亘って分割されないように自動で画像データGDが示す画像を分割できる。
【0152】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
【0153】
例えば、上述した実施形態では、顔構成オブジェクトが眼、口、及び、鼻の少なくともいずれかである場合を例示したが、顔構成オブジェクトは、これらに限定されず、例えば、眉や、耳等であってもよい。また、上述した実施形態では、画像から検出する第1オブジェクトとして顔を例示したが、第1オブジェクトは顔に限定されず、建物や、植物等のオブジェクトでもよい。なお、第1オブジェクトが建物である場合、第2オブジェクトとして窓や屋根等が例として挙げられる。また、第1オブジェクトが植物である場合、第2オブジェクトとして葉や花等が例として挙げられる。
【0154】
また、例えば、上述した実施形態では、画像処理装置としてプリンター1と通信する制御装置2を例示したが、画像処理装置は、グローバルネットワークに接続するサーバー装置でもよい。この構成の場合、プリンター1は、当該グローバルネットワークに接続し、クラウドサーバーとして機能する画像処理装置から印刷データを受信する。また、この構成の場合、制御装置2は、当該グローバルネットワークに接続し、クラウドサーバーとして機能する画像処理装置から分割画像データを受信する。そして、制御装置2は、受信した分割画像データに基づいて印刷データを生成して、生成した印刷データをプリンター1に送信する。
【0155】
また、例えば、上述した実施形態では、制御装置2が印刷データを生成する構成であるが、プリンター1が印刷データを生成してもよい。この構成の場合、制御装置2が分割画像データをプリンター1に送信し、プリンター1が受信した分割画像データに基づいて印刷データを生成する。
【0156】
例えば、上述した実施形態では、プリンター1をシリアル型のインクジェットヘッドを具備する場合を例示したが、プリンター1は、ライン型のインクジェットヘッドを具備する構成でもよい。また、本発明の印刷装置としてプリンター1を例示したが、本発明の印刷装置はプリンター1に限定されず、スキャン機能やファクシミリ機能等の機能を有する複合機であってもよい。
【0157】
例えば、プリンター制御部10、及び、制御装置制御部20の機能は、複数のプロセッサー、又は、半導体チップにより実現してもよい。
【0158】
例えば、
図1示した各部は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、プリンター1、及び、制御装置2の他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0159】
例えば、
図2、及び、
図4に示す動作のステップ単位は、印刷システム1000の各部の動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本発明の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【符号の説明】
【0160】
1…プリンター(印刷装置)、2…制御装置(画像処理装置)、10…プリンター制御部、11…プリンター通信部、12…印刷部、20…制御装置制御部、21…制御装置通信部、22…制御装置入力部、23…制御装置表示部、110…プリンタープロセッサー、120…プリンター記憶部、120A…制御プログラム、120B…設定データ、210…制御装置プロセッサー、220…制御装置記憶部、220A…制御プログラム、220B…設定データ、220C…第1プログラム、220D…第2プログラム(プログラム)、1000…印刷システム、2110…画像データ生成部、2120…画像処理部、2130…通信制御部、BA…分割領域、FCA…顔領域(第1オブジェクト領域)、GA…画像領域、GD…画像データ、KOA…顔構成オブジェクト領域(第2オブジェクト領域)、KGA…顔構成オブジェクト群領域。