(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】端子台
(51)【国際特許分類】
H01R 9/00 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
H01R9/00 Z
(21)【出願番号】P 2023090815
(22)【出願日】2023-06-01
【審査請求日】2023-09-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000112646
【氏名又は名称】フジコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】岡田 満
(72)【発明者】
【氏名】大島 右京
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-158048(JP,A)
【文献】国際公開第2020/013338(WO,A1)
【文献】実開昭52-130079(JP,U)
【文献】特開昭54-050990(JP,A)
【文献】特開2021-150173(JP,A)
【文献】特開2000-243480(JP,A)
【文献】特開2021-057325(JP,A)
【文献】特表2016-536736(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 9/00-9/22
H01R 4/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子台を構成する端子台本体の端子装入開口に挿入される端子接触部と、前記端子台本体に内蔵されている導電金具との間の電気的接続及びその解除を行う接続-解除機構を前記端子台本体に備えている端子台であって、
前記接続-解除機構は、前記端子台本体内に位置するレバー基端から前記端子台本体の外部へ向かって伸びて前記端子台本体の外部に突出しているレバー先端を、前記レバー基端を中心として回動させることで、前記電気的接続及びその解除を行うレバーを備えてい
て、
前記端子台本体内に前記端子接触部が挿入される挿入方向に直交する上下方向に移動可能で、上方向に向かって上昇することで前記端子接触部の上側面を前記導電金具の下側面に圧接させる支持板と、
前記支持板の下側に配備されていて、前記端子接触部が挿入される前記挿入方向に対して平行な方向であって前記端子接触部の前記挿入方向に直交する方向に伸びている第一の旋回支持軸と、
前記第一の旋回支持軸が配備されている位置よりも前記端子装入開口の側で、前記第一の旋回支持軸が配備されている位置よりも下側に、上下方向の位置が固定的に配備されていて、前記第一の旋回支持軸が伸びる方向と平行に伸びている第二の旋回支持軸と、
前記第一の旋回支持軸が配備されている位置よりも前記端子台本体の内部の側であって、前記第二の旋回支持軸が配備されている位置よりも下側に、上下方向の位置が固定的に配備されていて、前記第一の旋回支持軸が伸びる方向と平行に伸びている第三の旋回支持軸と、
前記端子接触部の前記挿入方向における、前記第一の旋回支持軸と、前記第三の旋回支持軸との間の位置であって、上下方向における前記第一の旋回支持軸と前記第三の旋回支持軸との間で、前記第一の旋回支持軸が伸びる方向と平行に伸びている第四の旋回支持軸と
が前記端子台本体内に配備されており、
一端側が前記第二の旋回支持軸に旋回可能に支持され、他端側が前記第一の旋回支持軸に旋回可能に支持されている第一の支持ロッドが前記第一の旋回支持軸と前記第二の旋回支持軸との間に架け渡され、
一端側が前記第一の旋回支持軸に旋回可能に支持され、他端側が前記第四の旋回支持軸に旋回可能に支持されている第二の支持ロッドが前記第一の旋回支持軸と前記第四の旋回支持軸との間に架け渡され、
前記レバーは、前記レバー先端から前記レバー基端に向かって伸びるレバー片部と、前記レバー基端で屈曲して斜め上方向に向かって伸びる折返レバー片部とを備えていて、前記レバー基端が、前記第三の旋回支持軸に旋回可能に支持され、前記折返レバー片部の先端である折返レバー片部先端が前記第四の旋回支持軸に旋回可能に支持されていて、
前記第一の旋回支持軸が、上下方向の位置が固定的に配備されている前記第二の旋回支持軸及び前記第三の旋回支持軸を旋回運動の中心として、旋回運動することで、前記支持板が前記端子台本体内を上下方向に移動する
端子台。
【請求項2】
前記端子装入開口に挿入された前記端子接触部を固定し、前記支持板の上下方向動作に連動して上下動する固定部材が、前記支持板の上側に配備されている請求項1記載の端子台。
【請求項3】
端子台を構成する端子台本体の端子装入開口に挿入される端子接触部と、前記端子台本体に内蔵されている導電金具との間の電気的接続及びその解除を行う接続-解除機構を前記端子台本体に備えている端子台であって、
前記接続-解除機構は、前記端子台本体内に位置するレバー基端から前記端子台本体の外部へ向かって伸びて前記端子台本体の外部に突出しているレバー先端を、前記レバー基端を中心として回動させることで、前記電気的接続及びその解除を行うレバーと、
前記端子台本体内に前記端子接触部が挿入される挿入方向に直交する上下方向に移動可能で、上方向に向かって上昇することで前記端子接触部の上側面を前記導電金具の下側面に圧接させる支持板と、
前記支持板の上側に配備されていて、前記端子装入開口に挿入された前記端子接触部を固定し、前記支持板の上下方向動作に連動して上下動する固定部材とを備えている
端子台。
【請求項4】
前記
支持板の下側に配備されていて、前記端子接触部が挿入される挿入方向に対して平行な方向であって前記端子接触部の前記挿入方向に直交する方向に伸びている第一の旋回支持軸と、
前記第一の旋回支持軸が配備されている位置よりも前記端子装入開口の側で、前記第一の旋回支持軸が配備されている位置よりも下側に、上下方向の位置が固定的に配備されていて、前記第一の旋回支持軸が伸びる方向と平行に伸びている第二の旋回支持軸と、
前記第一の旋回支持軸が配備されている位置よりも前記端子台本体の内部の側であって、前記第二の旋回支持軸が配備されている位置よりも下側に、上下方向の位置が固定的に配備されていて、前記第一の旋回支持軸が伸びる方向と平行に伸びている第三の旋回支持軸と、
前記端子接触部の前記挿入方向における、前記第一の旋回支持軸と、前記第三の旋回支持軸との間の位置であって、上下方向における前記第一の旋回支持軸と前記第三の旋回支持軸との間で、前記第一の旋回支持軸が伸びる方向と平行に伸びている第四の旋回支持軸と
が前記端子台本体内に配備されており、
一端側が前記第二の旋回支持軸に旋回可能に支持され、他端側が前記第一の旋回支持軸に旋回可能に支持されている第一の支持ロッドが前記第一の旋回支持軸と前記第二の旋回支持軸との間に架け渡され、
一端側が前記第一の旋回支持軸に旋回可能に支持され、他端側が前記第四の旋回支持軸に旋回可能に支持されている第二の支持ロッドが前記第一の旋回支持軸と前記第四の旋回支持軸との間に架け渡され、
前記レバーは、前記レバー先端から前記レバー基端に向かって伸びるレバー片部と、前記レバー基端で屈曲して斜め上方向に向かって伸びる折返レバー片部とを備えていて、前記レバー基端が、前記第三の旋回支持軸に旋回可能に支持され、前記折返レバー片部の先端である折返レバー片部先端が前記第四の旋回支持軸に旋回可能に支持されていて、
前記第一の旋回支持軸が、上下方向の位置が固定的に配備されている前記第二の旋回支持軸及び前記第三の旋回支持軸を旋回運動の中心として、旋回運動することで、前記支持板が前記端子台本体内を上下方向に移動する
請求項
3記載の端子台。
【請求項5】
前記
端子台本体は、前記端子装入開口が配備されている位置に対向する位置に前記端子装入開口と同一構造の他の端子装入開口を備えており、
前記他の端子装入開口に挿入される他の端子接触部と、前記端子台本体に内蔵されている前記導電金具との間の電気的接続及びその解除を行う、前記接続-解除機構と同一構造の、他の接続-解除機構を前記端子台本体に更に備えている請求項
1記載の端子台。
【請求項6】
前記端子台本体は、前記端子装入開口が配備されている位置に対向する位置に前記端子装入開口と同一構造の他の端子装入開口を備えており、
前記他の端子装入開口に挿入される他の端子接触部と、前記端子台本体に内蔵されている前記導電金具との間の電気的接続及びその解除を行う、前記接続-解除機構と同一構造の、他の接続-解除機構を前記端子台本体に更に備えている請求項3記載の端子台。
【請求項7】
請求項
1記載の端子台が前記第一の旋回支持軸が伸びる方向で複数個連設されてなる端子台。
【請求項8】
請求項5記載の端子台が前記第一の旋回支持軸が伸びる方向で複数個連設されてなる端子台。
【請求項9】
前記端子接触部の前記挿入方向に直交する方向で、請求項3記載の端子台が複数個連設されてなる端子台。
【請求項10】
前記端子接触部の前記挿入方向に直交する方向で、請求項6記載の端子台が複数個連設されてなる端子台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、端子台に関する。特に、バネなどの付勢手段を用いることなしに圧着端子などの先端の端子接触部と導電金具との間の接続を可能にする端子台に関する。
【背景技術】
【0002】
端子台は、複数の導体の間の電気的な接続、中継、分岐などに用いられる。例えば、電源側電力線の端部に設けられている電源側圧着端子と、負荷側電力線の端部に設けられている負荷側圧着端子とが、端子台を構成する基台に備えられている導電体、例えば、導電金具を介して電気的に接続される。
【0003】
このような端子台としては、バネなどの付勢手段を用いて圧着端子と導電金具との間の接続や、離間、等を行うものが従来から知られている。
【0004】
例えば、特許文献1、2、3などでは、コイルばねなどの付勢手段が、導電金具に設けた雌ねじ部から端子ねじを離間した状態で支持する等の目的で採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-67946号公報
【文献】特開2008-103230号公報
【文献】特開2011-3295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、バネなどの付勢手段を用いることなしに、端子台に挿入される圧着端子などの先端の端子接触部(例えば、接触舌部、電線、銅バーなどの接続機器)と、端子台に内蔵されている導電金具との間の接続を可能にする端子台を提供することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成する本発明は以下のように例示することができる。
[1]
端子台を構成する端子台本体の端子装入開口に挿入される端子接触部と、前記端子台本体に内蔵されている導電金具との間の電気的接続及びその解除を行う接続-解除機構を前記端子台本体に備えている端子台であって、
前記接続-解除機構は、前記端子台本体内に位置するレバー基端から前記端子台本体の外部へ向かって伸びて前記端子台本体の外部に突出しているレバー先端を、前記レバー基端を中心として回動させることで、前記電気的接続及びその解除を行うレバーを備えている
端子台。
【0008】
[2]
前記端子台本体内に前記端子接触部が挿入される方向に直交する上下方向に移動可能で、上方向に向かって上昇することで前記端子接触部の上側面を前記導電金具の下側面に圧接させる支持板と、
前記支持板の下側に配備されていて、前記端子接触部が挿入される方向に対して平行な方向であって前記接触舌部の前記挿入方向に直交する方向に伸びている第一の旋回支持軸と、
前記第一の旋回支持軸が配備されている位置よりも前記端子装入開口の側で、前記第一の旋回支持軸が配備されている位置よりも下側に、上下方向の位置が固定的に配備されていて、前記第一の旋回支持軸が伸びる方向と平行に伸びている第二の旋回支持軸と、
前記第一の旋回支持軸が配備されている位置よりも前記端子台本体の内部の側であって、前記第二の旋回支持軸が配備されている位置よりも下側に、上下方向の位置が固定的に配備されていて、前記第一の旋回支持軸が伸びる方向と平行に伸びている第三の旋回支持軸と、
前記端子接触部の前記挿入方向における、前記第一の旋回支持軸と、前記第三の旋回支持軸との間の位置であって、上下方向における前記第一の旋回支持軸と前記第三の旋回支持軸との間で、前記第一の旋回支持軸が伸びる方向と平行に伸びている第四の旋回支持軸と
が前記端子台本体内に配備されており、
一端側が前記第二の旋回支持軸に旋回可能に支持され、他端側が前記第一の旋回支持軸に旋回可能に支持されている第一の支持ロッドが前記第一の旋回支持軸と前記第二の旋回支持軸との間に架け渡され、
一端側が前記第一の旋回支持軸に旋回可能に支持され、他端側が前記第四の旋回支持軸に旋回可能に支持されている第二の支持ロッドが前記第一の旋回支持軸と前記第四の旋回支持軸との間に架け渡され、
前記レバーは、前記レバー先端から前記レバー基端に向かって伸びるレバー片部と、前記レバー基端で屈曲して斜め上方向に向かって伸びる折返レバー片部とを備えていて、前記レバー基端が、前記第三の旋回支持軸に旋回可能に支持され、前記折返レバー片部の先端である折返レバー片部先端が前記第四の旋回支持軸に旋回可能に支持されていて、
前記第一の旋回支持軸が、上下方向の位置が固定的に配備されている前記第二の旋回支持軸及び前記第三の旋回支持軸を旋回運動の中心として、旋回運動することで、前記支持板が前記端子台本体内を上下方向に移動する[1]の端子台。
【0009】
[3]
前記端子台本体は、前記端子装入開口が配備されている位置に対向する位置に前記端子装入開口と同一構造の他の端子装入開口を備えており、
前記他の端子装入開口に挿入される他の端子接触部と、前記端子台本体に内蔵されている前記導電金具との間の電気的接続及びその解除を行う、前記接続-解除機構と同一構造の、他の接続-解除機構を前記端子台本体に更に備えている[1]又は[2]の端子台。
【0010】
[4]
前記端子装入開口に挿入された前記端子接触部を固定し、前記支持板の上下方向動作に連動して上下動する固定部材が、前記支持板の上側に配備されている[1]又は[2]の端子台。
【0011】
[5]
前記端子装入開口に挿入された前記端子接触部を固定し、前記支持板の上下方向動作に連動して上下動する固定部材が、前記支持板の上側に配備されている[3]の端子台。
【0012】
[6]
[1]又は[2]の端子台が前記第一の旋回支持軸が伸びる方向で複数個連設されてなる端子台。
【0013】
[7]
[3]の端子台が前記第一の旋回支持軸が伸びる方向で複数個連設されてなる端子台。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、バネなどの付勢手段を用いることなしに、端子台に挿入される圧着端子などの先端の端子接触部(例えば、接触舌部、電線、銅バーなどの接続機器)と、端子台に内蔵されている導電金具との間の接続を可能にする端子台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る端子台が横方向に2個連接された状態で形成されている本発明の一実施形態に係る端子台においてレバーがOFFの状態の斜視図。
【
図2】
図1図示の本発明の一実施形態に係る端子台を
図1とは異なる方向から見た斜視図。
【
図3】
図1図示の本発明の一実施形態に係る端子台においてレバーがONの状態の斜視図。
【
図4】
図3図示の本発明の一実施形態に係る端子台を
図3とは異なる方向から見た斜視図。
【
図5】
図1図示の状態の本発明の一実施形態に係る端子台に対して端子台本体の左右両側からそれぞれ圧着端子の平板状の接触舌部が装着されようとしている状態を表す斜視図。
【
図7】
図5、
図6図示の状態に引き続いて、圧着端子の平板状の接触舌部が端子台本体に装着された後に、レバーがONの状態になったときを表す斜視図。
【
図9】
図7、
図8図示のレバーONの状態における端子台本体内部の状態を一部を省略して説明する図。
【
図10】
図7、
図8図示のレバーONの状態では端子装入開口に挿入されている圧着端子の平板状の接触舌部を引き抜きできないことを一部を省略して説明する図。
【
図11】本発明の一実施形態に係る端子台が横方向に5個連接された状態で形成されている本発明の一実施形態に係る端子台においてレバーがOFFの状態の斜視図。
【
図12】
図11図示の本発明の一実施形態に係る端子台における5個の端子台の中の1個の端子台における端子台本体の対向する端子装入開口に対してそれぞれ圧着端子が装着され、レバーがONになっている状態を表す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態に係る端子台を添付図面を参照して説明する。
【0017】
図1図示の端子台1は、非導電性の材料、例えば、絶縁性の合成樹脂で成形されている端子台本体1a、1b、1cから構成されている。
【0018】
図1図示の実施形態では、端子台本体1cは、後述する端子台本体1aと同様の構成・構造を備えているもので、端子装入開口に挿入される圧着端子の端子接触部と、内蔵している導電金具との間の電気的接続及びその解除を行う接続-解除機構を備えている端子台本体である。そして、この接続-解除機構は、後述する端子台本体1aと同様に、端子台本体内に位置するレバー基端から端子台本体の外部へ向かって伸びて端子台本体の外部に突出しているレバー先端を、前記レバー基端を中心として回動させることで、前記電気的接続及びその解除を行うレバーを備えているものである。
【0019】
後述するように、本発明の一実施形態に係る端子台は、複数個を横方向に連設させ、この連設されている複数個の端子台全体で本発明の端子台とすることができるものである。
【0020】
横方向に連設される複数個の端子台の各端子台を構成する各端子台本体は、端子台本体1cのように、後述する端子台本体1aと同様の構成・構造を備えている。
【0021】
図1図示の実施形態では、後述する端子台本体1aと同様の構成・構造を備えている端子台本体1cが、
図1において、端子台本体1aの右側に連設され、端子台本体1cの右側には、複数個の端子台が横方向に連設されてその全体で本発明の端子台となるときの端部を構成する端子台本体1bが連設されている。
【0022】
図示していないが、端子台本体1aの、
図1における左側の面は、
図1に図示されている端子台本体1bの
図1における右側の面と同一の構造になっている。
【0023】
以下では、それぞれ、本実施形態の端子台を構成する端子台本体1a、端子台本体1cについて、特に、端子台本体1aの構造を中心にして説明する。
【0024】
端子台本体1a、1cは、それぞれ、導電性の導電金具60(
図9)を内蔵している。導電性の導電金具60は、例えば、銅材、アルミニウム材などからなり、
図9図示の実施形態では平板状の導電金具60が内蔵されているが、これに限らず、導電金具60の構造、形態には、後述する端子接触部との間の電気的な接続を可能にするこの技術分野で公知の種々の構造、形態を採用できる。
【0025】
端子台本体1a、1cは、それぞれ、圧着端子50a、50b(
図5)の先端の端子接触部51a、51b(
図6)が挿入される端子装入開口2a、3a(
図1、
図3、
図5)、2b、3b(
図2、
図4)を備えている。
【0026】
端子接触部51a、51bは、端子台に挿入される圧着端子などの先端に配備されているもので、電線、銅バー、などの種々の接続機器の中の一つである。
図5、
図6では、上述した接続機器の中の一種として、圧着端子50a、50b(
図5)の先端に平板状の接触舌部である端子接触部51a、51bが配備されている例が図示されているが、技術分野で公知の種々の構造、形態からなる接続機器が、端子接触部51a、51bとして採用される。
【0027】
端子台本体1cの端子装入開口3aに対して、圧着端子50aの平板状の端子接触部51aが矢印12a方向で挿入されようとしている状態を
図5に図示している。なお、
図5、
図6図示のように、端子台本体1cの端子装入開口3bに対しては、圧着端子50bの平板状の端子接触部51bが矢印12a方向に対向する矢印12bから挿入される。
【0028】
端子台本体1a、1cは、それぞれ、端子装入開口2a、3a、2b、3bに挿入された端子接触部51a、51bと導電金具60との間の電気的接続及びその解除を行う接続-解除機構を備えている。
【0029】
端子台本体1aからなる本実施形態の端子台と、端子台本体1cとからなる本実施形態の端子台は、いずれも、
図1~
図4図示のように、端子装入開口2a、3aが配備されている位置に対向する位置に端子装入開口2a、3aと同一構造の他の端子装入開口2b、3bを備えている。
【0030】
そして、端子台本体1aからなる本実施形態の端子台、端子台本体1cからなる本実施形態の端子台は、いずれも、他の端子装入開口2b、3bに挿入される他の圧着端子の他の端子接触部と、端子台本体1a、1cに内蔵されている導電金具60、60との間の電気的接続及びその解除を行う、上述した接続-解除機構と同一構造の、他の接続-解除機構を端子台本体1a、1cに備えている。
【0031】
端子台本体1aからなる本実施形態の端子台の構造と、端子台本体1cからなる本実施形態の端子台の構造とは同一であり、各端子台における上述した接続-解除機構は同一機構、同一構造であるので、以下では、端子台本体1aからなる本実施形態の端子台及び、これに配備されている上述した接続-解除機構を中心にして説明する。
【0032】
この実施形態では、上述した接続-解除機構は、上述した電気的接続及びその解除を行うレバー4a、4b、5a、5bを備えている(
図1~
図6、
図9)。これらのレバー4a、等は、
図9図示のように、端子台本体1a内に位置するレバー基端41b、42bから端子台本体1aの外部へ向かって伸びてレバー先端41a、42aが端子台本体1aの外部に突出している構造になっている。図示の実施形態では、端子台本体1a内に位置するレバー基端41b、42bから端子台本体1aの外部へ向かって伸びてレバー先端41a、42aが端子台本体1aの外部に突出している構造は、端子台本体1a内に位置するレバー基端41b、42bから端子台本体1aの外部へ斜め上方向に向かって伸びて端子台本体1aの外部にレバー先端41a、42aが突出している形態になっている。
【0033】
このような構造からなるレバー4a、等は、レバー基端41b、42bを中心として矢印11a、11b、10a、10bで示される方向へ回動可能になっている。このようにレバー4a、等を回動させることで上述した電気的接続及びその解除が行われる。
【0034】
図示の実施形態では、レバー4aのレバー先端41aが、端子台本体1a内に位置するレバー基端41bを中心として矢印10a方向へ回動することで、
図3、
図4、
図7、
図8に図示されるレバーONの状態になって、端子台本体1cからなる端子台であれば、端子装入開口3aに挿入された端子接触部51aと導電金具60との間が電気的に接続される。
【0035】
また、このようにレバーONで電気的に接続されている状態から、レバー4aのレバー先端41aが、端子台本体1a内に位置するレバー基端41b中心として矢印11a方向へ回動することで、
図1、
図2、
図5に図示するレバーOFFの状態になって、端子台本体1cからなる端子台であれば、端子装入開口3aに挿入された端子接触部51aと導電金具60との間の電気的接続が解除される。この状態で、
図5における矢印12で示す方向とは反対の方向に圧着端子50aの平板状の端子接触部51aを移動させて、端子台本体1cからなる端子台から圧着端子50aを引き抜くことができる。
【0036】
このように、端子台本体1a、1cから外側に突出しているレバー4a、4b、5a、5bのレバー先端41a、42a、等を、端子台本体1a、1c内に位置するレバー基端41b、42b、等を中心として矢印10a、10b方向あるいは、矢印11a、11b方向に回動させるだけで、ワンタッチで、電気的な接続及び、その解除を行うことができる端子台である。
【0037】
上述したレバー方式での接続-解除機構を備えている端子台本体1a、等の具体的な構造の一例を
図9、
図10を参照して説明する。
【0038】
端子台本体1a内には、支持板61a、61b、第一の旋回支持軸47a、47b、第二の旋回支持軸48a、48b、第三の旋回支持軸45a、45b、第四の旋回支持軸46a、46bが配備されている。
【0039】
支持板61b、第一の旋回支持軸47b、第二の旋回支持軸48b、第三の旋回支持軸45b、第四の旋回支持軸46bの構成、構造、機能は、支持板61a、第一の旋回支持軸47a、第二の旋回支持軸48a、第三の旋回支持軸45a、第四の旋回支持軸46aの構成、構造、機能と同一であるので、以下では、支持板61a、第一の旋回支持軸47a、第二の旋回支持軸48a、第三の旋回支持軸45a、第四の旋回支持軸46aについてのみ説明する。
【0040】
支持板61aは、端子接触部51aが挿入される矢印12aで示す方向に直交する矢印13a、13b(
図9)で示す上下方向に端子台本体1a内を移動可能になっている。そして、上方向に向かって上昇することで端子接触部51aの上側面を導電金具60の下側面に圧接させる働きをする。例えば、支持板61aが、矢印13a(
図9)で示す上方向に移動することで、端子装入開口2aに挿入されている端子接触部51aに下側から当接し、上方向に向かって上昇して端子接触部51aの上側面を導電金具60の下側面に圧接させる。
【0041】
第一の旋回支持軸47aは、支持板61aの下側に配備されていて、後述するように、上下方向の位置が固定的に端子台本体1a内に配備されている第二の旋回支持軸48a及び第三の旋回支持軸45aを旋回運動の中心として、旋回移動を行う。この旋回運動により、支持板61aが上述したように矢印13a、13b(
図9)で示す上下方向移動を行うことになる。
【0042】
第一の旋回支持軸47aは、端子接触部51aが挿入される、矢印12aで示される方向に対して平行な方向であって端子接触部51aの矢印12aで示される挿入方向に直交する方向、すなわち、
図9の図面の前後方向に伸びている。
【0043】
図9の図面の前後方向、すなわち、第一の旋回支持軸47aが伸びる方向が、
図1~
図6に図示されている、端子台本体1aからなる本実施形態の端子台と、端子台本体1aと同様の構成・構造を備えている端子台本体1cからなる本実施形態の端子台とが2個連設されてその全体で本発明の一実施形態に係る端子台1を構成する横方向になる。
【0044】
第二の旋回支持軸48aは、第一の旋回支持軸47aが配備されている位置よりも端子装入開口2aの側(すなわち、
図9における図面の左側)で、第一の旋回支持軸47aが配備されている位置よりも下側に、上下方向の位置が固定的に配備されている。第二の旋回支持軸48aは、第一の旋回支持軸47aが伸びる方向と平行に伸びている。すなわち、
図7の図面の前後方向に伸びている。
【0045】
第三の旋回支持軸45aは、第一の旋回支持軸47aが配備されている位置よりも端子台本体1aの内部の側(すなわち、
図9における図面の右側)であって、第二の旋回支持軸48aが配備されている位置よりも下側に、上下方向の位置が固定的に配備されている。第三の旋回支持軸45aも、第一の旋回支持軸47aが伸びる方向と平行に伸びている。すなわち、
図7の図面の前後方向に伸びている。
【0046】
第四の旋回支持軸46aは、端子接触部51aの矢印12aで示す挿入方向における、第一の旋回支持軸47aと、第三の旋回支持軸45aとの間の位置であって、上下方向における第一の旋回支持軸47aと第三の旋回支持軸45aとの間に位置している。第四の旋回支持軸46aも、第一の旋回支持軸47aが伸びる方向と平行に伸びている。すなわち、
図9の図面の前後方向に伸びている。
【0047】
図示の実施形態では、第一の旋回支持軸47aと第二の旋回支持軸48aとの間に第一の支持ロッド44aが架け渡され、第一の支持ロッド44aの一端側は第二の旋回支持軸48aに旋回可能に支持され、他端側は第一の旋回支持軸47aに旋回可能に支持されている。
【0048】
第二の旋回支持軸48aは、第一の旋回支持軸47aが配備されている位置よりも端子装入開口2aの側(すなわち、
図9における図面の左側)で、第一の旋回支持軸47aが配備されている位置よりも下側に、上下方向の位置が固定的に配備されている。そこで、
図9図示のように、第一の支持ロッド44aは、第一の旋回支持軸47aから端子装入開口2aの側へ向かいつつ下方向に斜め下り傾斜して第二の旋回支持軸48aへ伸びている。
【0049】
また、第一の旋回支持軸47aと第四の旋回支持軸46aとの間に第二の支持ロッド43aが架け渡され、第二の支持ロッド43aの一端側は第一の旋回支持軸47aに旋回可能に支持され、他端側は第四の旋回支持軸46aに旋回可能に支持されている。
【0050】
第四の旋回支持軸46aは、端子接触部51aの矢印12aで示す挿入方向における、第一の旋回支持軸47aと、第三の旋回支持軸45aとの間の位置であって、上下方向における第一の旋回支持軸47aと第三の旋回支持軸45aとの間に位置している。
【0051】
ここで、上述したように、第三の旋回支持軸45aは、端子接触部51aの矢印12aで示す挿入方向において、第一の旋回支持軸47aが配備されている位置よりも端子台本体1aの内部の側(すなわち、
図9における図面の右側)に位置している。また、第三の旋回支持軸45aは、端子接触部51aの矢印12aで示す挿入方向に直交する上下方向において、第二の旋回支持軸48aが配備されている位置よりも下側に位置しており、第二の旋回支持軸48aは第一の旋回支持軸47aが配備されている位置よりも下側に位置している。
【0052】
そこで、
図9図示のように、第二の支持ロッド43aは、第一の旋回支持軸47aから端子台本体1aの内部の側(すなわち、
図9における図面の右側)へ向かいつつ下方向に斜め下り傾斜して第四の旋回支持軸46aへ伸びている。
【0053】
上述した配置構成・構造により、支持板61aの下側に配備されている第一の旋回支持軸47aは、上下方向の位置が固定的に端子台本体1a内に配備されている第二の旋回支持軸48a及び第三の旋回支持軸45aを旋回運動の中心として旋回移動を行えるようになっている。この旋回運動により、支持板61aは上述した矢印13a、13b(
図9)で示す上下方向移動を行えるようになっている。
【0054】
レバー4aは、レバー先端41aからレバー基端41bに向かって伸びるレバー片部41cと、レバー基端41bで屈曲して斜め上方向に向かって伸びる折返レバー片部41dとを備えている(
図9)。そして、レバー基端41bが、第三の旋回支持軸45aに旋回可能に支持され、折返レバー片部41dの先端である折返レバー片部先端41eが第四の旋回支持軸46aに旋回可能に支持されている。
【0055】
上述したレバー4a、支持板61a、第一の旋回支持軸47a、第二の旋回支持軸48a、第三の旋回支持軸45a、第四の旋回支持軸46a、第一の支持ロッド44a、第二の支持ロッド43aなども、端子台本体1a、等と同じように、非導電性の材料、例えば、絶縁性の合成樹脂で成形することができる。
【0056】
図9を参照して、端子台本体1aから外側に突出しているレバー4aのレバー先端41aを、端子台本体1a内に位置するレバー基端41bを中心として矢印10a方向あるいは、矢印11a方向に回動させるだけで、端子装入開口2aに挿入された端子接触部51aと導電金具60との間の電気的な接続、その解除をワンタッチで行うことができる機構について説明する。
【0057】
図9は、
図7、
図8図示のように、
図5、
図6図示の状態に引き続いて、圧着端子50aの平板状の端子接触部51aが端子台本体に装着された後に、レバー4aがONの状態になったときの端子台本体1a内部の状態を、一部を省略して表している図である。
【0058】
図9図示の状態では、支持板61aは、矢印13aで示す上側方向へ上昇していて端子装入開口2aに挿入されている端子接触部51aに下側から当接し、端子接触部51aの上側面を導電金具60の下側面に圧接させ、端子装入開口2aに挿入された端子接触部51aと導電金具60との間の電気的接続が図られている。
【0059】
この状態で、レバー4aのレバー先端41aを、端子台本体1a内に位置するレバー基端41bを中心として矢印11a方向に回動させると、上下方向の位置が固定的に端子台本体1a内に配置されている第三の旋回支持軸45aに旋回可能に支持されているレバー基端41bを中心として折返レバー片部41dも矢印11aで示す方向に回動する。
【0060】
折返レバー片部41dの先端である折返レバー片部先端41eは第四の旋回支持軸46aに旋回可能に支持されている。そこで、折返レバー片部41d、折返レバー片部先端41eがレバー基端41bを中心として矢印11aで示す方向に回動するのにつれて、第四の旋回支持軸46aもレバー基端41bを中心として矢印11aで示す方向に回動する。
【0061】
第一の旋回支持軸47aと第四の旋回支持軸46aとの間に第二の支持ロッド43aが架け渡され、第二の支持ロッド43aの一端側は第一の旋回支持軸47aに旋回可能に、他端側は第四の旋回支持軸46aにそれぞれ旋回可能に支持されている。
【0062】
また、第一の旋回支持軸47aと第二の旋回支持軸48aとの間に架け渡されている第一の支持ロッド44aは、他端側において第一の旋回支持軸47aに旋回可能に支持されていると共に、その一端側は、第三の旋回支持軸45aよりも端子台本体1a内の上側で、上下方向の位置が固定的に端子台本体1a内に配置されている第二の旋回支持軸48aに旋回可能に支持されている。
【0063】
そこで、上述したように、第四の旋回支持軸46aが第三の旋回支持軸45aに旋回可能に支持されているレバー基端41bを中心として矢印11aで示す方向に回動すると、第一の旋回支持軸47aに旋回可能に支持されている第二の支持ロッド43aの一端側は、
図7に矢印10aで示している方向へ回動し、第一の旋回支持軸47aは上下方向の位置が固定的に端子台本体1a内に配備されている第二の旋回支持軸48a及び第三の旋回支持軸45aを旋回運動の中心として旋回移動を行い、これに応じて、支持板61aは矢印13bで示す方向に下降する。
【0064】
こうして支持板61aが矢印13bで示す下側方向へ下降し、端子接触部51aの上側面と導電金具60の下側面との間の圧接状態が解除され、端子接触部51aと導電金具60との間の電気的接続が解除される。また、この状態で、圧着端子50aの平板状の端子接触部51aを矢印12で示す方向とは反対の方向に移動させて端子台本体1aから圧着端子50aを引き抜くことができる。
【0065】
このように、端子接触部51aと導電金具60との間の電気的接続を解除し、端子台本体1aの端子装入開口2aから圧着端子50aの平板状の端子接触部51aを抜き出し可能な状態にするのを、端子台本体1aから外側に突出しているレバー4aのレバー先端41aを、端子台本体1a内に位置するレバー基端41bを中心として矢印11a方向に回動させるだけのワンタッチ動作で行うことができる。
【0066】
一方、
図1、
図2、
図5に示すレバー4aがOFFの状態では、
図9には図示していないが、レバー4aのレバー片部41cは
図9で上下方向に伸びていて、レバー先端41aは、端子台本体1a内に位置固定的に配置されている第三の旋回支持軸45aの
図9における上側に位置している。
【0067】
この状態で、圧着端子50aの平板状の端子接触部51aを矢印12で示す方向に移動させて端子接触部51aを端子台本体1aの端子装入開口2aに挿入する。
【0068】
ここで、レバー4aのレバー先端41aを、端子台本体1a内に位置するレバー基端41bを中心として矢印10a方向に回動させると、上下方向の位置が固定的に端子台本体1a内に配置されている第三の旋回支持軸45aに旋回可能に支持されているレバー基端41bを中心として折返レバー片部41dも矢印10aで示す方向に回動する。
【0069】
折返レバー片部41dの先端である折返レバー片部先端41eは第四の旋回支持軸46aに旋回可能に支持されている。そこで、折返レバー片部41d、折返レバー片部先端41eがレバー基端41bを中心として矢印10aで示す方向に回動するのにつれて、第四の旋回支持軸46aもレバー基端41bを中心として矢印10aで示す方向に回動する。
【0070】
第一の旋回支持軸47aと第四の旋回支持軸46aとの間に第二の支持ロッド43aが架け渡され、第二の支持ロッド43aの一端側は第一の旋回支持軸47aに旋回可能に、他端側は第四の旋回支持軸46aにそれぞれ旋回可能に支持されている。
【0071】
また、第一の旋回支持軸47aと第二の旋回支持軸48aとの間に架け渡されている第一の支持ロッド44aは、他端側において第一の旋回支持軸47aに旋回可能に支持されていると共に、その一端側は、第三の旋回支持軸45aよりも端子台本体1a内の上側で上下方向の位置が固定的に端子台本体1a内に配置されている第二の旋回支持軸48aに旋回可能に支持されている。
【0072】
そこで、上述したように、第四の旋回支持軸46aが第三の旋回支持軸45aに旋回可能に支持されているレバー基端41bを中心として矢印10aで示す方向に回動すると、第一の旋回支持軸47aに旋回可能に支持されている第二の支持ロッド43aの一端側は、
図7に矢印11aで示している方向へ回動し、第一の旋回支持軸47aは上下方向の位置が固定的に端子台本体1a内に配備されている第二の旋回支持軸48a及び第三の旋回支持軸45aを旋回運動の中心として旋回移動を行い、これに応じて、支持板61aは矢印13aで示す方向に上昇する。
【0073】
支持板61aは矢印13aで示す上側方向へ上昇し、端子装入開口2aに挿入されている端子接触部51aに下側から当接し、端子接触部51aを矢印13a方向へ上昇させ、端子接触部51aの上側面を導電金具60の下側面に圧接させる。こうして、端子装入開口2aに挿入されていた端子接触部51aと導電金具60との間の電気的接続が図られる。
【0074】
このように、端子装入開口2aに挿入された圧着端子50aの平板状の端子接触部51aと導電金具60との間の電気的接続を図ることが、端子台本体1aから外側に突出しているレバー4aのレバー先端41aを、端子台本体1a内に位置するレバー基端41bを中心として矢印10a方向に回動させるだけのワンタッチ動作で行うことができる。
【0075】
次に、
図7、
図8、
図9図示のレバーONの状態では端子装入開口2aに挿入されている圧着端子50aの平板状の端子接触部51aを引き抜きできないことを
図10を参照して説明する。
【0076】
圧着端子50a及びその平板状の端子接触部51aに対して
図10に矢印14で示す方向の力が加わると支持板61aによる矢印13a(
図9)方向の押圧力が弱まり、端子接触部51aと導電金具60との間の接触圧力が小さくなったり、端子接触部51aが引き抜かれやすくなるという現象が発生するおそれがある。
【0077】
しかし、
図10に矢印14で示す方向の力が端子接触部51aに対して加わることで、支持板61aが矢印14で示す方向に移動しようとすると、第一の旋回支持軸47a、第二の旋回支持軸48a、第四の旋回支持軸46a、第一の支持ロッド44a、第二の支持ロッド43aは上述した配置構造になっていることから、第四の旋回支持軸46aに対しては、矢印15で示す方向の力が加えられることになる。
【0078】
上述したように、
図7、
図8、
図9に示すレバーONの状態から、
図5、
図6に示すレバーOFFの状態にするためには、レバー4aのレバー先端41aを、端子台本体1a内に位置するレバー基端41bを中心として矢印11a方向(
図9)に回動させることで、レバー片部41c、折返レバー片部41d、折返レバー片部先端41eに対して
図10に矢印16で示す方向の力を加える必要がある。
【0079】
ところが、
図10に矢印14で示す方向の力が端子接触部51aに対して加わることで、支持板61aが矢印14で示す方向に移動しようとすると、第四の旋回支持軸46aに対して矢印15で示す方向の力が加えられ、折返レバー片部41d、折返レバー片部先端41eに対しては矢印16方向の力は加えられない。
【0080】
そこで、圧着端子50a及びその平板状の端子接触部51aに対して
図10に矢印14で示す方向の力が加わった場合であっても、この実施形態の端子台によれば、端子接触部51aと導電金具60との間の接触圧力が小さくなったり、端子接触部51aが引き抜かれやすくなるという現象が発生するおそれは無い。
【0081】
図9、
図10図示の実施形態では、端子装入開口2a、2bに挿入された端子接触部51a、51bを固定し、支持板61a、61bの上下方向動作に連動して上下動する固定部材62a、62bが、支持板61a、61bの上側に、それぞれ、配備されている。
【0082】
固定部材62a、62bの構成、構造としては、以下のようなものを例示できる。
【0083】
端子台本体1aの端子装入開口2a(
図1)に対して、圧着端子50aの平板状の端子接触部51aが矢印12a方向で挿入されると、支持板61aの上側面と固定部材62aとの間の上下方向における隙間部に端子接触部51aが挿入されることで端子接触部51aは固定される。端子台本体1aの端子装入開口2b(
図2)に対して、圧着端子50bの平板状の端子接触部51bが矢印12b方向で挿入されると、支持板61bの上側面と固定部材62bとの間の上下方向における隙間部に端子接触部51bが挿入されることで端子接触部51bは固定される。
【0084】
支持板61a、61bの上側に、それぞれ、固定部材62a、62bが配備されている実施形態では、導電金具60は、端子接触部51a、端子接触部51bと導電金具60との間の電気的接続が行われる際に、固定部材62a、62bの上側部分が入り込む切りかけ部を備えている。
【0085】
図9、
図10図示のように、端子装入開口2a(
図1)に挿入された端子接触部51aに下側から当接している支持板61aが端子接触部51aを矢印13a方向へ上昇させ、端子接触部51aの上側面を導電金具60の下側面に圧接させて端子装入開口2aに挿入されていた端子接触部51aと導電金具60との間の電気的接続が図られる際には、端子接触部51aを上述したように固定している固定部材62aも支持板61aと共に矢印13a方向へ上昇し、固定部材62aの端子接触部51aより上側に位置している部分が導電金具60に形成されている上述した切りかけ部に入り込む構造になっている(
図9、
図10)。
【0086】
また、端子装入開口2b(
図2)に挿入された端子接触部51bに下側から当接している支持板61bが端子接触部51bを矢印13a方向へ上昇させ、端子接触部51bの上側面を導電金具60の下側面に圧接させて端子装入開口2bに挿入されていた端子接触部51bと導電金具60との間の電気的接続が図られる際には、端子接触部51bを上述したように固定している固定部材62bも支持板61bと共に矢印13a方向へ上昇し、固定部材62bの端子接触部51bより上側に位置している部分が導電金具60に形成されている上述した切りかけ部に入り込む構造になっている(
図9)。
【0087】
固定部材62a、62bは、支持板61a、61bの上側に、支持板61a、61bとは別体に配備されている構造にすることができる。
【0088】
また、固定部材62a、62bは、支持板61a、61bの上側に、支持板61a、61bと一体に形成されている構造にすることもできる。
【0089】
これらの場合、端子装入開口2a、2bに挿入された端子接触部51a、51bを固定する固定部材62a、62bが、端子装入開口2a、2bに挿入された端子接触部51a、51bを、支持板61a、61bに対して固定する構造になっている形態にすることもできる。
【0090】
固定部材62a、62bが、支持板61a、61bの上側に、支持板61a、61bと一体に形成されている構造の場合、例えば、支持板61a、61bの上側に、上述したように、端子接触部51a、51bがそれぞれ挿入される上下方向の隙間が形成されている構造・形態で、支持板61a、61bの上側にそれぞれ固定部材62a、62bが形成されている構造にすることができる。
【0091】
このように、支持板61a、61bの上側に、端子装入開口2a、2bに挿入された端子接触部51a、51bを固定し、支持板61a、61bの上下方向動作に連動して上下動する固定部材62a、62bがそれぞれ配備されている実施形態では、端子接触部51a、51bは固定部材62a、62bに固定される。端子装入開口2a、2bを介して挿入された端子接触部51a、51bは固定部材62a、62bによって固定されているので、挿入後でレバーOFFの時に、端子接触部51a、51bを導電金具60に対して非接触状態に保つことが可能になる。このような構造であれば、端子装入開口2a、2bを介して端子接触部51a、51bが挿入されていてもレバーOFF時には、端子接触部51a、51bと導電金具60との間の電気的接続がない状態を保つことができる。これによってレバーON時にのみ電気的接続される構造となって有利である。
【0092】
本発明の一実施形態に係る端子台は、複数個を横方向に連設させ、この連設されている複数個の端子台全体で本発明の端子台とすることができる。
図11は、上述した端子台本体1aからなる本実施形態の端子台と、端子台本体1aと同一構造の端子台本体1cからなる本実施形態の端子台と、端子台本体1aと同一構造の端子台本体1dからなる本実施形態の端子台と、端子台本体1aと同一構造の端子台本体1eからなる本実施形態の端子台と、
図1図示の実施形態におけるもっとも右端の端子台本体1bからなる本実施形態の端子台とが横方向(すなわち、第一の旋回支持軸47aが伸びる方向)に5個連設されてその全体で本発明の一実施形態に係る端子台20が構成されている例を示すものである。
図11では、各端子台におけるレバーはOFF状態にある。
【0093】
図12は
図11図示の本発明の一実施形態に係る端子台20における5個の端子台の中の1個の端子台における端子台本体1cの対向する端子装入開口に対してそれぞれ圧着端子50a、50bが装着され、レバーがONになっている状態を表す斜視図である。
【0094】
本発明の端子台にはこのような構造も含まれる。
【0095】
以上、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明したが本発明は上述した実施形態に限られるものではなく特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
【符号の説明】
【0096】
1、20 端子台
1a、1b、1c、1d、1e 端子台本体
2a、2b、3a、3b 端子装入開口
4a、4b、5a、5b レバー
10a、10b、11a、11b ON、OFF動作でレバーが回動する方向12a、12b 端子装入開口に圧着端子の接触舌部が挿入される方向
13a、13b 支持板が移動する方向
41a、42a レバー先端
41b、42b レバー基端
41c、42c レバー片部
41d、42d 折返レバー片部
41e、42e 折返レバー片部先端
43a、43b 第二の支持ロッド
44a、44b 第一の支持ロッド
45a、45b 第三の旋回支持軸
46a、46b 第四の旋回支持軸
47a、47b 第一の旋回支持軸
48a、48b 第二の旋回支持軸
50a、50b 圧着端子
51a、51b 接触舌部
60 導電金具
61a、61b 支持板
62a、62b 固定部材
【要約】
【課題】バネなどの付勢手段を用いることなしに、端子台に挿入される圧着端子などの先端の端子接触部(例えば、接触舌部、電線、銅バーなどの接続機器)と、端子台に内蔵されている導電金具との間の接続を可能にする端子台を提案する。
【解決手段】端子台を構成する端子台本体の端子装入開口に挿入される端子接触部と、前記端子台本体に内蔵されている導電金具との間の電気的接続及びその解除を行う接続-解除機構を前記端子台本体に備えている。前記接続-解除機構は、前記端子台本体内に位置するレバー基端から前記端子台本体の外部へ向かって伸びて前記端子台本体の外部に突出しているレバー先端を、前記レバー基端を中心として回動させることで、前記電気的接続及びその解除を行うレバーを備えている。
【選択図】
図9