(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】車両用電子制御システム、プログラム更新の承諾判定方法、プログラム更新の承諾判定プログラム、車両側システム及びセンター装置
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20231212BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G06F8/65
B60R16/02 660U
(21)【出願番号】P 2021196215
(22)【出願日】2021-12-02
(62)【分割の表示】P 2019129974の分割
【原出願日】2019-07-12
【審査請求日】2022-06-28
(31)【優先権主張番号】P 2018139390
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】原田 雄三
(72)【発明者】
【氏名】上原 一浩
(72)【発明者】
【氏名】河▲崎▼ 卓也
(72)【発明者】
【氏名】夏目 充啓
(72)【発明者】
【氏名】安部 真晃
【審査官】福西 章人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-167646(JP,A)
【文献】国際公開第2017/098817(WO,A1)
【文献】特開2018-092630(JP,A)
【文献】特開2018-045515(JP,A)
【文献】特開2018-065410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/00-8/77
9/44-9/455
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のプログラム更新を管理するセンター装置(3)と、前記センター装置と通信可能な車両用マスタ装置(11)と、を備える車両用電子制御システム(1)において、
前記センター装置は、
ユーザが当該ユーザ所有でない第1装置
として、POSシステム(25)、会話応答システム(26)、自動応答システム(27)のうち少なくとも何れかを用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第1承諾情報として受信する承諾情報受信部(8a)と、
前記承諾情報受信部により受信された前記第1承諾情報を前記ユーザの車両情報と対応付けて承諾情報記憶部(8c)に記憶して管理する承諾情報管理部(8b)と、
前記第1承諾情報を前記ユーザの車両側に送信する承諾情報送信部(8g)と、
を備え、
前記車両用マスタ装置は、
前記センター装置から送信された前記第1承諾情報を受付ける承諾情報受付け部(32a)と、
前記第1承諾情報が前記承諾情報受付け部により受付けられた場合に、前記プログラムの書換えを行うプログラム書換え部(32b)と、を備える車両用電子制御システム。
【請求項2】
前記承諾情報受信部は、ユーザが当該ユーザ所有である第2装置(6)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第2承諾情報として受信し、
前記承諾情報管理部は、前記承諾情報受信部により受信された前記第2承諾情報を前記ユーザの車両情報と対応付けて前記承諾情報記憶部に記憶して管理し、
前記承諾情報送信部は、前記第2承諾情報を前記ユーザの車両側に送信し、
前記承諾情報受付け部は、前記センター装置から送信された前記第2承諾情報を受付け、
前記プログラム書換え部は、前記第2承諾情報が前記承諾情報受付け部により受付けられた場合に、前記プログラムの書換えを行う請求項1に記載した車両用電子制御システム。
【請求項3】
前記第2装置は、自装置を用いるプログラム更新の案内を表示すると共に、前記第1装置を用いるプログラム更新が可能である旨の案内を表示する請求項2に記載した車両用電子制御システム。
【請求項4】
車両のプログラム更新を管理するセンター装置(3)と、前記センター装置と通信可能な車両用マスタ装置(11)と、を備える車両用電子制御システム(1)において、
前記センター装置は、
ユーザが当該ユーザ所有でない第1装置(25~27)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第1承諾情報として受信する承諾情報受信部(8a)と、
前記承諾情報受信部により受信された前記第1承諾情報を前記ユーザの車両情報と対応付けて承諾情報記憶部(8c)に記憶して管理する承諾情報管理部(8b)と、
前記第1承諾情報を前記ユーザの車両側に送信する承諾情報送信部(8g)と、を備え、
前記承諾情報受信部は、ユーザが
当該ユーザ所有である第2装置(6)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を
第2承諾情報として受信し、
前記承諾情報管理部は、前記承諾情報受信部により受信された前記
第2承諾情報を前記ユーザの車両情報と対応付けて前記承諾情報記憶部に記憶して管理し、
前記承諾情報送信部は、前記第2承諾情報を前記ユーザの車両側に送信し、
前記車両用マスタ装置は、
前記センター装置から送信された前記第1承諾情報を受付ける承諾情報受付け部(32a)と、
前記第1承諾情報が前記承諾情報受付け部により受付けられた場合に、前記プログラムの書換えを行うプログラム書換え部(32b)と、を備え、
前記承諾情報受付け部は、
前記センター装置から送信された前記第2承諾情報を受付け、
前記プログラム書換え部は、前記
第2承諾情報が前記承諾情報受付け部により受付けられた場合に、前記プログラムの書換えを行
い、
前記第2装置は、自装置を用いるプログラム更新の案内を表示すると共に、前記第1装置を用いるプログラム更新が可能である旨の案内を表示する車両用電子制御システム。
【請求項5】
前記承諾情報受信部は、ユーザが車両に搭載されている第3装置(7)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第3諾情報として受信し、
前記承諾情報管理部は、前記承諾情報受信部により受信された前記第3承諾情報を前記ユーザの車両情報と対応付けて前記承諾情報記憶部に記憶して管理し、
前記承諾情報送信部は、前記第3承諾情報を前記ユーザの車両側に送信し、
前記承諾情報受付け部は、前記センター装置から送信された前記第3承諾情報を受付け、
前記プログラム書換え部は
、前記第3承諾情
報が前記承諾情報受付け部により受付けられた場合に、前記プログラムの書換えを行う請求項
2から4の何れか一項に記載した車両用電子制御システム。
【請求項6】
前記承諾情報受信部は、ユーザが車両に搭載されている第3装置(7)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第3諾情報として受信し、
前記承諾情報管理部は、前記承諾情報受信部により受信された前記第3承諾情報を前記ユーザの車両情報と対応付けて前記承諾情報記憶部に記憶して管理し、
前記承諾情報受付け部は、前記承諾情報受信部により受信された前記第3承諾情報を受付け、
前記プログラム書換え部は、
前記第3承諾情報が前記承諾情報受付け部により受付けられた
場合に、前記プログラムの書換えを行
う請求項
2から4の何れか一項に記載した車両用電子制御システム。
【請求項7】
前記プログラム書換え部は、前記第1承諾情報、前記第2承諾情報及び前記第3承諾情報のうち最先の承諾情報が前記承諾情報受付け部により受付けられた場合に、前記プログラムの書換えを行う請求項
5又は6に記載した車両用電子制御システム。
【請求項8】
前記プログラム書換え部は、最先の承諾情報が前記承諾情報受付け部により受付けられたことで前記プログラムの書換えを行った後に最先の承諾情報とは異なる承諾情報が前記承諾情報受付け部により受付けられた場合に、前記プログラムの書換えを行わない請求項
7に記載した車両用電子制御システム。
【請求項9】
前記第3装置は、自装置を用いるプログラム更新の案内を表示すると共に、前記第1装置を用いるプログラム更新が可能である旨の案内を表示する請求項
5又は6に記載した車両用電子制御システム。
【請求項10】
前記承諾情報は、ユーザが行ったプログラム更新の承諾が、キャンペーン通知フェーズ、ダウンロードフェーズ、インストールフェーズ及びアクティベートフェーズの
全てのフェーズを一括した承諾であることを含む請求項1から
9の何れか一項に記載した車両用電子制御システム。
【請求項11】
前記承諾情報は、ユーザが行ったプログラム更新の承諾が、
キャンペーン通知フェーズ、ダウンロードフェーズ、インストールフェーズ
及びアクティベートフェーズのフェーズ毎の承諾であることを含む請求項1から
9の何れか一項に記載した車両用電子制御システム。
【請求項12】
前記承諾情報は、ユーザが行ったプログラム更新の承諾が、インストールフェーズの開始タイミングを含む承諾であることを含む請求項1から11の何れか一項に記載した車両用電子制御システム。
【請求項13】
車両のプログラム更新を管理するセンター装置(3)と、前記センター装置と通信可能な車両用マスタ装置(11)と、を備える車両用電子制御システム(1)に
おいて、
ユーザが当該ユーザ所有でない第1装置
として、POSシステム(25)、会話応答システム(26)、自動応答システム(27)のうち少なくとも何れかを用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第1承諾情報として受信する承諾情報受信手順と、
前記承諾情報受信手順により受信した前記第1承諾情報を前記ユーザの車両情報と対応付けて記憶して管理する承諾情報管理手順と、
前記第1承諾情報を前記ユーザの車両側に送信する承諾情報送信手順と、
前記センター装置から送信された前記第1承諾情報を受付ける承諾情報受付け手順と、
前記第1承諾情報を前記承諾情報受付け手順により受付けた場合に、前記プログラムの書換えを行うプログラム書換え手順と、を
行うプログラム更新の承諾判定
方法。
【請求項14】
車両のプログラム更新を管理するセンター装置(3)と、前記センター装置と通信可能な車両用マスタ装置(11)と、を備え、第2装置が、自装置を用いるプログラム更新の案内を表示すると共に、第1装置を用いるプログラム更新が可能である旨の案内を表示する車両用電子制御システム(1)において、
ユーザが当該ユーザ所有でない前記第1装置(25~27)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第1承諾情報として受信し、ユーザが当該ユーザ所有である前記第2装置(6)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第2承諾情報として受信する承諾情報受信手順と、
前記承諾情報受信手順により受信した前記第1承諾情報を前記ユーザの車両情報と対応付けて記憶して管理し、前記承諾情報受手順により受信した前記第2承諾情報を前記ユーザの車両情報と対応付けて前記承諾情報記憶部に記憶して管理する承諾情報管理手順と、
前記第1承諾情報を前記ユーザの車両側に送信し、前記第2承諾情報を前記ユーザの車両側に送信する承諾情報送信手順と、
前記センター装置から送信された前記第1承諾情報を受付け、前記センター装置から送信された前記第2承諾情報を受付ける承諾情報受付け手順と、
前記第1承諾情報を前記承諾情報受付け手順により受付けた場合に、前記プログラムの書換えを行い、前記第2承諾情報を前記承諾情報受付け部により受付けた場合に、前記プログラムの書換えを行うプログラム書換え手順と、を行うプログラム更新の承諾判定方法。
【請求項15】
車両のプログラム更新を管理するセンター装置(3)と、前記センター装置と通信可能な車両用マスタ装置(11)と、を備える車両用電子制御システム(1)に、
ユーザが当該ユーザ所有でない第1装置として、POSシステム(25)、会話応答システム(26)、自動応答システム(27)のうち少なくとも何れかを用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第1承諾情報として受信する承諾情報受信手順と、
前記承諾情報受信手順により受信した前記第1承諾情報を前記ユーザの車両情報と対応付けて記憶して管理する承諾情報管理手順と、
前記第1承諾情報を前記ユーザの車両側に送信する承諾情報送信手順と、
前記センター装置から送信された前記第1承諾情報を受付ける承諾情報受付け手順と、
前記第1承諾情報を前記承諾情報受付け手順により受付けた場合に、前記プログラムの書換えを行うプログラム書換え手順と、を実行させるプログラム更新の承諾判定プログラム。
【請求項16】
車両のプログラム更新を管理するセンター装置(3)と、前記センター装置と通信可能な車両用マスタ装置(11)と、を備え、第2装置が、自装置を用いるプログラム更新の案内を表示すると共に、第1装置を用いるプログラム更新が可能である旨の案内を表示する車両用電子制御システム(1)に、
ユーザが当該ユーザ所有でない前記第1装置(25~27)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第1承諾情報として受信し、ユーザが当該ユーザ所有である前記第2装置(6)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第2承諾情報として受信する承諾情報受信手順と、
前記承諾情報受信手順により受信した前記第1承諾情報を前記ユーザの車両情報と対応付けて記憶して管理し、前記承諾情報受手順により受信した前記第2承諾情報を前記ユーザの車両情報と対応付けて前記承諾情報記憶部に記憶して管理する承諾情報管理手順と、
前記第1承諾情報を前記ユーザの車両側に送信し、前記第2承諾情報を前記ユーザの車両側に送信する承諾情報送信手順と、
前記センター装置から送信された前記第1承諾情報を受付け、前記センター装置から送信された前記第2承諾情報を受付ける承諾情報受付け手順と、
前記第1承諾情報を前記承諾情報受付け手順により受付けた場合に、前記プログラムの書換えを行い、前記第2承諾情報を前記承諾情報受付け部により受付けた場合に、前記プログラムの書換えを行うプログラム書換え手順と、を実行させるプログラム更新の承諾判定プログラム。
【請求項17】
車両のプログラム更新を管理するセンター装置(3)と、前記センター装置と通信可能な車両用マスタ装置(11)と、を備える車両用電子制御システム(1)において、
前記センター装置は、
ユーザが当該ユーザ所有でない第1装置(25~27)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第1承諾情報として受信し、ユーザが当該ユーザ所有である第2装置(6)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第2承諾情報として受信し、ユーザが車両に搭載されている第3装置(7)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第3承諾情報として受信する承諾情報受信部(8a)と、
前記承諾情報受信部により受信された前記第1承諾情報、前記第2承諾情報、前記第3承諾情報を前記ユーザの車両情報と対応付けて承諾情報記憶部(8c)に記憶して管理する承諾情報管理部(8b)と、
前記第1承諾情報、前記第2承諾情報を前記ユーザの車両側に送信する承諾情報送信部(8g)と、を備え、
前記車両用マスタ装置は、
前記第3承諾情報、前記センター装置から送信された前記第1承諾情報及び前記第2承諾情報を受付ける承諾情報受付け部(32a)と、
前記第1承諾情報、前記第2承諾情報、前記第3承諾情報が前記承諾情報受付け部により受付けられた場合に、前記プログラムの書換えを行うプログラム書換え部(32b)と、を備え、
前記第3装置は、自装置を用いるプログラム更新の案内を表示すると共に、前記第1装置を用いるプログラム更新が可能である旨の案内を表示する車両用電子制御システム。
【請求項18】
車両用マスタ装置(11)と、車載ディスプレイ(7)と、を備える車両側システム(4)であって、
前記車両マスタ装置は、
車両のプログラム更新を管理するセンター装置(3)であって、ユーザが当該ユーザ所有でない第1装置(25~27)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第1承諾情報として受信し、ユーザが当該ユーザ所有である第2装置(6)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第2承諾情報として受信し、ユーザが車両に搭載されている前記車載ディスプレイ(7)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第3承諾情報として受信する承諾情報受信部(8a)と、前記承諾情報受信部により受信された前記第1承諾情報、前記第2承諾情報、前記第3承諾情報を前記ユーザの車両情報と対応付けて承諾情報記憶部(8c)に記憶して管理する承諾情報管理部(8b)と、前記第1承諾情報、前記第2承諾情報を前記ユーザの車両側に送信する承諾情報送信部(8g)と、を備えるセンター装置と通信可能であって、
前記第3承諾情報、前記センター装置から送信された前記第1承諾情報及び前記第2承諾情報を受付ける承諾情報受付け部(32a)と、
前記第1承諾情報、前記第2承諾情報、前記第3承諾情報が前記承諾情報受付け部により受付けられた場合に、前記プログラムの書換えを行うプログラム書換え部(32b)と、を備え、
前記車載ディプレイは、自装置を用いるプログラム更新の案内を表示すると共に、前記第1装置を用いるプログラム更新が可能である旨の案内を表示する車両側システム。
【請求項19】
車両のプログラム更新を管理するセンター装置(3)と、前記センター装置と通信可能な車両用マスタ装置(11)と、を備える車両用電子制御システム(1)において、
前記センター装置は、
ユーザが当該ユーザ所有でない第1装置(25~27)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第1承諾情報として受信し、ユーザが当該ユーザ所有である第2装置(6)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第2承諾情報として受信し、ユーザが車両に搭載されている第3装置(7)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第3承諾情報として受信する承諾情報受信部(8a)と、
前記承諾情報受信部により受信された前記第1承諾情報、前記第2承諾情報、前記第3承諾情報を前記ユーザの車両情報と対応付けて承諾情報記憶部(8c)に記憶して管理する承諾情報管理部(8b)と、
前記第1承諾情報、前記第2承諾情報を前記ユーザの車両側に送信する承諾情報送信部(8g)と、を備え、
前記車両用マスタ装置は、
前記第3承諾情報、前記センター装置から送信された前記第1承諾情報及び前記第2承諾情報を受付ける承諾情報受付け部(32a)と、
前記第1承諾情報、前記第2承諾情報、前記第3承諾情報が前記承諾情報受付け部により受付けられた場合に、前記プログラムの書換えを行うプログラム書換え部(32b)と、を備え、
前記センター装置は、前記第1承諾情報、前記第2承諾情報及び前記第3承諾情報のうち最先の承諾情報を有効とすると共に同じプログラム更新に対しての2度目以降の承諾情報を無効とし、
前記プログラム書換え部は、前記第1承諾情報、前記第2承諾情報及び前記第3承諾情報のうち最先の承諾情報が前記承諾情報受付け部により受付けられた場合に、前記プログラムの書換えを行う車両用電子制御システム。
【請求項20】
車両のプログラム更新を管理すると共に、車両用マスタ装置(11)と通信可能なセンター装置(3)であって、
ユーザが当該ユーザ所有でない第1装置(25~27)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第1承諾情報として受信し、ユーザが当該ユーザ所有である第2装置(6)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第2承諾情報として受信し、ユーザが車両に搭載されている第3装置(7)を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けて前記ユーザの承諾情報を第3承諾情報として受信する承諾情報受信部(8a)と、
前記承諾情報受信部により受信された前記第1承諾情報、前記第2承諾情報、前記第3承諾情報を前記ユーザの車両情報と対応付けて承諾情報記憶部(8c)に記憶して管理する承諾情報管理部(8b)と、
前記第1承諾情報、前記第2承諾情報を前記ユーザの車両側に送信する承諾情報送信部(8g)と、を備え、
前記車両用マスタ装置は、前記第3承諾情報、前記センター装置から送信された前記第1承諾情報及び前記第2承諾情報を受付ける承諾情報受付け部(32a)と、前記第1承諾情報、前記第2承諾情報、前記第3承諾情報のうち最先の承諾情報が前記承諾情報受付け部により受付けられた場合に、前記プログラムの書換えを行うプログラム書換え部(32b)と、を備えるものであって、
当該センター装置は、前記第1承諾情報、前記第2承諾情報及び前記第3承諾情報のうち最先の承諾情報を有効とすると共に同じプログラム更新に対しての2度目以降の承諾情報を無効とするセンター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用電子制御システム、プログラム更新の承諾判定方法、プログラム更新の承諾判定プログラム、車両側システム及びセンター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、運転支援機能や自動運転機能等の車両制御の多様化に伴い、車両の電子制御装置(以下、ECU(Electronic Control Unit)と称する)に搭載される車両制御や診断等のプログラムの規模が増大している。又、機能改善等によるバージョンアップに伴い、ECUのプログラムを書換える(リプログする)機会も増えつつある。一方、通信ネットワークの進展等に伴い、コネクッテッドカーの技術も普及している。このような事情から、車両側に中継装置としての車両用マスタ装置が設けられ、車両用マスタ装置がセンター装置から無線で受信した更新データを書換え対象ECUに配信することで、書換え対象ECUのプログラムをOTA(Over The Air)により書換える技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ECUのプログラムをOTAにより書換える手順では、プログラムの書換えを行う前に、ユーザの承諾が必要であり、ユーザからプログラム更新の承諾が得られたことを条件としてプログラムの書換えを行う。即ち、プログラムを書換え可能である旨を示すキャンペーン通知が携帯端末や車載ディスプレイにおいて行われ、ユーザが携帯端末や車載ディスプレイを用いてプログラム更新の承諾を行うことで、プログラムの書換えを行う。
【0005】
しかしながら、キャンペーン通知が携帯端末や車載ディスプレイにおいて行われる構成では、携帯端末を所有していないユーザや車載ディスプレイが搭載されていない車両のユーザは、キャンペーン通知を把握することができない。そのため、プログラム更新の承諾を行うことができず、プログラムを書換える機会を逃してしまうことになる。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、携帯端末を所有していないユーザや車載ディスプレイが搭載されていない車両のユーザであってもプログラム更新の承諾を行うことができ、プログラムの書換えを適切に行うことができる車両用電子制御システム、プログラム更新の承諾判定方法、プログラム更新の承諾判定プログラム、車両側システム及びセンター装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した発明によれば、センター装置(3)は、車両のプログラム更新を管理する。車両用マスタ装置(11)は、センター装置と通信可能である。センター装置において、承諾情報受信部(8a)は、ユーザが当該ユーザ所有でない第1装置として、POSシステム、会話応答システム、自動応答システムのうち少なくとも何れかを用いてプログラム更新の承諾を行ったことを受けてユーザの承諾情報を第1承諾情報として受信する。承諾情報管理部(8b)は、第1承諾情報が承諾情報受信部により受信されると、その受信された第1承諾情報をユーザの車両情報と対応付けて承諾情報記憶部(8c)に記憶して管理する。承諾情報送信部(8g)は、第1承諾情報をユーザの車両側に送信する。車両用マスタ装置において、承諾情報受付け部(32a)は、センター装置から送信された第1承諾情報を受付ける。プログラム書換え部(32b)は、第1承諾情報が承諾情報受付け部により受付けられると、プログラムの書換えを行う。
【0008】
ユーザが第1装置として、POSシステム、会話応答システム、自動応答システムのうち少なくとも何れかを用いてプログラム更新の承諾を行うと、センター装置から車両用マスタ装置に第1承諾情報が送信され、第1承諾情報が車両用マスタ装置に受付けられると、プログラムの書換えを行うようにした。携帯端末を所有していないユーザや車載ディスプレイが搭載されていない車両のユーザであっても第1装置を用いることでプログラム更新の承諾を行うことができ、プログラムの書換えを適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】配信サーバ及びOEM基幹サーバの機能ブロック図
【
図9】携帯端末におけるキャンペーン通知の案内画面を示す図
【
図10】車載ディスプレイにおけるキャンペーン通知の案内画面を示す図
【
図12】配信サーバの承諾情報受信判定処理を示すフローチャート
【
図13】CGWの承諾情報受付け判定処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。車両用プログラム書換えシステム(車両用電子制御システムに相当する)は、電子制御装置(以下、ECU(Electronic Control Unit)と称する)に搭載されている車両制御や診断等のアプリプログラムをOTA(Over The Air)により書換え可能なシステムである。本実施形態では、アプリプログラムを有線又は無線で書換える場合について説明するが、例えば地図アプリで使用される地図データ、ECUで使用される制御パラメータ等、各種アプリで使用されるデータを有線又は無線で書換える場合にも適用することができる。
【0011】
有線でのアプリプログラムの書換えは、アプリプログラムを車両外部から有線を介して取得して書換えることに加え、アプリプログラムが実行される際に使用される各種データを車両外部から有線を介して取得して書換えることも含む。無線でのアプリプログラムの書換えは、アプリプログラムを車両外部から無線を介して取得して書換えることに加え、アプリプログラムが実行される際に使用される各種データを車両外部から無線を介して取得して書換えることも含む。
【0012】
図1に示すように、車両用プログラム書換えシステム1は、通信ネットワーク2側のセンター装置3と、車両側の車両側システム4と、表示端末5とを有する。通信ネットワーク2は、例えば4G回線等による移動体通信ネットワーク、インターネット、WiFi(Wireless Fidelity)(登録商標)等を含んで構成される。
【0013】
表示端末5は、ユーザからの操作入力を受付ける機能や各種画面を表示する機能を有する端末であり、例えばユーザが携帯可能なスマートフォンやタブレット等の携帯端末6(第2装置に相当する)、車室内に配置されている車載ディスプレイ7(第3装置に相当する)である。携帯端末6は、移動体通信ネットワークの通信圏内であれば、通信ネットワーク2を介してセンター装置3とデータ通信可能である。車載ディスプレイ7は、車両側システム4に接続されており、ナビゲーション機能を兼用する構成であっても良い。又、車載ディスプレイ7は、ECUの機能を有する車載ディスプレイECUであっても良いし、センターディスプレイやメータディスプレイ等への表示を制御する機能を有していても良い。
【0014】
ユーザは、車室外であって移動体通信ネットワークの通信圏内であれば、アプリプログラムの書換えに関与する各種画面を携帯端末6により確認しながら操作入力を行い、アプリプログラムの書換えに関与する手続きを可能である。ユーザは、車室内では、アプリプログラムの書換えに関与する各種画面を車載ディスプレイ7により確認しながら操作入力を行い、アプリプログラムの書換えに関与する手続きを可能である。即ち、ユーザは、車室外と車室内で携帯端末6と車載ディスプレイ7を使い分け、アプリプログラムの書換えに関与する手続きを可能である。
【0015】
センター装置3は、車両用プログラム書換えシステム1において通信ネットワーク2側のプログラム更新機能を統括し、OTAセンターとして機能する。センター装置3は、ファイルサーバ8と、ウェブサーバ9と、管理サーバ10とを有し、各サーバ8~10が相互にデータ通信可能に構成されている。即ち、センター装置3は、機能毎に異なる複数のサーバを含んで構成されている。
【0016】
ファイルサーバ8は、センター装置3から車両側システム4に配信されるアプリプログラムのファイルを管理するサーバである。ファイルサーバ8は、センター装置3から車両側システム4に配信されるアプリプログラムの提供事業者であるサプライヤ等から提供される更新データ(以下、リプログデータ、書込みデータとも称する)、OEM(Original Equipment Manufacturer)から提供される配信諸元データ、車両側システム4から取得する車両状態等を管理する。ファイルサーバ8は、通信ネットワーク2を介して車両側システム4との間でデータ通信可能であり、配信パッケージのダウンロード要求が発生すると、リプログデータと配信諸元データとが1つのファイルにパッケージ化された配信パッケージを車両側システム4に送信する。
【0017】
ウェブサーバ9は、ウェブ情報を管理するサーバである。ウェブサーバ9は、携帯端末6等が有するウェブブラウザからの要求に応じて自己が管理するウェブデータを送信する。管理サーバ10は、アプリプログラムの書換えのサービスに登録しているユーザの個人情報、車両毎のアプリプログラムの書換え履歴等を管理するサーバである。
【0018】
車両側システム4は、マスタ装置11(車両用マスタ装置に相当する)を有する。マスタ装置11は、DCM(Data Communication Module)12と、CGW(Central Gate Way)13とを有する。DCM12とCGW13とは、第1バス14を介してデータ通信可能に接続されている。DCM12は、センター装置3との間で通信ネットワーク2を介してデータ通信を行う。DCM12は、ファイルサーバ8から配信パッケージをダウンロードすると、そのダウンロードした配信パッケージから書込みデータを抽出し、その抽出した書込みデータをCGW13に転送する。
【0019】
CGW13は、データ中継機能を有し、DCM12から書込みデータを取得すると、その取得した書込みデータの書込みをアプリプログラムの書換え対象である書換え対象ECUに指示し、書込みデータを書換え対象ECUに配信する。又、CGW13は、書換え対象ECUにおいて書込みデータの書込みが完了し、アプリプログラムの書換えが完了すると、その書換え完了後のアプリプログラムを有効とするアクティベートを書換え対象ECUに指示する。
【0020】
マスタ装置11は、車両用プログラム書換えシステム1において車両側のプログラム更新機能を統括し、OTAマスタとして機能する。尚、
図1では、DCM12と車載ディスプレイ7が同一の第1バス14に接続されている構成を例示しているが、DCM12と車載ディスプレイ7とが別々のバスに接続されている構成でも良い。又、DCM12の機能の一部又は全体をCGW13が有する構成でも良いし、CGW13の機能の一部又は全体をDCM12が有する構成でも良い。即ち、マスタ装置11において、DCM12とCGW13との機能分担がどのように構成されていても良い。マスタ装置11は、DCM12及びCGW13の2つのECUから構成されても良いし、DCM12の機能とCGW13の機能とを有する1つの統合ECUで構成されても良い。
【0021】
CGW13には、第1バス14に加え、第2バス15と、第3バス16と、第4バス17と、第5バス18とが車内側のバスとして接続されており、バス15~17を介して各種ECU19が接続されていると共に、バス18を介して電源管理ECU20が接続されている。
【0022】
第2バス15は、例えばボディ系ネットワークのバスである。第2バス15に接続されているECU19は、ボディ系の制御を行うECUである。ボディ系の制御を行うECUは、例えばドアのロック/アンロックを制御するドアECU、メータディスプレイへの表示を制御するメータECU、エアコンの駆動を制御するエアコンECU、ウィンドウの開閉を制御するウィンドウECU、車両の盗難防止のために駆動するセキュリティECU等である。
【0023】
第3バス16は、例えば走行系ネットワークのバスである。第3バス16に接続されているECU19は、走行系の制御を行うECUである。走行系の制御を行うECUは、例えばエンジンの駆動を制御するエンジンECU、ブレーキの駆動を制御するブレーキECU、自動変速機の駆動を制御するECT(Electronic Controlled Transmission)ECU、パワーステアリングの駆動を制御するパワーステアリングECU等である。
【0024】
第4バス17は、例えばマルチメディア系ネットワークのバスである。第4バス17に接続されているECU19は、マルチメディア系の制御を行うECUである。マルチメディア系の制御を行うECUは、例えばナビゲーションシステムを制御するためのナビゲーションECU、電子式料金収受システム(ETC(Electronic Toll Collection System、登録商標))を制御するETCECU等である。バス15~17は、ボディ系ネットワークのバス、走行系ネットワークのバス、マルチメディア系ネットワークのバス以外の系統のバスであっても良い。又、バスの本数やECU19の個数は例示した構成に限らない。
電源管理ECU20は、DCM12、CGW13、各種ECU19等に供給する電源を管理するECUである。
【0025】
CGW13には、第6バス21が車外側のバスとして接続されている。第6バス21には、ツール23が着脱可能に接続されるDLC(Data Link Coupler)コネクタ22が接続されている。車内側のバス14~18及び車外側のバス21は、例えばCAN(Controller Area Network、登録商標)バスにより構成されており、CGW13は、CANのデータ通信規格や診断通信規格(UDS(Unified Diagnosis Services):ISO14229)にしたがってDCM12と、各種ECU19と、ツール23との間でデータ通信を行う。尚、DCM12とCGW13とがイーサーネットにより接続されていても良いし、DLCコネクタ22とCGW13とがイーサーネットにより接続されても良い。
【0026】
書換え対象ECU19は、CGW13から書込みデータを受信すると、その受信した書込みデータをフラッシュメモリに書込んでアプリプログラムを書換える。上記した構成では、CGW13は、書換え対象ECU19から書込みデータの取得要求を受信すると、書込みデータを書換え対象ECU19に配信するリプログマスタとして機能する。書換え対象ECU19は、CGW13から書込みデータを受信すると、その受信した書込みデータをフラッシュメモリに書込んでアプリプログラムを書換えるリプログスレーブとして機能する。
【0027】
アプリプログラムを無線で書換える態様では、アプリプログラムを書換え可能である旨を示すキャンペーン通知が携帯端末6や車載ディスプレイ7において行われる。ユーザが携帯端末6や車載ディスプレイ7においてキャンペーン通知を把握し、携帯端末6や車載ディスプレイ7を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを条件としてアプリプログラムの書換えを行う。即ち、マスタ装置11は、ユーザからのプログラム更新の承諾が得られたことを条件とし、キャンペーン通知フェーズを行った後に、
図2に示すように、センター装置3から車両側への配信パッケージのダウンロードを実行するダウンロードフェーズ、CGW13から書換え対象ECU19への書込みデータの配信を実行するインストールフェーズ、新アプリプログラムの起動に備えるアクティベートフェーズを順次行い、アプリプログラムの書換えを行う。
【0028】
図3に示すように、配信サーバ8には、OEMにより管理されるOEM基幹サーバ24が接続されている。OEM基幹サーバ24は、ユーザ向け管理WEB24aを有し、携帯端末6や車載ディスプレイ7がデータ通信可能に接続されることで、ユーザが携帯端末6や車載ディスプレイ7を用いて行うプログラム更新の承諾を受付ける機能を有する。ユーザ向け管理WEB24aは、ユーザが携帯端末6を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを特定すると、その旨を承諾情報(第2承諾情報に相当する)として配信サーバ8に送信する。この場合、ユーザは、プログラム更新の承諾を行う際に、例えば一括承諾又は個別承諾を選択すると共に、インストールフェーズの開始タイミングを設定することができる。一括承諾とは、キャンペーン通知フェーズ、ダウンロードフェーズ、インストールフェーズ及びアクティベートフェーズの全てのフェーズを一括した承諾である。個別承諾とは、キャンペーン通知フェーズ、ダウンロードフェーズ、インストールフェーズ及びアクティベートフェーズのフェーズ毎の個別の承諾である。ユーザは、例えばプログラム更新を最後まで見届ける余裕がないような場合には一括承諾を選択すれば良く、プログラム更新を最後まで見届ける余裕があるような場合には個別承諾を選択すれば良い。又、ユーザは、例えば駐車する時刻に合わせてインストールの開始時刻を設定し、インストールフェーズの開始タイミングを設定すれば良い。
【0029】
又、ユーザ向け管理WEB24aは、ユーザが車載ディスプレイ7を用いてプログラム更新の承諾を行ったことを特定すると、その旨を承諾情報(第3承諾情報に相当する)として配信サーバ8に送信する。この場合も、ユーザは、携帯端末6を用いてプログラム更新の承諾を行う場合と同様に、一括承諾又は個別承諾を選択すると共に、インストールフェーズの開始タイミングを設定することができる。
【0030】
前述したように、キャンペーン通知が携帯端末6や車載ディスプレイ7において行われる構成では、携帯端末6を所有していないユーザや車載ディスプレイ7が搭載されていない車両のユーザは、キャンペーン通知を把握することができない。そのため、プログラム更新の承諾を行うことができず、プログラムを書換える機会を逃してしまうことになる。この点に鑑み、本実施形態では、以下に示す構成を特徴とする。
【0031】
図4に示すように、センター装置3は、通信ネットワーク2を介してPOS(Point Of Sale)システム25(第1装置に相当する)、会話応答システム26(第1装置に相当する)、自動応答システム27(第1装置に相当する)とデータ通信可能に構成されている。本実施形態では、アプリプログラムを書換え可能である旨を示すキャンペーン通知が携帯端末6や車載ディスプレイ7においてユーザに行われると共に、キャンペーン通知の内容を知らせる葉書28がユーザに郵送される。ユーザに郵送される葉書28には、オペレータへの連絡先の電話番号(
図4では「0120-XXXXXX(Xは「0」~「9」の任意の数字)」)と、ユーザの個人情報、車両情報、認証情報がコード化されているQRコード(登録商標)が印字されている。
【0032】
ユーザが葉書28を例えばコンビニエンスストア等の店舗に持参し、葉書28に印字されているQRコードをスキャナで読取らせると、POSシステム25は、QRコードをスキャナで読取ったことでプログラム更新の承諾を受付け、その読取ったユーザの個人情報等を承諾情報として通信ネットワーク2を介してセンター装置3に送信する。即ち、ユーザは、葉書28に印字されているQRコードをスキャナで読取らせることで、POSシステム25を介してプログラム更新を承諾する意思をセンター装置3に通知することができる。
【0033】
又、ユーザが葉書28に印字されている電話番号を例えば携帯電話機や固定電話機において入力すると、そのユーザにより入力された電話番号を発信先電話番号として電話機が発信し、オペレータが応答すると、ユーザがオペレータと会話可能となる。オペレータがキャンペーン通知の内容をユーザに口頭で説明することで、ユーザがキャンペーン通知の内容を理解することができ、プログラム更新を承諾するか否かを選択することができる。オペレータは、プログラム更新を承諾する意思をユーザから伝えられると、会話応答システム26を操作し、ユーザの個人情報等を入力する。会話応答システム26は、ユーザの個人情報等が入力されると、その入力されたユーザの個人情報等を承諾情報として通信ネットワーク2を介してセンター装置3に送信する。即ち、ユーザは、葉書28に印字されている電話番号に電話を掛けることで、会話応答システム26を介してプログラム更新を承諾する意思をセンター装置3に通知することができる。
【0034】
又、会話応答システム26のオペレータを介さなくても良い。ユーザが葉書28に印字されている電話番号を例えば携帯電話機や固定電話機において入力すると、そのユーザにより入力された電話番号を発信先電話番号として電話機が発信し、自動応答システム27が応答する。自動応答システム27は、予め登録されている自動応答の手順にしたがって音声ガイダンスを出力し、その音声ガイダンスにしたがってユーザが例えば携帯電話機や固定電話機を操作することでユーザの個人情報等を入力する。自動応答システム27は、ユーザの個人情報等が入力されると、その入力されたユーザの個人情報等を承諾情報として通信ネットワーク2を介してセンター装置3に送信する。即ち、ユーザは、葉書28に印字されている電話番号に電話を掛けることで、自動応答システム27を介してプログラム更新を承諾する意思をセンター装置3に通知することができる。尚、ユーザが会話応答システム26又は自動応答システム27の何れを用いるかを選択可能としても良いし、オペレータとの会話と音声ガイダンスの出力とが混在するシステムを採用しても良い。
【0035】
ユーザは、このようにPOSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27を用いてプログラム更新の承諾を行う場合でも、携帯端末6や車載ディスプレイ7を用いてプログラム更新の承諾を行う場合と同様に、一括承諾又は個別承諾を選択すると共に、インストールフェーズの開始タイミングを設定することができる。POSシステム25を用いる場合であれば、ユーザが例えば葉書28に印字されているQRコードをスキャナで読取らせる際に、一括承諾又は個別承諾の何れであるか、インストールフェーズの開始タイミングを店舗の店員に伝え、そのユーザから伝えられた情報を店員がPOSシステム25に登録すれば良い。会話応答システム26を用いる場合であれば、ユーザがオペレータと会話する際に、一括承諾又は個別承諾の何れであるか、インストールフェーズの開始タイミングをオペレータに伝え、そのユーザから伝えられた情報をオペレータが会話応答システム26に登録すれば良い。自動応答システム27を用いる場合であれば、ユーザが音声ガイダンスにしたがって電話機を操作する際に、一括承諾又は個別承諾の何れであるか、インストールフェーズの開始タイミングを自動応答システム27に登録すれば良い。
【0036】
OEM基幹サーバ24は、ユーザ向け管理WEB24aに加え、上記したようにユーザがPOSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27を用いてプログラム更新の承諾を行うことに応じて承諾を受付ける機能を有する。具体的には、OEM基幹サーバ24は、POSシステム向け管理WEB24b、会話応答システム向け管理WEB24c、自動応答システム向け管理WEB24dを有する。POSシステム向け管理WEB24aは、ユーザがPOSシステム25を用いてプログラム更新の承諾を行うと、その旨を承諾情報(第1承諾情報に相当する)として配信サーバ8に送信する。会話応答システム向け管理WEB24cは、ユーザが会話応答システム26を用いてプログラム更新の承諾を行うと、その旨を承諾情報(第1承諾情報に相当する)として配信サーバ8に送信する。自動応答システム向け管理WEB24dは、ユーザが自動応答システム27を用いてプログラム更新の承諾を行うと、その旨を承諾情報(第1承諾情報に相当する)として配信サーバ8に送信する。
【0037】
配信サーバ8は、承諾情報受信部8aと、承諾情報管理部8bと、各種データベース8c~8fと、承諾情報送信部8gとを有する。承諾情報受信部8aは、OEM基幹サーバ24から承諾情報を受信すると、その受信した承諾情報を承諾情報管理部8bに出力する。承諾情報管理部8bは、承諾情報受信部8aから承諾情報を入力すると、その入力した承諾情報をデータベース8c~8fのうち該当するデータベースに記憶して管理する。具体的に説明すると、承諾情報管理部8bは、承諾情報を解析し、ユーザが携帯端末6、車載ディスプレイ7、POSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27の何れを用いてプログラム更新の承諾を行ったかを判定し、該当するデータベースに記憶して管理する。
【0038】
各種データベース8c~8fは、個車情報データベース8cと、構成情報データベース8dと、キャンペーンデータベース8eと、パッケージデータベース8fとを有する。個車情報データベース8cは、個車情報を管理するデータベースであり、
図5に示すように、データ項目として、「VIN」、「車両型式」、「Vehicle SW ID」、「Sys ID」、「ECU ID」、「ECU SW ID」、「運用面」、「アクセスログ」、「リプロステータス」を含む。
【0039】
「VIN」は、車両毎に付与されている識別情報である。「車両型式」は車種を示す情報である。「Vehicle SW ID」は、車両全体に対するソフトウェアIDであり、ソフトウェアを識別するIDである。「Vehicle SW ID」は、各車両に1つだけ付与される情報であり、何れか1つ以上のECU19のアプリプログラムのバージョンが更新されるのに応じて更新される。
【0040】
「Sys ID」は、各車両に搭載されている複数のECU19のグループを「システム」とすると、そのシステムを識別するIDである。例えばボディ系ECU19のグループをボディ系システムとし、走行系ECU19のグループを走行系システムとし、そのシステムを識別するIDである。「Sys ID」は、システムを構成する何れか1つ以上のECUのアプリプログラムのバージョンが更新されるのに応じて更新される。
【0041】
「ECU ID」は、各ECU19の種別を示す装置識別用のIDである。「ECU SW ID」は、各ECU19に対するソフトウェアIDであり、当該ECU19のアプリプログラムのバージョンが更新されるのに応じて更新される。又、同一の「ECU ID」で同一のプログラムバージョンであったとしても、ハードウェア構成が異なる場合は、異なる「ECU SW ID」が用いられる。即ち、「ECU SW ID」はECUの品番を示す情報でもある。
【0042】
「運用面」は、メモリ構成が2面である場合に、ECU19が現在運用しているプログラムが書込まれている面であり、構成情報と共にアップロードされた値が登録される。「アクセスログ」は、車両が個車情報をセンター装置3にアップロードした年月日及び時刻である。「リプロステータス」は、車両におけるリプログのステータスを示し、例えば「キャンペーン発行済み」、「アクティベート完了」、「ダウンロード完了」等がある。即ち、ユーザが携帯端末6、車載ディスプレイ7、POSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27の何れかを用いてプログラムの承諾を行うと、プログラム更新の進捗に応じて「リプロステータス」が更新される。リプログステータスによりプログラム更新が何れのフェーズまで進み、何れのフェーズで停滞しているかが分かる。
【0043】
構成情報データベース8dは、構成情報を管理するデータベースであり、
図6に示すように、データ項目として、「車両型式」、「Vehicle SW ID」、「Sys ID」、「ECU ID」、「ECU SW ID」を含む。
図6では、「車両型式」=「aaa」の車両に関する構成情報を示している。車両に搭載されるECU19のうち自動運転ECU(ADS)、エンジンECU(ENG)、ブレーキECU(BRK)及び電動パワーステアリングECU(EPS)を例示している。例えば「Vehicle SW ID」=「0001」の「ECU SW ID」が、「ads_001」,「eng_010」,「brk_001」,「eps_010」であるのに対し、「Vehicle SW ID」=「0002」の「ECU SW ID」は、「ads_002」,「eng_010」,「brk_005」,「eps_011」であり、3つのソフトウェアバージョンが更新されている。これに伴い、「Sys ID」=「SA01_01」は「SA01_02」に更新され、「Sys ID」=「SA02_01」は「SA02_02」に更新される。
【0044】
キャンペーンデータベース8eは、キャンペーンに関する情報を管理するデータベースであり、
図7に示すように、データ項目として、「キャンペーンID」、「パッケージID」、「キャンペーン内容」、「対象VINリスト」、「更新前Vehicle SW ID」、「更新後Vehicle SW ID」、「更新前Vehicle SW ID リスト」、「更新後Vehicle SW ID リスト」を含む。これらのキャンペーンデータベースの各データ項目は、後述するパッケージデータベース8fのデータ項目に合わせて登録されても良い。
【0045】
「キャンペーンID」は、キャンペーンを識別する識別情報である。「パッケージID」は、パッケージを識別する識別情報である。「キャンペーン内容」は、プログラム更新の内容を示すテキスト文等のメッセージ情報である。「対象VINリスト」は、キャンペーンの対象となる車両のIDである「VIN」のリストである。「更新前Vehicle SW ID」は、プログラム更新前の「Vehicle SW ID」であり、「更新後Vehicle SW ID」は、プログラム更新後の「Vehicle SW ID」である。「更新前Vehicle SW ID リスト」は、プログラム更新前の「Vehicle SW ID」のリストであり、「更新後Vehicle SW ID リスト」は、プログラム更新後の「Vehicle SW ID」のリストである。
【0046】
パッケージデータベース8fは、パッケージに関する情報を管理するデータベースであり、
図8に示すように、データ項目として、「パッケージID」、「ファイル」、「完全性検証データ」を含む。「パッケージID」は、配信パッケージを識別する識別情報である。「ファイル」は、配信パッケージに格納されているファイルである。「完全性検証データ」は、配信パッケージの完全性を検証するためのデータである。
【0047】
上記した構成では、ユーザが携帯端末6、車載ディスプレイ7、POSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27の何れかを用いてプログラム更新の承諾を行うと、配信サーバ8において、個車情報データベース8cの「リプロステータス」を更新することを例示したが、リプロステータス」を更新することに追従し、構成情報データベース8d、キャンペーンデータベース8e、パッケージデータベース8fの関連するデータ項目を更新しても良い。又、データベースの構成として、個車情報データベース8c、構成情報データベース8d、キャンペーンデータベース8e、パッケージデータベース8fとは別に、承諾に関する情報を管理するデータベースを用意しても良い。
【0048】
承諾情報送信部8gは、ユーザが携帯端末6、車載ディスプレイ7、POSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27の何れかを用いてプログラム更新の承諾を行ったことで各種データベース8c~8fが更新された後に、承諾情報をマスタ装置11に送信する。尚、以上は、ユーザが車載ディスプレイ7を用いてプログラム更新の承諾を行った場合に、承諾情報がOEM基幹サーバ24及び配信サーバ8を介してマスタ装置11に送信される構成を説明したが、承諾情報がOEM基幹サーバ24及び配信サーバ8を介さずにマスタ装置11に直接送信される構成でも良い。
【0049】
次に、携帯端末6や車載ディスプレイ7において表示されるキャンペーン通知の案内画面について説明する。
図9に示すように、キャンペーン通知の案内画面29が携帯端末6に表示される場合には、「通常の手続き」ボタン29a、「オペレータにつなぐ」ボタン29b、「自動応答」ボタン29c、「後でする」ボタン29dが表示され、ユーザが何れかのボタンを選択可能となる。ユーザが「通常の手続き」ボタン29aを操作すると、これ以降、ユーザが携帯端末6を用いてプログラム更新の承諾を行う。
【0050】
これに対し、ユーザが「オペレータにつなぐ」ボタン29bを操作すると、予め指定されている電話番号を発信先電話番号として携帯端末6が発信し、オペレータが応答すると、ユーザがオペレータと会話可能となる。オペレータがキャンペーン通知の内容をユーザに口頭で説明することで、ユーザがキャンペーン通知の内容を理解することができ、プログラム更新を承諾するか否かを選択することができる。即ち、ユーザは、携帯端末6の案内画面29で「オペレータにつなぐ」ボタン29bを操作することで、会話応答システム26を介してプログラム更新を承諾する意思をセンター装置3に通知することができる。
【0051】
又、ユーザが「自動応答」ボタン29cを操作すると、予め指定されている電話番号を発信先電話番号として携帯端末6が発信し、自動応答システム27が応答すると、ユーザが音声ガイダンスによりキャンペーン通知の内容を理解することができ、プログラム更新を承諾するか否かを選択することができる。即ち、ユーザは、携帯端末6の案内画面29で「自動応答」ボタン29cを操作することで、自動音声システム27を介してプログラム更新を承諾する意思をセンター装置3に通知することができる。尚、ユーザが「後でする」ボタン29dを操作すると、これ以降の任意のタイミングで、キャンペーン通知の案内画面29が携帯端末6に再度表示される。
【0052】
又、ボタン29a~29dに加え、葉書28と同様のQRコードが案内画面29に表示されている場合には、ユーザが携帯端末6を例えばコンビニエンスストア等の店舗に持参し、携帯端末6に表示されているQRコードをスキャナで読取らせると、POSシステム25は、その読取ったユーザの個人情報等を承諾情報として通信ネットワーク2を介してセンター装置3に送信する。即ち、ユーザは、携帯端末6に表示されているQRコードをスキャナで読取らせることでも、POSシステム25を介してプログラム更新を承諾する意思をセンター装置3に通知することができる。
【0053】
キャンペーン通知の案内画面が車載ディスプレイ7に表示される場合も同様である。即ち、
図10に示すように、キャンペーン通知の案内画面30が車載ディスプレイ7に表示される場合には、「通常の手続き」ボタン30a、「オペレータにつなぐ」ボタン30b、「自動応答」ボタン30c、「後でする」ボタン30dが表示され、ユーザが何れかのボタンを選択可能となる。ユーザが「通常の手続き」ボタン30aを操作すると、これ以降、ユーザが車載ディスプレイ7を用いてプログラム更新の承諾を行う。
【0054】
これに対し、ユーザが「オペレータにつなぐ」ボタン30bを操作すると、予め指定されている電話番号を発信先電話番号として携帯端末6が発信し、オペレータが応答すると、ユーザがオペレータと会話可能となる。オペレータがキャンペーン通知の内容をユーザに口頭で説明することで、ユーザがキャンペーン通知の内容を理解することができ、プログラム更新を承諾するか否かを選択することができる。即ち、ユーザは、携帯端末6の案内画面30で「オペレータにつなぐ」ボタン30bを操作することで、会話応答システム26を介してプログラム更新を承諾する意思をセンター装置3に通知することができる。
【0055】
又、ユーザが「自動応答」ボタン30cを操作すると、予め指定されている電話番号を発信先電話番号として携帯端末6が発信し、自動応答システム27が応答すると、ユーザが音声ガイダンスによりキャンペーン通知の内容を理解することができ、プログラム更新を承諾するか否かを選択することができる。即ち、ユーザは、携帯端末6の案内画面30で「自動応答」ボタン30cを操作することで、自動音声システム27を介してプログラム更新を承諾する意思をセンター装置3に通知することができる。尚、ユーザが「後でする」ボタン30dを操作すると、これ以降の任意のタイミングで、キャンペーン通知の案内画面30が携帯端末6に再度表示される。
【0056】
尚、案内画面30が車載ディスプレイ7に表示される場合には、ユーザが乗車した直後や降車する直前等のタイミング、即ち、ユーザの運転の妨げにならないタイミングで案内画面30が表示されることが望ましい。又、案内画面30に「オペレータにつなぐ」ボタン30bや「自動応答」ボタン30cが表示される代わりに、車室内に配置されている機械的なボタンをユーザが操作することで、予め指定されている電話番号を発信先電話番号としてDCM12が発信しても良い。即ち、例えば車室内の天井にオーバーヘッドコンソール31(
図4参照)が配置され、メータ装置においてキャンペーンを知らせるインジケータのランプが点灯し、ユーザがランプの点灯を確認してオーバーヘッドコンソール31のコールボタンを押下すると、予め指定されている電話番号を発信先電話番号としてDCM12が発信しても良い。オーバーヘッドコンソール31を使用することで、車載ディスプレイ7が搭載されていない構成でも、ユーザが車室内でプログラム更新の承諾を行うことができる。
【0057】
又、このようにユーザがPOSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27を介してプログラム更新を承諾する意思をセンター装置3に通知する場合に、その承諾の内容を履歴として出力媒体に出力して良い。POSシステム25を用いる場合であれば、例えば承諾の内容を記録したレシートを発行したり、例えば承諾の内容を電子データとしてユーザの携帯端末6に転送したりしても良い。会話応答システム26を用いる場合であれば、会話内容を録音しても良い。自動応答システム27を用いる場合であれば、ユーザの操作履歴を記憶しても良い。
【0058】
次に、車両側の構成としてCGW13の構成について説明する。
図11に示すように、CGW13は、制御部32を有する。制御部32は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含むマイコンを有し、非遷移的実体的記憶媒体に格納されている制御プログラムを実行して各種処理を行い、CGW13の動作を制御する。
【0059】
制御部32は、承諾情報受付け部32aと、プログラム書換え部32bと、圏内判定部32cとを有する。承諾情報受付け部32aは、配信サーバ8から送信された承諾情報を受付ける。プログラム書換え部32bは、承諾情報が承諾情報受付け部32aにより受付けられると、プログラムの書換えを行う。即ち、プログラム書換え部32bは、ユーザが一括承諾を選択していれば、アプリプログラムの書換えを全てのフェーズを一括して行い、フェーズ毎の承諾を必要としない一括書換えを行う。即ち、ユーザが携帯端末6や車載ディスプレイ7を用いてプログラム更新の一括承諾を行った場合には、最初にキャンペーン通知の承諾画面が携帯端末6や車載ディスプレイ7に表示されるが、これ以降は、ダウンロードの承諾画面、インストールの承諾画面、アクティベートの承諾画面が表示されることなく、プログラム更新が進む。一方、プログラム書換え部32bは、ユーザが個別承諾を選択していれば、アプリプログラムの書換えをフェーズ毎の個別に行い、フェーズ毎の承諾を必要とする個別書換えを行う。即ち、ユーザが携帯端末6や車載ディスプレイ7を用いてプログラム更新の個別承諾を行った場合には、最初にキャンペーン通知の承諾画面が携帯端末6や車載ディスプレイ7に表示され、これ以降は、ダウンロードの承諾画面、インストールの承諾画面、アクティベートの承諾画面が順次表示され、その都度、ユーザが承諾を行うことでプログラム更新が進む。
【0060】
圏内判定部32cは、DCM12のデータ通信状態により外部とのデータ通信の通信圏内であるか否かを判定する。承諾情報受付け部19aは、外部とのデータ通信の通信圏内であると圏内判定部32cにより判定され、配信サーバ8とのデータ通信が可能であると判定されると、携帯端末6、車載ディスプレイ7、POSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27が用いられる承諾を受付けるが、外部とのデータ通信の通信圏内でないと圏内判定部32cにより判定され、配信サーバ8とのデータ通信が不能であると判定されると、車載ディスプレイ7が用いられる承諾のみを受付ける。
【0061】
次に、上記した構成の作用について
図12から
図16を参照して説明する。ここでは、センター装置3側の処理として配信サーバ8の承諾情報受信判定処理を説明し、車両側の処理としてCGW13の承諾情報受付け判定処理を説明する。プログラム更新の承諾判定方法は、配信サーバ8の承諾情報受信判定処理及びCGW13の承諾情報受付け判定処理を含む。
【0062】
(1)配信サーバ8の承諾情報受信判定処理
配信サーバ8は、承諾情報受信判定処理を開始すると、OEM基幹サーバ24からの承諾情報の受信をしたか否かを判定する(S1)。配信サーバ8は、OEM基幹サーバ24から承諾情報を受信したと判定すると(S1:YES、承諾情報受信手順に相当する)、その受信した承諾情報を解析し(S2)、承諾情報をユーザの車両情報と対応付けて個車情報データベース8cに記憶して管理し、個車情報データベース8cを更新する(S3、承諾情報管理手順に相当する)。
【0063】
具体的に説明すると、配信サーバ8は、OEM基幹サーバ24から第2承諾情報を受信すると、ユーザが携帯端末6を用いてプログラム更新の承諾を行った旨を個車情報データベース8cに記憶して管理する。配信サーバ8は、OEM基幹サーバ24から第3承諾情報を受信すると、ユーザが車載ディスプレイ7を用いてプログラム更新の承諾を行った旨を個車情報データベース8cに記憶して管理する。配信サーバ8は、OEM基幹サーバ24から第1承諾情報を受信すると、POSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27の何れであるかを判定し、ユーザがPOSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27のうち何れかを用いてプログラム更新の承諾を行った旨を個車情報データベース8cに記憶して管理する。このとき、配信サーバ8は、一括承諾又は個別承諾の何れあるかを特定し、インストールフェーズの開始タイミングを特定する。配信サーバ8は、承諾情報をユーザの車両情報と対応付けて個車情報データベース8cに記憶した後に、承諾情報を車両側に送信し(S4、承諾情報送信手順に相当する)、承諾情報受信判定処理を終了する。
【0064】
(2)CGW13の承諾情報受付け判定処理
CGW13は、承諾情報受付け判定処理を開始すると、配信サーバ8から承諾情報を受付けたか否かを判定する(S11、承諾情報受付け手順に相当する)。CGW13は、配信サーバ8から承諾情報を受付けたと判定すると(S11:YES)、その受付けた承諾情報を解析し(S12)、書換え開始条件が成立したか否かを判定する(S13)、CGW13は、例えばユーザが指定したアプリプログラムの書換え開始時刻に達する等して書換え開始条件が成立したと判定すると(S13:YES)、書込みデータを書換え対象ECU19に配信し、書換え対象ECU19のアプリプログラムを書換え(S14、プログラム書換え手順に相当する)、承諾情報受付け判定処理を終了する。
【0065】
ユーザがPOSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27を用いてプログラム更新の承諾を行った場合について
図14から
図16を参照して説明する。POSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27は、ユーザからのプログラム更新の承諾の意思を確認すると、承諾情報をOEM基幹サーバ24に送信する。OEM基幹サーバ24は、POSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27から承諾情報を受信すると、その受信した承諾情報を配信サーバ8に送信する。配信サーバ8は、POSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27から承諾情報を受信すると、SMS(Short Message Service)信号をDCM12に送信し、DCM12からコマンド取得要求を受信すると、承諾情報をCGW13に送信する。
【0066】
尚、配信サーバ8は、ユーザが携帯端末6、車載ディスプレイ7、POSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27の何れを用いてプログラム更新の承諾を行うと、上記したようにプログラム更新の進捗に応じて個車情報データベース8cの「リプロステータス」を更新することで、キャンペーン通知に対して最先の承諾情報だけを有効とし、同じキャンペーン通知に対して2度目以降の承諾情報を無効とする。配信サーバ8は、例えば承諾情報管理フラグを設け、最先の承諾情報を受信した場合に承諾情報管理フラグの値を「0」から「1」に変更し、承諾情報管理フラグの値を判定することで、キャンペーン通知に対して最先の承諾情報であるか2度目以降の承諾情報であるかを判定し、2度目以降の承諾情報を無効としても良い。
【0067】
CGW13は、ユーザが一括承諾を選択していれば、
図14に示すように、キャンペーン通知フェーズ、ダウンロードフェーズ、インストールフェーズ及びアクティベートフェーズを連続して行い、アプリプログラムの書換えを全てのフェーズを一括して行い、フェーズ毎の承諾を必要としない一括書換えを行う。CGW13は、ユーザが個別承諾を選択していれば、
図15及び
図16に示すように、キャンペーン通知フェーズを行った後に、フェーズ毎の個別の承諾を判定しながらダウンロードフェーズ、インストールフェーズ及びアクティベートフェーズを行い、アプリプログラムの書換えをフェーズ毎の個別に行い、フェーズ毎の承諾を必要とする個別書換えを行う。尚、CGW13は、一部のフェーズだけについて個別の承諾を判定しても良く、例えばダウンロードフェーズ、インストールフェーズについて個別の承諾を判定せずに行い、アクティベートフェーズだけについて個別の承諾を判定しても良い。又、アプリプログラムの書換えの途中で一括書換えと個別書換えとを切替えても良い。
【0068】
以上に説明したように本実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。
車両用プログラム書換えシステム1において、ユーザがプログラム更新の承諾を行う手段として、POSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27を設け、ユーザがPOSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27を用いてプログラム更新の承諾を行うと、プログラムの書換えを行うようにした。携帯端末6を所有していないユーザや車載ディスプレイ7が搭載されていない車両のユーザであっても、POSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27を用いることで、プログラム更新の承諾を行うことができ、プログラムの書換えを適切に行うことができる。
【0069】
即ち、ユーザが葉書28に印字されているQRコードをスキャナで読取らせたり、ユーザが葉書28に印字されている電話番号を入力したり、ユーザが「オペレータにつなぐ」ボタン29b,30bや「自動応答」ボタン29c,30cを操作したりした場合に、アプリプログラムの書換えを行うようにした。携帯端末6を所有していないユーザや車載ディスプレイ7が搭載されていない車両のユーザであってもアプリプログラム更新の承諾を行うことができる。又、携帯端末6を所有していないユーザに対して携帯端末6の所有を促したり車載ディスプレイ7が搭載されていない車両のユーザに対して車載ディスプレイ7の搭載を促したりする必要もない。更に、情報機器の操作に慣れていないユーザに対して操作に慣れるように促したりする必要もない。
【0070】
携帯端末6において、キャンペーン通知の案内画面29を表示する際に、携帯端末6を用いるプログラム更新の案内として「通常の手続き」ボタン29aを表示し、会話応答システム26を用いるプログラム更新の案内として「オペレータにつなぐ」ボタン29bを表示し、自動応答システム27を用いるプログラム更新の案内として「自動応答」ボタン29cを表示するようにした。携帯端末6を所有しているユーザに対して、携帯端末6を用いて承諾を行うか、会話応答システム26や自動応答システム27を用いて承諾を行うかをユーザが容易に選択することができ、操作性を高めることができる。
【0071】
車載ディスプレイ7についても同様であり、車載ディスプレイ7において、キャンペーン通知の案内画面30を表示する際に、車載ディスプレイ7を用いるプログラム更新の案内として「通常の手続き」ボタン30aを表示し、会話応答システム26を用いるプログラム更新の案内として「オペレータにつなぐ」ボタン30bを表示し、自動応答システム27を用いるプログラム更新の案内として「自動応答」ボタン30cを表示するようにした。車載ディスプレイ7が搭載されている車両のユーザに対して、車載ディスプレイ7を用いて承諾を行うか、会話応答システム26や自動応答システム27を用いて承諾を行うかをユーザが容易に選択することができ、操作性を高めることができる。
【0072】
又、ユーザが一括承諾を選択した場合には、フェーズ毎の承諾を必要としない一括書換えを行い、ユーザが個別承諾を選択した場合には、フェーズ毎の承諾を必要する個別書換えを行うようにした。又、アプリプログラムの書換え中に一括書換えと個別書換えとを切替え可能とした。ユーザが一括書換えか個別書換えを自在に選択することができ、アプリプログラムの書換えの自由度を高めることができる。
【0073】
ユーザがインストールフェーズの開始タイミングを設定した場合には、その開始タイミングにしたがってインストールフェーズを開始するようにした。書換え対象ECU19へのインストールの開始タイミングを自在に設定することができ、アプリプログラムの書換えの自由度を高めることができる。
【0074】
POSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27を利用することで、プログラム更新の承諾のための専用のシステムを新規に構築することなく、既存のPOSシステム25、会話応答システム26、自動応答システム27のソフトウェアを改良することで容易に実現することができる。又、会話応答システム26ではユーザがオペレータと会話することで、安心感をユーザに与えることができる。
【0075】
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、更には、それらに一要素のみ、それ以上、或いはそれ以下を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0076】
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することにより提供された専用コンピュータにより実現されても良い。或いは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によりプロセッサを構成することにより提供された専用コンピュータにより実現されても良い。若しくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路により構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより実現されても良い。又、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていても良い。
【符号の説明】
【0077】
図面中、1は車両用プログラム書換えシステム(車両用電子制御システム)、3はセンター装置、6は携帯端末(第2装置)、7は車載ディスプレイ(第3装置)、8aは承諾情報受信部、8bは情報管理部、8cは個車情報データベース(承諾情報記憶部)、8gは承諾情報送信部、11はマスタ装置(車両用マスタ装置)、19はECU(電子制御装置)、25はPOSシステム(第1装置)、26は会話応答システム(第1装置)、27は自動応答システム(第1装置)、32aは承諾情報受付け部、32bはプログラム書換え部である。