(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】学習支援システム、学習支援方法及び学習支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 19/00 20060101AFI20231212BHJP
G09B 5/02 20060101ALI20231212BHJP
G09B 7/02 20060101ALI20231212BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20231212BHJP
【FI】
G09B19/00 H
G09B5/02
G09B7/02
G06Q50/20 300
(21)【出願番号】P 2022033330
(22)【出願日】2022-03-04
【審査請求日】2023-07-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515062647
【氏名又は名称】外山 弘道
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】外山 弘道
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-168556(JP,A)
【文献】特開2021-043241(JP,A)
【文献】特開2018-146799(JP,A)
【文献】特開2015-043097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00- 9/56
G09B 17/00-19/26
G06Q 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験問題に関する学習を支援する学習支援システムであって、
前記学習支援システムは、採点部、表示処理部
、講義決定部及び、記憶部を備え、
前記記憶部は
、1単位の試験に含まれた試験問題の問題番号
と、問題番号毎の正解、配点、解説
、重要度
並びに、1又は複数の分野と、講義情報
と、を
含む試験情報を記憶すると共に、学習者による回答を記憶しており、
前記講義情報は、
1又は複数の分野が対応付けられた単元別の体系的な学習に用いられる講義の為のコンテンツそのもの又は、前記コンテンツにアクセスする為のリンクであり、
前記講義決定部は、前記問題番号に対応付けられた分野、及び、前記講義情報に対応付けられた分野に基づいて、前記問題番号毎に学習すべき講義情報を決定し、
前記採点部は、前記試験情報及び前記回答に基づいて採点を行い、
前記表示処理部は、学習者より、不正解の問題中の最重要問題に対する再挑戦要求を受け付け、
前記不正解の問題のうち、前記重要度が最も高い最重要問題について
、前記講義決定部が決定した前記講義情報を表示処理する、
学習支援システム。
【請求項2】
前記表示処理部は、前記再挑戦要求を受け付けると、前記最重要問題に対応する前記講義情報と共に、前記最重要問題の回答画面又は前記回答画面のリンクを表示処理する、
請求項1に記載の学習支援システム。
【請求項3】
前記記憶部は、問題番号に対応する前記講義情報毎に対応度を記憶しており、
表示処理部は、前記対応
度に基づいて1又は複数の前記講義情報を表示処理する、
請求項1又は請求項2に記載の学習支援システム。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記最重要問題について複数提供者分の講義情報が参照可能な場合、複数の前記講義情報を選択可能に表示処理する、
請求項1~3の何れかに記載の学習支援システム。
【請求項5】
試験問題に関する学習を支援する学習支援プログラムであって、
前記学習支援プログラムは、コンピュータを、採点
部、表示処理部
、及び講義決定部として機能させ、
前記コンピュータの記憶部は
、1単位の試験に含まれた試験問題の問題番号
と、問題番号毎の正解、配点、解説
、重要度
並びに、1又は複数の分野と、講義情報
と、を
含む試験情報を記憶すると共に、学習者による回答を記憶しており、
前記講義情報は、
1又は複数の分野が対応付けられた単元別の体系的な学習に用いられる講義の為のコンテンツそのもの又は、前記コンテンツにアクセスする為のリンクであり、
前記講義決定部は、前記問題番号に対応付けられた分野、及び、前記講義情報に対応付けられた分野に基づいて、前記問題番号毎に学習すべき講義情報を決定し、
前記採点部は、前記試験情報及び前記回答に基づいて採点を行い、
前記表示処理部は、学習者より、不正解の問題中の最重要問題に対する再挑戦要求を受け付け、
前記不正解の問題のうち、前記重要度が最も高い最重要問題について
、前記講義決定部が決定した前記講義情報を表示処理する、
学習支援プログラム。
【請求項6】
学習支援システムを用いて、試験問題に関する学習を支援する学習支援方法であって、
前記学習支援システムは、採点部、表示処理部
、講義決定部及び、記憶部を備え、
前記記憶部が
、1単位の試験に含まれた試験問題の問題番号
と、問題番号毎の正解、配点、解説
、重要度
並びに、1又は複数の分野と、講義情報と、を
含む試験情報を記憶するステップと、
学習者による回答を記憶するステップと、を有し、
前記講義情報は、
1又は複数の分野が対応付けられた単元別の体系的な学習に用いられる講義の為のコンテンツそのもの又は、前記コンテンツにアクセスする為のリンクであり、更に、
前記講義決定部が、前記問題番号に対応付けられた分野、及び、前記講義情報に対応付けられた分野に基づいて、前記問題番号毎に学習すべき講義情報を決定するステップと、
前記採点部が、前記試験情報及び前記回答に基づいて採点するステップと、
前記表示処理部が、学習者より、不正解の問題中の最重要問題に対する再挑戦要求を受け付けるステップと、
前記不正解の問題のうち、前記重要度が最も高い最重要問題について
、前記講義決定部が決定した前記講義情報を表示処理するステップと、を有する、
学習支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習支援システム、学習支援方法及び学習支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、単元や問題の重要度に基づいて学習者を指導することが行われてきた。問題集や参考書では、問題毎に重要度の目安を表示したり、重要な問題から順に記載したりすることで、学習の効率を高めていた。
【0003】
例えば、特許文献1には、重要度が設定された問題及び正答を含むコンテンツを管理者から受け付け、重要度に基づいて問題を抽出する学習管理サーバ装置が記載されている。
【0004】
例えば、特許文献2には、ユーザ別の問題実施時期と正誤結果等に基づいて所定の優先順位で出題すべき問題を抽出する復習手段を備える学習支援システムが記載されている。
【0005】
例えば、特許文献3には、分析情報を通じて各ユーザの特色を出すことができ、試験に対する分析を行う労力を削減できる学習支援システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-43097号公報
【文献】再公表特許WO2006/134986号公報
【文献】特開2019-168556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、試験問題を採点する際には、問題番号毎に対応付けられた正解及び、解説を読み、間違えた理由の確認を行う。しかしながら、解説はあくまで試験問題についての解法や特に重要な事項等を説明しているにすぎず、間違えた単元についての部分的な復習にしか活用することができない。従来技術は、間違えた箇所を再度回答することはできるものの、間違えた単元についての理解を深めたり、理解度を確かめる意味では、十分でない。
【0008】
現状、学習者は、例えば、手元に参考書等を準備しておき、参考書の中から学習が必要な、間違えた問題に関する単元を探し出して、復習を行う。しかしながら、問題が複数の単元に関する場合、学習者は復習に際して、参考書中から複数の箇所を探し出して学習する必要があり、復習の効率に対して改善の余地があると把握される。
【0009】
本発明は上記のような実情に鑑みて、試験問題に関する学習を効率化する学習支援システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記発明を解決するために、本発明は、試験問題に関する学習を支援する学習支援システムであって、前記学習支援システムは、採点部、表示処理部及び、記憶部を備え、前記記憶部は、試験情報として、1単位の試験に含まれた試験問題の問題番号、問題番号毎の正解、配点、解説及び重要度並びに、問題番号に対応する講義情報を記憶すると共に、学習者による回答を記憶しており、前記講義情報は、単元別の体系的な学習に用いられる講義の為のコンテンツそのもの又は、前記コンテンツにアクセスする為のリンクであり、前記採点部は、前記試験情報及び前記回答に基づいて採点を行い、前記表示処理部は、学習者より、不正解の問題中の最重要問題に対する再挑戦要求を受け付け、前記不正解の問題のうち、前記重要度が最も高い最重要問題について前記講義情報を表示処理する。
【0011】
また、本発明は、試験問題に関する学習を支援する学習支援プログラムであって、前記学習支援プログラムは、コンピュータを、採点部及び、表示処理部として機能させ、前記コンピュータの記憶部は、試験情報として、1単位の試験に含まれた試験問題の問題番号、問題番号毎の正解、配点、解説及び重要度並びに、問題番号に対応する講義情報を記憶すると共に、学習者による回答を記憶しており、前記講義情報は、単元別の体系的な学習に用いられる講義の為のコンテンツそのもの又は、前記コンテンツにアクセスする為のリンクであり、前記採点部は、前記試験情報及び前記回答に基づいて採点を行い、前記表示処理部は、学習者より、不正解の問題中の最重要問題に対する再挑戦要求を受け付け、前記不正解の問題のうち、前記重要度が最も高い最重要問題について前記講義情報を表示処理する。
【0012】
また、本発明は、学習支援システムを用いて、試験問題に関する学習を支援する学習支援方法であって、前記学習支援システムは、採点部、表示処理部及び、記憶部を備え、前記記憶部が、試験情報として、1単位の試験に含まれた試験問題の問題番号、問題番号毎の正解、配点、解説及び重要度を記憶するステップと、問題番号に対応する講義情報を記憶するステップと、学習者による回答を記憶するステップと、を有し、前記講義情報は、単元別の体系的な学習に用いられる講義の為のコンテンツそのもの又は、前記コンテンツにアクセスする為のリンクであり、更に、前記採点部が、前記試験情報及び前記回答に基づいて採点するステップと、前記表示処理部が、学習者より、不正解の問題中の最重要問題に対する再挑戦要求を受け付けるステップと、前記不正解の問題のうち、前記重要度が最も高い最重要問題について前記講義情報を表示処理するステップと、を有する。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記表示処理部は、前記再挑戦要求を受け付けると、前記最重要問題に対応する前記講義情報と共に、前記最重要問題の回答画面又は前記回答画面のリンクを表示処理する。
また、前記記憶部は、問題番号に対応する前記講義情報毎に対応度を記憶しており、表示処理部は、前記対応度に基づいて1又は複数の前記講義情報を表示処理する。
【0014】
このような構成とすることで、不正解だった試験問題のうち、特に重要な問題について学習を行ったうえで再挑戦を行うことが可能となる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記記憶部は、前記表示処理部は、前記最重要問題について複数提供者分の講義情報が参照可能な場合、複数の前記講義情報を選択可能に表示処理する。
【0016】
このような構成とすることで、複数の提供者が提供する講義を利用して、再学習を行うことができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、本発明の好ましい形態では前記学習支援システムは、講義決定部を備え、前記記憶部は、前記講義情報として、1又は複数の分野が対応付けられた講義情報を記憶すると共に、前記問題毎に対応付けられた1又は複数の分野を記憶しており、講義決定部は、前記問題番号に対応付けられた分野及び、前記講義情報に対応付けられた分野に基づいて、前記問題番号毎に学習すべき、前記対応する講義情報を決定する。
【0018】
このような構成とすることで、試験問題の問題番号毎に講義を対応付けする必要がなくなり、分野を利用して、効率的に講義の対応付けや差し替えなどを行うことができる。
【0019】
本発明は、試験問題に関する学習を効率化する学習支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】一実施形態のシステムの構成を示すブロック図。
【
図2】一実施形態のシステムのハードウェア構成図。
【
図5】一実施形態の学習手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0022】
例えば、本実施形態では学習支援システム0の構成、動作等について説明するが、実行される方法、装置、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態における学習支援プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよい。本実施形態では、サーバコンピュータである学習支援サーバ1において、学習支援プログラムを起動させる場合について説明する。
【0023】
<システム構成>
図1は、一実施形態のシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、学習支援システム0は、学習支援サーバ1、複数の学習者端末2及び、複数の提供者端末3を備える。学習支援サーバ1は、学習者端末2及び提供者端末3と通信ネットワークNWを介して通信可能に構成されている。通信ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0024】
学習支援サーバ1としては、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。また、複数のコンピュータを用いて学習支援サーバ1を構成することも可能である。学習者端末2及び提供者端末3として、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等を利用することができる。なお、学習者端末2及び提供者端末3は、学習支援サーバ1に対してリクエストを行い、レスポンスを受け取る為のアプリケーションを有する。
【0025】
本実施形態では、学習プラットフォームサービスが、ウェブアプリケーションとして提供される場合について説明する。そのため、学習者端末2及び提供者端末3はアプリケーションとしてWebブラウザを有している。学習者端末2及び提供者端末3はアプリケーションとして学習プラットフォームを利用する為のネイティブアプリを有していてもよい。
【0026】
学習者端末2は、学習プラットフォームを利用して、学習を行うユーザ(学習者と呼称する)が利用する端末を指す。提供者端末3は、学習の為のコンテンツを登録などするユーザ(提供者と呼称する)を利用する端末を指す。
【0027】
なお、本実施形態では、図示しない管理者端末によって、国家試験の過去問に関する試験情報として、試験名、試験問題の問題番号、問題番号毎の正解、配点が登録され、提供者は、試験情報として、試験問題毎に、提供者独自の講義や解説を設定すると共に、講義や解説などへのアクセス権を学習者に向けて販売するものとする。典型的には、提供者は、講義や解説を販売する出版社となる。本実施形態では、提供者は、試験情報として、試験問題毎に、講義、解説及び重要度を設定する。
【0028】
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態におけるハードウェア構成図である。
図2(a)は、学習支援サーバ1のハードウェア構成の一例を示す図である。学習支援サーバ1は、ハードウェア構成として、処理部101と、記憶部102と、通信部103と、を備える。
【0029】
処理部101は、CPU等の1又は2以上のプロセッサを含み、本発明に係る学習支援プログラム、OSやWebブラウザ、その他のアプリケーションを実行することで、学習支援サーバ1の動作処理全体を制御する。
【0030】
記憶部102は、HDD、ROM、RAM等であって、本発明に係る学習支援プログラム及び、処理部101がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。処理部101が、記憶部102に記憶されている学習支援プログラムに基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0031】
通信部103は、通信ネットワークNWとの通信制御を実行して、学習支援サーバ1を動作させるために必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0032】
図2(b)は、は端末9(学習者端末2及び提供者端末3)のハードウェア構成の一例を示す図である。端末9はハードウェア構成として、処理部91と、記憶部92と、通信部93と、入力部94と、出力部95と、を備える。
【0033】
端末9の処理部91は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、端末9の動作処理全体を制御する。端末9の記憶部92は、HDD、ROM、RAM等であって、学習支援サーバ1を操作する為のアプリケーション等を記憶する。端末9の通信部93は、通信ネットワークNWとの通信を制御する。端末9の入力部94は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、ユーザによる操作要求を処理部91に入力する。端末9の出力部95は、ディスプレイ等であって、処理部91の処理の結果等を表示する。
【0034】
<学習支援サーバ1の機能構成要素>
図3に示すように、学習支援サーバ1は、機能構成要素として、登録部11、表示処理部13、採点部15及び、講義決定部17を備える。
【0035】
登録部11は、端末から送信された情報を記憶部102に格納する。本実施形態では、図示しない管理者端末からの入力に基づいて、試験情報を記憶部102に格納する。
【0036】
図4は記憶部102に格納されたデータ構成図である。試験情報は、1単位の試験に含まれた試験問題の問題番号群並びに、試験問題毎の正答及び配点を有している。
図4(a)(b)に例示する試験情報は、「第XXX回医師国家試験」の試験問題であり、合計で4回の試験(A~D)を含む。問題A~D(試験A~D)の各回はそれぞれ135分、150分、90分、150分の制限時間がある。ここで問題Aの001番(問題番号「A001」)は、A~Eの回答枝を持ち、正答はD、配点は2点となる。図示例では、試験を識別する為のID及び問題番号によって問題が一意に特定されるが、試験問題を識別する為のIDが問題番号(A001~)のそれぞれに設定されてよい。
【0037】
記憶部102は、学習プラットフォームを学習者端末2及び、提供者端末3において表示処理する為のリソース情報を有する。本実施形態では、リソース情報は、例えば、所定のマークアップ言語(例えば、HTML(Hyper Text Markup Language))により記述された文書、CSS(Cascading Style Sheets)、Webブラウザ上で動作するプログラム(例えば、JavaScript(登録商標))、画像等を含み得る。
【0038】
表示処理部13は、端末からの要求に応じて、リソース情報及び/又は必要な情報を用いて学習プラットフォームの各種画面及び情報を表示処理し、表示処理結果を返送する。本実施結果では、表示処理部13は、URL(Uniform Resource Locator)により指定され、運用・管理している学習プラットフォームの各種画面及び情報を、要求(リクエスト)された端末において閲覧可能に提供する。
【0039】
採点部15は、試験情報に基づいて学習者の回答を採点し、採点結果を履歴情報として記憶する。履歴情報は、例えば、学習者が不正解だった問題を特定可能な情報を含んでいればよい。
【0040】
図4(c)に例示する履歴情報は、学習者、試験、各試験問題に対する回答結果(選択した枝番号等)を示す情報を含んでおり、学習者UUUUが、
図4(a)に示す第XXX回医師国家試験のA問題について受験し、その得点が78点であることを示している。回答結果は、例えば、すべての試験問題の枝番号を含まなくてもよく、例えば、正解又は不正解の枝番号であってよい。
【0041】
講義決定部17は、分野に基づいて、試験問題毎に学習すべき講義情報を決定する。講義情報の決定については、後述する。
【0042】
<学習の手順>
次いで、
図5~9を用いて、学習支援システム0を用いた学習の手順について処理詳細について説明する。
【0043】
図5は、学習の手順を示したフローチャートである。学習者端末2には、図示しない試験一覧ページが表示されている。試験一覧ページには、当該学習者が学習可能な試験が表示されている。
【0044】
S501では、学習者は、試験一覧ページにおいて、学習したい試験問題を指定する。表示処理部13は、学習者端末2から学習したい試験問題の指定を受け付けると、
図6(a)に示すような、試験問題のトップページを表示処理する。
【0045】
具体的には、例えば、学習者端末2が試験問題のトップページを表示処理要求すると、表示処理部13は、試験問題のトップページを表示する為のリソース情報及び必要な情報(図示例では、試験情報に含まれた試験名称や時間、履歴情報に含まれた過去の学習履歴等)を決定し(表示処理し)、学習者端末2に返送する。表示処理結果(必要なリソース情報及び試験情報)を受け取った学習者端末2(webブラウザ)は、表示処理結果を用いて、試験問題のトップページを表示させる。以降では、不明にならない範囲でリソース情報の介在については説明を省略する。
【0046】
トップページW1は、受験ボタンW11、再挑戦ボタンW12、重要問題再挑戦ボタンW13(ワンナビボタン)及び、学習履歴W14を有している。学習履歴W14は、表示処理部13が履歴情報に基づいて表示処理した過去の学習データ(日時、得点、回答時間等)を有し、また、表示処理部13に対して、図示しない採点結果画面の表示処理要求を行う為のリンクを有している。なお、図示しない画面を介して、提供者は、試験問題の問題番号毎に解説を登録できる。解説は、問題毎の解法等を示すテキスト又は画像を含む。採点結果画面等において、解説又は解説を確認する為のリンクが表示処理されてよい。
【0047】
S502では、学習者は学習方法を指定する。学習者が受験ボタンW11を押下した場合(S503でNO)、学習者端末2は、学習支援サーバ1に対して、当該試験に含まれた全ての試験問題に対して回答を入力可能な回答画面(全部)の表示処理要求を行う。表示処理部13は当該試験の試験情報に基づいて、学習者が試験問題に回答する為の回答画面を表示処理し、表示処理結果を送信することで、学習者端末2において、
図6(b)に示すような回答画面が表示される(S505)。
【0048】
利用者が、回答画面を介して回答を入力・送信すると、採点部15は、回答結果を受け取り、採点を行うと共に、履歴情報を格納する(S506)。
図6(c)は、学習者が新たに受験ボタンW11を押下して受験(学習)を行った後のトップページW1の画面表示例であり、新たな学習履歴W14が追加されていることがわかる。
【0049】
ここで、学習者が、ある試験に関して、複数組の講義や解説(試験情報(提供者):提供者により登録される試験情報)を利用可能な場合には、学習に取り掛かる前に、表示処理部13は、使用する試験情報(提供者)を選択可能に表示処理する。学習で使用される講義、解説、重要度等の1又は複数は、ここで選択された試験情報(提供者)によって決定できる。本実施形態では、図示しない提供者選択画面において選択された試験情報(提供者)の解説を採点結果画面等において表示処理し、選択された試験情報(提供者)の重要度を最重要問題(後述)の決定に利用する。
【0050】
<分野の登録>
表示処理部13は、提供者端末3から分野を登録したい試験問題の指定を受け付け、
図7(a)に示すような、分野登録画面W3を表示処理する。分野登録画面W3は、分野名入力欄W31、登録ボタンW32及び、キャンセルボタンW33を有する。
【0051】
登録ボタンW32が押下されると、登録部11は、提供者端末3による分野名入力欄W31への入力に基づいて、学習の分野を分野情報として記憶部102に格納する。
図4(d)に例示する分野情報は、「第XXX回医師国家試験」の試験問題に対して、ある提供者(提供者ID:PPPP)が複数の分野(分野番号1、2)を登録していることを示している。好ましくは、分野毎に、分野の内容を示す分野名が対応付けられている。
【0052】
<講義の登録>
表示処理部13は、提供者端末3から講義を登録したい試験問題の指定を受け付け、
図7(b)に示すような、講義画面W4を表示処理する。講義画面W4は、講義一覧W41、追加ボタンW42及び、キャンセルボタンW43を有する。講義一覧W41は、登録されている講義情報を示す。追加ボタンW42が押下されると、表示処理部13は、
図7(c)に示すような、講義追加画面W5を表示処理する。講義追加画面W5は、講義名入力欄W51、講義リンク入力欄W52、分野・対応度入力欄W53、登録ボタンW54及び、キャンセルボタンW55を有する。
【0053】
登録ボタンW54が押下されると、登録部11は、提供者端末3による講義名入力欄W51、講義リンク入力欄W52及び、分野・対応度入力欄W53への入力に基づいて、学習を行う為の情報であって、複数の分野、対応度を対応付け可能な講義情報を記憶部102に格納する。また、表示処理部13は、
図7(d)に示すような、講義画面W4を表示処理する。
図7(d)は、提供者が新たに講義を登録した後の講義画面W4の画面表示例であり、新たな講義が講義一覧W41に追加されていることがわかる。
【0054】
講義情報は、単元別の体系的な学習に用いられる講義の為のコンテンツそのもの又は、コンテンツにアクセスする為のリンクである。
図4(e)に例示する講義情報は、「第XXX回医師国家試験」の試験問題に対して、ある提供者(提供者ID:PPPP)が複数の講義(講義番号1、2)を登録していることを示している。本実施形態では、講義毎に最大3つの分野が登録可能であるが、講義毎に1、2又は4以上の分野が登録可能であってもよい。講義リンクは、学習者が学習を行う為のWebページのURLである。URLでアクセスできるウェブページでは、例えば、動画や画像、テキスト等任意の学習用コンテンツが閲覧可能になされる。
【0055】
分野・対応度入力欄W53には、講義に含まれた分野と、分野ごとの対応が入力される。例えば、
図7(c)の例では、講義Bは、分野番号2(
図7(a)における「診察の基本」)及び、分野番号3(
図7(a)における「治療の基礎」)が対応付けされており、それぞれ対応度が70、30と設定されている。例えば、講義リンクから参照できる学習用コンテンツが、「診察の基本」と「治療の基礎」の2つの分野に関するコンテンツであり、そのコンテンツ量的な比率が7:3程度であると、提供者が評価しているような状態を意味する。対応度の意味解釈は任意であり、その他の意味解釈で数値設定されてもよい。
【0056】
また、編集ボタン(図示例では、講義一覧W41の講義番号)が指定されると、表示処理部13は、講義追加画面W5を表示処理する。講義編集画面は、講義追加画面W5とおよそ同様の画面構成であり、登録済の講義情報に基づいて、各入力欄にテキストがセットされた状態で表示される。
【0057】
<問題への講義の対応付け>
表示処理部13は、提供者端末3から試験問題毎に分野を登録したい試験問題の指定を受け付け、
図8(a)に示すような、問題・講義画面W6を表示処理する。問題・講義画面W6は、問題一覧W61を有する。問題一覧W61は、問題番号、試験問題に対して対応付けされた分野、講義及び、対応率を一覧表示する。図示例では、問題番号A001、A002の試験問題に対して、分野及び講義が対応付けされており、A003~A005が未登録(対応付けされていない)状態である。
【0058】
編集ボタン(図示例では、問題一覧W61の問題番号)が指定されると、表示処理部13は、
図8(b)に示すような、問題・分野登録画面W7を表示処理する。問題・分野登録画面W7は、分野・対応度入力欄W71、登録ボタンW72及び、キャンセルボタンW73を有する。
【0059】
登録ボタンW72が押下されると、講義決定部17は、提供者端末3によって分野・対応度入力欄W71へ入力された分野及び、講義情報に対応付けられた分野に基づいて、問題番号毎に学習すべき1又は複数の講義情報を決定し、試験情報として記憶部102に格納する。
【0060】
図4(e)の例では、講義番号2の講義に分野番号2及び3が対応付けされている。また、問題番号A001の分野・対応度入力欄W71にも分野番号2及び3が入力されたとする。その場合、
図4(f)に例示するように、問題番号A001に対して、それらに基づいて講義決定部17が決定した講義(講義番号2)対応付けられる。
【0061】
<対応率の算出>
この時、講義決定部17は、講義情報の対応度に基づいて、試験問題に対する講義情報の対応率を決定する。より好ましくは、講義決定部17は、更に、問題番号毎の分野の対応度及び、講義毎の分野の対応度に基づいて、問題番号に対応付けされる講義毎の対応率を決定する。問題・分野登録画面W7から問題番号A001に対しては、分野番号2が対応度90、分野番号3が対応度10として登録されたとする。一方で、講義番号2は、分野番号2の対応度が70及び分野番号3の対応度が30として登録されている。そのため、問題番号A001に対する講義番号2の対応率は、[(0.9*0.7)+(0.1*0.3)]=0.66(66(%))となる。好ましくは、講義決定部17は、対応率が最大となる講義の組み合わせに基づいて、試験問題に対応付けする講義を決定してよい。また、対応率が一定以下の試験問題がある場合、提供者に対して通知を行い、講義の追加や、分野の追加、講義や問題毎の対応度の修正等を行わせてもよい。
【0062】
また、登録ボタンW72が押下されると、表示処理部13は、
図8(c)に示すような、問題・講義画面W6を表示処理する。
図8(c)は、提供者が新たに問題番号に対して講義を登録した後の講義画面W4の画面表示例であり、問題一覧W61において、新たな試験問題(図示例ではA003)に追加されていることがわかる。
【0063】
図4(f)に例示する試験情報は、「第XXX回医師国家試験」の問題番号A001に対して、ある提供者(提供者ID:PPPP)が1つの講義(講義B)を対応付けしており、問題番号A002に対して2つの講義(講義C、D)が対応付けしていることを示している。1つの試験問題に対して、複数の講義が対応付けされてもよい(例えば、
図8(a)における問題番号A002の試験問題)。なお、図示しない画面を介して、提供者は、試験問題群における問題毎の重要度を登録できる。重要度は例えば数値であり、一例では、数値が大きいほど、問題が重要であるとする。なお、重要度は、図示しない管理者端末によって要録されてもよいし、本実施形態のように提供者端末3から設定可能として、提供者毎に異ならせるように構成してもよい。重要度は、試験問題群において問題番号毎に一意に割り付けされても良いし、重複が許容されてもよい。
【0064】
<講義を用いた再学習(重要問題再挑戦)>
表示処理部13は、学習者より、不正解の試験問題中の最重要問題に対する再挑戦要求を受け付け、不正解の問題のうち、重要度が最も高い最重要問題について講義情報を表示処理する。表示処理部13は、再挑戦要求を受け付けると、最重要問題に対応する講義情報と共に、最重要問題の回答画面又は回答画面のリンクを表示処理する。本実施形態では、
図5のS502では、学習者は学習方法を指定する。ここで、学習者が重要問題再挑戦ボタンW13を押下した場合(S503でYES)、表示処理部13は、講義画面W8を表示処理し、表示処理結果を学習者端末2に送信する。ここで、表示処理部13は、最重要問題について複数の講義情報(提供者)が参照可能な場合、複数の講義情報を選択可能且つ、提供者を識別可能に表示処理する。本実施形態では、講義を表示する為の講義画面W8を表示処理し、表示処理結果を学習者端末2に送信する。
【0065】
重要問題再挑戦ボタンW13が押下された場合、表示処理部13は、履歴情報から不正解だった試験問題のうち、最も重要度が高い問題1問を試験情報から検索処理して最重要問題とし、検索処理結果を受け取って、講義画面W8に表示処理する。試験問題群において重要度の重複が許容される場合、重要度の最も重要度が高い複数の問題が最重要問題として決定されてもよいし、その中から所定の条件(例えば、問題番号が最も若いもの、遅いもの等)に基づいて決定される1の問題を、最重要問題として決定してもよい。
【0066】
講義画面W8は、提供者(図示例では、「PP出版」)が試験問題に対して提供する講義の講義一覧W81、重要問題再挑戦ボタンW82(ワンナビ試験ボタン)及び、戻るボタンW83を有する。記憶部102は、(問題番号に対応する)講義情報毎に対応率を記憶しており、表示処理部13は、この対応率に基づいて1又は複数の講義情報を表示処理する。ここで、図示例では、ある提供者(PP出版)が問題に対して2つの講義(講義A及び講義B)を対応付けし、更に別の提供者(QQ出版)が1つの講義(第1講義)を対応付けする場合について、表示処理部13は講義一覧W81に、ある提供者によって問題に対応付けされる全ての講義を、対応率に基づいてソートして表示処理する。例えば、対応率が最も高い1つの講義や、上位所定数の講義を表示処理するように構成してもよい。戻るボタンW83が押下されると、講義画面W8が再度表示される。講義リンク(図示例では、講義一覧W81の講義名)が押下されると、学習者端末2は、外部のウェブサーバに対して、Webページの表示要求行う。学習者は、回答画面に遷移する前に、講義による学習を行って、問題の復習を行う。重要問題再挑戦ボタンW82が押下されると、表示処理部13は、不正解だった試験問題のうち、最も重要度が高い問題1問に対して回答を入力可能な回答画面(1問)の表示処理要求を行い、
図9(b)に示すような回答画面W9が表示される(S505)。その後は、利用者が、回答画面W9を介して回答を入力・送信すると、採点部15は、回答結果を受け取り、採点を行うと共に、履歴情報を格納する(S506)。
【0067】
<講義を用いた再学習(再挑戦)>
図5のS502で、学習者が再挑戦ボタンW12を押下した場合、表示処理部13は、講義画面W8を表示処理する際に、履歴情報から不正解だった試験問題全てを試験情報から検索処理し、検索処理結果を受け取って、それらの問題に対応付けられた講義を講義画面W8に表示処理する。例えば、表示処理部13は、講義画面W8の画面について、重要度が高い順や問題番号が若い順に、試験問題毎に画面を遷移可能に表示処理してもよいし、タブ等で切り替え可能に表示処理してもよいし、スクロールして複数の試験問題に対する講義リンクを表示可能に表示処理してもよい。
【0068】
本実施形態では、図示しない管理者端末によって、国家試験の過去問に関する試験情報が登録されるものとして説明した。ここで、重要度についても管理者が登録可能に構成してもよい。また、提供者が独自の試験問題を提供可能とする場合等には、試験情報(問題番号、正答、配点、重要度)そのものを、提供者が独自に登録可能に構成されてよい。なお、試験問題の問題文、選択肢及び、別紙・別冊にされた図表についても、試験情報として登録され、表示処理部によって表示処理される構成としてもよい。本実施形態では、試験毎に分野、講義を登録するものとして説明したが、分野や講義を一意に識別するID等で管理し、異なる試験に対しても既に登録した分野や講義を流用可能に構成してもよい。また、試験問題に対して分野を用いて講義を対応付けているが、その他の方法で試験問題に対して講義を対応付けてもよい。例えば、提供者等が試験問題に対して手入力で講義を紐付けても構わない。
【符号の説明】
【0069】
0 :学習支援システム
1 :学習支援サーバ
11 :登録部
13 :表示処理部
15 :採点部
17 :講義決定部
2 :学習者端末
3 :提供者端末
9 :端末
91 :処理部
92 :記憶部
93 :通信部
94 :入力部
95 :出力部
NW :通信ネットワーク