(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】携帯端末
(51)【国際特許分類】
H04M 1/11 20060101AFI20231212BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231212BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
H04M1/11 Z
H02J7/00 301A
H02J7/00 Y
H04M1/00 U
(21)【出願番号】P 2020001815
(22)【出願日】2020-01-09
【審査請求日】2022-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】佐武 優
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-165896(JP,A)
【文献】特開2013-165376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
H04M 1/11
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の置台に載置した際に前記所定の置台と電気的接続状態になることで所定の処理が実施可能となる携帯端末であって、
前記携帯端末の姿勢を検出する姿勢検出部と、
前記姿勢検出部の検出結果に応じて、当該携帯端末が前記所定の置台に載置されているとみなされる状態が所定時間継続している載置状態であるか否かについて判定する判定部と、
前記判定部により前記載置状態であると判定されたときに前記所定の処理が実施されていない場合に、所定の報知を行う報知部と、
を備え
、
前記報知部は、前記判定部により前記載置状態であると判定されている状態において、前記所定の処理が実施されている状態から当該所定の処理が実施されていない状態に変化すると、前記所定の処理が実施されなくなった原因に関する情報を含めるように前記所定の報知を行うことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記報知部は、前記所定の報知として、前記所定の処理が実施されていないことを示す所定の警告音を発音することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記所定の置台は、複数種類用意され、
前記判定部は、前記姿勢検出部による検出値が所定の検出範囲内となる場合に、当該携帯端末が前記所定の置台に載置されているとみなされる状態と判定し、
前記所定の置台ごとに設定される前記所定の検出範囲が予め記憶される記憶部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の置台に載置することで所定の処理を実施する携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、情報コードを光学的に読み取るコードリーダや無線タグを無線通信にて読み取る無線タグリーダライタ等の携帯端末はバッテリで駆動しており、充電用の置台(クレードル)に載置することで充電されるように構成されている。また、携帯端末用の置台では、充電機能だけでなく、載置された携帯端末と上位機器との通信を中継する通信機能を兼備する構成も多く採用されている。
【0003】
このように、携帯端末を置台に載置することで、電気的接続状態になった置台を介して充電等の所定の処理が実施可能になる携帯端末として、例えば、下記特許文献1に開示される携帯端末が知られている。この携帯端末は、置台に載置した際に、その外部端子が置台の置台側端子に接触するように構成されており、この載置状態にて充電に関する処理が実施可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、携帯端末と置台との載置時の装着部分は、ガタツキや瞬断等を防止するために強いホールド構成となっており、そのために、しっかり装着できていないと充電等が開始されない場合がある。通常、充電等が開始されると携帯端末のLED等が所定の発光状態になるが、上述のようにしっかり装着できていないために充電等が開始されずに上記LED等が上記所定の発光状態にならない場合、充電等が開始されていないことにユーザが気付かない可能性がある。上記LED等を見ずに携帯端末が置台に置かれている状態だけを見て充電等が開始されているとユーザが誤認してしまうからである。このように置台に載置されることで実施されるべき所定の処理が実施されていない状態にユーザが気付かないままだと、その携帯端末を用いた読取作業等の運用に支障をきたすという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、置台に載置されることで実施されるべき所定の処理が実施されていない状態についてユーザが気付きやすい構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
所定の置台(40)に載置した際に前記所定の置台と電気的接続状態になることで所定の処理が実施可能となる携帯端末(10)であって、
前記携帯端末の姿勢を検出する姿勢検出部(28)と、
前記姿勢検出部の検出結果に応じて、当該携帯端末が前記所定の置台に載置されているとみなされる状態が所定時間継続している載置状態であるか否かについて判定する判定部(21)と、
前記判定部により前記載置状態であると判定されたときに前記所定の処理が実施されていない場合に、所定の報知を行う報知部(27)と、
を備え、
前記報知部は、前記判定部により前記載置状態であると判定されている状態において、前記所定の処理が実施されている状態から当該所定の処理が実施されていない状態に変化すると、前記所定の処理が実施されなくなった原因に関する情報を含めるように前記所定の報知を行うことを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、姿勢検出部の検出結果に応じて、当該携帯端末が所定の置台に載置されているとみなされる状態が所定時間継続している載置状態であるか否かについて判定部により判定される。そして、判定部により載置状態であると判定されたときに所定の処理が実施されていない場合に、報知部により所定の報知が行われる。
【0009】
これにより、携帯端末が置台にしっかり装着できていないために充電等の所定の処理が実施されない場合であっても、携帯端末を置台に置いたまま上記所定時間が経過すると、報知部により所定の報知が行われる。このため、置台に載置されることで実施されるべき所定の処理が実施されていない状態(以下、不実施状態ともいう)についてユーザが気付きやすい携帯端末を実現することができる。
【0010】
請求項2の発明では、報知部は、上記所定の報知として、所定の処理が実施されていないことを示す所定の警告音を発音する。このように聴覚的報知を行うことで、携帯端末及び置台を見ていない状態でも携帯端末及び置台の近くにいるだけで上記不実施状態をユーザに気付かせることができる。
【0011】
請求項1の発明では、報知部は、判定部により載置状態であると判定されている状態において、所定の処理が実施されている状態から当該所定の処理が実施されていない状態に変化すると、所定の処理が実施されなくなった原因に関する情報を含めるように所定の報知を行う。載置直後には所定の処理が実施されていても、振動やストレスなどの外的要因によって置台との電気的接続状態が解除されたために所定の処理が実施されなくなる場合がある。このような場合には、接続不良など、上記不実施状態となった原因を特定しやすいので、上記不実施状態だけでなく、その原因に関する情報を含めるように所定の報知が行われることで、ユーザは、上記不実施状態を迅速に解消することができる。
【0012】
請求項3の発明では、所定の置台は、複数種類用意され、判定部は、姿勢検出部による検出値が所定の検出範囲内となる場合に、当該携帯端末が所定の置台に載置されているとみなされる状態と判定する。そして、所定の置台ごとに設定される上記所定の検出範囲が予め記憶部に記憶される。これにより、複数種類の置台が用意される場合でも、どの置台に載置されているか又は単に机面上等に置かれているか容易に区別できるので、その載置状態に応じた適切な報知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る携帯端末を置台に載置した状態を説明する正面図である。
【
図10】
図1の携帯端末の電気的構成を例示するブロック図である。
【
図11】携帯端末がクレードルに載置されたとみなされるGセンサの検出範囲を例示する説明図である。
【
図12】第1実施形態において携帯端末にてなされる載置状態確認処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下、本発明の携帯端末を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1~
図3に示すように、本実施形態に係る携帯端末10は、所定の置台に載置した際にこの所定の置台と電気的接続状態になることで所定の処理が実施可能となる携帯型の情報処理端末である。より具体的には、例えば、本実施形態では、所定の置台として充電機能及び通信機能を備えたクレードル40が採用されており、携帯端末10をクレードル40に載置した際にクレードル40と電気的接続状態になることで、クレードル40を介した充電処理及び通信処理が携帯端末10にて開始されるように構成されている。
【0015】
まず、携帯端末10の具体的構成について、図面を参照して説明する。
図4~
図6に示すように、本実施形態に係る携帯端末10は、QRコード(登録商標)等の外部の情報を読み取り、バッテリで駆動するタッチパネル式の読取装置であって、筐体11によって外郭が構成され、この筐体11内に各種電子部品が収容された構成をなしている。この携帯端末10は、
図10に示すように、CPU等からなる制御部21、半導体メモリ等からなる記憶部22、カメラとして構成される撮像部23、制御部21によって表示内容が制御されるタッチパネル24、タッチパネル24に対するタッチ操作やキー操作に応じた信号を制御部21に出力する操作部25、LED等からなる発光部26、ビープ音やアラーム音等の警告音を発音可能なブザー27、Gセンサ28、外部機器等と通信するための通信部29、電源部30及びバッテリ31などを備えている。
【0016】
Gセンサ28は、携帯端末10の姿勢を検出する姿勢検出部として機能するもので、3軸方向の加速度を検出する3軸加速度センサ(3軸モーションセンサ)として構成される。Gセンサ28は、例えば、携帯端末10のタッチパネル24の短手方向(
図4の左右方向)をx方向、タッチパネル24の長手方向(
図4の上下方向)をy方向、x方向及びy方向に直交する方向をz方向(
図5及び
図6参照)として、それぞれの方向の加速度を検出し、この検出結果に応じた加速度信号を、制御部21に出力するように構成されている。
【0017】
図6に示すように、筐体11における下端部の底面12には、接続端子13が設けられており、携帯端末10がクレードル40に載置された際に、接続端子13がクレードル40の接続端子44に電気的に接続されるように形成されている。携帯端末10の接続端子13がクレードル40の接続端子44に電気的に接続される電気的接続状態では、制御部21により制御された電源部30によりクレードル40から給電されてバッテリ31が充電可能であり、制御部21により制御された通信部29によりクレードル40を介して外部機器等と通信可能となる。
【0018】
次に、クレードル40の具体的構成について、図面を参照して説明する。
図7~
図9に示すように、クレードル40は、樹脂等により外郭を構成する筐体41を備えており、この筐体41の正面側には、携帯端末10を収容して保持するための収容部42が設けられている。収容部42は、載置された携帯端末10の下端部を囲ってしっかり保持するように形成されている。この収容部42の底部43には、充電用の端子や通信用の端子等を兼ねた接続端子44が、載置された携帯端末10の接続端子13に接続するように配置されている。また、筐体41の背面側には、電源ケーブルが接続される電源ポート45aやLANケーブルなどの通信ケーブルが接続される通信ポート45bが設けられている。
【0019】
このように構成されるクレードル40は、机面等の水平面に対して所定の向きで載置されて、電源ポート45aに電源ケーブルが接続され、通信ポート45bに通信ケーブルが接続されている。そして、クレードル40は、接続端子44が収容部42に載置された携帯端末10の接続端子13に電気的に接続されることで、電源ポート45aを介して供給される電力によって携帯端末10を充電するように機能し、通信ポート45bを介して接続される外部機器と携帯端末10との通信を中継するように機能する。
【0020】
次に、本実施形態に係る携帯端末10の特徴的構成について説明する。
本実施形態では、携帯端末10の下端部とクレードル40の収容部42との載置時の保持部分(装着部分)がガタツキや瞬断等を防止するために強いホールド構成となるように、収容部42が形成されている。このため、携帯端末10の下端部が収容部42に対してしっかり装着できていないと、その装着状態によっては、携帯端末10の接続端子13がクレードル40の接続端子44に接続されないために、充電処理や通信処理等が実施されない状態(以下、不実施状態ともいう)となる。また、接続端子13が接続端子44に接続されるように携帯端末10がクレードル40に載置されていても、例えば、電源ポート45aに電源ケーブルが接続されていない場合や通信ポート45bに通信ケーブルが接続されていない場合には、上記不実施状態となる。また、充電処理や通信処理等が実施されていても、その後の振動やストレス等の外的要因によって携帯端末10がクレードル40からわずかに外れて接続端子13と接続端子44との電気的接続状態が解除されたために、上記不実施状態となる場合がある。また、充電処理が実施されていても、その後の振動やストレス等の外的要因によって電源ケーブルが電源ポート45aから外れたために、充電処理が実施されない状態となる場合がある。また、通信処理が実施されていても、その後の振動やストレス等の外的要因によって通信ケーブルが通信ポート45bから外れたために、通信処理が実施されない状態となる場合がある。
【0021】
そこで、本実施形態では、携帯端末10の制御部21にてなされる載置状態確認処理により、携帯端末10の姿勢を検出して、この検出結果に応じて携帯端末10がクレードル40に載置されているとみなされる場合に不実施状態であると、この不実施状態をユーザに気付かせるために所定の報知を行う。
【0022】
このため、本実施形態では、接続端子13と接続端子44とが電気的に接続されるように携帯端末10がクレードル40に載置されたときにGセンサ28にて検出される検出値(基準値:Xo,Yo,Zo)を基準に、所定の検出範囲を予め設定して記憶部22に記憶する。そして、Gセンサ28の検出値が上記所定の検出範囲内となる場合に、携帯端末10がクレードル40に載置されているとみなす。このため、上記所定の検出範囲は、一見して携帯端末10がクレードル40に載置されているが、携帯端末10の下端部が収容部42に対してしっかり装着できていないために接続端子13と接続端子44とが電気的に接続されていない状態を含めるように、x方向、y方向、z方向のそれぞれについて、例えば、
図11に示すように設定される。
【0023】
以下、制御部21にてなされる載置状態確認処理について、
図12に示すフローチャートを参照して詳述する。
電源ON操作等がなされて携帯端末10が起動すると、制御部21により載置状態確認処理が開始されて、まず、ステップS101に示す姿勢検出処理がなされ、Gセンサ28による検出結果に応じて携帯端末10の姿勢が検出される。
【0024】
続いて、ステップS103に示す判定処理にて、携帯端末10がクレードル40に載置されているとみなされる状態が所定時間継続している載置状態であるか否かについて判定される。ここで、Gセンサ28によるx方向、y方向、z方向の少なくともいずれかの検出値が上記所定の検出範囲内にならない場合には、携帯端末10がクレードル40に載置されていないために、載置状態でないとして(S103にてNo)、上記ステップS101からの処理がなされる。また、Gセンサ28によるx方向、y方向、z方向の検出値がそれぞれ上記所定の検出範囲内になった場合であっても、全ての検出値がそれぞれ所定の検出範囲内となる状態が所定時間(例えば、5s)継続していない場合には、載置状態でないとして(S103にてNo)、上記ステップS101からの処理がなされる。なお、上記ステップS103の判定処理を行う制御部21は、「判定部」の一例に相当し得る。
【0025】
そして、ユーザが携帯端末10をクレードル40に載置することで、全ての検出値がそれぞれ所定の検出範囲内となり、その状態が上記所定時間経過すると(S103でYes)、ステップS105に示す判定処理にて、充電処理及び通信処理の少なくともいずれかが実施されていない不実施状態であるか否かについて判定される。
【0026】
ここで、一見して携帯端末10がクレードル40に載置されているが、携帯端末10の下端部が収容部42に対してしっかり装着できていないことから接続端子13と接続端子44とが電気的に接続されていないために、充電処理及び通信処理の双方が実施されていないと、不実施状態であるとして、上記ステップS105にてYesと判定される。この場合には、ステップS107に示す報知処理がなされ、充電処理及び通信処理が実施されていないことを示す第1の警告音が報知部として機能するブザー27により発音されて、本載置状態確認処理が終了する。携帯端末10をクレードル40に載置した直後に上記第1の警告音を聞いたユーザは、携帯端末10がしっかりクレードル40に載置されていない状態であることを認識することができる。
【0027】
また、接続端子13と接続端子44とが電気的に接続されていても、電源ケーブルが電源ポート45aから外れているために、通信処理が実施される一方で充電処理が実施されていない場合がある。このような場合でも、不実施状態であるとして、上記ステップS105にてYesと判定されて、上記ステップS107に示す報知処理がなされる。この場合には、電源ケーブルの接続不良等によって充電処理が実施されていないことを示す第2の警告音がブザー27により発音される。この警告音を聞いたユーザは、通信処理が実施されている一方で充電処理が実施されていない状態であることを認識することができる。
【0028】
また、接続端子13と接続端子44とが電気的に接続されていても、通信ケーブルが通信ポート45bから外れているために、充電処理が実施される一方で通信処理が実施されていない場合がある。このような場合でも、不実施状態であるとして、上記ステップS105にてYesと判定されて、上記ステップS107に示す報知処理がなされる。この場合には、通信ケーブルの接続不良等によって通信処理が実施されていないことを示す第3の警告音がブザー27により発音される。この警告音を聞いたユーザは、充電処理が実施されている一方で通信処理が実施されていない状態であることを認識することができる。
【0029】
また、接続端子13と接続端子44とが電気的に接続されており、充電処理及び通信処理の双方が実施されていると、不実施状態でないとして、上記ステップS105にてNoと判定される。そして、ステップS109に示す姿勢検出処理にて検出された全ての検出値がそれぞれ上記所定の検出範囲内となっている場合には、載置状態が継続しているとして、ステップS111の判定処理にてYesと判定されて、上記ステップS105の判定処理からの処理がなされる。そして、充電又は通信が終わったために、ユーザがクレードル40から携帯端末10を取り外した場合には、載置状態でなくなるために、ステップS111にてNoと判定されて、本載置状態確認処理が終了する。
【0030】
その一方で、充電処理及び通信処理の双方が実施される状態と上記載置状態とが継続しており上記ステップS111にてYesとの判定が繰り返される状態で、充電処理及び通信処理の少なくともいずれか一方が実施されない状態に変化すると、ステップS105にてYesと判定される。この場合には、ステップS107の報知処理にて、その不実施状態に応じた報知がなされる。具体的には、充電処理及び通信処理が実施されていない場合には、上記第1の警告音がブザー27により発音される。また、通信処理が実施される一方で充電処理が実施されていない場合には、上記第2の警告音がブザー27により発音される。また、充電処理が実施される一方で通信処理が実施されていない場合には、上記第3の警告音がブザー27により発音される。
【0031】
以上説明したように、本実施形態に係る携帯端末10では、Gセンサ28の検出結果に応じて、携帯端末10がクレードル40に載置されているとみなされる状態が所定時間継続している載置状態であるか否かについて判定される。そして、載置状態であると判定されたときに充電処理及び通信処理の少なくとも一方が実施されていない場合に、報知部として機能するブザー27の警告音を利用して所定の報知が行われる。
【0032】
これにより、携帯端末10がクレードル40にしっかり装着できていないために充電処理や通信処理等の所定の処理が実施されない場合であっても、携帯端末10をクレードル40に置いたまま上記所定時間が経過すると、ブザー27の警告音を利用した所定の報知が行われる。このため、クレードル40に載置されることで実施されるべき充電処理や通信処理等の所定の処理が実施されていない不実施状態についてユーザが気付きやすい携帯端末を実現することができる。
【0033】
特に、本実施形態では、報知部としてブザー27を採用しており、上記所定の報知として、所定の処理が実施されていないことを示す所定の警告音を発音する。このように聴覚的報知を行うことで、携帯端末10及びクレードル40を見ていない状態でも携帯端末10及びクレードル40の近くにいるだけで上記不実施状態をユーザに気付かせることができる。
【0034】
また、本実施形態では、載置状態であると判定されている状態において(S111でYes)、充電処理や通信処理等の所定の処理が実施されている状態から当該所定の処理の少なくとも一部が実施されていない不実施状態に変化すると(S105でYes)、接続不良など、所定の処理が実施されなくなった原因に関する情報を含めるように上述した第2の警告音や第3の警告音等にて報知される(S107)。このように、上記不実施状態だけでなく、その原因に関する情報を含めるように所定の報知が行われることで、ユーザは、上記不実施状態を迅速に解消することができる。
【0035】
なお、上記ステップS107の報知処理では、ブザー27の警告音を利用して所定の報知を行うことに限らず、発光部26等の他の報知部を利用して所定の報知を行うようにしてもよい。その場合、所定の処理が実施されなくなった原因を特定できる場合には、その特定された原因に応じて報知内容を変えることができる。
【0036】
また、所定の処理を実施するために携帯端末10が載置される置台は、上述したクレードル40を加えた複数種類の置台が採用されてもよい。この場合には、載置状態であるか否かを判定するための所定の検出範囲が置台ごとに設定されて予め記憶部22に記憶される。これにより、置台が複数種類用意される場合でも、どの置台に載置されているか又は単に机面上等に置かれているか容易に区別できるので、その載置状態に応じた適切な報知を行うことができる。
【0037】
なお、本発明は上記実施形態及び変形例等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)所定の処理を実施するために携帯端末10が載置される置台は、上述したクレードル40のように、充電処理や通信処理を上記所定の処理として実施可能に構成されることに限らず、充電処理及び通信処理のいずれか一方を上記所定の処理として実施可能に構成されてもよいし、さらに他の処理を上記所定の処理として実施可能に構成されてもよい。
【0038】
(2)本発明に係る携帯端末は、上述した携帯端末10のように、タッチパネル式の読取装置として構成されることに限らず、例えば、テンキーやファンクションキー等が設けられる端末として構成されてもよい。また、本発明に係る携帯端末は、QRコード等の情報コードを光学的に読み取る読取装置として構成されることに限らず、例えば、さらに、無線タグ等を非接触通信にて読み書き可能な装置として構成されてもよいし、他の機能を有する情報処理端末として構成されてもよい。
【0039】
(3)携帯端末10の姿勢を検出する手段として、上述したGセンサ28が採用されることに限らず、他の姿勢を検出可能なセンサが採用されてもよい。
【符号の説明】
【0040】
10…携帯端末
21…制御部(判定部)
22…記憶部
27…ブザー(報知部)
28…Gセンサ(姿勢検出部)
40…クレードル(置台)