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特許7400777自動車車体用金属板材の曲げ試験方法および曲げ性能評価方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】自動車車体用金属板材の曲げ試験方法および曲げ性能評価方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/20 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
G01N3/20
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021103190
(22)【出願日】2021-06-22
(65)【公開番号】P2023002150
(43)【公開日】2023-01-10
【審査請求日】2023-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堺谷 智宏
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】二塚 貴之
(72)【発明者】
【氏名】小峯 慎介
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-040111(JP,A)
【文献】国際公開第2020/129903(WO,A1)
【文献】米国特許第04730498(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 3/00-3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車車体用金属板材からなり材料除去形状のある平坦な試験片の2か所の支持部を支持部材で支持し、
前記試験片の前記2か所の支持部間の部位をパンチで前記支持部材側と反対の側から押圧して前記試験片を曲げ変形させる曲げ試験を行うに際し、
前記試験片の前記材料除去形状を含む領域を曲げ変形させ
前記パンチとの相対的な位置関係を固定したカメラで前記試験片の曲げ外側表面を前記支持部側から撮影することを特徴とする自動車車体用金属板材の曲げ試験方法。
【請求項2】
VDA規格238-100に規定される曲げ試験方法に基づいて前記曲げ試験を行うことを特徴とする、請求項1記載の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法。
【請求項3】
曲げ変形中の前記試験片の曲げ荷重および曲げストロークを記録して評価することを特徴とする、請求項1または2記載の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法。
【請求項4】
前記支持部材は、互いに間隔をあけて平行かつ水平に配置された2本のローラであることを特徴とする、請求項記載の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法。
【請求項5】
前記2本のローラのうち少なくとも1本は、回転軸部分を有しつつ、その回転軸方向から見た円形断面の一部が欠けているものであることを特徴とする、請求項記載の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法。
【請求項6】
前記パンチおよび前記カメラは、非可動部に対し可動部を進退移動させる試験機の前記非可動部に設置され、前記支持部材は前記可動部に設置されていることを特徴とする、請求項からまでの何れか1項記載の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法。
【請求項7】
請求項からまでの何れか1項記載の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法による曲げ試験中に前記カメラで撮影した前記試験片の曲げ外側の画像から得られた前記試験片の曲げ外側のひずみ分布とその変化、割れの発生と進展、および/または割れの分布の情報に基づいて前記試験片の曲げ性能を評価することを特徴とする自動車車体用金属板材の曲げ性能評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車車体用金属板材の曲げ試験方法およびその曲げ試験方法での曲げ試験による曲げ性能評価方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車は衝突性能を維持しつつ軽量化を行うため、車体材料への高強度鋼板の適用が進んでいるが、材料の高強度化に伴う材料の延性低下により、衝突時の破断発生の危険性が高まる。
【0003】
特に、車体前後に配置するエネルギー吸収部材については、衝突時に部材が塑性変形することで衝突エネルギーを吸収することが求められるところ、エネルギー吸収部材の軸方向圧壊においては、局所的に大きなひずみが発生することで破断が発生してしまうことが多い。このような破断が大割れに進展して部材が崩壊すると、衝突荷重が大きく低下し、エネルギー吸収性能の不安定化をもたらす可能性があり、エネルギー吸収性能の不安定化は、車体への高強度鋼板の適用の大きな課題となっている。
【0004】
上記のような軸方向圧壊変形における破断は、引張試験における均一伸びや局部伸びなどの指標では評価ができないことがわかっており、その破断の有無を判断するため、従来から様々な材料試験方法が提案されている。
【0005】
例えば、ドイツ自動車工業会規格(Verband der Automobilindustreie:VDA)で規格化されているVDA238-100曲げ試験方法では、並置した2本のローラ上に板材を掛け渡し、その板材を上部から鋭利なパンチで加圧して曲げ成形し、板材の限界曲げ半径を評価する方法が提案されており、この方法により得られた限界曲げ半径は、衝突時の局所的な変形に対応することが報告されている。
【0006】
そして、特許文献1では、上記のVDA規格の曲げ試験方法を改良し、実験によって得られた荷重ストローク曲線から限界曲げ半径以降の亀裂発生状況を評価することで、部品衝突時の耐割れ性を予測することが提案されている。
【0007】
上述した先行技術の評価試験によれば、軸方向圧壊時の耐破断特性の優劣を材料ごとに評価することができる。しかもこのような評価試験によれば、曲げ試験のパンチ荷重とストロークの測定を行うだけでなく試験中の材料のひずみ状態を観察することで、マクロな破断現象に関する情報に加えて、局所的な破断に至るひずみの進展や限界破断ひずみ等の、耐破断特性に優れる材料開発を行う上で極めて有益な情報が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2016-080464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載された曲げ試験方法は、試験片の平坦部を曲げて行う母材の材料評価試験であり、部材への適用時の材料の評価を行うためにはプレス成形等の影響を考慮した試験方法で評価試験を行う必要がある。打ち抜き加工や機械加工等による材料除去形状の、衝突破断への影響もその一つである。穴形状や切り欠き形状等の材料除去形状は、プレス成形の際の位置決めや部材の軽量化の他、様々な用途で設計上必要となることが多いが、衝突時に座屈変形のポイントとなり易く、特に打ち抜き加工で形成した材料除去形状では、座屈変形の際にその材料除去形状の剪断端面を起点として大きな破断に進展する可能性が考えられる。
【0010】
それゆえ本発明は、上記の点に着目し、従来の試験方法の課題を有利に解決する自動車車体用金属板材の曲げ試験方法およびその曲げ試験方法での曲げ試験による曲げ性能評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する本発明の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法は、
自動車車体用金属板材からなり材料除去形状のある平坦な試験片の2か所の支持部を支持部材で支持し、
前記試験片の前記2か所の支持部間の部位をパンチで前記支持部材側と反対の側から押圧して前記試験片を曲げ変形させる曲げ試験を行うに際し、
前記試験片の前記材料除去形状を含む領域を曲げ変形させ
前記パンチとの相対的な位置関係を固定したカメラで前記試験片の曲げ外側表面を前記支持部側から撮影することを特徴とするものである。
【0012】
なお、この発明の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法においては、VDA規格238-100に規定される曲げ試験方法に基づいて前記曲げ試験を行うこととしてもよい。
【0013】
また、この発明の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法においては、曲げ変形中の前記試験片の曲げ荷重および曲げストロークを記録して評価することとしてもよい。
【0014】
さらに、この発明の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法においては、上記のように、前記パンチとの相対的な位置関係を固定したカメラで前記試験片の曲げ外側表面を前記支持部側から撮影することとする
【0015】
さらに、この発明の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法においては、前記支持部材は、互いに間隔をあけて平行かつ水平に配置された2本のローラであってもよい。
【0016】
その場合に、前記2本のローラのうち少なくとも1本は、回転軸部分を有しつつ、その回転軸方向から見た円形断面の一部が欠けているものであってもよい。
【0017】
さらに、この発明の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法においては、前記パンチおよび前記カメラは、非可動部に対し可動部を進退移動させる試験機の前記非可動部に設置され、前記支持部材は前記可動部に設置されてもよい。
【0018】
そして、上記目的を達成する本発明の自動車車体用金属板材の曲げ性能評価方法は、
前記自動車車体用金属板材の曲げ試験方法による曲げ試験中に前記カメラで撮影した前記試験片の曲げ外側の画像から得られた前記試験片の曲げ外側のひずみ分布とその変化、割れの発生と進展、および/または割れの分布の情報に基づいて前記試験片の曲げ性能を評価することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法によれば、自動車車体用金属板材からなり材料除去形状のある平坦な試験片の2か所の支持部を支持部材で支持し、前記試験片の前記2か所の支持部間の部位をパンチで前記支持部材側と反対の側から押圧して前記試験片を曲げ変形させる曲げ試験を行う際に、前記試験片の前記材料除去形状を含む領域を曲げ変形させるので、穴形状や切り欠き形状等の材料除去形状、特に打ち抜き加工による材料除去形状のある平坦な試験片における曲げ試験が行うことができ、穴形状や切り欠き形状等の材料除去形状の衝突破断への影響を考慮した試験方法で試験片を曲げ試験することができる。
【0020】
そして本発明の自動車車体用金属板材の曲げ性能評価方法によれば、前記自動車車体用金属板材の曲げ試験方法による曲げ試験中に前記カメラで撮影した前記試験片の曲げ外側の画像から得られた前記試験片の曲げ外側のひずみ分布とその変化、割れの発生と進展、および/または割れの分布の情報に基づいて前記試験片の曲げ性能を評価するので、穴形状や切り欠き形状等の材料除去形状の衝突破断への影響を考慮した試験方法で試験片を曲げ試験して得られた情報から、特に材料除去形状の周辺を含めて試験片の曲げ性能を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法で用いる穴形状のある試験片を例示する平面図である。
図2】(a)および(b)は、VDA規格238-100に規定される曲げ試験方法による曲げ試験の前後の穴形状のある試験片の状態を例示する斜視図である。
図3】本発明の一実施形態の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法およびその方法に用いる曲げ試験設備を示す斜視図である。
図4】本発明の他の一実施形態の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法およびその方法に用いる曲げ試験設備を示す斜視図である。
図5図3に示す実施形態の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法の変形例およびその方法に用いる曲げ試験設備を示す斜視図である。
図6図4に示す実施形態の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法の変形例およびその方法に用いる曲げ試験設備を示す斜視図である。
図7図4に示す実施形態の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法の他の変形例およびその方法に用いる曲げ試験設備を示す斜視図である。
図8図4に示す変形例の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法において撮影した各材料の破断ひずみ時の画像を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、本発明の実施形態の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法で用いる穴形状のある試験片を例示する平面図である。
【0023】
図1の例では、曲げ試験における曲げ稜線は試験片Pの中央を図では上下方向に通り、その曲げ稜線の位置に合わせて試験片Pの中央位置に材料除去形状としての、例えば円形の打ち抜き穴の穴形状Hがあけられている。試験片Pの大きさは、L1×L2としており、例えばL1=L2=60mmとする。打ち抜き穴の穴形状Hは、評価したい自動車部品の加工に合わせて穴径や打ち抜き用のパンチとダイとのクリアランスを決定する。なお、打ち抜きの加工ダメージの影響を排除して穴形状の影響のみを評価したい場合は、打ち抜きではなく後述のように機械加工やレーザー加工、放電加工等によって穴形状Hをあけた試験片Pで評価を行う。また、曲げ試験中の曲げ外側のひずみ状態をデジタル画像相関法(DIC)により解析する場合には、穴形状Hの周辺の領域Rに解析用のパターンを転写しておく。領域Rの大きさは、d1×d2としており、例えばd1=d2=30mmとする。
【0024】
図2(a)および図2(b)は、VDA規格238-100に規定される曲げ試験方法による曲げ試験の前後の穴形状のある試験片の状態を例示する斜視図である。曲げ試験は、図2(a)に示すように、非可動部に設置したパンチ7と可動部に設置した2つのローラ6とを用いて,試験片Pをパンチ7とローラ6との間に、中央位置の穴形状Hに曲げ変形が付与されるようにセットして行う。打ち抜き加工を行って穴形状Hを形成した試験片Pには、ダイの穴での剪断時の破断によりバリが発生するバリ側の面と、パンチが押し込まれるもう一方のだれ側の面とが存在するが、これらのどちらの面が曲げ外側となる場合の曲げ破断特性を評価したいかによって、試験片Pをセットする面の向きを変更する。
【0025】
図2(b)に曲げ試験後の試験片Pの変形状態を模式図で示すように、試験片Pの中央位置の曲げ稜線に沿って穴形状Hを曲げ変形させた時の曲げ割れ特性により材料評価を行う。具体的な曲げ割れ特性としては、例えば、目視による曲げ割れ破断評価や、測定したパンチ7の荷重とストロークの関係により求める最大荷重時ストローク量や、曲げ外側表面の亀裂の発生および進展挙動や、DICによる曲げ外側のひずみ解析によって得られる破断限界ひずみ量などが考えられる。
【0026】
図3は、本発明の一実施形態の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法およびその方法に用いる自動車車体用金属板材の曲げ試験設備を示す斜視図である。この自動車車体用金属板材の曲げ試験設備は、固定テーブルに対して接近および離間方向に変位するスライドで試験対象に荷重を加えながらその荷重の大きさとスライドの変位量とを測定する例えばアムスラー型試験機等の試験機の、図3中仮想線で取付け面を示す非可動部としての固定テーブルTに支持フレーム1を介して互いの間に空隙をあけてそれぞれ固定され、自動車車体用金属板材からなる平坦かつ矩形の試験片Pの両端部付近の2か所の支持部を支持する支持部材としての2つのダイ2と、上記試験機の、図3中仮想線で取付け面を示す可動部としてのスライドSに連結フレーム3を介して固定された断面V字状のパンチ4と、連結フレーム3によってパンチ4に対する相対的な位置関係を固定されて2つのダイ2間の空隙にレンズを向けられたカメラ5と、を具えている。
【0027】
また、この実施形態の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法は、上記の曲げ試験設備を用い、上記試験機の固定テーブルTに対するスライドSの接近方向の変位によって、パンチ4で試験片Pの上記2か所の支持部間の中央部を中央位置の図示しない穴形状Hを含めてダイ2側と反対の側である図3では上方から下向きに押圧して試験片Pを2つのダイ2間のV字状の空隙に押し込みV字状に曲げ変形させる曲げ試験を行うとともに、その曲げ試験中の試験片Pの図3では下向きの曲げ外側表面を、試験片Pの下側の2つのダイ2間の空隙を通して下方からカメラ5で撮影するものである。
【0028】
かかる実施形態の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法によれば、試験片Pの曲げ試験中に、パンチ4との相対的な位置関係を固定したカメラ5で試験片Pの曲げ外側表面をダイ2側から撮影するので、試験片Pの曲げ外側表面のひずみ状態、特に穴形状Hの周辺のひずみ状態を、試験中ピントがずれることなく撮影することができる。
【0029】
そして、本発明の曲げ性能評価方法の一実施形態は、上記実施形態の曲げ試験方法での試験片Pの曲げ試験中にダイ2側から撮影して得た試験片Pの曲げ外側表面のひずみ状態の画像を通常のコンピュータに入力し、そのコンピュータが実行するデジタル画像相関法(DIC)等の評価プログラムにより、試験片Pの曲げ外側のひずみ分布とその分布の変化、割れの発生と進展および割れの分布のうち少なくとも1種類の情報を解析して試験片Pの曲げ性能を評価するものであり、この実施形態の曲げ性能評価方法によれば、マクロな破断現象に関する情報に加えて、局所的な破断に至るひずみの進展や限界破断ひずみ等の、耐破断特性に優れる材料の開発を行う上で極めて有益な情報を、特に穴形状Hの周辺のものを含めて得ることができる。
【0030】
図4は、本発明の他の一実施形態の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法およびその方法に用いる自動車車体用金属板材の曲げ試験設備を示す斜視図である。この自動車車体用金属板材の曲げ試験設備は、上述の如き試験機の、図4中仮想線で取付け面を示す非可動部としての固定テーブルTに支持フレーム1を介して互いの間に空隙をあけて互いに平行かつ水平に配置されてそれぞれ回動可能に軸支され、自動車車体用金属板材からなる平坦かつ矩形の試験片Pの両端部付近の2か所の支持部を支持する支持部材としての2本のローラ6と、上記試験機の、図4中仮想線で取付け面を示す可動部としてのスライドSに連結フレーム3を介して固定され、試験片Pの上記2か所の支持部間の中央部をローラ6側と反対の側である図4では上方から下向きに押圧して試験片Pを鋭角に曲げ変形させる曲げ試験を行う鋭利なエッジ状のパンチ7と、連結フレーム3によってパンチ7に対する相対的な位置関係を固定されて2本のローラ6間の空隙にレンズを向けられたカメラ5と、を具えている。
【0031】
また、この実施形態の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法は、上記実施形態の曲げ試験設備を用い、上記試験機の固定テーブルTに対するスライドSの接近方向の変位によって、パンチ7で試験片Pの上記2か所の支持部間の中央部を中央位置の図示しない穴形状Hを含めてローラ6側と反対の側である図4では上方から下向きに押圧して試験片Pを2本のローラ6間の空隙に押し込み鋭角に曲げ変形させる曲げ試験を行うとともに、その曲げ試験中の試験片Pの図4では下向きの曲げ外側表面を、試験片Pの下側の2本のローラ6間の空隙を通して下方からカメラ5で撮影するものである。
【0032】
かかる実施形態の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法によれば、試験片Pの曲げ試験中に、パンチ7との相対的な位置関係を固定したカメラ5で試験片Pの曲げ外側表面をローラ6側から撮影するので、例えばVDA238-100曲げ試験を行いながら、試験片Pの曲げ外側表面のひずみ状態、特に穴形状Hの周辺のひずみ状態を、試験中ピントがずれることなく撮影することができる。
【0033】
そして、本発明の曲げ性能評価方法の他の一実施形態は、上記実施形態の曲げ試験方法での試験片Pの曲げ試験中にローラ6側から撮影して得た試験片Pの曲げ外側表面のひずみ状態の画像を通常のコンピュータに入力し、そのコンピュータが実行するデジタル画像相関法(DIC)等の評価プログラムにより、試験片Pの曲げ外側のひずみ分布とその分布の変化、割れの発生と進展および割れの分布のうち少なくとも1種類の情報を解析して試験片Pの曲げ性能を評価するものであり、この実施形態の曲げ性能評価方法によれば、VDA238-100曲げ試験において、マクロな破断現象に関する情報に加えて、局所的な破断に至るひずみの進展や限界破断ひずみ等の情報を、特に穴形状Hの周辺のものを含めて得ることができる。
【0034】
図5は、図3に示す実施形態の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法の変形例およびその方法に用いる自動車車体用金属板材の曲げ試験設備の変形例を示す斜視図である。この変形例の自動車車体用金属板材の曲げ試験設備は、図3に示す曲げ試験設備に対し上下逆の配置を有しており、支持部材としての2つのダイ2は、上述の如き試験機の、図5中仮想線で取付け面を示す可動部としてのスライドSに支持フレーム1を介して互いの間に空隙をあけてそれぞれ固定され、自動車車体用金属板材からなる平坦かつ矩形の試験片Pの両端部付近の2か所の支持部を図示しないスポンジ等の補助下で支持し、断面V字状のパンチ4は、上記試験機の、図5中仮想線で取付け面を示す非可動部としての固定テーブルTに連結フレーム3を介して固定され、カメラ5は、連結フレーム3によってパンチ4に対する相対的な位置関係を固定されて、2つのダイ2間の空隙にレンズを向けられている。
【0035】
また、この変形例の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法は、上記変形例の曲げ試験設備を用い、上記試験機の固定テーブルTに対するスライドSの接近方向の変位によって、パンチ4で試験片Pの上記2か所の支持部間の中央部を中央位置の図示しない穴形状Hを含めてダイ2側と反対の側である図5では下方から上向きに押圧して試験片Pを2つのダイ2間のV字状の空隙に押し込みV字状に曲げ変形させる曲げ試験を行うとともに、その曲げ試験中の試験片Pの図5では上向きの曲げ外側表面を、試験片Pの上側の2つのダイ2間の空隙を通して上方からカメラ5で撮影するものである。
【0036】
かかる変形例の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法によれば、試験片Pの曲げ試験中に、パンチ4との相対的な位置関係を固定したカメラ5で試験片Pの曲げ外側表面をダイ2側から撮影するので、試験片Pの曲げ外側表面のひずみ状態、特に穴形状Hの周辺のひずみ状態を、試験中ピントがずれることなく撮影することができ、しかも、パンチ4およびカメラ5は、非可動部としての固定テーブルTに固定するので、曲げ試験中のスライドSの変位による振動等の、パンチ4およびカメラ5への影響を少なくできるとともに、パンチ4およびカメラ5のための固定治具や配線等の設置作業をより簡便に行うことができる。
【0037】
そして、本発明の実施形態の変形例の曲げ性能評価方法は、図5に示す変形例の曲げ試験方法での試験片Pの曲げ試験中にダイ2側から撮影して得た試験片Pの曲げ外側表面のひずみ状態の画像を通常のコンピュータに入力し、そのコンピュータが実行するデジタル画像相関法(DIC)等の評価プログラムにより、試験片Pの曲げ外側のひずみ分布とその分布の変化、割れの発生と進展および割れの分布のうち少なくとも1種類の情報を解析して試験片Pの曲げ性能を評価するものであり、この実施形態の曲げ性能評価方法によっても、マクロな破断現象に関する情報に加えて、局所的な破断に至るひずみの進展や限界破断ひずみ等の、耐破断特性に優れる材料の開発を行う上で極めて有益な情報を、特に穴形状Hの周辺のものを含めて得ることができる。
【0038】
図6は、図4に示す実施形態の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法の変形例およびその方法に用いる自動車車体用金属板材の曲げ試験設備の変形例を示す斜視図である。この変形例の自動車車体用金属板材の曲げ試験設備は、図4に示す実施形態の曲げ試験設備に対し上下逆の配置を有しており、支持部材としての2本のローラ6は、上述の如き試験機の、図6中仮想線で取付け面を示す可動部としてのスライドSに支持フレーム1を介して互いの間に空隙をあけて互いに平行かつ水平に配置されてそれぞれ回動可能に軸支され、自動車車体用金属板材からなる平坦かつ矩形の試験片Pの両端部付近の2か所の支持部を図示しないスポンジ等の補助下で支持し、鋭利なエッジ状のパンチ7は、上記試験機の、図6中仮想線で取付け面を示す非可動部としての固定テーブルTに連結フレーム3を介して固定され、カメラ5は、連結フレーム3によってパンチ7に対する相対的な位置関係を固定されて、2本のローラ6間の空隙にレンズを向けられている。
【0039】
また、この変形例の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法は、上記変形例の曲げ試験設備を用い、上記試験機の固定テーブルTに対するスライドSの接近方向の変位によって、パンチ7で試験片Pの上記2か所の支持部間の中央部を中央位置の図示しない穴形状Hを含めてローラ6側と反対の側である図6では下方から上向きに押圧して試験片Pを2本のローラ6間の空隙に押し込み鋭角に曲げ変形させる曲げ試験を行うとともに、その曲げ試験中の試験片Pの図6では上向きの曲げ外側表面を、試験片Pの上側の2本のローラ6間の空隙を通して上方からカメラ5で撮影するものである。
【0040】
かかる変形例の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法によっても、試験片Pの曲げ試験中に、パンチ7との相対的な位置関係を固定したカメラ5で試験片Pの曲げ外側表面をローラ6側から撮影するので、例えばVDA238-100曲げ試験を行いながら、試験片Pの曲げ外側表面のひずみ状態、特に穴形状Hの周辺のひずみ状態を、試験中ピントがずれることなく撮影することができ、しかも、パンチ7およびカメラ5は、非可動部としての固定テーブルTに固定するので、曲げ試験中のスライドSの変位による振動等の、パンチ7およびカメラ5への影響を少なくできるとともに、パンチ7およびカメラ5のための固定治具や配線等の設置作業をより簡便に行うことができる。
【0041】
そして、本発明の実施形態の他の変形例の曲げ性能評価方法は、図6に示す変形例の曲げ試験方法での試験片Pの曲げ試験中にローラ6側から撮影して得た試験片Pの曲げ外側表面のひずみ状態の画像を通常のコンピュータに入力し、そのコンピュータが実行するデジタル画像相関法(DIC)等の評価プログラムにより、試験片Pの曲げ外側のひずみ分布とその分布の変化、割れの発生と進展および割れの分布のうち少なくとも1種類の情報を解析して試験片Pの曲げ性能を評価するものであり、この変形例の曲げ性能評価方法によっても、マクロな破断現象に関する情報に加えて、局所的な破断に至るひずみの進展や限界破断ひずみ等の、耐破断特性に優れる材料の開発を行う上で極めて有益な情報を、特に穴形状Hの周辺のものを含めて得ることができる。
【0042】
図7は、図4に示す実施形態の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法の他の変形例およびその方法に用い自動車車体用金属板材の曲げ試験設備の他の変形例を示す斜視図である。この変形例の自動車車体用金属板材の曲げ試験設備は、図4に示す実施形態の曲げ試験設備の変形例である図6に示す曲げ試験設備における通常の円筒状の2本のローラ6のうち少なくとも1本、図示例では2本を、回転軸部分を有しつつその回転軸方向から見た円形断面の一部が欠けている半部ローラ8に置き換えられており、他の部分は図6に示す曲げ試験設備と同様に構成されている。
【0043】
また、この変形例の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法は、上記変形例の曲げ試験設備を用い、上記試験機の固定テーブルTに対するスライドSの接近方向の変位によって、パンチ7で試験片Pの上記2か所の支持部間の中央部を中央位置の図示しない穴形状Hを含めて半部ローラ8側と反対の側である図7では下方から上向きに押圧して試験片Pを2本の半部ローラ8間の空隙に押し込み鋭角に曲げ変形させる曲げ試験を行うとともに、その曲げ試験中の試験片Pの図7では上向きの曲げ外側表面を、試験片Pの上側の2本の半部ローラ8間の空隙を通して上方からカメラ5で撮影するものである。
【0044】
かかる変形例の自動車車体用金属板材の曲げ試験設備および曲げ試験方法によっても、試験片Pの曲げ試験中に、パンチ7との相対的な位置関係を固定したカメラ5で試験片Pの曲げ外側表面を半部ローラ8側から撮影するので、例えばVDA238-100曲げ試験を行いながら、試験片Pの曲げ外側表面のひずみ状態、特に穴形状Hの周辺のひずみ状態を、試験中ピントがずれることなく撮影することができる。しかも、パンチ7およびカメラ5は、非可動部としての固定テーブルTに固定するので、曲げ試験中のスライドSの変位による振動等の、パンチ7およびカメラ5への影響を少なくできるとともに、パンチ7およびカメラ5のための固定治具や配線等の設置作業をより簡便に行うことができ、さらに、カメラ5で、半部ローラ8の欠けている部分を通して視野および光度を確保しつつ、試験片Pの曲げ外側表面をそれら半部ローラ8側から撮影することができるので、より鮮明な画像を得ることができる。
【0045】
そして、本発明の実施形態のさらに他の変形例の曲げ性能評価方法は、図7に示す変形例の曲げ試験方法での試験片Pの曲げ試験中に半部ローラ8側から撮影して得た試験片Pの曲げ外側表面のひずみ状態のより鮮明な画像を通常のコンピュータに入力し、そのコンピュータが実行するデジタル画像相関法(DIC)等の評価プログラムにより、試験片Pの曲げ外側のひずみ分布とその分布の変化、割れの発生と進展および割れの分布のうち少なくとも1種類の情報を解析して試験片Pの曲げ性能を評価するものであり、この変形例の曲げ性能評価方法によれば、マクロな破断現象に関する情報に加えて、局所的な破断に至るひずみの進展や限界破断ひずみ等の、耐破断特性に優れる材料の開発を行う上で極めて有益な情報を、特に穴形状Hの周辺のものを含めて得ることができる。
【0046】
なお、上述した本発明の実施形態および変形例の曲げ試験方法に用いる曲げ試験設備では、図3および図5に示す2つのダイ2に代えて、例えば中央部に開口を持つ1つのダイで試験片Pの両端部付近の2か所の支持部を支持してもよい。また、カメラ5としては、例えば一眼レフ式のフィルムカメラやデジタルカメラ等を用いることができ、そのカメラ5には、任意のタイミングで撮影ができるようにリモートシャッタ器具を設けておく。そして上記実施形態および変形例の曲げ試験方法に用いる曲げ試験設備では、カメラ5の活用方法に応じてその使用台数を決定し、例えば、撮影箇所が多い場合や、撮影した画像の3次元DIC解析を行う場合は、図3図7に示すように2台設置し、またはそれ以上使用できる構造とする。さらにカメラ5は、撮影したい画像のサイズや試験機の寸法を考慮した上で、なるべく高解像度のレンズや撮像素子を持つものを使用することが好ましい。
【0047】
[実施例]
図1に示す円形の打ち抜き穴の穴形状Hのある試験片Pについて、図6に示す変形例の曲げ試験設備および曲げ試験方法を用い、VDA238-100規格に準じた曲げ試験を行うとともに、その曲げ試験中の試験片Pの曲げ外側の画像撮影を行った。試験片Pには、各々自動車車体用高強度鋼板からなるシート材をせん断した後に端面を研削加工した60×60mmの3種類の材料A,B,Cを用いた。2本のローラ6の間隔は、試験片Pの板厚×2+0.5mm、パンチ7の先端の半径は0.4mmとした。上記曲げ試験では、パンチ7とローラ6との間に置かれた試験片Pを、試験機可動部であるスライドSに固定されたローラ6と試験機非可動部である固定テーブルTに固定されたパンチ7により曲げ変形させた。パンチ速度は5mm/min.とした。この過程におけるスライドSにかかる荷重とスライドSのストローク(変位量)を測定し、荷重-ストローク曲線を出力した。上記荷重-ストローク曲線は、曲げ変形の開始とともに荷重が立ち上がり、ある変形ストロークにおいて曲げ変形部で破断が起こるとともに最大荷重を示し、その後、荷重が減少した。上記の最大荷重を示した変形ストロークを破断ストロークと定義する。
【0048】
試験片Pの曲げ外側の変形状態を撮影し、その画像の3次元DIC解析を行うため、2台の一眼レフ型カメラ5を、2本のローラ6間から試験片Pの曲げ外側を撮影できる位置に調整し、試験機非可動部である固定テーブルTに固定した。曲げ試験を開始し、曲げ変形が始まり、荷重が立ち上るとともにカメラ5での連続撮影を開始し、撮影速度は1枚/秒とした。上記曲げ試験は試験片Pの破断により荷重が減少した後の適当なタイミングで終了した。
【0049】
そしてその後、上記の方法で撮影した連続写真に上記変形例の曲げ性能評価方法により3次元DIC解析を適用して、試験前の平板状態でのひずみを0としたときの試験片Pの曲げ外側のひずみ量を解析し、上記破断ストローク時の試験片Pの曲げ外側のひずみ量を求めた。上記ひずみ量を破断ひずみと定義する。表1に、各材料の材料特性を、また表2に、それぞれの曲げ条件での破断ストロークおよび破断ひずみを、そして図8に、各材料の破断ひずみ時のひずみ状態を撮影した画像を示す。なお破断ひずみの測定は,材料B及び材料Cのみ行った.
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
表2に示すように、本実施例では材料により異なる破断ストロークや破断ひずみを測定することができた。これは、曲げ変形中に許容できるひずみ量が材料ごとに異なることを意味し、上記破断ひずみの違いにより材料の曲げ性評価を行えることが確認できた。また、図8に示す破断ひずみ時のひずみ状態の撮影画像から穴縁の破断発生の様子を比較すると、バリ内曲げの場合は、材料によらず大きな破断が発生していない。一方でバリ外曲げの場合は、材料A,Bでは穴縁に細かい亀裂が発生するのに対し、材料Cでは穴縁に大きな破断が発生しており、材料や曲げ条件による破断現象の違いを観測することができた。
【0053】
以上、図示例に基づき説明したが、本発明は上述の例に限定されるものでなく、例えば上記実施例では試験対象の金属板を高強度鋼板としたが、これに代えて通常の鋼板や他の板材、例えばアルミ板等とすることもできる。
【0054】
また、上記実施例では図6に示す変形例の曲げ試験方法を用いてVDA規格238-100規格に準じた曲げ試験を行ったが、これに代えて他の実施形態や変形例の曲げ試験方法を用いることもできる。
【0055】
さらに、上記各実施形態では材料除去形状として円形の打ち抜き穴の穴形状Hのある試験片Pについて曲げ試験を行ったが、試験片の材料除去形状はこれに限られず、例えば穴形状を円形でなく楕円形や長円形としても、四角形等の多角形としてもよく、また、穴形状に代えて試験片の片側または両側の側縁部の円弧状や多角形状等の切り欠き形状としてもよい。
【0056】
そして、材料除去形状は、その材料が適用される部材の実際の加工方法等に応じて、プレスによる打ち抜き加工でなく例えばドリルやフライス等の工具での機械加工、レーザー光でのレーザー加工、電極やワイヤーでの放電加工、溶融処理液でのエッチング加工等で形成してもよく、また、試験片の板厚方向に貫通させる代わりに途中で止めて有底の溝状としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
かくして本発明の自動車車体用金属板材の曲げ試験方法によれば、自動車車体用金属板材からなり穴形状のある平坦な試験片の2か所の支持部を支持部材で支持し、前記試験片の前記2か所の支持部間の部位をパンチで前記支持部材側と反対の側から押圧して前記試験片を曲げ変形させる曲げ試験を行う際に、前記試験片の材料除去形状を含む領域を曲げ変形させるので、穴形状や切り欠き形状等の材料除去形状、特に打ち抜き加工による材料除去形状のある平坦な試験片における曲げ試験が行うことができ、穴形状や切り欠き形状等の材料除去形状の衝突破断への影響を考慮した試験方法で試験片を曲げ試験することができる。
【0058】
そして本発明の自動車車体用金属板材の曲げ性能評価方法によれば、前記自動車車体用金属板材の曲げ試験方法による曲げ試験中に前記カメラで撮影した前記試験片の曲げ外側の画像から得られた前記試験片の曲げ外側のひずみ分布とその変化、割れの発生と進展、および/または割れの分布の情報に基づいて前記試験片の曲げ性能を評価するので、穴形状や切り欠き形状等の材料除去形状の衝突破断への影響を考慮した試験方法で試験片を曲げ試験して得られた情報から、特に材料除去形状の周辺を含めて試験片の曲げ性能を評価することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 支持フレーム
2 ダイ
3 連結フレーム
4 パンチ
5 カメラ
6 ローラ
7 パンチ
8 半部ローラ
H 穴形状
P 試験片
R 領域
S スライド
T 固定テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8