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特許7400876表示制御システム、表示制御方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】表示制御システム、表示制御方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/32 20130101AFI20231212BHJP
   G06F 21/84 20130101ALI20231212BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20231212BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20231212BHJP
【FI】
G06F21/32
G06F21/84
G09G5/00 550C
G09G5/00 550B
G09G5/00 550X
G09G5/00 530T
G09G5/00 510C
G06F3/04842
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022081506
(22)【出願日】2022-05-18
(62)【分割の表示】P 2020156527の分割
【原出願日】2020-09-17
(65)【公開番号】P2022122890
(43)【公開日】2022-08-23
【審査請求日】2022-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】釣 大輔
【審査官】金沢 史明
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-070507(JP,A)
【文献】国際公開第2016/117061(WO,A1)
【文献】特開2011-232837(JP,A)
【文献】特開2009-015377(JP,A)
【文献】特開2008-181231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/32
G06F 21/84
G09G 5/00
G06F 3/04842
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理装置を使用するユーザの生体認証の結果を取得する第1取得手段と、
前記処理装置の出力結果を表示する表示部の固有情報を取得する第2取得手段と、
登録された装置であることを示す登録固有情報を記憶する固有情報記憶手段と、
前記固有情報記憶手段に前記第2取得手段が取得した固有情報と同一の登録固有情報が記憶されていない場合には、前記同一の登録固有情報が記憶されている場合と比較して、前記生体認証が成功しにくくなるように閾値を変更した上で前記生体認証を実行し、前記生体認証の結果に応じて、前記表示部の表示態様を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする表示制御システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記生体認証が失敗した場合に、前記出力結果の前記表示部への出力を遮断することを特徴とする請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記生体認証が失敗した場合に、前記出力結果とは異なる情報を前記表示部へ出力することを特徴とする請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記生体認証が失敗した場合に、前記表示部の画面表示をフリーズさせるように制御することを特徴とする請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項5】
前記生体認証の結果を記憶する記憶手段を更に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の表示制御システム。
【請求項6】
前記制御手段は、前記固有情報記憶手段に前記第2取得手段が取得した固有情報と同一の登録固有情報が記憶されている場合、前記表示部の表示態様を第1表示態様とし、前記固有情報記憶手段に前記第2取得手段が取得した固有情報と同一の登録固有情報が記憶されていない場合、前記表示部の表示態様を第2表示態様とする、
請求項1から5のいずれか一項に記載の表示制御システム。
【請求項7】
前記表示部と前記処理装置とが接続される時間の情報を含む接続履歴情報を記憶する接続履歴記憶手段を更に備える、
請求項1から6いずれか一項に記載の表示制御システム。
【請求項8】
前記ユーザの生体情報を取得して前記生体認証を実行し、前記第1取得手段に前記生体認証の結果を出力する認証処理手段を更に備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の表示制御システム。
【請求項9】
処理装置を使用するユーザの生体認証の結果を取得し、
前記処理装置の出力結果を表示する表示部の固有情報を取得し、
登録された装置であることを示す登録固有情報を記憶する固有情報記憶手段に、前記取得した固有情報と同一の登録固有情報が記憶されていない場合には、前記同一の登録固有情報が記憶されている場合と比較して、前記生体認証が成功しにくくなるように閾値を変更した上で前記生体認証を実行し、前記生体認証の結果に応じて、前記表示部の表示態様を制御する
ことを特徴とする表示制御方法。
【請求項10】
処理装置を使用するユーザの生体認証の結果を取得し、
前記処理装置の出力結果を表示する表示部の固有情報を取得し、
登録された装置であることを示す登録固有情報を記憶する固有情報記憶手段に、前記取得した固有情報と同一の登録固有情報が記憶されていない場合には、前記同一の登録固有情報が記憶されている場合と比較して、前記生体認証が成功しにくくなるように閾値を変更した上で前記生体認証を実行し、前記生体認証の結果に応じて、前記表示部の表示態様を制御する
ようにコンピュータを動作させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、表示部の表示態様を制御する表示制御システム、表示制御方法、及びコンピュータプログラムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムとして、装置を利用するユーザの認証処理を実行するものが知られている。例えば特許文献1では、作業者の顔画像を用いて認証処理を実行し、作業者が適合するものであるか否かを判定する技術が開示されている。特許文献2では、ユーザの顔認証に基づいてアプリケーションへのアクセスを許可する技術が開示されている。特許文献3では、顔認証によって情報端末の操作が許可されているか否かを判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-322769号公報
【文献】特開2015-026316号公報
【文献】国際公開2019/106848号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した各引用文献は、利用資格のある者を適切に認証するという点において改善の余地がある。
【0005】
この開示は、上記問題点に鑑みてなされた表示制御システム、表示制御方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示の表示制御システムの一の態様は、処理装置を使用するユーザの生体認証の結果を周期的に取得する第1取得手段と、前記処理装置の出力結果を表示する表示部の固有情報を取得する第2取得手段と、登録された装置であることを示す登録固有情報を記憶する固有情報記憶手段と、前記固有情報記憶手段に前記第2取得手段が取得した固有情報と同一の登録固有情報が記憶されていない場合には、前記同一の登録固有情報が記憶されている場合と比較して、前記生体認証が成功されにくくなるように設定した上で、前記生体認証の結果に応じて、前記表示部の表示態様を制御する制御手段とを備える。
【0007】
この開示の表示制御方法の一の態様は、処理装置を使用するユーザの生体認証の結果を周期的に取得し、前記処理装置の出力結果を表示する表示部の固有情報を取得し、登録された装置であることを示す登録固有情報を記憶する固有情報記憶手段に、前記取得した固有情報と同一の登録固有情報が記憶されていない場合には、前記同一の登録固有情報が記憶されている場合と比較して、前記生体認証が成功されにくくなるように設定した上で、前記生体認証の結果に応じて、前記表示部の表示態様を制御する。
【0008】
この開示のコンピュータプログラムの一の態様は、処理装置を使用するユーザの生体認証の結果を周期的に取得し、前記処理装置の出力結果を表示する表示部の固有情報を取得し、登録された装置であることを示す登録固有情報を記憶する固有情報記憶手段に、前記取得した固有情報と同一の登録固有情報が記憶されていない場合には、前記同一の登録固有情報が記憶されている場合と比較して、前記生体認証が成功されにくくなるように設定した上で、前記生体認証の結果に応じて、前記表示部の表示態様を制御するようにコンピュータを動作させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る表示制御システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係る表示制御システムの機能的構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る表示制御システムの動作の流れを示すフローチャートである。
図4】第2実施形態に係る表示制御システムによる第1表示例を示す概念図である。
図5】第2実施形態に係る表示制御システムによる第2表示例を示す概念図である。
図6】第2実施形態に係る表示制御システムによる第3表示例を示す概念図である。
図7】第3実施形態に係る表示制御システムの動作の流れを示すフローチャートである。
図8】第4実施形態に係る表示制御システムの機能的構成を示すブロック図である。
図9】第4実施形態に係る表示制御システムの動作の流れを示すフローチャートである。
図10】第5実施形態に係る表示制御システムの表示例を示す概念図である。
図11】第6実施形態に係る表示制御システムの機能的構成を示すブロック図である。
図12】第7実施形態に係る表示制御システムの機能的構成を示すブロック図である。
図13】第8実施形態に係る表示制御システムの機能的構成を示すブロック図である。
図14】第9実施形態に係る表示制御システムの機能的構成を示すブロック図である。
図15】第9実施形態に係る表示制御システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、表示制御システム、表示制御方法、及びコンピュータプログラムの実施形態について説明する。
【0011】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る表示制御システムについて、図1から図3を参照して説明する。
【0012】
(ハードウェア構成)
まず、図1を参照しながら、第1実施形態に係る表示制御システムのハードウェア構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る表示制御システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、第1実施形態に係る表示制御システム10は、プロセッサ11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、記憶装置14とを備えている。表示制御システム10は更に、入力装置15と、出力装置16とを備えていてもよい。プロセッサ11と、RAM12と、ROM13と、記憶装置14と、入力装置15と、出力装置16とは、データバス17を介して接続されている。
【0014】
プロセッサ11は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、プロセッサ11は、RAM12、ROM13及び記憶装置14のうちの少なくとも一つが記憶しているコンピュータプログラムを読み込むように構成されている。或いは、プロセッサ11は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。プロセッサ11は、ネットワークインタフェースを介して、表示制御システム10の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、読み込んでもよい)。プロセッサ11は、読み込んだコンピュータプログラムを実行することで、RAM12、記憶装置14、入力装置15及び出力装置16を制御する。本実施形態では特に、プロセッサ11が読み込んだコンピュータプログラムを実行すると、プロセッサ11内には、表示部の表示を制御するための機能ブロックが実現される。また、プロセッサ11として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、DSP(Demand-Side Platform)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のうち一つを用いてもよいし、複数を並列で用いてもよい。
【0015】
RAM12は、プロセッサ11が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶する。RAM12は、プロセッサ11がコンピュータプログラムを実行している際にプロセッサ11が一時的に使用するデータを一時的に記憶する。RAM12は、例えば、D-RAM(Dynamic RAM)であってもよい。
【0016】
ROM13は、プロセッサ11が実行するコンピュータプログラムを記憶する。ROM13は、その他に固定的なデータを記憶していてもよい。ROM13は、例えば、P-ROM(Programmable ROM)であってもよい。
【0017】
記憶装置14は、表示制御システム10が長期的に保存するデータを記憶する。記憶装置14は、プロセッサ11の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置14は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0018】
入力装置15は、表示制御システム10のユーザからの入力指示を受け取る装置である。入力装置15は、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0019】
出力装置16は、表示制御システム10に関する情報を外部に対して出力する装置である。例えば、出力装置16は、表示制御システム10に関する情報を表示可能な表示装置(例えば、ディスプレイ)であってもよい。
【0020】
(機能的構成)
次に、図2を参照しながら、第1実施形態に係る表示制御システム10の機能的構成について説明する。図2は、第1実施形態に係る表示制御システムの機能的構成を示すブロック図である。
【0021】
図2に示すように、第1実施形態に係る表示制御システム10は、処理装置20及び表示部30と接続されている。処理装置20は、各種処理を実行可能な装置であり、例えばユーザが利用する端末の本体部として構成されている。表示部30は、処理装置20の出力結果を表示可能なディスプレイ(モニタ)として構成されている。処理装置20及び表示部30は、表示制御システム10内に備えられていてもよい。
【0022】
表示制御システム10は、例えば処理装置20と表示部30との間に設けられるエッジ装置として構成されている。表示制御システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、認証結果取得部110と、制御部120とを備えている。認証結果取得部110、及び制御部120は、例えば上述したプロセッサ11(図1参照)において実現されればよい。
【0023】
認証結果取得部110は、処理装置20を利用するユーザの生体認証の結果を取得可能に構成されている。生体認証の結果は、生体認証の成功又は失敗を示す情報の他、生体認証に利用した各種情報(例えば、ユーザの生体情報、ユーザを識別するための情報、生体認証に用いた画像等)を含んでいてもよい。認証結果取得部110は、周期的に生体認証の結果を取得する。認証結果取得部110で取得された生体認証の結果は、制御部120に出力される構成となっている。
【0024】
制御部120は、認証結果取得部110で取得された生体認証の結果に応じて、表示部30の表示態様を制御可能に構成されている。具体的には、制御部120は、生体認証が成功した場合と失敗した場合とで、表示部30の表示態様を切り替える。制御部120は、処理装置20の出力結果を受信し、受信した出力結果を表示部30に出力可能に構成されている。制御部120は、処理装置から受信した出力結果をそのまま出力するだけでなく、各種処理を施したり、別の情報に置き換えたりして出力可能に構成されている。
【0025】
(動作の流れ)
次に、図3を参照しながら、第1実施形態に係る表示制御システム10の動作の流れについて説明する。図3は、第1実施形態に係る表示制御システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【0026】
図3に示すように、第1実施形態に係る表示制御システム10が動作する際には、まず認証結果取得部110が、ユーザの生体認証の結果を取得する(ステップS101)。生体認証の結果は、制御部120に出力される。
【0027】
続いて、制御部120は、生体認証が成功しているか否かを判定する(ステップS102)。そして、生体認証が成功している場合(ステップS102:YES)、制御部120は、表示部30の表示態様を第1表示態様とする(ステップS103)。第1表示態様は、生体認証が成功したユーザ(言い換えれば、処理装置20の利用資格があるユーザ)に対応した表示態様であり、例えばユーザが処理装置20の操作をそのまま続行できる態様として設定されている。
【0028】
一方、生体認証が失敗している場合(ステップS102:NO)、制御部120は、表示部30の表示態様を第2表示態様とする(ステップS104)。第2表示態様は、生体認証が失敗したユーザ(言い換えれば、処理装置20の利用資格がないユーザ)に対応する表示態様であり、例えばユーザが処理装置20の操作を続行できない態様として設定されている。
【0029】
なお、上述した一連の処理は、生体認証が実行される度に繰り返し実行される。このため、生体認証が成功して第1表示態様での表示が行われていたとしても、その後の処理で生体認証が失敗した場合には第2表示態様に切り替えられる。また、生体認証が失敗して第2表示態様での表示が行われていたとしても、その後の処理で生体認証が成功した場合には第1表示態様に切り替えられる。
【0030】
(技術的効果)
次に、第1実施形態に係る表示制御システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0031】
図1から図3で説明したように、第1実施形態に係る表示制御システム10では、ユーザの生体認証の結果に応じて、表示部30の表示態様が変更される。この結果、生体認証で正常に認証されたユーザと、認証に失敗したユーザとで、それぞれ別々の表示が行われることになる。このようにすれば、例えば生体認証で処理装置20の利用資格を判定した上で、利用資格のあるユーザに処理装置20の操作を続行させる一方、利用資格のないユーザに処理装置20の操作を続行さないような仕組みを実現できる。
【0032】
また、第1実施形態に係る表示制御システム10をエッジ装置のような単一の装置として構成した場合、処理装置20と表示部30との間に接続するだけで上記動作を実現することが可能である。このため、生体認証用の新たなアプリケーションソフトウェアを導入するのが難しい状況(例えば、システムの仕様上、設定変更等ができない状況)においても、確実に上述した技術的効果を発揮させることができる。
【0033】
なお、上述した技術的効果は、例えば製検査端末や制御端末等の工場機器の操作者資格管理、発電所管理施設におけるオペレータの資格管理、及び秘匿情報を管理する端末でオペレータが目視したタイミングだけ画面表示をするような状況等において顕著に発揮される。
【0034】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る表示制御システム10について、図4から図6を参照して説明する。なお、第2実施形態は、上述した第1実施形態における表示態様の具体例を説明するものであり、その構成や動作の流れは第1実施形態(図1から図3参照)と同一であってよい。このため、以下では、第1実施形態と重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0035】
(第1表示例)
まず、図4を参照して第1表示例について説明する。図4は、第2実施形態に係る表示制御システムによる第1表示例を示す概念図である。
【0036】
図4において、第1表示例では、処理装置20の出力結果を表示部30に出力するか否かで表示態様を切り替える。具体的には、生体認証が成功した場合、認証前の初期画面(例えば、ログイン画面)が操作画面に切り替えられる。ここでの「操作画面」は、第1表示態様の一具体例であり、処理装置20の出力結果をそのまま表示部30に出力することで実現される。操作画面では、ユーザが処理装置20による各種処理を実行することが可能である。
【0037】
一方、生体認証が失敗した場合、認証前の初期画面が表示なし状態に切り替えられる。ここでの「表示なし」は、第2表示態様の一具体例であり、処理装置20の出力結果を遮断する(即ち、出力結果を表示部30に出力しない)ことで実現される。表示なし状態では、ユーザは処理装置20による各種処理を実行することはできない。
【0038】
上述した第1表示例によれば、生体認証に成功したユーザについては処理装置20の操作を可能とし、生体認証に失敗したユーザについては処理装置20の操作を不可とすることができる。
【0039】
(第2表示例)
次に、図5を参照して第2表示例について説明する。図5は、第2実施形態に係る表示制御システムによる第2表示例を示す概念図である。
【0040】
図5において、第2表示例では、処理装置20の出力結果を表示部30に出力するか、それとも別画像を出力するかで表示態様を切り替える。具体的には、生体認証が成功した場合、認証前の初期画面が操作画面に切り替えられる。ここでの「操作画面」は、第1表示態様の一具体例であり、第1表示例と同様に、処理装置20の出力結果をそのまま表示部30に出力することで実現される。操作画面では、ユーザが処理装置20による各種処理を実行することが可能である。
【0041】
一方、生体認証が失敗した場合、認証前の初期画面がスクランブル画像に切り替えられる。ここでの「スクランブル画像」は、第2表示態様の一具体例であり、処理装置20の出力結果に代えて別画像を表示部30に出力することで実現される。スクランブル画像が表示されている状態では、ユーザは処理装置20による各種処理を実行することはできない。なお、スクランブル画像はあくまで一例であり、その他の別画像(例えば、白画像や黒画像、或いは操作に全く関係のない画像)が表示部30に表示されるようにしてもよい。
【0042】
上述した第2表示例においても、第1表示例と同様に、生体認証に成功したユーザについては処理装置20の操作を可能とし、生体認証に失敗したユーザについては処理装置20の操作を不可とすることができる。
【0043】
(第3表示例)
次に、図6を参照して第3表示例について説明する。図6は、第2実施形態に係る表示制御システムによる第3表示例を示す概念図である。
【0044】
図6において、第3表示例では、処理装置20の出力結果を表示部30に出力するか、それとも画面をフリーズさせるかで表示態様を切り替える。具体的には、生体認証が成功した場合、認証前の初期画面が操作画面に切り替えられる。ここでの「操作画面」は、第1表示態様の一具体例であり、第1及び第2表示例と同様に、処理装置20の出力結果をそのまま表示部30に出力することで実現される。操作画面では、ユーザが処理装置20による各種処理を実行することが可能である。
【0045】
一方、生体認証が失敗した場合、認証前の初期画面がフリーズされる(即ち、初期画面のまま変化しない状態とされる)。ここでの「フリーズ」は、第2表示態様の一具体例であり、処理装置20の出力結果をそのまま固定することで実現される。画面表示がフリーズされている状態では、ユーザは処理装置20による各種処理を実行することはできない。
【0046】
上述した第3表示例においても、第1及び第2表示例と同様に、生体認証に成功したユーザについては処理装置20の操作を可能とし、生体認証に失敗したユーザについては処理装置20の操作を不可とすることができる。
【0047】
なお、上述した第1から第3表示例では、表示部30の表示態様を切り替えるだけでユーザ別の対応が実現できるため、システム構成の複雑化やコストの増大を効果的に抑制することができる。ただし、表示態様の制御に加えて、表示部30以外の制御が実行されてもよい。例えば、生体認証が失敗した場合には、処理装置20を操作するための入力装置(例えば、キーボードやマウス等)が、操作を受け付けないような状態にされてもよい。
【0048】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る表示制御システム10について、図7を参照して説明する。なお、第3実施形態は、上述した第1及び第2実施形態と比べて一部の動作が異なるのみで、その構成については第1実施形態(図1及び図2参照)と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した部分と重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0049】
(動作の流れ)
図7を参照しながら、第3実施形態に係る表示制御システム10の動作の流れについて説明する。図7は、第3実施形態に係る表示制御システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【0050】
図7に示すように、第3実施形態に係る表示制御システム10が動作する際には、まず認証結果取得部110が、ユーザの生体認証の結果を取得する(ステップS101)。生体認証の結果は、制御部120に出力される。
【0051】
続いて、制御部120は、生体認証が成功しているか否かを判定する(ステップS102)。そして、生体認証が失敗している場合(ステップS102:NO)、制御部120は、表示部30の表示態様を第2表示態様とする(ステップS104)。
【0052】
一方、生体認証が成功している場合(ステップS102:YES)、制御部120は、表示部130をのぞきこんでいる非登録者(即ち、生体認証が成功した利用者以外の人物)が存在しているか否かを判定する(ステップS110)。非登録者の存在は、生体認証に用いた情報(例えば、表示部30周辺の様子を撮像した画像)等から判定できる。
【0053】
より具体的には、生体認証が成功した利用者以外の人物が表示部30周辺の画像に所定時間以上映り込んでいる場合には、のぞきこんでいる非登録者が存在すると判定してもよい。ここでの「所定時間」は、画像中の人物が表示部30をのぞきこんでいると判断できる程度に長い期間であり、事前のシミュレーション等によって予め設定される。この場合、仮に非登録者が画像に映り込んでいても、所定時間内にいなくなった場合には、のぞきこんでいる非登録者が存在しないと判定してもよい。即ち、一時的に映り込んだ人物については、のぞきこんでいる非登録者と判定しなくともよい。
【0054】
また、生体認証が成功した利用者以外の人物が表示部30から所定距離内に映り込んでいる場合には、のぞきこんでいる非登録者が存在すると判定してもよい。ここでの「所定距離」は、画像中の人物が表示部30をのぞきこんでいると判断できる程度に近い距離であり、事前のシミュレーション等によって予め設定される。この場合、仮に非登録者が画像に映り込んでいても、所定距離より遠い場所である場合には、のぞきこんでいる非登録者が存在しないと判定してもよい。
【0055】
或いは、認証用の画像に映り込んだ非登録者の視線が表示部30の方向を向いている場合には、のぞきこんでいる非登録者が存在すると判定してもよい。この場合、非登録者が蔵中に映り込んでいても、その視線が表示部30とは異なる方向を向いている場合には、のぞきこんでいる非登録者が存在しないと判定してもよい。なお、視線方向の推定には、既存の技術を適宜採用することができるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0056】
のぞきこんでいる非登録者が存在しないと判定された場合(ステップS110:NO)、制御部120は、表示部30の表示態様を第1表示態様とする(ステップS103)。一方、のぞきこんでいる非登録者が存在すると判定された場合(ステップS110:YES)、制御部120は、表示部30の表示態様を第2表示態様とする(ステップS104)。即ち、生体認証が成功しなかった場合と同様の表示態様とする。
【0057】
(技術的効果)
次に、第3実施形態に係る表示制御システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0058】
図7で説明したように、第3実施形態に係る表示制御システム10では、生体認証が成功したとしても、のぞきこんでいる非登録者が存在している場合には、表示部30が第2表示態様へと変更される。このようにすれば、利用資格のあるユーザが利用している場合に、表示部30をのぞきこんだ非登録者から情報が漏洩してしまうことを防止できる。
【0059】
<第4実施形態>
第4実施形態に係る表示制御システム10について、図8及び図9を参照して説明する。なお、第4実施形態は、上述した第1から第3実施形態と比べて一部の動作が異なるのみで、例えばそのハードウェア構成等については第1実施形態(図1参照)と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した部分と重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0060】
(機能的構成)
まず、図8を参照しながら、第4実施形態に係る表示制御システム10の機能的構成について説明する。図8は、第4実施形態に係る表示制御システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、図8では、図2で示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0061】
図8に示すように、第4実施形態に係る表示制御システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、認証結果取得部110と、制御部120と、ログ記憶部130とを備えている。即ち、第4実施形態に係る表示制御システム10は、第1実施形態の構成要素(図2参照)に加えて、ログ記憶部130を備えている。ログ記憶部130は、例えば上述した記憶装置14(図1参照)によって実現されればよい。
【0062】
ログ記憶部130は、生体認証の結果を記憶可能に構成されている。ログ記憶部130は、例えば生体認証が成功したか失敗したかを、生体認証が実行された日時とともに記憶する。また、ログ記憶部130は、生体認証の対象となったユーザの識別情報や、生体認証に用いられた生体情報(例えば、ユーザの画像等)を記憶可能に構成されてもよい。ログ記憶部130は更に、生体認証が実行された後の表示部30の表示画面を画像データとして記憶可能に構成されてもよい。ログ記憶部130に記憶された生体認証の結果は、任意のタイミングで適宜読み出すことが可能に構成されている。
【0063】
(動作の流れ)
次に、図9を参照しながら、第4実施形態に係る表示制御システム10の動作の流れについて説明する。図9は、第4実施形態に係る表示制御システムの動作の流れを示すフローチャートである。なお、図9では、図3に示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0064】
図9に示すように、第4実施形態に係る表示制御システム10が動作する際には、まず認証結果取得部110が、ユーザの生体認証の結果を取得する(ステップS101)。そして第4実施形態では特に、ログ記憶部130が生体認証の結果を記憶する(ステップS201)。このように、ログ記憶部130は、生体認証が実行される度に生体認証の結果を記憶(言い換えれば、蓄積)していく。
【0065】
続いて、制御部120は、生体認証が成功しているか否かを判定する(ステップS102)。そして、生体認証が成功している場合(ステップS102:YES)、制御部120は、表示部30の表示態様を第1表示態様とする(ステップS103)。一方、生体認証が失敗している場合(ステップS102:NO)、制御部120は、表示部30の表示態様を第2表示態様とする(ステップS104)。
【0066】
(技術的効果)
次に、第4実施形態に係る表示制御システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0067】
図8及び図9で説明したように、第4実施形態に係る表示制御システム10では、生体認証の結果がログ記憶部130に記憶される。このようにすれば、生体認証が実行された際の各種情報を、後から読み出して閲覧することが可能となる。これにより、処理装置20を利用しようとしたユーザの証跡管理を実現することが可能である。
【0068】
<第5実施形態>
第5実施形態に係る表示制御システム10について、図10を参照して説明する。なお、第5実施形態は、上述した第4実施形態で記憶したログの具体的な活用例を説明するものであり、構成及び動作の流れ等については第4実施形態(図1図8及び図9参照)と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した部分と重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0069】
(履歴情報の表示例)
図10を参照しながら、履歴情報(即ち、生体認証結果のログ)の具体的な表示例について説明する。図10は、第5実施形態に係る表示制御システムの表示例を示す概念図である。
【0070】
図10に示すように、ログ記憶部130で記憶した履歴情報を確認する画面では、記録された未登録ユーザを、新たな登録ユーザとして登録するための表示が行われてもよい。具体的には、記録された利用者の一覧を表示する画面上で、未登録ユーザを選択した際に、このユーザを新たな利用者として登録するか否かのポップアップ表示を行うようにしてもよい。
【0071】
図に示す例では、「登録する」を選択すると、その未登録ユーザが新たな登録ユーザとして登録される。この際、登録情報には、ログ記憶部130が記憶している情報(例えば、画像や個人のID情報等)を用いてもよい。一方、「登録しない」を選択すると、その未登録ユーザは、そのまま未登録ユーザのままとして扱われる。なお、上述した表示例はあくまで一例であり、異なる表示で新規ユーザの登録が促されるようにしてもよい。
【0072】
(技術的効果)
次に、第5実施形態に係る表示制御システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0073】
図10で説明したように、第5実施形態に係る表示制御システム10では、ログ記憶部130で記録された情報から、新たな登録ユーザを登録することができる。このようにすれば、新規ユーザの登録にかかる手間を少なくすることができる。
【0074】
<第6実施形態>
第6実施形態に係る表示制御システム10について、図11を参照して説明する。なお、第6実施形態は、上述した第1から第5実施形態と比べて一部の機能が異なるのみで、そのハードウェア構成や動作の流れ等についてはすでに説明したものと同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した部分と重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0075】
(機能的構成)
まず、図11を参照しながら、第6実施形態に係る表示制御システム10の機能的構成について説明する。図11は、第6実施形態に係る表示制御システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、図11では、図2及び図8で示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0076】
図11に示すように、第6実施形態に係る表示制御システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、認証結果取得部110と、制御部120と、固有情報出力部140とを備えている。即ち、第6実施形態に係る表示制御システム10は、第1実施形態の構成要素(図2参照)に加えて、固有情報出力部140を更に備えている。固有情報出力部140は、例えば上述したプロセッサ11(図1参照)において実現されればよい。
【0077】
固有情報出力部140は、表示部30の固有情報を処理装置20に出力可能に構成されている。ここでの「固有情報」とは、表示部30の仕様情報や識別情報を含むものであり、一例としてEDID(Extended Display Identification Data)が挙げられる。固有情報出力部140は特に、生体認証の結果によらず、表示部30の固有情報を処理装置20に出力する。即ち、固有情報の出力は、制御部120による出力制御(即ち、表示情報の出力)とは別に独立して行われる。このため、生体認証が失敗した場合であっても、表示部30の固有情報は処理装置20に出力され得る。固有情報出力部140は、例えば処理装置20から出力要求があったタイミング、或いは表示部30が新たに接続されたタイミングで固有情報を出力する。或いは、固有情報出力部140は、定期的に固有情報を出力するようにしてもよい。
【0078】
(技術的効果)
次に、第6実施形態に係る表示制御システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0079】
図11で説明したように、第6実施形態に係る表示制御システム10では、固有情報出力部140によって、生体認証の結果によらず表示部30の固有情報が出力される。このようにすれば、例えば表示部30の繋ぎ変えがあった際の情報再取得を適切に実行することが可能である。また、生体認証が成功しているか否かによらず(即ち、処理装置20が操作可能な状態になっているか否かによらず)、処理装置20と表示部30とを連動させる制御(例えば電源連動等)を実行することができる。
【0080】
<第7実施形態>
第7実施形態に係る表示制御システム10について、図12を参照して説明する。なお、第7実施形態は、上述した第1から第6実施形態と比べて一部の機能が異なるのみで、そのハードウェア構成や動作の流れ等についてはすでに説明したものと同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した部分と重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0081】
(機能的構成)
まず、図12を参照しながら、第7実施形態に係る表示制御システム10の機能的構成について説明する。図12は、第7実施形態に係る表示制御システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、図12では、図2図8及び図11で示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0082】
図12に示すように、第7実施形態に係る表示制御システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、認証結果取得部110と、制御部120と、固有情報記憶部141とを備えている。即ち、第7実施形態に係る表示制御システム10は、第1実施形態の構成要素(図2参照)に加えて、固有情報記憶部141を更に備えている。固有情報記憶部141は、例えば上述した記憶装置14(図1参照)において実現されればよい。
【0083】
固有情報記憶部141は、処理装置20及び表示部30の少なくとも一方の固有情報を記憶可能に構成されている。ここでの固有情報は、処理装置20又は表示部30が、システムに登録された装置であることを認識するために用いられる。具体的には、固有情報が記憶された処理装置20及び表示部30は、システムに登録された正規の装置であると認識される。一方で、固有情報が記憶されていない処理装置20及び表示部30は、システムに登録されていない非正規の装置であると認識される。固有情報記憶部141は、例えば初期設定の際、或いは利用資格のあるユーザやシステム管理者による新たな接続が行われた場合等に、固有情報を記憶する。固有情報記憶部141で記憶された固有情報は、制御部120によって適宜読み出し可能な構成となっている。
【0084】
第7実施形態に係る表示制御システム10は、固有情報記憶部141に記憶された固有情報に応じた動作を実行可能に構成されている。例えば、制御部120は、生体認証の結果に加えて、上述した固有情報を考慮して表示部30の表示態様を変更可能に構成されている。具体的には、制御部120は、固有情報が記憶された処理装置20及び表示部30が接続されている場合には、通常の動作(即ち、ここまでの実施形態で説明した動作)を実行する。一方で、制御部120は、固有情報が記憶されていない処理装置20及び表示部30が接続されている場合には、生体認証の結果によらず、表示部30の表示態様を第2態様に変更するようにしてもよい。言い換えれば、固有情報が記憶されていない処理装置20及び表示部30が接続されている場合には、実質的に処理装置20が正常に扱えない状態とされてよい。
【0085】
或いは、固有情報が記憶された処理装置20及び表示部30が接続されていない場合には、生体認証が成功し難くなるように構成されてもよい。例えば、固有情報が記憶されていない処理装置20及び表示部30が接続されている状態では、生体認証の閾値が通常より高くなるように構成されてもよい。
【0086】
(技術的効果)
次に、第7実施形態に係る表示制御システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0087】
図12で説明したように、第7実施形態に係る表示制御システム10では、処理装置20及び表示部30の固有情報が記憶されているか否かによって、異なる動作が実行される。このようにすれば、処理装置20又は表示部30の繋ぎ変えによる不正等を抑制できる。例えば、利用資格のないユーザが、処理装置20又は表示部30を別のものに繋ぎ変えて、不正に情報を取得しようとすることを防止できる。
【0088】
<第8実施形態>
第8実施形態に係る表示制御システム10について、図13を参照して説明する。なお、第8実施形態は、上述した第1から第7実施形態と比べて一部の機能が異なるのみで、そのハードウェア構成や動作の流れ等についてはすでに説明したものと同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した部分と重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0089】
(機能的構成)
まず、図13を参照しながら、第8実施形態に係る表示制御システム10の機能的構成について説明する。図13は、第8実施形態に係る表示制御システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、図13では、図2図8図11及び図12で示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0090】
図13に示すように、第8実施形態に係る表示制御システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、認証結果取得部110と、制御部120と、接続履歴記憶部142とを備えている。即ち、第8実施形態に係る表示制御システム10は、第1実施形態の構成要素(図2参照)に加えて、接続履歴記憶部142を更に備えている。接続履歴記憶部142は、例えば上述した記憶装置14(図1参照)において実現されればよい。
【0091】
接続履歴記憶部142は、表示制御システム10が表示部30に接続されている時間を示す情報を記憶可能に構成されている。或いは、接続履歴記憶部142は、表示制御システム10が表示部30に接続されていない時間を示す情報を記憶可能に構成されていてもよい。接続履歴記憶部142に記憶された情報は、例えば利用資格のあるユーザやシステム管理者等によって閲覧可能とされている。
【0092】
(技術的効果)
次に、第8実施形態に係る表示制御システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0093】
図13で説明したように、第8実施形態に係る表示制御システム10では、接続履歴記憶部142によって表示部30との接続履歴が記憶される。このようにすれば、表示部30の繋ぎ変えによる不正等を抑制することができる。具体的には、接続履歴を確認すれば、表示部30が接続されていなかった時間帯を特定できる。これにより、例えばエッジ端末等として構成される表示制御システム10から映像信号のケーブルを外し、他の表示装置を直接処理装置20に接続して不正に操作していたことを発見できる。
【0094】
<第9実施形態>
第9実施形態に係る表示制御システム10について、図14及び図15を参照して説明する。なお、第9実施形態は、上述した第1から第8実施形態と比べて一部の動作が異なるのみで、そのハードウェア構成等については第1実施形態(図1参照)と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した部分と重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0095】
(機能的構成)
まず、図14を参照しながら、第9実施形態に係る表示制御システム10の機能的構成について説明する。図14は、第9実施形態に係る表示制御システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、図14では、図2図8図11図12、及び図13で示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0096】
図14に示すように、第9実施形態に係る表示制御システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、認証結果取得部110と、制御部120と、認証処理部150とを備えている。即ち、第9実施形態に係る表示制御システム10は、第1実施形態の構成要素(図2参照)に加えて、認証処理部150を備えている。認証処理部150は、例えば上述したプロセッサ(図1参照)において実現されればよい。
【0097】
認証処理部150は、ユーザから生体情報を取得し生体認証を実行可能に構成されている。認証処理部150は、例えば登録者データベースを保持しており、取得したユーザの生体情報と登録者データベースに記憶された情報とを照合して認証処理を実行する。認証処理部150は、生体認証の結果を認証結果取得部110に出力可能に構成されている。
【0098】
認証処理部150は、生体認証の一例として、ユーザの顔画像を用いた顔認証を実行可能に構成されている。認証処理部150は、例えば図示せぬカメラからユーザの顔画像を取得して顔認証を実行する。なお、顔認証には既存の手法を適宜採用可能であるが、その一例として特徴点情報を用いる方法が挙げられる。この場合、認証処理部150は、ユーザの顔画像から特徴点情報を抽出し、予め登録者データベースに保存されている特徴点情報とのマッチング処理を行う。そして、認証処理部150は、マッチング処理の結果として出力されるマッチングスコアが所定の閾値を上回る場合には認証成功、下回る場合には認証失敗と判定する。
【0099】
(動作の流れ)
次に、図15を参照しながら、第9実施形態に係る表示制御システム10の動作の流れについて説明する。図15は、第9実施形態に係る表示制御システムの動作の流れを示すフローチャートである。なお、図15では、図3図7及び図9に示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0100】
図15に示すように、第9実施形態に係る表示制御システム10が動作する際には、まず認証処理部150がユーザの生体情報を取得して認証処理を実行する(ステップS301)。そして、認証結果取得部110が、認証処理部150における生体認証の結果を取得する(ステップS101)。
【0101】
続いて、制御部120は、生体認証が成功しているか否かを判定する(ステップS102)。そして、生体認証が成功している場合(ステップS102:YES)、制御部120は、表示部30の表示態様を第1表示態様とする(ステップS103)。一方、生体認証が失敗している場合(ステップS102:NO)、制御部120は、表示部30の表示態様を第2表示態様とする(ステップS104)。
【0102】
(技術的効果)
次に、第9実施形態に係る表示制御システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0103】
図14及び図15で説明したように、第9実施形態に係る表示制御システム10では、ユーザの生体認証がシステム内部の認証処理部150において実行される。よって、生体認証をシステム外部で行う場合と比較すると、生体認証に関する情報授受に関する処理を省略することができる。よって、生体認証に要する処理の簡略化や時間短縮を実現することができる。
【0104】
なお、上述した例では、認証処理部150が実行する生体認証の一例として顔認証を挙げたが、顔認証以外の生体認証が実行されてもよい。具体的には、指紋認証や掌紋認証、掌形認証、静脈認証、脈拍認証、虹彩認証、網膜認証、耳介認証、脳波認証、DNA認証、筆跡認証、タイピング認証、声認証、読唇認証、瞬き認証、歩容認証、外見認証等が実行されてもよい。生体認証として指紋認証を採用する場合、ユーザに対して定期的に指紋情報を取得するための情報提示(例えば、指で指紋センサをタッチするような指示)が行われてもよい。
【0105】
<付記>
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0106】
(付記1)
付記1に記載の表示制御システムは、被写体を相異なるタイミングで表示制御した複数の画像を取得する取得手段と、前記複数の画像に基づいて、前記被写体の動きを推定する推定手段と、前記被写体の動きに応じて、前記被写体の特定部分を表示制御する表示制御部の設定値を変更する変更手段とを備えることを特徴とする表示制御システムである。
【0107】
(付記2)
付記2に記載の表示制御システムは、前記変更手段は、前記表示制御部の合焦地点において前記特定部分が前記表示制御部の表示制御範囲に含まれるように前記設定値を変更することを特徴とする付記1に記載の表示制御システムである。
【0108】
(付記3)
付記3に記載の表示制御システムは、前記推定手段は、前記複数の画像の差分から前記被写体の動きを推定することを特徴とする付記1又は2に記載の表示制御システムである。
【0109】
(付記4)
前記推定手段は、前記複数の画像から前記被写体の歩容周期を推定することで、前記被写体の動きを推定することを特徴とする付記1又は2に記載の表示制御システムである。
【0110】
(付記5)
付記5に記載の表示制御システムは、前記推定手段は、前記歩容周期が所定範囲内でない場合に、前記複数の画像の差分から前記被写体の動きを推定することを特徴とする付記4に記載の表示制御システムである。
【0111】
(付記6)
付記6に記載の表示制御システムは、前記取得手段は、前記表示制御部から前記複数の画像を取得することを特徴とする付記1から5のいずれか一項に記載の表示制御システムである。
【0112】
(付記7)
付記7に記載の表示制御システムは、前記取得手段は、前記表示制御部とは異なる第2の表示制御部から前記複数の画像を取得することを特徴とする付記1から5のいずれか一項に記載の表示制御システムである。
【0113】
(付記8)
付記8に記載の表示制御システムは、前記表示制御部が表示制御した前記特定部分の画像を用いて、前記被写体の認証処理を実行する認証手段を更に備えることを特徴とする付記1から7のいずれか一項に記載の表示制御システムである。
【0114】
(付記9)
付記9に記載の表示制御方法は、被写体を相異なるタイミングで表示制御した複数の画像を取得し、
前記複数の画像に基づいて、前記被写体の動きを推定し、前記被写体の動きに応じて、前記被写体の特定部分を表示制御する表示制御部の設定値を変更することを特徴とする表示制御方法である。
【0115】
(付記10)
付記10に記載のコンピュータプログラムは、被写体を相異なるタイミングで表示制御した複数の画像を取得し、前記複数の画像に基づいて、前記被写体の動きを推定し、前記被写体の動きに応じて、前記被写体の特定部分を表示制御する表示制御部の設定値を変更するようにコンピュータを動作させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
【0116】
(付記11)
付記11に記載の記憶媒体は、付記1から10のいずれか一項に記載のコンピュータプログラムを記憶していることを特徴とする記憶媒体である。
【0117】
この開示は、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う表示制御システム、表示制御方法、及びコンピュータプログラムもまたこの開示の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0118】
10 表示制御システム
20 処理装置
30 表示部
110 認証結果取得部
120 制御部
130 ログ記憶部
135 登録者追加部
140 固有情報出力部
141 固有情報記憶部
142 接続履歴記憶部
150 認証処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15