(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/19 20200101AFI20231212BHJP
H05B 47/18 20200101ALI20231212BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B47/18
(21)【出願番号】P 2023014056
(22)【出願日】2023-02-01
(62)【分割の表示】P 2022009353の分割
【原出願日】2018-03-02
【審査請求日】2023-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2017040068
(32)【優先日】2017-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】519147348
【氏名又は名称】株式会社ホタルクス
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】青木 康
(72)【発明者】
【氏名】岡山 康彦
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-505974(JP,A)
【文献】特開2007-233733(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明部と、電源ユニットと、前記照明部を制御する照明制御部と、外部装置と有線により接続される接続部と、外部の端末と通信回線網を介してデータ通信を行う通信モジュールとを有し、
前記接続部は、
前記外部装置との有線接続により、前記電源ユニットから前記外部装置への電力供給を行うとともに、前記照明制御部と前記外部装置との間における照明用の制御信号の入出力を行い、
前記通信モジュールは、
前記接続部を介して前記照明制御部に接続され、前記通信回線網を介して、前記照明制御部と前記外部の端末との間のデータ通信を行うとともに、前記接続部に前記外部装置が接続された場合には、前記通信回線網を介して、前記外部装置と前記外部の端末との間のデータ通信を行うものであって、
前記外部装置はメッセージ自動送信機であって、前記照明制御部が前記照明部の点灯をオフとしたとき、前記通信回線網を介して、メッセージを前記外部の端末に送信する、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記接続部は、前記外部装置に接続されたUSBケーブルを介して電力供給が可能なUSBポートを有する、請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記接続部はさらに、I/Oポート、LANポートおよびUSBポートの少なくとも一つを有する、請求項2に記載のLED照明装置。
【請求項4】
前記通信モジュールは、LAN、インターネットおよび電話回線の少なくとも一つに接続される、請求項1に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機器に接続可能な照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭、公共施設、工場等の様々な場において、LEDや有機EL等の照明装置が使用されている。通常、照明装置は、電力会社から供給される交流電流(AC)を受け取り、変換器を介して直流電流(DC)に変換し、作動する。
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の照明器具は、照明用光源に関し、特に、機能の拡張が可能な照明用光源に関するものであるが、特許文献1の態様では、外部機器との接続が十分でなく、照明装置を、明るさを提供する機器としてだけではなく、全く異なる機能の機器として使用することができず、かつ構成が複雑であるという欠点があった。
【0005】
そこで、本発明は、照明装置の新たな有効利用を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の照明装置は、
照明部と、電源ユニットと、前記照明部を制御する照明制御部と、外部装置と有線により接続される接続部と、外部の端末と通信回線網を介してデータ通信を行う通信モジュールとを有し、
前記接続部は、
前記外部装置との有線接続により、前記電源ユニットから前記外部装置への電力供給を行うとともに、前記照明制御部と前記外部装置との間における照明用の制御信号の入出力を行い、
前記通信モジュールは、
前記接続部を介して前記照明制御部に接続され、前記通信回線網を介して、前記照明制御部と前記外部の端末との間のデータ通信を行うとともに、前記接続部に前記外部装置が接続された場合には、前記通信回線網を介して、前記外部装置と前記外部の端末との間のデータ通信を行うものであって、
前記外部装置はメッセージ自動送信機であって、前記照明制御部が前記照明部の点灯をオフとしたとき、前記通信回線網を介して、メッセージを前記外部の端末に送信する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、照明装置を、明るさを提供する機器としてだけではなく、全く異なる機能の機器としても使用できる。具体的には、例えば、照明装置に供給された電力を、外部機器に出力することで、前記照明装置を他の外部機器に対する電流供給装置としても使用できる。また、外部機器との接続により、照明用の制御信号を前記外部機器に入出力することで、照明装置の制御と外部機器の制御とを連動させることもできる。前述のように、照明装置は、どのような場所にでも設置される必須の機器であることから、このように外部機器との接続を可能とすることによって、外部機器をより簡便に使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態1における照明装置の概略を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の照明装置は、例えば、前記照明部が、LED照明部または有機EL照明部であり、この場合、前記照明装置は、例えば、LED照明装置または有機EL照明装置ともいう。
【0010】
本発明の照明装置は、例えば、前記接続部が、前記外部機器と、有線で接続可能なポートである。
【0011】
本発明の照明装置は、例えば、前記接続部が、コンセントまたはUSBポートである。前記コンセントは、例えば、前記外部機器の電源プラグを差し込み可能な電源コンセントであり、前記USBポートは、例えば、前記外部機器に接続されたUSBケーブルを介して電力供給が可能なUSBポートである。
【0012】
本発明の照明装置は、例えば、さらに、LAN、インターネットおよび電話回線からなる群から選択された少なくとも一つに接続可能な通信モジュールを有し、前記接続部との接続により、前記通信モジュールを介して、前記外部機器は、LAN、インターネットおよび電話回線からなる群から選択された少なくとも一つを経由したデータ通信が可能である。
【0013】
本発明の照明装置は、例えば、前記接続部が、I/Oポート、LANポートおよびUSBポートからなる群から選択された少なくとも一つを含む。
【0014】
本発明の照明装置は、例えば、前記接続部が、さらに、LAN、インターネットおよび電話回線からなる群から選択された少なくとも一つに接続可能な通信モジュールと、無線により接続可能であり、前記接続部と前記通信モジュールとの無線での接続により、前記外部機器は、LAN、インターネットおよび電話回線からなる群から選択された少なくとも一つを経由したデータ通信が可能である。
【0015】
前記通信モジュールは、例えば、SIM、WiFi(登録商標)があげられる。本発明の照明装置がSIMを有する場合、例えば、無線で外部とデータ通信可能であり、本発明の照明装置がWiFiを有する場合、例えば、最寄のWiFiルータ等を介して、無線で外部とデータ通信可能である。このように、外部と無線でデータ通信可能な状況下であれば、本発明の照明装置は、前記外部装置との接続により、前記外部装置に対しても、外部と無線でデータ通信可能とすることができる。
【0016】
本発明の照明装置は、例えば、天井設置用または壁設置用である。
【0017】
本発明の照明装置は、さらに、前記照明部による照明の制御部を有し、前記制御部は、照明用の制御信号により、前記照明部による照明を制御する。前記照明の制御部は、以下、照明制御部ともいう。
【0018】
本発明において、接続対象である前記外部機器は、例えば、さらに、前記外部機器の機能を制御する制御部を有する。前記外部機器の制御部は、以下、外部制御部ともいう。
【0019】
つぎに、本発明の実施形態について、LED照明装置を例にあげて、図を用いて説明する。本発明は、下記の実施形態によって何ら限定および制限されない。各実施形態における説明は、それぞれ、互いを援用できる。
【0020】
(実施形態1)
本発明のLED照明装置の一例について、図を用いて説明する。本実施形態のLED照明装置の概略を、
図1のブロック図に示す。LED照明装置10は、商用電源から電力が供給されるLED電源ユニット101、LED照明部102、照明制御部103、ポート104および通信モジュール105を有する。
【0021】
ポート104は、前記接続部であり、外部機器20と接続可能なポートである。LED照明装置10は、ポート104を介した外部機器20との接続により、LED電源ユニット101から外部機器20に、電力供給が可能であり、また、外部機器20との間におけるLED照明用の制御信号の入出力が可能である。LED照明装置10は、例えば通信モジュール105を有することにより、通信回線網30を介して、外部(例えば、端末40)とデータ通信が可能である。LED照明装置10と外部機器20とは、前述のように、ポート104を介して接続するため、外部機器20も、LED照明装置10と同様に、通信回線網30を介して、外部とデータ通信が可能である。
【0022】
本発明の照明装置は、例えば、天井設置用または壁設置用が好ましい。この形態によれば、例えば、前記外部機器を後付で設置する際、電源、インターネット接続、その他信号線の引込み等、インフラ整備の整っていない天井、壁という空間に対し、本発明の照明装置が、それらを前記外部機器に提供できる。居住空間等において、床面等と比較して、天井および壁は、フリーなスペースが多く存在するため、新たに外部機器を設置する際、邪魔にならないという有利な点もある。
【0023】
(実施形態2)
実施形態2は、本発明のLED照明装置を、子供やペット等の見守りに利用する形態について例示する。特に示さない限り、本実施形態は、前記実施形態1の記載を援用できる。
【0024】
(2-1)
本実施形態のLED照明装置は、例えば、カメラおよびマイクスピーカを有する外部機器20と接続する場合、以下のように使用できる。
【0025】
保護者が不在の家に、子供が帰宅すると、リビングルームに設置されたLED照明装置10の電源をONにする。それに伴い、LED照明装置10に接続された外部機器20(カメラおよびマイクスピーカ)に電力が供給され、外部機器20の電源もONになる。そして、LED照明装置に接続されたカメラ(外部機器20)が、その外部制御部201により制御されることによって、リビングルームの状態を撮影し、撮影データは、インターネット回線(通信回線網30)を介して、保護者が、スマートフォン等の端末40により確認できる。他方、保護者は、例えば、端末40を用いて「宿題は?もうすぐ帰るね。」等と話しかける。この音声のデータが、インターネット回線30を介して、LED照明装置10に送信されると、LED照明装置10が、前記音声のデータを受信し、それがマイクスピーカ(外部機器20)に入力され、マイクスピーカから、その音声を流す。また、子供は、例えば、前記マイクスピーカに向かって、「宿題は終わったよ」等と話しかける。この音声のデータが、LED照明装置10からインターネット回線30を介して、保護者の端末40に送信されると、端末40が前記音声のデータを受信し、その音声を流す。
【0026】
(2-2)
本実施形態のLED照明装置は、例えば、カメラを有する外部機器20と接続する場合、以下のように使用できる。
【0027】
飼い主が不在な状況において、リビングルームで犬を放し飼いにする場合、リビングルームに設置されたLED照明装置10の電源をONにすることで、LED照明装置10に接続されたカメラの電源もONにしておく。そして、飼い主の不在の間、LED照明装置10に接続されたカメラにより、リビングルームにおける犬の状態が撮影され、撮影データは、インターネット回線を介して、飼い主がライブで確認できる。
【0028】
(2-3)
本実施形態のLED照明装置は、例えば、接続対象の外部機器20が、メッセージ自動送信機である。この場合、例えば、LED照明装置10の照明制御部103(例えば、点灯回路)に、外部機器20の外部制御部201が接続可能である。本実施形態のLED照明装置は、例えば、以下のように使用できる。
【0029】
高齢者が一人暮らしの場合に、寝室で、LED照明装置10の点灯をOFFにする。すると、LED照明装置10のLED電源ユニット101を介して、LED照明用の制御信号が、接続されている外部機器20の外部制御部201に入力される。そして、前記制御信号を外部制御部201が受信すると、外部機器20に、「おやすみなさい」というメッセージを、離れて暮らす子供の所定アドレスに発信する制御を実行し、外部機器20から、インターネット回線を介して、「おやすみなさい」のメッセージが送信される。
【0030】
(2-4)
本実施形態のLED照明装置は、例えば、人感センサである外部機器20と接続する場合、以下のように使用できる。
【0031】
介護が必要な老人の自宅の各部屋および廊下等のLED照明機器10に、外部機器20として人感センサを接続する。接続された人感センサには、LED照明装置10から電力が供給される。そして、LED照明機器10に接続された人感センサ20が、感知した人をカウントすると、そのカウントデータは、定期的に、インターネット回線を介して、必要な相手に送信される。必要な相手とは、例えば、見守る側であり、家族、介護者、看護婦等があげられる。
【0032】
(実施形態3)
本実施形態は、本発明のLED照明装置を、案内に利用する形態について例示する。特に示さない限り、本実施形態は、前記実施形態1の記載を援用できる。
【0033】
(3-1)
本実施形態のLED照明装置は、接続対象の外部機器20が、ビーコン端末である。本実施形態のLED照明装置は、例えば、以下のように使用できる。
【0034】
スーパーマーケットの入り口のLED照明機器10に、外部機器20としてビーコン端末を接続する。そして、スマートフォン等の端末40を携帯する買い物客が入口に近づくと、LED照明装置10と接続したビーコン端末20が、買い物客の端末40を検知し、外部制御部201から、端末40に対して、インターネット回線30を介して、プッシュ通知する。プッシュ通知を端末40で受けた買い物客は、スーパーマーケットのクラウドから、お買い得商品、クーポン等の情報を得ることができる。
【0035】
(3-2)
本実施形態のLED照明装置は、接続対象の外部機器20が、ビーコン端末である。本実施形態のLED照明装置は、例えば、以下のように使用できる。
【0036】
空港の天井のLED照明機器10に、外部機器20としてビーコン端を接続する。そして、スマートフォン等の端末40を携帯する旅行客が入口に近づくと、LED照明装置10と接続したビーコン端末20が、旅行客の端末40を検知し、外部制御部201から、端末40に対して、インターネット回線30を介して、プッシュ通知する。プッシュ通知を端末40で受けた旅行客は、空港のクラウドから、フロアガイド、現在地等の情報を得ることができる。
【0037】
(実施形態4)
本実施形態は、本発明のLED照明装置を、エンターテイメントに利用する形態について例示する。特に示さない限り、本実施形態は、前記実施形態1の記載を援用できる。
【0038】
(4-1)
本実施形態のLED照明装置は、例えば、プロジェクターおよびスピーカを有する外部機器20と接続する場合、以下のように使用できる。
【0039】
LED照明装置10は、通信モジュール105により、インターネット回線30を介して、映画等のデータをダウンロードし、外部機器20(プロジェクターおよびスピーカ)により視聴可能とする(ビデオオンデマンド)。このようにLED照明装置10を利用することで、プロジェクターおよびスピーカの配置ならびに配線を固定し常設できる。
【0040】
これらの実施形態は、例示であり、本発明の照明装置が接続可能な外部機器は、この他にも、例えば、カメラ、レーダー、BLEタグ、ルーター、ディスプレイ、各種センサ、PC、タブレット、火災報知機、他の照明器具等があげられる。
【0041】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0042】
この出願は、2017年3月3日に出願された日本出願特願2017-40068を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明によれば、照明装置を、明るさを提供する機器としてだけではなく、全く異なる機能の機器としても使用できる。具体的には、例えば、照明装置に供給された電力を、外部機器に出力することで、前記照明装置を他の外部機器に対する電流供給装置としても使用できる。また、外部機器との接続により、照明用の制御信号を前記外部機器に入出力することで、照明装置の制御と外部機器の制御とを連動させることもできる。前述のように、照明装置は、どのような場所にでも設置される必須の機器であることから、このように外部機器との接続を可能とすることによって、外部機器をより簡便に使用することが可能となる。
【符号の説明】
【0044】
10 LED照明装置
101 LED電源ユニット
102 LED照明部
103 照明制御部
104 ポート
105 通信モジュール
20 外部装置
201 外部制御部
30 通信回線網(インターネット回線)
40 端末