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特許7400793フレーム吊下装置、及びフレーム吊下方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】フレーム吊下装置、及びフレーム吊下方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 17/20 20060101AFI20231212BHJP
   B65G 60/00 20060101ALI20231212BHJP
   E04G 21/16 20060101ALN20231212BHJP
【FI】
B65G17/20 C
B65G60/00 C
E04G21/16
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021188283
(22)【出願日】2021-11-19
(65)【公開番号】P2023075403
(43)【公開日】2023-05-31
【審査請求日】2022-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】堀江 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】大森 丈弘
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 遼平
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-085261(JP,A)
【文献】実開昭58-027221(JP,U)
【文献】実開昭50-049878(JP,U)
【文献】実開平06-063523(JP,U)
【文献】米国特許第03675788(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 17/20
B65G 60/00
E04G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1支持面及び第2支持面を有しており、段積みされた第1状態のフレーム群を上記第1支持面が支持する第1回転姿勢、及び上記フレーム群が起立した第2状態の上記フレーム群を上記第2支持面が支持する第2回転姿勢に回転可能な第1支持台と、
上記第2回転姿勢の上記第1支持台から上記フレーム群を第1位置において受け取って上記第2状態で支持したまま第2位置へ移動する第2支持台と、
上記第2位置の上記第2支持台に支持された上記フレーム群に対して上記第1状態における下方側となるフレームからアクセスして、上記フレーム群から少なくとも一部のフレームを受け取って上記第2状態で支持したまま搬送ハンガが吊り下げ可能に当該フレームを上昇させる第3支持台と、を備えたフレーム吊下装置。
【請求項2】
上記第2支持面は、櫛歯形状の第1支持材から構成され、
上記第2支持台の第3支持面は、上記第1支持材の櫛歯形状の隙間を通過可能な複数の第2支持材から構成される請求項1に記載のフレーム吊下装置。
【請求項3】
上記第1支持台は、第1方向に沿った軸周りに回転可能であり、
上記第2支持台は、上記第1位置において、上記第1支持台と、上記第1方向と直交する第2方向に並んでおり、上記第1方向に沿って移動することにより上記第1位置と上記第2位置とに移動可能であり、
上記第3支持台は、上記第2位置の上記第2支持台と、上記第2方向に並んでいる請求項1または2に記載のフレーム吊下装置。
【請求項4】
上記第1支持面は、上記第1状態の上記フレーム群を支持して上下方向に沿った軸周りに回転する回転台により構成される請求項1から3のいずれかに記載のフレーム吊下装置。
【請求項5】
段積みされた第1状態のフレーム群を第1支持台の第1支持面に支持させ、当該第1支持台を回転することにより上記フレーム群が起立した第2状態として、上記第1支持台の第2支持面に支持させるステップと、
上記第2支持面に支持された上記フレーム群を、上記第2状態のまま上記第1支持台から第1位置の第2支持台へ受け渡すステップと、
上記第1位置の上記第2支持台を第2位置へ移動するステップと、
上記第2位置の上記第2支持台が支持する上記フレーム群において、上記第1状態の下方側の一部のフレームを第3支持台へ受け渡すステップと、
上記第3支持台を上昇させて当該第3支持台が支持するフレームを搬送ハンガに吊り下げるステップと、を備えるフレーム吊下方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装ラインなどの搬送ハンガにフレームを吊り下げる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、住宅の外壁に用いられる面体フレームを開示する。縦の長さや横の長さ等が相違する種々の形状の面体フレームが一の住宅(邸)に使用される。
【0003】
特許文献2は、邸ごとに面体フレームを製造する製造ラインを開示する。この製造ラインでは、邸における面体フレームの施工順で面体フレームが製造される。
【0004】
製造された複数の面体フレームは、パレットに段積みされて塗装ラインに運ばれ、電着塗装がされる。電着塗装がされた複数の面体フレームは、パレットに段積みされ、出荷される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-60402号公報
【文献】特開2012-218078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
面体フレームは、例えば外形や重量が大きなものほど下方に位置したり、施工順に適した順序であったりなど、所望の順でパレットに積み上げられる。パレットに積み上げられた面体フレームが、上側から順に搬送ハンガに吊り下げられて塗装ラインに送られ、塗装後の面体フレームが順にパレットに積み上げられると、塗装の前後で面体フレームの積み順が逆になる。
【0007】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、段積みされた複数のフレームの積み順が、搬送ハンガへの吊り下げ前後で変わらないフレームの吊り下げ手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明に係るフレーム吊下装置は、第1支持面及び第2支持面を有しており、段積みされた第1状態のフレーム群を上記第1支持面が支持する第1回転姿勢、及び上記フレーム群が起立した第2状態の上記フレーム群を上記第2支持面が支持する第2回転姿勢に回転可能な第1支持台と、上記第2回転姿勢の上記第1支持台から上記フレーム群を第1位置において受け取って上記第2状態で支持したまま第2位置へ移動する第2支持台と、上記第2位置の上記第2支持台に支持された上記フレーム群に対して上記第1状態における下方側からアクセスして、上記フレーム群から少なくとも一部のフレームを受け取って上記第2状態で支持したまま搬送ハンガが吊り下げ可能に当該フレームを上昇させる第3支持台と、を備える。
【0009】
段積みされたフレーム群が第1支持台の第1支持面に載置される。第1支持台が第1回転姿勢から第2回転姿勢になることにより、フレーム群が起立される。起立にされたフレーム群は、第1位置において第2支持台に受け渡され、第2支持台によって第2位置へ運ばれる。第2位置は、例えば塗装ラインの搬送ハンガの直下となる位置である。フレーム群のフレームは、第3支持台によって上昇され、搬送ハンガに吊り下げられる。その際、第3支持台は、段積みされた第1状態における下方に位置するフレームから順に搬送ハンガに吊り下げる。搬送ハンガから降ろされた順に段積みされたフレームの順序は、搬送ハンガへの吊り下げ前後で変わらない。
【0010】
(2) 上記第2支持面は、櫛歯形状の第1支持材から構成され、上記第2支持台の第3支持面は、上記第1支持材の櫛歯形状の隙間を通過可能な複数の第2支持材から構成されていてもよい。
【0011】
櫛歯形状の第1支持部材に支持されたフレーム群は、第1支持材の櫛歯形状の隙間を通過した複数の第2支持材から構成される第2支持台の第3支持面に支持されて、第1支持台から第2支持台に受け渡される。
【0012】
(3) 上記第1支持台は、第1方向に沿った軸周りに回転可能であり、上記第2支持台は、上記第1位置において、上記第1支持台と、上記第1方向と直交する第2方向に並んでおり、上記第1方向に沿って移動することにより上記第1位置と上記第2位置とに移動可能であり、上記第3支持台は、上記第2位置の上記第2支持台と、上記第2方向に並んでいてもよい。
【0013】
(4) 上記第1支持面は、上記第1状態の上記フレーム群を支持して上下方向に沿った軸周りに回転する回転台により構成されていてもよい。
【0014】
回転台が上下方向に沿った軸周りに回転することにより、フレーム群の向きを変えて起立させることができる。
【0015】
(5) 本発明に係るフレーム吊下方法は、段積みされた第1状態のフレーム群を第1支持台の第1支持面に支持させ、当該第1支持台を回転することにより上記フレーム群が起立した第2状態として、上記第1支持台の第2支持面に支持させるステップと、上記第2支持面に支持された上記フレーム群を、上記第2状態のまま上記第1支持台から第1位置の第2支持台へ受け渡すステップと、上記第1位置の上記第2支持台を第2位置へ移動するステップと、上記第2位置の上記第2支持台が支持する上記フレーム群において、上記第1状態の下方側の一部のフレームを第3支持台へ受け渡すステップと、上記第3支持台を上昇させて当該第3支持台が支持するフレームを搬送ハンガに吊り下げるステップと、を備える。
【0016】
本発明は、フレームを搬送ハンガに吊り下げるフレーム吊下方法として捉えることもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、段積みされた複数のフレームの積み順が搬送ハンガへの吊り下げ前後で変わらない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、自動吊下装置20の平面図である。
図2図2は、自動吊下装置20の機能ブロック図である。
図3図3は、第1装置21の正面図である。
図4図4は、第1装置21の平面図である。
図5図5は、第2装置22の正面図である。
図6図6は、第2装置22の平面図である。
図7図7は、第1装置21から第2装置22へのフレーム群13の受け渡し時の状態を説明する説明図である。
図8図8は、第3装置23の正面図である。
図9図9(A)は、第3装置23の平面図であり、図9(B)は、シャッタ83、84及びシャッタ用シリンダ85、86の構成を説明する説明図(平面図)である。
図10図10は、第2装置22から第3装置23への軸組フレーム12の受け渡しを説明する説明図である。
図11図11は、自動吊下装置20の動作説明図である。
図12図12は、自動吊下装置20の動作説明図である。
図13図13は、自動吊下装置20の動作説明図である。
図14図14は、段積みされたフレーム群13の正面図である。
図15図15は、軸組フレーム12の種類と搬送ハンガ11に取り下げられた状態とを説明する説明図である。
図16図16は、制御装置25が実行する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0020】
本実施形態では、電着塗装ラインで使用される自動吊下装置20(図1参照)を説明する。電着塗装ラインは、複数の搬送ハンガ11や不図示の電着塗装用槽を備えており、搬送ハンガ11に吊り下げられた被塗装部材に電着塗装を行うラインである。自動吊下装置20は、被塗装部材として、建材である軸組フレーム12(図15参照)を搬送ハンガ11に吊り下げる装置である。軸組フレーム12は、フレームの一例である。なお、自動吊下装置20は、電着塗装ラインとは異なる用途に用いられてもよい。
【0021】
軸組フレーム12は、邸(住宅)の外壁に用いられる部材である。邸では、形状や寸法などの仕様が相違する種々の軸組フレーム12(図15参照)が使用される。軸組フレーム12は、邸ごと、かつ邸での施工順で、製造ラインで製造される。図14に示されるように、製造された軸組フレーム12は、製造された順、すなわち邸での施工順で、パレットや台木などの支持部材15に下から順に積み上げられる。すなわち、複数の軸組フレーム12は、支持部材15に段積みされる。支持部材15に段積みされた複数の軸組フレーム12からなるフレーム群13は、フォークリフトなどによって電着塗装ラインまで運ばれる。そして、軸組フレーム12は、自動吊下装置20によって、搬送ハンガ11に吊り下げられる。なお、支持部材15に積み上げられる軸組フレーム12の順序は、製造順や施工順に限定されず、外形や重量などを考慮して搬送において荷崩れしにくい順序など、その他の所望の順序であってもよい。
【0022】
本実施形態では、図15に示されるように、軸組フレーム12が、上弦材101、下弦材102、及び一対の柱材103、104を有する矩形枠状である場合が説明される。但し、軸組フレーム12の形状は、矩形枠状に限られない。また、本実施形態では、軸組フレーム12の長い方の辺を構成する柱材103、104が延びる方向が長手方向17と称され、軸組フレーム12の短い方の辺を構成する上弦材101或いは下弦材102が延びる方向が短手方向18と称され、長手方向17及び短手方向18に直交する方向が厚み方向19(図14参照)と称される。
【0023】
図1に示される自動吊下装置20は、邸における施工順でフレーム群13から軸組フレーム12をピックアップして搬送ハンガ11に吊り下げる装置である。すなわち、段積みされたフレーム群13の下に位置する軸組フレーム12から順にピックアップして搬送ハンガ11に吊り下げる装置である。以下、自動吊下装置20について詳しく説明がされる。
【0024】
自動吊下装置20は、第1装置21、第2装置22、及び第3装置23と、移動装置24と、これらの装置の駆動制御を行う制御装置25(図2参照)と、検知センサ群26(図2参照)と、を備える。
【0025】
移動装置24は、第1装置21を第2装置22まで移動させる装置である。移動装置24は、例えばコンベアであって、本体31と、本体31に支持された搬送台32と、駆動モータ33(図2参照)と、を有している。本体31は、工場の床に設置されている。本体31は、搬送台32を水平方向に沿って移動可能に支持している。駆動モータ33は、制御装置25が駆動モータ33の駆動回路に入力する制御信号によって駆動し、搬送台32を移動させる。すなわち、移動装置24は、制御装置25によって駆動を制御される。なお、制御装置25に代えて、作業者の手動操作によって、移動装置24が駆動されてもよい。
【0026】
第1装置21は、段積みされたフレーム群13を起立させて第2装置22に受け渡す装置である。
【0027】
図2に示されるように、第1装置21は、第1装置本体41と、台座48と、第1支持台42と、向き変更用モータ43と、上昇用シリンダ44と、起立用シリンダ45とを備える。
【0028】
図3に示されるように、第1装置本体41は、移動装置24の搬送台32に載置されている。第1装置21は、移動装置24によって、フレーム群13を受け取る受取位置(図11(A))と、フレーム群13を第2装置22に受け渡す受渡位置(図11(C))との間で、水平方向に沿って移動する。以下では、特に言及しない限り、第1装置21が受取位置にあるものとして説明がされる。また、本実施形態では、移動装置24によって第1装置21が移動される方向が第2方向9と称され、水平方向に沿い、かつ第2方向9と直交する方向が第1方向8と称され、鉛直方向に沿う方向が上下方向7と称される。
【0029】
台座48は、第1回転軸46周りに回転可能に第1装置本体41に支持されている。第1回転軸46は、円柱状であって、その軸線は、上下方向7に沿って延びている。第1回転軸46は、第1回転姿勢において、第1方向8及び第2方向9における台座48の中央部に位置している。すなわち、台座48は、中央部を中心に回転する。第1方向8及び第2方向9は、水平方向に沿い、かつ上下方向7に直交し、また、互いに直交する方向である。
【0030】
台座48は、所定の回転位置を基準として、第1回転軸46を中心に時計回り及び反時計回りに回転する。本実施形態では、所定の回転位置が基準回転位置と称される。図1において、基準回転位置の第1装置21が実線で示され、基準回転位置から90度回転された第1装置21が破線で示されている。台座48が第1回転軸46周りに回転することにより、フレーム群13(図14参照)が載置される際の第1装置21の向きを変更することができる。詳しくは後述される。
【0031】
第1支持台42は、第2回転軸47周りに回転可能に台座48に支持されている。すなわち、第1支持台42は、台座48とともに第1回転軸46周りに回転可能であり、かつ第2回転軸47周りに回転可能である。第2回転軸47は、円柱状であって、その軸線は、第1方向8に沿って延びている。第1支持台42は、第1回転姿勢と第2回転姿勢との間で、概ね90度の範囲で第2回転軸47周りに回転する。図3及び図4において、第1回転姿勢にある第1支持台42が実線で示され、第2回転姿勢にある第1支持台42が破線で示されている。
【0032】
第1支持台42は、矩形枠状の枠状支持部材51と、並列する複数の棒状片53を有する櫛歯形状の第1櫛歯状支持部材52と、を有する。
【0033】
枠状支持部材51は、第1回転姿勢において第1方向8及び第2方向9に沿って延びており、第2回転姿勢において上下方向7及び第1方向8に沿って延びている。第2回転軸47は、第1回転姿勢において、第2方向9における枠状支持部材51の端部(図3における右端部)に位置している。すなわち、枠状支持部材51は、第2方向9における端部を回転中心として回転する。以下では、特に言及しない限り、第1支持台42が第1回転姿勢にあるものとして説明がされる。
【0034】
図14に示されるフレーム群13は、フォークリフトによって運ばれ、枠状支持部材51に載置される。フォークリフトの爪14がフレーム群13の軸組フレーム12の柱材103、104(図15参照)側から差し込まれるか、上弦材101或いは下弦材102(図15参照)側から差し込まれるかによって、フォークリフトに対する軸組フレーム12の向きが変わる。図3に示される枠状支持部材51は、軸組フレーム12の長手方向17が第2方向9に一致し、短手方向18が第1方向8一致するように基準回転位置から第1回転軸46周りに台座48と一体に回転されて、フレーム群13を載置される。フレーム群13を載置された第1支持台42は、第1回転軸46周りに反対向きに回転されて基準回転位置に戻される。台座48及び第1支持台42は、回転台の一例である。
【0035】
向き変更用モータ43(図2参照)は、台座48を第1回転軸46周りに回転させるモータである。向き変更用モータ43は、第1装置本体41に固定されている。向き変更用モータ43のシャフトは、直接或いはギア等を介して第1回転軸46と連結されている。電動モータやエアモータや油圧モータが、向き変更用モータ43に用いられる。向き変更用モータ43がエアモータや油圧モータである場合、制御装置25は、エア圧回路や油圧回路に配置された電磁弁に制御信号を入力することにより、向き変更用モータ43の回転の向きやオンオフなどの駆動を制御する。向き変更用モータ43が電動モータである場合、制御装置25は、向き変更用モータ43の駆動回路に制御信号を入力することにより、向き変更用モータ43の回転の向きやオンオフなどの駆動を制御する。なお、制御装置25に代えて、作業者の手動操作によって、向き変更用モータ43が駆動されてもよい。また、向き変更用モータ43に代えて、シリンダ及びカム部材が用いられていてもよい。当該シリンダは、エアシリンダや油圧シリンダや電動シリンダなど、制御装置25によって駆動を制御されるシリンダである。カム部材は、シリンダの伸縮運動を回転運動に変えて第1回転軸46に伝達し、台座48を第1回転軸46周りに回転させる。
【0036】
図3及び図4に示されるように、枠状支持部材51には、4つの上昇用シリンダ44が取り付けられている。上昇用シリンダ44は、上下方向7に沿って伸長及び縮小する向きで枠状支持部材51に固定されている。上昇用シリンダ44の突出端(上端)は、縮小状態において、第1回転姿勢にある枠状支持部材51の上面より下方に位置しており、伸長状態において、第1回転姿勢にある枠状支持部材51の上面より上方に位置している。図3では、上昇用シリンダ44は縮小状態である。
【0037】
エアシリンダや油圧シリンダや電動シリンダが上昇用シリンダ44として用いられる。上昇用シリンダ44がエアシリンダや油圧シリンダである場合、制御装置25は、エア圧回路や油圧回路に配置された電磁弁に制御信号を入力することによって上昇用シリンダ44の伸縮を制御する。上昇用シリンダ44が電動シリンダである場合、制御装置25は、上昇用シリンダ44のモータの駆動回路に制御信号を入力することによって、上昇用シリンダ44の伸縮を制御する。
【0038】
伸長した上昇用シリンダ44は、図11(B)に示されるように、枠状支持部材51に載置されたフレーム群13を上昇させる。詳しく説明すると、軸組フレーム12の厚みやフレーム群13を構成する軸組フレーム12の個数などによって、フレーム群13の高さが変わる。制御装置25は、第1装置21におけるフレーム群13の上端位置が所定位置になるように、フレーム群13を構成する軸組フレーム12の個数や軸組フレーム12の厚みなどに応じたストローク長だけ上昇用シリンダ44を伸長させる。なお、上記所定位置は、例えば、第1回転姿勢における第1櫛歯状支持部材52の上端の位置である。すなわち、枠状支持部材51に載置されたフレーム群13は、その上端が第1櫛歯状支持部材52の上端と同じ高さ位置に達するまで上昇される。フレーム群13の上端位置は、例えば製造データとともにメモリ114に予め記憶される。或いは、フレーム群13の上端位置は、不図示のセンサやカメラによって計測されてもよい。また、制御装置25に代えて、作業者の手動操作によって、フレーム群13の上端位置が上記所定位置になるように第1装置21の上昇用シリンダ44が伸長されてもよい。
【0039】
第1回転姿勢にある枠状支持部材51の上面或いは上昇用シリンダ44の先端面は、第1支持面の一例である。第1回転姿勢にある枠状支持部材51の上面或いは上昇用シリンダ44の先端面に支持されたフレーム群13の段積み状態は、第1状態の一例である。
【0040】
図11(C)及び図11(D)に示されるように、枠状支持部材51は、第1回転姿勢から第2回転姿勢に回転することにより、段積みされた状態のフレーム群13を起立状態に起こす。図11(D)に示される起立状態において、軸組フレーム12の長手方向17は、上下方向7に沿っている。フレーム群13の起立状態は、第2状態の一例である。
【0041】
図3及び図4に示されるように、第1櫛歯状支持部材52の棒状片53の長手方向は、第1回転姿勢において上下方向7に沿って延びており、第2回転姿勢において第2方向9に沿って延びている。複数の棒状片53は、第1方向8において互いに離間して並んでいる。第1回転姿勢において、棒状片53の下端部は、第2方向9における枠状支持部材51の端部(図3における右端部)と連結している。図11(D)に示されるように、第2回転姿勢にされた第1櫛歯状支持部材52は、起立状態にあるフレーム群13の各軸組フレーム12の下端を支持する。第1櫛歯状支持部材52は、第1支持材の一例である。第2回転姿勢における第1櫛歯状支持部材52の上面は、第2支持面の一例である。
【0042】
図3に示される起立用シリンダ45は、第1支持台42を第2回転軸47周りに回転させるシリンダである。起立用シリンダ45は、台座48に取り付けられている。起立用シリンダ45のロッドは、カム部材49を介して第2回転軸47と連結されている。カム部材49は、起立用シリンダ45の伸縮運動を回転運動に変えて第2回転軸47に伝達し、第2回転軸47とともに第1支持台42を回転させる。
【0043】
エアシリンダや油圧シリンダや電動シリンダが、起立用シリンダ45に用いられる。起立用シリンダ45がエアシリンダや油圧シリンダである場合、制御装置25は、エア圧回路や油圧回路に配置された電磁弁に制御信号を入力することにより、起立用シリンダ45を伸縮させる。起立用シリンダ45が電動シリンダである場合、制御装置25は、起立用シリンダ45の電動モータの駆動回路に制御信号を入力することにより、起立用シリンダ45を伸縮させる。なお、制御装置25に代えて、作業者の手動操作によって、起立用シリンダ45の電動モータが駆動されてもよい。また、起立用シリンダ45に代えて、エアモータや油圧モータや電動モータが用いられてもよい。
【0044】
なお、第1装置21は、第1装置21を移動させる移動装置24に代えて、走行装置を備えていてもよい。走行装置は、例えば車輪或いはクローラと、車輪やクローラを駆動させるモータとで構成される。このモータは、制御装置25からモータの駆動回路に入力される制御信号によって駆動される。第1装置21は、走行装置によって、受取位置と受渡位置との間で走行する。
【0045】
図2に示される第2装置22は、第1装置21からフレーム群13を受け取り、受け取ったフレーム群13を搬送ハンガ11の直下となる位置まで移動させる装置である。
【0046】
第2装置22は、第2装置本体61と、第2支持台62と、傾斜用シリンダ63と、押出用シリンダ64と、移動用モータ65とを備える。
【0047】
図4及び図5に示されるように、第2装置本体61は、複数の車輪66を回転可能に支持している。車輪66は、工場の床に付設されたレール16上に載置されている。このレール16は、第1方向8に沿って延びるように付設されている。
【0048】
車輪66は、移動用モータ65によって回転駆動される。移動用モータ65は、第2装置本体61に取り付けられている。移動用モータ65は、制御装置25が移動用モータ65の駆動回路に入力する制御信号によって、回転の向きやオンオフなどの駆動を制御される。すなわち、第2装置22の走行は、制御装置25によって制御される。なお、制御装置25に代えて、作業者の手動操作によって、移動用モータ65が駆動されてもよい。
【0049】
第2装置22は、第1装置21からフレーム群13を受け取る第1位置(図12(C))と、搬送ハンガ11の直下となる第2位置(図12(D))との間でレール16上を走行する。第1位置は、図1の実線で示される位置であって、第1装置21と第2方向9において並ぶ位置である。第2位置は、図1の破線で示される位置であって、第2方向9において第3装置23と並ぶ位置である。
【0050】
図5及び図6に示されるように、第2支持台62は、第3回転軸67周りに回転可能に第2装置本体61に支持されている。第3回転軸67は、円柱状であって、その軸線は、第1方向8に沿って延びている。第2支持台62は、基準回転姿勢と傾斜姿勢との間で回転する。図5において、基準回転姿勢にある第2支持台62は実線で示されて、傾斜姿勢にある第2支持台62は破線で示されている。
【0051】
第2支持台62は、複数の棒状片71を有する櫛歯形状の第2櫛歯状支持部材72と、背もたれ部材73とを有する。
【0052】
複数の棒状片71は、基準回転姿勢において、第2方向9に沿ってそれぞれ延びている。図6に示されるように、複数の棒状片71は、第1方向8において並んでいる。第1方向8における各棒状片71の離間距離は、第1方向8における第1装置21の各棒状片53の離間距離A(図4)と同じである。
【0053】
図5に示されるように、第3回転軸67は、第2方向9における棒状片71の端部(図5における右端部)に位置している。図7に示されるように、各棒状片71は、第1位置及び基準回転姿勢において、受渡位置及び第2回転姿勢にある第1装置21の各棒状片53の間となる位置或いは当該位置の下方となる位置に位置している。また、各棒状片71は、第1位置及び傾斜姿勢において、受渡位置及び第2回転姿勢にある第1装置21の各棒状片53の間となる位置かつ当該位置の上方となる位置に位置している。図12(A)に示されるように、第2支持台62が基準回転姿勢から傾斜姿勢に第3回転軸67周りに回転すると、各棒状片71が各棒状片53の隙間を下から上に向かう向きで通過する。これにより、第1装置21の第1櫛歯状支持部材52に支持されたフレーム群13が、起立状態のまま、第2装置22の第2櫛歯状支持部材72に受け渡される。複数の棒状片71を有する第2櫛歯状支持部材72は、第2支持材の一例である。基準回転姿勢での棒状片71の上面は、第3支持面の一例である。
【0054】
図5及び図6に示されるように、背もたれ部材73は、傾斜姿勢において、フレーム群13が倒れないように支える部材である。背もたれ部材73は、上下方向7及び第1方向8に沿って延びる板状である。基準回転姿勢において、背もたれ部材73の下端部は、第2方向9における棒状片71の端部(図5における右端部)と連結している。
【0055】
傾斜用シリンダ63は、第2支持台62を第3回転軸67周りに回転させて第2支持台62を傾斜させるシリンダである。傾斜用シリンダ63は、第2装置本体61に固定されている。具体的には、第2装置本体61は、背もたれ部材73の後方(図5における右側)に配置された固定部材76を有している。傾斜用シリンダ63は、固定部材76に取り付けられている。傾斜用シリンダ63のロッドは、背もたれ部材73と連結されている。傾斜用シリンダ63が縮小することにより、背もたれ部材73が固定部材76側に引き寄せられ、背もたれ部材73が基準回転姿勢から傾斜姿勢に第3回転軸67周りに回転される。傾斜用シリンダ63が伸長することにより、背もたれ部材73が傾斜姿勢から基準回転姿勢に第3回転軸67周りに回転される。本実施形態では、傾斜姿勢にある第2支持部材62の第2櫛歯状支持部材72及び背もたれ部材73に支持されたフレーム群13の状態が傾斜状態と称される。
【0056】
エアシリンダや油圧シリンダや電動シリンダが、傾斜用シリンダ63に用いられる。傾斜用シリンダ63がエアシリンダや油圧シリンダである場合、傾斜用シリンダ63は、制御装置25がエア圧回路や油圧回路に配置された電磁弁に入力する制御信号によって、伸縮する。傾斜用シリンダ63が電動シリンダである場合、傾斜用シリンダ63は、制御装置25が傾斜用シリンダ63の電動モータの駆動回路に入力する制御信号によって伸縮する。すなわち、傾斜用シリンダ63は、制御装置25によって駆動を制御される。なお、制御装置25に代えて、作業者の手動操作によって、傾斜用シリンダ63が伸長されてもよい。また、傾斜用シリンダ63に代えて、エアモータや油圧モータや電動モータからなる傾斜用モータが用いられてもよい。
【0057】
押出用シリンダ64は、フレーム群13の軸組フレーム12を第3装置23に受け渡すためのシリンダである。押出用シリンダ64は、背もたれ部材73に取り付けられている。4つの押出用シリンダ64が背もたれ部材73に取り付けられている。押出用シリンダ64は、背もたれ部材73と一体で第3回転軸67周りに回転する。押出用シリンダ64は、板状の背もたれ部材73の主面に直交する方向に沿って伸縮する。押出用シリンダ64は、伸長することによって、傾斜状態を維持したままフレーム群13を第2方向9(図5における左向き)に沿って押し出す。フレーム群13は、第2櫛歯状支持部材72の上面を滑ることによって、傾斜状態を維持したまま押出用シリンダ64に押されて移動する。フレーム群13を第2櫛歯状支持部材72で支持するから、フレーム群13を平面で支持する場合に比べ、フレーム群13の各フレーム12を押し出す際の摺動抵抗が低減する。
【0058】
押出用シリンダ64は、制御装置25が押出用シリンダ64の電動モータの駆動回路に入力する制御信号によって伸縮する。すなわち、押出用シリンダ64は、制御装置25によって駆動を制御される。なお、制御装置25に代えて、作業者の手動操作によって、押出用シリンダ64が伸長されてもよい。また、押出用シリンダ64に代えて、エアモータや油圧モータや電動モータからなる押出用モータが用いられてもよい。
【0059】
図1及び図2に示される第3装置23は、第2装置22から押し出された軸組フレーム12(図15参照)を受け取り、受け取った軸組フレーム12を上昇させて搬送ハンガ11に吊り下げる装置である。
【0060】
図2に示されるように、第3装置23は、第3装置本体81、第3支持台82、第1シャッタ83、第2シャッタ84、第1シャッタ用シリンダ85、第2シャッタ用シリンダ86、上昇用ジャッキ87、上昇用モータ88、及び傾斜用シリンダ89を備える。
【0061】
図2及び図8に示される第3装置本体81は、工場の床であって、搬送ハンガ11の直下となる位置に固定されている。
【0062】
図8に示されるように、2つの上昇用ジャッキ87が、第3装置本体81に固定されている。2つの上昇用ジャッキ87は、第1方向8に沿って並んでいる。上昇用ジャッキ87は、上下方向7に沿って伸縮する。
【0063】
2つの上昇用ジャッキ87は、減速ギアボックス90を介して、上昇用モータ88(図2参照)の回転駆動力を伝達されて、同一の伸長量或いは縮小量で伸縮する。
【0064】
第3支持台82は、第1方向8に沿って延びる棒状である。第3支持台82は、2つの上昇用ジャッキ87のロッドの先端に固定されており、上昇及び下降可能に上昇用ジャッキ87に支持されている。第3支持台82は、下限位置と上限位置との間で上昇及び下降する。図13(A)に示されるように、下限位置にある第3支持台82は、第2方向9において第2位置にある第2装置22と並んでいる。上限位置は、第3支持台82に支持された軸組フレーム12が搬送ハンガ11に吊り下げる吊下位置(図13(C)参照)よりも高い位置である。以下では、特に言及しない限り、第3支持台82が下限位置にあるものとして説明がされる。
【0065】
第1支持台42、第2支持台62、及び第3支持台82は、フレーム吊下装置の一例である。
【0066】
図9(A)及び図10に示されるように、第3支持台82は、第1方向8に沿って延びる支持台本体91と、支持台本体91の上面に載置された台座部92と、突出片93と、を有している。
【0067】
台座部92は、傾斜用シリンダ89(図2参照)によって、台座部92を傾斜させる。台座部92が傾斜されることにより、台座部92に支持された軸組フレーム12は、例えば図15(C)に示されるように傾斜した状態で搬送ハンガ11に吊り下げられる。すなわち、傾斜用シリンダ89は、軸組フレーム12を傾斜させて吊るす場合に駆動される。
【0068】
傾斜用シリンダ89は、制御装置25が傾斜用シリンダ89の駆動回路に入力する制御信号によって伸縮する。すなわち、傾斜用シリンダ89は、制御装置25によって駆動を制御される。なお、制御装置25に代えて、作業者の手動操作によって、傾斜用シリンダ89が伸長されてもよい。また、傾斜用シリンダ89に代えて、エアモータや油圧モータや電動モータからなる傾斜用モータが用いられてもよい。
【0069】
図9(B)に示される第1シャッタ83は、第3支持台82(図10参照)に支持されており、第3支持台82とともに上昇及び下降する。第1シャッタ83は、回転軸96周りに回転可能に第3支持台82に支持されている。回転軸96は、円柱状であって、その軸線は、第2方向9に沿っている。第1シャッタ83は、第2方向9における第3支持台82の一方側であって、第2装置22側(図13における右側)に位置している。第1シャッタ83は、第2装置22と第3装置23との間を開放する開放位置(図13(A))と、第3装置23に支持された軸組フレーム12が倒れないように支える支持位置(図13(B))との間で回転する。第1シャッタ83は、第3装置23が第2装置22から軸組フレーム12をピックアップする場合に開放位置にされ、第3装置23が上昇される際に支持位置にされる。
【0070】
第2シャッタ84は、第3支持台82に支持されており、第3支持台82とともに上昇及び下降する。第2シャッタ84は、回転軸97周りに回転可能に第3支持台82に支持されている。回転軸97は、円柱状であって、その軸線は、第2方向9に沿っている。第2シャッタ84は、第2方向9における第3支持台82の他方側であって、第2装置22とは反対側(図13における左側)に位置している。第2シャッタ84は、第3装置23に支持された軸組フレーム12が倒れないように支える支持位置(図13(C))と、開放位置(図13(D))との間で回転する。開放位置は、吊下位置において搬送ハンガ11に吊り下げられた軸組フレーム12の搬送向き側を開放する位置である。第2シャッタ84は、第3装置23が第2装置22から軸組フレーム12をピックアップする場合に支持位置とされ、軸組フレーム12が搬送ハンガ11に吊り下げられた後(図13(D))、開放位置にされる。
【0071】
回転軸96は、第1シャッタ用シリンダ85と連結されている。第1シャッタ用シリンダ85が伸長或いは縮小されると、回転軸96が概ね90度回転する。すなわち、第1シャッタ用シリンダ85の伸縮により、第1シャッタ83は、開放位置と支持位置との間で回転する。同様に、回転軸97は、第2シャッタ用シリンダ86と連結されている。第2シャッタ用シリンダ86が伸長或いは縮小されると、回転軸97が概ね90度回転する。すなわち、第2シャッタ用シリンダ86の伸縮により、第2シャッタ84は、開放位置と支持位置との間で回転する。
【0072】
シャッタ用シリンダ85、86は、制御装置25がシャッタ用シリンダ85、86の駆動回路に入力する制御信号によって伸縮する。すなわち、シャッタ用シリンダ85、86は、制御装置25によって駆動を制御される。なお、制御装置25に代えて、作業者の手動操作によって、シャッタ用シリンダ85、86が伸長されてもよい。また、シャッタ用シリンダ85、86に代えて、エアモータや油圧モータや電動モータからなるシャッタ用モータが用いられてもよい。
【0073】
図2に示される検知センサ群26は、複数のセンサで構成される。複数のセンサは、第1装置21にフレーム群13が載置されたか否かを検出する第1センサや、第1装置21の第1支持台42が第1回転姿勢にあるか第2回転姿勢にあるかを検出する第2センサや、第1装置21が受取位置或いは受渡位置にあるかを検出する第3センサや、第1支持台42の高さを検出する第4センサを含む。また、複数のセンサは、第2装置22が第1位置にあるか第2位置にあるかを検出する第5センサや、第2装置22の第2支持台62が基準回転姿勢にあるか傾斜姿勢にあるかを検出する第6センサや、第2装置22の押出用シリンダ64の伸長長さ(ストローク長)を検出する第7センサを含む。また、複数のセンサは、第3装置23の第3支持台82が下限位置にあるか否かや下限位置からの上昇高さを検出する第8センサや、第1シャッタ83が開放位置にあるか支持位置にあるかを検出する第9センサや、第2シャッタ84が開放位置にあるか支持位置にあるかを検出する第10センサや、軸組フレーム12の傾斜角度を検出する第11センサを含む。また、複数のセンサは、搬送ハンガ11が所定位置に到達したか否かを検知する第12センサを含む。
【0074】
第1センサは、例えば、載置されたフレーム群13に押圧されて圧力に応じた検出値を出力する圧力センサである。或いは、第1センサは、上昇用シリンダ44のエア圧回路や油圧回路の圧力を検出する圧力センサなどである。
【0075】
第2センサは、第1回転姿勢からの第1支持台42の回転角度に応じた検出信号を出力するロータリエンコーダや、第1回転姿勢にある第1支持台42や第2回転姿勢にある第1支持台42によって押圧されてオン或いはオフになるリミットスイッチである。或いは、第2センサは、第1回転姿勢にある第1支持台42や第2回転姿勢にある第1支持台42によって光路を遮断されてオン或いはオフになるフォトインタラプタである。或いは、第2センサは、起立用シリンダ45のエア圧回路や油圧回路に設けられた圧力センサなどである。なお、起立用シリンダ45の伸縮(ストローク長)を制御装置25が制御可能であれば、第2センサは設けられていなくてもよい。
【0076】
第3センサは、例えば、受取位置にある第1装置21や受渡位置にある第1装置21によって押圧されてオンになるリミットスイッチである。或いは、第3センサは、受取位置にある第1装置21や受渡位置にある第1装置21によって光路を遮断されてオン或いはオフになるフォトインタラプタなどである。なお、移動装置24による第1装置21の移動距離を制御装置25が制御可能であれば、第3センサは設けられていなくてもよい。
【0077】
第4センサは、上昇用シリンダ44のエア圧回路や油圧回路に設けられた圧力センサなどである。なお、上昇用シリンダ44の伸縮(ストローク長)を制御装置25が制御可能であれば、第4センサは設けられていなくてもよい。
【0078】
第5センサは、例えば、第1位置にある第2装置22や第2位置にある第2装置22によって押圧されてオン或いはオフになるリミットスイッチである。或いは、第5センサは、第1位置にある第2装置22や第2位置にある第2装置22によって光路を遮断されてオン或いはオフになるフォトインタラプタである。或いは、第5センサは、車輪66の回転数を検出するロータリエンコーダなどである。なお、移動用モータ65としてステッピングモータなどのサーボモータが使用され、制御装置25が第2装置22の移動距離を制御可能である場合、第5センサは設けられていなくてもよい。
【0079】
第6センサは、例えば、基準回転姿勢にある第2支持台62や傾斜姿勢にある第2支持台62によって押圧されてオン或いはオフになるリミットスイッチである。或いは、第6センサは、基準回転姿勢にある第2支持台62や傾斜姿勢にある第2支持台62によって光路を遮断されてオン或いはオフになるフォトインタラプタである。或いは、第6センサは、基準回転姿勢からの第2支持台62の傾斜角度に応じた検出信号を出力するロータリエンコーダなどである。或いは、第6センサは、傾斜用シリンダ63のエア圧回路や油圧回路に設けられた圧力センサなどである。なお、傾斜用シリンダ63の伸縮(ストローク長)を制御装置25が制御可能であれば、第6センサは設けられていなくてもよい。
【0080】
第7センサは、押出用シリンダ64のエア圧回路や油圧回路に設けられた圧力センサなどである。なお、押出用シリンダ64が電動シリンダ等であって、押出用シリンダ64の伸縮(ストローク長)を制御装置25が制御可能であれば、第7センサは設けられていなくてもよい。
【0081】
第8センサは、例えば、上昇用モータ88の回転数を検出するロータリエンコーダなどである。なお、上昇用モータ88としてステッピングモータなどのサーボモータが使用され、制御装置25が第3支持台82の下限位置からの上昇高さを制御可能である場合、第8センサは設けられていなくてもよい。
【0082】
第9センサは、例えば、開放位置にある第1シャッタ83や支持位置にある第1シャッタ83に押圧されてオン或いはオフになるリミットスイッチである。或いは、第9センサは、開放位置にある第1シャッタ83や支持位置にある第1シャッタ83に光路を遮断されてオン或いはオフになるフォトインタラプタである。或いは、第9センサは、開放位置或いは支持位置からの回転角度に応じた検出信号を出力するロータリエンコーダなどである。なお、第1シャッタ用モータ85としてステッピングモータなどのサーボモータが使用され、制御装置25が第1シャッタ83の位置を制御可能である場合、第9センサは設けられなくてもよい。
【0083】
第10センサは、例えば、開放位置にある第2シャッタ84や支持位置にある第2シャッタ84に押圧されてオン或いはオフになるリミットスイッチである。或いは、第10センサは、開放位置にある第2シャッタ84や支持位置にある第2シャッタ84に光路を遮断されてオン或いはオフになるフォトインタラプタである。或いは、第10センサは、開放位置或いは支持位置からの回転角度に応じた検出信号を出力するロータリエンコーダなどである。なお、第2シャッタ用モータ86としてステッピングモータなどのサーボモータが使用され、制御装置25が第2シャッタ84の位置を制御可能である場合、第10センサは設けられなくてもよい。
【0084】
第11センサは、例えば水平に対する傾斜角度を出力する傾斜センサである。第11センサは、第3支持台82(図10参照)に設置される。すなわち、第11センサは、第3支持台82が支持する軸組フレーム12の傾斜角度を検出するセンサである。或いは、第11センサは、傾斜用シリンダ89(図2参照)の伸長長さや駆動量を検出するセンサであってもよい。すなわち、第11センサは、軸組フレーム12の傾斜角度を特定可能な物理量を検出するセンサであってもよい。
【0085】
第12センサは、例えば、所定位置にある搬送ハンガ11によって押圧されてオン或いはオフになるリミットスイッチである。或いは、第12センサは、所定位置にある搬送ハンガ11によって光路が遮断されるフォトインタラプタである。或いは、第12センサは、所定位置に到達した搬送ハンガ11を撮像するカメラである。
【0086】
制御装置25は、コントローラ110と、ディスプレイ111と、入力部112と、を備える。コントローラ110は、中央演算処理装置であるCPU113及びメモリ114を有している。メモリ114は制御プログラム115を記憶している。制御プログラム115は、CPU113によって実行される。
【0087】
入力部112は、キーボードや、ディスプレイに重畳されたタッチセンサや、音声入力用のマイクロフォンなどである。入力部112は、他のパーソナルコンピュータやサーバとの接続用のインタフェースや、可搬記憶媒体が装着される装着部を含んでいてもよい。
【0088】
第1装置21、第2装置22、第3装置23、移動装置24、検知センサ群26、及び制御装置25は、通信線28で相互に接続されている。通信線28には、搬送ハンガ11を移動させるハンガ駆動装置27の駆動回路も接続されている。ハンガ駆動装置27は、例えば、電動モータや油圧モータなどである。通信線28に代えて、或いは通信線28とともに、無線通信が用いられていてもよい。
【0089】
制御装置25は、検知センサ群26から入力した検出信号に基いて、第1装置21、第2装置22、第3装置23、及びハンガ駆動装置27を駆動して、軸組フレーム12を搬送ハンガ11に吊り下げる。以下、制御装置25が実行する処理について、図16を参照して説明する。なお、第1装置21、第2装置22、及び第3装置23は、初期位置にあるものとする。具体的には、第1装置21は、受取位置にあり、第2装置22は、第1位置にあり、第3装置23は、下限位置にあるものとする。
【0090】
なお、以下で説明する処理は、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更されてもよい。例えば、以下で説明する処理以外の処理が付加されてもよいし、以下で説明する処理の一部が省略されてもよいし、以下で説明する処理の順番が変更されてもよい。
【0091】
まず、作業者は、電着塗装ラインで電着塗装を行う軸組フレーム12の種類や個数や塗装順などの製造データを入力部112を用いて制御装置25に入力する。或いは、制御装置25は、通信線28(図2参照)を通じてパーソナルコンピュータなどの他の装置から製造データの入力を受け付ける。或いは、制御装置25は、製造データを記憶する可搬記憶媒体が装着されたことに基いて、当該可搬記憶媒体から製造データを読み出して取得する。制御装置25は、受け付けた製造データをメモリ114に記憶させる(S11)。
【0092】
作業者は、製造ラインで製造されたフレーム群13をフォークリフトで電着塗装ラインまで運ぶ。作業者は、フォークリフトの爪14(図14参照)の向きとフレーム群13の軸組フレーム12の向きとを確認し、必要があれば、第1装置21の向き変更用モータ43を駆動する操作ボタン等を操作して、第1装置21の台座48を時計回り或いは反時計回りに90度回転させる。その後、作業者は、フォークリフトを操作して、段積み状態のまま、フレーム群13を第1装置21の第1支持台42に載置する。そして、操作ボタン等を操作して、台座48を基準回転位置に戻す。図11(A)に示されるように、台座48が基準回転位置に戻された状態において、フレーム群13の軸組フレーム12の長手方向17が第2方向9に一致し、厚み方向19が上下方向7に一致している。
【0093】
図16に示されるように、制御装置25は、検知センサ群26から入力した検知信号に基いて、第1装置21においてフレーム群13を検出したか否かを判断し(S12)、フレーム群13を検出するまで待機する(S12:No)。制御装置25は、フレーム群13を検出したと判断すると(S12:Yes)、ステップS11でメモリ114に記憶させた製造データに基いて、上昇用シリンダ44を伸長させる駆動信号を生成する。制御装置25は、生成した駆動信号を上昇用シリンダ44に入力して、段積みされたフレーム群13の上面が所定の高さ位置となるようなストローク長で上昇用シリンダ44を伸長させ、第1支持台42を上昇させる(S13)。図11(B)は、上昇用シリンダ44が伸長された状態の第1装置21を示す。
【0094】
図16に示されるように、制御装置25は、移動装置24を駆動させ、第1装置21を受取位置から受渡位置へ移動させる(S14)。図11(C)は、第1装置21が受渡位置に移動された状態を示す。なお、制御装置25は、第1装置21を受渡位置に移動させた後(S14)、上昇用シリンダ44を伸長させてもよい(S13)。
【0095】
図16に示されるように、制御装置25は、検知センサ群26から入力した検知信号に基いて第1装置21が受渡位置に到達したことを確認した後、起立用シリンダ45を駆動させ、第1支持台42を第1回転姿勢から第2回転姿勢に姿勢変化させる(S15)。すなわち、制御装置25は、フレーム群13を段積み状態から起立状態に起立させる(S15)。図11(D)は、第1装置21が第2回転姿勢にあって、フレーム群13が起立した状態を示す。起立状態において、フレーム群13の長手方向17は、上下方向7に一致している。
【0096】
図16に示されるように、制御装置25は、検知センサ群26から入力した検知信号に基いて第1支持台42が第2回転姿勢になったことを確認した後、第2装置22の傾斜用シリンダ63を縮小させ、第2支持台62を傾斜させる(S16)。図12(A)は、第2装置22の第2支持台62が傾斜姿勢にある状態を示す。第2支持台62が傾斜することにより、第2櫛歯状支持部材72の各棒状片71が第1支持台42の第1櫛歯状支持部材52の各棒状片53の間を下から上に向かって通過し、第1櫛歯状支持部材52が支持するフレーム群13が第2櫛歯状支持部材72に受け渡される。すなわち、フレーム群13が、起立状態のまま、第1装置21から第2装置22に受け渡される。
【0097】
図16に示されるように、制御装置25は、第2支持台62を傾斜させてフレーム群13を第1装置21から第2装置22に受け渡させた後(S16)、移動装置24を駆動して、第1装置21を受取位置に戻す(S17)。図12(C)は、第1装置21が受取位置に戻された状態を示す。また、制御装置25は、上昇用シリンダ44及び起立用シリンダ45を縮小させて第1装置21を元の状態に戻す。
【0098】
図16に示されるように、制御装置25は、第2装置22の移動用モータ65を駆動させ、第1位置から、第3装置23の近傍の第2位置まで第2装置22を走行させる(S18)。図12(D)は、第2装置22が第2位置まで走行した状態を示す。第2位置にある第2装置22は、搬送ハンガ11の直下に位置する。
【0099】
図16に示されるように、制御装置25は、検知センサ群26から入力した検知信号に基いて第2装置22が第2位置に到達したことを確認した後、或いは所定の移動距離だけ第2装置22を走行させた後、検知センサ群26から入力した検知信号に基いて第3装置23が初期状態であるか否かを確認する初期状態確認処理を行う(S19)。なお、所定の移動距離は、第1位置と第2位置との間の距離である。
【0100】
初期状態確認処理は、検知センサ群26から入力した検知信号に基いて第3装置23が下限位置にあるか否かや、第1シャッタ83が開放位置にあるか否かや、第2シャッタ84が支持位置にあるか否かなど、第3装置23が初期状態であるか否かを確認する処理である。制御装置25は、第3装置23が初期状態でないと判断した場合、第1シャッタ用モータ85や第2シャッタ用モータ86や上昇用モータ88を駆動させて、第3装置23を下限位置にし、或いは第1シャッタ83を開放位置にし、或いは第2シャッタ84を支持位置にして、第3装置23を初期状態にする。
【0101】
制御装置25は、初期状態確認処理の実行後、メモリ114に記憶された製造データに基いて、第2装置22の押出用シリンダ64のストローク長、すなわちフレーム群13の押出量を算出する(S20)。例えば、制御装置25は、第2装置22の第2支持台62に支持されたフレーム群13のうち、2つの軸組フレーム12が第3装置23の第3支持台82に押し出される押出量を製造データに基いて算出する。
【0102】
また、制御装置25は、メモリ114に記憶された製造データに基いて、第3装置23の上昇用モータ88の駆動量、すなわち軸組フレーム12の上昇量を算出する(S21)。
【0103】
また、制御装置25は、メモリ114に記憶された製造データに基いて、第3装置23の傾斜用シリンダ89の駆動量、すなわち軸組フレーム12の傾斜量を算出する(S22)。
【0104】
制御装置25は、ステップS20で算出した押出量だけ軸組フレーム12が押し出されるストローク長で第2装置22の押出用シリンダ64を駆動させる(S23)。すなわち、フレーム群13から1つ或いは2つの軸組フレーム12がピックアップされて第3支持台82に受け渡される(S23)。フレーム群13から最初にピックアップされるのは、段積み状態のフレーム群13において一番下に位置していた軸組フレーム12である。図13(A)は、フレーム群13が押出用シリンダ64によって第3装置23に向かって押し出された状態を示す。
【0105】
図10に示されるように、押し出されたフレーム群13のうち、1つ或いは2つの軸組フレーム12が、第3装置23の第3支持台82の台座部92に支持される。図示例では、2つの軸組フレーム12が台座部92に支持されている。
【0106】
図16に示されるように、制御装置25は、押出用シリンダ64を駆動させた後(S23)、すなわち軸組フレーム12が第3装置23の第3支持台82に支持された後、第1シャッタ用モータ85を駆動させて、第1シャッタ83を開放位置から支持位置に回転させる(S24)。図13(B)は、第1シャッタ83が支持位置まで回転された状態を示す。第3装置23に支持された軸組フレーム12は、支持位置にある第1シャッタ83及び第2シャッタ84によって、第3装置23からの脱落を防止される。
【0107】
図16に示されるように、制御装置25は、検知センサ群26から入力した検知信号に基いてハンガ駆動装置27の駆動を停止させ、搬送ハンガ11を所定位置で待機させる(S25)。次いで、制御装置25は、検知センサ群26から入力した検知信号に基いて第1シャッタ83が支持位置にあることを確認した後、ステップS21で算出した上昇量に応じた駆動量で上昇用モータ88を駆動させ、軸組フレーム12を上昇させる(S26)。
【0108】
次に、制御装置25は、ステップS22で算出した傾斜量に応じた駆動量で第3装置23の傾斜用シリンダ89を駆動させ、軸組フレーム12を傾斜させる(S27)。詳しく説明すると、図10に示されるように、傾斜用シリンダ89が駆動されることにより、第1方向8における台座部92の一端が上昇する。これにより、台座部92が第1方向8に対して傾斜する。そして、台座部92とともに、台座部92に支持された軸組フレーム12が傾斜する。なお、ステップS22で算出した傾斜量がゼロである場合、ステップS27の処理はスキップされる。
【0109】
図16に示されるように、制御装置25は、ハンガ駆動装置27を駆動させ、搬送ハンガ11を移動させる(S28)。上昇された軸組フレーム12の上弦材101(図15参照)が、移動する搬送ハンガ11に引っ掛かり、軸組フレーム12が搬送ハンガ11に吊り下げられる。図13(C)は、上昇された軸組フレーム12が搬送ハンガ11に吊り下げられた状態を示す。
【0110】
図15(A)は、1つの軸組フレーム12が第3装置23に載せられ、かつ上昇された後、傾斜されずに搬送ハンガ11に吊るされた状態を示す。図15(B)は、2つの軸組フレーム12が第3装置23に載せられ、かつ上昇された後、傾斜されずに搬送ハンガ11に吊るされた状態を示す。図15(C)は、2つの軸組フレーム12が第3装置23に載せられ、かつ上昇された後、傾斜されて搬送ハンガ11に吊るされた状態を示す。図15(D)は、図15(A)に示された軸組フレーム12よりも長手方向17における長さが短い1つの軸組フレーム12が第3装置23に載せられ、かつ上昇された後、傾斜されずに搬送ハンガ11に吊るされた状態を示す。図15(D)に示される軸組フレーム12を吊り下げる場合の第3装置23の上昇量は、図15(A)に示される軸組フレーム12を吊り下げる場合の第3装置23の上昇量よりも大きい。すなわち、第3装置23は、吊り下げる軸組フレーム12の種類に応じた上昇量で上昇される。
【0111】
図16に示されるように、制御装置25は、第2シャッタ用モータ86を駆動し、第2シャッタ84を支持位置から開放位置に回転させる(S29)。図13(D)は、第2シャッタ84が開放位置まで回転された状態を示す。第2シャッタ84が開放位置になることにより、搬送ハンガ11に吊り下げられた軸組フレーム12の進路が開放される。軸組フレーム12は、搬送ハンガ11に吊り下げられたまま、電着塗装槽まで搬送される。
【0112】
図16に示されるように、制御装置25は、第3装置23の第1シャッタ用モータ85や第2シャッタ用モータ86や上昇用モータ88を駆動させ、第3装置23を上述の初期状態に戻す(S30)。
【0113】
また、制御装置25は、メモリ114に記憶された製造データに基いて、フレーム群13の全ての軸組フレーム12を搬送ハンガ11に吊り下げたか否かを判断する(S31)。
【0114】
制御装置25は、フレーム群13の全ての軸組フレーム12を搬送ハンガ11に吊り下げていないと判断すると(S31:No)、ステップS20以降の処理を再度実行する。繰り返し実行されるステップS20からS30の処理により、フレーム群13の段積みされた状態における下に位置していた軸組フレーム12から順に搬送ハンガ11に吊り下げられて電着塗装が行われ、電着塗装がされた順で軸組フレーム12がパレットや台木等に積み上げられる。すなわち、電着塗装の前後において、段積みされたフレーム群13における軸組フレーム12の積み順(並び順)が同じになる。
【0115】
制御装置25は、フレーム群13の全ての軸組フレーム12を搬送ハンガ11に吊り下げたと判断すると(S31:Yes)、第2装置22の移動用モータ65を駆動して、第2装置22を第2位置から第1位置へ戻す(S32)。また、制御装置25は、傾斜用シリンダ63を伸長させ、かつ押出用シリンダ64を縮小させ、第2装置22を元の状態に戻す。
【0116】
次に、制御装置25は、邸の施工に用いる全てのフレーム群13に対する処理(吊下作業)が終了したか否かを判断する(S33)。制御装置25は、全てのフレーム群13に対する処理が終了していないと判断すると(S33:No)、ステップS12以降の処理を再度実行する。すなわち、次のフレーム群13に対して、ステップS12以降の処理が再度実行される。
【0117】
制御装置25は、全てのフレーム群13に対する処理が終了したと判断すると(S33:Yes)、処理を終了する(エンド)。
【0118】
[実施形態の作用効果]
自動吊下装置20は、段積みされたフレーム群13を起立させ、段積み状態において一番下に位置していた軸組フレーム12から順に搬送ハンガ11に吊り下げる。したがって、電着塗装の前後において、段積みされたフレーム群13における軸組フレーム12の積み順が同じになる。その結果、段積みされた複数の軸組フレーム12の積み順を塗装の前後で変わらないように軸組フレーム12を電着塗装ラインに流すことができる。
【0119】
第1装置21に第1櫛歯状支持部材52を設け、第2装置22に第2櫛歯状支持部材72を設けることにより、フレーム群13を起立状態のまま第1装置21から第2装置22に受け渡すことができる。
【0120】
回転可能な台座48に第1支持台42が設けられているから、作業者は、どのような向きでフレーム群13をフォークリフトで運んだとしても、第3装置23が軸組フレーム12を搬送ハンガ11に吊り下げ可能な適正な向きで第1装置21にフレーム群13を載置することができる。
【0121】
[変形例]
上述の実施形態では、第1装置21が第1回転軸46周りに回転可能な例が説明された。しかしながら、第1装置21が第1回転軸46周りに回転可能とされる代わりに、フレーム群13の向きを変えて第1装置21に載置する装置が用いられてもよい。
【0122】
上述の実施形態では、制御装置25が第1装置21、第2装置22、第3装置23、移動装置24、ハンガ駆動装置27の駆動を制御する例が説明された。しかしながら、第1装置21、第2装置22、第3装置23、移動装置24、ハンガ駆動装置27のうち、一乃至複数の装置は、手動によって駆動されてもよい。
【0123】
上述の実施形態では、搬送ハンガ11を所定位置で停止させ、軸組フレーム12を吊下位置まで上昇させた後、搬送ハンガ11を移動させる例が説明された。しかしながら、搬送ハンガ11を停止させずに軸組フレーム12が上昇されて、軸組フレーム12が搬送ハンガ11に吊り下げられてもよい。
【0124】
上述の実施形態では、自動吊下装置20が軸組フレーム12を搬送ハンガ11に吊り下げる例が説明された。しかしながら、自動吊下装置20は、軸組フレーム12以外のフレームを搬送ハンガ11に吊り下げてもよい。
【符号の説明】
【0125】
11・・・搬送ハンガ
12・・・軸組フレーム
13・・・フレーム群
20・・・自動吊下装置
21・・・第1装置
22・・・第2装置
23・・・第3装置
24・・・移動装置
25・・・制御装置
26・・・検知センサ群
27・・・ハンガ駆動装置
42・・・第1支持台
46・・・第1回転軸
47・・・第2回転軸
48・・・台座
51・・・枠状支持部材
52・・・第1櫛歯状支持部材
62・・・第2支持台
72・・・第2櫛歯状支持部材
82・・・第3支持台
83・・・第1シャッタ
84・・・第2シャッタ
110・・・コントローラ
114・・・メモリ
115・・・制御プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16