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特許7401102通知装置、端末、通知システム、通知方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】通知装置、端末、通知システム、通知方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20120101AFI20231212BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020521225
(86)(22)【出願日】2019-05-20
(86)【国際出願番号】 JP2019019941
(87)【国際公開番号】W WO2019225550
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-04-14
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】P 2018097937
(32)【優先日】2018-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】中島 克也
(72)【発明者】
【氏名】岩波 彰裕
(72)【発明者】
【氏名】則松 香威
(72)【発明者】
【氏名】芦田 祐介
【合議体】
【審判長】渡邊 聡
【審判官】松尾 俊介
【審判官】伏本 正典
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-222459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体認証を用いて本人確認を行う自動化ゲートと対面により本人確認を行う対面ブースとを利用者が選択できる手続エリアにおいて前記利用者の生体情報を取得する取得部と、
前記生体情報に基づいて特定された前記利用者事前登録情報を有する場合は前記利用者の渡航履歴によらず前記利用者を自動化ゲートの対象者であると判定し、前記生体情報に基づいて特定された前記利用者が前記事前登録情報を有さず、渡航履歴を有する場合は、前記利用者の渡航履歴である所定の期間における渡航回数に基づき前記利用者が自動化ゲートの対象者であるか否かを判定し、判定結果を示す情報を生成する判定部と、
前記判定結果を示す情報に基づいて、前記利用者が前記自動化ゲートの対象者であると判定された場合、前記自動化ゲートの対象者である旨を示す表示を行い、前記利用者が前記自動化ゲートの対象者でないと判定された場合、対面ブースの対象者である旨を示す表示を行う表示部と、を備える情報処理装置。
【請求項2】
生体認証を用いて本人確認を行う自動化ゲートと対面により本人確認を行う対面ブースとを利用者が選択できる手続エリアにおいて前記利用者の生体情報を取得する取得部と、
前記生体情報に基づいて特定された前記利用者事前登録情報を有する場合は前記利用者の渡航履歴によらず前記利用者が前記自動化ゲートの対象者であると判定し、前記生体情報に基づいて特定された前記利用者が前記事前登録情報を有さず、渡航履歴を有する場合は、前記利用者の渡航履歴である所定の期間における渡航回数が所定値を超えているときに前記利用者が前記自動化ゲートの対象者であると判定し、判定結果を示す情報を生成する判定部と、
前記判定結果を示す情報に基づいて、前記利用者が前記自動化ゲートの対象者であると判定された場合、前記自動化ゲートの対象者である旨を示す表示を行い、前記利用者が前記自動化ゲートの対象者でないと判定された場合、対面ブースの対象者である旨を示す表示を行う表示部と、を備える情報処理装置。
【請求項3】
情報処理装置が、生体認証を用いて本人確認を行う自動化ゲートと対面により本人確認を行う対面ブースとを利用者が選択できる手続エリアにおいて前記利用者の生体情報を取得し、
前記情報処理装置が、前記生体情報に基づいて特定された前記利用者事前登録情報を有する場合は前記利用者の渡航履歴によらず前記利用者が前記自動化ゲートの対象者であると判定し、前記生体情報に基づいて特定された前記利用者が前記事前登録情報を有さず、渡航履歴を有する場合は、前記利用者の渡航履歴である所定の期間における渡航回数に基づき前記利用者が自動化ゲートの対象者であるか否かを判定し、判定結果を示す情報を生成し、
前記情報処理装置が、前記判定結果を示す情報に基づいて、前記利用者が前記自動化ゲートの対象者であると判定された場合、前記自動化ゲートの対象者である旨を示す表示を行い、前記利用者が前記自動化ゲートの対象者でないと判定された場合、対面ブースの対象者である旨を示す表示を行、情報処理方法。
【請求項4】
情報処理装置が、生体認証を用いて本人確認を行う自動化ゲートと対面により本人確認を行う対面ブースとを利用者が選択できる手続エリアにおいて前記利用者の生体情報を取得し、
前記情報処理装置が、前記生体情報に基づいて特定された前記利用者事前登録情報有する場合は前記利用者の渡航履歴によらず前記利用者が前記自動化ゲートの対象者であると判定し、前記生体情報に基づいて特定された前記利用者が前記事前登録情報を有さず、渡航履歴を有する場合は、前記利用者の渡航履歴である所定の期間における渡航回数が所定値を超えているときに前記利用者が前記自動化ゲートの対象者であると判定し、判定結果を示す情報を生成し、
前記情報処理装置が、前記判定結果を示す情報に基づいて、前記利用者が前記自動化ゲートの対象者であると判定された場合、前記自動化ゲートの対象者である旨を示す表示を行い、前記利用者が前記自動化ゲートの対象者でないと判定された場合、対面ブースの対象者である旨を示す表示を行、情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータに、
生体認証を用いて本人確認を行う自動化ゲートと対面により本人確認を行う対面ブースとを利用者が選択できる手続エリアにおいて前記利用者の生体情報を取得し、
前記生体情報に基づいて特定された前記利用者事前登録情報を有する場合は前記利用者の渡航履歴によらず前記利用者が前記自動化ゲートの対象者であると判定し、前記生体情報に基づいて特定された前記利用者が前記事前登録情報を有さず、渡航履歴を有する場合は、前記利用者の渡航履歴である所定の期間における渡航回数に基づき前記利用者が自動化ゲートの対象者であるか否かを判定し、判定結果を示す情報を生成し、
前記判定結果を示す情報に基づいて、前記利用者が前記自動化ゲートの対象者であると判定された場合、前記自動化ゲートの対象者である旨を示す表示を行い、前記利用者が前記自動化ゲートの対象者でないと判定された場合、対面ブースの対象者である旨を示す表示を行
ことを実行させるプログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
生体認証を用いて本人確認を行う自動化ゲートと対面により本人確認を行う対面ブースとを利用者が選択できる手続エリアにおいて前記利用者の生体情報を取得し、
前記生体情報に基づいて特定された前記利用者事前登録情報有する場合は前記利用者の渡航履歴によらず前記利用者が前記自動化ゲートの対象者であると判定し、前記生体情報に基づいて特定された前記利用者が前記事前登録情報を有さず、渡航履歴を有する場合は、前記利用者の渡航履歴である所定の期間における渡航回数が所定値を超えているときに前記利用者が前記自動化ゲートの対象者であると判定し、判定結果を示す情報を生成し、
前記判定結果を示す情報に基づいて、前記利用者が前記自動化ゲートの対象者であると判定された場合、前記自動化ゲートの対象者である旨を示す表示を行い、前記利用者が前記自動化ゲートの対象者でないと判定された場合、対面ブースの対象者である旨を示す表示を行
ことを実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知装置、端末、通知システム、通知方法及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、外部機関データ連携サーバと、共通制御装置と、KIOSK端末とが広域ネットワークにより相互に接続されて構成される入国審査システムが記載されている。特許文献1に記載の入国審査システムでは、渡航者の到着後、KIOSK端末にて自動化ゲート利用判定処理を行い、判定結果がKIOSK端末の画面に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-222459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の入国審査システムでは、自動化ゲート利用判定処理に際して、KIOSK端末に渡航者が並んでしまうおそれがある。このため、特許文献1に記載の入国審査システムは、自動化ゲートの対象者であることを円滑に通知することが困難である。
【0005】
本発明の目的は、上述した課題を鑑み、自動化ゲートの対象者であることを円滑に通知することができる通知装置、端末、通知システム、通知方法及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点によれば、渡航者が自動化ゲートの対象者であるか否かを判定する判定部と、前記渡航者が前記自動化ゲートの対象者であるか否かを示す通知を、前記渡航者が携帯する携帯端末に送信する通知部とを有する通知装置が提供される。
【0007】
本発明の他の観点によれば、渡航者が自動化ゲートの対象者であるか否かを判定する判定部と、前記渡航者が前記自動化ゲートの対象者であるか否かを示す通知を、前記渡航者が搭乗手続を行うチェックイン端末に送信する通知部とを有する通知装置が提供される。
【0008】
本発明のさらに他の観点によれば、渡航者が自動化ゲートの対象者であるか否かを判定する判定部と、前記渡航者が前記自動化ゲートの対象者であるか否かを示す通知を、デジタルサイネージ端末に送信する通知部とを有する通知装置が提供される。
【0009】
本発明のさらに他の観点によれば、通知装置と通信可能な端末であって、前記通知装置は、渡航者が自動化ゲートの対象者であるか否かを判定する判定部と、前記渡航者が前記自動化ゲートの対象者であるか否かを示す通知を前記端末に送信する通知部とを有し、前記端末は、前記渡航者が携帯する携帯端末であり、前記通知を受信する受信部と、前記通知を表示する表示部とを有する端末が提供される。
【0010】
本発明のさらに他の観点によれば、通知装置と、前記通知装置と通信可能な端末とを含み、前記通知装置は、渡航者が自動化ゲートの対象者であるか否かを判定する判定部と、前記渡航者が前記自動化ゲートの対象者であるか否かを示す通知を前記端末に送信する通知部とを有し、前記端末は、前記渡航者が携帯する携帯端末であり、前記通知を受信する受信部と、前記通知を表示する表示部とを有する通知システムが提供される。
【0011】
本発明のさらに他の観点によれば、渡航者が自動化ゲートの対象者であるか否かを判定し、前記渡航者が前記自動化ゲートの対象者であるか否かを示す通知を、前記渡航者が携帯する携帯端末に送信する通知方法が提供される。
【0012】
本発明のさらに他の観点によれば、コンピュータに、渡航者が自動化ゲートの対象者であるか否かを判定し、前記渡航者が前記自動化ゲートの対象者であるか否かを示す通知を、前記渡航者が携帯する携帯端末に送信することを実行させるプログラムが記録された記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、自動化ゲートの対象者であることを円滑に通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の第1実施形態による通知システムの全体構成を示す概略図である。
図2図2は、自動化ゲート及び審査ブースが設置された審査場を示す概略図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態による通知システムにおける管理サーバ、通知サーバ及び自動化ゲートのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、本発明の第1実施形態による通知システムにおける携帯端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、本発明の第1実施形態による通知システムにおける管理サーバ、通知サーバ及び携帯端末の動作を示すシーケンス図である。
図6図6は、本発明の第1実施形態による携帯端末におけるEDカード情報の入力画面の一例を示す概略図である。
図7図7は、本発明の第1実施形態による携帯端末における旅券情報の入力画面の一例を示す概略図である。
図8図8は、本発明の第1実施形態による携帯端末におけるモバイル決済時の画面の一例を示す概略図である。
図9図9は、本発明の第1実施形態による携帯端末における自動化ゲートの対象者であることを通知する通知画面の一例を示す概略図である。
図10図10は、本発明の第1実施形態による携帯端末における自動化ゲートの対象者でないことを通知する通知画面の一例を示す概略図である。
図11図11は、本発明の第2実施形態による通知システムにおける管理サーバ、通知サーバ及びチェックイン端末の動作を示すシーケンス図である。
図12図12は、本発明の他の実施形態による通知システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による通知装置、端末、通知システム及び通知方法について図1乃至図10を用いて説明する。
【0016】
まず、本実施形態による通知システムの構成について図1乃至図4を用いて説明する。図1は、本実施形態による通知システムの全体構成を示す概略図である。図2は、自動化ゲート及び審査ブースが設置された審査場を示す概略図である。図3は、本実施形態による通知システムにおける通知サーバ、管理サーバ及び自動化ゲートのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図4は、本実施形態による通知システムにおける携帯端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態による通知システム1は、通知サーバ10と、管理サーバ20と、携帯端末30と、自動化ゲート40と、チェックイン端末50とを含んでいる。本実施形態による通知システム1は、例えば、通知システム1が運用される国の空港で出国審査又は入国審査を受ける渡航者Pに対して、出国審査又は入国審査の手続を自動的に行う自動化ゲート40の対象者であるか否かを通知するものである。以下では、通知システム1が運用される国を、単に「当該国」と適宜称する。また、出国又は入国を、単に「出入国」と適宜称する。また、出国審査又は入国審査を、単に「出入国審査」と適宜称する。
【0018】
なお、通知システム1は、当該国の空港のほか、当該国の海港、国境検問所等の出入国審査が行われる施設に設置された自動化ゲート40の対象者であるか否かを通知するものであってもよい。
【0019】
通知サーバ10及び管理サーバ20は、例えば、当該国の出入国を管理する管理局の施設内に設置されている。携帯端末30は、渡航者Pが所持又は携帯して使用する端末である。自動化ゲート40は、例えば、空港において出入国審査が行われる審査場に設置されている。図2に示すように、出入国審査が行われる審査場Aには、自動化ゲート40が設置されている。また、審査場Aには、審査官Eによる対面の審査が行われる審査ブースBが設置されている。
【0020】
なお、入国審査の手続を自動的に行う自動化ゲート40は、入国審査が行われる入国審査場に設置されている。出国審査の手続を自動的に行う自動化ゲート40は、入国審査場とは別個の出国審査が行われる出国審査場に設置されている。また、審査場Aにおける自動化ゲート40の設置台数は、特に限定されるものではなく、1台であっても複数台であってもよい。
【0021】
チェックイン端末50は、外国の空港において、外国から当該国に渡航する渡航者Pが、当該国に向かう航空機の搭乗手続を行うための端末である。なお、チェックイン端末50は、外国から当該国に渡航する渡航者Pが、当該国に向かう航空機以外の船舶等の移動手段の搭乗手続を行うための端末であってもよい。チェックイン端末50については、第2実施形態において説明する。例えば、米国に在住する渡航者Pが米国から出国して日本国に渡航する場合、上記にいう外国は米国、当該国は日本国である。
【0022】
通知サーバ10、管理サーバ20、自動化ゲート40及びチェックイン端末50は、ネットワークNW1に接続されている。ネットワークNW1は、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等により構成されている。ネットワークNW1には、移動体通信網NW2が接続されている。携帯端末30は、移動体通信網NW2を介してネットワークNW1に接続することが可能になっている。
【0023】
通知サーバ10と管理サーバ20とは、ネットワークNW1を介して通信可能になっている。通知サーバ10と携帯端末30とは、ネットワークNW1及び移動体通信網NW2を介して通信可能になっている。通知サーバ10とチェックイン端末50とは、ネットワークNW1を介して通信可能になっている。管理サーバ20と自動化ゲート40とは、ネットワークNW1を介して通信可能になっている。
【0024】
通知サーバ10は、携帯端末30を携帯する渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かを示す通知を渡航者Pの携帯端末30に送信する通知装置として機能する。通知サーバ10は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)102と、RAM(Random Access Memory)104と、記憶装置106と、通信部108とを有している。CPU102、RAM104、記憶装置106及び通信部108は、バスライン110に接続されている。
【0025】
CPU102は、記憶装置106に記憶されたプログラムを実行することにより動作し、通知サーバ10全体の動作を制御する制御部として機能する。また、CPU102は、記憶装置106に記憶されたアプリケーションプログラムを実行して、通知装置としての各種処理を実行する。RAM104は、CPU102の動作に必要なメモリ領域を提供する。
【0026】
より具体的には、CPU102は、判定部として機能し、携帯端末30から送信される判定要求に応じて、携帯端末30を携帯する渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かを判定する。判定部として機能するCPU102は、この判定のため、ネットワークNW1を介して、渡航者Pについての渡航履歴情報又は事前登録情報を管理サーバ20から取得する。CPU102は、取得した渡航履歴情報又は事前登録情報に基づき、携帯端末30を携帯する渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かを判定する。
【0027】
また、CPU102は、通知部として機能し、携帯端末30を携帯する渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かの上記判定結果を示す通知を生成する。さらに、CPU102は、生成した通知を、ネットワークNW1を介して渡航者Pの携帯端末30に送信する。
【0028】
記憶装置106は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶媒体により構成され、記憶部として機能する。記憶装置106は、CPU102により実行されるプログラム、そのプログラムの実行の際にCPU102により参照されるデータ等を記憶する。
【0029】
通信部108は、ネットワークNW1に接続され、ネットワークNW1を介してデータの送受信を行う。通信部108は、CPU102による制御に従って、管理サーバ20、携帯端末30、チェックイン端末50等との間の通信を行う。
【0030】
こうして、通知サーバ10が構成されている。
【0031】
管理サーバ20は、当該国の出入国審査業務に要する各種情報を記憶して管理する管理装置として機能する。管理サーバ20は、図3に示すように、CPU202と、RAM204と、記憶装置206と、通信部208とを有している。CPU202、RAM204、記憶装置206及び通信部208は、バスライン210に接続されている。
【0032】
CPU202は、記憶装置206に記憶されたプログラムを実行することにより動作し、管理サーバ20全体の動作を制御する制御部として機能する。また、CPU202は、記憶装置206に記憶されたアプリケーションプログラムを実行して、管理装置としての各種処理を実行する。RAM204は、CPU202の動作に必要なメモリ領域を提供する。
【0033】
より具体的には、CPU202は、管理部として機能し、当該国における渡航者Pの出入国に関する渡航履歴情報を記憶装置206に記録して管理する。当該国においては、観光、商用等の種々の目的で諸外国から外国人が入国し、入国した外国人が出国する。また、当該国においては、観光、商用、一時帰国等の種々の目的で自国人や在留外国人が出国し、出国した自国人や在留外国人が入国する。これらのような種々の渡航者Pの渡航履歴情報は、例えば、審査場Aにおける対面の審査ブースB、自動化ゲート40等において取得されて管理サーバ20に送信される。CPU202は、送信された渡航履歴情報を記憶装置206に記録して管理する。なお、外国人とは、当該国の国籍を有しない者である。
【0034】
また、CPU202は、管理部として機能し、自動化ゲート40の利用者登録が行われた渡航者Pに関する事前登録情報を記憶装置206に記録して管理する。CPU202は、記憶装置206に格納された事前登録情報DB206bに事前登録情報を登録して管理する。例えば、自動化ゲート40の利用を希望する渡航者Pは、事前申請による審査を受けて、利用者登録が行われることにより、自動化ゲート40を利用することができる。また、例えば、渡航者Pの自国と当該国との二国間協定に基づき、自国により認められて利用者登録が行われた渡航者Pも、自動化ゲート40を利用することができる。また、これらのほか、例えば、トラスティド・トラベラー・プログラム(TTP)、所定の在留資格、再入国許可、有料の申請等により利用者登録が行われた渡航者Pも、自動化ゲート40を利用することができる。CPU202は、自動化ゲート40を利用できる者として事前に登録された渡航者Pに関する情報である事前登録情報を記憶装置206に記録して管理する。
【0035】
CPU202は、通知サーバ10から送信される要求に応じて、渡航者Pの渡航履歴情報又は事前登録情報を通知サーバ10に送信する。
【0036】
また、CPU202は、管理部として機能し、要注意者リスト(watchlist)と信頼者リスト(trustedlist)とを含む人物リストを記憶装置206に記録して管理する。CPU202は、記憶装置206に格納された人物リストDB206cに人物リストを登録して管理する。要注意者リストは、出入国審査に特に留意を要すべき又は出入国を不許可とすべき要注意人物の生体情報を含む人物情報が登録されたリストである。信頼者リストは、入場を許可すべき人物の生体情報を含む人物情報が登録されたリストである。人物リストは、例えば、自動化ゲート40での照合、審査ブースBでの照合に用いられる。なお、人物リストは、必ずしも要注意者リスト及び信頼者リストの両方を含むものである必要はなく、要注意者リスト及び信頼者リストのいずれか一方を含むものであってもよい。
【0037】
記憶装置206は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶媒体により構成され、記憶部として機能する。記憶装置206は、CPU202により実行されるプログラム、そのプログラムの実行の際にCPU202により参照されるデータ等を記憶する。
【0038】
また、記憶装置206は、第1のデータベースである渡航履歴情報データベース(DB、Database)206aと、第2のデータベースである事前登録情報DB206bと、第3のデータベースである人物リストDB206cとを格納している。渡航履歴情報DB206aには、上記渡航履歴情報が登録されている。事前登録情報DB206bには、上記事前登録情報が登録されている。人物リストDB206cには、上記人物リストが登録されている。
【0039】
渡航履歴情報DB206aに登録される渡航履歴情報は、当該国に入国した渡航歴のある渡航者Pに関する情報である。渡航履歴情報は、例えば、渡航者Pが当該国へ入国する際及び当該国から出国する際に登録される。渡航履歴情報は、例えば、当該国への渡航歴のある渡航者Pの旅券情報、生体情報、履歴情報等を含んでいる。旅券情報は、その渡航者Pに対して発行された旅券の旅券番号、旅券発行国、身分情報等を含んでいる。身分情報は、その渡航者Pの氏名、国籍、生年月日、性別等を含んでいる。生体情報は、その渡航者Pの指紋画像、顔画像、虹彩画像、指の静脈画像、掌紋画像、手のひらの静脈画像等である。生体情報は、1つであっても複数であってもよい。また、生体情報は、渡航者Pの生体情報が記録されたIC(Integrated Circuit)旅券から取得されたものであってもよいし、審査の際に渡航者Pから直接取得したものであってもよい。履歴情報は、その渡航者Pの入国地、入国年月日、出国地、出国年月日、航空機便名等を含んでいる。入国地及び出国地は、それぞれ入国した空港及び出国した空港を意味しうる。渡航履歴情報並びに当該渡航履歴情報に含まれる旅券情報、生体情報及び履歴情報は、互いに関連付けられている。
【0040】
事前登録情報DB206bに登録される事前登録情報は、自動化ゲート40を利用できる者として事前登録された渡航者Pに関する情報である。事前登録情報は、例えば、事前申請、二国間協定、TTP、所定の在留資格、再入国許可、有料の申請等により自動化ゲート40を利用できる者として事前登録された渡航者Pの旅券情報、生体情報等を含んでいる。旅券情報は、その渡航者Pに対して発行された旅券の旅券番号、旅券発行国、身分情報等を含んでいる。身分情報は、その渡航者Pの氏名、国籍、生年月日、性別等を含んでいる。生体情報は、その渡航者Pの指紋画像、顔画像、虹彩画像、指の静脈画像、掌紋画像、手のひらの静脈画像等である。生体情報は、1つであっても複数であってもよい。また、生体情報は、渡航者Pから事前登録に際して提供されたものである。事前登録情報並びに事前登録情報に含まれる旅券情報及び生体情報は、互いに関連付けられている。
【0041】
人物リストDB206cに登録される人物リストは、要注意者リストと信頼者リストとを含んでいる。要注意者リストは、出入国審査に特に留意を要すべき又は出入国を不許可とすべき要注意人物の人物情報として、生体情報、テキスト情報等が登録されている。また、信頼者リストは、入場を許可すべき人物の人物情報として、生体情報、テキスト情報等が登録されている。要注意者リスト及び信頼者リストの各人物情報に含まれる生体情報は、例えば、当該人物の指紋画像、顔画像、虹彩画像、指の静脈画像、掌紋画像、手のひらの静脈画像等である。
【0042】
通信部208は、ネットワークNW1に接続され、ネットワークNW1を介してデータの送受信を行う。通信部208は、CPU202による制御に従って、通知サーバ10等との間の通信を行う。
【0043】
こうして、管理サーバ20が構成されている。
【0044】
自動化ゲート40は、自動化ゲート40を利用可能な自動化ゲート40の対象者である渡航者Pの出入国審査の手続を自動的に行う自動手続装置として機能する。自動化ゲート40は、生体情報の照合を行う照合装置としても機能する。
【0045】
自動化ゲート40は、図3に示すように、CPU402と、RAM404と、記憶装置406と、通信部408と、ゲート装置410と、旅券読取装置412と、生体情報取得装置414と、ディスプレイ416とを有している。CPU402、RAM404、記憶装置406、通信部408、ゲート装置410、旅券読取装置412、生体情報取得装置414及びディスプレイ416は、バスライン418に接続されている。
【0046】
CPU402は、記憶装置406に記憶されたプログラムを実行することにより動作し、自動化ゲート40全体の動作を制御する制御部として機能する。また、CPU402は、記憶装置406に記憶されたアプリケーションプログラムを実行して、自動手続装置としての各種処理を実行する。RAM404は、CPU402の動作に必要なメモリ領域を提供する。
【0047】
記憶装置406は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶媒体により構成され、記憶部として機能する。記憶装置406は、CPU402により実行されるプログラム、そのプログラムの実行の際にCPU402により参照されるデータ等を記憶する。
【0048】
通信部408は、ネットワークNW1に接続され、ネットワークNW1を介してデータの送受信を行う。通信部408は、CPU402による制御に従って、管理サーバ20等との間の通信を行う。
【0049】
ゲート装置410は、自動化ゲート40における出入国審査を渡航者Pが通過した場合に、渡航者Pの通行を遮る待機時の閉鎖状態から、渡航者Pの通行を許す開放状態に移行する。ゲート装置410の方式は、特に限定されるものではなく、例えば、通路の片側又は両側から設けられたフラッパーが開閉するフラッパーゲート、3本バーが回転するターンスタイルゲート等である。
【0050】
旅券読取装置412は、自動化ゲート40における出入国審査において、渡航者Pの旅券を読み取って旅券に記録された情報を取得する旅券情報取得部として機能する。旅券読取装置412は、例えば、OCR(Optical Character Reader)装置、非接触IC(Integrated Circuit)リーダにより構成される。旅券読取装置412は、OCR装置により旅券券面の旅券番号を読み取る。また、IC旅券の場合、旅券読取装置412は、非接触ICリーダにより、IC旅券のICチップに記録された旅券番号を読み取る。
【0051】
また、IC旅券の場合、そのICチップには、旅券申請時の渡航者Pの指紋画像、顔画像、虹彩画像、指の静脈画像、掌紋画像、手のひらの静脈画像等の生体情報が記録されて事前に登録されている。ICチップに事前に登録された生体情報は、1つであっても複数であってもよい。また、複数の生体情報は、いかなる生体情報の組み合わせであってもよい。生体情報がICチップに記録されている場合、旅券読取装置412は、ICチップに記録された生体情報をさらに読み取って取得する。旅券読取装置412によりIC旅券から取得された生体情報は、生体情報取得装置414により取得された同種の生体情報と照合され、渡航者Pの本人確認に用いられる。
【0052】
生体情報取得装置414は、自動化ゲート40において手続を行う対象者である渡航者Pの生体情報を取得する生体情報取得部として機能する。生体情報取得装置414は、例えば、渡航者Pの指紋画像、顔画像、虹彩画像、指の静脈画像、掌紋画像、手のひらの静脈画像等の生体情報を取得する。生体情報取得装置414が取得する生体情報は、1つであっても複数であってもよい。また、複数の生体情報は、いかなる生体情報の組み合わせであってもよい。
【0053】
ディスプレイ416は、例えばタッチパネルディスプレイにより構成される。ディスプレイ416は、自動化ゲート40において手続を行う渡航者Pに対して操作案内を表示するとともに、渡航者Pからの操作指示の入力を受け付ける表示部及び入力部として機能する。
【0054】
自動化ゲート40は、当該国へ入国又は当該国から出国する渡航者Pのうち、以下のように特定の渡航者Pをその対象者として、その渡航者Pの出入国審査手続を自動的に行う。出入国審査手続に際して、自動化ゲート40のCPU402は、生体情報を照合する照合部として機能する。
【0055】
例えば、自動化ゲート40は、当該国への入国前直近の所定の期間における当該国への渡航回数が所定の回数以上の渡航者Pの出入国審査手続を自動的に行う。自動化ゲート40の対象となる渡航者Pの渡航頻度は、特に限定されるものではないが、例えば、入国直近1年間の渡航回数が5回以上、入国直近1月間又は2月間の渡航回数が1回以上等である。この際、照合部として機能するCPU402は、本人確認のため、生体情報取得装置414により取得された渡航者Pの生体情報と、旅券読取装置412により渡航者PのIC旅券から取得された同種の生体情報とを1:1で照合する。また、CPU402は、本人確認のため、生体情報取得装置414により取得された渡航者Pの生体情報と、管理サーバ20の渡航履歴情報DB206aに登録された複数人の渡航履歴情報に含まれる同種の生体情報とを1:Nで照合することもできる。この1:N照合の場合、CPU402は、旅券読取装置412を用いずに、生体情報取得装置414により取得された渡航者Pの生体情報と渡航履歴情報DB206aに登録された複数人の渡航履歴情報とを照合する。
【0056】
また、例えば、自動化ゲート40は、管理サーバ20の事前登録情報に自動化ゲート40を利用できる者として事前登録された渡航者Pの出入国審査手続を自動的に行う。この際、照合部として機能するCPU402は、本人確認のため、生体情報取得装置414により取得された渡航者Pの生体情報と、管理サーバ20に記憶された事前登録情報に含まれるその渡航者Pの同種の生体情報とを照合する。
【0057】
また、照合部として機能するCPU402は、生体情報取得装置414により取得された渡航者Pの生体情報と、管理サーバ20の人物リストDB206cに登録された要注意者リストや信頼者リストに含まれる複数人の同種の生体情報とを1:Nで照合することができる。これにより、CPU402は、渡航者Pについて、要注意者リスト照合や信頼者リスト照合を行うことができる。
【0058】
こうして、自動化ゲート40が構成されている。
【0059】
携帯端末30は、渡航者Pが所持又は携帯して使用する端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話等の携帯情報機器である。携帯端末30は、図4に示すように、CPU302と、RAM304と、記憶装置306と、移動体通信部308と、近距離無線通信部310と、ディスプレイ312と、位置センサ314と、磁気センサ316とを有している。CPU302、RAM304、記憶装置306、移動体通信部308、近距離無線通信部310、ディスプレイ312、位置センサ314及び磁気センサ316は、バスライン318に接続されている。
【0060】
CPU302は、記憶装置306に記憶されたプログラムを実行することにより動作し、携帯端末30全体の動作を制御する制御部として機能する。また、CPU302は、記憶装置306に記憶されたアプリケーションプログラムを実行して、携帯情報機器としての各種処理を実行する。RAM304は、CPU302の動作に必要なメモリ領域を提供する。
【0061】
例えば、記憶装置306には、当該国における渡航者Pの出入国手続及びそれに関連する手続を支援する支援アプリケーションがインストールされている。支援アプリケーションが出入国手続を支援する当該国は、一国であってもよいし、複数国であってもよい。当該国が一国である場合、渡航先の国として、その当該国の自動化ゲート40の対象者であるか否かの通知が行われる。当該国が複数国である場合、渡航者Pは、支援アプリケーションにおいて、複数国の中から渡航先となる当該国を設定することができる。これにより、複数の当該国の中から、渡航先の国として自動化ゲート40の対象者であるか否かの通知を行うべき当該国が設定される。CPU302は、支援アプリケーションを実行することにより、当該国における渡航者Pの出入国手続及びそれに関連する手続に関する処理を行うことができる。具体的には、CPU302は、例えば、後述するように、EDカード(Embarkation Disembarkation Card)情報の事前登録、旅券情報の電子化保存、現地で支払いが必要な空港諸税のモバイル決済等を行うことができる。空港諸税は、例えば、出国税、入国税、空港使用料、保安サービス料等である。また、CPU302は、例えば、携帯端末30によるモバイルチェックイン時の手続情報、EDカード情報、空港諸税の支払い先の国情報等から、渡航先となる当該国の情報を取得することもできる。渡航先となる当該国の情報は、具体的には、渡航先となる当該国における渡航者Pの渡航履歴、事前登録された情報等である。
【0062】
また、CPU302は、要求部として機能し、通知サーバ10に対して、携帯端末30を携帯する渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かの判定を要求する。要求部として機能するCPU302は、移動体通信網NW2及びネットワークNW1を介して、通知サーバ10に対して判定要求を送信する。
【0063】
また、CPU302は、受信部として機能し、ネットワークNW1及び移動体通信網NW2を介して、携帯端末30を携帯する渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かを示す通知を通知サーバ10から受信する。
【0064】
記憶装置306は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶媒体により構成され、記憶部として機能する。記憶装置306は、CPU302により実行されるプログラム、そのプログラムの実行の際にCPU302により参照されるデータ等を記憶する。例えば、記憶装置306は、上述した支援アプリケーションを記憶する。
【0065】
移動体通信部308は、CPU302による制御に従って、移動体通信網NW2に接続して無線通信を行う。移動体通信部308は、移動体通信網NW2を介してネットワークNW1に接続する。移動体通信部308の通信方式は、特に限定されるものではないが、例えば、第3世代移動通信方式、LTE(Long Term Evolution)方式、第4世代移動通信方式等が挙げられる。
【0066】
近距離無線通信部310は、CPU302による制御に従って、アクセスポイント、外部機器等と無線通信を行う。近距離無線通信部310の通信方式は、特に限定されるものではないが、例えば、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN方式、Bluetooth(登録商標)通信方式、NFC(Near Field Communication)方式、赤外線通信方式等が挙げられる。
【0067】
ディスプレイ312は、表示画面を有する表示部として機能するとともに、表示画面に対するタッチ入力を受け付ける入力部として機能するタッチパネルディスプレイである。ディスプレイ312は、携帯端末30において起動されたアプリケーションプログラムの画面を表示して、渡航者Pに対して種々の情報を表示する。渡航者Pは、ディスプレイ312の表示画面に対するタッチ入力により、アプリケーションプログラムを操作することができる。
【0068】
位置センサ314は、GNSS(Global Navigation Satellite System、全地球航法衛星システム)を利用して、携帯端末30の位置を測位する。これにより、位置センサ314は、携帯端末30の位置を示す位置情報を取得する。GNSSとしては、特に限定されるものではなく、例えば、GPS(Global Positioning System)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、ガリレオ、コンパス等である。
【0069】
磁気センサ316は、携帯端末30の位置における地磁気を検出して地磁気情報を取得する。磁気センサ316は、特に限定されるものではないが、例えば、ホール素子、磁気抵抗素子、磁気インピーダンス素子等を用いて地磁気を検出する。
【0070】
こうして、携帯端末30が構成されている。
【0071】
自動化ゲート40は、その対象者である渡航者Pの出入国審査を自動的に行うため、出入国審査場が混雑している場合であっても、円滑、迅速に出入国審査の手続を行うことができる。一方で、1年間に5回以上、1月間又は2月間に1回以上等の所定の期間における渡航回数に関する条件等の特定の条件が満たされた渡航者Pを、事前登録なくとも自動化ゲート40の対象者とする場合がある。この場合、渡航者Pは、自己が自動化ゲート40の対象者であるか否かを認識することができないことがある。したがって、この場合、自動化ゲート40の対象者とされた渡航者Pに対して、自動化ゲート40の対象者であることを通知する必要性が高い。
【0072】
また、自動化ゲート40の利用者として事前登録がされている渡航者Pの場合であっても、出入国審査の前に自動化ゲート40の対象者であることを通知することは、自動化ゲート40の利用を渡航者Pが失念することを防止する観点から好ましい。
【0073】
本実施形態による通知システム1は、出入国審査を受けるべき渡航者Pの携帯端末30に対して、特定の通知タイミングにおいて自動化ゲート40の対象者であるか否かを通知する。渡航者Pは、自己が携帯する携帯端末30で通知を受けるため、自己が自動化ゲート40の対象者であるか否かを円滑に認識することができる。渡航者Pは、空港等において、自動化ゲート40の対象者であるか否かを通知する専用端末に並ぶ必要もない。こうして、本実施形態による通知システム1は、渡航者Pに対して、自動化ゲート40の対象者であるか否かを円滑に通知することができる。
【0074】
以下、本実施形態による通知システム1における通知動作についてさらに図5乃至図10を用いて説明する。図5は、本実施形態による通知システム1における管理サーバ20、通知サーバ10及び携帯端末30の動作を示すシーケンス図である。図6は、本実施形態による携帯端末30におけるEDカード情報の入力画面の一例を示す概略図である。図7は、本実施形態による携帯端末30における旅券情報の入力画面の一例を示す概略図である。図8は、本実施形態による携帯端末30におけるモバイル決済時の画面の一例を示す概略図である。図9は、本実施形態による携帯端末30における自動化ゲート40の対象者であることを通知する通知画面の一例を示す概略図である。図10は、本実施形態による携帯端末30における自動化ゲート40の対象者でないことを通知する通知画面の一例を示す概略図である。本実施形態による通知システム1における通知動作が行われることにより、本実施形態による通知方法が実行される。
【0075】
まず、図5に示すように、携帯端末30のCPU302は、その携帯端末30の使用者である渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かを通知する特定の通知タイミングであるか否かを判定する(ステップS102)。特定の通知タイミングでないと判定した場合(ステップS102、NO)、CPU302は、特定の通知タイミングであるか否かの判定を継続的に行い、特定の通知タイミングの到来を待機する。なお、CPU302は、自動化ゲート40の対象者であるか否かを通知すべき渡航先となる当該国の情報を、例えば、携帯端末30の支援アプリケーションにおいて設定された情報から取得することができる。また、CPU302は、携帯端末30によるモバイルチェックイン時の手続情報、EDカード情報、空港諸税の支払い先の国情報等から、渡航先となる当該国の情報を取得することもできる。渡航先となる当該国の情報は、具体的には、渡航先となる当該国における渡航者Pの渡航履歴、事前登録された情報等である。
【0076】
自動化ゲート40の対象者であるか否かを通知する特定の通知タイミングは、特に限定されるものではないが、例えば、当該国への入国又は当該国からの出国に関連して渡航者Pにより携帯端末30が操作されたタイミングである。より具体的には、例えば以下のタイミングの場合に、CPU302は、自動化ゲート40の対象者であるか否かを通知する特定の通知タイミングであると判定する。
【0077】
例えば、携帯端末30は、支援アプリケーションを実行することにより、EDカード情報の事前登録を行うことができる。EDカード情報は、EDカードに記載すべき事項に関する情報であり、例えば、氏名、性別、国籍、生年月日、旅券番号、本国での住所、滞在先の連絡先、滞在期間、搭乗地、到着便等である。渡航者Pは、例えば図6に示すように、携帯端末30を操作して、支援アプリケーションを実行する携帯端末30のディスプレイ312上で、EDカード情報をタッチ入力により入力することができる。
【0078】
携帯端末30のCPU302は、移動体通信網NW2及びネットワークNW1を介して、渡航者Pにより入力されたEDカード情報を管理サーバ20に送信する。管理サーバ20のCPU202は、携帯端末30から送信されたEDカード情報を記憶装置206に記録する。こうして、EDカード情報が管理サーバ20に事前登録される。事前登録されたEDカード情報は、例えば、ネットワークNW1を介して出入国審査の用に供される。
【0079】
携帯端末30のCPU302は、上述のように渡航者Pにより携帯端末30が操作されてEDカード情報が入力されたタイミングを、自動化ゲート40の対象者であるか否かを通知する特定の通知タイミングであると判定することができる。
【0080】
また、例えば、携帯端末30は、支援アプリケーションを実行することにより、旅券情報を電子化してその端末内に保存することができる。旅券情報は、旅券の券面に記載された事項に関する情報であり、旅券番号、発行国、氏名、国籍、生年月日、性別、発行年月日、有効期間満了日等である。渡航者Pは、例えば図7に示すように、携帯端末30を操作して、支援アプリケーションを実行する携帯端末30のディスプレイ312上で、旅券情報をタッチ入力により入力することができる。
【0081】
携帯端末30のCPU302は、渡航者Pにより入力された旅券情報を記憶装置306に記録する。こうして、旅券情報が携帯端末30に電子化されて保存される。CPU302は、電子化されて保存された旅券情報を、QRコード(登録商標)等のコードシンボルに変換してディスプレイ312に表示させることができる。コードシンボルに変換された旅券情報は、スキャナにより読み取られて出入国審査の用に供される。
【0082】
携帯端末30のCPU302は、移動体通信網NW2及びネットワークNW1を介して、渡航者Pにより入力された旅券情報を管理サーバ20に送信する。管理サーバ20のCPU202は、携帯端末30から送信された旅券情報を記憶装置206に記録する。こうして、旅券情報が管理サーバ20に事前登録される。事前登録された旅券情報は、例えば、ネットワークNW1を介して出入国審査の用に供される。
【0083】
携帯端末30のCPU302は、上述のように渡航者Pにより携帯端末30が操作されて旅券情報が入力されたタイミングを、自動化ゲート40の対象者であるか否かを通知する特定の通知タイミングであると判定することができる。
【0084】
また、例えば、携帯端末30は、支援アプリケーションを実行することにより、当該国への入国又は当該国からの出国に関連して現地で支払いが必要な税のモバイル決済を実行することができる。当該国への入国又は当該国からの出国に関連して現地で支払いが必要な税は、例えば、出国税、入国税、空港使用料、保安サービス料等の現地で支払いが必要な空港諸税である。渡航者Pは、例えば図8に示すように、携帯端末30を操作して、支援アプリケーションを実行する携帯端末30に設定された決済用カードでモバイル決済を行うことができる。決済用カードは、特に限定されるものではなく、例えば、クレジットカード、プリペイドカード、デビットカード等である。
【0085】
携帯端末30のCPU302は、移動体通信網NW2及びネットワークNW1を介して、渡航者が行った税のモバイル決済による支払い情報を管理サーバ20に送信する。管理サーバ20のCPU202は、携帯端末30から送信された支払い情報を記憶装置206に記録する。こうして、支払い情報が管理サーバ20に事前登録される。事前登録された支払い情報は、例えば、ネットワークNW1を介して出入国審査の用に供される。
【0086】
携帯端末30のCPU302は、上述のように渡航者Pにより携帯端末30が操作されて空港諸税のモバイル決済が実行されたタイミングを、自動化ゲート40の対象者であるか否かを通知する特定の通知タイミングであると判定することができる。
【0087】
また、例えば、携帯端末30のCPU302は、位置センサ314により取得される位置情報に基づき、携帯端末30の位置を測定することができる。また、CPU302は、磁気センサ316により取得される地磁気情報に基づき、携帯端末30の位置、特にGPS信号等のGNSS信号の届きにくい屋内における携帯端末30の位置を測定することができる。CPU302は、こうして取得される携帯端末30の位置に関する情報に基づき、自動化ゲート40の対象者であるか否かを通知する特定の通知タイミングであると判定することができる。具体的には次のとおりである。
【0088】
例えば、携帯端末30のCPU302は、上述の位置センサ314により取得される位置情報又は磁気センサ316により取得される地磁気情報に基づき、携帯端末30を携帯する渡航者Pが当該国に入国したことを検知することができる。CPU302は、こうして渡航者Pが当該国に入国したことを検知したタイミングを、自動化ゲート40の対象者であるか否かを通知する特定の通知タイミングであると判定することができる。
【0089】
さらに、例えば、携帯端末30のCPU302は、磁気センサ316により取得される地磁気情報に基づく屋内測位により、当該国の空港において携帯端末30を携帯する渡航者Pが自動化ゲート40に接近したことを検知することができる。また、CPU302は、近距離無線通信部310により受信されるビーコン信号に基づく屋内測位により、当該国の空港において携帯端末30を携帯する渡航者Pが自動化ゲート40に接近したことを検知することができる。ビーコン信号は、例えば、BLE(Bluetooth Low Energy)を用いたビーコン信号である。また、ビーコン信号は、空港において網羅的に設置された複数のビーコン発信機から発信される。なお、自動化ゲート40に接近したことを検知するための屋内測位技術は、これらに限定されるものではなく、Wi-Fi測位等を用いた種々の屋内測位技術を用いることができる。
【0090】
携帯端末30のCPU302は、上述のように渡航者Pが自動化ゲート40に接近したことを検知したタイミングを、自動化ゲート40の対象者であるか否かを通知する特定の通知タイミングであると判定することができる。なお、渡航者Pが自動化ゲート40に接近する程度は、特に限定されるものではない。例えば、渡航者Pが審査場Aや自動化ゲート40を視認できる程度の位置に進んだ場合に、CPU302は、渡航者Pが自動化ゲート40に接近したと判定して、渡航者Pが自動化ゲート40に接近したことを検知することができる。
【0091】
携帯端末30のCPU302は、上述のようにして自動化ゲート40の対象者であるか否かを通知する特定の通知タイミングであると判定する。特定の通知タイミングであると判定すると(ステップS102、YES)、CPU302は、通知サーバ10に対して判定要求を移動体通信網NW2及びネットワークNW1を介して送信する(ステップS104)。ここで送信される判定要求は、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かの判定を要求するものである。
【0092】
判定要求は、判定を要求する渡航者Pを一意に識別する個人識別情報を含んでいる。個人識別情報は、特に限定されるものではないが、例えば旅券番号である。また、個人識別情報は、例えば、氏名、国籍、生年月日等の身分情報の2以上の組み合わせであってもよい。個人識別情報は、例えば、上述のように支援アプリケーションにおいて入力されたEDカード情報、旅券情報等に含まれる情報であってもよいし、空港諸税のモバイル決済の際に入力された情報であってもよい。また、個人識別情報は、支援アプリケーションに予め登録された情報であってもよい。
【0093】
通知サーバ10のCPU102は、携帯端末30から送信された判定要求を受信すると、管理サーバ20に対して、渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた情報を要求する情報要求をネットワークNW1を介して送信する(ステップS106)。ここで要求する情報は、渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた渡航履歴情報又は事前登録情報である。
【0094】
管理サーバ20のCPU202は、通知サーバ10から送信された情報要求を受信すると、記憶装置206に記憶された情報から、要求された情報を抽出する(ステップS108)。すなわち、CPU202は、記憶装置206の渡航履歴情報DB206aに登録された渡航履歴情報から、渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた渡航履歴情報を抽出する。また、CPU202は、記憶装置206の事前登録情報DB206bに登録された事前登録情報から、渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた事前登録情報を抽出する。
【0095】
次いで、CPU202は、通知サーバ10に対して、情報要求に対する回答情報をネットワークNW1を介して送信する(ステップS110)。回答情報は、渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた渡航履歴情報が抽出された場合には当該渡航履歴情報を含み、渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた事前登録情報が抽出された場合には当該事前登録情報を含む。一方、渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた渡航履歴情報及び事前登録情報のいずれも抽出されなかった場合、回答情報は、渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた渡航履歴情報及び事前登録情報のいずれも抽出されなかった旨を回答する情報である。
【0096】
通知サーバ10のCPU102は、管理サーバ20から送信された回答情報を受信すると、回答情報に基づき渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かを判定する(ステップS112)。
【0097】
まず、CPU102は、回答情報が、渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた事前登録情報を含む場合、回答情報が渡航履歴情報を含むか否かによらず、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であると判定する(ステップS112、YES)。
【0098】
また、CPU102は、回答情報が、事前登録情報を含まないが、渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた渡航履歴情報を含む場合、渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた渡航履歴情報に基づき、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かを判定する。すなわち、CPU102は、渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた渡航履歴情報に基づき、渡航者Pについて、当該国への入国前直近の所定の期間における当該国への渡航回数を計算する。計算された渡航回数が所定の回数以上である場合、CPU102は、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であると判定する(ステップS112、YES)。例えば、計算された渡航回数が、入国直近1年間で5回以上、入国直近1月間又は2月間で1回以上等である場合、CPU102は、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であると判定する。一方、計算された渡航回数が所定の回数未満である場合、CPU102は、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者でないと判定する(ステップS112、NO)。
【0099】
また、CPU102は、回答情報が、渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた渡航履歴情報及び事前登録情報のいずれも抽出されなかった旨を回答する情報である場合、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者でないと判定する(ステップS112、NO)。
【0100】
次いで、CPU102は、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であると判定すると(ステップS112、YES)、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者である旨を示す通知を生成する(ステップS114)。一方、CPU102は、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者でないと判定すると(ステップS112、NO)、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者でない旨を示す通知を生成する(ステップS116)。
【0101】
次いで、CPU102は、携帯端末30に対して、ステップS114又はステップS116で生成した通知をネットワークNW1及び移動体通信網NW2を介して送信する(ステップS118)。なお、CPU102は、この通知の送信とともに又はこの通知の送信に代えて、渡航者Pの電子メールアドレス宛に、ステップS114又はステップS116で生成した通知の内容を含む電子メールを送信することもできる。こうして、CPU102は、上述した特定の通知タイミングにおいて渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かを示す通知を携帯端末30に対して送信する。
【0102】
なお、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かを示す通知は、ある特定の通知タイミングにおいて1回だけ携帯端末30に対して送信してもよいし、互いに異なる複数の特定の通知タイミングにおいて携帯端末30に対して複数回送信することもできる。
【0103】
携帯端末30のCPU302は、通知サーバ10から送信された通知を受信すると、受信した通知をディスプレイ312に表示する(ステップS120)。すなわち、CPU302は、図9に示すように渡航者Pが自動化ゲート40の対象者である旨を示す通知をディスプレイ312に表示し、又は図10に示すように渡航者Pが自動化ゲート40の対象者でない旨を示す通知をディスプレイ312に表示する。
【0104】
なお、CPU302がディスプレイ312に通知を表示する態様は、特に限定されるものではない。例えば、図9及び図10に示すように支援アプリケーションの画面で通知を表示してもよいし、ポップアップ表示で通知を表示してもよいし、通知領域に通知を表示してもよい。
【0105】
自動化ゲート40の対象者である旨の通知を携帯端末30で受信した渡航者Pは、審査場Aにおける自動化ゲート40に進んで、自動化ゲート40で出入国審査の手続きを受けることができる。一方、自動化ゲート40の対象者でない旨の通知を携帯端末30で受信した渡航者Pは、審査場Aにおける対面の審査ブースBに進んで、審査官Eによる出入国審査の手続を受けることができる。
【0106】
このように、本実施形態によれば、特定の通知タイミングにおいて渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かを渡航者Pの携帯端末30に通知するので、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であることを円滑に通知することができる。
【0107】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による通知装置、端末、通知システム及び通知方法について図11を用いて説明する。なお、上記第1実施形態による通知装置、端末、通知システム及び通知方法と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
【0108】
上記第1実施形態では、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かを渡航者Pの携帯端末30に通知する場合について説明したが、これに限定されるものではない。本実施形態では、当該国に渡航する渡航者Pが、外国の空港におけるチェックイン端末50で当該国に向かう航空機の搭乗手続を行った際に、そのチェックイン端末50に通知する場合について説明する。なお、本実施形態による通知システム1の構成は、図1乃至図4に示す第1実施形態による通知システム1の構成と同様である。
【0109】
本実施形態において、チェックイン端末50は、渡航者Pについて搭乗手続に関する処理を実行する。
【0110】
さらに、チェックイン端末50は、第1実施形態による携帯端末30と同様に、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かの通知を受信する端末として機能し、通知を受信する受信部と、通知を表示する表示部とを有している。
【0111】
チェックイン端末50は、渡航者Pが自身で操作して搭乗手続を行う自動チェックイン端末であってもよいし、航空会社のスタッフが操作する有人カウンタに設置されたチェックイン端末であってもよい。
【0112】
以下、本実施形態による通知システム1における通知動作についてさらに図11を用いて説明する。図11は、本実施形態による通知システム1における管理サーバ20、通知サーバ10及びチェックイン端末50の動作を示すシーケンス図である。本実施形態による通知システム1における通知動作が行われることにより、本実施形態による通知方法が実行される。
【0113】
まず、図11に示すように、チェックイン端末50は、渡航者Pの搭乗手続が行われたか否かを判定する(ステップS202)。本実施形態では、渡航者Pの搭乗手続が行われたタイミングが、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かを通知する特定の通知タイミングとなる。搭乗手続が行われていないと判定した場合(ステップS202、NO)、チェックイン端末50は、搭乗手続が行われたか否かの判定を継続的に行い、搭乗手続を待機する。
【0114】
チェックイン端末50は、渡航者Pの搭乗手続が行われたと判定すると(ステップS202、YES)、通知サーバ10に対して判定要求をネットワークNW1を介して送信する(ステップS204)。本実施形態で送信される判定要求は、搭乗手続が行われた渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かの判定を要求するものである。
【0115】
本実施形態においても、判定要求は、第1実施形態と同様に、判定を要求する渡航者Pを一意に識別する個人識別情報を含んでいる。個人識別情報は、第1実施形態と同様に、例えば、旅券番号であってもよいし、身分情報の2以上の組み合わせであってもよい。ただし、本実施形態における個人識別情報は、搭乗手続に際してチェックイン端末50に入力された情報である。
【0116】
通知サーバ10のCPU102は、携帯端末30から送信された判定要求を受信すると、管理サーバ20に対して、渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた情報を要求する情報要求をネットワークNW1を介して送信する(ステップS206)。本実施形態のステップS206は、第1実施形態のステップS106と同様である。
【0117】
管理サーバ20のCPU202は、通知サーバ10から送信された情報要求を受信すると、記憶装置206に記憶された情報から、要求された情報を抽出する(ステップS208)。本実施形態のステップS208は、第1実施形態のステップS108と同様である。
【0118】
次いで、CPU202は、通知サーバ10に対して、情報要求に対する回答情報をネットワークNW1を介して送信する(ステップS210)。本実施形態のステップS210は、第1実施形態のステップS110と同様である。
【0119】
通知サーバ10のCPU102は、管理サーバ20から送信された回答情報を受信すると、回答情報に基づき渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かを判定する(ステップS212)。本実施形態のステップS212は、第1実施形態のステップS112と同様である。
【0120】
次いで、CPU102は、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であると判定すると(ステップS212、YES)、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者である旨を示す通知を生成する(ステップS214)。一方、CPU102は、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者でないと判定すると(ステップS212、NO)、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者でない旨を示す通知を生成する(ステップS216)。本実施形態のステップS214、S216は、それぞれ第1実施形態のステップS114、S116と同様である。
【0121】
次いで、CPU102は、チェックイン端末50に対して、ステップS214又はステップS216で生成した通知をネットワークNW1を介して送信する(ステップS218)。なお、CPU102は、第1実施形態と同様に、この通知の送信とともに又はこの通知の送信に代えて、渡航者Pの電子メールアドレス宛に、ステップS114又はステップS116で生成した通知の内容を含む電子メールを送信することもできる。
【0122】
チェックイン端末50は、通知サーバ10から送信された通知を受信すると、受信した通知をそのディスプレイに表示する(ステップS220)。すなわち、チェックイン端末50は、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者である旨を示す通知をディスプレイ312に表示し、又は渡航者Pが自動化ゲート40の対象者でない旨を示す通知をディスプレイ312に表示する。
【0123】
なお、チェックイン端末50は、そのディスプレイへの通知の表示とともに又はこの通知の表示に代えて、搭乗手続により発行される搭乗券に通知の内容を記載することができる。
【0124】
搭乗手続を行った渡航者Pは、チェックイン端末50に表示された通知又は搭乗券に記載された通知により、自己が自動化ゲート40の対象者であるか否かを認識することができる。チェックイン端末50が自動チェックイン端末である場合、渡航者Pが自身でチェックイン端末50に表示された通知を確認することができる。一方、チェックイン端末50が、有人カウンタに設置されたチェックイン端末である場合、航空会社のスタッフは、チェックイン端末50に表示された通知の内容を確認して、渡航者Pに通知の内容を伝達することができる。
【0125】
本実施形態のように、チェックイン端末50で搭乗手続を行ったタイミングにおいて渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であるか否かをチェックイン端末50に通知することもできる。本実施形態によれば、搭乗手続を行ったタイミングで通知するため、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者であることを円滑に通知することができる。
【0126】
なお、本実施形態のようにチェックイン端末50に対して通知を行うとともに、第1実施形態のように携帯端末30に対して通知を行うこともできるし、チェックイン端末50及び携帯端末30のいずれか一方のみに通知を行うこともできる。
【0127】
なお、上記では、チェックイン端末50に対して通知を行う場合を例に説明したが、通知を行う端末はこれに限定されるものではない。例えば、顔認識機能を有するデジタルサイネージ端末に対して通知を行うこともできる。この場合、例えば、当該国の空港の構内等においてデジタルサイネージ端末が設置される。審査場Aに向かうべき渡航者Pは、デジタルサイネージ端末の前を通過しうる。渡航者Pがデジタルサイネージ端末の前を通過すると、デジタルサイネージ端末は、そのカメラ等により、渡航者Pの生体情報として渡航者Pの顔画像を取得して、取得した渡航者Pの生体情報を通知サーバ10にネットワークNW1を介して送信する。通知サーバ10は、送信された渡航者Pの生体情報と、管理サーバ20の渡航履歴情報DB206aの渡航履歴情報又は事前登録情報DB206bの事前登録情報に含まれる生体情報とを照合して、デジタルサイネージ端末の前を通過した渡航者Pを特定する。通知サーバ10は、特定した渡航者Pについて、上記の場合と同様に、自動化ゲート40の対象者であるか否かを判定して判定結果を示す通知を生成する。次いで、通知サーバ10は、生成した通知をデジタルサイネージ端末にネットワークNW1を介して送信する。デジタルサイネージ端末は、通知サーバ10から通知を受信すると、通知内容に応じて、渡航者Pが自動化ゲート40の対象者である旨を示す通知、又は渡航者Pが自動化ゲート40の対象者でない旨を示す通知をそのディスプレイに表示する。デジタルサイネージ端末の前を通過する渡航者Pは、デジタルサイネージ端末のディスプレイに表示された通知により、自己が自動化ゲート40の対象者であるか否かを認識することができる。
【0128】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した情報処理装置は、さらに他の実施形態によれば、図12に示すように構成することもできる。図12は、他の実施形態による通知システムの構成を示すブロック図である。
【0129】
図12に示すように、他の実施形態による通知システム1000は、通知装置1100と、通知装置1100と通信可能な端末1200とを含む。
【0130】
通知装置1100は、渡航者が自動化ゲートの対象者であるか否かを判定する判定部1102と、渡航者が自動化ゲートの対象者であるか否かを示す通知を端末1200に送信する通知部1104とを有する。
【0131】
端末1200は、渡航者が携帯する携帯端末、渡航者が搭乗手続を行うチェックイン端末又はデジタルサイネージ端末である。端末1200は、通知を受信する受信部1202と、通知を表示する表示部1204とを有する。
【0132】
他の実施形態によれば、渡航者が自動化ゲートの対象者であるか否かを、渡航者の携帯端末、渡航者が搭乗手続きを行うチェックイン端末又はデジタルサイネージ端末である端末1200に通知する。このため、他の実施形態によれば、渡航者が自動化ゲートの対象者であることを円滑に通知することができる。
【0133】
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。
【0134】
例えば、上記実施形態では、通知サーバ10と、管理サーバ20とが別個のサーバである場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。単一のサーバを、通知サーバ10及び管理サーバ20として機能するように構成することもできる。また、携帯端末30、チェックイン端末50、デジタルサイネージ端末等の端末自体を、通知サーバ10として機能するように構成することもできる。
【0135】
また、上記実施形態では、出入国審査が行われる審査場Aにおいて自動化ゲート40の対象者であるか否かを通知する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。本発明による通知システムは、生体情報を取得して利用するあらゆる場合に適用することができる。本発明による通知システムは、例えば、施設、会場等の出入場口において出入場の許否を自動的に審査する自動化ゲートの対象者であるか否かを通知する場合に広く適用することができる。
【0136】
また、上記の各実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記録媒体に記録させ、該記録媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記録媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のコンピュータプログラムが記録された記録媒体はもちろん、そのコンピュータプログラム自体も各実施形態に含まれる。
【0137】
該記録媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。また、該記録媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS(Operating System)上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。
【0138】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0139】
(付記1)
渡航者が自動化ゲートの対象者であるか否かを判定する判定部と、
前記渡航者が前記自動化ゲートの対象者であるか否かを示す通知を、前記渡航者が携帯する携帯端末に送信する通知部とを有する通知装置。
【0140】
(付記2)
前記判定部は、前記渡航者の事前登録情報に基づき、前記渡航者が前記自動化ゲートの対象者であるか否かを判定する付記1記載の通知装置。
【0141】
(付記3)
前記判定部は、前記渡航者の渡航履歴に基づき、前記渡航者が前記自動化ゲートの対象者であるか否かを判定する付記1記載の通知装置。
【0142】
(付記4)
前記判定部は、前記渡航者の渡航履歴である所定の期間における渡航回数に基づき、前記渡航者が前記自動化ゲートの対象者であるか否かを判定する付記1記載の通知装置。
【0143】
(付記5)
前記判定部は、前記渡航者の渡航履歴である所定の期間における渡航回数が所定値を超えている場合、前記渡航者が前記自動化ゲートの対象者であると判定する付記1記載の通知装置。
【0144】
(付記6)
前記通知部は、入国又は出国に関連して前記携帯端末が操作されたタイミングにおいて前記携帯端末に対して前記通知を送信する付記1乃至5のいずれかに記載の通知装置。
【0145】
(付記7)
前記通知部は、前記渡航者により出入国カード情報又は旅券情報が前記携帯端末に入力されたタイミングにおいて前記携帯端末に対して前記通知を送信する付記6記載の通知装置。
【0146】
(付記8)
前記通知部は、前記携帯端末により入国又は出国に関連して支払いが必要な税のモバイル決済が実行されたタイミングにおいて前記携帯端末に対して前記通知を送信する付記6又は7に記載の通知装置。
【0147】
(付記9)
前記通知部は、前記携帯端末の位置に関する情報に基づくタイミングにおいて前記携帯端末に対して前記通知を送信する付記1乃至8のいずれかに記載の通知装置。
【0148】
(付記10)
前記通知部は、前記携帯端末を携帯する前記渡航者が前記自動化ゲートに接近したタイミングにおいて前記携帯端末に対して前記通知を送信する付記1乃至9のいずれかに記載の通知装置。
【0149】
(付記11)
渡航者が自動化ゲートの対象者であるか否かを判定する判定部と、
前記渡航者が前記自動化ゲートの対象者であるか否かを示す通知を、前記渡航者が搭乗手続を行うチェックイン端末に送信する通知部とを有する通知装置。
【0150】
(付記12)
前記通知部は、前記チェックイン端末で前記渡航者の前記搭乗手続が行われたタイミングにおいて前記チェックイン端末に対して前記通知を送信する付記11記載の通知装置。
【0151】
(付記13)
渡航者が自動化ゲートの対象者であるか否かを判定する判定部と、
前記渡航者が前記自動化ゲートの対象者であるか否かを示す通知を、デジタルサイネージ端末に送信する通知部とを有する通知装置。
【0152】
(付記14)
通知装置と通信可能な端末であって、
前記通知装置は、
渡航者が自動化ゲートの対象者であるか否かを判定する判定部と、
前記渡航者が前記自動化ゲートの対象者であるか否かを示す通知を前記端末に送信する通知部とを有し、
前記端末は、
前記渡航者が携帯する携帯端末であり、
前記通知を受信する受信部と、
前記通知を表示する表示部とを有する端末。
【0153】
(付記15)
通知装置と、前記通知装置と通信可能な端末とを含み、
前記通知装置は、
渡航者が自動化ゲートの対象者であるか否かを判定する判定部と、
前記渡航者が前記自動化ゲートの対象者であるか否かを示す通知を前記端末に送信する通知部とを有し、
前記端末は、
前記渡航者が携帯する携帯端末であり、
前記通知を受信する受信部と、
前記通知を表示する表示部とを有する通知システム。
【0154】
(付記16)
渡航者が自動化ゲートの対象者であるか否かを判定し、
前記渡航者が前記自動化ゲートの対象者であるか否かを示す通知を、前記渡航者が携帯する携帯端末に送信する通知方法。
【0155】
(付記17)
コンピュータに、
渡航者が自動化ゲートの対象者であるか否かを判定し、
前記渡航者が前記自動化ゲートの対象者であるか否かを示す通知を、前記渡航者が携帯する携帯端末に送信する
ことを実行させるプログラムが記録された記録媒体。
【0156】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0157】
この出願は、2018年5月22日に出願された日本出願特願2018-097937を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0158】
1…通知システム
10…通知サーバ
20…管理サーバ
30…携帯端末
40…自動化ゲート
50…チェックイン端末
NW1…ネットワーク
NW2…移動体通信網
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12