(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】ネットワークデバイス、及び方法
(51)【国際特許分類】
H04W 36/18 20090101AFI20231212BHJP
H04W 52/40 20090101ALI20231212BHJP
【FI】
H04W36/18
H04W52/40
(21)【出願番号】P 2022506606
(86)(22)【出願日】2019-08-02
(86)【国際出願番号】 CN2019099136
(87)【国際公開番号】W WO2021022426
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2022-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109151940(CN,A)
【文献】OPPO,Discussion on Capability Coordination for LTE Mobility Enhancements[online],3GPP TSG RAN WG2 #104 R2-1816465,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_104/Docs/R2-1816465.zip>,2018年11月01日
【文献】vivo,Capability coordination between the source and target node[online],3GPP TSG RAN WG2 #106 R2-1905977,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_106/Docs/R2-1905977.zip>,2019年05月03日
【文献】ZTE Corporation, Sanechips,Capability coordination in mobility enhancement[online],3GPP TSG RAN WG2 #105 R2-1901073,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_105/Docs/R2-1901073.zip>,2019年02月15日
【文献】Huawei, HiSilicon,clarification on UE capability coordination result[online],3GPP TSG RAN WG2 #103bis R2-1815108,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_103bis/Docs/R2-1815108.zip>,2018年09月28日
【文献】ZTE Corporation, Ericsson, Nokia, Nokia Shanghai Bell, Sanechips,Way forward on minimization of HO interruption time[online],3GPP TSG RAN WG2 #106 R2-1907105,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_106/Docs/R2-1907105.zip>,2019年05月03日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークデバイスであって、
調整情報と同時接続に基づくハンドオーバーを示す指示とを含むハンドオーバー要求メッセージを、ターゲットネットワークデバイスへ送信することと、
前記ターゲットネットワークデバイスから、ハンドオーバー応答メッセージを受信することと、
ハンドオーバーコマンドメッセージを、端末へ送信することと、
を実行するように構成されたプロセッサを含
み、
前記調整情報は、前記ネットワークデバイスと前記ターゲットネットワークデバイスとの間での通信における、子ノードとしての一方のデバイスから親ノードとしての他方のデバイスへのアップリンク送信において、前記同時接続で使用される前記子ノードのパワー制御モードを示すアップリンクパワー調整情報を含む
ネットワークデバイス。
【請求項2】
前記調整情報は、前記ハンドオーバー要求メッセージ中のハンドオーバー準備情報に含まれる
請求項1に記載のネットワークデバイス。
【請求項3】
前記調整情報は、
前記端末の送信能力と、前記端末の前記ネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成と、を含む
請求項1又は2に記載のネットワークデバイス。
【請求項4】
前記調整情報は、前記ターゲットネットワークデバイスの送信時間間隔(TTI)内にスケジュールされることができる送信ブロックビットの最大数を含む
請求項1~3のいずれか1項に記載のネットワークデバイス。
【請求項5】
ネットワークデバイスが、調整情報と同時接続
に基づくハンドオーバーを示す指示とを含むハンドオーバー要求メッセージを、ターゲットネットワークデバイスへ送信することと、
前記ネットワークデバイスが、前記ターゲットネットワークデバイスから、ハンドオーバー応答メッセージを受信することと、
前記ネットワークデバイスが、ハンドオーバーコマンドメッセージを、端末へ送信することと、
を含み、
前記調整情報は、前記ネットワークデバイスと前記ターゲットネットワークデバイスとの間での通信における、子ノードとしての一方のデバイスから親ノードとしての他方のデバイスへのアップリンク送信において、前記同時接続で使用される前記子ノードのパワー制御モードを示すアップリンクパワー調整情報を含む
方法。
【請求項6】
前記調整情報は、前記ハンドオーバー要求メッセージ中のハンドオーバー準備情報に含まれる
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記調整情報は、
前記端末の送信能力と、前記端末の前記ネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成と、を含む
請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記調整情報は、前記ターゲットネットワークデバイスの送信時間間隔(TTI)内にスケジュールされることができる送信ブロックビットの最大数を含む
請求項5~7のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の非限定的、かつ、例示的な実施形態は、一般的に、無線通信技術の分野に関し、特に、無線通信システムにおける同時接続に基づくハンドオーバーのための方法、デバイス、及びコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションでは、本開示をよりよく理解するための態様を説明する。従って、このセクションの記述は、この観点から読まれるべきであり、どの部分が先行技術であること、又は、どの部分が先行技術ではないことについての承認として理解されるべきではない。
【0003】
NRシステム又はNRネットワークとも呼ばれる新しい無線アクセスシステムは、次世代通信システムである。3GPP(3rd Generation Partnership Project)ワーキンググループは、すでにNRシステムの研究を承認している。NRシステムは、eMBB(enhanced mobile broadband)、mmtc(massive machine-type communications)、urllc(ultra-reliable and low latency communications)などの要求を含む、すべての使用シナリオ、要求、及び展開シナリオに対応する単一の技術的フレームワークを目的とし、最大100Ghzの範囲の周波数を考慮する。
【0004】
ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)システム又はNRシステムなどの無線通信システムにおいて、ハンドオーバープロセスは、例えば、端末デバイスが1つのセルでカバーされる領域から別のセルでカバーされる領域へ移動する場合や、通信品質が悪い場合などのいくつかの理由で、発生する可能性がある。ハンドオーバープロセスによって、進行中の発信又はデータセッションをソースセルからターゲットセルへ転送することができる。
【0005】
ハンドオーバープロセスは、通信接続の転送に起因する遅延を引き起こす可能性がある。ハンドオーバー中断を減少するために、同時接続に基づくハンドオーバーは、ロングタームエボリューション(LTE)システム及びNRシステムの両方にとっても有望であると思われる。同時接続に基づくハンドオーバーの主な考え方は、ハンドオーバー手順中にソースセル及びターゲットセルの両方に同時に接続し、端末デバイスとターゲットセルとの通信接続が正常に確立した後にのみソースセルとの通信接続を解放することである。同時接続によれば、ハンドオーバー手順中、ソースセル及びターゲットセルの両方が端末デバイスにサービスを提供できるため、通信遅延を低減することができ、そして、モビリティの向上を図ることができる。
【0006】
しかしながら、ハンドオーバープロセス中にソースセル及びターゲットセルに使用される送信構成を決定するために、同時接続に基づくハンドオーバーを可能にする能力調整ソリューションが必要となる。さらに、既存のソリューションでは、ハンドオーバー中にUEの能力を超えた場合、RRCの再確立が開始される。このようなRRCの再確立には時間がかかり、これに起因して、端末デバイスに望ましくない通信遅延が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的に、本開示の例示的な実施形態は、無線通信システムにおける同時接続に基づくハンドオーバーのための新しいソリューションを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1態様によれば、同時接続に基づくハンドオーバーのための方法を提供する。当該方法は、ハンドオーバーのターゲットネットワークデバイスのような第1ネットワークデバイスで実施されてもよい。当該方法は、ソースネットワークデバイスから、ハンドオーバーされようとする端末デバイスの送信能力を含むハンドオーバー要求メッセージを受信することと、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成及び送信能力調整結果を決定するように、少なくとも端末デバイスの送信能力に基づいて送信能力調整を実行することと、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及び送信能力調整結果を含むハンドオーバー応答メッセージをソースネットワークデバイスへ送信することと、を含んでもよい。
【0009】
本開示の第2態様によれば、同時接続に基づくハンドオーバーのための方法を提供する。当該方法は、ハンドオーバーのソースネットワークデバイスのような第2ネットワークデバイスで実施されてもよい。当該方法は、ターゲットネットワークデバイスへ、ハンドオーバーされようとする端末デバイスの送信能力を含むハンドオーバー要求メッセージを送信することと、ターゲットネットワークデバイスから、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成及び送信能力調整結果を含むハンドオーバー応答メッセージを受信することと、端末デバイスの送信能力を超えたと判定したことに応答して、送信能力調整結果に基づいて、ネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成を決定することと、を含んでもよい。
【0010】
本開示の第3態様によれば、同時接続に基づくハンドオーバーのための方法を提供する。当該方法は、ハンドオーバーされようとするUEのような端末デバイスで実施されてもよい。当該方法は、端末デバイスに対してサービスを提供するソースネットワークデバイスから、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を含むハンドオーバーコマンドメッセージを受信することと、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成に基づいて、同時接続に基づくハンドオーバーを実行することと、を含んでもよく、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成は、ソースネットワークデバイスから送信された、現在に使用されているソースネットワークデバイスに対するパラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成のいずれか1つを含む。
【0011】
本開示の第4態様によれば、同時接続に基づくハンドオーバーのための方法を提供する。当該方法は、ハンドオーバーのターゲットネットワークデバイスのような第1ネットワークデバイスで実施されてもよい。当該方法は、ソースネットワークデバイスから、送信能力調整結果及びハンドオーバーされようとする端末デバイスの送信能力を含むハンドオーバー要求メッセージを受信することと、送信能力調整結果及び端末デバイスの送信能力に基づいて、ネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を決定することと、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を含むハンドオーバー応答メッセージを、ソースネットワークデバイスへ送信することと、を含んでもよい。
【0012】
本開示の第5態様によれば、同時接続に基づくハンドオーバーのための方法を提供する。当該方法は、ハンドオーバーのソースネットワークデバイスのような第2ネットワークデバイスで実施されてもよい。当該方法は、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成及び送信能力調整結果を決定するように、端末デバイスの送信能力に基づいて送信能力調整を実行することと、送信能力調整結果及びハンドオーバーされようとする端末デバイスの送信能力を含むハンドオーバー要求メッセージをターゲットネットワークデバイスへ送信することと、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を含むハンドオーバー応答メッセージを受信することと、を含んでもよい。
【0013】
本開示の第6態様によれば、ネットワークデバイスを提供する。ネットワークデバイスは、例えば、ハンドオーバーのターゲットネットワークデバイスであってもよい。ネットワークデバイスは、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのプロセッサに接続される少なくとも1つのメモリを含んでもよい。少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサで実行されると、ネットワークデバイスに第1態様及び第4態様のいずれかの動作を実行させるように構成されるコンピュータプログラムコードを有する。
【0014】
本開示の第7態様によれば、別のネットワークデバイスを提供する。別のネットワークデバイスは、例えば、ハンドオーバーのソースネットワークデバイスであってもよい。別のネットワークデバイスは、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのプロセッサに接続される少なくとも1つのメモリを含んでもよい。少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサで実行されると、ネットワークデバイスに第2態様及び第5態様のいずれかの動作を実行させるように構成されるコンピュータプログラムコードを有する。
【0015】
本開示の第8態様によれば、端末デバイスを提供する。端末デバイスは、例えば、ハンドオーバーされようとするUEであってもよい。端末デバイスは、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのプロセッサに接続される少なくとも1つのメモリを含んでもよい。少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサで実行されると、端末デバイスに第3態様の動作を実行させるように構成されるコンピュータプログラムコードを有する。
【0016】
本開示の第9態様によれば、デバイスの少なくとも1つのプロセッサで実行されると、前記デバイスに第1態様及び第4態様のいずれかにおける任意の実施形態による方法の動作を実行させるコンピュータプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0017】
本開示の第10態様によれば、デバイスの少なくとも1つのプロセッサで実行されると、前記デバイスに第2態様及び第5態様のいずれかにおける任意の実施形態による方法の動作を実行させるコンピュータプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0018】
本開示の第11態様によれば、デバイスの少なくとも1つのプロセッサで実行されると、前記デバイスに第3態様における任意の実施形態による方法の動作を実行させるコンピュータプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0019】
本開示の第12態様によれば、第9態様によるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0020】
本開示の第13態様によれば、第10態様によるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0021】
本開示の第14態様によれば、第11態様によるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示の様々な実施形態の上記及び他の態様、特徴、及び利点は、添付の図面を参照しながら説明する以下の詳細からより完全に明らかになり、図面において、同じ符号は、同様の要素又は同等の要素を示すために使用される。図面は、本開示の実施形態をより良く理解するために図示され、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。
【0023】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態による同時接続に基づくハンドオーバープロセスの例示的なソリューションを概略的に示す。
【0024】
【
図2】
図2は、本開示の実施形態による、ターゲットネットワークデバイスでの同時接続に基づくハンドオーバーのための方法を示す。
【0025】
【
図3】
図3は、本開示の実施形態による、ソースネットワークデバイスでの同時接続に基づくハンドオーバーのための方法を示す。
【0026】
【
図4】
図4は、本開示の実施形態による、端末デバイスでの同時接続に基づくハンドオーバーのための方法を示す。
【0027】
【
図5】
図5は、本開示の実施形態によるいくつかの例示的なハンドオーバープロセスを示す。
【0028】
【
図6】
図6は、本開示の実施形態による同時接続に基づくハンドオーバープロセスの別の例示的なソリューションを示す。
【0029】
【
図7】
図7は、本開示の実施形態による、ターゲットネットワークデバイスでの同時接続に基づくハンドオーバーのための方法を示す。
【0030】
【
図8】
図8は、本開示の実施形態による、ソースネットワークデバイスでの同時接続に基づくハンドオーバーのための方法を示す。
【0031】
【
図9】
図9は、本開示の実施形態による同時接続に基づくハンドオーバープロセスを実施することができる通信システム900の簡略化されたブロック図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の図面を参照しながら実施形態を通して本開示で提供されるソリューションを詳細に説明する。これらの実施形態は、当業者が本開示をより理解し、かつ実施するために提供されるものにすぎず、いかなる形で本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。例えば、一実施形態の一部として図示又は説明される特徴を別の実施形態とともに使用して、更に別の実施形態を生み出すことができる。明確のために、実際の実施に関するすべての特徴が本明細書で説明されるわけではない。
【0033】
添付の図面において、本開示の様々な実施形態は、ブロック図、フローチャート、及び他の図で示されている。フローチャート又はブロック図内の各ブロックは、特定の論理機能を実行するための1つ以上の実行可能命令を含むモジュール、プログラム、又はコードの一部を表すことができ、本開示において、必ずしも必要ではないブロックを点線で示している。さらに、これらのブロックは、方法のステップを実行するための特定の順序で示されているが、実際には、それらは必ずしも示された順序に厳密に従って実行されなくてもよい。たとえば、それらは逆の順序で又は同時に実行されてもよく、実行の順序はそれぞれの動作の性質に依存する。なお、ブロック図及び/又はフローチャート内の各ブロック、並びにそれらの組み合わせは、特定の機能/動作を実行するための専用のハードウェアベースのシステムによって、又は専用のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実装されてもよいことに留意すべきである。
【0034】
本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「例示的実施形態」などに言及する場合に、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得ることを示すが、必ずしも、すべての実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むわけではない。さらに、このような表現は、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。また、明示的に記載されているか否かに関わらず、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態に関して説明される場合、他の実施形態に関するそのような特徴、構造、又は特性に適用することは当業者の知識の範囲内であることを意図している。
【0035】
本明細書では、「第1」及び「第2」などの用語を使用して様々な要素を説明することがあるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、例示的な実施形態の範囲から逸脱しない限り、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用されるとき、「及び/又は」という用語は、挙げられる用語のうちの1つ以上の任意の組み合わせ及びすべての組み合わせを含む。
【0036】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、例示的な実施形態への限定を意図するものではない。本明細書で使用されるとき、単数形である「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「上記(the)」は、文脈からそうでないことが明確に示されていない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用されるとき、「備える」、「有する」、及び/又は「含む」という用語は、述べられた特徴、要素及び/又はコンポーネントなどの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、要素、コンポーネント、及び/又はそれらの組み合わせの存在又は追加を排除するものではないことを、さらに理解されたい。
【0037】
本明細書で使用されるとき、「無線通信ネットワーク」という用語とは、NR(New Radio)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスト(LTE-A:LTE-Advanced)、広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)、高速パケットアクセス(HSPA:High-Speed Packet Access)など任意の適切な無線通信規格に準拠するネットワークを指す。「無線通信ネットワーク」は、「無線通信システム」と呼ばれることもある。さらに、ネットワークデバイス間、ネットワークデバイスと端末デバイスとの間、又は無線通信ネットワーク内の端末デバイス間の通信は、任意の適切な通信プロトコルに従って実行されてもよい。ここでの通信プロトコルは、モバイル通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)、LTE、NR、無線LAN(WLAN:wireless local area network)規格(IEEE 802.11規格など)、及び/又は現在知られている、又は将来に開発される他の適切な無線通信規格を含むが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書で使用されるとき、「ネットワークデバイス」という用語は、無線通信ネットワークにおけるノードを指し、端末デバイスは当該ノードを介してネットワークにアクセスし且つ当該ノードからサービスを受ける。ネットワークデバイスは、適用される用語や技術によって、基地局(BS:Base Station)又はアクセスポイント(AP:Access Point)、例えば、ノードB(NodeB又はNB)、Evolved NodeB(eNodeB又はeNB)、NR NB(gNBとも呼ばれる)、リモート無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)、無線ヘッダ(RH:Radio Header)、リモート無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)、リレー、及びフェムトやピコなどの低パワーノードなどを指すことができる。
【0039】
本明細書で使用されるとき、「端末デバイス」という用語は、無線又は有線通信機能を有する任意のデバイスを指す。端末デバイスの例として、ユーザ機器(UE:User Equipment)、パーソナルコンピュータ、デスクトップ、モバイル電話、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、ポータブルコンピュータ、タブレット、ウェアラブルデバイス、IoT(internet of things)デバイス、IoE(Internet of Everything)デバイス、MTC(Machine Type Communication)デバイス、Xが歩行者、車両、又はインフラストラクチャ/ネットワークを指すV2X通信用の車両上のデバイス、又は、無線又は有線のインターネットアクセス及びブラウジングなどを有効にするインターネット装置などを含むが、これらに限定されない。
【0040】
一実施形態において、端末デバイスは第1ネットワークデバイス、及び第2ネットワークデバイスに接続されてもよい。第1ネットワークデバイス、及び第2ネットワークデバイスの一方がマスタノードであり、他方がセカンダリノードであってもよい。第1ネットワークデバイス、及び第2ネットワークデバイスは異なる無線アクセス技術(RAT)を使用してもよい。一実施形態において、第1ネットワークデバイスは第1RATデバイスであってもよく、かつ、第2ネットワークデバイスは第2RATデバイスであってもよい。一実施形態において、第1RATデバイスはeNBであり、かつ、第2RATデバイスはgNBである。異なるRATに関連する情報は、第1ネットワークデバイス及び第2ネットワークデバイスのうちの少なくとも1つから端末デバイスに送信されてもよい。一実施形態において、第1情報は第1ネットワークデバイスから端末デバイスへ送信されてもよく、かつ、第2情報は第2ネットワークデバイスから直接、又は第1ネットワークデバイスを介して端末デバイスへ送信されてもよい。一実施形態において、第2ネットワークデバイスによって構成された端末デバイスの構成に関連する情報は、第2ネットワークデバイスから第1ネットワークデバイスを介して送信されてもよい。第2ネットワークデバイスによって構成された端末デバイスの再構成に関連する情報は、第2ネットワークデバイスから直接、又は第1ネットワークデバイスを介して端末デバイスへ送信されてもよい。
【0041】
別の例として、IoT(Internet of Things)シナリオにおいて、端末デバイスは、監視及び/又は測定を実行するとともに、このような監視及び/又は測定の結果を別の端末デバイス及び/又はネットワーク機器に送信する機械又は他のデバイスを表すことがある。この場合、端末デバイスは、M2M(machine-to-machine)デバイスであってもよい。なお、M2Mデバイスは、3GPPのコンテキストでは、MTC(machine-type communication)デバイスと呼ばれることがある。特定の例として、端末デバイスは、3GPP NB-IoT(narrow band internet of things)規格を実装するUEであってもよい。このような機械又はデバイスの例としては、センサ、電力計などの計測デバイス、産業機械、又は家庭用/個人用の電化製品などが挙げられる。家庭用/個人用の電化製品には、例えば冷蔵庫、テレビ、時計のような個人用装着製品などが含まれる。他のシナリオでは、端末デバイスは、その動作状態又はその動作に関連する他の機能を監視及び/又は報告することができる車両又は他の機器を表すことができる。
【0042】
本明細書で使用されるとき、ダウンリンク(DL)送信は、ネットワークデバイスからUEへの送信、又は、親ノードとしてのネットワークデバイスから子ノードとしての別のネットワークデバイスへの送信を指し、アップリンク(UL)送信は、反対方向の送信を指す。
【0043】
上記のように、ハンドオーバー中断を減少するために、同時接続に基づくハンドオーバーは、ロングタームエボリューション(LTE)システム及びNRシステムの両方にとっても有望であると思われる。しかしながら、同時接続に基づくハンドオーバーのための能力調整ソリューションは必要となり、既存の通信システムにおいて、まだ望ましい能力調整ソリューションが存在しない。さらに、UEの能力を超えた場合のRRCの再確立は、端末デバイスに望ましくない通信遅延を引き起こす可能性もある。
【0044】
本開示の実施形態は、上記した問題の少なくとも1つを軽減する、又は少なくとも緩和するために、無線通信における同時接続に基づくハンドオーバーのための新しいソリューションを提供する。本開示のいくつかの実施形態において、1つのハンドオーバーソリューションは、ターゲットネットワークデバイスがソースネットワークデバイスからのハンドオーバー要求に応答して能力調整を実行するという考えに基づくものである。本開示のいくつかの実施形態において、もう1つのハンドオーバーソリューションは、ソースネットワークデバイスが能力調整を実行し、調整結果を含むハンドオーバー要求をターゲットネットワークデバイスへ送信するという考えに基づくものである。本開示のいくつかの実施形態において、端末デバイスは、その送信能力が超えられたと検出すると、RRCの再確立を開始せず、その代わりに、メークビフォアブレーク(MBB)動作にフォールバックするか、過去のハンドオーバー動作にフォールバックするか、ターゲットネットワークデバイスにアクセスする前にソース基地局と協議するか、又は、ソースネットワークデバイスに対するダウン送信パラメータ構成、或いはソースネットワークデバイス及びターゲットネットワークデバイスの両方に対するダウン送信パラメータ構成を使用して同時接続に基づくハンドオーバーを実行する。このように、提案された能力調整によれば、遅延が減少された同時接続に基づくハンドオーバーを図ることができ、さらに、UEの能力を超えた場合に、提案された処理によれば、送信遅延を減少することもできる。
【0045】
以下、本開示で提案されているソリューションを詳細に説明するために、添付の図面をさらに参照する。しかしながら、以下の実施形態は、例示する目的で与えられ、本開示はそれに限定されないと理解されたい。また、ここで提供されるソリューションは、LTEシステム(LTE Rel.など)及びNRシステムの両方で使用されることができる。
【0046】
まず、
図1を参照ながら、本開示の実施形態による、能力調整がターゲットネットワークデバイスで実行される同時接続に基づくハンドオーバーの例示的なソリューションを説明する。
図1に示されるように、端末デバイス110は、ハンドオーバーされようとする端末デバイス(UEなど)であり、ネットワークデバイス120は、ハンドオーバーのソースネットワークデバイスとして機能する基地局(eNBやgNBなど)であり、ネットワークデバイス130は、同じく基地局(eNBやgNBなど)であるが、ハンドオーバーのターゲットネットワークデバイスとして機能する。
【0047】
ネットワークデバイス120は、ソースネットワークデバイスとして、ハンドオーバーの決定を行う際に、ハンドオーバー要求メッセージ101を、端末デバイスがハンドオーバーされようとするネットワークデバイス130へ送信する。ハンドオーバー要求メッセージ101は、例えば、ノード間ハンドオーバー準備情報メッセージであってもよい。ハンドオーバー要求メッセージ101は、端末デバイスの送信能力、任意のソースネットワークバイスに対する現在の送信パラメータ構成、及び任意の同時接続指示を含んでもよい。端末デバイスの送信能力は、例えば、最大の送信パワー、DL及びULデータ送信用の送信ビットの最大数,サポートされるサブキャリア、サポートされるバンドコンビネーション(band combination)、サポートされる機能群コンビネーション(feature set combination)、サポートされるPDCP/RLC/MAC/PHY能力などの、端末デバイスの送信能力を示すためのものである。ソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成は、送信パワー、バンド、機能群などのような、現在に端末デバイスとのデータ通信に使用されている送信パラメータ構成を示すためのものである。同時接続指示は、1ビットを使用して、ハンドオーバー要求が同時接続に基づくハンドオーバーであるか否かを示してもよい。しかしながら、ハンドオーバーメッセージ自身は例えばその特定のメッセージフォーマット、送信タイプなどによってそれが同時接続に基づくハンドオーバーであるか否かを示すことができるため、上記のような同時接続指示が必須ではないと理解されたい。
【0048】
ハンドオーバー要求メッセージ101の受信に応答して、ネットワークデバイス130は、端末デバイスの送信能力に基づいて能力調整を実行する。オプションとして、例えば、ターゲットネットワークデバイスがバンド、機能群などのソースネットワークデバイスの構成情報を読み取ることができる場合に、さらに、ソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成に基づいて実行することもできる。
【0049】
特に、ネットワークデバイスは、例えば、端末デバイスの能力、ソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成などを考慮して、それ自身に使用される能力を決定してもよい。この点から、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成が端末デバイスの送信能力を超えると許可される。言い換えると、ネットワークデバイス130は、UEの現在の残りの能力(即ち、UEの能力からソースネットワークデバイス120によって消費される送信容量が差し引かれた後のもの)よりも大きい送信能力を決定することができる。ターゲットネットワークデバイスは、ソースネットワークデバイスの構成情報を読み取ることができる場合に、ソースネットワークデバイスのバンド、機能群に基づいて、そのバンド、機能群などを決定することができる。
【0050】
そして、ネットワークデバイスは、さらに、能力調整結果を決定してもよい。特に、ネットワークデバイスは、それ自身に使用される能力及び端末デバイスの送信能力に基づいて、バンドコンビネーション、機能群コンビネーション、アップリンク(UL)及びダウンリンク(DL)送信のためにソースネットワークデバイス120に使用されることができる送信ブロックビットの最大数、同時接続で使用されるパワー制御モードを示すアップリンク送信パワー調整情報を決定してもよい。アップリンク送信パワー調整情報は、同時接続で使用されるパワー制御モードを示すために使用され、例えば、プライマリセル及びセカンダリセルの両方のパワー制御モードで使用されるさまざまなパラメータ及び構成を含んでもよい。
【0051】
従って、送信能力調整結果は、
・ソースネットワークデバイスに使用されることができるバンドコンビネーションインデックス及び機能群コンビネーションインデックスに関する情報、
・アップリンク送信パワー調整情報、
・ソースネットワークデバイスの送信時間間隔(TTI)内にスケジュールされることができる送信ブロックビットの最大数、のいずれかを含む。
【0052】
能力調整が完了した後、ネットワークデバイス130はハンドオーバー応答メッセージ102をソースネットワークデバイス120へ送信する。ハンドオーバー応答メッセージ102はターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及び送信能力調整結果を含む。ハンドオーバー応答メッセージ102は、例えば、ノード間HandoverCommandメッセージである。言い換えれば、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及び送信能力調整結果は、ノード間HandoverCommandメッセージを介してソースネットワークデバイスへ送信されることができる。
【0053】
ハンドオーバー応答メッセージ102を受信すると、ネットワークデバイス120は、その現在の送信パラメータ構成及びターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成が端末デバイスの送信能力を超えるか否かを判定する。端末デバイスの送信能力を超えると、ネットワークデバイス130は、送信能力調整結果に基づいて、ネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成を決定する。言い換えれば、現在の送信パラメータ構成は、端末デバイスの送信能力を超えないように調整される。いくつかの実施形態において、例えば、ソースネットワークデバイスに使用されるScellを変更又は解放すると要求される場合に、ネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成は、送信能力調整結果及びネットワークデバイス130に対する送信パラメータ構成に基づいて、決定されてもよい。
【0054】
その後、ネットワークデバイス120は、ハンドオーバーコマンドメッセージ103を端末デバイス110へ送信する。ハンドオーバーコマンドメッセージ103は、無線リソース制御(RRC)メッセージ内で送信されることができる。ハンドオーバーコマンドメッセージ103は、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成(ネットワークデバイス120に対する送信パラメータ構成が端末デバイスの能力を超えないように調整される場合)を含んでもよい。
【0055】
端末デバイス110は、ハンドオーバーコマンドメッセージ103をネットワークデバイス120から受信し、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成に基づいて、同時接続に基づくハンドオーバーを実行する。端末デバイスによって使用されるソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成は、例えば、ネットワークデバイス120に対する送信パラメータ構成の更新が要求されない場合に、現在に使用されているネットワークデバイス120に対するパラメータ構成であり得る。端末デバイスによって使用されるソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成は、例えば、ネットワークデバイス120に対する送信パラメータ構成が更新された場合に、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成でもあり得る。
【0056】
本開示のいくつかの実施形態において、端末デバイスの送信能力を超えたと判定したことに応答して、端末デバイスはRRCの再確立を開始せず、ハンドオーバープロセスを続行する。例えば、端末デバイスは、メークビフォアブレーク(MBB)動作にフォールバックするか、過去のハンドオーバー動作にフォールバックするか、ターゲットネットワークデバイスにアクセスする前にソース基地局と協議するか、又は、ソースネットワークデバイスに対するダウン送信パラメータ構成、又はソースネットワークデバイス及びターゲットネットワークデバイスの両方に対するダウン送信パラメータ構成を使用して同時接続に基づくハンドオーバーを実行してもよい。以下、
図5を参照してUEの能力を超えた場合の処理をより詳細に説明するため、ここで、その詳細な説明は省略される。
【0057】
上記したハンドオーバーソリューションによれば、遅延が減少された同時接続に基づくハンドオーバーを図ることができ、さらに、UEの能力を超えた場合に、提案された処理によれば、送信遅延を減少することができる。
【0058】
次に、
図2~5を参照しながら、ターゲットネットワークデバイス、ソースネットワークデバイス、及び端末デバイスのそれぞれでの動作を説明する。これらの実施形態は、例示する目的のみで与えられ、本願はそれに限定されないと理解されたい。
【0059】
図2は、本開示の実施形態による、ターゲットネットワークデバイスでの同時接続に基づくハンドオーバーのための方法を示す。
図2に示されるように、ブロック210において、ハンドオーバー要求メッセージはソースネットワークデバイスから受信される。ハンドオーバー要求メッセージは端末デバイスの送信能力、及び任意のソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成を含む。ハンドオーバー要求メッセージは、例えば、ノード間HandoverPreparationInformationメッセージであってもよいが、これに限定されない。つまり、ソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成、及び端末デバイスの送信能力は、ノード間HandoverPreparationInformationメッセージを介して受信されることができる。端末デバイスの送信能力は、例えば、最大の送信パワー、DL及びULデータ送信用の送信ビットの最大数、サポートされるサブキャリア、サポートされるバンドコンビネーション、サポートされる機能群コンビネーション、サポートされるPDCP/RLC/MAC/PHY能力などを含んでもよいが、これらに限定されない。ソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成は、例えば、送信パワー、バンド、機能群などを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0060】
ハンドオーバー要求メッセージは、オプションとして同時接続指示を含んでもよく、当該同時接続指示は、例えば、1ビットを使用して、ハンドオーバー要求が同時接続に基づくハンドオーバーであるか否かを示してもよいが、これに限定されない。ターゲットネットワークデバイスは、同時接続指示の受信に応答して、送信能力調整を実行してもよい。しかしながら、ハンドオーバーメッセージ自身は例えばその特定のメッセージフォーマット、送信タイプなどによってそれが同時接続に基づくハンドオーバーであるか否かを示すことができるため、上記のような同時接続指示が必須ではないと理解されたい。
【0061】
そして、ブロック220において、ターゲットネットワークデバイスは、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及び送信能力調整結果を決定するために、少なくとも端末デバイスの送信能力、及びオプションとしてのソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成に基づいて、送信能力調整を実行する。
【0062】
ハンドオーバー要求メッセージの受信に応答して、ターゲットネットワークデバイスは、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスで使用可能な残りの送信能力や最大の送信パラメータ構成を決定するために、少なくとも端末デバイスの送信能力、及びオプションとしてのソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成に基づいて、応答性動作(responsive action)を実行する。
【0063】
ターゲットネットワークデバイスは、例えば、端末デバイスの能力を考慮して、それ自身に使用される能力を決定してもよい。ターゲットネットワークデバイスがソースネットワークデバイスの構成情報を読み取ることができる場合に、ソースネットワークデバイスのバンド、機能群に基づいて、そのバンド、機能群などを決定することができる。この点から、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成が端末デバイスの送信能力を超えると許可される。言い換えると、ターゲットネットワークデバイスは、端末デバイスの現在の残りの能力(端末デバイスの能力から、現在のソースネットワークデバイス120に対する送信パラメータ構成によって消費される能力が差し引かれた後のもの)よりも大きい送信能力を決定することができる。これは、後の段階で、ソースネットワークデバイスが、端末デバイスの能力を超えないようにさらにその送信能力を調整することができるということである。
【0064】
ターゲットネットワークデバイスは、決定された送信能力及び端末デバイスの能力に基づいて、さらに、能力調整結果を決定してもよい。特に、ネットワークデバイスは、それ自身に使用される能力及び端末デバイスの送信能力に基づいて、ソースネットワークデバイスと連携できるバンドコンビネーション及び機能群コンビネーション、ソースネットワークデバイスに使用されることができる送信ブロックビットの残りの数、及びアップリンク送信パワー調整情報などを決定してもよい。アップリンク送信パワー調整情報は、同時接続で使用されるパワー制御モードを示すために使用され、例えば、プライマリセル及びセカンダリセルの両方のパワー制御モードで使用されるさまざまなパラメータ及び構成を含んでもよい。
【0065】
従って、送信能力調整結果は、
・ソースネットワークデバイスに使用されることができるバンドコンビネーションインデックス及び機能群コンビネーションインデックスに関する情報、
・アップリンク送信パワー調整情報、
・ソースネットワークデバイスの送信時間間隔(TTI)内にスケジュールされることができる送信ブロックビットの最大数、のいずれかを含んでもよい。
【0066】
次に、ブロック230において、ターゲットネットワークデバイスは、ハンドオーバー応答メッセージをソースネットワークデバイスへ送信する。ハンドオーバー応答メッセージは、決定されたターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及び送信能力調整結果を含んでもよい。ハンドオーバー応答メッセージはノード間HandoverCommandメッセージであってもよく、ソースネットワークデバイスは、当該メッセージに応答して、以下のハンドオーバー手順を続行することができる。
【0067】
図3は、本開示の実施形態による、ソースネットワークデバイスでの同時接続に基づくハンドオーバーのための方法を示す。
図3に示されるように、ブロック310において、ソースネットワークデバイスは、ハンドオーバー要求メッセージをターゲットネットワークデバイスへ送信する。ハンドオーバー要求メッセージは、ハンドオーバーされようとする端末デバイスの送信能力、及び、オプションとしてのネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成を含んでもよい。ハンドオーバー要求メッセージは、例えば、ノード間HandoverPreparationInformationメッセージであってもよいが、これに限定されない。端末デバイスの送信能力は、例えば、最大の送信パワー、DL及びULデータ送信用の送信ビットの最大数、サポートされるサブキャリア、サポートされるバンドコンビネーション、サポートされる機能群コンビネーション、サポートされるPDCP/RLC/MAC/PHY能力などを含んでもよいが、これらに限定されない。ソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成は、例えば、送信パワー、バンド、機能群などを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0068】
ハンドオーバー要求メッセージは、オプションとして、同時接続指示を含んでもよく、当該同時接続指示は1ビットを使用して、ハンドオーバー要求が同時接続に基づくハンドオーバーであるか否かを示してもよい。このように、ターゲットネットワークデバイスは、同時接続指示の受信に応答して、送信能力調整を実行する。しかしながら、ハンドオーバーメッセージは例えばその特定のメッセージフォーマット、送信タイプなどによってそれが同時接続に基づくハンドオーバーであるか否かを示すことができるため、上記のような同時接続指示が必須ではないと理解されたい。
【0069】
そして、ブロック320において、ソースネットワークデバイスは、ターゲットネットワークデバイスから、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及び送信能力調整結果を含むハンドオーバー応答メッセージを受信する。ハンドオーバー応答メッセージは、例えば、ノード間HandoverCommandメッセージであり得る。言い換えれば、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及び送信能力調整結果は、ソースネットワークデバイスでノード間HandoverCommandメッセージによって受信されることができる。送信能力調整結果は、
・ソースネットワークデバイスに使用されることができるバンドコンビネーションインデックス及び機能群コンビネーションインデックスに関する情報、
・アップリンク送信パワー調整情報、
・ソースネットワークデバイスの送信時間間隔(TTI)内にスケジュールされることができる送信ブロックビットの最大数、のいずれかを含んでもよい。
【0070】
次に、ブロック330において、ソースネットワークデバイスは、端末デバイスの送信能力を超えたと判定したことに応答して、送信能力調整結果に基づいて、ネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成を決定する。
【0071】
ハンドオーバー応答メッセージを受信すると、ソースネットワークデバイスは、その現在の送信パラメータ構成及びターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成が端末デバイスの送信能力を超えたか否かを判定する。このハンドオーバーソリューションにおいて、能力調整中に、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びターゲットネットワークデバイスへ送信されたソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成が端末デバイスの送信能力を超えると許可される。従って、端末デバイスの送信能力を超えると、ソースネットワークデバイスは、送信能力調整結果に基づいて、ネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成を決定する。言い換えれば、新しい送信構成は、端末デバイスの送信能力を超えないように現在の送信パラメータ構成を調整することで決定される。
【0072】
一方、端末デバイス能力を超えていないと、ソースネットワークデバイスは、さらなる調整をすることなく、現在の送信パラメータ構成を維持することができる。しかしながら、本願はそれに限定されないことを理解されたく、代替のソリューションとして、ソースネットワークデバイスは、UE能力を超えていなくても、その送信パラメータ構成を調整することができる。つまり、ソースネットワークは、UE能力を超えていないか否かを判定することなく、ハンドオーバー応答メッセージの受信に応答して、その送信能力及び新しい送信パラメータ構成を直接に決定することができる。
【0073】
本開示のいくつかの実施形態において、ソースネットワークデバイスは、例えば、ソースネットワークデバイスに使用されるScellを変更又は解放すると要求される場合に、送信能力調整結果及びターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成に基づいて、ネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成を決定してもよい。
【0074】
ブロック340において、ソースネットワークデバイスは、ハンドオーバーコマンドメッセージを端末デバイス110へ送信する。ハンドオーバーコマンドメッセージは、無線リソース制御(RRC)メッセージで送信されることができる。ハンドオーバーコマンドメッセージは、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を含み、ネットワークデバイス120に対する送信パラメータ構成が調整された場合にソースネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成を含んでもよい。端末デバイスは、ターゲットネットワークデバイス及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成によって、同時接続に基づくハンドオーバーを実行してもよい。
【0075】
図4は、本開示の実施形態による、端末デバイスでの同時接続に基づくハンドオーバーのための方法を示す。
図4に示されるように、ブロック410において、端末デバイスは、端末デバイスに対してサービスを提供するソースネットワークデバイスから、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を含むハンドオーバーコマンドメッセージを受信する。ハンドオーバーコマンドメッセージは、例えば、無線リソース制御(RRC)メッセージで送信されることができるが、これに限定されない。ハンドオーバーコマンドメッセージは、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を含み、ネットワークデバイス120に対する送信パラメータ構成が端末デバイスの能力を超えないように調整された場合にソースネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成を含んでもよい。
【0076】
そして、ブロック420において、端末デバイスは、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成に基づいて、同時接続に基づくハンドオーバーを実行する。上記のように、ハンドオーバーコマンドメッセージはターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を含む。従って、端末デバイスは、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を使用して同時接続に基づくハンドオーバーを実行することができる。使用されるソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成は、例えば、ネットワークデバイス110に対する送信パラメータ構成の更新が要求される場合に、現在に使用されているネットワークデバイス120に対するパラメータ構成であり得る。使用されるソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成は、例えば、ネットワークデバイス120に対する送信パラメータ構成が更新された場合に、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成でもあり得る。
【0077】
本開示のいくつかの実施形態において、端末デバイスの送信能力は超えられる可能性がある。これは、例えば、ソースネットワークデバイスとターゲットネットワークデバイスとの間に能力調整が実行されない場合に、又は、能力調整が実行されたが、うまく機能しなかった場合に、発生する可能性がある。本開示のいくつかの実施形態において、端末デバイスの送信能力を超えたと判定したことに応答して、端末デバイスは、RRCの再確立を開始せず、ここで提案される特別のハンドオーバープロセスを実行する。説明の目的で、
図5を参照しながら、本開示の実施形態によるいくつかの例示的なハンドオーバープロセス500を説明する。
【0078】
図5に示されるように、1つのオプション501として、端末デバイスは、端末デバイスの能力を超えたと判定したことに応答して、メークビフォアブレーク(MBB)動作にフォールバックしてもよい。MBB動作において、端末デバイスは、ターゲットネットワークデバイスへのアクセスを開始する直前にのみ、ソースネットワークデバイスとの接続を切断する。MBB動作において、端末デバイスは、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を使用して、ソースネットワークデバイスのみとのデータ送信を実行してもよい。言い換えると、同時接続のハンドオーバーコマンドメッセージがUEの能力を超えた場合に、UEは、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を適用することでソースeNBのみとのデータ送信を実行することができる。
【0079】
ターゲットネットワークデバイスとの接続を確立する準備ができた場合に、ネットワークデバイスは、ソースネットワークデバイスとの接続を解放してもよい。例えば、ターゲットネットワークデバイスへのランダムアクセスを開始する前に、端末デバイスは、ソースネットワークデバイスとの接続を解放し、媒体アクセス制御(MAC)エンティティをリセットし、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)エンティティ及び無線リンク制御(RLC)エンティティを再確立することができる。そして、ソースネットワークとの接続を切断するとともに、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を適用することでアクセスプロセスを開始することができる。
【0080】
オプションとして、ターゲットネットワークデバイスに正常に接続すると、端末デバイスは、接続解放指示をターゲットネットワークデバイスへ送信して、ソースネットワークデバイスとの接続がすでに解放されたことを示してもよい。この指示は、例えば、RRCReconfigurationCompleteメッセージによってターゲットネットワークデバイスへ送信されることができる。このように、ターゲットネットワークは、RRCメッセージを端末デバイスへ送信して、ソースネットワークデバイスを解放させると命令する必要がない。そのため、ターゲットネットワークデバイスは直ちに経路の切り替えを開始することができる。
【0081】
ターゲットネットワークデバイスに接続すると、ネットワークデバイスは、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を適用することでターゲットネットワークデバイスとのデータ送信を実行することができる。
【0082】
上記した手順の間に、端末デバイスがターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を同時に適用しないため、UL送信の場合に、端末デバイスは、いずれかのネットワークデバイスに対してフルULパワーを使用することができると理解されたい。さらに、このような手順はネットワークデバイスの両方に対して完全にトランスペアレントであるため、この2つのネットワークデバイスは、依然として同時接続に基づくハンドオーバーの手順に従うことができる。
【0083】
図5は、端末デバイスの能力を超えた場合の端末デバイスの別のオプション502、即ち、過去のハンドオーバー動作にフォールバックすることも示す。過去のハンドオーバー動作において、ソースネットワークからハンドオーバーコマンドを受信すると、端末デバイスは、ソースネットワークデバイスとの接続を解放する。そして、ターゲットネットワークデバイスに対する送信構成でターゲットネットワークデバイスとの接続を確立し始めてもよい。特に、端末デバイスはMACエンティティをリセットし、PDCPエンティティ及びRLCエンティティを再確立することができる。そして、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を適用することでアクセスプロセスを開始することができる。
【0084】
オプションとして、ターゲットネットワークデバイスに正常に接続すると、端末デバイスは、ソースネットワークデバイスとの接続がすでに解放されたことを示すように、接続解放指示をターゲットネットワークデバイスへ送信してもよい。当該指示は、例えば、RRCReconfigurationCompleteメッセージでターゲットネットワークデバイスへ送信されることができる。このように、ターゲットネットワークがRRCメッセージを端末デバイスへ送信して、ソースネットワークデバイスを解放させると命令する必要はない。従って、ターゲットネットワークデバイスは直ちに経路の切り替えを開始することができる。
【0085】
ターゲットネットワークデバイスに接続すると、ネットワークデバイスは、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を適用することでターゲットネットワークデバイスとのデータ送信を実行することができる。
【0086】
オプション501と同様に、オプション502において、端末デバイスがターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を同時に適用しないため、UL送信の場合に、端末デバイスは、いずれかのネットワークデバイスに対してフルULパワーを使用することができると理解されたい。さらに、このような手順もネットワークデバイスの両方に対して完全にトランスペアレントであるため、この2つのネットワークデバイスは、依然として同時接続に基づくハンドオーバーの手順に従うことができる。
【0087】
図5に示されるように、さらなるオプション503として、端末デバイスは、ターゲットネットワークにアクセスする前にソース基地局と協議してもよい。このソリューションにおいて、端末デバイスは、端末デバイスの能力を超えないように、ソース基地局と協議してみて、ソース基地局に対する新しい送信パラメータ構成を取得する。
【0088】
特に、端末デバイスがハンドオーバーコマンドメッセージを受信すると、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成でソースネットワークデバイスのみとのデータ送信を実行する。つまり、端末デバイスは、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成のみを適用し、ソースネットワークデバイスとのデータ送信を継続する。同時に、端末デバイスは、能力オーバー指示をソースネットワークデバイスへ送信し、ソースネットワークデバイスに対する提案された構成を提供する。能力オーバー指示は、例えば、UEassistInformationメッセージを利用して送信されることができ、それが
・ソースeNBの減少されたULパワー、
・ソースeNBに対する推奨キャリアアグリゲーション(CA)構成、
・各セルの減少されたMIMO(Multiple Input Multiple Output)層の数、のいずれかを含んでもよい。
【0089】
ソースネットワークは、その送信パラメータ構成を調整して、送信パラメータ再構成を取得するとともに、再構成メッセージを端末デバイスへ送信する。
【0090】
端末デバイスは、再構成メッセージを受信してもよい。ターゲットネットワークデバイスへのランダムアクセスを開始する前に端末デバイスがソースeNBに対する再構成を受信すると、端末デバイスは、端末デバイスの能力を超えていなければ、ソースネットワークデバイスに対する新しい再構成を適用する。言い換えると、同時接続に基づくハンドオーバーは、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成、及びターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成で実行されることができる。一方、それでも端末デバイスの能力を超えた場合に、端末デバイスはRRCの再確立を開始したり、MBB動作にフォールバックしたり、過去のハンドオーバー動作にフォールバックしたり、その他の代替動作を実行したりしてもよい。
【0091】
また、
図5は、端末デバイスのさらなる別のオプション504を示し、ここで、端末デバイスはソースネットワークデバイスに対するダウン送信パラメータ構成を使用して同時接続に基づくハンドオーバーを実行してもよい。つまり、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成よりも低いダウン送信パラメータ構成を使用して、同時接続に基づくハンドオーバーを実行することができる。
【0092】
従って、この場合に、端末デバイスは、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成をダウンさせることができる。特に、端末デバイスは、ソースネットワークデバイス及びターゲットネットワークデバイスとの同時接続をサポートするために、ソースネットワークデバイス用のUL送信パワーを減少する動作、ソースネットワークデバイスのサービングセルの数を減らす(例えば、ソースネットワークデバイスのプライマリセル(Pcell)のみをアクティブ状態に保つ)動作、ソースネットワークデバイスのMIMO層の数を減少する動作など、のいずれか1つ以上の動作を実行してもよい。
【0093】
しかしながら、UEがダウン構成を使用して同時接続に基づくハンドオーバーを依然として実行できない場合に、MBB動作や過去のハンドオーバープロセスにフォールバックしたり、RRCの再確立を開始したり、又は他の適切な動作を実行したりしてもよい。
【0094】
図5に示すさらなる別のオプション505として、端末デバイスは、ソースネットワークデバイス及びターゲットネットワークデバイスの両方に対するダウン送信パラメータ構成を使用して、同時接続に基づくハンドオーバーを実行してもよい。つまり、端末デバイスは、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成よりも低いダウン送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成よりも低いダウン送信パラメータ構成を使用して同時接続に基づくハンドオーバーを実行することができる。例えば、端末デバイスは、ソースネットワークデバイス及び/又はターゲットネットワークデバイス用のUL送信パワーを減少する動作、ソースネットワークデバイス及び/又はターゲットネットワークデバイスのサービングセルの数を減らす(例えば、ソースネットワークデバイス及びターゲットネットワークデバイスのプライマリセル(Pcell)のみをアクティブ状態に保つ)動作、ソースネットワークデバイス及び/又はターゲットネットワークデバイスのMIMO層の数を減少する動作など、のいずれか1つ以上の動作を実行してもよい。
【0095】
従って、この場合に、端末デバイスは、ソースネットワークデバイス及びターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成をダウンさせることができる。特に、端末デバイスは、ソースネットワークデバイス及びターゲットネットワークデバイスの両方のPcellのみをアクティブ状態に保ち、ソースネットワークデバイス及びターゲットネットワークデバイスのセカンダリセル(SCell)は、ハンドオーバーの実施期間内に非アクティブ状態のままである必要がある。例えば、受信した構成が端末デバイスの合計アップリンクパワー能力を超えた場合にも、端末デバイスは、ソースネットワーク及びターゲットネットワークの両方に使用されるULパワーを調整することができる。ソースネットワークデバイスが解放された後、端末デバイスは、ターゲットネットワークデバイスのSCellをアクティブにしてもよい。オプションとして、ターゲットネットワークデバイス用のULパワーをフルULパワーに戻すように調整することも可能である。また、ソースネットワークデバイスが解放された後、ネットワークデバイスから最初に受信されたハンドオーバーコマンドメッセージに含まれる送信パラメータ構成を適用することで、ターゲットネットワークデバイスとのデータ通信を実行することも可能である。
【0096】
上記したハンドオーバーソリューションによれば、遅延が減少された同時接続に基づくハンドオーバーを図ることができ、さらに、UEの能力を超えた場合に、提案された処理によれば、送信遅延を減少することができる。
【0097】
図6は、さらに、本開示の実施形態による同時接続に基づくハンドオーバーの別の例示的なソリューションを示す。
図1に示すソリューションと異なり、能力調整は、ソースネットワークデバイスで実行されるため、ハンドオーバー要求メッセージ601及びハンドオーバー応答メッセージ602はそれらのメッセージ101、102と異なる情報を含み、ターゲットネットワークデバイスは能力調整結果に基づいて、その送信パラメータ構成を決定する必要がある。以下、これらの異なる動作のみを説明し、それらの類似の動作について、当業者は、
図1~
図5を参照しながら説明した内容を参照することができる。
【0098】
図6に示すソリューションにおいて、ソースネットワークデバイス620は、最初に、ハンドオーバーの決定に応答して、送信能力調整を実行する。ここでの能力調整動作は、
図1、
図2を参照して説明したターゲットネットワークデバイスで実行される動作と同様である。特に、ソースネットワークデバイス620は、最初に、それ自身に使用される目標の送信パラメータ構成を決定し、次に、その目標の送信パラメータ構成及び端末デバイスの能力に基づいて調整結果を決定する。例えば、ネットワークデバイス620は、バンドコンビネーション、機能群コンビネーション、ターゲットネットワークデバイス630によって使用されることができる送信ブロックビットの最大数、同時接続で使用されるパワー制御モードを示すアップリンク送信パワー調整情報を決定してもよい。
【0099】
従って、送信能力調整結果は、ターゲットネットワークデバイスの情報を含み、また、
・ターゲットネットワークデバイスに使用されることができるバンドコンビネーションインデックス及び機能群コンビネーションインデックスに関する情報、
・アップリンク送信パワー調整情報、
・ターゲットネットワークデバイスの送信時間間隔(TTI)内にスケジュールされることができる送信ブロックビットの最大数、のいずれかの情報を含んでもよい。
【0100】
能力調整が完了した後、ネットワークデバイス620はハンドオーバー要求メッセージ601を、端末デバイスがハンドオーバーされようとするネットワークデバイス130へ送信する。ハンドオーバー要求メッセージ601は、例えば、ノード間ハンドオーバー準備情報メッセージであってもよい。ハンドオーバー要求メッセージ601は、送信能力調整結果、ハンドオーバーされようとする端末デバイスの送信能力及び任意の同時接続指示を含んでもよい。ハンドオーバー要求メッセージは、さらに、ソースネットワークデバイスに対する目標の送信パラメータ構成を含む。
【0101】
ネットワークデバイス630は、ハンドオーバー要求メッセージを受信した後、送信能力調整結果及び端末デバイスの送信能力に基づいて、ネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を決定する。このソリューションにおいて、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する目標の送信パラメータ構成が端末デバイスの送信能力を超えると許可されない。
【0102】
その送信パラメータ構成を決定した後、ネットワークデバイス630は、ハンドオーバー応答メッセージ602をネットワークデバイス620へ送信する。ハンドオーバー応答メッセージ602は、ソースネットワークデバイスへのネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を含む。
【0103】
ハンドオーバー応答メッセージを受信すると、ネットワークデバイス620は、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を含むハンドオーバーコマンドメッセージ603を端末デバイスへ送信してもよい。このように、端末デバイス610は、ハンドオーバーコマンドメッセージ内に含まれるソースネットワークデバイス及びターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成に従って、同時接続に基づくハンドオーバーを実行することができる。端末デバイスの動作は、
図1~
図5を参照して説明したハンドオーバーソリューションにおける動作と同様であるため、ここでは、その説明が省略される。
【0104】
次に、
図7、
図8を参照しながら、
図6に示すソリューションにおけるターゲットネットワークデバイス、及びソースネットワークデバイスでのそれぞれの動作を説明する。
【0105】
図7は、本開示の実施形態による、ターゲットネットワークデバイスでの同時接続に基づくハンドオーバーのための方法700を示す。
図7に示されるように、ブロック710において、ターゲットネットワークデバイスは、ソースネットワークデバイスから、ハンドオーバー要求メッセージを受信する。ハンドオーバー要求メッセージは、送信能力調整結果、及びハンドオーバーされようとする端末デバイスの送信能力を含んでもよい。ハンドオーバー要求メッセージは、例えば、ノード間HandoverPreparationInformationメッセージであってもよいが、これに限定されない。
【0106】
ハンドオーバー要求メッセージは、オプションとして、同時接続指示を含んでもよく、当該同時接続指示は、1ビットを使用して、ハンドオーバー要求が同時接続に基づくハンドオーバーであるか否かを示してもよい。ターゲットネットワークデバイスは、同時接続指示の受信に応答して、以下の送信パラメータ構成の決定を実行する。しかしながら、ハンドオーバーメッセージ自身は例えばその特定のメッセージフォーマットなどによってそれが同時接続に基づくハンドオーバーであるか否かを示すことができるため、上記のような同時接続指示が必須ではないと理解されたい。
【0107】
いくつかの実施形態において、送信能力調整結果は、
・ターゲットネットワークデバイスに使用されることができるバンドコンビネーションインデックス及び機能群コンビネーションインデックスに関する情報、
・アップリンク送信パワー調整情報、
・ターゲットネットワークデバイスの送信時間間隔(TTI)内にスケジュールされることができる送信ブロックビットの最大数、のいずれか1つ以上を含んでもよい。
【0108】
そして、ブロック720において、ターゲットネットワークデバイスは、送信能力調整結果及び端末デバイスの送信能力に基づいて、ネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を決定する。この点から、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成が端末デバイスの送信能力を超えると許可されない。言い換えると、ターゲットネットワークデバイスは、UEの現在の残りの能力(端末デバイスの能力から、ソースネットワークデバイス620に対する目標の送信パラメータ構成が差し引かれた後のもの)よりも大きい送信能力を決定することができない。
【0109】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバー要求メッセージは、さらに、ソースネットワークデバイスに対する目標の送信パラメータ構成を含む。このような場合に、ネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成は送信能力調整結果、端末デバイスの送信能力、及びソースネットワークデバイスに対する目標の送信パラメータ構成に基づいて、決定されてもよい。
【0110】
次に、ブロック730において、ターゲットネットワークデバイスは、ソースネットワークデバイスへのネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を含むハンドオーバー応答メッセージをソースネットワークデバイスへ送信する。ハンドオーバー応答メッセージは、例えば、ノード間HandoverCommandメッセージであってもよい。ハンドオーバー応答メッセージに応答して、ソースネットワークデバイスは、以下のハンドオーバー手順を続行できる。
【0111】
図8は、本開示の実施形態による、ソースネットワークデバイスでの同時接続に基づくハンドオーバーのための方法800を示す。
図8に示されるように、ブロック810において、ソースネットワークデバイスは、ネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及び送信能力調整結果を決定するように、端末デバイスの送信能力に基づいて、送信能力調整を実行する。
【0112】
ハンドオーバーの決定に応答して、ソースネットワークデバイスは、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びターゲットネットワークデバイスで使用可能な残りの送信能力又は最大の送信パラメータ構成を決定するように、少なくとも端末デバイスの送信能力に基づいて、応答性動作を実行する。
【0113】
特に、ソースネットワークデバイスは、最初に、同時接続に基づくハンドオーバーに使用されようとする目標の送信パラメータ構成を決定する。次に、ソースネットワークデバイスは、その目標のソース送信パラメータ構成及び端末デバイスの能力に基づいて、調整結果を決定する。例えば、ソースネットワークデバイスは、バンドコンビネーション、機能群コンビネーション、ターゲットネットワークデバイスに使用されることができる送信ブロックビットの最大数、同時接続で使用されるパワー制御モードを示すアップリンク送信パワー調整情報を決定してもよい。
【0114】
従って、送信能力調整結果は、
・ターゲットネットワークデバイスに使用されることができるバンドコンビネーションインデックス及び機能群コンビネーションインデックスに関する情報、
・アップリンク送信パワー調整情報、
・ターゲットネットワークデバイスの送信時間間隔(TTI)内にスケジュールされることができる送信ブロックビットの最大数、のいずれかの情報を含んでもよい。
【0115】
そして、ブロック820において、ソースネットワークデバイスは、ハンドオーバー要求メッセージをターゲットネットワークデバイスへ送信する。ハンドオーバー要求メッセージは、送信能力調整結果、及びハンドオーバーされようとする端末デバイスの送信能力を含んでもよい。ハンドオーバー要求メッセージはノード間ハンドオーバー準備情報を含む。ハンドオーバー要求メッセージは、例えば、送信能力調整結果、ハンドオーバーされようとする端末デバイスの送信能力及び任意の同時接続指示を含んでもよい。
【0116】
ハンドオーバー要求メッセージは、ターゲットネットワークがさらにソースネットワークデバイスに対する目標の送信パラメータ構成を使用してその送信パラメータ構成を決定することができるように、ソースネットワークデバイスに対する目標の送信パラメータ構成をさらに含む。
【0117】
ブロック830において、ソースネットワークデバイスは、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を含むハンドオーバー応答メッセージを受信する。ハンドオーバー応答メッセージは、その中にノード間ハンドオーバーコマンドを含んでもよく、そのため、ノード間HandoverCommandメッセージであり得る。
【0118】
その後、ブロック840において、ソースネットワークデバイスは、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を含むハンドオーバーコマンドメッセージを端末デバイスへ送信する。ハンドオーバーコマンドメッセージは無線リソース制御(RRC)メッセージで送信されてもよい。
【0119】
以上、
図7、
図8を参照して、ソースネットワークデバイス及びターゲットネットワークデバイスで実施される方法700、800を簡潔に説明した。方法700、800の動作の詳細について、
図6の説明、及び
図1~
図5を参照して説明した方法のそれぞれのステップに関して行われた同様な動作を参照することができると理解されたい。
【0120】
さらなる態様において、方法200~400又は方法700~800を実行するための装置は、方法200~400又は方法700~800のそれぞれのステップを実行するための手段を含んでもよい。当該手段は、任意の適切な形式で実施されることができる。例えば、これらの手段は、回路又はソフトウェアモジュールに実装されることができる。
【0121】
本開示の一態様において、方法200を実行するための装置を提供する。方法200を実行する装置は、ソースネットワークデバイスから、ハンドオーバーされようとする端末デバイスの送信能力を含むハンドオーバー要求メッセージを受信するための手段と、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成及び送信能力調整結果を決定するように、少なくとも端末デバイスの送信能力に基づいて送信能力調整を実行するための手段と、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成及び送信能力調整結果を含むハンドオーバー応答メッセージを、ソースネットワークデバイスへ送信するための手段と、を含んでもよい。
【0122】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバー要求メッセージは、さらに、同時接続指示を含み、送信能力調整を実行することは、同時接続指示の受信に応答して、送信能力調整を実行することを含んでもよい。
【0123】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバー要求メッセージは、さらに、ソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成を含み、送信能力調整を実行することは、少なくとも端末デバイスの送信能力、及びソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成に基づいて、送信能力調整を実行することを含んでもよい。
【0124】
本開示のいくつかの実施形態において、送信能力調整結果は、ソースネットワークデバイスに使用されることができるバンドコンビネーションインデックス及び機能群コンビネーションインデックスに関する情報、アップリンク送信パワー調整情報、及びソースネットワークデバイスの送信時間間隔(TTI)内にスケジュールされることができる送信ブロックビットの最大数のいずれか1つ以上を含んでもよい。
【0125】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバー要求メッセージを受信するための手段は、ハンドオーバー要求メッセージでノード間ハンドオーバー準備情報を受信してもよい。
【0126】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバー応答メッセージを送信するための手段は、ハンドオーバー応答メッセージでノード間ハンドオーバーコマンドを送信してもよい。
【0127】
本開示のいくつかの実施形態において、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成が端末デバイスの送信能力を超えると許可される。
【0128】
本開示の他の態様において、方法300を実行するための装置を提供する。方法300を実行するための装置は、ターゲットネットワークデバイスへ、ハンドオーバーされようとする端末デバイスの送信能力を含むハンドオーバー要求メッセージを送信するための手段と、ターゲットネットワークデバイスから、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成及び送信能力調整結果を含むハンドオーバー応答メッセージを受信するための手段と、端末デバイスの送信能力を超えたと判定したことに応答して、送信能力調整結果に基づいて、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成を決定するための手段と、を含んでもよい。
【0129】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバー要求メッセージは、さらに、同時接続指示及びソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成のいずれかを含んでもよい。
【0130】
本開示のいくつかの実施形態において、送信能力調整結果は、ソースネットワークデバイスに使用されることができるバンドコンビネーションインデックス及び機能群コンビネーションインデックスに関する情報、アップリンク送信パワー調整情報、ソースネットワークデバイスの送信時間間隔(TTI)内にスケジュールされることができる送信ブロックビットの最大数、のいずれか1つ以上を含んでもよい。
【0131】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバー要求メッセージを送信するための手段は、ハンドオーバー要求メッセージでノード間ハンドオーバー準備情報を送信してもよい。
【0132】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバー応答メッセージを受信するための手段は、ハンドオーバー応答メッセージでノード間ハンドオーバーコマンドを受信してもよい。
【0133】
本開示のいくつかの実施形態において、方法300を実行するための装置は、さらに、端末デバイスへ、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成を含むハンドオーバーコマンドメッセージを送信するための手段を含んでもよい。
【0134】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバーコマンドメッセージを送信するための手段は、無線リソース制御(RRC)メッセージでハンドオーバーコマンドメッセージを送信してもよい。
【0135】
本開示のいくつかの実施形態において、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成を決定するための手段は、送信能力調整結果及びターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成に基づいて、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成を決定してもよい。
【0136】
本開示のいくつかの実施形態において、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びターゲットネットワークデバイスへ送信されるソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成が端末デバイスの送信能力を超えると許可されることができる。
【0137】
本開示の更なる態様において、方法400を実行するための装置を提供する。方法400を実行するための装置は、端末デバイスに対してサービスを提供するソースネットワークデバイスから、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を含むハンドオーバーコマンドメッセージを受信するための手段と、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成に基づいて、同時接続に基づくハンドオーバーを実行するための手段と、を含んでもよい。ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成は、ソースネットワークデバイスから送信された、現在に使用されているソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成のいずれか1つを含む。
【0138】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバーコマンドメッセージは、さらに、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成を含んでもよい。
【0139】
本開示のいくつかの実施形態において、方法400を実行するための装置は、さらに、端末デバイスの送信能力を超えたと判定したことに応答して、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を使用して、ソースネットワークデバイスのみとのデータ送信を実行し、ターゲットネットワークデバイスとの接続を確立する準備ができた場合にソースネットワークデバイスとの接続を解放し、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を使用してターゲットネットワークデバイスとのデータ送信を実行するための手段を含んでもよい。
【0140】
本開示のいくつかの実施形態において、方法400を実行するための装置は、さらに、端末デバイスの送信能力を超えたと判定したことに応答して、ソースネットワークデバイスとの接続を解放し、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を使用してターゲットネットワークデバイスとのデータ送信を実行するための手段を含んでもよい。
【0141】
本開示のいくつかの実施形態において、方法400を実行するための装置は、さらに、ターゲットネットワークデバイスに正常に接続したときに、ソースネットワークデバイスとの接続がすでに解放されたことを示すように、接続解放指示をターゲットネットワークデバイスへ送信するための手段を含んでもよい。
【0142】
本開示のいくつかの実施形態において、フルアップリンク送信パワーは、ソースネットワークデバイス及びターゲットネットワークデバイスのいずれか一方とのデータ送信に使用される。
【0143】
本開示のいくつかの実施形態において、方法400を実行するための装置は、さらに、端末デバイスの送信能力を超えたと判定したことに応答して、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成でソースネットワークデバイスのみとのデータ送信を実行し、能力オーバー指示をソースネットワークデバイスへ送信し、ソースネットワークデバイスに対する提案された構成を提供し、ソースネットワークデバイスから、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成を示す再構成メッセージを受信し、端末デバイスの送信能力を超えていないと判定したことに応答して、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータの再構成、及びターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成で同時接続に基づくハンドオーバーを実行するための手段を含んでもよい。
【0144】
本開示のいくつかの実施形態において、方法400を実行するための装置は、さらに、端末デバイスの送信能力を超えたと判定したことに応答して、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成よりも低いダウン送信パラメータ構成を使用して、同時接続に基づくハンドオーバーを実行するための手段を含んでもよい。
【0145】
本開示のいくつかの実施形態において、同時接続に基づくハンドオーバーの最中、端末デバイスは、ソースネットワークデバイスのプライマリセルにのみ接続されてもよい。
【0146】
本開示のいくつかの実施形態において、方法400を実行するための装置は、さらに、端末デバイスの送信能力を超えたと判定したことに応答して、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成よりも低いダウン送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成よりも低いダウン送信パラメータ構成を使用して、同時接続に基づくハンドオーバーを実行するための手段を含んでもよい。
【0147】
本開示のいくつかの実施形態において、同時接続に基づくハンドオーバーの最中、端末デバイスは、ソースネットワークデバイスのプライマリセル、及びターゲットネットワークデバイスのプライマリセルにのみ接続されてもよく、及び/又は、ネットワークデバイス及びターゲットネットワークデバイスに使用されるアップリンク送信パワーは端末デバイスの合計送信パワーを超えないように調整されることができ、及び/又は、ターゲットネットワークデバイスのセカンダリセルは、ソースネットワークデバイスが解放された後にアクティブ化されることができる。
【0148】
本開示のさらに別の態様において、方法700を実行するための装置を提供する。方法700を実行するための装置は、ソースネットワークデバイスから、送信能力調整結果及びハンドオーバーされようとする端末デバイスの送信能力を含むハンドオーバー要求メッセージを受信するための手段と、送信能力調整結果及び端末デバイスの送信能力に基づいて、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を決定するための手段と、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を含むハンドオーバー応答メッセージをソースネットワークデバイスへ送信するための手段と、を含んでもよい。
【0149】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバー要求メッセージは、さらに、同時接続指示を含んでもよく、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を決定するための手段は、同時接続指示の受信に応答して、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を決定してもよい。
【0150】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバー要求メッセージは、さらに、ソースネットワークデバイスに対する目標の送信パラメータ構成を含んでもよい。このような場合に、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を決定するための手段は、送信能力調整結果、端末デバイスの送信能力、及びソースネットワークデバイスに対する目標の送信パラメータ構成に基づいて、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を決定してもよい。
【0151】
本開示のいくつかの実施形態において、送信能力調整結果は、ターゲットネットワークデバイスに使用されることができるバンドコンビネーションインデックス及び機能群コンビネーションインデックスに関する情報、アップリンク送信パワー調整情報、及びターゲットネットワークデバイスの送信時間間隔(TTI)内にスケジュールされることができる送信ブロックビットの最大数のいずれか1つ以上を含む。
【0152】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバー要求メッセージを受信するための手段は、ハンドオーバー要求メッセージでノード間ハンドオーバー準備情報を受信してもよい。
【0153】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバー応答メッセージを送信するための手段は、ハンドオーバー応答メッセージでノード間ハンドオーバーコマンドを送信してもよい。
【0154】
本開示のいくつかの実施形態において、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する現在の送信パラメータ構成が端末デバイスの送信能力を超えると許可されることができない。
【0155】
本開示のさらに別の態様において、方法800を実行するための装置を提供する。方法800を実行するための装置は、ソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成及び送信能力調整結果を決定するように、端末デバイスの送信能力に基づいて送信能力調整を実行するための手段と、送信能力調整結果及びハンドオーバーされようとする端末デバイスの送信能力を含むハンドオーバー要求メッセージをターゲットネットワークデバイスへ送信するための手段と、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を含むハンドオーバー応答メッセージを受信するための手段とを含んでもよい。
【0156】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバー要求メッセージは、さらに、同時接続指示を含んでもよい。
【0157】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバー要求メッセージは、さらに、ソースネットワークデバイスに対する目標の送信パラメータ構成を含んでもよい。
【0158】
本開示のいくつかの実施形態において、送信能力調整結果は、ターゲットネットワークデバイスに使用されることができるバンドコンビネーションインデックス及び機能群コンビネーションインデックスに関する情報、アップリンク送信パワー調整情報、及びターゲットネットワークデバイスの送信時間間隔(TTI)内にスケジュールされることができる送信ブロックビットの最大数の、いずれか1つ以上を含んでもよい。
【0159】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバー要求メッセージを送信するための手段は、ハンドオーバー要求メッセージでノード間ハンドオーバー準備情報を送信してもよい。
【0160】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバー応答メッセージを受信するための手段は、ハンドオーバー応答メッセージでノード間ハンドオーバーコマンドを受信してもよい。
【0161】
本開示のいくつかの実施形態において、方法800を実行するための装置は、さらに、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成を含むハンドオーバーコマンドメッセージを端末デバイスへ送信するための手段を含んでもよい。
【0162】
本開示のいくつかの実施形態において、ハンドオーバーコマンドメッセージを送信するための手段は、無線リソース制御(RRC)メッセージでハンドオーバーコマンドメッセージを送信してもよい。
【0163】
本開示のいくつかの実施形態において、ターゲットネットワークデバイスに対する送信パラメータ構成、及びソースネットワークデバイスに対する目標の送信パラメータ構成が端末デバイスの送信能力を超えると許可されることができない。
【0164】
以上、方法200~400及び700~800を実行するための装置を簡潔に説明した。これらの装置の動作に関する詳細について、
図1~
図8を参照して説明した方法のそれぞれのステップの説明を参照してもよいと留意されたい。
【0165】
当業者は、前述の例が限定するためのものではなく、例示のために示されるものであり、本開示がそれらに限定されないと理解する。本明細書で提供される示唆から多くの変形、追加、削除及び修正を容易に想定することができ、これらの変形、追加、削除及び修正はすべて本開示の保護範囲に含まれる。
【0166】
さらに、本開示のいくつかの実施形態では、これらの装置は、少なくとも1つのプロセッサを備えてもよい。本開示の実施形態と共に使用するために適した少なくとも1つのプロセッサは、一例として、既に知られているか又は将来開発される汎用及び専用プロセッサの両方を含んでもよい。これらの装置は、少なくとも1つのメモリをさらに備えてもよい。少なくとも1つのメモリは、例えば、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイスを含んでもよい。少なくとも1つのメモリは、コンピュータ実行可能命令のプログラムを格納するために使用されてもよい。プログラムは、ハイレベル及び/又はローレベルの適合可能又は解釈可能な任意のプログラミング言語で記述できる。実施形態によれば、コンピュータ実行可能命令は、少なくとも1つのプロセッサにより、これらの装置に、少なくとも
図1~
図8をそれぞれ参照して説明した方法にかかる動作を実行させるように構成されることができる。
【0167】
図9は、本開示の実施形態による同時接続に基づくハンドオーバープロセスを実施することができる通信システム900の簡略化されたブロック図を概略的に示す。当該通信システム900は、ターゲットeNBやgNBのようなターゲットネットワークデバイスとして具体化される、又はそれに含まれる装置910、ソースeNBやgNBのようなソースネットワークデバイスとして具体化される、又はそれに含まれる装置920、及び本明細書に記載のUEのような端末デバイスとして具体化される、又はそれに含まれる装置930を含む。
【0168】
装置910は、データプロセッサ(DP)などの少なくとも1つのプロセッサ911と、プロセッサ911に接続される少なくとも1つのメモリ(MEM)912とを備える。装置910は、プロセッサ911に接続される送信機TX及び受信機RX913をさらに備えてもよく、送信機TX及び受信機RX913は装置920、930に通信可能に接続するように動作できる。MEM912は、プログラム(PROG)914を格納する。PROG914は、関連するプロセッサ911上で実行されると、装置910が本開示の実施形態、例えば方法200又は700に従って動作することを可能にする命令を含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサ911と少なくとも1つのMEM912の組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実施するのに適合された処理手段915を形成することができる。
【0169】
装置920は、DPなどの少なくとも1つのプロセッサ921と、プロセッサ921に接続される少なくとも1つのMEM922とを備える。装置920は、プロセッサ921に接続される適切なTX/RX923をさらに備えてもよく、TX/RX923は装置910、930と無線通信するように動作できる。MEM922は、PROG924を格納する。PROG924は、関連するプロセッサ921上で実行されると、装置920が本開示の実施形態に従って動作し、例えば、方法300又は800を実行することを可能にする命令を含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサ921と少なくとも1つのMEM922との組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実施するのに適合された処理手段925を形成することができる。
【0170】
装置930は、DPなどの少なくとも1つのプロセッサ931と、プロセッサ931に接続される少なくとも1つのMEM932とを備える。装置930は、プロセッサ931に接続される適切なTX/RX933をさらに備えてもよく、TX/RX933は装置910、920と無線通信するように動作できる。MEM932は、PROG934を格納する。PROG934は、関連するプロセッサ931上で実行されると、装置930が本開示の実施形態に従って動作し、例えば、方法400を実行することを可能にする命令を含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサ931と少なくとも1つのMEM932との組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実施するのに適合された処理手段935を形成することができる。
【0171】
本開示の様々な実施形態は、プロセッサ911、921及び931のうちの1つ以上によって実行可能なコンピュータプログラム、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0172】
MEM912、922及び932は、ローカルの技術的環境に適した任意のタイプのものでもよく、非限定的な例として、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイス及びシステム、光学メモリデバイス及びシステム、固定メモリ及びリムーバブルメモリなど、任意の適切なデータ記憶技術を使用して実施されてもよい。
【0173】
プロセッサ911、921及び931は、ローカルの技術的環境に適した任意のタイプでもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0174】
さらに、本開示は、上述のようなコンピュータプログラムを含むキャリアも提供してもよく、ここで、キャリアは、電子信号、光信号、無線信号、又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体のうちの1つである。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば、光学コンパクトディスク、又はRAM(random access memory)、ROM(read only memory)、フラッシュメモリ、磁気テープ、CD-ROM、DVD、Blue-rayディスクなどのような電子メモリデバイスであってもよい。
【0175】
本明細書で説明された技術は、様々な手段で実施されてもよい。そのため、実施形態で説明された対応する装置の1つ以上の機能を実施する装置は、従来技術の手段だけでなく、実施形態で説明された対応する装置の1つ又は複数の機能を実施するための手段を備え、別々の機能ごとに別々の手段を備えてもよいし、2つ以上の機能を実施するように設定される手段を備えてもよい。例えば、これらの技術は、ハードウェア(1つ以上の装置)、ファームウェア(1つ以上の装置)、ソフトウェア(1つ以上のモジュール)、又はそれらの組み合わせで実施されてもよい。ファームウェア又はソフトウェアの場合、本明細書で説明された機能を実行するモジュール(例えば、手順、機能など)を介して実施されてもよい。
【0176】
本明細書における例示的な実施形態は、上記のように、方法及び装置のブロック図及びフローチャート図を参照して説明された。ブロック図及びフローチャート図の各ブロック、並びにブロック図及びフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、それぞれ、コンピュータプログラム命令を含む様々な手段によって実施できることが理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は機械を製造するための他のプログラマブルデータ処理装置にロードされ、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置で実行される命令が、フローチャートのブロックで特定された機能を実行するための手段を形成するようにしてもよい。
【0177】
本明細書は多くの具体的な実装の詳細を含むが、これらはいかなる実施又は特許請求の範囲を限定するものではなく、むしろ特定の実装形態の特定の実施形態に特有の機能の説明として解釈されるべきである。本明細書において別々の実施形態の文脈で説明された特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施されることもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明された様々な特徴は、別々に又は任意の適切なサブコンビネーションで複数の実施形態で実施されることもできる。さらに、特徴が特定の組み合わせで動作するものとして上記のように説明され、当初はそのように特許請求されていても、請求された組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によって、その組み合わせから除外することができ、請求された組み合わせはサブコンビネーション又はサブコンビネーションのバリエーションに向けられてもよい。
【0178】
技術の進歩につれて、本発明の概念を様々な方法で実施できることは、当業者にとって明らかである。上記の実施形態は、本開示を限定するものではなく説明するために提供され、当業者が容易に理解するように、本開示の意図及び範囲から逸脱することなく修正及び変更することができる。そのような修正及び変更は、本開示の範囲及び添付の特許請求の範囲内に含まれると見なされる。本開示の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。