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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】多光軸光電センサシステム及び反射器
(51)【国際特許分類】
   H01H 35/00 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
H01H35/00 N
H01H35/00 G
H01H35/00 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020042000
(22)【出願日】2020-03-11
(65)【公開番号】P2021144834
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蘇 日娜
(72)【発明者】
【氏名】田中 淳二
(72)【発明者】
【氏名】福本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】西内 智
【審査官】鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-127300(JP,A)
【文献】特開平06-051072(JP,A)
【文献】特開昭61-099229(JP,A)
【文献】特開2007-178395(JP,A)
【文献】特開2004-205499(JP,A)
【文献】特開2019-160654(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0258711(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に沿って間隔を置いて並ぶ複数の位置のそれぞれから互いに平行な複数の光を出射することが可能な投光器と、
前記投光器から出射された複数の出射光を受けることが可能な受光器と、
前記投光器から出射された前記複数の出射光を前記受光器に向けて反射させる第1反射体と、
前記投光器から出射された前記複数の出射光を前記受光器に向けて反射させる第2反射体と、
前記第1反射体と前記第2反射体とが前記一方向と平行な方向に並ぶように前記第1反射体及び前記第2反射体を支持する支持体と、を備え、
前記支持体は、前記第1反射体の表面と前記第2反射体の表面とのなす角が0度よりも大きな角度となるように前記第1反射体及び前記第2反射体を支持しており、
前記支持体は、
前記第1反射体を支持する第1支持部材と、
前記第2反射体を支持する第2支持部材と、
前記第1支持部材及び前記第2支持部材を保持するケースと、を有し、
前記第2支持部材の厚みは、一定であり、
前記第1支持部材は、前記第2支持部材から離間するにしたがって次第に厚みが増大する形状を有し、
前記ケースは、前記第1支持部材に支持された前記第1反射体の表面が前記第2支持部材に支持された前記第2反射体の表面に対して傾斜するように前記第1支持部材及び前記第2支持部材を保持している、多光軸光電センサシステム。
【請求項2】
前記支持体は、前記第1反射体の表面と前記第2反射体の表面とのなす角が0.001度以上0.5度以下となるように前記第1反射体及び前記第2反射体を支持している、請求項1に記載の多光軸光電センサシステム。
【請求項3】
前記ケースは、前記第1支持部材と前記第2支持部材との間に空間が形成されるように前記第1支持部材及び前記第2支持部材を保持している、請求項に記載の多光軸光電センサシステム。
【請求項4】
投光器から照射された複数の出射光を受光器に向けて反射させる第1反射体と、
前記投光器から照射された前記複数の出射光を前記受光器に向けて反射させる第2反射体と、
前記第1反射体及び前記第2反射体を支持する支持体と、を備え、
前記支持体は、前記第1反射体の表面と前記第2反射体の表面とのなす角が0度よりも大きな角度となるように前記第1反射体及び前記第2反射体を支持しており、
前記支持体は、
前記第1反射体を支持する第1支持部材と、
前記第2反射体を支持する第2支持部材と、
前記第1支持部材及び前記第2支持部材を保持するケースと、を有し、
前記第2支持部材の厚みは、一定であり、
前記第1支持部材は、前記第2支持部材から離間するにしたがって次第に厚みが増大する形状を有し、
前記ケースは、前記第1支持部材に支持された前記第1反射体の表面が前記第2支持部材に支持された前記第2反射体の表面に対して傾斜するように前記第1支持部材及び前記第2支持部材を保持している、反射器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、多光軸光電センサシステム及び反射器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セーフティセンサ等に用いられる多光軸光電センサシステムが知られている。例えば、特開2007-178395号公報には、投光器と、受光器と、中間ユニットと、を備える多光軸光電センサが開示されている。中間ユニットは、投光器から出射された複数の平行光を受光器に向けて反射させる反射鏡を有している。すなわち、中間ユニットは、反射器として機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-178395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2007-178395号公報に記載されるような光の方向を変換することが可能な多光軸光電センサシステムでは、搬送時や設置時における反射体の取り扱いを容易にするため、反射体を複数枚に分割することが考えられる。ただし、複数枚の反射体が互いに接続された構造では、投光器から出射された光が各反射体の境界部に入射した場合、有効な反射光が得られないため、受光器における受光量が低減する。その結果、不感帯が生じる懸念がある。
【0005】
本開示の目的は、反射体の取り扱いを容易にすることと、不感帯の発生によるセンシング性能の低減を抑制することと、の双方を達成可能でかつ光の方向を変換することが可能な多光軸光電センサシステム及び反射器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示の一局面に従った多光軸光電センサシステムは、一方向に沿って間隔を置いて並ぶ複数の位置のそれぞれから互いに平行な複数の光を出射することが可能な投光器と、前記投光器から出射された複数の出射光を受けることが可能な受光器と、前記投光器から出射された前記複数の出射光を前記受光器に向けて反射させる第1反射体と、前記投光器から出射された前記複数の出射光を前記受光器に向けて反射させる第2反射体と、前記第1反射体と前記第2反射体とが前記一方向と平行な方向に並ぶように前記第1反射体及び前記第2反射体を支持する支持体と、を備え、前記支持体は、前記第1反射体の表面と前記第2反射体の表面とのなす角が0度よりも大きな角度となるように前記第1反射体及び前記第2反射体を支持している。
【0007】
この多光軸光電センサシステムでは、第1反射体の表面と第2反射体の表面とのなす角が0度よりも大きな角度となるように第1反射体及び第2反射体が支持されているため、投光器から出射した光が第1反射体と第2反射体との境界部を含む領域に入射したとしても、その境界部近傍で反射した光が有効に受光器に到達する。よって、この多光軸光電センサシステムでは、複数枚の反射体に分割することによって反射体の取り扱いを容易にすることと、不感帯の発生によるセンシング性能の低減を抑制することとと、が両立される。
【0008】
また、前記支持体は、前記第1反射体の表面と前記第2反射体の表面とのなす角が0.001度以上0.5度以下となるように前記第1反射体及び前記第2反射体を支持していることが好ましい。
【0009】
このようにすれば、受光器における受光量がより確実に確保される。具体的に、第1反射体の表面と第2反射体の表面とのなす角が0.001度以上に設定されることにより、受光レンズにおける不感帯の面積が小さくなるため、受光器における受光量が有効に増大する。一方、第1反射体の表面と第2反射体の表面とのなす角が0.5度以下に設定されることにより、第1反射体を第2反射体に対して傾け過ぎることに起因して受光器における受光量が低減することが抑制される。
【0010】
また、前記支持体は、前記第1反射体を支持する第1支持部材と、前記第2反射体を支持する第2支持部材と、前記第1支持部材及び前記第2支持部材を保持するケースと、を有していてもよい。
【0011】
この場合において、前記ケースは、前記第1支持部材と前記第2支持部材との間に空間が形成されるように前記第1支持部材及び前記第2支持部材を保持していることが好ましい。
【0012】
このようにすれば、第1反射体と第2反射体とが互いに接するように第1反射体及び第2反射体を配置することが可能となる。
【0013】
また、この開示の一局面に従った反射器は、投光器から照射された複数の出射光を受光器に向けて反射させる第1反射体と、前記投光器から照射された前記複数の出射光を前記受光器に向けて反射させる第2反射体と、前記第1反射体及び前記第2反射体を支持する支持体と、を備え、前記支持体は、前記第1反射体の表面と前記第2反射体の表面とのなす角が0度よりも大きな角度となるように前記第1反射体及び前記第2反射体を支持している。
【発明の効果】
【0014】
この開示によれば、反射体の取り扱いを容易にすることと、不感帯の発生によるセンシング性能の低減を抑制することと、の双方を達成可能でかつ光の方向を変換することが可能な多光軸光電センサシステム及び反射器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態の多光軸光電センサシステムの全体構成を概略的に示す斜視図である。
図2】反射器の正面図である。
図3図2におけるIII-III線での断面図である。
図4図2及び図3におけるIV-IV線での断面図である。
図5】投光器から受光器に至る光の進路を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で参照する図面では、同一又はそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態の多光軸光電センサシステムの全体構成を概略的に示す斜視図である。多光軸光電センサシステム1は、人や物体の通過を光線によって検出可能なシステムである。この多光軸光電センサシステム1は、光の方向を変換することが可能である。
【0018】
多光軸光電センサシステム1は、投光器10と、受光器20と、反射器30と、を備えている。
【0019】
投光器10は、一方向(図1における上下方向)に沿って間隔を置いて並ぶ複数の位置のそれぞれから互いに平行な複数の光を出射することが可能である。投光器10は、一方向に沿って間隔を置いて並ぶように配置された複数の投光レンズ10aを有している。各投光レンズ10aの側方には、図示略の光源(LED)が配置されている。
【0020】
受光器20は、投光器10から出射された複数の出射光を受けることが可能である。受光器20は、一方向に沿って間隔を置いて並ぶように配置された複数の受光レンズ20aを有している。
【0021】
反射器30は、投光器10から出射された光を受光器20に反射する。図1及び図2に示されるように、反射器30は、第1反射体31と、第2反射体32と、支持体35と、を有している。
【0022】
第1反射体31は、投光器10から出射された複数の出射光を受光器20に向けて反射させる。第1反射体31の表面31Sは、平坦に形成されている。第1反射体31の厚みは、一定である。第1反射体31の長手方向における長さは、例えば、320mmや640mmに設定される。
【0023】
第2反射体32は、投光器10から出射された複数の出射光を受光器20に向けて反射させる。第2反射体32の表面32Sは、平坦に形成されている。第2反射体32の厚みは、一定である。第2反射体32の長手方向における長さは、例えば、320mmや640mmに設定される。本実施形態では、第2反射体32は、第1反射体31の下方に配置されている。
【0024】
支持体35は、第1反射体31と第2反射体32とが前記一方向と平行な方向に並ぶように第1反射体31及び第2反射体32を支持している。支持体35は、第1反射体31の表面31Sと第2反射体32の表面32Sとのなす角θ(図4を参照)が0度よりも大きな角度となるように第1反射体31及び第2反射体32を支持している。支持体35は、前記角θが0.001度以上0.5度以下となるように第1反射体31及び第2反射体32を支持することが好ましい。前記角θの範囲は、受光レンズ20aによる受光量が100%となる範囲で設定されることが好ましい。なお、図4では、説明のため、前記角θが実際の角度よりも大きく表示されている。
【0025】
支持体35は、第1支持部材36と、第2支持部材37と、ケース38と、を有している。
【0026】
第2支持部材37は、第2反射体32を支持している。図4に示されるように、第2支持部材37は、第2反射体32の表面32Sが鉛直方向と平行となるように第2反射体32を支持している。第2支持部材37は、例えば、樹脂で形成される。第2支持部材37の厚みは、一定である。第2支持部材37は、第2支持面37S1と、第2裏面37S2と、を有している。
【0027】
第2支持面37S1は、第2反射体32を支持する面である。第2支持面37S1は、平坦に形成されている。第2支持面37S1は、接着部材41を介して第2反射体32を支持している。
【0028】
第2裏面37S2は、第2支持面37S1と反対側の表面である。第2裏面37S2は、平坦に形成されている。
【0029】
第1支持部材36は、第1反射体31を支持している。図4に示されるように、第1支持部材36は、第2支持部材37の上方に配置されている。第1支持部材36は、第1反射体31の表面31Sが第2反射体32の表面32Sに対して傾斜するように第1反射体31を支持している。第1支持部材36は、例えば、樹脂で形成される。第1支持部材36は、第1支持面36S1と、第1裏面36S2と、を有している。
【0030】
第1支持面36S1は、第1反射体31を支持する面である。第1支持面36S1は、平坦に形成されている。第1支持面36S1は、接着部材41を介して第1反射体31を支持している。
【0031】
第1裏面36S2は、第1支持面36S1と反対側の表面である。第1裏面36S2は、平坦に形成されている。第1裏面36S2は、第2裏面37S2と面一に形成されている。
【0032】
図4に示されるように、第1支持面36S1は、第2支持部材37から離間するにしたがって、すなわち、上方に向かうにしたがって、次第に第1裏面36S2から離間するように傾斜する形状を有している。第1支持部材36は、第1反射体31の表面31Sが第2反射体32の表面32Sに対して前記角θだけ傾斜する姿勢で第1反射体31を支持している。第1支持面36S1の下端部及び第1裏面36S2の下端部間の距離(第1支持部材36の下端面の厚み)tは、例えば3mmに設定されている。第1支持面36S1の上端部及び第1裏面36S2の上端部間の距離(第1支持部材36の上端面の厚み)は、例えば4.5mmに設定されている。
【0033】
ケース38は、第1支持部材36及び第2支持部材37を保持している。図4に示されるように、ケース38は、第1支持部材36と第2支持部材37との間に空間Sが形成されるように第1支持部材36及び第2支持部材37を保持している。ケース38は、例えば、アルミニウムからなる。
【0034】
ケース38は、第1支持部材36及び第2支持部材37を保持する保持部38aを有している。保持部38aは、平板状に形成されている。保持部38aは、鉛直方向と平行に形成されている。保持部38aは、接着部材42を介して第1支持部材36及び第2支持部材37を支持している。
【0035】
次に、図5を参照しながら、投光器10から受光器20に至る光の進路について説明する。なお、図5では、説明のため、投光レンズ10aと受光レンズ20aとが第1反射体31及び第2反射体32を挟む位置に描かれているが、実際は、投光レンズ10aと受光レンズ20aとは、第1反射体31及び第2反射体32に対して同じ側に配置されている。また、図5では、第1反射体31と第2反射体32との隙間が実際の隙間よりも大きく描かれている。
【0036】
投光レンズ10aを通じて出射した光は、所定の指向角を維持しながら第1反射体31及び第2反射体32に至る。そして、第1反射体31及び第2反射体32で反射した光は、受光レンズ20aに至る。
【0037】
なお、図5には、第2反射体32と面一となるように配置された第1反射体31及びこの第1反射体31で反射した光AR1が二点鎖線で示されており、第2反射体32に対して傾斜するように配置された第1反射体31及びこの第1反射体31で反射した光AR2が実線で示されている。また、図5では、第1反射体31が第2反射体32と面一となるように配置された場合において、第1反射体31と第2反射体32との隙間に起因して投光レンズ10aから出射した光が受光レンズ20aに向けて反射されない領域Rは、斜線で示されている。
【0038】
図5に示されるように、第1反射体31の表面31Sが第2反射体32の表面32Sと面一である場合には、投光レンズ10aから第1反射体31と第2反射体32との隙間に至った光は、受光レンズ20aに向けて反射されないため、その分、受光レンズ20aでの受光量が低減される。すなわち、第1反射体31の表面31Sが第2反射体32の表面32Sと面一である場合には、受光レンズ20aに不感帯20Rが形成される。
【0039】
これに対し、本実施形態では、第1反射体31の表面31Sが第2反射体32の表面32Sに対して傾斜しているため、第1反射体31の表面31Sで反射した光AR2は、第1反射体31の表面31Sが第2反射体32の表面32Sと面一である場合に第1反射体31と第2反射体32との隙間に起因して受光レンズ20aで受光されない領域(不感帯)20Rにも到達する。このため、受光レンズ20aでの受光量が確保される。
【0040】
以上に説明したように、本実施形態の多光軸光電センサシステム1では、第1反射体31の表面31Sと第2反射体32の表面32Sとのなす角θが0度よりも大きな角度となるように第1反射体31及び第2反射体32が支持されているため、投光器10から出射した光が第1反射体31と第2反射体32との境界部を含む領域に入射したとしても、その境界部近傍で反射した光が有効に受光器20に到達する。よって、この多光軸光電センサシステム1では、複数枚の反射体に分割することによって反射体の取り扱いを容易にすることと、不感帯の発生によるセンシング性能の低減を抑制することとと、が両立される。
【0041】
また、ケース38は、第1支持部材36と第2支持部材37との間に空間Sが形成されるように第1支持部材36及び第2支持部材37を保持しているため、第1反射体31と第2反射体32とが互いに接するように第1反射体31及び第2反射体32を配置することが可能となる。
【0042】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0043】
例えば、反射器30は、第1反射体31及び第2反射体32に加え、第3反射体を含んでいてもよい。この場合、支持体35は、第3反射体を支持する第3支持部材をさらに有する。第3支持部は、第2支持部材37の下方に配置され、第3反射体の表面が第2反射体32の表面32Sに対して前記角θだけ傾斜する姿勢で第3反射体を支持する。なお、第3反射体の表面は、第2反射体32から離間するにしたがって、すなわち、下方に向かうにしたがって、次第に投光器10あるいは受光器20に近づくように設定される。
【0044】
また、多光軸光電センサシステム1は、2つの反射器30を備えていてもよい。この場合、投光器10、受光器20及び2つの反射器30は、投光器10から出射した光が各反射器30で連続的に反射した後に受光器20に到達するように配置される。
【0045】
また、第1支持部材36、第2支持部材37及びケース38は、同一材料によって一体的に構成されてもよい。
【0046】
また、第1支持部材36は、第1支持面36S1を有する部材と、第1裏面36S2を有する部材と、を含む複数の部材で構成されてもよい。
【0047】
<付記>
上記実施形態の多光軸光電センサシステム1及び反射器30の特徴的な構成を要約すると、以下のとおりである。
【0048】
[構成1]
一方向に沿って間隔を置いて並ぶ複数の位置のそれぞれから互いに平行な複数の光を出射することが可能な投光器(10)と、
前記投光器から出射された複数の出射光を受けることが可能な受光器(20)と、
前記投光器から出射された前記複数の出射光を前記受光器に向けて反射させる第1反射体(31)と、
前記投光器から出射された前記複数の出射光を前記受光器に向けて反射させる第2反射体(32)と、
前記第1反射体と前記第2反射体とが前記一方向と平行な方向に並ぶように前記第1反射体及び前記第2反射体を支持する支持体(35)と、を備え、
前記支持体(35)は、前記第1反射体の表面と前記第2反射体の表面とのなす角(θ)が0度よりも大きな角度となるように前記第1反射体及び前記第2反射体を支持している、多光軸光電センサシステム(1)。
【0049】
[構成2]
前記支持体(35)は、前記第1反射体の表面と前記第2反射体の表面とのなす角が0.001度以上0.5度以下となるように前記第1反射体及び前記第2反射体を支持している、構成1に記載の多光軸光電センサシステム。
【0050】
[構成3]
前記支持体(35)は、
前記第1反射体を支持する第1支持部材(36)と、
前記第2反射体を支持する第2支持部材(37)と、
前記第1支持部材及び前記第2支持部材を保持するケース(38)と、を有する、構成1又は2に記載の多光軸光電センサシステム。
【0051】
[構成4]
前記ケース(38)は、前記第1支持部材と前記第2支持部材との間に空間(S)が形成されるように前記第1支持部材及び前記第2支持部材を保持している、構成3に記載の多光軸光電センサシステム。
【0052】
[構成5]
投光器(10)から照射された複数の出射光を受光器(20)に向けて反射させる第1反射体(31)と、
前記投光器から照射された前記複数の出射光を前記受光器に向けて反射させる第2反射体(32)と、
前記第1反射体及び前記第2反射体を支持する支持体(35)と、を備え、
前記支持体(35)は、前記第1反射体の表面と前記第2反射体の表面とのなす角(θ)が0度よりも大きな角度となるように前記第1反射体及び前記第2反射体を支持している、反射器(30)。
【符号の説明】
【0053】
1 多光軸光電センサシステム、10 投光器、10a 投光レンズ、20 受光器、20a 受光レンズ、30 反射器、31 第1反射体、31S 表面、32 第2反射体、32S 表面、35 支持体、36 第1支持部材、36S1 第1支持面、36S2 第1裏面、37 第2支持部材、37S1 第2支持面、37S2 第2裏面、38 ケース、38a 保持部、41 接着部材、42 接着部材、S 空間。
図1
図2
図3
図4
図5