(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】プロジェクター
(51)【国際特許分類】
G03B 21/16 20060101AFI20231212BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G03B21/16
G03B21/00 E
(21)【出願番号】P 2021158907
(22)【出願日】2021-09-29
【審査請求日】2022-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】奥 達哉
(72)【発明者】
【氏名】門谷 典和
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-015152(JP,A)
【文献】特開2021-018308(JP,A)
【文献】特開2008-197344(JP,A)
【文献】特開2008-170774(JP,A)
【文献】特開2007-240646(JP,A)
【文献】特開2004-240286(JP,A)
【文献】特開2015-055702(JP,A)
【文献】特開2015-072417(JP,A)
【文献】特開2002-023109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V23/00-99/00
G02B27/00-30/60
G03B21/00-21/10
21/12-21/13
21/134-21/30
33/00-33/16
H04N 5/66-5/74
H05K 5/00-5/06
7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源装置と、
前記光源装置から射出した光を均一化する均一化光学素子と、
前記均一化光学素子から射出された光の偏光を揃える偏光変換素子と、
前記偏光変換素子から射出された光が
入射する液晶パネルと、
前記液晶パネルの光入射側に
配置された入射側偏光板と、
前記液晶パネルの光射出側に
配置された射出側偏光板と、
前記液晶パネルで変調した光を投射する投射光学系と、
前記液晶パネル、前記入射側偏光板および前記射出側偏光板の少なくとも一つを密閉状態で収容する第1収容部と、
前記均一化光学素子の少なくとも一部および前記偏光変換素子の少なくとも一つを密閉状態で収容する第2収容部と、
前記第1収容部に収容された前記液晶パネル、前記入射側偏光板および前記射出側偏光板の少なくとも一つから受熱し、前記第1収容部の外部に熱を伝導する第1熱伝導部と、
前記第2収容部に収容された前記均一化光学素子の少なくとも一部および前記偏光変換素子の少なくとも一つから受熱し、前記第2収容部の外部に熱を伝導する第2熱伝導部と、
前記第1熱伝導部および前記第2熱伝導部に向けて気流を送る第1ファンと、
前記第1ファンから延在し、前記第1熱伝導部および前記第2熱伝導部の一部が配置される第1ダクトと、を備える、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
前記第1熱伝導部は、前記液晶パネル、前記入射側偏光板および前記射出側偏光板のうち少なくとも前記射出側偏光板からの熱を伝導する、
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項3】
前記液晶パネル、前記入射側偏光板および前記射出側偏光板を複数ずつ備え、
複数の前記液晶パネルは、青用液晶パネルと、緑用液晶パネルと、赤用液晶パネルと、を含み、
前記複数の入射側偏光板は、青用入射側偏光板と、緑用入射側偏光板と、赤用入射側偏光板と、を含み、
前記複数の射出側偏光板は、青用射出側偏光板と、緑用射出側偏光板と、赤用射出側偏光板と、を含み、
前記第1収容部は、前記複数の液晶パネルと、前記複数の入射側偏光板と、前記複数の射出側偏光板と、前記複数の液晶パネルから射出した光を合成する光合成素子と、を密閉状態で収容する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプロジェクター。
【請求項4】
前記第1熱伝導部は、前記青用液晶パネルおよび前記緑用液晶パネルの少なくとも一方、前記青用入射側偏光板および前記緑用入射側偏光板の少なくとも一方、ならびに前記青用射出側偏光板および前記緑用射出側偏光板の少なくとも一方、のうち少なくとも一つからの熱を伝導する、
ことを特徴とする請求項3に記載のプロジェクター。
【請求項5】
前記第1熱伝導部は、
少なくとも前記青用液晶パネルおよび前記緑用液晶パネルから前記第1ダクト内にそれぞれ延在する複数のパネル用熱伝導部材と、
前記青用入射側偏光板および前記緑用入射側偏光板の少なくとも一方、ならびに前記青用射出側偏光板および前記緑用射出側偏光板の少なくとも一方から前記第1ダクト内にそれぞれ延在する複数の偏光板用熱伝導部材と、を有する、
ことを特徴とする請求項3に記載のプロジェクター。
【請求項6】
前記第1熱伝導部は、前記青用液晶パネルおよび前記緑用液晶パネル、ならびに前記青用射出側偏光板および前記緑用射出側偏光板のうち少なくとも一方の熱を受熱し、前記第1ダクト内に延在する1つの熱伝導部材を有する、
ことを特徴とする請求項3に記載のプロジェクター。
【請求項7】
前記第1熱伝導部は、
前記青用液晶パネルから前記第1ダクト内に延在する第1熱伝導部材と、
前記緑用液晶パネルから前記第1ダクト内に延在する第2熱伝導部材と、
少なくとも前記青用射出側偏光板および前記緑用射出側偏光板から前記第1ダクト内に延在する1つの偏光板用熱伝導部材と、を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載のプロジェクター。
【請求項8】
前記第1収容部に収容された第2ファンと、前記第2ファンによって前記第1収容部内に送られた気流を冷却する第1熱交換器と、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項9】
前記第1収容部に接続される第2ダクトと、
前記第2ダクトを介して前記第1収容部内に気流を送る第3ファンと、
前記第1収容部内から排出した前記気流を前記第3ファンの吸気口へと送る第3ダクトと、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項10】
前記第3ダクト内を流れる気流から吸熱する吸熱部と、前記第1ダクト内に配置された放熱部と、を有する第2熱交換器をさらに備える、
ことを特徴とする請求項9に記載のプロジェクター。
【請求項11】
前記第2収容部は、少なくとも前記偏光変換素子を収容し、
前記第2熱伝導部は、少なくとも前記偏光変換素子の熱を伝導する、
ことを特徴とする請求項1から請求項10のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項12】
前記均一化光学素子は、一対のレンズアレイである、
ことを特徴とする請求項1から請求項11のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項13】
前記第2収容部は、少なくとも一方のレンズアレイを収容し、
前記一方のレンズアレイは、接着剤で支持部材に固定されており、
前記第2熱伝導部は、前記一方のレンズアイの熱を伝導する、
ことを特徴とする請求項12に記載のプロジェクター。
【請求項14】
他方のレンズアレイは、ばね部材を介して前記支持部材に固定される、
ことを特徴とする請求項13に記載のプロジェクター。
【請求項15】
前記第2収容部は、前記一対のレンズアレイにおいて後段に位置する後段レンズアレイと、前記後段レンズアレイの後段に位置する前記偏光変換素子と、を収容し、
前記第2収容部の光入射部に、前記一対のレンズアレイにおいて前段に位置する前段レンズアレイが配置され、
前記第2収容部の光射出部に重畳レンズが配置され、
前記第2熱伝導部は、前記偏光変換素子の熱を伝導する、
ことを特徴とする請求項12に記載のプロジェクター。
【請求項16】
前記第2収容部内に気流を流す第4ファンをさらに備え、
前記第4ファンからの前記気流は、少なくとも前記偏光変換素子の表面に沿って流れた後、前記第4ファンの吸気口へ送られる、
ことを特徴とする請求項15に記載のプロジェクター。
【請求項17】
光源装置と、
前記光源装置から射出した光を均一化する均一化光学素子と、
前記均一化光学素子から射出した光が入射する少なくとも一つの光変調パネルと、
前記光変調パネルで変調した光を投射する投射光学系と、
前記光変調パネルを密閉状態で収容する第1収容部と、
前記均一化光学素子の少なくとも一部を密閉状態で収容する第2収容部と、
前記光変調パネルから受熱し、前記第1収容部の外部に熱を伝導する第1熱伝導部と、
前記第2収容部に収容された前記均一化光学素子から受熱し、前記第2収容部の外部に熱を伝導する第2熱伝導部と、
前記第1熱伝導部および前記第2熱伝導部に向けて気流を送る第1ファンと、
前記第1ファンから延在し、前記第1熱伝導部および前記第2熱伝導部が配置される第1ダクトと、を備える、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項18】
前記光変調パネルを複数備え、
前記複数の光変調パネルは、青用光変調パネルと、緑用光変調パネルと、赤用光変調パネルと、を含み、
前記第1収容部は、前記青用光変調パネル、前記緑用光変調パネルおよび前記赤用光変調パネルから射出した光を合成する光合成素子を密閉状態で収容する、
ことを特徴とする請求項17に記載のプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のプロジェクターでは、液晶パネルあるいは光学素子等の発熱体に対して個別に冷却ファンを設けることで、発熱体を効率良く冷却するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記プロジェクターでは冷却ファンの数が多くなるため、装置構成の小型化し難くなるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の第1態様によれば、光源装置と、前記光源装置から射出した光を均一化する均一化光学素子と、前記均一化光学素子から射出された光の偏光を揃える偏光変換素子と、前記偏光変換素子から射出された光が入射する液晶パネルと、前記液晶パネルの光入射側に配置された入射側偏光板と、前記液晶パネルの光射出側に配置された射出側偏光板と、前記液晶パネルで変調した光を投射する投射光学系と、前記液晶パネル、前記入射側偏光板および前記射出側偏光板の少なくとも一つを密閉状態で収容する第1収容部と、前記均一化光学素子の少なくとも一部および前記偏光変換素子の少なくとも一つを密閉状態で収容する第2収容部と、前記第1収容部に収容された前記液晶パネル、前記入射側偏光板および前記射出側偏光板の少なくとも一つから受熱し、前記第1収容部の外部に熱を伝導する第1熱伝導部と、前記第2収容部に収容された前記均一化光学素子の少なくとも一部および前記偏光変換素子の少なくとも一つから受熱し、前記第2収容部の外部に熱を伝導する第2熱伝導部と、前記第1熱伝導部および前記第2熱伝導部に向けて気流を送る第1ファンと、前記第1ファンから延在し、前記第1熱伝導部および前記第2熱伝導部の一部が配置される第1ダクトと、を備えるプロジェクターが提供される。
【0006】
本発明の第2態様によれば、光源装置と、前記光源装置から射出した光を均一化する均一化光学素子と、前記均一化光学素子から射出した光が入射する光変調パネルと、前記光変調パネルで変調した光を投射する投射光学系と、前記光変調パネルを密閉状態で収容する第1収容部と、前記均一化光学素子の少なくとも一部を密閉状態で収容する第2収容部と、前記光変調パネルから受熱し、前記第1収容部の外部に熱を伝導する第1熱伝導部と、前記第2収容部に収容された前記均一化光学素子から受熱し、前記第2収容部の外部に熱を伝導する第2熱伝導部と、前記第1熱伝導部および前記第2熱伝導部に向けて気流を送る第1ファンと、前記第1ファンから延在し、前記第1熱伝導部および前記第2熱伝導部が配置される第1ダクトと、を備えるプロジェクターが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係るプロジェクターの概略構成を示す図である。
【
図6】第2実施形態の冷却機構の概略構成を示す斜視図である。
【
図7】第2実施形態の冷却機構における気流の流れを示す図である。
【
図8A】第3実施形態の冷却機構の概略構成を示す斜視図である。
【
図8B】第3実施形態の冷却機構の概略構成を示す側面図である。
【
図9】第3実施形態の冷却機構における気流の流れを示す図である。
【
図10】第4実施形態のプロジェクターの概略構成を示す図である。
【
図11】第4実施形態の冷却機構の概略構成を示す図である。
【
図12】第1変形例における第1熱伝導部の熱伝導経路の模式図である。
【
図13】第2変形例における第1熱伝導部の熱伝導経路の模式図である。
【
図14】第3変形例における第1熱伝導部の熱伝導経路の模式図である。
【
図15】第4変形例における第2熱伝導部の熱伝導経路の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0009】
本実施形態に係るプロジェクターの一例について説明する。
図1は、本実施形態に係るプロジェクターの概略構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態のプロジェクター1は、スクリーンSCR上にカラー映像を表示する投射型画像表示装置である。プロジェクター1は、光源装置2と、色分離光学系3と、画像形成ユニット4と、均一照明ユニット5と、投射光学系6と、を備えている。
【0010】
本実施形態において、光源装置2は白色の照明光WLを射出する。光源装置2の構成については後述する。光源装置2から射出された照明光WLは、均一照明ユニット5を介して色分離光学系3へ入射する。均一照明ユニット5は、照明光WLの強度分布を被照明領域において均一化するユニットである。
【0011】
均一照明ユニット5は、均一化光学素子51と、偏光変換素子52と、重畳レンズ53と、を含む。なお、均一照明ユニット5の構成の詳細については後述する。
【0012】
以下の説明では、必要に応じてXYZ直交座標系を用いる。
各図面において、X軸は光源装置2から均一照明ユニット5に向けて射出される照明光WLの照明光軸AX1に沿う軸である。Y軸はX軸に直交し、投射光学系6が画像光を投射する方向、すなわち、投射光学系6の光軸AX2に沿う軸である。Z軸は照明光軸AX1および光軸AX2に直交する軸である。
また、本実施形態では、Z軸に沿う方向において、+Zを「上側」、-Zを「下側」と称して説明する。なお、上側および下側とは、単にプロジェクター1の各構成部材の配置関係を説明するための名称であって、プロジェクター1における実際の設置姿勢や方向を規定するものではない。
【0013】
色分離光学系3は、光源装置2からの白色の照明光WLを赤色光LRと、緑色光LGと、青色光LBとに分離する。色分離光学系3は、第1のダイクロイックミラー30aおよび第2のダイクロイックミラー30bと、第1の全反射ミラー31a、第2の全反射ミラー31bおよび第3の全反射ミラー31cと、第1のリレーレンズ32aおよび第2のリレーレンズ32bとを備えている。
【0014】
第1のダイクロイックミラー30aは、光源装置2から射出されて均一照明ユニット5を経由した照明光WLを青色光LBと、その他の光(緑色光LGおよび赤色光LR)とに分離する。第1のダイクロイックミラー30aは、分離する青色光LBを反射すると共に、その他の光を透過する。第2のダイクロイックミラー30bは、緑色光LGを反射すると共に赤色光LRを透過させる。
【0015】
第1の全反射ミラー31aは、青色光LBを後述の青用液晶パネル40Bに向けて反射する。第2の全反射ミラー31bおよび第3の全反射ミラー31cは、赤色光LRを後述の赤用液晶パネル40Rに導く。緑色光LGは、第2のダイクロイックミラー30bから後述の緑用液晶パネル40Gに向けて反射される。
【0016】
第1のリレーレンズ32aは、赤色光LRの光路中における第2のダイクロイックミラー30bと第2の全反射ミラー31bとに間に配置されている。第2のリレーレンズ32bは、赤色光LRの光路中における第2の全反射ミラー31bと第3の全反射ミラー31cとの間に配置されている。
【0017】
色分離光学系3により分離された各色光は画像形成ユニット4に入射する。
画像形成ユニット4は、複数の液晶パネル40と、複数の入射側偏光板41と、複数の射出側偏光板42と、光合成素子43と、を備えている。
【0018】
複数の液晶パネル40は、青用液晶パネル40Bと、緑用液晶パネル40Gと、赤用液晶パネル40Rと、を含む。青用液晶パネル40Bは、青色光LBを画像情報に応じて変調し、青色の画像光を形成する。緑用液晶パネル40Gは、緑色光LGを画像情報に応じて変調し、緑色の画像光を形成する。赤用液晶パネル40Rは、赤色光LRを画像情報に応じて変調し、赤色の画像光を形成する。以下、青用液晶パネル40B、緑用液晶パネル40Gおよび赤用液晶パネル40Rをまとめて呼ぶ場合、各液晶パネル40B,40G,40Rと称す。
【0019】
複数の入射側偏光板41は、青用入射側偏光板41Bと、緑用入射側偏光板41Gと、赤用入射側偏光板41Rと、を含む。青用入射側偏光板41Bは、青用液晶パネル40Bの光入射側に設けられている。緑用入射側偏光板41Gは、緑用液晶パネル40Gの光入射側に設けられている。赤用入射側偏光板41Rは、赤用液晶パネル40Rの光入射側に設けられている。以下、青用入射側偏光板41B、緑用入射側偏光板41Gおよび赤用入射側偏光板41Rをまとめて呼ぶ場合、各入射側偏光板41B,41G,41Rと称す。
【0020】
複数の射出側偏光板42は、青用射出側偏光板42Bと、緑用射出側偏光板42Gと、赤用射出側偏光板42Rと、を含む。青用射出側偏光板42Bは、青用液晶パネル40Bの光射出側に設けられている。緑用射出側偏光板42Gは、緑用液晶パネル40Gの光射出側に設けられている。赤用射出側偏光板42Rは、赤用液晶パネル40Rの光射出側に設けられている。以下、青用射出側偏光板42B、緑用射出側偏光板42Gおよび赤用射出側偏光板42Rをまとめて呼ぶ場合、各射出側偏光板42B,42G,42Rと称す。
【0021】
また、各入射側偏光板41B,41G,41Rの入射側には、それぞれフィールドレンズ45B,45G,45Rが配置されている。
【0022】
光合成素子43は、各液晶パネル40B,40G,40Rからの各画像光が入射する。光合成素子43は各画像光を合成し、この合成された画像光を投射光学系6に向けて射出する。光合成素子43には、例えばクロスダイクロイックプリズムが用いられる。
【0023】
続いて、均一照明ユニット5の具体的な構成について説明する。
均一照明ユニット5の均一化光学素子51は、例えば、一対のレンズアレイで構成される。具体的に均一化光学素子51は、第1レンズアレイ51aと、第2レンズアレイ51bと、で構成されている。各レンズアレイ51a,51bは、複数のレンズがアレイ状に配列されて構成される。
【0024】
第2レンズアレイ51bは、重畳レンズ53とともに、第1レンズアレイ51aの各レンズの像を各液晶パネル40B,40G,40Rの画像形成領域の近傍にそれぞれ結像する。
【0025】
均一化光学素子51を通過した照明光WLは、偏光変換素子52に入射する。偏光変換素子52は、例えば、偏光分離膜と位相差板とから構成され、均一化光学素子51から射出された照明光WLの偏光方向を変換して直線偏光に揃える。本実施形態の場合、偏光変換素子52は、各入射側偏光板41B,41G,41Rを透過可能な直線偏光とするように照明光WLを変換する。このようにして、偏光変換素子52から射出された光は各液晶パネル40B,40G,40Rに入射される。
【0026】
偏光変換素子52を通過した照明光WLは、重畳レンズ53に入射する。重畳レンズ53は、偏光変換素子52から射出された各部分光束を集光して各液晶パネル40B,40G,40Rの画像形成領域の近傍にそれぞれ重畳させることで、各画像形成領域における照度分布を均一化する。
【0027】
画像形成ユニット4の光合成素子43により合成された画像光は投射光学系6に入射する。投射光学系6は、投射レンズ群からなり、光合成素子43により合成された画像光をスクリーンSCRに向けて拡大投射する。これにより、スクリーンSCR上には、拡大されたカラー映像が表示される。
【0028】
(光源装置)
図2は、本実施形態の光源装置2を示す概略構成図である。
図2に示すように、光源装置2は、第1光源20と、コリメート光学系21と、ダイクロイックミラー22と、コリメート集光光学系23と、波長変換素子28と、第2光源24と、集光光学系25と、拡散板26と、コリメート光学系27と、を備えている。
【0029】
第1光源20は、レーザー光からなる青色の励起光Eを射出する半導体レーザー20aで構成されている。励起光Eの発光強度のピークは、例えば445nmである。なお、半導体レーザー20aとしては、445nm以外の波長、例えば455nmや460nmの青色光を射出する半導体レーザーを用いることもできる。第1光源20の光軸axはY軸に沿う軸であり、X軸に沿う光源装置2の照明光軸AX1と直交する。なお、第1光源20は、光軸axと直交する一つの平面内において複数の半導体レーザー20aをアレイ状に配置して構成されてもよい。
【0030】
コリメート光学系21は、レンズ21a、21bを有する。コリメート光学系21は、第1光源20から射出された光を略平行化する。各レンズ21a、21bのそれぞれは凸レンズで構成されている。
【0031】
ダイクロイックミラー22は、コリメート光学系21からコリメート集光光学系23までの間の光路中に、第1光源20の光軸axと照明光軸AX1とのそれぞれに対して45°の角度で交差する向きに配置されている。ダイクロイックミラー22は、青色光成分を反射させ、赤色光成分および緑色光成分を透過させる。したがって、ダイクロイックミラー22は、励起光Eおよび後述の青色光Bを反射させ、黄色の蛍光Yを透過させる。
【0032】
コリメート集光光学系23は、ダイクロイックミラー22を透過した励起光Eを集光させて波長変換素子28に入射させるとともに、波長変換素子28から射出された蛍光Yを略平行化する。コリメート集光光学系23は、レンズ23a、23bを有する。レンズ23a、23bのそれぞれは凸レンズで構成されている。
【0033】
波長変換素子28は、基板28aと、反射層28bと、反射層28bの光入射側に設けられる蛍光体(波長変換層)28cと、を有する。蛍光体28cは、励起光Eを波長変換することで、例えば波長帯が500~700nmの蛍光Yを生成して射出する。反射層28bは、蛍光体28cで生成された蛍光Yのうち、基板28aに向かって進む成分を反射する。なお、基板28aの蛍光体28cを支持する面とは反対側の面に、不図示のヒートシンクを配置してもよい。
【0034】
第2光源24は、第1光源20の波長帯と同一の波長帯を有する半導体レーザーから構成されている。第2光源24は、1つの半導体レーザーで構成されていてもよいし、複数の半導体レーザーで構成されていてもよい。また、第2光源24は、第1光源20の半導体レーザーとは波長帯が異なる半導体レーザーから構成されていてもよい。
【0035】
集光光学系25は、レンズ25a、25bを有する。集光光学系25は、第2光源24から射出された青色光Bを拡散板46の拡散面上または拡散面の近傍に集光させる。レンズ25a、25bのそれぞれは凸レンズで構成されている。
【0036】
拡散板46は、第2光源24から射出された青色光Bを拡散させ、波長変換素子28から射出された蛍光Yの配光分布に近い配光分布を有する青色光Bを生成する。拡散板46として、例えば光学ガラスからなる磨りガラスを用いることができる。
【0037】
コリメート光学系27は、レンズ27a、27bを有する。コリメート光学系27は、拡散板46から射出された光を略平行化する。レンズ27a、27bのそれぞれは凸レンズで構成されている。
【0038】
第2光源24から射出された青色光Bは、ダイクロイックミラー22で反射され、波長変換素子28から射出され、ダイクロイックミラー22を透過した蛍光Yと合成されて、白色の照明光WLを生成する。
【0039】
本実施形態のプロジェクター1において、画像形成ユニット4および均一照明ユニット5は熱を発生する。本実施形態のプロジェクター1は、画像形成ユニット4および均一照明ユニット5で発生する熱を効率良く冷却する冷却機構を備えている。
【0040】
図3、4はプロジェクター1の冷却機構60の概略構成を示す図である。
図3は冷却機構60を-Y側から視た側面図である。
図4は冷却機構60の斜視図である。
図3,4では、図を見易くするため、重畳レンズ53やフィールドレンズ45B,45G,
45Rの図示を省略している。
図4ではダクト10の図示を省略している。
【0041】
図3に示すように、冷却機構60は、第1収容部44と、第2収容部54と、第1熱伝導部7と、第2熱伝導部8と、第1ファン9と、第2ファン11と、第1ダクト10と、第1熱交換器12と、を有する。すなわち、本実施形態のプロジェクター1は、第1収容部44と、第2収容部54と、第1熱伝導部7と、第2熱伝導部8と、第1ファン9と、第1ダクト10と、第2ファン11と、第1熱交換器12と、をさらに備えている。
【0042】
図1に示したように、第1収容部44は、画像形成ユニット4の構成部材、すなわち、複数の液晶パネル40と、複数の入射側偏光板41と、複数の射出側偏光板42と、光合成素子43と、を密閉状態で収容する。なお、本実施形態において、フィールドレンズ45B,45G,45Rは第1収容部44の外側に配置されるが、必要に応じて第1収容部44の内側に配置されてもよい。
第2収容部54は、均一照明ユニット5の一部である第2レンズアレイ(一方のレンズアレイ)51bおよび偏光変換素子52を密閉状態で収容する。
【0043】
第1熱伝導部7は、第1収容部44に収容された各液晶パネル40B,40G,40R、各入射側偏光板41B,41G,41Rおよび各射出側偏光板42B,42G,42Rの少なくとも一つから受熱し、第1収容部44の外部に熱を伝導する。
【0044】
第2熱伝導部8は、第2収容部54に収容された均一化光学素子51の第2レンズアレイ51bおよび偏光変換素子52の少なくとも一つから受熱し、第2収容部54の外部に熱を伝導する。
【0045】
第1ファン9は、不図示の外装筐体に設けられた吸気口を介して外気を吸い込み、第1熱伝導部7および第2熱伝導部8に向けて気流Kを送る。第1ファン9としては、例えば、遠心ファンやシロッコファンを用いることができるが、ファンの種類はこれに限られない。
【0046】
第1ダクト10は、第1ファン9から延在し、第1熱伝導部7および第2熱伝導部8が配置される。第1ダクト10は第1ファン9の排出口9bから延びる筒状の部材である。第1ダクト10は、第1ファン9からの気流Kが流れる。第1ダクト10内には、第1収容部44から外部に突出した第1熱伝導部7の一部と、第2収容部54から外部に突出した第2熱伝導部8の一部とが配置される。これにより、第1ダクト10内に配置された第1熱伝導部7および第2熱伝導部8は、第1ファン9からの気流Kと熱交換することで熱を放出するようになっている。
【0047】
本実施形態において、第1熱伝導部7は、第1熱伝導部材70Bと、第2熱伝導部材70Gと、第3熱伝導部材70Rと、第4熱伝導部材71Bと、第5熱伝導部材71Gと、第6熱伝導部材71Rと、1つの偏光板用熱伝導部材72と、を含む。
【0048】
図3、
図4に示すように、第1熱伝導部材(パネル用熱伝導部材)70Bは青用液晶パネル40Bの光射出側に配置される。第1熱伝導部材70Bは青用液晶パネル40Bから第1ダクト10内に延在し、青用液晶パネル40Bからの熱を伝導する。第1熱伝導部材70Bは、第1ダクト10内に配置された第1放熱部70B1を有する。第1放熱部70B1は複数のフィンを含むヒートシンクで構成される。第1放熱部70B1は第1ダクト10内を流れる気流Kと熱交換することで熱を放出する。
【0049】
第2熱伝導部材(パネル用熱伝導部材)70Gは緑用液晶パネル40Gの光射出側に配置される。第2熱伝導部材70Gは、緑用液晶パネル40Gから第1ダクト10内に延在し、緑用液晶パネル40Gからの熱を伝導する。第2熱伝導部材70Gは、第1ダクト10内に配置された第2放熱部70G1を有する。第2放熱部70G1は複数のフィンを含むヒートシンクで構成される。第2放熱部70G1は第1ダクト10内を流れる気流Kと熱交換することで熱を放出する。
【0050】
第3熱伝導部材(パネル用熱伝導部材)70Rは赤用液晶パネル40Rの光射出側に配置される。第3熱伝導部材70Rは、赤用液晶パネル40Rから第1ダクト10内に延在し、赤用液晶パネル40Rからの熱を伝導する。第3熱伝導部材70Rは、第1ダクト10内に配置された第3放熱部70R1を有する。第3放熱部70R1は複数のフィンを含むヒートシンクで構成される。第3放熱部70R1は第1ダクト10内を流れる気流Kと熱交換することで熱を放出する。
【0051】
第4熱伝導部材(偏光板用熱伝導部材)71Bは、青用入射側偏光板41Bから第1ダクト10内に延在し、青用入射側偏光板41Bからの熱を伝導する。第4熱伝導部材71Bは、第1ダクト10内に配置された第4放熱部71B1を有する。第4放熱部71B1は複数のフィンを含むヒートシンクで構成される。第4放熱部71B1は第1ダクト10内を流れる気流Kと熱交換することで熱を放出する。
第4熱伝導部材71Bは、不図示の取付部材を介して、例えば、第1収容部44に固定されることで、青用入射側偏光板41Bを青用液晶パネル40Bに対して所定位置に配置する。
【0052】
第5熱伝導部材(偏光板用熱伝導部材)71Gは、緑用入射側偏光板41Gから第1ダクト10内に延在し、緑用入射側偏光板41Gからの熱を伝導する。第5熱伝導部材71Gは、第1ダクト10内に配置された第5放熱部71G1を有する。第5放熱部71G1は第1ダクト10内を流れる気流Kと熱交換することで熱を放出する。
第5放熱部71G1は複数のフィンを含むヒートシンクで構成される。第5熱伝導部材71Gは、不図示の取付部材を介して、例えば、第1収容部44に固定されることで、緑用入射側偏光板41Gを緑用液晶パネル40Gに対して所定位置に配置する。
【0053】
第6熱伝導部材(偏光板用熱伝導部材)71Rは、赤用入射側偏光板41Rから第1ダクト10内に延在し、赤用入射側偏光板41Rからの熱を伝導する。第6熱伝導部材71Rは、第1ダクト10内に配置された第6放熱部71R1を有する。第6放熱部71R1は複数のフィンを含むヒートシンクで構成される。第6放熱部71R1は第1ダクト10内を流れる気流Kと熱交換することで熱を放出する。
第6熱伝導部材71Rは、不図示の取付部材を介して、例えば、第1収容部44に固定されることで、赤用入射側偏光板41Rを赤用液晶パネル40Rに対して所定位置に配置する。
【0054】
第1熱伝導部材70B、第2熱伝導部材70Gおよび第3熱伝導部材70Rは、各パネルから受熱した熱を伝導可能な部材であれば特に限定されない。また、第4熱伝導部材71B、第5熱伝導部材71Gおよび第6熱伝導部材71Rは、各偏光板から受熱した熱を伝導可能な部材であれば特に限定されない。
本実施形態において、各熱伝導部材70B、70G、70R、71B、71G、71Rとしては、例えば、グラファイトや銅等の他、冷媒の蒸発および凝縮を利用するヒートパイプやベイパーチャンバー等を用いることもできる。
【0055】
図5は冷却機構60の要部構成を示す斜視図である。
図5では図を見易くするため、青用入射側偏光板41Bおよび青用液晶パネル40Bの図示を省略している。
図5に示すように、青用射出側偏光板42Bは、第1パネル取付部材47Bに保持されている。第1パネル取付部材47Bは、青用射出側偏光板42Bを支持する支持板48と、青用液晶パネル40Bを直接あるいは間接的に係止可能な一対の係止部49と、が設けられている。第1熱伝導部材70Bおよび青用液晶パネル40Bは第1パネル取付部材47Bを介して光合成素子43の光入射面43Bに取り付けられる。
【0056】
より具体的には、青用液晶パネル40Bは、液晶を挟む入射側に位置する対向基板と、射出側に位置するTFT素子基板と、を有する。さらに、青用液晶パネル40Bは、対向基板の光入射側に配置された入射側防塵基板と、TFT素子基板の光射出側に配置された射出側防塵基板と、を有する。これらの青用液晶パネル40Bの各構成部材は収容ケースに配置され、各構成部材が離脱しないように収容ケースに固定される保持部材で保持される。
収容ケースの射出側の面に第1熱伝導部材70Bが設けられる。これにより、対向基板、TFT素子基板、入射側防塵基板および射出側防塵基板の熱が収容ケースを介して第1熱伝導部材70Bに伝導される。第1熱伝導部材70Bは収容ケースと熱伝導率が同じか、熱伝導性が高い材料が好ましい。
また、第1熱伝導部材70Bは青用液晶パネル40Bの光射出側に配置されるとしたが、収納ケースから熱が伝導されればよいので、光射出側に配置されることに限定されるものではない。
なお、緑用液晶パネル40Gと第2熱伝導部材70G、および、赤用液晶パネル40Rと第3熱伝導部材70Rの関係も同様である。
また、第4熱伝導部材71Bは、不図示の取付部材を介して第1収容部44に固定される構成に限らない。第4熱伝導部材71Bは支持板48に固定することもできる。第5熱伝導部材71G、第6熱伝導部材71Rも同様である。
【0057】
支持板48は、青用射出側偏光板42Bから射出された光を透過する開口48aと、第1ダクト10側(-Z側)に延びて偏光板用熱伝導部材72に熱的に接続される接続部48bと、が設けられている。なお、偏光板用熱伝導部材72と熱的に接続されるとは、偏光板用熱伝導部材72に対して熱伝達可能に接続される状態を意味する。
【0058】
偏光板用熱伝導部材72は、第1パネル取付部材47B(支持板48)の接続部48bと熱的に接続されるベース部72aと、ベース部72aから第1ダクト10側(-Z側)に延びて第1ダクト10内に配置される放熱部72bと、を含む。青用射出側偏光板42Bの熱はベース部72aから放熱部72bに伝導されて放出される。放熱部72bは複数のフィンを含むヒートシンクを含む。放熱部72bは第1ダクト10内を流れる気流K(
図3参照)と熱交換することで熱を放出する。
偏光板用熱伝導部材72の放熱部72bのサイズは、他の熱伝導部材70B,70G,70R,71B,71G,71Rの放熱部のサイズよりも十分に大きいため、偏光板用熱伝導部材72の放熱性が高められている。
【0059】
偏光板用熱伝導部材72の放熱部72bは、光合成素子43の領域と重なる下方に位置させることで、第1ダクト10の大型化を抑制することができる。また、偏光板用熱伝導部材72の放熱部72bは、第1熱伝導部材70Bの第1放熱部70B1、第2熱伝導部材70Gの第2放熱部70G1、および第3熱伝導部材70Rの第3放熱部70R1と高さ方向で異ならせると良い。すなわち、偏光板用熱伝導部材72の放熱部72bは、第1熱伝導部材70Bの第1放熱部70B1、第2熱伝導部材70Gの第2放熱部70G1、第3熱伝導部材70Rの第3放熱部70R1よりも下方に配置することで、サイズを大きくしても干渉することを防ぐことができる。
【0060】
なお、偏光板用熱伝導部材72は、各偏光板から受熱した熱を伝導可能な部材であれば特に限定されない。本実施形態において、偏光板用熱伝導部材72としては、例えば、グラファイトや銅等の他、冷媒の蒸発および凝縮を利用するヒートパイプやベイパーチャンバー等を用いることもできる。
【0061】
緑用射出側偏光板42Gは第2パネル取付部材47Gを介して光合成素子43の光入射面43Gに保持され、赤用射出側偏光板42Rは第3パネル取付部材47Rを介して光合成素子43の光入射面43Rに保持される。なお、第2熱伝導部材70Gおよび緑用液晶パネル40Gは第2パネル取付部材47Gを介して光合成素子43の光入射面43Gに取り付けられ、第3熱伝導部材70Rおよび赤用液晶パネル40Rは第3パネル取付部材47Rを介して光合成素子43の光入射面43Rに取り付けられる(
図4、5参照)。
【0062】
第2パネル取付部材47Gおよび第3パネル取付部材47Rの構成は第1パネル取付部材47Bと同様である。すなわち、第2パネル取付部材47Gおよび第3パネル取付部材47Rは、偏光板用熱伝導部材72と熱的に接続されている。
これにより、緑用射出側偏光板42Gの熱は第2パネル取付部材47Gを介して偏光板用熱伝導部材72に伝導され、赤用射出側偏光板42Rの熱は第3パネル取付部材47Rを介して偏光板用熱伝導部材72に伝導される。
【0063】
本実施形態の場合、各射出側偏光板42B,42G,42Rの熱が1つの偏光板用熱伝導部材72に伝導させることで第1ダクト10内に放出される。この構成によれば、各射出側偏光板42B,42G,42Rから第1ダクト10内に熱伝導部材をそれぞれ延在させる場合に比べて、構成を単純化しつつ、高い冷却効果を得ることができる。
【0064】
図3に示したように、本実施形態の冷却機構60において、第2ファン11は第1収容部44内に収容されている。第2ファン11は画像形成ユニット4の上側(+Z側)に配置されている。第2ファン11としては、例えば軸流ファンが用いられるが、ファンの種類はこれに限られない。
第2ファン11は、下側(-Z側)から上側(+Z側)に向かう気流Kを第1収容部44内に生じさせることで、画像形成ユニット4の各部材を冷却する。
【0065】
本実施形態の冷却機構60において、第1熱交換器12は、一部が第1収容部44の内側に配置され、一部の残りが第1収容部44の外側に配置される。第1熱交換器12は、第1収容部44内の雰囲気と第1収容部44外の雰囲気とを熱交換することで第1収容部44内の温度を低下させる。
【0066】
第1熱交換器12は、ベース部12aと、吸熱部12bと、放熱部12cと、を含む。ベース部12aは、第1熱交換器12を第1収容部44の上板44aに固定する。吸熱部12bは、ベース部12aのうち第1収容部44に対向する側の面(-Z側の面)に設けられた複数の突起で構成される。吸熱部12bは第1収容部44の内側に配置されている。吸熱部12bは、第1収容部44の内部空間から熱を吸収する。放熱部12cは、ベース部12aのうち第1収容部44と反対側の面(+Z側の面)に設けられた複数の放熱フィンで構成される。ベース部12aおよび放熱部12cは第1収容部44の外側に配置される。
【0067】
第2ファン11による気流Kは第1収容部44の上板44aから内側に突出する第1熱交換器12の吸熱部12bに沿って側方へと流れる。このとき、気流Kは第1熱交換器12の吸熱部12bによって吸熱されることで冷却される。
【0068】
第1熱交換器12で冷却された気流Kは、第1収容部44の側板44bの内面に沿って上側(+Z側)から下側(-Z側)へと流れ、第1収容部44の下板44cに到達する。第1収容部44の下板44cに到達した気流Kは、第2ファン11により吸気されることで下側(-Z側)から上側(+Z側)へと流れ、画像形成ユニット4の各部材を冷却する。すなわち、第2ファン11による気流Kは第1収容部44内において循環される。
【0069】
本実施形態によれば、画像形成ユニット4の各部材を冷却して加熱された気流Kが第1熱交換器12を通過することで冷却された後、第2ファン11に再び吸引されることで第1収容部44内を循環する。そのため、第2ファン11は画像形成ユニット4に対して比較的低温の気流Kを継続して供給することができる。
【0070】
このように本実施形態のプロジェクター1は、冷却機構60によって第1収容部44内に密閉した状態で収容された画像形成ユニット4に比較的低温の気流Kを循環的に送ることで、第1熱伝導部7とともに画像形成ユニット4の各構成部材を効率良く冷却することができる。
【0071】
図3、4に示すように、本実施形態の第2熱伝導部8は1つの熱伝導部材80を含む。
図4に示すように、熱伝導部材80は、偏光変換素子52の光入射側に貼り付ける受熱部80aと、受熱部80aから第1ダクト10内に延びる放熱部80bと、を含む。受熱部80aには、偏光変換素子52の光入射領域に対応し、スリット状に延びる複数の開口が形成されている。偏光変換素子52の熱は受熱部80aから放熱部80bに伝導されて放出される。放熱部80bは複数のフィンを含むヒートシンクで構成される。
【0072】
なお、熱伝導部材80は偏光変換素子52から受熱した熱を第1ダクト10内に伝導可能な部材であれば特に限定されない。本実施形態において、熱伝導部材80としては、例えば、グラファイトや銅等の他、冷媒の蒸発および凝縮を利用するヒートパイプやベイパーチャンバー等を用いることもできる。
【0073】
本実施形態において、第2熱伝導部8(熱伝導部材80)および偏光変換素子52は支持部材81を介して第2収容部54に取り付けられる。偏光変換素子52とともに第2収容部54内に収容された第2レンズアレイ51bは不図示の固定部材を介して支持部材81あるいは第2収容部54に固定される。
【0074】
図4に示すように、支持部材81は均一照明ユニット5に対する光入射側(-X側)に向かって延び、第2収容部54の外側まで配置されている。支持部材81は、第1レンズアレイ51aを固定する固定部81aを含む。支持部材81の固定部81aは、例えば、ばね部材55を介して第1レンズアレイ51aの光射出側(+X側)の端面を固定する。
【0075】
ここで、均一照明ユニット5の構成部材のうち偏光変換素子52は、発熱量が最も多くなる。これは、偏光変換素子52を構成する位相差板が照明光WLを吸収して発熱するためである。
【0076】
本実施形態のプロジェクター1では、第2収容部54内において最も発熱する偏光変換素子52の熱を第2熱伝導部8によって第1ダクト10内に放出することができる。これにより、偏光変換素子52を効率良く冷却することで、第2収容部54内の密閉空間の温度上昇を抑制することで、偏光変換素子52とともに内部に収容された第2レンズアレイ51bに対する熱によるダメージを抑制できる。
【0077】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1では、冷却対象である画像形成ユニット4(液晶パネル40B,40G,40Rと入射側偏光板41B,41G,41Rと射出側偏光板42B,42G,42R)を第1収容部44内に密閉状態で収容し、偏光変換素子52および均一化光学素子51の一部である第2レンズアレイ51bとを第2収容部54内に密閉した状態で収容している。
【0078】
本実施形態の場合、各収容部44,54から第1ダクト10内に引き出した熱伝導部7,8に対して第1ファン9から気流Kをそれぞれ送ることで熱伝導部7,8を冷却することができる。よって、2つの熱伝導部7,8を1つのファンで冷却できるので、装置構成を小型化することができる。
【0079】
また、熱伝導部7,8によって各収容部44,54内の密閉空間から熱を積極的に外部に逃がすことで密閉空間の温度の上昇を抑制できるので、密閉空間を大きくする必要がない。よって、本実施形態の場合、収容部44,54の内部空間をできるだけ狭くできるので、結果的に装置構成の小型化を図ることができる。
【0080】
なお、プロジェクター1の使用環境によっては、周囲に煙が存在していることもある。周囲に煙が存在する環境としては、例えば、イベント時の演出によるスモークや煙草の煙などが挙げられる。
【0081】
これに対して本実施形態のプロジェクター1の場合、周辺環境に煙が存在する場合に、プロジェクター1の筐体内に塵や煙が侵入しても画像形成ユニット4、偏光変換素子52および第2レンズアレイ51bが密閉空間に収容されるため、塵や煙の付着することが防止される。よって、画像形成ユニット4、偏光変換素子52および第2レンズアレイ51bに塵や煙が付着することによる表示品質の低下を抑制することができる。
【0082】
本実施形態の第1熱伝導部7は、各射出側偏光板42B,42G,42Rから第1ダクト10内に延在する1つの偏光板用熱伝導部材72を含むため、各射出側偏光板42B,42G,42Rを一つの熱伝導部材で冷却することができる。これにより、第1熱伝導部7の一部を共通化することで構成の複雑化を抑制しつつ、高い冷却効率を得ることができる。
【0083】
本実施形態の場合、第1収容部44に収容された第2ファン11と、第2ファン11によって第1収容部44内に送られた気流Kを冷却する第1熱交換器12と、をさらに備える。そのため、第2ファン11は第1収容部44内に収容された画像形成ユニット4に対して比較的低温の気流Kを継続して供給できるので、画像形成ユニット4の冷却効率を高めることができる。
【0084】
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態のプロジェクターについて説明する。
本実施形態のプロジェクターは、冷却機構の構成が第1実施形態と異なる。第1実施形態と共通の構成および部材については同じ符号を付し、詳細については説明を省略する。
【0085】
以下、本実施形態の冷却機構を主に説明する。
図6、7は本実施形態の冷却機構160の概略構成を示す図である。
図6は冷却機構160の概略構成を示す斜視図である。
図7は冷却機構160における気流の流れを示す図である。なお、本実施形態の冷却機構160において、第2熱伝導部8は第1実施形態の冷却機構60と同様の構成であるため、説明および図示を省略する。また、図を見易くするため、第1ダクト10の一部のみを示している。
【0086】
図6、
図7に示すように、冷却機構160は、第1熱伝導部17と、第1ファン9と、第1ダクト10と、第2ダクト13と、第3ダクト14と、第3ファン15と、第2熱交換器16と、を有する。
【0087】
本実施形態の第1熱伝導部17は偏光板用熱伝導部材72を有する。第2ダクト13は第1収容部44に接続される。具体的に第2ダクト13は、第1収容部44の下板44cの一方側(+X側)に形成された流入口44c1に接続される。
第3ファン15は、吸気口15aから吸い込んだ空気を排気口15bから排出する。第3ファン15は、排気口15bに接続された第2ダクト13を介して第1収容部44内に気流K1を送る。第3ファン15としては、例えば、遠心ファンやシロッコファンを用いることができるが、ファンの種類はこれに限られない。
【0088】
第3ダクト14は、第1収容部44内から排出した気流K1を第3ファン15の吸気口15aへと送る。第3ダクト14は、第1収容部44の下板44cの他方側(-X側)に形成された流出口44c2に接続される。第3ダクト14は、流路部14aと、ファン収容部14bと、を含む。流路部14aは、第1収容部44の流出口44c2から第3ファン15に向かって延びる筒状の部位である。ファン収容部14bは、流路部14aの先端14a1に接続され、第3ファン15を内部に密閉状態で収容する。ファン収容部14bおよび第1収容部44は流路部14aを介して連通している。
【0089】
第2熱交換器16は、第3ダクト14内を流れる気流K1から吸熱する吸熱部16aと、第1ダクト10内に配置された放熱部16bと、を有する。すなわち、第2熱交換器16において、吸熱部16aは第3ダクト14内に配置され、放熱部16bは第1ダクト10内に配置されている。吸熱部16aおよび放熱部16bは、例えば、複数のフィンを含むヒートシンク構造からなる。第2熱交換器16は、第3ダクト14内を流れる気流K1と第1ダクト10内を流れる気流Kとを熱交換することで第3ダクト14内を流れる気流K1の温度を低下させる。
【0090】
本実施形態の冷却機構160において、第3ファン15が回転すると、
図7に示すように、第3ファン15からの気流K1が第2ダクト13を介して第1収容部44内に供給される。流入口44c1から第1収容部44内に供給された気流K1は、第1収容部44の内壁に沿って、赤用液晶パネル40R、緑用液晶パネル40Gおよび青用液晶パネル40Bへと順に送られ、各液晶パネル40B,40G,40Rを冷却する。そして、気流Kは流出口44c2から第3ダクト14へと流れ、第3ファン15による吸引力に引き寄せられることで第3ファン15の吸気口15aへと流れ込む。
【0091】
本実施形態において、気流Kは第3ダクト14を経由して第3ファン15へと戻る過程で、第3ダクト14の流路部14a内に配置された第2熱交換器16の吸熱部16aを通過する。このとき、気流Kは第2熱交換器16の吸熱部16aによって吸熱されることで冷却される。
【0092】
第2熱交換器16で冷却された気流Kは、再び、第3ファン15に吸気され、第2ダクト13を介して第1収容部44内に流れ、各液晶パネル40B,40G,40Rを冷却する。すなわち、第3ファン15による気流K1は第1収容部44内に循環的に供給される。
【0093】
本実施形態の冷却機構160によれば、画像形成ユニット4の各部材を冷却することで加熱された気流K1を第2熱交換器16で冷却し、第2ダクト13を介して第1収容部44内に供給するため、画像形成ユニット4の構成部材である各液晶パネル40B,40G,40R、各入射側偏光板41B,41G,41Rおよび各射出側偏光板42B,42G,42R(
図1参照)を効率良く冷却できる。
また、本実施形態の冷却機構160では、第3ファン15が第1収容部44の外部に配置されるため、第1収容部44のサイズを小型化できる。
【0094】
また、本実施形態の場合、第3ダクト14内を流れる気流K1の温度を低下させる手段として第1ダクト10を利用するため、気流K1を冷却するための別の機構が不要となり、装置構成が大型化することを抑制できる。
【0095】
また、本実施形態の場合、第3ダクト14のファン収容部14b内に第3ファン15を収容するため、第1収容部44内を密閉状態とすることができる。よって、第3ファン15から送られる気流K1によって第1収容部44内に塵や煙の入り込みが抑制されるため、画像形成ユニット4の構成部品に塵や煙が付着することによる表示品質の低下を抑制できる。
【0096】
(第3実施形態)
続いて、第3実施形態のプロジェクターについて説明する。
本実施形態のプロジェクターは、冷却機構における第2収容部側の構成が第1実施形態と異なる。第1実施形態と共通の構成および部材については同じ符号を付し、詳細については説明を省略する。
【0097】
以下、本実施形態の冷却機構を主に説明する。
図8A、
図8B、
図9は本実施形態の冷却機構260の要部構成を示す図である。
図8Aは冷却機構260の要部構成を示す斜視図であり、
図8Bは冷却機構260の要部構成を示す側面図であり、
図9は冷却機構260における気流の流れを示す図である。なお、本実施形態の冷却機構260において第1収容部44側の構成は第1実施形態の冷却機構60と同様であるため、説明および図示を省略する。
【0098】
図8A、
図8Bに示すように、本実施形態の冷却機構260は、第2収容部154と、第4ファン19と、を備えている。第2収容部154は、均一化光学素子51を構成する一対のレンズアレイ51a、51bにおいて後段(光射出側)に位置する第2レンズアレイ(後段レンズアレイ)51bと、第2レンズアレイ51bの後段(+X側)に位置する偏光変換素子52と、を収容する。本実施形態において、第2熱伝導部8は、偏光変換素子52の熱を伝導する。第2熱伝導部8および偏光変換素子52は不図示の固定部材を介して第2収容部154に取り付けられる。
【0099】
第2収容部154は、本体部155と、第4ファン19の吸気口19aに接続される吸気接続部156と、第4ファン19の排気口19bに接続される排気接続部157と、を備えている。本体部155は、光入射部155aと、光射出部155bと、を含み、第2レンズアレイ51bおよび偏光変換素子52を収容する。第2熱伝導部8の放熱部80bは本体部155の外部に延在している。
【0100】
第2収容部154(本体部155)の光入射部155aには、一対のレンズアレイ51a、51bにおいて前段(光入射側)に位置する第1レンズアレイ(前段レンズアレイ)51aが配置されている。第2収容部154(本体部155)の光射出部155bには、重畳レンズ53が配置されている。第1レンズアレイ51aおよび重畳レンズ53は第2収容部154の形成された開口あるいは透光性窓部を覆うように配置されている。
【0101】
第4ファン19は、
図9に示すように、第2収容部154内に気流K2を流す。第4ファン19は、吸気口19aから吸い込んだ空気を排気口19bから排出する。第4ファン19は、排気口19bに接続された第2収容部154の排気接続部157を介して第2収容部154内に気流K2を送る。第4ファン19からの気流K2は、少なくとも偏光変換素子52の表面に沿って流れた後、第4ファン19の吸気口19aへ送られる。第4ファン19としては、例えば、遠心ファンやシロッコファンを用いることができるが、ファンの種類はこれに限られない。
【0102】
本実施形態において、吸気接続部156を介して第2収容部154内に流れ込んだ気流K2は、本体部155内において、一対のレンズアレイ51a、51bの間、第2レンズアレイ51bおよび偏光変換素子52の間、偏光変換素子52および重畳レンズ53の間を流れ、レンズアレイ51a、51b、偏光変換素子52および重畳レンズ53を冷却する。そして、気流K2は吸気接続部156へと流れ、第4ファン19による吸引力に引き寄せられることで第4ファン19の吸気口19a(
図8A、
図8B参照)へと流れ込む。
【0103】
本実施形態の冷却機構260によれば、第1レンズアレイ51aおよび重畳レンズ53を第2収容部154の外部に配置するため、第1レンズアレイ51aおよび重畳レンズ53を内部に収容する場合に比べて、第2収容部154のサイズを小型化できる。
また、本実施形態によれば、第2熱伝導部8を用いて偏光変換素子52を冷却するとともに気流K2を第2収容部154内に循環的に供給することで、発熱量の多い偏光変換素子52を効率良く冷却することができる。
【0104】
(第4実施形態)
続いて、第4実施形態のプロジェクターについて説明する。
本実施形態のプロジェクターは、液晶パネルと異なる光変調パネルを用いた画像形成ユニットを備える点で第1実施形態と異なる。第1実施形態と共通の構成および部材については同じ符号を付し、詳細については説明を省略する。
【0105】
図10は、本実施形態に係るプロジェクター100の概略構成を示す図である。
図10に示すように、本実施形態のプロジェクター100は、光源装置2と、画像形成ユニット104と、均一照明ユニット5と、投射光学系6と、を備えている。
【0106】
本実施形態の画像形成ユニット104は、複数の光変調パネル140と、光合成素子143と、を備えている。複数の光変調パネル140は、青用光変調パネル140Bと、緑用光変調パネル140Gと、赤用光変調パネル140Rと、を含む。青用光変調パネル140Bは、青色光LBを画像情報に応じて変調し、青色の画像光を形成する。緑用光変調パネル140Gは、緑色光LGを画像情報に応じて変調し、緑色の画像光を形成する。赤用光変調パネル140Rは、赤色光LRを画像情報に応じて変調し、赤色の画像光を形成する。以下、青用光変調パネル140B、緑用光変調パネル140Gおよび赤用光変調パネル140Rをまとめて呼ぶ場合、各光変調パネル140B,140G,140Rと称す。
【0107】
各光変調パネル140B,140G,140Rとしては、例えばDMD(Digital Micromirror Device)が用いられる。DMDは、複数のマイクロミラーがマトリクス状に配列されたものである。DMDは、複数のマイクロミラーの傾き方向を切換えることにより、光合成素子143とともに、入射光の反射方向を、投射光学系6に入射する方向と投射光学系6に入射しない方向との間で切り替え可能である。
【0108】
光合成素子143は、複数のプリズム部材を組わせて構成される。光合成素子143は、光源装置2から射出されて均一照明ユニット5を経由した照明光WLを赤色光LR、緑色光LGおよび青色光LBに分離しつつ、各光変調パネル140B,140G,140Rに対応する光を入射させる。また、光合成素子143は、各光変調パネル140B,140G,140Rから投射光学系6に入射する方向に反射された光を合成し、画像光を生成する。
【0109】
画像形成ユニット104の光合成素子143により合成された画像光は投射光学系6に入射する。投射光学系6は、光合成素子143により合成された画像光をスクリーンSCRに向けて拡大投射する。これにより、スクリーンSCR上には、拡大されたカラー映像が表示される。
【0110】
本実施形態のプロジェクター100において、画像形成ユニット104および均一照明ユニット5は熱を発生させる発熱体となる。本実施形態のプロジェクター100は、画像形成ユニット104および均一照明ユニット5を冷却する冷却機構を備えている。
【0111】
図11は本実施形態の冷却機構の概略構成を示す模式図である。
図11に示すように、本実施形態の冷却機構360は、第1収容部144と、第2収容部54と、第1熱伝導部170と、第2熱伝導部8と、第1ファン9と、第1ダクト10と、を有する。すなわち、本実施形態のプロジェクター100は、第1収容部144と、第2収容部54と、第1熱伝導部170と、第2熱伝導部8と、第1ファン9と、第1ダクト10と、をさらに備えている。
【0112】
本実施形態の第1収容部144は、画像形成ユニット104の構成部材である、複数の光変調パネル140と光合成素子143と、を密閉状態で収容する。
【0113】
第1熱伝導部170は、第1収容部144に収容された各光変調パネル140B,140G,140Rから受熱し、第1収容部144の外部に熱を伝導する。第1熱伝導部170は、第1熱伝導部材170Bと、第2熱伝導部材170Gと、第3熱伝導部材170Rと、を含む。
【0114】
第1熱伝導部材170Bは青用光変調パネル140Bに配置される。第1熱伝導部材170Bは青用光変調パネル140Bから第1ダクト10内に延在し、青用光変調パネル140Bからの熱を伝導する。
第2熱伝導部材170Gは緑用光変調パネル140Gに配置される。第2熱伝導部材170Gは緑用光変調パネル140Gから第1ダクト10内に延在し、緑用光変調パネル140Gからの熱を伝導する。
第3熱伝導部材170Rは赤用光変調パネル140Rに配置される。第3熱伝導部材170Rは赤用光変調パネル140Rから第1ダクト10内に延在し、赤用光変調パネル140Rからの熱を伝導する。
各熱伝導部材170B、170G、170Rとしては、例えば、グラファイトや銅等の他、冷媒の蒸発および凝縮を利用するヒートパイプやベイパーチャンバー等が用いられる。
【0115】
第2熱伝導部8は、第2収容部54内において最も発熱する偏光変換素子52に配置され、偏光変換素子52から第1ダクト10内に延在し、偏光変換素子52からの熱を伝導する。
【0116】
本実施形態のプロジェクター100によれば、冷却機構360によって、第1収容部144内に収容された各光変調パネル140B,140G,140Rの熱を第1熱伝導部170により第1ダクト10内に放出させるとともに、第2収容部54内に収容された偏光変換素子52の熱を第2熱伝導部8により第1ダクト10内に放出させることができる。これにより、各光変調パネル140B,140G,140R、偏光変換素子52を効率良く冷却することができる。
【0117】
また、本実施形態のプロジェクター100では、第1収容部144の密閉空間に各光変調パネル140B,140G,140Rを含む画像形成ユニット104が収容され、第2収容部54の密閉空間に偏光変換素子52および第2レンズアレイ51bが収容されている。そのため、周辺環境に煙が存在する場合においてもフィルター等を用いない場合でも、画像形成ユニット104、偏光変換素子52および第2レンズアレイ51bに対する塵や煙の付着が防止される。よって、画像形成ユニット104、偏光変換素子52および第2レンズアレイ51bに塵や煙が付着することによる表示品質の低下を抑制することができる。
【0118】
なお、本実施形態のプロジェクター100において、第1収容部144内に第2ファン11および第1熱交換器12を配置してもよい。この構成によれば、第1収容部144内に密閉状態で収容された画像形成ユニット104に対して冷たい気流Kを循環的に供給可能となるので、第1熱伝導部170とともに画像形成ユニット104の各構成部材を効率良く冷却可能となる。
【0119】
なお、本発明の一実施形態を例示して説明したが、本発明は上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0120】
(第1変形例)
続いて、プロジェクターの第1変形例について説明する。本変形例のプロジェクターは、第1熱伝導部の構成が第1実施形態のプロジェクター1と異なり、他の構成については共通である。以下では、第1熱伝導部の構成を主体に説明し、第1実施形態と共通の構成については同じ符号を付し、その説明については省略もしくは簡略化する。
【0121】
図12は、本変形例における第1熱伝導部の熱伝導経路を模式的に示した図である。
図12に示すように、本変形例の第1熱伝導部7Aは、液晶パネル40B,40G,40R、入射側偏光板41B,41G,41Rおよび射出側偏光板42B,42G,42Rのうち、射出側偏光板42B,42G,42Rからの熱を伝導する。本変形例の第1熱伝導部7Aは偏光板用熱伝導部材72により構成されている。
【0122】
ここで、画像形成ユニット4の構成部材のうち、射出側偏光板42B,42G,42Rは発熱量が最も多い。これは、射出側偏光板42B,42G,42Rは画像光として利用しない所定偏光以外を遮光して発熱するためである。
【0123】
これに対して本変形例の第1熱伝導部7Aは、最も発熱量が多い射出側偏光板42B,42G,42Rを冷却するため、装置構成を小型化しつつ、画像形成ユニット4を効率良く冷却することができる。
【0124】
なお、本変形例では射出側偏光板42B,42G,42Rから1つの偏光板用熱伝導部材72を第1ダクト10内に延在させる場合を例に挙げたが、射出側偏光板42B,42G,42Rからそれぞれ第1ダクト10内に複数の偏光板用熱伝導部材が延在させてもよい。
【0125】
(第2変形例)
続いて、プロジェクターの第2変形例について説明する。本変形例のプロジェクターは、第1熱伝導部の構成が第1実施形態のプロジェクター1と異なり、他の構成については共通である。以下では、第1熱伝導部の構成を主体に説明し、第1実施形態と共通の構成については同じ符号を付し、その説明については省略もしくは簡略化する。
【0126】
本変形例の第1熱伝導部は、青用液晶パネル40Bおよび緑用液晶パネル40Gから第1ダクト10内にそれぞれ延在する複数のパネル用熱伝導部材と、青用入射側偏光板41Bおよび緑用入射側偏光板41G、ならびに青用射出側偏光板42Bおよび緑用射出側偏光板42Gの少なくとも一方の各偏光板から第1ダクト10内にそれぞれ延在する複数の偏光板用熱伝導部材と、を有する。
【0127】
図13は、本変形例における第1熱伝導部の熱伝導経路を模式的に示した図である。
図13に示すように、本変形例の第1熱伝導部7Bは、第1熱伝導部材70B、第2熱伝導部材70G、第4熱伝導部材71B、第5熱伝導部材71G、第7熱伝導部材72Bおよび第8熱伝導部材72Gにより構成されている。
第7熱伝導部材72Bは、青用射出側偏光板42Bから第1ダクト10内に延在し、青用射出側偏光板42Bからの熱を伝導する。
第8熱伝導部材72Gは、緑用射出側偏光板42Gから第1ダクト10内に延在し、緑用射出側偏光板42Gからの熱を伝導する。
【0128】
すなわち、本変形例の第1熱伝導部7Bは、青色および緑色に対応する液晶パネル40B、40Gからそれぞれ延在する複数のパネル用熱伝導部材と、青色および緑色に対応する入射側偏光板41B、41Gおよび射出側偏光板42B、42Gからそれぞれ延在する複数の偏光板用熱伝導部材と、を有する。
なお、本変形例において、第1熱伝導部材70Bおよび第2熱伝導部材70Gは「複数のパネル用熱伝導部材」に相当し、第4熱伝導部材71B、第5熱伝導部材71G、第7熱伝導部材72Bおよび第8熱伝導部材72Gは「複数の偏光板用熱伝導部材」に相当する。
【0129】
ここで、各液晶パネル40B,40G,40Rにおける発熱度合いはパネル毎に異なる。例えば、緑色光に対応する緑用液晶パネル40Gは他の液晶パネル40B,40Rよりも発熱量が大きい。これは、緑用液晶パネル40Gは、照明光WLの色バランスを考慮した際、液晶パネル40B,40Rよりも多くの光が入射されるためである。
また、青色光に対応する青用液晶パネル40Bは、光源装置2から短波長帯で高エネルギーの光が入射するため、他の液晶パネル40R、40Gに比べて耐光性を高める必要がある。
なお、光の波長帯における発熱度合いの差は、入射側偏光板41B,41G,41Rおよび射出側偏光板42B,42G,42Rにおいても同様のことが言える。
【0130】
本変形例の第1熱伝導部7Bでは、最も発熱量が多い緑色光に対応する緑用液晶パネル40G、緑用入射側偏光板41Gおよび緑用射出側偏光板42Gと、高エネルギーの青色光に対応する青用液晶パネル40B、青用入射側偏光板41Bおよび青用射出側偏光板42Bと、を独立した熱伝導部材によって個別に冷却することができる。これにより、装置構成をできるだけ小型化しつつ、画像形成ユニット4の冷却効率を高めることができる。
【0131】
なお、本変形例では入射側偏光板41B、41Gおよび射出側偏光板42B、42Gにそれぞれ熱伝導部材を設ける場合を例に挙げたが、入射側偏光板41B、41Gおよび射出側偏光板42B、42Gのいずれか一方のみに熱伝導部材を設けてもよい。例えば、発熱量の多い射出側偏光板42B、42Gに第7熱伝導部材72Bおよび第8熱伝導部材72Gを設けた場合、装置構成を簡略化しつつ、画像形成ユニットの冷却効率を高めることができる。
【0132】
(第3変形例)
続いて、プロジェクターの第3変形例について説明する。本変形例のプロジェクターは、第1熱伝導部の構成が第1実施形態のプロジェクター1と異なり、他の構成については共通である。以下では、第1熱伝導部の構成を主体に説明し、第1実施形態と共通の構成については同じ符号を付し、その説明については省略もしくは簡略化する。
【0133】
図14は、本変形例における第1熱伝導部の熱伝導経路を模式的に示した図である。
図14に示すように、本変形例の第1熱伝導部7Cは、青用液晶パネル40Bおよび緑用液晶パネル40G、ならびに青用射出側偏光板42Bおよび緑用射出側偏光板42Gの熱を受熱し、第1ダクト10内に延在する1つの熱伝導部材73を有する。
【0134】
ここで、入射側偏光板41B,41G,41Rは、液晶パネル40B,40G,40Rや射出側偏光板42B,42G,42Rに比べて発熱し難く、発熱量が少ない。これは、入射側偏光板41B,41G,41Rは、偏光変換素子52により変換された所定の直線偏光を透過させるため、遮光による発熱量が抑えられるためである。
【0135】
本変形例の第1熱伝導部7Cでは、発熱量が相対的に低い入射側偏光板41B,41G,41Rに対する熱伝導部材を省略することで構成の簡略化を図ることができる。また、第1熱伝導部7Cは、最も発熱量が多い緑色光に対応する緑用液晶パネル40Gおよび緑用射出側偏光板42Gと、高エネルギーの青色光に対応する青用液晶パネル40Bおよび青用射出側偏光板42Bと、を1つの熱伝導部材73で効率良く冷却できる。これにより、構成を複雑化させることなく、画像形成ユニット4の冷却効率を高めることができる。
【0136】
(第4変形例)
続いて、プロジェクターの第4変形例について説明する。本変形例のプロジェクターは、第2熱伝導部の構成が第1実施形態のプロジェクター1と異なり、他の構成については共通である。以下では、第2熱伝導部の構成を主体に説明し、第1実施形態と共通の構成については同じ符号を付し、その説明については省略もしくは簡略化する。
【0137】
図15は、本変形例における第2熱伝導部の熱伝導経路を模式的に示した図である。
図15に示すように、本変形例の第2熱伝導部8Aは1つの熱伝導部材180を含む。熱伝導部材180は、第2収容部54内に収容された第2レンズアレイ51bの熱を受熱する受熱部180aと、受熱部180aから第1ダクト10内に延びる放熱部180bと、を含む。本変形例において、第2レンズアレイ51bは、接着剤56で支持部材81に固定される。一方、第1レンズアレイ51aは、ばね部材55を介して支持部材81に固定される。
【0138】
本変形例の第2熱伝導部8Aでは、第2レンズアレイ51bを熱伝導部材180で効率良く冷却することで、第2レンズアレイ51bを支持部材81に固定する接着剤56への熱伝導を抑制できる。これにより、熱による接着剤56の劣化を抑制することで第2レンズアレイ51bを第2収容部54内に安定して固定できる。
【0139】
なお、本変形例において、熱伝導部材180は第2レンズアレイ51bからの熱を伝導する場合を例に挙げたが、熱伝導部材180は偏光変換素子52からの熱も合わせて伝導してもよい。この場合、受熱部180aの一部は偏光変換素子52の光入射面側に配置される。
【0140】
また、上記実施形態および変形例では、第2収容部54内に均一照明ユニット5の一部である偏光変換素子52および第2レンズアレイ51bを密閉空間で収容する場合を例に挙げたが、本発明はこれに限られない。例えば、第2収容部54内に均一照明ユニット5の全体を収容しても良いし、第2収容部54内に均一化光学素子51と偏光変換素子52とを収容しても良いし、第2収容部54内に均一化光学素子51のみを収容しても良いし、第2収容部54内に偏光変換素子52のみを収容しても良い。また、第2収容部54内に均一化光学素子51の一方のレンズアレイのみを収容しても良いし、第2収容部54内に偏光変換素子52と重畳レンズ53とを収容しても良い。
【0141】
本発明の態様のプロジェクターは、以下の構成を有していてもよい。
本発明の一態様のプロジェクターは、光源装置と、光源装置から射出した光を均一化する均一化光学素子と、均一化光学素子から射出された光の偏光を揃える偏光変換素子と、偏光変換素子から射出された光が入射する液晶パネルと、液晶パネルの光入射側に配置された入射側偏光板と、液晶パネルの光射出側に配置された射出側偏光板と、液晶パネルで変調した光を投射する投射光学系と、液晶パネル、入射側偏光板および射出側偏光板の少なくとも一つを密閉状態で収容する第1収容部と、均一化光学素子の少なくとも一部および偏光変換素子の少なくとも一つを密閉状態で収容する第2収容部と、第1収容部に収容された液晶パネル、入射側偏光板および射出側偏光板の少なくとも一つから受熱し、第1収容部の外部に熱を伝導する第1熱伝導部と、第2収容部に収容された均一化光学素子の少なくとも一部および偏光変換素子の少なくとも一つから受熱し、第2収容部の外部に熱を伝導する第2熱伝導部と、第1熱伝導部および第2熱伝導部に向けて気流を送る第1ファンと、第1ファンから延在し、第1熱伝導部および第2熱伝導部の一部が配置される第1ダクトと、を備える。
【0142】
上記態様のプロジェクターにおいて、第1熱伝導部は、液晶パネル、入射側偏光板および射出側偏光板のうち少なくとも射出側偏光板からの熱を伝導する、構成としてもよい。
【0143】
上記態様のプロジェクターにおいて、液晶パネル、入射側偏光板および射出側偏光板を複数ずつ備え、複数の液晶パネルは、青用液晶パネルと、緑用液晶パネルと、赤用液晶パネルと、を含み、複数の入射側偏光板は、青用入射側偏光板と、緑用入射側偏光板と、赤用入射側偏光板と、を含み、複数の射出側偏光板は、青用射出側偏光板と、緑用射出側偏光板と、赤用射出側偏光板と、を含み、第1収容部は、複数の液晶パネルと、複数の入射側偏光板と、複数の射出側偏光板と、複数の液晶パネルから射出した光を合成する光合成素子と、を密閉状態で収容する、構成としてもよい。
【0144】
上記態様のプロジェクターにおいて、第1熱伝導部は、青用液晶パネルおよび緑用液晶パネルの少なくとも一方、青用入射側偏光板および緑用入射側偏光板の少なくとも一方、ならびに青用射出側偏光板および緑用射出側偏光板の少なくとも一方、の少なくとも一つからの熱を伝導する、構成としてもよい。
【0145】
上記態様のプロジェクターにおいて、第1熱伝導部は、少なくとも青用液晶パネルおよび緑用液晶パネルから第1ダクト内にそれぞれ延在する複数のパネル用熱伝導部材と、青用入射側偏光板および緑用入射側偏光板の少なくとも一方、ならびに青用射出側偏光板および緑用射出側偏光板の少なくとも一方から第1ダクト内にそれぞれ延在する複数の偏光板用熱伝導部材と、を有する、構成としてもよい。
【0146】
上記態様のプロジェクターにおいて、第1熱伝導部は、青用液晶パネルおよび緑用液晶パネル、ならびに青用射出側偏光板および緑用射出側偏光板のうち少なくとも一方の熱を受熱し、第1ダクト内に延在する1つの熱伝導部材を有する、構成としてもよい。
【0147】
上記態様のプロジェクターにおいて、第1熱伝導部は、青用液晶パネルから第1ダクト内に延在する第1熱伝導部材と、緑用液晶パネルから第1ダクト内に延在する第2熱伝導部材と、少なくとも青用射出側偏光板および緑用射出側偏光板から第1ダクト内に延在する1つの偏光板用熱伝導部材と、を含む、構成としてもよい。
【0148】
上記態様のプロジェクターにおいて、第1収容部に収容された第2ファンと、第2ファンによって第1収容部内に送られた気流を冷却する第1熱交換器と、をさらに備える、構成としてもよい。
【0149】
上記態様のプロジェクターにおいて、第1収容部に接続される第2ダクトと、第2ダクトを介して第1収容部内に気流を送る第3ファンと、第1収容部内から排出した気流を第3ファンの吸気口へと送る第3ダクトと、をさらに備える、構成としてもよい。
【0150】
上記態様のプロジェクターにおいて、第3ダクト内を流れる気流から吸熱する吸熱部と、第1ダクト内に配置された放熱部と、を有する第2熱交換器をさらに備える、構成としてもよい。
【0151】
上記態様のプロジェクターにおいて、第2収容部は、少なくとも偏光変換素子を収容し、第2熱伝導部は、少なくとも偏光変換素子の熱を伝導する、構成としてもよい。
【0152】
上記態様のプロジェクターにおいて、均一化光学素子は、一対のレンズアレイである、構成としてもよい。
【0153】
上記態様のプロジェクターにおいて、第2収容部は、少なくとも一方のレンズアレイを収容し、一方のレンズアレイは、接着剤で支持部材に固定されており、第2熱伝導部は、一方のレンズアイの熱を伝導する、構成としてもよい。
【0154】
上記態様のプロジェクターにおいて、他方のレンズアレイは、ばね部材を介して支持部材に固定される、構成としてもよい。
【0155】
上記態様のプロジェクターにおいて、第2収容部は、一対のレンズアレイにおいて後段に位置する後段レンズアレイと、後段レンズアレイの後段に位置する偏光変換素子と、を収容し、第2収容部の光入射部に、一対のレンズアレイにおいて前段に位置する前段レンズアレイが配置され、第2収容部の光射出部に重畳レンズが配置され、第2熱伝導部は、偏光変換素子の熱を伝導する、構成としてもよい。
【0156】
上記態様のプロジェクターにおいて、第2収容部内に気流を流す第4ファンをさらに備え、第4ファンからの気流は、少なくとも偏光変換素子の表面に沿って流れた後、第4ファンの吸気口へ送られる、構成としてもよい。
【0157】
本発明の別の態様のプロジェクターは、光源装置と、光源装置から射出した光を均一化する均一化光学素子と、均一化光学素子から射出した光が入射する光変調パネルと、光変調パネルで変調した光を投射する投射光学系と、光変調パネルを密閉状態で収容する第1収容部と、均一化光学素子の少なくとも一部を密閉状態で収容する第2収容部と、光変調パネルから受熱し、第1収容部の外部に熱を伝導する第1熱伝導部と、第2収容部に収容された均一化光学素子から受熱し、第2収容部の外部に熱を伝導する第2熱伝導部と、第1熱伝導部および第2熱伝導部に向けて気流を送る第1ファンと、第1ファンから延在し、第1熱伝導部および第2熱伝導部が配置される第1ダクトと、を備える。
【0158】
上記態様のプロジェクターにおいて、光変調パネルを複数備え、複数の光変調パネルは、青用光変調パネルと、緑用光変調パネルと、赤用光変調パネルと、を含み、第1収容部は、青用光変調パネル、緑用光変調パネルおよび赤用光変調パネルから射出した光を合成する光合成素子を密閉状態で収容する、構成としてもよい。
【符号の説明】
【0159】
1,100…プロジェクター、2…光源装置、6…投射光学系、7,7A,7B,7C,17,170…第1熱伝導部、8,8A…第2熱伝導部、9…第1ファン、10…ダクト、10…第1ダクト、11…第2ファン、12…第1熱交換器、13…第2ダクト、14…第3ダクト、15…第3ファン、15a,19a…吸気口、16…第2熱交換器、16a…吸熱部、16b…放熱部、19…第4ファン、40…液晶パネル、40B…青用液晶パネル、40G…緑用液晶パネル、40R…赤用液晶パネル、41…入射側偏光板、41B…青用入射側偏光板、41G…緑用入射側偏光板、41R…赤用入射側偏光板、42…射出側偏光板、42B…青用射出側偏光板、42G…緑用射出側偏光板、42R…赤用射出側偏光板、43,143…光合成素子、44,144…第1収容部、51…均一化光学素子、51a…第1レンズアレイ(前段レンズアレイ)、51b…第2レンズアレイ(一方のレンズアレイ、後段レンズアレイ)、52…偏光変換素子、53…重畳レンズ、54,154…第2収容部、55…ばね部材、56…接着剤、70B…第1熱伝導部材(パネル用熱伝導部材)、70G…第2熱伝導部材(パネル用熱伝導部材)、70R…第3熱伝導部材(パネル用熱伝導部材)、71B…第4熱伝導部材(偏光板用熱伝導部材)、71G…第5熱伝導部材(偏光板用熱伝導部材)、71R…第6熱伝導部材(偏光板用熱伝導部材)、72…偏光板用熱伝導部材、81…支持部材、140…光変調パネル、140B…青用光変調パネル、140G…緑用光変調パネル、140R…赤用光変調パネル、155a…光入射部、155b…光射出部、K,K1,K2…気流。