(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】購入管理システム、サーバ装置、購入管理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20231212BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20231212BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20231212BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20231212BHJP
【FI】
G07G1/12 361D
G07G1/00 301D
G07G1/01 301D
G07G1/12 311B
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2020030659
(22)【出願日】2020-02-26
【審査請求日】2023-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】池澤 るみ
(72)【発明者】
【氏名】昆金 学
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-101501(JP,A)
【文献】特開2019-032606(JP,A)
【文献】特開2018-045496(JP,A)
【文献】特開2015-018513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 5/00
G06Q 10/00-99/00
G07F 5/00- 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と、携帯端末とを備える購入管理システムであって、
前記サーバ装置は、
商品に付されたコードから読み取られた商品識別情報を前記携帯端末から受信する商品識別情報取得部と、
前記商品識別情報に対応付けて、前記商品がイートインの対象となるイートイン対象商品であるか否かを商品情報として記憶する記憶部と、
前記商品識別情報に基づいて、購入商品リストを作成するリスト作成部と、
前記商品情報に基づいて、前記購入商品リストから前記イートイン対象商品を抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出したイートイン対象商品を選択可能なイートイン選択画面を生成し、前記携帯端末へ送信する選択画面生成部と、
を備え、
前記携帯端末は、
購入する商品の前記商品識別情報を前記サーバ装置へ送信する商品識別情報送信部と、
前記サーバ装置から前記イートイン選択画面を受信し、表示する表示制御部と、
前記イートイン選択画面において、前記イートイン対象商品の中から、イートインする商品であるイートイン商品を選択する選択部と、
前記イートイン商品の商品識別情報をイートイン情報として前記サーバ装置へ送信するイートイン情報送信部と、
を備える購入管理システム。
【請求項2】
前記選択画面生成部は、前記イートイン対象商品のみを表示するイートイン選択画面を生成することを特徴とする請求項1に記載の購入管理システム。
【請求項3】
前記選択画面生成部は、前記購入商品リストに含まれる全ての商品を表示し、前記イートイン対象商品を選択可能、当該イートイン対象商品以外の商品を選択不可能とするイートイン選択画面を生成することを特徴とする請求項1に記載の購入管理システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、
前記購入商品リストに基づいて、押下によりイートイン選択画面の要求を行うイートインボタンを含む購入商品画面を生成し、前記携帯端末へ送信する購入商品画面生成部を備え、
前記表示制御部は、前記サーバ装置から前記購入商品画面を受信して表示し、
前記選択画面生成部は、前記イートインボタンの押下により前記要求が行われた場合に、前記イートイン選択画面を生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の購入管理システム。
【請求項5】
前記サーバ装置は、
前記商品識別情報取得部が取得した商品識別情報と、前記商品情報とに基づいて、当該商品識別情報が示す商品が前記イートイン対象商品であるか否かを判定するイートイン判定部、を備え、
前記購入商品画面生成部は、前記イートイン判定部が前記イートイン対象商品であると判定した場合に、前記イートインボタンを含む購入商品画面を生成することを特徴とする請求項4に記載の購入管理システム。
【請求項6】
前記抽出部は、前記購入商品リストから前記イートイン対象商品と、当該イートイン対象商品の個数とを抽出し、
前記選択画面生成部は、前記イートイン対象商品の個数を含む前記イートイン選択画面を生成するものであり、
前記選択部は、
前記イートイン対象商品の中から前記イートイン商品を選択するとともに、当該イートイン商品の個数を入力するものであって、
前記イートイン選択画面に含まれる全部ボタンが押下されると、選択された前記イートイン対象商品の個数を特定し、当該個数全てを前記イートイン商品の個数とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の購入管理システム。
【請求項7】
前記商品情報は、前記商品識別情報に対応付けて、前記商品の基本価格を記憶しており、
前記サーバ装置は、
前記携帯端末から前記イートイン情報を受信するイートイン情報受信部と、
前記イートイン商品に適用される税率を含む税率情報と、前記イートイン情報と、前記基本価格と、前記購入商品リストと、に基づいて、前記商品の最終価格を算出する最終価格算出部と、を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の購入管理システム。
【請求項8】
前記記憶部は、売価の変更に関する売価変更情報を記憶しており、
前記サーバ装置は、
前記売価変更情報と、前記購入商品リストとに基づき、前記購入商品リストの商品に対する売価の変更要否を判定する要否判定部と、
前記売価の変更が必要な場合に、前記基本価格と、前記購入商品リストと、前記売価変更情報とに基づいて、前記商品の変更価格を算出する変更価格算出部と、
を備え、
前記最終価格算出部は、前記売価の変更が必要な場合に、前記税率情報と、前記イートイン情報と、前記変更価格と、前記購入商品リストと、に基づいて、前記商品の最終価格を算出する請求項7に記載の購入管理システム。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記購入商品画面において、前記イートイン商品と、前記イートイン商品以外の商品とを区別して表示することを特徴とする請求項4
又は5に記載の購入管理システム。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記購入商品画面において、前記イートイン商品以外の商品と、明細確認ボタンとを表示しており、前記明細確認ボタンが押下されると、さらに前記イートイン商品を表示することを特徴とする請求項9に記載の購入管理システム。
【請求項11】
顧客が使用する携帯端末と通信可能なサーバ装置であって、
商品に付されたコードから読み取られた商品識別情報を前記携帯端末から受信する商品識別情報取得部と、
前記商品識別情報に対応付けて、前記商品がイートインの対象となるイートイン対象商品であるか否かを商品情報として記憶する記憶部と、
前記商品識別情報に基づいて、購入商品リストを作成するリスト作成部と、
前記商品情報に基づいて、前記購入商品リストから前記イートイン対象商品を抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出したイートイン対象商品を選択可能なイートイン選択画面を生成し、前記携帯端末へ送信する選択画面生成部と、
を備えるサーバ装置。
【請求項12】
顧客が使用する携帯端末と通信可能なサーバ装置により実行される購入管理方法であって、
商品に付されたコードから読み取られた商品識別情報を前記携帯端末から受信し、
前記商品識別情報に対応付けて、前記商品がイートインの対象となるイートイン対象商品であるか否かを商品情報として記憶し、
前記商品識別情報に基づいて、購入商品リストを作成し、
前記商品情報に基づいて、前記購入商品リストから前記イートイン対象商品を抽出し、
抽出したイートイン対象商品を選択可能なイートイン選択画面を生成し、前記携帯端末へ送信する購入管理方法。
【請求項13】
商品に付されたコードから読み取られた商品識別情報を携帯端末から受信し、
前記商品識別情報に対応付けて、前記商品がイートインの対象となるイートイン対象商品であるか否かを商品情報として記憶し、
前記商品識別情報に基づいて、購入商品リストを作成し、
前記商品情報に基づいて、前記購入商品リストから前記イートイン対象商品を抽出し、
抽出したイートイン対象商品を選択可能なイートイン選択画面を生成し、前記携帯端末へ送信する処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルフレジを用いた商品販売システムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
来店した顧客が商品を購入するための商品販売システムとして、顧客が所有するスマートフォンなどの携帯端末を用いて、顧客が商品のバーコードを読み取って商品登録を行い、精算を行うシステムが知られている。例えば、特許文献1には、購入対象となる商品の商品情報を取得し、取得した全ての商品情報を含む精算情報を管理サーバに送信する携帯端末と、精算情報に含まれる商品情報に基づいて、各商品名を価格の高い順に列記したソート明細情報を生成及び出力する管理サーバとを備えたセルフショッピングシステムが開示されている。
【0003】
2019年10月より、消費税率引き上げに伴い、軽減税率が導入されている。そのため、店舗において軽減税率の対象となる飲食料品は、購入した店舗内で飲食する(以下、「イートイン」と呼ぶ。)ならば標準税率(10%)が適用され、持ち帰る(以下、「テイクアウト」とも呼ぶ。)ならば軽減税率(8%)が適用される。特許文献2は、販売形態によって税率が異なる商品を複数同時に販売する際、イートイン時に適用する第1税率と、テイクアウト時に適用する第2税率とに基づいて、税率別の合計課税額と、税率別の税込み合計金額を算出し、出力する方法を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-41354号公報
【文献】特開2019-40442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献2の手法において、顧客は、商品登録を行うときに当該商品のイートインする個数又はテイクアウトする個数を設定する。そのため、一通り商品登録を行った後にイートインする商品の選択や個数設定を行うことができず不便であった。
【0006】
本発明の目的は、セルフレジを用いた購入管理システムにおいて、登録済商品の中から対象となる商品のみを抽出し、イートインする商品を任意のタイミングで容易に選択可能なことを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの観点は、サーバ装置と、携帯端末とを備える購入管理システムであって、
前記サーバ装置は、
商品に付されたコードから読み取られた商品識別情報を前記携帯端末から受信する商品識別情報取得部と、
前記商品識別情報に対応付けて、前記商品がイートインの対象となるイートイン対象商品であるか否かを商品情報として記憶する記憶部と、
前記商品識別情報に基づいて、購入商品リストを作成するリスト作成部と、
前記商品情報に基づいて、前記購入商品リストから前記イートイン対象商品を抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出したイートイン対象商品を選択可能なイートイン選択画面を生成し、前記携帯端末へ送信する選択画面生成部と、
を備え、
前記携帯端末は、
購入する商品の前記商品識別情報を前記サーバ装置へ送信する商品識別情報送信部と、
前記サーバ装置から前記イートイン選択画面を受信し、表示する表示制御部と、
前記イートイン選択画面において、前記イートイン対象商品の中から、イートインする商品であるイートイン商品を選択する選択部と、
前記イートイン商品の商品識別情報をイートイン情報として前記サーバ装置へ送信するイートイン情報送信部と、を備える。
【0008】
本発明の他の観点では、顧客が使用する携帯端末と通信可能なサーバ装置であって、
商品に付されたコードから読み取られた商品識別情報を前記携帯端末から受信する商品識別情報取得部と、
前記商品識別情報に対応付けて、前記商品がイートインの対象となるイートイン対象商品であるか否かを商品情報として記憶する記憶部と、
前記商品識別情報に基づいて、購入商品リストを作成するリスト作成部と、
前記商品情報に基づいて、前記購入商品リストから前記イートイン対象商品を抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出したイートイン対象商品を選択可能なイートイン選択画面を生成し、前記携帯端末へ送信する選択画面生成部と、を備える。
【0009】
本発明の他の観点では、顧客が使用する携帯端末と通信可能なサーバ装置により実行される購入管理方法であって、
商品に付されたコードから読み取られた商品識別情報を前記携帯端末から受信し、
前記商品識別情報に対応付けて、前記商品がイートインの対象となるイートイン対象商品であるか否かを商品情報として記憶し、
前記商品識別情報に基づいて、購入商品リストを作成し、
前記商品情報に基づいて、前記購入商品リストから前記イートイン対象商品を抽出し、
抽出したイートイン対象商品を選択可能なイートイン選択画面を生成し、前記携帯端末へ送信する。
【0010】
本発明のさらに他の観点では、商品に付されたコードから読み取られた商品識別情報を携帯端末から受信し、
前記商品識別情報に対応付けて、前記商品がイートインの対象となるイートイン対象商品であるか否かを商品情報として記憶し、
前記商品識別情報に基づいて、購入商品リストを作成し、
前記商品情報に基づいて、前記購入商品リストから前記イートイン対象商品を抽出し、
抽出したイートイン対象商品を選択可能なイートイン選択画面を生成し、前記携帯端末へ送信する処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、セルフレジを用いた購入管理システムにおいて、登録済商品の中から対象となる商品のみを抽出し、イートインする商品を任意のタイミングで容易に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る購入管理システムの構成を示す。
【
図14】現金支払い画面及び現金決済の会計終了画面の表示例である。
【
図15】イートイン選択処理のフローチャートである。
【
図16】イートイン選択ボタンを含む購入商品リスト画面の表示例である。
【
図19】イートイン商品選択後における購入商品リスト画面の表示例である。
【
図20】売価変更を伴う商品選択処理のフローチャートをである。
【
図22】分類別割引が適用された商品を含む購入商品リスト画面の表示例である。
【
図23】分類別割引が適用されたイートイン商品を含む購入商品リスト画面の表示例である。
【
図24】バンドル割引が適用された商品を含む購入商品リスト画面の表示例である。
【
図25】明細確認ボタンを含む購入商品リスト画面及び明細確認画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
[購入管理システムの構成]
図1は、本実施形態に係る購入管理システム100の構成を示す。購入管理システム100は、主に、POSサーバ1と、管理サーバ2と、携帯端末3と、会計機5とを備える。購入管理システム100では、携帯端末3を使用する顧客は、商品の販売を行う店舗8内において商品に付された商品バーコード7を読み取ることで、購入予定の商品(「購入商品」とも呼ぶ。)の登録を行い、店舗8内の会計機5を用いて又は電子決済により、精算を行う。
【0014】
POSサーバ1は、店舗8で販売される商品に関する価格、在庫状況などを含む商品情報、店舗8の売上情報などの種々の販売情報を管理するサーバである。POSサーバ1は、管理サーバ2及び会計機5とネットワーク等を介して通信可能である。なお、POSサーバ1は、複数の系列店舗の販売情報を一括して管理するものであってもよく、店舗毎に存在し、その店舗の販売情報のみを管理するものであってもよい。
【0015】
管理サーバ2は、携帯端末3や会計機5の制御を行うサーバ装置であり、携帯端末3及び会計機5とネットワーク等を介して通信可能となっている。管理サーバ2は、携帯端末3の表示制御に必要な情報をPOSサーバ1から取得し、記憶している。管理サーバ2は、携帯端末3が各種画面を表示するための表示情報を携帯端末3に送信する。上述の各種画面には、携帯端末3が商品バーコード7を読み取ることで登録された購入商品のリスト(「購入商品リスト」と呼ぶ。)を、売価と共に表示する画面(「購入商品リスト画面」とも呼ぶ。)が含まれる。
【0016】
なお、管理サーバ2は、複数のサーバ装置により構成されてもよい。例えば、管理サーバ2は、携帯端末3とのデータ授受などの携帯端末3とのインターフェース動作を主に行うサーバ装置と、POSサーバ1から取得する情報及び購入商品リストなどの種々の情報を記憶・管理するサーバ装置とから構成されてもよい。この場合、前者のサーバ装置は、所謂アプリケーションサーバとして機能し、後者のサーバ装置は、所謂データベースサーバとして機能する。この場合、これらのサーバ装置は、それぞれが割り当てられた処理を実行するのに必要な情報の授受を、ネットワーク等を介して行う。
【0017】
携帯端末3は、店舗8で買い物を行う顧客が使用する携帯端末であり、商品に付された商品バーコード7を読み取る機能、管理サーバ2と通信を行うことで購入商品リスト画面などの各種画面を取得し、表示する機能、クレジットや電子マネーによる電子決済機能などを有する。なお、
図1では、説明の便宜上、携帯端末3は1つのみ表示されているが、店舗8に入店している顧客の数だけ実際には存在している。
【0018】
会計機5は、顧客が携帯端末3を用いて現金による精算を行うための精算機(所謂セルフ精算機)である。会計機5は、管理サーバ2と通信可能であって、精算に必要な種々の情報の授受を管理サーバ2、及び、必要に応じてPOSサーバ1と行う。会計機5は、顧客の携帯端末3から後述する会計バーコードを読み取るためのバーコードリーダ56と、店員を呼ぶためのライト57を備えている。
【0019】
[装置構成]
次に、POSサーバ1、管理サーバ2、携帯端末3及び会計機5の各構成について
図2~
図5を参照して説明する。
【0020】
(POSサーバ)
図2は、POSサーバ1の概略構成を示す。POSサーバ1は、主に、記憶部13と、データ通信を行う通信部14と、制御部15とを備える。これらの要素はバスライン10により相互に接続されている。
【0021】
記憶部13は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部13は、制御部15が実行するプログラム、及び、制御部15がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。本実施形態では、記憶部13は、売価変更情報17と、商品情報DB(Database)18と、商品の売上に関する情報である売上情報19とを含んでいる。なお、記憶部13は、売価変更情報17、商品情報DB18、売上情報19以外の種々の販売に関する情報を記憶してもよい。
【0022】
商品情報DB18は、店舗8又は店舗8を含む系列店舗で取り扱う商品に関する情報のデータベースである。商品情報DB18は、例えば、商品の価格、JAN(Japanese Article Number)コードなどの商品を識別するための情報(「商品識別情報」とも呼ぶ。)、商品の分類情報、商品の在庫状況などの各種情報を含む。
【0023】
売価変更情報17は、売価の変更に関する情報である。具体的に、売価変更情報17は、分類別割引情報、バンドル割引情報、セット割引情報、合計額割引情報、分類別値引情報、バンドル値引情報、セット値引情報、及び合計額値引情報などの任意の割引情報又は値引情報の少なくとも1つを含んでいる。
【0024】
分類別割引情報は、特定の分類に属する商品に対する割引の情報であり、例えば、割引の対象となる分類を示す分類情報と割引率とが関連付けられている。バンドル割引情報は、特定の商品を複数個購入した際に付与される割引の情報であり、例えば、割引の対象となる商品(詳しくは商品識別情報)とその個数と割引率とが関連付けられている。セット割引情報は、特定の商品の組み合わせに対する割引の情報であり、例えば、割引の対象となる商品の組み合わせと割引率が関連付けられている。合計額割引情報は、購入した商品の合計額が所定金額以上の場合に生じる割引の情報であり、例えば、割引の対象となる合計額と割引率とが関連付けられている。分類別値引情報、バンドル値引情報、セット値引情報、合計額値引情報は、それぞれ、分類別割引情報、バンドル割引情報、セット割引情報、合計額割引情報に対応する値引情報である。
【0025】
このように、売価変更情報17は、割引又は値引による売価変更に該当する条件(「売価変更条件」とも呼ぶ。)と、当該変更の度合との組合わせを示した情報である。なお、以後では、値引及び割引は、割戻しを含むものとする。
【0026】
制御部15は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを備え、POSサーバ1内の各構成要素に対して種々の制御を行う。例えば、制御部15は、通信部14を介して会計機5と通信を行うことで、売上情報19の更新等を行う。また、制御部15は、通信部14を介して管理サーバ2と通信を行うことで、売価変更情報17及び商品情報DB18に関する情報を管理サーバ2に送信する。
【0027】
(管理サーバ)
図3は、管理サーバ2の概略構成を示す。管理サーバ2は、主に、記憶部23と、通信部24と、制御部25とを備える。これらの各要素は、バスライン20を介して相互に接続されている。
【0028】
記憶部23は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部23は、制御部25が実行するプログラム、及び、制御部25がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。本実施形態では、記憶部23は、売価変更情報27と、商品情報DB28と、購入商品リストDB29とを記憶する。
【0029】
売価変更情報27は、売価変更情報17と同様、値引又は割引に伴う売価の変更に関する情報である。売価変更情報27は、制御部25の制御に基づき、POSサーバ1が記憶する売価変更情報17と同期するように定期又は不定期に更新される。商品情報DB28は、商品情報DB18と同様、商品に関する情報のデータベースである。商品情報DB28は、制御部25の制御に基づき、POSサーバ1が記憶する商品情報DB18と同期するように定期又は不定期に更新される。なお、商品情報DB28及び売価変更情報27は、制御部25の制御に基づき、最新の状態に保たれるのに必要な情報をPOSサーバ1から受信し、更新される。
【0030】
購入商品リストDB29は、店舗8において買い物を行っている顧客の携帯端末3毎の購入商品リストのデータベースである。購入商品リストは、例えば、購入予定の商品を示す商品識別情報と、その商品の購入予定数量を含むリストであり、携帯端末3又は携帯端末3を使用する顧客を識別する情報(「顧客識別情報」とも呼ぶ。)と関連付けられている。そして、購入商品リストは、携帯端末3の操作に基づき行われる購入商品の追加、削除、又は数量変更が発生する度に更新される。
【0031】
通信部24は、有線又は無線通信により、POSサーバ1、携帯端末3及び会計機5と通信する。制御部25は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、管理サーバ2内の各構成要素に対して種々の制御を行う。制御部25が実行する処理については後述する。なお、上記の構成において、通信部24は本発明の商品識別情報取得部の一例であり、制御部25は本発明の記憶部、リスト作成部、抽出部、選択画面生成部、画面生成部、イートイン判定部、イートイン情報受信部、最終価格算出部、要否判定部、変更価格算出部、の一例である。
【0032】
(携帯端末)
図4は、携帯端末3の概略構成を示す。携帯端末3は、主に、表示部31と、入力部32と、記憶部33と、通信部34と、制御部35と、読取部36とを備える。これらの各要素は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0033】
表示部31は、制御部35の制御に基づき、購入商品リスト、会計バーコードなどの各種情報の表示を行う。入力部32は、ユーザの入力を受け付けるインターフェースであり、例えば、タッチパネル、ボタン、音声入力装置などが該当する。
【0034】
記憶部33は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部33は、制御部35が実行するプログラム、及び、制御部35がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。例えば、記憶部33には、店舗8において買い物を行う際に起動され、購入商品リスト画面などの種々の画面の表示を制御するための専用のアプリケーションプログラムが記憶されている。
【0035】
通信部34は、無線通信により、管理サーバ2と通信する。制御部35は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、携帯端末3内の各構成要素に対して種々の制御を行う。制御部35が実行する制御については後述する。なお、上記の構成において、制御部35は本発明の商品識別情報送信部、表示制御部、選択部、イートイン情報送信部の一例である。
【0036】
読取部36は、例えばカメラなどの光学機器であり、商品に付された商品バーコード7を読み取り、読み取った情報を制御部35に供給する。本実施形態では、制御部35は、読取部36が出力する情報に基づき、商品に付された商品バーコード7からJANコードなどの商品識別情報を取得する。
【0037】
(会計機)
図5は、会計機5の概略構成を示す。会計機5は、主に、表示部51と、入力部52と、記憶部53と、通信部54と、制御部55と、バーコードリーダ56と、ライト57と、スピーカ58とを備える。これらの各要素は、バスライン50を介して相互に接続されている。
【0038】
表示部51は、制御部55の制御に基づき、現金支払い画面や会計終了画面などの各種情報の表示を行う。入力部52は、顧客の入力を受け付けるインターフェースであり、例えば、タッチパネル、ボタンなどが該当する。
【0039】
記憶部53は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部53は、制御部55が実行するプログラム、及び、制御部55がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。例えば、記憶部53には、顧客が支払いを行う際に動作し、会計処理を行うための専用のアプリケーションプログラムが記憶されている。
【0040】
制御部55は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、会計機5内の各構成要素に対して種々の制御を行う。制御部55が実行する制御については後述する。バーコードリーダ56は、会計時に顧客の携帯端末3に表示された会計バーコードを読み取り、読み取った情報を制御部55に供給する。ライト57は、会計機5に不具合が生じたときや、店員を呼ぶときなどに点灯する。スピーカ58は、必要に応じて注意喚起のための操作音や音声メッセージなどを出力する。
【0041】
[商品購入処理]
次に、購入管理システム100による商品購入処理の概要について説明する。商品購入処理は、顧客が店舗8において携帯端末3を使用して商品を購入する処理である。
図6は、商品購入処理の概要を示すフローチャートである。商品購入処理は、大別して、入店処理S100と、商品選択処理S200と、会計処理S300とを有する。なお、商品購入処理は、主として管理サーバ2、携帯端末3及び会計機5が、それぞれ予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0042】
(入店処理)
まず、入店処理について説明する。入店処理は、顧客が店舗8に入店した際に、商品の購入に先だって行われる処理であり、商品購入のための準備に相当する。
図7は、入店処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、携帯端末3と管理サーバ2により行われる。
【0043】
まず、顧客は、店舗8に入ると、携帯端末3を用いて店舗バーコードを読み取る(ステップS101)。店舗バーコードは、店舗8内の所定の場所、例えば、店舗の入口付近の壁や買い物に使用するカードなどに貼り付けられている。顧客が店舗バーコードを読み取ると、携帯端末3は、読み取った店舗バーコードから店舗IDを取得し、管理サーバ2へ送信する(ステップS102)。携帯端末3は、店舗IDを送信する際、その携帯端末3又はその携帯端末3を使用する顧客を識別する顧客識別情報を一緒に送信する。なお、以下に説明する商品選択処理や会計処理においても、携帯端末3は基本的に何らかの情報を管理サーバ2へ送信する際には、自身を識別するための顧客識別情報を一緒に送信する。
【0044】
管理サーバ2は、携帯端末3から店舗IDを受信し、商品情報DB28からその店舗の売価リストを取得する(ステップS104)。これは、店舗毎に商品の売価が異なっているためである。そして、管理サーバ2は、店舗名やその店舗のセール情報などを含む店舗情報を携帯端末3へ送信し(ステップS105)、携帯端末3は店舗情報を受信する(ステップS106)。これにより、携帯端末3の表示部31には現在の店舗名やその店舗のセール情報などが表示され、顧客が買い物を開始できる状態となる。なお、管理サーバ2が送信する店舗情報には、その店舗におけるその顧客の取引状態を示す情報が含まれており、その店舗で新たに買い物を開始する場合には取引状態は新規となる。一方、その顧客が何らかの理由でその店舗での買い物を中断したような場合には、それまでの取引状態に対応する購入商品リスト画面が携帯端末3に表示される。
【0045】
(商品選択処理)
次に、商品選択処理について説明する。商品選択処理は、顧客が携帯端末3を用いて商品に付されている商品バーコード7を読み取り、購入商品リストに登録する処理である。
図8は、商品選択処理のフローチャートである。この処理は、携帯端末3と管理サーバ2により実行される。
【0046】
まず、顧客は、購入したい商品を見つけると、携帯端末3を商品読取モードにし、携帯端末3により商品に付されている商品バーコード7を読み取る(ステップS201:Yes)。携帯端末3は読み取られた商品の商品識別情報を管理サーバ2へ送信する(ステップS203)。なお、この際、商品の数量は自動的に「1」にセットされる。管理サーバ2は、携帯端末3から商品識別情報を受信すると(ステップS203)、購入商品リストを更新し、携帯端末3へ送信する(ステップS204)。携帯端末3は、更新後の商品リストを受信し、表示部31に表示する(ステップS205)。これにより、新たに追加された商品とその数量が購入商品リストに追加され、購入商品リスト画面として携帯端末3に表示される。
【0047】
次に、必要に応じて、顧客が携帯端末3を操作して商品の数量を変更すると、携帯端末3は変更後の数量を取得する(ステップS206:Yes)。商品バーコードが最初に読み取られたときに、その商品の数量は自動的に「1」にセットされるが、顧客が同じ商品を複数購入する場合には、携帯端末3を操作して数量を変更することができる。変更後の数量がセットされると、携帯端末3は、変更の対象となる商品の商品識別情報と変更後の数量を管理サーバ2へ送信する(ステップS207)。
【0048】
管理サーバ2は、携帯端末3から商品識別情報と変更後の数量を受信すると(ステップS208)、購入商品リストを更新し、携帯端末3へ送信する(ステップS209)。携帯端末3は、更新後の購入商品リストを受信し、購入商品リスト画面として表示部31に表示する(ステップS210)。これにより、数量変更が購入商品リストに反映される。
【0049】
次に、携帯端末3は、顧客により支払いボタン45が押されたか否かを判定する(ステップS211)。支払いボタン45は、顧客が買い物を終了する際に押すボタンである。支払いボタン45が押されていない場合(ステップS211:No)、処理はステップ201へ戻る。こうして、支払いボタン45を押すまで、顧客は商品の追加や数量変更を行い、買い物を続けることができる。そして、支払いボタン45が押されると(ステップS211:Yes)、商品選択処理は終了する。
【0050】
図9は、携帯端末3に表示された購入商品リスト画面の表示例を示す。この例では、購入商品リスト画面は、商品読取ボタン40と、リスト表示欄41と、小計表示欄42と、合計額表示欄43と、ホーム画面遷移ボタン44と、支払いボタン45と、取引中止ボタン46とを有する。なお、購入商品リスト画面は、購入商品画面の一例である。
【0051】
携帯端末3は、商品読取ボタン40がタップ操作等により選択されたことを検知した場合、商品読取画面へ表示部31の表示を切り替える。商品読取画面では、携帯端末3は、起動した読取部36から取得される画像等を表示する。これにより、顧客は、商品バーコード7が読取部36の読み取り範囲内に位置するように商品又は携帯端末3を移動させ、商品バーコード7を読み取ることができる。
【0052】
リスト表示欄41には、購入商品毎に、購入商品の名称、数量、価格が表示される。また、リスト表示欄41内の各購入商品に対し、数量減少ボタン47と、数量増加ボタン48とが表示される。そして、携帯端末3は、数量減少ボタン47又は数量増加ボタン48により購入商品の数量変更を受け付けた場合、数量が変更された購入商品の商品識別情報及び変更後の数量を管理サーバ2に送信する。
【0053】
小計表示欄42は、購入商品リストの全商品に対する売価の税抜きの小計を表示し、合計額表示欄43は、購入商品リストの全商品に対する売価の税込みの合計額を表示する。管理サーバ2は、これらの小計又は合計額を、商品情報DB28に登録された購入商品の価格、具体的には、入店処理により取得したその店舗の売価リストに基づき算出している。
【0054】
携帯端末3は、ホーム画面遷移ボタン44が選択されたことを検知した場合、ホーム画面の表示要求を管理サーバ2に送信し、その応答として受信する表示情報に基づき所定のホーム画面を表示する。ホーム画面は、店舗8での割引や値引の情報、携帯端末3の顧客の登録情報等を表示するものであってもよい。
【0055】
携帯端末3は、支払いボタン45が選択されたことを検知した場合、会計要求を管理サーバ2に送信し、その応答として受信する表示情報に基づき、支払い方法選択画面を表示する。また、携帯端末3は、取引中止ボタン46が選択されたことを検知した場合、取引中止を通知する情報を管理サーバ2に送信する。この場合、管理サーバ2は、携帯端末3に対応する購入商品リストを削除する。
【0056】
(会計処理)
次に、会計処理について説明する。会計処理は、商品選択処理により顧客が選択した商品についての支払いを行う処理である。
図10は、会計処理のフローチャートである。この処理は、携帯端末3と、管理サーバ2と、会計機5により実行される。
【0057】
まず、携帯端末3は、前述の支払いボタン45が押されると、管理サーバ2へ会計要求を送信する(ステップS301)。管理サーバ2は、会計要求を受信すると(ステップS302)、その時点の購入商品リストに基づいて支払い金額を計算する(ステップS303)。管理サーバ2は、購入商品リストと、ステップS303で算出した支払い金額とを含む支払い方法選択画面を携帯端末3へ送信する(ステップS304)。
【0058】
携帯端末3は、受信した支払い方法選択画面を表示部31に表示する(ステップS305)。
図11は、支払い方法選択画面の表示例である。この例では、支払い方法選択画面は、リスト表示欄61と、小計表示欄62と、合計金額表示欄63と、クレジットボタン64と、電子マネーボタン65と、現金ボタン66とを含む。リスト表示欄61には、購入商品の名称、数量、価格が表示される。小計表示欄62は、リスト表示欄61に表示された全購入商品に対する売価の税抜きの小計を表示し、合計金額表示欄63は、全購入商品に対する売価の税込の合計額を表示する。顧客は、支払い方法選択画面を見て支払い金額を確認し、クレジットボタン64、電子マネーボタン65、現金ボタン66のいずれかを押下する。なお、支払い方法選択画面は、リスト表示欄61や小計表示欄62を含んでいるが、本発明はこれに限られるものではなく、支払い金額の確認と支払い方法の選択が可能であればよい。
【0059】
クレジットボタン64又は電子マネーボタン65が押下された場合、即ち支払い方法が現金ではない場合(ステップS306;No)、携帯端末3の制御部35は、その選択された支払い方法に応じて決済を行う(ステップS307)。
【0060】
具体的に、顧客がクレジットボタン64の押下によりクレジットでの支払いを選択した場合、携帯端末3は、クレジット決済を行うクレジット会社名やクレジットカードの番号、支払い金額などを表示する。そして、顧客の決済ボタン押下などによる決済要求を受信すると、携帯端末3は、必要に応じて暗証番号の入力などを促し、クレジット決済を行う。なお、顧客は、店舗の運営会社に対して会員登録などの際にクレジットカードを登録しておくか、もしくはその店舗が契約している決済代行会社に登録することにより、自分の携帯端末3を使用してクレジット決済ができるものとする。
【0061】
決済が完了すると、携帯端末3は、会計終了画面を表示する(ステップS308)。
図12(A)は、クレジット決済完了時に表示部31に表示される会計終了画面の表示例を示す。
図12(A)は、顧客がクレジット決済を選択した場合の例であり、会計終了画面は、決済情報欄71と、領収書ボタン72と、終了ボタン73とを含む。決済情報欄71は、決済の金額、決済の方法、例えばカード会社名などの情報を表示している。領収書ボタン72は、領収書を印字出力するためのボタンである。終了ボタン73は、顧客が会計処理を完了したことを確認するためのボタンである。顧客が終了ボタン73を押下すると、携帯端末3は、決済が完了したことを管理サーバ2に報告し、表示部31の表示をメインメニューに戻す。
【0062】
顧客が電子マネーボタン65の押下により電子マネーでの支払いを選択した場合、携帯端末3は、支払いに使用可能な各種電子マネーや支払い金額などを表示する。そして、顧客の決済ボタン押下などによる決済要求を受信すると、携帯端末3は、必要に応じて複数ある電子マネーの中から支払いに使用する電子マネーの選択などを促し、電子マネー決済を行う。決済が完了すると、携帯端末3は、会計終了画面を表示する(ステップS308)。
図12(B)は、顧客が電子マネー決済を選択した場合の例であり、会計終了画面は、決済情報欄74と、領収書ボタン75と、終了ボタン76とを含む。決済情報欄74は、決済の金額、決済の方法、例えば電子マネーの名称、当該電子マネーの残高などの情報を表示している。領収書ボタン75、終了ボタン76は、それぞれ
図12(A)における領収書ボタン72、終了ボタン73と同様であるため、説明は省略する。
【0063】
一方、現金ボタン66が押下された場合、即ち支払い方法が現金である場合(ステップS306;Yes)、携帯端末3の制御部35は、現金支払い要求を管理サーバ2に送信する。管理サーバ2は、現金支払い要求を受信すると(ステップS309)、その時点の購入商品リストに基づいて、会計バーコードを生成する(ステップS310)。会計バーコードは、現在の購入商品リストが示す購入内容を一意に識別する情報である。1つの例では、会計バーコードは、そのときの購入内容に一意に対応付けられたランダムなコードなどとすることができる。この場合、会計バーコードは、支払い情報の問い合わせ番号としての意味を有する。管理サーバ2は、ステップS303で算出した支払い金額と、ステップS310で生成した会計バーコードとを含む支払い画面を携帯端末3へ送信する(ステップS311)。
【0064】
携帯端末3は、受信した支払い画面を表示部31に表示する(ステップS312)。
図13は、支払い画面の表示例である。この例では、支払い画面は、会計バーコード67と、合計金額欄68と、完了ボタン69とを含む。顧客は、支払い画面が表示された携帯端末3を持って会計機5に移動し、バーコードリーダ56により会計バーコードを読み取る(ステップS313)。会計機5は、読み取った会計バーコードに基づいて、現金支払い画面を表示する(ステップS314)。具体的には、会計機5は、会計バーコードが示す問い合わせ番号を管理サーバ2に送信し、管理サーバ2から支払い情報を取得する。なお、支払い情報は、合計金額、及び、購入商品リストに入っている全商品のIDや数量などの明細を含む。会計機5は、取得した支払い情報に基づいて、現金支払い画面を表示する。
【0065】
図14(A)は、現金支払い画面の表示例を示す。現金支払い画面には、合計金額欄77と、現金投入口への現金投入を促す旨のメッセージとが表示される。顧客により現金投入口に現金が投入されると、会計機5は、必要に応じて釣銭を支払う。現金による決済が完了すると(ステップS315)、会計機5は、会計終了画面を表示する(ステップS316)。
図14(B)は、会計終了画面の表示例を示す。
図14(B)は顧客が現金決済を選択した場合の例であり、会計終了画面は、決済情報欄78と、領収書ボタン79と、終了ボタン80とを含む。決済情報欄78は、決済の金額などの情報を表示している。領収書ボタン79、終了ボタン80は、それぞれ
図12(A)における領収書ボタン72、終了ボタン73と同様であるため、説明は省略する。顧客が終了ボタン80を押すと、会計機5は決済が完了したことを管理サーバ2に報告し、表示部51の表示をメインメニューに戻す。なお、
図13に示すように、携帯端末3に表示される支払い画面にも完了ボタン69が表示されており、顧客は会計処理が終了すると、支払い画面の完了ボタン69を押す。完了ボタン69押されると、携帯端末3は決済が完了したことを管理サーバ2に報告し、表示部31をメインメニューに戻す。
【0066】
なお、上記の例では、会計バーコードは単に支払い情報の問い合わせ番号であり、会計機5はこの問い合わせ番号を用いて管理サーバ2から支払い情報を取得している。その代わりに、会計バーコードが支払い情報を含むようにしてもよい。即ち、管理サーバ2は、現金支払い要求を受信すると、その時点の購入商品リストの内容に基づいて、合計金額及び購入商品リストの情報を用いて会計バーコードを生成する。この場合、会計機5は、会計バーコードを読み取り復号化することにより、支払い情報を取得することができるので、支払い情報を取得するために管理サーバ2と通信する必要は無くなる。即ち、会計機5は、読み取った会計バーコードから合計金額を抽出し、支払い方法選択画面を表示すればよい。
【0067】
[イートイン選択処理]
2019年10月より、消費税率が10%に引き上げられたことに伴い、軽減税率制度が導入されている。軽減税率とは、特定の商品に対して標準税率(例えば、10%)より低く設定された消費税率(例えば、8%)である。軽減税率の適用対象となる商品(以下、「軽減税率対象商品」と呼ぶ。)は、例えば、飲食料品である。但し、購入した商品をイートインすると、当該商品は軽減税率の適用対象外となり、標準税率が適用される。そのため、顧客はイートインする場合、会計前にイートインする商品を予め選択し、示しておく必要がある。
【0068】
イートイン選択処理は、購入商品である飲食料品の中から、イートインする商品を選択する処理である。
図15は、イートイン選択処理のフローチャートである。この処理は、携帯端末3と、管理サーバ2とにより実行される。イートイン選択処理を行う場合、購入商品リスト画面は、
図16に示すようにイートイン選択ボタン81を含む。イートイン選択ボタン81は、押下によりイートイン選択要求を管理サーバ2に送信し、イートイン選択処理を行うボタンである。
【0069】
なお、基本的に、顧客は
図8に示す商品選択処理により購入商品の登録を行うものであり、購入商品リスト画面においてイートイン選択ボタン81が押下されると、携帯端末3は、イートイン処理を実行する。
【0070】
まず、携帯端末3は、イートイン選択ボタン81が押下されたか否かを判定する(ステップS501)。イートイン選択ボタン81が押下されない場合(ステップS501;No)、携帯端末3は、イートイン選択処理を終了して
図16に示す購入商品リスト画面に戻り、商品選択処理を行う。一方、イートイン選択ボタン81が押下されたと判定すると(ステップS501)、携帯端末3は、管理サーバ2へイートイン選択要求を送信する(ステップS501;Yes)。管理サーバ2は、イートイン選択要求を受信すると(ステップS502)、その時点の購入商品リストを参照し、購入商品の中からイートインの対象となる商品(以下、「イートイン対象商品」と呼ぶ。)を抽出する(ステップS503)。イートイン対象商品とは、店舗8内で飲食することが可能な商品であり、任意に設定可能であって、予め当該商品の商品識別情報にイートイン対象商品であることが関連付けられている。管理サーバ2は、抽出したイートイン対象商品に基づいて、イートイン選択画面を生成し、携帯端末3へ送信する(ステップS504)。
【0071】
携帯端末3は、受信したイートイン選択画面を表示部31に表示する(ステップS505)。
図17は、イートイン選択画面の表示例である。この例では、イートイン選択画面は、イートイン対象商品の選択及び数量の入力を促すメッセージと、イートイン表示欄82と、数量入力欄83と、キャンセルボタン84と、確定ボタン85とを含む。イートイン表示欄82は、購入商品の中から抽出されたイートイン対象商品の名称と、イートインする数量を入力する数量入力欄83と、すでに登録されている購入商品の個数(以下、「商品個数」と呼ぶ。)とを表示する。このようなイートイン選択画面により、顧客は、購入商品の中から「何を何個イートインするか」を簡単に入力することができる。キャンセルボタン84は、押下されると購入商品リスト画面に戻る。確定ボタン85は、押下されると数量入力欄83に入力された数量を、イートイン対象商品の個数として確定する。
【0072】
数量入力欄83は、イートインする商品(以下、「イートイン商品」と呼ぶ。)の個数を直接数字で入力してもよいし、イートイン表示欄82におけるイートイン対象商品の名称などをタップすることで、
図18に示す数量変更画面を表示させ、数量変更画面からイートイン商品の個数を入力することとしてもよい。
図18は、イートイン表示欄82においてフォカッチャをタップすることで表示される数量変更画面の表示例を示す。
図18に示すように、数量変更画面は、全部ボタン86と、数量減少ボタン87と、数量増加ボタン88と、キャンセルボタン89と、変更ボタン90と、商品個数91と、イートイン商品の個数92とを含む。顧客は、数量減少ボタン87又は数量増加ボタン88を押下することにより、イートイン商品の個数92を増減することができる。全部ボタン86は、押下されると、商品個数91の全てがイートイン商品の個数92となる。これによれば、例えば商品個数が「20」個のように多いものであって、イートイン商品の個数を「19」個と入力したい場合、顧客は、全部ボタン86を押下したあと、数量減少ボタン87を一度押下することで簡単に「19」を入力することができ、便利である。キャンセルボタン89は、押下されるとイートイン選択画面に戻る。変更ボタン90は、押下されるとイートイン選択画面に戻り、数量入力欄83の数字を、数量変更画面におけるイートイン商品の個数92に変更する。
【0073】
なお、本実施例においてイートイン選択画面の数量入力欄83、及び、数量変更画面のイートイン商品の個数92は予め「0」が設定されるものとしている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、購入個数を超えなければ任意の数字を設定することができる。また、イートイン商品として選択したものの後から解除を希望する場合、顧客は、イートイン選択画面において当該イートイン商品として選択した商品に対応する数量入力欄83の数字を「0」に変更すればよい。
【0074】
本実施例において数量変更画面は、イートイン選択画面におけるイートイン対象商品の名称などをタップするとポップアップ画面として表示されるため、イートイン選択画面の一部であるといえる。本実施例において、全部ボタン86は数量変更画面に含まれるが、本発明はこれに限定されるものではなく、イートイン選択画面に含まれてもよい。
【0075】
このように、携帯端末3は、イートイン選択画面において、イートイン商品を選択し、当該イートイン商品の個数を入力する(ステップS506)。顧客は、イートイン商品の個数を確定するため、確定ボタン85を押下する。携帯端末3は、確定ボタン85が押下されたか否かを判定する(ステップS507)。確定ボタン85が押下されていないと判定すると(ステップS507;No)、携帯端末3は、確定ボタン85が押下されるまで待機する。一方、確定ボタン85が押下されたと判定すると(ステップS507;Yes)、携帯端末3は、数量入力欄83に「1」以上の数字が入力されたイートイン商品の商品識別情報と、当該数量入力欄83に入力された数字と、をイートイン情報として管理サーバ2へ送信する(ステップS508)。
【0076】
管理サーバ2は、携帯端末3からイートイン情報を受信し(ステップS509)、商品情報DB28に基づいて、当該イートイン商品の税抜価格及び税込価格と、購入商品リストの全商品に対する売価の税抜きの小計及び税込みの合計額とを最終価格として算出する(ステップS510)。具体的に、管理サーバ2は、イートイン情報に含まれる商品識別情報に基づいて、商品情報DB28からイートイン商品の基本価格を取得する。ここで、基本価格とは、税込価格や小計、合計額を計算する際の基本となる価格であり、本実施例では税抜価格とする。基本価格である税抜価格に消費税を課税した価格が税込価格である。なお、管理サーバ2は、消費税に関する標準税率や一部対象商品に適用される軽減税率などの情報を税率情報として記憶部23に記憶しているものとする。
【0077】
例えば、イートイン商品として選択された「フォカッチャ」の基本価格が「192円」であったとする。イートイン商品は、軽減税率の適用対象ではなく標準税率が適用されるため、管理サーバ2は、イートインする「フォカッチャ」の税込価格として、例えば10%の消費税が課税された価格「211円」を算出する。なお、イートインしない「フォカッチャ」は軽減税率の適用対象なので、イートインしない「フォカッチャ」の税込価格は、例えば8%の消費税が課税された価格「207円」となる。さらに、管理サーバ2は、算出した価格に基づいて、購入商品リストの全商品に対する売価の税抜きの小計及び税込みの合計額を算出する。
【0078】
管理サーバ2は、算出したイートイン商品の税抜価格及び税込価格と、購入商品リストの全商品に対する売価の税抜きの小計及び税込みの合計額とに基づいて購入商品リストを更新し、携帯端末3へ送信する(ステップS511)。携帯端末3は、受信した購入商品リストを購入商品リスト画面として表示部31に表示する(ステップS512)。これにより、イートイン選択処理は終了する。顧客は、携帯端末3に表示された購入商品リスト画面から、引き続き商品選択処理や会計処理を行う。
【0079】
図19は、イートイン商品選択後における購入商品リスト画面の表示例である。
図19に示すように、購入商品リスト画面のリスト表示欄41は、イートイン商品に対応付けてイートイン商品アイコン94を表示する。なお、イートイン商品は、イートイン選択画面で数量の入力を行うため、対応する数量減少ボタン47及び数量増加ボタン48は存在しないものとする。
【0080】
これによれば、顧客は容易に、購入商品の中で何をイートインするかを選択したり、確認したりすることができる。また、イートイン商品は、飲食料品であっても軽減税率の対象外となり標準税率の消費税が適用されるため、同じ商品であってもテイクアウトとは価格が異なるが、イートイン商品アイコン94があればそのことを容易に認識することができる。
【0081】
なお、
図16や
図19に示す購入商品リスト画面のリスト表示欄41は、説明の便宜上、商品の価格として税抜価格と税込価格の両方を表示することとしている。また、購入商品リストの全商品に対する売価の税込みの合計額は、商品毎に課税して合計することで算出している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、リスト表示欄41に表示するのは税抜価格又は税込価格のいずれか一方でもよいし、合計額は軽減税率対象商品の小計及び標準税率対象商品の小計を算出した後、それぞれを課税して合算することで算出してもよい。
【0082】
[売価変更を伴う商品選択処理]
次に、売価変更を伴う商品選択処理について説明する。売価変更を伴う商品選択処理は、購入商品や購入個数が各種割引や値引に該当する場合に、購入商品リスト画面の価格、小計及び合計額に反映する処理である。この場合、基本的に、顧客は
図8に示す商品選択処理により、購入商品の登録を行い、購入商品リストが更新されるタイミングで後述する売価変更処理を行う。
図20は、売価変更を伴う商品選択処理のフローチャートを示す。
【0083】
図20において、売価変更処理以外のステップS701~S703の処理と、ステップS705~S709の処理と、ステップS711~713の処理とは、それぞれ
図8におけるステップS201~S203の処理と、ステップS204~S208の処理と、ステップS209~S211の処理と同様であるので説明は省略する。
(売価変更処理)
次に、売価変更処理について説明する。売価変更処理は、購入商品や購入個数が、各種割引や値引に該当するか否かを判定し、該当する場合に価格を変更する処理である。
図21は、売価変更処理のフローチャートである。この処理は、管理サーバ2により実行される。
【0084】
管理サーバ2は、携帯端末3から商品識別情報や数量を受信すると(
図20におけるステップS703、S709)、購入商品リストを更新する(ステップS601)。具体的には、管理サーバ2は、対象の購入商品リストに、受信した商品識別情報が示す商品を追加し、更新後の購入商品リストを購入商品リストDB29に記憶する。そして、管理サーバ2は、購入商品リストが、売価変更情報27が示すいずれかの売価変更条件に該当するか否かを判定する(ステップS602)。換言すると、管理サーバ2は、購入商品リストが示す、各購入商品の商品識別情報及び購入個数に基づき、売価変更情報27が示すいずれかの売価変更条件に該当するか否かを判定する。
【0085】
更新後の購入商品リストが、売価変更情報27が示すいずれの売価変更条件にも該当しない場合(ステップS602;No)、管理サーバ2は、売価変更処理を終了し、
図21に示す売価変更を伴う商品選択処理に戻る。一方、更新後の購入商品リストが、売価変更情報27が示すいずれかの売価変更条件に該当する場合(ステップS602;Yes)、管理サーバ2は、該当した売価変更条件に関連付けられた割引又は値引に基づいて、当該売価変更条件に該当する商品の価格、小計、合計額を最終価格として算出する(ステップS603)。
【0086】
具体的に、管理サーバ2は、売価変更条件に該当する商品の基本価格を商品情報DB28から取得し、当該基本価格と、購入商品リストと、該当した売価変更条件に関連付けられた割引率又は/及び値引額と、に基づいて、当該商品の税抜価格を変更価格として算出する。さらに、管理サーバ2は、算出した変更価格と、税率情報と、購入商品リストとに基づいて、当該商品の税込価格と、購入商品リストの全商品に対する売価の税抜きの小計及び税込みの合計額とを算出する。つまり、本実施例では、基本価格である税抜価格に割引率又は/及び値引額を適用した変更価格が当該商品の税抜価格であり、変更価格に消費税を課税した価格が当該商品の税込価格である。そして、管理サーバ2は、売価変更処理を終了し、売価変更を伴う商品選択処理に戻る。
【0087】
ここで、分類別割引情報として割引の対象となる分類「フォカッチャ」と、割引率「10%」とが関連付けられており、購入商品リストにフォカッチャが2個追加された場合の売価変更処理について説明する。
【0088】
売価変更処理において、管理サーバ2は、まず、携帯端末3から「フォカッチャ」の商品識別情報と商品個数を受信し、購入商品リストを更新する。そして、管理サーバ2は、更新した購入商品リストが、売価変更情報27が示すいずれかの売価変更条件に該当するか否かを判定する(ステップS602)。このとき、管理サーバ2は、分類別割引の売価変更条件に該当していると判定する(ステップS602;Yes)。そのため、管理サーバ2は、分類別割引情報に基づいて、「フォカッチャ」の価格、小計及び合計額を算出する(ステップS603)。
【0089】
具体的に、管理サーバ2は、まず、商品識別情報に基づいて、商品情報DB28から「フォカッチャ」の基本価格(例えば、192円)を取得する。基本価格は、税抜価格である。そして、管理サーバ2は、基本価格及び分類別割引情報に基づいて、割引額(19円)と、基本価格から割引額を引いた「フォカッチャ」の変更価格、即ち、割引後の税抜価格(173円)と、を算出する。さらに、管理サーバ2は、テイクアウトする「フォカッチャ」であれば軽減税率の対象となるため、変更価格に消費税(例えば、8%)が課税された割引後の税込価格(186円)を算出する。管理サーバ2は、算出した価格に基づき、購入商品リストの小計及び合計額も算出する。このように、管理サーバ2は、分類別割引情報に基づいて、「フォカッチャ」の割引後の税抜価格及び税込価格と、小計及び合計額とを最終価格として算出する。
【0090】
そして、管理サーバ2は、
図20に示す売価変更を伴う商品選択処理に戻り、「フォカッチャ」の割引後の税抜価格及び税込価格と、小計及び合計額とに基づいて購入商品リストを更新し、携帯端末3へ送信する。
図22は、分類別割引が適用された商品を含む購入商品リスト画面の表示例である。携帯端末3は、受信した購入商品リストに基づいて、
図22に示すような購入商品リスト画面を表示する。購入商品リスト画面のリスト表示欄41は、
図22に示すように、「10%引き(-19円)」を示すメッセージ96と、税抜価格「173円」と、税込価格「税込186円」とを含む。
【0091】
このように、管理サーバ2は、購入商品が登録されることにより売価変更情報27に基づく割引又は値引が発生した場合に、その後に表示させる購入商品リスト画面において、割引又は値引を反映させた価格、小計及び合計額を携帯端末3に表示させる。これにより、管理サーバ2は、現時点における正確な価格を携帯端末3を使用する顧客に認識させることができる。また、管理サーバ2は、価格の変更が生じた額を購入商品リスト画面上で明示することで、値引/割引の存在を好適に携帯端末3を使用する顧客に認識させることができる。
【0092】
なお、売価変更を伴う商品選択処理において、購入商品リスト画面でイートインボタン81が押下されると、携帯端末3はイートイン選択処理を行う。このとき、
図15に示すイートイン選択処理のステップS510において、管理サーバ2は、まず、基本価格に該当する割引又は/及び値引を適用した変更価格、即ち、割引又は/及び値引適用後の税抜き価格を算出する。そして、管理サーバ2は、変更価格に基づいて、購入商品の割引又は/及び値引適用後の税込価格、小計及び合計額を算出する。具体的に、上記「フォカッチャ」の分類別割引の例において、2個ある「フォカッチャ」のうち1個がイートイン商品として選択されると、管理サーバ2は、イートインする「フォカッチャ」であれば軽減税率の対象とはならないため、割引後の税抜価格(173円)に消費税(例えば、10%)が課税された税込価格(190円)を算出する。そして、管理サーバ2は、算出した価格に基づいて、購入商品リストの小計及び合計額を算出する。さらに、管理サーバ2は、購入商品リストを更新し、携帯端末3へ送信する。
【0093】
図23は、分類別割引が適用されたイートイン商品を含む購入商品リスト画面の表示例である。携帯端末3は、受信した購入商品リストに基づいて、
図23に示すように、イートイン商品である「フォカッチャ」には、イートイン商品アイコン94と、「10%引き(-19円)」を示すメッセージ96と、割引後の税抜価格「173円」と、割引後の税込価格「税込190円」とを対応付けた購入商品リスト画面を表示する。
【0094】
このように、イートイン選択処理において、管理サーバ2は、該当する割引や値引を適用した上で購入商品の価格、小計及び合計額を算出する。これは、分類別割引に限られるものではなく、全ての割引や値引に適用されるものである。例えば、「フォカッチャ」の基本価格が1個192円であるが、2個まとめて買うと割引後の税抜価格で350円となるようなバンドル割引であっても、管理サーバ2は、バンドル割引を適用した上で購入商品の価格、小計、合計額を算出する。このとき、イートイン商品の割引後の税込価格は、バンドル割引が適用された割引後の税抜価格に標準税率を課税することで算出される。つまり、まとめて買った2個のうち1個の「フォカッチャ」がイートイン商品となった場合であっても、バンドル割引は適用される。よって、携帯端末3は、
図24に示すような購入商品リスト画面を表示することとなる。
【0095】
[変形例]
(変形例1)
上記の実施例では、商品に付与したバーコードを携帯端末3により読み取っているが、その代わりに、QR(Quick Response)コードを商品に付与し、これを携帯端末3で読み取るようにしてもよい。
【0096】
(変形例2)
上記の実施例では、
図19に示すように、購入商品リスト画面において、テイクアウトする商品と、イートイン商品とを並べて表示している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、
図25(A)に示す購入商品リスト画面のように、テイクアウトする商品に対応する価格等だけを表示し、イートイン商品の価格等の代わりに明細確認ボタン95を表示することとしてもよい。この場合、明細確認ボタン95が押下されると、携帯端末3は、購入商品リストに基づいて、
図25(B)に示すような明細確認画面を表示する。これによれば、イートイン商品を選択することによって、購入商品リスト画面のリスト表示欄41が長くなり、購入商品を把握しにくいといった弊害を解消することができる。
【0097】
(変形例3)
上記の実施例では、
図17に示すように、イートイン選択画面において、購入商品リストの中からイートイン商品のみが抽出されてイートイン表示欄82に表示されている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、購入商品リストに含まれるすべての商品をイートイン表示欄82に表示した上で、例えば、「えんぴつ」のようにイートイン商品ではない商品は選択不能とすることとしてもよい。これによれば、イートイン商品のみが表示されたイートイン表示欄82を見て、顧客が購入商品として登録したはずの「えんぴつ」が削除された等と誤解することを防ぐことができる。
【0098】
その他、上記の各実施形態(変形例を含む、以下同じ)の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが以下には限られない。
【0099】
(付記1)
サーバ装置と、携帯端末とを備える購入管理システムであって、
前記サーバ装置は、
商品に付されたコードから読み取られた商品識別情報を前記携帯端末から受信する商品識別情報取得部と、
前記商品識別情報に対応付けて、前記商品がイートインの対象となるイートイン対象商品であるか否かを商品情報として記憶する記憶部と、
前記商品識別情報に基づいて、購入商品リストを作成するリスト作成部と、
前記商品情報に基づいて、前記購入商品リストから前記イートイン対象商品を抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出したイートイン対象商品を選択可能なイートイン選択画面を生成し、前記携帯端末へ送信する選択画面生成部と、
を備え、
前記携帯端末は、
購入する商品の前記商品識別情報を前記サーバ装置へ送信する商品識別情報送信部と、
前記サーバ装置から前記イートイン選択画面を受信し、表示する表示制御部と、
前記イートイン選択画面において、前記イートイン対象商品の中から、イートインする商品であるイートイン商品を選択する選択部と、
前記イートイン商品の商品識別情報をイートイン情報として前記サーバ装置へ送信するイートイン情報送信部と、
を備える購入管理システム。
【0100】
(付記2)
前記選択画面生成部は、前記イートイン対象商品のみを表示するイートイン選択画面を生成することを特徴とする付記1に記載の購入管理システム。
【0101】
(付記3)
前記選択画面生成部は、前記購入商品リストに含まれる全ての商品を表示し、前記イートイン対象商品を選択可能、当該イートイン対象商品以外の商品を選択不可能とするイートイン選択画面を生成することを特徴とする付記1に記載の購入管理システム。
【0102】
(付記4)
前記サーバ装置は、
前記購入商品リストに基づいて、押下によりイートイン選択画面の要求を行うイートインボタンを含む購入商品画面を生成し、前記携帯端末へ送信する購入商品画面生成部を備え、
前記表示制御部は、前記サーバ装置から前記購入商品画面を受信して表示し、
前記選択画面生成部は、前記イートインボタンの押下により前記要求が行われた場合に、前記イートイン選択画面を生成することを特徴とする付記1乃至3のいずれか一項に記載の購入管理システム。
【0103】
(付記5)
前記サーバ装置は、
前記商品識別情報取得部が取得した商品識別情報と、前記商品情報とに基づいて、当該商品識別情報が示す商品が前記イートイン対象商品であるか否かを判定するイートイン判定部、を備え、
前記購入商品画面生成部は、前記イートイン判定部が前記イートイン対象商品であると判定した場合に、前記イートインボタンを含む購入商品画面を生成することを特徴とする付記4に記載の購入管理システム。
【0104】
(付記6)
前記抽出部は、前記購入商品リストから前記イートイン対象商品と、当該イートイン対象商品の個数とを抽出し、
前記選択画面生成部は、前記イートイン対象商品の個数を含む前記イートイン選択画面を生成するものであり、
前記選択部は、
前記イートイン対象商品の中から前記イートイン商品を選択するとともに、当該イートイン商品の個数を入力するものであって、
前記イートイン選択画面に含まれる全部ボタンが押下されると、選択された前記イートイン対象商品の個数を特定し、当該個数全てを前記イートイン商品の個数とすることを特徴とする付記1乃至5のいずれか一項に記載の購入管理システム。
【0105】
(付記7)
前記商品情報は、前記商品識別情報に対応付けて、前記商品の基本価格を記憶しており、
前記サーバ装置は、
前記携帯端末から前記イートイン情報を受信するイートイン情報受信部と、
前記イートイン商品に適用される税率を含む税率情報と、前記イートイン情報と、前記基本価格と、前記購入商品リストと、に基づいて、前記商品の最終価格を算出する最終価格算出部と、を備えることを特徴とする付記1乃至6のいずれか一項に記載の購入管理システム。
【0106】
(付記8)
前記記憶部は、売価の変更に関する売価変更情報を記憶しており、
前記サーバ装置は、
前記売価変更情報と、前記購入商品リストとに基づき、前記購入商品リストの商品に対する売価の変更要否を判定する要否判定部と、
前記売価の変更が必要な場合に、前記基本価格と、前記購入商品リストと、前記売価変更情報とに基づいて、前記商品の変更価格を算出する変更価格算出部と、
を備え、
前記最終価格算出部は、前記売価の変更が必要な場合に、前記税率情報と、前記イートイン情報と、前記変更価格と、前記購入商品リストと、に基づいて、前記商品の最終価格を算出する付記7に記載の購入管理システム。
【0107】
(付記9)
前記表示制御部は、前記購入商品画面において、前記イートイン商品と、前記イートイン商品以外の商品とを区別して表示することを特徴とする付記4乃至8のいずれか一項に記載の購入管理システム。
【0108】
(付記10)
前記表示制御部は、前記購入商品画面において、前記イートイン商品以外の商品と、明細確認ボタンとを表示しており、前記明細確認ボタンが押下されると、さらに前記イートイン商品を表示することを特徴とする付記9に記載の購入管理システム。
【0109】
(付記11)
顧客が使用する携帯端末と通信可能なサーバ装置であって、
商品に付されたコードから読み取られた商品識別情報を前記携帯端末から受信する商品識別情報取得部と、
前記商品識別情報に対応付けて、前記商品がイートインの対象となるイートイン対象商品であるか否かを商品情報として記憶する記憶部と、
前記商品識別情報に基づいて、購入商品リストを作成するリスト作成部と、
前記商品情報に基づいて、前記購入商品リストから前記イートイン対象商品を抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出したイートイン対象商品を選択可能なイートイン選択画面を生成し、前記携帯端末へ送信する選択画面生成部と、
を備えるサーバ装置。
【0110】
(付記12)
顧客が使用する携帯端末と通信可能なサーバ装置により実行される購入管理方法であって、
商品に付されたコードから読み取られた商品識別情報を前記携帯端末から受信し、
前記商品識別情報に対応付けて、前記商品がイートインの対象となるイートイン対象商品であるか否かを商品情報として記憶し、
前記商品識別情報に基づいて、購入商品リストを作成し、
前記商品情報に基づいて、前記購入商品リストから前記イートイン対象商品を抽出し、
抽出したイートイン対象商品を選択可能なイートイン選択画面を生成し、前記携帯端末へ送信する購入管理方法。
【0111】
(付記13)
商品に付されたコードから読み取られた商品識別情報を携帯端末から受信し、
前記商品識別情報に対応付けて、前記商品がイートインの対象となるイートイン対象商品であるか否かを商品情報として記憶し、
前記商品識別情報に基づいて、購入商品リストを作成し、
前記商品情報に基づいて、前記購入商品リストから前記イートイン対象商品を抽出し、
抽出したイートイン対象商品を選択可能なイートイン選択画面を生成し、前記携帯端末へ送信する処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【0112】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。
【符号の説明】
【0113】
1 POSサーバ
2 管理サーバ
3 携帯端末
5 会計機
7 商品バーコード
56 バーコードリーダ
100 購入管理システム