(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】方法、端末デバイス、およびネットワークデバイス
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20230101AFI20231212BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20231212BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20231212BHJP
H04W 28/16 20090101ALI20231212BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
H04W72/04
H04W72/0453
H04W72/0446
H04W28/16
H04L27/26 114
H04L27/26 113
(21)【出願番号】P 2021575211
(86)(22)【出願日】2019-06-17
(86)【国際出願番号】 CN2019091592
(87)【国際公開番号】W WO2020252641
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ユエン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】中村 信也
(56)【参考文献】
【文献】ZTE,Enhancements on Multi-TRP and Multi-panel Transmission[online],3GPP TSG RAN WG1 #97 R1-1906236,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_97/Docs/R1-1906236.zip>,2019年05月04日
【文献】Ericsson,On multi-TRP and multi-panel[online],3GPP TSG RAN WG1 #96 R1-1902540,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_96/Docs/R1-1902540.zip>,2019年02月15日
【文献】Huawei, HiSilicon,Reliability/robustness enhancement with multi-TRP/panel[online],3GPP TSG RAN WG1 #97 R1-1906039,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_97/Docs/R1-1906039.zip>,2019年05月03日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99-00
H04L 27/00-27/38
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末デバイスが、
第1の周波数分割多重(FDM)方式、第2のFDM方式、または時分割多重(TDM)方式のうちの1つの繰り返し方式を示す上位層の構成を受信する処理と、
2つのTCI(Transmission Configuration Indication)状態と、1つのDMRSグループ内の少なくとも1つのDMRSポートを指示されたことに応答して、
2つのTCI状態が指示され、かつ第1のFDM方式が指示された場合には、各TCI状態が、重複していない周波数領域のリソース割り当てに関連付けられた、トランスポートブロック(TB)のダウンリンク伝送を受信し、
2つのTCI状態が指示され、かつ第2のFDM方式が指示された場合には、各TCI状態が、同じTBの2つのダウンリンク伝送からの一のダウンリンク伝送に関連付けられ、当該一のダウンリンク伝送は、他のダウンリンク伝送に関して重複していない周波数領域のリソース割り当てに関連付けられた、当該2つのダウンリンク伝送を受信し、
2つのTCI状態が指示され、かつTDM方式が指示された場合には、各TCI状態が、1つのスロット内の同じTBで受信される2つのダウンリンク伝送からの一のダウンリンク伝送に関連付けられ、当該一のダウンリンク伝送が、他のダウンリンク伝送に関して重複していない時間領域のリソース割り当てに関連付けられた、当該2つのダウンリンク伝送を受信する処理と、
を実行する方法。
【請求項2】
前記TDM方式が指示された場合、各ダウンリンク伝送のRV(Redundancy Version)はTCI状態に関連付けられる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ネットワークデバイスが、
第1の周波数分割多重(FDM)方式、第2のFDM方式、または時分割多重(TDM)方式のうちの1つの繰り返し方式を示す上位層の構成を送信する処理と、
2つのTCI(Transmission Configuration Indication)状態と、1つのDMRSグループ内の少なくとも1つのDMRSポートを端末デバイスへ指示したことに応答して、
2つのTCI状態を指示し、かつ第1のFDM方式を指示した場合には、各TCI状態が、重複していない周波数領域のリソース割り当てに関連付けられた、トランスポートブロック(TB)のダウンリンク伝送を送信し、
2つのTCI状態を指示し、かつ第2のFDM方式を指示した場合には、各TCI状態が、同じTBの2つのダウンリンク伝送からの一のダウンリンク伝送に関連付けられ、当該一のダウンリンク伝送は、他のダウンリンク伝送に関して重複していない周波数領域のリソース割り当てに関連付けられた、当該2つのダウンリンク伝送を送信し、
2つのTCI状態を指示し、かつTDM方式を指示した場合には、各TCI状態が、1つのスロット内の同じTBで受信される2つのダウンリンク伝送からの一のダウンリンク伝送に関連付けられ、当該一のダウンリンク伝送が、他のダウンリンク伝送に関して重複していない時間領域のリソース割り当てに関連付けられた、当該2つのダウンリンク伝送を送信する処理と、
を実行する方法。
【請求項4】
前記TDM方式を指示した場合、各ダウンリンク伝送のRV(Redundancy Version)はTCI状態に関連付けられる、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第1の周波数分割多重(FDM)方式、第2のFDM方式、または時分割多重(TDM)方式のうちの1つの繰り返し方式を示す上位層の構成を受信する手段と、
2つのTCI(Transmission Configuration Indication)状態と、1つのDMRSグループ内の少なくとも1つのDMRSポートを指示されたことに応答して、
2つのTCI状態が指示され、かつ第1のFDM方式が指示された場合には、各TCI状態が、重複していない周波数領域のリソース割り当てに関連付けられた、トランスポートブロック(TB)のダウンリンク伝送を受信し、
2つのTCI状態が指示され、かつ第2のFDM方式が指示された場合には、各TCI状態が、同じTBの2つのダウンリンク伝送からの一のダウンリンク伝送に関連付けられ、当該一のダウンリンク伝送は、他のダウンリンク伝送に関して重複していない周波数領域のリソース割り当てに関連付けられた、当該2つのダウンリンク伝送を受信し、
2つのTCI状態が指示され、かつTDM方式が指示された場合には、各TCI状態が、1つのスロット内の同じTBで受信される2つのダウンリンク伝送からの一のダウンリンク伝送に関連付けられ、当該一のダウンリンク伝送が、他のダウンリンク伝送に関して重複していない時間領域のリソース割り当てに関連付けられた、当該2つのダウンリンク伝送を受信する手段と、
を有する端末デバイス。
【請求項6】
前記TDM方式が指示された場合、各ダウンリンク伝送のRV(Redundancy Version)はTCI状態に関連付けられる、
請求項5に記載の端末デバイス。
【請求項7】
第1の周波数分割多重(FDM)方式、第2のFDM方式、または時分割多重(TDM)方式のうちの1つの繰り返し方式を示す上位層の構成を送信する手段と、
2つのTCI(Transmission Configuration Indication)状態と、1つのDMRSグループ内の少なくとも1つのDMRSポートを端末デバイスへ指示したことに応答して、
2つのTCI状態を指示し、かつ第1のFDM方式を指示した場合には、各TCI状態が、重複していない周波数領域のリソース割り当てに関連付けられた、トランスポートブロック(TB)のダウンリンク伝送を送信し、
2つのTCI状態を指示し、かつ第2のFDM方式を指示した場合には、各TCI状態が、同じTBの2つのダウンリンク伝送からの一のダウンリンク伝送に関連付けられ、当該一のダウンリンク伝送は、他のダウンリンク伝送に関して重複していない周波数領域のリソース割り当てに関連付けられた、当該2つのダウンリンク伝送を送信し、
2つのTCI状態を指示し、かつTDM方式を指示した場合には、各TCI状態が、1つのスロット内の同じTBで受信される2つのダウンリンク伝送からの一のダウンリンク伝送に関連付けられ、当該一のダウンリンク伝送が、他のダウンリンク伝送に関して重複していない時間領域のリソース割り当てに関連付けられた、当該2つのダウンリンク伝送を送信する手段と、
を有するネットワークデバイス。
【請求項8】
前記TDM方式を指示した場合、各ダウンリンク伝送のRV(Redundancy Version)はTCI状態に関連付けられる、
請求項7に記載のネットワークデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般的に、通信分野に関し、特に、複数送受信ポイント(multi-TRP:multi-Transmission and Reception Point)通信に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP規格の最新の開発は、EPC(Evolved Packet Core)ネットワークのLTE(Long Term Evolution)及びE-UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)と呼ばれ、通常「4G」と呼ばれる。さらに、「5G New Radio(NR)」という用語とは、さまざまなアプリケーションやサービスをサポートすることが期待される、進化の通信技術を指す。5G NRは、遅延性、信頼性、セキュリティ、スケーラビリティ(例えば、モノのインターネット)に関連する新たな要求、及びその他の要求を満たすために、3GPP(Third Generation Partnership Project)によって公布された継続的なモバイルブロードバンドの進化の一部である。5G NRのいくつかの側面は、4G LTE(Long Term Evolution)規格に基づくことがある。
【0003】
3GPP RAN1-96b/97において、以下の事項は合意されている。単一のダウンリンク制御情報(DCI)によってスケジュールされたマルチTRPによる超信頼性低遅延通信(URLLC:Ultra-Reliable Low Latency Communication)について、多くの繰り返し方式、例えば、方式1(SDM方式:空間分割多重化方式)、方式2(FDM方式:周波数分割多重化方式)、方式3(TDM方式:時分割多重化方式)、及び方式4(ほかのTDM方式)などをサポートすると合意された。しかしながら、サポートされているすべての繰り返し方式において、マルチTRPによるURLLC送信用の異なる繰り返しモードの間の切り替えを如何に示すことはまだ明確ではない。
【発明の概要】
【0004】
一般に、本開示の例示的な実施形態は、マルチTRP通信用のソリューションを提供する。
【0005】
第1態様において、通信方法を提供する。当該方法は、端末デバイスで、TRPに接続されるネットワークデバイスから、前記ネットワークデバイスから前記端末デバイスへのデータ送信に関連つけられる制御情報を受信することを含む。当該方法は、前記制御情報から、前記複数のTRPを介して前記データを前記端末デバイスへ送信するために前記ネットワークデバイスによって使用される繰り返し方式を特定することも含む。当該方法は、さらに、前記繰り返し方式に基づいて、前記ネットワークデバイスから前記データを受信することを含む。
【0006】
第2態様において、通信方法を提供する。当該方法は、TRPに接続されるネットワークデバイスで、前記複数のTRPを介して端末デバイスへのデータ送信のために前記ネットワークデバイスによって使用される繰り返し方式を特定することを含む。当該方法は、前記ネットワークデバイスから前記端末デバイスへの前記データ送信に関連つけられる、前記繰り返し方式を示す前記制御情報を生成することも含む。当該方法は、前記制御情報を前記端末デバイスへ送信することも含む。当該方法は、さらに、前記繰り返し方式に基づいて、前記複数のTRPを介して前記データを前記端末デバイスへ送信することを含む。
【0007】
第3態様において、通信方法を提供する。当該方法は、端末デバイスで、ネットワークデバイスから前記端末デバイスへ送信される第1データに関連つけられる第1制御情報を前記ネットワークデバイスから受信することを含む。当該方法は、前記ネットワークデバイスから前記端末デバイスへ送信される第2データに関連つけられる第2制御情報を前記ネットワークデバイスから受信することも含み、前記第1制御情報及び前記第2制御情報は、それぞれ、第1TRP及び第2TRPを介して前記ネットワークデバイスによって送信され、前記第1制御情報の第1開始時間点及び前記第2制御情報の第2開始時間点は、前記端末デバイスが前記ネットワークデバイスからの制御情報を監視するための1つの時間間隔内にある。当該方法は、前記ネットワークデバイスが使用する目標制御情報の送信基準に基づいて、前記第1制御情報及び前記第2制御情報から前記目標制御情報を選択することも含む。当該方法は、さらに、前記目標制御情報において示されるフィードバックチャネル上で前記第1データに対する第1フィードバック及び前記第2データに対する第2フィードバックを、前記ネットワークデバイスへ送信することを含む。
【0008】
第4態様において、通信方法を提供する。当該方法は、ネットワークデバイスで、前記ネットワークデバイスから端末デバイスへ送信される第1データに関連つけられる第1制御情報、及び前記ネットワークデバイスから前記端末デバイスへ送信される第2データに関連つけられる第2制御情報を生成することを含み、前記第1制御情報及び前記第2制御情報は、それぞれ、第1TRP及び第2TRPを介して前記 ネットワークデバイスによって送信され、前記第1制御情報の第1開始時間点及び前記第2制御情報の第2開始時間点は、前記端末デバイスが前記ネットワークデバイスからの制御情報を監視するための1つの時間間隔内にある。当該方法は、送信基準に基づいて、前記第1TRP及び前記第2TRPの一方を介して、前記第1制御情報及び前記第2制御情報のうち、前記端末デバイスが前記第1データに対する第1フィードバック及び前記第2データに対する第2フィードバックを送信するためのフィードバックチャネルを示す目標制御情報を前記端末デバイスへ送信することも含む。当該方法は、さらに、前記第1TRP及び前記第2TRPの他方を介して、前記第1制御情報及び前記第2制御情報の他方の制御情報を前記端末デバイスへ送信することを含む。
【0009】
第5態様において、通信方法を提供する。当該方法は、端末デバイスで、ネットワークデバイスから、前記ネットワークデバイスから前記端末デバイスへ送信される第1データに関連つけられ、かつ、第1インデックスを有する第1制御情報を受信することを含む。当該方法は、前記ネットワークデバイスから、前記ネットワークデバイスから前記端末デバイスへ送信される第2データに関連つけられ、かつ第2インデックスを有する第2制御情報を受信することも含み、前記第1制御情報及び前記第2制御情報は、それぞれ、第1TRP及び第2TRPを介して前記ネットワークデバイスによって送信され、前記第1制御情報の第1開始時間点及び前記第2制御情報の第2開始時間点は、前記端末デバイスが前記ネットワークデバイスからの制御情報を監視するための1つの時間間隔内にある。当該方法は、さらに、前記第1インデックス及び前記第2インデックスに基づいて前記第1制御情報及び前記第2制御情報の受信順番を特定することを含む。
【0010】
第6態様において、通信方法を提供する。当該方法は、複数のTRPに接続されるネットワークデバイスで、前記ネットワークデバイスから端末デバイスへの送信に関連つけられる制御情報を生成することを含む。当該方法は、前記複数のTRPのうち、1つのTRPの第2インデックスに基づいて、前記TRPを介して送信される前記制御情報の第1インデックスを特定することも含む。当該方法は、さらに、前記第1インデックスを含む前記制御情報を前記端末デバイスへ送信することを含む。
【0011】
第7態様において、通信方法を提供する。当該方法は、端末デバイスで、複数のTRPに接続されるネットワークデバイスから、前記ネットワークデバイスから前記端末デバイスへの送信に関連つけられる制御情報を受信することを含む。当該方法は、前記制御情報から、前記制御情報の第1インデックスを特定することも含む。当該方法は、前記複数のTRPのうち、前記制御情報が前記ネットワークデバイスによって送信されることに使用されるTRPの第2インデックスを特定することも含む。当該方法は、さらに、前記第1インデックス及び前記第2インデックスに基づいて、前記制御情報の以前の制御情報の受信状態を特定することを含む。
【0012】
第8態様において、端末デバイスを提供する。当該端末デバイスは、プロセッサと、指令を記憶するメモリと、を含む。当該メモリ及び指令は、前記プロセッサで、前記端末デバイスに第1、第3、第5、及び第7態様のいずれかによる方法を実行させるように構成される。
【0013】
第9態様において、ネットワークデバイスを提供する。当該ネットワークデバイスは、プロセッサと、指令を記憶するメモリと、を含む。当該メモリ及び指令は、前記プロセッサで、前記端末デバイスに第2、第4、及び第6態様のいずれかによる方法を実行させるように構成される。
【0014】
第10態様において、指令が格納されたコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。当該指令はデバイスの少なくとも1つのプロセッサで実施されると、前記デバイスに第1態様~第7態様のいずれかによる方法を実行させる。
【0015】
当該概要は、本開示の実施形態の重要な又は本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、また、本開示の範囲を限定するために使用することを意図するものでもないと理解されたい。本開示の他の特徴は、以下の説明を通して容易に理解できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
添付図面を参照しながら本開示のいくつかの実施形態をより詳細に説明することを通じて、本開示の上記及び他の目的、特徴及び利点がより明らかになる。
【0017】
【
図1】
図1は、本開示のいくつかの実施形態を実施することができる通信環境の概略図である。
【0018】
【
図2】
図2は、本開示のいくつかの実施形態によるネットワークデバイスと端末デバイスとの間の例示的な通信プロセスを示す。
【0019】
【
図3A】
図3Aは、本開示のいくつかの実施形態による様々な繰り返し方式用の送信リソースの例示的な模式図を示す。
【
図3B】
図3Bは、本開示のいくつかの実施形態による様々な繰り返し方式用の送信リソースの例示的な模式図を示す。
【
図3C】
図3Cは、本開示のいくつかの実施形態による様々な繰り返し方式用の送信リソースの例示的な模式図を示す。
【
図3D】
図3Dは、本開示のいくつかの実施形態による様々な繰り返し方式用の送信リソースの例示的な模式図を示す。
【
図3E】
図3Eは、本開示のいくつかの実施形態による様々な繰り返し方式用の送信リソースの例示的な模式図を示す。
【0020】
【
図4】
図4は、本開示のいくつかの実施形態によるネットワークデバイスと端末デバイスとの間の他の例示的な通信プロセスを示す。
【0021】
【
図5】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、2つのDCIが2つのTRPを介して同じ時間間隔でネットワークデバイスによって送信される例示的なシナリオを示す。
【0022】
【
図6】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による例示的な方法のフローチャートを示す。
【0023】
【
図7】
図7は、本開示のいくつかの実施形態によるネットワークデバイスと端末デバイスとの間の他の例示的な通信プロセスを示す。
【0024】
【
図8】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、異なるDCIのDAI(Downlink Assignment Index)がTRPのインデックスに基づいて決定される例示的な模式図を示す。
【0025】
【
図9】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による他の例示的な方法のフローチャートを示す。
【0026】
【
図10】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による他の例示的な方法のフローチャートを示す。
【0027】
【
図11】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による他の例示的な方法のフローチャートを示す。
【0028】
【
図12】
図12は、本開示のいくつかの実施形態による他の例示的な方法のフローチャートを示す。
【0029】
【
図13】
図13は、本開示のいくつかの実施形態による他の例示的な方法のフローチャートを示す。
【0030】
【
図14】
図14は、本開示のいくつかの実施形態による他の例示的な方法のフローチャートを示す。
【0031】
【
図15】
図15は、本開示のいくつかの実施形態の実施に適したデバイスの簡略化のブロック図である。
【0032】
図面全体において、同じ又は類似の符号は、同じ又は類似の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示の原理について、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明する。これらの実施形態は、例示の目的で記載されることにすぎず、本開示の範囲に関する限定を示唆することなく、当業者が本開示を理解及び実施するのを助けることを理解されたい。本明細書で説明される開示は、以下で説明されるもの以外の様々な方法で実施されることができる。
【0034】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0035】
本明細書で使用されるとき、用語「送受信ポイント」、「送信/受信ポイント」、或いは「送信受信ポイント」という用語は、一般的に、ユーザ機器と通信するステーションを示す。しかしながら、送信受信ポイントは、基地局(BS)、セル、Node B、Evolved NodeB(eNB)、次世代NodeB(gNB)、送受信ポイント(TRP)、セクター、サイト、基地局システム(BTS)、アクセスポイント(AP)、リレーノード(RN)、リモート無線ヘッド(RRH)、無線ユニット(RU)、アンテナなどの異なる用語と呼ばれる場合がある。
【0036】
即ち、本開示の文脈において、送受信ポイント、基地局(BS)やセルは、CDMA(code division multiple access)に基づく基地局制御装置(BSC)、W-CDMAに基づくNode B、LTEに基づくeNB又はセクター(サイト)、NRに基づくgNB又はTRPなどによってカバーされるエリアや機能の一部を示す包括的な概念として解釈されることがある。従って、送受信ポイント、基地局(BS)、及び/又はセルの概念は、メガセル、マクロセル、マイクロセル、ピコセル、フェムトセルなどのような様々なカバレッジエリアを含み得る。さらに、このような概念は、リレーノード(RN)、遠隔無線ヘッド(RRH)、又は無線ユニット(RU)の通信範囲を含み得る。
【0037】
本開示の文脈において、ユーザ機器及び送受信ポイントは、本明細書に開示される技術及び技術概念を具体化するために使用される包括的な意味を有する2つの送受信対象であるが、特定の用語又は単語に限定されない。さらに、ユーザ機器及び送受信ポイントは、本実施形態に関連して開示される技術及び技術概念を具体化するために使用される、包括的意味を有するアップリンク又はダウンリンクの送受信対象であるが、特定の用語又は単語に限定されない。本明細書において、アップリンク(UL)送受信は、データをユーザ機器から基地局に伝送する方式である。又は、ダウンリンク(DL)送受信は、データを基地局からユーザ機器に伝送する方式である。
【0038】
本明細書で使用されるとき、単数形である「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「上記(the」は、文脈からそうでないことが明確に示されていない限り、複数形も含むことを意図している。「含む」という用語及びその変形は、「含むがこれに限定されない」ことを意味するオープンな用語として読まれる。「に基づいて」という用語は、「少なくとも部分的に基づいて」と読まれる。「一実施形態」及び「実施形態」という用語は、「少なくとも一実施形態」と読まれる。「別の実施形態」という用語は、「少なくとも1つの他の実施形態」と読まれる。「第1」、「第2」などの用語は、異なるオブジェクト又は同じオブジェクトを指す。明示的及び暗黙的なその他の定義は、以下に含まれる。
【0039】
いくつかの例では、値、手順、又は装置は、「最もよい」、「最も小さい」、「最も高い」、「最小」、「最大」などとして言及される。そのような記述は、多くの使用される機能的選択肢から選択可能であり、このような選択は、他の選択に比べてより良い、小さい、高い、又はより好ましい必要がないことを示すと意図していることを理解されたい。
【0040】
図1は、本開示のいくつかの実施形態を実施することができる通信環境100の概略図である。当該通信環境100は、ネットワークデバイス110、及びネットワークデバイス110によってサービスが提供される端末デバイス120を含む。当該ネットワークデバイス110のサービスエリアは、セル102と称されてもよい。通信環境100において、ネットワークデバイス110は、データ及び制御情報を端末デバイス120へ送信することができ、端末デバイス120もデータ及び制御情報をネットワークデバイス110へ送信することができる。ネットワークデバイス110から端末デバイス120への通信リンクはダウンリンク(DL)又は下りリンクと呼ばれ、一方、端末デバイス120からネットワークデバイス110への通信リンクは、アップリンク(UL)又は上りリンクと呼ばれる。
【0041】
図1に示されるように、ネットワークデバイス110は2つのTRP131、132に接続され、2つのTRP131、132を介して端末デバイス120と通信することができる。例えば、マルチTRPによるURLLC送信などの、ネットワークデバイス110から端末デバイス120への繰り返し送信において、ネットワークデバイス110はTRP131及びTRP132を介して同じデータ140を送信してもよい。本明細書で使用されるとき、データ140は、ユーザ側データ、制御側データなどを含む、ネットワークデバイス110と端末デバイス120との間で送信されることができる任意のデータを含んでもよい。例えば、データ140はTB(Transport Block)又はパケットである。以下、TRP131は第1TRPとも呼ばれることがあり、一方、TRP132は第2TRPとも呼ばれることがある。当該第1及び第2TRP131、132は、ネットワークデバイス110によって提供される同じサービングセル(Serving Cell)(
図1に示すセル102など)又は異なるサービングセルに含まれてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、第1及び第2TRP131、132は、異なる上位層の構成IDに明示的に関連つけられてもよい。例えば、上位層の構成されたインデックスは、事前に定義されたCORESET(Control Resource Set)、事前に定義された基準信号(RS)、又は事前に定義されたTCI(Transmission Configuration Indication)状態に関連つけられることができ、これらは異なるTRPから端末デバイス120への送信の間を区別するために使用される。端末デバイス120が異なる上位層の構成IDに関連つけられる2つのCORESETから2つのDCIを受信する際に、当該2つのDCIは異なるTRPから示される。さらに、第1及び第2TRP131、132は、物理チャネル又は信号の専用構成によって暗示的に識別されてもよい。例えば、TRPに関連つけられる専用のCORESET、RS、及びTCI状態は、異なるTRPから端末デバイス120への送信を識別するために使用される。例えば、端末デバイス120が専用のCORESETからDCIを受信する際に、当該DCIは当該CORESET専用の関連するTRPから示される。
【0043】
2つのTRP131、132を介しての繰り返し送信において、ネットワークデバイス110は、多くの利用可能な繰り返し方式のうち、繰り返し方式150を使用することができる。当該繰り返し方式150は、例えば、2つのTRP131、132の間の多重化方式、2つのTRP131、132のそれぞれに対するリソースの割り当てなどの、ネットワークデバイス110が2つのTRP131、132を共同に使用する送信方式を指定してもよい。
【0044】
追加的に、データ140を端末デバイス120へ送信する前に、ネットワークデバイス110はデータ140の送信に関連つけられる制御情報135を送信してもよい。例えば、制御情報135は、3GPP仕様で定義されたように、スロットオフセット、及びSLIV(Start and Length Indicator Value)、復調基準信号(DMRS)グループ、RV(Redundancy Version)を含む周波数領域リソース割り当て(FDRA)、時間領域リソース割り当て(TDRA)などの、データ140の送信に関する様々な送信パラメータを示すことができる。制御情報135において示された送信パラメータは上記したものに限定されないと理解されたい。本開示の実施形態は、任意の送信パラメータを含む制御情報に同等に適用可能である。
【0045】
いくつかの実施形態において、制御情報135は3GPP仕様で定義されたようなDCIであってもよく、それが様々な送信パラメータを動的に、つまり、比較的短い時間スケールで示すことができる。いくつかの他の実施形態において、制御情報135は、様々な送信パラメータを半静的に、つまり、比較的長い時間スケールで示すことができる無線リソース制御(RRC)メッセージ又は媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)メッセージであってもよい。
【0046】
ネットワークデバイス110によって提供された同じサービングセル内の第1及び第2TRP131、132を参照しながら本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、本開示の範囲に対して限定を示唆することなく、例示の目的のためのものにすぎず、当業者が本開示を理解及び実施することに貢献するためである。本明細書で説明される本開示の実施形態は、以下に説明されるもの以外の様々な態様で実施されることができると理解されたい。
【0047】
図1に示すネットワークデバイスの数、端末デバイスの数、及びTRPの数は、いかなる限定を示唆することなく、例示の目的のためのものにすぎないと理解されたい。実際に、通信環境100は本開示の実施形態を実行するのに適する任意の適切な数のネットワークデバイス、任意の適切な数の端末デバイス、及び任意の適切な数のTRPを含んでもよい。言い換えると、本開示の実施形態は、端末デバイスが複数のネットワークデバイスと通信し、又はネットワークデバイスが3つ以上のTRPに接続されるシナリオにも適用可能である。
【0048】
本明細書で使用されるとき、「ネットワークデバイス」又は「基地局」(BS:Base Station)という用語は、端末デバイスが通信できるセル又はカバレッジを提供し、又はホストすることができるデバイスを指す。ネットワークデバイスの例として、Node B(NodeB又はNB)、Evolved NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、送受信ポイント(TRP:Transmission and Reception Point)、リモート無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)、無線ヘッド(RH:Radio Head)、リモート無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)、及びフェムトノードやピコノードなどの低パワーノードなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
本明細書で使用されるとき、「端末デバイス」という用語は、無線又は有線の通信機能を有する任意のデバイスを指す。端末デバイスの例として、ユーザー機器(UE:User Equipment)、パーソナルコンピュータ、デスクトップ、携帯電話、セルラー電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、ポータブルコンピュータ、デジタルカメラなどの画像キャプチャデバイス、ゲームデバイス、音楽記憶及び再生機器、又は無線や有線インターネットアクセス及びブラウジングなどを可能にするインターネット機器が挙げられるが、それらに限定されない。検討の目的のために、以下では、端末デバイスの例としてUEを参照していくつかの実施形態を説明し、「端末デバイス」及び「ユーザ機器」(UE)という用語は、本開示の文脈において相互に交換可能に使用される。
【0050】
本明細書で使用されるとき、「リソース」又は「送信リソース」という用語は、通信、例えば、時間領域におけるリソース、周波数領域におけるリソース、空間領域におけるリソース、コード領域におけるリソース、又は通信を可能にする他のリソースなどの、ネットワークデバイスと端末デバイスとの間の通信を実行するための任意のリソースを指す。それに対応して、「リソースプール」という用語は、時間領域(例えば、タイムスロット)、周波数領域(例えば、サブチャネル)、空間領域、コード領域などにおけるリソースユニットのセットを指す。以下、本開示のいくつかの実施形態を説明するために、周波数領域及び時間領域の両方におけるリソースは、送信リソースの例として使用される。本開示の実施形態は他の領域における他のリソースにも同等に適用可能であると注意されたい。
【0051】
通信環境100における通信は、任意の適切な規格に準拠することができる。ここでの規格は、GSM(Global System for Mobile Communications)、EC-GSM-IoT(Extended Coverage Global System for Mobile Internet of Things)、LTE(Long Term Evolution)、LTE-Evolution、LTE-A(LTE-Advanced)、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA(Code Division Multiple Access)、GERAN(GSM EDGE Radio Access Network)などを含むが、これらに限定されない。さらに、通信は、現在知られている、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行されることができる。通信プロトコルの例は、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)の通信プロトコルを含むが、これらに限定されない。
【0052】
現在の仕様では、TBの繰り返しモードはRRCシグナリングで半静的に構成されている。しかしながら、サポートされているすべての繰り返し方式において、マルチTRPによるURLLC送信用の異なる繰り返しモードの間の切り替えを如何に示すことはまだ明確ではない。従来のソリューションに存在する上記問題及び他の潜在的な問題を考慮して、本開示の実施形態は、マルチTRP通信、特にURLLC通信のためのソリューションを提供する。いくつかの実施形態において、データ(例えば、TB)の送信(例えば、URLLC送信)用の繰り返し方式(繰り返しモードとも呼ばれる)は、DCIなどを介して動的に示されることができる。本開示の実施形態によれば、リリース15のDCIと比較して、DCIのペイロードを増やすことなく、マルチTRP送信用の繰り返しデータをスケジュールできるDCIは1つだけである。また、データ送信用の繰り返し方式は、同じDCIでより動的に示されることができる。以下、本開示の実施形態の原理及び実施について詳細に説明する。
【0053】
図2は、本開示のいくつかの実施形態によるネットワークデバイス110と端末デバイス120との間の例示的な通信プロセス200を示す。以下、
図1に示されたような、ネットワークデバイス110が2つのTRP131、132に接続される通信環境100を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。しかしながら、本開示の実施形態は、ネットワークデバイス110が3つ以上のTRPと接続され、3つ以上のTRPを介してデータ140を送信する場合にも同等に適用可能であると理解されたい。
【0054】
図2に示されるように、ネットワークデバイス110は、第1TRP131及び第2TRP132を介してデータ140を端末デバイス120へ送信するためにネットワークデバイス110によって使用される繰り返し方式150を特定する(205)。ネットワークデバイス110が2つのTRP131、132を介してデータ140の送信を実行するための様々な利用可能な繰り返し方式がある。従って、繰り返し方式150を特定する際に、ネットワークデバイス110は、これらの利用可能な繰り返し方式のうち、1つの繰り返し方式を選択することができる。
図3A~
図3Eを参照しながら、いくつかの利用可能な繰り返し方式を説明する。しかしながら、本開示の実施形態は、本明細書に記載される繰り返し方式に限定されず、既存又は将来の繰り返し方式にも同等に適用可能であると理解されたい。
【0055】
図3A~
図3Eは、本開示のいくつかの実施形態による様々な繰り返し方式用の送信リソースの例示的な模式図を示す。
図3A~
図3Eにおいて、横軸は時間領域を表し、縦軸は周波数領域を表す。マルチTRP送信の利用可能な繰り返し方式の例として、マルチTRPによるURLLC用のいくつかの繰り返し方式は、単一のDCIによってスケジュールされることができるRAN1#96bisにおける1つ以上の繰り返し方式のさらなる縮小選択を容易にするために明確化されている。
【0056】
図3Aは、SDM1a方式とも呼ばれる空間分割多重化(SDM)方式310を示す。SDM方式310において、ネットワークデバイス110は、データ140を端末デバイス120へ送信するために、第1TRP131及び第2TRP132に対して同じ周波数及び時間リソースのセット312を使用してもよい。例えば、SDM方式310において、TCI状態は、重複した時間及び周波数リソースの割り当てにより、単一のスロット内にある。各送信機会は、同じTBの一層又は層のセットであり、各層又は各層のセットは1つのTCI及び1セットのDMRSポートに関連つけられる。1つのRVを有する単一のコードワードは、すべての空間層又は層のセットにわたって使用される。端末デバイス120の観点から、異なる符号化ビットは、リリース15に記載されるものと同じマッピングルールによって異なる層又は層のセットにマッピングされる。
【0057】
図3B及び
図3Cは、それぞれ、第1FDM(FDM1)方式及び第2FDM(FDM2)方式とも呼ばれる2つの周波数分割多重化(FDM)方式320、330を示す。いくつかの実施形態において、第1FDM方式320及び第2FDM方式330において、TCI状態は、重複していない周波数リソースの割り当てによって、単一のスロット内にある。各重複していない周波数リソース割り当ては、1つのTCI状態に関連つけられる。同じ単一/複数のDMRSポートはすべての重複していない周波数リソース割り当てに関連つけられる。
【0058】
第1FDM方式320において、ネットワークデバイス110は、データ140を端末デバイス120へ送信するために、第1TRP131及び第2TRP132のそれぞれに対して2つの周波数リソースのセット322、324を使用してもよい。しかしながら、
図3Bに示されるように、2つの周波数リソースのセット322、324は、周波数領域でお互いに隣接する。これは、2つの周波数リソースのセット322、324が1つのFDRAで示されることができ、かつ、ネットワークデバイス110が、例えば示された周波数リソースを均等に分割するなどの事前に定義された分割ルールに基づいて、示された周波数リソースを2つのセット322、324に分割することができることを意味する。
【0059】
追加的に、第1FDM方式320では、データ140の同じコードワードは、第1TRP131及び第2TRP132を介してネットワークデバイス110によって送信される。例えば、第1FDM方式320において、1つのRVを有する単一のコードワードは、リソースの割り当て全体にわたって使用される。端末デバイス120の観点から、共通のリソースブロック(RB)マッピング(リリース15に記載されたようなコードワードから層へのマッピング)は、リソース割り当て全体にわたって適用される。
【0060】
同様に、第2FDM方式330において、ネットワークデバイス110は、データ140を端末デバイス120へ送信するために、第1TRP131及び第2TRP132のそれぞれに対して2つの周波数リソースのセット332、334を使用することもできる。また、
図3Cに示されるように、2つの周波数リソースのセット332、334は、周波数領域でお互いに隣接する。これは、2つの周波数リソースのセット332、334が1つのFDRAで示されることができ、かつ、ネットワークデバイス110が、例えば示された周波数リソースを均等に分割するなどの事前に定義された分割ルールに基づいて、示された周波数リソースを2つのセット332、334に分割することができることを意味する。
【0061】
第1FDM方式320の場合と異なり、第2FDM方式330では、データ140の2つの異なるコードワードは、それぞれ、第1TRP131及び第2TRP132を介してネットワークデバイス110によって送信される。例えば、第2FDM方式330において、1つのRVを有する単一のコードワードは、各重複していない周波数リソース割り当てに使用される。各重複していない周波数リソース割り当てに対応するRVは同じであってもよく、異なってもよい。
【0062】
図3D及び
図3Eは、第1TDM(TDM1)方式及び第2TDM(TDM2)方式とも呼ばれる2つの時間分割多重化(TDM)方式340、350を示す。第1TDM方式340において、ネットワークデバイス110は、データ140を端末デバイス120へ送信するために、第1TRP131及び第2TRP132のそれぞれに対して2つの時間リソースのセット342、344を使用してもよい。2つのセット342、344の間のオフセット346は、3GPP仕様に定義されたようなタイムスロットより少ない。言い換えると、時間リソースのセット342、344は同じタイムスロットに位置する。例えば、第1TDM方式340において、TCI状態は、重複していない時間リソース割り当てにより、単一のスロット内にある。TBの各送信機会は、ミニスロットの時間粒度を有する1つのTCI及び1つのRVがある。スロット内のすべての送信機会は、同じ単一又は複数のDMRSポートで共通のMCS(Modulation and Coding Scheme)を使用する。RV/TCIの状態は、送信機会の間に、同じであってもよく、異なってもよい。
【0063】
同様に、第2TDM方式350において、ネットワークデバイス110は、データ140を端末デバイス120へ送信するために、第1TRP131及び第2TRP132のそれぞれに対して2つの時間リソースのセット352、354を使用してもよい。第1TDM方式340の場合と異なり、第2TDM方式350では、2つのセット352、354の間のオフセット356は、3GPP仕様に定義されたようなタイムスロットより大きい。言い換えると、時間リソースのセット352、354は異なるタイムスロットに位置する。例えば、第2TDM方式350において、TCI状態はK(n≦K)個の異なるスロットにある。TBの各送信機会は1つのTCI及び1つのRVを有する。K個のスロットにわたるすべての送信機会は、同じ単一又は複数のDMRSポートで共通のMCSを使用する。RV/TCI状態は、送信機会の間に、同じであってもよく、異なってもよい。
【0064】
繰り返し方式150を特定した後に、かつ、繰り返し方式150に基づいて2つのTRP131、132を介してデータ140を送信する前に、ネットワークデバイス110は、制御情報135を端末デバイス120へ送信することで端末デバイス120に繰り返し方式150を通知してもよい。言い換えると、ネットワークデバイス110は、制御情報135において繰り返し方式150を示すことができる。従って、制御情報135を受信すると、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110によって使用される繰り返し方式150を知ることができるため、データ140を適切に受信することができる。
【0065】
そのため、
図2に戻して参照し、ネットワークデバイス110は、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へのデータ140の送信に関連つけられる制御情報135を生成する(210)。ネットワークデバイス110は、受信側での端末デバイス120はデータ140を送信するために使用される繰り返し方式150を識別することができるように、制御情報135において繰り返し方式150を示す。いくつかの実施形態において、制御情報135は、3GPP仕様に定義されたようなダウンリンク制御情報(DCI)であってもよい。いくつかの他の実施形態において、制御情報135はRRCメッセージ又はMAC CEメッセージであってもよい。
【0066】
ネットワークデバイス110は、様々な方法のうちの1つを使用して、制御情報135において繰り返し方式150を示すことができる。例えば、簡単な方法として、すべての利用可能な繰り返し方式のそれぞれに固有の明示的な指示を使用してもよい。しかしながら、この明示的な指示方法は、制御情報135に新しい指示フィールドを導入する必要があり、これに起因して、シグナリングオーバーヘッドが増加する。そのため、繰り返し方式150が、DCIなどの制御情報135内のいくつかの既存のフィールドの数の異なる組み合わせによって示されることができれば有利である。このために、上記した繰り返し方式のために示されるいくつかの送信パラメータの必要な数は、以下のように表1にリストされ、分析される。
表1:異なる繰り返し方式用の送信パラメータの数
【表1】
【0067】
表1からわかるように、SDM方式310の場合に、第1TRP131及び第2TRP132は、SDM方式310において、同じ周波数領域リソースのセット及び同じ時間領域リソースのセットを共有するため、第1TRP131及び第2TRP132に共通のFDRA及び共通のTDRAが存在する。第1TRP131及び第2TRP132がSDM方式でデータ140を送信しようとするため、第1TRP131及び第2TRP132のそれぞれに対して2つのDMRSグループが存在する。第1TRP131及び第2TRP132がSDM方式310でデータ140の同じコードワードを送信するため、第1TRP131及び第2TRP132に共通のRVが存在する。
【0068】
第1FDM方式320の場合に、第1TRP131及び第2TRP132に共通のFDRAが存在し、共通のFDRAによって示される周波数領域リソースのセットは、例えば、周波数領域リソースのセットを2つに均等に分割するような事前に定義された分割ルールに基づいて、第1TRP131と第2TRP132との間で分けられる。第1TRP131及び第2TRP132が第1FDM方式320において同じ時間領域リソースのセットを共有するため、第1TRP131及び第2TRP132に共通のTDRAが存在する。第1TRP131及び第2TRP132が第1FDM方式320において1つのDMRSグループを使用することができるため、第1TRP131及び第2TRP132に共通のDMRSグループが存在する。第1TRP131及び第2TRP132が第1FDM方式320においてデータ140の同じコードワードを送信するため、第1TRP131及び第2TRP132に共通のRVが存在する。
【0069】
第2FDM方式330の場合に、FDRAの数、TDRAの数、及びDMRSグループの数は、第1FDM方式320と同じである。第2FDM方式330と第1FDM方式320との相違点は、第2FDM方式330において、第1のTRP311および第2のTRP132がそれぞれデータ140の異なるコードワードを送信するため、第1のTRP131および第2のTRP132のそれぞれに対して2つのRVが存在することにある。
【0070】
第1TDM方式340の場合に、第1TRP131及び第2TRP132が第1TDM方式340において同じ周波数領域リソースのセットを共有するため、第1TRP131及び第2TRP132に共通のFDRAが存在する。第1TDM方式340において、第1TRP131及び第2TRP132が異なる時間領域リソースのセットを使用するため、第1TRP131及び第2TRP132のそれぞれに対して2つのTDRAが存在する。第1TDM方式340において、第1TRP131及び第2TRP132が1つのDMRSグループを使用することができるため、第1TRP131及び第2TRP132に共通のDMRSグループが存在する。第1TDM方式340において、第1TRP131及び第2TRP132が異なる時間領域リソースでデータ140を送信するため、第1TRP131及び第2TRP132のそれぞれに対して2つのRVが存在する。
【0071】
第2TDM方式350の場合に、FDRAの数、TDRAの数、DMRSグループの数、及びRVの数は、第1TDM方式340と同じである。第1TDM方式340と第2TDM方式350との相違点は、第1TDM方式340において、第1TRP131用の第1時間領域リソースのセット342及び第2TRP132用の第2時間領域リソースのセット344が1つのタイムスロット内にあり、一方、第2TDM方式350において、第1時間領域リソースのセット352及び第2時間領域リソースのセット354が異なるタイムスロットにあることにある。
【0072】
よって、表1は、ネットワークデバイス110が上記した送信パラメータの特定の数を示すことで、異なる繰り返し方式のうち、SDM方式310、第1FDM方式320、第2FDM方式330、第1TDM方式340、及び第2TDM方式350の1つなどの特定の繰り返し方式を示すことができる可能性を表す。例えば、2つのDMRSグループはSDM方式310を示すことができる。1つのRV及び1つのDMRSグループは第1FDM方式320を示すことができる。2つのRV、1つのDMRSグループ、及び1つのTDRAは第2FDM方式330を示すことができる。2つのRV、1つのDMRSグループ、及び2つのTDRAは第1TDM方式340及び第2TDM方式350を示すことができる。2つのTDM方式は、2つのTDRAによって示される2つの周波数領域リソースのセットの間のオフセットで区別されることができる。
【0073】
そのため、制御情報135を生成する際に、ネットワークデバイス110が繰り返し方式150をSDM方式310として特定すると、ネットワークデバイス110は、第1TRP131及び第2TRP132のそれぞれに対して、制御情報135において2つのDMRSグループを示すことができる。
【0074】
代替的に、ネットワークデバイス110が繰り返し方式150を第1SDM方式320として特定すると、ネットワークデバイス110は、第1TRP131及び第2TRP132の両方に対して制御情報135において1つのDMRSグループ及び1つのRVを示すことができる。ネットワークデバイス110が繰り返し方式150を第2FDM方式330として特定すると、ネットワークデバイス110は、第1TRP131及び第2TRP132の両方に対して制御情報135において1つのDMRSグループ及び1つのTDRAを示すとともに、第1TRP131及び第2TRP132のそれぞれに対して制御情報135において2つのRVを示すことができる。
【0075】
代替的に、ネットワークデバイス110が繰り返し方式150を、例えば、第1TDM方式340又は第2TDM方式350のようなTDM方式として特定すると、ネットワークデバイス110は、第1TRP131及び第2TRP132の両方に対して制御情報135において1つのDMRSグループを示すとともに、第1TRP131及び第2TRP132のそれぞれに対して2つのRV及び2つのTDRAを示すことができる。
【0076】
さらに、ネットワークデバイス110によって特定されたTDM方式が第1TDM方式340であると、ネットワークデバイス110は、1つのタイムスロット内にある2つの時間領域リソースのセットを示すための2つのTDRAを構成することができる。例えば、2つのTDRAのそれぞれは、現在のタイムスロットと割り当てられた時間リソースのセットが位置するタイムスロットとの間のオフセットを示すためのオフセットインジケータ(K0など)を有する。このようなオフセットインジケータを使用することで、第1TDM方式340の場合に、ネットワークデバイス110は、2つのTDRAの2つのオフセットインジケータに対して同じ値を構成することができる。
【0077】
一方、ネットワークデバイス110によって特定されたTDM方式が第2TDM方式350であると、ネットワークデバイス110は、代替的に、それぞれの2つの異なるタイムスロットにある2つの時間領域リソースのセットを示すための2つのTDRAを構成することができる。オフセットインジケータがTDRAに含まれる場合に、ネットワークデバイス110は、2つのTDRAの2つのオフセットインジケータの2つの異なる値を構成することができる。
【0078】
上記した表1によれば、制御情報135内のTDRAフィールドは、SDM方式310、第1FDM方式320、第2FDM方式330の場合に1つのTDRAを示す必要があり、代替的に、第1TDM方式340及び第2TDM方式350の場合に2つのTDRAを示す必要がある。同様に、制御情報135内のRVフィールドは、SDM方式310及び第1FDM方式320の場合に1つのRVを示す必要があり、代替的に、第2FDM方式330、第1TDM方式340及び第2TDM方式350の場合に2つのRVを示す必要がある。
【0079】
そのため、制御情報135を生成する際に、ネットワークデバイス110は、いくつかの単一のTDRA値及びいくつかのペアとなるTDRA値の両方を示すために、制御情報135に多用途のTDRAフィールド(ビットマップとも呼ばれる)を含めてもよい。言い換えると、TDRAフィールドにおけるTDRAビット(符号点とも呼ばれる)の第1値は第1TRP131及び第2TRP132に共通の1つのTDRA値を示すことができ、TDRAビットマップにおけるTDRAビットの第2値は第1TRP131及び第2TRP132のそれぞれに対して2つのTDRA値を示すことができる。このようにして、TDRAビットの数は、異なる繰り返し方式に対しても変更されないままであることができる。下記の表2は、このような多用途のTDRAビットマップの例を示す。
表2:多用途のTDRAフィールドの例
【表2】
【0080】
表2に示されるように、制御情報135が2ビットのTDRAビットマップを含むと、TDRAビットの値「00」は、第1TRP131及び第2TRP132に共通のオフセットインジケータK0の第1値(K01として示される)及びSLIV(Start and Length Indicator Value)の第1値(SLIV1として示される)を示すことができる。追加的に、TDRAビットの値「01」は、第1TRP131及び第2TRP132の一方に対して、オフセットインジケータK0の第2値(K02として示される)及びSLIVの第2値(SLIV2として示される)を示すとともに、第1TRP131及び第2TRP132の他方に対してオフセットインジケータK0の第3値(K03として示される)及びSLIVの第3値(SLIV3として示される)を示すことができる。
【0081】
また、TDRAビットの値「10」は、第1TRP131及び第2TRP132に共通のオフセットインジケータK0の第4値(K04として示される)、及びSLIVの第4値(SLIV4として示される)を示すことができる。さらに、TDRAビットの値「11」は、第1TRP131及び第2TRP132の一方に対してオフセットインジケータK0の第5値(K05として示される)、及びSLIVの第5値(SLIV5として示される)を示すとともに、第1TRP131及び第2TRP132の他方に対してオフセットインジケータK0の第6値(K06として示される)及びSLIVの第6値(SLIV6として示される)を示すことができる。
【0082】
特定な数のビット及びビットの特定の値からK0及びSLIVの特定の値への特定のマッピングを有する、表2に示される特定のTDRAビットマップは、本開示の範囲に対する限定を示唆することなく、例示的なものにすぎないと理解されたい。他の実施形態において、ここで説明した多用途のTDRAビットマップは任意の数のビット、及びビットの値からTDRAの値への任意の可能なマッピングを有してもよい。いくつかの実施形態において、TDRAビットマップのマッピングは、物理(PHY)層の上位層によって示されることができ、これにより、特定のマッピングは、TDRAビットの数を増やすことなく、必要に応じて柔軟に変更されることができる。いくつかの実施形態において、表2と類似の構成されたTDRA表は複数存在し得る。例えば、RRCシグナリングは複数のTRRA表を構成してもよく、MAC-CEはDCI指示用の1つのTRRA表をアクティブ化するために使用されてもよい。
【0083】
同様に、制御情報135を生成する際に、ネットワークデバイス110は、いくつかの単一のRV値及びいくつかのペアとなるRV値の両方を示すために、制御情報135において多用途のRVビットマップを含めてもよい。言い換えると、RVビットマップにおけるRVビットの第1値は第1TRP131及び第2TRP132に共通の1つのRV値を示し、RVビットマップにおけるRVビットの第2値は、第1TRP131及び第2TRP132のそれぞれに対して2つのRV値を示すことができる。このようにして、RVビットの数は、異なる繰り返し方式に対しても変更されないままであることができる。下記の表3は、このような多用途のRVビットマップの例を示す。
表3:多用途のRVフィールドの例
【表3】
【0084】
表3に示されるように、制御情報135が2ビットのRVビットマップを含むと、RVビットの値「00」は、第1TRP131及び第2TRP132に共通のRVの第1値(RV1として示される)を示すことができる。追加的に、RVビットの値「01」は、第1TRP131及び第2TRP132に共通のRVの第2値(RV2として示される)を示すことができる。また、RVビットの値「10」は第1TRP131及び第2TRP132の一方に対してRVの第3値(RV3として示される)を示すとともに、第1TRP131及び第2TRP132の他方に対してRVの第4値(RV4として示される)を示すことができる。さらに、RVビットの値「11」は、第1TRP131及び第2TRP132の一方に対してRVの第5値(RV5として示される)を示すとともに、第1TRP131及び第2TRP132の他方に対してRVの第6値(RV6として示される)を示すことができる。
【0085】
特定な数のビットを有する特定のRVビットマップ、及び特定のビットの値から特定のRVの値への特定のマッピングは、本開示の範囲に対する限定を示唆することなく、例示的なものにすぎないと理解されたい。他の実施形態において、ここで説明した多用途のRVビットマップは任意の数のビット、及びビットの値からRVの値への任意の可能なマッピングを有してもよい。いくつかの実施形態において、RVビットマップのマッピングは、PHY層の上位層によって示されることができるため、特定のマッピングは、RVビットの数を増やすことなく、必要に応じて柔軟に変更されることができる。いくつかの実施形態において、構成されたRV表は複数存在してもよい。例えば、RRCシグナリングは表3と類似の複数のRV表を構成してもよく、MAC-CEはDCI指示用の1つのRV表をアクティブ化するために使用されてもよい。
【0086】
表1からさらに分かるように、ネットワークデバイス110が制御情報135において2つのDRMSグループを示すと、1つのTDRAだけ、及び1つのRVだけが制御情報135において示される必要がある。DMRSグループの数とTDRAの数及びRVの数との間の関係は、TDRA及びRVを示すことに関連するシグナリングオーバーヘッドを減少するように、TDRAビットマップ及びRVビットマップの設計を簡略化するために使用されることができる。
【0087】
特に、ネットワークデバイス110が制御情報135において2つのDMRSグループを示すと、ネットワークデバイス110は1つだけのTDRA値を示すようにTDRAビットマップにおけるTDRAビットの各値を使用することができる。下記の表4は2つのDMRSグループが制御情報135において示される場合のTDRAビットマップの例を示す。
表4:2つのDMRSグループの場合のTDRAフィールドの例
【表4】
【0088】
表4に示されるように、制御情報135が2つのDMRSグループを示し、かつ、2ビットのTDRAビットマップを含むと、TDRAビットの値「00」は、第1TRP131及び第2TRP132に共通のオフセットインジケータK0の第1値(K01として示される)、及びSLIVの第1値(SLIV1として示される)を示すことができる。TDRAビットの値「01」は、第1TRP131及び第2TRP132に共通のオフセットインジケータK0の第2値(K02として示される)、及びSLIVの第2値(SLIV2として示される)を示すことができる。TDRAビットの値「10」は、第1TRP131及び第2TRP132に共通のオフセットインジケータK0の第3値(K03として示される)、及びSLIVの第3値(SLIV3として示される)を示すことができる。TDRAビットの値「11」は、第1TRP131及び第2TRP132に共通のオフセットインジケータK0の第4値(K04として示される)、及びSLIVの第4値(SLIV4として示される)を示すことができる。
【0089】
一方、ネットワークデバイス110が制御情報135において1つのDMRSグループを示すと、ネットワークデバイス110は、2つのTDRA値を示すために、TDRAビットマップにおけるTDRAビットの少なくとも1つの値を使用する必要がある。下記の表5は1つのDMRSグループが制御情報135において示される場合のこのようなTDRAビットマップの例を示す。表5において、TDRAビットの値からTDRA値へのマッピングは、上記の表2と類似するので、表5についての詳細な説明は省略される。
表5:1つのDMRSグループの場合のTDRAフィールドの例
【表5】
【0090】
同様に、ネットワークデバイス110が制御情報135において2つのDMRSグループを示すと、ネットワークデバイス110は、1つのRV値のみを示すように、RVビットマップにおけるRVビットの各値を使用することができる。下記の表6は2つのDMRSグループが制御情報135において示される場合のRVビットマップの例を示す。
表6:2つのDMRSグループの場合のRVフィールドの例
【表6】
【0091】
表6に示されるように、制御情報135が2つのDMRSグループを示し、かつ、2ビットのRVビットマップを含むと、RVビットの値「00」は、第1TRP131及び第2TRP132に共通のRVの第1値(RV1として示される)を示すことができる。RVビットの値「01」は、第1TRP131及び第2TRP132に共通のRVの第2値(RV2として示される)を示すことができる。RVビットの値「10」は、第1TRP131及び第2TRP132に共通のRVの第3値(RV3として示される)を示すことができる。RVビットの値「11」は、第1TRP131及び第2TRP132に共通のRVの第4値(RV4として示される)を示すことができる。
【0092】
一方、ネットワークデバイス110が制御情報135において1つのDMRSグループを示すと、ネットワークデバイス110は、2つのRV値を示すために、RVビットマップにおけるRVビットの少なくとも1つの値を使用する必要がある。下記の表7は1つのDMRSグループが制御情報135において示される場合のRVビットマップの例を示す。表7において、RVビットの値からRV値へのマッピングは、上記の表3と類似するので、表7についての詳細な説明は省略される。
表7:1つのDMRSグループの場合のRVフィールドの例
【表7】
【0093】
いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110は、繰り返し方式150を端末デバイス120へ通信するために、他の専用のインジケータ(例えば、上位層からのもの)とともに制御情報135(DCIなど)を使用することができる。例えば、専用のインジケータは、特定の繰り返し方式を示すために使用されることができるため、繰り返し方式150を示すための制御情報135の設計を簡略化することができる。いくつかの実施形態において、専用のインジケータは、RRCメッセージ又はMAC CEメッセージによって伝送されることができる。制御情報135及び専用のインジケータの両方を使用する指示アプローチは、ハイブリッドアプローチと呼ばれてもよい。ハイブリッドアプローチを使用することで、制御情報135の設計を簡略化することができる。
【0094】
特に、ネットワークデバイス110は、2つのFDM方式を区別するための専用のインジケータを端末デバイス120へ送信してもよい。専用のインジケータは、第1FDM方式320及び第2FDM方式330の1つを明示的に示すことができる。言い換えると、端末デバイス120が繰り返し方式150をFDM方式として特定することができる場合に、さらに、専用のインジケータをチェックして、第1FDM方式320と第2FDM方式330とを区別することができる。SDM方式310及び2つのTDM方式340、350を含む他の繰り返し方式は、制御情報135によって示されることができる。2つのFDM方式を区別するための専用のインジケータの貢献により、上記した表2は以下の表8になることができる。表8からわかるように、制御情報135の設計は、簡略化されることができる。
表8:専用のインジケータを使用する場合の送信パラメータの数
【表8】
【0095】
よって、第1FDM方式320及び第2FDM方式330用の専用のインジケータが使用される場合に、制御情報135を生成する際に、ネットワークデバイス110が繰り返し方式150を第1SDM方式320又は第2FDM方式330として特定すると、ネットワークデバイス110は、制御情報135において第1TRP131及び第2TRP132の両方に共通の、1つのDMRSグループ及び1つのTDRAを示すことができる。
【0096】
そのほか、ネットワークデバイス110が繰り返し方式150をTDM方式(例えば、第1TDM方式340又は第2TDM方式350)として特定すると、ネットワークデバイス110は制御情報135において1つのDMRSグループ及び2つのTDRAを示してもよい。1つのDMRSグループは第1TRP131及び第2TRP132に共通し、2つのTDRAは、第1TRP131及び第2TRP132のそれぞれに対するものである。さらに、ネットワークデバイス110が繰り返し方式150をSDM方式310として特定すると、ネットワークデバイス110は、制御情報135において2つのDMRSグループを示してもよい。
【0097】
同様な方法で、ネットワークデバイス110は、第1TDM方式340と第2TDM方式350とを区別するための他の専用のインジケータを使用することができる。特に、ネットワークデバイス110は、専用のオフセットインジケータを端末デバイス120へ送信してもよい。専用のオフセットインジケータは、第1TRP131用の第1時間領域リソースと第2TRP132用の第2時間領域リソースとのオフセットを示すことができる。言い換えると、端末デバイス120が繰り返し方式150をTDM方式として特定することができると、専用のオフセットインジケータをチェックして、第1TDM方式340と第2TDM方式350とを区別することができる。
【0098】
例えば、ネットワークデバイス110が繰り返し方式150を第1TDM方式340として特定すると、ネットワークデバイス110は、1つのタイムスロットよりも小さいオフセットを示すように専用のオフセットインジケータを構成することができる。そのほか、ネットワークデバイス110が繰り返し方式150を第2TDM方式350として特定すると、ネットワークデバイス110は、1つのタイムスロットよりも大きいオフセットを示すように専用のオフセットインジケータを構成することができる。2つのFDM方式用の専用のインジケータ及び2つのTDM方式用の専用のオフセットインジケータの両方の貢献により、上記した表2は以下の表9になることができる。表9からわかるように、制御情報135の設計は、簡略化されることができる。
表9:2つの専用のインジケータを使用する場合の送信パラメータの数
【表9】
【0099】
よって、2つのFDM方式用の専用のインジケータ及び2つのTDM方式用の専用のオフセットインジケータの両方が使用される場合に、制御情報135を生成する際に、ネットワークデバイス110が繰り返し方式150を第1TDM方式340又は第2TDM方式350として特定すると、ネットワークデバイス110は、制御情報135において第1TRP及び第2TRPの両方に共通の、1つのDMRSグループ及び1つのTDRAを示すができる。より具体的には、第1TRP131及び第2TRP132の一方用の第1時間領域リソースは1つのTDRAによって示されることができ、第1TRP131及び第2TRP132の他方用の第2時間領域リソースは第1時間リソース及びオフセットによって示されることができる。このようにして、ネットワークデバイス110は、2つのTDRA値を示すために1つのTDRAだけを使用することができる。
【0100】
ネットワークデバイス110が繰り返し方式150を第1FDM方式320又は第2FDM方式330として特定すると、ネットワークデバイス110は、制御情報135において第1TRP131及び第2TRP132の両方に共通の、1つのDMRSグループ及び1つのTDRAを示すが、2つのTDM方式用の専用のオフセットインジケータを送信せずに、第1FDM方式320及び第2FDM方式330の1つを示すように専用のインジケータを設定することもできる。さらに、ネットワークデバイス110が繰り返し方式150をSDM方式310として特定すると、ネットワークデバイス110は、制御情報135において2つのDMRSグループを示してもよい。
【0101】
いくつかの送信パラメータの異なる数によって繰り返し方式150を暗黙的に示す代わりに、ネットワークデバイス110は、利用可能な繰り返し方式の1つを明示的に示すことができる。このように、端末デバイス120での繰り返し方式150の特定は、簡略化されることができる。例えば、ネットワークデバイス110は制御情報135において繰り返し方式のビットマップを含めてもよい。繰り返し方式のビットマップは、複数の繰り返し方式のうち、繰り返し方式150を示すために使用されることができる。いくつかの実施形態において、制御情報135は、以下のインジケータの1つまたは複数を構成するRRCメッセージであってもよい。
URLLC_mode
{
Mode_select bitmap of {URLLC_SDM, URLLC_FDM1, URLLC_FDM2, URLLC_TDM1, URLLC_TDM2}
}
ここで、インジケータ「URLLC_SDM」はSDM方式310に対応し、インジケータ「URLLC_FDM1」は第1FDM方式320に対応し、インジケータ「URLLC_FDM2」は第2FDM方式330に対応し、インジケータ「URLLC_TDM1」は第1TDM方式340に対応し、インジケータ「URLLC_TDM2」は第2TDM方式350に対応する。
【0102】
いくつかの他の実施形態において、制御情報135は、繰り返し方式の1つまたは複数を有効化する、又は無効化するMAC CEメッセージであってもよい。下記の表10は、このような、MAC CEメッセージで伝送される繰り返し方式のビットマップを示す。
表10:繰り返し方式の明示的なビットマップの例
【表10】
【0103】
制御情報135を生成した後、ネットワークデバイス110は、制御情報135を端末デバイス120へ送信する(215)。例えば、ネットワークデバイス110は、第1TRP131、第2TRP132、又はその両方を介して制御情報135を送信してもよい。いくつかの他の実施形態において、ネットワークデバイス110は、
図1に示されていない他のTRPを介して制御情報135を送信することができる。
【0104】
対応して、受信側で、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110から制御情報135を受信することができ(215)、データ140がそれ自身に送信されようとすることを認識することができ、例えば、データ140の送信の様々な送信パラメータを取得することができる。さらに、ネットワークデバイス110は、データ140を送信するようにネットワークデバイス110によって使用される繰り返し方式150を示すための制御情報135を構成するため、端末デバイス120は、当該制御情報135を受信すると、制御情報135からの繰り返し方式150を特定することができる(220)。
【0105】
制御情報135からの繰り返し方式150を特定するために端末デバイス120によって使用される特定方法は、制御情報135において繰り返し方式150を示すためにネットワークデバイス110で採用される指示方法に対応すると理解されたい。よって、以下、端末デバイス120に使用される異なる特定方法について詳細に説明せず、それらは、上記したネットワークデバイス110に使用される様々な指示方法の説明を参照して理解することができる。
【0106】
例えば、制御情報135から繰り返し方式150を特定する際に、制御情報135が2つのDMRSグループを示すと、端末デバイス120は、繰り返し方式150をSDM方式310として特定することができる。制御情報135が1つのDMRSグループ及び1つのRVを示すと、端末デバイス120は、繰り返し方式150を第1FDM方式310として特定することができる。制御情報135が1つのDMRSグループ、2つのRV、及び1つのTDRAを示すと、端末デバイス120は、繰り返し方式150を第2FDM方式330として特定することができる。
【0107】
制御情報135が1つのDMRSグループ、2つのRV、及び2つのTDRAを示すと、端末デバイス120は、繰り返し方式150をTDM方式として特定することができる。さらに、制御情報135内の2つのTDRAが1つのタイムスロットにおける2つの時間領域リソースを示すと、端末デバイス120がTDM方式を第1TDM方式340として特定することが可能である。そのほか、制御情報135内の2つのTDRAがそれぞれ異なるタイムスロットにおける2つの時間領域リソースを示すと、端末デバイス120は、TDM方式を第2TDM方式350として特定することが可能である。
【0108】
いくつかの実施形態において、制御情報135はTDRAビットマップを含んでもよい。端末デバイス120は、TDRAビットマップの第1値が2つのTRP131、132に共通の1つのTDRA値を示すとともに、TDRAビットマップの第2値が2つのTRP131、132のそれぞれのTDRA値を示すと特定することができる。言い換えると、TDRAビットマップのいくつかの値は1つのTDRA値のみを示すが、TDRAビットマップのいくつかの他の値は2つのTDRA値を示すことがある。例えば、TDRAビットマップのマッピングは、PHY層の上位層によって示されることができる。
【0109】
いくつかの実施形態において、制御情報135はRVビットマップを含んでもよい。端末デバイス120は、RVビットマップの第1値が2つのTRP131、132に共通の1つのRV値を示すとともに、RVビットマップの第2値が2つのTRP131、132のそれぞれのRV値を示すと特定することができる。言い換えると、RVビットマップのいくつかの値は1つのRV値のみを示すが、RVビットマップのいくつかの他の値は2つのRV値を示すことがある。例えば、RVビットマップのマッピングは、PHY層の上位層によって示されることができる。
【0110】
いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110はDMRSグループの数に応じてTDRAビットマップを採用する場合に、端末デバイス120は、制御情報135内のDMRSグループの数を使用することで、制御情報135内のTDRAビットの値が1つのTDRA値を示すか、又は2つのTDRA値を示すかを特定することができる。
【0111】
制御情報135が2つのDMRSグループを示すと、端末デバイス120はTDRAビットマップの各値が1つのTDRA値を示すと特定することができる。制御情報135が1つのDMRSグループを示すと、端末デバイス120はTDRAビットマップの値が2つのTDRA値を示すと特定することができる。言い換えると、TDRAビットマップのいくつかの値は1つのTDRA値のみを示すが、TDRAビットマップのいくつかの他の値は2つのTDRA値を示すことがある。
【0112】
同様に、ネットワークデバイス110がDMRSグループの数に応じてビットマップを採用する場合に、端末デバイス120は、制御情報135内のDMRSグループの数を使用することで、制御情報135内のRVビットの値が1つのRV値を示すか、又は2つのRV値を示すかを特定することができる。
【0113】
制御情報135が2つのDMRSグループを示すと、端末デバイス120はRVビットマップの各値が1つのRV値を示すと特定することができる。制御情報135が1つのDMRSグループを示すと、端末デバイス120はRVビットマップの値が2つのRV値を示すと特定することができる。言い換えると、RVビットマップのいくつかの値は1つのRV値のみを示すが、RVビットマップのいくつかの他の値は2つのRV値を示すことがある。
【0114】
いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110から専用のインジケータを受信してもよい。専用のインジケータは第1FDM方式320又は第2FDM方式330を示すために専用なものである。この場合、繰り返し方式150を特定する際に、制御情報135が1つのDMRSグループ及び1つのTDRAを示す場合に、専用のインジケータが第1FDM方式330を示すと、端末デバイス120は繰り返し方式150を第1FDM方式330として特定してもよい。そのほか、専用のインジケータが第2FDM方式340を示すと、端末デバイス120は繰り返し方式150を第2FDM方式340として特定してもよい。
【0115】
また、制御情報135が1つのDMRSグループ及び2つのTDRAを示すと、端末デバイス120は繰り返し方式150をTDM方式として特定することができる。この場合、端末デバイス120は、さらに、制御情報135のTDRAフィールドにおけるオフセットインジケータ(K0など)に基づいて、TDM方式を第1TDM方式340及び第2TDM方式350の一方として特定してもよい。
【0116】
代替的に、ネットワークデバイス110が第1TDM方式340と第2TDM方式350とを区別するための専用のオフセットインジケータを使用すると、端末デバイス120は、制御情報135を受信することに加えて、専用のオフセットインジケータをネットワークデバイス110から受信することができる。この場合、繰り返し方式150を特定する際に、制御情報135が1つのDMRSグループ及び1つのTDRAを示す場合に、専用のオフセットインジケータが1つのタイムスロットよりも小さいオフセットを示すと、端末デバイス120は、繰り返し方式150を第1TDM方式340として特定することができる。そのほか、専用のオフセットインジケータが1つのタイムスロットよりも大きいオフセットを示すと、端末デバイス120は繰り返し方式150を第2TDM方式350として特定することができる。
【0117】
制御情報135が1つのTDRAのみを示しても、端末デバイス120は、1つのTDRAに基づいて、第1TRP131及び第2TRP132の一方用の第1時間領域リソースを特定してもよい。例えば、1つのTDRAは第1時間領域リソースを直接示すことができる。さらに、端末デバイス120は、第1時間領域リソース及びオフセットに基づいて、第1TRP131及び第2TRP132の他方用の第2時間領域リソースを特定してもよい。
【0118】
いくつかの実施形態において、制御情報135は、複数の繰り返し方式のうち、繰り返し方式150を示すための繰り返し方式のビットマップを含んでもよい。この場合、制御情報135はPHY層の上位層からのRRCメッセージ又はMAC CEメッセージであり得る。これらの実施形態において、端末デバイス120は、繰り返し方式のビットマップの明示的な指示に応じて、繰り返し方式150を特定することができる。
【0119】
制御情報135を端末デバイス120へ送信した後、ネットワークデバイス110は、繰り返し方式150に基づいて、第1TRP131及び第2TRP132を介してデータ140を端末デバイス120へ送信することができる(225)。例えば、ネットワークデバイス110は、上記した繰り返し方式の1つを使用して、2つのTRP131、132を介してデータ140を端末デバイス120へ送信してもよい。対応して、受信側で、ネットワークデバイス110で採用された繰り返し方式150を特定した後、端末デバイス120は、繰り返し方式150に基づいて、ネットワークデバイス110からデータ140を適切に受信することができる(225)。
【0120】
上記のように、本開示のいくつかの実施形態について、ネットワークデバイス110が如何に端末デバイス120へ、第1TRP131及び第2TRP132を介してデータ140を送信するためにネットワークデバイス110によって使用される繰り返し方式150を示すことに関して説明した。以下、
図4~
図8を参照しながら、いくつかの他の本開示の実施形態について、ネットワークデバイス110が如何に第1TRP131及び第2TRP132のそれぞれを介して異なる制御情報(例えば、2つのDCI)を送信すること、及び端末デバイス120が如何に第1TRP131及び第2TRP132のそれぞれを介して送信された異なる制御情報(例えば、2つのDCI)を受信することに関して説明する。
【0121】
一般的に、ネットワークデバイス110と端末デバイス120との間の通信では、ネットワークデバイス110は、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へのデータ送信をスケジュールするためのDCIを送信してもよい。例えば、ネットワークデバイス110は、ネットワークデバイス110から端末デバイス120への第1データの送信をスケジュールするための第1DCIを送信するとともに、ネットワークデバイス110から端末デバイス120への第2データの送信をスケジュールするための第2DCIを送信してもよい。
【0122】
第1データの場合に、端末デバイス120は、第1データが端末デバイス120によって成功に受信されたか否かを示すように、例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)フィードバック、ACK/NACK(Acknowledgement/Negative Acknowledgement)フィードバックのような第1フィードバックをネットワークデバイス110へ送信してもよい。同様に、第2データの場合に、端末デバイス120は、第2データが端末デバイス120によって成功に受信されたか否かを示すように、第2フィードバックをネットワークデバイス110へ送信してもよい。
【0123】
端末デバイス120によって送信される、第1データに対する第1フィードバックの場合に、第1DCIは、例えば、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)のような、第1フィードバックを伝送するための第1フィードバックチャネルを示すことができる。同様に、端末デバイス120によって送信される、第2データに対する第2フィードバックの場合に、第2DCIは、第2フィードバックを伝送するための第2フィードバックチャネルを示すことができる。
【0124】
いくつかの場合に、端末デバイス120は、第1フィードバックチャネル及び第2フィードバックチャネルの一方のみを使用して、第1フィードバック及び第2フィードバックの両方をネットワークデバイス110へ送信することができる。従来、ネットワークデバイスは、1つのTRPのみに接続されるため、2つのDCIを同じ時間で送信することができない。言い換えると、2つのDCIは時間領域において次々と送信される。よって、端末デバイスは、時間領域において第1DCI及び第2DCIのうち、どちらが遅い方であると特定することができる。ここで、一般性を失うことなく、第2DCIが遅い方であると想定する。そして、端末デバイスは、第2DCI内に示される第2フィードバックチャネルを使用することで、第1フィードバック及び第2フィードバックの両方を送信することができる。
【0125】
しかしながら、ネットワークデバイス110が2つのTRP131、132に接続される場合に、ネットワークデバイス110は、第1TRP131及び第2TRP132のそれぞれを介して第1DCI及び第2DCIを送信することができる。そのため、第1DCI及び第2DCIは同じ時間で送信される可能性があり、これにより、端末デバイス120は、第1DCI及び第2DCIのどちらが遅い方であると特定することができない。このような場合、端末デバイス120は、第1フィードバック及び第2フィードバックの両方を送信するためにどちらのフィードバックチャネルを使用すべきであると特定することができない。本開示のいくつかの態様は、従来のソリューションに存在する上記問題及び他の可能な問題を解決する。以下、
図4~
図5を参照しながら、本開示のこれらの態様の実施形態を詳細に説明する。
【0126】
図4は、本開示のいくつかの実施形態によるネットワークデバイス110と端末デバイス120との間の他の例示的な通信プロセス400を示す。以下、
図1に示すネットワークデバイス110が2つのTRP131、132に接続される通信環境100を参照しながら本開示の実施形態を説明する。しかしながら、本開示の実施形態はネットワークデバイス110が3つ以上のTRPに接続される場合にも同等に適用できると理解されたい。
【0127】
図4に示されるように、ネットワークデバイス110は、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へ送信される第1データに関連つけられる第1制御情報、及びネットワークデバイス110から端末デバイス120へ送信される第2データに関連つけられる第2制御情報を生成する(405)。いくつかの実施形態において、第1制御情報及び第2制御情報は3GPP仕様に定義されたようなDCIであってもよい。他の実施形態において、第1制御情報及び第2制御情報は、3GPP規格又は他の任意の規格で定義された、又は未定義の他の任意の既存する、又は将来の制御情報であるこTができる。
【0128】
いくつかの実施形態において、第1制御情報及び第2制御情報は、それぞれ、第1TRP131及び第2TRP132を介してネットワークデバイス110によって送信されようとする。追加的に、第1制御情報の第1開始時間点及び第2制御情報の第2開始時間点は、端末デバイス120がネットワークデバイス110からの制御情報を監視するための1つの時間間隔内にある。言い換えると、端末デバイス120は、第1制御情報及び第2制御情報のどちらがより遅いかを特定することができない。以下、
図5を参照しながら、この状況の更なる説明をする。
【0129】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、2つのDCI510、520が2つのTRP131、132を介して同じ時間間隔でネットワークデバイス110によって送信される例示的なシナリオを示す。
図5に示されるように、ネットワークデバイス110は、第1タイムスロット502で第1DCI1 510を送信する。第1DCI1 510は、端末デバイス120が第1フィードバックを送信するために、第2タイムスロット504において第1PUCCH1 515をスケジュールする。第1フィードバックは、第1DCI1 510によってスケジュールされた、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へ送信される第1データに対するものである。追加的に、ネットワークデバイス110は、第1タイムスロット502で第2DCI2 520を送信する。第2DCI2 520は、端末デバイス120が第2フィードバックを送信するために、第2タイムスロット504において第2PUCCH2 525をスケジュールする。第2フィードバックは、第2DCI2 520によってスケジュールされた、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へ送信される第2データに対するものである。
【0130】
複数のDCIが各TRPから受信されてスロット内の同じPUCCHを示す場合に、端末デバイス120は、まず、同じTRPに関連つけられかつ同じスロット内のPUCCHを示すDCIに基づいて、各TRP用のPUCCHリソースを特定する。次に、端末デバイス120が異なるTRPから特定されたPUCCHが1つのスロット内に重複するか否かをチェックする。重複する場合に、さらに、異なるTRP間の最後のDCIに基づいてPUCCHを特定する。
【0131】
さらに、DCI1 510の第1開始時間点及びDCI2 520の第2開始時間点は、端末デバイス120がネットワークデバイス110からのDCIを監視するように1つの時間間隔内にあり、これにより、端末デバイス120は、時間領域でDCI1 510及びDCI2 520のどちらがより遅いかを知ることができない。例えば、概略的に示されるように、DCI1 510及びDCI2 520は同じ開始時間点を有する可能性があるため、端末デバイス120は、PUCCH1 515及びPUCCH2 525のどのPUCCHが第1フィードバック及び第2フィードバックの両方を送信するために使用されるべきであるかを特定することができない。いくつかの実施形態において、3GPP仕様に定義されたように、時間間隔は、直交周波数分割多重化(OFDM)シンボル又は物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の監視機会に対応することができる。
【0132】
端末デバイス120はどの制御情報が第1及び第2フィードバックの両方を送信するために使用されるフィードバックチャネルをスケジュールするかを特定することを有効にするために、ネットワークデバイス110は、第1制御情報及び第2制御情報のうち、目標制御情報を選択することができ、端末デバイス120が第1データに対する第1フィードバック及び第2データに対する第2フィードバックを送信するためのフィードバックチャネルを示すように、選択された目標制御情報を使用してもよい。そして、端末デバイス120が第1制御情報及び第2制御情報のうち、目標制御情報を識別することができるために、ネットワークデバイス110は、ネットワークデバイス110及び端末デバイス120の両方に知られている事前に定義された送信基準に基づいて、目標制御情報を送信することができる。
【0133】
よって、
図4に戻して、ネットワークデバイス110は、送信基準に基づいて、第1TRP131及び第2TRP132の一方を介して、目標制御情報を端末デバイス120へ送信する(410)。いくつかの実施形態において、送信基準は、様々な利用可能な送信基準から選択されることができ、又は複数の利用可能な送信基準の組み合わせであってもよい。例えば、ネットワークデバイス110は、第1TRP131などの事前に定義されたTRPを介して、目標制御情報を送信してもよく、これにより、端末デバイス120は、第1TRP131を介して送信された制御情報が目標制御情報であると特定することができる。事前に定義されたTRPは、最も低い上位層の構成されたインデックスに関連つけられるTRPであり得る。RRCシグナリングは、TRPに関連つけられるインデックスを構成するために使用されてもよい。
【0134】
代替的又は追加的に、ネットワークデバイス110は、CORESET又はCORESETグループ内で目標制御情報を送信してもよく、それに対応して、端末デバイス120は、事前に定義されたCORESET又はCORESETグループ内で送信された制御情報が目標制御情報であると特定することができる。CORESETの定義は3GPP仕様から見つけることができる。CORESETグループは、TRPを識別するために使用される同じ上位層の構成されたインデックスに関連つけられる複数のCORESETであることが可能である。代替的又は追加的に、ネットワークデバイス110は、より低いインデックスを有するCORESETで目標制御情報を送信してもよく、そのため、端末デバイス120は、より低いインデックスを有するCORESETによって送信された制御情報が目標制御情報であると特定することができる。
【0135】
代替的又は追加的に、ネットワークデバイス110は、端末デバイス120のより低いインデックスのサーチスペース(SS)で目標制御情報を送信してもよく、それに対応して、端末デバイス120は、より低いインデックスのSSで送信された制御情報が目標制御情報であると特定することができる。SSの定義は、3GPP仕様から見つけることができる。代替的又は追加的に、ネットワークデバイス110はより大きい監視インデックスを有するPDCCH内に目標制御情報を送信してもよい。PDCCHの監視インデックスは、複数のサービングセルの間にPDCCHを送信するためのサービングセルのインデックスや、複数のTRPの間にPDCCHを送信するためのTRPのインデックスなどであってもよい。そのため、端末デバイス120は、より大きい監視インデックスを有するPDCCH内に送信された制御情報が目標制御情報であると特定することができる。
【0136】
代替的又は追加的に、ネットワークデバイス110は、より遅い終了時間点を有するPDCCHで目標制御情報を送信してもよく、それに対応して、端末デバイス120は、より遅い終了時間点を有するPDCCHで送信された制御情報が目標制御情報であると特定することができる。代替的又は追加的に、ネットワークデバイス110は、より大きいDAIを有するPDCCHで目標制御情報を送信してもよく、それに対応して、端末デバイス120は、より大きいDAIを有するPDCCHで送信された制御情報が目標制御情報であると特定することができる。
【0137】
第1TRP131及び第2TRP132の一方を介して目標制御情報を送信することに加えて、ネットワークデバイス110は、第1TRP131及び第2TRP132の他方を介して、第1制御情報及び第2制御情報の他方の制御情報を端末デバイス120へ送信する(415)。それに対応して、受信側で、仮に、端末デバイス120は、一般性を失うことなく、ネットワークデバイス110から、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へ送信される第1データに関連つけられる第1制御情報を受信する(410)。追加的に、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110から、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へ送信される第2データに関連つけられる第2制御情報を受信する(415)。
【0138】
上記のように、第1制御情報及び第2制御情報は、それぞれ、第1TRP131及び第2TRP132を介して、ネットワークデバイス110によって送信される。第1制御情報の第1開始時間点及び第2制御情報の第2開始時間点は、端末デバイス120がネットワークデバイス110からの制御情報を監視するための1つの時間間隔内にあるため、端末デバイス120が時間領域内に第1制御情報及び第2制御情報のどちらがより遅いものであることを特定することができない。
【0139】
しかしながら、端末デバイス120が目標制御情報の送信基準を知るため、端末デバイス120は、送信基準に基づいて、第1制御情報及び第2制御情報から目標制御情報を選択することができる(420)。いくつかの実施形態において、送信基準が、事前に定義されたTRPを介して目標制御情報を送信することであると、端末デバイス120は、事前に定義されたTRPを介して送信された制御情報を目標制御情報として選択してもよい。
【0140】
代替的又は追加的に、送信基準が、事前に定義されたCORESETで目標制御情報を送信することであると、端末デバイス120は、事前に定義されたCORESETで送信された制御情報を目標制御情報として選択してもよい。代替的又は追加的に、送信基準が、より低いインデックスを有するCORESETで目標制御情報を送信することであると、端末デバイス120は、より低いインデックスを有するCORESETで送信された制御情報を目標制御情報として選択してもよい。
【0141】
代替的又は追加的に、送信基準が、端末デバイス120のより低いインデックスのSSで目標制御情報を送信することであると、端末デバイス120は、より低いインデックスのSSで検索された制御情報を目標制御情報として選択してもよい。代替的又は追加的に、送信基準がより大きい監視インデックスを有するPDCCHで目標制御情報を送信することであると、端末デバイス120は、より大きい監視インデックスを有するPDCCHで送信された制御情報を目標制御情報として選択してもよい。
【0142】
代替的又は追加的に、送信基準が、より遅い終了時間点を有するPDCCHで目標制御情報を送信することであると、端末デバイス120は、より遅い終了時間点を有するPDCCHで送信された制御情報を、目標制御情報として選択してもよい。代替的又は追加的に、送信基準が、より大きいDAIを有するPDCCHで目標制御情報を送信することであると、端末デバイス120は、より大きいDAIを有するPDCCHで送信された制御情報を、目標制御情報として選択してもよい。
【0143】
第1制御情報及び第2制御情報のうち、目標制御情報を特定した後、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110へ、目標制御情報内に示されるフィードバックチャネルで第1データに対する第1フィードバック及び第2データに対する第2フィードバックを送信する(425)。このようにして、複数のフィードバック(例えば、ACK/NACK)を送信するためのフィードバックチャネル(例えば、PUCCH)を示す制御情報(例えば、DCI)がさらなる制御情報(例えば、もう1つのDCI)と同じ時間で送信されたとしても、端末デバイス120は、当該制御情報を特定することができる。
【0144】
上記のように、3GPP仕様に定義されたように、DCIで伝送されるDAIは、端末デバイスがDCIのセットが正常に受信されたか否かを特定することに寄与するDCIのインデックスであり得る。例えば、ネットワークデバイス110は、端末デバイス120へ、1つのサービングセルにおいて時間領域内に連続して4つのDCIを送信するとする。ネットワークデバイス110は、第1DCIがDAI値1を有し、第2DCIがDAI値2を有し、第3DCIがDAI値3を有し、第4DCIがDAI値4を有するように構成してもよい。ある場合に、DAI値の最大値は4であり、DAI値4を有するDCIの次のDCIは、再びDAI値1に割り当てられる。
【0145】
受信側で、一実施例として、端末デバイス120が時間領域内にDAI値1を有するDCI、DAI値2を有するDCI、及びDAI値4を有するDCIだけを連続して受信すると、端末デバイス120は、DAI値3を有するDCIが失われたと判定できる。別の実施例として、端末デバイス120が時間領域内にDAI値3を有するDCI、DAI値4を有するDCI、及びDAI値2を有するDCIだけを連続して受信すると、端末デバイス120は、DAI値1を有するDCIが失われたと判定できる。
【0146】
しかしながら、ネットワークデバイス110が2つのTRP131、132に接続される場合に、2つのDCIは、同じセル内に、かつ、端末デバイス120がネットワークデバイス110からのDCIを監視するための同じ時間間隔で、それぞれ、第1TRP131及び第2TRP132を介して送信される可能性がある。言い換えると、端末デバイス120は、2つのDCIが同じ時間で受信されるとみなす。ここで、一般性を失うことなく、仮に2つのDCIは、それぞれ、DAI値2及びDAI値3を有する。
【0147】
従来のソリューションにおいて、端末デバイスが最初にDAI値2を有するDCIを復号し、次にDAI値3を有するDCIを復号する場合に、端末デバイスは、DCIのDAIが正しい順番{2、3}を有し、DCIが失われていないとみなすことができる。そのほか、端末デバイスが最初にDAI値3を有するDCIを復号し、次にDAI値2を有するDCIを復号する場合に、端末デバイスは、DCIのDAIが順番{3、2}を有し、2つのDCIが失われ、つまり、DAI値4を有するDCI及びDAI値1を有するDCIが失われたとみなすことができる。本開示のいくつかの態様は、従来のソリューションにおけるこれらおよび他の可能な問題を解決する。以下、
図6~8を参照しながら、これらの態様の実施形態を詳細に説明する。
【0148】
上記した問題を解決するための第1オプションとして、ネットワークデバイス110は、同じサービングセル内に各々のDAIを有するDCIを送信するためのTRP順番がつけられないままとすることができ、DAI値は受信側で端末デバイス120によってソートされることができる。このようにして、複数のDCIは同じセル内、かつ、端末デバイス120がDCIを監視するための同じ時間間隔で送信されたとしても、端末デバイス120も複数のDCIの正しい順番を取得することができる。
図6を参照しながら、この第1オプションを説明する。
【0149】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による例示的な方法600のフローチャートを示す。いくつかの実施形態において、方法600は、
図1に示す端末デバイス120などの端末デバイスによって実行されることができる。追加的に又は代替的に、方法600は
図1に示されていない他の端末デバイスによって実行されることもできる。検討の目的で、
図1を参照しながら、方法600は、一般性を失うことなく、端末デバイス120によって実行されるように説明される。
【0150】
ブロック610で、端末デバイス120はネットワークデバイス110から第1制御情報を受信する。この第1制御情報は、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へ送信される第1データに関連つけられ、かつ、第1インデックスを有する。例えば、
図5に示す例示的なシナリオにおいて、端末デバイス120はネットワークデバイス110から第1DCI1 510を受信してもよく、DCI1 510は第1DAI値を有してもよい。
【0151】
図6に戻して、ブロック620で、端末デバイス120はネットワークデバイス110から第2制御情報を受信する。この第2制御情報はネットワークデバイス110から端末デバイス120へ送信される第2データに関連つけられ、かつ、第2インデックスを有する。例えば、
図5に示す例示的なシナリオにおいて、端末デバイス120はネットワークデバイス110から第2DCI2 520を受信してもよく、DCI2 520は第2DAI値を有してもよい。
【0152】
上記のように、第1制御情報及び第2制御情報は、それぞれ、第1TRP131及び第2TRP132を介して、ネットワークデバイス110によって送信される。第1制御情報の第1開始時間点及び第2制御情報の第2開始時間点は、端末デバイス120がネットワークデバイス110からの制御情報を監視するための1つの時間間隔内にあるため、端末デバイス120は、時間領域内の第1制御情報及び第2制御情報の順番を特定することができない。例えば、
図5に示す例示的なシナリオにおいて、DCI1 510及びDCI2 520は同じ時間で送信されてもよい。
【0153】
図6に戻して、ブロック630で、端末デバイス120は、第1インデックス及び第2インデックスに基づいて、第1制御情報及び第2制御情報の受信順番を特定する。言い換えると、端末デバイス120は、第1制御情報及び第2制御情報の復号順番ではなく、第1及び第2インデックスに従って、どの制御情報が最初に受信されたかと特定する。例えば、
図5に示す例示的なシナリオにおいて、DCI1 510がDAI値2を有し、かつ、DCI2 520がDAI値3を有すると、端末デバイス120は、DAI値3の前にDAI値2が存在するため、たとえDCI1 510がDCI2 520の後で復号化されたとしても、DCI1 510がDCI2 520よりも前に受信されたと特定することができる。そして、端末デバイス120は、同じサービングセルでかつ同じ時間間隔内に受信されたDCIのソートされたDAI値に基づいて、ACK/NACKコードブックを特定することができる。
【0154】
上記した問題を解決するための第2オプションとして、ネットワークデバイス110はサービングセル内に各々のDAIを有するDCIを送信するための特定のTRP順番を有し、DAI値は、TRPのインデックスに基づいて、受信側で端末デバイス120によってソートされることができる。このようにして、複数のDCIは、同じセルで、かつ同じ時間間隔で、TRPインデックスに基づく順番でネットワークデバイス110によって送信され、そのため、端末デバイス120は、同様にTRPインデックスに基づいて複数のDCIの正しい順番を取得することができる。
図7、
図8を参照しながら、第2オプションを説明する。
【0155】
図7は、本開示のいくつかの実施形態によるネットワークデバイス110と端末デバイス120との間の他の例示的な通信プロセス700を示す。以下、
図1に示すネットワークデバイス110が2つのTRP131、132に接続される通信環境100を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。しかしながら、本開示の実施形態はネットワークデバイス110が3つ以上のTRPに接続される場合にも同等に適用できる。
【0156】
上記のように、2つのTRP131、132に接続されるネットワークデバイス110はネットワークデバイス110から端末デバイス120への送信に関連つけられる制御情報を生成する(705)。いくつかの実施形態において、制御情報は、3GPP仕様に定義されたようなDCIであってもよい。そして、ネットワークデバイス110は、TRPの第2インデックスに基づいて、制御情報の第1インデックスを特定し(710)、制御情報は当該TRPを介して送信されようとする。TRPの第2インデックスは2つのTRP131、132のうち、TRPを識別するためである。いくつかの実施形態において、第1インデックスは、3GPP仕様に定義されたようなDCIであってもよい。
図8を参照しながら、第1インデックスの特定を詳細に説明する。
【0157】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、異なるDCIのDAIがTRPのインデックスに基づいて特定される例示的な模式図を示す。
図8に示す例示的なシナリオにおいて、3GPP仕様に定義されたようなDCIは制御情報の例として挙げられ、3GPP仕様に定義されたようなDAI値は制御情報の第1インデックスの例として挙げられる。上記のように、ネットワークデバイス110が、CC0およびCC1として示される2つのサービングセルを有すると想定する。
図8において、第1TRP131はTRP1として示され、第2TRP132はTRP2として示される。ここで、さらに、ネットワークデバイス110は、DCI810、DCI820、DCI830、及びDCI840である4つのDCIを生成すると想定する。
【0158】
DCI用のDAI値を特定する際に、ネットワークデバイス110は、最初にDCIを送信するために使用されるサービングセルのインデックスを考慮し、次にDCIが送信されることに使用されるTRPのインデックスを考慮することができる。例えば、DCI810がCC0でTRP1を介して送信されると、DCI810用のDAIは値1を有すると特定されることができる。DCI820がCC1でTRP1を介して送信されると、DCI820用のDAIは値2を有すると特定されることができる。DCI830がCC0でTRP2を介して送信されると、DCI830用のDAIは値3を有すると特定されることができる。DCI840がCC1でTRP2を介して送信されると、DCI840のDAIは値4を有すると特定されることができる。言い換えると、DCIのDAI値はDCIが送信されることに使用されるTRPのインデックスに基づいて特定される。
【0159】
このようにして、ネットワークデバイス110が1つのサービングセル内に同じ時間で2つのTRP131、132のそれぞれを介して2つのDCIを送信しても、受信側での端末デバイス120は、ネットワークデバイス110から送信された2つのDCIの順番を正しく特定することができる。
図8に示す例示的なシナリオにおいて、DAI値は、サービングセルのインデックス及びTRPのインデックスの両方に基づいて特定されるが、本開示の範囲を限定する示唆のない一例にすぎない。本開示の実施形態は、DAI値がTRPのインデックスのみによって特定されるシナリオ、又は、DAI値が、サービングセルインデックス及びTRPインデックスに加えて、PDCCH監視機会のインデックスなどの他のインデックスに基づいて特定されるシナリオにも同等に適用可能であると理解されたい。
【0160】
また、
図8に示す例示的なシナリオにおいて、DAI値を特定する際に、TRPインデックスよりもサービングセルインデックスを先に考慮するが、本開示の範囲を限定する示唆がない一例にすぎない。本開示の実施形態は、サービングセルインデックス、TRPインデックス、PDCCH監視機会のインデックスなどの様々なインデックスが、DAI値を特定する際に任意の順番で考慮されるシナリオに同等に適用可能であると理解されたい。
【0161】
図7に戻して、ネットワークデバイス110は、第2インデックスを有するTRPを介して、第1インデックスを含む制御情報を端末デバイス120へ送信する(715)。例えば、
図8に示されるように、ネットワークデバイス110は、第1サービングセルCC0における第1TRP131を介してDAI1を含むDCI810を端末デバイス120へ送信し、第2サービングセルCC1における第1TRP131を介してDAI2を含むDCI820を端末デバイス120へ送信し、第1サービングセルCC0における第2TRP132を介してDAI3を含むDCI830を端末デバイス120へ送信し、第2サービングセルCC1における第2TRP132を介してDAI4を含むDCI840を端末デバイス120へ送信する。
【0162】
図7に戻して、受信側で、端末デバイス120はネットワークデバイス110から制御情報を受信する(715)。例えば、
図8に示す例示的なシナリオにおいて、端末デバイス120はDCI810、DCI820、DCI830、及びDCI840を受信してもよい。
図7に戻して、端末デバイス120は、制御情報からの制御情報用の第1インデックスを特定する(720)。例えば、
図8に示す例示的なシナリオにおいて、端末デバイス120はDCI810からのDAI1、DCI820からのDAI2、DCI830からのDAI3、及びDCI840からのDAI4を特定してもよい。
【0163】
図7に戻して、端末デバイス120は、制御情報が送信されることに使用されるTRPの第2インデックスを特定する(725)。例えば、
図8に示す例示的なシナリオにおいて、端末デバイス120は、DCI810が送信されることに使用されるTRP131のインデックス1、DCI820が送信されることに使用されるTRP131のインデックス1、DCI830が送信されることに使用されるTRP132のインデックス2、DCI840が送信されることに使用されるTRP132のインデックス2を特定してもよい。
【0164】
図7に戻して、端末デバイス120は、第1インデックス及び第2インデックスに基づいて当該制御情報以前の制御情報の受信状態を特定する(730)。例えば、
図8に示す例示的なシナリオにおいて、端末デバイス120は、サービングセルのインデックス及びTRPのインデックスに従って、受信したDCIの順番を{DCI810、DCI820、DCI830、DCI840}として特定する。また、端末デバイス120は、DCIのDAI値{1、2、3、4}の順番が受信したDCIの順番と一致すると特定してもよい。よって、DCIの1つを受信すると、端末デバイス120は、以前のDCIの受信状態が失われていないと判定できる。言い換えると、DCIが失われることはない。そのほか、DAI値の順番が受信したDCIの順番に一致しないと、端末デバイス120は以前のDCIの受信状態が失われたと判定する。つまり、1つ以上のDCIが失われた。
【0165】
図9は本開示のいくつかの実施形態による他の例示的な方法のフローチャート900を示す。いくつかの実施形態において、方法900は、
図1に示す端末デバイス120などの端末デバイスによって実行されることができる。追加的に又は代替的に、方法900は、
図1に示されていない他の端末デバイスによって実行されることもできる。検討の目的で、
図1を参照しながら、方法900は、一般性を失うことなく、端末デバイス120によって実行されるように説明される。
【0166】
ブロック910で、端末デバイス120は、複数のTRPに接続されるネットワークデバイス110から、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へのデータ送信に関連つけられる制御情報を受信する。ブロック920で、端末デバイス120は、制御情報から、複数のTRPを介してデータを端末デバイス120へ送信するためにネットワークデバイス110によって使用される繰り返し方式を特定する。ブロック930で、端末デバイス120は、繰り返し方式に基づいて、ネットワークデバイス110からデータを受信する。
【0167】
いくつかの実施形態において、繰り返し方式を特定することは、複数のDMRSグループが制御情報において示されることに応答して、繰り返し方式をSDM方式として特定することを含んでもよい。
【0168】
いくつかの実施形態において、繰り返し方式を特定することは、1つのDMRSグループ及び1つのRVが制御情報において示されることに応答して、繰り返し方式を、データの同じコードワードが複数のTRPを介して送信される第1FDM方式として特定することを含んでもよい。
【0169】
いくつかの実施形態において、繰り返し方式を特定することは、1つのDMRSグループ、複数のRV、及び1つのTDRAが制御情報において示されることに応答して、繰り返し方式を、データの複数のコードワードがそれぞれ複数のTRPを介して送信される第2FDM方式として特定することを含んでもよい。
【0170】
いくつかの実施形態において、繰り返し方式を特定することは、1つのDMRSグループ、複数のRV、及び複数のTDRAが制御情報において示されることに応答して、繰り返し方式を、TDM方式として特定することを含んでもよい。
【0171】
いくつかの実施形態において、繰り返し方式を特定することは、さらに、複数のTDRAが1つのタイムスロットにおける複数の時間領域リソースを示すことに応答して、TDM方式を、データが複数のTRPを介して1つのタイムスロット内で送信される第1TDM方式として特定することと、複数のTDRAがそれぞれ異なるタイムスロットにおける複数の時間領域リソースを示すことに応答して、TDM方式を、データが複数のTRPを介してそれぞれ異なるタイムスロットにおいて送信される第2TDM方式として特定することと、を含んでもよい。
【0172】
いくつかの実施形態において、制御情報はTDRAビットマップ及びRVビットマップの少なくとも1つを含んでもよく、TDRAビットマップの第1値は複数のTRPの1つのTDRA値を示し、かつ、TDRAビットマップの第2値は複数のTRPのそれぞれのTDRA値を示し、RVビットマップの第1値は複数のTRPの1つのRV値を示し、かつ、RVビットマップの第2値は複数のTRPのそれぞれのRV値を示す。
【0173】
いくつかの実施形態において、TDRAビットマップ又はRVビットマップのマッピングはPHY層の上位層によって示されてもよい。
【0174】
いくつかの実施形態において、当該方法900は、さらに、複数のDMRSグループが制御情報において示されることに応答して、TDRAビットマップの各値が1つのTDRA値を示し、又はRVビットマップの各値が1つのRV値を示すと判定することと、1つのDMRSグループが制御情報において示されることに応答して、TDRAビットマップの値が複数のTDRA値を示し、RVビットマップの値が複数のRV値を示すと判定することと、を含んでもよい。
【0175】
いくつかの実施形態において、当該方法900は、さらに、ネットワークデバイス110から、第1FDM方式又は第2FDM方式を示すインジケータを受信することを含んでもよく、第1FDM方式において、データの同じコードワードが複数のTRPを介して送信され、かつ、第2FDM方式において、データの複数のコードワードが、それぞれ、複数のTRPを介して送信される。繰り返し方式を特定することは、1つのDMRSグループ及び1つのTDRAが制御情報において示されることに応答して、インジケータが第1FDM方式を示すことに応答して、繰り返し方式を第1FDM方式として特定し、インジケータが第2FDM方式を示すことに応答して、繰り返し方式を第2FDM方式として特定することを含んでもよい。
【0176】
いくつかの実施形態において、繰り返し方式を特定することは、さらに、1つのDMRSグループ及び複数のTDRAが制御情報において示されることに応答して、繰り返し方式をTDM方式として特定することを含んでもよい。
【0177】
いくつかの実施形態において、当該方法900は、さらに、ネットワークデバイス110から、複数のTRPの第1TRP用の第1時間領域リソースと複数のTRPの第2TRP用の第2時間領域リソースとの間のオフセットを示すオフセットインジケータを受信することを含んでもよい。繰り返し方式を特定することは、1つのDMRSグループ及び1つのTDRAが制御情報において示されることに応答して、オフセットが1つのタイムスロットよりも小さいに応答して、繰り返し方式を、データが第1TRP及び第2TRPを介して1つのタイムスロット内で送信される第1TDM方式として特定し、かつ、オフセットが1つのタイムスロットより大きいに応答し、繰り返し方式を、データが第1TRP及び第2TRPを介してそれぞれ異なるタイムスロット内で送信される第2TDM方式として特定することを含んでもよい。
【0178】
いくつかの実施形態において、当該方法900は、さらに、1つのTDRAに基づいて、第1時間領域リソースを特定することと、第1時間領域リソース及びオフセットに基づいて、第2時間領域リソースを特定することと、を含んでもよい。
【0179】
いくつかの実施形態において、制御情報は、複数の繰り返し方式中の当該繰り返し方式を示すための繰り返し方式のビットマップを含んでもよい。
【0180】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による他の例示的な方法のフローチャート1000を示す。いくつかの実施形態において、方法1000は
図1に示すネットワークデバイス110などのネットワークデバイスによって実行されることができる。追加的に又は代替的に、方法1000は、
図1に示されていない他のネットワークデバイスによって実行されることもできる。検討の目的で、
図1を参照しながら、方法1000は、一般性を失うことなく、ネットワークデバイス110によって実行されるように説明される。
【0181】
ブロック1010で、複数のTRPに接続されるネットワークデバイス110は複数のTRPを介して端末デバイス120へデータを送信するためにネットワークデバイス110によって使用される繰り返し方式を特定する。ブロック1020で、ネットワークデバイス110は、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へのデータ送信に関連つけられる、繰り返し方式を示す制御情報を生成する。ブロック1030で、ネットワークデバイス110は、制御情報を端末デバイス120へ送信する。ブロック1040で、ネットワークデバイス110は、繰り返し方式に基づいて、複数のTRPを介してデータを端末デバイス120へ送信する。
【0182】
いくつかの実施形態において、制御情報を生成することは、繰り返し方式をSDM方式として特定することに応答して、複数のDMRSグループを示す制御情報を生成することを含んでもよい。
【0183】
いくつかの実施形態において、制御情報を生成することは、繰り返し方式を、データの同じコードワードが複数のTRPを介して送信される第1FDM方式として特定することに応答して、1つのDMRSグループ及び1つのRVを示す制御情報を生成することを含んでもよい。
【0184】
いくつかの実施形態において、制御情報を生成することは、繰り返し方式を、データのそれぞれのコードワードが複数のTRPを介して送信される第2FDM方式として特定することに応答して、1つのDMRSグループ、複数のRV、及び1つのTDRAを示す制御情報を生成することを含んでもよい。
【0185】
いくつかの実施形態において、制御情報を生成することは、繰り返し方式をTDM方式として特定することに応答して、1つのDMRSグループ、複数のRV、及び複数のTDRAを示す制御情報を生成することを含んでもよい。
【0186】
いくつかの実施形態において、TDM方式はデータが複数のTRPを介して1つのタイムスロット内で送信される第1TDM方式である場合に、複数のTDRAは1つのタイムスロットにおける複数の時間領域リソースを示し、TDM方式はデータが複数のTRPを介してそれぞれ異なるタイムスロットにおいて送信される第2TDM方式である場合に、複数のTDRAはそれぞれ異なるタイムスロットにおける複数の時間領域リソースを示す。
【0187】
いくつかの実施形態において、制御情報を生成することは、さらに、制御情報にTDRAビットマップ及びRVビットマップの少なくとも1つを含めることを含み、TDRAビットマップの第1値は複数のTRPの1つのTDRA値を示し、TDRAビットマップの第2値は複数のTRPのそれぞれのTDRA値を示し、RVビットマップの第1値は複数のTRPの1つのRV値を示し、RVビットマップの第2値は複数のTRPのそれぞれのRV値を示す。
【0188】
いくつかの実施形態において、TDRAビットマップ又はRVビットマップのマッピングはPHY層の上位層によって示されてもよい。
【0189】
いくつかの実施形態において、複数のDMRSグループが制御情報において示される場合に、TDRAビットマップの各値が1つのTDRA値を示し、又はRVビットマップの各値が1つのRV値を示してもよく、1つのDMRSグループが制御情報において示される場合に、TDRAビットマップの値が複数のTDRA値を示し、又はRVビットマップの値が複数のRV値を示してもよい。
【0190】
いくつかの実施形態において、当該方法1000は、さらに、端末デバイス120へ、第1FDM方式又は第2FDM方式を示すインジケータを送信することを含んでもよく、第1FDM方式においてデータの同じコードワードが複数のTRPを介して送信され、かつ、第2FDM方式において、データのそれぞれのコードワードが複数のTRPを介して送信される。制御情報を生成することは、繰り返し方式を第1FDM方式又は第2FDM方式として特定することに応答して、1つのDMRSグループ及び1つのTDRAを示す制御情報を生成することを含んでもよい。
【0191】
いくつかの実施形態において、制御情報を生成することは、繰り返し方式をTDM方式として特定することに応答して、1つのDMRSグループ及び複数のTDRAを示す制御情報を生成することを含んでもよい。
【0192】
いくつかの実施形態において、当該方法1000は、さらに、端末デバイス120へ、複数のTRPの第1TRP用の第1時間領域リソースと複数のTRPの第2TRP用の第2時間領域リソースとの間のオフセットを示すオフセットインジケータを送信することを含んでもよい。制御情報を生成することは、繰り返し方式を、データが第1TRP及び第2TRPを介して1つのタイムスロット内で送信される第1TDM方式、又は、データが第1TRP及び第2TRPを介してそれぞれ異なるタイムスロット内で送信される第2TDM方式として特定することに応答して、1つのDMRSグループ及び1つのTDRAを示す制御情報を生成することを含んでもよい。
【0193】
いくつかの実施形態において、第1時間領域リソースは1つのTDRAによって示されてもよく、第2時間領域リソースは第1時間リソース及びオフセットによって示されてもよい。
【0194】
いくつかの実施形態において、制御情報を生成することは、制御情報に、複数の繰り返し方式中の当該繰り返し方式を示すための繰り返し方式のビットマップを含めることを含んでもよい。
【0195】
図11は本開示のいくつかの実施形態による他の例示的な方法のフローチャート1100を示す。いくつかの実施形態において、方法1100は
図1に示す端末デバイス120などの端末デバイスによって実行されることができる。追加的に又は代替的に、方法1100は、
図1に示されていない他の端末デバイスによって実行されることもできる。検討の目的で、
図1を参照しながら、方法1100は、一般性を失うことなく、端末デバイス120によって実行されるように説明される。
【0196】
ブロック1110で、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へ送信される第1データに関連つけられる第1制御情報をネットワークデバイス110から受信する。ブロック1120で、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へ送信される第2データに関連つけられる第2制御情報をネットワークデバイス110から受信し、第1制御情報及び第2制御情報は、それぞれ、第1TRP及び第2TRPを介してネットワークデバイス110によって送信され、第1制御情報の第1開始時間点及び第2制御情報の第2開始時間点は、端末デバイス120がネットワークデバイス110からの制御情報を監視するための1つの時間間隔内にある。
【0197】
ブロック1130で、端末デバイス120は、ネットワークデバイスが使用する目標制御情報の送信基準に基づいて、第1制御情報及び第2制御情報から目標制御情報を選択する。ブロック1140で、端末デバイス120は、目標制御情報において示されるフィードバックチャネル上で第1データに対する第1フィードバック及び第2データに対する第2フィードバックを、ネットワークデバイス110へ送信する。
【0198】
いくつかの実施形態において、目標制御情報を選択することは、事前に定義されたTRPを介して送信された制御情報を選択すること、事前に定義されたCORESETにおいて送信された制御情報を選択すること、より低いインデックスを有するCORESETを使用して送信された制御情報を選択すること、より低いインデックスを有するサーチスペースにおいて検索された制御情報を選択すること、より大きい監視インデックスを有するPDCCHで送信された制御情報を選択すること、より遅い終了時間点を有するPDCCHで送信された制御情報を選択すること、より大きいDAIを有するPDCCHで送信された制御情報を選択すること、の少なくとも1つを含む。
【0199】
図12は、本開示のいくつかの実施形態による他の例示的な方法のフローチャート1200を示す。いくつかの実施形態において、方法1200は
図1に示すネットワークデバイス110などのネットワークデバイスによって実行されることができる。追加的に又は代替的に、方法1200は、
図1に示されていない他のネットワークデバイスによって実行されることもできる。検討の目的で、
図1を参照しながら、方法1200は、一般性を失うことなく、ネットワークデバイス110によって実行されるように説明される。
【0200】
ブロック1210で、ネットワークデバイス110は、ネットワークデバイス110から端末デバイス120へ送信される第1データに関連つけられる第1制御情報、及びネットワークデバイス110から端末デバイス120へ送信される第2データに関連つけられる第2制御情報を生成し、第1制御情報及び第2制御情報は、それぞれ、第1TRP及び第2TRPを介してネットワークデバイス110によって送信され、第1制御情報の第1開始時間点及び第2制御情報の第2開始時間点は、端末デバイス120がネットワークデバイス110からの制御情報を監視するための1つの時間間隔内にある。
【0201】
ブロック1220で、ネットワークデバイス110は、送信基準に基づいて、第1TRP及び第2TRPの一方を介して、第1制御情報及び第2制御情報のうち、端末デバイス120が第1データに対する第1フィードバック及び第2データに対する第2フィードバックを送信するためのフィードバックチャネルを示す目標制御情報を端末デバイス120へ送信する。ブロック1230で、ネットワークデバイス110は、第1TRP及び第2TRPの他方を介して、第1制御情報及び第2制御情報の他方の制御情報を端末デバイス120へ送信する。
【0202】
いくつかの実施形態において、送信基準は、事前に定義されたTRPを介してを目標制御情報を送信すること、事前に定義されたCORESETにおいて目標制御情報を送信すること、より低いインデックスを有するCORESETで目標制御情報を送信すること、より低いインデックスを有するサーチスペースにおいて目標制御情報を送信すること、より大きい監視インデックスを有するPDCCHで目標制御情報を送信すること、より遅い終了時間点を有するPDCCHで目標制御情報を送信すること、より大きいDAIを有するPDCCHで目標制御情報を送信すること、の少なくとも1つを含む。
【0203】
図13は、本開示のいくつかの実施形態による他の例示的な方法のフローチャート1300を示す。いくつかの実施形態において、方法1300は
図1に示すネットワークデバイス110などのネットワークデバイスによって実行されることができる。追加的に又は代替的に、方法1300は、
図1に示されていない他のネットワークデバイスによって実行されることもできる。検討の目的で、
図1を参照しながら、方法1300は、一般性を失うことなく、ネットワークデバイス110によって実行されるように説明される。
【0204】
ブロック1310で、複数のTRPに接続されるネットワークデバイス110は、ネットワークデバイス110から端末デバイス120への送信に関連つけられる制御情報を生成する。ブロック1320で、ネットワークデバイス110は、複数のTRPのうち、制御情報が送信されることに使用されるTRPの第2インデックスに基づいて、制御情報の第1インデックスを特定する。ブロック1330で、ネットワークデバイス110は、TRPを介して、第1インデックスを含む制御情報を端末デバイス120へ送信する。
【0205】
図14は本開示のいくつかの実施形態による他の例示的な方法のフローチャート1400を示す。いくつかの実施形態において、方法1400は、
図1に示す端末デバイス120などの端末デバイスによって実行されることができる。追加的に又は代替的に、方法1400は、
図1に示されていない他の端末デバイスによって実行されることもできる。検討の目的で、
図1を参照しながら、方法1400は、一般性を失うことなく、端末デバイス120によって実行されるように説明される。
【0206】
ブロック1410で、端末デバイス120は、複数のTRPに接続されるネットワークデバイス110から、ネットワークデバイス110から端末デバイス120への送信に関連つけられる制御情報を受信する。ブロック1420で、端末デバイス120は、制御情報から制御情報の第1インデックスを特定する。ブロック1430で、端末デバイス120は、複数のTRPのうち、制御情報がネットワークデバイス110によって送信されることに使用されるTRPの第2インデックスを特定する。ブロック1440で、端末デバイス120は、第1インデックス及び第2インデックスに基づいて、当該制御情報の以前の制御情報の受信状態を特定する。
【0207】
図15は、本開示のいくつかの実施形態の実施に適したデバイス1500の簡略化のブロック図である。デバイス1500は、
図1に示すネットワークデバイス110及び端末デバイス120のさらなる例示的な実施形態と見なされることができる。従って、デバイス1500は、ネットワークデバイス110及び端末デバイス120として、又は少なくともこれらのデバイスの一部として実施されることができる。
【0208】
図示するように、デバイス1500は、プロセッサ1510と、プロセッサ1510に接続されたメモリ1520と、プロセッサ1510に接続された適切な伝送機(TX)及び受信機(RX)1540と、TX/RX1540に接続された通信インターフェースとを含む。メモリ1520は、プログラム1530の少なくとも一部を格納する。TX/RX1540は、双方向通信するためのものである。TX/RX1540は、通信を容易にするために少なくとも1つのアンテナを有するが、実際には、本明細書で言及されるアクセスノードは、いくつかのアンテナを有してもよい。通信インターフェースは、gNB又はeNB間の双方向通信用のX2インターフェース、Mobility ManagementEntity(MME)/Serving Gateway(S-GW)とgNB又はeNBとの間の通信用のS1インターフェース、gNB又はeNBとリレーノード(RN:Relay Node)との間の通信用のUnインターフェース、又はgNB又はeNBと端末デバイスとの間の通信用のUuインターフェースなど、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェイスを表す。
【0209】
プログラム1530は、関連するプロセッサ1510によって実行されると、
図6、
図9~
図14のいずれかを参照して本明細書で検討されるように、デバイス1500に本開示の実施形態に従って動作させることを可能にするプログラム命令を含むと想定される。本開示の実施形態は、デバイス1500のプロセッサ1510により実行可能なコンピュータソフトウェアにより、又はハードウェアにより、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせにより実施され得る。プロセッサ1510は、本開示の様々な実施形態を実施するように設定され得る。さらに、プロセッサ1510とメモリ1520との組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実施することに適した処理手段1550を形成してもよい。
【0210】
メモリ1520は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよく、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、半導体系のメモリデバイス、磁気メモリデバイス及びシステム、光メモリデバイス及びシステム、固定メモリ及びリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータストレージ技術を使用して実施されてもよい。デバイス1500には1つのメモリ1520のみが示されているが、デバイス1500には別個であるいくつかのメモリモジュールがあってもよい。プロセッサ1510は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、及び、マルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ以上を含んでもよい。デバイス1500は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
【0211】
本開示の装置及び/又はデバイスに含まれる構成要素は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせを含む様々な方式で実行されることができる。一実施形態では、1つ又は複数のユニットは、例えば、記憶媒体に格納された機械実行可能指令のようなソフトウェア及び/又はファームウェアを使用して実行されることができる。機械実行可能指令に加えて、又はその代わりに、装置及び/又はデバイスにおける一部又はすべてのユニットは、少なくとも一部的に、1つ又は複数のハードウェアロジック構成要素によって実行されることができる。例えば、使用できるハードウェアロジック構成要素の例示的な種類は、FPGA(Field-programmable Gate Arrays)、ASIC(Application-specific Integrated Circuits)、ASSP(Application-specific Standard Products)、SOC(System-on-a-chip)システム、CPLD(Complex Programmable Logic Device)などを含む。
【0212】
一般的に、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、ロジック、又はそれらの任意の組み合わせで実施され得る。いくつかの態様はハードウェアで実施され、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ又は他のコンピューティングデバイスによって実行されるファームウェア又はソフトウェアで実施されてもよい。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート、又は他の何らかの画像表現を使用して例示及び説明されているが、本明細書で説明されるこれらのブロック、装置、システム、技術又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又はロジック、汎用ハードウェア又はコントローラ又は他のコンピューティングデバイス、又はそれらの組み合わせに実施されてもよい。
【0213】
本開示は、さらに、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に有形に格納された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、
図6、
図9~
図14のいずれかを参照して上記で説明したプロセス又は方法を実行するために、プログラムモジュールに含まれるものなどの、対象の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上のデバイスで実行される、コンピュータ実行可能な命令を含む。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、構成要素、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で必要に応じてプログラムモジュール間で組み合わせるか、又は分割することができる。プログラムモジュールのためのマシン実行可能な命令は、ローカルデバイス又は分散型デバイスで実行できる。分散型デバイスでは、プログラムモジュールはローカルとリモートのストレージメディアの両方に配置できる。
【0214】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせでコーディングされることができる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又はその他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供されることによって、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に規定される機能/動作が実現される。プログラムコードは、完全にマシン上で実行されたり、その一部がマシン上で実行されたり、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行されたり、一部がマシン上で実行され、かつ一部がリモートマシン上で実行されたり、又は完全にリモートマシン又はサーバー上で実行されたりすることができる。
【0215】
上記のプログラムコードは、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれらと関連して使用するためのプログラムを含むか、又は格納する任意の有形媒体であり得るマシン読み取り可能な媒体上で具現化され得る。マシン読み取り可能な媒体は、マシン読み取り可能な信号媒体又はマシン読み取り可能な記憶媒体であり得る。マシン読み取り可能な媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体システム、装置、又はデバイス、あるいは前述の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。マシン読み取り可能記憶媒体のより具体的な例には、1つ又は複数のワイヤによる電気的な接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-only Memory)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光学式ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、又は前述の任意の適切な組み合わせが含まれる。
【0216】
さらに、操作は特定の順序で図面に描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような操作が図示の特定の順序又は連続順序で実行されること、又はすべての描かれた操作が実行されることを要求するものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスクと並列処理が有利な場合がある。同様に、上記説明にはいくつかの特定の実装の詳細が含まれているが、これらは本開示の範囲の制限としてではなく、特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈で記載されている特定の特徴は、単一の実施形態に組み合わせて実施されることもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実施形態で別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実施されることもできる。
【0217】
本開示について、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の用語で説明したが、添付の請求の範囲で限定される本開示は、必ずしも上記の特定の特徴又は動作に限定されないことを理解されたい。むしろ、上記の特定の特徴及び動作は、請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。