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特許7400962商品特定装置、商品特定方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】商品特定装置、商品特定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20231212BHJP
   G06V 10/40 20220101ALI20231212BHJP
【FI】
G06T7/00 300F
G06V10/40
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022522438
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(86)【国際出願番号】 JP2020019259
(87)【国際公開番号】W WO2021229754
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】米澤 八栄子
(72)【発明者】
【氏名】菊池 克
(72)【発明者】
【氏名】白石 壮馬
(72)【発明者】
【氏名】鍋藤 悠
【審査官】千葉 久博
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-71809(JP,A)
【文献】特開2019-211869(JP,A)
【文献】特開2019-160328(JP,A)
【文献】特開2019-12413(JP,A)
【文献】特開2018-5682(JP,A)
【文献】特開2009-187482(JP,A)
【文献】国際公開第2018/186398(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/117600(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
G06V 10/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品及び/又は商品サンプルが並んでいる商品陳列領域を撮像した複数の画像であって、撮像時の撮像手段のパラメータが互いに異なる複数の画像を取得する取得手段と、
前記複数の画像を処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品及び/又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力する画像処理手段と、
を備え、
前記複数の画像は、同一の商品陳列領域を撮影することにより生成されており、
前記画像処理手段は、
前記複数の画像毎に、商品又は商品サンプルの特徴点及び当該特徴点の位置を示す特徴点データを生成し、
前記複数の前記特徴点データを一つの統合特徴点データとしてまとめ、当該統合特徴点データを用いて前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定する商品特定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の商品特定装置において、
前記画像処理手段は、前記複数の画像毎に、商品又は商品サンプルの位置及び当該商品又は商品サンプルの種類を認識し、当該画像毎の認識結果を用いて、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定する商品特定装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の商品特定装置において、
前記パラメータは露出であり、
前記複数の画像は、前記撮像手段が異なるパラメータで複数回、商品陳列領域を撮影することで得られた画像である商品特定装置。
【請求項4】
請求項1~のいずれか一項に記載の商品特定装置において、
前記取得手段は、特定の条件を満たしたときに、前記撮像手段に前記複数の画像を要求する商品特定装置。
【請求項5】
商品及び/又は商品サンプルが並んでいる商品陳列領域を撮像した複数の画像を処理した結果であって、商品又は商品サンプルの特徴点及び当該特徴点の位置を前記複数の画像別に示す解析データを取得する取得手段と、
前記解析データを処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力するデータ処理手段と、
を備え、
前記複数の画像は、撮像時の撮像手段のパラメータが互いに異なり、かつ、同一の商品陳列領域を撮影することにより生成されており、
前記解析データを処理することでは、前記商品又は前記商品サンプルを特定するために、前記複数の前記解析データを一つの統合特徴点データとしてまとめ、当該統合特徴点データを用いる商品特定装置。
【請求項6】
コンピュータが、
商品及び/又は商品サンプルが並んでいる商品陳列領域を撮像した複数の画像であって、撮像時の撮像手段のパラメータが互いに異なる複数の画像を取得し、
前記複数の画像を処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力することを含み、
前記複数の画像は、同一の商品陳列領域を撮影することにより生成されており、
前記複数の画像を処理することでは、
前記複数の画像毎に、商品又は商品サンプルの特徴点及び当該特徴点の位置を示す特徴点データを生成し、
前記複数の前記特徴点データを一つの統合特徴点データとしてまとめ、当該統合特徴点データを用いて前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定する商品特定方法。
【請求項7】
コンピュータが、
商品及び/又は商品サンプルが並んでいる商品陳列領域を撮像した複数の画像を処理した結果であって、商品又は商品サンプルの特徴点及び当該特徴点の位置を前記複数の画像別に示す解析データを取得し、
前記解析データを処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力し、
前記複数の画像は、撮像時の撮像手段のパラメータが互いに異なり、かつ、同一の商品陳列領域を撮影することにより生成されており、
前記解析データを処理することでは、前記商品又は前記商品サンプルを特定するために、前記複数の前記解析データを一つの統合特徴点データとしてまとめ、当該統合特徴点データを用いる、商品特定方法。
【請求項8】
コンピュータに、
商品及び/又は商品サンプルが並んでいる商品陳列領域を撮像した複数の画像であって、撮像時の撮像手段のパラメータが互いに異なる複数の画像を取得する取得機能と、
前記複数の画像を処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力する画像処理機能と、
を持たせ、
前記複数の画像は、同一の商品陳列領域を撮影することにより生成されており、
前記画像処理機能は、
前記複数の画像毎に、商品又は商品サンプルの特徴点及び当該特徴点の位置を示す特徴点データを生成し、
前記複数の前記特徴点データを一つの統合特徴点データとしてまとめ、当該統合特徴点データを用いて前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定するプログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
商品及び/又は商品サンプルが並んでいる商品陳列領域を撮像した複数の画像を処理した結果であって、商品又は商品サンプルの特徴点及び当該特徴点の位置を前記複数の画像別に示す解析データを取得する取得機能と、
前記解析データを処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力するデータ処理機能と、
を持たせ、
前記複数の画像は、撮像時の撮像手段のパラメータが互いに異なり、かつ、同一の商品陳列領域を撮影することにより生成されており、
前記解析データを処理することでは、前記商品又は前記商品サンプルを特定するために、前記複数の前記解析データを一つの統合特徴点データとしてまとめ、当該統合特徴点データを用いるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品特定装置、商品特定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品を販売している店舗において、商品棚における商品の位置すなわち棚割りは、その店舗の売り上げに影響を与えるため、重要である。例えば特許文献1には、商品棚を撮像した画像を処理することにより、当該画像に含まれる商品領域画像を特定し、商品領域画像ごとに商品を特定することが記載されている。特に特許文献1では、商品棚を異なる角度で複数回撮像することにより複数の画像を生成し、これら複数の画像を用いて商品の識別情報を特定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-160328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
商品棚や自動販売機など、商品や商品サンプルが陳列されている商品陳列領域の近くには、光源が配置されていることが多い。また自動販売機においては、商品陳列領域の前には透光製のカバー部材が配置されているが、このカバー部材で外光が反射することがある。このため、撮像時の条件によっては、画像の一部が白飛びしたり、逆に露光が不足して画像が不鮮明になる可能性がある。画像がこのようになった場合、画像解析の精度は低下する。
【0005】
本発明の目的の一例は、商品及び/又は商品サンプルが陳列されている商品陳列領域を撮像した画像を解析して商品及び/又は商品サンプルを特定する場合において、画像解析の精度が低下しないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、商品及び/又は商品サンプルが並んでいる商品陳列領域を撮像した複数の画像であって、撮像時の撮像手段のパラメータが互いに異なる複数の画像を取得する取得手段と、
前記複数の画像を処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品及び/又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力する画像処理手段と、
を備え、
前記複数の画像は、同一の商品陳列領域を撮影することにより生成されており、
前記画像処理手段は、
前記複数の画像毎に、商品又は商品サンプルの特徴点及び当該特徴点の位置を示す特徴点データを生成し、
前記複数の前記特徴点データを一つの統合特徴点データとしてまとめ、当該統合特徴点データを用いて前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定する商品特定装置が提供される。
【0007】
本発明によれば、商品及び/又は商品サンプルが並んでいる商品陳列領域を撮像した複数の画像を処理した結果であって、商品又は商品サンプルの特徴点及び当該特徴点の位置を前記複数の画像別に示す解析データを取得する取得手段と、
前記解析データを処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力するデータ処理手段と、
を備え、
前記複数の画像は、撮像時の撮像手段のパラメータが互いに異なり、かつ、同一の商品陳列領域を撮影することにより生成されており、
前記解析データを処理することでは、前記商品又は前記商品サンプルを特定するために、前記複数の前記解析データを一つの統合特徴点データとしてまとめ、当該統合特徴点データを用いる商品特定装置が提供される。
【0008】
本発明によれば、コンピュータが、
商品及び/又は商品サンプルが並んでいる商品陳列領域を撮像した複数の画像であって、撮像時の撮像手段のパラメータが互いに異なる複数の画像を取得し、
前記複数の画像を処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力することを含み
前記複数の画像は、同一の商品陳列領域を撮影することにより生成されており、
前記複数の画像を処理することでは、
前記複数の画像毎に、商品又は商品サンプルの特徴点及び当該特徴点の位置を示す特徴点データを生成し、
前記複数の前記特徴点データを一つの統合特徴点データとしてまとめ、当該統合特徴点データを用いて前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定する商品特定方法が提供される。
【0009】
本発明によれば、コンピュータが、
商品及び/又は商品サンプルが並んでいる商品陳列領域を撮像した複数の画像を処理した結果であって、商品又は商品サンプルの特徴点及び当該特徴点の位置を前記複数の画像別に示す解析データを取得し、
前記解析データを処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力し、
前記複数の画像は、撮像時の撮像手段のパラメータが互いに異なり、かつ、同一の商品陳列領域を撮影することにより生成されており、
前記解析データを処理することでは、前記商品又は前記商品サンプルを特定するために、前記複数の前記解析データを一つの統合特徴点データとしてまとめ、当該統合特徴点データを用いる、商品特定方法が提供される。
【0010】
本発明によれば、コンピュータに、
商品及び/又は商品サンプルが並んでいる商品陳列領域を撮像した複数の画像であって、撮像時の撮像手段のパラメータが互いに異なる複数の画像を取得する取得機能と、
前記複数の画像を処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力する画像処理機能と、
を持たせ、
前記複数の画像は、同一の商品陳列領域を撮影することにより生成されており、
前記画像処理機能は、
前記複数の画像毎に、商品又は商品サンプルの特徴点及び当該特徴点の位置を示す特徴点データを生成し、
前記複数の前記特徴点データを一つの統合特徴点データとしてまとめ、当該統合特徴点データを用いて前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定するプログラムが提供される。
【0011】
本発明によれば、コンピュータに、
商品及び/又は商品サンプルが並んでいる商品陳列領域を撮像した複数の画像を処理した結果であって、商品又は商品サンプルの特徴点及び当該特徴点の位置を前記複数の画像別に示す解析データを取得する取得機能と、
前記解析データを処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力するデータ処理機能と、
を持たせ、
前記複数の画像は、撮像時の撮像手段のパラメータが互いに異なり、かつ、同一の商品陳列領域を撮影することにより生成されており、
前記解析データを処理することでは、前記商品又は前記商品サンプルを特定するために、前記複数の前記解析データを一つの統合特徴点データとしてまとめ、当該統合特徴点データを用いるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、商品及び/又は商品サンプルが陳列されている商品陳列領域を撮像した画像を解析して商品及び/又は商品サンプルを特定する場合において、画像解析の精度の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0014】
図1】実施形態に係る商品特定装置の使用環境を説明するための図である。
図2】商品特定装置の機能構成の一例を示す図である。
図3】商品特定装置のハードウェア構成例を示す図である。
図4】商品特定装置が行う処理の第1例を示すフローチャートである。
図5図4のステップS20の第1詳細例を示すフローチャートである。
図6図4のステップS20の第2詳細例を示すフローチャートである。
図7統合特徴点データを例示する図である。
図8】商品特定装置が行う処理の第2例を示すフローチャートである。
図9】第1の変形例に係る商品特定装置が行う処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0016】
[実施形態]
図1は、本実施形態に係る商品特定装置20の使用環境を説明するための図である。商品特定装置20は撮像装置10と共に使用される。撮像装置10は商品陳列領域を撮像する。商品陳列領域は、店舗に設置された商品棚40であってもよいし、自動販売機において商品及び/又は商品サンプルが陳列されている領域であってもよい。
【0017】
撮像装置10が生成した画像は商品特定装置20に送信される。商品特定装置20は、撮像装置10が生成した画像を処理することにより、商品陳列領域における商品50及び/また商品サンプルの位置を特定する。商品特定装置20を使用する人は、商品特定装置20の処理結果を用いて、商品50及び/また商品サンプルの位置が所望の位置になっているか否かを確認する。
【0018】
撮像装置10は携帯型の装置である。撮像装置10は、いわゆるスマートフォンなど、撮像機能付きの通信装置であってもよい。撮像装置10の使用者は、商品棚40を撮像して画像を生成し、この画像を外部の装置、例えば商品特定装置20に送信する。そして商品特定装置20は、撮像装置10が生成した画像を処理することにより、商品50及び/また商品サンプルの位置を特定する。
【0019】
商品棚40の近くには光源が配置されている場合が多い。また自動販売機においては、商品及び/又は商品サンプルが配置されている商品陳列領域の前には、透光製のカバー部材が配置されているが、このカバー部材で外光が反射することがある。このため、撮像時の条件によっては、画像の一部が白飛びしたり、逆に露光が不足して画像が不鮮明になる可能性がある。そこで本実施形態において、撮像装置10は、撮像時のパラメータを変えて商品陳列領域を複数回撮像することにより、複数の画像を生成する。そして商品特定装置20は、これら複数の画像を処理することにより、商品陳列領域に位置する前記商品及び/又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力する。
【0020】
以下、商品陳列領域を商品棚40として、商品及び/又は商品サンプルを商品棚40に載置されている商品50として、説明を行う。
【0021】
なお、撮像時のパラメータの一例は、露出である。露出を設定するためのパラメータの例としては、露光時間及び絞りの少なくとも一方がある。
【0022】
図2は、商品特定装置20の機能構成の一例を示す図である。本図に示す例において、商品特定装置20は取得部210及び画像処理部220を有している。取得部210は、撮像装置10が撮像した複数の画像を取得する。これら複数の画像は、同一の商品棚40を、パラメータを変えながら撮像することにより生成されている。画像処理部220は、これら複数の画像を処理することにより、商品棚40に位置する商品50を特定し、当該特定結果を出力する。特定結果は、例えば商品50の商品識別情報(例えばJANコード)と、商品棚40におけるその商品50の位置を対応付けたものである。なお、画像処理部220が行う処理の詳細については、フローチャートを用いて後述する。
【0023】
本実施形態において、商品特定装置20は記憶処理部230を備えている。記憶処理部230は、画像処理部220の特定結果の出力先となっており、この特定結果を記憶部240に記憶させる。記憶部240は、商品特定装置20の一部であってもよいし、商品特定装置20の外部の記憶装置であってもよい。
【0024】
図3は、商品特定装置20のハードウェア構成例を示す図である。商品特定装置20は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0025】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0026】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit) やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0027】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0028】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は商品特定装置20の各機能(例えば取得部210、画像処理部220、及び記憶処理部230)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。また、ストレージデバイス1040は記憶部240としても機能する。
【0029】
入出力インタフェース1050は、商品特定装置20と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。
【0030】
ネットワークインタフェース1060は、商品特定装置20をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。商品特定装置20は、ネットワークインタフェース1060を介して撮像装置10と通信してもよい。
【0031】
なお、撮像装置10のハードウェア構成も、図3に示した例と同様である。
【0032】
図4は、商品特定装置20が行う処理の第1例を示すフローチャートである。本図に示す例において、撮像装置10は、商品棚40を、パラメータを変えながら複数回撮像する。ここで商品棚40を複数の領域に分けて撮像する場合、撮像装置10は、領域毎に、パラメータを変えながら複数回撮像する。また、撮像装置10は、撮像装置10にインストールされているプログラムに従ってこの撮像を行ってもよいし、ユーザからの入力に従ってこの撮像を行ってもよい。
【0033】
そして商品特定装置20の取得部210は、撮像装置10が生成した複数の画像を取得する(ステップS10)。ここで取得部210は、撮像装置10から通信回線を介して複数の画像を取得してもよいし、これら複数の画像を記憶している記憶装置からその画像を取得してもよい。後者の場合、商品特定装置20が処理を行うタイミングは、撮像装置10が複数の画像を生成した直後であってもよいし、直後でなくてもよい。
【0034】
次いで商品特定装置20の画像処理部220は、複数の画像を処理することにより、商品棚40に載置されている商品50の位置及び種類を特定する(ステップS20)。そして記憶処理部230は、画像処理部220による特定結果を示す情報を記憶部240に記憶させる(ステップS30)。
【0035】
図5は、図4のステップS20の第1詳細例を示すフローチャートである。まず画像処理部220は、複数の画像それぞれを個別に処理して、画像別に商品50の位置及び種類を認識する(ステップS102)。具体的には、画像処理部220は、画像別に商品の特徴点及びその位置を特定する。そして画像処理部220は、特徴点のマッチング処理を行うことにより、画像別に商品50の位置及び種類を認識する。このマッチング処理において、画像処理部220は、特徴点と商品識別情報とを対応付けたデータを用いる。そして画像処理部220は、これら複数の認識結果を用いて、商品棚40に配置されている商品50の位置及び種類を特定する(ステップS104)。
【0036】
一例として、画像処理部220は、複数の認識結果を集計し、当該集計結果を用いる。具体的には、画像処理部220は、商品50の位置毎にその商品50の種類を集計し、最もN数が多い種類を、その位置における商品50の種類と判断する。ここで、複数の認識結果を比較した場合、同一の商品50の位置に多少の差が生じることもあるが、集計を行うにあたり、この差は許容して同一の位置として扱う。
【0037】
ここで画像処理部220は、一つの認識結果においてのみ存在が検知されている商品50については、当該認識結果が示す種類を、当該商品50の種類と判断する。ただし画像処理部220は所定数以上(ただし、所定数は2以上の整数)の認識結果において存在が検知されている商品50についてのみ、商品棚40の上に載置されているとみなしてもよい。
【0038】
図6は、図4のステップS20の第2詳細例を示すフローチャートである。まず画像処理部220は、画像毎に、商品50の特徴点データを生成する。この特徴点データは、商品50の特徴点及び当該特徴点の位置を示している(ステップS112)。次いで画像処理部220は、ステップS112で生成した複数の特徴点データを一つの統合特徴点データとしてまとめる(ステップS114)。具体的には、複数の特徴点データのそれぞれは、特徴点及び当該特徴点の位置の組み合わせを少なくとも一組有している。統合特徴点データは、複数の特徴点データが有している上記組み合わせを、一つのデータとしてまとめたものである。
【0039】
例えば図7に示すように、第1の画像から商品50の右側の特徴点のみが特定され、第2の画像から同一の商品50の左側の特徴点のみが特定されることがある。統合特徴点データは、第1の画像データの特徴点及び第2の画像データの特徴点の双方を含んでいる。このため、統合特徴点データは、その商品50の全体の特徴点を含むことになる。
【0040】
そして画像処理部220は、統合特徴点データに対して特徴点マッチングを行うことにより、商品50の位置及びその種類を特定する(ステップS116)。
【0041】
図8は、商品特定装置20が行う処理の第2例を示すフローチャートである。本図に示す例において、商品特定装置20は、特定の条件を満たしたときに、撮像装置10に、撮像時のパラメータが互いに異なる複数の画像を要求する。
【0042】
一例として、撮像装置10は、まず、商品棚40を撮像した画像(以下、第1の画像と記載)を一枚生成する。商品特定装置20の取得部210は、この第1の画像を取得する(ステップS12)。ここで取得部210は、撮像装置10が第1の画像を生成した直後(すなわち次の画像を生成する前)に、撮像装置10から通信回線を介して第1の画像を取得するのが好ましい。
【0043】
そして画像処理部220は、第1の画像が再撮像のための基準を満たすか否かを判断する(ステップS14)。ここで用いられる基準の第1例は、第1の画像の少なくとも一部に白飛びが生じていた場合(例えば赤色の画素、緑色の画素、および青色の画素のすべての値が基準値以上になっている領域が所定面積以上存在した場合)である。またこの基準の第2例は、第1の画像の露光が不足していた場合(例えばすべての画素の値が基準値以下の場合)である。
【0044】
第1の画像が再撮像のための基準を満たしていなかった場合(ステップS14:No)、画像処理部220は、第1の画像を処理することにより、商品棚40における商品50の種類及びその位置を特定する(ステップS20)。そして記憶処理部230は、画像処理部220による特定結果を記憶部240に記憶させる(ステップS30)。
【0045】
一方、第1の画像が再撮像のための基準を満たしていた場合(ステップS14:Yes)、画像処理部220は、撮像装置10に、第1の画像とは撮像時のパラメータが異なる他の画像を要求する処理を行う(ステップS16)。撮像装置10は、この要求を示す信号を受信すると、その旨を表示する。撮像装置10の使用者は、第1の画像から撮像時のパラメータを変更して、商品棚40を再度撮像して画像を生成する。ここで撮像装置10は、撮像時のパラメータを変更しながら複数の画像を生成するのが好ましい。そして撮像装置10は、生成した画像を商品特定装置20に送信する。商品特定装置20の取得部210は、この画像を取得する(ステップS18)。そして商品特定装置20の画像処理部220は、図5又は図6に示した処理を行うことにより、商品棚40における商品50の種類及びその位置を特定する(ステップS20)。そして記憶処理部230は、画像処理部220による特定結果を記憶部240に記憶させる(ステップS30)。
【0046】
以上、本実施形態によれば、撮像装置10は、撮像時のパラメータを変更しながら複数回商品棚40を撮像し、複数の画像を生成する。そして商品特定装置20は、これら複数の画像を処理することにより、商品棚40に配置された商品50の位置及び種類を特定する。このため、画像解析による商品50の認識精度は低下しない。
【0047】
[変形例]
本変形例では、商品特定装置20の画像処理部220が行う処理の一部を、撮像装置10が行う。
【0048】
図9は、第1の変形例に係る商品特定装置20が行う処理を示すフローチャートである。本図に示す例は、図5に示した処理に対応している。具体的には、撮像装置10は、複数の画像毎に、商品50の特徴点及び当該特徴点の位置を示すデータを生成する。
【0049】
そして撮像装置10は、このデータを複数の画像別に示す解析データを商品特定装置20に送信する。商品特定装置20の取得部210は、この解析データを取得する(ステップS200)。次いで商品特定装置20の画像処理部220は、図5又は図6に示した処理を行うことにより、商品棚40に載置されている商品50の位置及び種類を特定する(ステップS202)。そして記憶処理部230は、画像処理部220による特定結果を記憶部240に記憶させる(ステップS204)。
【0050】
本変形例によっても、実施形態と同様に、画像解析による商品50の認識精度は低下しない。
【0051】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0052】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0053】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1.商品及び/又は商品サンプルが並んでいる商品陳列領域を撮像した複数の画像であって、撮像時の撮像手段のパラメータが互いに異なる複数の画像を取得する取得手段と、
前記複数の画像を処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品及び/又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力する画像処理手段と、
を備える商品特定装置。
2.上記1に記載の商品特定装置において、
前記画像処理手段は、前記複数の画像毎に、商品又は商品サンプルの位置及び当該商品又は商品サンプルの種類を認識し、当該画像毎の認識結果を用いて、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定する商品特定装置。
3.上記1に記載の商品特定装置において、
前記画像処理手段は、
前記複数の画像毎に、商品又は商品サンプルの特徴点及び当該特徴点の位置を示す特徴点データを生成し、
前記複数の前記特徴点データを一つの統合特徴点データとしてまとめ、当該統合特徴点データを用いて前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定する商品特定装置。
4.上記1~3のいずれか一項に記載の商品特定装置において、
前記パラメータは露出である商品特定装置。
5.上記1~4のいずれか一項に記載の商品特定装置において、
前記取得手段は、特定の条件を満たしたときに、前記撮像手段に前記複数の画像を要求する商品特定装置。
6.上記5に記載の商品特定装置において、
前記取得手段は、
前記撮像手段から第1の前記画像を取得し、
前記第1の画像が基準を満たしていた場合、前記特定の条件を満たしたとして、前記撮像手段に、前記第1の画像とは前記パラメータが異なる他の前記画像を要求し、
前記画像処理手段は、前記第1の画像が前記基準を満たしていなかった場合、当該第1の画像を処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定する、商品特定装置。
7.商品及び/又は商品サンプルが並んでいる商品陳列領域を撮像した複数の画像を処理した結果であって、商品又は商品サンプルの特徴点及び当該特徴点の位置を前記複数の画像別に示す解析データを取得する取得手段と、
前記解析データを処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力するデータ処理手段と、
を備え、
前記複数の画像は、撮像時の撮像手段のパラメータが互いに異なる商品特定装置。
8.コンピュータが、
商品及び/又は商品サンプルが並んでいる商品陳列領域を撮像した複数の画像であって、撮像時の撮像手段のパラメータが互いに異なる複数の画像を取得する取得処理と、
前記複数の画像を処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力する画像処理と、
を行う商品特定方法。
9.上記8に記載の商品特定方法において、
前記画像処理において、前記コンピュータは、前記複数の画像毎に、商品又は商品サンプルの位置及び当該商品又は商品サンプルの種類を認識し、当該画像毎の認識結果を用いて、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定する商品特定方法。
10.上記8に記載の商品特定方法において、
前記画像処理において、前記コンピュータは、
前記複数の画像毎に、商品又は商品サンプルの特徴点及び当該特徴点の位置を示す特徴点データを生成し、
前記複数の前記特徴点データを一つの統合特徴点データとしてまとめ、当該統合特徴点データを用いて前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定する商品特定方法。
11.上記8~10のいずれか一項に記載の商品特定方法において、
前記パラメータは露出である商品特定方法。
12.上記8~11のいずれか一項に記載の商品特定方法において、
前記取得処理において、前記コンピュータは、特定の条件を満たしたときに、前記撮像手段に前記複数の画像を要求する商品特定方法。
13.上記12に記載の商品特定方法において、
前記取得処理において、前記コンピュータは、
前記撮像手段から第1の前記画像を取得し、
前記第1の画像が基準を満たしていた場合、前記特定の条件を満たしたとして、前記撮像手段に、前記第1の画像とは前記パラメータが異なる他の前記画像を要求し、
前記画像処理において、前記コンピュータは、前記第1の画像が前記基準を満たしていなかった場合、当該第1の画像を処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定する、商品特定方法。
14.コンピュータが、
商品及び/又は商品サンプルが並んでいる商品陳列領域を撮像した複数の画像を処理した結果であって、商品又は商品サンプルの特徴点及び当該特徴点の位置を前記複数の画像別に示す解析データを取得し、
前記解析データを処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力し、
前記複数の画像は、撮像時の撮像手段のパラメータが互いに異なる、商品特定方法。
15.コンピュータに、
商品及び/又は商品サンプルが並んでいる商品陳列領域を撮像した複数の画像であって、撮像時の撮像手段のパラメータが互いに異なる複数の画像を取得する取得機能と、
前記複数の画像を処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力する画像処理機能と、
を持たせるプログラム。
16.上記15に記載のプログラムにおいて、
前記画像処理機能は、前記複数の画像毎に、商品又は商品サンプルの位置及び当該商品又は商品サンプルの種類を認識し、当該画像毎の認識結果を用いて、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定するプログラム。
17.上記15に記載のプログラムにおいて、
前記画像処理機能は、
前記複数の画像毎に、商品又は商品サンプルの特徴点及び当該特徴点の位置を示す特徴点データを生成し、
前記複数の前記特徴点データを一つの統合特徴点データとしてまとめ、当該統合特徴点データを用いて前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定するプログラム。
18.上記15~17のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記パラメータは露出であるプログラム。
19.上記15~18のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記取得機能は、特定の条件を満たしたときに、前記撮像手段に前記複数の画像を要求するプログラム。
20.上記19に記載のプログラムにおいて、
前記取得機能は、
前記撮像手段から第1の前記画像を取得し、
前記第1の画像が基準を満たしていた場合、前記特定の条件を満たしたとして、前記撮像手段に、前記第1の画像とは前記パラメータが異なる他の前記画像を要求し、
前記画像処理機能は、前記第1の画像が前記基準を満たしていなかった場合、当該第1の画像を処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定する、プログラム。
21.コンピュータに、
商品及び/又は商品サンプルが並んでいる商品陳列領域を撮像した複数の画像を処理した結果であって、商品又は商品サンプルの特徴点及び当該特徴点の位置を前記複数の画像別に示す解析データを取得する取得機能と、
前記解析データを処理することにより、前記商品陳列領域に位置する前記商品又は前記商品サンプルを特定し、当該特定結果を出力するデータ処理機能と、
を持たせ、
前記複数の画像は、撮像時の撮像手段のパラメータが互いに異なるプログラム。
【符号の説明】
【0054】
10 撮像装置
20 商品特定装置
40 商品棚
50 商品
210 取得部
220 画像処理部
230 記憶処理部
240 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9