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特許7400548情報処理装置、画像処理装置、情報処理システム、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、画像処理装置、情報処理システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20231212BHJP
   G06F 40/123 20200101ALI20231212BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F40/123
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020035946
(22)【出願日】2020-03-03
(65)【公開番号】P2021140328
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 深雪
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-143165(JP,A)
【文献】特開2012-014590(JP,A)
【文献】特開2011-065255(JP,A)
【文献】特開平05-165619(JP,A)
【文献】特開2019-113987(JP,A)
【文献】特開2013-235556(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0261775(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0122479(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0280390(US,A1)
【文献】特表2018-531150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
G06F 40/123
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、前記プロセッサは、
文書に含まれる複数の語句を種類ごとに抽出し、
前記種類ごとに、該種類に属する語句のいずれか1つをそれぞれ選択し、
前記種類ごとに配置を定める規則に沿って、選択された前記語句を配置した第1文字列を生成し、
利用者から、前記第1文字列に含まれる第1語句を変更する操作を受付けたとき、該第1語句と共通の種類に属する、1以上の他の語句を前記利用者に提示し、
前記第1文字列の前記第1語句を、前記提示された他の語句の中から前記利用者が選択した第2語句に変更した第2文字列を生成し、
前記第2文字列を前記文書に対応付けてメモリに記憶し、
前記第1文字列に含まれる前記第1語句について、当該第1語句と共通の種類に属する前記他の語句の数が2以上の予め定めた閾値以上である場合、当該他の語句の数に関する情報を提示する
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記1以上の他の語句が複数ある場合、該他の語句を、決められた基準に沿った順に並べて提示する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記1以上の他の語句が複数ある場合、該他の語句を、過去に前記利用者によって選択された回数に応じた順に並べて提示する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記1以上の他の語句が複数ある場合、該他の語句を、前記文書における位置に応じた順に並べて提示する
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記1以上の他の語句が複数ある場合、該他の語句を、前記文書に含まれる決められた語句との相対位置に応じた順に並べて提示する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記1以上の他の語句が複数ある場合、該他の語句を、前記文書に含まれる図形との相対位置に応じた順に並べて提示する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記1以上の他の語句が複数ある場合、該他の語句を、前記文書に対して占める割合に応じた順に並べて提示する
請求項2から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記1以上の他の語句が複数ある場合、該他の語句を、前記文書に含まれる全ての語句に対して占める割合に応じた順に並べて提示する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記利用者から、前記第1文字列において前記第1語句を移動させる操作を受付けたとき、該操作に応じて該第1語句を移動させるとともに、前記規則における、該第1語句が属する種類の配置を、該第1語句の移動後の配置に変更する
請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記利用者から、前記第1文字列において前記第1語句を移動させる操作を受付け、かつ、該操作を前記規則に反映させる旨の指示があった場合に、該規則における前記配置を変更する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記利用者ごとに定められた前記規則に沿って、前記第1文字列を生成する
請求項1から10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
スキャナ及びプロセッサを有し、前記プロセッサは、
前記スキャナが読取った、文書を示す画像を取得し、
前記画像から、前記文書に含まれる複数の語句を種類ごとに抽出し、
前記種類ごとに、該種類に属する語句のいずれか1つをそれぞれ選択し、
前記種類ごとに配置を定める規則に沿って、選択された前記語句を配置した第1文字列を生成し、
利用者から、前記第1文字列に含まれる第1語句を変更する操作を受付けたとき、該第1語句と共通の種類に属する、1以上の他の語句を前記利用者に提示し、
前記第1文字列の前記第1語句を、前記提示された他の語句の中から前記利用者が選択した第2語句に変更した第2文字列を生成し、
前記第2文字列を前記文書に対応付けてメモリに記憶し、
前記第1文字列に含まれる前記第1語句について、当該第1語句と共通の種類に属する前記他の語句の数が2以上の予め定めた閾値以上である場合、当該他の語句の数に関する情報を提示する
画像処理装置。
【請求項13】
プロセッサを有するサーバ装置、及びプロセッサを有する情報処理装置、を有し、
前記プロセッサのいずれかは、
文書に含まれる複数の語句を種類ごとに抽出し、
前記種類ごとに、該種類に属する語句のいずれか1つをそれぞれ選択し、
前記種類ごとに配置を定める規則に沿って、選択された前記語句を配置した第1文字列を生成し、
利用者から、前記第1文字列に含まれる第1語句を変更する操作を受付けたとき、該第1語句と共通の種類に属する、1以上の他の語句を前記利用者に提示し、
前記第1文字列の前記第1語句を、前記提示された他の語句の中から前記利用者が選択した第2語句に変更した第2文字列を生成し、
前記第2文字列を前記文書に対応付けてメモリに記憶し、
前記第1文字列に含まれる前記第1語句について、当該第1語句と共通の種類に属する前記他の語句の数が2以上の予め定めた閾値以上である場合、当該他の語句の数に関する情報を提示する
情報処理システム。
【請求項14】
プロセッサを有するコンピュータに、
文書に含まれる複数の語句を種類ごとに抽出するステップと、
前記種類ごとに、該種類に属する語句のいずれか1つをそれぞれ選択するステップと、
前記種類ごとに配置を定める規則に沿って、選択された前記語句を配置した第1文字列を生成するステップと、
利用者から、前記第1文字列に含まれる第1語句を変更する操作を受付けたとき、該第1語句と共通の種類に属する、1以上の他の語句を前記利用者に提示するステップと、
前記第1文字列の前記第1語句を、前記提示された他の語句の中から前記利用者が選択した第2語句に変更した第2文字列を生成するステップと、
前記第2文字列を前記文書に対応付けてメモリに記憶するステップと、
前記第1文字列に含まれる前記第1語句について、当該第1語句と共通の種類に属する前記他の語句の数が2以上の予め定めた閾値以上である場合、当該他の語句の数に関する情報を提示するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像処理装置、情報処理システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
文書の内容に応じて、その文書に対応付ける文書名、タグ、記憶領域名等の文字列を付与する技術がある。
例えば、特許文献1は、第一の用紙より読み取られた第一の画像データに基づいて、この第一の用紙に対する記入位置を検出し、第二の用紙より読み取られた第二の画像データについて、検出した記入位置に基づいて特定される領域に対して文字認識を実行し、この文字認識の結果に基づいて第二の画像データの識別名を生成する画像処理装置を開示している(請求項2)。
また、例えば、特許文献2は、画像データを取得して、この画像データの文字部分についてOCR処理を実行して、文字列を抽出・表示し、表示された文字列から、画像データのファイル名に含める文字列を選択させて、その文字列に基づいたファイル名をこの画像データに設定する文書処理装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-76581号公報
【文献】特開2005-275849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、これらの技術は、付与した文書名等が適切でない場合もあるため、利用者からその文書名等の修正を受付けることがある。
【0005】
本願発明は、文書名等、文書に対応付けて記憶される文字列を、その文書に含まれる語句から生成したときに、修正の内容を直接入力する場合に比べて、その文字列の修正を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る情報処理装置は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、文書に含まれる複数の語句を種類ごとに抽出し、前記種類ごとに、該種類に属する語句のいずれか1つをそれぞれ選択し、前記種類ごとに配置を定める規則に沿って、選択された前記語句を配置した第1文字列を生成し、利用者から、前記第1文字列に含まれる第1語句を変更する操作を受付けたとき、該第1語句と共通の種類に属する、1以上の他の語句を前記利用者に提示し、前記第1文字列の前記第1語句を、前記提示された他の語句の中から前記利用者が選択した第2語句に変更した第2文字列を生成し、前記第2文字列を前記文書に対応付けてメモリに記憶し、前記第1文字列に含まれる前記第1語句について、当該第1語句と共通の種類に属する前記他の語句の数が2以上の予め定めた閾値以上である場合、当該他の語句の数に関する情報を提示する情報処理装置である。
【0007】
本発明の請求項2に係る情報処理装置は、請求項1に記載の態様において、前記プロセッサは、前記1以上の他の語句が複数ある場合、該他の語句を、決められた基準に沿った順に並べて提示する情報処理装置である。
【0008】
本発明の請求項3に係る情報処理装置は、請求項2に記載の態様において、前記プロセッサは、前記1以上の他の語句が複数ある場合、該他の語句を、過去に前記利用者によって選択された回数に応じた順に並べて提示する情報処理装置である。
【0009】
本発明の請求項4に係る情報処理装置は、請求項2又は3に記載の態様において、前記プロセッサは、前記1以上の他の語句が複数ある場合、該他の語句を、前記文書における位置に応じた順に並べて提示する情報処理装置である。
【0010】
本発明の請求項5に係る情報処理装置は、請求項4に記載の態様において、前記プロセッサは、前記1以上の他の語句が複数ある場合、該他の語句を、前記文書に含まれる決められた語句との相対位置に応じた順に並べて提示する情報処理装置である。
【0011】
本発明の請求項6に係る情報処理装置は、請求項4に記載の態様において、前記プロセッサは、前記1以上の他の語句が複数ある場合、該他の語句を、前記文書に含まれる図形との相対位置に応じた順に並べて提示する情報処理装置である。
【0012】
本発明の請求項7に係る情報処理装置は、請求項2から6のいずれか1項に記載の態様において、前記プロセッサは、前記1以上の他の語句が複数ある場合、該他の語句を、前記文書に対して占める割合に応じた順に並べて提示する情報処理装置である。
【0013】
本発明の請求項8に係る情報処理装置は、請求項7に記載の態様において、前記プロセッサは、前記1以上の他の語句が複数ある場合、該他の語句を、前記文書に含まれる全ての語句に対して占める割合に応じた順に並べて提示する情報処理装置である。
【0014】
本発明の請求項9に係る情報処理装置は、請求項1から8のいずれか1項に記載の態様において、前記プロセッサは、前記利用者から、前記第1文字列において前記第1語句を移動させる操作を受付けたとき、該操作に応じて該第1語句を移動させるとともに、前記規則における、該第1語句が属する種類の配置を、該第1語句の移動後の配置に変更する情報処理装置である。
【0015】
本発明の請求項10に係る情報処理装置は、請求項9に記載の態様において、前記プロセッサは、前記利用者から、前記第1文字列において前記第1語句を移動させる操作を受付け、かつ、該操作を前記規則に反映させる旨の指示があった場合に、該規則における前記配置を変更する情報処理装置である。
【0016】
本発明の請求項11に係る情報処理装置は、請求項1から10のいずれか1項に記載の態様において、前記プロセッサは、前記利用者ごとに定められた前記規則に沿って、前記第1文字列を生成する情報処理装置である。
【0021】
本発明の請求項1に係る画像処理装置は、スキャナ及びプロセッサを有し、前記プロセッサは、前記スキャナが読取った、文書を示す画像を取得し、前記画像から、前記文書に含まれる複数の語句を種類ごとに抽出し、前記種類ごとに、該種類に属する語句のいずれか1つをそれぞれ選択し、前記種類ごとに配置を定める規則に沿って、選択された前記語句を配置した第1文字列を生成し、利用者から、前記第1文字列に含まれる第1語句を変更する操作を受付けたとき、該第1語句と共通の種類に属する、1以上の他の語句を前記利用者に提示し、前記第1文字列の前記第1語句を、前記提示された他の語句の中から前記利用者が選択した第2語句に変更した第2文字列を生成し、前記第2文字列を前記文書に対応付けてメモリに記憶し、前記第1文字列に含まれる前記第1語句について、当該第1語句と共通の種類に属する前記他の語句の数が2以上の予め定めた閾値以上である場合、当該他の語句の数に関する情報を提示する画像処理装置である。
【0022】
本発明の請求項1に係る情報処理システムは、プロセッサを有するサーバ装置、及びプロセッサを有する情報処理装置、を有し、前記プロセッサのいずれかは、文書に含まれる複数の語句を種類ごとに抽出し、前記種類ごとに、該種類に属する語句のいずれか1つをそれぞれ選択し、前記種類ごとに配置を定める規則に沿って、選択された前記語句を配置した第1文字列を生成し、利用者から、前記第1文字列に含まれる第1語句を変更する操作を受付けたとき、該第1語句と共通の種類に属する、1以上の他の語句を前記利用者に提示し、前記第1文字列の前記第1語句を、前記提示された他の語句の中から前記利用者が選択した第2語句に変更した第2文字列を生成し、前記第2文字列を前記文書に対応付けてメモリに記憶し、前記第1文字列に含まれる前記第1語句について、当該第1語句と共通の種類に属する前記他の語句の数が2以上の予め定めた閾値以上である場合、当該他の語句の数に関する情報を提示する情報処理システムである。
【0023】
本発明の請求項1に係るプログラムは、プロセッサを有するコンピュータに、文書に含まれる複数の語句を種類ごとに抽出するステップと、前記種類ごとに、該種類に属する語句のいずれか1つをそれぞれ選択するステップと、前記種類ごとに配置を定める規則に沿って、選択された前記語句を配置した第1文字列を生成するステップと、利用者から、前記第1文字列に含まれる第1語句を変更する操作を受付けたとき、該第1語句と共通の
種類に属する、1以上の他の語句を前記利用者に提示するステップと、前記第1文字列の前記第1語句を、前記提示された他の語句の中から前記利用者が選択した第2語句に変更した第2文字列を生成するステップと、前記第2文字列を前記文書に対応付けてメモリに記憶するステップと、前記第1文字列に含まれる前記第1語句について、当該第1語句と共通の種類に属する前記他の語句の数が2以上の予め定めた閾値以上である場合、当該他の語句の数に関する情報を提示するステップと、を実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0024】
請求項1、1、1に係る発明によれば、利用者は、文書に含まれる語句から生成された、その文書に対応付けて記憶される文字列を、直接入力する場合に比べて容易に修正することができる。また、これらの発明によれば、第1文字列を構成する第1語句に関し、ユーザに対して他の語句が存在することを知らせることができる。
請求項2に係る発明によれば、利用者は、第1文字列に含まれる第1語句を、共通の種類に属する他の語句のいずれかに変更する際に、他の語句を並び替えない場合に比べて、決められた基準に沿った評価等が高い語句を選び易い。
請求項3に係る発明によれば、利用者は、第1文字列に含まれる第1語句を、共通の種類に属する他の語句のいずれかに変更する際に、他の語句を並び替えない場合に比べて、選択された回数の多い語句を選び易い。
請求項4に係る発明によれば、利用者は、第1文字列に含まれる第1語句を、共通の種類に属する他の語句のいずれかに変更する際に、他の語句を並び替えない場合に比べて、文書における位置に応じた評価等が高い語句を選び易い。
請求項5に係る発明によれば、利用者は、第1文字列に含まれる第1語句を、共通の種類に属する他の語句のいずれかに変更する際に、他の語句を並び替えない場合に比べて、文書に含まれる決められた語句との相対位置に応じた評価等が高い語句を選び易い。
請求項6に係る発明によれば、利用者は、第1文字列に含まれる第1語句を、共通の種類に属する他の語句のいずれかに変更する際に、他の語句を並び替えない場合に比べて、文書に含まれる図形との相対位置に応じた評価等が高い語句を選び易い。
請求項7に係る発明によれば、利用者は、第1文字列に含まれる第1語句を、共通の種類に属する他の語句のいずれかに変更する際に、他の語句を並び替えない場合に比べて、文書に対して占める割合に応じた評価等が高い語句を選び易い。
請求項8に係る発明によれば、利用者は、第1文字列に含まれる第1語句を、共通の種類に属する他の語句のいずれかに変更する際に、他の語句を並び替えない場合に比べて、文書に含まれる全ての語句に対して占める割合に応じた評価等が高い語句を選び易い。
請求項9に係る発明によれば、第1文字列において第1語句が移動するとともに、この移動に応じて第1文字列を生成する規則も変更される。
請求項10に係る発明によれば、利用者から操作を規則に反映させる旨の指示があったときに、第1文字列において第1語句が移動するとともに、この移動に応じて第1文字列を生成する規則も変更される。
請求項11に係る発明によれば、第1文字列を生成する規則は、利用者ごとに定められる
請求項1に係る発明によれば、利用者は、スキャナが読取った画像が示す文書に含まれる語句から生成された、その文書に対応付けて記憶される文字列を、直接入力する場合に比べて容易に修正することができる。また、この発明によれば、第1文字列を構成する第1語句に関し、ユーザに対して他の語句が存在することを知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】情報処理システム9の全体構成の例を示す図。
図2】画像処理装置1の構成の例を示す図。
図3】サーバ装置4の構成の例を示す図。
図4】文書リポジトリ420の例を示す図。
図5】情報処理装置2の構成の例を示す図。
図6】配置RB221の例を示す図。
図7】順位RB222の例を示す図。
図8】履歴DB223の例を示す図。
図9】情報処理装置2の機能的構成の例を示す図。
図10】配置RB221を設定する動作の流れの例を示すフロー図。
図11】語句配置規則を設定する操作画面の例を示す図。
図12】語句の順序を変更する操作の例を示す図。
図13】第1文字列を提示する動作の流れの例を示すフロー図。
図14】提示される第1文字列の例を示す図。
図15】文書を記憶する動作の流れの例を示すフロー図。
図16】第1語句を変更する操作の例を示す図。
図17】第1文字列における第1語句の配置を変更する操作の例を示す図。
図18】変形例における画像処理装置1の構成の例を示す図。
図19】変形例における画像処理装置1の機能的構成の例を示す図。
図20】変形例におけるプロセッサ11及びプロセッサ21の機能を説明する図。
図21】変形例におけるサーバ装置4の構成を示す図。
図22】変形例におけるプロセッサ41及びプロセッサ21の機能を説明する図。
図23】変形例において提示される第1文字列の例を示す図。
図24】変形例において付加情報とともに提示される第1文字列の例を示す図。
図25】変形例において評価の差を示す付加情報とともに提示される第1文字列の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<実施形態>
<情報処理システムの構成>
図1は、情報処理システム9の全体構成の例を示す図である。情報処理システム9は、作成された文書の文書名等を生成し、指示に応じて変更して、その文書に対応付けて記憶するためのシステムである。情報処理システム9は、図1に示す通り画像処理装置1、情報処理装置2、通信回線3、及びサーバ装置4を有する。
【0027】
画像処理装置1は、例えば、用紙等の媒体上に形成された、文書を示す画像を光学的に読取って、その文書を示す文書データを生成するスキャナを備える画像処理装置である。画像処理装置1は、通信回線3を介して、文書データを外部の装置に供給する。画像処理装置1は、媒体上に画像を形成する機能を有していてもよい。
【0028】
情報処理装置2は、情報処理システム9の利用者がそれぞれ利用する端末装置であり、例えば、デスクトップ型やノート型、タブレット型等のパーソナルコンピュータである。情報処理装置2は、利用者の操作を受付けて、画像処理装置1及びサーバ装置4に対してその操作に応じた指示をする。
【0029】
サーバ装置4は、例えばコンピュータであり、クライアント装置である画像処理装置1、又は情報処理装置2の要求に応答するサーバ装置である。なお、図1に示す情報処理システム9は、複数のサーバ装置4を有する。これら複数のサーバ装置4は、互いに機能を動的に分担することにより、クラウドCを構成する。クラウドCは、画像処理装置1で読取られた文書を示す文書データに、それぞれ固有の文書名を付与して記憶する。クラウドCを構成する場合、複数のサーバ装置4のいずれかは、他のサーバ装置4の処理負荷を監視して処理の割当を行う、いわゆるロードバランサとして機能してもよい。
【0030】
通信回線3は、画像処理装置1、情報処理装置2、及びサーバ装置4を通信可能に接続する回線である。通信回線3は、例えばLAN(Local Area Network)のほか、WAN(Wide Area Network)であってもよいし、インターネットであってもよいし、これらの組合せであってもよい。また、通信回線3は、公衆交換通信網(PSTN:Public Switched Telephone Networks)やサービス統合デジタル網(ISDN:Integrated Services Digital Network)等を含むものでもよい。
【0031】
なお、情報処理システム9における画像処理装置1、情報処理装置2、通信回線3、及びサーバ装置4の、それぞれの数は図1に示したものに限られず、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0032】
<画像処理装置の構成>
図2は、画像処理装置1の構成の例を示す図である。図2に示す画像処理装置1は、プロセッサ11、メモリ12、インタフェース13、操作部14、表示部15、及びスキャナ16を有する。これらの構成は、例えばバスで、互いに通信可能に接続されている。
【0033】
プロセッサ11は、メモリ12に記憶されているコンピュータプログラム(以下、単にプログラムという)を読出して実行することにより画像処理装置1の各部を制御する。プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0034】
メモリ12は、プロセッサ11に読み込まれるオペレーティングシステム、各種のプログラム、データ等を記憶する記憶手段である。メモリ12は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を有する。なお、メモリ12は、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ等を有してもよい。
【0035】
インタフェース13は、有線又は無線により通信回線3を介して、画像処理装置1を情報処理装置2、及びサーバ装置4にそれぞれ通信可能に接続する通信回路である。
【0036】
操作部14は、各種の指示をするための操作ボタン、操作キー、タッチパネル等の操作子を備えており、操作を受付けてその操作内容に応じた信号をプロセッサ11に送る。
【0037】
表示部15は、液晶ディスプレイ等の表示画面を有しており、プロセッサ11の制御の下、画像を表示する。表示画面の上には、操作部14の透明のタッチパネルが重ねて配置されてもよい。
【0038】
スキャナ16は、プロセッサ11の制御の下、用紙等の媒体上に形成された、文書を示す画像を光学的に読取り、その文書を示す文書データを生成する。
【0039】
<サーバ装置の構成>
図3は、サーバ装置4の構成の例を示す図である。図3に示すサーバ装置4は、プロセッサ41、メモリ42、及びインタフェース43を有する。これらの構成は、例えばバスで、互いに通信可能に接続されている。
【0040】
プロセッサ41は、メモリ42に記憶されているプログラムを読出して実行することによりサーバ装置4の各部を制御する。プロセッサ41は、例えばCPUである。
【0041】
インタフェース43は、有線又は無線により通信回線3を介して、サーバ装置4を画像処理装置1、及び情報処理装置2にそれぞれ通信可能に接続する通信回路である。
【0042】
メモリ42は、プロセッサ41に読み込まれるオペレーティングシステム、各種のプログラム、データ等を記憶する記憶手段である。メモリ42は、RAMやROMを有する。なお、メモリ42は、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ等を有してもよい。
【0043】
また、メモリ42は、文書リポジトリ420を記憶する。図4は、文書リポジトリ420の例を示す図である。図4に示す通り、文書リポジトリ420は、画像処理装置1によって供給される文書データを、それぞれ、その文書データが示す文書に固有の文書名とともに対応付けて記憶する記憶領域である。
【0044】
<情報処理装置の構成>
図5は、情報処理装置2の構成の例を示す図である。図5に示す情報処理装置2は、プロセッサ21、メモリ22、インタフェース23、操作部24、及び表示部25を有する。これらの構成は、例えばバスで、互いに通信可能に接続されている。
【0045】
プロセッサ21は、メモリ22に記憶されているプログラムを読出して実行することにより情報処理装置2の各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPUである。
【0046】
インタフェース23は、有線又は無線により通信回線3を介して、情報処理装置2を情報処理装置2、及びサーバ装置4にそれぞれ通信可能に接続する通信回路である。
【0047】
操作部24は、各種の指示をするための操作ボタン、キーボード、タッチパネル、マウス等の操作子を備えており、操作を受付けてその操作内容に応じた信号をプロセッサ21に送る。
【0048】
表示部25は、液晶ディスプレイ等の表示画面を有しており、プロセッサ21の制御の下、画像を表示する。表示画面の上には、操作部24の透明のタッチパネルが重ねて配置されてもよい。
【0049】
メモリ22は、プロセッサ21に読み込まれるオペレーティングシステム、各種のプログラム、データ等を記憶する記憶手段である。メモリ22は、RAMやROMを有する。なお、メモリ22は、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ等を有してもよい。
【0050】
また、メモリ22は、配置RB221、順位RB222、及び履歴DB223を記憶する。
【0051】
<配置RBの構成>
図6は、配置RB221の例を示す図である。配置RB221は、文書に対応付ける文書名を示す文字列(以下、第1文字列という)を、その文書に含まれる複数の語句から生成する際に、各語句の種類ごとに第1文字列における配置を定める規則(語句配置規則ともいう)、を記憶するルールベースである。図4に示す配置RB221は、語句配置規則を利用者IDごとに記憶する。利用者IDとは、利用者を識別する識別情報である。なお、利用者ID「U00」は、どの利用者にも割り当てられていない識別情報であり、全ての利用者に共通の語句配置規則と対応付けて記憶するための識別情報である。
【0052】
図6に示す配置RB221において、例えば、利用者ID「U01」に対応付けられている語句配置規則は「<日付><時刻><文書種別><会社名>.xdw」である。これは、「U01」で識別される利用者がサーバ装置4に記憶させようとする文書データは、その文書データにより示される文書から、日付、時刻、文書種別、会社名のそれぞれの種類に属する語句を抽出し、この順で並べて拡張子「.xdw」を付加した第1文字列に対応付けて記憶されることを意味する。なお、この語句配置規則において、「<」及び「>」は語句の種類の名称を示す種類名の開始位置及び終了位置をそれぞれ示す予約語である。
【0053】
<順位RBの構成>
図7は、順位RB222の例を示す図である。順位RB222は、第1文字列に含まれる語句(第1語句という)を変更する操作を受付けたときに、その第1語句と共通の種類に属する、1以上の他の語句を利用者に表示する際の順序を決定するための指標(評価指標という)と、その評価指標を適用する順序を、併せて記憶するルールベースである。図7に示す順位RB222は、適用順序リスト2221、及び評価指標リスト2222を有する。
【0054】
評価指標リスト2222は、評価指標を、その識別情報である評価IDごとに列挙したリストである。例えば、評価ID「R01」は、「開始位置への近さ」という評価指標に対応付けられている。この評価指標は、語句の文書における位置が、その文書の開始位置(例えば「左上隅」等)に近いほど高く評価する、という評価指標である。
【0055】
また、例えば、評価ID「R02」は、「文字サイズの大きさ」という評価指標に対応付けられている。この評価指標は、語句の文字サイズが大きいほど高く評価する、という評価指標である。
また、例えば、評価ID「R04」は、「フォントの種類」という評価指標に対応付けられている。この評価指標は、例えばフォントの種類ごとに予め得点が定められており、上述した他の語句を、そのフォントの種類に定められた得点によって評価する、というものである。
【0056】
また、例えば、評価ID「R06」は、「隣接文字」であり、語句を、その語句に隣接する文字に予め定められた得点により評価する、という評価指標の識別情報である。この評価指標では、例えば、「様」という文字が隣接している語句には「10点」が与えられる。
【0057】
また、例えば、評価ID「R07」は、「選択回数」という評価指標に対応付けられている。この評価指標は、利用者が語句を選択した回数に応じてその語句を評価する、という評価指標である。この評価指標では、後述する履歴DB223が参照される。
【0058】
適用順序リスト2221は、評価指標を適用する順序を、利用者ごとに定めたリストである。図7に示す適用順序リスト2221は、利用者ID、及び適用順序の項目があり、例えば、利用者ID「U01」には、適用順序「R01→R02→R04」が対応付けて記憶されている。
【0059】
これは、利用者「U01」に対しては、「R01」→「R02」→「R04」の順に評価を適用して、上述した「1以上の他の語句」を並べて表示することを意味する。すなわち、利用者「U01」に対しては、第1語句と共通の種類に属する他の語句は、まず、「開始位置への近さ」で評価され、次に、「文字サイズの大きさ」で評価され、最後に「フォントの種類」で評価されて、表示の順序が決まる。
【0060】
なお、適用順序の欄には、複数の評価を重複して用いることを表現する内容が記載されてもよい。例えば、図7に示す利用者「U03」に対しては、適用順序「R06,R07」が記憶されている。これは、利用者「U03」に対しては、上述した他の語句を、例えば、「隣接文字列」、及び「選択回数」の評価の合計により評価することを意味する。
【0061】
<履歴DBの構成>
図8は、履歴DB223の例を示す図である。履歴DB223は、利用者が第1語句を変更する際に、提示された他の語句の中から選択した語句を記憶するデータベースである。図8に示す履歴DB223は、利用者ID、選択日時、語句種類、及び選択語句の項目を有する。
【0062】
図8に示す履歴DB223において、利用者IDは、選択をした利用者の識別情報である。また、選択日時は、利用者が第1語句から変更する他の語句選択した日時を示す情報である。また、語句種類は、利用者が変更する操作をした第1語句の種類を示す情報である。また、選択語句は、利用者が第1語句から変更する、共通の種類に属する他の語句として選択した語句を示す情報である。プロセッサ21は、履歴DB223を参照することで、文書に含まれる語句が利用者に選択された回数を算出する。
【0063】
<情報処理装置の機能的構成>
図9は、情報処理装置2の機能的構成の例を示す図である。情報処理装置2のプロセッサ21は、メモリ22に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部211、抽出部212、選択部213、第1生成部214、提示部215、受付部216、第2生成部217、記憶制御部218、及び送信部219として機能する。
【0064】
取得部211は、画像処理装置1においてスキャナ16が読取った、文書を示す画像を取得する。つまり、この取得部211として機能するプロセッサ21は、スキャナが読取った、文書を示す画像を取得するプロセッサの例である。
【0065】
抽出部212は、取得した画像から、上述した文書に含まれる複数の語句を種類ごとに抽出する。抽出部212は、例えば、取得部211が取得した画像に対して光学文字認識処理(OCR:Optical character recognition)を実行して複数の語句をそれぞれ認識し、メモリ22に記憶された語句のデータベース(図示せず)を参照して、認識した語句の種類をそれぞれ特定する。つまり、この抽出部212として機能するプロセッサ21は、文書に含まれる複数の語句を種類ごとに抽出するプロセッサの例である。
【0066】
選択部213は、種類ごとに抽出した複数の語句の中から、その種類ごとに1つずつ、それぞれ選択する。選択部213は、例えば、文書における出現順に語句を選択してもよいし、順位RB222に記憶された評価の適用順序に応じて選択してもよい。つまり、この選択部213として機能するプロセッサ21は、種類ごとに、この種類に属する語句のいずれか1つをそれぞれ選択するプロセッサの例である。
【0067】
第1生成部214は、選択部213が選択した語句を配置RB221に記憶された語句配置規則に沿って配置することにより、第1文字列を生成する。つまり、この第1生成部214として機能するプロセッサ21は、種類ごとに配置を定める規則に沿って、選択部213により選択された語句を配置した第1文字列を生成するプロセッサの例である。
【0068】
なお、配置RB221において語句配置規則は、利用者ごとに決められていなくてもよいが、図6に示す配置RB221は、利用者IDごとに語句配置規則が対応付けられている。第1生成部214が、例えば図6に示す配置RB221に沿って、選択部213が選択した語句を配置する場合、共通の文書からであっても、利用者ごとに異なる第1文字列が生成されることがある。この場合、この第1生成部214として機能するプロセッサ21は、利用者ごとに定められた規則に沿って、第1文字列を生成するプロセッサの例である。
【0069】
受付部216は、操作部24を介して利用者から、第1文字列に含まれる第1語句を変更する操作や、第1語句の第1文字列における位置を移動する操作等を受付ける。また、受付部216は、配置RB221の設定を変更する操作を受付ける。
【0070】
提示部215は、第1生成部214により生成された第1文字列を表示部25に表示させることにより利用者に提示する。
【0071】
また、提示部215は、受付部216が、第1文字列に含まれる第1語句を変更する操作を利用者から受付けたとき、文書に含まれる語句であって、第1語句と共通の種類に属する、1以上の他の語句を表示部25に表示させることにより、利用者に提示する。つまり、この提示部215として機能するプロセッサ21は、利用者から、第1文字列に含まれる第1語句を変更する操作を受付けたとき、この第1語句と共通の種類に属する、1以上の他の語句を利用者に提示するプロセッサの例である。
【0072】
ここで、提示部215は、第1語句と共通の種類に属する、1以上の他の語句が複数、存在する場合、それらを順位RB222に沿った順に並べて提示する。つまり、この提示部215として機能するプロセッサ21は、1以上の他の語句が複数ある場合、この他の語句を、決められた基準に沿った順に並べて提示するプロセッサの例である。
【0073】
なお、順位RB222に、利用者の過去の選択回数に応じた評価指標が含まれている場合、提示部215は、履歴DB223を参照して、利用者の過去の選択回数に応じて、上述した1以上の他の語句をそれぞれ評価し、その評価した結果の順にこれらを並べて提示してもよい。この場合、この提示部215として機能するプロセッサ21は、1以上の他の語句が複数ある場合、これら他の語句を、過去に利用者によって選択された回数に応じた順に並べて提示するプロセッサの例である。
【0074】
また、順位RB222に、例えば「開始位置への近さ」等、文書における位置に応じて語句を評価する評価指標が含まれている場合、提示部215は、文書における位置に応じて、上述した1以上の他の語句をそれぞれ評価し、その評価した結果の順にこれらを並べて提示してもよい。この場合、この提示部215として機能するプロセッサ21は、1以上の他の語句が複数ある場合、これら他の語句を、上述した文書における位置に応じた順に並べて提示するプロセッサの例である。
【0075】
また、順位RB222に、例えば「隣接文字」等、文書に含まれる「様」「殿」「御中」等の決められた語句との相対位置に応じて語句を評価する評価指標が含まれている場合、提示部215は、文書に含まれる決められた語句との相対位置に応じて、上述した1以上の他の語句をそれぞれ評価し、その評価した結果の順にこれらを並べて提示してもよい。この場合、この提示部215として機能するプロセッサ21は、1以上の他の語句が複数ある場合、該他の語句を、前記文書に含まれる決められた語句との相対位置に応じた順に並べて提示するプロセッサの例である。
【0076】
また、順位RB222に、例えば、企業のロゴ等、文書に含まれる決められた図形からの距離に応じて語句を評価する評価指標が含まれている場合、提示部215は、この図形からの距離に応じて、上述した1以上の他の語句をそれぞれ評価し、その評価した結果の順にこれらを並べて提示してもよい。この場合、この提示部215として機能するプロセッサ21は、1以上の他の語句が複数ある場合、該他の語句を、前記文書に含まれる図形との相対位置に応じた順に並べて提示するプロセッサの例である。
【0077】
また、順位RB222に、例えば、文書に対して占める割合に応じて語句を評価する評価指標が含まれている場合、提示部215は、この割合に応じて、上述した1以上の他の語句をそれぞれ評価し、その評価した結果の順にこれらを並べて提示してもよい。ここでいう語句の「文書に対して占める割合」は、例えば、文書全体の面積に対する、語句の占める面積の比率等である。この場合、この提示部215として機能するプロセッサ21は、1以上の他の語句が複数ある場合、該他の語句を、前記文書に対して占める割合に応じた順に並べて提示するプロセッサの例である。
【0078】
上述した「文書全体の面積」には、図形やイラスト、写真等、文字以外のものも含まれるが、これを含まない評価指標があってもよい。すなわち、順位RB222に、例えば、文書に含まれる全ての語句に対して占める割合に応じて、語句を評価する評価指標が含まれている場合、提示部215は、この割合に応じて、上述した1以上の他の語句をそれぞれ評価し、その評価した結果の順にこれらを並べて提示してもよい。この場合、この提示部215として機能するプロセッサ21は1以上の他の語句が複数ある場合、該他の語句を、前記文書に含まれる全ての語句に対して占める割合に応じた順に並べて提示するプロセッサの例である。
【0079】
受付部216は、操作部24を介して利用者から、提示部215により提示された他の語句のうち第2語句を選択する操作を受付ける。
【0080】
第2生成部217は、受付部216が第2語句を選択する操作を受付けたとき、第1文字列に含まれる上述した第1語句を、選択された第2語句に変更することで、第2文字列を生成する。つまり、この第2生成部217として機能するプロセッサ21は、第1文字列の第1語句を、提示された他の語句の中から利用者が選択した第2語句に変更した第2文字列を生成するプロセッサの例である。
【0081】
送信部219は、生成された第2文字列を上述した文書を示す文書データに対応付けて、インタフェース23を介してサーバ装置4に送信する。サーバ装置4は、受信した第2文字列を文書データに対応付けてメモリ42の文書リポジトリ420に記憶する。つまり、この送信部219として機能するプロセッサ21は、第2文字列を文書に対応付けてメモリに記憶させるプロセッサの例である。
【0082】
また、情報処理装置2から受信した第2文字列を文書データに対応付けてメモリ42の文書リポジトリ420に記憶するサーバ装置4のプロセッサ41は、第2文字列を文書に対応付けてメモリに記憶するプロセッサの例である。
【0083】
記憶制御部218は、第2文字列が生成されるときに利用者に選択された語句を履歴DB223に記憶する。また、記憶制御部218は、受付部216が第1文字列において第1語句の位置を移動させる操作を受付けたときに、この操作に応じて第1語句の位置を移動させ、かつ、配置RB221における第1語句が属する種類の配置を、移動後の第1語句の配置に変更する。
【0084】
つまり、この記憶制御部218として機能するプロセッサ21は、利用者から、第1文字列において第1語句を移動させる操作を受付けたとき、この操作に応じて第1語句を移動させるとともに、規則における、この第1語句が属する種類の配置を、第1語句の移動後の配置に変更するプロセッサの例である。第1生成部214は、操作に応じて第1語句の位置が変更した第1文字列を生成し、提示部215は、この第1文字列を表示部25に表示させる。
【0085】
<情報処理装置の動作>
<配置RBを設定する動作>
図10は、配置RB221を設定する動作の流れの例を示すフロー図である。情報処理装置2のプロセッサ21は、文書名を生成する処理において、語句を配置する規則(すなわち、語句配置規則)を設定する操作を受付けたか否かを判断する(ステップS001)。この設定する操作を受付けていないと判断する場合(ステップS001;NO)、プロセッサ21は、このステップS001の判断を続ける。
【0086】
一方、この設定する操作を受付けたと判断する場合(ステップS001;YES)、プロセッサ21は、この操作に応じてメモリ22に記憶されている配置RB221を更新する(ステップS002)。
【0087】
図11は、語句配置規則を設定する操作画面の例を示す図である。図11において、チェックボックスC1は「文書名を自動付与する」という文字列の左端に表示されている。利用者が、このチェックボックスC1をチェックすると、情報処理装置2は、指定された文書に対応付ける文字列である文書名として、第1文字列を生成する。
【0088】
図11において、チェックボックスC2は「システム共通設定を適用する」という文字列の左端に表示されている。また、図11において、チェックボックスC3は「利用者設定を適用する」という文字列の左端に表示されている。図11のチェックボックスC2及びチェックボックスC3は、いわゆるラジオボタンであり、これら2つのうち、いずれかが択一的に利用者によって選択される。
【0089】
チェックボックスC2がチェックされているとき、プロセッサ21は、利用者に共通の設定を用いて第1文字列を生成する。この場合、例えば、プロセッサ21は、図6に示す利用者ID「U00」に対応付けられた語句配置規則に沿って第1文字列を生成する。
【0090】
チェックボックスC3がチェックされているとき、プロセッサ21は、利用者ごとに定められた設定を用いて第1文字列を生成する。例えば、情報処理装置2を操作する利用者の利用者IDが「U01」であるとき、プロセッサ21は、図6に示す利用者ID「U01」に対応付けられた語句配置規則に沿って第1文字列を生成する。
【0091】
図11に示す記入欄F1は、文書名の構成、すなわち、語句配置規則を示す文字列を記入する欄である。また、図11に示すテーブルT1は、文書名に用いる語句の種類と、その説明を列挙した表である。テーブルT1のチェックボックスを利用者がチェックすると、それに対応する種類名が記入欄F1に追加される。
【0092】
例えば、利用者が図11に示す通り、「文書種別」「会社名」「日付」等に対応するチェックボックスをそれぞれチェックすると、これらの種類名を予約語である「<」及び「>」で囲んだ文字列が記入欄F1に追加される。すなわち記入欄F1には「<文書種別>」「<会社名>」「<日付>」等が追加される。
【0093】
利用者は、例えば、文字区切りの文字であるアンダーバー「_」を追加する等、記入欄F1を編集し、「OK」と書かれたボタンB1を押下する。これにより、プロセッサ21は、記入欄F1に記入された文字列を利用者の語句配置規則として配置RB221を更新する。
【0094】
上述した記入欄F1は、語句配置規則における語句の順序を変更する操作を利用者から受付けてもよい。
【0095】
図12は、語句の順序を変更する操作の例を示す図である。利用者は、例えば、図11に示す点P1にマウスポインタを移動させてマウスボタンを押下し、そのまま、図12に示す点P2の位置まで移動させてから、マウスボタンを離す操作をする。このときプロセッサ21は、記入欄F1で編集されている文字列に対し、点P1が示す位置に表示されていた「<文書種別>」という文字列を、点P2が示す位置に表示されていた「<会社名>」という文字列と入れ替える処理をする。その結果、図11に示す記入欄F1の文字列「<文書種別>_<会社名>_<日付>_<時刻>.xdw」という文字列は、図12に示す記入欄F1の文字列「<会社名>_<文書種別>_<日付>_<時刻>.xdw」に変更される。
【0096】
<第1文字列を提示する動作>
図13は、第1文字列を提示する動作の流れの例を示すフロー図である。情報処理装置2のプロセッサ21は、画像処理装置1からスキャナ16で読取った画像を示す画像データを取得すると(ステップS101)、この画像データから、画像で示される文書に含まれる語句を抽出する(ステップS102)。このとき、プロセッサ21は、光学文字認識処理により、画像から語句を認識し、メモリ22に予め記憶されているデータベースを参照して、語句を種類ごとに分類する。
【0097】
次に、プロセッサ21は、例えば、順位RB222に記憶された評価の適用順序に応じて、第1文字列の生成に用いる語句を種類ごとに1つずつ選択する(ステップS103)。
【0098】
そして、プロセッサ21は、配置RB221を参照し、利用者に応じて定められた語句配置規則に沿って、選択された語句を配置して第1文字列を生成し(ステップS104)、生成したこの第1文字列を表示部25に表示させることにより、利用者に提示する(ステップS105)。
【0099】
図14は、提示される第1文字列の例を示す図である。図14に示す記入欄F2には、生成された第1文字列として「見積書_AACompany_20190625_102514.xdw」が記入されている。
【0100】
<文書を記憶する動作>
図15は、文書を記憶する動作の流れの例を示すフロー図である。情報処理装置2のプロセッサ21は、利用者から第1文字列に含まれる第1語句を変更する操作があるか否かを判断し(ステップS201)、この操作がないと判断した場合(ステップS201;NO)、処理をステップS207に進める。
【0101】
一方、第1文字列に含まれる第1語句を変更する操作があると判断した場合(ステップS201;YES)、プロセッサ21は、第1語句と共通の種類に属する、1以上の他の語句の順序を決定する(ステップS202)。
【0102】
図16は、第1語句を変更する操作の例を示す図である。利用者が図16(a)に示す記入欄F2のうち、点P3にマウスポインタを移動させてマウスボタンを押下すると、プロセッサ21は、この操作を解釈して、表示部25の表示を変更する。例えば、プロセッサ21は、上述した操作を解釈して、記入欄F2に表示されている第1文字列のうち、点P3が重なる語句である「AACompany」を第1語句として太字で表示部25に表示させる。
【0103】
次に、プロセッサ21は、第1語句である「AACompany」の種類を特定する。この第1語句の種類は「会社名」である。プロセッサ21は、文書に含まれ、文書から抽出された語句のうち、種類が「会社名」の他の語句を特定する。例えば、プロセッサ21は、「BBCompany」及び「DDCompany」を、第1語句である「AACompany」と共通の種類に属する他の語句として特定する。
【0104】
そして、プロセッサ21は、順位RB222を参照して、特定したこれら「他の語句」をそれぞれ評価する。例えば、利用者IDが「U01」である場合、プロセッサ21は、図7に示す順位RB222を参照して、評価ID「R01」で示される「開始位置への近さ」でこれらの語句をそれぞれ評価する。この評価の結果、語句に優劣がつかなかった場合、プロセッサ21は、評価ID「R02」で示される「文字サイズの大きさ」でこれらの語句をそれぞれ評価する。この評価の結果でも、語句に優劣がつかなかった場合、プロセッサ21は、評価ID「R04」で示される「フォントの種類」でこれらの語句をそれぞれ評価する。
【0105】
上述した評価によって、「BBCompany」が「DDCompany」よりも高く評価されると、プロセッサ21は、これらの語句の順序を「BBCompany」→「DDCompany」と決定する。
【0106】
次に、プロセッサ21は、決定した順序に沿って1以上の他の語句を並べて提示する(ステップS203)。
【0107】
例えば、プロセッサ21は、図16(b)に示す通り、決定した順序「BBCompany」→「DDCompany」に沿ってこれら他の語句を並べたプルダウンリストL1を「AACompany」に重ねて表示部25に表示させる。
【0108】
次に、プロセッサ21は、提示した1以上の他の語句の中からいずれかを選択する利用者の操作を受付ける(ステップS204)。そして、プロセッサ21は、第1語句を、受付けた操作により選択される第2語句に変更して、第2文字列を生成し(ステップS205)、生成した第2文字列を表示部25に表示させることにより利用者に提示する(ステップS206)。
【0109】
図16(b)に示す例で、利用者が、プルダウンリストL1に含まれる語句の中から第2語句を選択する操作をすると、プロセッサ21は、第1語句を選択された第2語句に変更する。これにより第2文字列が生成される。利用者は、プルダウンリストL1において、例えば上に表示されている語句ほど、評価が高いことを知っているため、その評価を理解しながら第2語句を選択することができる。
【0110】
なお、このプルダウンリストL1には、末尾に「→直接編集」という項目も含まれている。この「→直接編集」という項目がクリックされると、プロセッサ21は、記入欄F2において第1語句である「AACompany」を利用者がキーボードへの入力等により直接に編集する操作を受付ける。
【0111】
また、図16(c)に示す通り、利用者が第1文字列のうち「20190625」を第1語句として指定する操作をすると、プロセッサ21は、この「20190625」を第1語句として太字で表示部25に表示させる。そして、プロセッサ21は、第1語句の種類として「日付」を特定し、文書に含まれる語句のうち、種類が「日付」の他の語句を特定する。
【0112】
例えば、プロセッサ21は、「20190312」を、第1語句である「20190625」と共通の種類に属する他の語句として特定する。そして、プロセッサ21は、この「20190625」を含むプルダウンリストL2を「20190625」に重ねて表示部25に表示させる。利用者が、プルダウンリストL2に含まれる語句の中から第2語句を選択する操作をすると、プロセッサ21は、第1語句を選択された第2語句に変更する。これにより第2文字列が生成される。
【0113】
なお、このプルダウンリストL2には、「→直接編集」という項目のほか、「→今日の日付」という項目も含まれている。この「→今日の日付」という項目がクリックされると、プロセッサ21は、記入欄F2において第1語句である「AACompany」を今日の日付を示す語句に変更する。
【0114】
次に、プロセッサ21は、利用者から文書を記憶する指示があるか否かを判断する(ステップS207)。文書を記憶する指示がないと判断する場合(ステップS207;NO)、プロセッサ21は、処理をステップS201に戻す。一方、文書を記憶する指示があると判断する場合(ステップS207;YES)、プロセッサ21は、変更がない場合には第1文字列を、変更があった場合には第2文字列を、文書に対応付けて記憶するようサーバ装置4に指示する(ステップS208)。
【0115】
第1語句を指定して第2語句に変更する操作が終了すると、利用者は、例えば図16(d)に示す「OK」と書かれたボタンB2を押下する。これにより、プロセッサ21は、記入欄F2に記入された文字列を、利用者の指定した文書の文書名として、サーバ装置4に記憶させるように指示する。
【0116】
なお、情報処理装置2は、利用者から第1語句を第2語句に変更する操作のほか、第1語句の第1文字列における配置を変更する操作を受付けてもよい。
【0117】
図17は、第1文字列における第1語句の配置を変更する操作の例を示す図である。利用者は、例えば、図16(a)に示す点P3にマウスポインタを移動させてマウスボタンを押下し、そのまま、図17に示す点P4の位置まで移動させてから、マウスボタンを離す操作をする。このときプロセッサ21は、記入欄F2で編集されている文字列に対し、点P3が示す位置に表示されていた「AACompany」という文字列を、点P4が示す位置に表示されていた「見積書」という文字列と入れ替える処理をする。このプロセッサ21は、利用者から、第1文字列において第1語句を移動させる操作を受付けたとき、この操作に応じて第1語句を移動させるプロセッサの例である。
【0118】
このとき、情報処理装置2は、第1語句を移動させる操作を、配置RB221における利用者の語句配置規則の設定に反映させるか否か、利用者に確認してもよい。例えば、図17に示すメッセージM1は、「語句の順序の変更を利用者設定に反映しますか?」という文字列を利用者に表示する。これに対し、利用者が「反映しない」と記載されたボタンB4を押下すると、プロセッサ21は、配置RB221に対して変更を加えない。
【0119】
一方、利用者が「反映する」と記載されたボタンB3を押下すると、プロセッサ21は、配置RB221に記載された利用者の語句配置規則に、上述した操作を反映させる。これにより、配置RB221に記載された利用者の語句配置規則は、記入欄F2に記入された文字列に応じたものに変更される。すなわち、このプロセッサ21は、利用者から、第1文字列において第1語句を移動させる操作を受付けたとき、この操作に応じて第1語句を移動させるとともに、規則における、この第1語句が属する種類の配置を、第1語句の移動後の配置に変更するプロセッサの例である。
【0120】
そして、上述したプロセッサ21は、メッセージM1を表示させて、利用者の操作を規則に反映させる旨の指示があった場合に規則における語句の配置を変更する。つまり、このプロセッサ21は、利用者から、第1文字列において第1語句を移動させる操作を受付け、かつ、この操作を規則に反映させる旨の指示があった場合に、この規則における配置を変更するプロセッサの例である。
【0121】
以上、説明した動作をすることにより、情報処理システム9は、記憶させようとする文書から語句を抽出し、それらの語句を配置してその文書と対応付ける文書名等を生成したときに、その文書名等の修正の候補を、語句の種類ごとに利用者に提示する。したがって、情報処理システム9によれば、文書名等、文書に対応付けて記憶される文字列を、その文書に含まれる語句から生成したときに、利用者は、修正の内容を直接入力する場合に比べて、その文字列の修正を容易にすることができる。
【0122】
<変形例>
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例は、組合されてもよい。
【0123】
<1>
上述した実施形態において、情報処理システム9は、画像処理装置1、又は情報処理装置2とサーバ装置とを接続した、いわゆるクライアントサーバシステムとして、文書から抽出された語句から生成した文字列を、文書に対応付けて記憶していたが、一台の装置がこれを行ってもよい。この場合、例えば、画像処理装置1は、情報処理装置2及びサーバ装置4が実現する機能を実現してもよい。
【0124】
<2>
上述した実施形態において、情報処理装置2は、CPUで構成されるプロセッサ21を有していたが、情報処理装置2を制御する制御手段は他の構成であってもよい。例えば、情報処理装置2は、CPU以外にも各種のプロセッサ等を有してもよい。画像処理装置1及びサーバ装置4をそれぞれ制御する制御手段も、各種のプロセッサ等であってもよい。
【0125】
ここでプロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば上述したCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0126】
<3>
上記各実施形態におけるプロセッサ21の動作は、1つのプロセッサ21によって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。
【0127】
また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0128】
例えば、上述した画像処理装置1のプロセッサ11は、上述したプロセッサ21の機能の少なくとも一部を兼ねてもよい。図18は、変形例における画像処理装置1の構成の例を示す図である。図18に示す画像処理装置1のメモリ12は、配置RB121、順位RB122、及び履歴DB123を記憶する。これらは、上述した実施形態において情報処理装置2のメモリ22が記憶する配置RB221、順位RB222、及び履歴DB223と、それぞれ共通の構成である。
【0129】
図19は、変形例における画像処理装置1の機能的構成の例を示す図である。画像処理装置1のプロセッサ11は、メモリ12に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部111、抽出部112、選択部113、第1生成部114、提示部115、受付部116、第2生成部117、記憶制御部118、及び送信部119として機能する。これらは、取得部111がスキャナ16から直接、文書を示す画像を取得する点を除いて、上述した取得部211、抽出部212、選択部213、第1生成部214、提示部215、受付部216、第2生成部217、記憶制御部218、及び送信部219と共通の構成である。
【0130】
図19に示す通り、情報処理装置2のプロセッサ21による機能は、画像処理装置1のプロセッサ11により実現されてもよい。この場合の画像処理装置1は、利用者の操作を受付けて、サーバ装置4に文書を記憶するよう要求するクライアント装置である。
【0131】
<4>
また、上述した実施形態におけるプロセッサ21により実現する機能のうち、一部をプロセッサ11が担い、他をプロセッサ21が担ってもよい。図20は、変形例におけるプロセッサ11及びプロセッサ21の機能を説明する図である。なお、図20において、画像処理装置1のプロセッサ11以外の構成、及び情報処理装置2のプロセッサ21以外の構成はいずれも省かれている。
【0132】
図20に示す画像処理装置1のプロセッサ11は、取得部111、抽出部112、選択部113、及び第1生成部114として機能する。そして、図20に示す情報処理装置2のプロセッサ21は、提示部215、受付部216、第2生成部217、及び送信部219として機能すればよい。この場合、情報処理装置2は、画像処理装置1が生成した第1文字列を取得して利用者に提示し、第1文字列に含まれる第1語句を変更する操作を受付けて第2文字列を生成して、サーバ装置4に文書を送信する。
【0133】
<5>
また、上述した実施形態におけるプロセッサ21により実現する機能のうち、一部をサーバ装置4のプロセッサ41が担い、他をプロセッサ21が担ってもよい。図21は、変形例におけるサーバ装置4の構成を示す図である。サーバ装置4のメモリ42は、文書リポジトリ420に加えて、配置RB421を記憶する。この配置RB421は、上述した実施形態において情報処理装置2のメモリ22が記憶する配置RB221と共通の構成である。
【0134】
図22は、変形例におけるプロセッサ41及びプロセッサ21の機能を説明する図である。なお、図22において、サーバ装置4のプロセッサ41及びメモリ42以外の構成、及び情報処理装置2のプロセッサ21以外の構成はいずれも省かれている。
【0135】
図22に示すサーバ装置4のプロセッサ41は、取得部411、抽出部412、選択部413、及び第1生成部414として機能する。取得部411は、画像処理装置1においてスキャナ16が読取った、文書を示す画像を取得する。抽出部412は、取得した画像から、上述した文書に含まれる複数の語句を種類ごとに抽出する。選択部413種類ごとに抽出した複数の語句の中から、その種類ごとに1つずつ、それぞれ選択する。第1生成部414は、選択部413が選択した語句を配置RB421に記憶された語句配置規則に沿って配置することにより、第1文字列を生成する。
【0136】
そして、図22に示す情報処理装置2のプロセッサ21は、提示部215、受付部216、第2生成部217、及び送信部219として機能すればよい。この場合、情報処理装置2は、サーバ装置4が生成した第1文字列を取得して利用者に提示し、第1文字列に含まれる第1語句を変更する操作を受付けて第2文字列を生成して、サーバ装置4に文書を送信する。サーバ装置4は、情報処理装置2が生成した第2文字列を、送信された文書に対応付けて文書リポジトリ420に記憶すればよい。
【0137】
<6>
上述した実施形態において、プロセッサ21は、生成したこの第1文字列を共通の態様で利用者に提示していたが、第1文字列に含まれる語句ごとに異なる態様で提示してもよい。図23は、変形例において提示される第1文字列の例を示す図である。
【0138】
プロセッサ21は、第1文字列に含まれる語句の種類が決められた条件を満たすか否かを判断する。そして、この条件を満たすと判断する場合、プロセッサ21は、第1文字列において、条件を満たす種類に属する語句を、条件を満たさない種類に属する他の語句と異なる態様で提示する。
【0139】
この結果、図23において、記入欄F2に記入された第1文字列「見積書_AACompany_20190625_102514.xdw」のうち、「AACompany」を囲うように楕円枠M2が重ねて表示される。これはプロセッサ21が、「AACompany」の属する種類「企業名」が予め決められた条件を満たしたと判断したため、他の種類に属する語句と異なる態様として、この「AACompany」を楕円枠M2で囲ったためである。この場合、このプロセッサ21は、第1文字列に含まれるいずれかの語句が属する種類が、決められた条件を満たす場合に、第1文字列のうちこの語句を他の語句と異なる態様で提示するプロセッサの例である。
【0140】
例えば、第1文字列に含まれるいずれかの語句の属する種類が満たす条件として、文書に含まれる、その種類に属する語句の数が決められた数以上である、という条件が定められている場合、利用者は、他の語句と異なる態様で提示されている語句を見つける。そして利用者は、その語句と共通の種類に属し、文書に含まれる他の語句が決められた数以上、存在することを知ることとなる。この変形例によれば、第1文字列に含まれる語句のうち、条件を満たす種類に属する語句を利用者が見つけることができる。
【0141】
<7>
上述した変形例において、プロセッサ21は、決められた条件を満たす種類に属する語句を、その語句の付加情報とともに提示してもよい。図24は、変形例において付加情報とともに提示される第1文字列の例を示す図である。
【0142】
図24において、記入欄F2に記入された第1文字列「見積書_AACompany_20190625_102514.xdw」のうち、「見積書」から伸びる吹き出し状の付加情報M3には「5」という数字が、「AACompany」から伸びる吹き出し状の付加情報M3には「6」という数字が、それぞれ表示されている。これは、「見積書」の種類である「文書種別」に属する他の語句が、文書に5つ含まれており、「AACompany」の種類である「企業名」に属する他の語句が、文書に6つ含まれていることを意味する。利用者は、第1文字列とともに提示される上述した付加情報M3を確認することで、その付加情報M3が付加された語句を代替する候補となる他の語句の数を知ることができる。このプロセッサ21は、第1文字列に含まれるいずれかの語句が属する種類が、決められた条件を満たす場合に、この語句の付加情報とともに第1文字列を提示するプロセッサの例である。
【0143】
また、このプロセッサ21は、第1文字列に含まれる語句のうち、共通する種類に属する他の語句の数が、例えば、閾値である「5」以上のものを、「5」未満のものと異なる態様で提示する。これにより、利用者は、付加情報M3が付されていない語句について、その語句を代替する候補となる他の語句の数が、閾値未満であることを知る。つまり、このプロセッサ21は、第1文字列に含まれるいずれかの語句が属する種類に含まれる、この語句と異なる語句の数が閾値以上である条件を満たす場合に、この語句の付加情報とともに第1文字列を提示するプロセッサの例である。
【0144】
<8>
上述した条件は、他のものであってもよい。例えば、決められた条件は、決められた基準における第1文字列に含まれるいずれかの語句の評価と、この語句が属する種類に含まれる語句であって、文書に含まれる、この語句と異なる、いずれかの語句の評価と、の差が閾値未満であること、であってもよい。図25は、変形例において評価の差を示す付加情報とともに提示される第1文字列の例を示す図である。
【0145】
図25(a)において、記入欄F2に記入された第1文字列のうち、「AACompany」から伸びる吹き出し状の付加情報M4には「9点差」という文字列が表示されている。これは、「AACompany」の種類である「企業名」に属する他の語句を評価した点数が、「AACompany」の点数と「9点差」であることを示す。
【0146】
利用者が「AACompany」に重なる位置でマウスボタンを押下すると、プロセッサ21は、図25(b)に示すプルダウンリストL3を表示部25に表示させる。このプルダウンリストL3には、「AACompany」の種類である「企業名」に属する、文書に含まれる語句が、その評価点数とともに列挙される。図25(b)に示す通り、評価点数が最も高い「AACompany」は「40点」であるが、次点である「BBCompany」は「31点」である。利用者は、図25(a)に示す付加情報M4の表示を確認することで、第1文字列のうち、次点との評価の差が閾値未満である語句を知ることとなる。
【0147】
<9>
上述した画像処理装置1のプロセッサ11によって実行されるプログラムは、プロセッサを有するコンピュータに、文書に含まれる複数の語句を種類ごとに抽出するステップと、前記種類ごとに、該種類に属する語句のいずれか1つをそれぞれ選択するステップと、前記種類ごとに配置を定める規則に沿って、選択された前記語句を配置した第1文字列を生成するステップと、利用者から、前記第1文字列に含まれる第1語句を変更する操作を受付けたとき、該第1語句と共通の種類に属する、1以上の他の語句を前記利用者に提示するステップと、前記第1文字列の前記第1語句を、前記提示された他の語句の中から前記利用者が選択した第2語句に変更した第2文字列を生成するステップと、前記第2文字列を前記文書に対応付けてメモリに記憶するステップと、を実行させるプログラムの例である。
【0148】
これらのプログラムは、磁気テープ及び磁気ディスク等の磁気記録媒体、光ディスク等の光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリ等の、コンピュータ装置が読取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムは、インターネット等の通信回線経由でダウンロードされてもよい。
【符号の説明】
【0149】
1…画像処理装置、11…プロセッサ、111…取得部、112…抽出部、113…選択部、114…第1生成部、115…提示部、116…受付部、117…第2生成部、118…記憶制御部、119…送信部、12…メモリ、121…配置RB、122…順位RB、123…履歴DB、13…インタフェース、14…操作部、15…表示部、16…スキャナ、2…情報処理装置、21…プロセッサ、211…取得部、212…抽出部、213…選択部、214…第1生成部、215…提示部、216…受付部、217…第2生成部、218…記憶制御部、219…送信部、22…メモリ、221…配置RB、222…順位RB、2221…適用順序リスト、2222…評価指標リスト、223…履歴DB、23…インタフェース、24…操作部、25…表示部、3…通信回線、4…サーバ装置、41…プロセッサ、411…取得部、412…抽出部、413…選択部、414…第1生成部、42…メモリ、420…文書リポジトリ、421…配置RB、43…インタフェース、9…情報処理システム、B1,B2,B3,B4…ボタン、C1,C2,C3…チェックボックス、F1,F2…記入欄、L1,L2,L3…プルダウンリスト、M1…メッセージ、M2…楕円枠、M3,M4…付加情報。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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