(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】電動ポンプ
(51)【国際特許分類】
H01R 27/00 20060101AFI20231212BHJP
F04B 53/00 20060101ALI20231212BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20231212BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20231212BHJP
H02K 11/30 20160101ALI20231212BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20231212BHJP
【FI】
H01R27/00 A
F04B53/00 J
H01R13/52 B
H01R13/52 301H
H02K7/14 B
H02K11/30
H02M7/48 Z
(21)【出願番号】P 2020006904
(22)【出願日】2020-01-20
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】ニデックパワートレインシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【氏名又は名称】梶原 慶
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】田中 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】本間 和博
(72)【発明者】
【氏名】村田 大輔
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-032930(JP,A)
【文献】特開2005-327557(JP,A)
【文献】特開2009-112063(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0170878(US,A1)
【文献】特開2018-071499(JP,A)
【文献】特開2007-185055(JP,A)
【文献】特開2015-092803(JP,A)
【文献】国際公開第2014/054155(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 27/00
H01R 13/52
H01R 39/00
F04B 53/00
H02K 7/14
H02K 11/30
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸の軸方向に延びるシャフトを有するモータ部と、
前記シャフトに連結されるポンプ部と、
前記モータ部の回転を制御するインバータ部と、
前記モータ部、前記ポンプ部、および前記インバータ部の一部を収容するハウジングと、を備え、
前記インバータ部は、
インバータ基板と、
前記インバータ基板と電気的に接続されるコネクタと、を有し、
前記ハウジングは、前記インバータ基板を軸方向一方側から覆うインバータカバーを有し、
前記インバータカバーは、前記インバータカバーを軸方向に貫通する貫通孔を有し、
前記コネクタは、
前記貫通孔に挿入され、前記インバータ基板と接続される第1コネクタ部と、
前記インバータカバーの軸方向一方側に配置され、前記第1コネクタ部に取り外し可能に接続される第2コネクタ部と、を有し、
前記第1コネクタ部は、
前記インバータ基板に接続される第1端子
と、
前記インバータカバーの外部に露出する接続端子と、を有し、
前記第2コネクタ部は、前記第1端子に接続される第2端子を有する、
電動ポンプ。
【請求項2】
前記第2コネクタ部は、軸方向から見て、前記貫通孔の外側に位置する部分を有する、
請求項1に記載の電動ポンプ。
【請求項3】
前記第2コネクタ部は、径方向に延びる部分を有する、
請求項1または2に記載の電動ポンプ。
【請求項4】
前記第1端子は、前記インバータ基板にはんだで接続される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の電動ポンプ。
【請求項5】
前記第2コネクタ部と前記インバータカバーとを固定する締結部材を備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電動ポンプ。
【請求項6】
前記貫通孔の内周部と前記第1コネクタ部の外周部との間をシールするシール部材を備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載の電動ポンプ。
【請求項7】
前記第2コネクタ部は、軸方向から見て、前記第2コネクタ部全体が前記インバータカバーの外周部の内側に配置される、
請求項1から6のいずれか1項に記載の電動ポンプ。
【請求項8】
前記接続端子は、前記モータ部と電気的に接続される、
請求項
1から7のいずれか1項に記載の電動ポンプ。
【請求項9】
前記第1端子は、
前記第1コネクタ部に埋め込まれる埋込部と、
前記埋込部と前記インバータ基板との間に配置され、湾曲して延びる湾曲部と、を有する、
請求項1から
8のいずれか1項に記載の電動ポンプ。
【請求項10】
前記第1端子のうち前記第2端子と接触する部分の端子幅と、前記第2端子のうち前記第1端子と接触する部分の端子幅とが、互いに異なる、
請求項1から
9のいずれか1項に記載の電動ポンプ。
【請求項11】
前記第1コネクタ部と前記インバータ基板とを固定する固定部材を備える、
請求項1から
10のいずれか1項に記載の電動ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電動ポンプは、一般的に、インバータカバーの径方向外側にコネクタが配置される構造を有する。電動ポンプと接続される外部機器との接続位置によっては、特許文献1に示すように、コネクタがインバータカバー上に配置される場合もある。特許文献1の電動ポンプは、蓋部材がターミナルと回路基板とを覆う。蓋部材には、複数の接続端子がインサート成形され、接続端子の一端がターミナルに接続される。蓋部材の天面には、コネクタ挿入部が形成され、コネクタ挿入部の内部には、接続端子の他端が露出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動ポンプは、外部機器との接続位置に合わせて、コネクタの向きや配置を変更する必要がある。従来では、各種の外部機器に応じて、コネクタの向きや配置が互いに異なる複数種類の電動ポンプを用意する必要があり、電動ポンプの汎用性が低かった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、汎用性が高い電動ポンプを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電動ポンプの一つの態様は、中心軸の軸方向に延びるシャフトを有するモータ部と、前記シャフトに連結されるポンプ部と、前記モータ部の回転を制御するインバータ部と、前記モータ部、前記ポンプ部、および前記インバータ部の一部を収容するハウジングと、を備える。前記インバータ部は、インバータ基板と、前記インバータ基板と電気的に接続されるコネクタと、を有する。前記ハウジングは、前記インバータ基板を軸方向一方側から覆うインバータカバーを有する。前記インバータカバーは、前記インバータカバーを軸方向に貫通する貫通孔を有する。前記コネクタは、前記貫通孔に挿入され、前記インバータ基板と接続される第1コネクタ部と、前記インバータカバーの軸方向一方側に配置され、前記第1コネクタ部に取り外し可能に接続される第2コネクタ部と、を有する。前記第1コネクタ部は、前記インバータ基板に接続される第1端子を有する。前記第2コネクタ部は、前記第1端子に接続される第2端子を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、汎用性が高い電動ポンプが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態の電動ポンプを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態の電動ポンプを示す縦断面図であり、ポンプ部の詳細な構造の図示は省略している。
【
図3】
図3は、本実施形態の電動ポンプの一部を示す縦断面図であり、
図2のIII-III断面を表す。
【
図4】
図4は、本実施形態の電動ポンプの一部を示す斜視図であり、インバータカバーの図示は省略している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態の電動ポンプ10について、図面を参照して説明する。図面には、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。
図1~
図4に示すように、電動ポンプ10は、モータ部20と、ポンプ部30と、インバータ部50と、ハウジング40と、締結部材70と、シール部材71と、固定部材72と、を備える。
【0010】
図2に示すように、モータ部20は、中心軸Jを中心とするシャフト22を有し、中心軸JはZ軸方向に沿って延びる。以下の説明においては、中心軸Jに平行な方向を単に「軸方向」と呼ぶ。軸方向は、中心軸Jが延びる方向である。本実施形態において、モータ部20の軸方向位置と、インバータ部50の軸方向位置とは、互いに異なる。つまりモータ部20とインバータ部50とは、軸方向において互いに異なる位置に配置される。軸方向のうち、モータ部20からインバータ部50へ向かう方向を軸方向一方側(+Z側)と呼び、インバータ部50からモータ部20へ向かう方向を軸方向他方側(-Z側)と呼ぶ。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向である。Y軸方向は、Z軸方向およびX軸方向と直交する方向である。Y軸方向は、後述する第2コネクタ部53の延在方向に相当する。X軸方向は、第2コネクタ部53の延在方向および軸方向と直交する方向に相当する。X軸方向は、第2コネクタ部53の幅方向と言い換えてもよい。
【0011】
中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。径方向のうち、中心軸Jに近づく方向を径方向内側と呼び、中心軸Jから離れる方向を径方向外側と呼ぶ。中心軸Jを中心とする周方向、すなわち中心軸Jの軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。なお、本実施形態において、「平行な方向」は略平行な方向を含み、「直交する方向」は略直交する方向を含む。
【0012】
本実施形態の電動ポンプ10は、例えばオイル等の流体を吸入し、吐出する。電動ポンプ10は、例えば、流体を流路に循環させる機能を有する。流体がオイルの場合、電動ポンプ10は、電動オイルポンプと言い換えてもよい。
【0013】
モータ部20は、ロータ21と、ステータ26と、複数のベアリング11,12と、を有する。ロータ21は、シャフト22と、ロータコア23と、マグネット24と、を有する。
【0014】
シャフト22は、軸方向に延びる。シャフト22は、中心軸Jを中心として回転する。シャフト22は、複数のベアリング11,12により中心軸J回りに回転自在に支持される。つまり複数のベアリング11,12は、シャフト22を回転自在に支持する。複数のベアリング11,12は、例えばボールベアリング等である。複数のベアリング11,12のうち、第1のベアリング11は、シャフト22のうちロータコア23よりも軸方向他方側に位置する部分を支持する。複数のベアリング11,12のうち、第2のベアリング12は、シャフト22のうちロータコア23よりも軸方向一方側に位置する部分を支持する。
【0015】
ロータコア23は、シャフト22の外周面に固定される。ロータコア23は、中心軸Jを中心とする環状である。ロータコア23は、軸方向に延びる筒状である。ロータコア23は、例えば、複数の電磁鋼板が軸方向に積層されることにより構成される。
【0016】
マグネット24は、ロータコア23の径方向外端部に配置される。マグネット24は、複数設けられる。複数のマグネット24は、ロータコア23の径方向外端部に、互いに周方向に間隔をあけて配置される。なおマグネット24は、例えば、1つの円筒状のリングマグネットでもよい。
【0017】
ステータ26は、ロータ21の径方向外側に配置され、ロータ21と径方向に隙間をあけて対向する。つまりステータ26は、ロータ21と径方向に対向する。ステータ26は、周方向の全周にわたって、ロータ21を径方向外側から囲う。ステータ26は、ステータコア27と、インシュレータ28と、複数のコイル29と、を有する。
【0018】
ステータコア27は、中心軸Jを中心とする環状である。ステータコア27は、ロータ21の径方向外側に配置されて、ロータ21と径方向に隙間をあけて対向する。ステータコア27は、例えば、複数の電磁鋼板が軸方向に積層されることにより構成される。
【0019】
ステータコア27は、コアバックと、複数のティースと、を有する。コアバックは、中心軸を中心とする環状である。コアバックは、軸方向に延びる筒状である。コアバックの径方向外側面は、ハウジング40の内周面と固定される。コアバックは、ハウジング40内に嵌合する。ティースは、コアバックの径方向内側面から径方向内側に突出する。ティースは、板状であり、一対の板面が周方向を向く。複数のティースは、コアバックの径方向内側面に、周方向に互いに間隔をあけて配置される。
【0020】
インシュレータ28は、ステータコア27に装着される。インシュレータ28は、ティースを覆う部分を有する。インシュレータ28の材料は、例えば樹脂などの絶縁材料である。
【0021】
複数のコイル29は、インシュレータ28を介してステータコア27に取り付けられる。つまり複数のコイル29は、ステータコア27に取り付けられる。複数のコイル29は、各ティースに、インシュレータ28を介して導線が巻き回されることによりそれぞれ構成される。
【0022】
コイル29は、ステータコア27のティースに巻かれる巻き線部と、巻き線部に繋がり、コイル29と後述するインバータ基板55とを繋ぐ引出し線部と、を有する。引出し線部は、巻き線部から軸方向一方側へ引き出され、インバータ基板55と接続される。
【0023】
ポンプ部30は、モータ部20によって駆動される。ポンプ部30は、ステータ26よりも軸方向他方側に配置される。ポンプ部30は、シャフト22の軸方向他方側の端部と接続される。つまりポンプ部30は、シャフト22に連結される。特に図示しないが、ポンプ部30は、例えばトロコイドポンプ構造を有する。ポンプ部30は、インナーロータと、インナーロータの径方向外側に位置するアウターロータと、を有する。インナーロータおよびアウターロータは、ポンプギアであり、互いに噛み合う。インナーロータおよびアウターロータは、それぞれトロコイド歯形を有する。インナーロータは、シャフト22の軸方向他方側の端部に固定される。モータ部20は、インナーロータを回転させてポンプ部30を駆動する。なお、ポンプ部30は、トロコイドポンプ構造以外のポンプ構造を有していてもよい。
【0024】
インバータ部50は、モータ部20と電気的に接続される。インバータ部50は、モータ部20の回転を制御する。インバータ部50は、インバータ基板55と、インバータ基板55と電気的に接続されるコネクタ51と、を有する。インバータ基板55は、板状であり、一対の板面が軸方向を向く。インバータ基板55は、ステータ26の軸方向一方側に位置する。インバータ基板55は、ハウジング40の後述する複数の柱部41gにより軸方向他方側から支持され、各柱部41gにネジ73でそれぞれ固定される。コネクタ51の上記以外の構成については、別途後述する。
【0025】
ハウジング40は、モータ部20、ポンプ部30およびインバータ部50の一部を収容する。ハウジング40は、モータ収容部41と、ポンプ収容部42と、インバータカバー43と、を有する。
【0026】
モータ収容部41は、モータ部20のうちシャフト22の軸方向他方側の端部以外の部分、および複数のベアリング11,12を収容する。モータ収容部41は、収容筒部41aと、ベアリングホルダ41bと、ホルダ固定ネジ41cと、を有する。
【0027】
収容筒部41aは、中心軸Jを中心とする有底筒状である。収容筒部41aの底壁部は、第1のベアリング11を保持する。収容筒部41aの周壁部の径方向内側面には、ステータコア27の径方向外側面が固定される。収容筒部41aは、フランジ部41dと、柱部41gと、を有する。フランジ部41dは、収容筒部41aの周壁部の軸方向一方側の端部つまり開口部から、径方向外側に拡がる。柱部41gは、フランジ部41dから軸方向一方側に突出する。柱部41gは、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。フランジ部41dおよび柱部41gは、インバータ基板55の軸方向他方側に配置される。フランジ部41dおよび柱部41gは、軸方向から見てインバータ基板55と重なる。
【0028】
ベアリングホルダ41bは、ロータコア23の軸方向一方側に配置される。ベアリングホルダ41bは、ホルダ筒部41eと、ホルダ脚部41fと、を有する。ホルダ筒部41eは、中心軸Jを中心とする筒状であり、軸方向に延びる。ホルダ筒部41eは、第2のベアリング12を保持する。ホルダ脚部41fは、ホルダ筒部41eから径方向外側に突出する。ホルダ脚部41fは、ベアリングホルダ41bに複数設けられる。複数のホルダ脚部41fは、周方向に互いに間隔をあけて配置される。ホルダ脚部41fの径方向外端部は、フランジ部41dの径方向内端部に対して、軸方向一方側から接触する。ホルダ脚部41fは、ホルダ固定ネジ41cによりフランジ部41dと固定される。つまりベアリングホルダ41bは、収容筒部41aと固定される。
【0029】
ポンプ収容部42は、モータ収容部41の軸方向他方側に配置される。ポンプ収容部42は、モータ収容部41に軸方向他方側から接触する。ポンプ収容部42は、ポンプ部30、およびシャフト22の軸方向他方側の端部を収容する。
【0030】
インバータカバー43は、モータ収容部41の軸方向一方側に配置される。インバータカバー43は、モータ収容部41に軸方向一方側から接触する。インバータカバー43は、有頂筒状である。インバータカバー43は、インバータ基板55を収容する。インバータカバー43は、インバータ基板55を軸方向一方側から覆う。
図1に示すように、インバータカバー43は、カバー取付ネジ44によりフランジ部41dと固定される。つまりインバータカバー43は、モータ収容部41と固定される。
【0031】
図1から
図3に示すように、インバータカバー43は、カバー頂壁43aと、カバー周壁43bと、貫通孔43cと、フィン部43dと、雌ねじ穴43eと、を有する。カバー頂壁43aは、板状であり、一対の板面が軸方向を向く。カバー頂壁43aは、インバータ基板55の軸方向一方側を向く板面と、軸方向に隙間をあけて対向する。カバー周壁43bは、筒状であり、軸方向に延びる。カバー周壁43bの軸方向一方側の端部は、カバー頂壁43aの外周部と接続される。カバー周壁43bは、インバータ基板55を径方向外側から囲う。カバー周壁43bの軸方向他方側の端部は、フランジ部41dに軸方向一方側から接触する。
【0032】
貫通孔43cは、カバー頂壁43aを軸方向に貫通する。つまり貫通孔43cは、インバータカバー43を軸方向に貫通する。貫通孔43cは、円孔状である。貫通孔43cは、軸方向から見てインバータ基板55と重なる。具体的に、貫通孔43cは、軸方向から見てインバータ基板55の少なくとも外周部の一部と重なる。本実施形態では貫通孔43cが、軸方向から見て中心軸Jとは重ならない。
【0033】
フィン部43dは、カバー頂壁43aの軸方向一方側を向く面から軸方向一方側に突出する。フィン部43dは、板状であり、一対の板面がX軸方向を向く。フィン部43dは、Y軸方向に延びる。フィン部43dは、X軸方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。
【0034】
図2に示すように、雌ねじ穴43eは、カバー頂壁43aの軸方向一方側を向く面から軸方向他方側に窪む。雌ねじ穴43eは、カバー頂壁43aの軸方向一方側を向く面に開口し、カバー頂壁43aの軸方向他方側を向く面には開口しない。つまり雌ねじ穴43eは、カバー頂壁43aを軸方向に貫通しない止め穴である。雌ねじ穴43eは、内周面に雌ねじ部を有する。雌ねじ穴43eは、互いに間隔をあけて複数設けられる。本実施形態では、雌ねじ穴43eが一対設けられ、一対の雌ねじ穴43eは、X軸方向に互いに間隔をあけて配置される。
【0035】
図3に示すように、コネクタ51は、インバータカバー43の内部と外部とにわたって延びる。つまりコネクタ51は、インバータカバー43の内部に位置する部分と、インバータカバー43の外部に位置する部分と、を有する。コネクタ51は、第1コネクタ部52と、第2コネクタ部53と、を有する。
【0036】
第1コネクタ部52は、貫通孔43cに挿入され、インバータ基板55と接続される。第1コネクタ部52は、軸方向に延び、インバータカバー43の内部と外部とにわたって配置される。具体的に、第1コネクタ部52の軸方向他方側の部分は、インバータカバー43の内部に位置する。第1コネクタ部52の軸方向一方側の部分は、インバータカバー43の外部に位置する。
【0037】
第1コネクタ部52の軸方向他方側を向く面は、インバータ基板55の軸方向一方側を向く面と接触する。第1コネクタ部52は、ネジ等の固定部材72により、インバータ基板55と固定される。すなわち固定部材72は、第1コネクタ部52とインバータ基板55とを固定する。本実施形態では固定部材72が、互いに間隔をあけて複数設けられる。具体的に、固定部材72は一対設けられ、一対の固定部材72は、X軸方向に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態によれば、固定部材72により、第1コネクタ部52とインバータ基板55との相対的な移動が抑制される。これにより、第1コネクタ部52の後述する第1端子56と、インバータ基板55との接続部分の接続状態が良好に維持される。
【0038】
図3および
図4に示すように、第1コネクタ部52は、第1樹脂部54と、第1端子56と、接続端子57と、埋込ナット58と、を有する。第1コネクタ部52は、第1端子56、接続端子57および埋込ナット58をインサート部材とするインサート成形により作られる。
【0039】
第1樹脂部54は、樹脂製であり、絶縁性の材料により構成される。第1樹脂部54は、軸方向他方側を向く面が平面状である。第1樹脂部54の軸方向他方側を向く面は、インバータ基板55の軸方向一方側を向く板面と接触する。第1樹脂部54は、第1樹脂部54の軸方向の両端部間に位置する中間部分54dが、軸方向に延びる円柱状である。第1樹脂部54は、シール溝54aと、端子台54eと、第1絶縁板54bと、雌ねじ穴54cと、を有する。
【0040】
シール溝54aは、第1樹脂部54の中間部分54dの外周面から窪む。シール溝54aは、中間部分54dの中心軸を中心とする環状である。端子台54eは、第1樹脂部54の軸方向一方側の端部に配置される。端子台54eは、中間部分54dの軸方向一方側を向く面から軸方向一方側に突出する。端子台54eは、略直方体状である。端子台54eは、第1コネクタ部52に複数設けられる。複数の端子台54eは、互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では複数の端子台54eが、X軸方向に並んで配置される。
【0041】
第1絶縁板54bは、第1樹脂部54の軸方向一方側の端部に配置される。第1絶縁板54bは、板状であり、一対の板面がX軸方向を向く。第1絶縁板54bは、Y軸方向に延びる。第1絶縁板54bは、第1樹脂部54のX軸方向の中央部に位置する。第1絶縁板54bは、隣り合う端子台54e間に配置される。第1絶縁板54bは、端子台54eより少なくとも軸方向一方側に突出する。本実施形態では第1絶縁板54bが、中間部分54dの軸方向一方側を向く面と接続される。
【0042】
雌ねじ穴54cは、第1樹脂部54の軸方向他方側を向く面から軸方向一方側に窪み、軸方向に延びる。雌ねじ穴54cは、雌ねじ穴54cの内周面に雌ねじ部を有する。雌ねじ穴54cの雌ねじ部には、固定部材72の雄ねじ部がネジ止めされる。
【0043】
第1端子56は、第1コネクタ部52に複数設けられる。複数の第1端子56は、互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では複数の第1端子56が、X軸方向に互いに間隔をあけて配置される。第1端子56は、貫通孔43cの軸方向一方側と軸方向他方側とにわたって延びる。
【0044】
第1端子56は、第1端子56の少なくとも一部が第1樹脂部54に埋め込まれることにより、第1樹脂部54に保持される。本実施形態では第1端子56が、中間部分54dに埋め込まれて保持される。第1端子56は、中間部分54dに埋め込まれる部分と、中間部分54dから軸方向一方側に突出する部分と、中間部分54dから軸方向他方側に突出する部分と、を有する。第1端子56のうち中間部分54dから軸方向一方側に突出する部分は、軸方向に延びる部分と、軸方向に延びる部分の軸方向一方側の端部に接続しY軸方向に延びる部分と、を有する。第1端子56の軸方向他方側の端部は、インバータ基板55と接続される。つまり第1端子56は、インバータ基板55に接続される。具体的に、第1端子56は、インバータ基板55にはんだで接続される。このため本実施形態では、第1端子56とインバータ基板55との電気的な接続状態が良好に維持される。
【0045】
第1端子56は、埋込部56aと、第2端子接触部56bと、基板接続部56cと、湾曲部56dと、を有する。特に図示しないが、埋込部56aのX軸方向の長さつまり幅と、第2端子接触部56bのX軸方向の幅とは、互いに同じである。基板接続部56cのX軸方向の幅と、湾曲部56dのX軸方向の幅とは、互いに同じである。埋込部56aのX軸方向の幅および第2端子接触部56bのX軸方向の幅は、基板接続部56cのX軸方向の幅および湾曲部56dのX軸方向の幅よりも大きい。
【0046】
埋込部56aは、第1端子56のうち、第1樹脂部54に埋め込まれる部分である。つまり埋込部56aは、第1コネクタ部52に埋め込まれる。埋込部56aは、中間部分54dの内部を軸方向に延びる部分56eと、中間部分54dの内部を中心軸Jと交差する方向に延びる部分56fと、を有する。本実施形態では埋込部56aが、一対の部分56eと、一対の部分56e同士を接続する部分56fと、を有する。つまり埋込部56aは、第1樹脂部54の内部を屈曲して延びる。本実施形態によれば、埋込部56aが第1樹脂部54から軸方向に抜け出ることが抑制される。また、埋込部56aが屈曲することで、第2端子接触部56bのY軸方向の長さを容易に大きく確保でき、第2端子接触部56bと後述する第2端子60との接触面積を大きくすることができる。
【0047】
第2端子接触部56bは、第1端子56の軸方向一方側の端部に位置する。第2端子接触部56bは、第1端子56のうち、中間部分54dから軸方向一方側に突出する部分の一部を構成する。具体的に、第2端子接触部56bは、第1端子56の中間部分54dから軸方向一方側に突出する部分のうち、Y軸方向に延びる部分を構成する。第2端子接触部56bは、板状であり、一対の板面が軸方向を向く。
【0048】
基板接続部56cは、第1端子56の軸方向他方側の端部に位置する。基板接続部56cは、軸方向に延びる。基板接続部56cは、インバータ基板55の孔55aに挿入される。基板接続部56cは、はんだにより孔55aに固定される。
【0049】
湾曲部56dは、第1端子56のうち、中間部分54dから軸方向他方側に突出する部分の一部を構成する。湾曲部56dは、埋込部56aの軸方向他方側に位置し、基板接続部56cの軸方向一方側に位置する。湾曲部56dは、埋込部56aとインバータ基板55との間に配置され、湾曲して延びる。本実施形態では湾曲部56dが、径方向から見て円弧状に延びる。本実施形態によれば、第1端子56が湾曲部56dを有するので、第1端子56とインバータ基板55とをはんだにより接続するときに、湾曲部56dが力を分散させるように作用して、第1端子56に応力が生じることを抑制できる。また、例えば電動ポンプ10が振動するなどにより、第1端子56とインバータ基板55との接続部分(はんだ)に力が作用することを、湾曲部56dによって抑制できる。すなわち、湾曲部56dにより振動吸収効果や力の分散効果が得られて、第1端子56とインバータ基板55との接続部分の接続状態が良好に維持される。
【0050】
図1および
図4に示すように、接続端子57は、第1コネクタ部52に複数設けられる。複数の接続端子57は、互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では複数の接続端子57が、X軸方向に互いに間隔をあけて配置される。各接続端子57には、図示しない外部電源の端子がそれぞれ接続される。隣り合う接続端子57間には、第1絶縁板54bが配置される。第1絶縁板54bは、隣り合う接続端子57同士の間を仕切る。第1絶縁板54bにより、隣り合う接続端子57同士の短絡、および、各接続端子57に接続される外部電源の端子同士の短絡等が抑制される。
【0051】
接続端子57は、貫通孔43cの軸方向一方側と軸方向他方側とにわたって延びる。接続端子57は、接続端子57の少なくとも一部が第1樹脂部54に埋め込まれることにより、第1樹脂部54に保持される。接続端子57は、第1樹脂部54に埋め込まれる部分と、第1樹脂部54の軸方向一方側の端部に配置されて第1樹脂部54の外部に露出される外部端子接触部57aと、中間部分54dから軸方向他方側に突出する接続部57bと、を有する。
【0052】
外部端子接触部57aは、端子台54eの軸方向一方側を向く面に配置される。外部端子接触部57aは、板状であり、一対の板面が軸方向を向く。外部端子接触部57aは、端子台54eに保持され、端子台54eから軸方向一方側に露出する。外部端子接触部57aは、インバータカバー43の外部に露出する。つまり接続端子57は、インバータカバー43の外部に露出する。外部端子接触部57aには、図示しない外部電源の端子が接触する。
【0053】
接続部57bは、接続端子57のうち軸方向他方側の部分を構成する。接続部57bは、軸方向に延びる。接続部57bは、インバータ基板55の孔55bに挿入される。接続部57bは、はんだにより孔55bに固定される。接続部57bは、インバータ基板55を介してコイル29の引出し線部と電気的に接続される。つまり接続端子57は、モータ部20と電気的に接続される。本実施形態では、第1コネクタ部52の接続端子57に、外部電源の端子を接続することにより、インバータ基板55を介してモータ部20に電力を供給できる。この場合、第1端子56および後述する第2端子60をシグナル入出力用の端子とすることができ、第2コネクタ部53の外形寸法を小さく抑えることが可能になる。
【0054】
なお接続端子57は、湾曲部を有していてもよい。湾曲部は、接続端子57のうち第1樹脂部54つまり第1コネクタ部52に埋め込まれる部分と、インバータ基板55との間に配置され、湾曲して延びる。この場合、接続端子57とインバータ基板55とをはんだにより接続するときに、湾曲部が力を分散させるように作用して、接続端子57に応力が生じることを抑制できる。また、例えば電動ポンプ10が振動するなどにより、接続端子57とインバータ基板55との接続部分(はんだ)に力が作用することを、湾曲部によって抑制できる。すなわち、湾曲部により振動吸収効果や力の分散効果が得られて、接続端子57とインバータ基板55との接続部分の接続状態が良好に維持される。
【0055】
埋込ナット58は、第1コネクタ部52に複数設けられる。複数の埋込ナット58は、互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では複数の埋込ナット58が、X軸方向に互いに間隔をあけて配置される。埋込ナット58は、第1樹脂部54の軸方向一方側の端部に配置される。埋込ナット58は、筒状であり、軸方向に延びる。埋込ナット58は、内周面に雌ねじ部を有する。各埋込ナット58は、各端子台54eに保持される。埋込ナット58は、端子台54e内に配置される。埋込ナット58は、外部端子接触部57aに軸方向他方側から接触する。埋込ナット58には、外部電源の端子を固定するための図示しないネジがネジ止めされる。
【0056】
図1に示すように、第2コネクタ部53は、インバータカバー43の軸方向一方側に配置され、第1コネクタ部52に取り外し可能に接続される。第2コネクタ部53は、第1コネクタ部52と電気的に接続される。本実施形態によれば、第2コネクタ部53を第1コネクタ部52から取り外して別の第2コネクタ部53に交換することにより、各種の外部機器との接続位置に合わせて、コネクタ51の向きや配置を容易に変更できる。すなわち、外部機器に応じて第2コネクタ部53を複数種類用意することで、外部機器との接続位置に関わらず電動ポンプ10を共通品として扱うことができる。このため、電動ポンプ10の汎用性が高められる。
【0057】
第2コネクタ部53は、径方向に延びる部分を有する。具体的に、第2コネクタ部53は、径方向のうちY軸方向に延びる部分を有する。本実施形態によれば、第2コネクタ部53が径方向に延びる部分を有するので、貫通孔43cを軸方向に貫通する第1コネクタ部52に第2コネクタ部53を接続することにより、コネクタ51の向きを変えることができる。このため、各種の外部機器との接続位置に容易に対応しやすい。
【0058】
本実施形態では、第2コネクタ部53全体がY軸方向に延びる。以下の説明では、径方向のうち、第2コネクタ部53が延びる方向つまりY軸方向を、延在方向と呼ぶ。第2コネクタ部53は、延在方向の両端部に位置する第1端部および第2端部のうち、第1端部が第1コネクタ部52と接続される。本実施形態では、延在方向のうち、第2コネクタ部53の第1端部から第2端部へ向かう方向を、延在方向一方側(+Y側)と呼ぶ。延在方向のうち、第2コネクタ部53の第2端部から第1端部へ向かう方向を、延在方向他方側(-Y側)と呼ぶ。径方向のうち、延在方向と直交する方向つまりX軸方向を、幅方向と呼ぶ。
【0059】
第2コネクタ部53は、軸方向から見て、貫通孔43cの内部と外部とにわたって配置される。すなわち、第2コネクタ部53は、軸方向から見て、貫通孔43cの外側に位置する部分を有する。本実施形態では第2コネクタ部53が、軸方向から見て、貫通孔43cの延在方向一方側に位置する部分を有する。本実施形態によれば、貫通孔43cの内径を小さく抑えてインバータカバー43のシール性を良好に維持しつつ、各種の外部機器との接続位置に合わせて、第2コネクタ部53の形状の自由度を高めることができる。
【0060】
第2コネクタ部53は、軸方向から見て、第2コネクタ部53全体がインバータカバー43の外周部の内側に配置される。本実施形態では、第2コネクタ部53がインバータカバー43から径方向外側に突出しないため、電動ポンプ10の径方向の寸法がコンパクトに抑えられ、電動ポンプ10を小型化できる。
【0061】
図2から
図4に示すように、第2コネクタ部53は、第2樹脂部59と、第2端子60と、を有する。第2コネクタ部53は、第2端子60をインサート部材とするインサート成形により作られる。第2樹脂部59は、樹脂製であり、絶縁性の材料により構成される。第2樹脂部59は、連結部59aと、外部コネクタ接続部59bと、取付孔59cと、第2絶縁板59dと、を有する。
【0062】
連結部59aは、延在方向に延びる板状であり、一対の板面が軸方向を向く。連結部59aの軸方向他方側を向く面のうち延在方向他方側の端部は、第1樹脂部54の中間部分54dの軸方向一方側を向く面と接触する。つまり連結部59aは、第1樹脂部54に対して軸方向一方側から接触する。連結部59aの延在方向他方側を向く端面は、第1樹脂部54の軸方向一方側の端部に対して、延在方向一方側から接触する。本実施形態では連結部59aの延在方向他方側を向く端面が、第1樹脂部54の端子台54eに対して、延在方向一方側から接触する。
図3に示すように、連結部59aは、凹部59eを有する。凹部59eは、連結部59aの軸方向他方側を向く面から軸方向一方側に窪む。凹部59eは、連結部59aの延在方向他方側の端部に配置され、軸方向他方側および延在方向他方側に開口する。
【0063】
図4に示すように、外部コネクタ接続部59bは、連結部59aの延在方向一方側の端部と接続される。外部コネクタ接続部59bは、延在方向に延びる筒状である。外部コネクタ接続部59bは、延在方向一方側に開口する。本実施形態では、外部コネクタ接続部59bの延在方向の長さが、連結部59aの延在方向の長さよりも小さい。外部コネクタ接続部59bの幅方向の長さつまり幅が、連結部59aの幅方向の幅よりも小さい。外部コネクタ接続部59bの軸方向の長さつまり厚さは、連結部59aの軸方向の厚さよりも大きい。外部コネクタ接続部59bには、図示しない外部機器のコネクタ等が接続される。
【0064】
取付孔59cは、連結部59aを軸方向に貫通する。取付孔59cは、連結部59aの延在方向一方側の端部に配置される。取付孔59cは、複数設けられる。複数の取付孔59cは、互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では、取付孔59cが一対設けられ、一対の取付孔59cは、幅方向に互いに間隔をあけて配置される。各取付孔59cは、軸方向から見て、インバータカバー43の各雌ねじ穴43eと重なる。
【0065】
第2絶縁板59dは、連結部59aの軸方向一方側を向く面から、軸方向一方側に突出する。第2絶縁板59dは、連結部59aの延在方向他方側の端部に配置される。第2絶縁板59dは、板状であり、一対の板面が幅方向を向く。第2絶縁板59dは、延在方向に延びる。第2絶縁板59dは、連結部59aの幅方向の中央部に位置する。第2絶縁板59dの延在方向他方側を向く端面は、第1絶縁板54bの延在方向一方側を向く端面と接触する。つまり第1絶縁板54bと第2絶縁板59dとは、延在方向に並んで配置される。本実施形態によれば、第2絶縁板59dにより、各接続端子57に接続される図示しない外部電源の端子同士の短絡等が抑制される。
【0066】
図2に示すように、第2端子60は、第2コネクタ部53に複数設けられる。複数の第2端子60は、互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では複数の第2端子60が、幅方向に互いに間隔をあけて配置される。第2端子60は、延在方向に延びる板状であり、一対の板面が軸方向を向く。
図3に示すように、第2端子60は、連結部59aおよび外部コネクタ接続部59bにわたって延びる。
【0067】
第2端子60は、第2端子60の少なくとも一部が第2樹脂部59に埋め込まれることにより、第2樹脂部59に保持される。本実施形態では、第2端子60のうち延在方向の両端部間に位置する中間部分が、連結部59aおよび外部コネクタ接続部59bに埋め込まれる。第2端子60の延在方向の両端部は、第2樹脂部59の外部にそれぞれ露出される。具体的に、第2端子60のうち延在方向一方側の端部は、外部コネクタ接続部59bの内部に配置されて、第2樹脂部59の外部に露出される。第2端子60のうち延在方向他方側の端部は、連結部59aの凹部59eの内部に配置されて、第2樹脂部59の外部に露出される。特に図示しないが、第2端子60の延在方向の両端部間に位置する中間部分の幅方向の長さつまり幅は、第2端子60の延在方向の両端部の各幅方向の幅よりも大きい。
【0068】
第2端子60の延在方向他方側の端部は、第1端子56の軸方向一方側の端部と接触する。つまり第2端子60は、第1端子56に接続される。具体的には、第2端子60の軸方向他方側を向く板面のうち延在方向他方側の端部が、第1端子56の第2端子接触部56bの軸方向一方側を向く板面に対して、軸方向一方側から接触する。これにより、第1コネクタ部52と第2コネクタ部53とが電気的に接続される。
【0069】
第1端子56の第2端子接触部56bの幅方向の長さつまり端子幅と、第2端子60の延在方向他方側の端部の幅方向の長さつまり端子幅とは、互いに異なる。つまり、第1端子56のうち第2端子60と接触する部分の端子幅と、第2端子60のうち第1端子56と接触する部分の端子幅とは、互いに異なる。本実施形態では、第1端子56の第2端子接触部56bの端子幅が、第2端子60の延在方向他方側の端部の端子幅よりも大きい。具体的に、第2端子接触部56bの端子幅は、第2端子60の延在方向他方側の端部の端子幅の2倍以上である。本実施形態によれば、第2コネクタ部53を第1コネクタ部52に接続する際に、例えば製造誤差等により第2コネクタ部53が第1コネクタ部52に対して位置ずれした状態で取り付けられても、第1端子56と第2端子60との接触面積を所定値以上に安定して確保できる。
【0070】
図1および
図2に示すように、締結部材70は、例えばボルト部材であり、雄ねじ部を有する。締結部材70の雄ねじ部は、第2コネクタ部53の取付孔59cに挿入されて、雌ねじ穴43eの雌ねじ部にネジ止めされる。これにより締結部材70は、第2コネクタ部53とインバータカバー43とを固定する。締結部材70は、互いに間隔をあけて複数設けられる。本実施形態では、一対の締結部材70が設けられ、一対の締結部材70は、幅方向に互いに間隔をあけて配置される。各締結部材70は、各取付孔59cに挿入されて、各雌ねじ穴43eにネジ止めされる。本実施形態では、第2コネクタ部53が締結部材70によりインバータカバー43に固定されるので、第2コネクタ部53のぐらつきが抑えられ、第2コネクタ部53と外部機器とを安定して接続できる。
【0071】
図3および
図4に示すように、シール部材71は、環状であり、弾性変形可能な材料により構成される。シール部材71は、例えばOリング等である。シール部材71は、第1コネクタ部52のシール溝54aに配置される。シール部材71の外周部は、貫通孔43cの内周部と全周にわたって接触する。これによりシール部材71は、貫通孔43cの内周部と第1コネクタ部52の外周部との間をシールする。本実施形態では、シール部材71により、貫通孔43cの内周部と第1コネクタ部52の外周部との間がシールされるので、貫通孔43cの内側を通して、インバータカバー43の外部から内部へ水やオイルなどの液体および塵埃等が浸入することを抑制できる。
【0072】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
【0073】
前述の実施形態では、第1端子56の第2端子接触部56bの端子幅が、第2端子60の延在方向他方側の端部の端子幅よりも大きい例を挙げたが、これに限らない。第1端子56の第2端子接触部56bの端子幅が、第2端子60の延在方向他方側の端部の端子幅より小さくてもよい。
【0074】
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例およびなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0075】
10…電動ポンプ、20…モータ部、22…シャフト、30…ポンプ部、40…ハウジング、43…インバータカバー、43c…貫通孔、50…インバータ部、51…コネクタ、52…第1コネクタ部、53…第2コネクタ部、55…インバータ基板、56…第1端子、56a…埋込部、56d…湾曲部、57…接続端子、60…第2端子、70…締結部材、71…シール部材、72…固定部材、J…中心軸