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特許7400949撮像システム、撮像方法及び撮像プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】撮像システム、撮像方法及び撮像プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/18 20220101AFI20231212BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20231212BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20231212BHJP
【FI】
G06V40/18
G06T7/00 510D
G06F21/32
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022512928
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(86)【国際出願番号】 JP2020014628
(87)【国際公開番号】W WO2021199188
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】荻野 有加
(72)【発明者】
【氏名】蝶野 慶一
【審査官】小太刀 慶明
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-052317(JP,A)
【文献】国際公開第2009/016846(WO,A1)
【文献】特表2007-504562(JP,A)
【文献】国際公開第2016/039582(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 40/18
G06T 7/00
G06F 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の虹彩を含む画像を撮像するための虹彩撮像手段に対し焦点位置を所定の位置に制御する第1の制御手段を備え前記制御された虹彩撮像手段は、移動中の前記対象者を撮像し、
前記焦点位置を所定の位置に制御された虹彩撮像手段が撮像した前記移動中の対象者の虹彩画像に基づいて、前記対象者を認証する認証手段と、
前記対象者の認証が失敗した場合、前記虹彩撮像手段に対し焦点位置を所定の範囲で走査するよう制御する第2の制御手段とを備え前記第2の制御手段に制御された虹彩撮像手段は、停止中の前記対象者を撮像し、
前記認証手段は、前記焦点位置を走査するよう制御された虹彩撮像手段により撮像された、前記停止中の対象者の虹彩画像に基づいて、前記対象者を再認証する、
撮像システム。
【請求項2】
前記対象者の移動を誘導するための誘導手段を制御する誘導制御手段を、さらに備え、
前記誘導制御手段は、前記対象者の認証が失敗した場合、前記移動中の対象者を停止させるよう前記誘導手段を制御する、
請求項に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記誘導手段は、前記対象者が通過するためのゲートであり、
前記誘導制御手段は、前記対象者の認証が失敗した場合、前記ゲートを閉鎖するよう制御する、
請求項に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記誘導手段は、前記対象者の認証結果を出力する出力手段であり、
前記誘導制御手段は、前記対象者の認証が失敗した場合、前記出力手段から前記対象者の移動を停止するための情報を出力する、
請求項に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記虹彩撮像手段は、可変焦点レンズを備え、
前記第1及び第2の制御手段は、前記可変焦点レンズのレンズ焦点駆動値を制御する、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項6】
前記第2の制御手段は、前記対象者の位置に応じて、前記虹彩撮像手段の焦点位置を設定する、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記第2の制御手段は、前記対象者の認証が失敗した場合、前記虹彩撮像手段の画角を変更する、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記第2の制御手段は、前記対象者の認証が失敗した場合、前記虹彩撮像手段の撮像方向を変更する、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項9】
前記第1の制御手段は、前記虹彩撮像手段よりも広い範囲で前記対象者を撮像するための全体撮像手段により撮像された全体画像に基づき、前記虹彩撮像手段に対し前記対象者の目を含むROI(Region Of Interest)を設定する、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項10】
前記第1の制御手段は、前記所定の位置の焦点位置に対応する座標変換行列を用いて、前記全体画像における前記対象者の目の座標を前記虹彩画像における座標に変換し、前記変換された座標に基づいて前記ROIを設定する、
請求項に記載の撮像システム。
【請求項11】
前記第2の制御手段は、前記変換された座標に基づいて、前記虹彩撮像手段に対し前記ROIを設定する、
請求項10に記載の撮像システム。
【請求項12】
前記虹彩撮像手段として、複数の虹彩撮像手段を備え、
前記第1の制御手段は、前記変換された座標に基づいて、前記複数の虹彩撮像手段の中から前記設定する虹彩撮像手段を選択する、
請求項10または11に記載の撮像システム。
【請求項13】
前記第2の制御手段は、前記変換された座標に基づいて、前記複数の虹彩撮像手段の中から前記設定する虹彩撮像手段を選択する、
請求項12に記載の撮像システム。
【請求項14】
前記第2の制御手段は、前記虹彩撮像手段よりも広い範囲で前記対象者を撮像するための全体撮像手段により撮像された全体画像に基づき、前記虹彩撮像手段に対し前記対象者の目を含むROIを設定する、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項15】
前記第2の制御手段は、前記対象者の位置に対応する座標変換行列を用いて、前記全体画像における前記対象者の目の座標を前記虹彩画像における座標に変換し、前記変換された座標に基づいて前記ROIを設定する、
請求項14に記載の撮像システム。
【請求項16】
前記虹彩撮像手段として、複数の虹彩撮像手段を備え、
前記第2の制御手段は、前記変換された座標に基づいて、前記複数の虹彩撮像手段の中から前記設定する虹彩撮像手段を選択する、
請求項15に記載の撮像システム。
【請求項17】
前記対象者の認証が失敗した場合、前記対象者に光を照射する照明手段の光量を変更するよう制御する照明制御手段を、さらに備える、
請求項1乃至16のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項18】
対象者の虹彩を含む画像を撮像するための虹彩撮像手段に対し焦点位置を所定の位置に制御し、前記制御された虹彩撮像手段は、移動中の前記対象者を撮像し、
前記焦点位置を所定の位置に制御された虹彩撮像手段が撮像した前記移動中の対象者の虹彩画像に基づいて、前記対象者を認証し、
前記対象者の認証が失敗した場合、前記虹彩撮像手段に対し焦点位置を所定の範囲で走査するよう制御前記制御された虹彩撮像手段は、停止中の前記対象者を撮像し、
前記焦点位置を走査するよう制御された虹彩撮像手段により撮像された、前記停止中の対象者の虹彩画像に基づいて、前記対象者を再認証する、
撮像方法。
【請求項19】
対象者の虹彩を含む画像を撮像するための虹彩撮像手段に対し焦点位置を所定の位置に制御し、前記制御された虹彩撮像手段は、移動中の前記対象者を撮像し、
前記焦点位置を所定の位置に制御された虹彩撮像手段が撮像した前記移動中の対象者の虹彩画像に基づいて、前記対象者を認証し、
前記対象者の認証が失敗した場合、前記虹彩撮像手段に対し焦点位置を所定の範囲で走査するよう制御前記制御された虹彩撮像手段は、停止中の前記対象者を撮像し、
前記焦点位置を走査するよう制御された虹彩撮像手段により撮像された、前記停止中の対象者の虹彩画像に基づいて、前記対象者を再認証する、
処理をコンピュータに実行させるための撮像プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像システム、撮像方法及び撮像プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
生体認証の一つとして、目の虹彩を用いる虹彩認証が知られている。虹彩認証では、撮像システムを用いて対象者の虹彩が撮像され、撮像された虹彩画像に基づいて対象者の認証が行われる。このような撮像システムでは、対象者の認証に失敗した場合、必要に応じて再認証が行われる。
【0003】
関連する技術として、例えば、特許文献1~3が知られている。特許文献1には、虹彩認証に失敗した対象者が再認証を行うための再認証エリアを設けることが記載されている。また、特許文献2及び3には、ゲートを通過する対象者の顔を撮像して顔認証を行う顔認証システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2009/016846号
【文献】特開2018-109935号公報
【文献】特開2016-53896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような撮像システムにおいては、認証失敗時、効果的に再認証を行うことが求められる。
【0006】
本開示の目的は、上述した課題を解決する撮像システム、撮像方法及び撮像プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る撮像システムは、対象者の虹彩に合焦した画像を撮像するための虹彩撮像手段に対し焦点位置を所定の位置に固定するよう制御する第1の制御手段と、前記制御された虹彩撮像手段が撮像した前記対象者の虹彩画像に基づいて、前記対象者を認証する認証手段と、前記対象者の認証が失敗した場合、前記対象者を再認証するため、前記虹彩撮像手段に対し焦点位置を所定の範囲で走査するよう制御する第2の制御手段と、を備えるものである。
【0008】
本開示に係る撮像方法は、対象者の虹彩に合焦した画像を撮像するための虹彩撮像手段に対し焦点位置を所定の位置に固定するよう制御し、前記制御された虹彩撮像手段が撮像した前記対象者の虹彩画像に基づいて、前記対象者を認証し、前記対象者の認証が失敗した場合、前記対象者を再認証するため、前記虹彩撮像手段に対し焦点位置を所定の範囲で走査するよう制御するものである。
【0009】
本開示に係る撮像プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体は、対象者の虹彩に合焦した画像を撮像するための虹彩撮像手段に対し焦点位置を所定の位置に固定するよう制御し、前記制御された虹彩撮像手段が撮像した前記対象者の虹彩画像に基づいて、前記対象者を認証し、前記対象者の認証が失敗した場合、前記対象者を再認証するため、前記虹彩撮像手段に対し焦点位置を所定の範囲で走査するよう制御する、処理をコンピュータに実行させるための撮像プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る撮像システムの構成例を示す構成図である。
図2】実施の形態5に係る撮像システムの構成例を示す構成図である。
図3】実施の形態5に係る制御装置の構成例を示す構成図である。
図4】実施の形態5に係る撮像システムの動作例を示すフローチャートである。
図5】実施の形態5に係るウォークスルー認証処理の例を示すフローチャートである。
図6】実施の形態5に係るウォークスルー認証時の動作を説明するための図である。
図7】実施の形態5に係る再認証処理の例を示すフローチャートである。
図8】実施の形態5に係る再認証時の動作を説明するための図である。
図9】実施の形態6に係る再認証処理の例を示すフローチャートである。
図10】実施の形態6に係る虹彩カメラの設定例を説明するための図である。
図11】実施の形態6に係る虹彩カメラの設定例を説明するための図である。
図12】実施の形態7に係る再認証処理の例を示すフローチャートである。
図13】実施の形態に係るコンピュータのハードウェアの概要を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る撮像システムの概要を示している。図1に示すように、本実施の形態に係る撮像システム(撮像装置)10は、第1の制御部11、認証部12、第2の制御部13を備えている。
【0013】
第1の制御部11は、対象者の一部(虹彩、網膜、まつ毛、指紋、耳、など撮影可能な身体の一部)に合焦した画像を撮像するための生体カメラに対し、焦点位置を所定の位置(固定焦点位置)に固定するよう制御する。認証部12は、第1の制御部11により制御された生体カメラが撮像した対象者の生体画像に基づいて、対象者を認証する。第2の制御部13は、対象者の認証が失敗した場合、対象者を再認証するため、生体カメラに対し焦点位置を所定の範囲(走査範囲)で走査するよう制御する。以下の実施の形態では対象者の一部として虹彩を用い、生体カメラとして虹彩カメラを用いる例を説明する。
【0014】
このように、本実施の形態では、最初の認証時における虹彩カメラ(生体カメラ)の焦点の制御(設定)と、再認証時における虹彩カメラの焦点の制御(設定)を変えることで、効果的に再認証を行うことを可能とする。特に、最初の認証では、虹彩カメラの焦点位置を固定して対象者の虹彩を撮像し、再認証では、虹彩カメラの焦点位置を走査させて対象者の虹彩を撮像することで、より簡易かつ確実に虹彩を撮像し再認証を行うことができる。
【0015】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態では、実施の形態1に係る撮像システムの認証部12において、認証の成功/失敗に限らず、撮像した画像が認証に使用できるか否かを判断する。例えば、撮像した画像において、解像度が低い、ぼけている、露出過多、目をつむっている、等の場合、撮像した画像が認証に使用できないと判断する。第2の制御部13は、撮像した画像が認証に使用できない場合、対象者を再認証するため、虹彩カメラに対し焦点位置を所定の範囲で走査するよう制御する。この場合でも、実施の形態1と同様に効果的に再認証を行うことができる。
【0016】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。本実施の形態では、実施の形態1または2に係る撮像システムにおいて、第1の制御部11は、第1の認証モードで対象者を認証する場合、焦点位置を固定するよう制御し、第2の制御部13は、第2の認証モードで対象者を認証する場合、焦点位置を走査するよう制御する。これにより、認証モードに応じて、適切に虹彩カメラの焦点を制御することができる。
【0017】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。本実施の形態では、実施の形態3に係る撮像システムにおいて、第1の制御部11は、第1の認証モードとして、移動中の対象者を認証する認証モードの場合、焦点位置を固定するよう制御し、第2の制御部13は、第2の認証モードとして、停止中の対象者を認証する認証モードの場合、焦点位置を走査するよう制御する。これにより、移動中の対象者を認証する認証モードと停止中の対象者を認証する認証モードのそれぞれにおいて、適切に虹彩カメラの焦点を制御することができる。
(実施の形態5)
【0018】
次に、実施の形態5について説明する。本実施の形態は、ウォークスルー認証を行う撮像システムにおいて、認証失敗時に虹彩カメラの焦点位置の設定を変えて再認証を行う例である。ウォークスルー認証とは、カメラの前を歩きながら通過する対象者を認証する認証方式である。
【0019】
図2は、本実施の形態に係る撮像システムの構成例を示している。図2に示すように撮像システム100は、複数の虹彩カメラ110、全体俯瞰カメラ120、複数の照明装置130、人検知センサ140、ゲート150、表示装置160、制御装置200を備えている。撮像システム100は、ゲート150に向かって歩いている対象者Pを認証し、認証成功した場合にゲート150を通過可能とする。
【0020】
虹彩カメラ110は、対象者Pの虹彩を撮像するための虹彩撮像装置である。虹彩カメラ110の解像度は、対象者Pの虹彩パターンを抽出可能な解像度であり、虹彩カメラ110の画角は、少なくとも対象者Pの両目を含む画角である。なお、画角とは、撮像地点(撮像対象の位置)におけるカメラの撮像範囲(視野範囲)である。虹彩カメラ110は、例えば、産業用カメラなどで普及品となりつつある、12M画素(水平4000画素、垂直3000画素)かつ60fpsの汎用カメラで構成される。
【0021】
対象者Pの目の位置(高さ)は対象者Pの身長によって異なる。このため、例えば、対象者Pの身長別に、複数の虹彩カメラ110が垂直方向に並べて配置されている。この例では、3台の虹彩カメラ110-~110-2が配置されるが、3台に限らず、任意の数の虹彩カメラ110を配置してもよい。例えば、虹彩カメラの数は、虹彩カメラ110の画角や解像度などに応じて設定される。
【0022】
虹彩カメラ110-0~110-2のうち対象者Pの目を撮像し得る虹彩カメラ110が制御装置200により選択され、選択された虹彩カメラ110が撮像した画像(虹彩カメラ画像)を制御装置200へ出力する。ここでは、複数の虹彩カメラ110の中から選択されたカメラにより対象者Pの虹彩を撮像する撮像方法について説明するが、一台の虹彩カメラ110を垂直方向に移動させることで同様の撮像方法を実現してもよい。例えば、初期の状態では虹彩カメラ110-0の位置にカメラを配置し、虹彩撮影時に対象者Pの虹彩の位置に応じて垂直方向にカメラを移動させてもよい。なお、虹彩カメラ110が撮像した画像を虹彩カメラ画像と呼び、虹彩カメラ画像のうち虹彩に合焦した画像を虹彩画像と呼ぶ場合があるが、特に限定されない限り、虹彩カメラ画像と虹彩画像とは互いに読み替え可能である。
【0023】
また、各虹彩カメラ110には可変焦点レンズ111が取り付けられている。可変焦点レンズ111は、例えば液体レンズであるが、焦点位置を制御可能なその他のレンズでもよい。液体レンズは、入力電圧によって液滴の曲率を変化することを利用し、レンズへの入射像の結像位置を変えることによって異なる奥行位置に対して焦点を合わせることが可能である。本実施の形態では、制御装置200からの制御に応じて可変焦点レンズ111の焦点位置を設定することで、虹彩カメラ110は、焦点位置を固定してバースト撮像する「焦点固定バースト撮像」、または、焦点位置を走査してバースト撮像する「焦点走査バースト撮像」を行う。なお、バースト撮像とは、高フレームレートで、指定された枚数を撮像しメモリに書き込むことである。
【0024】
焦点固定バースト撮像では、可変焦点レンズ111の焦点位置を所定の位置(固定合焦位置D1)に固定した状態で、虹彩カメラ110がバースト撮像(連続撮像)を行う。焦点走査バースト撮像では、可変焦点レンズ111の焦点位置を光軸の前後方向に移動させることで焦点位置を走査(焦点走査)しつつ、虹彩カメラ110がバースト撮像を行う。例えば、虹彩カメラ110の被写界深度(合焦範囲)は1cm程度と狭い。このため、ウォークスルー認証の場合、固定焦点位置を通過する対象者に対し、焦点を固定してバースト撮像を行い、また、再認証の場合、立ち止まっている対象者に対し、焦点を走査してバースト撮像を行うことで、対象者の虹彩に合焦した虹彩画像を抽出可能とする。
【0025】
全体俯瞰カメラ120は、虹彩カメラ110よりも広い範囲で対象者Pを撮像(俯瞰)するための全体撮像装置である。全体俯瞰カメラ120の解像度は、対象者Pの顔や目を認識可能な解像度である。全体俯瞰カメラ120の画角は、複数の虹彩カメラ110の画角よりも広い範囲の画角(例えば全ての虹彩カメラ110の画角を含む)であり、背の高い対象者から背の低い対象者までの全体をカバー可能な画角である。
【0026】
例えば、全体俯瞰カメラ120は、垂直方向に並ぶ虹彩カメラ110-0~110-2の下方に配置されるが、配置位置は限定されず、虹彩カメラ110-0~110-2の上方に配置されてもよい。全体俯瞰カメラ120は、ゲート150に向かって歩いている対象者P(トリガ位置D0を通過した対象者)、または、ゲート150の前の位置(再認証位置D2)に立ち止まっている対象者Pを撮像した画像(全体俯瞰画像)を制御装置200へ出力する。
【0027】
照明装置130は、虹彩カメラ110が対象者Pの虹彩を撮像するために、対象者Pに照明光を照射する照明装置である。例えば、照明装置130は、近赤外光を照射するLED(Light Emitting Diode)等である。照明装置130は、制御装置200からの制御に応じた光量やタイミングで、照明光を照射(発光)する。例えば、光量を制御する光量制御情報(光量制御値)には、LEDへの供給電流値やLEDの点灯時間、点灯周期等が含まれる。また、対象者Pの虹彩を高精度に撮像可能とするため、複数の照明装置130が垂直方向に並べて配置される。この例では、4台の照明装置130-0~130-3が配置されるが、4台に限らず、任意の数の照明装置130を配置してもよい。また、垂直方向に限らず、水平方向に並べて配置してもよいし、垂直方向及び水平方向に並べて配置してもよい。
【0028】
人検知センサ140は、人の存在(通過)を検知可能な検知センサであり、例えば、赤外線センサである。この例では、人検知センサ140は、撮像システム100が対象者Pの認証処理を開始するためのトリガ位置D0に設置される。人検知センサ140は、対象者Pがトリガ位置D0を通過したことを検知し、対象者Pの検知を示す検知信号を制御装置200へ出力する。
【0029】
ゲート150は、対象者Pが通過する改札等の認証ゲートであり、対象者Pの認証結果に応じて開閉制御される。表示装置160は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置であり、対象者Pの認証結果等を出力する出力装置である。なお、表示装置に限らず、スピーカ等の音声出力手段により認証結果等を音声で出力してもよい。
【0030】
本実施の形態では、対象者Pがトリガ位置D0からゲート150の位置までに歩いている間に制御装置200が対象者Pの認証を行い、認証結果に応じて、ゲート150の開閉及び表示装置160の表示が制御される。ゲート150及び表示装置160は、歩いている対象者Pの認証失敗時、対象者Pがゲート150の前に立ち止まるように誘導する誘導装置でもある。なお、ゲート150及び表示装置160の両方で対象者Pの停止を誘導してもよいし、ゲート150及び表示装置160のいずれか一方で対象者Pの停止を誘導してもよい。
【0031】
制御装置200は、撮像システム100の各装置の動作を制御する制御装置であり、対象者Pの認証に必要な処理を実行する。本実施の形態では、制御装置200は、ウォークスルー認証処理(第1の認証処理)を行い、さらに、認証失敗時に再認証処理(第2の認証処理)を行う。
【0032】
また、制御装置200は、対象者を認証するため、対象者の虹彩画像に基づいた虹彩情報を登録するデータベース300を備える。データベース300は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリやハードディスク装置等であり、制御装置200の内部に備えていてもよいし、制御装置200の外部に備えていてもよい。
【0033】
図3は、本実施の形態に係る制御装置の構成例を示している。図3に示すように、制御装置200は、記憶部201、全体俯瞰画像取得部202、目検出部203、照明制御部204、虹彩カメラ設定部205、レンズ焦点制御部206、虹彩画像取得部207、合焦画像抽出部208、認証部209、認証結果出力部210、ゲート制御部211を備えている。制御装置200は、例えば、サーバやパーソナルコンピュータ等のコンピュータ装置で実現されるが、1つの装置で実現してもよいし、複数の装置で実現してもよい。例えば、照明制御部204やゲート制御部211等を、制御装置200とは別の装置としてもよい。
【0034】
記憶部201は、制御装置200の処理に必要な情報を記憶する。例えば、記憶部201は、焦点位置を所定の位置に制御するためのレンズ焦点制御値や照明光の光量を所定の光量に制御するための光量制御値、各カメラのカメラパラメータ、全体俯瞰カメラ120と虹彩カメラ110の間でカメラパラメータ(画角等)を変換する変換行列等を記憶する。
【0035】
全体俯瞰画像取得部202は、全体俯瞰カメラ120が対象者Pを撮像した全体俯瞰画像(全体俯瞰映像)を取得する。全体俯瞰画像取得部202は、全体俯瞰カメラ120がゲート150に向かって歩いている対象者P、または、ゲート150の前の位置(再認証位置D2)に立ち止まっている対象者Pをキャプチャした画像(映像)を取得するキャプチャ部であるとも言える。
【0036】
目検出部203は、全体俯瞰画像取得部202が取得した全体俯瞰画像の中から対象者Pの目の領域を検出する。目検出部203は、全体俯瞰画像の中から目の領域を直接検出してもよいし、全体俯瞰画像の中から顔の領域を検出して、検出した顔の領域の中から目の領域を検出してもよい。例えば、目検出部203は、画像の中から顔のパターンを認識して顔の領域を抽出し、また、画像の中から目(虹彩)のパターンを認識して目(虹彩)の領域を抽出する。
【0037】
照明制御部204は、複数の照明装置130-0~130-3の照明光の照射(発光)を制御する。例えば、照明制御部204は、予め記憶部201に記憶された所定の光量制御値を、複数の照明装置130-0~130-3に設定する。
【0038】
虹彩カメラ設定部205は、目検出部203が検出した全体俯瞰画像における目の領域の位置に基づいて、複数の虹彩カメラ110のいずれかに対象者Pの虹彩を撮像するために必要な設定を行う。虹彩カメラ設定部205は、全体俯瞰画像における目の位置に対応する虹彩カメラ110を選択し、選択した虹彩カメラ110の画角にROI(Region of Interest:注視領域)を設定する。ROIは、虹彩カメラ110の画角内で対象者Pの両目を撮像するための領域(虹彩撮像領域)である。
【0039】
レンズ焦点制御部206は、虹彩カメラ設定部205が選択した虹彩カメラ110の可変焦点レンズ111を駆動し、虹彩カメラ110の焦点位置を設定する。例えば、ウォークスルー認証時、焦点固定バースト撮像するよう虹彩カメラ110に固定の焦点位置を設定し、再認証時、焦点走査バースト撮像するよう虹彩カメラ110に焦点走査範囲を設定する。レンズ焦点制御部206は、虹彩カメラ110の焦点を固定するよう制御する第1の制御部であり、また、虹彩カメラ110の焦点を走査するよう制御する第2の制御部であるとも言える。
【0040】
虹彩画像取得部207は、虹彩カメラ設定部205により選択及び設定された虹彩カメラ110が撮像した虹彩カメラ画像(虹彩画像)を取得する。虹彩画像取得部207は、虹彩カメラ110がROIの範囲でキャプチャした画像を取得するキャプチャ部であるとも言える。虹彩画像取得部207は、ウォークスルー認証時、焦点固定バースト撮像によりROIを連続撮像した複数の虹彩カメラ画像を取得し、再認証時、焦点走査バースト撮像によりROIを連続撮像した複数の虹彩カメラ画像を取得する。合焦画像抽出部208は、虹彩画像取得部207が取得した複数の虹彩カメラ画像の中から虹彩に合焦した虹彩画像を抽出する。
【0041】
認証部209は、合焦画像抽出部208が抽出した虹彩画像を用いて、対象者Pの認証処理を行う。例えば、認証部209は、合焦画像抽出部208が抽出した虹彩画像に基づいた虹彩情報と、データベース300に登録された虹彩情報とを比較して対象者の認証を行う。
【0042】
例えば、認証処理には、虹彩の撮像状態の評価と虹彩画像から抽出される虹彩情報の照合が含まれる。認証部209は、虹彩の撮像状態が成功(撮像成功)であり、かつ、虹彩情報の照合結果が成功(照合成功)の場合、認証成功と判断する。また、認証部209は、虹彩の撮像状態が失敗(撮像失敗)、または、虹彩情報の照合結果が失敗(照合失敗)の場合、認証失敗と判断する。
【0043】
認証結果出力部210は、認証部209による認証結果を表示装置160に表示(出力)する。認証結果出力部210は、認証成功または認証失敗を表示装置160に表示し、認証失敗時には、対象者Pに立ち止まるよう誘導するための表示を行う。なお、認証失敗時、失敗要因が把握できるように、撮像失敗、または、照合失敗を表示してもよい。ゲート制御部211は、認証部209の認証結果に応じて、ゲート150の開閉を制御する。ゲート制御部211は、認証成功時、ゲート150を開放し、認証失敗時、ゲート150を閉鎖する。
【0044】
図4は、本実施の形態に係る撮像システムの動作例を示している。図4に示すように、まず、制御装置200は、歩いている対象者Pに対しウォークスルー認証処理を行う(S101)。
【0045】
図5は、図4におけるウォークスルー認証処理(S101)の具体例を示している。図5に示すように、まず、全体俯瞰カメラ120は、歩いている対象者Pを含む全体俯瞰画像を撮像する(S201)。例えば、対象者Pがトリガ位置D0を通過すると、人検知センサ140が対象者Pを検知し、対象者Pの検知を示す検知信号を制御装置200へ出力する。全体俯瞰画像取得部202は、人検知センサ140から検知信号を受け付けると、全体俯瞰カメラ120へ撮像開始を指示し、全体俯瞰カメラ120から対象者Pを含む全体俯瞰画像を取得する。
【0046】
続いて、制御装置200は、撮像された全体俯瞰画像から対象者Pの目の位置を検出する(S202)。全体俯瞰カメラ120から全体俯瞰画像が取得されると、目検出部203は、全体俯瞰画像内の対象者Pの目を検出する。例えば、顔を検出する場合、目検出部203は、全体俯瞰画像からエッジ(輪郭)を抽出し、抽出されたエッジに囲まれる領域の画像パターンと所定の顔の画像バターンとをマッチングさせて顔の領域を検出する。さらに、目検出部203は、顔の領域の画像、または、全体俯瞰画像から目(虹彩)のパターンを抽出する。例えば、対象の画像から円形のパターンを抽出する処理を行い、抽出された円形の位置を目(虹彩)の位置として検出する。
【0047】
続いて、照明装置130は、対象者Pに照明光を照射する(S203)。照明装置130が照明光の照射を開始するタイミングは、対象者Pがトリガ位置D0を通過してから、虹彩カメラ110が撮像を開始するまでの任意のタイミングでよい。例えば、人検知センサ140が対象者Pを検知した後、または、対象者Pの目が検出された後、照明制御部204は、複数の照明装置130-0~130-3に対し所定の光量制御値を設定し、所定の光量で照射を開始するよう制御する。
【0048】
続いて、制御装置200は、虹彩カメラ110の選択及び設定を行う(S204)。全体俯瞰画像から対象者Pの目が検出されると、虹彩カメラ設定部205は、最適な虹彩カメラ110を選択するため、全体俯瞰画像(全体俯瞰カメラの画角)における目の座標を、虹彩カメラ110の虹彩カメラ画像(虹彩カメラの画角)の座標に変換する。このとき、対象者Pが固定合焦位置D1にいると仮定して予め求められた座標変換行列を用いて、目の座標を変換する。虹彩カメラ設定部205は、変換後の目の座標が含まれる画角に対応する虹彩カメラ110を選択し、さらに、変換後の目の座標を含むようにROIを設定する。
【0049】
続いて、制御装置200は、虹彩カメラ110の焦点位置を固定焦点に設定する(S205)。虹彩カメラ110の選択及びROIの設定が行われると、レンズ焦点制御部206は、選択及び設定された虹彩カメラ110の可変焦点レンズ111の焦点位置を設定する。レンズ焦点制御部206は、ウォークスルー認証時、焦点固定バースト撮像を行うよう、可変焦点レンズ111の焦点位置を固定合焦位置に設定する。
【0050】
続いて、虹彩カメラ110は、歩いている対象者Pの虹彩をバースト撮像する(S206)。虹彩カメラ設定部205は、虹彩カメラ110の選択及びROIの設定を行うとともに、虹彩カメラ110に撮像開始のトリガを出力し、さらに、レンズ焦点制御部206は、選択された虹彩カメラ110の可変焦点レンズ111の焦点位置を固定位置に設定する。そうすると、虹彩カメラ110は、固定の焦点位置でROIのバースト撮像を開始し、撮像した虹彩カメラ画像(バースト画像)を制御装置200へ出力する。
【0051】
すなわち、図6に示すように、虹彩カメラ110の焦点を固定合焦位置D1に固定した状態で、固定合焦位置D1に近づき、固定合焦位置D1を通り過ぎる対象者Pに対し、所定の期間、バースト撮像(焦点固定バースト撮像)を行う。これにより、対象者Pが固定合焦位置D1に近づくにしたがって、虹彩に合焦した画像を得ることができる。
【0052】
続いて、制御装置200は、虹彩に合焦した虹彩画像を抽出する(S207)。虹彩カメラ110が対象者Pをバースト撮像したバースト画像(虹彩カメラ画像)を出力すると、虹彩画像取得部207は、撮像された複数の虹彩カメラ画像を取得し、合焦画像抽出部208は、取得された複数の虹彩カメラ画像の中から対象者Pの虹彩に合焦した虹彩画像を抽出する。合焦画像抽出部208は、複数の虹彩カメラ画像の合焦を評価し、最も合焦した虹彩画像を抽出する。例えば、複数の虹彩カメラ画像の中でコントラストの最も大きい画像を検出し、検出した画像を合焦した虹彩画像として抽出する。
【0053】
続いて、制御装置200は、対象者Pの認証を行う(S208)。合焦した虹彩画像が抽出されると、認証部209は、抽出された虹彩画像に基づいて認証処理を行う。なお、対象者の虹彩画像から抽出された特徴量が予めデータベース300に登録されている。
【0054】
認証部209は、認証処理として、虹彩の撮像状態の評価処理と虹彩情報の照合処理を行う。例えば、認証部209は、虹彩画像の中で虹彩の内側の内円と虹彩の外側の外円を検知し、ドーナツ状の虹彩範囲を検知する。認証部209は、虹彩画像から虹彩範囲が検知できた場合、撮像成功と判断し、虹彩画像から虹彩範囲が検知できない場合、撮像失敗と判断する。なお、S207で合焦した虹彩画像が得られない場合、撮像失敗と判断してもよい。
【0055】
さらに、認証部209は、虹彩画像から検知された虹彩範囲を細分化して、得られた輝度を数値化することで虹彩の特徴量を抽出する。認証部209は、虹彩画像から抽出された特徴量を、データベース300に登録されている特徴量と照合し、類似スコアに基づいて一致/不一致を判定する。認証部209は、虹彩画像から抽出された特徴量がデータベース300の特徴量と一致する場合、照合成功と判断し、虹彩画像から抽出された特徴量がデータベース300の特徴量と不一致の場合、照合失敗と判断する。
【0056】
ウォークスルー認証処理が終了すると、図4に示すように、制御装置200は、対象者Pの認証が成功したか否か判定し(S102)、認証が成功した場合、表示装置160に認証成功を出力し(S103)、ゲート150を開放する(S104)。ウォークスルー認証で認証成功した場合(虹彩の撮像成功及び照合成功した場合)、認証結果出力部210は、表示装置160に認証成功を示す文字やマーク等を表示(出力)する。さらに、ゲート制御部211は、ゲート150を開放するよう制御する。これにより、対象者Pはゲート150を通過することが可能となる。
【0057】
一方、ウォークスルー認証で認証失敗した場合(虹彩の撮像失敗または照合失敗した場合)、制御装置200は、表示装置160に認証失敗を出力し(S105)、ゲート150を閉鎖する(S106)。この場合、認証結果出力部210は、表示装置160に認証失敗を示す文字やマーク等を表示(出力)する。さらに、ゲート制御部211は、ゲート150を閉鎖するよう制御する。これにより、対象者Pをゲート150の手前の再認証位置D2で停止するよう誘導することができる。例えば、表示装置160に「ゲートの前に止まってください」と案内表示してもよい。
【0058】
続いて、制御装置200は、立ち止まっている対象者Pに対し再認証処理を行う(S107)。図7は、図4における再認証処理(S107)の具体例を示している。なお、図7において、S301~S304、S306~S308は、図5のS201~S204、S206~S208と基本的に同様である。
【0059】
すなわち、ウォークスルー認証で対象者Pの認証が失敗すると、全体俯瞰カメラ120は、再認証位置D2に立ち止まっている対象者Pを含む全体俯瞰画像を撮像し(S301)、制御装置200は、撮像された全体俯瞰画像から対象者Pの目の位置を検出する(S302)。また、照明装置130は、対象者Pに所定の光量の照明光を照射する(S303)。
【0060】
続いて、制御装置200は、虹彩カメラ110の選択及び設定を行う(S304)。虹彩カメラ設定部205は、対象者Pが再認証位置D2にいると仮定して予め求められた座標変換行列を用いて、全体俯瞰画像の目の座標を虹彩カメラ画像の座標に変換する。さらに、虹彩カメラ設定部205は、変換された座標を用いて、虹彩カメラ110の選択及びROIの設定を行う。
【0061】
例えば、再認証位置D2は、ゲート150の前の予め決められた位置である。なお、所定の位置に限らず、深度センサや人検知センサ等を用いて対象者Pの位置を測定し、測定された位置を再認証位置D2として再認証処理で利用してもよい。トリガ位置D0の位置及び時間(対象者が通過した時間)と、対象者Pの歩行速度(所定の歩行速度)とから、D2の位置を予測してもよい。
【0062】
続いて、制御装置200は、虹彩カメラ110の焦点位置を焦点走査するように設定する(S305)。虹彩カメラ設定部205が虹彩カメラ110の選択及びROIの設定を行うと、レンズ焦点制御部206は、選択及び設定された虹彩カメラ110の可変焦点レンズ111の焦点位置を設定する。レンズ焦点制御部206は、再認証時、焦点走査バースト撮像を行うよう、可変焦点レンズ111に焦点の走査範囲を設定する。例えば、走査範囲は、焦点の走査開始位置から走査終了位置であり、所定の再認証位置D2を含む所定の範囲である。すなわち、走査範囲は、対象者Pの位置に応じた範囲(焦点位置)である。
【0063】
続いて、虹彩カメラ110は、歩いている対象者Pの虹彩をバースト撮像する(S306)。虹彩カメラ設定部205は、虹彩カメラ110の選択及びROIの設定を行うとともに、虹彩カメラ110に撮像開始のトリガを出力し、さらに、レンズ焦点制御部206は、選択された虹彩カメラ110の可変焦点レンズ111の焦点走査駆動を開始する。そうすると、虹彩カメラ110は、所定の走査範囲でROIのバースト撮像を開始し、撮像した虹彩カメラ画像(バースト画像)を制御装置200へ出力する。
【0064】
すなわち、図8に示すように、再認証位置D2を含む走査範囲で、虹彩カメラ110の焦点を走査しつつ、再認証位置D2に立っている対象者Pに対し、バースト撮像(焦点走査バースト撮像)を行う。これにより、所定の走査範囲で、対象者Pの虹彩に合焦した画像を得ることができる。
【0065】
続いて、制御装置200は、虹彩に合焦した虹彩画像を抽出し(S307)、対象者Pの認証を行う(S308)。再認証処理が終了すると、図4に示すように、制御装置200は、再認証の結果を出力する(S108)。例えば、S103及びS105と同様に表示装置160に認証結果を出力する。また、S104及びS106と同様にゲート150の開閉を制御してもよい。
【0066】
以上のように、本実施の形態では、ウォークスルー認証時は、虹彩カメラの焦点位置を固定として、固定焦点位置を通過する対象者をバースト撮像し、認証失敗した場合の再認証時は、虹彩カメラの焦点位置を走査させて、立ち止まっている対象者をバースト撮像するようにした。これにより、認証失敗時、対象者を円滑に再認証することができ、また、より確実に虹彩画像を撮像して再認証処理を行うことができる。
【0067】
例えば、関連するシステムでは、予め対象者の虹彩情報を登録していても、対象者がまばたきや、よそ見、認証方法がわからない等で撮像失敗してしまった場合、対象者は別の再認証用のゲートへ進んで再認証するか、もう一度同じゲートを通過して再認証する必要がある。このため、関連するシステムでは、再認証用ゲートを設置する必要があり、また、同じゲートに戻るための通路の確保する必要がある。認証失敗時、ゲートを再通過することは対象者にとって円滑な認証プロセスではない。そこで、本実施の形態では、ウォークスルー認証に失敗した場合、ゲート前に対象者を立ち止まらせた上で、虹彩カメラの設定を変更し、再認証を行うようにした。これにより、再認証用のゲートを設ける必要がなく、また、同じゲートを再度通過する必要がない。したがって、再認証時の認証プロセスの煩雑さを抑え、スムーズに再認証を行うことができる。また、同じ虹彩カメラの設定を変更して再認証を行うため、設置場所やカメラの台数を増やす必要がない。
【0068】
(実施の形態6)
次に、実施の形態6について説明する。本実施の形態は、実施の形態5の撮像システムにおいて、再認証時に虹彩カメラの画角や撮像方向を変えて再認証を行う例である。本実施の形態に係る撮像システムの構成及び制御装置の構成は、実施の形態5と同様であり、ウォークスルー認証時の動作も実施の形態5と同様である。
【0069】
図9は、本実施の形態に係る再認証処理を示している。図9では、実施の形態5の図7の処理と比べて、虹彩カメラの画角または撮像方向の設定処理(S310)が追加されている。
【0070】
すなわち、本実施の形態に係る再認証処理では、図7と同様、全体俯瞰画像の撮像(S301)、目の検出(S302)、照明光を照射(S303)が行われる。続いて、制御装置200は、虹彩カメラ110の画角または撮像方向を設定する(S310)。図10に示すように、ウォークスルー認証時の固定合焦位置D1と再認証時の再認証位置D2は、虹彩カメラ110からの距離が異なるため、虹彩カメラ110の画角が変わる。すなわち、再認証位置D2は固定合焦位置D1よりも虹彩カメラ110に近いため、再認証位置D2の画角A2は固定合焦位置D1の画角A1よりも狭くなる。そうすると、再認証位置D2において、固定合焦位置D1の画角A1のまま虹彩カメラ110の選択やROIを設定すると、対象者の目を正確に撮像できない恐れがある。このため、虹彩カメラ設定部205は、虹彩カメラ110の画角として、所定の再認証位置D2(対象者Pの位置)に応じた画角を設定する。画角設定(変更)方法として、例えば制御可能なズームレンズ等を用いることによってカメラのレンズ焦点距離を変更してもよい。なお、レンズ焦点距離とは、カメラで撮像可能な画角を決めるためのレンズのパラメータである。
【0071】
また、画角の代わりに、虹彩カメラ110の撮像方向を変更してもよい。例えば、図11に示すように、固定合焦位置D1と再認証位置D2とでは、虹彩カメラ110から対象者Pの目を見た角度が異なる。例えば、固定合焦位置D1と再認証位置D2のときの虹彩カメラ110から見た角度(水平方向に対する角度)をそれぞれθ1、θ2とすると、θ2は、θ1よりも大きくなる。そうすると、画角と同様に、再認証位置D2において、固定合焦位置D1と同じ撮像方向で撮像すると、対象者の目を正確に撮像できない恐れがある。このため、虹彩カメラ設定部205は、虹彩カメラ110の撮像方向として、所定の再認証位置D2(対象者Pの位置)に応じた撮像方向を設定する。撮像方向の変更は、カメラ自体の向きを変えてもよいし、ミラー等を利用して光軸の向きを変えてもよい。
【0072】
続いて、制御装置200は、虹彩カメラ110の選択及び設定を行う(S304)。虹彩カメラ設定部205は、上記のように設定された虹彩カメラの画角または撮像方向に基づいて、全体俯瞰画像の目の座標を虹彩カメラ画像の座標に変換し、変換された座標を用いて虹彩カメラ110の選択及びROIを設定する。例えば、画角や撮像方向に応じた座標変換行列を用いて座標変換を行ってもよい。その後、実施の形態5と同様に、虹彩カメラ110が対象者の虹彩を撮像し、対象者を認証する(S305~S308)。
【0073】
以上のように、本実施の形態では、再認証時にさらに虹彩カメラの画角や撮像方向を変えるようにした。ウォークスルー認証時と再認証時とでは、画角やカメラからの角度が変わるため、再認証時に画角や撮像方向を適切に設定することで、再認証時により確実に対象者の虹彩を撮像し、さらに再認証処理の精度を向上することができる。
【0074】
(実施の形態7)
次に、実施の形態7について説明する。本実施の形態は、実施の形態5または6の撮像システムにおいて、再認証時に照明光の光量を変えて再認証を行う例である。本実施の形態に係る撮像システムの構成及び制御装置の構成は、実施の形態5または6と同様であり、ウォークスルー認証時の動作も実施の形態5または6と同様である。
【0075】
図12は、本実施の形態に係る再認証処理を示している。図12では、実施の形態6の図9の処理と比べて、照明光の光量設定処理(S311)が追加されている。なお、この例では、実施の形態6の再認証処理に本実施の形態を適用しているが、実施の形態5の再認証処理に本実施の形態を適用してもよい。
【0076】
すなわち、本実施の形態に係る再認証処理では、図9と同様、全体俯瞰画像の撮像(S301)、目の検出(S302)が行われる。続いて、制御装置200は、照明光の光量を設定する(S311)。ウォークスルー認証時の固定合焦位置D1と再認証時の再認証位置D2とでは、照明装置130からの距離が異なるため、照明光による強度(明るさ)が変わる。そうすると、再認証位置D2において、固定合焦位置D1と同じ照明光の光量で撮像すると、対象者の虹彩画像から精度よく特徴量を抽出できない恐れがある。このため、照明制御部204は、複数の照明装置130の光量として、所定の再認証位置D2(対象者Pの位置)に応じた光量を設定する。その後、設定された光量で対象者に照明光を照射し(S303)、実施の形態6と同様、虹彩カメラ110が対象者の虹彩を撮像し、対象者を認証する(S301、S304~S308)。
【0077】
以上のように、本実施の形態では、再認証時にさらに照明光の光量を変えるようにした。ウォークスルー認証時と再認証時とでは、照明光の強度が変わるため、再認証時に照明光の光量を適切に設定することで、さらに再認証処理の精度を向上することができる。なお、再認証時に、照明光の光量に限らず、再認証位置に応じて照明光の照射方向を変えてもよい。
【0078】
(その他の実施の形態)
例えば、実施の形態5~7のいずれかの撮像システムにおいて、再認証時に全体俯瞰画像の撮像を行わなくてもよい。すなわち、図7図9図12の再認証処理において、全体俯瞰画像撮像(S301)及び目の検出(S302)を省略してもよい。
【0079】
この場合、S304において、ウォークスルー認証時に全体俯瞰画像から検出した目の位置に基づいて、虹彩カメラ110の選択及び設定を行ってもよい。ウォークスルー認証時に全体俯瞰画像から検出した目の座標を、再認証時に虹彩カメラ画像の座標に変換すると、再認証位置D2の対象者Pの虹彩を正確に撮像できない恐れがある。このため、ウォークスルー認証時に全体俯瞰画像から検出した目の位置から、再認証位置D2における全体俯瞰画像の目の位置を予測することが好ましい。例えば、全体俯瞰画像を撮像した位置(トリガ位置D0)から再認証位置D2までの距離に応じて、再認証位置D2における全体俯瞰画像の目の位置を予測することができる。この予測された全体俯瞰画像の目の座標を虹彩カメラ画像の座標に変換し、変換された座標を用いて、虹彩カメラ110の選択及びROIの設定を行う。
【0080】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0081】
また、上述の実施形態における各構成は、ハードウェア又はソフトウェア、もしくはその両方によって構成され、1つのハードウェア又はソフトウェアから構成してもよいし、複数のハードウェア又はソフトウェアから構成してもよい。各装置及び各機能(処理)を、図13に示すようなプロセッサ21及び記憶装置であるメモリ22を有するコンピュータ20により実現してもよい。例えば、メモリ22に実施形態における方法(例えば制御装置における撮像方法)を行うためのプログラムを格納し、各機能を、メモリ22に格納されたプログラムをプロセッサ21で実行することにより実現してもよい。なお、プロセッサ21として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、DSP(digital signal processor)およびASIC(application specific integrated circuit)等が用いられてもよい。また、これらのうち複数個を並列に用いてもよい。
【0082】
これらのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0083】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0084】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
対象者の虹彩を撮像するための虹彩撮像手段に対し焦点位置を所定の位置に固定するよう制御する第1の制御手段と、
前記制御された虹彩撮像手段が撮像した前記対象者の虹彩画像に基づいて、前記対象者を認証する認証手段と、
前記対象者の認証が失敗した場合、前記対象者を再認証するため、前記虹彩撮像手段に対し焦点位置を所定の範囲で走査するよう制御する第2の制御手段と、
を備える、撮像システム。
(付記2)
前記第1の制御手段は、第1の認証モードで前記対象者を認証する場合、前記焦点位置を固定するよう制御し、
前記第2の制御手段は、第2の認証モードで前記対象者を認証する場合、前記焦点位置を走査するよう制御する、
付記1に記載の撮像システム。
(付記3)
前記第1の認証モードは、移動中の前記対象者を認証する認証モードであり、
前記第2の認証モードは、停止中の前記対象者を認証する認証モードである、
付記2に記載の撮像システム。
(付記4)
前記対象者の移動を誘導するための誘導手段を制御する誘導制御手段を、さらに備え、
前記誘導制御手段は、前記対象者の認証が失敗した場合、前記移動中の対象者を停止させるよう前記誘導手段を制御する、
付記3に記載の撮像システム。
(付記5)
前記誘導手段は、前記対象者が通過するためのゲートであり、
前記誘導制御手段は、前記対象者の認証が失敗した場合、前記ゲートを閉鎖するよう制御する、
付記4に記載の撮像システム。
(付記6)
前記誘導手段は、前記対象者の認証結果を出力する出力手段であり、
前記誘導制御手段は、前記対象者の認証が失敗した場合、前記出力手段から前記対象者の移動を停止するための情報を出力する、
付記4に記載の撮像システム。
(付記7)
前記虹彩撮像手段は、可変焦点レンズを備え、
前記第1及び第2の制御手段は、前記可変焦点レンズのレンズ焦点駆動値を制御する、
付記1乃至6のいずれかに記載の撮像システム。
(付記8)
前記第2の制御手段は、前記対象者の位置に応じて、前記虹彩撮像手段の焦点位置を設定する、
付記1乃至7のいずれかに記載の撮像システム。
(付記9)
前記第2の制御手段は、前記対象者の認証が失敗した場合、前記虹彩撮像手段の画角を変更する、
付記1乃至8のいずれかに記載の撮像システム。
(付記10)
前記第2の制御手段は、前記対象者の認証が失敗した場合、前記虹彩撮像手段の撮像方向を変更する、
を変更する、
付記1乃至8のいずれかに記載の撮像システム。
(付記11)
前記第1の制御手段は、前記虹彩撮像手段よりも広い範囲で前記対象者を撮像するための全体撮像手段により撮像された全体画像に基づき、前記虹彩撮像手段に対し前記対象者の目を含むROI(Region Of Interest)を設定する、
付記1乃至10のいずれかに記載の撮像システム。
(付記12)
前記第1の制御手段は、前記固定された焦点位置に対応する座標変換行列を用いて、前記全体画像における前記対象者の目の座標を前記虹彩画像における座標に変換し、前記変換された座標に基づいて前記ROIを設定する、
付記11に記載の撮像システム。
(付記13)
前記第2の制御手段は、前記変換された座標に基づいて、前記虹彩撮像手段に対し前記ROIを設定する、
付記12に記載の撮像システム。
(付記14)
前記虹彩撮像手段として、複数の虹彩撮像手段を備え、
前記第1の制御手段は、前記変換された座標に基づいて、前記複数の虹彩撮像手段の中から前記設定する虹彩撮像手段を選択する、
付記12または13に記載の撮像システム。
(付記15)
前記第2の制御手段は、前記変換された座標に基づいて、前記複数の虹彩撮像手段の中から前記設定する虹彩撮像手段を選択する、
付記14に記載の撮像システム。
(付記16)
前記第2の制御手段は、前記虹彩撮像手段よりも広い範囲で前記対象者を撮像するための全体撮像手段により撮像された全体画像に基づき、前記虹彩撮像手段に対し前記対象者の目を含むROIを設定する、
付記1乃至10のいずれかに記載の撮像システム。
(付記17)
前記第2の制御手段は、前記対象者の位置に対応する座標変換行列を用いて、前記全体画像における前記対象者の目の座標を前記虹彩画像における座標に変換し、前記変換された座標に基づいて前記ROIを設定する、
付記16に記載の撮像システム。
(付記18)
前記虹彩撮像手段として、複数の虹彩撮像手段を備え、
前記第2の制御手段は、前記変換された座標に基づいて、前記複数の虹彩撮像手段の中から前記設定する虹彩撮像手段を選択する、
付記17に記載の撮像システム。
(付記19)
前記対象者の認証が失敗した場合、前記対象者に光を照射する照明手段の光量を変更するよう制御する照明制御手段を、さらに備える、
付記1乃至18のいずれかに記載の撮像システム。
(付記20)
対象者の虹彩を撮像するための虹彩撮像手段に対し焦点位置を所定の位置に固定するよう制御し、
前記制御された虹彩撮像手段が撮像した前記対象者の虹彩画像に基づいて、前記対象者を認証し、
前記対象者の認証が失敗した場合、前記対象者を再認証するため、前記虹彩撮像手段に対し焦点位置を所定の範囲で走査するよう制御する、
撮像方法。
(付記21)
第1の認証モードで前記対象者を認証する場合、前記焦点位置を固定するよう制御し、
第2の認証モードで前記対象者を認証する場合、前記焦点位置を走査するよう制御する、
付記20に記載の撮像方法。
(付記22)
対象者の虹彩を撮像するための虹彩撮像手段に対し焦点位置を所定の位置に固定するよう制御し、
前記制御された虹彩撮像手段が撮像した前記対象者の虹彩画像に基づいて、前記対象者を認証し、
前記対象者の認証が失敗した場合、前記対象者を再認証するため、前記虹彩撮像手段に対し焦点位置を所定の範囲で走査するよう制御する、
処理をコンピュータに実行させるための撮像プログラム。
(付記23)
第1の認証モードで前記対象者を認証する場合、前記焦点位置を固定するよう制御し、
第2の認証モードで前記対象者を認証する場合、前記焦点位置を走査するよう制御する、
付記22に記載の撮像プログラム。
【符号の説明】
【0085】
10 撮像システム
11 第1の制御部
12 認証部
13 第2の制御部
20 コンピュータ
21 プロセッサ
22 メモリ
100 撮像システム
110 虹彩カメラ
111 可変焦点レンズ
120 全体俯瞰カメラ
130 照明装置
140 人検知センサ
150 ゲート
160 表示装置
200 制御装置
201 記憶部
202 全体俯瞰画像取得部
203 目検出部
204 照明制御部
205 虹彩カメラ設定部
206 レンズ焦点制御部
207 虹彩画像取得部
208 合焦画像抽出部
209 認証部
210 認証結果出力部
211 ゲート制御部
300 データベース
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