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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20231212BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20231212BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20231212BHJP
   H01L 21/329 20060101ALI20231212BHJP
   H01L 29/866 20060101ALI20231212BHJP
   H01L 29/861 20060101ALI20231212BHJP
   H01L 29/868 20060101ALI20231212BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20231212BHJP
   H01L 29/739 20060101ALI20231212BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20231212BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20231212BHJP
   H01L 27/06 20060101ALI20231212BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
H01L29/78 652N
H01L29/78 652T
H01L29/78 652Q
H01L29/78 652P
H01L29/78 657F
H01L29/78 657A
H01L29/78 652M
H01L29/78 653A
H01L29/78 652J
H01L29/78 652H
H01L29/06 301G
H01L29/06 301V
H01L29/06 301M
H01L29/90 D
H01L29/91 K
H01L29/91 C
H01L29/78 658E
H01L29/78 658A
H01L29/78 656C
H01L29/91 A
H01L29/78 655F
H01L27/04 H
H01L27/06 311B
H01L27/06 102A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020006090
(22)【出願日】2020-01-17
(65)【公開番号】P2021114529
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】星 保幸
【審査官】杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/069580(WO,A1)
【文献】特開2005-019734(JP,A)
【文献】特開2008-177328(JP,A)
【文献】特開2012-033802(JP,A)
【文献】特開2017-079324(JP,A)
【文献】特開2012-019188(JP,A)
【文献】特開2001-274169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 29/12
H01L 29/06
H01L 21/329
H01L 29/861
H01L 21/336
H01L 29/739
H01L 21/822
H01L 27/06
H01L 21/8234
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1MOS構造部と、
第2MOS構造部と、
前記第1MOS構造部と前記第2MOS構造部から構成される活性領域の周囲を囲むゲートリング領域と、
前記ゲートリング領域の周囲を囲む第1リング領域と、
前記第1リング領域の周囲を囲む第2リング領域と、
前記第2リング領域の周囲を囲む終端領域と、
を備え、
前記第1MOS構造部は、
第1導電型の半導体基板と、
前記半導体基板のおもて面に設けられた、前記半導体基板より低不純物濃度の第1導電型の第1半導体層と、
前記第1半導体層の、前記半導体基板側に対して反対側の表面に設けられた第2導電型の第1の第2半導体層と、
前記第1の第2半導体層の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に設けられた第1導電型の第1の第1半導体領域と、
前記第1の第2半導体層に接触する第1のゲート絶縁膜と、
前記第1のゲート絶縁膜の前記第1の第2半導体層と接触する面と反対側の表面に設けられた第1のゲート電極と、
前記第1の第2半導体層および前記第1の第1半導体領域の表面に設けられた第1の第1電極と、
前記半導体基板の裏面に設けられた第2電極と、
を有し、
前記第2MOS構造部は、
前記半導体基板と、
前記第1半導体層と、
前記第1半導体層の、前記半導体基板側に対して反対側の表面に設けられた第2導電型の第2の第2半導体層と、
前記第2の第2半導体層の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に設けられた第1導電型の第2の第1半導体領域と、
前記第2の第2半導体層に接触する第2のゲート絶縁膜と、
前記第2のゲート絶縁膜の前記第2の第2半導体層と接触する面と反対側の表面に設けられた第2のゲート電極と、
前記第1の第2半導体層および前記第2の第1半導体領域の表面に設けられた第2の第1電極と、
前記半導体基板の裏面に設けられた前記第2電極と、
を有し、
前記ゲートリング領域は、
前記半導体基板と、
前記第1半導体層と、
前記第1の第2半導体層と、
前記第1の第2半導体層に接触する絶縁膜と、
前記絶縁膜の前記第1の第2半導体層と接触する面と反対側の表面に設けられた第3のゲート電極と、
前記第3のゲート電極上に設けられたゲート配線電極と、
を有し、
前記第1リング領域は、
前記半導体基板と、
前記第1半導体層と、
前記第1半導体層の、前記半導体基板側に対して反対側の表面に設けられた第2導電型の第3の第2半導体層と、
前記第3の第2半導体層の表面に設けられた第3の第1電極と、
を有し、
前記第2リング領域は、
前記半導体基板と、
前記第1半導体層と、
前記第1半導体層の、前記半導体基板側に対して反対側の表面に設けられた第2導電型の第4の第2半導体層と、
前記第4の第2半導体層の表面に設けられた第4の第1電極と、
を有し、
前記第3の第1電極は、前記第2の第1電極と同電位であり、前記第4の第1電極は、前記第1の第1電極と同電位であることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第2の第2半導体層と前記第3の第2半導体層とが接続され、前記第1の第2半導体層と前記第4の第2半導体層とが接続されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の第1電極と前記第4の第1電極とを電気的に接続する第1の短絡電極と、
前記第2の第1電極と前記第3の第1電極とを電気的に接続する第2の短絡電極と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記ゲートリング領域と前記第1リング領域との間に、ツェナーダイオード領域をさらに備え、
前記ツェナーダイオード領域は、
前記半導体基板と、
前記第1半導体層と、
前記第1の第2半導体層と、
前記第1の第2半導体層に接触する絶縁膜と、
前記絶縁膜の表面に設けられた、第2導電型の第2半導体領域と第1導電型の第3半導体領域とが交互に配列されたツェナーダイオードと、
を有し、
前記ツェナーダイオードには、一方が前記第2の第1電極に電気的に接続され、他方が第3の第1電極に電気的に接続される第1ツェナーダイオードが含まれることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記ツェナーダイオードには、一方が前記第1の第1電極に電気的に接続され、他方が第4の第1電極に電気的に接続される第2ツェナーダイオードが含まれることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2MOS構造部は、前記第1MOS構造部に流れる過電流を検出することを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1MOS構造部は、
前記第1の第1半導体領域および前記第1の第2半導体層を貫通し、前記第1半導体層に達する第1のトレンチをさらに有し、
前記第1のゲート電極は、前記第1のトレンチの内部に前記第1のゲート絶縁膜を介して設けられ、
前記第2MOS構造部は、
前記第2の第1半導体領域および前記第2の第2半導体層を貫通し、前記第1半導体層に達する第2のトレンチをさらに有し、
前記第2のゲート電極は、前記第2のトレンチの内部に前記第2のゲート絶縁膜を介して設けられることを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高電圧や大電流を制御するパワー半導体装置の構成材料として、シリコン(Si)が用いられている。パワー半導体装置は、バイポーラトランジスタやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)など複数種類あり、これらは用途に合わせて使い分けられている。
【0003】
例えば、バイポーラトランジスタやIGBTは、MOSFETに比べて電流密度は高く大電流化が可能であるが、高速にスイッチングさせることができない。具体的には、バイポーラトランジスタは数kHz程度のスイッチング周波数での使用が限界であり、IGBTは数十kHz程度のスイッチング周波数での使用が限界である。一方、パワーMOSFETは、バイポーラトランジスタやIGBTに比べて電流密度が低く大電流化が難しいが、数MHz程度までの高速スイッチング動作が可能である。
【0004】
しかしながら、市場では大電流と高速性とを兼ね備えたパワー半導体装置への要求が強く、IGBTやパワーMOSFETはその改良に力が注がれ、現在ではほぼ材料限界に近いところまで開発が進んでいる。パワー半導体装置の観点からシリコンに代わる半導体材料が検討されており、低オン電圧、高速特性、高温特性に優れた次世代のパワー半導体装置を作製(製造)可能な半導体材料として炭化珪素(SiC)が注目を集めている。
【0005】
炭化珪素は、化学的に非常に安定した半導体材料であり、バンドギャップが3eVと広く、高温でも半導体として極めて安定的に使用することができる。また、炭化珪素は、最大電界強度もシリコンより1桁以上大きいため、オン抵抗を十分に小さくすることができる半導体材料として期待される。このような炭化珪素の特長は、他のシリコンよりバンドギャップが広いワイドバンドギャップ半導体である、例えば窒化ガリウム(GaN)にもあてはまる。このため、ワイドバンドギャップ半導体を用いることにより、半導体装置の高耐圧化を図ることができる。
【0006】
従来の炭化珪素半導体装置の構造について、トレンチ型の縦型MOSFETを例に説明する。図16は、従来の炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。図16に示すように、炭化珪素半導体装置1600は、主電流が流れる活性領域1150の外周部に、活性領域1150の周囲を囲んで耐圧を保持するエッジ終端領域1168が設けられている。活性領域1150には、ゲート電極と電気的に接続するゲート電極パッド1100と、ソース電極と電気的に接続するソース電極パッド1015とが設けられている。また、活性領域1150とエッジ終端領域1168の間に、ゲート電極とゲート電極パッド1100とを接続するための配線が形成されるゲートリング領域1160が設けられている。
【0007】
炭化珪素半導体装置の信頼性をさらに向上させるために、炭化珪素半導体装置1600と同一の半導体基板に、電流センス部、温度センス部および過電圧保護部等の高機能領域1400を配置している半導体装置が提案されている。高機能構造とする場合、高機能領域1400を安定して形成するために、活性領域1150に、メイン半導体素子の単位セルと離して、かつエッジ終端領域1168に隣接して、高機能領域1400のみを配置した領域が設けられる。活性領域1150は、メイン半導体素子のオン時に主電流が流れる領域である。エッジ終端領域1168は、半導体基板のおもて面側の電界を緩和して耐圧(耐電圧)を保持するための領域である。耐圧とは、素子が誤動作や破壊を起こさない限界の電圧である。
【0008】
電流センス部には、活性領域1150と同構造の電流センス部の活性領域1230および電流検出用の電流センス部の電極パッド1202が設けられる。温度センス部は、ダイオードの温度特性を利用して半導体チップの温度を検出する機能を有し、温度センス部のアノード電極パッド1201Aおよび温度センス部のカソード電極パッド1201Bが設けられる。
【0009】
図17は、従来の炭化珪素半導体装置の構造を示す図16のA-A’断面図である。図17は、従来のトレンチ型MOSFETを用いた炭化珪素半導体装置の構造を示す断面図である。炭化珪素半導体装置1600では、n+型炭化珪素基板1001のおもて面にn型炭化珪素エピタキシャル層1002が堆積される。活性領域1150では、n型炭化珪素エピタキシャル層1002のn+型炭化珪素基板1001側に対して反対側の表面側は、n型高濃度領域1005が設けられている。また、n型高濃度領域1005には、トレンチ1018の底面全体を覆うように第2p+型ベース領域1004が選択的に設けられている。n型高濃度領域1005のn+型炭化珪素基板1001側に対して反対側の表面層には、第1p+型ベース領域1003が選択的に設けられている。
【0010】
また、従来の炭化珪素半導体装置1600の活性領域1150には、さらにp型ベース層1006、n+型ソース領域1007、p++型コンタクト領域1008、ゲート絶縁膜1009、ゲート電極1010、層間絶縁膜1011、ソース電極1013、裏面電極1014、トレンチ1018、ソース電極パッド1015およびドレイン電極パッド(不図示)が設けられている。
【0011】
ソース電極1013は、n+型ソース領域1007、p++型コンタクト領域1008上に設けられ、ソース電極パッド1015は順に第1TiN膜1025、第1Ti膜1026、第2TiN膜1027、第2Ti膜1028およびAl合金膜1029が積層されている多層膜である。また、ソース電極1013上部には、めっき膜1016、はんだ1017、外部端子電極1019、第1保護膜1021および第2保護膜1023が設けられる。
【0012】
また、従来の炭化珪素半導体装置1600のゲートリング領域1160には、第1p+型ベース領域1003、p型ベース層1006、p++型コンタクト領域1008が設けられる。p++型コンタクト領域1008上に絶縁膜1530、ゲート電極1010、層間絶縁膜1011、ゲート配線電極1030および第2保護膜1023が設けられている。
【0013】
また、従来の炭化珪素半導体装置1600のエッジ終端領域1168には、全域にわたってp型ベース層1006、p++型コンタクト領域1008が除去され、エッジ終端領域1168を活性領域1150よりも低くした(ドレイン側に凹ませた)段差が形成され、段差の底面にn型炭化珪素エピタキシャル層1002が露出されている。
【0014】
また、エッジ終端領域1168には、複数のp+型領域(ここでは2つ、第1JTE領域1163、第2JTE領域1165)を隣接して配置したJTE構造が設けられている。また、JTE構造の外側(チップ端部側)にチャネルストッパーとして機能するn+型ストッパー領域1167が設けられている。
【0015】
第1JTE領域1163、第2JTE領域1165は、それぞれ、n型炭化珪素エピタキシャル層1002の、段差の底面に露出する部分に選択的に設けられている。高電圧が印加された際、活性領域1150以外での横方向の高電圧はこの第1JTE領域1163、第2JTE領域1165とn型炭化珪素エピタキシャル層1002との間のpn接合で確保される。
【0016】
また、ゲート電極とソース電極とをツェナーダイオード領域を経由して接続し、ツェナーダイオード領域を半導体装置内の周辺領域に配置して、n+型半導体領域とp+型半導体領域とをツェナーダイオード領域の内周から外周に向かい交互に配置することで、ツェナーダイオードのpn接合面積を大きくし、ゲート電極を、過電圧から確実に保護する半導体装置が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
【0017】
また、ソースパッドの周縁部に、外周領域に沿ってソースパッドの中央領域を取り囲む除去領域が形成されている半導体装置が公知である(例えば、下記特許文献2参照)。
【0018】
また、ゲート端子-ソース端子間、およびゲート端子-センス端子間に、ツェナーダイオードを設けることで、電流検出用のセンス端子による検出電流に影響を与えることなく、素子を保護できる半導体装置が公知である(例えば、下記特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【文献】特開2015-018950号公報
【文献】特開2013-232533号公報
【文献】特開平4-326768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上述した従来の炭化珪素半導体装置(図17参照)では、半導体材料としてワイドバンドギャップ半導体を用いているため、半導体材料としてシリコンを用いた場合と比べて、エッジ終端領域1168の幅を1/5倍~1/2倍程度狭くすることができる。かつ、エッジ終端領域1168の厚さを1/2倍以上薄くすることができる。このため、エッジ終端領域1168の幅を狭くしたり、エッジ終端領域1168の厚さを薄くすることで、MOSFETの低オン抵抗(RonA)化が可能である。
【0021】
しかしながら、エッジ終端領域1168の幅を狭くしたり、エッジ終端領域1168の厚さを薄くしたりすることで、MOSFETのオフ時にp型ベース層1006とn型高濃度領域1005とのpn接合からチップ端部側へ半導体基板のおもて面に平行な方向(横方向)に伸びる空乏層の容量(pn接合容量)が増加する。このため、MOSFETのスイッチング時(特にMOSFETのオフ時)に例えばサージ等のノイズにより微小時間でドレイン-ソース間電圧が変化(以下、dv/dtサージ)すると、pn接合容量に流れる変位電流が著しく大きくなる。具体的には、pn接合容量の充放電時に流れる変位電流の電流値は、半導体材料としてシリコンを用いる場合の電流値の、エッジ終端領域1168を減少させた体積倍となる。
【0022】
MOSFETのオフ時、ホールに起因する変位電流(以降、ホール電流と略す)は、エッジ終端領域1168から活性領域1150へ向かって流れ、活性領域1150のp++型コンタクト領域1008からソース電極1013へと引き抜かれる。しかしながら、電流センス部の活性領域1230は、活性領域1150と同構造であるが、電流センス部の周囲のゲート電極パッド1100等の電極パッドの下部領域ではn+型ソース領域1007等が配置されていない。これにより、高機能領域1400では、活性領域1150の部分よりもp++型コンタクト領域1008の面積が大きくなっている。このため、電流センス部の活性領域1230で、p++型コンタクト領域1008中を流れる電流容量が増加して、電界が高くなり、電流センス部の活性領域1230のESD(Electro Static Discharge:静電気放電)耐性が低くなるという課題がある。
【0023】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、電流センス部の活性領域のESD耐量を改善することができる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置は、次の特徴を有する。半導体装置は、第1MOS構造部と、第2MOS構造部と、前記第1MOS構造部と前記第2MOS構造部から構成される活性領域の周囲を囲むゲートリング領域と、前記ゲートリング領域の周囲を囲む第1リング領域と、前記第1リング領域の周囲を囲む第2リング領域と、前記第2リング領域の周囲を囲む終端領域と、を備える。
【0025】
前記第1MOS構造部は、第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板のおもて面に設けられた、前記半導体基板より低不純物濃度の第1導電型の第1半導体層と、前記第1半導体層の、前記半導体基板側に対して反対側の表面に設けられた第2導電型の第1の第2半導体層と、前記第1の第2半導体層の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に設けられた第1導電型の第1の第1半導体領域と、前記第1の第2半導体層に接触する第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜の前記第1の第2半導体層と接触する面と反対側の表面に設けられた第1のゲート電極と、前記第1の第2半導体層および前記第1の第1半導体領域の表面に設けられた第1の第1電極と、前記半導体基板の裏面に設けられた第2電極と、を有する。
【0026】
前記第2MOS構造部は、前記半導体基板と、前記第1半導体層と、前記第1半導体層の、前記半導体基板側に対して反対側の表面に設けられた第2導電型の第2の第2半導体層と、前記第2の第2半導体層の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に設けられた第1導電型の第2の第1半導体領域と、前記第2の第2半導体層に接触する第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜の前記第2の第2半導体層と接触する面と反対側の表面に設けられた第2のゲート電極と、前記第1の第2半導体層および前記第2の第1半導体領域の表面に設けられた第2の第1電極と、前記半導体基板の裏面に設けられた前記第2電極と、を有する。
【0027】
前記ゲートリング領域は、前記半導体基板と、前記第1半導体層と、前記第1の第2半導体層と、前記第1の第2半導体層に接触する絶縁膜と、前記絶縁膜の前記第1の第2半導体層と接触する面と反対側の表面に設けられた第3のゲート電極と、前記第3のゲート電極上に設けられたゲート配線電極と、を有する。前記第1リング領域は、前記半導体基板と、前記第1半導体層と、前記第1半導体層の、前記半導体基板側に対して反対側の表面に設けられた第2導電型の第3の第2半導体層と、前記第3の第2半導体層の表面に設けられた第3の第1電極と、を有する。前記第2リング領域は、前記半導体基板と、前記第1半導体層と、前記第1半導体層の、前記半導体基板側に対して反対側の表面に設けられた第2導電型の第4の第2半導体層と、前記第4の第2半導体層の表面に設けられた第4の第1電極と、を有する。前記第3の第1電極は、前記第2の第1電極と同電位であり、前記第4の第1電極は、前記第1の第1電極と同電位である。
【0028】
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第2の第2半導体層と前記第3の第2半導体層とが接続され、前記第1の第2半導体層と前記第4の第2半導体層とが接続されることを特徴とする。
【0029】
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第1の第1電極と前記第4の第1電極とを電気的に接続する第1の短絡電極と、前記第2の第1電極と前記第3の第1電極とを電気的に接続する第2の短絡電極と、を備えることを特徴とする。
【0030】
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記ゲートリング領域と前記第1リング領域との間に、ツェナーダイオード領域をさらに備え、前記ツェナーダイオード領域は、前記半導体基板と、前記第1半導体層と、前記第1の第2半導体層と、前記第1の第2半導体層に接触する絶縁膜と、前記絶縁膜の表面に設けられた、第2導電型の第2半導体領域と第1導電型の第3半導体領域とが交互に配列されたツェナーダイオードと、を有し、前記ツェナーダイオードには、一方が前記第2の第1電極に電気的に接続され、他方が第3の第1電極に電気的に接続される第1ツェナーダイオードが含まれることを特徴とする。
【0031】
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記ツェナーダイオードには、一方が前記第1の第1電極に電気的に接続され、他方が第4の第1電極に電気的に接続される第2ツェナーダイオードが含まれることを特徴とする。
【0032】
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第2MOS構造部は、前記第1MOS構造部に流れる過電流を検出することを特徴とする。
【0033】
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第1MOS構造部は、前記第1の第1半導体領域および前記第1の第2半導体層を貫通し、前記第1半導体層に達する第1のトレンチをさらに有し、前記第1のゲート電極は、前記第1のトレンチの内部に前記第1のゲート絶縁膜を介して設けられ、前記第2MOS構造部は、前記第2の第1半導体領域および前記第2の第2半導体層を貫通し、前記第1半導体層に達する第2のトレンチをさらに有し、前記第2のゲート電極は、前記第2のトレンチの内部に前記第2のゲート絶縁膜を介して設けられることを特徴とする。
【0034】
上述した発明によれば、エッジ終端領域とゲートリング領域との間に、メインソースリング領域(第2リング領域)を設け、メインソースリング領域の内側に電流センスソースリング領域(第1リング領域)を設けている。電流センスソースリング領域のソース電極(第3の第1電極)を電流センス部(第2MOS構造部)のソース電極(第2の第1電極)と電気的に接続することにより、電流センス部のソース電極の電位を安定化させることができる。このため、電流センス部のESD耐量を改善することができる。
【0035】
また、電流センスソースリング領域の内側にツェナーダイオード領域を設けることで、ツェナーダイオード領域の面積を大きくすることが可能になり、電流センス部のESD耐量をさらに改善して、スイッチング時の破壊耐量を改善することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明にかかる半導体装置によれば、電流センス部の活性領域のESD耐量を改善することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。
図2】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図1のA-A’断面図である。
図3】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図1のB-B’断面図である。
図4】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図1のC-C’断面図である。
図5】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置のツェナーダイオード領域の詳細構造を示す上面図である。
図6】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その1)。
図7】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その2)。
図8】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その3)。
図9】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その4)。
図10】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その5)。
図11】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である(その6)。
図12】実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置と従来の炭化珪素半導体装置のESD耐量の相対値を示すグラフである。
図13】実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。
図14】実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図13のA-A’断面図である。
図15】実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図13のB-B’断面図である。
図16】従来の炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。
図17】従来の炭化珪素半導体装置の構造を示す図16のA-A’断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および-は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。+および-を含めたnやpの表記が同じ場合は近い濃度であることを示し濃度が同等とは限らない。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本明細書では、ミラー指数の表記において、“-”はその直後の指数につくバーを意味しており、指数の前に“-”を付けることで負の指数をあらわしている。
【0039】
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる半導体装置は、シリコン(Si)よりもバンドギャップが広い半導体(ワイドバンドギャップ半導体とする)を用いて構成される。この実施の形態1にかかる半導体装置の構造について、ワイドバンドギャップ半導体として例えば炭化珪素(SiC)を用いた場合を例に説明する。図1は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。図1には、半導体基板(半導体チップ)に配置された各素子の電極パッドおよび各領域のレイアウトを示す。
【0040】
図1に示す炭化珪素半導体装置600は、炭化珪素からなる同一の半導体基板に、メイン半導体素子と、メイン半導体素子を保護・制御するための回路部としては例えば電流センス部、温度センス部(不図示)、過電圧保護部(不図示)および演算回路部(不図示)等の高機能部と、を有する。メイン半導体素子は、オン状態で縦方向(半導体基板の深さ方向z)にドリフト電流が流れるトレンチ型MOSFETであり、隣接して配置された複数の単位セル(機能単位:不図示)で構成され、主動作を行う。
【0041】
メイン半導体素子は、活性領域150の有効領域(MOSゲートとして機能する領域)150aに設けられている。活性領域150の有効領域150aは、メイン半導体素子のオン時に主電流が流れる領域であり、周囲をゲートリング領域160に囲まれている。活性領域150の有効領域150aにおいて、半導体基板のおもて面上には、メイン半導体素子の第1ソース電極13aが設けられている。第1ソース電極13aは、例えば活性領域150の有効領域150aの略全面を覆う。また、第1ソース電極13aのおもて面上には、例えば矩形状の平面形状を有する第1ソース電極パッド15aが設けられている。
【0042】
エッジ終端領域168は、活性領域150とチップ(半導体基板)側面との間の領域であり、半導体基板のおもて面側の電界を緩和して耐圧(耐電圧)を保持するための領域である。エッジ終端領域168には、例えばガードリングや後述する接合終端(JTE:Junction Termination Extension)構造を構成するp型領域や、フィールドプレート、リサーフ等の耐圧構造(不図示)が配置される。
【0043】
また、活性領域150には、ゲートリング領域160に隣接して、高機能領域400が設けられている。高機能領域400は、例えば略矩形状の平面形状を有する。高機能領域400には、電流センス部、過電圧保護部(不図示)および演算回路部(不図示)等の高機能部が設けられている。図1には、高機能部として電流センス部のみを図示するが、高機能領域400に電流センス部以外の他の高機能部が配置されていてもよい。
【0044】
電流センス部は、メイン半導体素子に流れる過電流(OC:Over Current)を検出する機能を有する。電流センス部は、電流センス部の第2ソース電極パッド15bの下(半導体基板の深さ方向z)に設けられ、メイン半導体素子と同一構成の単位セルを電流センス部の活性領域230に数個程度備えた縦型MOSFETである。
【0045】
また、高機能領域400において、半導体基板のおもて面上には、活性領域150とエッジ終端領域168との境界に沿って、かつ第1ソース電極13aおよびエッジ終端領域168と離して、メイン半導体素子のゲート電極パッド100、温度センス部のアノード電極パッド201A、温度センス部のカソード電極パッド201B、電流センス部の第2ソース電極パッド15bが互いに接して設けられている。これら電極パッドは例えば略矩形状の平面形状を有する。
【0046】
温度センス部は、温度を検出する機能を有する。このため、温度センス部は、活性領域150の有効領域150aに設けられている。例えば、温度センス部には、後述するp型ポリシリコン層81とn型ポリシリコン層82とからなるダイオードが設けられている(図4参照)。このダイオードの順方向電圧Vfは、温度により変化して、温度が高いほど順方向電圧Vfは低くなる。このため、事前に温度と順方向電圧Vfとの関係を取得しておき、有効領域150a内のMOSFETが動作中にダイオードの順方向電圧Vfを測定することにより、炭化珪素半導体装置600の温度を測定することができる。
【0047】
温度センス部のアノード電極パッド201Aは、p型ポリシリコン層81上に設けられたアノード電極84と電気的に接続され、温度センス部のカソード電極パッド201Bは、n型ポリシリコン層82に設けられたカソード電極85と電気的に接続される。
【0048】
ゲート電極パッド100は、ゲートリング領域160に設けられたゲート配線電極30(図2参照)を介して、メイン半導体素子のすべての単位セルのゲート電極10aと電気的に接続されている。ゲートリング領域160は、活性領域150とエッジ終端領域(終端領域)168との間に、活性領域150を取り囲むように設けられている。
【0049】
また、ゲートリング領域160とエッジ終端領域168との間に、ゲートリング領域160を取り囲むようにツェナーダイオード領域161が設けられてもよい。ツェナーダイオード領域161は、ツェナーダイオードが配置されている。ツェナーダイオードは、短絡領域502、503により、後述する電流センスソースリング領域232の第3ソース電極13cと、後述する電流センス部の第2ソース電極13bとを接続し、これらの電極間に過電圧がかかることを防止する。実施の形態1では、電流センスソースリング領域232が、活性領域150を取り囲むように設けられているため、電流センスソースリング領域232に隣接してツェナーダイオード領域161を配置して、ツェナーダイオード領域161の面積を大きくすることが可能になり、電流センス部のESD耐量を改善して、スイッチング時の破壊耐量を改善することができる。
【0050】
また、ツェナーダイオード領域161の周りには、電流センスソースリング領域(第1リング領域)232が設けられている。電流センスソースリング領域232には、第3ソース電極13cが設けられている。第3ソース電極13cは、短絡領域250で後述する第3p型ベース層6cと第2p型ベース層6bと接続することで、第2p型ベース層6bと接続と接続され、電流センス部の第2ソース電極13bの電位(ソース電位)に固定されている。
【0051】
また、電流センスソースリング領域232の周りには、メインソースリング領域(第2リング領域)170が設けられている。メインソースリング領域170は、後述するように第4ソース電極13dが設けられ、後述する第4p型ベース層6dと第1p型ベース層6aを接続することで、後述する有効領域150aの第1ソース電極13aの電位(ソース電位)に固定されている。メインソースリング領域170は、メイン半導体素子のオフ時にエッジ終端領域168から活性領域150へ流れ込むホール電流を、第4p型ベース層6dを介して引き抜く機能を有する。メインソースリング領域170が、電流センスソースリング領域232およびゲートリング領域160を取り囲むため、エッジ終端領域168から流れ込むホール電流を第4p型ベース層6dを介して引き抜くことで、電流センスソースリング領域232および活性領域150への影響をなくすことができる。
【0052】
次に、上述した活性領域150、ゲートリング領域160、ツェナーダイオード領域161、電流センスソースリング領域232、メインソースリング領域170、エッジ終端領域168、電流センス部(第2MOS構造部)37aおよび温度センス部35aの断面構造の一例について説明する。図2は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図1のA-A’断面図である。図3は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図1のB-B’断面図である。図4は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図1のC-C’断面図である。メイン半導体素子の隣接する2つの単位セルのみを示し、当該単位セルのチップ(半導体基板)中央部側に隣接するメイン半導体素子の他の単位セルを図示省略する。
【0053】
メイン半導体素子は、半導体基板のおもて面(第1p型ベース層6a側の面)側にトレンチゲート構造のMOSゲートを備えたトレンチ型MOSFETである。トレンチ型MOSFETは、n+型炭化珪素基板(第1導電型の半導体基板)1の第1主面(おもて面)、例えば(0001)面(Si面)、にn型炭化珪素エピタキシャル層(第1導電型の第1半導体層)2が堆積されている。n+型炭化珪素基板1は、例えば窒素(N)がドーピングされた炭化珪素単結晶基板である。n型炭化珪素エピタキシャル層2は、n+型炭化珪素基板1よりも低い不純物濃度で、例えば窒素がドーピングされている低濃度n型ドリフト層である。
【0054】
図2図4に示すように、n+型炭化珪素基板1の第2主面(裏面、すなわち炭化珪素半導体基体の裏面)には、裏面電極14が設けられている。裏面電極14は、ドレイン電極を構成する。裏面電極14の表面には、ドレイン電極パッド(不図示)が設けられている。
【0055】
図2および図4に示すように、メイン半導体素子(第1MOS構造部)42では、n型炭化珪素エピタキシャル層2の、n+型炭化珪素基板1側に対して反対側の表面は、n型高濃度領域5が設けられていてもよい。n型高濃度領域5は、n+型炭化珪素基板1よりも低くn型炭化珪素エピタキシャル層2よりも高い不純物濃度の高濃度n型ドリフト層である。
【0056】
n型高濃度領域5(n型高濃度領域5が設けられていない場合はn型炭化珪素エピタキシャル層2、以下(2)と省略する)の、n+型炭化珪素基板1側に対して反対側の表面側には、第1p型ベース層(第2導電型の第1の第2半導体層)6aが設けられている。以下、n+型炭化珪素基板1とn型炭化珪素エピタキシャル層2と第1p型ベース層6aとを併せて炭化珪素半導体基体とする。
【0057】
炭化珪素半導体基体の第1主面側(第1p型ベース層6a側)には、ストライプ状のトレンチ構造が形成されている。具体的には、第1トレンチ(第1のトレンチ)18aは、第1p型ベース層6aのn+型炭化珪素基板1側に対して反対側(炭化珪素半導体基体の第1主面側)の表面から第1p型ベース層6aを貫通してn型高濃度領域5(2)に達する。第1トレンチ18aの内壁に沿って、第1トレンチ18aの底部および側壁に第1ゲート絶縁膜(第1のゲート絶縁膜)9aが形成されており、第1トレンチ18a内の第1ゲート絶縁膜9aの内側にストライプ状の第1ゲート電極(第1のゲート電極)10aが形成されている。第1ゲート絶縁膜9aにより第1ゲート電極10aが、n型高濃度領域5(2)および第1p型ベース層6aと絶縁されている。第1ゲート電極10aの一部は、第1トレンチ18aの上方から後述する第1ソース電極パッド15a側に突出している。
【0058】
n型高濃度領域5(2)のn+型炭化珪素基板1側に対して反対側(炭化珪素半導体基体の第1主面側)の表面層には、第1p+型ベース領域3が選択的に設けられていてもよい。第1トレンチ18aの下に第2p+型ベース領域4が設けられていてもよく、第2p+型ベース領域4の幅は第1トレンチ18aの幅よりも広い。第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4は、例えばアルミニウムがドーピングされている。
【0059】
第1p+型ベース領域3の一部を第1トレンチ18a側に延在させることで、第2p+型ベース領域4は第1p+型ベース領域3に接続した構造となっている。第1p+型ベース領域3の一部は、第1p+型ベース領域3と第2p+型ベース領域4とが並ぶ方向(以下、第1方向とする)yと直交する方向(以下、第2方向とする)xに、n型高濃度領域5(2)と交互に繰り返し配置された平面レイアウトを有していてもよい。例えば、第1p+型ベース領域3の一部を第1方向yの両側の第1トレンチ18a側に延在した接続領域を設け、第2p+型ベース領域4の一部と接続する構造を第2方向xに周期的に配置してもよい。その理由は、第2p+型ベース領域4とn型炭化珪素エピタキシャル層2の接合部分でアバランシェ降伏が起こったときに発生するホールを効率よく第1ソース電極13aに退避させることで第1ゲート絶縁膜9aへの負担を軽減し信頼性を上げるためである。例えば、第1p+型ベース領域3、接続領域、第2p+型ベース領域4は全体として、平面視で格子状となっていてもよい。
【0060】
第1p型ベース層6aの内部には、基体第1主面側に第1n+型ソース領域(第1導電型の第1の第1半導体領域)7aが選択的に設けられている。また、第1p++型コンタクト領域8aが設けられてもよい。第1n+型ソース領域7aは第1トレンチ18aに接している。また、第1n+型ソース領域7aおよび第1p++型コンタクト領域8aは互いに接する。
【0061】
層間絶縁膜(層間絶縁膜)11は、炭化珪素半導体基体の第1主面側の全面に、第1トレンチ18aに埋め込まれた第1ゲート電極10aを覆うように設けられている。第1ソース電極(第1の第1電極)13aは、層間絶縁膜11に開口されたコンタクトホールを介して、第1n+型ソース領域7aおよび第1p型ベース層6aに接する。第1p++型コンタクト領域8aが設けられている場合は、第1n+型ソース領域7aおよび第1p++型コンタクト領域8aに接する。第1ソース電極13aは、例えば、NiSi膜からなる。層間絶縁膜11に開口されるコンタクトホールは、第1ゲート電極10aの形状に対応してストライプ状となっている。第1ソース電極13aは、層間絶縁膜11によって、第1ゲート電極10aと電気的に絶縁されている。第1ソース電極13a上には、第1ソース電極パッド15aが設けられている。第1ソース電極パッド15aは、例えば、第1TiN膜25、第1Ti膜26、第2TiN膜27、第2Ti膜28およびAl合金膜29を積層してなる。第1ソース電極13aと層間絶縁膜11との間に、例えば第1ソース電極13aから第1ゲート電極10a側への金属原子の拡散を防止するバリアメタル(不図示)が設けられていてもよい。
【0062】
第1ソース電極パッド15aの上部には、めっき膜16が選択的に設けられ、めっき膜16の表面側にはんだ17が選択的に設けられる。はんだ17には、第1ソース電極13aの電位を外部に取り出す配線材である外部端子電極19が設けられる。外部端子電極19は、針状のピン形状を有し、第1ソース電極パッド15aに直立した状態で接合される。
【0063】
第1ソース電極パッド15aの表面のめっき膜16以外の部分は、第1保護膜21で覆われている。具体的には、第1ソース電極パッド15aを覆うように第1保護膜21が設けられており、第1保護膜21の開口部にめっき膜16およびはんだ17を介して外部端子電極19が接合されている。めっき膜16と第1保護膜21との境界は、第2保護膜23で覆われている。第1保護膜21、第2保護膜23は、例えばポリイミド膜である。
【0064】
また、電流センスソースリング領域232では、炭化珪素半導体基体に第3p型ベース層(第3の第2半導体層)6cが設けられ、第3p型ベース層6c上に第3p++型コンタクト領域8cが設けられてもよい。第3p++型コンタクト領域8c(第3p++型コンタクト領域8cが設けられていない場合は、第3p型ベース層6c、以下(6c)と称する)上に層間絶縁膜11が設けられる。層間絶縁膜11には、層間絶縁膜11を深さ方向zに貫通して第3p++型コンタクト領域8c(6c)に達するコンタクトホールが開口されている。コンタクトホール内に、第3ソース電極(第3の第1電極)13cが埋め込まれている。このため、第3ソース電極13cは、第1ソース電極13aと同様に、第3p++型コンタクト領域8c(6c)上に設けられている。第1ソース電極13aと同様に、第1TiN膜25、第1Ti膜26、第2TiN膜27、第2Ti膜28およびAl合金膜29が積層されている多層膜である第3ソース電極パッド15cが上部に設けられている。
【0065】
ここで、図3では、電流センス部37aの下部に設けられたp型領域(第2p++型コンタクト領域8b(6b)等)と電流センスソースリング領域232の下部に設けられたp型領域(第2p++型コンタクト領域8c(6c)等)は分断されているが、短絡領域250では、電流センス部37aの下部に設けられたp型領域と電流センスソースリング領域232の下部に設けられたp型領域が電気的に接続されている。このため、第3ソース電極13cは、第2ソース電極13bと同電位になっている。このような構造とすることで、電流センス部37aの第2ソース電極13bの電位を安定化することができる。
【0066】
第3ソース電極パッド15cの表面にはめっき膜16が設けられ、めっき膜16以外の部分は、第1保護膜21で覆われている。具体的には、第3ソース電極パッド15cを覆うように第1保護膜21が設けられており、第1保護膜21の開口部には、めっき膜16が設けられている。めっき膜16と第1保護膜21の一部は、第2保護膜23で覆われていてもよい。めっき膜16は、第3ソース電極13cの全面に設けられてもよい。
【0067】
また、ゲートリング領域160では、炭化珪素半導体基体の第1p++型コンタクト領域8a(第1p++型コンタクト領域8aが設けられていない場合は、第1p型ベース層6a、以下(6a)と称する)上に絶縁膜530を介して第3ゲート電極(第3のゲート電極)10cが設けられている。絶縁膜530により、第3ゲート電極10cは第1p++型コンタクト領域8a(6a)と絶縁されている。第3ゲート電極10cは層間絶縁膜11に覆われている。層間絶縁膜11には、層間絶縁膜11を深さ方向zに貫通して第3ゲート電極10cに達するコンタクトホールが開口されている。コンタクトホール内に、ゲート配線電極30が埋め込まれている。ゲート配線電極30は、メイン半導体素子42の第1ゲート電極10aをゲート電極パッド100に電気的に接続する。また、層間絶縁膜11およびゲート配線電極30上には、第1保護膜21が設けられている。
【0068】
また、エッジ終端領域168では、全域にわたってp型領域が除去され、炭化珪素半導体基体のおもて面にエッジ終端領域168を活性領域150よりも低くした(ドレイン側に凹ませた)段差が形成され、段差の底面にn型炭化珪素エピタキシャル層2が露出されている。また、エッジ終端領域168には、複数のp+型領域(ここでは2つ、第1JTE領域163、第2JTE領域165)を隣接して配置したJTE構造が設けられている。また、JTE構造の外側(チップ端部側)にチャネルストッパーとして機能するn+型ストッパー領域167が設けられている。
【0069】
第1JTE領域163、第2JTE領域165は、それぞれ、n型炭化珪素エピタキシャル層2の、段差の底面に露出する部分に選択的に設けられている。高電圧が印加された際、活性領域150以外での横方向の高耐圧はこの第1JTE領域163、第2JTE領域165とn型炭化珪素エピタキシャル層2との間のpn接合で確保される。
【0070】
また、メインソースリング領域170は、電流センスソースリング領域232と同様の構造であり、炭化珪素半導体基体に第4p型ベース層(第4の第2半導体層)6dが設けられ、第4p型ベース層6d上に第4p++型コンタクト領域8dが設けられてもよい。第4p++型コンタクト領域8d(第4p++型コンタクト領域8dが設けられていない場合は、第4p型ベース層6d、以下(6d)と称する)上に層間絶縁膜11が設けられる。層間絶縁膜11には、層間絶縁膜11を深さ方向zに貫通して第4p++型コンタクト領域8d(6d)に達するコンタクトホールが開口されている。コンタクトホール内に、第4ソース電極(第4の第1電極)13dが埋め込まれている。このため、第4ソース電極13dは、第1ソース電極13aと同様に、第4p++型コンタクト領域8d(6d)上に設けられている。第4ソース電極13dは、第1ソース電極13aと同様に、第1TiN膜25、第1Ti膜26、第2TiN膜27、第2Ti膜28およびAl合金膜29が積層されている多層膜である第4ソース電極パッド15dが上部に設けられている。図示されていないが、半導体基体内部で、メイン半導体素子42の下部に設けられたp型領域(第1p++型コンタクト領域8a(6a)等)とメインソースリング領域170の下部に設けられたp型領域(第4p++型コンタクト領域8d(6d)等)が接続されているため、第4ソース電極13dは、第1ソース電極13aと同電位になっている。
【0071】
第4ソース電極パッド15dの表面にめっき膜16が設けられ、めっき膜16以外の部分は、第1保護膜21で覆われている。具体的には、第4ソース電極パッド15dを覆うように第1保護膜21が設けられており、第1保護膜21の開口部には、めっき膜16が設けられている。めっき膜16と第1保護膜21の一部は、第2保護膜23で覆われていてもよい。めっき膜16は、第4ソース電極13dの全面に設けられてもよい。
【0072】
上述したように、メインソースリング領域170は、メイン半導体素子42のオフ時にエッジ終端領域168から活性領域150へ流れ込むホール電流を、第4p型ベース層6dを介して引き抜く機能を有する。このため、メインソースリング領域170により、活性領域150の端部への電流集中を緩和することができる。また、第4ソース電極13d上に第4ソース電極パッド15dおよびめっき膜16を設けることにより、第4ソース電極13dの抵抗を低減し、第4ソース電極13dの破壊耐量を改善することができる。
【0073】
また、ツェナーダイオード領域161では、炭化珪素半導体基体の第1p++型コンタクト領域8a(6a)上に絶縁膜530を介してツェナーダイオード180が設けられている。絶縁膜530により、ツェナーダイオード180は第1p++型コンタクト領域8a(6a)と絶縁されている。ツェナーダイオード180は層間絶縁膜11に覆われている。層間絶縁膜11には、層間絶縁膜11を深さ方向zに貫通してツェナーダイオード180に達するコンタクトホールが開口されている。コンタクトホール内に、ツェナーダイオード配線電極181が埋め込まれている。また、層間絶縁膜11およびツェナーダイオード配線電極181上には、第1保護膜21が設けられている。ツェナーダイオード配線電極181は、以下の図5の短絡領域501、502、503、504、601、602、603、604に設けられている。
【0074】
ここで、図5は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置のツェナーダイオード領域の詳細構造を示す上面図である。図5に示すように、ツェナーダイオード領域161ではポリシリコンで構成されたp型領域、n型領域を複数備えるツェナーダイオード180が複数(図5では、第1~第4ツェナーダイオード180a~180d)設けられ、最端部のp型領域が各種電極と接続される。
【0075】
第1ツェナーダイオード180aは、電流センス部37aの第2ソース電極13bと電流センスソースリング領域232との間に設けられる。また、第2ツェナーダイオード領域180bは、ゲートリング領域160を介して、電流センス部37aの第2ソース電極13bと電流センスソースリング領域232の間に設けられる。具体的には、短絡領域501は、電流センスソースリング領域232の第3ソース電極13cと第1ツェナーダイオード領域180aを接続し、短絡領域502は、電流センス部37aの第2ソース電極13bと第1ツェナーダイオード領域180aを接続し、短絡領域503は、電流センス部37aの第2ゲート電極10bと第2ツェナーダイオード領域180bを接続し、短絡領域504は、電流センスソースリング領域232の第3ソース電極13cと第2ツェナーダイオード領域180bを接続している。これにより、第2ソース電極13bと電流センスソースリング領域232との間の過電流を吸収することができる。
【0076】
また、第3ツェナーダイオード領域180cは、ゲートリング領域160を介して、メイン半導体素子42の第1ソース電極13aとメインソースリング領域170との間に設けられる。また、第4ツェナーダイオード領域180dは、ゲートリング領域160を介して、メイン半導体素子42の第1ゲート電極10aとメイン半導体素子42の第1ソース電極13aとの間に設けられる。具体的には、短絡領域601は、メイン半導体素子42の第1ソース電極13aと第3ツェナーダイオード領域180cを接続し、短絡領域602は、ゲートリング領域160に設けられたゲート配線電極30と第3ツェナーダイオード領域180cを接続し、短絡領域603は、メイン半導体素子42の第1ゲート電極10aと第4ツェナーダイオード領域180dを接続し、短絡領域604は、メインソースリング領域170の第4ソース電極13dと第3ツェナーダイオード領域180cを接続している。これにより、第1ソース電極13aとメインソースリング領域170との間の過電流を吸収することができる。
【0077】
また、ツェナーダイオード180は、p型領域(第2導電型の第2半導体領域)182、n型領域(第1導電型の第3半導体領域)183を複数備える。1つのp型領域、n型領域では、10V程度の耐圧であるが、p型領域182、n型領域183の個数を3以上にすることで耐圧を向上させ、10mAで30V以上の耐圧とすることができる。また、第1ツェナーダイオード180aおよび第3ツェナーダイオード領域180cでは、活性領域150からエッジ終端領域168に向かう方向にp型領域182、n型領域183を交互に複数設け、第2ツェナーダイオード180bおよび第4ツェナーダイオード180dでは、活性領域150からエッジ終端領域168に向かう方向と垂直な方向にp型領域182、n型領域183を交互に複数設けている。
【0078】
また、ツェナーダイオード領域161では、4隅の部分に絶縁膜を設け、ツェナーダイオード180が設けられていない。これにより、4隅の部分に電界が集中しないようにしているためである。
【0079】
また、電流センス部37aは、メイン半導体素子42と同様の構造を有している。電流センス部37aは、第2p型ベース層(第2導電型の第2の第2半導体層)6b、第2n+型ソース領域(第1導電型の第2の第1半導体領域)7b、第2p++型コンタクト領域8b、第2トレンチ(第2のトレンチ)18b、第2ゲート絶縁膜(第2のゲート絶縁膜)9b、第2ゲート電極(第2のゲート電極)10bおよび層間絶縁膜11を備える。電流センス部のMOSゲートの各部は、高機能領域400に設けられている。
【0080】
電流センス部37aにおいても、メイン半導体素子42と同様に、第2p++型コンタクト領域8bは設けられていなくてもよい。電流センス部37aは、有効領域150aと同様に、n型高濃度領域5を有していてもよい。また、電流センス部37aは、メイン半導体素子42と同様に、第1p+型ベース領域3および第2p+型ベース領域4を有してもよい。電流センス部37aは、メイン半導体素子42と同様の構造の第2ソース電極(第2の第1電極)13bを有し、第2ソース電極13b上には、メイン半導体素子42の第1ソース電極パッド15aと同じ構成の第2ソース電極パッド15bが設けられている。第2ソース電極パッド15b上に、メイン半導体素子42の第1ソース電極パッド15aの上部と同様の構造を有している。
【0081】
次に、温度センス部35aは、ダイオードの温度特性を利用して炭化珪素半導体装置600の温度を検出する機能を有する。このため、温度センス部35aは、炭化珪素半導体装置600のオン時に主電流が流れる活性領域150に設けられている。
【0082】
図4に示すように、温度センス部35aは、n+型炭化珪素基板1の第1主面(おもて面)、例えば(0001)面(Si面)、にn型炭化珪素エピタキシャル層2が堆積されn型炭化珪素エピタキシャル層2の基体第1主面側に型ベース層6が設けられている。p型ベース層6の内部には、基体第1主面側にp++型コンタクト領域8および基体第2主面側に第1p+型ベース領域3が設けられていてもよい。
【0083】
また、p++型コンタクト領域8(p++型コンタクト領域8が設けられていない場合は、p型ベース層6、以下(6)と称する)上にフィールド絶縁膜80が設けられ、p型ポリシリコン層81およびn型ポリシリコン層82が、フィールド絶縁膜80上に設けられている。p型ポリシリコン層81とn型ポリシリコン層82とは、pn接合で形成されたポリシリコンダイオードである。p型ポリシリコン層81およびn型ポリシリコン層82に代えて、p型拡散領域とn型拡散領域とのpn接合で形成された拡散ダイオードを第1温度センス部35aとしてもよい。この場合、例えば第2p+型ベース領域4の内部に選択的に形成されたn型分離領域(不図示)の内部に、拡散ダイオードを構成するp型拡散領域およびn型拡散領域をそれぞれ選択的に形成すればよい。
【0084】
p型ポリシリコン層81上にアノード電極84が設けられ、アノード電極パッド201Aが、アノード電極84を介してp型ポリシリコン層81に電気的に接続されている。n型ポリシリコン層82上にカソード電極85が設けられ、カソード電極パッド201Bは、カソード電極85を介してn型ポリシリコン層82に電気的に接続されている。アノード電極パッド201Aおよびカソード電極パッド201Bには、メイン半導体素子42の第1ソース電極パッド15aと同様に、それぞれめっき膜16およびはんだ17を介して外部端子電極19が接合され、第1保護膜21および第2保護膜23で保護されている。
【0085】
また、ポリシリコンのダイオードは、n型炭化珪素エピタキシャル層2または第1p+型ベース領域3内に設けられていてもよい。例えば、p型ベース層6のn+型炭化珪素基板1側に対して反対側の表面からp型ベース層6を貫通して第1p+型ベース領域3(第1p+型ベース領域3が設けられていない場合は、n型炭化珪素エピタキシャル層2)に達する温度センス用トレンチ(不図示)を設け、温度センス用トレンチの内部に、絶縁膜を介して設けられていてもよい。絶縁膜は、メイン半導体素子42の第1トレンチ18aの内部の第1ゲート絶縁膜9aより膜厚が厚くてもよいし、同程度の厚さでもよい。温度センス用トレンチは、メイン半導体素子42の第1トレンチ18aと同じ形状でもよいし、異なった形状でもよい。例えば、温度センス用トレンチは、メイン半導体素子42の第1トレンチ18aよりもトレンチ幅を広くしたり、深さを深くしたりしてもよい。
【0086】
この場合、温度センス部35aのダイオードは、温度センス用トレンチの内部を埋めた絶縁膜内に設けられており、従来より発熱源に近い位置にあるため、素子内部の温度を正確に計測でき、温度測定の精度が向上する。
【0087】
(実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法)
次に、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法について説明する。図6図11は、実施の形態にかかる炭化珪素半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。
【0088】
まず、n型の炭化珪素でできたn+型炭化珪素基板1を用意する。そして、このn+型炭化珪素基板1の第1主面上に、n型の不純物、例えば窒素原子(N)をドーピングしながら炭化珪素でできた第1n型炭化珪素エピタキシャル層2aを、例えば30μm程度の厚さまでエピタキシャル成長させる。ここまでの状態が図6に示されている。
【0089】
次に、第1n型炭化珪素エピタキシャル層2aの表面上に、フォトリソグラフィ技術によって所定の開口部を有するイオン注入用マスクを例えば酸化膜で形成する。そして、アルミニウム等のp型の不純物を、酸化膜の開口部に注入し、深さ0.5μm程度の下部第1p+型ベース領域3aおよび第2p+型ベース領域4を形成する。
【0090】
また、隣り合う下部第1p+型ベース領域3aと第2p+型ベース領域4との距離が1.5μm程度となるよう形成する。下部第1p+型ベース領域3aおよび第2p+型ベース領域4の不純物濃度を例えば5×1018/cm3程度に設定する。
【0091】
次に、イオン注入用マスクの一部を除去し、開口部に窒素等のn型の不純物をイオン注入し、第1n型炭化珪素エピタキシャル層2aの表面領域の一部に、例えば深さ0.5μm程度の下部n型高濃度領域5aを形成してもよい。下部n型高濃度領域5aの不純物濃度を例えば1×1017/cm3程度に設定する。ここまでの状態が図7に示されている。
【0092】
次に、第1n型炭化珪素エピタキシャル層2aの表面上に、窒素等のn型の不純物をドーピングした第2n型炭化珪素エピタキシャル層2bを、0.5μm程度の厚さで形成する。第2n型炭化珪素エピタキシャル層2bの不純物濃度が3×1015/cm3程度となるように設定する。以降、第1n型炭化珪素エピタキシャル層2aと第2n型炭化珪素エピタキシャル層2bとを合わせてn型炭化珪素エピタキシャル層2となる。
【0093】
次に、第2n型炭化珪素エピタキシャル層2bの表面上に、フォトリソグラフィによって所定の開口部を有するイオン注入用マスクを例えば酸化膜で形成する。そして、アルミニウム等のp型の不純物を、酸化膜の開口部に注入し、深さ0.5μm程度の上部第1p+型ベース領域3bを、下部第1p+型ベース領域3aに重なるように形成する。下部第1p+型ベース領域3aと上部第1p+型ベース領域3bは連続した領域を形成し、第1p+型ベース領域3となる。上部第1p+型ベース領域3bの不純物濃度を例えば5×1018/cm3程度となるように設定する。
【0094】
次に、イオン注入用マスクの一部を除去し、開口部に窒素等のn型の不純物をイオン注入し、第2炭化珪素エピタキシャル層2bの表面領域の一部に、例えば深さ0.5μm程度の上部n型高濃度領域5bを形成してもよい。上部n型高濃度領域5bの不純物濃度を例えば1×1017/cm3程度に設定する。この上部n型高濃度領域5bと下部n型高濃度領域5aは少なくとも一部が接するように形成され、n型高濃度領域5を形成する。ただし、このn型高濃度領域5が基板全面に形成される場合と、形成されない場合がある。ここまでの状態が図8に示されている。
【0095】
次にn型炭化珪素エピタキシャル層2の表面上に、エピタキシャル成長により第1p型ベース層6aを1.1μm程度の厚さで形成する。第1p型ベース層6aの不純物濃度は4×1017/cm3程度に設定する。第1p型ベース層6aをエピタキシャル成長により形成した後、第1p型ベース層6aにさらにアルミニウム等のp型の不純物を、イオン注入してもよい。
【0096】
次に、第1p型ベース層6aの表面上に、フォトリソグラフィによって所定の開口部を有するイオン注入用マスクを例えば酸化膜で形成する。この開口部に窒素(N)、リン(P)等のn型の不純物をイオン注入し、第1p型ベース層6aの表面の一部に第1n+型ソース領域7aを形成する。次に、第1n+型ソース領域7aの形成に用いたイオン注入用マスクを除去し、同様の方法で、所定の開口部を有するイオン注入用マスクを形成し、第1p型ベース層6aの表面の一部にリン等のp型の不純物をイオン注入し、第1p++型コンタクト領域8aを形成してもよい。第1p++型コンタクト領域8aの不純物濃度は、第1p型ベース層6aの不純物濃度より高くなるように設定する。ここまでの状態が図9に示されている。電流センス部37a、メインソースリング領域170および電流センスソースリング領域232でも同様に、第2~第4p型ベース層6b~6d、第2n+型ソース領域7b、第2~第4第2p++型コンタクト領域8b~8dを形成する。
【0097】
次に、1700℃程度の不活性ガス雰囲気で熱処理(アニール)を行い、第1p+型ベース領域3、第2p+型ベース領域4、第1、第2n+型ソース領域7a、7bおよび第1~第4p++型コンタクト領域8a~8dの活性化処理を実施する。なお、上述したように1回の熱処理によって各イオン注入領域をまとめて活性化させてもよいし、イオン注入を行うたびに熱処理を行って活性化させてもよい。
【0098】
次に、第1p型ベース層6aの表面上に、フォトリソグラフィによって所定の開口部を有するトレンチ形成用マスクを例えば酸化膜で形成する。次に、ドライエッチングによって第1p型ベース層6aを貫通し、n型高濃度領域5(2)に達する第1トレンチ18aを形成する。第1トレンチ18aの底部はn型高濃度領域5(2)に形成された第2p+型ベース領域4に達してもよい。次に、トレンチ形成用マスクを除去する。ここまでの状態が図10に示されている。
【0099】
次に、第1n+型ソース領域7aの表面と、第1トレンチ18aの底部および側壁と、に沿って第1ゲート絶縁膜9aを形成する。この第1ゲート絶縁膜9aは、酸素雰囲気中において1000℃程度の温度の熱酸化によって形成してもよい。また、この第1ゲート絶縁膜9aは高温酸化(High Temperature Oxide:HTO)等のような化学反応によって堆積する方法で形成してもよい。
【0100】
次に、第1ゲート絶縁膜9a上に、例えばリン原子がドーピングされた多結晶シリコン層を設ける。この多結晶シリコン層は第1トレンチ18a内を埋めるように形成してもよい。この多結晶シリコン層をフォトリソグラフィによりパターニングし、第1トレンチ18a内部に残すことによって、第1ゲート電極10aを形成する。
【0101】
次に、第1ゲート絶縁膜9aおよび第1ゲート電極10aを覆うように、例えばリンガラスを1μm程度の厚さで成膜し、層間絶縁膜11を形成する。次に、層間絶縁膜11を覆うように、チタン(Ti)または窒化チタン(TiN)またはチタンと窒化チタンの積層からなるバリアメタルを形成してもよい。層間絶縁膜11および第1ゲート絶縁膜9aをフォトリソグラフィによりパターニングし第1n+型ソース領域7aおよび第1p++型コンタクト領域8bを露出させたコンタクトホールを形成する。その後、熱処理(リフロー)を行って層間絶縁膜11を平坦化する。ここまでの状態が図11に示されている。また、層間絶縁膜11にコンタクトホールを形成した後に、チタン(Ti)または窒化チタン(TiN)またはチタンと窒化チタンの積層からなるバリアメタルを形成してもよい。この場合、バリアメタルにも第1n+型ソース領域7aおよび第1p++型コンタクト領域8aを露出させるコンタクトホールが設けられる。
【0102】
次に、層間絶縁膜11に設けられたコンタクトホール内および層間絶縁膜11上に第1ソース電極13aとなる導電性の膜を形成する。導電性の膜は、例えばニッケル(Ni)膜である。また、n+型炭化珪素基板1の第2主面上にも、同様にニッケル(Ni)膜を形成する。その後、例えば970℃程度の温度で熱処理を行って、コンタクトホール内部のニッケル膜をシリサイド化して第1ソース電極13aとする。同時に、第2主面に形成したニッケル膜は、n+型炭化珪素基板1とオーミック接合を形成する裏面電極14となる。その後、未反応のニッケル膜を選択的に除去して、例えばコンタクトホール内にのみ第1ソース電極13aを残す。電流センス部37aでも同様に第2ソース電極13bを形成する。また、電流センスソースリング領域232でも同様に、第3ソース電極13cを形成し、メインソースリング領域170でも同様に第4ソース電極13dを形成する。
【0103】
次に、例えばスパッタ法によって、炭化珪素半導体基体のおもて面の第1ソース電極13aおよび層間絶縁膜11を覆うように、第1TiN膜25、第1Ti膜26、第2TiN膜27、第2Ti膜28を順に積層し、さらにAl合金膜29を、厚さが例えば、5μm程度になるように形成する。Al合金膜29は、例えば、Al-Si膜またはAl-Si-Cu膜である。Al合金膜29はAl膜であってもよい。この導電性の膜をフォトリソグラフィによりパターニングし、素子全体の活性領域150に残すことによって第1ソース電極パッド15aを形成する。電流センス部37a、メインソースリング領域170および電流センスソースリング領域232でも同様に、第1TiN膜25、第1Ti膜26、第2TiN膜27、第2Ti膜28を順に積層し、さらにAl合金膜29を形成し、第2~4ソース電極パッド15b~dを形成する。
【0104】
次に、Al合金膜29上にポリイミド膜を形成した後、フォトリソグラフィおよびエッチングにより当該ポリイミド膜を選択的に除去して、第1保護膜21を形成するとともに、第1保護膜21に開口部を形成する。次に、第1保護膜21の開口部に露出したAl合金膜29上にめっき膜16を形成する。電流センス部37a、電流センスソースリング領域232およびソースリング領域170でも同様にしてめっき膜16および第1保護膜21を形成する。
【0105】
次に、めっき膜16と第1保護膜21との境界を覆うように第2保護膜23を形成する。第2保護膜23は例えばポリイミド膜である。その後、めっき膜16にはんだ17を介して外部端子電極19を形成する。
【0106】
また、ゲートリング領域160およびツェナーダイオード領域161では、p++型コンタクト領域8の表面に絶縁膜530を形成する。
【0107】
次に、ゲートリング領域160では、絶縁膜530上に第3ゲート電極10cを形成し、ツェナーダイオード領域161では、絶縁膜530上にツェナーダイオード180を形成する。この後、第3ゲート電極10cおよびツェナーダイオード180を覆うように、例えばリンガラスを1μm程度の厚さで成膜し、層間絶縁膜11を形成する。層間絶縁膜11をフォトリソグラフィによりパターニングし第3ゲート電極10cおよびツェナーダイオード180を露出させたコンタクトホールを形成する。この後、メインソースリング領域170と同様の方法により、第3ゲート電極10c上にゲート配線電極30を形成し、ツェナーダイオード180上にツェナーダイオード配線電極181を形成し、ゲート配線電極30、ツェナーダイオード配線電極181および層間絶縁膜11に第1保護膜21を形成する。ツェナーダイオード配線電極181により、図5の短絡領域501、502、503、504、601、602、603、604が形成される。
【0108】
メイン半導体素子42以外の素子(例えば電流センス部37aや、過電圧保護部となる例えば拡散ダイオード、演算回路部を構成するCMOS(Complementary MOS:相補型MOS))は、上述したメイン半導体素子42の対応する各部と同時に、炭化珪素半導体装置600の高機能領域400に形成すればよい。また、メイン半導体素子42とは別の工程として形成してもよい。
【0109】
例えば、温度センス部35aは、以下のように形成される。メイン半導体素子42を形成する際の電極パッドの形成前に、フィールド絶縁膜80上に、一般的な方法によりp型ポリシリコン層81、n型ポリシリコン層82、アノード電極84およびカソード電極85を形成する。
【0110】
また、温度センス部35aのp型ポリシリコン層81およびn型ポリシリコン層82は、例えば、メイン半導体素子42および電流センス部37aの第1、第2ゲート電極10a、10bと同時に形成してもよい。フィールド絶縁膜80は、ゲートリング領域160およびツェナーダイオード領域161の絶縁膜530の一部であってもよい。この場合、温度センス部35aのp型ポリシリコン層81およびn型ポリシリコン層82は、ゲートリング領域160およびツェナーダイオード領域161の絶縁膜530の形成後に形成される。この後、p型ポリシリコン層81およびn型ポリシリコン層82を覆うように、例えばリンガラスを1μm程度の厚さで成膜し、層間絶縁膜11を形成する。層間絶縁膜11をフォトリソグラフィによりパターニングしp型ポリシリコン層81およびn型ポリシリコン層82を露出させたコンタクトホールを形成する。
【0111】
次に、p型ポリシリコン層81およびn型ポリシリコン層82にそれぞれ接するアノード電極84およびカソード電極85と、アノード電極84およびカソード電極85にそれぞれ接するアノード電極パッド201Aおよびカソード電極パッド201Bを形成する。アノード電極パッド201Aおよびカソード電極パッド201Bは、第1ソース電極パッド15aとともに形成して、第1ソース電極パッド15aと同じ積層構造としてもよい。
【0112】
次に、アノード電極パッド201Aおよびカソード電極パッド201Bを覆うようにポリイミド膜を形成する。次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより当該ポリイミド膜を選択的に除去して、アノード電極パッド201Aおよびカソード電極パッド201Bをそれぞれ覆う第1保護膜21を形成するとともに、これら第1保護膜21を開口する。
【0113】
次に、アノード電極パッド201Aおよびカソード電極パッド201Bの上部に、めっき膜16を選択的に形成し、めっき膜16と第1保護膜21との各境界を覆う第2保護膜23を形成する。次に、めっき膜16にはんだ17を介して外部端子電極19を形成する。以上のようにして、温度センス部35aが形成される。
【0114】
また、ポリシリコンのダイオードを、温度センス用トレンチ(不図示)に形成する場合、p型ポリシリコン層81およびn型ポリシリコン層82は、以下のように形成される。メイン半導体素子42の第1トレンチ18aの形成時に、温度センス用トレンチを同時に形成する。次に、メイン半導体素子42の第1ゲート絶縁膜9aの形成時に、温度センス部35aの絶縁膜を形成する。この際、絶縁膜は、第1ゲート絶縁膜9aより膜厚を厚く形成してもよいし、同程度の厚さで形成してもよい。次に、形成した絶縁膜上部にノンドープのポリシリコンを形成する。形成したポリシリコンの一部にアノード部分、カソード部分を形成することで、p型ポリシリコン層81およびn型ポリシリコン層82を形成する。以上のようにして、図1図5に示す炭化珪素半導体装置が完成する。
【0115】
図12は、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置と従来の炭化珪素半導体装置のESD耐量の相対値を示すグラフである。ツェナーダイオード領域161、電流センスソースリング領域232およびメインソースリング領域170を設けた実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置では、図12に示すように、従来の炭化珪素半導体装置よりもESD耐量が改善していることがわかる。
【0116】
以上、説明したように、実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置によれば、エッジ終端領域とゲートリング領域との間に、メインソースリング領域を設け、メインソースリング領域の内側に電流センスソースリング領域を設けている。電流センスソースリング領域を電流センス部のソース電極と電気的に接続することにより、電流センス部のソース電極の電位を安定化させることができる。このため、電流センス部のESD耐量を改善することができる。
【0117】
また、電流センスソースリング領域の内側にツェナーダイオード領域を設けることで、ツェナーダイオード領域の面積を大きくすることが可能になり、電流センス部のESD耐量をさらに改善して、スイッチング時の破壊耐量を改善することができる。
【0118】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の構造について説明する。図13は、実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す上面図である。図14は、実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図13のA-A’断面図である。図15は、実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の構造を示す図13のB-B’断面図である。
【0119】
実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置が実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置と異なる点は、メイン半導体素子42の第1ソース電極13aとメインソースリング領域170の第4ソース電極13dを接続する短絡電極(第1の短絡電極)701、および電流センス部37aの第2ソース電極13bと電流センスソースリング領域232の第3ソース電極13cを接続する短絡電極(第2の短絡電極)702が設けられている点である。
【0120】
例えば、ゲートリング領域160およびツェナーダイオード領域161の上部を絶縁膜(不図示)で覆い、絶縁膜に開口部を設け、開口部に短絡電極701、702を設けることで実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置とすることができる。
【0121】
以上、説明したように、実施の形態2によれば、第1ソース電極と第4ソース電極とを接続する短絡電極および第2ソース電極と第3ソース電極とを接続する短絡電極を設けることで、ソースリング領域が引き抜いたホール電流を第1ソース電極に流すことができ、活性領域端部への電流集中をより緩和することができる。さらに実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0122】
以上において本発明は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であり、上述した各実施の形態において、例えば各部の寸法や不純物濃度等は要求される仕様等に応じて種々設定される。例えば、トレンチ型をプレーナー型に替えたり、MOSFETをIGBTに替えたりしてもよい。また、上述した各実施の形態では、ワイドバンドギャップ半導体として炭化珪素を用いた場合を例に説明しているが、炭化珪素以外の例えば窒化ガリウム(GaN)などのワイドバンドギャップ半導体にも適用可能である。また、各実施の形態では第1導電型をn型とし、第2導電型をp型としたが、本発明は第1導電型をp型とし、第2導電型をn型としても同様に成り立つ。
【産業上の利用可能性】
【0123】
以上のように、本発明にかかる半導体装置は、インバータなどの電力変換装置や種々の産業用機械などの電源装置や自動車のイグナイタなどに使用されるパワー半導体装置に有用である。
【符号の説明】
【0124】
1、1001 n+型炭化珪素基板
2、1002 n型炭化珪素エピタキシャル層
2a 第1n型炭化珪素エピタキシャル層
2b 第2n型炭化珪素エピタキシャル層
3、1003 第1p+型ベース領域
3a 下部第1p+型ベース領域
3b 上部第1p+型ベース領域
4、1004 第2p+型ベース領域
5、1005 n型高濃度領域
5a 下部n型高濃度領域
5b 上部n型高濃度領域
6、1006 p型ベース層
6a 第1p型ベース層
6b 第2p型ベース層
6c 第3p型ベース層
6d 第4p型ベース層
7a 第1n+型ソース領域
7b 第2n+型ソース領域
8、1008 p++型コンタクト領域
8a 第1p++型コンタクト領域
8b 第2p++型コンタクト領域
8c 第3p++型コンタクト領域
8d 第4p++型コンタクト領域
9a 第1ゲート絶縁膜
9b 第2ゲート絶縁膜
9c 第3ゲート絶縁膜
10a 第1ゲート電極
10b 第2ゲート電極
10c 第3ゲート電極
11、1011 層間絶縁膜
13a 第1ソース電極
13b 第2ソース電極
13c 第3ソース電極
13d 第4ソース電極
14、1014 裏面電極
15、1015 ソース電極パッド
15a 第1ソース電極パッド
15b 第2ソース電極パッド
15c 第3ソース電極パッド
15d 第4ソース電極パッド
16、1016 めっき膜
17、1017 はんだ
18、1018 トレンチ
18a 第1トレンチ
18b 第2トレンチ
19、1019 外部端子電極
21、1021 第1保護膜
23、1023 第2保護膜
25、1025 第1TiN膜
26、1026 第1Ti膜
27、1027 第2TiN膜
28、1028 第2Ti膜
29、1029 Al合金膜
30、1030 ゲート配線電極
35a 温度センス部
37a 電流センス部
42 メイン半導体素子
80 フィールド絶縁膜
81 p型ポリシリコン層
82 n型ポリシリコン層
84 アノード電極
85 カソード電極
100、1100 ゲート電極パッド
150、1150 活性領域
150a 有効領域
160、1160 ゲートリング領域
161 ツェナーダイオード領域
163、1163 第1JTE領域
165、1165 第2JTE領域
167、1167 n+型ストッパー領域
168、1168 エッジ終端領域
170 メインソースリング領域
180 ツェナーダイオード
180a 第1ツェナーダイオード
180b 第2ツェナーダイオード
180c 第3ツェナーダイオード
180d 第4ツェナーダイオード
181 ツェナーダイオード配線電極
182 ツェナーダイオードのp型領域
183 ツェナーダイオードのn型領域
201A、1201A 温度センス部のアノード電極パッド
201B、1201B 温度センス部のカソード電極パッド
202、1202 電流センス部の電極パッド
230、1230 電流センス部の活性領域
250、501、502、503、504、601、602、603、604 短絡領域
232 電流センスソースリング領域
400、1400 高機能領域
500 短絡電極
530、1530 絶縁膜
600、1600 炭化珪素半導体装置
701、702 短絡電極
1007 n+型ソース領域
1009 ゲート絶縁膜
1010 ゲート電極
1013 ソース電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17