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特許7400426画像形成システム、および、画像形成システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】画像形成システム、および、画像形成システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20231212BHJP
   B65H 31/00 20060101ALI20231212BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G21/00 386
G03G21/00 500
B65H31/00 Z
G03G15/00 440
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019223395
(22)【出願日】2019-12-11
(65)【公開番号】P2021092669
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 賢一
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-205845(JP,A)
【文献】特開2014-083803(JP,A)
【文献】特開2002-103701(JP,A)
【文献】特開2009-300913(JP,A)
【文献】特開2018-140847(JP,A)
【文献】特開2009-113936(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0363901(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/01
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/01
G03G 15/36
G03G 21/00
G03G 21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
B65H 7/00
B65H 31/00-31/40
B65H 43/00-43/08
B41J 29/00-29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって画像が形成された用紙を積載する用紙積載部と、
前記用紙積載部に積載された用紙の取り出しを指示する用紙取出指示を受け付ける第1受付部と、
前記画像形成部の画像形成動作の停止を指示する動作停止指示を受け付ける第2受付部と、
前記画像形成部の画像形成動作中に前記用紙取出指示を受け付けた場合は、所定の区切りまで前記画像形成動作を行ってから前記画像形成動作を停止させ、前記画像形成部の画像形成動作中に前記動作停止指示を受け付けた場合は、前記所定の区切りに関わらずに前記画像形成動作を停止させる制御部と、
を備え
前記所定の区切りは、ジョブの間を区切りとするジョブ区切り、または、部の間を区切りとする部区切りであり、
前記制御部は、前記用紙積載部に積載される用紙が複数ジョブで指定された用紙である場合は前記ジョブ区切りを前記所定の区切りに決定し、前記用紙積載部に積載される用紙が単一ジョブで指定された用紙である場合は前記部区切りを前記所定の区切りに決定する
画像形成システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記用紙取出指示を受け付けて前記画像形成動作を停止させた場合は、前記所定の区切りから前記画像形成動作を再開させ、前記動作停止指示を受け付けて前記画像形成動作を停止させた場合は、前記画像形成動作を停止した続きから前記画像形成動作を再開させる
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記用紙積載部に積載された用紙を自動で機外に排出する用紙自動排出部を備え、
前記制御部は、前記用紙取出指示を受け付けて前記画像形成動作を停止させた後、前記用紙積載部に積載されている用紙を前記用紙自動排出部によって機外に排出させる
請求項1または2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記第1受付部は、前記用紙積載部を有する用紙積載装置に設けられている
請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記第2受付部は、前記画像形成部を有する画像形成装置に設けられている
請求項1~4のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記第1受付部は、後処理部を有する後処理装置から出力される用紙取出指示信号を受信することにより、前記用紙取出指示を受け付ける
請求項1~4のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記第2受付部は、前記動作停止指示の操作をユーザーから受け付けたときに、前記動作停止指示があったと判断する
請求項1~4のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記画像形成部の画像形成動作を停止させるアラームまたはエラーを検知する検知部を備え、
前記第2受付部は、前記検知部が前記アラームまたは前記エラーを検知したときに、前記動作停止指示があったと判断する
請求項1~4のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記検知部が検知するアラームは、用紙切れアラーム、および/または、画像調整アラームを含む
請求項8に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記検知部が検知するエラーは、紙詰まりエラー、および/または、異常画像検知エラーを含む
請求項8または9に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記所定の区切りを前記ジョブ区切りとする場合に、後工程の内容が異なるジョブ間を前記所定の区切りに決定する
請求項に記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記制御部は、前記所定の区切りを前記ジョブ区切りとする場合に、ジョブを登録したユーザーが異なるジョブ間を前記所定の区切りに決定する
請求項に記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記制御部は、前記画像形成部の画像形成動作中に前記用紙取出指示を受け付けた場合であって、かつ、前記所定の区切りまで前記画像形成動作を行う用紙の枚数が前記用紙積載部に積載可能な最大積載枚数までの許容積載枚数を超える場合は、前記所定の区切りに関わらずに前記画像形成動作を停止させる
請求項1~12のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項14】
前記制御部は、前記所定の区切りまで前記画像形成動作を行う用紙の枚数が前記用紙積載部に積載可能な最大積載枚数までの許容積載枚数を超える場合は、前記所定の区切りで前記画像形成動作を停止させることができなかった旨を報知する
請求項13に記載の画像形成システム。
【請求項15】
前記制御部は、前記画像形成部の画像形成動作中に前記用紙取出指示を受け付けた場合であって、前記所定の区切りが前記部区切りであり、かつ、後工程でページ管理が不要な場合は、前記所定の区切りに関わらずに前記画像形成動作を停止させる
請求項に記載の画像形成システム。
【請求項16】
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって画像が形成された用紙を積載する用紙積載部と、
前記用紙積載部に積載された用紙の取り出しを指示する用紙取出指示を受け付ける第1受付部と、
前記画像形成部の画像形成動作の停止を指示する動作停止指示を受け付ける第2受付部と、
前記画像形成部の画像形成動作中に前記用紙取出指示を受け付けた場合は、所定の区切りまで前記画像形成動作を行ってから前記画像形成動作を停止させ、前記画像形成部の画像形成動作中に前記動作停止指示を受け付けた場合は、前記所定の区切りに関わらずに前記画像形成動作を停止させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記動作停止指示を受け付けて前記画像形成動作を停止させた場合であって、かつ、前記画像形成動作の停止中に前記用紙取出指示を受け付けた場合は、前記画像形成動作を再開させ、前記所定の区切りまで前記画像形成動作を行ってから前記画像形成動作を停止させ
像形成システム。
【請求項17】
前記制御部は、前記画像形成動作の停止中に前記用紙取出指示を受け付けた場合であって、かつ、前記画像形成動作が前記所定の区切りで停止していない場合に、前記画像形成動作を再開させる
請求項16に記載の画像形成システム。
【請求項18】
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって画像が形成された用紙を積載する用紙積載部と、
を備える画像形成システムの制御方法であって、
前記画像形成部の画像形成動作中に、前記用紙積載部に積載された用紙の取り出しを指示する用紙取出指示を受け付けた場合は、所定の区切りまで前記画像形成部の画像形成動作を行ってから前記画像形成動作を停止させ、
前記画像形成部の画像形成動作中に、前記画像形成部の画像形成動作の停止を指示する動作停止指示を受け付けた場合は、前記所定の区切りに関わらずに前記画像形成動作を停止させ
前記所定の区切りは、ジョブの間を区切りとするジョブ区切り、または、部の間を区切りとする部区切りであり、
前記用紙積載部に積載される用紙が複数ジョブで指定された用紙である場合は前記ジョブ区切りを前記所定の区切りに決定し、前記用紙積載部に積載される用紙が単一ジョブで指定された用紙である場合は前記部区切りを前記所定の区切りに決定する
画像形成システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、および、画像形成システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
用紙に画像を形成する画像形成部と、画像形成部によって画像が形成された用紙を積載する用紙積載部とを備える画像形成システムが知られている。この種の画像形成システムでは、画像形成部が画像形成動作を実行中に、様々な事情で画像形成動作を停止させる必要が生じる場合がある。
【0003】
特許文献1には、取り出しボタンを押すことにより、用紙を積載した用紙積載台を下降させて台車に用紙積載台を乗せた後、台車を引き出すことで用紙の取り出しを可能とし、用紙を取り出す間、画像形成装置本体を停止させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-149436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の画像形成システムにおいては、画像形成部の画像形成動作を停止させるタイミングをどのように制御するかによって、画像形成後の後工程で用紙に後処理を行うときに支障がでる可能性がある。特許文献1には、用紙を取り出す間、画像形成装置本体を停止させる旨が記載されているが、具体的な停止タイミングについては記載されていない。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、画像形成部の画像形成動作をより適切なタイミングで停止させることができる画像形成システムおよび画像形成システムの制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、用紙に画像を形成する画像形成部と、画像形成部によって画像が形成された用紙を積載する用紙積載部と、用紙積載部に積載された用紙の取り出しを指示する用紙取出指示を受け付ける第1受付部と、画像形成部の画像形成動作の停止を指示する動作停止指示を受け付ける第2受付部と、画像形成部の画像形成動作中に用紙取出指示を受け付けた場合は、所定の区切りまで画像形成動作を行ってから画像形成動作を停止させ、画像形成部の画像形成動作中に動作停止指示を受け付けた場合は、所定の区切りに関わらずに画像形成動作を停止させる制御部と、を備え、所定の区切りは、ジョブの間を区切りとするジョブ区切り、または、部の間を区切りとする部区切りであり、制御部は、用紙積載部に積載される用紙が複数ジョブで指定された用紙である場合はジョブ区切りを所定の区切りに決定し、用紙積載部に積載される用紙が単一ジョブで指定された用紙である場合は部区切りを所定の区切りに決定する画像形成システムである。
【0008】
また、本発明は、用紙に画像を形成する画像形成部と、画像形成部によって画像が形成された用紙を積載する用紙積載部と、を備える画像形成システムの制御方法であって、画像形成部の画像形成動作中に、用紙積載部に積載された用紙の取り出しを指示する用紙取出指示を受け付けた場合は、所定の区切りまで画像形成部の画像形成動作を行ってから画像形成動作を停止させ、画像形成部の画像形成動作中に、画像形成部の画像形成動作の停止を指示する動作停止指示を受け付けた場合は、所定の区切りに関わらずに画像形成動作を停止させ、所定の区切りは、ジョブの間を区切りとするジョブ区切り、または、部の間を区切りとする部区切りであり、用紙積載部に積載される用紙が複数ジョブで指定された用紙である場合はジョブ区切りを所定の区切りに決定し、用紙積載部に積載される用紙が単一ジョブで指定された用紙である場合は部区切りを所定の区切りに決定する
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成部の画像形成動作をより適切なタイミングで停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成システムの全体構成を示す概略図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る用紙積載装置の構成を示す概略図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る用紙積載装置の動作を説明する図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る画像形成システムの制御構成を示すブロック図である。
図5】所定の区切りを説明する模式図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る画像形成システムによって行われる処理の手順を示すフローチャートである。
図7】区切り決定処理の手順を示すサブフローチャートである。
図8】本発明の第2実施形態に係る用紙積載装置の構成を示す概略図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る用紙積載装置の動作を説明する図(その1)である。
図10】本発明の第2実施形態に係る用紙積載装置の動作を説明する図(その2)である。
図11】本発明の第2実施形態に係る用紙積載装置の動作を説明する図(その3)である。
図12】本発明の第2実施形態に係る用紙積載装置の動作を説明する図(その4)である。
図13】本発明の第2実施形態に係る用紙積載装置の動作を説明する図(その5)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本明細書および図面において、実質的に同一の機能または構成を有する構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
[第1実施形態]
<画像形成システムの全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成システムの全体構成を示す概略図である。
図1に示すように、画像形成システム10は、給紙部12と、画像形成部14と、用紙積載部16と、制御部17と、画像読取部18と、操作表示部20と、を備えている。給紙部12は、給紙装置15の内部に設けられている。画像形成部14は、画像形成装置30の内部に設けられている。用紙積載部16は、用紙積載装置19の内部に設けられている。画像形成システム10は、給紙装置15、画像形成装置30および用紙積載装置19をインライン方式で接続した構成となっている。
【0013】
給紙部12は、用紙を供給(給紙)するものである。給紙部12には、3つの給紙トレイ12a,12b,12cと、用紙搬送路21aとが設けられている。各々の給紙トレイ12a,12b,12cには、画像形成(印刷)に用いる用紙が収納される。また、各々の給紙トレイ12a,12b,12cには、用紙のサイズによって識別された用紙(規格用紙等)が収納される。各々の給紙トレイ12a,12b,12cは、ジョブなどでユーザーが指定したサイズ、あるいは原稿のサイズなどに応じて自動的に選択されたサイズの用紙を供給する。用紙搬送路21aは、給紙装置15の内部でいずれかの給紙トレイ12a,12b,12cから供給される用紙を搬送するための搬送路である。
【0014】
画像形成部14は、給紙部12によって供給される用紙に画像を形成するものである。画像形成部14の構成については後段で詳しく説明する。
【0015】
用紙積載部16は、画像形成部14によって画像が形成された用紙を積載するものである。用紙積載部16に積載可能な最大積載枚数は予め決められている。用紙積載部16には、用紙搬送路21cと、用紙積載トレイ24と、搬送切替部25と、パージトレイ31とが設けられている。用紙搬送路21cは、用紙積載装置19の内部で用紙を搬送するための搬送路である。用紙搬送路21cは、搬送切替部25の下流側で第1搬送路21c-1と第2搬送路21c-2とに分かれている。第1搬送路21c-1は、用紙積載トレイ24上に用紙を導く搬送路であり、第2搬送路21c-2はパージトレイ31上に用紙を導く搬送路である。用紙積載トレイ24は、用紙を積載するためのトレイである。用紙積載トレイ24は、上下方向に移動可能(昇降可能)に設けられている。搬送切替部25は、用紙搬送路21cに沿って搬送される用紙の搬送先を、第1搬送路21c-1または第2搬送路21c-2に切り替えるものである。パージトレイ31は、用紙積載装置19の上部に設けられている。パージトレイ31は、画像形成に失敗した用紙(ヤレ紙)などを排出するためのトレイである。また、用紙積載装置19の上部には、操作パネル27が設けられている。操作パネル27は、ユーザーの操作を受け付けるもので、たとえばタッチパネル、各種ボタン、スイッチ等によって構成される。
【0016】
制御部17は、給紙装置15、画像形成装置30および用紙積載装置19を含む画像形成システム10全体を統括的に制御するものである。制御部17は、図示はしないが、たとえばCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMから所定の処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムにしたがって画像形成システム10の各部の動作を制御する。本実施形態において、制御部17は、給紙装置15を制御する給紙制御部と、画像形成装置30を制御する画像形成制御部と、用紙積載装置19を制御する用紙積載制御部とを有するものとする。給紙制御部、画像形成制御部および用紙積載制御部については、後段で説明する。
【0017】
画像読取部18は、原稿の画像を読み取るものである。画像読取部18は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿送り装置18aと、原稿画像走査装置(スキャナー)18bとを備える。自動原稿送り装置18aは、原稿が載置される原稿トレイ18cと、図示しない原稿搬送機構とを備える。自動原稿送り装置18aは、原稿トレイ18cに載置された原稿を原稿搬送機構により搬送して原稿画像走査装置18bへ送り出す。原稿画像走査装置18bは、自動原稿送り装置18aによってコンタクトガラス上に搬送された原稿、またはユーザーによってコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー等の受光面に結像させることで、原稿の画像を読み取る。画像読取部18は、原稿トレイ18cに載置された多数枚の原稿の画像を、自動原稿送り装置18aと原稿画像走査装置18bとの協働によって連続的に読み取ることができる。また、画像読取部18は、原稿画像走査装置18bによる読取結果に基づいて画像データを生成する。この画像データには、画像形成装置30が備える画像処理部(図示せず)によって所定の画像処理が施される。
【0018】
操作表示部20は、たとえばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)を用いて構成されるものである。操作表示部20は、表示部20aおよび操作部20bとして機能する。表示部20aは、制御部17から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、設定画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部20bは、テンキー、スタートキー等の各種操作キー、各種操作ボタン、操作スイッチ等を備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部17に出力する。ユーザーは、操作表示部20を操作して、原稿設定、画質設定、倍率設定、応用設定、出力設定、片面/両面設定、および用紙設定など、画像形成に関する種々の設定を行うことができる。
【0019】
画像形成部14は、いずれかの給紙トレイ12a,12b,12cから供給された用紙に画像を形成するものである。画像形成部14は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応する4つの感光体ユニット22Y,22M,22C,22Kと、用紙搬送路21bと、中間転写ベルト23と、二次転写部26と、定着部28と、を備えている。感光体ユニット22Yは、ドラム形状の感光体の表面にイエローのトナー画像を形成するものである。感光体ユニット22Yは、図示はしないが、帯電器、露光器、現像器、一次転写ローラ、クリーナー等を備える。帯電器は、感光体の表面を所定の電位に帯電するものである。露光器は、帯電器によって帯電された感光体の表面をレーザービームによって走査することにより、感光体の表面に静電潜像を形成するものである。現像器は、露光器によって静電潜像が形成された感光体の表面にイエローのトナーを供給することにより、感光体の表面にイエローのトナー画像を形成するものである。一次転写ローラは、現像器による現像(トナーの供給)によって感光体の表面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト23に転写(一次転写)するものである。クリーナーは、一次転写ローラを通過した後に感光体の表面に残留するトナーを除去するものである。他の感光体ユニット22M,22C,22Kは、現像器が供給するトナーの色が異なるだけで、感光体ユニット22Yと同様の構成を有する。
【0020】
用紙搬送路21bは、画像形成装置30の内部で用紙を搬送するための搬送路である。用紙搬送路21bの上流側の端部は用紙搬送路21aに接続され、用紙搬送路21bの下流側の端部は用紙搬送路21cに接続されている。用紙搬送路21a,21b,21c上には適度な間隔をおいて複数の搬送ローラ34が設けられている。各々の搬送ローラ34は、一対のローラによって構成されている。一対のローラのうち、一方のローラは用紙搬送用モータの駆動力を受けて回転する駆動ローラであり、他方のローラは駆動ローラの回転に従って回転する従動ローラである。搬送ローラ34は、一対のローラの間に用紙を挟んで回転することにより、用紙に搬送力を付与する。
【0021】
画像形成の対象となる用紙は、給紙部12から用紙搬送路21aを通して画像形成装置30に供給されると共に、用紙搬送路21bを図1の右側から左側に向かって搬送される。よって、用紙搬送路21bにおける用紙搬送方向はY方向となる。なお、図1では省略しているが、画像形成装置30の内部には、定着部28から送り出される用紙の表裏を反転するための反転搬送路と、反転搬送路によって表裏を反転した用紙を画像形成部14の二次転写部26に向けて再び搬送するための再搬送路とが設けられている。
【0022】
中間転写ベルト23は、図示しない複数のベルト支持ローラによってループ状に支持されている。中間転写ベルト23を支持する複数のベルト支持ローラのうちの一つは、中間転写ベルト23を矢印方向に周回移動させるための駆動ローラとなる。中間転写ベルト23は、各々の感光体ユニット22Y,22M,22C,22Kが有する感光体の表面に接触する状態で配置されている。感光体ユニット22Yによって形成されたイエローのトナー画像は、感光体ユニット22Yの感光体との間で中間転写ベルト23を挟持する一次転写ローラ(不図示)によって中間転写ベルト23に転写(一次転写)される。
【0023】
カラー画像を形成する場合は、各々の感光体ユニット22Y,22M,22C,22Kに対応する一次転写ローラにより、イエローのトナー画像と、マゼンタのトナー画像と、シアンのトナー画像と、ブラックのトナー画像とが、中間転写ベルト23に順に重ねて転写される。これにより、中間転写ベルト23にカラーのトナー画像が形成される。
【0024】
二次転写部26は、中間転写ベルト23の移動方向において、感光体ユニット22Kの下流側に設けられている。二次転写部26は、上述した一次転写ローラによって中間転写ベルト23に転写されたトナー画像を用紙に転写(二次転写)するものである。二次転写部26は、二次転写ローラを用いて構成される。
【0025】
定着部28は、二次転写部26の用紙搬送方向下流側に設けられている。定着部28は、二次転写部26によって用紙に転写されたトナー画像を加熱および加圧によって用紙に定着させるものである。定着部28は、ヒーター等を内蔵する加熱ローラ28aと、この加熱ローラ28aに所定の加圧力で接触する加圧ローラ28bとによって構成されている。加熱ローラ28aと加圧ローラ28bとの接触部分には定着ニップが形成され、この定着ニップ部を用紙が通過するときに、加熱ローラ28aによる加熱作用と加圧ローラ28bによる加圧作用とを用紙が受けることにより、用紙にトナー画像が定着される。
【0026】
一方、二次転写部26の用紙搬送方向上流側には、片寄り検出部32と、位置合わせ部33とが設けられている。片寄り検出部32は、画像形成部14の二次転写部26に向かって搬送される用紙の片寄り量を検出するものである。位置合わせ部33は、片寄り検出部32の用紙搬送方向上流側に配置されている。位置合わせ部33は、片寄り検出部32によって検出された用紙の片寄り量に基づいて、用紙と画像の位置合わせを行うものである。
【0027】
<用紙積載装置の構成>
図2は、本発明の第1実施形態に係る用紙積載装置の構成を示す概略図である。
図2に示すように、用紙積載装置19は、用紙積載トレイ24を有する用紙積載部16と、用紙積載トレイ24を昇降させる昇降機37とを備えている。昇降機37は、図示しない昇降モータの駆動にしたがって用紙積載トレイ24を矢印方向(上下方向)に移動させる。
【0028】
用紙積載装置19の内部には台車38が配置されている。台車38は、用紙積載トレイ24に積載された用紙2を、用紙積載トレイ24から受け取って機外に排出するためのものである。台車38は、荷台部38aと、ハンドル部38bと、キャスター部38cとを有する。荷台部38aは、用紙積載トレイ24の下方に配置されている。ハンドル部38bは、ユーザーが台車38を移動する際に操作する部分である。キャスター部38cは、ユーザーが台車38を移動する際の抵抗を小さくする部分である。
【0029】
また、用紙積載装置19には開閉扉39が取り付けられている。開閉扉39は、台車38を出し入れするために用紙積載装置19に設けられた開口部を開閉するものである。開閉扉39は、たとえば蝶番(図示せず)を用いて用紙積載装置19に取り付けられている。また、用紙積載装置19には、開閉扉39を閉じ状態に施錠する施錠機構(図示せず)と、施錠機構による施錠を解除する解除機構(図示せず)とが設けられている。
【0030】
用紙積載トレイ24の移動方向である上下方向には用紙取出位置Pが設定されている。用紙取出位置Pは、用紙積載トレイ24に積載された用紙2を機外に取り出すために設定される位置である。用紙取出位置Pは、用紙積載トレイ24の移動方向の最下部またはその近傍の位置に設定される。用紙2が積載された用紙積載トレイ24を用紙取出位置Pまで下降させると、用紙積載トレイ24から台車38へと用紙2が受け渡される。このため、用紙取出位置P1は、用紙積載トレイ24に積載された用紙2を台車38に受け渡し可能な位置とも言える。施錠機構は、用紙積載トレイ24が用紙取出位置P1よりも上方に配置されている場合に、開閉扉39を閉じ状態に施錠する。解除機構は、用紙積載トレイ24を用紙取出位置P1に配置した場合に、施錠機構の施錠を解除する。
【0031】
<用紙積載装置の動作>
上記構成からなる用紙積載装置19において、用紙積載トレイ24に積載された用紙2を用紙積載装置19の機外(装置の外側)に取り出す場合は、まず、図3に示すように、昇降機37の駆動によって用紙積載トレイ24を用紙取出位置P1まで下降させる。用紙積載トレイ24と台車38の荷台部38aとは、互いに干渉しないように櫛歯構造になっている。このため、用紙積載トレイ24を用紙取出位置P1に移動させると、用紙2は、用紙積載トレイ24から台車38の荷台部38aへと受け渡される。また、開閉扉39の施錠が解除機構によって解除される。
【0032】
次に、ユーザーは、開閉扉39をF方向に開ける。そうすると、用紙積載装置19に設けられている開口部が開放される。次に、ユーザーは、台車38のハンドル部38bを把持して台車38をH方向に移動させる。これにより、台車38の荷台部38aに乗せた用紙2が、台車38と共に用紙積載装置19の機外に引き出される。以上の手順により、用紙2を用紙積載装置19の機外に取り出すことができる。なお、ユーザーは、用紙2を機外に取り出した後、空の台車38を用紙積載装置19の機内に移動させ、その後、開閉扉39を閉じる。そうすると、昇降機37の駆動によって用紙積載トレイ24が上昇すると共に、開閉扉39が施錠機構によって閉じ状態に施錠される。
【0033】
<画像形成システムの制御構成>
図4は、本発明の第1実施形態に係る画像形成システムの制御構成を示すブロック図である。
図4に示すように、画像形成システム10は、給紙装置15、画像形成装置30および用紙積載装置19によって構成されている。給紙装置15は、上述した給紙部12の他に、給紙制御部41および通信部42を備えている。給紙制御部41は、給紙装置15の各部の動作を制御する。通信部42は、給紙装置15と画像形成装置30との間、および、給紙装置15と用紙積載装置19との間で、各種の情報(データ)の送受信を行う。画像形成装置30は、上述した画像読取部18、画像形成部14、定着部28および操作表示部20の他に、画像形成制御部44および通信部45を備えている。画像形成制御部44は、画像形成装置30の各部の動作を制御する。通信部45は、画像形成装置30と給紙装置15との間、および、画像形成装置30と用紙積載装置19との間で、各種の情報の送受信を行う。用紙積載装置19は、上述した用紙積載部16、操作パネル27および昇降機37の他に、用紙積載制御部47および通信部48を備えている。用紙積載制御部47は、用紙積載装置19の各部の動作を制御する。通信部48は、用紙積載装置19と給紙装置15との間、および、用紙積載装置19と画像形成装置30との間で、各種の情報の送受信を行う。
【0034】
上述した制御部17(図1参照)は、給紙制御部41、画像形成制御部44および用紙積載制御部47を備える。給紙制御部41、画像形成制御部44および用紙積載制御部47は、各々の装置ごとに分けて設けられてもよいし、いずれか1つまたは2つの装置にまとめて設けられてもよい。また、給紙制御部41と画像形成制御部44を別々の制御部とせずに1つの制御部にまとめてもよい。通信部42、通信部45および通信部48は、たとえば図示しない通信ケーブルを用いて相互に通信可能に接続される。
【0035】
操作表示部20は、画像形成部14の画像形成動作の停止を指示する動作停止指示を受け付ける第2受付部としての機能を有する。具体的には、たとえば図1に示すように、操作表示部20の操作部20bに動作停止ボタンB1を設け、この動作停止ボタンB1をユーザーが押すことにより、操作表示部20が動作停止指示を受け付ける構成となっている。この場合、ユーザーが動作停止ボタンB1を押す操作は、ユーザーによる動作停止指示の操作に相当し、このユーザーの操作を操作部20bで受け付けると、操作表示部20はユーザーから動作停止指示があったと判断する。ユーザーが動作停止ボタンB1を押す状況としては種々の状況が考えられる。たとえば、ユーザーが操作表示部20を用いてジョブの実行を指示する場合に、操作ミスによってジョブの設定を誤ったままジョブの実行を指示し、指示した直後に操作ミスに気づいた場合が考えられる。また、ユーザーが操作表示部20を用いてジョブの実行を指示した後に、割り込みプリントなどでジョブの実行順序を変更したい場合、あるいは、ユーザーが画像形成システム10から遠く離れた場所に移動しなければならないスケジュールの変更が生じた場合などが考えられる。いずれにしても動作停止ボタンB1はユーザーの判断によって押されるため、動作停止ボタンB1が押される状況はどのような状況であってもかまわない。
【0036】
操作パネル27は、用紙積載部16に積載された用紙の取り出しを指示する用紙取出指示を受け付ける第1受付部としての機能を有する。具体的には、たとえば図1に示すように、操作パネル27に用紙取出ボタンB2を設け、この用紙取出ボタンB2をユーザーが押すことにより、操作パネル27が用紙取出指示を受け付ける構成となっている。この場合、ユーザーが用紙取出ボタンB2を押す操作は、ユーザーによる用紙取出指示の操作に相当し、このユーザーの操作を操作パネル27で受け付けると、操作パネル27はユーザーから用紙取出指示があったと判断する。ユーザーが用紙取出ボタンB2を押す状況としては、典型的には、用紙積載部16に積載された用紙をユーザーが機外に取り出したい場合が考えられる。たとえば、用紙積載部16に積載された用紙を機外に取り出し、その後の工程である後工程において用紙を後処理装置にセットして後処理を行う場合に、後処理装置で後処理する用紙の枚数が少なくなった場合、あるいは後処理する用紙がなくなって後処理装置が用紙待ちの状態になった場合などが考えられる。いずれにしても用紙取出ボタンB2はユーザーの判断によって押されるため、用紙取出ボタンB2が押される状況はどのような状況であってもかまわない。
【0037】
ここで、ユーザーが動作停止ボタンB1を押し、これによって操作表示部20が動作停止指示を受け付けた場合は、画像形成部14の画像形成動作を停止させる必要がある。また、ユーザーが用紙取出ボタンB2を押し、これによって操作パネル27が用紙取出指示を受け付けた場合は、用紙積載トレイ24を用紙取出位置Pに移動させた後、画像形成部14の画像形成動作を停止させる必要がある。つまり、ユーザーが動作停止ボタンB1および用紙取出ボタンB2のいずれを押した場合でも、画像形成部14の画像形成動作を停止させる必要がある。
【0038】
また、上述した後工程においては、後処理装置が断裁処理、製本処理、梱包処理などの後処理を行う場合がある。断裁処理は、用紙を所定のサイズに断裁する処理である。製本処理は、必要により用紙を所定のサイズに断裁した後、所定枚数の用紙を綴じる処理である。梱包処理は、所定枚数の用紙を、たとえば包装シートや梱包テープなどで梱包する処理である。このような後処理を行う後工程では、後処理装置が行う後処理作業を効率化するため、ジョブ単位または部単位で後処理を実施することが望ましい。
【0039】
一方で、部の途中で用紙が後工程に回されると、たとえば製本処理を実施する際に、冊子としてページ数が不足した状態となるため、後処理を行うことができなくなる。また、ジョブの途中で用紙が後工程に回されると、たとえば梱包処理を実施する際に、梱包すべき用紙の枚数が不足した状態となるため、後処理を行うことができなくなる。
【0040】
通常、画像形成システム10の動作は、ジョブで指示された全ての画像の形成および用紙の排出が完了することで停止される。しかし、ユーザーが操作表示部20を操作して動作停止ボタンB1を押した場合は、画像形成部14の画像形成動作を早急に停止させる必要がある。このため、画像形成システム10において、操作表示部20が動作停止指示を受け付けた場合は、ジョブ単位または部単位を考慮せずに、画像形成動作の停止タイミングが決定される。すなわち、所定の区切りに関わらず画像形成部14の画像形成動作を停止させる。具体的には、たとえば、ユーザーが動作停止ボタンB1を押した時点(言い換えると、操作表示部20が動作停止指示を受け付けた時点)で、すでに給紙部12から給紙済の用紙が用紙搬送路21a,21b,21c上に存在する場合は、この用紙を用紙積載トレイ24またはパージトレイ31に排出し終わったタイミングなど、画像形成システム10の都合により、画像形成部14の画像形成動作を停止するタイミングが決定される。
【0041】
これに対し、ユーザーが操作パネル27を操作して用紙取出ボタンB2を押した場合は、その後、用紙積載装置19の機外に取り出した用紙を後工程へと回し、後処理装置で後処理を実施することを想定している。このため、画像形成部14の画像形成動作を早急に停止させる必要はない。したがって、画像形成システム10において、操作パネル27が用紙取出指示を受け付けた場合は、ジョブ単位または部単位を考慮して、画像形成動作の停止タイミングが決定される。すなわち、所定の区切りまで画像形成部14の画像形成動作を行ってから、画像形成部14の画像形成動作を停止させる。具体的には、たとえば、ユーザーが用紙取出ボタンB2を押した時点(言い換えると、操作パネル27が用紙取出指示を受け付けた時点)で、画像形成部14がジョブの途中または部の途中を画像形成している場合は、所定の区切りまで画像形成動作を行ってから、画像形成部14の画像形成動作を停止させる。
【0042】
(所定の区切りについて)
ここで、所定の区切りについて図5を用いて説明する。
図5においては、2つのジョブ51,52が順に実行されるとともに、ジョブ51の画像形成が3部(51a,51b,51c)実行され、ジョブ52の画像形成が2部(52a,52b)実行される例を示している。
所定の区切りには、ジョブの間を区切りとするジョブ区切りと、部の間を区切りとする部区切りとがある。図5に示す例では、ジョブ51とジョブ52との間がジョブ区切り53となる。また、ジョブ51については、部51aと部51bとの間が部区切り54aとなり、部51bと部51cとの間が部区切り54bとなる。また、ジョブ52については、部52aと部52bとの間が部区切り54cとなる。以降の説明では、部区切り54a,54b,54cを「部区切り54」とも総称する。
【0043】
ユーザーが用紙取出ボタンB2を押し、これによって操作パネル27が用紙取出指示を受け付けた場合に、画像形成部14の画像形成動作を停止させるための所定の区切りを、ジョブ区切り53とするか、もしくは部区切り54とするかは、制御部17が決定する。
【0044】
図6は、本発明の第1実施形態に係る画像形成システム10によって行われる処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、給紙制御部41、画像形成制御部44および用紙積載制御部47を有する制御部17の制御下で行われる。なお、画像形成の対象となる画像データ、画像形成に使用する用紙のサイズ、画像形成済みの用紙に施す後工程(後処理)の内容など、画像形成に関する各種の設定や条件、後処理に関する各種の設定や条件などは、ジョブチケットで指定される。ジョブチケットは、画像形成システム10の画像形成装置30が備える操作表示部20をユーザーが操作することで発行される場合と、画像形成システム10とネットワークを介して通信する外部の装置(たとえば、パーソナルコンピュータ)によって発行される場合がある。また、ジョブチケットは1つのジョブごとに発行され、画像形成システム10では複数のジョブチケットを受付可能である。
【0045】
まず、制御部17は、画像形成制御部44の制御下で画像形成部14の画像形成動作を開始する(ステップS1)。画像形成部14の画像形成動作には、感光体ユニット22Y,22M,22C,22Kの動作と、中間転写ベルト23の動作と、二次転写部26の動作とが含まれる。
【0046】
次に、制御部17は、操作パネル27が用紙取出指示を受け付けたか否かを確認する(ステップS2)。そして、操作パネル27が用紙取出指示を受け付けた場合は、制御部17は、ステップS2でYESと判断してステップS3の処理に進む。また、操作パネル27が用紙取出指示を受け付けていない場合は、制御部17は、ステップS2でNOと判断してステップS10の処理に移行する。
【0047】
ステップS10において、制御部17は、操作表示部20が動作停止指を受け付けたか否かを確認する。そして、操作表示部20が動作停止指示を受け付けた場合は、制御部17は、ステップS10でYESと判断してステップS11の処理に進む。また、操作表示部20が動作停止指示を受け付けていない場合は、制御部17は、ステップS10でNOと判断してステップS17の処理に移行する。
【0048】
ステップS17において、制御部17は、それまでに受け付けたすべてのジョブについて画像形成を終了したか否かを判断する。そして、すべてのジョブについて画像形成を終了していない場合、すなわち画像形成を終了していないジョブが残っている場合は、制御部17は、ステップS17NOと判断してステップS2に戻り、上記同様の処理を行う。また、すべてのジョブについて画像形成を終了した場合は、制御部17は、ステップS17でYESと判断してステップS18の処理に移行する。
【0049】
一方、ステップS3において、制御部17は、所定の区切りを決定する処理(以下、「区切り決定処理」ともいう。)を行う。
図7は、区切り決定処理の手順を示すサブフローチャートである。
まず、制御部17は、用紙積載装置19の用紙積載部16に用紙を積載する場合に、用紙積載部16に積載される用紙が複数ジョブで指示された用紙であるか否かを判断する(ステップS31)。
【0050】
ステップS31において、用紙積載部16に積載される用紙が複数ジョブで指示された用紙ではない、すなわち単一ジョブで指定された用紙である場合は、制御部17は、ステップS31でNOと判断して、部区切りを所定の区切りに決定する(ステップS32)。また、用紙積載部16に積載される用紙が複数ジョブで指示された用紙である場合は、制御部17は、ステップS31でYESと判断してステップS33の処理に進む。
【0051】
ステップS33において、制御部17は、複数ジョブの中に後工程の内容が異なるジョブが含まれているかどうかを確認する。そして、後工程の内容が異なるジョブが含まれている場合は、制御部17は、ステップS33でYESと判断し、後工程の内容が異なるジョブ間を所定の区切りに決定する(ステップS34)。
【0052】
また、後工程の内容が異なるジョブが含まれていない場合は、制御部17は、ステップS33でNOと判断してステップS35の処理に進む。ステップS35において、制御部17は、上記複数ジョブの中にジョブを登録したユーザーが異なるジョブが含まれているかどうかを確認する。そして、ジョブを登録したユーザーが異なるジョブが含まれている場合は、制御部17は、ステップS35でYESと判断し、登録ユーザーが異なるジョブ間を所定の区切りに決定する(ステップS36)。また、ジョブを登録したユーザーが異なるジョブが含まれていない場合は、制御部17は、ステップS35でNOと判断し、最初のジョブ間を所定の区切りに決定する(ステップS37)。以上述べた区切り決定処理を終えたら、図6に示すフローチャートのステップS4の処理に進む。
【0053】
ステップS4において、制御部17は、ステップS3の処理で決定した所定の区切りまで画像形成動作を行う用紙の枚数が、用紙積載部16に積載可能な最大積載枚数までの許容積載枚数を超えるか否かを判断する。最大積載枚数までの許容積載枚数は、現時点で用紙積載部16に積載されている用紙の枚数を、最大積載枚数から減算して得られる用紙の枚数であって、現時点から数えて用紙積載部16への積載が許容される用紙の残り枚数である。たとえば、現時点の用紙積載枚数が2800枚であり、用紙積載部16に積載可能な最大積載枚数が3000枚であれば、最大積載枚数までの許容積載枚数は、最大積載枚数と現時点の用紙積載枚数との差分、すなわち200枚となる。また、所定の区切りまで画像形成動作を行う用紙の枚数が、たとえば100枚であれば、所定の区切りまで画像形成動作を継続しても、用紙積載部16に積載される用紙の枚数は2900枚となるため、最大積載枚数を超えることはない。この場合、制御部17は、ステップS4でYESと判断してステップS9の処理に移行する。これに対し、所定の区切りまで画像形成動作を行う用紙の枚数が、たとえば300枚であれば、所定の区切りまで画像形成動作を継続すると、用紙積載部16に積載される用紙の枚数が3100枚となるため、最大積載枚数を超えてしまう。この場合、制御部17は、ステップS4でNOと判断してステップS5の処理に進む。
【0054】
ステップS9において、制御部17は、所定の区切りで画像形成動作を停止させることができなかった旨を報知する。この報知はユーザーに対して行う。具体的には、たとえば操作パネル27に所定のメッセージを表示する、あるいは画像形成システム10に設けられたスピーカー(図示せず)から音声を出力するなどして、ユーザーに報知する。これにより、操作パネル27の用紙取出ボタンB2を押して用紙取出指示を出したユーザーに対して、所定の区切りまで画像形成動作を継続できなかったことを知らせることができる。
【0055】
一方、ステップS5においては、制御部17は、所定の区切りが部区切りに決定されているか否かを確認する。そして、所定の区切りが部区切りに決定されていない場合、すなわち所定の区切りがジョブ区切りに決定されている場合は、制御部17は、ステップS5でNOと判断してステップS7の処理に移行する。また、所定の区切りが部区切りに決定されている場合は、制御部17は、ステップS5でYESと判断してステップS6の処理に進む。
【0056】
ステップS6において、制御部17は、ジョブチケットで指定された後工程がページ管理を必要とするものであるか否かを判断する。ページ管理を必要とする後工程としては、たとえば製本処理が挙げられ、ページ管理を必要としない後工程としては、たとえば断裁処理が挙げられる。ジョブチケットで指定された後工程がページ管理を必要とするものである場合は、制御部17は、ステップS6でYESと判断し、ステップS7の処理を行ってからステップS8の処理に進む。また、ジョブチケットで指定された後工程がページ管理を必要としないものである場合は、制御部17は、ステップS6でNOと判断し、ステップS7の処理を行わずにステップS8の処理に移行する。これにより、制御部17は、画像形成部14の画像形成動作中に用紙取出指示を受け付けた場合であって、所定の区切りが部区切りであり、かつ、後工程でページ管理が不要な場合は、ステップS8において所定の区切りに関わらずに画像形成動作を停止させることになる。
【0057】
ステップS7において、制御部17は、画像形成部14の画像形成動作を所定の区切りまで継続させる。その後、ステップS8において、制御部17は、画像形成部14の画像形成動作を停止させ、その時点で一連の処理を終える。このような処理において、たとえば所定の区切りが図5に示すジョブ区切り53であれば、制御部17は、ジョブ区切り53まで画像形成動作を継続させた後、画像形成部14の画像形成動作を停止させる。これにより、ジョブ51の最終ページの画像が用紙に形成され、この用紙が用紙積載部16の用紙積載トレイ24に積載された段階で画像形成システム10全体の動作が停止する。また、制御部17は、次のジョブを受け付けて画像形成動作を再開させる場合に、所定の区切りとなるジョブ間区切り53(ジョブ52の部52aの1ページ目)から画像形成動作を再開させる。
【0058】
また、所定の区切りが図5に示す部52aと部52bとの間の部区切り54cであれば、制御部17は、部区切り54cまで画像形成動作を継続させた後、画像形成部14の画像形成動作を停止させる。これにより、部52aの最終ページの画像が用紙に形成され、この用紙が用紙積載部16の用紙積載トレイ24に積載された段階で画像形成システム10全体の動作が停止する。また、制御部17は、次のジョブを受け付けて画像形成動作を再開させる場合に、所定の区切りとなる部区切り54c(部52bの1ページ目)から画像形成動作を再開させる。これにより、用紙取出指示を受けて画像形成動作を停止させた場合に、その停止前後で画像のページを欠落させることなく、画像形成動作を再開させることができる。
【0059】
一方、ステップS10において操作表示部20が動作停止指示を受け付けた場合は、制御部17は、所定の区切りに関わらず画像形成部14の画像形成動作を停止させる(ステップS11)。このとき、操作表示部20が動作停止指示を受け付けた時点で直ちに画像形成動作を停止してもよい。また、操作表示部20が動作停止指示を受け付けた時点で給紙済みの用紙があれば、この用紙を用紙積載トレイ24またはパージトレイ31に排出してから画像形成動作を停止してもよい。
【0060】
その後、制御部17は、画像形成動作の停止中に操作パネル27が用紙取出指示を受け付けたか否かを確認する(ステップS12)。このステップS12の確認は、予め決められた待ち時間が経過するまで繰り返される(ステップS13)。そして、所定の待ち時間が経過しても操作パネル27が用紙取出指示を受け付けなかった場合、すなわち画像形成動作の停止中にユーザーが用紙取出ボタンB2を押さなかった場合は、制御部17は、ステップS13でYESと判断して、そのまま一連の処理を終える。
【0061】
これに対して、所定の待ち時間が経過する前に、操作パネル27が用紙取出指示を受け付けた場合、すなわち画像形成動作の停止中にユーザーが用紙取出ボタンB2を押した場合は、制御部17は、画像形成動作が所定の区切りで停止しているか否かを判断する(ステップS14)。そして、画像形成動作が所定の区切りで停止している場合は、制御部17は、ステップS14でYESと判断して、そのまま一連の処理を終える。また、画像形成動作が所定の区切りで停止していない場合は、制御部17は、ステップS14でNOと判断して、画像形成部14の画像形成動作を再開させる(ステップS15)。そして、所定の区切りまで画像形成動作を継続した後(ステップS16)、画像形成動作を停止させる(ステップS18)。その後、一連の処理を終える。これにより、動作停止指示を受け付けて画像形成動作を停止させた場合でも、後工程で支障のない所定の区切りまで画像形成動作を実行させることができる。
【0062】
また、制御部17は、動作停止指示を受け付けて画像形成動作を停止させた場合は、画像形成動作を停止した続きから画像形成動作を再開させる。たとえば、動作停止指示を受け付けて画像形成動作を停止させた時点で、図5に示す部51bの2ページ目の画像を用紙に形成し終えていた場合、制御部17は、その続きとなる部51bの3ページ目の画像から画像形成部14の画像形成動作を再開させる。これにより、動作停止指示を受けて画像形成動作を停止させた場合でも、その停止前後で画像のページを欠落させることなく、画像形成動作を再開させることができる。
【0063】
<第1実施形態の効果>
以上説明したように、本発明の第1実施形態においては、画像形成部14の画像形成動作中に用紙取出指示を受け付けた場合は、所定の区切りまで画像形成動作を行ってから画像形成動作を停止させ、画像形成部14の画像形成動作中に動作停止指示を受け付けた場合は、所定の区切りに関わらずに画像形成動作を停止させる構成を採用している。これにより、指示内容が用紙取出指示および動作停止指示のいずれであっても、各々の指示内容に応じた適切なタイミングで画像形成動作を停止させることができる。したがって、画像形成部14の画像形成動作をより適切なタイミングで停止させることが可能となる。
【0064】
また、本発明の第1実施形態においては、用紙積載部16に積載される用紙が複数ジョブで指定された用紙である場合はジョブ区切りを所定の区切りに決定し、用紙積載部16に積載される用紙が単一ジョブで指定された用紙である場合は部区切りを所定の区切りに決定する。これにより、用紙積載部16に積載される用紙が複数ジョブで指定されるか、もしくは単一ジョブで指定されるかによって、所定の区切りを適切に切り替えることができる。
【0065】
また、本発明の第1実施形態においては、所定の区切りをジョブ区切りとする場合に、後工程の内容が異なるジョブ間を所定の区切りに決定する。これにより、後工程の内容が同じジョブまで画像形成動作を継続させることができる。このため、後工程を行う後処理装置に対しては、後工程の内容が同じジョブの用紙をまとめて回すことができる。よって、後処理装置での後処理を効率よく行うことができる。
【0066】
また、本発明の第1実施形態においては、所定の区切りをジョブ区切りとする場合に、ジョブを登録したユーザーが異なるジョブ間を所定の区切りに決定する。これにより、ジョブを登録したユーザーが同じジョブまで画像形成動作を継続させることができる。このため、ジョブ登録をしたユーザーは、自分で登録したジョブの用紙をまとめて取り出すことができる。よって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0067】
なお、上記第1実施形態においては、動作停止ボタンB1を操作表示部20に設け、ユーザーが動作停止ボタンB1を押すことにより、操作表示部20が用紙取出指示を受け付ける構成としたが、本発明はこれに限らない。たとえば、図1に示すように、画像形成部の画像形成動作を停止させるアラームまたはエラーを検知する検知部29を画像形成装置30に設け、検知部29が上記のアラームまたはエラーを検知したときに、動作停止指示があったと制御部17が判断する構成としてもよい。この構成では、制御部17が第2受付部としての機能を兼ねる構成となる。
【0068】
検知部29が検知するアラームには種々のアラームがある。一例を挙げると、用紙切れアラーム、画像調整アラームなどである。用紙切れアラームは、ジョブに基づいて画像形成動作を実行中に、そのジョブで指定されたサイズまたは種類の用紙が給紙部12になくなった場合に検知部29によって発せられるアラームである。画像調整アラームは、画像形成動作中に、画像調整を実行するタイミングとなった場合に検知部29によって発せられるアラームである。
【0069】
検知部29が検知するエラーには種々のエラーがある。一例を挙げると、紙詰まりエラー、異常画像検知エラーなどである。紙詰まりエラーは、用紙搬送路21a,21b,21cを搬送中の用紙に詰まり(ジャム)が発生した場合に検知部29によって発せられるエラーである。異常画像検知エラーは、画像形成部14および定着部28によって用紙に形成された画像を検査する画像検査部(図示せず)を備える場合に、この画像検査部によって異常な画像が検知された場合に検知部29によって発せられるエラーである。検知部29が紙詰まりエラーを検知したことをきっかけに画像形成部14の画像形成動作を停止させる場合、制御部17は、検知部29が紙詰まりエラーを検知した直後に画像形成部14の画像形成動作を停止させる。
【0070】
また、上記第1実施形態においては、好ましい例として、用紙積載装置19の操作パネル27に用紙取出ボタンB2を設け、画像形成装置30の操作表示部20に動作停止ボタンB1を設けているが、本発明はこれに限らない。すなわち、動作停止ボタンB1と用紙取出ボタンB2は、画像形成装置30と用紙積載装置19のどちらに設けてもよい。また、動作停止ボタンB1と用紙取出ボタンB2は、画像形成装置30または用紙積載装置19にまとめて設けてもよい。
【0071】
また、画像形成システム10が備える第1受付部は、後処理部を有する後処理装置(図示せず)から出力される用紙取出指示信号を受信することにより、用紙取出指示を受け付ける構成であってもよい。具体的には、図示はしないが、LAN等のネットワークを介して後処理装置を画像形成装置30または用紙積載装置19に接続する。そして、後処理装置から画像形成装置30へ、または、後処理装置から用紙積載装置19へ用紙取出指示信号を出力し、この用紙取出指示信号を画像形成装置30の通信部45で受信するか、もしくは、用紙積載装置19の通信部48で受信することにより、用紙取出指示を受け付ける構成としてもよい。この構成では、後処理装置から出力される用紙取出信号を受信する通信部45または通信部48が、第1受付部を構成することになる。また、後処理装置は、後処理の対象となる用紙の残り枚数(未処理枚数)が所定枚数以下となった場合、あるいは、後処理の対象となる用紙がなくなった場合に、上記用紙取出指示信号を出力する構成とすることが望ましい。
【0072】
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本発明の第2実施形態においては、上述した第1実施形態で挙げた構成部分と同様の部分に同じ符号を付し、重複する説明は省略する。本発明の第2実施形態に係る画像形成システムは、上述した第1実施形態と比較して、用紙積載装置19の構成が異なる。
【0073】
<用紙積載装置の構成>
図8は、本発明の第2実施形態に係る用紙積載装置の構成を示す概略図である。
図8に示すように、用紙積載装置19は、上記第1実施形態で挙げた用紙積載部16、用紙積載トレイ24および昇降機37の他に、用紙自動排出部35を備えている。また、用紙積載装置19は、上記第1実施形態で挙げた開閉扉39とは開閉方式が異なる開閉扉36を備えている。すなわち、開閉扉39は蝶番により開閉する方式であるが、開閉扉36は図8のV方向(上下方向)に移動することにより開閉する方式である。開閉扉36は、用紙積載装置19に設けられた開口部(図示せず)を開閉する扉である。この開口部は、開閉扉36を上方に移動したときに開放され、開閉扉36を下方に移動したときに閉塞される。
【0074】
用紙自動排出部35は、用紙積載部16に積載された用紙2を自動で機外に排出するものである。用紙自動排出部35は、用紙受取トレイ61と、トレイ移動ステージ62とを備えている。用紙受取トレイ61は、用紙積載部16に積載された用紙2を用紙積載トレイ24から受け取るトレイである。用紙受取トレイ61は、用紙積載トレイ24の移動方向において用紙取出位置Pに配置され、その用紙取出位置Pで用紙積載トレイ24から用紙2を受け取る。これにより、用紙積載トレイ24上の用紙2が用紙受取トレイ61に載せ替えられる。用紙受取トレイ61は、トレイ移動ステージ62上に搭載されている。
【0075】
トレイ移動ステージ62は、図8のJ方向(水平方向)に移動可能に設けられている。トレイ移動ステージ62は、用紙受取トレイ61を水平方向に移動させるステージである。トレイ移動ステージ62の水平移動は、開閉扉36を上方に移動させた状態、すなわち用紙積載装置19に設けられた開口部を開放した状態で行われる。また、トレイ移動ステージ62は、所定量(たとえば、20mm)だけ垂直方向に移動可能に設けられている。トレイ移動ステージ62の垂直移動は、用紙受取トレイ61に移載された用紙2を台車38の荷台部38aに受け渡すために行われる。
【0076】
<用紙積載装置の動作>
続いて、上記構成からなる用紙積載装置19の動作について説明する。
まず、用紙積載トレイ24に積載された用紙2を用紙積載装置19の機外に取り出す場合は、図9に示すように、昇降機37の駆動によって用紙積載トレイ24を用紙取出位置まで下降させる。このとき、用紙受取トレイ61は、用紙積載トレイ24が用紙取出位置に配置される直前に、用紙積載トレイ24から用紙2を受け取る。これにより、用紙2は、用紙積載トレイ24から用紙受取トレイ61へと載せ替えられる。なお、用紙積載トレイ24と用紙受取トレイ61とは、互いに干渉しないように櫛歯構造になっている。
【0077】
次に、図10に示すように、開閉扉36を上方に移動させる。次いで、図11に示すように、トレイ移動ステージ62をJ1方向に移動させると共に、用紙積載トレイ24を昇降機37の駆動によって上方に移動させる。このとき、用紙2を載せた用紙受取トレイ61は、トレイ移動ステージ62と一緒にJ1方向に移動する。これにより、用紙2は用紙積載装置19の機外に取り出される。また、用紙受取トレイ61は、台車38の荷台部38aの上に進出する。次に、トレイ移動ステージ62を所定量だけ下降させる。そうすると、トレイ移動ステージ62上の用紙2が台車38の荷台部38aに受け渡される。なお、用紙受取トレイ61と荷台部38aとは、互いに干渉しないように櫛歯構造になっている。
【0078】
次に、図12に示すように、トレイ移動ステージ62をJ2方向に移動させる。次いで、図13に示すように、開閉扉36を下方に移動させる。このような用紙積載装置19の動作により、用紙2を自動で用紙積載装置19の機外に取り出すことができる。
【0079】
上記構成からなる用紙積載装置19を備えた画像形成システム10において、制御部17は、用紙取出指示を受け付けて画像形成動作を停止させた後(言い換えると、図6に示すステップS8で画像形成動作を停止させた後)、用紙積載部16に積載されている用紙2を用紙自動排出部35によって機外に排出させる。これにより、ユーザーは、操作パネル27の用紙取出ボタンB2を1回押すだけで、用紙積載装置19の機外に用紙2を取り出すことができる。このため、ユーザーの操作回数を減らして利便性を高めることができる。また、図11に示すようにトレイ移動ステージ62をJ1方向に移動させた段階で用紙積載トレイ24を上方に移動させることができる。このため、上記第1実施形態の場合よりも早いタイミングで画像形成動作を開始(再開)することができる。
【0080】
<変形例等>
本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
【0081】
たとえば、上記実施形態においては、用紙積載装置19の内部(機内)に用紙積載トレイ24等を配置した、いわゆる密閉型の用紙積載装置19を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、用紙積載装置19の本体部分から外側に突出させて用紙積載トレイ等を配置した、いわゆる開放型の用紙積載装置を備える画像形成システムに適用してもよい。開放型の用紙積載装置では、用紙積載装置19の一側面部に、斜めに傾斜した状態で用紙積載トレイが配置される。
【符号の説明】
【0082】
10…画像形成システム
14…画像形成部
16…用紙積載部
17…制御部
19…用紙積載装置
20…操作表示部(第2受付部)
20b…操作部
27…操作パネル(第1受付部)
29…検知部
30…画像形成装置
35…用紙自動排出部
51,52…ジョブ
51a,51b,51c,52a,52b…部
53…ジョブ区切り
54(54a,54b,54c)…部区切り
B1…動作停止ボタン
B2…用紙取出ボタン
図1
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