(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】方法及び端末デバイス
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0446 20230101AFI20231212BHJP
H04W 72/40 20230101ALI20231212BHJP
H04W 4/46 20180101ALI20231212BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20231212BHJP
H04W 56/00 20090101ALI20231212BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04W72/40
H04W4/46
H04W92/18
H04W56/00 130
H04L27/26 112
(21)【出願番号】P 2021557109
(86)(22)【出願日】2019-03-27
(86)【国際出願番号】 CN2019079863
(87)【国際公開番号】W WO2020191657
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
(72)【発明者】
【氏名】ミャオ ジァオバン
【審査官】倉本 敦史
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-538750(JP,A)
【文献】国際公開第2018/029023(WO,A1)
【文献】LG Electronics,Discussion on NR sidelink synchronization,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #94bis R1-1810282,2018年09月29日,pp.1-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04L 27/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信方法であって、
受信デバイスで、送信デバイスから、第1の時間から始まる第1のスロットにおいて情報を受信することと、
前記受信デバイスで使用されるサブキャリア間隔に基づいて時間間隔を決定することと、
前記第1の時間及び前記時間間隔に基づいて第2の時間を決定することと、
前記送信デバイスから、前記第1の時間より前記時間間隔だけ遅れる前記第2の時間から始まる第2のスロットにおいて前記情報を受信することと、を含む、方法。
【請求項2】
さらに、
同期ソースから同期信号を受信することと、
前記受信した同期信号に基づいて、前記第1のスロットのインデックス及び前記第1の時間を決定することと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のスロットにおいて前記情報を受信することは、
前記第1のスロットの前記インデックス及び前記第1の時間が決定されたことに応答して、前記第1の時間から始まる、前記インデックスの前記第1のスロットにおいて、前記情報を受信することを含む
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のスロットにおいて前記情報を受信することは、
前記第2の時間が決定されたことに応答して、前記第2の時間から始まる、前記インデックスの前記第2のスロットにおいて前記情報を受信することを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記情報は、前記送信デバイスからユニキャスト、グループキャスト及びブロードキャストの少なくとも1つを介して前記受信デバイスへ送信される、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
さらに、
前記情報が前記送信デバイスからユニキャスト又はグループキャストを介して送信されると決定したことに応答して、前記第2のスロット内の前記情報の追加の受信を無効にすることを含む、
請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記送信デバイスは第1の端末デバイスであり、
前記受信デバイスは第2の端末デバイスであり、
前記情報は物理サイドリンク制御チャネル及び物理サイドリンク共有チャネルの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のスロットと前記第2のスロットとは同じインデックスを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
通信方法であって、
受信デバイスで、送信デバイスから、第1の時間から始まる第1のスロットにおいて情報を受信することと、
前記送信デバイスと前記受信デバイスとの間の通信用のカバレッジ要件、光速、及び前記受信デバイスで使用されるサイクリックプレフィックスの長さに基づいて、時間間隔の範囲を決定することと、
前記範囲から前記時間間隔を決定することと、
前記第1の時間及び前記時間間隔に基づいて第2の時間を決定することと、
前記送信デバイスから、前記第1の時間より前記時間間隔だけ遅れる前記第2の時間から始まる第2のスロットにおいて前記情報を受信することと、を含む、方法。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれかの方法を端末デバイスに実行させるように構成されたプロセッサを備える端末デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般的に、電気通信の分野に関し、特に、サイドリンク送信及び受信のための方法、デバイス、及びコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
V2X(Vehicle-to-Everything)通信は5G NR(New Radio)で有効になる。最新の3GPP(3rd Generation Partnership Project)仕様によれば、NR V2Xは、1000メートルを超えるカバレッジをサポートする必要がある。すなわち、端末デバイスが同期信号から得られるタイミングを直接使用して、他の端末デバイスから情報を受信すると、同期信号の受信と情報の受信との間の時間差は、最大6.66μsである可能性がある。
【0003】
通常、CP(Cyclic Prefix)は、サイドリンク(すなわち、2つの異なる端末デバイスの間のリンク)でのそのような時間差に対応するように使用されることができる。しかしながら、5G NRでサポートされるCP長は、すべて6.66μsより短い。すなわち、5G NRでサポートされるCP長では、上記したカバレッジ要件を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、本開示の例示的な実施形態は、サイドリンク送信及び受信のための方法、デバイス、及びコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、通信方法を提供する。当該方法は、受信デバイスで、送信デバイスから、第1の時間から始まる第1のスロットにおいて情報を受信することと、前記情報の追加の受信が有効になることに応答して、前記送信デバイスから、前記第1の時間より時間間隔だけ遅れる第2の時間から始まる第2のスロットにおいて前記情報を受信することと、を含む。
【0006】
第2の態様では、通信方法を提供する。当該方法は、送信デバイスで、受信デバイスへ送信されようとする情報を取得することと、前記情報の第1の送信が有効になることに応答して、第1の時間から始まる第1のスロットにおいて前記情報を前記受信デバイスへ送信することと、前記情報の第2の送信が有効になることに応答して、前記第1の時間より時間間隔だけ遅れる第2の時間から始まる第2のスロットにおいて前記情報を前記受信デバイスへ送信することと、を含む。
【0007】
第3の態様では、受信デバイスを提供する。当該受信デバイスは、プロセッサと、前記プロセッサに接続されるメモリとを含む。当該メモリは、前記プロセッサによって実施されると、前記受信デバイスに本開示の第1の態様による方法を実行させる指令を格納する。
【0008】
第4の態様では、送信デバイスを提供する。当該送信デバイスは、プロセッサと、前記プロセッサに接続されるメモリとを含む。当該メモリは、前記プロセッサによって実施されると、前記送信デバイスに本開示の第2の態様による方法を実行させる指令を格納する。
【0009】
第5の態様では、指令が格納されたコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。当該指令は、少なくとも1つのプロセッサで実施されると、前記少なくとも1つのプロセッサに本開示の第1の態様による方法を実行させる。
【0010】
第6の態様では、指令が格納されたコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。当該指令は、少なくとも1つのプロセッサで実施されると、前記少なくとも1つのプロセッサに本開示の第2の態様による方法を実行させる。
【0011】
本開示の他の特徴は、以下の説明により容易に理解できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付図面を参照しながら本開示のいくつかの実施形態をより詳細に説明することを通して、本開示の上記及び他の目的、特徴、及び利点がより明らかになる。
【0013】
【
図1】
図1は、本開示のいくつかの実施形態が実施されることができる例示的な通信ネットワークを示す。
【0014】
【
図2】
図2は、本開示のいくつかの実施形態によるサイドリンク受信の例を示す概略図を示す。
【0015】
【
図3】
図3は、本開示のいくつかの実施形態によるサイドリンク受信の例示的な方法を示す。
【0016】
【
図4】
図4は、本開示のいくつかの実施形態によるサイドリンク送信の例を示す概略図を示す。
【0017】
【
図5】
図5は、本開示のいくつかの実施形態によるサイドリンク送信の例示的な方法を示す。
【0018】
【
図6】
図6は、本開示の実施形態の実施に適したデバイスの簡略的なブロック図である。
【0019】
図面全体において、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の原理を、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明する。これらの実施形態は、例示の目的のみで記載され、本開示の範囲に関するいかなる限定を示唆することなく、当業者が本開示を理解及び実施することに寄与することを理解されたい。本明細書で説明される開示は、以下に説明されるもの以外の様々な態様で実施されることができる。
【0021】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0022】
本明細書で使用されるとき、「端末デバイス」という用語は、無線または有線通信機能を有する任意のデバイスを指す。端末デバイスの例として、ユーザ機器(UE:User Equipment)、携帯電話、コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機、ウェアラブルデバイス、車載通信デバイス、MTC(Machine Type Communication)デバイス、D2D(Device to Device)通信デバイス、V2X(Vehicle-to-Everything)通信デバイス、センサなどが挙げられるが、これらに限定されない。「端末デバイス」という用語は、UE、移動局、加入者局、モバイル端末、ユーザ端末、又は無線デバイスと交換可能に使用される。さらに、「ネットワークデバイス」という用語は、端末デバイスが通信できるセルやカバレッジを提供する、またはホストすることができるデバイスを指す。ネットワークデバイスの例として、Node B(NodeB又はNB)、Evolved NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、送受信ポイント(TRP:Transmission Reception Point)、リモート無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)、無線ヘッド(RH:Radio Head)、リモート無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)、及びフェムトノードやピコノードなどの低パワーノードなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
本明細書で使用されるとき、単数形である「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「前記(the)」は、文脈からそうでないことが明確に示されない限り、複数形も含むことを意図している。「含む」という用語及びその変形は、「含むがこれに限定されない」ことを意味するオープンな用語として読まれる。「に基づいて」という用語は、「少なくとも部分的に基づいて」として読まれる。「一実施形態」及び「実施形態」という用語は、「少なくとも1つの実施形態」として読まれる。「別の実施形態」という用語は、「少なくとも1つの他の実施形態」として読まれる。「第1」、「第2」などの用語は、異なるオブジェクト又は同じオブジェクトを指すことができる。以下には、明示的及び暗黙的なその他の定義が含まれることがある。
【0024】
いくつかの例では、値、手順、又は装置は、「最もよい」、「最も低い」、「最も高い」、「最小」、「最大」などとして言及される。そのような記述は、多くの使用される機能的選択肢から選択可能であり、このような選択は、他の選択に比べてより良い、小さい、高い、又はより好ましい必要がないことを示すと意図していることを理解されたい。
【0025】
上記のように、最新の3GPP仕様によれば、NR V2Xは、1000メートルを超えるカバレッジをサポートする必要がある。すなわち、端末デバイスが同期信号から得られるタイミングを直接使用して、他の端末デバイスから情報を受信すると、同期信号の受信と情報の受信との間の時間差は、最大6.66μsである可能性がある。
【0026】
通常、CP(Cyclic Prefix)は、サイドリンク(すなわち、2つの異なる端末デバイスの間のリンク)でのそのような時間差に対応するように使用されることができる。例えば、表1はNRでサポートされる様々なCP長を示す。
表1 NRでサポートされるCP長
これでわかるように、NRでサポートされるCP長は、すべて6.66μsより短い。すなわち、NRでサポートされるCP長では、NR V2X通信のためのカバレッジ要件を満たすことができない。
【0027】
いくつかの従来のスキームは、端末デバイスがネットワークデバイス(例えば、基地局)を同期ソースとして使用し、かつ、端末デバイスとネットワークデバイスとの間の距離に基づいて伝搬遅延を計算することで上記時間差に対応するようにする。しかしながら、これらのスキームは、ネットワークデバイスのカバレッジ内にある端末デバイスにのみ適用される。また、距離に基づいて計算された伝搬遅延が正確ではない可能性がある。いくつかのほかの従来のスキームは、それぞれ、専用のリソースセット及び個別のタイミングに関連付けられた複数の地理的ゾーンをサポートする。しかしながら、これらのスキームは、構成されたリソースセットの数が多いため、リソース効率を低下させる可能性がある。
【0028】
本開示の実施形態は、上記した問題及び1つ以上の他の潜在的な問題を解決するために、サイドリンク送信及び受信のためのソリューションを提供する。当該ソリューションは、NRでのV2X通信のためのカバレッジ要件を満たすことができる。以下、本開示の原理および実施について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
図1は本開示の実施形態が実施されることができる例示的な通信システム100の概略図を示す。
図1に示されるように、通信システム100は、同期ソース110、及び端末デバイス120、130を含む。
図1におけるデバイスの数は、本開示に対する制限を示唆することなく、例示の目的で設定されていると理解されたい。通信ネットワーク100は、本開示の実施形態を実施するのに適した任意の適切な数の同期ソース及び/又は端末デバイスを含んでもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、同期ソース110は、端末デバイス120、130に対してサービスを提供するネットワークデバイスであってもよい。或いは、いくつかの実施形態において、同期ソース110は他の端末デバイスであってもよい。
図1に示されるように、同期ソース110は、チャネル(例えば、無線通信チャネル)132、133を介して端末デバイス120、130のそれぞれと通信することができる。例えば、同期ソース110は、チャネル132、133を介して端末デバイス120、130のそれぞれへ同期信号を送信することができる。端末デバイス120、130は、受信した同期信号に基づいて情報を送信する、及び/又は受信するタイミングを決定することができる。以下、いくつかの実施形態について、同期ソース110の一例として、ネットワークデバイスを参照して説明する。これは、本開示の範囲に対する制限を示唆することなく、単に説明の目的のためであると理解されたい。
【0031】
図1において、端末デバイス120、130は、D2D通信(例えば、V2X通信)を可能にする車両として示されている。本開示の実施形態は、携帯電話、センサなど、車両以外の他の端末デバイスにも適用可能であると理解されたい。いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、D2D通信リンク131を介して端末デバイス130と通信することができる。本明細書で使用されるとき、D2D通信リンク131はサイドリンクと呼ばれてもよい。いくつかの実施形態において、サイドリンクは半二重または全二重であってもよい。例えば、端末デバイス120はサイドリンク131を介して端末デバイス130へ情報を送信することができる。同様に、端末デバイス130はサイドリンク131を介して端末デバイス120へ情報を送信することができる。
【0032】
サイドリンク131を介しての端末デバイス120から端末デバイス130への送信では、端末デバイス120は送信デバイスとして機能し、一方、端末デバイス130は受信デバイスとして機能することができる。サイドリンク131を介しての端末デバイス130から端末デバイス120への送信では、端末デバイス130は送信デバイスとして機能し、一方、端末デバイス120は受信デバイスとして機能することができる。以下、いくつかの実施形態について、端末デバイス130を送信デバイスの一例として、かつ、端末デバイス120を受信デバイスの一例として説明する。例えば、端末デバイス120は「受信デバイス120」とも呼ばれてもよく、端末デバイス130は「送信デバイス130」とも呼ばれてもよい。これは、本開示の範囲に対する制限を示唆することなく、単に説明の目的のためであると理解されたい。
【0033】
通信ネットワーク100における通信は、任意の適切な規格に準拠することができる。ここでの規格は、GSM(Global System for Mobile Communications)、LTE(Long Term Evolution)、LTE-Evolution、LTE-A(LTE-Advanced)、WCDMA (Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA(Code Division Multiple Access)、GERAN(GSM EDGE Radio Access Network)、MTC(Machine Type Communication)などを含むが、これらに限定されない。さらに、通信は、現在知られている、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行されることができる。通信プロトコルの例は、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)通信プロトコルを含むが、これらに限定されない。
【0034】
図2は本開示のいくつかの実施形態によるサイドリンク受信の例を示す概略図を示す。
【0035】
図2に示されるように、いくつかの実施形態において、サイドリンク通信の場合、受信デバイス(例えば、
図1における端末デバイス120)が時間201から始まるスロット210において送信デバイス(例えば、
図1における端末デバイス130)から情報(例えば、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)及び/又は物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH:Physical Sidelink Shared Channel))を受信するように構成されると、受信デバイスは、他の時間202から始まる少なくとも1つの追加のスロット220において情報を受信する必要がある可能性がある。時間202は、時間間隔203だけ時間201より遅くなる。例えば、時間間隔203は、受信デバイスに対して指定され、事前構成され、又は構成された閾値時間間隔であってもよい。
【0036】
いくつかの実施形態において、スロット210は、送信デバイス130からの情報の受信に対して構成されるリソースのセットに含まれてもよい。例えば、スロット210のインデックス、及びスロット210の開始時間201は、同期ソース110から受信した同期信号に基づいて決定されてもよい。いくつかの実施形態において、スロット220は、送信デバイス130からの情報の受信に対して構成される別のリソースのセットに含まれてもよく、時間202から始まるスロット220は、スロット210及び時間間隔203に基づいて決定されてもよい。このように、同期信号の受信と情報の受信との間の時間差(例えば、上記のように最大6.66μs)は調整されることができ、これにより、NR V2Xのためのカバレッジ要件が満たされることを保証することができる。
【0037】
或いは、いくつかの実施形態において、サイドリンク通信の場合、送信デバイスは、タイミングアドバンス値(例えば、送信デバイスによって決定され、又は1つ以上の受信デバイスによって示されるもの)に基づいて、情報の送信用のタイミングを調整してもよい。この場合、スロット220内の情報の追加の受信は無効になる可能性がある。すなわち、受信デバイスはスロット210でのみ情報を受信するが、スロット220で情報を受信しない可能性がある。
【0038】
本開示のいくつかの実施形態によるサイドリンク受信の例示的な方法300を示す
図3を参照して、サイドリンク受信の詳細を説明する。例えば、方法300は端末デバイス120などの受信デバイスとして機能する通信デバイスで実行されてもよい。説明の目的で、以下、
図2を参照して方法300を説明する。方法300は未図示の追加のブロックを含み、及び/又は示されたいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲は、この点に関して限定されないと理解されたい。
【0039】
ブロック310で、端末デバイス120は、時間201から始まるスロット210において送信デバイス(例えば、端末デバイス130)から情報を受信する。
【0040】
いくつかの実施形態において、送信デバイスから情報を受信する前に、端末デバイス120は情報を受信するタイミングを決定してもよい。いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、同期ソース110から同期信号を受信し、受信した同期信号に基づいて情報を受信するタイミングを決定してもよい。例えば、端末デバイス120は、受信した同期信号に基づいて、スロット210の開始時間201とともにスロット210のインデックスを決定してもよい。スロット210のインデックス及び開始時間201を決定したことに応答して、端末デバイス120は、決定された時間201から始まる、決定されたインデックスのスロット210において情報を受信してもよい。
【0041】
ブロック320で、端末デバイス120はスロット220内の情報の追加の受信が有効であるか否か決定する。情報の追加の受信が有効になることに応答して、ブロック330で、端末デバイス120は、時間202から始まるスロット220において送信デバイス130から情報を受信する。スロット220はスロット210と同じインデックスを有してもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、端末装置120が動作するキャリアに関する構成、送信デバイス130から情報を受信するためのリソースのセットに関する構成、端末デバイス120によって受信された、スロット220内の情報の追加の受信に関する構成、及び端末デバイス120の機能の少なくとも1つに基づいて、スロット220内の情報の追加の受信が有効であるか否かを決定してもよい。すなわち、スロット220内の情報の追加の受信は、キャリアごと、リソースセットごと、又は、端末デバイスごとに有効または無効にすることができる。
【0043】
いくつかの実施形態において、情報は、送信デバイス130からユニキャスト、グループキャスト、及びブロードキャストの少なくとも1つを介して送信されてもよい。送信デバイス130から送信された情報は、PSCCH及び/又はPSSCHを含んでもよい。いくつかの実施形態において、情報がユニキャスト、グループキャストやブロードキャストを介して送信されるか否かに関わらず、送信デバイス130は、常に受信した同期信号から得られた開始時間を有するスロットにおいて情報を送信してもよい。その結果、受信デバイス120では、同期信号の受信と送信デバイス130から送信された情報の受信との間の時間差はCP長よりも長い可能性がある。この場合、スロット220内の情報の追加の受信は、受信デバイス120に対して常に有効であることができる。
【0044】
或いは、いくつかの実施形態において、情報がユニキャストやグループキャストを介して送信デバイス130から受信デバイス120へ送信されると、スロット220内の情報の追加の受信は、無効になる可能性がある。
【0045】
例えば、ユニキャストの場合、情報が送信デバイス130から送信される前に、受信デバイス120は、送信デバイス130がタイミングアドバンス値に基づいて情報の送信用のタイミングを調整できるように、予想されたタイミングアドバンス値を送信デバイス130に事前に報告してもよい。この場合、送信デバイス130は調整されたタイミングに基づいて1つのスロットでのみ情報を送信することができる。従って、情報の追加の受信は無効になる。すなわち、受信デバイス120は、第1のスロットでのみ情報を受信し、第2のスロットで情報を受信しない。
【0046】
他の例では、グループキャストの場合、情報が送信デバイス130から送信される前に、受信デバイス120又はグループキャストグループ内のほかの受信デバイスは、送信デバイス130がタイミングアドバンス値に基づいて情報の送信用のタイミングを調整できるように、予想されたタイミングアドバンス値を送信デバイス130に事前に報告してもよい。この場合、情報の追加の受信は無効になる。すなわち、受信デバイス120は、第1のスロットでのみ情報を受信し、第2のスロットで情報を受信しない。
【0047】
いくつかの実施形態において、情報の追加の受信が有効になることに応答して、受信デバイス120は、スロット220が開始する時間202などの情報の追加の受信用のタイミングを決定してもよい。いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、時間間隔203を決定し、そして、時間201及び時間間隔203に基づいて時間202を決定してもよい。いくつかの実施形態において、時間間隔203は、端末装置120に対して指定され、事前構成され、又は構成されることができる所定の正の値であってもよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、例えば、時間間隔203は、所定のサブキャリア間隔を有するキャリアの固定値として指定されることができる。この場合、受信デバイス120は受信デバイス120で使用されるサブキャリア間隔に基づいて時間間隔203を決定してもよい。以下、Tcが最小時間単位を表すとする。例えば、時間間隔203は、サブキャリア間隔が15kHzであるキャリアについて、3933Tc(すなわち、約2μs)又は6547Tc(すなわち、約3.33μs)として指定されることができる。別の例として、時間間隔203は、サブキャリア間隔が60kHzで、かつ拡張CP構成を有するキャリアについて、4916Tc(すなわち、約2.5μs)又は6547Tc(すなわち、約3.33μs)として指定されることができる。
【0049】
代替的又は追加的に、いくつかの実施形態において、時間間隔203は範囲[2・D/C-Lcp,2・D/C]内であり得、Dが情報に関連付けられたカバレッジ要件(1000メートルなど)を表し、Cが光速を表し、Lcpが受信デバイス120で使用されるCP長を表す。すなわち、この場合、受信デバイス120は時間間隔203の範囲を決定し、そして、決定された範囲から時間間隔203として値を選択してもよい。
【0050】
代替的又は追加的に、いくつかの実施形態において、時間間隔203は、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)シグナリング、媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)層シグナリング、又は物理(PHY)層シグナリングを介して、ネットワークデバイスによって端末デバイス120に対して事前構成または構成されてもよい。いくつかの実施形態において、RRCシグナリング、MAC層シグナリング、又はPHY層シグナリングを介して時間間隔203に関する構成を受信したことに応答して、端末デバイス120は、受信された構成に基づいて時間間隔203を決定してもよい。
【0051】
時間間隔203を決定したことに応答して、端末デバイス120は、時間201及び時間間隔203に基づいて、スロット220が始まる時間202を決定し、そして、スロット220において追加の受信を実行することができる。これでわかるように、スロット210内の情報の受信及びスロット220内の情報の追加の受信の両方を実行することによって、CP長の制限によって引き起こされる問題を解決できるため、NR V2Xのためのカバレッジ要件を満たすことを保証できる。
【0052】
図4は本開示のいくつかの実施形態によるサイドリンク送信の例を示す概略図を示す。
【0053】
図4に示されるように、いくつかの実施形態において、サイドリンク通信の場合、送信デバイス(例えば、
図1に示す端末デバイス130)が、第2のタイミングによって決定された時間402から始まるスロット420において情報(例えば、PSCCH及び/又はPSSCH)を受信デバイス(例えば、
図1に示す端末デバイス120)へ送信するように構成されると、当該送信デバイスは、第1のタイミングによって決定された時間401から始まる少なくとも1つの追加のスロット410において情報を送信する必要もある可能性がある。第1のタイミングは、第2のタイミングよりも時間間隔403だけ早く、これにより、第1のタイミングによって決定された、スロットインデックスnを有する任意のスロットの開始時間は、時間間隔403による第2のタイミングによって決定された、同じスロットインデックスnを有するスロットの開始時間よりも早い。例えば、時間間隔403は、送信デバイスに対して指定され、事前構成され、又は構成された閾値時間間隔であってもよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、スロット420は、送信デバイス130からの情報の送信に対して構成されるリソースのセットに含まれてもよい。例えば、スロット420のインデックス及びスロット420の開始時間402は同期ソース110から受信した同期信号に基づいて決定されてもよい。いくつかの実施形態において、時間401から始まるスロット410は、スロット420及び時間間隔403に基づいて決定されてもよい。このように、同期信号の受信と情報の受信との間の時間差(例えば、上記のように最大6.66μs)は調整されることができるため、NR V2Xのためのカバレッジ要件が満たされることができることを保証する。
【0055】
いくつかの実施形態において、スロット410での情報の送信(「情報の第1の送信」とも呼ばれる)は有効又は無効になることができる。代替的又は追加的に、スロット420での情報の送信(「情報の第2の送信」とも呼ばれる)は有効又は無効になることができる。例えば、いくつかの実施形態において、サイドリンク通信の場合に、情報の第1及び第2の送信の両方は常に有効になってもよい。
【0056】
或いは、いくつかの実施形態において、情報のカバレッジ要件が閾値範囲(例えば、サブキャリア間隔が15kHzであるキャリアの場合に700メートル、サブキャリア間隔が60kHzで、かつ拡張CP構成を有するキャリアの場合に625メートル)を超えると、情報の第1及び第2の送信の両方は有効になってもよい。情報のカバレッジ要件が閾値範囲を下回ると、スロット420での情報の第2の送信のみが有効になり、スロット410での情報の第1の送信は無効になってもよい。
【0057】
別の例として、いくつかの実施形態において、情報がユニキャストやグループキャストを介して送信されると、送信デバイスは1つ以上の受信デバイスから予想されたタイミングアドバンス値を受信してもよい。或いは、いくつかの実施形態において、情報がユニキャストやグループキャストを介して送信されると、送信デバイスは1つ以上の受信デバイスのためのタイミングアドバンス値を決定してもよい。この場合、送信デバイスは、タイミングアドバンス値に基づいて1つ以上の受信デバイスの送信タイミングを調整することができる。従って、スロット410内の情報の第1の送信のみが有効になり、スロット420内の情報の第2の送信は無効になってもよい。
【0058】
本開示のいくつかの実施形態によるサイドリンク送信の例示的な方法500を示す
図5を参照しながらサイドリンク送信のより詳細を説明する。例えば、方法500は、端末デバイス130などの送信デバイスとして機能する通信デバイスで実施されることができる。説明のために、以下、
図4を参照して方法500を説明する。方法500は、未図示の追加のブロックを含み、及び/又は示されたいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲は、この点に関して限定されないと理解されたい。
【0059】
ブロック510で、送信デバイス130は、受信デバイス(例えば、端末デバイス120)に送信しようとする情報を取得する。いくつかの実施形態において、送信デバイス130によって送信されようとする情報は、PSCCH及び/又はPSSCHを含んでもよい。
【0060】
ブロック520で、端末デバイス130はスロット410内の情報の第1の送信が有効であるか否かを決定する。スロット410内の情報の第1の送信が有効になることに応答して、ブロック530で、端末デバイス130は時間401から始まるスロット410において受信デバイス120へ情報を送信する。
【0061】
ブロック540で、端末デバイス130はスロット420内の情報の第2の送信が有効であるか否かを決定する。スロット420内の情報の第2の送信が有効になることに応答して、ブロック550で、端末デバイス130は、時間401よりも時間間隔403だけ遅れる時間402から始まるスロット420において受信デバイス120へ情報を送信する。スロット410は、スロット420と同じインデックスを有してもよい。
【0062】
いくつかの実施形態において、端末デバイス130は、端末デバイス130が動作する1つ以上のキャリアに関する構成、端末デバイス130から情報を送信するための1つ以上のリソースのセットに関する構成、端末デバイス130によって受信した、スロット410内の情報の第1の送信及び/又はスロット420内の情報の第2の送信に関する1つ以上の構成、及び端末デバイス130の機能の少なくとも1つに基づいて、スロット410内の情報の第1の送信及び/又はスロット420内の情報の第2の送信が有効であるか否かを決定してもよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、所定のキャリアについて、スロット410内の第1の送信又はスロット420内の第2の送信のいずれかは構成され、又は事前構成されてもよい。すなわち、端末デバイス130がキャリアで動作すると、当該キャリアに基づいて、スロット410内の第1の送信及び/又はスロット420内の第2の送信は有効になるか否かを決定することができる。
【0064】
代替的又は追加的に、いくつかの実施形態において、所定のリソースのセットについて、スロット410内の第1の送信又はスロット420内の第2の送信のいずれかは構成され、又は事前構成されてもよい。すなわち、スロット410内の第1の送信のための1つのリソースのセットのみが端末デバイス130に対して構成されると、端末デバイス130は、スロット410内の第1の送信が有効になり、かつ、スロット420内の第2の送信が無効になると決定してもよい。スロット420内の第2の送信のための1つのリソースのセットのみが端末デバイス130に対して構成されると、端末デバイス130は、スロット420内の第2の送信が有効になり、かつ、スロット410内の第1の送信が無効になると決定してもよい。スロット410内の第1の送信のための第1のリソースのセット及びスロット420内の第2の送信のための第2のリソースのセットが端末デバイス130に対して構成されると、端末デバイス130は、スロット410内の第1の送信及びスロット420内の第2の送信の両方が有効になると決定してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、送信デバイス130によって送信される情報はサイドリンク送信ブロック(TB:Transmission Block)に含まれてもよい。TBに関連付けられたカバレッジ要件は、上位層によって物理層に示されることができる。いくつかの実施形態において、TBに関連付けられたカバレッジ要件が閾値範囲を超えることに応答して、スロット410内の第1の送信及びスロット420内の第2の送信の両方は有効になってもよい。いくつかの実施形態において、閾値範囲は、端末デバイス130に対して指定され、事前構成され、又は構成されることができる。例えば、サブキャリア間隔が15kHzであるキャリアの場合に、閾値範囲は700メートルであってもよい。別の例として、サブキャリア間隔が60kHzで、かつ、拡張CP構成を有するキャリアの場合、閾値範囲は625メートルであってもよい。いくつかの実施形態において、TBに関連付けられたカバレッジ要件が閾値範囲を下回ることに応答して、スロット420内の第2の送信が有効になり、スロット410内の第1の送信が無効になってもよい。
【0066】
いくつかの実施形態において、スロット420内の情報の第2の送信が有効になることに応答して、端末デバイス130は、スロット420内の情報の第2の送信のタイミングを決定してもよい。いくつかの実施形態において、端末デバイス130は、同期ソース110から同期信号を受信し、かつ、受信した同期信号に基づいてスロット420において情報を送信するためのタイミングを決定してもよい。例えば、端末デバイス130は受信した同期信号に基づいてスロット420のインデックス及び開始時間402を決定してもよい。スロット420のインデックス及び開始時間402を決定したことに応答して、端末デバイス130は、決定された時間402から始まる、決定されたインデックスのスロット420において情報を送信してもよい。
【0067】
いくつかの実施形態において、スロット410内の情報の第1の送信が有効になることに応答して、端末デバイス130は、スロット410が開始する時間401などの情報の第1の送信のタイミングを決定してもよい。いくつかの実施形態において、端末デバイス130は、時間間隔403を決定し、そして、時間402及び時間間隔403に基づいて時間401を決定してもよい。いくつかの実施形態において、時間間隔403は、端末デバイス130に対して指定され、事前構成され、又は構成されることができる所定の正の値であってもよい。
【0068】
いくつかの実施形態において、例えば、時間間隔403は、所定のサブキャリア間隔を有するキャリアの固定値として指定されることができる。この場合、受信デバイス130は、受信デバイス130で使用されるサブキャリア間隔に基づいて時間間隔403を決定してもよい。以下、Tcが最小時間単位を表すとする。例えば、時間間隔403は、サブキャリア間隔が15kHzであるキャリアの場合に、3933Tc(すなわち、約2μs)又は6547Tc(すなわち、約3.33μs)として指定されることができる。別の例として、時間間隔403は、サブキャリア間隔が60kHzで、かつ拡張CP構成を有するキャリアの場合に、4916Tc(すなわち、約2.5μs)又は6547Tc(すなわち、約3.33μs)として指定されることができる。
【0069】
代替的又は追加的に、いくつかの実施形態において、時間間隔403は、範囲[2・D/C-Lcp,2・D/C]内であってもよく、ここで、Dは情報に関連付けられたカバレッジ要件(例えば、1000メートル)を表し、Cは光速を表し、Lcpは送信デバイス130で使用されるCP長を表す。すなわち、この場合、送信デバイス130は、時間間隔403の範囲を決定し、そして、決定された範囲から時間間隔403として値を選択してもよい。
【0070】
代替的又は追加的に、いくつかの実施形態において、時間間隔403は、無線リソース制御(RRC)シグナリング、媒体アクセス制御(MAC)層シグナリング、又は物理(PHY)層シグナリングを介して、ネットワークデバイスによって端末デバイス130に対して事前構成され、又は構成されることができる。いくつかの実施形態において、RRCシグナリング、MAC層シグナリング又はPHY層シグナリングを介して時間間隔403に関する構成を受信したことに応答して、端末デバイス130は、受信した構成に基づいて時間間隔203を決定してもよい。
【0071】
いくつかの実施形態において、端末デバイス130は、1つ以上のリソースのセットで構成されてもよい。1つ以上のリソースのセットのそれぞれについて、端末デバイス130は、さらに、第1の送信のみ又は第2の送信のみのためにリソースのセットを使用するように構成されてもよい。例えば、スロット410は、端末デバイス130に対して構成される第1のリソースのセットに含まれてもよい。スロット410内の第1の送信が有効になることに応答して、例えば、第1のリソースのセットは、受信デバイス120へ情報を送信するために端末デバイス130によって使用されてもよい。代替的又は追加的に、スロット420は、端末デバイス130に対して構成される第2のリソースのセットに含まれてもよい。スロット420内の第2の送信が有効になることに応答して、例えば、第2のリソースのセットは、受信デバイス120へ情報を送信するために端末デバイス130によって使用されてもよい。いくつかの実施形態において、第1のリソースのセットは、第2のリソースのセットと異なってもよい。いくつかの実施形態において、例えば、第1のリソースのセットは、時分割多重(TDM:Time Divulishion Multiplexing)技術又は周波数分割多重(FDM:Frequency Divulishion Multiplexing)技術のうちの少なくとも一方に基づいて、第2のリソースのセットと多重化されてもよい。或いは、いくつかの実施形態において、例えば、第1のリソースのセットと第2のリソースのセットとは異なるキャリアに配置されてもよい。
【0072】
いくつかの実施形態において、情報は、送信デバイス130から、ユニキャスト、グループキャスト、及びブロードキャストの少なくとも1つを介して送信されてもよい。送信デバイス130から送信される情報は、PSCCH及び/又はPSSCHを含んでもよい。例えば、PSCCHは、関連する送信ブロックと同じ送信タイミングを使用してもよい。
【0073】
いくつかの実施形態において、情報がユニキャスト、グループキャストやブロードキャストを介して送信されるか否かに関わらず、スロット410内の第1の送信及びスロット420内の第2の送信の両方は有効になってもよい。或いは、いくつかの実施形態において、情報がユニキャストやグループキャストを介して送信されると、スロット410内の第1の送信は有効になり、かつ、スロット420内の第2の送信は無効になってもよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、ユニキャスト又はグループキャストの場合、情報を受信デバイス(例えば、受信デバイス120)へ送信する前に、送信デバイス130は、所定の範囲に基づいて時間間隔403を決定してもよい。例えば、所定の範囲は、端末デバイス130に対して指定され、事前構成され、又は構成されることができる。時間間隔403を決定したことに応答して、送信デバイス130は、スロット420において情報を送信することなく、決定された時間間隔403に基づいてスロット410内の第1の送信を実行してもよい。
【0075】
いくつかの実施形態において、ユニキャストの場合、受信デバイス(例えば、受信デバイス120)へ情報を送信する前に、受信デバイス120は、時間間隔403で支援情報を事前に送信デバイス130へ送信してもよい。例えば、支援情報は、決定されるべき時間間隔403に対応する予想されたタイミングアドバンス値を表してもよい。例えば、受信デバイス120によって示されるタイミングアドバンス値は、所定の一連の値に含まれてもよい。所定の一連の値は、送信デバイス130に対して指定され、事前構成され、又は構成されてもよい。支援情報を受信したことに応答して、送信デバイス130は、受信した支援情報に基づいて時間間隔403を決定し、そして、スロット420において情報を送信することなく、決定された時間間隔403に基づいて、スロット410内の第1の送信を実行してもよい。
【0076】
いくつかの実施形態において、グループキャストの場合、情報が送信デバイス130から送信される前に、グループキャスト内の少なくとも1つの受信デバイスは、時間間隔403で支援情報を事前に送信デバイス130へ送信してもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの受信デバイスは、グループキャスト内の受信デバイスの全部または一部を含んでもよい。或いは、いくつかの実施形態において、少なくとも1つの受信デバイスは、送信デバイス130によって指示されてもよい。支援情報を受信したことに応答して、送信デバイス130は、受信した支援情報に基づいて時間間隔403を決定し、そして、スロット420において情報を送信することなく、決定された時間間隔403に基づいてスロット410内の第1の送信を実行してもよい。
【0077】
これでわかるように、本開示の実施形態によるスロット410内の情報の第1の送信及び/又はスロット420内の情報の第2の送信を実行することにより、CP長の制限によって引き起こされる問題を解決することができ、従って、NR V2Xのためのカバレッジ要件を満たすことを保証できる。
【0078】
図6は、本開示のいくつかの実施形態の実施に適したデバイス600の簡略化したブロック図である。デバイス600は、
図1に示す端末デバイス120や130のさらなる例示的な実施形態とみなすことができる。従って、デバイス600は、端末デバイス120や130の少なくとも一部で実施され、又は端末デバイス120や130の少なくとも一部として実施されることができる。
【0079】
図示されるように、デバイス600は、プロセッサ610と、プロセッサ610に接続されているメモリ620と、プロセッサ610に接続されている適切な送信機(TX)及び受信機(RX)640と、TX/RX640に接続されている通信インターフェースとを含む。メモリ620は、プログラム630の少なくとも一部を格納する。TX/RX640は、双方向通信用である。TX/RX640は、通信を容易にするために少なくとも1つのアンテナを有するが、実際には、本願で言及されるアクセスノードは複数のアンテナを有してもよい。通信インターフェースは、eNB間の双方向通信用のX2インターフェース、モビリティマネジメントエンティティ(MME:Mobility Management Entity)/サービングゲートウェイ(S-GW:Serving Gateway)とeNBとの間の通信用のS1インターフェース、eNBとリレーノード(RN:relay node)との間の通信用のUnインターフェース、又はeNBと端末デバイスとの間の通信用のUuインターフェースなど、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表してもよい。
【0080】
プログラム630は、関連するプロセッサ610によって実行されると、デバイス600が、本明細書で
図1~
図5を参照して説明したように、本開示の実施形態に従って動作することを可能にするプログラム命令を含むとする。本明細書の実施形態は、デバイス600のプロセッサ610によって実行可能なコンピュータソフトウェアにより、又はハードウェアにより、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実施されてもよい。プロセッサ610は、本開示の様々な実施形態を実施するように構成されてもよい。さらに、プロセッサ610とメモリ620の組み合わせは、本開示の様々な実施形態の実施に適した処理手段650を形成してもよい。
【0081】
メモリ620は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよく、非限定的な例として、非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、半導体系のメモリデバイス、磁気メモリデバイス及びシステム、光メモリデバイス及びシステム、固定メモリデバイス及びリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータ記憶技術を使用して実施されてもよい。デバイス600には1つのメモリ620のみが示されているが、デバイス600には物理的に別個である複数のメモリモジュールがあってもよい。プロセッサ610は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ又は複数を含んでもよい。デバイス600は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
【0082】
一般的に、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、ロジック、又はそれらの任意の組み合わせで実施されてもよい。いくつかの態様はハードウェアで実施され、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ、又は他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェア又はソフトウェアで実施されてもよい。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート、又は他の何らかの画像表現を使用して例示及び説明されたが、本明細書に記載されるこれらのブロック、装置、システム、技術又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又はロジック、汎用ハードウェア又はコントローラ又は他のコンピューティングデバイス、又はそれらのいくつかの組み合わせで実施されてもよいことを理解されたい。
【0083】
本開示は、さらに、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に有形に格納された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、
図2、及び
図4を参照して上記したプロセス又は方法を実行するために、プログラムモジュールに含まれるものなどの、対象の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上のデバイスで実行されるコンピュータ実行可能な命令を含む。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実施したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で記載されたプログラムモジュール間で組み合わせる、又は分割されることができる。プログラムモジュールのためのマシン実行可能な命令は、ローカルデバイス又は分散型デバイス内で実行されてもよい。分散型デバイスでは、プログラムモジュールがローカル記憶媒体とリモート記憶媒体の両方に配置されてもよい。
【0084】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供されることにより、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に規定される機能/動作が実現される。プログラムコードは、完全にマシンで実行されてもよく、その一部がマシンで実行されてもよく、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして実行されてもよく、一部がマシンで実行され且つ一部がリモートマシンで実行されてもよく、完全にリモートマシン又はサーバで実行されてもよい。
【0085】
上記プログラムコードは、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれと関連して使用されるためのプログラムを含む、又は格納することができる任意の有形媒体であり得るマシン読み取り可能な媒体で具現化されてもよい。マシン読み取り可能な媒体は、マシン読み取り可能な信号媒体又はマシン読み取り可能な記憶媒体であってもよい。マシン読み取り可能な媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体システム、装置、デバイス、あるいは前記の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。マシン読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例として、1つ又は複数のワイヤによる電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光学式ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、又は前記の任意の適切な組み合わせが挙げられる。
【0086】
さらに、動作が特定の順序で描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が図示の特定の順序又は連続順序で実行されること、又はすべての描かれた動作が実行されることを要求するものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスク及び並列処理が有利である場合がある。同様に、上記の説明にはいくつかの特定の実施形態の詳細が含まれているが、これらは本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別々の実施形態の文脈で説明されている特定の特徴は、単一の実施形態に組み合わせて実施されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴も、複数の実施形態で別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実施されてもよい。
【0087】
本開示は、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の用語で説明されたが、添付の特許請求の範囲で限定される本開示は、必ずしも上記した特定の特徴又は動作に限定されないことを理解されたい。むしろ、上記した特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。