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特許7400904車両制御システム、車両制御装置、車両制御方法、及び車両制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】車両制御システム、車両制御装置、車両制御方法、及び車両制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20231212BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20231212BHJP
   B60W 30/16 20200101ALI20231212BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G08G1/16 A
B60W60/00
B60W30/16
G08G1/09 V
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022140871
(22)【出願日】2022-09-05
(62)【分割の表示】P 2019127783の分割
【原出願日】2019-07-09
(65)【公開番号】P2022171746
(43)【公開日】2022-11-11
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 友紀
(72)【発明者】
【氏名】中西 司
(72)【発明者】
【氏名】森川 裕太
(72)【発明者】
【氏名】山室 直樹
(72)【発明者】
【氏名】辰本 裕樹
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-095851(JP,A)
【文献】特開2018-106676(JP,A)
【文献】国際公開第2019/077739(WO,A1)
【文献】特開2017-037634(JP,A)
【文献】特開2018-063703(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0308082(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
G05D 1/00 - 1/12
B60T 7/12 - 8/1769
B60T 8/32 - 8/96
G09B 23/00 - 29/14
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔自動運転モードによる走行が可能な車両を制御する車両制御装置と、車両を遠隔から操作する遠隔操作端末と、を備える車両制御システムであって、
前記車両制御装置は、
自車両の周辺の車両である周辺車両の運転モードを表す周辺車両運転モードを取得し、
前記周辺車両の前記周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードであって、かつ自車両の運転モードが遠隔自動運転モードである場合に、前記遠隔操作端末に対し、自車両と前記周辺車両との間の距離が予め定められた距離以上となるような操作制限に関する制御信号を出力し、自車両を操作する遠隔操作端末から送信された操作情報に応じて、遠隔自動運転モードで自車両の走行を制御し、
前記制御信号を前記遠隔操作端末に対して出力する際には、
前記周辺車両が自車両の前方に存在する場合であって、かつ自車両と前記前方に存在する周辺車両との間の距離が予め定められた距離未満である場合には、自車両を加速させるような遠隔操作を制限する前記制御信号を、前記遠隔操作端末に対して出力し、
前記周辺車両が自車両の後方に存在する場合であって、かつ自車両と前記後方に存在する周辺車両との間の距離が予め定められた距離未満である場合には、自車両を減速させるような遠隔操作を制限する前記制御信号を、前記遠隔操作端末に対して出力する、
車両制御システム。
【請求項2】
前記車両制御装置は、前記周辺車両の前記周辺車両運転モードを表す情報を、自車両内の出力装置から出力させるように制御する、
請求項1に記載の車両制御システム。
【請求項3】
前記車両制御装置は、自律自動運転モード及び遠隔自動運転モードによる走行が可能な自車両を制御する車両制御装置であり、
前記車両制御装置は、前記周辺車両の前記周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードであって、かつ自車両の運転モードが自律自動運転モードである場合に、前記周辺車両と自車両との間の距離が予め定められた距離以上となるように、自律自動運転モードで自車両の走行を制御する、
請求項1又は請求項2に記載の車両制御システム。
【請求項4】
前記車両制御装置は、
前記周辺車両が自車両の前方に存在する場合であって、かつ自車両と前記前方に存在する周辺車両との間の距離が予め定められた距離未満である場合には、自車両を減速させるように自律自動運転モードで自車両の走行を制御し、
前記周辺車両が自車両の後方に存在する場合であって、かつ自車両と前記後方に存在する周辺車両との間の距離が予め定められた距離未満である場合には、自車両を加速させるように自律自動運転モードで自車両の走行を制御する、
請求項3に記載の車両制御システム。
【請求項5】
遠隔自動運転モードによる走行が可能な車両を制御する車両制御装置であって、
自車両の周辺の車両である周辺車両の運転モードを表す周辺車両運転モードを取得し、
前記周辺車両の前記周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードであって、かつ自車両が遠隔自動運転モードである場合に、自車両を操作する遠隔操作端末に対し、自車両と前記周辺車両との間の距離が予め定められた距離以上となるような操作制限に関する制御信号を出力し、自車両を操作する遠隔操作端末から送信された操作情報に応じて、遠隔自動運転モードで自車両の走行を制御し、
前記制御信号を前記遠隔操作端末に対して出力する際には、
前記周辺車両が自車両の前方に存在する場合であって、かつ自車両と前記前方に存在する周辺車両との間の距離が予め定められた距離未満である場合には、自車両を加速させるような遠隔操作を制限する前記制御信号を、前記遠隔操作端末に対して出力し、
前記周辺車両が自車両の後方に存在する場合であって、かつ自車両と前記後方に存在する周辺車両との間の距離が予め定められた距離未満である場合には、自車両を減速させるような遠隔操作を制限する前記制御信号を、前記遠隔操作端末に対して出力する、
車両制御装置。
【請求項6】
遠隔自動運転モードによる走行が可能な車両を制御する車両制御装置における車両制御方法であって、
前記車両制御装置が、自車両の周辺の車両である周辺車両の運転モードを表す周辺車両運転モードを取得し、
前記車両制御装置が、前記周辺車両の前記周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードであって、かつ自車両が遠隔自動運転モードである場合に、自車両を操作する遠隔操作端末に対し、自車両と前記周辺車両との間の距離が予め定められた距離以上となるような操作制限に関する制御信号を出力し、自車両を操作する遠隔操作端末から送信された操作情報に応じて、遠隔自動運転モードで自車両の走行を制御し、
前記制御信号を前記遠隔操作端末に対して出力する際には、
前記車両制御装置が、前記周辺車両が自車両の前方に存在する場合であって、かつ自車両と前記前方に存在する周辺車両との間の距離が予め定められた距離未満である場合には、自車両を加速させるような遠隔操作を制限する前記制御信号を、前記遠隔操作端末に対して出力し、
前記車両制御装置が、前記周辺車両が自車両の後方に存在する場合であって、かつ自車両と前記後方に存在する周辺車両との間の距離が予め定められた距離未満である場合には、自車両を減速させるような遠隔操作を制限する前記制御信号を、前記遠隔操作端末に対して出力する、
車両制御方法。
【請求項7】
遠隔自動運転モードによる走行が可能な車両を制御する車両制御プログラムであって、
自車両の周辺の車両である周辺車両の運転モードを表す周辺車両運転モードを取得し、
前記周辺車両の前記周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードであって、かつ自車両が遠隔自動運転モードである場合に、自車両を操作する遠隔操作端末に対し、自車両と前記周辺車両との間の距離が予め定められた距離以上となるような操作制限に関する制御信号を出力し、自車両を操作する遠隔操作端末から送信された操作情報に応じて、遠隔自動運転モードで自車両の走行を制御し、
前記制御信号を前記遠隔操作端末に対して出力する際には、
前記周辺車両が自車両の前方に存在する場合であって、かつ自車両と前記前方に存在する周辺車両との間の距離が予め定められた距離未満である場合には、自車両を加速させるような遠隔操作を制限する前記制御信号を、前記遠隔操作端末に対して出力し、
前記周辺車両が自車両の後方に存在する場合であって、かつ自車両と前記後方に存在する周辺車両との間の距離が予め定められた距離未満である場合には、自車両を減速させるような遠隔操作を制限する前記制御信号を、前記遠隔操作端末に対して出力する、
処理をコンピュータに実行させるための車両制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御システム、車両制御装置、車両制御方法、及び車両制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両を遠隔制御するシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第9964948号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に開示されているような、遠隔操作により走行する車両(以下、単に「遠隔自動運転モードにより走行する車両」と称する。)が普及した場合、遠隔自動運転モードにより走行する車両と、遠隔操作によらずに自律的に走行する車両(以下、単に「自律自動運転モードにより走行する車両」と称する。)と、乗員の手動操作により走行する車両(以下、単に「手動運転モードにより走行する車両」と称する。)と、が混在しているという状況が起こり得る。
【0005】
このような状況下においては、車両を遠隔操作する遠隔操作員は実際の車両に乗車しているわけではないため、実際の車間距離の感覚が掴めない場合がある。この場合、例えば、遠隔自動運転モードにより走行する車両と他の車両とが、過度に接近してしまうという、という状況が起こり得る。
【0006】
上記特許文献1には、自立走行車を遠隔制御することが開示されているのみであり、車両が混在して走行している場合については考慮されていない。このため、上記特許文献1に開示されている技術を用いた場合には、遠隔自動運転モードの車両と他の車両との間において、適切な車間距離が保たれないときがある、という課題がある。
【0007】
本発明は、上記事実を考慮し、遠隔自動運転モードの車両と自車両との間の車間距離を適切に保つことができる車両制御システム、車両制御装置、車両制御方法、及び車両制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の車両制御システムは、自律自動運転モード、遠隔自動運転モード、及び手動運転モードによる走行が可能な車両を制御する車両制御装置と、車両を遠隔から操作する遠隔操作端末と、を備える車両制御システムであって、前記車両制御装置は、自車両の周辺の車両である周辺車両の運転モードを表す周辺車両運転モードを取得し、前記周辺車両の前記周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードであって、かつ自車両の運転モードが自律自動運転モードである場合に、前記周辺車両と自車両との間の距離が予め定められた距離以上となるように、自律自動運転モードで自車両の走行を制御する、車両制御システムである。
【0009】
請求項1に記載の車両制御システムの車両制御装置は、自車両の周辺の車両である周辺車両の運転モードを表す周辺車両運転モードを取得し、周辺車両の周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードであって、かつ自車両の運転モードが自律自動運転モードである場合に、周辺車両と自車両との間の距離が予め定められた距離以上となるように、自律自動運転モードで自車両の走行を制御する。これにより、遠隔自動運転モードの周辺車両と自車両との間の車間距離を適切に保つことができる。より詳細には、遠隔自動運転モードの周辺車両と自律自動運転モードの自車両との間の車間距離を適切に保つことができる。これにより、乗員の不安が解消される。
【0010】
なお、運転モードとは、車両の走行制御の種類を表し、自律自動運転モード、遠隔自動運転モード、及び手動運転モードがある。自律自動運転モードは、車両に備えられた各種センサによって逐次検出される情報に基づいて、車両が自律的に走行する運転モードである。また、遠隔自動運転モードは、遠隔操作端末から出力される操作情報に基づいて、車両が走行する運転モードである。また、手動運転モードは、車両に乗車している乗員の運転によって走行する運転モードである。また、周辺車両とは、自車両との間の距離が所定の距離未満である車両である。
【0011】
請求項2に記載の車両制御システムの車両制御装置は、自車両の周辺の車両である周辺車両の運転モードを表す周辺車両運転モードを取得し、周辺車両の周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードであって、かつ自車両の運転モードが遠隔自動運転モードである場合に、自車両を操作する遠隔操作端末及び周辺車両を操作する遠隔操作端末の少なくとも一方に対し、自車両と周辺車両との間の距離が予め定められた距離以上となるような操作制限に関する制御信号を出力し、自車両を操作する遠隔操作端末から送信された操作情報に応じて、遠隔自動運転モードで自車両の走行を制御する。これにより、遠隔自動運転モードの周辺車両と自車両との間の車間距離を適切に保つことができる。より詳細には、遠隔自動運転モードの周辺車両と遠隔自動運転モードの自車両との間の車間距離を適切に保つことができる。これにより、乗員の不安が解消される。
【0012】
請求項3に記載の前記車両制御装置は、前記周辺車両の前記周辺車両運転モードを表す情報を、自車両内の出力装置から出力させるように制御するようにすることができる。これにより、自車両の乗員は周辺車両がどの運転モードにより走行しているのかを認識することができる。
【0013】
請求項4に記載の車両制御装置は、自律自動運転モード、遠隔自動運転モード、及び手動運転モードによる走行が可能な車両を制御する車両制御装置であって、自車両の周辺の車両である周辺車両の運転モードを表す周辺車両運転モードを取得し、前記周辺車両の前記周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードであって、かつ自車両の運転モードが自律自動運転モードである場合に、前記周辺車両と自車両との間の距離が予め定められた距離以上となるように、自律自動運転モードで自車両の走行を制御する、車両制御装置である。
【0014】
請求項5に記載の車両制御装置は、自律自動運転モード、遠隔自動運転モード、及び手動運転モードによる走行が可能な車両を制御する車両制御装置であって、自車両の周辺の車両である周辺車両の運転モードを表す周辺車両運転モードを取得し、前記周辺車両の前記周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードであって、かつ自車両が遠隔自動運転モードである場合に、自車両を操作する遠隔操作端末及び前記周辺車両を操作する遠隔操作端末の少なくとも一方に対し、自車両と前記周辺車両との間の距離が予め定められた距離以上となるような操作制限に関する制御信号を出力し、自車両を操作する遠隔操作端末から送信された操作情報に応じて、遠隔自動運転モードで自車両の走行を制御する、車両制御装置である。
【0015】
請求項6に記載の車両制御方法は、自律自動運転モード、遠隔自動運転モード、及び手動運転モードによる走行が可能な車両を制御する車両制御装置における車両制御方法であって、前記車両制御装置が、自車両の周辺の車両である周辺車両の運転モードを表す周辺車両運転モードを取得し、前記車両制御装置が、前記周辺車両の前記周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードであって、かつ自車両が自律自動運転モードである場合に、前記周辺車両と自車両との間の距離が予め定められた距離以上となるように、自律自動運転モードで自車両の走行を制御する、車両制御方法である。
【0016】
請求項7に記載の車両制御方法は、自律自動運転モード、遠隔自動運転モード、及び手動運転モードによる走行が可能な車両を制御する車両制御装置における車両制御方法であって、前記車両制御装置が、自車両の周辺の車両である周辺車両の運転モードを表す周辺車両運転モードを取得し、前記車両制御装置が、前記周辺車両の前記周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードであって、かつ自車両が遠隔自動運転モードである場合に、自車両を操作する遠隔操作端末及び前記周辺車両を操作する遠隔操作端末の少なくとも一方に対し、自車両と前記周辺車両との間の距離が予め定められた距離以上となるような操作制限に関する制御信号を出力し、自車両を操作する遠隔操作端末から送信された操作情報に応じて、遠隔自動運転モードで自車両の走行を制御する、車両制御方法である。
【0017】
請求項8に記載の車両制御プログラムは、自律自動運転モード、遠隔自動運転モード、及び手動運転モードによる走行が可能な車両を制御する車両制御プログラムであって、自車両の周辺の車両である周辺車両の運転モードを表す周辺車両運転モードを取得し、前記周辺車両の前記周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードであって、かつ自車両が自律自動運転モードである場合に、前記周辺車両と自車両との間の距離が予め定められた距離以上となるように、自律自動運転モードで自車両の走行を制御する、処理をコンピュータに実行させるための車両制御プログラムである。
【0018】
請求項9に記載の車両制御プログラムは、自律自動運転モード、遠隔自動運転モード、及び手動運転モードによる走行が可能な車両を制御する車両制御プログラムであって、自車両の周辺の車両である周辺車両の運転モードを表す周辺車両運転モードを取得し、前記周辺車両の前記周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードであって、かつ自車両が遠隔自動運転モードである場合に、自車両を操作する遠隔操作端末及び前記周辺車両を操作する遠隔操作端末の少なくとも一方に対し、自車両と前記周辺車両との間の距離が予め定められた距離以上となるような操作制限に関する制御信号を出力し、自車両を操作する遠隔操作端末から送信された操作情報に応じて、遠隔自動運転モードで自車両の走行を制御する、処理をコンピュータに実行させるための車両制御プログラムである。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、遠隔自動運転モードの車両と自車両との間の車間距離を適切に保つことができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態の概要を説明するための説明図である。
図2】本実施形態に係る車両制御システムの概略ブロック図である。
図3】車両制御システムを構成する各装置のコンピュータの構成例を示す図である。
図4】第1実施形態に係るECUで行われる処理の一例を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態に係るECUで行われる処理の一例を示すフローチャートである。
図6】周辺車両運転モードの出力を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1の実施形態>
【0022】
以下、図面を用いて第1実施形態の車両制御システムについて説明する。
【0023】
図1は、本実施形態の概要を説明するための説明図である。図1に示されるように、自律自動運転モード又は手動運転モードにより走行する自車両12Aと、遠隔自動運転モードにより走行する周辺車両12Bとが道路を走行している場面を考える。
【0024】
この場合、図1に示されるように、周辺車両12Bは遠隔操作員Uによって操作されている。しかし、遠隔操作員Uは実際に車両に乗車しているわけではないため、自車両12Aとの間の車間距離の感覚を適切に把握できていない場合もある。この場合、自車両12Aの乗員及び周辺車両12Bの乗員は、車間距離Dが短くなるほど不安を感じる、という課題がある。
【0025】
そこで、本実施形態の車両制御システムは、自車両12Aと遠隔自動運転モードにより走行する周辺車両12Bとの間の車間距離が所定の距離以上となるように、自車両12Aの走行を制御する。これにより、自車両12Aと周辺車両12Bとの間の車間距離が適切に保たれ、乗員の不安が解消される。
【0026】
以下、具体的に説明する。
【0027】
図2は、第1実施形態に係る車両制御システム10の構成の一例を示すブロック図である。車両制御システム10は、図2に示されるように、複数の車両12A,12Bと、複数の遠隔操作端末14A,14Bと、サーバ16と、を備える。車両12A,12Bと、遠隔操作端末14A,14Bと、サーバ16とは、所定の通信手段18によって接続されている。なお、以下では、車両12Aが自車両12Aであり、車両12Bが周辺車両12Bであるとする。
【0028】
(車両)
【0029】
本実施形態の車両は、自律自動運転モード、遠隔自動運転モード、及び手動運転モードによる走行が可能な車両である。自律自動運転モードは、車両に備えられた各種センサによって逐次検出される情報に基づいて、車両が自律的に走行する運転モードである。また、遠隔自動運転モードは、遠隔操作端末から出力される操作情報に基づいて、車両が走行する運転モードである。また、手動運転モードは、車両に乗車している乗員の運転によって走行する運転モードである。なお、運転モードは、車両の走行制御の種類を表す。
【0030】
なお、自車両12Aと周辺車両12Bとの構成は同様であるため、自車両12Aの構成のみを以下説明する。
【0031】
自車両12Aは、車両の走行を制御するECU(Electronic Control Unit)120Aと、ECU120Aからの制御信号に応じて車両を駆動させる車両駆動装置122Aとを備える。ECU120Aは、本開示の車両制御装置の一例である。
【0032】
ECU120Aは、機能的には、図2に示されるように、通信部124Aと、車両制御部126Aとを備える。
【0033】
通信部124Aは、他の装置との間で情報を送受信する。
【0034】
車両制御部126Aは、遠隔操作端末14Aからサーバ16を介して送信された操作情報を取得する。遠隔操作端末14Aから送信された操作情報は、遠隔操作員によって遠隔操作端末14Aへ入力された操作情報である。
【0035】
また、車両制御部126Aは、車両に乗車している乗員から入力された操作情報を取得する。
【0036】
また、車両制御部126Aは、自律走行に関する情報を取得する。例えば、自律走行に関する情報としては、他のECUからの制御信号、又は、車両に搭載された各種センサ(画像センサ、レーザレーダセンサ等)からのセンサ信号等が挙げられる。
【0037】
車両制御部126Aは、外部から入力された各種情報に基づいて、車両駆動装置122Aの駆動を制御する。例えば、車両制御部126Aは、取得した各種情報に基づいて、自律自動運転モード、遠隔自動運転モード、及び手動運転モードを切り替える。
【0038】
(遠隔操作端末)
【0039】
なお、遠隔操作端末14Aと遠隔操作端末14Bとの構成は同様であるため、遠隔操作端末14Aの構成のみを以下説明する。
【0040】
遠隔操作端末14Aは、機能的には、図2に示されるように、通信部140Aと、遠隔操作端末制御部142Aとを備える。
【0041】
通信部140Aは、他の装置との間で情報を送受信する。
【0042】
遠隔操作端末制御部142Aは、遠隔操作端末14Aを制御する。例えば、遠隔操作端末制御部142Aは、遠隔操作員から入力された操作情報を取得し、当該操作情報をサーバ16へ送信するように、通信部140Aを制御する。
【0043】
(サーバ)
【0044】
サーバ16は、機能的には、図2に示されるように、サーバ制御部160と、通信部162とを備える。
【0045】
サーバ制御部160は、サーバ16を制御する。例えば、サーバ制御部160は、遠隔操作端末14Aから送信された操作情報を取得し、当該操作情報を自車両12Aへ送信するように通信部162を制御する。
【0046】
通信部124Aは、他の装置との間で情報の送受信を行う。
【0047】
車両12A,12BのECU、遠隔操作端末14A、及びサーバ16は、例えば、図3に示すようなコンピュータ20によって実現することができる。コンピュータ20はCPU51、一時記憶領域としてのメモリ52、及び不揮発性の記憶部53を備える。また、コンピュータ20は、入出力装置等(図示省略)が接続される入出力interface(I/F)54、及び記録媒体59に対するデータの読み込み及び書き込みを制御するread/write(R/W)部55を備える。また、コンピュータ20は、インターネット等のネットワークに接続されるネットワークI/F56を備える。CPU51、メモリ52、記憶部53、入出力I/F54、R/W部55、及びネットワークI/F56は、バス57を介して互いに接続される。
【0048】
記憶部53は、Hard Disk Drive(HDD)、solid state drive(SSD)、フラッシュメモリ等によって実現できる。記憶媒体としての記憶部53には、コンピュータ20を機能させるためのプログラムが記憶されている。CPU51は、プログラムを記憶部53から読み出してメモリ52に展開し、プログラムが有するプロセスを順次実行する。
【0049】
次に、第1実施形態の車両制御システム10の作用について説明する。
【0050】
複数の車両が走行している場面において、自律自動運転モードにより走行している自車両12Aは、図4に示す車両制御処理ルーチンを実行する。
【0051】
ステップS100において、自律自動運転モードにより走行している自車両12AのECU120Aは、車両制御部126Aとして、他の車両との間の車間距離を取得する。例えば、車両制御部126Aは、通信部124Aを介した他の車両との間の車車間通信により、自車両12Aと他の車両との間の車間距離を取得する。または、例えば、車両制御部126Aは、自車両12Aに搭載されたレーザレーダ(図示省略)により計測された情報に基づいて、自車両12Aと他の車両との間の車間距離を取得する。
【0052】
ステップS101において、自車両12AのECU120Aは、車両制御部126Aとして、車間距離が所定の距離未満である車両を、自車両12Aの周辺の車両である周辺車両12Bとして特定する。
【0053】
ステップS102において、自車両12AのECU120Aは、車両制御部126Aとして、上記ステップS101で特定された周辺車両12Bの運転モードを表す周辺車両運転モードを取得する。
【0054】
ステップS104において、自車両12AのECU120Aは、車両制御部126Aとして、上記ステップS102で取得された周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードであるか否かを判定する。周辺車両12Bの周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードである場合には、ステップS106へ進む。一方、周辺車両12Bの周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードではない場合には、ステップS100へ戻る。
【0055】
ステップS106において、自車両12AのECU120Aは、車両制御部126Aとして、上記ステップS101で特定された周辺車両12Bと自車両12Aとの間の車間距離が、予め定められた距離未満であるか否かを判定する。周辺車両12Bと自車両12Aとの間の車間距離が、予め定められた距離未満である場合には、ステップS108へ進む。一方、周辺車両12Bと自車両12Aとの間の車間距離が、予め定められた距離以上である場合には、ステップS100へ戻る。
【0056】
ステップS108において、自車両12AのECU120Aは、車両制御部126Aとして、上記ステップS101で特定された周辺車両12Bと自車両12Aとの間の車間距離が、予め定められた距離以上となるように、自律自動運転モードで自車両の走行を制御する。
【0057】
具体的には、例えば、車両制御部126Aは、周辺車両12Bとして特定された後方車両と自車両12Aの間の車間距離が予め定められた距離未満である場合、自車両12Aを加速させるように車両駆動装置122Aを制御する。これにより、自車両12Aと後方車両との間の車間距離が予め定められた距離以上となる。また、例えば、車両制御部126Aは、周辺車両12Bとして特定された前方車両と自車両12Aとの間の車間距離が予め定められた距離未満である場合、自車両12Aを減速させるように車両駆動装置122Aを制御する。これにより、自車両12Aと前方車両との間の車間距離が予め定められた距離以上となる。
【0058】
ステップS100~ステップS108の各処理は、自車両12Aが自律自動運転モードで走行しているときには繰り返し実行される。これにより、遠隔自動運転モードにより走行する周辺車両12Bと自車両12Aとの間の車間距離は、予め定められた距離以上となる。このため、自車両12Aと周辺車両12Bとの間の車間距離は過度に接近したものとはならず、自車両12Aの乗員及び周辺車両12Bの乗員の不安が解消される。
【0059】
以上説明したように、第1実施形態に係る車両制御システム10は、自律自動運転モード、遠隔自動運転モード、及び手動運転モードによる走行が可能な車両を制御するECUと、車両を遠隔から操作する遠隔操作端末と、を備える車両制御システムであって、ECUは、自車両の周辺の車両である周辺車両の運転モードを表す周辺車両運転モードを取得する。そして、ECUは、周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードであって、かつ自車両が自律自動運転モードである場合に、周辺車両と自車両との間の距離が予め定められた距離以上となるように、自律自動運転モードで自車両を制御する。これにより、遠隔自動運転モードの車両が道路を走行している際に、車間距離を適切に保つことができる。具体的には、自車両と周辺車両との間において適切な車間距離を保たれる。また、適切な車間距離が保たれることにより、自車両の乗員及び周辺車両の乗員の不安が解消され、安心して乗車することができる。
【0060】
<第2実施形態>
【0061】
次に、第2実施形態に係る車両制御システムについて説明する。なお、第2実施形態に係る車両制御システムの構成は第1実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0062】
第2実施形態の車両制御システム10においては、自車両12Aが遠隔自動運転モードにより走行している場合であって、かつ遠隔自動運転モードにより走行している周辺車両12Bが近接している場合に、自車両12Aを遠隔操作する遠隔操作端末14Aに対して操作制限に関する制御信号を出力する点が、第1実施形態と異なる。
【0063】
自車両12Aが自律自動運転モードにより走行している場合には、自車両12Aに搭載されたECU120Aにより車両の走行制御が可能である。このため、自律自動運転モードの自車両12Aと遠隔自動運転モードの周辺車両12Bとの間の距離が予め定められた距離未満となり、自車両12Aと周辺車両12Bとが近接している場合には、ECU120Aは、周辺車両12Bから遠ざかるように自車両12Aの走行を制御することができる。
【0064】
一方、自車両12Aが遠隔自動運転モードである場合には、遠隔操作端末14Aにより自車両12Aの走行が制御される。このため、ECU120Aは自車両12Aの走行を直接的には制御することはできない。
【0065】
そこで、第2実施形態の車両制御システムは、自車両12Aを遠隔操作する遠隔操作端末14Aに対して操作制限に関する制御信号(以下、単に「操作制限信号」と称する。)を出力する。この操作制限信号は、自車両12Aと周辺車両12Bとの間の距離が予め定められた距離以上となるような操作制限信号である。操作制限信号を受信した遠隔操作端末14Aは、自車両12Aの操作に対する操作制限がかかり、近接している周辺車両12Bに更に近づくような操作は制限される。これにより、自車両12Aが遠隔自動運転モードにより走行している場合であっても、自車両12Aと周辺車両12Bとの間の車間距離が適切に保たれる。
【0066】
次に、第2実施形態の車両制御システム10の作用について説明する。
【0067】
複数の車両が走行している場面において、自車両12Aは、遠隔操作端末14Aから出力される操作情報に基づいて遠隔自動運転モードにより走行する。このとき、自車両12AのECU120Aは、図5に示す車両制御処理ルーチンを実行する。
【0068】
ステップS100~ステップS106の各処理は、第1実施形態と同様に実行される。
【0069】
ステップS208において、自車両12AのECU120Aは、車両制御部126Aとして、自車両12Aを操作する遠隔操作端末14Aに対して、自車両12AとステップS101で特定された周辺車両12Bとの間の距離が予め定められた距離以上となるような操作制限信号を出力する。
【0070】
操作制限信号を受信した遠隔操作端末14Aは、自車両12Aの操作に対する操作制限がかかり、近接している周辺車両12Bに更に近づくような操作が制限される。
【0071】
例えば、周辺車両12Bとして特定された後方車両と自車両12Aの間の車間距離が予め定められた距離未満である場合、自車両12Aを減速させるような遠隔操作に対しては制限がかかる。これにより、自車両と後方車両との間の車間距離が予め定められた距離以上となる。
【0072】
また、例えば、周辺車両12Bとして特定された前方車両と自車両12Aとの間の車間距離が予め定められた距離未満である場合、自車両12Aを加速させるような遠隔操作に対しては制限がかかる。これにより、自車両12Aと前方車両との間の車間距離が予め定められた距離以上となる。
【0073】
自車両12AのECU120Aは、通信部124Aとして、自車両12Aを操作する遠隔操作端末14Aから送信された操作情報を受信する。そして、自車両12AのECU120Aは、車両制御部126Aとして、受信した操作情報に応じて、遠隔自動運転モードにより自車両12Aの走行を制御する。
【0074】
ステップS100~ステップS208の各処理は、自車両12Aが遠隔自動運転モードで走行しているときには繰り返し実行される。これにより、遠隔自動運転モードにより走行する周辺車両12Bと自車両12Aとの間の車間距離は、予め定められた距離以上となる。このため、自車両12Aと周辺車両12Bとの間の車間距離は過度に接近したものとはならず、自車両12Aの乗員及び周辺車両12Bの乗員の不安が解消される。
【0075】
なお、第2実施形態に係る車両制御システム10の他の構成及び作用については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0076】
以上説明したように、第2実施形態に係る車両制御システム10は、自律自動運転モード、遠隔自動運転モード、及び手動運転モードによる走行が可能な車両を制御する車両制御装置と、車両を遠隔から操作する遠隔操作端末と、を備える車両制御システムであって、ECUは、自車両の周辺の車両である周辺車両の運転モードを表す周辺車両運転モードを取得する。そして、ECUは、周辺車両運転モードが遠隔自動運転モードであって、かつ自車両が遠隔自動運転モードである場合に、自車両を操作する遠隔操作端末に対し、自車両と周辺車両との間の距離が予め定められた距離以上となるような操作制限信号を出力する。そして、ECUは、自車両を操作する遠隔操作端末から送信された操作情報に応じて、遠隔自動運転モードで自車両を制御する。これにより、自車両12Aが遠隔自動運転モードにより走行している場合であっても、自車両12Aと周辺車両12Bとの間の車間距離が適切に保たれる。
【0077】
<第3実施形態>
【0078】
次に、第3実施形態に係る車両制御システムについて説明する。なお、第1実施形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0079】
第3実施形態の車両制御システムにおいては、周辺車両12Bが遠隔自動運転モードにより走行している場合に、周辺車両12Bの運転モードが遠隔自動運転モードであることを表す情報を、自車両12A内の出力装置から出力させる点が、第1実施形態及び第2実施形態と異なる。
【0080】
様々な運転モードの車両が混在して道路を走行している場合、自車両12Aの乗員は、自車両12Aの周辺車両12Bがどの運転モードにより走行しているか不明である場合には、不安になることもある。
【0081】
そこで、第3実施形態のECU120Aは、周辺車両12Bの周辺車両運転モードを表す情報を、自車両12A内の出力装置から出力させるように制御する。例えば、第3実施形態のECU120Aは、周辺車両12Bが遠隔自動運転モードにより走行している場合に、周辺車両12Bの運転モードが遠隔自動運転モードであることを表す情報を、自車両12A内の出力装置から出力させるように制御する。
【0082】
図6に、周辺車両運転モードの出力を説明するための説明図を示す。図6に示されるように、例えば、ECU120Aは、周辺車両12Bである前方車両が遠隔自動運転モードにより走行している場合には、前方車両が遠隔自動運転モードであることを表す情報「前方車両は遠隔自動運転モードです。」を自車両12A内の出力装置に出力させる。図6に示される例では、フロントガラスに出力装置の一例であるディスプレイ128Aが配置されており、そのディスプレイ128Aに周辺車両12Bである前方車両が遠隔自動運転モードであることを表す情報「遠隔自動運転モードです。」が出力される。なお、周辺車両運転モードとして、周辺車両12Bが自律自動運転モード又は手動運転モードであることを表す情報が出力されてもよい。
【0083】
これにより、自車両12Aの乗員は自車両12Aの周辺車両12Bがどの運転モードにより走行しているのかを認識することができ、乗員の不安が解消される。
【0084】
なお、周辺車両12Bが遠隔自動運転モードであることを表す情報は音声情報であってもよい。この場合には、自車両12A内の出力装置の一例であるスピーカから、周辺車両12Bが遠隔自動運転モードであることを表す情報「前方車両は遠隔自動運転モードです。」が出力される。
【0085】
以上説明したように、第3実施形態に係る車両制御システム10は、周辺車両12Bの運転モードが遠隔自動運転モードである場合に、周辺車両12Bの運転モードが遠隔自動運転モードであることを表す情報を、自車両12A内の出力装置から出力させるように制御する。これにより、自車両12Aの乗員は、周辺車両12Bの運転モードを認識することができる。
【0086】
なお、上記の実施形態における各装置で行われる処理は、プログラムを実行することにより行われるソフトウエア処理として説明したが、ハードウエアで行う処理としてもよい。或いは、ソフトウエア及びハードウエアの双方を組み合わせた処理としてもよい。また、ROMに記憶されるプログラムは、各種記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
【0087】
さらに、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0088】
例えば、上記第2実施形態の車両制御システム10は、自車両12Aを操作する遠隔操作端末14Aに対して操作制限信号を出力する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、車両制御システム10は、周辺車両12Bを操作する遠隔操作端末14Bへ操作制限信号を出力するようにしてもよい。この場合には、遠隔操作端末14Bから周辺車両12Bへ送信される操作情報は制限がかけられたものとなる。例えば、周辺車両12Bの後方に自車両12Aが位置する場合、周辺車両12Bを減速させるような遠隔操作に対しては制限がかかる。また、例えば、周辺車両12Bの前方に自車両12Aが位置する場合、周辺車両12Bを加速させるような遠隔操作に対しては制限がかかる。このため、周辺車両12Bが自車両12Aに近づくような走行は制限され、自車両12Aと前方車両との間の車間距離が予め定められた距離以上となる。これにより、自車両12Aと周辺車両12Bとの間の車間距離が適切に保たれる。
【符号の説明】
【0089】
10 車両制御システム
12A,12B 車両
14A,14B 遠隔操作端末
16 サーバ
18 通信手段
20 コンピュータ
52 メモリ
53 記憶部
122A 車両駆動装置
124A,140A,162 通信部
126A 車両制御部
142A 遠隔操作端末制御部
160 サーバ制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6