(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】複数のホイールセットを有するロボット
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20231212BHJP
【FI】
G05D1/02 H
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022118712
(22)【出願日】2022-07-26
【審査請求日】2022-07-26
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス カフナー
(72)【発明者】
【氏名】加賀美 聡
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-062694(JP,A)
【文献】国際公開第2019/221161(WO,A1)
【文献】特開2017-204193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットであって、
内部開口を有するボディと、
前記内部開口から外へ展開し且つ前記内部開口の中へ後退するように構成された第1ホイールと、
前記内部開口から外へ展開し且つ前記内部開口の中へ後退するように構成された第2ホイールと、
前記ロボットの位置を測定するように構成されたセンサと、
前記第1ホイール及び前記第2ホイールの各々を制御するように構成されたコントローラと、を備え、
前記コントローラは、前記ロボットの前記位置が予め設定された位置に在ることに応答して、前記第2ホイールを前記内部開口から外へ展開させ且つ前記第1ホイールを前記内部開口の中へ後退させるように構成される、ロボット。
【請求項2】
ドアを更に備え、
前記ドアは、前記第2ホイールが前記内部開口から外へ展開するのに応答して開くように構成される、請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記ドアは、前記第1ホイールが前記内部開口の中へ後退するのに応答して閉まるように構成される、請求項2に記載のロボット。
【請求項4】
ブラシエンクロージャを更に備え、
前記第1ホイールは、前記内部開口の中へ後退する間に前記ブラシエンクロージャを通り抜けるように構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項5】
清掃機構を更に備え、
前記第1ホイール又は前記第2ホイールの少なくとも一方は前記清掃機構に接触するように構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項6】
前記少なくとも一方の第1ホール又は第2ホイールは、前記清掃機構に接触している間に回転するように構成される、請求項5に記載のロボット。
【請求項7】
前記センサは、無線周波識別(RFID)タグ、光学感知又は赤外線感知の少なくとも1つに基づいて前記ロボットの前記位置を測定するように構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項8】
前記コントローラは、前記第2ホイールを前記内部開口から外へ展開するために前記第2ホイールを回転させるように構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項9】
前記コントローラは、前記第1ホイールを前記内部開口の中へ後退するために前記第1ホイールを回転させるように構成される、請求項8に記載のロボット。
【請求項10】
前記コントローラは、前記第2ホイールの回転と同時に前記第1ホイールを回転させるように構成される、請求項9に記載のロボット。
【請求項11】
前記コントローラは、前記第2ホイールを前記内部開口から外へ展開するために前記第2ホイールを並進させるように構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項12】
ロボットであって、
荷物を受け入れるための開口を有するボディと、
前記ボディから外へ展開し且つ前記ボディの中へ後退するように構成された第1ホイールと、
前記ボディから外へ展開し且つ前記ボディの中へ後退するように構成された第2ホイールと、
前記第1ホイール及び前記第2ホイールの各々を制御するように構成されたコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
第1場所から、住宅である第2場所まで前記ロボットを推進するために前記第1ホイールを制御し、
前記住宅においてステップ又は敷居の存在を検出し、
前記ステップ又は敷居の検出に応答して前記第2ホイールを前記ボディから外へ展開させ、
前記ステップ又は敷居の検出に応答して前記第1ホイールを前記ボディの中へ後退させる、
ように構成される、ロボット。
【請求項13】
後退位置において、前記第2ホイールが垂直方向に前記第1ホイールと整列する、請求項12に記載のロボット。
【請求項14】
後退位置において、前記第2ホイールが水平方向に前記第1ホイールからオフセットする、請求項12に記載のロボット。
【請求項15】
前記コントローラは、前記第2ホイールを展開させるのと同時に前記第1ホイールを後退させるように構成される、請求項12~14のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項16】
前記コントローラは、前記第2ホイールを展開させた後に前記第1ホイールを後退させるように構成される、請求項12~14のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項17】
前記第2ホイールの外周の周りのカバーを更に備える、請求項12~14のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項18】
前記第2ホイールは、前記外周の周りに前
記カバーを維持しながら展開するように構成される、請求項17に記載のロボット。
【請求項19】
清掃機構を更に備え、
前記清掃機構は、前記第1ホイール又は前記第2ホイールの少なくとも一方から塵を除去するように構成される、請求項12~14のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項20】
ロボットであって、
荷物を受け入れるための開口を有するボディと、
前記ボディに取り付けられた第1ホイールと、
前記第1ホイールに対して移動可能である清掃機構と、
前記第1ホイール及び前記清掃機構の各々を制御するように構成されたコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
第1場所から、住宅である第2場所までロボットを推進するために前記第1ホイールを制御し、
前記住宅においてステップ又は敷居の存在を検出し、
前記ステップ又は敷居の検出に応答して、前記第1ホイールと接触するように前記清掃機構を移動させ、
前記清掃機構が前記第1ホイールと接触するのに応答して、前記第1ホイール又は前記清掃機構を回転させる、
ように構成される、ロボット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
人々が店へ行くのを避けようとするのにつれて、品物のオンライン発注及び配達が増えている。更に、今日の社会では、清潔さに対する懸念も非常に大きい。その結果、多くの配達サービスは、接触のない配達サービスを提供する。このような接触のない配達サービスにおいて、荷物は、住宅の外に放置される。これは、荷物内部の製品の損傷のリスク又は荷物の盗難の可能性を増す。荷物を配達するために住宅の中に入る配達サービスは、汚れ、塵、バクテリア、ウィルス又はその他の物質が住宅へ入るリスクを増す。
【発明の概要】
【0002】
本開示の形態は、添付図面と一緒に読めば下記の詳細な説明からよく理解される。なお、産業界の標準的慣例にしたがい、様々な特徴物は縮尺通りには描かれていない。実際、様々な特徴物の寸法は、説明を明確にするために任意に増減される場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1A】
図1Aは、いくつかの実施形態に従った住宅の入口通路に在るロボットの側面図である。
【
図1B】
図1Bは、いくつかの実施形態に従ったロボットの底面図である。
【
図1C】
図1Cは、いくつかの実施形態に従ったロボットの底面図である。
【
図2】
図2は、いくつかの実施形態に従った住宅の入口通路に在るロボットの側面図である。
【
図3】
図3は、いくつかの実施形態に従ったロボットのためのホイール配列体の側面図である。
【
図4】
図4は、いくつかの実施形態に従ったロボットのためのホイール配列体の側面図である。
【
図5A】
図5Aは、いくつか実施形態に従ったロボットのためのホイールの側面図である。
【
図5B】
図5Bは、いくつかの実施形態に従ったロボットのためのホイールの前面図である。
【
図6】
図6は、いくつかの実施形態に従ったロボットを制御するためのシステムの概略図である。
【
図7】
図7は、いくつかの実施形態に従ったロボットを使用する荷物を配達する方法のフローチャートである。
【
図8】
図8は、いくつかの実施形態に従ったコントローラのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
下記の開示は、提示される内容の様々な特徴を実現するための多様な実施形態又は実施例を提示する。構成要素、値、作動、材料、配列又はこれに類似するものの具体的な実施例について、本開示を単純化するために下で説明する。実施例は、当然、単なる実施例であって、限定的であることを意図しない。他の構成要素、値、作動、材料、配列又はこれに類似するものが想定される。例えば、以下の説明において第2特徴物の上への第1特徴物の形成は、第1及び第2特徴物が直接接触して形成される実施形態を含むことができ、又、第1特徴物と第2特徴物が直接接触しないように付加的特徴物が第1特徴物と第2特徴物との間に形成される実施形態を含むこともできる。更に、本開示は、様々な実施例において、参照番号及び/符号を繰り返す場合がある。この繰返しは、単純化及び明確化のためであり、それ自体で様々な実施形態及び/又は論証される構成の間の関係を示すものではない。
【0005】
更に、「下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」及びこれに類似する空間関連の用語は、本明細書において、図に示す1つの要素又は特徴物と他の要素又は特徴物との関係を説明する際に説明を容易にするために使用される。空間関連の用語は、図に示す向きに加えて使用中又は作動中の機器の様々な向きを包括することを意図する。装置は、それ以外の方向を向くことができ(90度回転して又はその他の向きに)、本明細書において使用する空間関連の記述は、同様にこれに応じて解釈できる。
【0006】
ロボット及びドローン配達は、オンラインショッピングが増加するにつれて増加しており、配達会社は、配達プロセッサの自動化を模索している。例えば、計画されているトヨタスマートシティにおいて、ロボットは、配送センタから個人の住宅まで荷物を配達することが期待される。いくつかの実施形態において、住宅は、個人の家庭又は個人が働くオフィスである。いくつかの実施形態において、家庭は、単一世帯、タウンハウス、アパートメント又はその他の場所を含む。いくつかの例において、ロボットは、荷物を配達するために個人の住宅へ入ることが予想される。いくつかの実施形態において、ロボットは、住宅内の冷蔵庫又はパントリーなどの指定場所に荷物を置く。住宅への進入は、汚れ、塵、バクテリア、ウィルス及びその他の汚染物質が住宅へ進入するリスクを増大する。本開示によれば、ロボットは、汚染物質が住宅の少なくとも一部へ進入するリスクを減らすためにホイール交換特徴及び/又はホイール清掃特徴を備える。
【0007】
住宅内の清潔さを維持できるようにするために、いくつかの実施形態において、ロボットは、2セットのホイールを備える。一方のセットのホイールは、屋内用であり、他方のセットのホイールは屋外用である。ロボットは、屋外用ホイールを使用して配送センタから住宅まで移動する。ロボットが住宅に到着したら、ロボットは、いくつかの様式の1つで屋外用ホイールから屋内用ホイールに切り替える。
【0008】
さらに、多くの住宅は、靴を脱ぐ入口エリア又は玄関を含む。いくつかの例において、これらの入口エリアは、住宅の清潔さを維持できるようにするためにステップによって住宅の他の部分から分離される。入口通路を越えて荷物を配達するために、ロボットは、ステップが存在する場合これを識別して、住宅の他のエリアへ入るためにステップを越える。
【0009】
図1Aは、いくつかの実施形態に従った、入口通路に在るロボット100の側面図である。ロボット100は、ボディ110とホイール配列体120とを含む。
図1Aは、明確化のために単一のホイール配列体120を含む。当業者は、ロボット100が複数のホイール配列体を持つことができることが分かるだろう。例えば、いくつかの実施形態において、ロボット100は、3つ又は4つのホイール配列体を含む。ロボット100は、入口通路のフロア130上に在る。ステップ140が、住宅の他の部分からフロア130を分離する。ステップ面145は、ステップ140において住宅のレベルとフロア130の上面との間に延びる。ホイール配列体120は、コネクタ126によって接続された第1ホイール122と第2ホイール124とを含む。コネクタ126は、第1ホイール122又は第2ホイール124を選択式に展開できるようにするために中心軸の周りで回転するように構成される。
【0010】
ボディ110は、ホイール配列体120を部分的に収容するために使用可能である。ボディ110は、更に、ホイール配列体120及びボディ110内の他の要素に電力を供給するための充電式バッテリなどの電源を含む。ボディ110は、更に、ロボット100を制御するように構成されたコントローラを含む。ボディ110は、更に、全地球測位システム(GPS)アンテナ、光学設備、高周波(RF)検出器、赤外線(IR)検出器又はその他の適切な位置測定要素など、ロボット100の位置を測定するために使用可能な要素を含む。いくつかの実施形態において、ボディ110は、ロボット100へ荷物を挿入し且つロボット100から荷物を取り出すために、アーム又はコンベアベルトなどのコンベアを含む。いくつかの実施形態において、ボディ110は、人に情報を提供するために、スピーカ又はディスプレイなどの通信機器を含む。いくつかの実施形態において、ボディ110は、ロボット100の周囲を照明するために光源を含む。いくつかの実施形態において、ボディ110は、長方形である。いくつかの実施形態において、ボディ110は、長方形以外の形状を有する。いくつかの実施形態において、ボディ110は、住宅内部又はロボット100が接触する他のものに対する損傷のリスクを減らすために軟らかい又はパッド付外部を含む。いくつかの実施形態において、ボディ110は、ボディ110内部へ後退するとき第1ホイール122又は第2ホイール124から塵を捕捉するように構成されたトレイを含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、第1ホイール122又は第2ホイール124の少なくとも一方は、いつの時点でもボディ内部に配置される。いくつかの実施形態において、ボディ110は、更に、住宅に配達される荷物を収容するように構成される。いくつかの実施形態において、ボディ110は、雨、雪又はその他の塵などの外部要素から荷物を遮蔽するように荷物を収容するために構成される。いくつかの実施形態において、ボディ110は、ボディ110の上面に配達対象の荷物を支持するように構成される。いくつかの実施形態において、ボディ110は、配達対象の荷物の温度を維持できるようにするために構成された断熱コンパートメントを含む。いくつかの実施形態において、ボディ110は、配達対象の荷物を加熱するように構成された加熱コンパートメントを含む。いくつかの実施形態において、ボディ110は、配達対象の荷物を冷却するように構成された冷却コンパートメントを含む。
【0012】
ホイール配列体120は、荷物を受け取る配送センタから荷物を配達する指定された住宅まで及びその内部へロボット100を推進するために使用可能である。ホイール配列体120は、検出されたロボット100の位置に基づいて第1ホイール122又は第2ホイール124を選択的に展開するように構成される。いくつかの実施形態において、第1ホイール122は、住宅内部でロボット100を推進するために使用される。いくつかの実施形態において、第2ホイール124は、住宅外部でロボット100を推進するために使用される。いくつかの実施形態において、第1ホイール122及び第2ホイール124は、別個に、ゴム、プラスチック又は別の適切な材料を含む。いくつかの実施形態において、第1ホイール122及び第2ホイール124は、同じ材料を含む。いくつかの実施形態において、第1ホイール122は、第2ホイール124より軟らかい材料を含む。第1ホイール122のより軟らかい材料は、フロア130又は住宅内のその他の面を傷つけるリスクを減らす。第2ホイール124のより硬い材料は、道路及び歩道など外部面を往来するとき第2ホイール124の摩耗を減少できるようにする。
【0013】
コネクタ126は、第1ホイール122及び第2ホイール124の両方に接続される。コネクタ126は、第1ホイール122又は第2ホイール124を選択的に展開するために第1ホイール122及び第2ホイール124の位置を変えるためにコネクタ126の中心軸の周りを回転するように構成される。いくつかの実施形態において、コネクタ126は、ボディ110の内部に在る。いくつかの実施形態において、コネクタ126は、ボディ110の外部へ突出する。いくつかの実施形態において、ボディ110の一部分は、コネクタ126と一緒に回転する。いくつかの実施形態において、コネクタ126は、第1ホイール122と第2ホイール124との間の距離を調節するように構成される。例えば、いくつかの実施形態において、コネクタ126は、ロボット100がステップ140を越えるためにフロア130とボディ110との間の距離を増大するために、第1ホイール122と第2ホイール124との間の距離を増大するように構成される。
【0014】
フロア130は、住宅内部の又はステップ140に隣接する面である。いくつかの実施形態において、フロア130は、住宅の入口通路又は玄関にある。いくつかの実施形態において、フロア130は、住宅のロビーに在る。いくつかの実施形態において、フロア130は、木材又はタイルなどの硬い面を含む。いくつかの実施形態において、ラグ又はカーペットが少なくとも部分的にフロア130を被覆する。
【0015】
ステップ140は、フロア130を住宅の他のエリアから分離する。
図1Aのステップ140は、上り段である。いくつかの実施形態においてステップ140は下り段である。ステップ面145は、フロア130からステップ140への移行部である。いくつかの実施形態において、ステップ140は、フロア130と同じレベルであり、ステップ面145は、敷居又はフロア130とステップ140との間の境界である。ステップ面145は、ロボット100がフロア130からステップ140への移行を識別するのを助ける。例えば、いくつかの実施形態において、ステップ面は、ロボット100が、ステップ140の高さ、方向(上り又は下り)、及び/又は正確な位置を測定できるようにするために識別情報を含む。いくつかの実施形態において、識別情報は、例えば、ボディ110の中のRF検出器を使用してロボット100によって読み取り可能な無線周波識別(RFID)タグを含む。いくつかの実施形態において、識別情報は、例えばボディ110の中の光学検出器を使用してロボット100によって検出可能なシンボル、Qコード、バーコード又は他の適切なサインなどの光学的に検出可能なサインを含む。いくつかの実施形態において、ロボット100は、例えばボディ110の中の光学検出器によって、ロボット100によって捕捉された画像に基づいて、ステップ面145を識別できる。
【0016】
ステップ面145を検出すると、ボディ110内のコントローラは、ロボット100をステップ面145に近接して位置付けるためにホイール配列体120を制御する。その後、コントローラは、中心軸の周りでコネクタ126を回転することによって第1ホイール122を展開するためにホイール配列体120を制御する。その結果、第1ホイール122は、ボディ110内部からボディ110外部へ移動し、第2ホイール124は、ボディ110外部からボディ110内部へ移動する。いくつかの実施形態において、第1ホイール122は、ロボット100がステップ140を越える前に展開される。即ち、第1ホイール122は、フロア130上に展開される。いくつかの実施形態において、第1ホイール122は、第1ホイール122がフロア130に接触しないように、ステップ140の表面に展開される。
【0017】
ロボット100がステップ140を越えたら、ロボット100は、第1ホイール122で住宅の他のエリアの中へ入り、荷物が配達される住宅内の場所まで進む。その後、ロボット100は、ステップ140まで戻る。ロボット100は、ステップ140を越えて、フロア130まで戻り、第2ホイール124を展開する。ロボット100は、その後住宅を出て、配送センタへ戻るか、又は配達ルートに沿って次の住宅へ向かう。
【0018】
図1Bは、いくつかの実施形態に従ったロボット100の底面図である。ボディ110は、ボディ110の底面の第1側に沿って延びる第1開口115aを含む。ボディ110は、更に、ボディ110の底面の第2側に沿って延びる第2開口115bを含む。第1開口115a及び第2開口115b(まとめて開口115と称する)は、ボディ110の底面の大部分に沿って延びる。開口115は、ボディ110の内部とボディ110の外部との間のアクセスを与える。開口115は、ホイール配列体120が第1ホイール122又は第2ホイール124を選択的に展開できるようにする。いくつかの実施形態において、複数のホイール配列体120は開口115の各々に沿って位置付けられる。例えば、いくつかの実施形態において、ロボット100は、4つのホイール配列体120を含み、2つのホイール配列体120は開口115の各々と関連付けられる。
【0019】
いくつかの実施形態において、開口115は、第1ホイール122と第2ホイール124との切替え中に開き、切替えが完了したら閉まるように構成されたドアを含む。このようにして、ボディ110内のホイールは、外部環境から保護され、かつ/又は住宅内を移動しながら住宅内部に塵を落とす可能性を減らす。いくつかの実施形態において、開口115は、開口115内にブラシ又は可撓性フラップを含む。ブラシ又は可撓性フラップは、切替え時にホイールから塵を除去できるようにする。いくつかの実施形態において、ブラシ又は可撓性フラップは、住宅へ塵を入れないようにする点では開口部115のドアほど効果的ではない。しかし、ブラシ又は可撓性フラップは、それほどスペースを占めず、また、経時的な故障及びホイールの切替えを阻害するリスクを持つ可動部品を含まない。
【0020】
図1Cは、いくつかの実施形態に従ったロボット100の底面図である。
図1Bと異なり、
図1Cは、第1開口117a、第2開口117b、第3開口117c及び第4開口117dを含み、これらをまとめて開口117と称する。開口115と異なり、開口117は、比較的短く、ボディ110のコーナーに近接して配置される。いくつかの実施形態において、開口117は、単一のホイール配列体120を受け入れる。いくつかの実施形態において、開口117は、ドアを含む。いくつかの実施形態において、開口117はブラシ又は可撓性フラップを含む。
【0021】
図1B及び1Cは、ホイール配列体120を受け入れるためのボディの開口の2つの可能な配列を含む。付加的な開口配列が本開示の範囲に含まれることが当業者には分かるだろう。例えば、いくつかの実施形態において、ホイール配列体は三輪配列である。
【0022】
図2は、いくつかの実施形態に従った入口通路に在るロボット200の側面図である。ロボット200は、ロボット100と同様であり、同じ要素は同じ参照番号を有する。ロボット100と同様のロボット200の要素については、簡潔化のためにここでは説明しない。ロボット100と比較すると、ロボット200は、第1ホイール配列体220aと第2ホイール配列体220bとを含む(まとめて、ホイール配列体220と称する)。
図2は、2つのホイール配列体220を含むが、当業者は、いくつかの実施形態においてロボット200が2つを超えるホイール配列体を含むことが分かるだろう。
【0023】
第1ホイール配列体220aは、コネクタ226aに接続された第1ホイール222aを含む。第1ホイール222aは、第1ホイール122(
図1)と同様である。第1ホイール222aは、ボディ110内部の第1位置P1と少なくとも部分的にボディ110外部の第2位置P2との間で第1ホイール222aを移動するためにコネクタ226aに接続される。いくつかの実施形態において、第2位置P2は、完全にボディ110外部に在る。いくつかの実施形態において、第2位置P2は、部分的にボディ110内部に在る。
【0024】
第1ホイール配列体220aは、更に、コネクタ228aに接続された第2ホイール224aを含む。第2ホイール224aは、第2ホイール124(
図1)と同様である。第2ホイール224aは、ボディ110内部の位置から少なくとも部分的にボディ110外部の位置まで第2ホイール224aを移動するためにコネクタ228aに接続される。第1ホイール222aと同様に、第2ホイール224aは、完全にボディ110外部に在るように移動可能であるか、又はいくつかの実施形態において部分的にボディ110外部に在るように移動可能である。
【0025】
第2ホイール配列体220bは、第1ホイール配列体220aと同様である。第1ホイール配列体220aと同様の第2ホイール配列体220bの構成要素は、「a」の代わりに「b」が付いた同様の参照番号を持つ。第1ホイール配列体220aと比べて、第2ホイール配列体220bは、ボディ110の反対端に在る。第1ホイール配列体220a及び第2ホイール配列体220bは、別個にボディ110の中のコントローラによって制御可能である。
【0026】
ステップ面145を検出すると、ボディ110内部のコントローラは、ロボット100をステップ面145に近接して位置付けるために、第1ホイール配列体220a及び第2ホイール配列体220bを制御する。コントローラは、その後、中心軸に沿ったコネクタ226aの並進移動によって第1ホイール222aを展開するために第1ホイール配列体220aを制御する。その結果、第1ホイール22aは第1位置P1から第2位置P2へ移動する。その結果、第1ホイール222aは、ステップ140と接触する。いくつかの実施形態において、第2位置P2は、少なくとも部分的にボディ110の外部である予め設定された位置である。いくつかの実施形態において、第2位置P2は、荷物を倒すリスクを減らすためにボディ110を水平状態に維持するために第1ホイール222aの展開中に測定される。第1ホイール222aがボディ110を支えることができたら、コントローラは、第2ホイール224aからの塵がステップ140に置かれないようにするために、ボディ110内部の位置まで後退させるように第2ホイール224aを制御する。第2ホイール224aの後退後、コントローラは第1ホイール配列体220a及び第2ホイール配列体220bを制御して、第2ホイール配列体220bがステップ面145に近接するようにロボット200を移動する。第1ホイール配列体220aに関して上述した展開プロセスが、第2ホイール配列体220bで繰り返される。
【0027】
第1ホイール配列体220a及び第2ホイール配列体220bの両方がステップ140に乗ったら、ロボット200は、第1ホイール222a及び第1ホイール222bで住宅の他のエリア中へ入り、荷物を配達すべき住宅内の場所まで進む。その後、ロボット200はステップ140まで戻る。ロボット200は、その後ステップ140を越えてフロア130へ戻り、第1ホイール222a及び第1ホイール222bの展開に関して上述した態様とは逆に、第2ホイール224a及び第2ホイール224bを展開する。ロボット200は、その後住宅を出て、配送センタへ戻るか又は配達ルートに沿って次の住宅へ向かう。
【0028】
上述した説明はホイール配列体220のホイールの並進移動についてであるが、当業者は、回転運動も可能であることが分かるはずである。更に、
図2の第1ホイール222aは、第2ホイール224aのすぐ前にあるが、いくつかの実施形態において、第1ホイール222aは、
図2のページの中へ向かう方向に第2ホイール224aからオフセットされる。
【0029】
図3は、いくつかの実施形態に従ったロボットのためのホイール配列体300の側面図である。ホイール配列体300は、コネクタ326に接続されたホイール322を含む。ブラシ330もコネクタ326に接続されて、ホイール322の上方の第3位置P3からホイール322と接触する第4位置P4まで移動可能である。ブラシ330は、ホイール322が住宅の中に塵を運ぶリスクを減らすためにホイール322から塵を除去するために、ホイール322に対して回転するように構成される。いくつかの実施形態において、ホイール322は、第1ホイール122(
図1)と同様である。
【0030】
上述した説明はブラシ330の並進移動に関するが、当業者は、回転運動も可能であることが分かるはずである。更に、ブラシ330は、
図3において、ホイールのすぐ上方の位置に在るが、いくつかの実施形態において、ブラシ330の中心は、ホイール322の中心からオフセットされてもよい。
【0031】
ホイール配列体300は、ロボット100(
図1)及びロボット200(
図2)の両方において使用可能である。いくつかの実施形態において、ホイール配列体300は、ボディ110内部に在るホイールを清掃するために使用される。例えば、いくつかの実施形態において、ホイール配列体300は、第1位置P1(
図2)に在る第1ホイール222a又はボディ110の内部の第1ホイール122(
図1)を清掃するために使用される。いくつかの実施形態において、ホイール配列体300は、ボディ110の外部に在るホイールを清掃するために使用される。例えば、いくつかの実施形態において、ホイール配列体300は、フロア130(
図1)と接触する展開位置に在る第2ホイール124又は位置P2に在る第1ホイール222a(
図2)を清掃するために使用される。
【0032】
ホイール配列体300は、ホイール配列体120(
図1)又はホイール配列体220(
図2)の代わりにも使用可能である。例えば、いくつかの実施形態において、ホイール配列体300は、ロボット100(
図1)又はロボット200(
図2)が住宅へ入る前に単一のホイールを清掃するために使用される。
【0033】
例えば、ステップ面145を検出すると、ボディ110内のコントローラは、ホイール322に接触するようにブラシ330を制御し、ホイール322は、ブラシ330がホイール322から塵を除去するように回転する。いくつかの実施形態において、ブラシ330は、ホイール322と接触するように移動する。いくつかの実施形態において、ホイール322は、ブラシ330と接触するように移動する。いくつかの実施形態において、ホイール322及びブラシ330の両方が移動する。ホイール322から塵が除去された後、ホイール配列体300を備えたロボット100又はロボット200は、住宅の他のエリアの中へ進む。ブラシ330は、住宅での塵の量を減らすために荷物の配達後ステップ面145まで戻ったらホイール322から塵を清掃するために使用されない。
【0034】
図4は、いくつかの実施形態に従ったロボットのためのホイール配列体400の側面図である。ホイール配列体400は、コネクタ426に接続されたホイール422を含む。カバー440は、ホイール422の外円周の周りに取り付けられる。カバー440は、ロボット、例えばロボット100(
図1)又はロボット200(
図2)が住宅の中へ入ったら、ホイール422が住宅の中へ塵を運び入れるリスクを減らすために、ホイール422上に取り付けられる。いくつかの実施形態において、ホイール422は、第1ホイール122(
図1)と同様である。
【0035】
ホイール配列体400は、ロボット100(
図1)及びロボット200(
図2)の両方に使用可能である。いくつかの実施形態において、ホイール配列体400は、第1ホイール122(
図1)又は第1ホイール配列体222a/222b(
図2)に使用される。いくつかの実施形態において、カバー440は、配送センタにおいてホイール422に取り付けられる。配送センタにおいてホイール422にカバー440を取り付けることによって、それ以前の配達によってホイール422が拾い上げた塵をその後の配達において住宅へ運ぶのを防止できるようにする。いくつかの実施形態において、カバー440は、住宅に設置された機械を使用してホイール422に取り付けられる。いくつかの実施形態において、ロボット100(
図1)又はロボット200(
図2)は、ホイール422をカバー440で被覆するように荷受人に指示する。いくつかの実施形態において、指示は、スピーカ又はディスプレイによって与えられる。
【0036】
ホイール配列体400は、ホイール配列体300(
図3)と一緒でも使用可能である。例えば、いくつかの実施形態において、ホイール配列体300は、ホイールを清掃するために使用可能であり、その後、カバー440がきれいなホイールに取り付けられる。
【0037】
ホイール配列体400は、ホイール配列体120(
図1)、ホイール配列体220(
図2)、又はホイール配列体300(
図3)の代わりにも使用可能である。例えば、いくつかの実施形態において、ホイール配列体400は、ロボット100(
図1)又はロボット200(
図2)が住宅へ入る前に、例えば住宅に設置された機械を使用して又はホイール422にカバー440を取り付けるよう荷受人に指示することによって、単一のホイールを被覆するために使用される。
【0038】
図5Aは、いくつかの実施形態に従ったホイール500の側面図である。ホイール500は、内側ホイール510と外側ホイール520とを含む。いくつかの実施形態において、ホイール500は、ホイール配列体120(
図1)、ホイール配列体200(
図2)、ホイール配列体300(
図3)又はホイール配列体400(
図4)において使用可能である。ホイール500は、例えば、配送センタから住宅まで移動するためにトラックシステム、例えばレイズドトラックシステム(raised track system)がロボットによって使用可能である場合に使用可能である。このようなトラックシステムにおいて、より小さい直径の内側ホイール510は、トラックに接触し、より大きい直径の外側ホイール520は、外側ホイール520への塵の蓄積を減らすためにトラックから離れている。したがって、外側ホイール520を使用してロボットが住宅へ入って住宅のフロアに接触したとき、ホイール500の塵が住宅のフロアに運ばれるリスクが減る。
【0039】
図5Bは、いくつかの実施形態に従ったホイール500の前面図である。いくつかの実施形態において、外側ホイール520は、ボディ110(
図1)の中心部分により近い。いくつかの実施形態において、内側ホイール510は、ボディ110(
図1)の中心部分により近い。
【0040】
当業者は、ホイール500が上述のホイール配列体120、220、300又は400のどれとでも使用可能であることが分かるだろう。
【0041】
図6は、いくつかの実施形態に従ったロボットを制御するためのシステム600の概略図である。システム600は、第1ロボット620及び第2ロボット630と通信できる配送センタ610を含む。更に、第1ロボット620は、第2ロボット630とも通信できる。配送センタ610、第1ロボット620及び第2ロボット630の間の通信は、無線通信及び/又は有線通信を使用して可能である。
【0042】
配送センタ610は、住所、荷物情報、ルート情報及び配達命令などの情報を伝えるために、第1ロボット620及び第2ロボット630と通信できる。第1ロボット620及び第2ロボット630は、配達状態、ロボットの位置及び作動状態などの情報を伝えるために配送センタ610と通信できる。いくつかの実施形態において、荷物の配達は、ロボットが住宅へのドアを開けることを含む。いくつかの実施形態において、第1ロボット620及び第2ロボット630は、住宅のドアを開けるための情報を受け取るため、又はドアを開けるための要請が失敗したと言う通知を配送センタ610へ与えるために配送センタ610と通信する。いくつかの実施形態において、ドアを開けるための要請が失敗したと通知した後、配送センタ610又は対応する第1ロボット620又は第2ロボット630は、ドアを開けることに失敗したことを荷受人に通知する。いくつかの実施形態において、通知は、携帯端末が荷受人へアラートを表示するように荷受人の携帯端末に送信される。
【0043】
第1ロボット620は、移動条件を更新するために第2ロボット630と通信できる。例えば、歩道がブロックされて歩道に沿った移動が妨げられる場合、ロボットはこの情報を共有できる。いくつかの実施形態において、第1ロボット620及び第2ロボット630の各々は、同じ荷受人宛ての荷物を持ち、荷受人の住所への妨害を最小限に抑えるために配達時間を調整できる。第1ロボット620及び第2ロボット630は、ロボット100(
図1)、ロボット200(
図2)、又はホイール配列体300(
図3)、ホイール配列体400(
図4)若しくはホイール500(
図5A)を含むように修正されたロボット100又はロボット200のいずれかから選択できる。
【0044】
図7は、いくつかの実施形態に従った荷物を配達する方法700のフローチャートである。方法700は、ロボット100(
図1)、ロボット200(
図2)、又はホイール配列体300(
図3)、ホイール配列体400(
図4)若しくはホイール500(
図5A)を含めるように修正されたロボット100若しくはロボット200のいずれかによって実現できる。
【0045】
動作705において、ロボットは、配送センタにおいて荷物を受け取る。いくつかの実施形態において、ロボットは、荷物がロボットの外面に固定されることによって荷物を受け取る。いくつかの実施形態において、ロボットは、荷物がロボットのボディ内部に挿入されることによって荷物を受け取る。いくつかの実施形態において、ロボットは、複数の荷物を受け取る。いくつかの実施形態において、様々な荷物は、ロボットのボディ内の様々なコンパートメントに入れられる。例えば、いくつかの実施形態において、1つの荷物は、ボディの中のクーラーコンパートメントに入れられ、別の荷物は、クーラーコンパートメント以外のコンパートメントに入れられる。ロボットが荷物を受け取るとき、ロボットは、荷物と関連付けられる住所情報を含む配達命令も受け取る。
【0046】
動作710において、ロボットは、配送センタから指定される住宅まで、第1ホイールセットを使用して移動する。指定された住宅は、受け取った配達命令に基づいて特定される。配送センタから指定された住宅までのルートは、指定された住宅の場所及びロボットの検出位置に基づいて特定される。いくつかの実施形態において、ルートは、ルートに沿った更新された情報に基づいて通過中に調節される。いくつかの実施形態において、第1ホイールセットは、第2ホイール124(
図1)、第2ホイール224a及び224b(
図2)又はホイール配列体300(
図3)、ホイール配列体400(
図4)若しくはホイール500(
図5A)に基づく修正版に対応する。
【0047】
任意の動作715において、ロボット又は配送センタは、住宅のドアを開くように住宅へ信号を送る。いくつかの実施形態において、信号は、無線で又は有線接続で送信される。いくつかの実施形態において、信号は無線周波数、赤外線周波数又はその他の適切な周波数を使用して送信される。いくつかの実施形態において、ドアは、ドアベルなど住宅と関連付けられる機器によって送られる認証要請に応答して送信されるロボットからの認証コードに応答して自動的に開く。いくつかの実施形態において、ロボット又は配送センタは、荷受人にドアを開けるようにアラートを送信し、荷受人は手で又はリモートでドアを開ける。いくつかの実施形態において、任意の動作715は、荷物が住宅の外部に配達される状況においては省略される。いくつかの実施形態において、配達命令に基づいて荷物が住宅の外部に配達されるか否かが判定される。
【0048】
動作720において、ロボットは、指定された住宅へ入る。ロボットは、第1ホイールセットを使用して住宅へ入る。いくつかの実施形態において、ロボットは、ステップ面145(
図1)などのステップ又は敷居が検出されるまで住宅へ進入する。
【0049】
任意の動作725において、ロボットは、第1ホイールセットから第2ホイールセットへ移行する。いくつかの実施形態において、第2ホイールセットは、第1ホイール122(
図1)、第1ホイール222a及び222b(
図2)又はホイール配列体300(
図3)、ホイール配列体400(
図4)又はホイール500(
図5A)に基づく修正版に対応する。いくつかの実施形態において、第1ホイールセットから第2ホイールセットへの移行は、ステップ面145(
図1)などのステップ又は敷居の検出に応答する。第1ホイールセットから第2ホイールセットへの移行は、様々な実施形態に関して上述したように実施される。いくつかの実施形態において、動作725は、ロボットが単一のホイールセットを含むとき省略される。いくつかの実施形態において、任意の動作725は、ステップ又は敷居が住宅のドアの場所と一致することに応答して動作720の前に実施される。
【0050】
任意の動作730において、第1ホイールセット及び/又は第2ホイールセットは、清掃されるか、又は、第1ホイールセット又は第2ホイールセットにカバーが取り付けられる。いくつかの実施形態において、第1ホイールセット及び/又は第2ホイールセットは、ブラシ330(
図3)などの回転ブラシを使用して、又はホイールセットが開口115(
図1B)若しくは開口117(
図1C)などのブラシ若しくは可撓性フラップ開口を通り抜けることによって、清掃される。いくつかの実施形態において、カバーは、住宅にある機械によって第1ホイールセット又は第2ホイールセットに取り付けられる。いくつかの実施形態において、カバーは、スピーカ又はディスプレイを使用するロボットからの指示に応答して、荷受人によって第1ホイールセット又は第2ホイールセットに取り付けられる。いくつかの実施形態において、カバーは、ロボットが配送センサを出発する前に配送センタにおいて第2ホイールセットに取り付けられる。いくつかの実施形態において、動作730は、ホイール配列体300(
図3)又はホイール配列体400(
図4)が使用されないとき省略される。いくつかの実施形態において、動作730は、カバーが配送センタにおいて第2ホイールセットに取り付けられるとき動作710前に実施される。いくつかの実施形態において、動作730は、住宅への塵の運び入れを減らすためにロボットが住宅へ入る前に第1ホイールセット及び/又は第2ホイールセットが清掃される場合、動作720前に実施される。
【0051】
動作735において、荷物は、指定された住宅内部の指定場所に配達される。ロボットは、第2ホイールセット、清掃された第1ホイールセット若しくは第2ホイールセット、又はカバーを取り付けられた第1ホイールセット若しくは第2ホイールセットで指定場所まで移動する。指定場所は、配達命令に基づいて特定される。いくつかの実施形態において、ロボットは、荷物をロボットから取り去るためにアーム又はコンベアベルトなどのコンベアを含む。いくつかの実施形態において、ロボットは、荷受人が荷物をロボットから取り去るために、スピーカ又はディスプレイなどによって荷受人に指示を与える。いくつかの実施形態において、ロボットは、適切な荷物が住宅に配達されるようにするために、取り出された荷物を走査するように構成されたスキャナを含む。いくつかの実施形態において、配達確認メッセージが、荷物の配達後に配送センタへ送られる。
【0052】
任意の動作740において、ロボットは、第2ホイールセットから第1ホイールセットへ移行する。いくつかの実施形態において、第2ホイールセットから第1ホイールセットへの移行は、ステップ面145(
図1)などのステップ又は敷居の検出に応答して行われる。第2ホイールセットから第1ホイールセットへの移行は、様々な実施形態に関連して上述したように実施される。いくつかの実施形態において、動作740は、ロボットが単一のホイールセットを含むときには省略される。
【0053】
動作745において、ロボットは、配送センタへ戻るか又は次の指定された住宅へ進む。いくつかの実施形態において、ロボットは、ロボットがそれ以上配達する荷物を持たないとき配送センタへ戻る。いくつかの実施形態において、ロボットは、付加的な配達荷物に関連付けられる配達命令に基づいて次の指定された住宅へ進む。
【0054】
当業者は、方法700がいくつかの実施形態において付加的な動作を含むことが分かるだろう。例えば、いくつかの実施形態において、方法700は、配達後ドアが適切に閉められたことを荷受人に知らせるために、荷物の配達後に住宅の閉められたドアの画像を捕捉するための動作を含む。いくつかの実施形態において、上述のような方法700の動作は、省略される。いくつかの実施形態において、方法700の動作の順番は、上述の動作とは異なる順番などに修正される。
【0055】
図8は、いくつかの実施形態に従ったコントローラ800の概略図である。コントローラ800は、ロボット100(
図1)若しくはロボット200(
図2)などのロボットにおいて、又は配送センタ610(
図6)などの配送センタにおいて、コントローラとして使用可能である。コントローラ800は、ハードウェアプロセッサ802と、コンピュータプログラムコード806、即ち1組の実行可能な命令でコード化、即ちこれを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体804と、を含む。コンピュータ可読記憶媒体804は、メモリアレイを生成するために製造機械とインターフェイスするための命令807でコード化される。プロセッサ802は、バス808を介してコンピュータ可読記憶媒体804に電気的に結合される。プロセッサ802は、バス808を介してI/Oインターフェイス810にも電気的に結合される。ネットワークインターフェイス812も、バス808を介してプロセッサ802に電気的に接続される。ネットワークインターフェイス812は、ネットワーク814に接続されるので、プロセッサ802及びコンピュータ可読記憶媒体804は、ネットワーク814を介して外部要素に接続できる。プロセッサ802は、方法700において説明する動作及び/又は
図1~6に関連して上で説明する動作の一部分又は全てを実行するためにコントローラ800を使用可能にするために、コンピュータ可読記憶媒体804においてコード化されたコンピュータプログラムコード806を実行するように構成される。
【0056】
いくつかの実施形態において、プロセッサ802は、中央処理ユニット(CPU)、マルチプロセッサ、分散処理システム、特定用途向け集積回路(ASIC)及び/又は適切な処理ユニットである。
【0057】
いくつかの実施形態において、コンピュータ可読記憶媒体804は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線及び/又は半導体システム(又は装置又は機器)である。例えば、コンピュータ可読記憶媒体804は、半導体又はソリッドステートメモリ、磁気テープ、着脱式コンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、剛性磁気ディスク及び/又は光ディスクを含む。光ディスクを使用するいくつかの実施形態において、コンピュータ可読記憶媒体804は、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、コンパクトディスク読取り/書込み(CD-R/W)及び/又はデジタルビデオディスク(DVD)を含む。
【0058】
いくつかの実施形態において、記憶媒体804は、コントローラ800の作動を可能にするように構成されたコンピュータプログラムコード806を記憶する。いくつかの実施形態において、記憶媒体804は、コントローラ800が作動するために必要な情報及び配達命令パラメータ816、位置情報パラメータ818、荷物情報パラメータ820及び/又はコントローラ800を作動するための実行可能な1組の命令などのコントローラ800の作動時に生成された情報も記憶する。
【0059】
いくつかの実施形態において、記憶媒体804は、住宅のドア又は荷受人と関連付けられる携帯端末などの外部機器とインターフェイスするための命令807を記憶する。命令807は、外部機器が読み取れる命令をプロセッサ802が生成できるようにする。
【0060】
システム800は、I/Oインターフェイス810を含む。I/Oインターフェイス810は、外部回路構成に結合される。いくつかの実施形態において、I/Oインターフェイス810は、プロセッサ802に情報及びコマンドを通信するためのキーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、トラックパッド及び/又はカーソル方向キーを含む。
【0061】
コントローラ800は、プロセッサ802に結合されたネットワークインターフェイス812を含む。ネットワークインターフェイス812は、コントローラ800がネットワーク814と通信できるようにし、ネットワークに1つ又は複数の他のコンピュータシステムが接続される。ネットワークインターフェイス812は、BLUETOOTH(登録商標)、WIFI、WIMAX、GPRS又はWCDMA(登録商標)などの無線ネットワークインターフェイス又はETHERNET(登録商標)、USB又はIEEE-1394などの有線ネットワークインターフェイスを含む。いくつかの実施形態において、
図1~7において上で説明するプロセスは、2つ又はそれ以上のコントローラ800において実現され、配達命令、荷物情報及び位置情報などの情報は、ネットワーク514を介して様々なコントローラ800間で交換される。
【0062】
ここで説明する1つの形態は、ロボットに関する。ロボットは、内部開口を有するボディを含む。ロボットは、内部開口から外へ展開し且つ内部開口の中に後退するように構成された第1ホイールを更に含む。ロボットは、内部開口から外へ展開し且つ内部開口の中へ後退するように構成された第2ホールを更に含む。ロボットは、更に、ロボットの位置を測定するように構成されたセンサを含む。ロボットは、第1ホイール及び第2ホイールの各々を制御するように構成されたコントローラを更に含み、コントローラは、ロボットの位置が予め設定された位置に在ることに応答して、第2ホイールを内部開口から外へ展開させ且つ第1ホイールを内部開口の中へ後退させるように構成される。いくつかの実施形態において、ロボットは、ドアを更に含み、ドアは、第2ホイールが内部開口から外へ展開するのに応答して開くように構成される。いくつかの実施形態において、ドアは、第1ホイールが内部開口の中へ後退するのに応答して閉まるように構成される。いくつかの実施形態において、ロボットは、更に、ブラシエンクロージャを更に含み、第1ホイールは、内部開口の中への後退する間にブラシエンクロージャを通り抜けるように構成される。いくつかの実施形態において、ロボットは、清掃機構を更に含み、第1ホイール又は第2ホイールの少なくとも一方は、清掃機構に接触するように構成される。いくつかの実施形態において、第1ホイール又は第2ホイールの少なくとも一方は、清掃機構と接触している間に回転するように構成される。いくつかの実施形態において、センサは、無線周波識別(RFID)タグ、光学感知、又は赤外線感知の少なくとも1つに基づいてロボットの位置を測定するように構成される。いくつかの実施形態において、コントローラは、内部開口から第2ホイールを外へ展開するために第2ホイールを回転されるように構成される。いくつかの実施形態において、コントローラは、内部開口の中へ第1ホイールを後退させるために第1ホイールを回転させるように構成される。いくつかの実施形態において、コントローラは、第2ホイールの回転と同時に第1ホイールを回転させるように構成される。いくつかの実施形態において、コントローラは、内部開口から第2ホイールを外へ展開するために第2ホイールを並進するように構成される。
【0063】
本明細書に説明する1つの形態は、ロボットに関する。ロボットは、荷物を受け入れるための開口を有するボディを含む。ロボットは、ボディから外へ展開し且つボディの中へ後退するように構成された第1ホイールを含む。ロボットは、ボディから外へ展開し且つボディの中へ後退するように構成された第2ホイールを更に含む。ロボットは、第1ホイール及び第2ホイールの各々を制御するように構成されたコントローラを更に含む。コントローラは、ロボットを第1場所から第2場所(第2場所は住宅である)まで推進するために第1ホイールを制御し、住宅においてステップ又は敷居の存在を検出し、ステップ又は敷居の検出に応答して第2ホイールをボディから外へ展開させ、ステップ又は敷居の検出に応答して第1ホイールをボディの中へ後退させるように構成される。いくつかの実施形態において、後退位置において、第2ホイールは、垂直方向に第1ホイールと整列する。いくつかの実施形態において、後退位置において、第2ホイールは、水平方向に第1ホイールからオフセットする。いくつかの実施形態において、コントローラは、第2ホイールを展開させるのと同時に第1ホイールを後退させるように構成される。いくつかの実施形態において、コントローラは、第2ホイールを展開させたのちに第1ホイールを後退させるように構成される。いくつかの実施形態において、ロボットは、第2ホイールの外周の周りにカバーを更に含む。いくつかの実施形態において、第2ホイールは、外周の周りに第2カバーを維持したまま展開するように構成される。いくつかの実施形態において、ロボットは、清掃機構を更に含み、清掃機構は、第1ホイール又は第2ホイールの少なくとも一方から塵を除去するように構成される。
【0064】
本明細書に説明する1つの形態は、ロボットに関する。ロボットは、荷物を受け入れるための開口を有するボディを更に含む。ロボットは、ボディに取り付けられた第1ホイールを更に含む。ロボットは、清掃機構を更に含み、清掃機構は、第1ホイールに対して移動可能である。ロボットは、第1ホイール及び清掃機構の各々を制御するように構成されたコントローラを更に含む。コントローラは、ロボットを第1場所から第2場所(第2場所は住宅である)まで推進するために第1ホイールを制御し、住宅においてステップ又は敷居の存在を検出し、ステップ又は敷居の検出に応答して第1ホイールに接触するように清掃機構を移動させ、清掃機構が第1ホイールと接触するのに応答して第1ホイール又は清掃機構を回転させるように構成される。
【0065】
当業者は本開示の形態をよく理解できるように、上にいくつかの実施形態の特徴を概説する。当業者は、本明細書に紹介する実施形態の同じ目的を実行しかつ/又は同じ利点を得るために他のプロセス及び構造を設計又は修正するための基礎として本開示を容易に使用できることが分かるはずである。当業者は、又、これらの同等の構成が本開示の主旨及び範囲から逸脱せず、かつ本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更、代替及び修正を加えることができることが分かるはずである。