(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/16 20060101AFI20231212BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G06F3/16 610
G06F3/16 650
G06F3/16 630
H04N1/00 127A
(21)【出願番号】P 2020039348
(22)【出願日】2020-03-06
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】薮崎 良人
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-092153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/16
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
サービスを実行させる指示を発話により受け付け、
装置に対する前記サービスを実行させるための物理的な操作を検知し、
受け付けた前記サービスを実行させる制御を、当該受け付けた時刻の
直後に前記操作を検知した前記装置に行う、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記受け付けた時刻から予め定めた時間以内に、前記装置に対する前記サービスを実行させるための物理的な操作を検知しなかった場合に、前記操作を促す旨を示す情報を提示する制御を行う、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
受け付けた前記サービスを実行させる制御を、前記情報を提示する制御を行った直後に前記操作を検知した前記装置に行う、
請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
サービスを実行させる指示を発話により受け付け、
装置に対する前記サービスを実行させるための物理的な操作を検知し、
受け付けた前記サービスを実行させる制御を、当該受け付けた時刻の直近に前記操作を検知した前記装置に行い、
前記受け付けた時刻の直近の所定時間以内に、前記操作を検知した前記装置が複数存在する場合に、
何れの装置に前記サービスを実行させる制御を行うかを更に受け付け、
受け付けた前記サービスを実行させる制御を、受け付けた前記装置に行う、
情報処理装置。
【請求項5】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
サービスを実行させる指示を発話により受け付け、
装置に対する前記サービスを実行させるための物理的な操作を検知し、
受け付けた前記サービスを実行させる制御を、当該受け付けた時刻の直近に前記操作を検知した前記装置に行い、
前記サービスを実行させる指示を行う前記発話と並行して生じていた雑音の音量が予め定めたレベルより大きい場合に、前記
サービスを実行させる制御を行う前記装置が特定可能な特定情報を提示する制御を行う、
情報処理装置。
【請求項6】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
サービスを実行させる指示を発話により受け付け、
装置に対する前記サービスを実行させるための物理的な操作を検知し、
受け付けた前記サービスを実行させる制御を、当該受け付けた時刻の直近に前記操作を検知した前記装置に行い、
前記受け付けた時刻の直近の所定時間以内に、前記操作を検知した前記装置が複数存在する場合に、前記
サービスを実行させる制御を行う前記装置が特定可能な特定情報を提示する制御を行う、
情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
受け付けた前記サービスを実行させる制御を、当該受け付けた時刻の直前に前記操作を検知した前記装置に行う、
請求項
4~6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記装置は、画像形成装置である、
請求項1~
7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
サービスを実行させる指示を発話により受け付け、
装置に対する前記サービスを実行させるための物理的な操作を検知し、
受け付けた前記サービスを実行させる制御を、当該受け付けた時刻の
直後に前記操作を検知した前記装置に行う、
処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【請求項10】
サービスを実行させる指示を発話により受け付け、
装置に対する前記サービスを実行させるための物理的な操作を検知し、
受け付けた前記サービスを実行させる制御を、当該受け付けた時刻の直近に前記操作を検知した前記装置に行い、
前記受け付けた時刻の直近の所定時間以内に、前記操作を検知した前記装置が複数存在する場合に、
何れの装置に前記サービスを実行させる制御を行うかを更に受け付け、
受け付けた前記サービスを実行させる制御を、受け付けた前記装置に行う、
処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【請求項11】
サービスを実行させる指示を発話により受け付け、
装置に対する前記サービスを実行させるための物理的な操作を検知し、
受け付けた前記サービスを実行させる制御を、当該受け付けた時刻の直近に前記操作を検知した前記装置に行い、
前記サービスを実行させる指示を行う前記発話と並行して生じていた雑音の音量が予め定めたレベルより大きい場合に、前記サービスを実行させる制御を行う前記装置が特定可能な特定情報を提示する制御を行う、
処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【請求項12】
サービスを実行させる指示を発話により受け付け、
装置に対する前記サービスを実行させるための物理的な操作を検知し、
受け付けた前記サービスを実行させる制御を、当該受け付けた時刻の直近に前記操作を検知した前記装置に行い、
前記受け付けた時刻の直近の所定時間以内に、前記操作を検知した前記装置が複数存在する場合に、前記サービスを実行させる制御を行う前記装置が特定可能な特定情報を提示する制御を行う、
処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、運転者が同乗者と会話している状態に関する情報を取得し、該取得した情報からプロファイルデータを作成するプロファイル作成手段と、運転者の発話中に前記運転者の状態を前記プロファイルデータと比較し、前記発話が同乗者に対する会話であるか音声操作入力であるかを判定する発話対象判定手段と、前記発話対象判定手段によって音声操作入力であると判定された発話について音声認識を行なう音声認識手段と、を備えたことを特徴とする音声認識装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、音声指示により出力装置を制御可能な音声制御システムであって、音声指示を受け付ける第1の音声制御デバイスと、音声指示を受け付ける第2の音声制御デバイスと、前記第1の音声制御デバイスと前記第2の音声制御デバイスの少なくともいずれかにより受け付けた音声指示に基づいて、前記出力装置に出力させる制御手段と、前記第1の音声制御デバイスにより受け付けた第1の音声指示と、前記第2の音声制御デバイスにより受け付けた第2の音声指示とが重複する指示であるか否かを判定する判定手段と、を備え、前記制御手段は、前記判定手段により前記第1の音声指示と前記第2の音声指示とが重複する指示であると判定された場合、前記出力装置による出力を制限する、ことを特徴とする音声制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-250236号公報
【文献】特開2019-095835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、複数の装置が存在する場合に、発話による指示に応じたサービスを、当該発話を行った発話者が所望していない装置に実行させてしまう場合がある、という問題点があった。
【0006】
本発明は、複数の装置が存在する場合に、発話による指示に応じたサービスを、当該発話を行った発話者が所望していない装置に実行させてしまうことを防止することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサが、サービスを実行させる指示を発話により受け付け、装置に対する前記サービスを実行させるための物理的な操作を検知し、受け付けた前記サービスを実行させる制御を、当該受け付けた時刻の直近に前記操作を検知した前記装置に行う。
【0008】
また、第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、受け付けた前記サービスを実行させる制御を、当該受け付けた時刻の直前に前記操作を検知した前記装置に行う。
【0009】
また、第3態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、受け付けた前記サービスを実行させる制御を、当該受け付けた時刻の直後に前記操作を検知した前記装置に行う。
【0010】
また、第4態様に係る情報処理装置は、第3態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記受け付けた時刻から予め定めた時間以内に、前記装置に対する前記サービスを実行させるための物理的な操作を検知しなかった場合に、前記操作を促す旨を示す情報を提示する制御を行う。
【0011】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第4態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、受け付けた前記サービスを実行させる制御を、前記情報を提示する制御を行った直後に前記操作を検知した前記装置に行う。
【0012】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記受け付けた時刻の直近の所定時間以内に、前記操作を検知した前記装置が複数存在する場合に、何れの装置に前記サービスを実行させる制御を行うかを更に受け付け、受け付けた前記サービスを実行させる制御を、受け付けた前記装置に行う。
【0013】
また、第7態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記サービスを実行させる制御を行う前記装置が特定可能な特定情報を提示する制御を更に行う。
【0014】
また、第8態様に係る情報処理装置は、第7態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記特定情報の提示に応じた発話を更に受け付け、受け付けた前記発話に応じた制御を行う。
【0015】
また、第9態様に係る情報処理装置は、第7態様又は第8態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記サービスを実行させる指示を行う前記発話と並行して生じていた雑音の音量が予め定めたレベルより大きい場合に、前記特定情報を提示する制御を行う。
【0016】
また、第10態様に係る情報処理装置は、第7態様又は第8態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記受け付けた時刻の直近の所定時間以内に、前記操作を検知した前記装置が複数存在する場合に、前記特定情報を提示する制御を行う。
【0017】
また、第11態様に係る情報処理装置は、第1態様~第10態様の何れか1態様に係る情報処理装置において、前記装置が、画像形成装置であるものである。
【0018】
更に、上記目的を達成するために、第12態様に係る情報処理プログラムは、サービスを実行させる指示を発話により受け付け、装置に対する前記サービスを実行させるための物理的な操作を検知し、受け付けた前記サービスを実行させる制御を、当該受け付けた時刻の直近に前記操作を検知した前記装置に行う処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0019】
第1態様及び第12態様によれば、複数の装置が存在する場合に、発話による指示に応じたサービスを、当該発話を行った発話者が所望していない装置に実行させてしまうことを防止することができる、という効果を有する。
【0020】
第2態様によれば、所望の装置を確保することができる、という効果を有する。
【0021】
第3態様によれば、サービスを実行させる指示を発話する前に、当該サービスを実行させる装置を決める必要がない、という効果を有する。
【0022】
第4態様によれば、サービスを実行させるための物理的な操作を促す旨を示す情報を提示する制御を行わない場合に比較して、サービスを実行させるまでの時間を削減することができる、という効果を有する。
【0023】
第5態様によれば、受け付けたサービスを実行させる制御を、前記情報を提示する制御を行った直後に前記操作を検知した装置に行わない場合に比較して、サービスを実行させるまでの時間をさらに削減することができる、という効果を有する。
【0024】
第6態様によれば、発話者の要望に応じてサービスを実行させる装置を決定することができる、という効果を有する。
【0025】
第7態様によれば、サービスを実行させる装置を、発話者に対して事前に確認させることができる、という効果を有する。
【0026】
第8態様によれば、発話者による装置の変更等を受け付けることができる、という効果を有する。
【0027】
第9態様によれば、雑音の音量が予め定めたレベルより大きい場合に、発話に対する誤認識による無駄なサービスの実行を回避することができる、という効果を有する。
【0028】
第10態様によれば、同一のサービスを実行させるための操作を検知した装置が複数存在する場合に、無駄なサービスの実行を回避することができる、という効果を有する。
【0029】
第11態様によれば、複数の画像形成装置が存在する場合に、発話による指示に応じたサービスを、当該発話を行った発話者が所望していない画像形成装置に実行させてしまうことを防止することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】各実施形態に係る画像形成システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】各実施形態に係るサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】各実施形態に係るサーバの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】各実施形態に係る発話情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図5】各実施形態に係る物理操作情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図6】各実施形態に係るサービス情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図7】第1実施形態に係る情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】各実施形態に係る物理操作促進画面の一例を示す正面図である。
【
図9】第1実施形態に係る対象装置決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】各実施形態に係る検知装置提示画面の一例を示す正面図である。
【
図11】各実施形態に係る特定情報提示画面の一例を示す正面図である。
【
図12】第2実施形態に係る情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】第2実施形態に係る対象装置決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明を複数の画像形成装置によりサービスを実行する画像形成システムに適用した場合について説明する。また、本実施形態では、本発明の情報処理装置をサーバに適用した場合について説明する。
【0032】
[第1実施形態]
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る画像形成システム1の構成を説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成システム1は、本システムの中心的な役割を担うサーバ10と、複数の画像形成装置90A、90B、・・・と、を含む。なお、以下では、画像形成装置90A、90B、・・・を区別することなく説明する場合は単に「画像形成装置90」と総称する。
【0033】
サーバ10と、複数の画像形成装置90とは、ネットワークNを介して接続されており、サーバ10は、各画像形成装置90とネットワークNを介して相互に通信可能とされている。なお、本実施形態では、ネットワークNとしてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の企業内の通信回線を適用しているが、この形態に限定されるものではない。ネットワークNとして、例えば、インターネット、電話回線等の公共の通信回線を適用してもよく、これらの企業内の通信回線及び公共の通信回線を組み合わせて適用してもよい。また、本実施形態では、ネットワークNとして有線の通信回線を適用しているが、この形態に限定されるものではなく、無線の通信回線を適用してもよく、有線及び無線の各通信回線を組み合わせて適用してもよい。
【0034】
本実施形態に係る画像形成システム1では、複数の画像形成装置90における一部の画像形成装置90(本実施形態では、画像形成装置90A)に音声入出力装置80が接続されている。本実施形態に係る音声入出力装置80は、使用者による発声を音声データとして入力する機能、及び予め定められた音声データによる音声を出力する機能を有している。
【0035】
なお、本実施形態に係る画像形成システム1では、音声入出力装置80の制御を、サーバ10により画像形成装置90Aを介して間接的に行っているが、これに限定されるものではない。例えば、音声入出力装置80をサーバ10に画像形成装置90Aを介することなく接続し、サーバ10から音声入出力装置80を直接制御する形態としてもよい。また、本実施形態では、音声入出力装置80としてスマートスピーカを適用しているが、これに限定されるものではない。例えば、スマートフォン及び携帯情報端末装置等の音声の入力及び出力を行うことができる他の装置を音声入出力装置80として適用する形態としてもよい。また、本実施形態では、画像形成装置90として、画像印刷機能、画像読取機能、及び画像送信機能等を有するデジタル複合機を適用しているが、これに限らないことは言うまでもない。更に、本実施形態では、音声入出力装置80を画像形成装置90Aとは別体で構成した場合について説明するが、これに限定されるものではなく、音声入出力装置80を画像形成装置90Aに一体的に組み込む形態としてもよい。
【0036】
次に、
図2及び
図3を参照して、本実施形態に係るサーバ10の構成を説明する。なお、サーバ10の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の情報処理装置が挙げられる。
【0037】
図2に示すように、本実施形態に係るサーバ10は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置(R/W)16及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16及び通信I/F部18はバスBを介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0038】
記憶部13はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、情報処理プログラム13Aが記憶されている。情報処理プログラム13Aは、情報処理プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの情報処理プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。CPU11は、情報処理プログラム13Aを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、情報処理プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。
【0039】
また、記憶部13には、発話情報データベース13B、物理操作情報データベース13C及びサービス情報データベース13Dが記憶される。発話情報データベース13B、物理操作情報データベース13C及びサービス情報データベース13Dについては詳細を後述する。
【0040】
次に、
図3を参照して、本実施形態に係るサーバ10の機能的な構成について説明する。
図3に示すように、サーバ10は、受付部11A、検知部11B、及び制御部11Cを含む。サーバ10のCPU11が、情報処理プログラム13Aを実行することで、受付部11A、検知部11B、及び制御部11Cとして機能する。
【0041】
本実施形態に係る受付部11Aは、画像形成装置90を用いるサービスを実行させる指示を音声入出力装置80を介して発話により受け付ける。なお、本実施形態では、受付部11Aにより、上記サービスの実行指示を、画像形成装置90Aから通信I/F部18を介して取得しているが、これに限定されるものではないことは上述した通りである。また、本実施形態では、上記サービスとして画像読取サービスを適用するが、この形態に限るものではなく、例えば画像印刷サービス及び画像送信サービス等を適用する形態としてもよい。また、本実施形態では、上記サービスとして無償で行う処理に加えて有償で行う処理も含む。
【0042】
また、本実施形態に係る検知部11Bは、画像形成装置90に対するサービスを実行させるための物理的な操作を検知する。なお、本実施形態では、上記物理的な操作として、原稿が画像形成装置90のADF(Auto Document Feeder)に置かれる操作を適用しているが、これに限らない。例えば、上記物理的な操作として、画像形成装置90がFAX(Facsimile)回線に接続される操作や画像形成装置90にUSB(Universal Serial Bus)メモリが挿入される操作等の他の操作を適用してもよい。すなわち上記物理的な操作として、外部の媒体を当該装置に搭載する操作が含まれる。また、装置がFAX回線を介して電子データを受信した、パーソナルコンピュータ等の外部装置から電子文書データを受信した等、外部から電子的なデータを受け付けるという操作も、上記物理的な操作に含まれる。また、これらの個別、または複数の組み合わせを適用する形態としてもよい。また、本実施形態では、検知部11Bにより、上記物理的な操作を、ADFに設置されたセンサを用いて検知する形態を適用しているが、この形態に限るものではない。例えば、検知部11Bにより、上記物理的な操作を、画像形成装置90内のVbus検出回路によって検知する形態等を適用してもよいし、これらの個別、または複数の組み合わせを適用する形態としてもよい。
【0043】
また、本実施形態に係る制御部11Cは、上記サービスを実行させる制御を、上記指示を受け付けた時刻の直近に、上記操作を検知した画像形成装置90に行う。なお、本実施形態では、制御部11Cにより、上記サービスを実行させる制御を、上記受け付けた時刻の直後に上記操作を検知した画像形成装置90に行っている。
【0044】
また、本実施形態に係る制御部11Cは、受付部11Aによって上記指示を受け付けた時刻から予め定めた時間以内に、検知部11Bによって上記操作を検知しなかった場合に、上記操作を促す旨を示す情報を提示する制御を行う。特に、本実施形態に係る制御部11Cでは、上記提示として、音声入出力装置80の音声出力機能による音声による提示を適用している。また、本実施形態に係る制御部11Cでは、上記提示として、画像形成装置90Aの表示部による表示による提示も適用している。
【0045】
また、本実施形態に係る制御部11Cは、上記サービスを実行させる制御を、上記操作を促す旨を示す情報を提示する制御を行った直後に上記操作を検知した画像形成装置90に行っているが、この形態に限らない。例えば、制御部11Cにより、上記指示を受け付けた時刻から予め定めた時間以内に、上記操作を検知しなかった場合は、サーバ10のユーザ等により予め登録された画像形成装置90に、上記サービスを実行させる制御を行う形態としてもよい。
【0046】
また、本実施形態に係る受付部11Aは、上記指示を受け付けた時刻の直後の所定時間以内に、上記操作を検知した画像形成装置90が複数存在する場合に、何れの画像形成装置90に上記サービスを実行させる制御を行うかを更に受け付け、制御部11Cは、受け付けた上記サービスを実行させる制御を、受け付けた画像形成装置90に行う。
【0047】
また、本実施形態に係る制御部11Cは、上記サービスを実行させる制御を行う画像形成装置90が特定可能な特定情報を提示する制御を更に行う。なお、本実施形態では、制御部11Cにより、受付部11Aで受け付けたサービスを実行させる指示を行う上記発話と並行して生じていた雑音の音量が予め定めたレベルより大きい場合、及び受付部11Aで指示を受け付けた時刻の直近の所定時間以内に上記操作を検知した画像形成装置90が複数存在する場合に、上記特定情報を提示する制御を行う形態を適用しているが、この形態に限らない。例えば、制御部11Cにより、上記サービスを実行させる制御を行う度に、上記特定情報を提示する制御を行う形態を適用してもよい。
【0048】
なお、本実施形態では、上記予め定めたレベルとして、上記雑音の音量が当該レベル以上である場合は、当該雑音と並行して行われた発話の認識が困難であるものとして、予め実機を用いた実験や、コンピュータ・シミュレーション等によって得られたレベルを適用しているが、これに限定されるものではない。例えば、上記予め定めたレベルとして、サーバ10のユーザ等によって、後述する情報処理に求められる上記発話の認識精度や、サーバ10の用途等に応じて、予め設定しておく形態としてもよい。
【0049】
また、本実施形態に係る受付部11Aは、上記特定情報の提示に応じた発話を更に受け付け、本実施形態に係る制御部11Cは、受付部11Aで受け付けた当該発話に応じた制御を行う。
【0050】
次に、本実施形態に係る発話情報データベース13Bについて説明する。
図4に示すように、本実施形態に係る発話情報データベース13Bは、サービス及び日時の各情報が関連付けられて記憶される。
【0051】
上記サービスは、受付部11Aによって受け付けたサービスを示す情報であり、上記日時は、対応するサービスを実行させる指示を受け付けた日時を示す情報である。
図4に示す例では、例えば、画像読取サービスを実行させる指示を、2019年11月16日の15時10秒に受け付けたことを表している。
【0052】
次に、本実施形態に係る物理操作情報データベース13Cについて説明する。
図5に示すように、本実施形態に係る物理操作情報データベース13Cは、装置ID(Identification)、物理操作、及び日時の各情報が関連付けられて記憶される。
【0053】
上記装置IDは、検知部11Bによって物理的な操作を検知した画像形成装置を示す情報であり、上記物理操作は、検知部11Bによって検知した物理的な操作を示す情報であり、上記日時は、対応する物理操作を検知した日時を示す情報である。
図5に示す例では、例えば、装置IDとして「B」が付された画像形成装置90にUSBメモリが、2019年11月16日の12時丁度に挿入されたことを表している。
【0054】
次に、本実施形態に係るサービス情報データベース13Dについて説明する。
図6に示すように、本実施形態に係るサービス情報データベース13Dは、サービス及び物理操作の各情報が関連付けられて記憶されている。
【0055】
上記サービスは、画像形成装置90を用いるサービスを示す情報であり、上記物理操作は、対応するサービスを実行させるための物理的な操作を示す情報である。
図6に示す例では、例えば、画像読取サービスを実行させるための物理的な操作は、原稿がADFに置かれることであることを表している。
【0056】
次に、
図7~
図11を参照して、本実施形態に係るサーバ10の作用を説明する。ユーザによって情報処理プログラム13Aの実行を開始する指示入力が入力部14を介して行われた場合に、サーバ10のCPU11が情報処理プログラム13Aを実行することで
図7に示す情報処理が実行される。
【0057】
ステップ200で、CPU11は、ユーザによる音声入出力装置80に対するサービスの実行指示を示す発話が行われ、当該発話に応じた音声データが音声入出力装置80から画像形成装置90Aを介して入力されるまで待機する。ステップ202で、CPU11は、入力された音声データに対して従来既知の音声認識処理を行うことで、ユーザによって実行指示が行われたサービスを特定する。以下では、特定したサービスを「特定サービス」という。ステップ204で、CPU11は、特定サービス及び当該特定サービスを実行させる指示を受け付けた日時(以下、「受付日時」という。)を発話情報データベース13Bに登録する。
【0058】
ステップ206で、CPU11は、特定サービスを実行させるための物理的な操作をサービス情報データベース13Dから読み出し、読み出した操作を検知したか否かを判定し、肯定判定となった場合は後述するステップ218へ移行し、否定判定となった場合はステップ208へ移行する。ステップ208で、CPU11は、受付日時から予め定められた時間Taが経過したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ206に戻る一方、肯定判定となった場合はステップ210へ移行する。なお、本実施形態では、予め定められた時間Taとして、サーバ10のユーザ等によって、予め設定された時間を適用しているが、画像形成装置90が使用される頻度等に応じて、自動的に定められた時間を予め定められた時間Taとして設定する形態としてもよい。
【0059】
ステップ210で、CPU11は、特定サービスを実行させるため、何れかの画像形成装置90に対して物理的な操作を行うことを促す旨を示す物理操作促進画面を画像形成装置90Aの表示部に表示する制御を行う。
【0060】
図8に示すように、本実施形態に係る物理操作促進画面では、特定サービスを実行させるための物理的な操作を、何れかの画像形成装置90に行うことを促す旨を示す情報が表示される。従って、特定サービスの実行を発話によって指示したユーザは、物理操作促進画面を参照することで、特定サービスを実行させるための画像形成装置90に対する物理的な操作を把握することができる。例えば、ユーザが実行を指示したサービスが画像読取サービスであった場合、物理操作促進画面には、原稿を何れかの画像形成装置90のADFに置くことを促す旨を示す情報が表示される。
【0061】
ステップ212で、CPU11は、物理操作促進画面で表示した内容と同様の内容を音声(以下、「物理操作促進音声」という。)によって再生する音声データを音声入出力装置80によって再生(出力)させる制御を行う。従って、上記ユーザは、音声入出力装置80によって再生される音声を聴取することでも、当該サービスを実行させるための画像形成装置90に対する物理的な操作を把握することができる。
【0062】
ステップ214で、CPU11は、特定サービスを実行させるための物理的な操作を検知したか否かを判定し、肯定判定となった場合は後述するステップ218へ移行し、否定判定となった場合はステップ216へ移行する。ステップ216で、CPU11は、ステップ212の処理を実行してから、予め定められた時間Tbが経過したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ214に戻る一方、肯定判定となった場合はステップ218へ移行する。なお、本実施形態では、予め定められた時間Tbとして、サーバ10のユーザ等によって、予め設定された時間を適用しているが、画像形成装置90が使用される頻度等に応じて、自動的に定められた時間を予め定められた時間Tbとして設定する形態としてもよい。
【0063】
ステップ218で、CPU11は、ステップ206又はステップ214の処理によって検知した上記物理的な操作を特定する。以下では、特定した物理的な操作を「特定操作」という。ステップ220で、CPU11は、特定操作及び当該特定操作を検知した日時を物理操作情報データベース13Cに登録する。
【0064】
ステップ222で、CPU11は、ステップ202の処理によって特定した特定サービスを実行させる制御を行う画像形成装置(以下、「対象装置」という。)を決定するための処理である対象装置決定処理を実行する。以下、
図9を参照して、本実施形態に係る対象装置決定処理について説明する。
【0065】
ステップ400で、CPU11は、発話情報データベース13B及び物理操作情報データベース13Cから全ての情報を読み出し、当該情報を用いて、特定サービスに対応する上記受付日時の直後から所定時間T1以内に、特定操作を検知した画像形成装置90が複数存在するか否かを判定する。この判定において否定判定となった場合はステップ402へ移行し、CPU11は、受付日時の直後の直近に特定操作を検知した画像形成装置90を対象装置とし、本対象装置決定処理を終了する。
【0066】
一方、ステップ400において肯定判定となった場合はステップ404へ移行し、CPU11は、ステップ400の処理において存在すると判定された複数の画像形成装置90を提示する検知装置提示画面を画像形成装置90Aの表示部に表示させる制御を行う。なお、本実施形態では、所定時間T1として、サーバ10のユーザ等によって、予め設定された時間を適用しているが、画像形成装置90が使用される頻度等に応じて、自動的に定められた時間を所定時間T1として設定する形態としてもよい。
【0067】
図10に示すように、本実施形態に係る検知装置提示画面では、ステップ400の処理において存在すると判定された複数の画像形成装置90を示す情報、及び当該複数の画像形成装置90の中から対象装置を選択することを促す旨を示す情報が表示される。従って、特定サービスの実行を発話によって指示したユーザは、検知装置提示画面を参照することによって、特定操作を検知した画像形成装置90を把握することができる。
【0068】
ステップ406で、CPU11は、検知装置提示画面で表示した内容と同様の内容を音声(以下、「検知装置提示音声」という。)によって再生する音声データを音声入出力装置80によって再生(出力)させる制御を行う。従って、上記ユーザは、音声入出力装置80によって再生される音声を聴取することでも、特定操作を検知した画像形成装置90を把握することができるため、指示したサービスを実行させる画像形成装置90を示す発話を行う。そこで、ステップ408で、CPU11は、ステップ404及びステップ406の処理によって提示した画像形成装置90に応じた発話が音声入出力装置80に対して行われるまで待機する。
【0069】
ステップ410で、CPU11は、ステップ408の処理により受け付けた発話の内容を従来既知の音声認識技術を用いて特定し、対象装置を当該特定した画像形成装置90として本対象装置決定処理を終了する。対象装置決定処理が終了すると、情報処理(
図7参照。)のステップ222に移行する。
【0070】
このように、本実施形態では、受付日時から所定時間以内に、特定操作を検知した画像形成装置90が複数存在する場合は、CPU11が、何れの画像形成装置90に上記サービスを実行させる制御を行うかを更に受け付け、受け付けた画像形成装置90を対象装置とする形態を適用しているが、この形態に限らない。例えば、CPU11によって、受付日時の直後の直近に特定操作を検知した画像形成装置90を対象装置とする形態としてもよい。この場合の形態例としては、
図9に示す対象装置決定処理において、CPU11が、ステップ400~ステップ410の処理を実行することなく、ステップ402の処理のみを実行する形態が例示される。
【0071】
ステップ224で、CPU11は、ステップ200の処理の実行時に入力された音声データから、ユーザによる特定サービスを実行させる指示の発話と並行して生じていた雑音の音量を特定し、当該雑音の音量が予め定められた閾値Tn以上であるか否かを判定し、肯定判定となった場合は後述するステップ228に移行する一方、否定判定となった場合はステップ226に移行する。
【0072】
ステップ226で、CPU11は、上記受付日時の直近の予め定められた時間Tc以内に、特定操作を検知した画像形成装置90が複数存在するか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ238へ移行する一方、肯定判定となった場合はステップ228へ移行する。なお、本実施形態では、予め定められた時間Tcとして、サーバ10のユーザ等によって、予め設定された時間を適用しているが、画像形成装置90が使用される頻度等に応じて、自動的に定められた時間を予め定められた時間Tcとして設定する形態としてもよい。
【0073】
ステップ228で、CPU11は、対象装置を特定可能な特定情報を表示する特定情報提示画面を画像形成装置90Aの表示部に表示させる制御を行う。なお、予め画像形成装置90に周囲から視認可能な位置に発光部を設けておき、CPU11により、対象装置の発光部を発光させる制御を行うことによって、ユーザに対象装置を把握させる形態としてもよい。
【0074】
図11に示すように、本実施形態に係る特定情報提示画面では、特定サービス及び特定情報が表示される。従って、サービスの実行を発話によって指示したユーザは、特定情報提示画面を参照することで、対象装置を把握することができる。
【0075】
ステップ230で、CPU11は、特定情報提示画面で表示した内容と同様の内容を音声(以下、「特定情報提示音声」という。)によって再生する音声データを音声入出力装置80によって再生(出力)させ、ステップ232へ移行する。従って、上記ユーザは、音声入出力装置80によって再生される音声を聴取することでも、対象装置を把握することができるため、上記サービスを当該対象装置に実行させる制御を行ってよいか否かを示す発話を行う。なお、上記ユーザは、上記サービスを当該対象装置に実行させる制御を行ってはいけない場合には、改めて、サービスを実行させる画像形成装置90の装置IDを発話する。そこで、ステップ232で、CPU11は、ステップ228及びステップ230の処理によって提示したサービス及び対象装置に応じた発話が音声入出力装置80に対して行われるまで待機する。
【0076】
ステップ234で、CPU11は、ステップ232の処理により受け付けた発話の内容を従来既知の音声認識技術を用いて特定し、ステップ228及びステップ230の処理によって提示した対象装置に特定サービスを実行させる制御を行ってよいか否かを判定し、否定判定となった場合は、ステップ236へ移行し、CPU11は、ステップ232の処理を実行することによって特定したユーザが改めて発話した画像形成装置90を対象装置とする。なお、CPU11がステップ228~234の処理を繰り返す場合、ステップ228の処理及びステップ230の処理で、CPU11は、ステップ236の処理により対象装置とした画像形成装置90を特定情報として提示する制御を行う。
【0077】
例えば、1回目のステップ228及びステップ230で、CPU11が、装置IDとして「B」が付された画像形成装置90を特定情報として提示する制御を行ったものの、1回目のステップ232で、CPU11が、装置IDとして「C」が付された画像形成装置90に特定サービスを実行させる旨の発話を受け付けた場合、1回目のステップ236で、CPU11は対象装置を装置IDとして「C」が付された画像形成装置90に決定し、ステップ228へ戻る。2回目のステップ228及びステップ230で、CPU11は、装置IDとして「C」が付された画像形成装置90を特定情報として提示する制御を行う。
【0078】
一方、ステップ234で肯定判定となった場合はステップ238へ移行し、CPU11は、特定サービスをステップ228及びステップ230の処理によって特定情報として提示する制御を行った画像形成装置90に実行させる制御を行い、本情報処理を終了する。
【0079】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、受け付けたサービスを実行させる制御を、当該サービスを実行させる指示を受け付けた時刻の直後に、当該サービスを実行させるための物理的な操作を検知した画像形成装置90に行う形態について説明した。これに対し、本第2実施形態では、当該受け付けた時刻の直前に、当該操作を検知した画像形成装置90に行う場合の形態例について説明する。なお、本第2実施形態に係る画像形成システム1及びサーバ10の構成については、上記第1実施形態に係る構成(
図1、
図2、及び
図3参照。)と同一であるため、ここでの説明を省略する。
【0080】
まず、
図12を参照して、本第2実施形態に係るサーバ10の作用として、情報処理を実行する際のサーバ10の作用について説明する。なお、
図12に示す情報処理における、
図7に示す情報処理と同一の処理を実行するステップについては
図7と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0081】
図12に示す情報処理と
図7に示す情報処理とでは、ステップ200~ステップ222の処理に代えて、ステップ201~ステップ215の処理が適用されている点が異なっている。
【0082】
すなわち、
図12のステップ201で、CPU11は、画像形成装置90に対するサービスを実行させるための物理的な操作が検知されているかを判定し、肯定判定となった場合は後述するステップ205に移行する一方、否定判定となった場合はステップ203に移行する。なお、ステップ201で、CPU11は、サービス情報データベース13Dに記憶されている全ての物理操作を検知の対象とする。
【0083】
ステップ203で、CPU11は、情報処理プログラム13Aを実行してから、予め定められた時間Tdが経過したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ201に戻る一方、肯定判定となった場合はステップ205へ移行する。なお、本実施形態では、予め定められた時間Tdとして、サーバ10のユーザ等によって、予め設定された時間を適用しているが、画像形成装置90が使用される頻度等に応じて、自動的に定められた時間を予め定められた時間Tdとして設定する形態としてもよい。
【0084】
ステップ205で、CPU11は、ステップ201の処理によって検知した上記物理的な操作を全て特定する。以下では、特定した物理的な操作を「特定操作」という。ステップ207で、CPU11は、特定操作及び当該特定操作を検知した日時を物理操作情報データベース13Cに登録する。
【0085】
ステップ209で、CPU11は、特定操作に対応しているサービスをサービス情報データベース13Dから読み出し、読み出した当該サービスの中の何れかのサービスの実行指示を示す発話がユーザにより行われ、当該発話に応じた音声データが音声入出力装置80から画像形成装置90Aを介して入力されるまで待機する。ステップ211で、CPU11は、入力された音声データに対して従来既知の音声認識処理を行うことで、ユーザによって実行指示が行われたサービスを特定する。以下では、特定したサービスを「特定サービス」という。なお、ステップ205で、CPU11が複数種類の特定操作を特定した場合、ステップ211で、CPU11は特定サービスとして1種類のサービスを特定することとなる。ステップ213で、CPU11は、特定サービス及び当該特定サービスを実行させる指示を受け付けた日時(以下、「受付日時」という。)を発話情報データベース13Bに登録する。
【0086】
次のステップ215で、CPU11は、ステップ201の処理によって特定した特定サービスを実行させる制御を行う画像形成装置(以下、「対象装置」という。)を決定するための処理である対象装置決定処理を実行する。以下、
図13を参照して、本実施形態に係る対象装置決定処理について説明する。なお、
図13に示す対象装置決定処理における、
図9に示す対象装置決定処理と同一の処理を実行するステップについては
図9と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0087】
図13に示す情報処理と
図9に示す情報処理とでは、ステップ400及びステップ402の処理に代えてステップ401及びステップ403の処理が適用されている点が異なっている。
【0088】
すなわち、
図13のステップ401で、CPU11は、発話情報データベース13B及び物理操作情報データベース13Cから全ての情報を読み出し、当該情報を用いて、特定サービスに対応する上記受付日時の直前から所定時間T2以内に、特定操作を検知した画像形成装置90が複数存在するか否かを判定する。この判定において否定判定となった場合はステップ403へ移行し、CPU11は、受付日時の直前の直近に特定操作を検知した画像形成装置90を対象装置とし、本対象装置決定処理を終了する。なお、本実施形態では、所定時間T2として、サーバ10のユーザ等によって、予め設定された時間を適用しているが、画像形成装置90が使用される頻度等に応じて、自動的に定められた時間を所定時間T2として設定する形態としてもよい。
【0089】
なお、上記第1実施形態では、受け付けたサービスを実行させる制御を、当該サービスを実行させる指示を受け付けた時刻の直後に、当該サービスを実行させるための物理的な操作を検知した画像形成装置90に行う形態について説明した。また、上記第2実施形態では、上記制御を、上記受け付けた時刻の直前に、上記操作を検知した画像形成装置90に行う場合の形態例について説明したが、この形態に限らない。これらの形態を組み合わせて、上記制御を、上記直前及び上記直後の如何に関わらず、上記受け付けた時刻から最も近い時刻に、上記操作を検知した画像形成装置90に行う形態を適用してもよい。
【0090】
以上、実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0091】
また、上記実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の組み合わせにより種々の発明が抽出される。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0092】
また、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0093】
また、上記実施形態では、サービスを実行させる装置の例として、画像形成装置を適用したが、これらに限定するものではなく、コンロ、洗濯機及び電子レンジ等を含めてもよいし、これらの個別、または複数の組み合わせを適用する形態としてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、情報処理プログラム13Aが記憶部13に予めインストールされている場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、情報処理プログラムが、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記憶媒体に格納されて提供される形態、又はネットワークを介して提供される形態としてもよい。
【0095】
さらに、上記実施形態では、情報処理を、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、情報処理を、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現する形態としてもよい。
【0096】
その他、上記実施形態で説明したサーバ10の構成(
図1~
図6参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0097】
また、上記実施形態で説明した情報処理の流れ(
図7及び
図12参照。)及び設定決定処理の流れ(
図9及び
図13参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0098】
1 画像形成システム
10 サーバ
11 CPU
11A 受付部
11B 検知部
11C 制御部
12 メモリ
13 記憶部
13A 情報処理プログラム
13B 発話情報データベース
13C 物理操作情報データベース
13D サービス情報データベース
14 入力部
15 表示部
16 媒体読み書き装置
18 通信I/F部
80 音声入出力装置
90 画像形成装置