(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】物品仕分けシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
B65G1/137 A
(21)【出願番号】P 2020181544
(22)【出願日】2020-10-29
【審査請求日】2022-11-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】荻野 弘介
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-020861(JP,A)
【文献】特開2020-075797(JP,A)
【文献】特開2020-083510(JP,A)
【文献】特開2020-011790(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01273359(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B07C 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の仕分け容器支持部を備える仕分け容器支持装置と、
前記仕分け容器支持部に支持される仕分け容器と、
前記仕分け容器支持装置に隣接して配置され、供給部から供給された複数の物品を、オーダーに従って前記仕分け容器支持部に支持された複数の前記仕分け容器に向けて自動的に仕分ける自動仕分け装置と、
前記自動仕分け装置とは反対側において前記仕分け容器支持装置に面するように設定され、作業者が、前記仕分け容器支持部に支持された複数の前記仕分け容器に対す
る物品の仕分け作業を行う作業エリアと、
前記作業エリアにいる前記作業者に向けた情報を表示する作業表示装置と、を備え、
前記作業表示装置は、複数の前記仕分け容器支持部又は複数の前記仕分け容器のそれぞれに、前記作業エリア側に向けて
、作業指示関連情報を表示し
、
前記作業指示関連情報は、前記作業エリアに供給された物品を、複数の前記仕分け容器のそれぞれ
に入れる前記仕分け作業の前記作業者への指示に関する情報であ
る、物品仕分けシステム。
【請求項2】
複数の仕分け容器支持部を備える仕分け容器支持装置と、
前記仕分け容器支持部に支持される仕分け容器と、
前記仕分け容器支持装置に隣接して配置され、供給部から供給された複数の物品を、オーダーに従って前記仕分け容器支持部に支持された複数の前記仕分け容器に向けて自動的に仕分ける自動仕分け装置と、
前記自動仕分け装置とは反対側において前記仕分け容器支持装置に面するように設定され、作業者が、前記仕分け容器支持部に支持された複数の前記仕分け容器に対する前記物品の仕分け作業を行う作業エリアと、
前記作業エリアにいる前記作業者に向けた情報を表示する作業表示装置と、を備え、
前記作業表示装置は、複数の前記仕分け容器支持部又は複数の前記仕分け容器のそれぞれに、前記作業エリア側に向けて、複数の前記仕分け容器のそれぞれに対する前記仕分け作業の指示に関する情報である作業指示関連情報を表示
し、
前記物品について予め定められた規格に基づいて、前記規格に合致する前記物品は前記自動仕分け装置の前記供給部に供給され、前記規格に合致しない前記物品は前記作業エリアに供給される、物品仕分けシステム。
【請求項3】
複数の仕分け容器支持部を備える仕分け容器支持装置と、
前記仕分け容器支持部に支持される仕分け容器と、
前記仕分け容器支持装置に隣接して配置され、供給部から供給された複数の物品を、オーダーに従って前記仕分け容器支持部に支持された複数の前記仕分け容器に向けて自動的に仕分ける自動仕分け装置と、
前記自動仕分け装置とは反対側において前記仕分け容器支持装置に面するように設定され、作業者が、前記仕分け容器支持部に支持された複数の前記仕分け容器に対する前記物品の仕分け作業を行う作業エリアと、
前記作業エリアにいる前記作業者に向けた情報を表示する作業表示装置と、を備え、
前記作業表示装置は
、
複数の前記仕分け容器支持部又は複数の前記仕分け容器のそれぞれに、前記作業エリア側に向けて、複数の前記仕分け容器のそれぞれに対する前記仕分け作業の指示に関する情報である作業指示関連情報を表示
し、
前記作業指示関連情報の表示を行うか否かを変更可能に構成され、前記自動仕分け装置による前記仕分け容器への前記物品の投入が開始される前は前記作業指示関連情報の表示を行わず、前記自動仕分け装置による前記仕分け容器への前記物品の投入が開始された後、前記作業指示関連情報の表示を行う、物品仕分けシステム。
【請求項4】
複数の仕分け容器支持部を備える仕分け容器支持装置と、
前記仕分け容器支持部に支持される仕分け容器と、
前記仕分け容器支持装置に隣接して配置され、供給部から供給された複数の物品を、オーダーに従って前記仕分け容器支持部に支持された複数の前記仕分け容器に向けて自動的に仕分ける自動仕分け装置と、
前記自動仕分け装置とは反対側において前記仕分け容器支持装置に面するように設定され、作業者が、前記仕分け容器支持部に支持された複数の前記仕分け容器に対する前記物品の仕分け作業を行う作業エリアと、
前記作業エリアにいる前記作業者に向けた情報を表示する作業表示装置と、を備え、
前記作業表示装置は、複数の前記仕分け容器支持部又は複数の前記仕分け容器のそれぞれに、前記作業エリア側に向けて、複数の前記仕分け容器のそれぞれに対する前記仕分け作業の指示に関する情報である作業指示関連情報を表示
し、
前記仕分け容器支持装置は、第1のサイズの前記仕分け容器である第1種仕分け容器を支持する複数の第1種支持部と、前記第1のサイズより大きい第2のサイズの前記仕分け容器である第2種仕分け容器を支持する複数の第2種支持部と、を備え、
複数の前記オーダーのうちの1つを対象オーダーとして、前記対象オーダーに含まれる前記物品の量が規定の閾値未満である場合には、前記第1種支持部に支持された前記第1種仕分け容器に前記対象オーダーに係る前記物品を収容し、前記対象オーダーに含まれる前記物品の量が規定の閾値以上である場合には、前記第2種支持部に支持された前記第2種仕分け容器に前記対象オーダーに係る前記物品を収容するように、前記自動仕分け装置が仕分け動作を行い、前記作業表示装置が前記作業指示関連情報の表示を行う、物品仕分けシステム。
【請求項5】
前記自動仕分け装置は、仕分けられ
た物品が排出される複数の排出口と、前記供給部に供給され
た物品を前記オーダーに従っていずれかの前記排出口へ搬送する搬送装置と、を備え、
前記仕分け容器支持部は、複数の前記排出口のそれぞれに対応して設けられ、前記排出口から排出され
た物品が前記仕分け容器に収容されるように、前記仕分け容器を支持している、請求項1から4のいずれか一項に記載の物品仕分けシステム。
【請求項6】
前記作業指示関連情報は、複数の前記仕分け容器のそれぞれに収容されるべ
き物品の種類及び個数を示す情報を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の物品仕分けシステム。
【請求項7】
前記仕分け容器支持装置は、複数の区画に分けられており、
複数の前記区画は、それぞれに複数の前記仕分け容器支持部が含まれるように設定され、
前記作業表示装置は前記区画ごとに異なる前記作業者に向けて、前記作業指示関連情報を表示する、請求項1から
6のいずれか一項に記載の物品仕分けシステム。
【請求項8】
前記仕分け容器は汎用の容器であり、
前記仕分け容器支持部は、前記仕分け容器を規定の位置に位置決めする位置決め部を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の物品仕分けシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品をオーダーに従って自動的に仕分ける自動仕分け装置を備えた物品仕分けシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の物品仕分けシステムが、特許第5562646号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示された符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1の物品仕分けシステムは、入力ステーション(50)にて読み取った物品のオーダー情報に基づいて、複数の送達車(200)がそれぞれの仕分け先の容器(190)に物品を自動的に搬送して仕分けを行う仕分けステーション(100)を備えた構成となっている。複数の容器(190)は、仕分けステーション(100)において、複数列及び複数段に亘って設けられている。また、送達車(200)が移動するための軌道も仕分けステーション(100)に設けられている。入力ステーション(50)を通過した物品は、コンベアによって仕分けステーション(100)に設けられた積入れステーション(310)に到達する。積入れステーション(310)で物品を受け取った送達車(200)は、垂直軌道に沿って仕分けステーション(100)の上方へ移動した後、水平軌道に沿って水平移動し、仕分け先容器と同じ列へ到達する。その後、仕分けステーション(100)の内部を垂直軌道に沿って下降し、仕分け先の容器(190)に物品を排出する。物品を排出した送達車(200)は、積入れステーション(310)に戻って、別の物品を受け取る。
【0004】
この物品仕分けシステムでは、中央コントローラ(350)により、送達車(200)に対し適切な搬送経路が選択されると共に、送達車(200)同士が衝突しないように制御されている。また、送達車(200)の進行方向を軌道に沿って変化させる場合でも、送達車(200)の車体の向きは常に一定に保たれる。従って、この物品仕分けシステムでは、大量の物品を効率良く仕分けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような物品仕分けシステムでは、送達車(200)により搬送することができる物品の大きさや形状等に制約がある。そのため、仕分け作業の対象となる物品の全てについて、仕分けステーション(100)のような自動仕分け装置を用いた仕分け作業を行うことができない場合があった。このような場合には、作業者等による仕分け作業を別工程で行い、当該別工程で仕分けた物品と自動仕分け装置を用いて仕分けた物品とを、同じ容器に合わせる荷合わせ作業を行う必要があった。
【0007】
しかし、このように、別工程での仕分け作業や荷合わせ作業を行う場合には、それらの作業の分、最終の仕分け完了までの時間、工数、作業場所などが多く必要となる。そのため、自動仕分け装置を用いた自動的な仕分け作業のみを行う場合に比べて、仕分け作業全体の効率を高めにくいという問題があった。
【0008】
そこで、自動仕分け装置による自動仕分け作業と、作業者による仕分け作業との双方を行う場合において、仕分け作業全体の効率を高め易い物品仕分けシステムの実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記に鑑みた、物品仕分けシステムの特徴構成は、複数の仕分け容器支持部を備える仕分け容器支持装置と、前記仕分け容器支持部に支持される仕分け容器と、前記仕分け容器支持装置に隣接して配置され、供給部から供給された複数の物品を、オーダーに従って前記仕分け容器支持部に支持された複数の前記仕分け容器に向けて自動的に仕分ける自動仕分け装置と、前記自動仕分け装置とは反対側において前記仕分け容器支持装置に面するように設定され、作業者が、前記仕分け容器支持部に支持された複数の前記仕分け容器に対する物品の仕分け作業を行う作業エリアと、前記作業エリアにいる前記作業者に向けた情報を表示する作業表示装置と、を備え、
前記作業表示装置は、複数の前記仕分け容器支持部又は複数の前記仕分け容器のそれぞれに、前記作業エリア側に向けて、作業指示関連情報を表示し、
前記作業指示関連情報は、前記作業エリアに供給された物品を、複数の前記仕分け容器のそれぞれに入れる前記仕分け作業の前記作業者への指示に関する情報である点にある。
【0010】
この構成によれば、自動仕分け装置による仕分けが可能な物品と、自動仕分け装置による仕分けが不可能であるために作業者による仕分けが必要な物品の双方とが存在する場合にであっても、それらの物品の仕分け作業を適切に行うことができる。この際、作業エリアが、自動仕分け装置とは反対側において仕分け容器支持装置に面するように設定されているため、自動仕分け装置による仕分けと、作業者による仕分け作業とを同じ場所にある仕分け容器に対して同時並行で行うことができる。また、自動仕分け装置による仕分け作業と作業者による仕分け作業とを別工程で行った場合のように、それぞれで仕分けた物品を同じ容器に合わせる荷合わせ作業を行う必要がない。従って、自動仕分け装置による仕分けと作業者による仕分け作業とを別工程で行う場合に比べて、仕分け作業の全体に要する工数や時間を短縮することができると共に、これらの仕分け作業のための作業場所も小さく抑えることができる。
【0011】
また、仕分け作業の指示に関する作業指示関連情報が、仕分け容器支持部又は仕分け容器のそれぞれに、作業エリア側に向けて表示されるため、作業者は作業指示関連情報を確認しながら効率的に仕分け作業を行うことができる。
このように、本構成によれば、自動仕分け装置による仕分け作業と、作業者による仕分け作業との双方を行う場合において、仕分け作業全体の効率を高めることができる。
【0012】
上記に鑑みた、別の物品仕分けシステムの特徴構成は、複数の仕分け容器支持部を備える仕分け容器支持装置と、前記仕分け容器支持部に支持される仕分け容器と、前記仕分け容器支持装置に隣接して配置され、供給部から供給された複数の物品を、オーダーに従って前記仕分け容器支持部に支持された複数の前記仕分け容器に向けて自動的に仕分ける自動仕分け装置と、前記自動仕分け装置とは反対側において前記仕分け容器支持装置に面するように設定され、作業者が、前記仕分け容器支持部に支持された複数の前記仕分け容器に対する前記物品の仕分け作業を行う作業エリアと、前記作業エリアにいる前記作業者に向けた情報を表示する作業表示装置と、を備え、
前記作業表示装置は、複数の前記仕分け容器支持部又は複数の前記仕分け容器のそれぞれに、前記作業エリア側に向けて、複数の前記仕分け容器のそれぞれに対する前記仕分け作業の指示に関する情報である作業指示関連情報を表示し、
前記物品について予め定められた規格に基づいて、前記規格に合致する前記物品は前記自動仕分け装置の前記供給部に供給され、前記規格に合致しない前記物品は前記作業エリアに供給される点にある。
【0013】
この構成によれば、自動仕分け装置による仕分けが可能な物品と、自動仕分け装置による仕分けが不可能であるために作業者による仕分けが必要な物品の双方とが存在する場合にであっても、それらの物品の仕分け作業を適切に行うことができる。この際、作業エリアが、自動仕分け装置とは反対側において仕分け容器支持装置に面するように設定されているため、自動仕分け装置による仕分けと、作業者による仕分け作業とを同じ場所にある仕分け容器に対して同時並行で行うことができる。また、自動仕分け装置による仕分け作業と作業者による仕分け作業とを別工程で行った場合のように、それぞれで仕分けた物品を同じ容器に合わせる荷合わせ作業を行う必要がない。従って、自動仕分け装置による仕分けと作業者による仕分け作業とを別工程で行う場合に比べて、仕分け作業の全体に要する工数や時間を短縮することができると共に、これらの仕分け作業のための作業場所も小さく抑えることができる。
また、仕分け作業の指示に関する作業指示関連情報が、仕分け容器支持部又は仕分け容器のそれぞれに、作業エリア側に向けて表示されるため、作業者は作業指示関連情報を確認しながら効率的に仕分け作業を行うことができる。
このように、本構成によれば、自動仕分け装置による仕分け作業と、作業者による仕分け作業との双方を行う場合において、仕分け作業全体の効率を高めることができる。
更にこの構成によれば、自動仕分け装置による仕分けが可能な物品については自動仕分け装置による仕分けを行い、自動仕分け装置による仕分けが不可能な物品については作業者による仕分け作業による仕分けを行うことができる。すなわち、物品の種類に応じて適切な方法で仕分け作業を行うことができる。
【0014】
上記に鑑みた、別の物品仕分けシステムの特徴構成は、複数の仕分け容器支持部を備える仕分け容器支持装置と、前記仕分け容器支持部に支持される仕分け容器と、前記仕分け容器支持装置に隣接して配置され、供給部から供給された複数の物品を、オーダーに従って前記仕分け容器支持部に支持された複数の前記仕分け容器に向けて自動的に仕分ける自動仕分け装置と、前記自動仕分け装置とは反対側において前記仕分け容器支持装置に面するように設定され、作業者が、前記仕分け容器支持部に支持された複数の前記仕分け容器に対する前記物品の仕分け作業を行う作業エリアと、前記作業エリアにいる前記作業者に向けた情報を表示する作業表示装置と、を備え、
前記作業表示装置は、複数の前記仕分け容器支持部又は複数の前記仕分け容器のそれぞれに、前記作業エリア側に向けて、複数の前記仕分け容器のそれぞれに対する前記仕分け作業の指示に関する情報である作業指示関連情報を表示し、前記作業指示関連情報の表示を行うか否かを変更可能に構成され、前記自動仕分け装置による前記仕分け容器への前記物品の投入が開始される前は前記作業指示関連情報の表示を行わず、前記自動仕分け装置による前記仕分け容器への前記物品の投入が開始された後、前記作業指示関連情報の表示を行う点にある。
【0015】
この構成によれば、自動仕分け装置による仕分けが可能な物品と、自動仕分け装置による仕分けが不可能であるために作業者による仕分けが必要な物品の双方とが存在する場合にであっても、それらの物品の仕分け作業を適切に行うことができる。この際、作業エリアが、自動仕分け装置とは反対側において仕分け容器支持装置に面するように設定されているため、自動仕分け装置による仕分けと、作業者による仕分け作業とを同じ場所にある仕分け容器に対して同時並行で行うことができる。また、自動仕分け装置による仕分け作業と作業者による仕分け作業とを別工程で行った場合のように、それぞれで仕分けた物品を同じ容器に合わせる荷合わせ作業を行う必要がない。従って、自動仕分け装置による仕分けと作業者による仕分け作業とを別工程で行う場合に比べて、仕分け作業の全体に要する工数や時間を短縮することができると共に、これらの仕分け作業のための作業場所も小さく抑えることができる。
また、仕分け作業の指示に関する作業指示関連情報が、仕分け容器支持部又は仕分け容器のそれぞれに、作業エリア側に向けて表示されるため、作業者は作業指示関連情報を確認しながら効率的に仕分け作業を行うことができる。
このように、本構成によれば、自動仕分け装置による仕分け作業と、作業者による仕分け作業との双方を行う場合において、仕分け作業全体の効率を高めることができる。
更にこの構成によれば、自動仕分け装置による仕分け容器への物品の投入が開始されてから、作業者による仕分け作業が開始されることになる。従って、仕分け容器の中における、下の方に自動仕分け装置で仕分けられた物品が配置され、上の方に作業者により仕分けられた物品が配置される傾向が高くなる。一般的に、自動仕分け装置により仕分け不可能な物品は、自動仕分け装置により仕分け可能な物品に比べて、特殊な形状である可能性が高い。本構成によれば、このような特殊な形状の物品が仕分け容器の中において比較的上の方に配置され易くなる。従って、仕分け容器の中に収容された複数の物品の安定性を高め易い。
【0016】
上記に鑑みた、別の物品仕分けシステムの特徴構成は、複数の仕分け容器支持部を備える仕分け容器支持装置と、前記仕分け容器支持部に支持される仕分け容器と、前記仕分け容器支持装置に隣接して配置され、供給部から供給された複数の物品を、オーダーに従って前記仕分け容器支持部に支持された複数の前記仕分け容器に向けて自動的に仕分ける自動仕分け装置と、前記自動仕分け装置とは反対側において前記仕分け容器支持装置に面するように設定され、作業者が、前記仕分け容器支持部に支持された複数の前記仕分け容器に対する前記物品の仕分け作業を行う作業エリアと、前記作業エリアにいる前記作業者に向けた情報を表示する作業表示装置と、を備え、
前記作業表示装置は、複数の前記仕分け容器支持部又は複数の前記仕分け容器のそれぞれに、前記作業エリア側に向けて、複数の前記仕分け容器のそれぞれに対する前記仕分け作業の指示に関する情報である作業指示関連情報を表示し、
前記仕分け容器支持装置は、第1のサイズの前記仕分け容器である第1種仕分け容器を支持する複数の第1種支持部と、前記第1のサイズより大きい第2のサイズの前記仕分け容器である第2種仕分け容器を支持する複数の第2種支持部と、を備え、
複数の前記オーダーのうちの1つを対象オーダーとして、前記対象オーダーに含まれる前記物品の量が規定の閾値未満である場合には、前記第1種支持部に支持された前記第1種仕分け容器に前記対象オーダーに係る前記物品を収容し、前記対象オーダーに含まれる前記物品の量が規定の閾値以上である場合には、前記第2種支持部に支持された前記第2種仕分け容器に前記対象オーダーに係る前記物品を収容するように、前記自動仕分け装置が仕分け動作を行い、前記作業表示装置が前記作業指示関連情報の表示を行う点にある。
【0017】
この構成によれば、自動仕分け装置による仕分けが可能な物品と、自動仕分け装置による仕分けが不可能であるために作業者による仕分けが必要な物品の双方とが存在する場合にであっても、それらの物品の仕分け作業を適切に行うことができる。この際、作業エリアが、自動仕分け装置とは反対側において仕分け容器支持装置に面するように設定されているため、自動仕分け装置による仕分けと、作業者による仕分け作業とを同じ場所にある仕分け容器に対して同時並行で行うことができる。また、自動仕分け装置による仕分け作業と作業者による仕分け作業とを別工程で行った場合のように、それぞれで仕分けた物品を同じ容器に合わせる荷合わせ作業を行う必要がない。従って、自動仕分け装置による仕分けと作業者による仕分け作業とを別工程で行う場合に比べて、仕分け作業の全体に要する工数や時間を短縮することができると共に、これらの仕分け作業のための作業場所も小さく抑えることができる。
また、仕分け作業の指示に関する作業指示関連情報が、仕分け容器支持部又は仕分け容器のそれぞれに、作業エリア側に向けて表示されるため、作業者は作業指示関連情報を確認しながら効率的に仕分け作業を行うことができる。
このように、本構成によれば、自動仕分け装置による仕分け作業と、作業者による仕分け作業との双方を行う場合において、仕分け作業全体の効率を高めることができる。
更にこの構成によれば、自動仕分け装置は、それぞれのオーダーに含まれる物品の量に応じて、適切なサイズの仕分け容器を選択し、当該選択された仕分け容器に、当該オーダーに含まれる一つ又は複数の物品を収容することができる。従って、物品の量に対して仕分け容器が大きすぎたり小さ過ぎたりする事態が生じる可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、物品仕分けシステム1について図面に基づいて説明する。
図1及び
図2に示すように、この物品仕分けシステム1は、主要な構成として、自動仕分け装置30と、仕分け容器9と、仕分け容器支持装置6と、作業エリア5と、作業表示装置40とを備えている。
【0020】
以下では、自動仕分け装置30の排出口32から物品Wが排出される方向を排出方向Xとし、排出方向Xに沿って排出口32から離れる側を排出方向第1側X1とし、排出方向Xに沿って排出口32に接近する側を排出方向第2側X2とする。また、上下方向Zに沿う上下方向Z視で排出方向Xに直交する方向を幅方向Yとする。
【0021】
1.自動仕分け装置
図1、
図2及び
図4に示すように、自動仕分け装置30は、供給部31から供給された複数の物品Wを、オーダーに従って仕分け容器支持部10に支持された複数の仕分け容器9に向けて自動的に仕分けるための装置である。供給部31は、供給された物品Wを順次、自動仕分け装置30に搬入する。自動仕分け装置30は、搬入された物品Wを、オーダーに従って順次、複数の仕分け容器9に向けて仕分け作業を行う。
図2に示す例では、供給部31は、コンベアとして構成されている。
【0022】
図1及び
図2に示すように、自動仕分け装置30は、仕分け容器支持装置6に隣接して配置されている。自動仕分け装置30は、仕分け容器支持装置6に対して、排出方向Xに隣接して配置されている。図示の例では、自動仕分け装置30は、仕分け容器支持装置6の排出方向第1側X1に隣接して配置されている。
【0023】
詳細な図示は省略するが、例えば、自動仕分け装置30は、物品Wを判別するための物品判別部を備えている。自動仕分け装置30は、物品判別部による判別結果に基づいて、物品Wを仕分ける。例えば、物品判別部は、物品Wを撮像するカメラを備えており、このカメラで取得された画像データに対する画像認識処理を行うことにより物品Wを判別するように構成されている。但し、このような構成に限定されることなく、例えば、物品情報を記憶するICタグやバーコード等(記憶部)が物品Wに付されていると共に、物品判別部が、当該物品情報を読み取るリーダー(読取部)を備え、このリーダーにより読み取った物品情報に基づいて物品Wを判別するように構成されていても良い。
【0024】
本実施形態では、
図2及び
図3に示すように、仕分けられた物品Wが排出される複数の排出口32を備えている。図示の例では、複数の排出口32は、複数段及び複数列から構成されており、直交格子状に配列されている。自動仕分け装置30は、オーダーに基づいて決定された特定の排出口32から物品Wを排出して仕分け容器支持装置6に引き渡すことで、物品Wの仕分けを行う。なお、ここでのオーダーとは、例えば、出荷すべき物品W(単一種であっても良いし、複数種の組み合わせであっても良い。)の種別及び数量を指定したオーダー(ピッキングオーダー)を示す情報である。そして、自動仕分け装置30は、各オーダーによって指定された1つ以上の物品Wを、オーダー毎に異なる排出口32に排出することで、物品Wの仕分けを行う。
【0025】
また、本実施形態では、
図2及び
図3に示すように、自動仕分け装置30は、供給部31に供給された物品Wをオーダーに従っていずれかの排出口32へ搬送する搬送装置33を備えている。搬送装置33は、供給部31(コンベヤ)から搬送された物品Wを受け取る。そして、オーダーに従っていずれかの排出口32に向けて物品Wを搬送する。本例では、搬送装置33は複数の搬送台車34である。複数の搬送台車34は、自動仕分け装置30内で、供給部31から搬送された物品Wをそれぞれ受け取る。物品Wを受け取った搬送台車34のそれぞれは、自動仕分け装置30に設けられたレール35に沿って順次走行し、物品Wをオーダーに従っていずれかの排出口32へ搬送する。具体的に説明すると、レール35は、排出口32が設けられている複数段毎に、水平方向、詳細には、排出方向Xに対して上下方向Z視で直交する方向である幅方向Yに沿って設けられる水平部分を備えている。搬送台車34は、レール35の水平部分に沿って走行するように構成され、これにより、物品Wを幅方向Yに搬送する。また、レール35は、上下方向Zに延在すると共に、複数段毎に配置される水平部分を接続する上下部分を備えていても良い。この場合、搬送台車34は、レール35の上下部分に沿って昇降するように構成され、これにより、複数段毎に配置される水平部分のそれぞれに移動可能となる。この場合には、搬送台車34の数は、排出口32が設けられる段数に制限されない。そのため、例えば、排出口32が設けられる段数よりも少ない台数や多い台数の搬送台車34を配置することも可能である。なお、
図3に示す例では、7段の排出口32に対して7台の搬送台車34が配置されている。但し、上記のような構成に限定されることなく、例えば、レール35は、水平方向に沿って配置されると共に最上段及び最下段の双方に配置された水平部分と、上下方向Zに沿って配置されると共に最上段及び最下段の双方の水平部分に連結して各列毎に配置される上下部分と、を備えていても良い。この場合、レール35を走行する搬送台車34は、物品Wを排出する対象となる排出口32に対して、レール35の水平部分を走行することで当該排出口32の配置列へ向かい、その後、レール35の上下部分を走行することで当該排出口32の配置段へ向かう。これにより、搬送台車34は、目的の排出口32に到着して当該排出口32から物品Wを排出する。物品Wの排出が終われば、搬送台車34は、再びレール35の上下部分を走行すると共に、当該上下部分に連結された水平部分を走行して排出口32から退避する。
【0026】
本実施形態では、搬送台車34のそれぞれは、物品Wを下方から支持すると共に当該物品Wを排出口32から排出する排出コンベヤ36を備えている。排出コンベヤ36は、搬送台車34の走行経路から排出方向Xに物品Wを移動させる。排出コンベヤ36によって排出方向Xに排出された物品Wは、仕分け容器支持装置6によって受け取られる。
【0027】
2.仕分け容器
仕分け容器9は、物品Wを受け取るための容器である。
図1及び
図2に示すように、仕分け容器9は、仕分け容器支持部10に支持されている。仕分け容器9は、仕分け容器支持部10に支持された状態で、自動仕分け装置30から排出される物品Wを受け取る。本例では、複数の仕分け容器9は、複数の仕分け容器支持部10のそれぞれに支持されている。
【0028】
本実施形態では、
図5に示すように、仕分け容器9は汎用の容器で構成されている。本例では、仕分け容器9は開口部90により上面が開放した直方体状に形成されている。仕分け容器9は、仕分け容器支持部10に支持されている状態において、排出方向第1側X1を向く容器前面91と、排出方向第2側X2を向く容器後面92と、幅方向Yを向く一対の容器側面93と、容器底面94と、を有している。
【0029】
図1に示すように、本実施形態では、仕分け容器9は、第1のサイズの仕分け容器9である第1種仕分け容器9aと、第1のサイズより大きい第2のサイズの仕分け容器9である第2種仕分け容器9bとを備えている。後に詳細に説明するが、本例では、1つのオーダーに含まれる物品Wの量によって、第1種仕分け容器9a又は第2種仕分け容器9bのいずれかの仕分け容器9が自動仕分け装置30によって自動選択される。そして、選択された仕分け容器9に一つ又は複数の物品Wが収容される。本例においてサイズとは、仕分け容器9の容積である。この場合、第2種仕分け容器9bの方が、第1種仕分け容器9aよりも容積が大きい。本実施形態では、第1種仕分け容器9aと第2種仕分け容器9bとの容器底面94の排出方向Xの寸法及び幅方向Yの寸法はそれぞれ同一である。すなわち、第1種仕分け容器9aと第2種仕分け容器9bとの底面積は同じである。一方、第2種仕分け容器9bの容器高さ9H(
図5参照)は、第1種仕分け容器9aの容器高さ9Hよりも大きく設定されている。
【0030】
3.仕分け支持装置
図1及び
図2に示すように、仕分け容器支持装置6は、複数の仕分け容器支持部10を備えている。仕分け容器支持装置6は、支持枠2を更に備える。仕分け容器支持装置6は、自動仕分け装置30から物品Wを受け取って、仕分け容器9に当該物品Wを投入するための装置である。複数の仕分け容器支持部10のそれぞれは、仕分け容器9を支持する。
支持枠2は、複数の仕分け容器支持部10を支持する。
【0031】
仕分け容器支持部10は、複数の排出口32のそれぞれに対応して設けられ、排出口32から排出された物品Wが仕分け容器9に収容されるように、仕分け容器9を支持している。本実施形態では、
図2及び
図4に示すように、上下方向Zに複数並んで配置された排出口32のそれぞれに対応して、仕分け容器支持部10が上下方向Zに複数並んで配置されている。また、幅方向Yに複数ならんで配置された排出口32のそれぞれに対応して、仕分け容器支持部10が幅方向Yに並んで配置されている。すなわち、仕分け容器支持部10は、複数段及び複数列からなる直交格子状配列の複数の排出口32のそれぞれに対応して配置されている。
【0032】
図1及び
図4に示すように、本実施形態では、支持枠2は、上下方向Zに沿って配置された複数の第1支柱21及び複数の第2支柱22と、水平方向に沿って配置された第1横桟23及び第2横桟24とを備えている。第1横桟23及び第2横桟24は、幅方向Yに並ぶ複数の仕分け容器支持部10を下方から支持している。
【0033】
複数の第1支柱21は、排出方向Xの同じ位置において幅方向Yに間隔を空けて並んで配置されている。複数の第2支柱22は、複数の第1支柱21よりも排出方向第2側X2に配置されると共に、排出方向Xの同じ位置において幅方向Yに間隔を空けて並んで配置されている。本例では、幅方向Yに並ぶ複数の第1支柱21のそれぞれに対して幅方向Yの同じ位置に、第2支柱22が配置されている。
【0034】
本実施形態では、
図4に示すように、第1横桟23は、複数の第1支柱21に支持されている。また、複数の第1支柱21のそれぞれには、第1横桟23を支持するための第1支持ブラケット211が設けられている。そして、第1支持ブラケット211には、排出方向第1側X1の端部から排出方向第2側X2に窪むように切り欠かれた第1切欠部211aが形成されている。第1横桟23を、この第1切欠部211aに引掛けることで、第1切欠部211aによる第1横桟23の支持を実現している。
【0035】
本実施形態では、
図4に示すように、第2横桟24は、第1横桟23よりも排出方向第2側X2に配置されて、複数の第2支柱22に支持されている。複数の第2支柱22のそれぞれには、第2横桟24を支持するための第2支持ブラケット221が設けられている。そして第2支持ブラケット221には、排出方向第2側X2の端部から排出方向第2側X2に突出する第2突出部221aが形成されている。第2横桟24を、この第2突出部221aに引掛けることで、第2突出部221aによる第2横桟24の支持を実現している。
【0036】
図5に示すように、仕分け容器支持部10は、排出口32から排出された物品Wがその上を摺動する摺動面12と、摺動面12を摺動してきた物品Wが収容される仕分け容器9を支持する支持面11と、摺動面12と支持面11とを一体的に連結する連結面13とを備えている。
【0037】
上述の支持枠2は、摺動面12の排出方向第2側X2の端部である摺動面第2端部122が排出口32の下端部に隣接して配置されるように仕分け容器支持部10を支持している。本実施形態では、摺動面第2端部122に対して排出方向第2側X2に連続してガイド部17が設けられており、ガイド部17と排出口32とが接続されている(
図4参照)。すなわち本例では、排出口32から排出された物品Wは、ガイド部17を通過して摺動面12へ移動する。
【0038】
摺動面12は、仕分け容器支持部10が支持枠2に支持された状態において、摺動面第2端部122から摺動面第1端部121へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜して配置されている。このような構成により、排出口32から排出された物品Wは、摺動面12を排出方向第1側X1に沿って摺動する。
【0039】
支持面11は、仕分け容器9の容器底面94を支持する面である。支持面11は、摺動面12に対して排出方向第1側X1に配置されていると共に摺動面第1端部121よりも下方に配置されている。これにより、摺動面12を排出方向第1側X1に向けて摺動する物品Wが、支持面11の側に向かって移動するようになっている。
【0040】
図5に示すように、連結面13は、摺動面12と支持面11とを連結する面である。ここでは、連結面13は、摺動面12における摺動面第1端部121と支持面11における支持面第2端部112とを連結している。
【0041】
支持面11は、仕分け容器支持部10が支持枠2に支持された状態において、支持面第2端部112から支持面第1端部111へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜して配置されている。このような構成により、支持面11に支持された仕分け容器9の上面に形成された開口部90が、上方かつ排出方向第1側X1を向くようになっている。そのため、
図4に示すように、仕分け容器支持装置6よりも排出方向第1側X1に設けられた作業エリア5において、作業者8が、仕分け容器9内の物品Wを確認したり、作業者8による物品Wの出し入れが容易となっている。
【0042】
また、仕分け容器支持部10は、支持面11に直交する方向を支持面直交方向Cとして、摺動面12と支持面11との支持面直交方向Cの距離である段差距離Lが、容器高さ9H以上の距離となるように設定されている。これにより、摺動面12を摺動してきた物品Wが、当該摺動面12の摺動面第1端部121を過ぎた後、容器後面92に妨げられることなく、仕分け容器9の開口部90からその内部に収容される。本実施形態では、段差距離Lは、容器高さ9H以上であって容器高さ9Hの2倍以下の距離とされている。これにより、摺動面12を摺動してきた物品Wが摺動面第1端部121から仕分け容器9の内部に向かって落下する際の落差を小さく抑えることができる。なお、支持面直交方向Cの連結面13の寸法は、段差距離Lと一致している。
【0043】
図5に示すように、本実施形態では、仕分け容器支持部10は、摺動面12の幅方向Yの両側において摺動面12よりも上方に突出すると共に排出方向Xに沿って配置された側壁である摺動側壁15と、支持面11の幅方向Yの両側において支持面11よりも上方に突出すると共に排出方向Xに沿って配置された側壁である支持側壁16と、を備えている。本実施形態では、摺動側壁15は、支持側壁16に対して排出方向第2側X2において支持側壁16に連続して形成されている。また、支持側壁16は、摺動側壁15に対して排出方向第1側X1において摺動側壁15に連続して形成されている。
【0044】
本実施形態では、摺動側壁15の上端部が摺動面12よりも上方に配置され、摺動側壁15の下端部が摺動面12よりも下方に配置されている。換言すれば、摺動側壁15は、摺動面12に対して上方及び下方の双方に突出している。摺動側壁15が、摺動面12に対して上方に突出しているため、摺動面12を摺動する物品Wが摺動面12から幅方向Yの外側に落下することを抑制できる。そして、この摺動側壁15によって、摺動面12を摺動する物品Wを、排出方向Xに沿って移動させるように適切に案内することができる。
本例では、摺動側壁15における摺動面12よりも下方に突出した部分に、切欠部15aが形成されている。切欠部15aは、摺動側壁15の下端部から上方に窪むように切り欠かれて形成されている。切欠部15aは、摺動面12に対して幅方向Yの両側に配置された一対の摺動側壁15のそれぞれに設けられている。一対の切欠部15aは、排出方向Xにおける同じ位置に配置されている。本例では、一対の切欠部15aに対して、幅方向Yに沿う姿勢の第2横桟24が係止される。これにより、仕分け容器支持部10が、排出方向Xにおける摺動面12の存在範囲において、第2横桟24によって下方から支持される。
【0045】
本実施形態では、支持側壁16は、摺動側壁15から排出方向Xに連続して形成された第2領域162と、第2領域162よりも排出方向第1側X1の領域であって第2領域162から排出方向Xに連続して形成された第1領域161と、を備えている。
【0046】
支持側壁16の支持面直交方向Cの寸法を支持側壁高さ16Hとして、本実施形態では、第2領域162における支持側壁高さ16Hが、容器高さ9Hよりも大きい。これにより、摺動面12の摺動面第1端部121を過ぎた後の物品Wを、支持側壁16の第2領域162によって排出方向Xに沿って適切に案内することができる。従って、物品Wを幅方向Yの外側にはみ出させることなく、適切に仕分け容器9に収容することができる。
【0047】
本実施形態では、
図5に示すように、仕分け容器支持部10は、仕分け容器9を規定の位置に位置決めする位置決め部14を備えている。図示の例では、仕分け容器支持部10は、仕分け容器9の容器底面94よりも排出方向第1側X1において支持面11から上方へ向かって立ち上がるように形成された立上り部18を備えている。立上り部18は、仕分け容器9が支持面11に支持された状態において、容器前面91に対して排出方向第1側X1から対向するように配置されている。また、立上り部18の排出方向第1側X1を向く面には、後述する作業表示装置40の第1表示部41が設けられている。また、上述したように、仕分け容器支持部10は、一対の支持側壁16及び連結面13を備えている。一対の支持側壁16は、仕分け容器9が支持面11に支持された状態において、仕分け容器9に対して幅方向Yの両側に分かれて配置され、それぞれが、容器側面93に対して幅方向Yに対向するように配置されている。連結面13は、仕分け容器9が支持面11に支持された状態において、容器後面92に対して排出方向第2側X2から対向するように配置されている。支持面11に支持された仕分け容器9は、これらの立上り部18、一対の支持側壁16、及び連結面13によって周囲を囲まれることにより、規定の位置に位置決めされる。よって、本実施形態では、これらの立上り部18、一対の支持側壁16、及び連結面13が、「位置決め部14」に相当する。
【0048】
本実施形態では、
図1に示すように、仕分け容器支持装置6は、第1種仕分け容器9aを支持する複数の第1種支持部10aと、第2種仕分け容器9bを支持する複数の第2種支持部10bとを備えている。本例では、上述のように、第1種支持部10a及び第2種仕分け容器9bとは容器高さ9Hが異なる。つまり、第2種仕分け容器9bは第1種仕分け容器9aよりも容器高さ9Hについて大きく設定されている。上記のとおり、仕分け容器支持部10における、摺動面12と支持面11との段差距離Lは、容器高さ9H以上の距離となるように設定されている。そのため、第2種支持部10bでは、当該段差距離Lが、第1種支持部10aの段差距離Lよりも大きく設定されている。これに合わせて、第2種支持部10bでは、支持側壁16の支持側壁高さ16Hも、第1種支持部10aの支持側壁高さ16Hよりも大きく設定されている。このような構成のため、
図1に示すように、本実施形態において第1種支持部10aは上下方向Zに7段並んで配置されているが、第2種支持部10bは上下方向Zに3段並んで配置される構成となっている。
【0049】
本実施形態では、自動仕分け装置30は、複数のオーダーのうちの1つを対象オーダーとして、対象オーダーに含まれる物品Wの量が規定の閾値未満である場合には、第1種支持部10aに支持された第1種仕分け容器9aに対象オーダーに係る物品Wを収容し、対象オーダーに含まれる物品Wの量が規定の閾値以上である場合には、第2種支持部10bに支持された第2種仕分け容器9bに対象オーダーに係る物品Wを収容するように、自動仕分け装置30が仕分け動作を行う。このように構成することで、それぞれのオーダーに含まれる物品Wの量に応じて適切なサイズの仕分け容器9を選択し、当該選択された仕分け容器9に、当該オーダーに含まれる一つ又は複数の物品Wを収容することができる。本例では、対象オーダーに含まれる一つ又は複数の物品Wの体積の合計が、第1種仕分け容器9aの容積に対して予め設定された規定割合未満である場合には、当該物品Wは第1種仕分け容器9aに収容されるように、仕分け動作が行われる。また、対象オーダーに含まれる一つ又は複数の物品Wの体積の合計が、第1種仕分け容器9aの容積に対して予め設定された規定割合以上である場合には、物品Wが第2種仕分け容器9bに収容されるように、仕分け動作が行われる。当然ながら、自動仕分け装置30による仕分け動作が行われる対象となるのは、後述する作業者8による仕分け作業の対象となる物品W以外の物品Wである。ここで、「規定割合」としては、例えば、60%~90%の中で設定された割合とすることができる。なお、本例では、対象オーダーに含まれる物品Wの量を、対象オーダーに含まれる一つ又は複数の物品Wの体積の合計としたが、重量や個数などとしても良い。また、物品Wの量についての規定の閾値は、仕分け対象の物品Wの形状や、後の工程での仕分け容器9の取り扱い状況等に応じて適宜設定される。
【0050】
4.作業エリア
図1、
図2、及び
図4に示すように、作業エリア5は、作業者8が、仕分け容器支持部10に支持された複数の仕分け容器9に対する物品Wの仕分け作業を行うエリアである。
作業エリア5には、作業者8が配置される。本例では、作業エリア5には、基本的に複数の作業者8が配置される。そして、作業者8によって物品Wに対する作業が行われる。作業者8による作業には、自動仕分け装置30により自動仕分けを行うことができない物品Wの仕分け作業を、仕分け容器9に対して行うことが含まれる。また本実施形態では、作業者8による作業には、更に、仕分け作業によって仕分け容器9に収容された物品Wの確認、仕分け作業が完了した仕分け容器9の搬出、仕分け容器9の入れ替え等の作業が含まれる。
【0051】
作業エリア5は、自動仕分け装置30とは反対側において、仕分け容器支持装置6に面するように設定されている。ここでは、作業エリア5は、仕分け容器支持装置6に対して、排出方向第1側X1に隣接するように配置されている。また、作業エリア5は、仕分け容器支持部10に支持された仕分け容器9及び立上り部18に面するよう設定されている。また本実施形態では、作業エリア5に対して排出方向第1側X1に、物品搬入コンベア101及び搬出コンベア102が配置されている。このため、作業エリア5は、排出方向Xにおける、仕分け容器支持装置6と、物品搬入コンベア101及び搬出コンベア102とに挟まれた領域に設定されている。
【0052】
本実施形態では、物品Wについて予め定められた規格に基づいて、規格に合致する物品Wは自動仕分け装置30の供給部31に供給され、規格に合致しない物品Wは作業エリア5に供給される。ここで、物品Wについて予め定められた規格とは、自動仕分け装置30による自動仕分け作業を行うことができる物品Wを定めたものである。このような規格は、物品Wの形状、寸法、材質、構造等に基づいて定められる。例えば、自動仕分け装置30の搬送台車34に載置でき、支障なく搬送できる形状及び寸法であること、搬送台車34による搬送中に破損や変形等が生じ難い形状、材質、及び構造であること、等の条件を満たす物品Wが、規格に合致するものとして規定されている。そして、このような規格に合致しない物品Wが、作業エリア5に供給される。言い換えると、自動仕分け装置30による自動仕分けが不可能、又は自動仕分けに適していない物品Wが、作業エリア5に供給される。
【0053】
本実施形態では、作業エリア5に対して仕分け容器支持装置6の側(排出方向第2側X2)とは反対側である排出方向第1側X1に、物品搬入コンベア101が配置されている。本例では、物品搬入コンベア101は、幅方向Yに沿って物品Wを搬送するように設けられている。規格に合致しない物品Wは、物品搬入コンベア101によって、作業エリア5に供給される。図示の例では、規格に合致しない物品Wが収容された搬入ボックス130が物品搬入コンベア101によって作業エリア5に搬送される。作業者8は、搬入ボックス130から物品Wを取り出し、オーダーに従って、複数の仕分け容器9のいずれかに物品Wを入れることによって仕分け作業を行う。このような作業エリア5を備えることで、自動仕分け装置30による自動仕分けと、作業者8による仕分け作業とを、対象となる仕分け容器9に対して同時並行で行うことができる。また、自動仕分け装置30による仕分け作業と作業者8による仕分け作業とを別工程で行った場合のように、それぞれで仕分けた物品Wを荷合わせる作業の必要がなくなる。
【0054】
作業者8は、仕分け作業が終了すると、仕分け容器9を仕分け容器支持部10から取り外し、搬出コンベア102(
図1参照)に載せる。これにより、仕分け容器9は、搬出コンベア102によって、物品仕分けシステム1から搬出される。本実施形態では、搬出コンベア102は、作業エリア5に対して仕分け容器支持装置6の側(排出方向第2側X2)とは反対側である排出方向第1側X1に配置されている。そして、本例では、搬出コンベア102は、幅方向Yに沿って物品Wを搬送するように設けられている。図示の例では、搬出コンベア102と物品搬入コンベア101とは、上下方向Zに沿う上下方向Z視で、互いに重複するように配置されている。なお、本例では規格に合致しない物品Wの作業エリア5への供給方法として物品搬入コンベア101を使用したが、自動搬送車や作業者8が操作する運搬台車などを使用しても良い。
【0055】
5.作業表示装置、作業指示関連情報
図1及び
図5に示すように、作業表示装置40は、作業エリア5にいる作業者8に向けた情報を表示するための装置である。この作業表示装置40は、複数の仕分け容器支持部10又は複数の仕分け容器9のそれぞれに、作業エリア5側に向けて、複数の仕分け容器9のそれぞれに対する仕分け作業の指示に関する情報である作業指示関連情報50を表示する。このように構成することで、作業者8は作業指示関連情報50(
図6参照)を確認しながら効率的に仕分け作業を行うことができる。本例では、作業表示装置40は、複数の仕分け容器支持部10のそれぞれに、作業指示関連情報50を表示するように構成されている。
【0056】
本実施形態では、
図1及び
図5に示すように、仕分け容器支持部10の立上り部18に第1表示部41が設けられている。詳細に説明すると、本例では、第1表示部41は、第1表示器42と、点灯及び消灯が可能な第1点灯部43と、押し操作が可能な第1スイッチ部44とを備えている。第1スイッチ部44は、作業者8による仕分け作業が終わった場合に、作業者8が操作するスイッチである。作業者8が第1スイッチ部44の押し操作を行うと、第1点灯部43が消灯する。第1点灯部43の消灯は、対象となる仕分け容器9についての、作業者8による仕分け作業の終了を示す。本実施形態では、立上り部18の排出方向第1側X1を向く面に、第1表示器42と第1点灯部43と第1スイッチ部44が設けられている。図示の例では第1点灯部43が押し操作可能に構成されており、第1点灯部43が第1スイッチ部44としての機能も有している。
【0057】
本実施形態では、作業指示関連情報50は、複数の仕分け容器9のそれぞれに収容されるべき物品Wの種類及び個数を示す情報を含んでいる。より詳しくは、オーダー情報Pに基づいて、作業者8によって仕分けられるべき物品Wの種類及び個数を示す情報が、作業指示関連情報50として、それぞれの第1表示器42に表示される。作業者8は、それぞれの仕分け容器9に投入すべき物品Wの種類及び個数を目視で確認しながら、それぞれの仕分け容器9に対する仕分け作業を行う。また、作業者8による仕分け作業が完了した後の仕分け容器9を搬出コンベア102に載せる前に、作業者8は、仕分け容器9に対象オーダーに係る物品Wが正しく仕分けられているかの確認を行う。作業表示装置40に、作業指示関連情報50として、このような仕分け作業の完了確認用の情報が表示されても好適である。この完了確認用の情報としては、例えば、当該仕分け容器9に収容されているべき物品Wの種類及び個数の一覧を示す情報等が該当する。
【0058】
また本実施形態では、作業表示装置40は、第2表示部45を更に備える。第2表示部45は、作業エリア5に供給される複数の搬入ボックス130のそれぞれに取り付けられている。第2表示部45は、第2表示器46と、点灯及び消灯が可能な第2点灯部47と、第2スイッチ部48とを備えている。これらは一体として、複数の搬入ボックス130のそれぞれに設けられている。作業者8は、第2表示器46に表示された作業指示関連情報50に基づいて、搬入ボックス130から物品Wを取り出し、仕分け容器9に対して仕分けを行う。搬入ボックス130から、取り出すべき物品Wが全て取り出されたら、第2スイッチ部48を押す。第2スイッチ部48を押すと、第2点灯部47が消灯する。第2点灯部47の消灯は、作業対象の搬入ボックス130についての、作業者8による物品Wの取り出し作業の終了を示す。図示の例では第2点灯部47が押し操作可能に構成されており、第2点灯部47が第2スイッチ部48としての機能も有している。
【0059】
このような構成を実現するため、本実施形態では、
図6に示すように、作業表示装置40は、第1表示部41と、第2表示部45とを制御する制御部Hを備えている(
図6参照)。制御部Hは、物品仕分けシステム1における物品仕分けのためのオーダーを管理する管理装置Kから、オーダー情報Pを取得するように構成されている。ここでは、制御部Hは、管理装置Kと通信可能に接続されている。管理装置Kは、仕分け先等からのオーダーに基づいて、集品すべき物品Wの種類とその数量とを定める態様で、複数の仕分け先のそれぞれに対応付けたオーダー情報Pを作成し、管理する。例えば、作成された複数のオーダー情報Pは、図示しないオーダーデータベースに格納される。また、制御部Hは、管理装置Kから送信されたオーダー情報Pに基づいて、第1表示部41及び第2表示部45に表示させる作業指示情報51を生成する表示生成部H1を備えている。作業指示情報51は、上記のような仕分け作業を作業者8に行わせるための作業者8に対する具体的な作業指示を示す情報である。本例では、作業指示情報51は、その時々において作業者8が行うべき作業を指示するように第1表示部41及び第2表示部45に表示される、時々刻々変化する動的な情報である。この作業指示情報51は、作業指示関連情報50の一例である。
【0060】
制御部Hは、表示生成部H1により生成した作業指示情報51を、第1表示部41と第2表示部45とのそれぞれに表示させる。なお、本実施形態では、第1表示部41に表示させる作業指示情報51の内容と、第2表示部45に表示させる作業指示情報51の内容とは異なる。つまり、表示生成部H1は、第1表示部41に表示させるための作業指示情報51と、第2表示部45に表示させるための作業指示情報51とを生成する。例えば、制御部Hは、仕分け作業の対象となる第1点灯部43を点灯させ、第1表示器42に仕分け容器9に投入すべき物品Wの種類や個数を表示させるよう制御する。制御部Hは、作業者8により第1スイッチ部44の押し操作がなされると、第1点灯部43が消灯されるよう制御する。また、制御部Hは、仕分け作業の対象となる第2点灯部47を点灯させ、第2表示器46に搬入ボックス130から取り出すべき物品Wの種類及び個数を表示するよう制御する。制御部Hは、作業者8により第2スイッチ部48の押し操作がなされると、第2点灯部47が消灯されるよう制御する。
【0061】
また、作業表示装置40は、対象オーダーに含まれる物品Wの量が規定の閾値未満である場合には、第1種支持部10aに支持された第1種仕分け容器9aに対象オーダーに係る物品Wを収容し、対象オーダーに含まれる物品Wの量が規定の閾値以上である場合には、第2種支持部10bに支持された第2種仕分け容器9bに対象オーダーに係る物品Wを収容するように、作業表示装置40が作業指示関連情報50の表示を行う。具体的には、対象オーダーに含まれる一つ又は複数の物品Wの体積の合計が、第1種仕分け容器9aの容積に対して予め設定された規定割合未満である場合には、当該物品Wは第1種仕分け容器9aに収容されるように、作業表示装置40が作業指示関連情報50の表示を行う。また、対象オーダーに含まれる一つ又は複数の物品Wの合計が、第1種仕分け容器9aの容積に対して予め設定された規定割合以上である場合には、物品Wが第2種仕分け容器9bに収容されるように、作業表示装置40が作業指示関連情報50の表示を行う。ここで、作業表示装置40により作業指示関連情報50の表示が行われる対象となるのは、上記自動仕分け装置30による仕分け動作の対象となる物品W以外の物品Wである。上述したように、「規定割合」としては、例えば60%~90%の中で設定された割合とすることができる。このように構成することで、作業エリア5に供給された物品Wが適切なサイズの仕分け容器9に収容されるように、作業表示装置40によって作業指示関連情報50を表示することができる。上記のとおり、本実施形態では、このような作業指示関連情報50の表示は、制御部Hが第1表示部41と第2表示部45とのそれぞれに作業指示情報51を表示させることにより行われる。作業者8は、作業指示情報51に従って作業するだけで適切なサイズの仕分け容器9に物品Wを投入することができる。なお、本例では、対象オーダーに含まれる物品Wの量を、対象オーダーに含まれる一つ又は複数の物品Wの体積の合計としたが、重量や個数などとしても良い。また、物品Wの量についての規定の閾値は、仕分け対象の物品Wの形状や、後の工程での仕分け容器9の取り扱い状況等に応じて適宜設定される。
【0062】
本実施形態では、作業表示装置40は、作業指示関連情報50の表示を行うか否かを変更可能に構成され、自動仕分け装置30による仕分け容器9への物品Wの投入が開始される前は作業指示関連情報50の表示を行わず、自動仕分け装置30による仕分け容器9への物品Wの投入が開始された後、作業指示関連情報50の表示を行う。これにより、作業者8は、自動仕分け装置30による仕分け作業が開始された後に、作業エリア5に供給された物品Wの仕分作業を開始することになる。従って、仕分け容器9の中における、下の方に自動仕分け装置30で仕分けられた物品Wが配置され、上の方に作業者8により仕分けられた物品Wが配置される傾向が高くなる。本例では、自動仕分け装置30による仕分け容器9への物品Wの投入が開始された後、それぞれの仕分け容器9への自動仕分け装置30による全ての物品Wの投入が完了する前までに、第1表示器42に作業指示関連情報50の表示が開始される。これにより、自動仕分け装置30で仕分けられた物品Wが仕分け容器9の中の比較的下の方に配置されるようにしつつ、全ての仕分け作業の完了までの時間を比較的短く抑えることができる。
【0063】
本実施形態では、
図2に示すように、仕分け容器支持装置6は、複数の区画Aに分けられており、複数の区画Aは、それぞれに複数の仕分け容器支持部10が含まれるように設定されている。そして、作業表示装置40は、区画Aごとに異なる作業者8に向けて、作業指示関連情報50を表示する。本例では、仕分け容器支持部10を一定の列ごとに区分けし、それぞれを区画Aとしている。これにより、作業エリア5も、実質的に複数の区画Aに分割されている。そして、区画Aごとに異なる作業者8が配置されている。図示の例では、各区画Aに1名の作業者8が配置されている。制御部Hは、区画A毎に配置された作業者8のそれぞれが仕分け作業を効率的に行うことができるような順序や表示態様で、作業指示関連情報50の表示を行う。各作業者8は、区画Aの範囲内に含まれる複数の仕分け容器9のそれぞれについての作業指示関連情報50に基づき、仕分け作業を行う。そして作業者8は、区画Aの範囲内において必要な仕分け作業が終了した仕分け容器9を、搬出コンベア102に移動させて搬出する。このように、区画Aを設定し、区画Aごとに異なる作業者8に向けて作業指示関連情報50を表示することによって、複数の区画Aにおいて同時並行で作業者8による仕分け作業を効率的に行うことができる。
【0064】
6.その他の実施形態
次に、物品仕分けシステム1のその他の実施形態について説明する。
【0065】
(1)上記の実施形態では、自動仕分け装置30は、仕分け容器支持装置6に対して排出方向Xにおける片側に隣接して配置されている構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、例えば、自動仕分け装置30が排出方向Xの両側に物品Wを仕分けして排出する構成である場合には、仕分け容器支持装置6が、自動仕分け装置30を挟んで排出方向Xの両側に、それぞれ隣接して配置されていても良い。この場合において、作業エリア5についても、自動仕分け装置30に対して排出方向Xの両側において、仕分け容器支持装置6に面するように設定されていると好適である。この構成によると、自動仕分け装置30に対して両側に仕分け容器支持装置6と作業エリア5とがそれぞれ設けられるため、仕分け作業全体の効率の更なる向上を図ることができる。
【0066】
(2)上記の実施形態では、複数の仕分け容器支持部10の立上り部18に第1表示部41を設け、作業指示関連情報50を表示する構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、例えば、第1表示部41が、仕分け容器支持部10の別の部位に取り付けられ、又は、支持枠2に取り付けられていても良い。或いは、第1表示部41を設けるのではなく、例えば、仕分け容器9の容器前面91に作業指示関連情報50を表示する構成としても良い。この場合、作業表示装置40がプロジェクターを備え、仕分け容器9の容器前面91に作業指示関連情報50を投射するように、制御部Hがプロジェクターを制御する構成とすると好適である。なお、プロジェクターは、支持枠2に支持された構成としても良いし、施設の床面や天井などに支持されていても良い。
【0067】
(3)上記の実施形態では、作業指示関連情報50は、作業者8に対する具体的な作業指示を示す情報であって、第1表示器42等に表示される、時々刻々変化する動的な情報である構成を例として説明した。しかし、作業指示関連情報50の具体的態様は、このようなものには限定されない。例えば、作業者8に対する具体的な作業指示を示す情報を呼び出すための識別情報等の静的な情報であっても良い。このような情報は、例えば、1次元コード(バーコード)や2次元コードで表され、或いは、読み取り可能なICタグ等に記憶されると好適である。作業者8が携帯端末等を用いて、このような識別情報を読み取ることにより、サーバー等から具体的な作業指示を示す情報が読み出され、携帯端末等に表示される。作業者8は、携帯端末等に表示された作業指示情報51に従って、仕分け作業を行う。
【0068】
(4)上記の実施形態では、自動仕分け装置30が、搬送台車34及び複数段及び複数列からなる直交格子状配列の複数の排出口32を備えている構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、例えば、自動仕分け装置30が搬送装置33としてコンベアを備え、コンベアの搬送方向に沿って複数の排出口32を設ける構成としても良い。
【0069】
(5)上記の実施形態では、自動仕分け装置30による仕分け容器9への物品Wの投入が開始された後に、作業指示関連情報50が表示される構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、例えば、自動仕分け装置30による仕分け作業が完了した後に、作業指示関連情報50が表示される構成としても良い。この構成によれば、自動仕分け装置30による仕分け作業の終了後に、作業者8による仕分け作業が開始される。従って、仕分け容器9の中において、自動仕分け装置30により投入された物品Wと、作業者8による仕分け作業により投入された物品Wとが交互に重なる状態となる可能性を低減し、自動仕分け装置30で仕分けられた物品Wが仕分け容器9の中の下の方に配置される確実性を高めることができる。これにより、仕分け容器9の中の物品Wの配置を整え易くなり、仕分け容器9の内部の空間を有効に利用し易くなる。
【0070】
(6)上記の実施形態では、作業指示関連情報50が、作業者8によって投入されるべき物品Wの種類及び個数を示す情報である場合を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、例えば、作業指示関連情報50が、作業者8によって投入されるべき物品Wの個数を示す情報のみであっても良い。
【0071】
(7)上記の実施形態では、区画Aごとに異なる作業者8を配置し、区画Aごとに作業指示関連情報50を表示する構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、例えば、仕分け容器支持装置6及び作業エリア5を複数の区画Aに分割せず、全体を1つの区画Aとし、その中に一人又は複数の作業者8を配置しても良い。
【0072】
(8)上記の実施形態では、仕分け容器支持装置6は、第1のサイズの第1種仕分け容器9aを支持する複数の第1種支持部10aと、第1のサイズより大きい第2のサイズの第2種仕分け容器9bを支持する複数の第2種支持部10bとを備える構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、仕分け作業の実状に応じて、1種類の仕分け容器9を用い、或いは、サイズ別に3種類以上の仕分け容器9や、これらを支持する3種類以上の仕分け容器支持部10を備える構成としても良い。
【0073】
(9)上記の実施形態では、仕分け容器支持部10の立上り部18、一対の支持側壁16、及び連結面13が、位置決め部14として機能する構成を例にして説明した。しかしそのような構成には限定されない。例えば、仕分け容器9に設けられた係合部と、仕分け容器支持部10に設けられた被係合部とが、位置決め部14として機能する構成としても良い。この場合、例えば、仕分け容器9の容器底面94に係合部としての凹部を設け、仕分け容器支持部10の支持面11に被係合部としての凸部を設け、これらが互いに嵌合することによって仕分け容器9が仕分け容器支持部10に対して位置決めされる構成としても良い。或いは、係合部と被係合部との凹凸を逆にしても良い。
【0074】
(10)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0075】
7.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した物品仕分けシステムの概要について説明する。
【0076】
複数の仕分け容器支持部を備える仕分け容器支持装置と、前記仕分け容器支持部に支持される仕分け容器と、前記仕分け容器支持装置に隣接して配置され、供給部から供給された複数の物品を、オーダーに従って前記仕分け容器支持部に支持された複数の前記仕分け容器に向けて自動的に仕分ける自動仕分け装置と、前記自動仕分け装置とは反対側において前記仕分け容器支持装置に面するように設定され、作業者が、前記仕分け容器支持部に支持された複数の前記仕分け容器に対する前記物品の仕分け作業を行う作業エリアと、前記作業エリアにいる前記作業者に向けた情報を表示する作業表示装置と、を備え、
前記作業表示装置は、複数の前記仕分け容器支持部又は複数の前記仕分け容器のそれぞれに、前記作業エリア側に向けて、複数の前記仕分け容器のそれぞれに対する前記仕分け作業の指示に関する情報である作業指示関連情報を表示する。
【0077】
この構成によれば、自動仕分け装置による仕分けが可能な物品と、自動仕分け装置による仕分けが不可能であるために作業者による仕分けが必要な物品の双方とが存在する場合にであっても、それらの物品の仕分け作業を適切に行うことができる。この際、作業エリアが、自動仕分け装置とは反対側において仕分け容器支持装置に面するように設定されているため、自動仕分け装置による仕分けと、作業者による仕分け作業とを同じ場所にある仕分け容器に対して同時並行で行うことができる。また、自動仕分け装置による仕分け作業と作業者による仕分け作業とを別工程で行った場合のように、それぞれで仕分けた物品を同じ容器に合わせる荷合わせ作業を行う必要がない。従って、自動仕分け装置による仕分けと作業者による仕分け作業とを別工程で行う場合に比べて、仕分け作業の全体に要する工数や時間を短縮することができると共に、これらの仕分け作業のための作業場所も小さく抑えることができる。
【0078】
また、仕分け作業の指示に関する作業指示関連情報が、仕分け容器支持部又は仕分け容器のそれぞれに、作業エリア側に向けて表示されるため、作業者は作業指示関連情報を確認しながら効率的に仕分け作業を行うことができる。
このように、本構成によれば、自動仕分け装置による仕分け作業と、作業者による仕分け作業との双方を行う場合において、仕分け作業全体の効率を高めることができる。
【0079】
ここで、前記自動仕分け装置は、仕分けられた前記物品が排出される複数の排出口と、前記供給部に供給された前記物品を前記オーダーに従っていずれかの前記排出口へ搬送する搬送装置と、を備え、前記仕分け容器支持部は、複数の前記排出口のそれぞれに対応して設けられ、前記排出孔から排出された前記物品が前記仕分け容器に収容されるように、前記仕分け容器を支持していると好適である。
【0080】
本構成によれば、自動仕分け装置が、複数の仕分け容器のそれぞれに対応する排出口を備えており、搬送装置によりいずれかの排出口に物品が仕分けられる。また、これら複数の仕分け容器のそれぞれに対して、作業者による仕分け作業も同時並行で行うことができる。従って、仕分け作業全体の効率の向上を図ることができる。
【0081】
また、前記物品について予め定められた規格に基づいて、前記規格に合致する前記物品は前記自動仕分け装置の前記供給部に供給され、前記規格に合致しない前記物品は前記作業エリアに供給されると好適である。
【0082】
本構成によれば、自動仕分け装置による仕分けが可能な物品については自動仕分け装置による仕分けを行い、自動仕分け装置による仕分けが不可能な物品については作業者による仕分け作業による仕分けを行うことができる。すなわち、物品の種類に応じて適切な方法で仕分け作業を行うことができる。
【0083】
また、前記作業表示装置は、前記作業指示関連情報の表示を行うか否かを変更可能に構成され、前記自動仕分け装置による前記仕分け容器への前記物品の投入が開始される前は前記作業指示関連情報の表示を行わず、前記自動仕分け装置による前記仕分け容器への前記物品の投入が開始された後、前記作業指示関連情報の表示を行うと好適である。
【0084】
本構成によれば、自動仕分け装置による仕分け容器への物品の投入が開始されてから、作業者による仕分け作業が開始されることになる。従って、仕分け容器の中における、下の方に自動仕分け装置で仕分けられた物品が配置され、上の方に作業者により仕分けられた物品が配置される傾向が高くなる。一般的に、自動仕分け装置により仕分け不可能な物品は、自動仕分け装置により仕分け可能な物品に比べて、特殊な形状である可能性が高い。本構成によれば、このような特殊な形状の物品が仕分け容器の中において比較的上の方に配置され易くなる。従って、仕分け容器の中に収容された複数の物品の安定性を高め易い。
【0085】
また、前記作業指示関連情報は、複数の前記仕分け容器のそれぞれに収容されるべき前記物品の種類及び個数を示す情報を含むと好適である。
【0086】
本構成によれば、作業者は、作業指示関連情報に従って、当該作業指示関連情報に係る仕分け容器に、指示された種類及び個数の物品を投入するだけで、仕分け作業を適切に行うことができる。従って、作業者による仕分け作業の効率を高め易い。
【0087】
また、前記仕分け容器支持装置は、複数の区画に分けられており、複数の前記区画は、それぞれに複数の前記仕分け容器支持部が含まれるように設定され、前記作業表示装置は前記区画ごとに異なる前記作業者に向けて、前記作業指示関連情報を表示すると好適である。
【0088】
本構成によれば、作業エリアを実質的に複数の区画に分けることができる。従って、作業エリアの複数の区画のそれぞれに別の作業者を配置することで、複数の区画において同時並行で作業者による仕分け作業を行うことができる。これにより、仕分け作業全体の効率を更に高めることができる。
【0089】
また、前記仕分け容器支持装置は、第1のサイズの前記仕分け容器である第1種仕分け容器を支持する複数の第1種支持部と、前記第1のサイズより大きい第2のサイズの前記仕分け容器である第2種仕分け容器を支持する複数の第2種支持部と、を備え、
複数の前記オーダーのうちの1つを対象オーダーとして、前記対象オーダーに含まれる前記物品の量が規定の閾値未満である場合には、前記第1種支持部に支持された前記第1種仕分け容器に前記対象オーダーに係る前記物品を収容し、前記対象オーダーに含まれる前記物品の量が規定の閾値以上である場合には、前記第2種支持部に支持された前記第2種仕分け容器に前記対象オーダーに係る前記物品を収容するように、前記自動仕分け装置が仕分け動作を行い、前記作業表示装置が前記作業指示関連情報の表示を行うと好適である。
【0090】
本構成によれば、自動仕分け装置は、それぞれのオーダーに含まれる物品の量に応じて、適切なサイズの仕分け容器を選択し、当該選択された仕分け容器に、当該オーダーに含まれる一つ又は複数の物品を収容することができる。従って、物品の量に対して仕分け容器が大きすぎたり小さ過ぎたりする事態が生じる可能性を低減することができる。
【0091】
また、前記仕分け容器は汎用の容器であり、前記仕分け容器支持部は、前記仕分け容器を規定の位置に位置決めする位置決め部を備えると好適である。
【0092】
本構成によれば、仕分け容器支持部に支持される仕分け容器の位置決めを適切に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本開示に係る技術は、自動仕分け装置を備えた物品仕分けシステムに利用することができる。
【符号の説明】
【0094】
1 :物品仕分けシステム
5 :作業エリア
6 :仕分け容器支持装置
8 :作業者
9 :仕分け容器
9a :第1種仕分け容器
9b :第2種仕分け容器
10 :仕分け容器支持部
10a:第1種支持部
10b:第2種支持部
14 :位置決め部
30 :自動仕分け装置
31 :供給部
32 :排出口
33 :搬送装置
40 :作業表示装置
50 :作業指示関連情報
A :区画
W :物品
X :排出方向
Y :幅方向