(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/0438 20160101AFI20231212BHJP
H01M 8/04537 20160101ALI20231212BHJP
H01M 8/04858 20160101ALI20231212BHJP
H01M 8/043 20160101ALI20231212BHJP
H01M 8/00 20160101ALN20231212BHJP
【FI】
H01M8/0438
H01M8/04537
H01M8/04858
H01M8/043
H01M8/00 A
(21)【出願番号】P 2021086410
(22)【出願日】2021-05-21
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】前田 正史
(72)【発明者】
【氏名】畑▲崎▼ 美保
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-116855(JP,A)
【文献】特開2013-62097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04-8/0668
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システムであって、
酸化剤ガスを含む反応ガスが供給されることで発電する燃料電池(10)と、
前記燃料電池を通過する前記酸化剤ガスの圧力であるエア圧力を調整するエア調圧装置(32、35)と、
前記燃料電池の発電量を制御する制御装置(100)と、を備え、
前記制御装置は、前記燃料電池へ要求される要求出力が減少傾向を示す際の前記エア圧力が所定の高圧基準値よりも大きい場合、前記要求出力の減少に伴う前記燃料電池の発電量の減少を制限または遅延させる、燃料電池システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記要求出力が減少傾向を示す際の前記エア圧力が前記高圧基準値よりも大きい状態である場合、前記エア圧力が所定期間維持または前記エア圧力の減少が制限されるように前記エア調圧装置を制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記燃料電池に電気的に接続され、電力を充放電可能な蓄電部(BT)を備え、
前記制御装置は、前記要求出力が減少傾向を示す際の前記エア圧力が前記高圧基準値よりも大きい状態であり、且つ、前記燃料電池から出力される電力を前記蓄電部へ充電が可能な充電可能状態である場合に、前記要求出力の減少に伴う前記燃料電池の発電量の減少が制限または遅延させる、請求項1または2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記要求出力が増加傾向を示す際の前記エア圧力が所定の低圧基準値よりも小さい場合、前記燃料電池の発電量の増加を制限または遅延させる、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
【請求項5】
燃料電池システムであって、
酸化剤ガスを含む反応ガスが供給されることで発電する燃料電池(10)と、
前記燃料電池を通過する前記酸化剤ガスの圧力であるエア圧力を調整するエア調圧装置(32、35)と、
前記燃料電池の発電量を制御する制御装置(100)と、を備え、
前記制御装置は、前記燃料電池へ要求される要求出力が増加傾向を示す際の前記エア圧力が所定の低圧基準値よりも小さい場合、前記燃料電池の発電量の増加を制限または遅延させる、燃料電池システム。
【請求項6】
前記燃料電池に電気的に接続され、電力を充放電可能な蓄電部(BT)を備え、
前記制御装置は、前記要求出力が増加傾向を示す際の前記エア圧力が前記低圧基準値よりも小さい状態であり、且つ、前記燃料電池から供給可能な電力および前記蓄電部から供給可能な電力を合算した総合電力によって前記要求出力を満足できる場合に、前記燃料電池の発電量の増加を制限または遅延させる、請求項5に記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、反応ガスが反応ガス供給手段から燃料電池へ到達するまでの遅れ時間から燃料電池に流入する反応ガスの体積流量を推定し、推定した体積流量に応じて燃料電池の発電電流を制限する燃料電池システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、燃料電池システムでは、システム効率の向上を図る観点において、燃料電池の発電性能が高い状態で動作させることが望ましい。燃料電池の発電性能は、燃料電池の内側における酸化剤ガスの圧力(いわゆる、エア圧力)に応じて変化する。例えば、燃料電池の内側のエア圧力が大きいと、燃料電池の発電性能が高くなり、燃料電池の内側のエア圧力が小さいと、燃料電池の発電性能が低くなる傾向がある。このことは、本発明者らの鋭意検討によって見出されたものであり、特許文献1では何ら検討されていない。
【0005】
本開示は、システム効率の向上を図ることが可能な燃料電池システムまたはシステム効率の低下を抑制可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、
燃料電池システムであって、
酸化剤ガスを含む反応ガスが供給されることで発電する燃料電池(10)と、
燃料電池を通過する酸化剤ガスの圧力であるエア圧力を調整するエア調圧装置(32、35)と、
燃料電池の発電量を制御する制御装置(100)と、を備え、
制御装置は、燃料電池へ要求される要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力が所定の高圧基準値よりも大きい場合、要求出力の減少に伴う燃料電池の発電量の減少が制限または遅延させる。
【0007】
燃料電池へ要求される要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力が大きい場合、燃料電池への要求出力の減少に伴って燃料電池の発電量を減少させると、エア圧力のエネルギが無駄になってしまう。
【0008】
これに対して、燃料電池への要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力が大きい場合に、燃料電池への要求出力の減少に伴う燃料電池の発電量の減少を制限または遅延させれば、エア圧力のエネルギを回収することができる。この場合、燃料電池を発電性能が高い状態で動作させる時間が長くなるので、燃料電池システムのシステム効率の向上を図ることができる。
【0009】
請求項5に記載の発明は、
燃料電池システムであって、
酸化剤ガスを含む反応ガスが供給されることで発電する燃料電池(10)と、
燃料電池を通過する酸化剤ガスの圧力であるエア圧力を調整するエア調圧装置(32、35)と、
燃料電池の発電量を制御する制御装置(100)と、を備え、
制御装置は、燃料電池へ要求される要求出力が増加傾向を示す際のエア圧力が所定の低圧基準値よりも小さい場合、燃料電池の発電量の増加を制限または遅延させる。
【0010】
エア圧力が小さい状態である場合において、燃料電池へ要求される要求出力が増加傾向を示す際に、当該要求出力の増加に伴って燃料電池の発電量を増加させると、発電性能が低い状態で燃料電池を動作させ続けることになってしまう。
【0011】
これに対して、エア圧力が小さい状態である場合に、燃料電池へ要求される要求出力が増加傾向を示す際に、燃料電池の発電量の増加を制限または遅延させれば、発電性能が低い状態での燃料電池の動作を抑制することができる。したがって、燃料電池システムのシステム効率の低下を抑制することができる。
【0012】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。
【
図2】燃料電池システムの制御装置を示す模式的なブロック図である。
【
図3】燃料電池の出力電圧とエア圧力との関係を説明するための説明図である。
【
図4】第1実施形態の制御装置が実行する制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】第1実施形態の制御装置が実行する発電抑制処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】要求出力が増加傾向を示す際のエア圧力および燃料電池の発電量の変化を説明するための説明図である。
【
図7】第1実施形態の制御装置が実行するエア調圧処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力および燃料電池の発電量の変化を説明するための説明図である。
【
図9】第2実施形態の制御装置が実行する発電抑制処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】要求出力が増加傾向を示す際のエア圧力および燃料電池の発電量の変化を説明するための説明図である。
【
図11】第2実施形態の制御装置が実行するエア調圧処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力および燃料電池の発電量の変化を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
【0015】
(第1実施形態)
本実施形態について、
図1~
図8を参照して説明する。本実施形態では、本開示の燃料電池システム1を、燃料電池10から車両走行に必要な電力を得る車両FCVに適応した例について説明する。FCVは、Fuel Cell Vehicleの略称である。
【0016】
燃料電池システム1は、水素と酸素との電気化学反応を利用して電力を発生させる燃料電池10を備えている。燃料電池10は、インバータINV等の電力変換機器11に電力を供給する。インバータINVは、燃料電池10から供給された直流電流を交流電流に変換して走行用のモータジェネレータMGを含む負荷機器12に供給して当該負荷機器12を駆動する。
【0017】
モータジェネレータMGは、例えば、三相交流型の回転電機で構成されている。モータジェネレータMGは、電力変換機器11からの電力供給時に電動機として機能し、車両FCVの制動時等に回生発電を行う発電機として機能する。モータジェネレータMGが発電した電力は、電力変換機器11を介して蓄電部BTに供給される。
【0018】
蓄電部BTは、燃料電池10に電気的に接続され、電力を充放電可能なバッテリである。蓄電部BTは、リチウムイオンキャパシタが採用されている。蓄電部BTは、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池等の二次電池が採用されていてもよい。燃料電池システム1は、モータジェネレータMGが発電した電力および燃料電池10から出力される電力のうち余剰となる電力等が蓄電部BTに蓄積されるように構成されている。
【0019】
燃料電池10は、最小単位となる燃料電池セルCが複数積層されたセルスタックCSとして構成されている。燃料電池セルCは、電解質膜、触媒、ガス拡散層、セパレータを有する固体高分子電解質型のセル(いわゆる、PEFC)で構成されている。燃料電池セルCは、電解質膜が触媒、ガス拡散層、セパレータで挟持されている。燃料電池セルCは、アノード電極側に水素が供給され、カソード電極側に酸素が供給されると、以下の反応式F1、F2に示す電気化学反応が起きて電気エネルギが発生する。
・アノード電極側:H2→2H++2e-・・・(F1)
・カソード電極側:2H++1/2O2+2e-→H2O・・・(F2)
上記の電気化学反応が起きるためには、燃料電池セルCの電解質膜は、水を含んだ湿潤状態になっている必要がある。燃料電池システム1は、燃料電池10の内部の電解質膜を加湿する。電解質膜の加湿は、燃料ガスである水素または酸化剤ガスである空気の供給経路に加湿装置等を配置することで実現可能である。
【0020】
燃料電池システム1は、燃料電池10に向けて反応ガスである酸素を含む空気を供給するための空気供給経路30が設けられている。空気供給経路30には、最上流部にエアフィルタ31が設けられ、エアフィルタ31の下流にエアポンプ32が設けられている。エアポンプ32は、後述の制御装置100からの制御信号に基づいて、その作動が制御される。
【0021】
エアポンプ32と燃料電池10との間には、インタクーラ33が配置されている。インタクーラ33は、エアポンプ32で加圧された空気を燃料電池10のオフガスまたは冷却水と熱交換させて冷却する。
【0022】
燃料電池システム1は、燃料電池10から排出される空気のオフガス(すなわち、オフ空気)を図示しないマフラに流すための空気排出経路34が設けられている。空気排出経路34には、エアバルブ35が設けられている。エアバルブ35は、エアポンプ32とともに、燃料電池10を通過する酸化剤ガスの圧力であるエア圧力を調整する。エアバルブ35は、後述の制御装置100からの制御信号に基づいて、その作動が制御される。本実施形態の燃料電池システム1では、エアポンプ32およびエアバルブ35が、燃料電池10を通過する酸化剤ガスの圧力であるエア圧力を調整するエア調圧装置を構成する。
【0023】
燃料電池システム1は、燃料電池10をバイパスして空気供給経路30を流れる空気の一部を空気排出経路34に流すバイパス経路36が設けられている。バイパス経路36は、後述の水素排出経路41を介してマフラから排気するオフ燃料中の水素濃度を低下させるために設けられている。バイパス経路36は、一端側が空気供給経路30におけるインタクーラ33と燃料電池10との間に接続され、他端側が空気排出経路34におけるエアバルブ35の下流に接続されている。バイパス経路36は、空気供給経路30との接続部に三方弁37が設けられている。三方弁37は、バイパス経路36に流す空気の流量を調整する流量調整弁である。
【0024】
燃料電池システム1には、燃料電池10に向けて反応ガスである水素を供給するための水素供給経路40が設けられている。水素供給経路40には、図示しないが、最上流部に高圧水素タンクが設けられ、高圧水素タンクの下流に燃料バルブが設けられている。
【0025】
燃料電池システム1は、燃料電池10から排出される水素のオフガス(すなわち、オフ燃料)を図示しないマフラに流すための水素排出経路41が設けられている。水素排出経路41には、図示しないが、排気バルブが設けられている。水素排出経路41の下流側は、空気排出経路34に接続されている。これにより、水素排出経路41を流れるオフ燃料は、オフ空気と混合されて希釈された後にマフラから排気される。
【0026】
ところで、燃料電池10は、水素と酸素との電気化学反応により発熱する。そして、燃料電池10は、発電効率向上、電解質膜の劣化抑制等の関係で、その作動温度を80℃程度に維持する必要がある。
【0027】
燃料電池システム1は、燃料電池10の温度を適温に調整するための冷却システム20を備える。この冷却システム20は、冷媒を用いて燃料電池10の熱を外部に放熱させたり、外部の熱を燃料電池10に供給したりすることで、燃料電池10の温度を調整する。
【0028】
冷却システム20は、燃料電池10を冷却する冷媒が流通する冷媒流路21、ラジエータ22、冷媒ポンプ24、冷媒温度センサ27を含んでいる。冷媒流路21は、ラジエータ22と燃料電池10との間で冷媒を循環させる循環回路を構成する。ラジエータ22は、燃料電池10を通過した冷媒を放熱させる放熱器である。ラジエータ22は、外気を熱媒体として、当該外気との熱交換によって冷媒を放熱させる。冷媒ポンプ24は、燃料電池10に向けて冷媒を圧送するものである。冷媒温度センサ27は、燃料電池10を通過直後の冷媒の温度を検出する温度センサである。
【0029】
次に、燃料電池システム1の制御装置100について
図2を参照しつつ説明する。
図2に示すように、制御装置100は、燃料電池システム1を構成する各種の制御対象機器の作動を制御する。制御装置100は、プロセッサ、メモリを含むマイクロコンピュータとその周辺回路を備えている。制御装置100のメモリは、非遷移的実体的記憶媒体である。
【0030】
制御装置100は、その入力側に、冷媒温度センサ27、エアフローメータ101、エア温度センサ102、エア圧力センサ103、FC電圧検出部104、FC電流検出部105等が接続されている。
【0031】
エアフローメータ101、エア温度センサ102、およびエア圧力センサ103は、空気供給経路30に配置されている。エアフローメータ101は、空気供給経路30を介して燃料電池10に供給する空気の流量を検出するセンサである。エア温度センサ102は、空気供給経路30を介して燃料電池10に供給する空気の温度を検出するセンサである。エア圧力センサ103は、空気供給経路30を介して燃料電池10に供給する空気の圧力を検出するセンサである。エア圧力は、燃料電池10における酸化剤ガスの入口側の圧力である。
【0032】
FC電圧検出部104およびFC電流検出部105は、燃料電池10とインバータINVとの間に設けられている。FC電圧検出部104は、燃料電池10が出力する出力電圧(すなわち、FC電圧)を検出するセンサである。FC電流検出部105は、燃料電池10を流れる電流を検出するセンサである。
【0033】
制御装置100の出力側には、冷媒ポンプ24、エアポンプ32、エアバルブ35、三方弁37、図示しない燃料バルブ等の制御対象機器が接続されている。制御装置100は、メモリに記憶された制御プログラムに基づいて、出力側に接続される制御対象機器を動作させて、燃料電池10の運転を制御する。すなわち、制御装置100は、エアポンプ32およびエアバルブ35を含む制御対象機器および燃料電池10の発電量を制御する。
【0034】
制御装置100は、インバータINV等の電力変換機器11が接続されている。また、制御装置100は、CAN等の通信手段を介して車両ECU200が接続されている。車両ECU200は、車両FCVを制御するためのECUである。制御装置100は、車両ECU200から燃料電池10へ要求される要求出力を受け、当該要求出力に応じて制御対象機器を制御する。
【0035】
このように構成される燃料電池システム1は、燃料電池10への要求出力に応じた電力が出力されるように、出力側に接続される制御対象機器の作動が制御装置100によって制御される。
【0036】
基本的には、制御装置100は、燃料電池10への要求出力が小さい場合、燃料電池10からの掃引電流を小さくするとともに、燃料電池10への水素および空気の供給量が少なくなるように、エアポンプ32の能力および燃料バルブの開度を制御する。また、制御装置100は、燃料電池10への要求出力が大きい場合、燃料電池10からの掃引電流を大きくするとともに、燃料電池10への水素および空気の供給量が多くなるように、エアポンプ32の能力および燃料バルブの開度を制御する。
【0037】
ここで、燃料電池システム1では、システム効率の向上を図る観点において、燃料電池10の発電性能が高い状態で動作させることが望ましい。本発明者らは、燃料電池10の発電性能と燃料電池10の内側におけるエア圧力との関係について検証した。
図3は、燃料電池10の出力電圧とエア圧力との関係を説明するための説明図である。
図3では、横軸がエア圧力を示し、縦軸が燃料電池10の出力電圧を示している。
【0038】
図3に示すように、燃料電池10は、エア圧力が高くなると出力電圧が高まり、エア圧力が低くなると出力電圧が低下し易い傾向がある。燃料電池10は、発電性能が良好な場合に出力電圧が高くなる。このため、
図3によれば、エア圧力が大きい程、燃料電池10の発電性能が高まることが判る。
【0039】
これらを加味して、制御装置100は、燃料電池10の発電性能の向上に適した状態で燃料電池10を動作させる制御処理を実行する。以下、制御装置100が実行する制御処理について、
図4等を参照しつつ説明する。
図4に示す制御処理は、燃料電池10の起動後に周期的または不定期に制御装置100によって実行される。
【0040】
図4に示すように、制御装置100は、ステップS100にて、制御装置100の入力側に接続された機器、車両ECU200等を介して各種信号を読み込む。制御装置100は、各種センサの検出値、車両ECU200から燃料電池10への要求出力等を読み込む。
【0041】
続いて、制御装置100は、ステップS110にて、燃料電池10への要求出力が増加傾向であるか否かを判定する。例えば、制御装置100は、今回の要求出力が前回の要求出力よりも大きい場合に燃料電池10への要求出力が増加傾向であると判定し、今回の要求出力が前回の要求出力以下の場合に燃料電池10への要求出力が増加傾向でないと判定する。
【0042】
制御装置100は、燃料電池10への要求出力が増加傾向である場合にステップS120に移行して発電抑制処理を実行し、燃料電池10の要求出力が増加傾向でない場合にステップS120をスキップする。
【0043】
発電抑制処理は、要求出力が増加傾向を示す際のエア圧力が低圧基準値よりも小さい場合、要求出力の増加に伴う燃料電池10の発電量の増加を制限または遅延させる処理である。以下、発電抑制処理の詳細について
図5を参照しつつ説明する。
【0044】
図5に示すように、制御装置100は、ステップS121にて、エア圧力が所定の低圧基準値より小さいか否かを判定する。低圧基準値は、例えば、燃料電池10の定常運転時に要求出力に応じて決定されるエア圧力程度の圧力値に設定される。
【0045】
エア圧力が低圧基準値以上である場合、制御装置100は、ステップS122にて、燃料電池10への要求出力に合わせて燃料電池10の発電量を調整して、本処理を抜ける。
【0046】
エア圧力が低圧基準値より小さい場合、制御装置100は、ステップS123にて、燃料電池10から供給可能な電力および蓄電部BTから供給可能な電力を合算した総合電力で要求出力を満足可能であるか否かを判定する。すなわち、制御装置100は、システム全体で出力可能な電力によって要求出力を満足可能であるか否かを判定する。制御装置100は、例えば、燃料電池10の出力電圧および掃引電流から燃料電池10から供給な電力を算出し、算出した電力に蓄電部BTに蓄積されている電力を加算して総合電力を得る。
【0047】
総合電力で要求出力を満足できない場合、燃料電池10の発電量の制限等を行うと、車両FCVの走行性能およびドライバビリティに影響する虞がある。このため、総合電力で要求出力を満足できない場合、制御装置100は、ステップS122に移行して、燃料電池10への要求出力に合わせて燃料電池10の発電量を調整して、本処理を抜ける。
【0048】
一方、総合電力で要求出力を満足可能な場合、制御装置100は、ステップS124にて、燃料電池10の発電量の増加を制限して、本処理を抜ける。
【0049】
本実施形態の制御装置100は、燃料電池10からの掃引電流の増加を制限することで、燃料電池10の発電量の増加を制限する。制御装置100は、例えば、燃料電池10からの掃引電流の増加スピードを遅くすることによって、燃料電池10からの掃引電流の増加を制限する。
【0050】
このような制御処理によって、
図6に示すように、要求出力が増加傾向を示す際のエア圧力が所定の低圧基準値よりも小さい場合、要求出力の増加に伴う燃料電池10の発電量の増加が制限される。すなわち、エア圧力が低い状態での燃料電池10の発電が抑制される。
【0051】
図4に戻り、制御装置100は、ステップS130にて、燃料電池10への要求出力が減少傾向であるか否かを判定する。例えば、制御装置100は、今回の要求出力が前回の要求出力よりも小さい場合に燃料電池10への要求出力が減少傾向であると判定し、今回の要求出力が前回の要求出力以上の場合に燃料電池10への要求出力が減少傾向でないと判定する。
【0052】
制御装置100は、燃料電池10への要求出力が減少傾向である場合にステップS140に移行してエア調圧処理を実行し、燃料電池10の要求出力が減少傾向でない場合にステップS140をスキップする。
【0053】
エア調圧処理は、要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力が高圧基準値よりも大きい場合、要求出力の減少に伴う燃料電池10の発電量の減少が制限または遅延させる処理である。以下、エア調圧処理の詳細について
図7を参照しつつ説明する。
【0054】
図7に示すように、制御装置100は、ステップS141にて、エア圧力が所定の高圧基準値より大きいか否かを判定する。高圧基準値は、例えば、燃料電池10の定常運転時に要求出力に応じて決定されるエア圧力程度の圧力値に設定される。
【0055】
エア圧力が高圧基準値以下である場合、制御装置100は、ステップS142にて、燃料電池10への要求出力に合わせて掃引電流およびエア圧力を調整して、本処理を抜ける。
【0056】
エア圧力が高圧基準値より大きい場合、制御装置100は、ステップS143にて、燃料電池10から出力される電力を蓄電部BTへ充電が可能な充電可能状態であるか否かを判定する。充電可能状態は、例えば、モータジェネレータMGにて回生発電を行っていない状態、モータジェネレータMGでの回生発電量が所定の基準量以下となる状態、蓄電部BTの空き容量が所定の基準容量以上となる状態のうち、少なくとも1つに該当する状態である。
【0057】
ここで、蓄電部BTは、充電時や放電時に発熱を伴う。蓄電部BTの過熱を防止する観点では、蓄電部BTの温度が通常の温度帯にあることが望ましい。このため、充電可能状態には、蓄電部BTの温度が所定の基準温度以下となる状態が含まれている。これによれば、蓄電部BTの過熱を防止して、当該過熱に起因する蓄電部BTの劣化や損傷を抑制することができる。
【0058】
充電可能状態でない場合、燃料電池10の発電量減少の制限等を行っても、発電量減少の制限によって生ずる電力を蓄電部BTに蓄積できず、燃料電池10の発電で得られる電力を有効に活用することが困難となる虞がある。このため、充電可能状態でない場合、制御装置100は、ステップS142に移行して、燃料電池10への要求出力に合わせて掃引電流およびエア圧力を調整して、本処理を抜ける。
【0059】
一方、充電可能状態である場合、制御装置100は、ステップS144にて、燃料電池10の発電量の減少が制限されるように、掃引電流およびエア圧力を調整して、本処理を抜ける。
【0060】
本実施形態の制御装置100は、要求出力に応じた掃引電流の減少を制限するとともに、要求出力に応じたエア圧力の減少を制限することで、燃料電池10の発電量の減少を制限する。制御装置100は、例えば、燃料電池10からの掃引電流の減少スピードを遅くすることによって、燃料電池10からの掃引電流の減少を制限する。また、制御装置100は、例えば、エアポンプ32の吐出能力の単位時間あたりの減少量を制限したり、エアバルブ35の絞り開度の単位時間あたりの増加量を制限したりすることによって、エア圧力の減少を制限する。なお、絞り開度は、エアバルブ35における流体が流れる流路の開度である。エアバルブ35は、絞り開度が小さいほど流路が狭くなり、絞り開度が大きいほど流路が広くなる。
【0061】
このような制御処理によって、
図8に示すように、要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力が所定の高圧基準値よりも大きい場合、要求出力の減少に伴う燃料電池10の発電量の減少が制限される。すなわち、エア圧力が高い状態での燃料電池10の発電が継続される。
【0062】
以上説明した燃料電池システム1では、燃料電池10へ要求される要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力が大きい場合、燃料電池10への要求出力の減少に伴って燃料電池10の発電量を減少させると、エア圧力のエネルギが無駄になってしまう。このことを加味して、制御装置100は、要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力が高圧基準値よりも大きい場合、そうでない場合に比べて要求出力の減少に伴う燃料電池10の発電量の減少を制限させる。これによれば、燃料電池10へ要求される要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力のエネルギを回収することができる。この場合、燃料電池10を発電性能が高い状態で動作させる時間が長くなるので、燃料電池システム1のシステム効率の向上を図ることができる。
【0063】
また、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0064】
(1)制御装置100は、要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力が高圧基準値よりも大きい状態である場合、エア圧力の減少が制限されるように、エアポンプ32およびエアバルブ35の少なくとも一方を制御する。これによると、発電性能が高い状態で燃料電池10を動作させて燃料電池システム1のシステム効率の向上を図ることができる。
【0065】
(2)制御装置100は、要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力が高圧基準値よりも大きい状態であり、且つ、充電可能状態である場合に、要求出力の減少に伴う燃料電池10の発電量の減少を制限させる。これによれば、燃料電池10の発電量減少の制限によって生ずる余剰電力を蓄電部BTに回収することができる。
【0066】
(3)充電可能状態は、蓄電部BTの温度が所定の基準温度以下となる状態が含まれている。これによると、燃料電池10の発電量減少の制限または遅延による蓄電部BTの過熱を抑制することができる。
【0067】
(4)制御装置100は、要求出力が増加傾向を示す際のエア圧力が所定の低圧基準値よりも小さい場合、そうでない場合に比べて燃料電池10の発電量の増加を制限させる。これによると、発電性能が低い状態での燃料電池10の動作が抑制されるので、燃料電池システム1のシステム効率の低下を抑制することができる。
【0068】
(5)制御装置100は、要求出力が増加傾向を示す際のエア圧力が低圧基準値よりも小さい状態であり、且つ、総合電力によって要求出力を満足できる場合に、燃料電池10の発電量の増加を制限させる。これによると、燃料電池10の発電量増加の制限に伴う電力不足を抑制しつつ、燃料電池システム1のシステム効率の低下を抑制することができる。
【0069】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、
図9~
図12を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。本実施形態の燃料電池システム1は、制御装置100が実行する発電抑制処理の一部およびエア調圧処理の一部が第1実施形態と異なっている。
【0070】
本実施形態の発電抑制処理は、要求出力が増加傾向を示す際のエア圧力が低圧基準値よりも小さい場合、燃料電池10の発電量の増加を遅延させる処理である。以下、発電抑制処理の詳細について
図9を参照しつつ説明する。なお、
図9に示すステップS121~S123までの処理は、
図5に示すステップS121~S123までの処理と同じである。
【0071】
図9に示すように、要求出力が増加傾向を示す際のエア圧力が低圧基準値よりも小さく、且つ、総合電力で要求出力を満足可能な場合、制御装置100は、ステップS124Aにて、燃料電池10の発電量の増加を遅延させて、本処理を抜ける。
【0072】
本実施形態の制御装置100は、燃料電池10からの掃引電流の増加を遅延させることで、燃料電池10の発電量の増加を遅延させる。制御装置100は、例えば、燃料電池10からの掃引電流を増加させるタイミングを遅らせることによって、燃料電池10の発電量の増加を遅延させる。
【0073】
このような制御処理によって、
図10に示すように、要求出力が増加傾向を示す際のエア圧力が所定の低圧基準値よりも小さい場合、要求出力の増加に伴う燃料電池10の発電量の増加が遅延される。
【0074】
また、エア調圧処理は、要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力が高圧基準値よりも大きい場合、要求出力の減少に伴う燃料電池10の発電量の減少が遅延させる処理である。以下、エア調圧処理の詳細について
図11を参照しつつ説明する。なお、
図11に示すステップS141~S143までの処理は、
図7に示すステップS141~S143までの処理と同じである。
【0075】
図11に示すように、制御装置100は、要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力が高圧基準値よりも小さく、且つ、充電可能状態である場合、制御装置100は、ステップS144Aに移行する。制御装置100は、ステップS144Aにて、燃料電池10の発電量の減少が遅延されるように掃引電流およびエア圧力を調整して、本処理を抜ける。
【0076】
本実施形態の制御装置100は、要求出力に応じた掃引電流の減少および要求出力に応じたエア圧力の減少を遅延させることで、燃料電池10の発電量の減少を遅延させる。制御装置100は、例えば、燃料電池10からの掃引電流を減少させるタイミングを遅らせることによって、燃料電池10からの掃引電流の減少を遅延させる。また、制御装置100は、例えば、エアポンプ32の吐出能力を減少させるタイミングを遅らせたり、エアバルブ35の絞り開度を変化させるタイミングを遅らせたりすることによって、エア圧力の減少を遅延させる。
【0077】
このような制御処理によって、
図12に示すように、要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力が所定の高圧基準値よりも大きい場合、要求出力の減少に伴う燃料電池10の発電量の減少が遅延される。
【0078】
その他については、第1実施形態と同様である。本実施形態の燃料電池システム1は、第1実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0079】
また、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0080】
(1)制御装置100は、要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力が高圧基準値よりも大きい状態である場合、エア圧力が所定期間維持されるように、エアポンプ32およびエアバルブ35の少なくとも一方を制御する。これによると、発電性能が高い状態で燃料電池10を動作させて燃料電池システム1のシステム効率の向上を図ることができる。
【0081】
(2)制御装置100は、要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力が高圧基準値よりも大きい状態であり、且つ、充電可能状態である場合に、要求出力の減少に伴う燃料電池10の発電量の減少が遅延させる。これによれば、燃料電池10の発電量減少の制限によって生ずる余剰電力を蓄電部BTに回収することができる。
【0082】
(3)制御装置100は、要求出力が増加傾向を示す際のエア圧力が所定の低圧基準値よりも小さい場合、燃料電池10の発電量の増加を遅延させる。これによると、発電性能が低い状態での燃料電池10の動作が抑制されるので、燃料電池システム1のシステム効率の低下を抑制することができる。
【0083】
(4)制御装置100は、要求出力が増加傾向を示す際のエア圧力が低圧基準値よりも小さい状態であり、且つ、総合電力によって要求出力を満足できる場合に、燃料電池10の発電量の増加を遅延させる。これによると、燃料電池10の発電量増加の遅延に伴う電力不足を抑制しつつ、燃料電池システム1のシステム効率の低下を抑制することができる。
【0084】
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
【0085】
上述の実施形態の如く、制御装置100は、要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力が高圧基準値よりも大きい場合および要求出力が増加傾向を示す際のエア圧力が低圧基準値よりも小さい場合に、燃料電池10の発電量を変化させることが望ましい。
【0086】
しかしながら、制御装置100は、要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力が高圧基準値よりも大きい場合にだけ、燃料電池10の発電量を変化させるようになっていてもよい。また、制御装置100は、要求出力が増加傾向を示す際のエア圧力が低圧基準値よりも小さい状態となる場合にだけ、燃料電池10の発電量を変化させるようになっていてもよい。
【0087】
制御装置100は、充電可能状態である否かによらず、要求出力が減少傾向を示す際のエア圧力が高圧基準値よりも大きい状態である場合、要求出力の減少に伴う燃料電池10の発電量の減少を制限または遅延させるようになっていてもよい。なお、制御装置100による燃料電池10の発電量減少の制限および遅延は、上述したものとは別の態様で実現されていてもよい。
【0088】
制御装置100は、総合電力によって要求出力を満足できるか否かによらず、要求出力が増加傾向を示す際のエア圧力が低圧基準値よりも小さい状態である場合、要求出力の増加に伴う燃料電池10の発電量の増加を制限または遅延させるようになっていてもよい。なお、制御装置100による燃料電池10の発電量増加の制限および遅延は、上述したものとは別の態様で実現されていてもよい。
【0089】
上述の実施形態では、本開示の燃料電池システム1を車両FCVに適用した例について説明したが、本開示の燃料電池システム1は、車両FCV以外にも適用することができる。
【0090】
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0091】
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
【0092】
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
【0093】
本開示の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータで、実現されてもよい。本開示の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータで、実現されてもよい。本開示の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせで構成された一つ以上の専用コンピュータで、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 燃料電池システム
10 燃料電池
32 エアポンプ(エア調圧装置)
35 エアバルブ(エア調圧装置)
100 制御装置