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  • 特許-発炎筒代替発光装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】発炎筒代替発光装置
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/50 20160101AFI20231212BHJP
【FI】
E01F9/50
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020075682
(22)【出願日】2020-04-21
(65)【公開番号】P2021173003
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2022-04-07
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208204
【氏名又は名称】大林道路株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】397040225
【氏名又は名称】強プラ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福本 勝司
(72)【発明者】
【氏名】光谷 修平
(72)【発明者】
【氏名】福井 真男
(72)【発明者】
【氏名】三津田 起範
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-046015(JP,U)
【文献】特開2019-090176(JP,A)
【文献】実開平07-020308(JP,U)
【文献】特開2010-084452(JP,A)
【文献】特開2012-026160(JP,A)
【文献】登録実用新案第3125627(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速道路等の道路における路面に設置されて、道路を走行する車両の運転者に注意を喚起する発炎筒の代替品として用いられる発炎筒代替発光装置であって、
基盤部と、該基盤部の上面側に設置される、複数のLEDが取り付けられた光源部及びバッテリーを備える発光本体部と、走行中の車両のタイヤが乗越え可能な高さで前記発光本体部を覆って前記基盤部の上面側に取り付けられた、前記発光本体部を臨ませる透光窓部を備える防護カバー体と、前記基盤部の外周縁部から外側に張出すようにして、全周に亘って環状に連続して設けられた円環ドーナツ形状のゴム製ツバ板部とを含んで構成されており、
前記発光本体部は、200カンデラ以上の光度の赤色の光を、設置された箇所の周囲に向けて発光させるようになっており、
前記基盤部は、外径が100~250mmの大きさの円形状の平面形状を備えており、
前記円環ドーナツ形状のゴム製ツバ板部は、2~10mmの厚さを有していると共に、前記円形状の基盤部の外周縁部分の下面部に、当該円環ドーナツ形状の内周縁部分の上面部を一体として接合することによって、15~90mmの張出し幅で前記基盤部の外周縁部から外側に張り出して設けられており、前記円環ドーナツ形状のゴム製ツバ板部の下面を路面に接触させた状態で、路面に設置される発炎筒代替発光装置。
【請求項2】
前記ゴム製ツバ板部の下面側に、粘着剤が塗布されており、前記ゴム製ツバ板部は、粘着剤を介して路面に接着された状態で設置される請求項1記載の発炎筒代替発光装置。
【請求項3】
前記ゴム製ツバ板部は、粘着性を有する素材を含むゴム状の弾性体を用いて形成されている請求項1又は2記載の発炎筒代替発光装置。
【請求項4】
前記ゴム製ツバ板部は、前記基盤部の外周縁部に着脱可能に一体として接合されて、外側に張出すようにして設けられている請求項1~3のいずれか1項記載の発炎筒代替発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発炎筒代替発光装置に関し、特に、高速道路等の道路における路面に設置されて、道路を走行する車両の運転者に注意を喚起する発炎筒の代替品として用いられる発炎筒代替発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路等の道路においては、例えば交通事故の事故後の処理を行なったり、道路の補修工事や清掃作業を行なったりする際に、走行中の車両の運転者に対して、これらの事故後の処理や補修工事等を行っていることへの注意を喚起する方法として、好ましくは道路作業用の黄パトと呼ばれる作業用車両に乗車したパトロール隊員が、発炎筒を路面に設置して注意喚起を促す方法が一般に採用されている。発炎筒は、走行中の車両の安全を確保するために、事故現場や作業現場の例えば数百m~数km手前の区間に、所定の間隔をおいて複数設置されて、例えば赤い炎の発炎によって走行中の車両に危険を知らせると共に、事故現場や作業現場に進入しないように、予め告知できるようにする機能を備えている。
【0003】
また、発炎筒は、例えば作業用車両に乗車したパトロール隊員が、素早く発火させた状態で路面に設置できるように、例えばキャップをひねって引き抜くことにより点火させるといった、一挙動の点火方式を採用したり、例えば発炎による光が昼間では600m以上、夜間では2km以上先から確認できるようにするために、好ましくは200カンデラ以上の光度を確保できるようにしたり、例えば風速が18m/sec程度、雨量が50mm/h程度の環境下でも正常に燃焼できるようにしたりする工夫がなされている。
【0004】
さらに、発炎筒は、突風等によって転がったリ横ズレしたりすることがあり、発火した炎による沿道火災の恐れがあると共に、例えば事故現場においてガソリンやオイル等が漏れていると、使用できないことから、発炎筒の代替品として、火を使用しない発炎筒(例えば、特許文献1参照)や、乾電池による非常信号灯(例えば、特許文献2参照)も開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-123477号公報
【文献】実用新案登録第3110865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来の発炎筒や発炎筒の代替品では、路面に安定した状態で設置することが難しく、例えば振動や風によって横ズレや転がりを生じ易い、不安定な状態で路面に設置されるようになっていると共に、走行する車両に踏まれた場合には、炎が消えたり、破損したり、跳ね上って他の車両に影響を及ぼしたりすることが考えられる。
【0007】
本発明は、発火させることなく用いることができると共に、安定した状態で迅速に路面に設置することができ、また走行する車両によって踏まれた場合でも、破損したり跳ね上って他の車両に影響を及ぼしたりするのを効果的に回避することのできる発炎筒代替発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、高速道路等の道路における路面に設置されて、道路を走行する車両の運転者に注意を喚起する発炎筒の代替品として用いられる発炎筒代替発光装置であって、基盤部と、該基盤部の上面側に設置される、複数のLEDが取り付けられた光源部及びバッテリーを備える発光本体部と、走行中の車両のタイヤが乗越え可能な高さで前記発光本体部を覆って前記基盤部の上面側に取り付けられた、前記発光本体部を臨ませる透光窓部を備える防護カバー体と、前記基盤部の外周縁部から外側に張出すようにして、全周に亘って環状に連続して設けられた円環ドーナツ形状のゴム製ツバ板部とを含んで構成されており、前記発光本体部は、200カンデラ以上の光度の赤色の光を、設置された箇所の周囲に向けて発光させるようになっており、前記基盤部は、外径が100~250mmの大きさの円形状の平面形状を備えており、前記円環ドーナツ形状のゴム製ツバ板部は、2~10mmの厚さを有していると共に、前記円形状の基盤部の外周縁部分の下面部に、当該円環ドーナツ形状の内周縁部分の上面部を一体として接合することによって、15~90mmの張出し幅で前記基盤部の外周縁部から外側に張り出して設けられており、前記円環ドーナツ形状のゴム製ツバ板部の下面を路面に接触させた状態で、路面に設置される発炎筒代替発光装置を提供することにより、上記目的を達成したものである。

【0010】
また、本発明の発炎筒代替発光装置は、前記ゴム製ツバ板部の下面側に、粘着剤が塗布されており、前記ゴム製ツバ板部は、粘着剤を介して路面に接着された状態で設置されるようになっていることが好ましい。
【0011】
さらに、本発明の発炎筒代替発光装置は、前記ゴム製ツバ板部が、粘着性を有する素材を含むゴム状の弾性体を用いて形成されていることが好ましい。
【0012】
さらにまた、本発明の発炎筒代替発光装置は、前記ゴム製ツバ板部が、前記基盤部の外周縁部に着脱可能に一体として接合されて、外側に張出すようにして設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の発炎筒代替発光装置によれば、発火させることなく用いることができると共に、安定した状態で迅速に路面に設置することができ、また走行する車両によって踏まれた場合でも、破損したり跳ね上って他の車両に影響を及ぼしたりするのを効果的に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の好ましい一実施形態に係る発炎筒代替発光装置の斜視図である。
図2】本発明の好ましい一実施形態に係る発炎筒代替発光装置の、(a)は防護カバー体の天面部を透視した状態で示す部分透視平面図、(b)は(a)をA方向から見た側面図、(b)は(a)をB方向から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示す本発明の好ましい一実施形態に係る発炎筒代替発光装置10は、例えば交通量の少ない夜間に道路の補修工事を行なう際に、好ましくは補修工事の工事現場の数百m~数km手前の区間の路面30に、所定の間隔をおいて複数設置されて発光することにより、発炎筒の代替品として用いられる。本実施形態の発炎筒代替発光装置10は、走行中の車両の運転者に注意を喚起することで、走行中の車両が作業現場に進入したりしないように、工事現場の存在を予め効果的に告知できるようにする機能を備えている。また本実施形態の発炎筒代替発光装置10は、LED12を光源として用いることで、発火することなく使用できるようになっていると共に、横ズレや転がりを生じさせることなく、安定した状態で迅速に路面30に設置することを可能にし、また走行する車両に踏まれた場合でも、破損したり跳ね上って他の車両に影響を及ぼすことになるのを、効果的に回避できるようにする機能を備えている。
【0017】
そして、本実施形態の発炎筒代替発光装置10は、高速道路等の道路における路面30に設置されて、道路を走行する車両の運転者に注意を喚起する発炎筒の代替品として用いられる発光装置であって、図1及び図2(a)~(c)に示すように、基盤部11と、基盤部11の上面側に設置される、複数のLED12が取り付けられた光源部13及びバッテリー14を備える発光本体部15と、走行中の車両のタイヤが乗越え可能な高さで発光本体部15を覆って基盤部11の上面側に取り付けられた、発光本体部15を臨ませる透光窓部16aを備える防護カバー体16と、基盤部11の外周縁部11aから外側に張出すようにして、全周に亘って環状に連続して設けられたゴム製ツバ板部17とを含んで構成されている。ゴム製ツバ板部17は、10~150mmの張り出し幅bで基盤部11の外周縁部11aから外側に張り出して設けられており、ゴム製ツバ板部17の下面を路面30に接触させた状態で、路面30に設置されるようになっている(図2(b)、(c)参照)。
【0018】
また、本実施形態では、好ましくはゴム製ツバ板部17の下面側に、粘着剤18が塗布されており(図2(b)、(c)参照)、ゴム製ツバ板部17は、粘着剤18を介して路面30に接着された状態で設置されるようになっている。
【0019】
本実施形態では、発炎筒代替発光装置10を構成する基盤部11は、発炎筒代替発光装置10の底面部を形成する部分となっており、好ましくは外径が100~250mm程度の大きさの、円形状の平面形状を備えている。基盤部11は、車両として例えば5トントラックが当該発炎筒代替発光装置10を踏んだ際の緩衝効果や、路面からの地熱による影響の緩和効果等を鑑みて、適度な可撓性や弾性を備える材質として、例えばNBR(Nitrile Butadiene Rubber)やウレタン等による成形品となっている。基盤部11の上面側には、後述する防護カバー体16が、内側に発光本体部15を取り付けた状態で、傾斜脚部16bの下端面を当該基盤部11の上面に接合することによって、一体として取り付けられている。
【0020】
発炎筒代替発光装置10を構成する発光本体部15は、本実施形態では、後述する防護カバー体16により覆われるようにしてこれの内側に配置された状態で、基盤部11の上面側に設置されている。発光本体部15は、例えば特開2019-90176号公報に記載の路面案内灯装置を構成する、点滅照明部の透光カバー体や光源部と同様の材質や部品からなる、透光カバー15aや、複数のLED12が取り付けられた光源部13を備えている他、中央部分のバッテリ-収容ボックス15bに、充電可能なバッテリー14を着脱可能に装着して、内蔵できるようになっている。
【0021】
発光本体部15に内蔵された子充電器としてのバッテリー14は、例えば作業用車両である黄パト(図示せず)に設けられた、走行中に充電される親充電器に、好ましくは充電分配モジュールを介してワンタッチで接続されることによって、適宜充電され、光源部13のLED12に電力を供給することにより、例えば3時間以上、発光本体部15を発光させることができるようになっている。
【0022】
発光本体部15は、光源部13のLED12として、例えば高輝度の弾丸型の複数の赤色LED(6cd)と複数の緑色LED(18cd)とを使用することによって、好ましくは200カンデラ以上の光度の、炎の色に近い赤色で、発光できるようになっている。また発光本体部15は、LED12による光源部13を、透光カバー15aを介して防護カバー体16の周囲の透光窓部16aに臨ませることによって(図1参照)、好ましくは200カンデラ以上の光度の赤色の光を、設置された箇所の周囲に向けて発光させることができるようになっている。
【0023】
発炎筒代替発光装置10を構成する防護カバー体16は、本実施形態では、好ましくはアルミウムによる金属製のダイキャスト製品や、又はポリプロピレン製のプラスチック製品となっており、図2(a)~(c)に示すように、四方に張り出した4箇所の傾斜脚部16bにおける、対角状に設けられた各一対の傾斜脚部16bの先端辺部の間の間隔幅が、円形状の基盤部11の外径と同様の大きさとなる平面形状を備えるように形成されている。防護カバー体16は、四方の角部が円弧形状に面取りされた略正方形状の天面部16cと、天面部16cの四方の角部分から上面が外側に向けて斜め下方に延設する、傾斜脚部16bとを含んで構成されている。防護カバー体16は、傾斜脚部16bの下端面を基盤部11の上面に接合して基盤部11に取り付けられた際に、略正方形状の天面部16cが、走行中の車両のタイヤが乗越え可能な高さとして、路面30から例えば30mm程度の高さに配置されるように成形されている。
【0024】
また、防護カバー体16の4箇所の傾斜脚部16bにおける、各隣接する傾斜脚部16bの天面部16cへの接続基端部の間の部分には、四方に向けて各々開口する開口部16a,16dが、4箇所に形成されている。これらの4箇所の開口部16a,16dのうちの3箇所を、透光窓部16aとして、発光本体部15のLED12による光源部13や透光カバー15aが、臨んで配置されるようになっている。残りの1箇所を装着開口16dとして、この装着開口16dを介して、発光本体部15の中央部分のバッテリ-収容ボックス15bに、バッテリー14を嵌め込むようにして装着することで、バッテリー14を発光本体部15に着脱可能に内蔵できるようになっている。
【0025】
そして、本実施形態では、基盤部11の外周縁部11aから外側に張出すようにして、ゴム製ツバ板部17が、全周に亘って環状に連続して設けられている。ゴム製ツバ板部17は、公知のゴム製品として、好ましくはNBR(Nitrile Butadiene Rubber)からなり、基盤部11の外周縁部11aから10~150mm程度、より好ましくは15~90mm程度、さらに好ましくは20~50mm程度の張り出し幅bで、外側に張り出した状態で設けられている。ゴム製ツバ板部17は、好ましくは2~10mm程度の厚さtのゴム製の板部材を用いて形成された、例えば150mm程度の内径を有すると共に、好ましくは200~350mm程度の外径を有する、円環ドーナツ形状のツバ板材19を、例えば170mm程度の外径を有する基盤部11の外周縁部分の下面部に、内周縁部分の上面部を接着剤等を介して一体として接合することによって設けることができる(図2(a)、(b)参照)。すなわち、ゴム製ツバ板部17は、接合されたツバ板材19の外側に張り出した部分によって、基盤部11の外周縁部11aから、好ましくは15~90mm程度の張り出し幅bで外側に張り出した状態で、着脱可能に設けることができるようになっている。
【0026】
なお、ゴム製ツバ板部17は、基盤部11の外周縁部分の下面部に円環ドーナツ形状のツバ板材19を着脱可能に接合して設ける必要は必ずしも無く、例えば基盤部11の外周縁部11aを外側に延設させて、所定の張出し幅となるようにそのまま張り出させることにより、ツバ板材19等の別部材を用いることなく設けることもできる。
【0027】
また、本実施形態では、好ましくはツバ板材19によるゴム製ツバ板部17の下面側に、粘着剤18が塗布されており、発炎筒代替発光装置10は、ゴム製ツバ板部17が粘着剤18を介して路面30に接着された状態で、路面30に設置されるようになっている。これによって、発炎筒代替発光装置10が、発炎筒の代替物として路面30の所定の位置に設置された際に、例えば走行時の車両による路面30の振動や風によって、横ズレや転がりを生ないようにして、より容易に且つ安定した状態で、発炎筒代替発光装置10を路面30の所定の位置に設置することが可能になる。
【0028】
上述の構成を備える本実施形態の発炎筒代替発光装置10では、例えば作業用車両である黄パトに乗車したパトロール隊員が、親充電器によってバッテリー14が充電された当該発炎筒代替発光装置10を、例えばスイッチをオンにするだけのワンタッチの簡単な操作によって発光させると共に、ゴム製ツバ板部17の下面を路面30に接触させた状態で、路面30の所定の位置に載置するだけの簡単な作業によって、安定した状態で路面30に容易に設置することができる。路面30の所定の位置に設置された発炎筒代替発光装置10は、発光本体部15が相当の強度を有する防護カバー体16によって覆われているので、走行する車両によって踏まれた場合でも破損することなく、所定の光度の光を周囲に発光させる機能を強固に保持することができる。また発炎筒代替発光装置10は、好ましくはゴム材料によるゴム製ツバ板部17や基盤部11を介して、路面30に接触しているので、これらの摩擦力や接地面積によって、横ズレや転がりを生じさせることなく、且つ走行する車両が踏んだ際の緩衝効果を発揮可能なように、安定した状態で路面30に設置できると共に、特にゴム製ツバ板部17が10~150mmの張り出し幅bで基盤部11の外周縁部11aから外側に張り出しているので、張り出した部分の弾性による、クッション効果や荷重の吸収効果により、走行する車両によって踏まれた際に当該発炎筒代替発光装置10が跳ね上るのを、効果的に抑制することが可能になる。
【0029】
これらによって、本実施形態の発炎筒代替発光装置10によれば、発火させることなく用いることが可能なると共に、安定した状態で迅速に路面30に所定の位置に設置することが可能になり、また走行する車両に踏まれた場合でも、破損したり跳ね上って他の車両に影響を及ぼしたりするのを効果的に回避することが可能になる。
【0030】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、ゴム製ツバ板部の下面側に、粘着剤が塗布されている必要は必ずしも無く、ゴム製ツバ板部の下面を路面に直接に接触させて用いることもできる。好ましくはゴム製ツバ板部を、粘着性を有する素材を含むゴム状の弾性体を用いて形成することにより、下面側に粘着剤が塗布されていなくても、ゴム製ツバ板部の下面を路面に直接に接触させて、さらに容易に且つ安定した状態で、発炎筒代替発光装置を路面の所定の位置に設置することが可能になる。
【符号の説明】
【0031】
10 発炎筒代替発光装置
11 基盤部
11a 外周縁部
12 LED
13 光源部
14 バッテリー
15 発光本体部
15a 透光カバー
15b バッテリ-収容ボックス
16 防護カバー体
16a 透光窓部(開口部)
16b 傾斜脚部
16c 天面部
16d 装着開口(開口部)
17 ゴム製ツバ板部
18 粘着剤
19 ツバ板材
30 路面
b 張り出し幅
t ゴム製ツバ板部の厚さ
図1
図2