(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/60 20130101AFI20231212BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20231212BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231212BHJP
G06F 21/62 20130101ALN20231212BHJP
【FI】
G06F21/60 340
B41J29/42 F
H04N1/00 Z
H04N1/00 127Z
G06F21/62 345
(21)【出願番号】P 2020015624
(22)【出願日】2020-01-31
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新田 真奈美
【審査官】小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-199145(JP,A)
【文献】特開2009-199573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/60
B41J 29/42
H04N 1/00
G06F 21/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
複数のサービスで構成された予め定めた連携サービスに含まれる各サービスから、情報取得に対する許諾の有無を表す許諾情報を取得し、
前記連携サービスの実行前に、取得した前記許諾情報を用いて、各サービスからの情報取得に対する同意をまとめて設定する画面を提示する処理を行
い、
1回実行した前記連携サービスを2回目以降に実行する場合、前記画面を提示せずに、1回目の前記連携サービス実行時の設定に沿って各サービスによる情報取得を行う情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、複数のサービスからの情報取得に対する同意を取得項目毎に選択的に同意可能な画面を提示する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、1回実行した前記連携サービスを2回目以降に実行する
際に、異なる取得項目が存在する場合、差分の取得項目を設定する画面を提示する処理を行う請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
複数のサービスで構成された予め定めた連携サービスに含まれる各サービスから、情報取得に対する許諾の有無を表す許諾情報を取得し、
前記連携サービスの実行前に、取得した前記許諾情報を用いて、各サービスからの情報取得に対する同意をまとめて設定する画面を提示する処理を行い、
既存の前記連携サービスに対してサービスを追加した追加連携サービスを実行する際に、追加したサービスについて既に同意されている場合、前記画面を提示せずに、各サービスによる情報取得を行う情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記追加連携サービスに含まれるサービスに異なる取得項目が存在する場合、差分の取得項目を設定する画面を提示する処理を行う請求項
4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
新規の前記連携サービスが、既存の前記連携サービスに類似する場合であっても、前記画面を提示する処理を行う請求項
1~5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項に記載の情報処理装置と、
前記連携サービスに含まれるサービスを提供する提供装置と、
を含む情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータに、
複数のサービスで構成された予め定めた連携サービスに含まれる各サービスから、情報取得に対する許諾の有無を表す許諾情報を取得し、
前記連携サービスの実行前に、取得した前記許諾情報を用いて、各サービスからの情報取得に対する同意をまとめて設定する画面を提示し、
1回実行した前記連携サービスを2回目以降に実行する場合、前記画面を提示せずに、1回目の前記連携サービス実行時の設定に沿って各サービスによる情報取得を行う処理を実行させるための情報処理プログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
複数のサービスで構成された予め定めた連携サービスに含まれる各サービスから、情報取得に対する許諾の有無を表す許諾情報を取得し、
前記連携サービスの実行前に、取得した前記許諾情報を用いて、各サービスからの情報取得に対する同意をまとめて設定する画面を提示
し、
既存の前記連携サービスに対してサービスを追加した追加連携サービスを実行する際に、追加したサービスについて既に同意されている場合、前記画面を提示せずに、各サービスによる情報取得を行う処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像読み取り手段によって読み取られた画像データに対する処理フローが定義されたフロー定義情報に基づいて、それぞれが処理フローにおける一部の処理を実行する複数の処理実行手段を特定し、複数の処理実行手段の中で認証を必要とする各処理実行手段に対応する認証情報の項目を示す認証情報項目情報を認証が必要な各処理実行手段から取得し、取得した認証情報項目情報を統合して一つの認証画面を表示させる認証画面定義情報を生成する認証画面生成手段を有する情報処理装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のサービスで構成された連携サービスにおいて、各サービスからの情報取得について同意を得る必要がある場合、各サービスを実行する際に順番に各サービスからの情報取得に対する許諾の有無を表示して同意を得るという煩雑な処理が必要であった。そこで、本発明は、複数のサービスで構成された連携サービスを実行する場合に、各サービスを実行する際に情報取得に対する許諾の有無を順番に表示して情報取得に対する同意を得る場合に比べて、各サービスからの情報取得に対する同意を容易に得ることが可能な情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、複数のサービスで構成された予め定めた連携サービスに含まれる各サービスから、情報取得に対する許諾の有無を表す許諾情報を取得し、前記連携サービスの実行前に、取得した前記許諾情報を用いて、各サービスからの情報取得に対する同意をまとめて設定する画面を提示する処理を行い、1回実行した前記連携サービスを2回目以降に実行する場合、前記画面を提示せずに、1回目の前記連携サービス実行時の設定に沿って各サービスによる情報取得を行う。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記プロセッサは、複数のサービスからの情報取得に対する同意を取得項目毎に選択的に同意可能な画面を提示する。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記プロセッサは、1回実行した前記連携サービスを2回目以降に実行する際に、異なる取得項目が存在する場合、差分の取得項目を設定する画面を提示する処理を行う。
【0009】
請求項4に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、複数のサービスで構成された予め定めた連携サービスに含まれる各サービスから、情報取得に対する許諾の有無を表す許諾情報を取得し、前記連携サービスの実行前に、取得した前記許諾情報を用いて、各サービスからの情報取得に対する同意をまとめて設定する画面を提示する処理を行い、既存の前記連携サービスに対してサービスを追加した追加連携サービスを実行する際に、追加したサービスについて既に同意されている場合、前記画面を提示せずに、各サービスによる情報取得を行う。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記プロセッサは、前記追加連携サービスに含まれるサービスに異なる取得項目が存在する場合、差分の取得項目を設定する画面を提示する処理を行う。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1~5の何れか1項に記載の発明において、前記プロセッサは、新規の前記連携サービスに含まれるサービスが、既存の前記連携サービスに類似する場合であっても、前記画面を提示する処理を行う。
【0012】
請求項7に記載の情報処理システムは、請求項1~6の何れか1項に記載の情報処理装置と、前記連携サービスに含まれるサービスを提供する提供装置と、を含む。
【0013】
請求項8に記載の情報処理プログラムは、コンピュータに、複数のサービスで構成された予め定めた連携サービスに含まれる各サービスから、情報取得に対する許諾の有無を表す許諾情報を取得し、前記連携サービスの実行前に、取得した前記許諾情報を用いて、各サービスからの情報取得に対する同意をまとめて設定する画面を提示し、1回実行した前記連携サービスを2回目以降に実行する場合、前記画面を提示せずに、1回目の前記連携サービス実行時の設定に沿って各サービスによる情報取得を行う処理を実行させる。
請求項9に記載の情報処理プログラムは、コンピュータに、複数のサービスで構成された予め定めた連携サービスに含まれる各サービスから、情報取得に対する許諾の有無を表す許諾情報を取得し、前記連携サービスの実行前に、取得した前記許諾情報を用いて、各サービスからの情報取得に対する同意をまとめて設定する画面を提示し、既存の前記連携サービスに対してサービスを追加した追加連携サービスを実行する際に、追加したサービスについて既に同意されている場合、前記画面を提示せずに、各サービスによる情報取得を行う処理を実行させる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の情報処理装置によれば、複数のサービスで構成された連携サービスを実行する場合に、各サービスを実行する際に情報取得に対する許諾の有無を順番に表示して情報取得に対する同意を得る場合に比べて、各サービスからの情報取得に対する同意を容易に得ることが可能な情報処理装置を提供でき、かつ同じ連携サービスを実行する毎に、情報取得に対する同意を設定する画面を提示する場合に比べて、操作を簡素化することが可能となる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、各サービスからの情報取得に対して部分的に同意を得ることが可能となる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、同じ連携サービスを実行する際に、異なる取得項目が存在する場合に、全ての取得項目を設定する画面を提示する場合に比べて、見やすい画面を提示することが可能となる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、複数のサービスで構成された連携サービスを実行する場合に、各サービスを実行する際に情報取得に対する許諾の有無を順番に表示して情報取得に対する同意を得る場合に比べて、各サービスからの情報取得に対する同意を容易に得ることが可能な情報処理装置を提供でき、かつ既存の前記連携サービスに対してサービスを追加した追加連携サービスを実行する際に、追加したサービスについて既に同意されている場合に、再度画面を提示して同意を得る場合に比べて、情報取得に対する同意の操作を簡略化できる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、既存の前記連携サービスに対してサービスを追加した追加連携サービスを実行する際に、追加連携サービスに含まれるサービスに異なる取得項目が存在する場合に、全ての取得項目を設定する画面を提示する場合に比べて、見やすい画面を提示することが可能となる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、連携サービスの用途毎に、情報取得に対する同意を得ることが可能となる。
【0021】
請求項7に記載の情報処理システムによれば、複数のサービスで構成された連携サービスを実行する場合に、各サービスを実行する際に情報取得に対する許諾の有無を順番に表示して情報取得に対する同意を得る場合に比べて、各サービスからの情報取得に対する同意を容易に得ることが可能な情報処理システムを提供でき、かつ同じ連携サービスを実行する毎に、情報取得に対する同意を設定する画面を提示する場合に比べて、操作を簡素化することが可能となる。
【0022】
請求項8に記載の情報処理プログラムによれば、複数のサービスで構成された連携サービスを実行する場合に、各サービスを実行する際に情報取得に対する許諾の有無を順番に表示して情報取得に対する同意を得る場合に比べて、各サービスからの情報取得に対する同意を容易に得ることが可能な情報処理プログラムを提供でき、かつ同じ連携サービスを実行する毎に、情報取得に対する同意を設定する画面を提示する場合に比べて、操作を簡素化することが可能となる。
請求項9に記載の情報処理プログラムによれば、複数のサービスで構成された連携サービスを実行する場合に、各サービスを実行する際に情報取得に対する許諾の有無を順番に表示して情報取得に対する同意を得る場合に比べて、各サービスからの情報取得に対する同意を容易に得ることが可能な情報処理プログラムを提供でき、かつ既存の前記連携サービスに対してサービスを追加した追加連携サービスを実行する際に、追加したサービスについて既に同意されている場合に、再度画面を提示して同意を得る場合に比べて、情報取得に対する同意の操作を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理端末及びクラウドサーバの電気系の要部構成を示すブロック図である。
【
図4】画像形成サービス、文字認識サービス、及び翻訳サービスの各々の許諾画面を表示して同意を得る例を示す図である。
【
図5】画像形成サービス、文字認識サービス、及び翻訳サービスの各々から許諾情報を取得して、まとめて許諾画面をユーザインタフェースのディスプレイに表示して同意を得る例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る情報処理システムの画像形成装置において、連携サービスの実行操作が行われた場合に行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】個人情報の提供に同意するか否かの同意を得るための許諾画面の一例を示す図である。
【
図8】部分的に拒否できる選択式の許諾画面の一例を示す図である。
【
図9】2回目以降の連携サービスについては同意した内容から更新がなければ、許諾画面の再表示を省略し、同意が必要な取得項目の追加がある場合には、差分の取得項目について許諾画面に表示する例を説明するための図である。
【
図10】サービスAとサービスBを含む連携サービス1に同意して実行後に、連携サービス1に、新たに同意が必要なサービスCを追加した連携サービス2を実行する場合を説明するための図である。
【
図11】本実施形態に係る情報処理システムの画像形成装置において、連携サービスの実行操作が行われた場合に行われる処理の流れの変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本実施形態の一例を詳細に説明する。本実施形態では、複数の画像形成装置、複数の情報処理端末、及び複数のクラウドサーバがネットワーク等の通信回線を介して各々接続された情報処理システムを一例として説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の概略構成を示す図である。
【0025】
本実施形態に係る情報処理システム10は、
図1に示すように、複数の画像形成装置12a、12b、・・・と、複数の情報処理端末14a、14b、・・・と、複数のクラウドサーバ16a、16b、・・・とを備えている。なお、画像形成装置12a、12b、・・・や、情報処理端末14a、14b・・・、クラウドサーバ16a、16b、・・・を区別して説明する必要がない場合は、符号末尾のアルファベットを省略して記載することがある。また、本実施形態では、複数の画像形成装置12a、12b 、・・・、情報処理端末14a、14b、・・・、及び複数のクラウドサーバ16a、16b、・・・を備える例を説明するが、画像形成装置12、情報処理端末14、及びクラウドサーバ16の少なくとも一方は1つでもよい。また、本実施形態では、画像形成装置12を情報処理装置の一例とした場合を説明する。
【0026】
各画像形成装置12、情報処理端末14、及びクラウドサーバ16は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、イントラネット等の通信回線18を介して各々接続されている。そして、画像形成装置12、情報処理端末14、及びクラウドサーバ16の各々は、通信回線18を介して各種データの送受信を相互に行うことが可能とされている。
【0027】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置12の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【0028】
本実施形態に係る画像形成装置12は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、及びRAM(Random Access Memory)20Cを含むコントロール・ユニット20を備えている。CPU20Aは、画像形成装置12の全体の動作を司る。RAM20Cは、CPU20Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。ROM20Bは、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。そして、画像形成装置12は、コントロール・ユニット20の各部がシステムバス42によって電気的に接続されている。
【0029】
一方、本実施形態に係る画像形成装置12は、利用者情報、設定パラメータ、及び連携サービス(詳細は後述)に関する各種情報等の各種のデータやアプリケーション・プログラム等を記憶するHDD(hard disk drive)26を備えている。また、画像形成装置12は、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22のディスプレイへの各種の操作画面等の表示を制御する表示制御部28を備えている。また、画像形成装置12は、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22を介して入力される操作指示を検出する操作入力検出部30を備えている。そして、画像形成装置12では、HDD26、表示制御部28、および操作入力検出部30がシステムバス42に電気的に接続されている。なお、本実施形態に係る画像形成装置12では、記憶部としてHDD26を適用しているが、これに限らず、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部を適用してもよい。
【0030】
また、本実施形態に係る画像形成装置12は、原稿読取部44による光学的な画像の読み取り動作、及び原稿搬送部による原稿送り動作を制御する読取制御部32と、画像形成部24による画像形成処理、及び搬送部25による画像形成部24への用紙の搬送を制御する画像形成制御部34と、を備えている。また、画像形成装置12は、通信回線18に接続され、当該通信回線18に接続されたクラウドサーバ16等の他の外部装置と通信データの送受信を行う通信回線I/F(インタフェース)部36と、を備えている。また、画像形成装置12は、図示しない電話回線に接続され、当該電話回線に接続されているファクシミリ装置とファクシミリデータの送受信を行うファクシミリI/F(インタフェース)部38を備えている。また、画像形成装置12は、ファクシミリI/F部38を介したファクシミリデータの送受信を制御する送受信制御部40を備えている。そして、画像形成装置12では、送受信制御部40、読取制御部32、画像形成制御部34、通信回線I/F部36、及びファクシミリI/F部38がシステムバス42に電気的に接続されている。
【0031】
以上の構成により、本実施形態に係る画像形成装置12は、CPU20Aにより、RAM20C、ROM20B、及びHDD26へのアクセスを各々実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、表示制御部28を介したユーザインタフェース22のディスプレイへの操作画面、各種のメッセージ等の情報の表示の制御を実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、読取制御部32を介した原稿読取部44及び原稿搬送部の作動の制御を実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、画像形成制御部34を介した画像形成部24及び搬送部25の作動の制御と、通信回線I/F部36を介した通信データの送受信の制御と、を各々実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、送受信制御部40によるファクシミリI/F部38を介したファクシミリデータの送受信の制御を実行する。さらに、画像形成装置12は、CPU20Aにより、操作入力検出部30によって検出された操作情報に基づくユーザインタフェース22における操作内容の把握が行われ、この操作内容に基づく各種の制御を実行する。
【0032】
続いて、本実施形態に係る情報処理端末14及びクラウドサーバ16の電気系の要部構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る情報処理端末14及びクラウドサーバ16の電気系の要部構成を示すブロック図である。なお、情報処理端末14及びクラウドサーバ16は基本的には一般的なコンピュータの構成とされているので、ここではクラウドサーバ16を代表して説明する。
【0033】
本実施形態に係るクラウドサーバ16は、
図3に示すように、CPU16A、ROM16B、RAM16C、HDD16D、キーボード16E、ディスプレイ16F、及び通信回線I/F(インタフェース)部16Gを備えている。CPU16Aは、クラウドサーバ16の全体の動作を司る。ROM16Bは、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。RAM16Cは、CPU16Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。HDD16Dは、各種のデータやアプリケーション・プログラム等が記憶される。キーボード16Eは各種の情報を入力するために用いられる。ディスプレイ16Fは、各種の情報を表示するために用いられる。通信回線I/F部16Gは、通信回線18に接続され、当該通信回線18に接続された他の装置と各種データの送受信を行う。以上のクラウドサーバ16の各部はシステムバス16Hにより電気的に相互に接続されている。なお、本実施形態に係るクラウドサーバ16では、HDD16Dを記憶部として適用しているが、これに限らず、フラッシュメモリ等の他の不揮発性の記憶部を適用してもよい。
【0034】
以上の構成により、本実施形態に係るクラウドサーバ16は、CPU16Aにより、ROM16B、RAM16C、及びHDD16Dに対するアクセス、キーボード16Eを介した各種データの取得、ディスプレイ16Fに対する各種情報の表示を各々実行する。また、クラウドサーバ16は、CPU16Aにより、通信回線I/F部16Gを介した通信データの送受信の制御を実行する。
【0035】
上述のように構成された情報処理システム10では、連携サービスが可能とされている。ここで、連携サービスとは、画像形成装置12及びクラウドサーバ16の各々が提供する複数の各種サービスを連携したものである。例えば、画像形成装置12が提供する画像形成サービス、クラウドサーバ16が提供する翻訳サービスや文字認識サービスなどを組み合わせた連携サービスが可能とされている。なお、情報処理端末14がサービスを更に提供してもよい。また、連携サービスは、本実施形態では、画像形成装置12のユーザインタフェース22により連携サービスに対する指示等の操作を行う場合を一例として説明するが、情報処理端末14にインストールされたアプリケーションを介して操作してもよい。或いは、
図1の点線で示すように、無線基地局17を介して接続された携帯端末19にインストールされたアプリケーションを介して連携サービスを操作してもよい。
【0036】
ところで、連携サービスを構成する各サービスでは、利用状況の把握等のために、利用者の情報を収集する場合がある。利用者の情報を収集する場合、利用者の同意なく取得することは、プライバシーポリシーに反するため、利用者の同意を得てから情報を取得する必要がある。例えば、
図4に示すように、画像形成装置12のユーザインタフェース22から連携サービスの実行を指示した場合、サービス毎に利用者の同意を得るための許諾画面をユーザインタフェース22のディスプレイに表示して利用者から同意を得ていた。具体的には、画像形成装置12が提供する画像形成サービスにより英語文書を読み取って、クラウド上の文字認識サービスで文字認識し、翻訳サービスを利用して翻訳し、画像形成装置12により用紙に画像を形成する連携サービスでは、画像形成サービス、文字認識サービス、及び翻訳サービスのそれぞれが情報取得を行っているため、それぞれについて許諾画面を提示して同意を得る必要がある。
図4の例では、画像形成サービス、文字認識サービス、及び翻訳サービスの各々の許諾画面を表示して同意を得る例を示す。
図4に示すように、各サービスがそれぞれ情報取得の許諾画面を表示すると、利用者は1度の連携サービスのために、サービス毎に同じような許諾画面に対する操作を繰り返し行う必要があった。
【0037】
そこで、本実施形態に係る情報処理システム10では、連携サービスに含まれる各サービスから、情報取得に対する同意の有無を表す許諾情報を取得する。そして、連携サービスの実行前に、取得した許諾情報を用いて、各サービスからの情報取得に対する同意をまとめて設定する許諾画面を提示する処理を行う。これにより、1つの画面に対する操作で、連携サービスを構成する各サービスからの情報取得に対する同意の有無の操作が行われる。例えば、
図5の例では、画像形成サービス、文字認識サービス、及び翻訳サービスの各々から許諾情報を取得して、まとめて設定する許諾画面をユーザインタフェース22のディスプレイに表示して同意を得る例を示す。また、
図5の例では、画像形成サービスから障害調査、サービス向上、及びマーケティングを目的とした情報取得であることを表す許諾情報を取得する。また、文字認識サービスから障害調査及びサービス向上を目的とした情報取得であることを表す許諾情報を取得する。また、翻訳サービスからサービス向上を目的とした情報取得であることを表す許諾情報を取得する。そして、取得した許諾情報を用いて、各サービスからの情報取得に対する同意をまとめて設定する画面を提示する。なお、許諾情報をまとめて設定する許諾画面は、画面を切り替えずに、同一画面上に許諾情報を表示する画面である。ここで、同一画面とは、他の画面に切り替えずに、画像をスクロールして表示するものを含む。
【0038】
続いて、上述のように構成された本実施形態に係る情報処理システム10の具体的な処理について説明する。詳細には、情報処理システム10の画像形成装置12において、連携サービスの実行操作が行われた場合に行われる具体的な処理例について説明する。
図6は、本実施形態に係る情報処理システム10の画像形成装置12において、連携サービスの実行操作が行われた場合に行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図6の処理は、例えば、予め定めた利用者認証が行われて、連携サービスの実行操作がユーザインタフェース22を介して行われた場合に開始する。利用者認証としては、例えば、カードによる認証等の一般的な認証が適用される。
【0039】
ステップ100では、CPU20Aが、連携サービスの各サービスに対して許諾情報リクエストを行ってステップ102へ移行する。すなわち、画像形成装置12から連携サービスの各サービスを行う画像形成装置12や、クラウドサーバ16に対して各サービスからの情報取得に対する許諾の有無を表す許諾情報の送信を要求する許諾リクエストを行う。
【0040】
ステップ102では、CPU20Aが、各サービスから許諾情報を取得したか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップ104へ移行する。例えば、プラグインや各サービスから特定のフォーマットで許諾画面の生成に必要な許諾情報を取得する。
【0041】
ステップ104では、CPU20Aが、各サービスからの情報取得に対する同意をまとめて設定する許諾画面を生成してユーザインタフェース22のディスプレイに表示してステップ106へ移行する。例えば、個人情報の提供に同意するか否かの同意を得るための許諾画面の一例を
図7に示す。
図7の許諾画面では、各サービスの取得情報の利用目的、提供先、取得対象、及び管理についての情報をまとめて表示する例を示す。なお、取得項目は、
図8に示すように、部分的に拒否できる選択式の許諾画面としてもよい。
【0042】
ステップ106では、CPU20Aが、許諾画面に対して同意する操作が行われたか否かを判定する。例えば、
図7及び
図8の許諾画面の例では、「同意する」を選択する操作が行われたか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ108へ移行し、肯定された場合にはステップ110へ移行する。
【0043】
ステップ108では、CPU20Aが、情報取得せずに、連携サービスを実行して一連の処理を終了する。
【0044】
一方、ステップ110では、CPU20Aが、連携サービスを実行し、許諾画面に対する同意に応じた情報を取得してステップ112へ移行する。
【0045】
ステップ112では、CPU20Aが、取得した情報を要求元の各サービスに送信して一連の処理を終了する。
【0046】
なお、連携サービスを複数回行う場合には、その都度、同意を得る必要があるが、2回目以降の連携サービスを実行する際には、許諾画面の表示を省略してもよい。例えば、2回目以降の連携サービスについては同意した内容から更新がなければ、許諾画面を表示せずに、1回目の連携サービス実行時の設定に沿って各サービスによる情報取得を行う。また、2回目以降の連携サービスを実行する際に、
図9に示すように、同意が必要な取得項目の追加がある場合には、差分の取得項目について許諾画面に表示する。
図9の例では、取得項目A及び取得項目Dの同意が必要なサービスAと、取得項目B及び取得項目Dの同意が必要なサービスBを含む連携サービスに同意して実行後に、2回目の連携サービスを行う際に、新たにサービスAについて取得項目Cが追加された例を示す。この例では、差分の取得項目として取得項目Cを許諾画面に表示して同意を得る。
【0047】
また、既存の連携サービスに対して類似する連携サービスを構成した場合、同意を再度得る必要があるが、既存の連携サービスに対してサービスを追加した場合には、既に同意を得ている取得項目のみの場合は、許諾画像の再表示を省略し、既存の連携サービスの許諾内容に沿って情報を取得してもよい。ここで、追加サービスに新規の取得項目があれば、既に同意されていない差分の取得項目のみを抽出して許諾画面に表示してもよい。例えば、
図10に示すように、取得項目A、取得項目D、及び取得項目Eの同意が必要なサービスAと、取得項目B及び取得項目Dの同意が必要なサービスBを含む連携サービス1に同意して実行後に、連携サービス1に、取得項目A、取得項目C、取得項目E、及び取得項目Fの同意が必要なサービスCを追加した連携サービス2を実行する場合を示す。
図10では、連携サービス1に同意済みであれば、差分項目の取得項目C及び取得項目Fを許諾画面に表示して同意を得る。なお、既存の連携サービスに対して、全く別のサービスで構成された全く新規の連携サービスの場合は、既に同意された取得項目であっても、連携サービスの用途が異なると判断されるため、新規に許諾画面を表示して同意を得る。
【0048】
ここで、これらの内容を含む場合の情報処理システム10の具体的な処理について説明する。
図11は、本実施形態に係る情報処理システム10の画像形成装置12において、連携サービスの実行操作が行われた場合に行われる処理の流れの変形例を示すフローチャートである。
【0049】
ステップ200では、CPU20Aが、連携サービスの各サービスに対して許諾情報リクエストを行ってステップ202へ移行する。すなわち、画像形成装置12から連携サービスの各サービスを行う画像形成装置12や、クラウドサーバ16に対して各サービスからの情報取得に対する許諾の有無を表す許諾情報の送信を要求する許諾リクエストを行う。
【0050】
ステップ202では、CPU20Aが、各サービスから許諾情報を取得したか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップ204へ移行する。例えば、プラグインや各サービスから特定のフォーマットで許諾画面の生成に必要な許諾情報を取得する。
【0051】
ステップ204では、CPU20Aが、新規連携サービスであるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ206へ移行し、否定された場合にはステップ208へ移行する。
【0052】
ステップ206では、CPU20Aが、各サービスからの情報取得に対する同意をまとめて設定する許諾画面を生成してユーザインタフェース22のディスプレイに表示してステップ216へ移行する。例えば、上述の
図7に示す許諾画面を表示する。
図7の許諾画面では、各サービスの取得情報の利用目的、提供先、取得対象、及び管理についての情報をまとめた例を示す。なお、取得項目は、
図8に示すように、部分的に拒否できる選択式の許諾画面としてもよい。
【0053】
ステップ208では、CPU20Aが、既存の連携サービスにサービスが追加された連携サービスであるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ210へ移行し、否定された場合にはステップ212へ移行する。
【0054】
ステップ210では、CPU20Aが、追加されたサービスが同意済みであるか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ214へ移行し、肯定された場合にはステップ220へ移行する。
【0055】
ステップ212では、CPU20Aが、同意が必要な取得項目に差分があるか否かを判定する。該判定は、1回実行した連携サービスに対して取得項目に変更があるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ214へ移行し、否定された場合にはステップ220へ移行する。
【0056】
ステップ214では、CPU20Aが、差分の取得項目に対する同意をまとめて設定する許諾画面を生成してユーザインタフェース22のディスプレイに表示してステップ216へ移行する。
【0057】
ステップ216では、CPU20Aが、許諾画面に対して同意する操作が行われたか否かを判定する。例えば、
図7及び
図8の許諾画面の「同意する」を選択する操作が行われたか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ218へ移行し、肯定された場合にはステップ220へ移行する。
【0058】
ステップ218では、CPU20Aが、情報取得せずに、連携サービスを実行して一連の処理を終了する。
【0059】
一方、ステップ220では、CPU20Aが、連携サービスを実行し、許諾画面に対する同意に応じた情報を取得してステップ222へ移行する。
【0060】
ステップ222では、CPU20Aが、取得した情報を要求元の各サービスに送信して一連の処理を終了する。
【0061】
なお、上記の実施形態では、画像形成装置12が、許諾画面を提示する処理を行う例を説明したが、これに限るものではない。例えば、クラウドサーバ16やプリントサーバ等の他のサーバが許諾画面を提示する処理を行ってもよい。或いは、利用者が携帯する携帯端末19が、許諾画面を提示する処理を行ってよい。
【0062】
また、上記の実施形態において、CPUをプロセッサの一例として説明したが、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0063】
また、上記の実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0064】
また、上記の実施形態に係る画像形成装置12で行われる処理は、ソフトウエアで行われる処理としてもよいし、ハードウエアで行われる処理としてもよいし、双方を組み合わせた処理としてもよい。また、画像形成装置12で行われる処理は、プログラムとして記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
【0065】
また、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において一部の処理を省略するなどして種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0066】
10 情報処理システム
12 画像形成装置
14 情報処理端末
16 クラウドサーバ
20A CPU
22 ユーザインタフェース