(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】カートリッジ
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20231212BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20231212BHJP
G03G 21/18 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G03G21/16 176
G03G15/08 330
G03G15/08 390Z
G03G21/18 175
G03G21/16 109
(21)【出願番号】P 2022198462
(22)【出願日】2022-12-13
(62)【分割の表示】P 2021149178の分割
【原出願日】2011-08-31
【審査請求日】2023-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】板橋 奈緒
(72)【発明者】
【氏名】神村 直哉
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-75986(JP,A)
【文献】特開2001-222204(JP,A)
【文献】特開平7-160173(JP,A)
【文献】特開2007-79284(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 15/08
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像ローラと、
所定の方向に延びる
回転軸であって、前記所定の方向の第1端部と、前記第1端部と前記所定の方向に離れた第2端部とを有する
回転軸と、
前記第1端部に取り付けられ、前記回転軸と共に回転可能な第1ギヤと
、
駆動力を受けるカップリング部材であって、前記所定の方向に延びる第1軸について回転可能であり、
前記回転軸及び前記第1ギヤと共に回転可能なカップリング部材と、
前記回転軸と共に回転可能な新品検知ギヤと、
前記現像ローラと電気的に接続される現像電極であって、前記所定方向に延び
る受電部を有する現像電極と、
現像剤を収容するように構成された現像剤収容部を有し、前記現像剤収容室を挟んで所定方向に間隔を隔てて対向配置される第1側壁および第2側壁を含む筐体と、
を備え、
前記カップリング部材は、前記第1側壁に対して前記現像剤収容部の反対側に配置され、
前記第1ギヤは、前記第1側壁に対して前記現像剤収容部の反対側に配置され、
前記新品検知ギヤは、前記第2側壁に対して前記現像剤収容部の反対側に配置され、
前記所定方向に投影したときに、前記受電部は、少なくとも一部が前記カップリング部材に重なることを特徴とすることを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記新品検知ギヤは、前記新品検知ギヤの周囲の一部に沿った複数のギヤ歯を有することを特徴とする請求項
1に記載のカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置に装着されるカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のプリンタとして、感光体と、感光体にトナーを供給する現像カートリッジとを備えるプリンタが知られている。
【0003】
このようなプリンタでは、装着された現像カートリッジの情報(例えば、現像カートリッジが新品であるか否かなど)を判断するための新品検出手段を備えている。
【0004】
例えば、現像カートリッジに回転可能に設けられる検出ギヤに、本体ケーシング内のアクチュエータに当接される当接突起を設け、現像カートリッジが本体ケーシングに装着されたときに、検出ギヤを回転駆動させて、当接突起によってアクチュータを揺動させるとともに、光センサによってアクチュエータの揺動を検出し、その検出結果に基づいて、現像カートリッジの情報を判断するレーザプリンタが提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、上記した特許文献1に記載のレーザプリンタでは、現像カートリッジの新品検知に用いられる検出ギヤは、本体ケーシングからの駆動力が入力される入力ギヤが設けられる側壁に設けられている。
【0007】
そのため、現像カートリッジの側壁に、入力ギヤと検出ギヤとを両方設けられるスペースを確保する必要があり、それ以上の現像カートリッジの小型化が困難である。
【0008】
そこで、本発明の目的は、より小型化することができるカートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記した目的を達成するために、本発明のカートリッジは、現像剤を収容するように構成された現像剤収容部を有し、現像剤収容部を挟んで所定方向に間隔を隔てて対向配置される第1側壁および第2側壁を含む筐体と、外部からの駆動力を受けるためのカップリング部材と、外部の検知手段に検知されるための被検知体とを備える。
【0010】
カップリング部材は、第1側壁に対して現像剤収容部の反対側に配置されている。
【0011】
被検知体は、第2側壁に対して現像剤収容部の反対側に配置されている。
【0012】
また、本発明のカートリッジは、所定方向に延びる回転軸線を回転中心として回転するように構成され、第1側壁と第2側壁との間に配置される回転部材を備えている。
【0013】
また、本発明のカートリッジは、回転軸線を回転中心として回転部材とともに回転するように構成され、第1側壁に対してカップリング部材が配置された側に配置され、カップリング部材に入力された駆動力を回転部材に伝達するように構成された第1駆動伝達部材を備える。
【0014】
また、本発明のカートリッジは、回転軸線を回転中心として回転部材とともに回転するように構成され、第2側壁に対して被検知体が配置された側に配置され、駆動力を回転部材から被検知体に伝達する第2駆動伝達部材を備える。
【0015】
このような構成によれば、カップリング部材を、第1側壁に対して現像剤収容部の反対側に配置するとともに、被検知体を、第2側壁に対して現像剤収容部の反対側に配置して、カップリング部材に入力された駆動力を、第1側壁と第2側壁との間に配置される回転部材を介して、被検知体に伝達することができる。
【0016】
そのため、カップリング部材と被検知体とを、互いに別の側壁(第1側壁と第2側壁)に配置することができ、その分、第1側壁および第2側壁の面積を小さくすることができる。
【0017】
その結果、カートリッジを小型化することができる。
(2)被検知体は、所定方向に投影したときにその少なくとも一部がカップリング部材に重なるように、配置されていてもよい。
【0018】
このような構成によれば、被検知部とカップリング部材とを、所定方向に投影したときにほぼ同じ位置に配置することができ、カートリッジをより小型化することができる。
(3)回転部材は、現像剤収容部内の現像剤を攪拌するように構成された攪拌部材であってもよい。
【0019】
このような構成によれば、攪拌部材を利用してカップリング部材から被検知体へ駆動力を伝達することができ、部品点数を低減することができる。
(4)また、本発明のカートリッジは、第1側壁と第2側壁との間に配置され、現像剤を担持するように構成された現像ローラを備えていてもよい。
【0020】
また、本発明のカートリッジは、第2側壁に対して被検知体が配置された側に配置され、現像ローラに電気的に接続されるように構成された現像電極を備えていてもよい。
【0021】
この場合、現像電極は、外部から給電されるために、所定方向において第2側壁とは反対側へ延びる被給電部を有し、被検知体は、絶縁性部材からなり、被給電部に回転可能に支持されていてもよい。
【0022】
このような構成によれば、被検知体と被給電部とを別々に設ける場合と比べて、効率よく被検知体を配置することができる。
(5)また、被給電部は、所定方向に投影したときにカップリング部材に重なるように、配置されていてもよい。
【0023】
このような構成によれば、被給電部とカップリング部材とを、所定方向に投影したときにほぼ同じ位置に配置することができ、カートリッジをより一層小型化することができる。
(6)また、被検知体は、被検知体の回転方向に延び、被給電部を露出させる第1開口と、被給電部を被覆する被覆部と、を有していてもよい。
【0024】
このような構成によれば、被検知体の回転により、確実に、外部から被給電部への給電、および、給電の解除を切り替えることができる。
(7)また、被覆部は、第1開口の回転方向途中に設けられ、被給電部を所定方向と直交する直交方向から被覆する第1被覆部と、被給電部を所定方向外側から被覆する第2被覆部とを有している。
【0025】
このような構成によれば、被覆部によって、突出部を直交方向および所定方向外側から保護することができる。
(8)また、第1被覆部は、複数設けられていてもよい。
【0026】
このような構成によれば、突出部を、直交方向における複数の箇所において保護することができる。
(9)また、第1被覆部は、その数がカートリッジに関する情報に対応していてもよい。
【0027】
このような構成によれば、第1被覆部の数に基づいて、カートリッジの情報を、簡易かつ確実に判断することができる。
(10)また、第1被覆部は、被給電部を、回転方向において連続して半分以上被覆してもよい。
【0028】
このような構成によれば、突出部を、回転方向において連続して半分以上保護することができる。
(11)また、第1被覆部は、その回転方向長さがカートリッジに関する情報に対応していてもよい。
【0029】
このような構成によれば、第1被覆部の回転方向長さに基づいて、カートリッジの情報を、簡易かつ確実に判断することができる。
(12)また、第1被覆部は、その回転方向下流側に設けられ、回転方向上流側へ向かうに従って直交方向外側へ傾斜する第1傾斜面と、第1傾斜面の回転方向上流側に連続して設けられ、回転方向上流側へ向かうに従って直交方向内側へ傾斜する第2傾斜面とを有してもよい。
【0030】
このような構成によれば、被検知体の回転途中に、被検知体の第1被覆部が、被給電部に接触される外部の検出手段に当接されたとしても、外部の検出手段を、第1傾斜面に沿って第1被覆部に乗り上げるように退避させ、その後、第2傾斜面に沿って第1被覆部から降りるように、再び、給電部に接触させることができる。
【0031】
その結果、被検知体の第1被覆部を、円滑に、被給電部と外部の検出手段との間を通過させることができる。
(13)また、第2被覆部は、被給電部の所定方向外側端部に嵌合する嵌合部を有していてもよい。
【0032】
このような構成によれば、嵌合部により、被給電部の所定方向外側端部を被検知体に対して位置決めすることができる。
(14)また、被給電部は、筒形状に形成されており、嵌合部は、被給電部の所定方向外側端部に内嵌されていてもよい。
【0033】
このような構成によれば、嵌合部により、被給電部の所定方向外側端部を補強することができる。
(15)また、第2側壁は、被給電部に内嵌されるように所定方向外側へ突出する突出部を有していてもよい。
【0034】
このような構成によれば、突出部により、被給電部を補強することができる。
(16)また、被検知体は、第1開口を介して被給電部へ給電される第1位置から、被覆部により被給電部への電力の入力が解除される第2位置を経て、第1開口を介して被給電部へ給電される第3位置へ移動可能であってもよい。
【0035】
このような構成によれば、被給電部への電力の入力が解除される前後において、被給電部への給電を検知することができ、被給電部への電力の入力の解除を、確実に、外部の検知手段に認識させることができる。
(17)また、回転部材は、現像剤を担持するように構成された現像ローラであってもよい。
【0036】
このような構成によれば、現像ローラを利用してカップリング部材から被検知体へ駆動力を伝達することができ、部品点数を低減することができる。
(18)また、回転部材は、現像剤を担持するように構成された現像ローラに、現像剤を供給するように構成された供給ローラであってもよい。
【0037】
このような構成によれば、供給ローラを利用してカップリング部材から被検知体へ駆動力を伝達することができ、部品点数を低減することができる。
(19)また、被検知体は、駆動力が伝達される歯部と、駆動力が伝達されない欠け歯部とを含む欠け歯ギヤを有していてもよい。
【0038】
このような構成によれば、被検知体を、回転駆動開始から回転駆動停止までの所定の駆動量で、確実に回転駆動させることができる。
(20)また、少なくとも欠け歯ギヤを被覆する被覆部材を備え、被覆部材は、被検知体を露出させる第2開口を有していてもよい。
【0039】
このような構成によれば、欠け歯ギヤを保護するとともに、第2開口を介して被給電部に給電することができる。
(21)被覆部材の所定方向外側端縁は、所定方向と直交する直交方向に投影したときに、被検知体の所定方向外側端縁と重なるように配置されていてもよい。
【0040】
このような構成によれば、外部の部材が直交方向から被検知体に当接されることを防止できる。
(22)第1駆動伝達部材は、カップリング部材から駆動力が入力されるように構成された第1ギヤであり、第2駆動伝達部材は、被検知体に駆動力を伝達する第2ギヤであり、第1ギヤの歯数と、第2ギヤの歯数とは、互いに異なっていてもよい。
【0041】
このような構成によれば、回転部材の回転速度に対して、被検知体の回転速度を任意に設定することができる。
(23)また、第1ギヤの歯数は、第2ギヤの歯数よりも多くてもよい。
【0042】
このような構成によれば、回転部材の回転速度に対して被検知体の回転速度を低減させることができる。
【0043】
その結果、被給電部への給電、および、給電の解除を検知するための時間を確保することができ、被給電部への給電、および、給電の解除を正確に検知することができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、カートリッジをより小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】
図1は、本発明のカートリッジの第1実施形態の現像カートリッジを備えるプリンタの中央断面図を示す。
【
図2】
図2は、
図1に示す現像カートリッジの左上側から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す現像カートリッジの右上側から見た斜視図である。
【
図4】
図4は、
図2に示す駆動ユニットの左上側から見た分解斜視図である。
【
図5】
図5は、
図3に示す給電ユニットの右上側から見た分解斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5に示す電極部材81の左上側から見た斜視図である。
【
図7】
図7は、
図5に示す新品検知ギヤを示し、(a)は、右上側から見た斜視図であり、(b)は、右側面図であり、(c)は、被検知端部の断面図である。
【
図8】
図8は、
図3に示す現像カートリッジの右側面図である。
【
図10】
図10は、本体電極ユニットの右上側から見た斜視図である。
【
図11】
図11は、揺動電極の揺動を説明する説明図であって、現像カートリッジが本体ケーシングに装着されておらず、揺動電極が下側解除位置に配置されている状態を示す。
【
図12】
図12は、揺動電極の揺動を説明する説明図であって、現像カートリッジが本体ケーシングに装着されており、揺動電極が接続位置に配置されている状態を示す。
【
図13】
図13は、揺動電極の揺動を説明する説明図であって、現像カートリッジが本体ケーシングに装着されており、揺動電極が上側解除位置に配置されている状態を示す。
【
図14】
図14は、現像カートリッジの新品検知動作を説明する説明図であって、現像カートリッジが本体ケーシングに装着された直後であって、本体電極ユニットの揺動電極が、現像カートリッジの受電部に接触された状態を示す。
【
図15】
図15は、
図14に続いて現像カートリッジの新品検知動作を説明する説明図であって、ウォーミングアップ動作が開始されて、本体電極ユニットの揺動電極が、新品検知ギヤの一方の第1被覆部によって押圧されて、現像カートリッジの受電部から離間された状態を示す。
【
図16】
図16は、
図15に続いて現像カートリッジの新品検知動作を説明する説明図であって、新品検知ギヤの一方の第1被覆部が、本体電極ユニットの揺動電極と現像カートリッジの受電部との間を通過し、本体電極ユニットの揺動電極が、現像カートリッジの受電部に接触された状態を示す。
【
図17】
図17は、
図16に続いて現像カートリッジの新品検知動作を説明する説明図であって、本体電極ユニットの揺動電極が、新品検知ギヤの他方の第1被覆部によって押圧されて、現像カートリッジの受電部から離間された状態を示す。
【
図18】
図18は、
図17に続いて現像カートリッジの新品検知動作を説明する説明図であって、新品検知ギヤの他方の第1被覆部が、本体電極ユニットの揺動電極と現像カートリッジの受電部との間を通過し、本体電極ユニットの揺動電極が、現像カートリッジの受電部に接触された状態を示す。
【
図19】
図19は、第2実施形態の現像カートリッジを示す右上側から見た斜視図である。
【
図20】
図20は、第2実施形態の現像カートリッジの新品検知動作を説明する説明図であって、現像カートリッジが本体ケーシングに装着された直後であって、本体電極ユニットの揺動電極が、現像カートリッジの受電部に接触された状態を示す。
【
図21】
図21は、
図20に続いて第2実施形態の現像カートリッジの新品検知動作を説明する説明図であって、ウォーミングアップ動作が開始されて、本体電極ユニットの揺動電極が、新品検知ギヤの被検知端部の周面によって押圧されて、現像カートリッジの受電部から離間された状態を示す。
【
図22】
図22は、
図21に続いて第2実施形態の現像カートリッジの新品検知動作を説明する説明図であって、新品検知ギヤの被検知端部の周面が、本体電極ユニットの揺動電極と現像カートリッジの受電部との間を通過し、本体電極ユニットの揺動電極が、現像カートリッジの受電部に接触された状態を示す。
【
図23】
図23は、第3実施形態の現像カートリッジの給電ユニットを示す右上側から見た斜視図である。
【
図24】
図24は、第3実施形態の現像カートリッジの駆動伝達を説明する説明図である。
【
図25】
図25は、第4実施形態の現像カートリッジの給電ユニットを示す右上側から見た斜視図である。
【
図26】
図26は、第4実施形態の現像カートリッジの駆動伝達を説明する説明図である。
【
図27】
図27は、第5実施形態の現像カートリッジの給電ユニットを示す右上側から見た斜視図である。
【
図28】
図28は、第6実施形態の現像カートリッジを示す右上側から見た斜視図である。
【
図30】
図30は、第6実施形態の現像カートリッジの駆動伝達を説明する説明図である。
【
図31】
図31は、第7実施形態のプリンタに装着される現像カートリッジを示す右上側から見た斜視図である。
【
図32】
図32は、第7実施形態における現像カートリッジの回転板の回転を説明する説明図であって、現像カートリッジが本体ケーシングに装着された直後であって、回転板が第1位置に配置された状態を示す。
【
図33】
図33は、
図32に続いて第7実施形態における現像カートリッジの回転板の回転を説明する説明図であって、回転板が第2位置に配置された状態を示す。
【
図34】
図34は、
図33に続いて第7実施形態における現像カートリッジの回転板の回転を説明する説明図であって、回転板が第3位置に配置された状態を示す。
【
図35】
図35は、第7実施形態におけるプリンタの本体ケーシング内に設けられる固定電極および移動電極を示す正面図である。
【
図36】
図36は、第7実施形態における現像カートリッジの新品検知動作を説明する説明図であって、(a)は、現像カートリッジが本体ケーシングに装着された直後であって、移動電極が、現像カートリッジの受電部に接触された状態を示し、(b)は、(a)に続いて、ウォーミングアップ動作が開始されて、移動電極が、回転板の被覆部によって押圧されて、現像カートリッジの受電部から離間された状態を示し、(c)は、(b)に続いて、回転板の被覆部が、移動電極と現像カートリッジの受電部との間を通過し、移動電極が、現像カートリッジの受電部に接触された状態を示す。
【
図37】
図37は、第8実施形態のプリンタに装着される現像カートリッジを示す右上側から見た斜視図である。
【
図38】
図38は、第8実施形態における現像カートリッジのスライド板のスライドを説明する説明図であって、現像カートリッジが本体ケーシングに装着された直後であって、スライド板が第1位置に配置された状態を示す。
【
図39】
図39は、
図38に続いて第8実施形態における現像カートリッジのスライド板のスライドを説明する説明図であって、スライド板が第2位置に配置された状態を示す。
【
図40】
図40は、
図39に続いて第8実施形態における現像カートリッジのスライド板のスライドを説明する説明図であって、スライド板が第3位置に配置された状態を示す。
【
図41】
図41は、第8実施形態における現像カートリッジの新品検知動作を説明する説明図であって、(a)は、現像カートリッジが本体ケーシングに装着された直後であって、移動電極が、現像カートリッジの受電部に接触された状態を示し、(b)は、(a)に続いて、ウォーミングアップ動作が開始されて、移動電極が、スライド板の被覆部によって押圧されて、現像カートリッジの受電部から離間された状態を示し、(c)は、(b)に続いて、スライド板の被覆部が、移動電極と現像カートリッジの受電部との間を通過し、移動電極が、現像カートリッジの受電部に接触された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
1.プリンタの全体構成
図1に示すように、プリンタ1は、横置きタイプのダイレクトタンデム型カラープリンタである。
【0047】
なお、以下の説明において、方向について言及する場合には、プリンタ1を水平に載置した状態を基準として、
図1における紙面左側を前側とし、
図1における紙面右側を後側とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、
図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
【0048】
プリンタ1は、略ボックス形状の本体ケーシング2を備えている。本体ケーシング2の上端部には、本体開口部5を開閉するトップカバー6が、その後端部を支点として揺動可能に設けられている。プリンタ1は、各色に対応する4つのプロセスカートリッジ11を備えている。
【0049】
各プロセスカートリッジ11は、本体ケーシング2内に着脱可能に設けられ、互いに前後方向に沿って間隔を隔てて並列配置されている。各プロセスカートリッジ11は、ドラムカートリッジ24と、ドラムカートリッジ24に着脱可能に装着されるカートリッジの一例としての現像カートリッジ25とを備えている。
【0050】
ドラムカートリッジ24は、感光ドラム15を備えている。
【0051】
感光ドラム15は、左右方向に長手の円筒形状に形成されており、ドラムカートリッジ24に回転可能に設けられている。
【0052】
現像カートリッジ25は、現像ローラ16を備えている。
【0053】
現像ローラ16は、左右方向に延びる金属製の現像ローラ軸30を備え、現像カートリッジ25の後端部において後側から露出されるように設けられ、感光ドラム15に対して前上側から接触されている。現像ローラ16は、現像ローラ軸30の中心軸線A1(第1軸線の一例、
図4参照)を回転中心として回転される。
【0054】
また、現像カートリッジ25は、現像ローラ16にトナーを供給する供給ローラ27、現像ローラ16に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード28を備え、それらの上側に設けられる現像剤収容部の一例としてのトナー収容部79内には、現像剤の一例としてのトナーが収容され、トナーを攪拌する攪拌部材(回転部材)の一例としてのアジテータ80が設けられている。
【0055】
供給ローラ27は、左右方向に延びる金属製の供給ローラ軸29を備え、現像ローラ16に前上側から接触されている。
【0056】
層厚規制ブレード28は、現像ローラ16に後上側から接触されている。
【0057】
アジテータ80は、左右方向に延びるアジテータ軸76と、アジテータ軸76からアジテータ軸76の径方向外側に延びる攪拌羽根77とを備え、アジテータ軸76の中心軸線A2(回転軸線の一例、
図4参照)を回転中心として回転される。
【0058】
トナー収容部79内のトナーは、供給ローラ27と現像ローラ16との間で正極性に摩擦帯電され、一定厚さの薄層として現像ローラ16の表面に担持される。
【0059】
一方、各感光ドラム15の表面には、スコロトロン型帯電器26によって一様に帯電された後、LEDユニット12によって所定の画像データに基づいて露光されることにより、画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、現像ローラ16に担持されるトナーが各感光ドラム15の表面上の静電潜像に供給されることにより、感光ドラム15の表面上にトナー像(現像剤像)が担持される。
【0060】
用紙Sは、本体ケーシング2の底部に設けられる給紙トレイ7内に収容されており、ピックアップローラ8、給紙ローラ9、および、1対のレジストローラ10によって、後上側へUターンするように搬送されて、所定のタイミングで1枚ずつ、感光ドラム15と搬送ベルト19との間に給紙され、搬送ベルト19によって、各感光ドラム15と各転写ローラ20との間を前側から後側に向かって搬送される。このとき、用紙Sに、各色のトナー像が順次転写され、カラー画像が形成される。
【0061】
そして、用紙Sは、加熱ローラ21と加圧ローラ22との間を通過するときに加熱および加圧される。このとき、用紙Sには、カラー画像が熱定着される。
【0062】
その後、用紙Sは、前上側へUターンするように搬送されて、トップカバー6に設けられる排紙トレイ23に排紙される。
2.現像カートリッジの詳細
現像カートリッジ25は、
図2および
図3に示すように、筐体の一例としてのカートリッジフレーム31と、カートリッジフレーム31の左側に配置される駆動ユニット32と、カートリッジフレーム31の右側に配置される給電ユニット33とを備えている。
【0063】
なお、現像カートリッジ25の説明において、方向について言及するときには、現像ローラ16が配置されている側を現像カートリッジ25の後側とし、層厚規制ブレード28が配置されている側を上側とする。すなわち、現像カートリッジ25に関する上下前後方向は、プリンタ1に関する上下前後方向と相異なり、現像カートリッジ25は、その後側がプリンタ1の後下側、その前側がプリンタ1の前上側となるように、プリンタ1およびドラムカートリッジ24に装着されている。
(1)カートリッジフレーム
カートリッジフレーム31は、左右方向に延びる略ボックス形状に形成されている。カートリッジフレーム31は、カートリッジフレーム31の下側を構成する第1フレーム34と、カートリッジフレーム31の上側を構成する第2フレーム35とを備えている。
(1-1)第1フレーム
第1フレーム34は、
図4および
図5に示すように、左右1対の側壁36と、前壁37と、下壁38とを一体的に備え、上側および後側に向かって開放される有底枠形状に形成されている。なお、以下の説明において、第1側壁の一例としての左側の側壁36を左壁36Lとし、第2側壁の一例としての右側の側壁36を右壁36Rとする。
【0064】
両側壁36は、上下前後に延びる側面視略矩形状に形成され、互いに左右方向に間隔を隔てて対向配置されている。また、両側壁36には、供給ローラ軸露出穴39と、現像ローラ軸露出溝40と、アジテータ軸露出穴41とが形成されている。
【0065】
供給ローラ軸露出穴39は、側壁36の下側後端部において、側面視略矩形状に貫通形成されている。供給ローラ軸露出穴39の各辺の長さは、供給ローラ軸29の左右方向端部の直径よりも長く形成されている。そして、供給ローラ軸29の左右方向端部は、供給ローラ軸露出穴39を介して、側壁36から左右方向外側へ露出されている。
【0066】
現像ローラ軸露出溝40は、側壁36の上側後端部から前下側に向かって、後上側に開放される側面視略U字形状に切り欠かれている。現像ローラ軸露出溝40の溝幅(上下方向長さ)は、現像ローラ軸30の左右方向端部の直径よりも広く形成されている。そして、現像ローラ軸30の左右方向端部は、現像ローラ軸露出溝40を介して、側壁36から左右方向外側へ露出されている。
【0067】
アジテータ軸露出穴41は、側壁36の前端部において、側面視略円形状に貫通形成されている。アジテータ軸露出穴41の直径は、アジテータ軸76の左右方向端部の直径よりも大径に形成されている。そして、アジテータ軸76の左右方向端部は、アジテータ軸露出穴41を介して、側壁36から左右方向外側へ露出されている。
【0068】
また、右壁36Rには、突出部の一例としての嵌合突起45が設けられている。
【0069】
嵌合突起45は、供給ローラ軸露出穴39の前側において、右壁36Rの右面から右側へ突出する略円柱形状に形成されている。なお、嵌合突起45の左側半分には、その前端縁と下端縁とに1つずつ、嵌合突起45の径方向外側へ突出し左右方向に延びる突条47が形成されている。
【0070】
前壁37は、左右方向に延び、両側壁36の前端部間に架設されている。
【0071】
下壁38は、左右方向に延び、前壁37の下端部に連続するように、両側壁36の下端部間に架設されている。
(1-2)第2フレーム
第2フレーム35は、カートリッジフレーム31の上側を構成し、平面視略矩形の平板形状に形成されている。第2フレーム35の後端部には、層厚規制ブレード28が、現像ローラ16に上側から接触されるように配置されている。
(2)駆動ユニット
駆動ユニット32は、
図2および
図4に示すように、軸受部材51、ギヤ列52および駆動側ギヤカバー53を備えている。
(2-1)軸受部材
軸受部材51は、側面視略矩形の平板形状に形成されている。軸受部材51は、現像ローラ軸30を支持するための現像ローラ軸支持穴54、供給ローラ軸29を支持するための供給ローラ軸支持穴55、カップリング支持軸56およびアイドルギヤ支持軸57を有している。
【0072】
現像ローラ軸支持穴54は、軸受部材51の上側後端部において、側面視略円形状に貫通形成されている。現像ローラ軸支持穴54の内径は、現像ローラ軸30の外径と略同径(わずかに大径)に形成されている。
【0073】
供給ローラ軸支持穴55は、現像ローラ軸支持穴54の前下側において、側面視略円形状に貫通形成されている。供給ローラ軸支持穴55の内径は、供給ローラ軸29の外径と略同径(わずかに大径)に形成されている。
【0074】
カップリング支持軸56は、現像ローラ軸支持穴54の前側、かつ、供給ローラ軸支持穴55の上側において、軸受部材51の左面から左側へ突出する略円柱形状に形成されている。
【0075】
アイドルギヤ支持軸57は、軸受部材51の前端部において、軸受部材51の左面から左側へ突出する略円柱形状に形成されている。アイドルギヤ支持軸57には、アイドルギヤ64(後述)が相対回転可能に支持される。
【0076】
そして、軸受部材51は、現像ローラ軸支持穴54に、現像ローラ軸30の左端部が挿通されるとともに、供給ローラ軸支持穴55に、供給ローラ軸29の左端部が挿通されるように、左壁36Lの左側に組み付けられている。また、カップリング支持軸56は、トナー収容部79の前端部の左側に配置されている。
(2-2)ギヤ列
ギヤ列52は、カップリング部材の一例としての現像カップリング61、現像ギヤ62、供給ギヤ63、アイドルギヤ64、および、第1駆動伝達部材(第1ギヤ)の一例としての第1アジテータギヤ72、および、第2駆動伝達部材(第2ギヤ)の一例としての第2アジテータギヤ78(
図5参照)から構成されている。
【0077】
現像カップリング61は、軸受部材51のカップリング支持軸56に相対回転可能に支持されている。また、現像カップリング61は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されており、大径ギヤ部65、小径ギヤ部66およびカップリング部67を一体的に有している。
【0078】
大径ギヤ部65は、現像カップリング61の右端部に設けられている。大径ギヤ部65の周面には、その全周にわたって、ギヤ歯が形成されている。
【0079】
小径ギヤ部66は、大径ギヤ部65よりも小径で、大径ギヤ部65と中心軸線が一致する略円柱形状に形成されている。小径ギヤ部66の周面には、その全周にわたって、ギヤ歯が形成されている。
【0080】
カップリング部67は、小径ギヤ部66よりも小径で、大径ギヤ部65と中心軸線が一致する略円柱形状に形成されている。カップリング部67の左側面には、結合凹部68が形成されている。結合凹部68には、現像カートリッジ25が本体ケーシング2内に装着された状態で、本体ケーシング2内に備えられる本体カップリング(図示せず)の先端が相対回転不能に挿入され、本体カップリング(図示せず)を介して、本体ケーシング2から駆動力が入力される。
【0081】
現像ギヤ62は、現像ローラ軸30の左端部に相対回転不能に取り付けられている。現像ギヤ62は、現像カップリング61の大径ギヤ部65に後側から噛合されている。
【0082】
供給ギヤ63は、供給ローラ軸29の左端部に相対回転不能に取り付けられている。供給ギヤ63は、現像カップリング61の大径ギヤ部65に後下側から噛合されている。
【0083】
アイドルギヤ64は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されており、軸受部材51のアイドルギヤ支持軸57に回転可能に支持されている。また、アイドルギヤ64は、アイドルギヤ64の左側半分を構成する大径部71、および、アイドルギヤ64の右側半分を構成する小径部70を一体的に有している。
【0084】
大径部71は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。また、大径部71は、現像カップリング61の小径ギヤ部66に前下側から噛合されている。
【0085】
小径部70は、大径部71と中心軸線を共有するように大径部71の右面から右側へ延びる略円柱形状に形成されている。なお、小径部70は、現像カップリング61の大径ギヤ部65の前下側に間隔を隔てて配置されている。
【0086】
第1アジテータギヤ72は、アジテータ軸76の左端部に相対回転不能に取り付けられている。第1アジテータギヤ72は、アイドルギヤ64の小径部70に前上側から噛合されている。
【0087】
第2アジテータギヤ78は、右壁36Rの右側において、アジテータ軸76の右端部に相対回転不能に取り付けられている(
図5参照)。また、第2アジテータギヤ78の歯数は、第1アジテータギヤ72の歯数よりも少ない。
(2-3)駆動側ギヤカバー
駆動側ギヤカバー53は、左右方向に延び、左端部が閉鎖された略筒形状に形成されている。駆動側ギヤカバー53は、現像カップリング61、供給ギヤ63、アイドルギヤ64、第1アジテータギヤ72を一括して被覆可能なサイズ(前後方向長さおよび上下方向長さ)に形成されている。また、駆動側ギヤカバー53には、カップリング露出開口73が形成されている。
【0088】
カップリング露出開口73は、駆動側ギヤカバー53の前後方向略中央の左壁において、現像カップリング61のカップリング部67の左面を露出させるように、側面視略円形状に貫通形成されている。
【0089】
そして、駆動側ギヤカバー53は、カップリング露出開口73を介して現像カップリング61のカップリング部67の左面を露出させるとともに、現像カップリング61(カップリング部67の左面を除く)、供給ギヤ63、アイドルギヤ64、第1アジテータギヤ72を一括して被覆するように左壁36Lにねじ止めされている。
(3)給電ユニット
給電ユニット33は、
図3および
図5に示すように、現像電極の一例としての電極部材81、被検知体の一例としての新品検知ギヤ82、および、被覆部材の一例としての給電側ギヤカバー83とを備えている。
(3-1)電極部材
電極部材81は、
図5および
図6に示すように、導電性の樹脂材料(例えば、導電性ポリアセタール樹脂)などから側面視略矩形の平板形状に形成されている。電極部材81は、本体部94と、被給電部の一例としての受電部88とを備えている。
【0090】
本体部94は、側面視略矩形の平板形状に形成され、現像ローラ軸支持穴84、供給ローラ軸支持部85、嵌合突起挿通穴86、現像ローラ軸カラー87を有している。
【0091】
現像ローラ軸支持穴84は、電極部材81の上側後端部において、側面視略円形状に貫通形成されている。現像ローラ軸支持穴84の内径は、現像ローラ軸30の右端部と略同径(わずかに大径)に形成されている。そして、現像ローラ軸30は、その右端部において、現像ローラ軸支持穴84内に回転可能に支持されている。
【0092】
供給ローラ軸支持部85は、現像ローラ軸支持穴84の前下側において、右壁36Rの左面から左側へ延びる略円筒形状に形成されている。供給ローラ軸支持部85の内径は、供給ローラ軸29の外径と略同径(わずかに大径)に形成されている。そして、供給ローラ軸29は、その右端部において、供給ローラ軸支持部85内に回転可能に支持されている。
【0093】
嵌合突起挿通穴86は、電極部材81の前端部において、側面視略円形状に貫通形成されている。なお、嵌合突起挿通穴86の前端縁と下端縁とには、嵌合突起挿通穴86の径方向外側へ凹む凹部89が形成されている。
【0094】
現像ローラ軸カラー87は、現像ローラ軸支持穴84の周縁部から右側へ突出する略円筒形状に形成されている。
【0095】
受電部88は、本体部94の嵌合突起挿通穴86の周縁部から右側へ突出する略円筒形形状に形成されている。なお、受電部88の左端部には、嵌合突起挿通穴86の凹部89に連続するように、受電部88の左端縁から右側へ延びる凹溝90が形成されている。
【0096】
そして、電極部材81は、現像ローラ軸支持穴84および現像ローラ軸カラー87に、現像ローラ軸30の右端部が挿通され、供給ローラ軸支持部85に、供給ローラ軸29の右端部が挿通され、受電部88に嵌合突起45が内嵌されるように、右壁36Rの左側に組み付けられている。
【0097】
なお、嵌合突起45の右端部は、受電部88の右端部よりも左側に配置されている。また、受電部88は、トナー収容部79の前端部の右側に配置されている。
【0098】
また、
図8に示すように、受電部88の後上側端部は、左右方向に投影したときに現像カップリング61に重なるように配置されている。
(3-2)新品検知ギヤ
新品検知ギヤ82は、
図5および
図7に示すように、絶縁性の樹脂材料(例えば、ポリアセタール樹脂)から左右方向に延びる略円筒形状に形成され、電極部材81の受電部88に回転可能に外嵌されている。
【0099】
なお、以下の新品検知ギヤ82の説明において、新品検知ギヤ82の径方向を径方向と定義し、新品検知ギヤ82の周方向を周方向と定義し、新品検知ギヤ82の回転方向(右側面視時計回り)を回転方向と定義する。
【0100】
また、新品検知ギヤ82は、欠け歯ギヤ96と、筒部97と、被覆部の一例としての被検知端部95とを一体的に備えている。
【0101】
欠け歯ギヤ96は、左右方向に厚みを有する略円板形状に形成されている。欠け歯ギヤ96の周面には、中心角が約205°をなす部分にギヤ歯が形成されている。すなわち、欠け歯ギヤ96の周面には、ギヤ歯が形成されている歯部98と、ギヤ歯が形成されていない欠け歯部99とが形成されている。そして、歯部98は、第2アジテータギヤ78に後側から噛合される。一方、欠け歯部99は、第2アジテータギヤ78に噛合されない。
【0102】
また、欠け歯ギヤ96の径方向中央には、受電部挿通穴104が形成されている。
【0103】
受電部挿通穴104は、欠け歯ギヤ96と中心軸線を共有する側面視略円形状に形成されている。受電部挿通穴104の直径は、電極部材81の受電部88の外径よりもわずかに大径である。
【0104】
筒部97は、欠け歯ギヤ96の受電部挿通穴104の周縁部から右側に突出し、欠け歯ギヤ96と中心軸線を共有する略円筒形状に形成されている。筒部97の内径は、受電部挿通穴104の直径と同径である。なお、筒部97の右端部には、その径方向外側へ突出する鍔部100が形成されている。
【0105】
被検知端部95は、筒部97の右端部から連続して右側へ延びている。詳しくは、被検知端部95は、第1被覆部101と、第2被覆部102とを備えている。
【0106】
第1被覆部101は、筒部97の径方向両端部に1つずつ設けられ、筒部97の右端部から右側へ突出する断面視略矩形の柱形状に形成されている。詳しくは、一方の第1被覆部101は、左右方向に投影したときに、歯部98の回転方向下流側端部の径方向内側に配置されている。また、他方の第1被覆部101は、左右方向に投影したときに、歯部98の回転方向略中央の径方向内側に配置されている。なお、両第1被覆部101の間は、周方向において開放されており、第1開口として機能する。言い換えると、第1開口は回転方向に延びており、第1被覆部101は、第1開口の回転方向途中に設けられている。
【0107】
また、第1被覆部101の径方向外側端部は、その周方向両端縁が面取りされている。
詳しくは、第1被覆部101の径方向外側端部の回転方向下流側端縁には、回転方向上流側へ向かうに従って径方向外側へ傾斜する第2傾斜面の一例としての下流側面取り面105が形成されている。また、第1被覆部101の径方向外側端部の回転方向上流側端縁には、回転方向上流側へ向かうに従って径方向内側へ傾斜する第1傾斜面の一例としての上流側面取り面106が形成されている。
【0108】
第2被覆部102は、各第1被覆部101の右端部間に架設される側面視略菱形の平板形状に形成されている。また、第2被覆部102は、その左面から左側へ突出する嵌合部103を備えている。
【0109】
嵌合部103は、筒部97と中心軸線を共有する略円筒形状に形成されている。嵌合部103の外径は、受電部88の内径と略同径(わずかに小径)に形成されている。
【0110】
そして、新品検知ギヤ82は、受電部挿通穴104に受電部88が挿通されるように、受電部88に回転可能に外嵌されている。また、新品検知ギヤ82の嵌合部103は、受電部88の右端部に内嵌されている。
【0111】
これにより、受電部88の右端部は、各第1被覆部101によって径方向外側から被覆され、第2被覆部によって右側から被覆されている。また、受電部88の右端部は、各第1被覆部101の間から露出されている。
【0112】
また、欠け歯ギヤ96の歯部98の回転方向下流側端部は、第2アジテータギヤ78に噛合されている。
【0113】
また、
図8に示すように、新品検知ギヤ82の後上側端部は、前後方向に投影したときに現像カップリング61に重なるように配置されている。
(3-3)給電側ギヤカバー
給電側ギヤカバー83は、
図5に示すように、左右方向に延び、右端部が閉鎖された略筒形状に形成されている。給電側ギヤカバー83は、新品検知ギヤ82と第2アジテータギヤ78とを一括して被覆可能なサイズ(前後方向長さおよび上下方向長さ)に形成されている。
【0114】
また、給電側ギヤカバー83は、第2開口の一例としての新品検知ギヤ露出開口111と、前側膨出部112と、後側膨出部113とを有している。
【0115】
新品検知ギヤ露出開口111は、給電側ギヤカバー83の前後方向略中央の右壁において、新品検知ギヤ82の被検知端部95を露出させるように、側面視略円形状に貫通形成されている。
【0116】
前側膨出部112は、新品検知ギヤ露出開口111の前側周端縁から右側へ突出するように、側面視略矩形状に形成されている。
【0117】
後側膨出部113は、新品検知ギヤ露出開口111の後側周端縁から右側へ突出するように、側面視略矩形状に形成されている。
【0118】
そして、給電側ギヤカバー83は、新品検知ギヤ露出開口111を介して新品検知ギヤ82の被検知端部95を露出させるとともに、新品検知ギヤ82の欠け歯ギヤ96および筒部97と、第2アジテータギヤ78とを一括して被覆するように、右壁36Rにねじ止めされている。
【0119】
これにより、
図9に示すように、新品検知ギヤ82の右面は、上下方向に投影したときに、給電側ギヤカバー83の前側膨出部112および後側膨出部113の右面と、前後方向に直線的に並列されている。すなわち、給電側ギヤカバー83の前側膨出部112および後側膨出部113の右面は、前後方向に投影したときに、新品検知ギヤ82の右面と重なるように配置されている。
【0120】
また、給電側ギヤカバー83の前側膨出部112および後側膨出部113の右面は、受電部88の右端部よりも右側に配置されている。
3.本体ケーシング
本体ケーシング2内には、
図10に示すように、現像カートリッジ25に現像バイアスを供給するための検知手段の一例としての本体電極ユニット116が設けられている。
【0121】
本体電極ユニット116は、固定電極118と、ホルダ部材117と、ホルダ部材117に保持される揺動電極119とから構成されている。
【0122】
固定電極118は、金属からなるコイルばねであり、その一端部が、本体ケーシング2内において現像カートリッジ25の右側近傍に固定されている。また、固定電極118の遊端部121は、揺動電極119の本体側接点126(後述)に接触される。
【0123】
ホルダ部材117は、絶縁性の樹脂材料から、前後方向に延び、上側が開放される側面視略U字形の屈曲杆形状に形成されている。ホルダ部材117の前端部には、左右方向に延びる略円筒形状の筒部122が設けられており、筒部122において、本体ケーシング2内の揺動軸(図示せず)に回動可能に外嵌されている。
【0124】
揺動電極119は、金属からなり、筒部122に巻回されるコイルばねであり、その一端部が、本体ケーシング2内において現像カートリッジ25の右側近傍に固定される固定部123とされており、その他端部が、ホルダ部材117に固定される電極部124とされている。
【0125】
電極部124は、現像カートリッジ25の受電部88に接触される現像側接点125と、固定電極118の遊端部に接触される本体側接点126とを備えている。
【0126】
現像側接点125は、ホルダ部材117の前側下端部に支持されており、前下側に露出されている。
【0127】
本体側接点126は、ホルダ部材117の後端部に支持されており、右側に露出されている。
【0128】
そして、揺動電極119は、
図11に示すように、その弾性により、常には、本体側接点126が固定電極118の遊端部121より下側に離間される下側解除位置に保持されている。
【0129】
また、揺動電極119は、
図12に示すように、前側から押圧されることにより、その弾性力に抗して右側面視反時計回りに揺動され、本体側接点126が固定電極118の遊端部121に接触される接続位置に配置される。
【0130】
また、揺動電極119は、さらに前側から押圧されることにより、その弾性力に抗して右側面視反時計回りに揺動され、本体側接点126が固定電極118の遊端部121から上側に離間される上側解除位置に配置される(
図13参照。)。
【0131】
また、本体ケーシング2内には、電源132とバイアス検知部133とCPU131とが設けられている。
【0132】
電源132は、揺動電極119の固定部123に電気的に接続されている。電源132は、揺動電極119に現像バイアスを供給する。
【0133】
バイアス検知部133は、固定電極118に電気的に接続されている。バイアス検知部133は、電源132から揺動電極119を介して固定電極118に供給される現像バイアスを検知する。
【0134】
CPU131は、電源132とバイアス検知部133とに電気的に接続されている。CPU131は、バイアス検知部133における、固定電極118に現像バイアスが供給されたか否かの検知に基づいて、現像カートリッジ25の状態を判断する。バイアス検知部133において、電源132から固定電極118への現像バイアスの供給が検知された場合には、CPU131は、揺動電極119が接続位置に配置されていると判断する。また、バイアス検知部133において、電源132から固定電極118への現像バイアスの供給が検知されなかった場合には、CPU131は、揺動電極119が下側解除位置または上側解除位置に配置されていると判断する。
4.現像カートリッジの新品検知動作
図11から
図18を参照して、現像カートリッジ25の新品検知動作を説明する。
【0135】
まず、本体ケーシング2内にプロセスカートリッジ11が装着されていないときには、
図11に示すように、揺動電極119は、下側解除位置に保持されている。
【0136】
このとき、現像カートリッジ25が本体ケーシング2内に装着されていないので、電源132から現像カートリッジ25および固定電極118へ現像バイアスが供給されず、バイアス検知部133において、電源132から固定電極118への現像バイアスの供給が検知されない。これにより、CPU131は、現像バイアスが固定電極118に供給されていないと判断する。
【0137】
すると、CPU131は、所定時間以上、バイアス検知部133において、電源132から固定電極118への現像バイアスの供給が検知されなかった場合に、現像カートリッジ25が本体ケーシング2から離脱されていると判断する。
【0138】
そして、本体ケーシング2のトップカバー6を開放して、新品(未使用)の現像カートリッジ25が装着されたプロセスカートリッジ11を本体ケーシング2に前上側から挿入すると、現像カートリッジ25の受電部88が前上側からホルダ部材117に当接される。
【0139】
そして、さらに現像カートリッジ25を本体ケーシング2内に挿入すると、現像カートリッジ25の受電部88によってホルダ部材117が押圧され、揺動電極119の電極部124が、ホルダ部材117とともに右側面視反時計回りに揺動される。
【0140】
そして、
図12および
図14に示すように、現像カートリッジ25の本体ケーシング2内への装着が完了すると、揺動電極119が接続位置に配置されて、本体側接点126が固定電極118の遊端部121に接触される。また、揺動電極119の現像側接点125が、各第1被覆部101の間を介して後側から現像カートリッジ25の受電部88に接触される。なお、一方の第1被覆部101は、ホルダ部材117および揺動電極119の前上側に配置される。
【0141】
これにより、電源132から揺動電極119に給電されている現像バイアスは、現像側接点125を介して現像カートリッジ25の受電部88に給電される。
【0142】
現像カートリッジ25の受電部88に給電された現像バイアスは、電極部材81を介して現像ローラ軸30に印加される。
【0143】
また、揺動電極119に給電されている現像バイアスは、本体側接点126から固定電極118の遊端部121を介して固定電極118に給電され、バイアス検知部133に検知される。
【0144】
すると、CPU131は、現像バイアスが固定電極118に供給されていると判断する。
【0145】
一方、現像カートリッジ25が本体ケーシング2に装着されると、本体ケーシング2内の本体カップリング(図示せず)の先端が現像カップリング61の結合凹部68に相対回転不能に挿入される。そして、本体カップリング(図示せず)を介して、現像カップリング61に本体ケーシング2から駆動力が入力され、ウォーミングアップ動作が開始される。
【0146】
すると、
図4に示すように、現像カップリング61から、アイドルギヤ64および第1アジテータギヤ72を介してアジテータ軸76に駆動力が伝達され、アジテータ80が回転される。
【0147】
そして、アジテータ80が回転されると、
図5に示すように、アジテータ軸76および第2アジテータギヤ78を介して新品検知ギヤ82の欠け歯ギヤ96の歯部98に駆動力が伝達され、新品検知ギヤ82が右側面視時計回りに回転される。
【0148】
すると、
図15に示すように、新品検知ギヤ82の第1被覆部101が揺動電極119の電極部124に前側から当接し、揺動電極119の電極部124を後側へ向かって押圧する。これにより、ホルダ部材117および揺動電極119は、第1被覆部101の下流側面取り面105に沿って第1被覆部101に乗り上げるように、揺動電極119の弾性力に抗して、現像カートリッジ25の受電部88から後側へ退避されて上側解除位置に配置される。
【0149】
すると、揺動電極119の現像側接点125が現像カートリッジ25の受電部88から後側に離間されて、揺動電極119と受電部88との電気的な接続が解除される。また、揺動電極119の本体側接点126が固定電極118の遊端部121から上側に離間されて、揺動電極119と固定電極118との電気的な接続が解除される。なお、新品検知ギヤ82を導電性材料から形成した場合には、揺動電極119と受電部88との電気的な接続は解除されないが、揺動電極119と固定電極118との電気的な接続は解除される。
【0150】
このとき、CPU131は、固定電極118に現像バイアスが供給されていないと判断する。
【0151】
そして、さらに新品検知ギヤ82が右側面視時計回りに回転されると、新品検知ギヤ82の第1被覆部101が、受電部88とホルダ部材117との間を前上側から後下側へ通過する。
【0152】
すると、
図16に示すように、ホルダ部材117および揺動電極119は、第1被覆部101の下流側面取り面106に沿って第1被覆部101から降りるように、揺動電極119の弾性力によって前側へ揺動されて、再び接続位置に配置される。
【0153】
すると、揺動電極119の現像側接点125が現像カートリッジ25の受電部88に前側から接触されて、揺動電極119と受電部88とが電気的に接続される。また、本体側接点126が固定電極118の遊端部121に接触されて、揺動電極119と固定電極118とが電気的に接続される。なお、新品検知ギヤ82を導電性材料から形成した場合には、揺動電極119と受電部88とは、電気的に接続されたままである。
【0154】
これにより、CPU131は、固定電極118に現像バイアスが供給されていると判断する。つまり、CPU131は、ウォーミングアップ動作が開始された後に、固定電極118に現像バイアスが供給されている、固定電極118に現像バイアスが供給されていない、固定電極118に現像バイアスが供給されている、と順次判断する。
【0155】
すなわち、新品検知ギヤ82は、揺動電極119を接続位置に配置させて、各第1被覆部101の間を介して現像カートリッジ25の受電部88に給電させる第1位置から、揺動電極119を上側解除位置に配置させて、第1被覆部101により現像カートリッジ25の受電部88への電力の入力を解除する第2位置を経て、揺動電極119を接続位置に配置させて、各第1被覆部101の間を介して現像カートリッジ25の受電部88に給電させる第3位置へ回転移動される。
【0156】
その後、さらに新品検知ギヤ82が回転されると、
図17および
図18に示すように、他方の第1被覆部101が、上記した一方の第1被覆部と同様にして、揺動電極119を、接続位置から一旦上側解除位置に配置させた後、再び接続位置に配置させる。
【0157】
その後、さらに新品検知ギヤ82が回転されると、新品検知ギヤ82の欠け歯部99が第2アジテータギヤ78に対向されて、新品検知ギヤ82の歯部98と第2アジテータギヤ78との噛合が解除され、新品検知ギヤ82の回転駆動が停止される。その後、ウォーミングアップ動作が終了する。
【0158】
これにより、CPU131は、再び、固定電極118に現像バイアスが供給されている、固定電極118に現像バイアスが供給されていない、固定電極118に現像バイアスが供給されている、と順次判断する。
【0159】
そして、CPU131は、ウォーミングアップ動作が開始された後に、固定電極118に現像バイアスが供給されている、固定電極118に現像バイアスが供給されていない、固定電極118に現像バイアスが供給されている、と順次判断したときに、現像カートリッジ25が新品(未使用)であると判断する。
【0160】
また、CPU131では、固定電極118に現像バイアスが供給されていないと判断する回数が最大画像形成枚数に関する情報と対応するように関連付けられている。具体的には、例えば、固定電極118に現像バイアスが供給されていないと判断する回数が2回の場合には、最大画像形成枚数が6000枚であり、固定電極118に現像バイアスが供給されていないと判断する回数が1回の場合には、最大画像形成枚数が3000枚であるという情報と対応するように関連付けられている。
【0161】
そして、上記したように、CPU131は、ウォーミングアップ動作が開始された後に、固定電極118に現像バイアスが供給されている、固定電極118に現像バイアスが供給されていない、固定電極118に現像バイアスが供給されていると、2回判断したときには、現像カートリッジ25の最大画像形成枚数が6000枚であると判断する。
【0162】
その結果、新品の現像カートリッジ25が装着されると、CPU131は、その現像カートリッジ25が新品であり、かつ、その現像カートリッジ25の最大画像形成枚数が6000枚であると判断し、その現像カートリッジ25の装着時から、実際の画像形成枚数が、6000枚を超える直近に、図示しない操作パネルなどに、現像カートリッジ25の交換時期であることの通知を表示する。
【0163】
一方、CPU131は、所定時間以上、固定電極118に現像バイアスが供給されていると判断したときに、現像カートリッジ25が本体ケーシング2に装着されていると判断する。
【0164】
上述したように、新品の現像カートリッジ25が装着されたときには、新品検知動作が実施されることにより、現像カートリッジの本体ケーシング2への装着が判断できる。一方、新品の現像カートリッジ25を装着した後に、たとえば、用紙Sの詰まり(ジャム)などによって、一旦、その現像カートリッジ25を本体ケーシング2から離脱させ、再び本体ケーシング2に装着したときには、新品検知ギヤ82は、欠け歯ギヤ96の欠け歯部99が第2アジテータギヤ78と対向する位置で停止されている。そのため、再装着において、ウォーミングアップ動作が実行されても、新品検知ギヤ82は回転駆動されず、新品検知動作は実施されない。このときには、ホルダ部材117および揺動電極119が接続位置に配置されているため、常に固定電極118に現像バイアスが供給されていると判断する。
【0165】
これにより、CPU131では、その再装着された現像カートリッジ25(旧品の現像カートリッジ25)を、新品であると誤判断することなく、新品と判断したときの最大画像形成枚数と、その新品と判断したときからの実際の画像形成枚数との比較が継続される。また、CPU131では、現像カートリッジ25が本体ケーシング2に装着されていると判断される。
5.作用効果
(1)この現像カートリッジ25によれば、
図3および
図4に示すように、現像カップリング61を、左壁36Lの左側に配置するとともに、新品検知ギヤ82を、右壁36Rの右側に配置して、現像カップリング61に入力された駆動力を、左壁36Lと右壁36Rとの間に配置されるアジテータ80を介して、新品検知ギヤ82に伝達することができる。
【0166】
そのため、現像カップリング61と新品検知ギヤ82とを、互いに別の側壁(左壁36Lと右壁36R)に配置することができ、その分、左壁36Lおよび右壁36Rの面積を小さくすることができる。
【0167】
その結果、現像カートリッジ25を小型化することができる。
(2)また、この現像カートリッジ25によれば、
図9に示すように、新品検知ギヤ82は、左右方向に投影したときにその後上側端部が現像カップリング61に重なるように、配置されている。
【0168】
そのため、新品検知ギヤ82と現像カップリング61とを、左右方向に投影したときにほぼ同じ位置に配置することができ、現像カートリッジ25をより小型化することができる。
(3)また、この現像カートリッジ25によれば、
図3および
図4に示すように、アジテータ80を利用して現像カップリング61から新品検知ギヤ82へ駆動力を伝達することができ、部品点数を低減することができる。
(4)また、この現像カートリッジ25によれば、
図3に示すように、新品検知ギヤ82は、電極部材81の受電部88に、回転可能に支持されている。
【0169】
そのため、新品検知ギヤ82と受電部88とを別々に配置する場合と比べて、効率よく新品検知ギヤ82を配置することができる。
(5)また、この現像カートリッジ25によれば、
図9に示したように、受電部88は、左右方向に投影したときに、その後上側端部が現像カップリング61に重なるように、配置されている。
【0170】
そのため、受電部88と現像カップリング61とを、前後方向および上下方向においてほぼ同じ位置に配置することができ、現像カートリッジ25をより一層小型化することができる。
(6)また、この現像カートリッジ25によれば、
図7に示すように、各第1被覆部101は、新品検知ギヤ82の径方向両側に設けられている。すなわち、第1開口(各第1被覆部101の間)は、新品検知ギヤ82の回転方向に延びている。
【0171】
そのため、新品検知ギヤ82の回転により、確実に、本体ケーシング2から受電部88への給電、および、給電の解除を切り替えることができる。
(7)また、この現像カートリッジ25によれば、
図7に示すように、被検知端部95は、受電部88を径方向から被覆する第1被覆部101と、受電部88を右側から被覆する第2被覆部102とを有している。
【0172】
そのため、被検知端部95によって、受電部88を径方向および右側から保護することができる。
(8)また、この現像カートリッジ25によれば、
図7に示すように、被検知端部95は、新品検知ギヤ82の径方向両側に1つずつ第1被覆部101を有している。
【0173】
そのため、受電部88を径方向両方から保護することができる。
(9)また、この現像カートリッジ25によれば、第1被覆部101の数が現像カートリッジ25の最大画像形成枚数に対応している。
【0174】
そのため、第1被覆部101の数に基づいて、現像カートリッジ25の最大画像形成枚数に関する情報を、簡易かつ確実に判断することができる。
【0175】
その結果、現像カートリッジ25において、最大画像形成枚数に対応してトナーの量が異なっていても、寿命を正確に判断して、的確に現像カートリッジ25を交換することができる。
(10)また、この現像カートリッジ25によれば、
図7(c)に示すように、第1被覆部101の径方向外側端部の回転方向下流側端縁には、回転方向上流側へ向かうに従って径方向外側へ傾斜する下流側面取り面105が形成されており、第1被覆部101の径方向外側端部の回転方向上流側端縁には、回転方向上流側へ向かうに従って径方向内側へ傾斜する上流側面取り面106が形成されている。
【0176】
そのため、新品検知ギヤ82の第1被覆部101が、受電部88とホルダ部材117との間を通過するときに、ホルダ部材117および揺動電極119を、第1被覆部101の下流側面取り面105に沿って第1被覆部101に乗り上げるように上側解除位置に配置させ、その後、第1被覆部101の下流側面取り面106に沿って第1被覆部101から降りるように、再び接続位置に配置させることができる。
【0177】
その結果、新品検知ギヤ82の第1被覆部101を、円滑に、受電部88とホルダ部材117との間を通過させることができる。
(11)また、この現像カートリッジ25によれば、
図5および
図8に示すように、第2被覆部102は、受電部88の右端部に嵌合する嵌合部103を有している。
【0178】
そのため、嵌合部103により、受電部88の右端部を新品検知ギヤ82に対して位置決めすることができる
(12)また、この現像カートリッジ25によれば、
図5および
図8に示すように、受電部88は、筒形状に形成されており、嵌合部103は、受電部88の右端部に内嵌されている。
【0179】
そのため、嵌合部103により、受電部88の右端部を補強することができる。
(13)また、この現像カートリッジ25によれば、
図5に示すように、カートリッジフレーム31の右壁36Rには、受電部88に内嵌される嵌合突起45を備えている。
【0180】
そのため、嵌合突起45により、受電部88を補強することができる。
(14)また、この現像カートリッジ25によれば、
図14、
図15および
図16に示すように、新品検知ギヤ82は、第1開口(各第1被覆部101の間)を介して受電部88へ給電される第1位置(
図14参照)から、第1被覆部101により受電部88への電力の入力が解除される第2位置(
図15参照)を経て、第1開口(各第1被覆部101の間)を介して受電部88へ給電される第3位置(
図16参照)へ移動される。
【0181】
そのため、受電部88への電力の入力が解除される前後において、受電部88への給電を検知することができ、受電部88への電力の入力の第1被覆部101による解除を、確実に、CPU131に認識させることができる。
(15)また、この現像カートリッジ25によれば、
図7に示すように、新品検知ギヤ82は、駆動力が伝達される歯部98と、駆動力が伝達されない欠け歯部99とを有する欠け歯ギヤ96を備えている。
【0182】
そのため、新品検知ギヤ82を、回転駆動開始から回転駆動停止までの所定の駆動量で、確実に回転駆動させることができる。
(16)また、この現像カートリッジ25によれば、
図5に示すように、給電側ギヤカバー83は、新品検知ギヤ露出開口111を介して新品検知ギヤ82の被検知端部95を露出させるとともに、新品検知ギヤ82の欠け歯ギヤ96および筒部97と、第2アジテータギヤ78とを一括して被覆している。
【0183】
そのため、欠け歯ギヤ96と第2アジテータギヤ78とを保護して、これらを確実に噛合させることができるとともに、新品検知ギヤ露出開口111を介して受電部88に給電することができる。
(17)また、この現像カートリッジ25によれば、
図8に示すように、給電側ギヤカバー83の右面は、現像カートリッジ25の前後方向に投影したときに、新品検知ギヤ82の第2被覆部102の右面と重なるように配置されている。
【0184】
そのため、現像カートリッジ25を本体ケーシング2に対して円滑に装着することができる。
(18)また、この現像カートリッジ25によれば、第1アジテータギヤ72の歯数は、第2アジテータギヤ78の歯数よりも多い。
【0185】
そのため、アジテータ80の回転速度に対して新品検知ギヤ82の回転速度を低減させることができる。
【0186】
その結果、本体ケーシング2から受電部88への給電、および、給電の解除を検知するための時間を確保することができ、受電部88への給電、および、給電の解除を正確に検知することができる。
6.第2実施形態
図19~
図22を参照して、カートリッジの第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0187】
上記した第1実施形態では、第1被覆部101を、筒部97の径方向両端部に1つずつ設け、第1被覆部101の数を現像カートリッジ25の最大画像形成枚数に対応させている。
【0188】
しかし、第2実施形態では、
図19に示すように、新品検知ギヤ82の被覆部の一例としての被検知端部136を中心角約120°の部分円筒形状に形成する。
【0189】
すなわち、被検知端部136の周壁137が第1被覆部として機能し、周壁137が設けられていない部分が第1開口として機能する。
【0190】
そして、
図20に示すように、現像カートリッジ25の本体ケーシング2内への装着が完了すると、揺動電極119が接続位置に配置されて、本体側接点126が固定電極118の遊端部121に接触される。また、揺動電極119の現像側接点125が、被検知端部136の周壁137が設けられていない部分を介して、後側から現像カートリッジ25の受電部88に接触される。
【0191】
これにより、電源132からの現像バイアスは、揺動電極119を介して現像カートリッジ25の受電部88に給電され、さらには、電極部材81を介して現像ローラ軸30に印加される。
【0192】
すると、CPU131は、固定電極118に現像バイアスが供給されていると判断する。
【0193】
そして、プリンタ1のウォーミングアップ動作が開始されて、新品検知ギヤ82が右側面視時計回りに回転されると、
図21に示すように、被検知端部136の周壁137の回転方向下流側端部がホルダ部材117に前側から当接し、ホルダ部材117を後側へ向かって押圧する。これにより、ホルダ部材117および揺動電極119は、周壁137に乗り上げるように、揺動電極119の弾性力に抗して、現像カートリッジ25の受電部88から後側へ退避されて上側解除位置に配置される。
【0194】
すると、揺動電極119の現像側接点125が現像カートリッジ25の受電部88から後側に離間されて、揺動電極119と受電部88との電気的な接続が解除される。また、揺動電極119の本体側接点126が固定電極118の遊端部121から上側に離間されて、揺動電極119と固定電極118との電気的な接続が解除される。
【0195】
このとき、CPU131は、固定電極118に現像バイアスが供給されていないと判断する。
【0196】
そして、さらに新品検知ギヤ82が右側面視時計回りに回転されると、被検知端部136の周壁137が、受電部88とホルダ部材117との間を前上側から後下側へ通過する。
【0197】
このとき、CPU131は、周壁137の周方向長さに応じた時間、固定電極118に現像バイアスが供給されていないと判断する。
【0198】
すると、
図22に示すように、ホルダ部材117および揺動電極119は、周壁137から降りるように、揺動電極119の弾性力によって前側へ揺動されて、再び接続位置に配置される。
【0199】
すると、揺動電極119の現像側接点125が現像カートリッジ25の受電部88に前側から接触されて、揺動電極119と受電部88とが電気的に接続される。また、本体側接点126が固定電極118の遊端部121に接触されて、揺動電極119と固定電極118とが電気的に接続される。
【0200】
これにより、CPU131は、固定電極118に現像バイアスが供給されていると判断する。つまり、CPU131は、ウォーミングアップ動作が開始された後に、固定電極118に現像バイアスが供給されている、固定電極118に現像バイアスが供給されていない、固定電極118に現像バイアスが供給されている、と順次判断する。
【0201】
そして、CPU131は、ウォーミングアップ動作が開始された後に、固定電極118に現像バイアスが供給されている、固定電極118に現像バイアスが供給されていない、固定電極118に現像バイアスが供給されている、と順次判断したときに、現像カートリッジ25が新品(未使用)であると判断する。
【0202】
また、CPU131では、固定電極118に現像バイアスが供給されていないと判断する時間が最大画像形成枚数に関する情報と対応するように関連付けられている。具体的には、例えば、固定電極118に現像バイアスが供給されていないと判断する時間が長い場合には、最大画像形成枚数が6000枚であり、固定電極118に現像バイアスが供給されていないと判断する時間が短い場合には、最大画像形成枚数が3000枚であるという情報と対応するように関連付けられている。
【0203】
そして、上記したように、CPU131は、ウォーミングアップ動作が開始された後に、固定電極118に現像バイアスが供給されている、固定電極118に現像バイアスが供給されていない、固定電極118に現像バイアスが供給されている、と順次判断し、そのうちの固定電極118に現像バイアスが供給されていないと判断する時間が長いときには、現像カートリッジ25の最大画像形成枚数が6000枚であると判断する。
【0204】
一方、CPU131は、所定時間以上、固定電極118に現像バイアスが供給されていると判断したときに、現像カートリッジ25が本体ケーシング2に装着されていると判断する。
【0205】
第2実施形態によれば、周壁137が受電部88を、回転方向において連続して半分以上被覆している。
【0206】
そのため、受電部88を、回転方向において連続して半分以上保護することができる。
【0207】
また、第2実施形態によれば、周壁137の回転方向長さは、現像カートリッジ25の最大画像形成枚数に対応している。
【0208】
そのため、周壁137の回転方向長さに基づいて、現像カートリッジ25の最大画像形成枚数を、簡易かつ確実に判断することができる。
【0209】
その結果、現像カートリッジ25において、最大画像形成枚数に対応してトナーの量が異なっていても、寿命を正確に判断して、的確に現像カートリッジ25を交換することができる。
【0210】
また、第2実施形態においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
7.第3実施形態
図23および
図24を参照して、カートリッジの第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0211】
上記した第1実施形態では、現像カップリング61に入力された駆動力を、アジテータ軸76を介して新品検知ギヤ82に伝達しているが、第3実施形態では、
図23および
図24に示すように、現像カップリング61に入力された駆動力を、現像ローラ軸30を備える回転部材の一例としての現像ローラ16を介して新品検知ギヤ82に伝達する。現像ローラ16は、現像ローラ軸30の中心軸線A3(回転軸線の一例、
図23参照)を回転中心として回転される。
【0212】
第3実施形態では、アジテータ軸76の右端部には、第2アジテータギヤ78が設けられていない。また、電極部材81には、現像ローラ軸カラー87が設けられておらず、現像ローラ軸30の右端部は、電極部材81の右面から右側へ突出されている。
【0213】
現像ローラ軸30の右端部には、第2駆動伝達部材(第2ギヤ)の一例としての第1アイドルギヤ141が相対回転不能に支持されている。また、電極部材81の右面には、第2アイドルギヤ142が回転可能に支持されている。第2アイドルギヤ142は、第1アイドルギヤ141に前上側から噛合されるとともに、新品検知ギヤ82の欠け歯ギヤ96の歯部98に後上側から噛合されている。
【0214】
そして、ウォーミングアップ動作が開始されると、
図24に示すように、現像カップリング61から第1駆動伝達部材(第1ギヤ)の一例としての現像ギヤ62に駆動力が伝達され、現像ローラ16が回転される。
【0215】
現像ローラ16が回転されると、現像ローラ軸30とともに第1アイドルギヤ141が回転され、第2アイドルギヤ142を介して新品検知ギヤ82の欠け歯ギヤ96の歯部98に駆動力が伝達されて、新品検知ギヤ82が右側面視時計回りに回転される。
【0216】
第3実施形態によれば、現像ローラ16を利用して現像カップリング61から新品検知ギヤ82へ駆動力を伝達することができ、部品点数を低減することができる。
【0217】
第3実施形態においても上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
8.第4実施形態
図25および
図26を参照して、カートリッジの第4実施形態を説明する。なお、第4実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0218】
上記した第1実施形態では、現像カップリング61に入力された駆動力を、アジテータ軸76を介して新品検知ギヤ82に伝達しているが、第4実施形態では、
図25および
図26に示すように、現像カップリング61に入力された駆動力を、回転軸の一例としての供給ローラ軸29を備える回転部材の一例としての供給ローラ27を介して新品検知ギヤ82に伝達する。供給ローラ27は、供給ローラ軸29の中心軸線A4(回転軸線の一例、
図25参照)を回転中心として回転される。
【0219】
第4実施形態では、アジテータ軸76の右端部には、第2アジテータギヤ78が設けられていない。また、供給ローラ軸29の右端部は、電極部材81の右面から右側へ突出されている。
【0220】
供給ローラ軸29の右端部には、第2駆動伝達部材(第2ギヤ)の一例としてのアイドルギヤ151が相対回転不能に支持されている。アイドルギヤ151は、新品検知ギヤ82の欠け歯ギヤ96の歯部98に後下側から噛合されている。
【0221】
そして、ウォーミングアップ動作が開始されると、
図26に示すように、現像カップリング61から第1駆動伝達部材(第1ギヤ)の一例としての供給ギヤ63に駆動力が伝達され、供給ローラ27が回転される。
【0222】
供給ローラ27が回転されると、供給ローラ軸29とともにアイドルギヤ151が回転され、アイドルギヤ151から新品検知ギヤ82の欠け歯ギヤ96の歯部98に駆動力が伝達されて、新品検知ギヤ82が右側面視時計回りに回転される。
【0223】
第4実施形態によれば、供給ローラ27を利用して現像カップリング61から新品検知ギヤ82へ駆動力を伝達することができ、部品点数を低減することができる。
【0224】
第4実施形態においても上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
9.第5実施形態
図27を参照して、カートリッジの第5実施形態を説明する。なお、第5実施形態において、上記した第4実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0225】
上記した第4実施形態では、供給ローラ軸29の右端部にアイドルギヤ151を設け、アイドルギヤ151を、新品検知ギヤ82の欠け歯ギヤ96の歯部98に後下側から噛合させている。
【0226】
しかし、第5実施形態では、新品検知ギヤ82に、欠け歯ギヤ96に代えて、
図27に示すように、少なくとも外周面がゴムなどの摩擦係数が比較的大きい材料からなる略円板形状の第1抵抗付与部材146を設ける。また、供給ローラ軸29の右端部に、アイドルギヤ151に代えて、少なくとも外周面がゴムなどの摩擦係数が比較的大きい材料からなる略円板形状の第2駆動伝達部材の一例としての第2抵抗付与部材147を、第1抵抗付与部材146に後側から接触するように設ける。
【0227】
そして、ウォーミングアップ動作が開始されると、上記した第5実施形態と同様にして、供給ローラ27が回転される。
【0228】
供給ローラ27が回転されると、供給ローラ軸29とともに第2抵抗付与部材147が回転され、第2抵抗付与部材147と第1抵抗付与部材146との間の摩擦力によって、第2抵抗付与部材147から第1抵抗付与部材146へ駆動力が伝達されて、新品検知ギヤ82が右側面視時計回りに回転される。
【0229】
第5実施形態においても上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
10.第6実施形態
図28、
図29および
図30を参照して、カートリッジの第6実施形態を説明する。なお、第6実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0230】
上記した第1実施形態では、現像カップリング61に入力された駆動力を、アジテータ軸76を介して新品検知ギヤ82に伝達しているが、第6実施形態では、
図28および
図29に示すように、現像カップリング61に入力された駆動力を、カートリッジフレーム31の前端部に支持された回転部材の一例としての外側回転軸155を介して新品検知ギヤ82に伝達する。外側回転軸155は、中心軸線A5(回転軸線の一例、
図29参照)を回転中心として回転される。
【0231】
また、第6実施形態では、第2アジテータギヤ78は、アジテータ軸76に回転可能に支持されている。つまり、第2アジテータギヤ78には、アジテータ軸76からの駆動力は伝達されない。
【0232】
外側回転軸155は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されており、その左右方向両端部において、カートリッジフレーム31の前端部に回転可能に支持されている。また、外側回転軸155の左右方向略中央には、ユーザが把持するための取っ手154が回動可能に支持されている。
【0233】
外側回転軸155の左端部には、外側回転軸155に駆動力を入力する第1駆動伝達部材(第1ギヤ)の一例としての入力ギヤ156が相対回転不能に支持されている。入力ギヤ156と第1アジテータギヤ72との間には、アイドルギヤ158が介在されている。
また、外側回転軸155の右端部には、第2駆動伝達部材の一例としてのプーリ157が相対回転不能に支持されている。
【0234】
第2アジテータギヤ78は、ギヤ部159とプーリ部160とを一体的に備えている。
【0235】
ギヤ部159は、第2アジテータギヤ78の右端部に設けられ、新品検知ギヤ82の欠け歯ギヤ96の歯部98に前側から噛合されている。
【0236】
プーリ部160は、第2アジテータギヤ78の左端部に設けられている。なお、プーリ部160は、ギヤ歯有していない。
【0237】
そして、第2アジテータギヤ78のプーリ部160と、外側回転軸155のプーリ157とには、エンドレスベルト161が巻回されている。
【0238】
そして、ウォーミングアップ動作が開始されると、
図30に示すように、現像カップリング61から上記した第1実施形態と同様にして第1アジテータギヤ72に駆動力が伝達され、その後、アイドルギヤ158および入力ギヤ156を順次介して外側回転軸155に駆動力が伝達され、外側回転軸155が回転される。
【0239】
外側回転軸155が回転されると、外側回転軸155とともにプーリ157が回転されて、エンドレスベルト161が周回移動される。すると、エンドレスベルト161を介して第2アジテータギヤ78のプーリ部160に駆動力が伝達され、第2アジテータギヤ78のギヤ部159から新品検知ギヤ82の欠け歯ギヤ96の歯部98に駆動力が伝達されて、新品検知ギヤ82が右側面視時計回りに回転される。
【0240】
第6実施形態においても上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
11.第7実施形態
図31~
図36を参照して、カートリッジの第7実施形態を説明する。なお、第7実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0241】
上記した第1実施形態では、電極部材81に、右側へ突出する略円筒形状の受電部88を設け、その受電部88に、略円筒形状の新品検知ギヤ82を回転可能に支持している。
そして、プリンタ1のウォーミングアップ動作において、新品検知ギヤ82を回転させることにより、受電部88に給電するための本体電極ユニット116の揺動電極119を前後に揺動させて、受電部88への給電を定期的に解除している。
【0242】
しかし、第7実施形態では、
図31に示すように、金属などの導電性材料からなる略矩形平板形状の被給電部の一例としての受電部167を右壁36Rに設けるとともに、受電部167の右側に、絶縁性の樹脂材料からなる略円板形状の被検知体の一例としての回転板166を設ける。
【0243】
詳しくは、受電部167は、現像カートリッジ25の右側(トナー収容部79の後端部の右側)において、右壁36Rに支持されており、側面視略矩形状に形成されている。受電部167は、図示しない電極を介して、現像ローラ軸30および供給ローラ軸29に電気的に接続されている。
【0244】
回転板166は、受電部167の前側に回転可能に支持されている。また、回転板166の後側半分は、受電部167の右側に重なっている。また、回転板166には、2つの受電部露出開口168が形成されている。なお、各受電部露出開口168の間の部分が、被覆部169として機能する。
【0245】
各受電部露出開口168は、回転板166の径方向両端部に1つずつ設けられており、中心角約60°の側面視略扇形状に貫通形成されている。
【0246】
そして、回転板166は、プリンタ1のウォーミングアップ動作において、右側面視反時計回りに回転され、一方の受電部露出開口168Aを介して受電部167を露出させる第1位置(
図32参照)から、被覆部169で受電部167を被覆する第2位置(
図33参照)を経て、他方の受電部露出開口168Bを介して受電部167を露出させる第3位置(
図34参照)へ移動される。
【0247】
また、第7実施形態では、
図35に示すように、本体ケーシング2内において、固定電極170と、検知手段の一例としての移動電極171とが設けられている。
【0248】
固定電極170は、金属から略L字形の屈曲杆形状に形成されており、その一端部が、本体ケーシング2内において現像カートリッジ25の右側近傍に固定されている。また、固定電極170の遊端部172は、移動電極171のフランジ部173(後述)に接触される。固定電極170は、バイアス検知部133に電気的に接続されている。
【0249】
移動電極171は、本体ケーシング2内において現像カートリッジ25の右側近傍に設けられ、金属から左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。また、移動電極171は、その左右方向途中において、その径方向外側へ突出されるフランジ部173を有している。移動電極171は、電源132に電気的に接続されている。
【0250】
そして、移動電極171は、左右方向にスライド可能であり、図示しない付勢手段により、常には左側へ向かって付勢され、フランジ部173が固定電極170の遊端部172より左側に離間される第2解除位置(解除位置)の一例としての左側解除位置に保持されている。
【0251】
そして、現像カートリッジ25が本体ケーシング2内に装着されていないときには、移動電極171は、左側解除位置(
図35参照)に配置されており、電源132から現像カートリッジ25および固定電極170へ現像バイアスが供給されず、バイアス検知部133において、電源132から固定電極170への現像バイアスの供給が検知されない。これにより、CPU131は、現像バイアスが固定電極170に供給されていないと判断する。
【0252】
すると、CPU131は、所定時間以上、バイアス検知部133において、電源132から固定電極170への現像バイアスの供給が検知されなかった場合に、現像カートリッジ25が本体ケーシング2から離脱されていると判断する。
【0253】
そして、回転板166が第1位置に配置されている状態において、現像カートリッジ25の本体ケーシング2内への装着が完了すると、
図36(a)に示すように、現像カートリッジ25の受電部167が、回転板166の一方の受電部露出開口168を介して、移動電極171の右端部に左側から当接される。すると、移動電極171が現像カートリッジ25によって右側から押圧されて、付勢部材(図示せず)の付勢力に抗して左側にスライドされる。これにより、移動電極171は、フランジ部173が固定電極170の遊端部172に接触されて、接続位置に配置される。
【0254】
すると、電源132から移動電極171に給電されている現像バイアスは、移動電極171の右端部を介して現像カートリッジ25の受電部167に給電される。受電部167に給電された現像バイアスは、現像ローラ軸30に印加される。
【0255】
また、移動電極171に給電されている現像バイアスは、フランジ部173から固定電極170の遊端部172を介して固定電極170に給電され、バイアス検知部133に検知される。
【0256】
すると、CPU131は、固定電極170に現像バイアスが供給されていると判断する。
【0257】
そして、ウォーミングアップ動作が開始されると、回転板166が右側面視反時計回りに回転され、回転板166が第2位置に配置される。
【0258】
すると、
図36(b)に示すように、回転板166の被覆部169が受電部167と移動電極171との間に介在され、移動電極171が、付勢部材(図示せず)の付勢力に抗して、現像カートリッジ25の受電部167から右側へ退避されて右側解除位置に配置される。
【0259】
すると、移動電極171が現像カートリッジ25の受電部167から右側に離間されて、移動電極171と受電部167との電気的な接続が解除される。また、移動電極171が固定電極170の遊端部172から右側に離間されて、移動電極171と固定電極170との電気的な接続が解除される。
【0260】
このとき、CPU131は、固定電極170に現像バイアスが供給されていないと判断する。
【0261】
そして、
図36(c)に示すように、さらに回転板166が右側面視反時計回りに回転され、回転板166が第3位置に配置されると、付勢部材(図示せず)の付勢力によって移動電極171が左側へ進出され、移動電極171が、回転板166の一方の受電部露出開口168を介して現像カートリッジ25の受電部167に当接されて接続位置に配置される。
【0262】
このとき、CPU131は、固定電極170に現像バイアスが供給されていると判断する。
【0263】
そして、CPU131は、ウォーミングアップ動作が開始された後に、固定電極170に現像バイアスが供給されている、固定電極170に現像バイアスが供給されていない、固定電極170に現像バイアスが供給されている、と順次判断したときに、現像カートリッジ25が新品(未使用)であると判断する。
【0264】
一方、CPU131は、所定時間以上、固定電極170に現像バイアスが供給されていると判断したときに、現像カートリッジ25が本体ケーシング2に装着されていると判断する。
【0265】
第7実施形態によれば、2つの受電部露出開口168を有する回転板166は、受電部167と移動電極171との間に介在され、一方の受電部露出開口168を介して受電部167に給電する第1位置から、被覆部169によって受電部167に対する給電を解除する第2位置を経て、他方の受電部露出開口168を介して受電部167に給電する第3位置へ回転される。
【0266】
そのため、簡易な構成で確実に、本体ケーシング2内の移動電極171をスライドさせて受電部167への給電、および、給電の解除を切り替えることができる。
【0267】
また、第7実施形態においても上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
12.第8実施形態
図37~
図41を参照して、プリンタ1の第8実施形態を説明する。なお、第8実施形態において、上記した第8実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0268】
上記した第7実施形態では、受電部167の右側に、受電部露出開口168を有する回転板166を設け、回転板166を回転させることにより、受電部167への給電、および、給電の解除を切り替えている。
【0269】
しかし、第8実施形態では、受電部167の右側に、被覆部180を備える被検知体の一例としてのスライド板181を設け、スライド板181を、被覆部180が受電部167の右側を後側から前側へ通過するように、前後方向にスライドさせる。
【0270】
詳しくは、
図37に示すように、現像カートリッジ25の右壁36Rは、スライド板181と、スライド板181を前後方向にスライド可能に支持する支持レール184と、スライド板181に駆動力を入力する第2駆動伝達部材(第2ギヤ)の一例としてのピニオンギヤ183とを備えている。
【0271】
スライド板181は、後側が開放された側面視略U字形状に形成されており、被覆部180と、ラック部182とを備えている。
【0272】
被覆部180は、側面視略矩形の平板形状に形成されている。また、被覆部180の前端部は、後側へ向かうに従って右側へ傾斜されている。
【0273】
ラック部182は、被覆部180の下端部から前側へ向かって延びる略杆形状に形成されており、その上面にはギヤ歯が形成されている。
【0274】
支持レール184は、上下1対のレール部185を備えている。両レール部185は、上下方向に互いに間隔を隔てて対向配置されており、スライド板181の上下両端部を上下方向外側からスライド可能に支持している。
【0275】
ピニオンギヤ183は、両レール部185間において、アジテータ軸76に相対回転不能に支持されており、ラック部182に上側から噛合されている。
【0276】
そして、スライド板181は、プリンタ1のウォーミングアップ動作において、後側から前側へスライドされ、被覆部180を受電部167の後側に配置させて受電部167を露出させる第1位置(
図38参照)から、被覆部169で受電部167を被覆する第2位置(
図39参照)を経て、被覆部180を受電部167の前側に配置させて受電部167を露出させる第3位置(
図40参照)へ移動される。
【0277】
そして、現像カートリッジ25が本体ケーシング2内に装着されていないときには、第7実施形態と同様に、移動電極171は、左側解除位置に保持されている(
図35参照)。
【0278】
このとき、電源132から現像カートリッジ25および固定電極170へ現像バイアスが供給されず、バイアス検知部133において、電源132から固定電極170への現像バイアスの供給が検知されない。これにより、CPU131は、現像バイアスが固定電極170に供給されていないと判断する。
【0279】
すると、CPU131は、所定時間以上、バイアス検知部133において、電源132から固定電極170への現像バイアスの供給が検知されなかった場合に、現像カートリッジ25が本体ケーシング2から離脱されていると判断する。
【0280】
そして、スライド板181が第1位置に配置されている状態において、現像カートリッジ25の本体ケーシング2内への装着が完了すると、
図41(a)に示すように、現像カートリッジ25の受電部167が、移動電極171の右端部に左側から当接される。すると、移動電極171が現像カートリッジ25によって右側から押圧されて、付勢部材(図示せず)の付勢力に抗して左側にスライドされる。これにより、移動電極171は、フランジ部173が固定電極170の遊端部172に接触されて、接続位置に配置される。
【0281】
すると、電源132から移動電極171に給電されている現像バイアスは、移動電極171の右端部を介して現像カートリッジ25の受電部167に給電される。受電部167に給電された現像バイアスは、現像ローラ軸30に印加される。
【0282】
また、移動電極171に給電されている現像バイアスは、フランジ部173から固定電極170の遊端部172を介して固定電極170に給電され、バイアス検知部133に検知される。
【0283】
すると、CPU131は、固定電極170に現像バイアスが供給されていると判断する。
【0284】
そして、ウォーミングアップ動作が開始されると、スライド板181が前側へスライドされ、スライド板181が第2位置に配置される。
【0285】
すると、
図41(b)に示すように、スライド板181の被覆部180が受電部167と移動電極171との間に介在され、移動電極171が、付勢部材(図示せず)の付勢力に抗して、現像カートリッジ25の受電部167から右側へ退避されて右側解除位置に配置される。
【0286】
すると、移動電極171が現像カートリッジ25の受電部167から右側に離間されて、移動電極171と受電部167との電気的な接続が解除される。また、移動電極171が固定電極170の遊端部172から右側に離間されて、移動電極171と固定電極170との電気的な接続が解除される。
【0287】
このとき、CPU131は、固定電極170に現像バイアスが供給されていないと判断する。
【0288】
そして、
図41(c)に示すように、さらにスライド板181が前側へスライドされ、スライド板181が第3位置に配置されると、付勢部材(図示せず)の付勢力によって移動電極171が左側へ進出され、移動電極171が、現像カートリッジ25の受電部167に当接されて接続位置に配置される。
【0289】
このとき、CPU131は、固定電極170に現像バイアスが供給されていると判断する。
【0290】
そして、CPU131は、ウォーミングアップ動作が開始された後に、固定電極170に現像バイアスが供給されている、固定電極170に現像バイアスが供給されていない、固定電極170に現像バイアスが供給されている、と順次判断したときに、現像カートリッジ25が新品(未使用)であると判断する。
【0291】
一方、CPU131は、所定時間以上、固定電極170に現像バイアスが供給されていると判断したときに、現像カートリッジ25が本体ケーシング2に装着されていると判断する。
【0292】
第8実施形態によれば、被覆部180を有するスライド板181が、受電部167と移動電極171との間に介在され、受電部167に給電する第1位置から、被覆部180によって受電部167に対する給電を解除する第2位置を経て、受電部167に給電する第3位置へスライド(直線移動)される。
【0293】
そのため、簡易な構成で確実に、本体ケーシング2内の移動電極171をスライドさせて受電部167への給電、および、給電の解除を切り替えることができる。
【0294】
また、第8実施形態においても上記した第7実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0295】
16 現像ローラ
25 現像カートリッジ 27 供給ローラ 29 供給ローラ軸
30 現像ローラ軸
31 カートリッジフレーム
36L 左壁
36R 右壁
45 嵌合突起
61 現像カップリング
62 現像ギヤ
63 供給ギヤ
72 第1アジテータギヤ
76 アジテータ軸
78 第2アジテータギヤ
80 アジテータ
81 電極部材
82 新品検知ギヤ
83 給電側ギヤカバー
87 現像ローラ軸カラー
88 受電部
95 被検知端部
96 欠け歯ギヤ
98 歯部
99 欠け歯部
101 第1被覆部
102 第2被覆部
103 嵌合部
105 下流側面取り面
106 上流側面取り面
111 新品検知ギヤ露出開口
136 被検知端部
137 周壁
142 第1アイドルギヤ
151 アイドルギヤ
155 外側回転軸
156 入力ギヤ
157 プーリ
166 回転板
167 受電部
171 移動電極
180 スライド板
183 ピニオンギヤ