(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/209 20210101AFI20231212BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20231212BHJP
H01M 50/249 20210101ALN20231212BHJP
H01G 2/10 20060101ALN20231212BHJP
H01G 11/12 20130101ALN20231212BHJP
H01G 11/18 20130101ALN20231212BHJP
H01G 11/78 20130101ALN20231212BHJP
H01G 11/80 20130101ALN20231212BHJP
【FI】
H01M50/209
H01M50/271 B
H01M50/271 S
H01M50/249
H01G2/10 301
H01G11/12
H01G11/18
H01G11/78
H01G11/80
(21)【出願番号】P 2020006800
(22)【出願日】2020-01-20
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】中村 寛望
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-059501(JP,A)
【文献】特開2019-160715(JP,A)
【文献】国際公開第2019/176560(WO,A1)
【文献】特開2017-152165(JP,A)
【文献】特開2016-033908(JP,A)
【文献】特開2001-313014(JP,A)
【文献】特開2020-149906(JP,A)
【文献】特表2018-527715(JP,A)
【文献】特開2013-229182(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
H01G 11/78
H01G 11/12
H01G 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の方向に積層された複数の蓄電素子と、
前記複数の蓄電素子を収容する外装体とを備え、
前記外装体は、
開口部を有し、前記複数の蓄電素子が収容される第一部材と、
前記開口部を覆った状態で前記第一部材に接合される第二部材と、を備え、
前記第一部材と前記第二部材とは、前記開口部の周縁に沿って相互に接合された接合部を有し、
前記第一部材の前記接合部において前記所定の方向に対応する部位には、その他の部位よりも、単位長さあたりの面積の大きい拡大部が少なくとも一部に設けられている
蓄電装置。
【請求項2】
前記拡大部の端縁である一対の辺のうち、少なくとも一方の辺は、少なくとも一つの凹部及び凸部からなる凹凸構造を有している
請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記拡大部の端縁である一対の辺のうち、一方の辺は前記凹凸構造を有し、他方の辺は直線状に形成されている
請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記拡大部は、前記第一部材の前記接合部において前記所定の方向に対応する部位の中央部に配置されている
請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記第二部材の前記接合部において前記拡大部に接合される部位は、当該拡大部と同形状に形成されている
請求項1~4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子と外装体とを備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分割された一対の外装体(電池ケース)に対して蓄電素子(電池)を収容し、一対の外装体の連結面同士を超音波溶着することで接合部を形成し、分割された外装体を接合した蓄電装置(組電池)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓄電素子は、充放電に伴って徐々に膨張する特性を有している。このため蓄電素子の膨張が進んでいくと、蓄電素子が外装体の内面を押圧して、外装体の接合部に作用する応力も高まり、接合部が損傷するおそれがある。
【0005】
本発明は、外装体の接合部の損傷を抑制することができる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置は、所定の方向に積層された複数の蓄電素子と、複数の蓄電素子を収容する外装体とを備え、外装体は、開口部を有し、複数の蓄電素子が収容される第一部材と、開口部を覆った状態で第一部材に接合される第二部材と、を備え、第一部材と第二部材とは、開口部の周縁に沿って相互に接合された接合部を有し、第一部材の接合部において所定の方向に対応する部位には、その他の部位よりも、単位長さあたりの面積の大きい拡大部が少なくとも一部に設けられている。
【0007】
例えば直方体状の蓄電素子の長側面同士が重なるように、複数の蓄電素子を積層した場合、複数の蓄電素子は、その並び方向(所定の方向)で膨張しやすい。つまり、第一部材における所定の方向に対応する部位では、他の部位よりも大きな押圧力が作用する。しかしながら、本態様では、この第一部材の接合部において所定の方向に対応する部位に、その他の部位よりも単位長さあたりの面積の大きい拡大部が少なくとも一部に設けられている。拡大部では、その他の部位よりも接合面積が大きくなるために、せん断強度も大きくなる。これにより、他の部位よりも大きな押圧力が作用したとしても、拡大部の損傷を抑制することができる。このように、接合部の損傷を抑制した蓄電装置を提供することができる。
【0008】
また、拡大部の端縁である一対の辺のうち、少なくとも一方の辺は、少なくとも一つの凹部及び凸部からなる凹凸構造を有していてもよい。
【0009】
これによれば、拡大部の端縁である一対の辺のうち、少なくとも一方の辺に凹凸構造が設けられているので、直線的な構造に比べて入り組む形状となる。このため、接合面積を拡大することができ、拡大部での接合強度を高めることができる。したがって、蓄電素子の膨張を起因とした拡大部の損傷をより確実に抑制することができる。
【0010】
また、拡大部の端縁である一対の辺のうち、一方の辺は凹凸構造を有し、他方の辺は直線状に形成されていてもよい。
【0011】
ここで、拡大部をなす他方の辺は、直線状に形成されており、凹凸構造を有した一方の辺と比べて変形しにくい。このため、蓄電素子が膨張して、拡大部が押圧力を受けたとしてもその変形量が抑制されるので、拡大部の損傷をより確実に抑制することができる。
【0012】
また、拡大部は、第一部材の接合部において所定の方向に対応する部位の中央部に配置されていてもよい。
【0013】
ここで、複数の蓄電素子が膨張する場合、第一部材の接合部において所定の方向に対応する部位では、その中央部が膨張時の押圧力を受けて最も変形しやすい。中央部に拡大部が設けられていれば中央部を補強することができ、拡大部の損傷をより確実に抑制することができる。
【0014】
また、第二部材の接合部において拡大部に接合される部位は、当該拡大部と同形状に形成されていてもよい。
【0015】
これによれば、第二部材の接合部において拡大部に接合される部位が、当該拡大部と同形状に形成されているので、第二部材側においても接合面積を大きくすることができ、せん断強度も大きくすることができる。特に、第二部材における当該部位と拡大部とを一致するように重ね合わせれば、せん断強度の向上もより顕著である。したがって、接合部の損傷をより確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明における蓄電装置によれば、外装体の接合部の損傷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る蓄電装置を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【
図3】実施の形態に係る本体部の概略構成を示す上面図である。
【
図4】実施の形態に係る外蓋の概略構成を示す下面図である。
【
図5】実施の形態に係る本体部と外蓋との接合構造を示す断面図である。
【
図6】実施の形態に係る接合部の一部の断面形状を示す断面図である。
【
図7】変形例1に係る本体部の概略構成を示す上面図である。
【
図8】変形例1に係る外蓋の概略構成を示す下面図である。
【
図10】変形例3に係る接合部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態及びその変形例は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態及びその変形例で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
【0019】
また、以下の説明及び図面中において、蓄電素子の並び方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向、または、当該容器の厚さ方向をX軸方向と定義する。また、1つの蓄電素子における電極端子の並び方向、または、蓄電素子の容器の短側面の対向方向をY軸方向と定義する。また、蓄電装置の外装体における本体部と外蓋との並び方向、または、上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(以下実施の形態及びその変形例では、直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。また、以下の説明において、例えば、X軸方向プラス側とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸方向マイナス側とは、X軸方向プラス側とは反対側を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。さらに、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が直交している、とは、当該2つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0020】
[蓄電装置の全般的な説明]
まず、
図1及び
図2を用いて、実施の形態に係る蓄電装置1の全般的な説明を行う。
図1は、実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。
図2は、実施の形態に係る蓄電装置1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0021】
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置であり、本実施の形態では、略直方体形状を有している。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される電池モジュール(組電池)である。具体的には、蓄電装置1は、例えば、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)及びガソリン自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール及びリニアモーターカーが例示される。また、蓄電装置1は、家庭用または発電機用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。
【0022】
図1及び
図2に示すように、蓄電装置1は、蓄電素子20と、複数の蓄電素子20を収容する外装体10とを備える。外装体10は、複数の蓄電素子20を収容する本体部11と、複数の蓄電素子20の上方に配置されるバスバープレート17と、バスバープレート17の上方を覆う外蓋12とを有する。
【0023】
外装体10は、蓄電装置1の外装体を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体10は、複数の蓄電素子20及びバスバープレート17等を所定の位置に固定し、これら要素を衝撃などから保護する部材である。
【0024】
本体部11は、開口部111を有する第一部材の一例である。本体部11は、上部が開放された有底矩形筒状の部材であり、その開放部分が開口部111である。開口部111は、平面視において略四角形状である。本体部11の上端部には、開口部111を全周にわたって連続的に囲む壁部50が設けられている。本体部11の開口部111内には、複数の蓄電素子20、バスバープレート17に加えて、バスバープレート17に保持された複数のバスバー33と、制御回路等を含む接続ユニット80と、一対のエンドプレート39とが収容されている。
【0025】
外蓋12は、本体部11の開口部111を閉塞する矩形状の部材であり、第二部材の一例である。外蓋12は、本体部11の開口部111を覆った状態で本体部11に接合されている。この接合構造の詳細については後述する。
【0026】
外蓋12は、正極側の外部端子81及び負極側の外部端子82を有している。外部端子81及び92は、接続ユニット80及びバスバー33を介して複数の蓄電素子20と電気的に接続されており、蓄電装置1は、この外部端子81及び92を介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。外部端子81及び92は、例えば、真鍮などの銅合金、銅、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属製の導電部材で形成されている。本体部11は、開口が形成された有底矩形筒状のハウジング(筐体)であり、蓄電素子20等を収容する。
【0027】
また、外装体10の本体部11及び外蓋12は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ABS樹脂、若しくは、それらの複合材料等の絶縁部材、または、絶縁塗装をした金属等により形成されている。外装体100は、これにより、蓄電素子20等が外部の金属部材等に接触することを回避する。なお、蓄電素子20等の電気的絶縁性が保たれる構成であれば、外装体100は、金属等の導電部材で形成されていてもよい。
【0028】
蓄電素子20は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子20は、扁平な直方体形状(角形)を有しており、本実施の形態では、8個の蓄電素子20がX軸方向に配列されている。なお、蓄電素子20の形状、及び、配列される蓄電素子20の個数は限定されない。また、蓄電素子20は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよく、また、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。
【0029】
具体的には、蓄電素子20は、金属製の容器21を備えている。容器21は、略直方体形状に形成されており、一対の長側面211と、一対の長側面211に隣接する一対の短側面212とを有している。一対の長側面211はX軸方向で対向しており、一対の短側面212はY軸方向で対向している。複数の蓄電素子20のそれぞれは、容器21の長側面211同士が対向するように積層されて、本体部11内に収容されている。
【0030】
容器21の蓋部分には、金属製の正極端子221及び負極端子222が設けられている。蓋部分と正極端子221及び負極端子222との間には絶縁部材(図示省略)が介在しており、この絶縁部材によって蓋部分と正極端子221及び負極端子222とが絶縁されている。
【0031】
正極端子221及び負極端子222は、容器21の蓋部分から、バスバープレート17側に向けて(上方、つまりZ軸方向プラス側に向けて)突出して配置された電極端子である。この正極端子221及び負極端子222が、少なくとも1つのバスバー33及び接続ユニット80を介して外部端子81、82に接続されることにより、蓄電装置1が、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる。なお、容器21の蓋部分には、電解液を注液する注液部、及び、容器21内の圧力上昇時にガスを排出して圧力を開放するガス排出弁等が設けられていてもよい。また、容器21の内方には、電極体(蓄電要素または発電要素ともいう)及び集電体(正極集電体及び負極集電体)等が配置され、電解液(非水電解質)などが封入されているが、詳細な説明は省略する。
【0032】
バスバー33は、バスバープレート17に保持された状態で、少なくとも2つの蓄電素子20上に配置され、当該少なくとも2つの蓄電素子20の正極端子221及び負極端子222同士を電気的に接続する矩形状の板状部材である。バスバー33は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属製の導電部材で形成されている。なお、本実施の形態では、5つのバスバー33を用いて、蓄電素子20を2個ずつ並列に接続して4セットの蓄電素子群を構成し、かつ、当該4セットの蓄電素子群を直列に接続している。
【0033】
また、接続ユニット80は、複数のバスバー及び制御基板等を有するユニットであり、8個の蓄電素子20からなる蓄電素子群と、外部端子81、82とを接続する。接続ユニット80が有する制御基板は複数の電気部品を有し、これら複数の電気部品により、各蓄電素子20の状態を検出する検出回路、及び、充電及び放電を制御する制御回路等が形成されている。本実施の形態では、接続ユニット80は、バスバープレート17に固定されている。なお、検出回路及び制御回路は個別の基板に形成されていてもよい。また、接続ユニット80は、制御基板を有しなくてもよい。この場合、例えば、蓄電装置1の外部に配置された制御装置が各蓄電素子20の充電及び放電を制御してもよい。
【0034】
バスバープレート17は、複数の蓄電素子20の上方(正極端子221及び負極端子222が配置されている側)に配置される保持部材の一例であり、本実施の形態では、バスバー33を保持する部材である。より詳細には、バスバープレート17は、複数のバスバー33、接続ユニット80、及び、その他配線類等(図示せず)を保持し、これら部材の位置規制等を行うことができる部材である。また、バスバープレート17には、複数のバスバー33のそれぞれを保持し、かつ、複数のバスバー33それぞれの一部を複数の蓄電素子20の側に露出させるバスバー用開口部17aが複数設けられている。また、バスバープレート17は、本体部11に固定されることで、例えば、複数の蓄電素子20の上方(Z軸方向プラス側)への移動を規制する役目も有している。
【0035】
なお、複数の蓄電素子20の上方に配置されるバスバープレート17は、例えば、「バスバーフレーム」、または、「中蓋」等と呼ばれる場合もある。また、バスバープレート17は、例えば、PC、PP、PE、PS、PPS、PPE(変性PPEを含む)、PET、PBT、PEEK、PFA、PTFE、PES、ABS樹脂、若しくは、それらの複合材料等の絶縁部材、または、絶縁塗装をした金属等により形成されている。
【0036】
一対のエンドプレート39は、本体部11内において複数の蓄電素子20を一括して挟む位置に配置される矩形状の板体である。具体的には、一対のエンドプレート39は、YZ平面に平行な姿勢で、複数の蓄電素子20をX軸方向で挟む位置に配置されている。つまり、一対のエンドプレート39は、最も外側に配置された蓄電素子20の容器21の長側面211に対して重なるように配置されている。エンドプレート39は、例えば、PC、PP、PE、PS、PPS、PPE(変性PPEを含む)、PET、PBT、PEEK、PFA、PTFE、PES、ABS樹脂、若しくは、それらの複合材料等の絶縁部材、または、絶縁塗装をした金属等により形成されている。
【0037】
[本体部と外蓋との接合構造]
次に、本体部11と外蓋12との接合構造について説明する。まず、本体部11の接合構造に関する部位について説明する。
図3は、実施の形態に係る本体部11の概略構成を示す上面図である。なお、
図3においては、外蓋12が接合される前の状態の本体部11を示している。
【0038】
図3に示すように、本体部11の開口部111は、壁部50によって全周が連続的に囲まれている。壁部50は、Y軸方向で対向する一対の第一壁部51と、X軸方向で対向する一対の第二壁部52とを備えている。
【0039】
第一壁部51は、X軸方向に延設されており、その上端部の幅H1(Y軸方向の厚み)が全体として均等に形成されている。
【0040】
第二壁部52は、Y軸方向に延設されており、その上端部の幅(X軸方向の厚み)がY軸方向に沿って変動するように形成されている。例えば、第二壁部52の上端部の端縁である一対の辺のうち、外方の辺を外縁部521とし、内方の辺を内縁部522とする。外縁部521は、全体としてY軸方向に沿う直線状に形成されている。内縁部522は、複数の凹部523及び凸部524からなる凹凸構造525を有している。各凹部523と各凸部524とは、Y軸方向に交互に配置されている。
【0041】
各凹部523は、隣り合う一対の凸部524の間の部分である。各凹部523は、平面視(上面視)における形状が同等である。各凹部523の幅H2(X軸方向の厚み)は、第一壁部51の上端部の幅H1と同等である。
【0042】
各凸部524は、隣り合う一対の凹部523の間の部分であり、その一部が凹部523よりも内方に突出している。各凸部524は、平面視における形状が同等である。各凸部524では、凹部523に連続する部分(底部5241)が、幅H2でY軸方向に一様に延設されている。また、各凸部524において底部5241から突出した部位を突端部5242とする。突端部5242の中央部には、平面視矩形状の中空部526が形成されている。
【0043】
ここで、Y軸方向における凹部523の長さL2よりも長い長さを単位長さL1とする。第一壁部51の上端部においては、単位長さL1内での面積はL1×H1となる。これは、第一壁部51の上端部のいずれの箇所において同様である。一方、第二壁部52の上端部では、凹部523の少なくとも一部と、凸部524の少なくとも一部とが単位長さL1内に混在する。つまり、第二壁部52の上端部のいずれの箇所においても、単位長さL1内には全体的に幅H2となる箇所に加えて、突端部5242の少なくとも一部が含まれる。このため、第二壁部52の上端部において単位長さL1に収まる面積は、いずれの箇所においても第一壁部51の上端部において単位長さL1に収まる面積よりも大きくなる。
【0044】
次に、外蓋12の接合構造に関する部位について説明する。
図4は、実施の形態に係る外蓋12の概略構成を示す下面図である。
図4に示すように、外蓋12の内天面121には、外部端子81、82と、収容凹部122とが設けられている。具体的には、外部端子81、82は、その基部が内天面121から露出するように、外蓋12を貫通した状態で固定されている。収容凹部122は、内天面121よりも上方に向かって窪んだ部位であり、その内部に接続ユニット80等が収容されている。
【0045】
外蓋12の全周縁には、下方に向けて延設されたスカート部123が設けられている。スカート部123は、下面視において周方向に連続した矩形枠状に形成されている。また、外蓋12において、内天面121とスカート部123との間には、下方に向けて突出した凸条部60が設けられている。凸条部60は、下面視において周方向に連続した矩形枠状に形成されている。凸条部60の平面視形状は、壁部50の平面視形状と同形状である。
【0046】
凸条部60は、Y軸方向で対向する一対の第一凸条部61と、X軸方向で対向する一対の第二凸条部62とを備えている。
【0047】
第一凸条部61は、第一壁部51の上端部に接合される部位であり、第一壁部51に対応した形状を有している。具体的には、第一凸条部61は、X軸方向に延設されており、その下端部の幅H11(Y軸方向の厚み)が全体として均等に形成されている。幅H11は、第一壁部51の上端部の幅H1と同等である。
【0048】
第二凸条部62は、第二壁部52の上端部に接合される部位であり、第二壁部52に対応した形状を有している。具体的には、第二凸条部62は、Y軸方向に延設されており、その下端部の幅(X軸方向の厚み)がY軸方向に沿って変動するように形成されている。例えば、第二凸条部62の下端部の端縁である一対の辺のうち、外方の辺を外縁部621とし、内方の辺を内縁部622とする。外縁部621は、全体としてY軸方向に沿う直線状に形成されている。内縁部622は、複数の凹部623及び凸部624からなる凹凸構造625を有している。各凹部623と各凸部624とは、Y軸方向に交互に配置されている。
【0049】
各凹部623は、隣り合う一対の凸部624の間の部分である。各凹部623は、平面視(下面視)における形状が同等である。各凹部623の幅H12(X軸方向の厚み)は、第一凸条部61の下端部の幅H11と同等である。
【0050】
各凸部624は、隣り合う一対の凹部623の間の部分であり、その一部が凹部623よりも内方に突出している。各凸部624は、平面視における形状が同等である。各凸部624では、凹部623に連続する部分(底部6241)が、幅H12でY軸方向に一様に延設されている。また、各凸部624において底部6241から突出した部位を突端部6242とする。突端部6242の中央部には、平面視矩形状の中空部626が形成されている。このように第二凸条部62の下端部は、第二壁部52の上端部と同等の形状を有している。このため、第二凸条部62の下端部において単位長さL1に収まる面積は、いずれの箇所においても第一凸条部61の下端部において単位長さL1に収まる面積よりも大きくなる。
【0051】
図5は、実施の形態に係る本体部11と外蓋12との接合構造を示す断面図である。
図5は、本体部11と外蓋12とを接合した状態において、
図3及び
図4におけるV-V線を含むXZ平面に平行な切断面を見た断面図である。
図5では、蓄電素子20とバスバー33とを平面図で図示している。
【0052】
ここで、本体部11と外蓋12との接合には熱溶着が採用されている。熱溶着は、接合対象である部材同士を熱により溶融した後に、密着させて再硬化させることにより接合する手法である。熱溶着としては、例えばヒートシール、超音波溶着などが挙げられる。なお、本体部11と外蓋12との接合には接着剤による接着を採用してもよい。接着剤を用いた接合においても、接合対象である部材同士が溶融し、再硬化することになるが、硬化後に接合箇所を解析すれば当該部位に接着剤が残存している。このため、接合後においても、当該接合が熱溶着によるものか、接着剤によるものかを判別することが可能である。
【0053】
熱溶着時においては、本体部11では、壁部50の先端部(上端部)の全周が加熱され溶融されている。一方、外蓋12では、凸条部60の下端部の全周が溶融されている。この両者が溶融した状態で、外蓋12を本体部11に近づけて、凸条部60の下端部の全周を、壁部50の先端部の全周に押し付けることで、溶融した部位同士が混ざり合う。
【0054】
混ざり合った部位は、非加熱の状態で一定時間経過すると硬化し一体化されて接合される。この接合部位が接合部90である。接合部90は、開口部111の全周に沿って連続的に設けられている。換言すると、本体部11と外蓋12とは、開口部111の全周に沿って接合された接合部90を有している。なお、
図5では、接合部90に対して、凸条部60における第二凸条部62の先端部(下端部)と、壁部50における第二壁部52の先端部(上端部)との界面が図示されているが、実際には両者が混ざり合った状態で硬化しているので、界面は存在していない。この接合部90によって、本体部11と外蓋12とが全周にわたって封止され、気密性が確保されている。
【0055】
接合部90は、Y軸方向で対向する一対の第一接合部91と、X軸方向で対向する一対の第二接合部92とを備えている。
【0056】
図6は、実施の形態に係る接合部90の一部の断面形状を示す断面図である。具体的には、
図6の(a)は、
図3及び
図4における二点鎖線に囲まれた部分に対応した第一接合部91の一部を示している。
図6の(b)は、
図3及び
図4における破線に囲まれた部分に対応した第二接合部92の一部を示している。
【0057】
上述したように、凸条部60の下端部と壁部50の上端部とは同等の形状を有している。このため、凸条部60の下端部と第二壁部52の上端部とを一致するように重ねて熱溶着することで、接合部90が形成されている。具体的には、
図6の(a)に示すように、第一接合部91では、第一凸条部61の下端部と、第一壁部51の上端部とが一致するように重ねられている。つまり、第一接合部91の外形線は、第一凸条部61の下端部の外形線でもあり、第一壁部51の上端部の外形線であるとも言える。
【0058】
また、
図6の(b)に示すように、第二接合部92では、第二凸条部62の下端部と、第二壁部52の上端部とが一致するように重ねられている。つまり、第二接合部92の外形線は、第二凸条部62の下端部の外形線でもあり、第二壁部52の上端部の外形線であるとも言える。このため、第二接合部92の端縁である一対の辺のうち、外方の外縁部921は、第二壁部52の外縁部521であるとともに、第二凸条部62の外縁部621であると言える。また、第二接合部92の端縁である一対の辺のうち、内方の内縁部922は、第二壁部52の内縁部522であるとともに、第二凸条部62の内縁部622であると言える。第二接合部92の内縁部922は、第二壁部52の凹凸構造525と第二凸条部62の凹凸構造625とからなる凹凸構造925を有している。凹凸構造925は、第二壁部52の各凹部523及び第二凸条部62の各凹部623からなる複数の凹部923と、第二壁部52の各凸部524及び第二凸条部62の各凸部624からなる複数の凸部924とを有している。
【0059】
また、前述の通り、第二壁部52の上端部において単位長さL1に収まる面積は、いずれの箇所においても第一壁部51の上端部において単位長さL1に収まる面積よりも大きい。また、第二凸条部62の下端部において単位長さL1に収まる面積は、いずれの箇所においても第一凸条部61の下端部において単位長さL1に収まる面積よりも大きい。このことから、第一接合部91と第二接合部92とにおいても同様のことが言える。つまり、第二接合部92は全体として、第一接合部91よりも単位長さL1あたりの面積が大きい拡大部と言える。このため、第二接合部92は、第一接合部91よりも高いせん断強度を発揮することができる。
【0060】
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る蓄電装置1によれば、X軸方向(所定の方向)に積層された複数の蓄電素子20と、複数の蓄電素子20を収容する外装体10とを備えている。外装体10は、開口部111を有し、複数の蓄電素子20が収容される本体部11(第一部材)と、開口部111を覆った状態で本体部11に接合される外蓋12(第二部材)と、を備えている。本体部11と外蓋12とは、開口部111の周縁に沿って相互に接合された接合部90を有している。本体部11の接合部90においてX軸方向に対応する第二接合部92は、第一接合部91よりも、単位長さL1あたりの面積が大きい拡大部である。
【0061】
ここで、直方体状の蓄電素子20の長側面211同士が重なるように、複数の蓄電素子20を積層した場合、複数の蓄電素子20は、その並び方向(X軸方向)で膨張しやすい。つまり、本体部11における第二接合部92は、第一接合部91よりも大きな押圧力が作用する。しかしながら、本体部11の第二接合部92は、第一接合部91よりも単位長さあたりの面積が大きい拡大部である。このため、拡大部では、第一接合部91よりも接合面積が大きくなるために、せん断強度も大きくなる。これにより、第一接合部91よりも大きな押圧力が作用したとしても、第二接合部92の損傷を抑制することができる。このように、接合部90の損傷を抑制した蓄電装置1を提供することができる。
【0062】
また、第二接合部92の端縁である一対の辺のうち、少なくとも一方の辺(内縁部922)は、少なくとも一つの凹部923及び凸部924からなる凹凸構造925を有している。
【0063】
これによれば、拡大部である第二接合部92の端縁である一対の辺のうち、少なくとも一方の辺(内縁部922)に凹凸構造925が設けられているので、直線的な構造に比べて入り組む形状となる。このため、接合面積を拡大することができ、第二接合部92での接合強度を高めることができる。したがって、蓄電素子20の膨張を起因とした第二接合部92の損傷をより確実に抑制することができる。
【0064】
特に、溶着により接合する場合においては、第一接合部91と、第二接合部92とを同等の溶融条件で溶融して接合することができる。これにより、第二接合部92の凹凸構造925で接合面積を拡大しつつ、容易に接合強度を高めることが可能である。
【0065】
また、第二接合部92の端縁である一対の辺のうち、一方の辺(内縁部922)は凹凸構造925を有し、他方の辺(外縁部921)は直線状に形成されている。
【0066】
ここで、外縁部921は、直線状に形成されており、凹凸構造925を有した内縁部922と比べて変形しにくい。このため、蓄電素子20が膨張して、第二接合部92が押圧力を受けたとしてもその変形量が抑制されるので、第二接合部92の損傷をより確実に抑制することができる。
【0067】
また、拡大部である第二接合部92は、本体部11においてX軸方向に対応する部位の中央部に配置されている。
【0068】
ここで、複数の蓄電素子20が膨張する場合、本体部11においてX軸方向(蓄電素子20の並び方向)に対応する部位では、その中央部が膨張時の押圧力を受けて最も変形しやすい。中央部に拡大部(第二接合部92)が設けられていれば中央部を補強することができ、拡大部の損傷をより確実に抑制することができる。
【0069】
また、外蓋12の第二接合部92は、本体部11の第二接合部92と同形状に形成されている。
【0070】
これによれば、外蓋12の第二接合部92が、本体部11の第二接合部92と同形状に形成されているので、外蓋12側においても接合面積を大きくすることができ、せん断強度も大きくすることができる。特に、外蓋12の第二接合部92と、本体部11の第二接合部92とを一致するように重ね合わせれば、せん断強度の向上もより顕著である。したがって、接合部90の損傷をより確実に抑制することができる。
【0071】
[変形例1]
上記実施の形態では、第二接合部92の内縁部922が凹凸構造925を有し、外縁部921が直線状に形成されている場合について説明した。この変形例1では、第二接合部の内縁部及び外縁部のそれぞれが凹凸構造を備えた蓄電装置について説明する。なお、以降の説明において、上記実施の形態と同等の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0072】
図7は、変形例1に係る本体部11aの概略構成を示す上面図である。具体的には
図7は
図3に対応する図である。
【0073】
図7に示すように、本体部11aの開口部111aは、壁部50aによって全周が連続的に囲まれている。壁部50aは、Y軸方向で対向する一対の第一壁部51と、X軸方向で対向する一対の第二壁部52aとを備えている。
【0074】
第二壁部52aは、Y軸方向に延設されており、その上端部の幅(X軸方向の厚み)がY軸方向に沿って変動するように形成されている。例えば、第二壁部52aの上端部の端縁である一対の辺のうち、外方の辺を外縁部521aとし、内方の辺を内縁部522とする。
【0075】
外縁部521aは、複数の凹部527a及び凸部528aからなる凹凸構造529aを有している。各凹部527aと各凸部528aとは、Y軸方向に交互に配置されている。また、外縁部521aの各凹部527aは、内縁部522の各凸部524に対応する位置に配置されている。同様に、外縁部521aの各凸部528aは、内縁部522の各凹部523に対応する位置に配置されている。
【0076】
外縁部521aの各凹部527aの底面と、内縁部522の各凸部524の先端面との幅H3は、第一壁部51の上端部の幅H1と同等である。同様に、外縁部521aの各凸部528aの先端面と、内縁部522の各凹部523の底面との幅H4は、第一壁部51の上端部の幅H1と同等である。第二壁部52aをY軸方向に連続的に見ると、幅H3と幅H4とが重複している部位がある。この部位においては、第一壁部51の上端部の幅H1よりも拡幅されている。例えば、第一壁部51の上端部においては、単位長さL1内での面積はL1×H1となる。これは、第一壁部51の上端部のいずれの箇所において同様である。一方、第二壁部52aの上端部では、単位長さL内に、幅H3と幅H4とが重複する部位が存在する。つまり、第二壁部52aの上端部において単位長さL1に収まる面積は、いずれの箇所においても第一壁部51の上端部において単位長さL1に収まる面積よりも大きくなる。
【0077】
次に、外蓋12aの接合構造に関する部位について説明する。
図8は、変形例1に係る外蓋12aの概略構成を示す下面図である。具体的には
図8は
図4に対応する図である。
【0078】
図8に示すように、外蓋12aの凸条部60aは、Y軸方向で対向する一対の第一凸条部61と、X軸方向で対向する一対の第二凸条部62aとを備えている。凸条部60aの下端部は、壁部50aの上端部と同等の形状を有している。
【0079】
第二凸条部62aは、第二壁部52aの上端部に接合される部位であり、第二壁部52aに対応した形状を有している。具体的には、第二凸条部62aは、Y軸方向に延設されており、その下端部の幅(X軸方向の厚み)がY軸方向に沿って変動するように形成されている。例えば、第二凸条部62aの下端部の端縁である一対の辺のうち、外方の辺を外縁部621aとし、内方の辺を内縁部622とする。
【0080】
外縁部621aは、複数の凹部627a及び凸部628aからなる凹凸構造629aを有している。各凹部627aと各凸部628aとは、Y軸方向に交互に配置されている。また、外縁部621aの各凹部627aは、内縁部622の各凸部624に対応する位置に配置されている。同様に、外縁部621aの各凸部628aは、内縁部622の各凹部623に対応する位置に配置されている。
【0081】
上述したように、凸条部60aの下端部と壁部50aの上端部とは同等の形状を有している。このため、凸条部60aの下端部と第二壁部52aの上端部とを一致するように重ねて熱溶着することで、接合部(図示省略)が形成される。
【0082】
[変形例2]
上記実施の形態では、第二接合部92の全体が拡大部である場合を例示した。しかしながら、拡大部は、第二接合部の一部にのみ設けられていてもよい。この場合、拡大部は、第二接合部における中央部にのみ設けられることが好ましい。変形例2では、第二接合部の中央部にのみ拡大部が設けられた蓄電装置について説明する。
【0083】
図9は、変形例2に係る接合部90bを示す断面図である。
図9に示すように、接合部90bの第二接合部92bでは、内縁部922bのY軸方向の中央部にのみ凹凸構造925bが形成されている。内縁部922bにおいて凹凸構造925b以外の領域は直線状に形成されている。第二接合部92bにおいて凹凸構造925が形成された部位が、拡大部となる。
【0084】
この場合においても、第二接合部92bの中央部を補強することができ、拡大部の損傷を抑制することができる。特に、第二接合部92bの中央部以外の部位では、単純な構造となるために、軽量化を図ることも可能である。
【0085】
[変形例3]
上記実施の形態では、第二接合部92に凹凸構造925を設けることで拡大部とした場合を例示した。しかしながら、単位長さL1あたりの面積が第一接合部91よりも大きくなるのであれば、拡大部の形状は如何様でもよい。変形例3では、第二接合部92cが全体として一様な形状である場合を例示する。
【0086】
図10は、変形例3に係る接合部90cを示す断面図である。
図10に示すように、接合部90cの第二接合部92cは、第一接合部91の幅H1よりも大きい幅H5で全長にわたって一様に形成されている。この場合においても、第二接合部92cは全体として、第一接合部91よりも単位長さL1あたりの面積が大きい拡大部と言える。このため、第二接合部92cは、第一接合部91よりも高いせん断強度を発揮することができる。
【0087】
[その他]
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電装置について説明したが、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及び変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0088】
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、外蓋12の凸条部60の平面視形状が、壁部50の平面視形状と同形状である場合を例示した。しかしながら、外蓋12の凸条部の平面視形状は、壁部の平面視形状と異なっていてもよい。この場合、凸条部内に壁部の全体が収まる形状であればよい。これにより、壁部を全体的に凸条部に接合することができる。
【0089】
また、上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子を備えた蓄電装置に適用できる。
【符号の説明】
【0091】
1 蓄電装置
10 外装体
11、11a 本体部
12、12a 外蓋
17 バスバープレート
17a バスバー用開口部
20 蓄電素子
21 容器
33 バスバー
39 エンドプレート
50、50a 壁部
51 第一壁部
52、52a 第二壁部
60、60a 凸条部
61 第一凸条部
62、62a 第二凸条部
80 接続ユニット
81、82 外部端子
90、90b、90c 接合部
91 第一接合部
92 第二接合部(拡大部)
92b、92c 第二接合部
100 外装体
111、111a 開口部
121 内天面
122 収容凹部
123 スカート部
211 長側面
212 短側面
221 正極端子
222 負極端子
521、521a、621、621a、921 外縁部
522、622、922、922b 内縁部
523、527a、623、627a、923 凹部
524、528a、624、628a、924 凸部
525、529a、625、629a、925、925b 凹凸構造
526、626 中空部
5241、6241 底部
5242、6242 突端部