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特許7401152コンテンツ消費報酬システム、コンテンツ消費報酬プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】コンテンツ消費報酬システム、コンテンツ消費報酬プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231212BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023171715
(22)【出願日】2023-10-03
【審査請求日】2023-10-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523376017
【氏名又は名称】株式会社アドリブ
(74)【代理人】
【識別番号】100215027
【弁理士】
【氏名又は名称】留場 恒光
(72)【発明者】
【氏名】金子 美穂
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 亮
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-118980(JP,A)
【文献】特開2016-024682(JP,A)
【文献】特開2014-174912(JP,A)
【文献】特開2011-258089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投稿者による課金である投稿者課金を受け付ける投稿者課金受付部、
課金している前記投稿者からコンテンツの投稿を受け付ける投稿受付部、
コンテンツ公開用のウェブサイトに前記投稿者からのコンテンツを公開し、前記投稿者と閲覧者を含むユーザ間で当該コンテンツを共有させるコンテンツ公開部、
少なくとも前記投稿者課金の額に基づいて、前記ウェブサイトにおける前記コンテンツの掲載位置を決定する掲載位置決定部、
公開されている前記コンテンツを閲覧した前記閲覧者に対し、報酬を付与する報酬付与部、および、
少なくとも前記投稿者課金の額に基づいて前記報酬の額を決定する報酬額決定部、
を備えることを特徴とする、コンテンツ消費報酬システム。
【請求項2】
さらに、閲覧者による課金である閲覧者課金を受け付ける閲覧者課金受付部を備え、
前記報酬額決定部が、少なくとも前記投稿者課金の額および前記閲覧者課金の額に基づいて前記報酬の額を決定する報酬額決定部であることを特徴とする、
請求項1に記載のコンテンツ消費報酬システム。
【請求項3】
前記掲載位置決定部が、前記投稿者課金の額および前記閲覧者課金の額に基づいて、前記ウェブサイトにおける前記コンテンツの掲載位置を更新することを特徴とする、
請求項2に記載のコンテンツ消費報酬システム。
【請求項4】
さらに、前記投稿者課金に基づいて、コンテンツの投稿に使用する第一アイテムを前記投稿者に付与する第一アイテム付与部を備え、
前記投稿受付部が、前記投稿者の保有する前記第一アイテムと引き換えに、当該投稿者からコンテンツの投稿を受け付ける投稿受付部であることを特徴とする、
請求項2に記載のコンテンツ消費報酬システム。
【請求項5】
さらに、前記投稿者のコンテンツに対する前記閲覧者のコメントの投稿を受け付けるコメント投稿受付部を備え、
前記報酬付与部が、公開されている前記コンテンツを閲覧してかつコメントを投稿した前記閲覧者に対し、報酬として第二アイテムを付与する第二アイテム付与部であり、
前記第二アイテム付与部は、前記第一アイテムと引き換えに前記投稿者の投稿を受け付けてから一定期間の経過後、前記コンテンツの投稿を行った投稿者の選択により、前記コメントの投稿を行った閲覧者に対して第二アイテムを付与することを特徴とする、
請求項4に記載のコンテンツ消費報酬システム。
【請求項6】
さらに、前記閲覧者課金に基づいて、前記第二アイテムの増加に使用する第三アイテムを前記閲覧者に付与する第三アイテム付与部を備え、
前記第三アイテム付与部は、前記第一アイテムと引き換えに前記投稿者の投稿を受け付けてから一定期間の経過前において、閲覧者によるコンテンツの選択を受け付けて当該コンテンツに紐づく前記第二アイテムの数を増加させることを特徴とする、
請求項5に記載のコンテンツ消費報酬システム。
【請求項7】
前記コンテンツが、少なくとも小説を含む読み物であり、当該読み物はテキストデータで構成されることを特徴とする、
請求項1または請求項2に記載のコンテンツ消費報酬システム。
【請求項8】
コンピュータを、
投稿者による課金である投稿者課金を受け付ける投稿者課金受付手段、
前記投稿者課金に基づいて、コンテンツの投稿に使用する第一アイテムを前記投稿者に付与する第一アイテム付与手段、
前記投稿者の保有する前記第一アイテムと引き換えに、当該投稿者からコンテンツの投稿を受け付ける投稿受付手段、
コンテンツ公開用のウェブサイトに前記投稿者からのコンテンツを公開し、前記投稿者と閲覧者を含むユーザ間で当該コンテンツを共有させるコンテンツ公開手段、
閲覧者による課金である閲覧者課金を受け付ける閲覧者課金受付手段、
前記投稿者課金の額および前記閲覧者課金の額に基づいて、前記ウェブサイトにおける前記コンテンツの掲載位置を決定する掲載位置決定手段、
前記投稿者のコンテンツに対する前記閲覧者のコメントの投稿を受け付けるコメント投稿受付手段、
公開されている前記コンテンツを閲覧してかつコメントを投稿した前記閲覧者に対し、報酬として第二アイテムを付与する第二アイテム付与手段、
前記閲覧者課金に基づいて、前記第二アイテムの増加に使用する第三アイテムを前記閲覧者に付与する第三アイテム付与手段、および、
前記投稿者課金の額および前記閲覧者課金の額に基づいて前記報酬の額を決定する報酬額決定手段、
として機能させ、
前記第二アイテム付与手段は、前記第一アイテムと引き換えに前記投稿者の投稿を受け付けてから一定期間の経過後、前記コンテンツの投稿を行った投稿者の選択により、前記コメントの投稿を行った閲覧者に対して第二アイテムを付与し、
前記第三アイテム付与手段は、前記第一アイテムと引き換えに前記投稿者の投稿を受け付けてから一定期間の経過前において、閲覧者によるコンテンツの選択を受け付けて当該コンテンツに紐づく前記第二アイテムの数を増加させることを特徴とする、コンテンツ消費報酬プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ消費報酬システムおよびコンテンツ消費報酬プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
小説などのコンテンツの創作者が、コンテンツをインターネット上のプラットフォームに投稿し、閲覧者がそのコンテンツを自由に閲覧することが広く行われている。
例えば、非特許文献1に示すように、小説を自由に投稿・閲覧するオンラインサービスが知られている。
【0003】
しかしながら、従来のプラットフォームの場合、創作者が一度コンテンツを投稿すると、そのコンテンツをどこに掲載するかはプラットフォームのシステム次第である。創作者が閲覧されやすい位置に自己のコンテンツが掲載されることを希望しても、創作者は関与できない。
すでに知名度の高い投稿者の投稿などが見易い位置に掲載されるのが一般的であるため、知名度の低い作品は埋もれてしまう傾向にある。
【0004】
また、知名度の低い創作者によるコンテンツを閲覧することにインセンティブが働かないことも、コンテンツが閲覧されない原因と考えられる。
【0005】
特許文献1には、ネットワーク上において、投稿されたコンテンツを公開することで、複数の利用者間でコンテンツを共有させるコンテンツ共有システムであって、評価を行った評価者に対して報酬を与える評価報酬付与部を有するコンテンツ共有サーバ装置を備えるコンテンツ共有システムについて開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、投稿者が掲載順位に積極的に関与できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第6128903号公報
【非特許文献】
【0008】
【文献】株式会社ヒナプロジェクト、“小説家になろう”、[online]、[2023年9月9日検索]、インターネット<URL:https://syosetu.com/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする問題点は、小説などのコンテンツを創作して投稿する投稿者(創作者)が、投稿用ウェブサイトなどに自己の作品を投稿したときに、その作品の掲載位置に投稿者が関与できない点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、投稿者の課金額に応じてウェブサイトにおける掲載位置を決定すること、さらに、当該投稿者の課金を原資として、閲覧者に報酬を支払うことを最も主要な特徴とする。
【0011】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、例えば以下の手段を採用している。
すなわち、投稿者による課金である投稿者課金を受け付ける投稿者課金受付部、
課金している前記投稿者からコンテンツの投稿を受け付ける投稿受付部、
コンテンツ公開用のウェブサイトに前記投稿者からのコンテンツを公開し、前記投稿者と閲覧者を含むユーザ間で当該コンテンツを共有させるコンテンツ公開部、
少なくとも前記投稿者課金の額に基づいて、前記ウェブサイトにおける前記コンテンツの掲載位置を決定する掲載位置決定部、
公開されている前記コンテンツを閲覧した前記閲覧者に対し、報酬を付与する報酬付与部、および、
少なくとも前記投稿者課金の額に基づいて前記報酬の額を決定する報酬額決定部、
を備えることを特徴とする、コンテンツ消費報酬システムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のコンテンツ消費報酬システムは、投稿者の課金額に応じて掲載順位を決定することにより、課金額によっては閲覧者への露出が増えるほか、投稿者の課金を原資として読者に対して報酬を付与するため、例え知名度のない投稿者による作品であったとしても、読まれやすくすることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】コンテンツ消費報酬システム1の概要を示す図(ネットワーク構成図)である。
図2】ウェブサイトWにおけるトップページの画面(ランキング画面)を示す図である。
図3】検索条件画面を示す図である。
図4】検索結果画面を示す図である。
図5】コンテンツ内容表示画面を示す図である。
図6】コンテンツ概要表示画面を示す図である。
図7】ユーザページ画面を示す図である。
図8】ポイント購入画面を示す図である。
図9】アイテム購入画面を示す図である。
図10】報酬申請画面(前半部分)を示す図である。
図11】報酬申請画面(後半部分)を示す図である。
図12】投稿受付公開処理を示すシーケンス図である。
図13】報酬付与処理を示すシーケンス図である。
図14】報酬加算処理を示すシーケンス図である。
図15】サーバ10のハードウェア構成図である。
図16】投稿者端末20のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の各実施形態では、同一又は対応する部分については同一の符号を付して説明を適宜省略する場合がある。
また、以下に用いる図面は本実施形態を説明するために用いるものであり、実際の装置の構成やユーザーインターフェース(UI)、データベースなどとは異なる場合がある。
【0015】
(実施形態の概要)
本実施形態の概要について、図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態のコンテンツ消費報酬プログラムP1による処理を行うシステム(以下「コンテンツ消費報酬システム1」とする。)の概要を示す図(ネットワーク図)である。
コンテンツ消費報酬プログラムP1を備えるサーバ10は、投稿者が作品(コンテンツ)を投稿し、閲覧者が当該投稿を閲覧するためのプラットフォーム(ウェブサイトW)をオンラインで提供する。
本実施形態では、コンテンツが小説である場合を例に挙げて説明する。
【0016】
サーバ10は、投稿者の課金(投稿者課金)と引き換えに、当該投稿者にポイントを付与する。投稿者は当該ポイントを使用して自己の小説(コンテンツ)をウェブサイトWに投稿する。
ウェブサーバとしても機能するサーバ10は、投稿者の課金額(ポイント)に応じて小説の掲載順位を決定し、ウェブサイトWにおいて、課金額の大きい投稿者の投稿を上位表示する。
【0017】
ウェブサイトWに掲載されている小説を読んだ読者(閲覧者)は、投稿者に対してコメントを送信することができる。
投稿者はそのコメントの中から気に入ったコメントを所定の数だけ選択する。選択を受け付けたサーバ10は、そのコメントを投稿した読者に対し報酬(アイテム(果実))を付与する。
読者は、得た報酬をギフト券などに替えることができる。
【0018】
また読者も、課金(閲覧者課金)によりポイントを購入することができる。読者は購入したポイントを使用し、気に入った小説の投稿者を応援することができる。
具体的には、読者が応援したい小説にポイントを使用すると、その小説がより上位表示されやすくなり、また、報酬の総額が増加する。
このように、ウェブサイトWは著者(投稿者)と読者(閲覧者)を繋ぐプラットフォームとなる。本実施形態のウェブサイトWは、読書報酬型小説投稿サイトである。
【0019】
(実施形態の詳細)
以下、本実施形態に係るコンテンツ消費報酬システム1について、詳細を説明する。コンテンツ消費報酬システム1は、コンテンツ消費報酬プログラムP1を備えるコンピュータを含む。
すなわちコンテンツ消費報酬システム1は、コンテンツ消費報酬プログラムP1による情報処理が、ハードウェア資源を用いて具体的に実現されるものである。
以下、コンテンツ消費報酬システム1を構成する、1.ユーザーインターフェース、2.プログラム処理、3.データ、および4.ハードウェア構成、について順に説明する。
【0020】
(用語の定義)
ここで、いくつか言葉の定義を行う。
「コンテンツ」は、文学作品、音楽、画像、映像などの、創作物である。娯楽や教育に関するものであり、広告とは異なる。
「創作者」は、コンテンツを創作する者である。
「投稿者」は、コンテンツ消費報酬システム1にコンテンツを投稿する者である。投稿者とコンテンツの創作者とが同一であることが一般的であるが、これに限られるものではない。例えば、コンテンツを創作する創作者と、当該コンテンツを投稿等して管理する投稿者が別になる場合や、複数人でコンテンツを創作し、そのうちの一人が投稿を担当する場合などもあり得る。
「閲覧者」は、コンテンツ消費報酬システム1に投稿されているコンテンツを閲覧する者である。例えば小説の読者や、音楽や動画の視聴者などである。報酬の申請者は閲覧者に含まれる。
なお、閲覧者が別の作品の投稿者になることや、また、投稿者が別の作品の閲覧者になる場合もある。
「ユーザ」は、コンテンツ消費報酬システム1の利用者であり、「投稿者」と「閲覧者」を含む。
「管理者」は、コンテンツ消費報酬システム1を管理する者や組織である。
「押下」は、マウス操作によるクリックやタッチパネルによるタップなど、ボタンアイコンの操作を意味する。
【0021】
以下において、「○○」処理と記載している場合、コンピュータのプロセッサは、プログラム格納部に記憶されている「○○」プログラムに基づく処理を実行することを意味する。本段落において、「○○」の箇所には同じ語が入る。
すなわち、「○○」プログラムは、「○○」処理の実行により、コンピュータを「○○」手段として機能させるプログラムである。またこの際、当該プロセッサを備える制御部は、「○○」部(または「○○」装置)としても機能することを意味する。
この場合において、「○○」部は、「○○」プログラムに基づく「○○」処理を実行することを意味する。
【0022】
例えば、コンテンツ消費報酬プログラムP1は、コンテンツ消費報酬処理の実行により、コンピュータをコンテンツ消費報酬手段として機能させるプログラムである。またこの際、プロセッサ122を備えるコンピュータの制御部12は、コンテンツ消費報酬部130(またはコンテンツ消費報酬装置)として機能する。
コンテンツ消費報酬部130は、後述する投稿受付公開部132、報酬付与部134、および報酬加算部136を含む。
【0023】
コンテンツ消費報酬システム1において、投稿者端末20や閲覧者端末30などの各端末(コンピュータ)はそれぞれプロセッサを備えるが、単にプロセッサという場合は、コンテンツ消費報酬プログラムP1により処理を行うプロセッサ、本実施形態ではサーバ10のプロセッサ122、を指すものとする。
【0024】
1.ユーザーインターフェース
まず、本実施形態のコンテンツ消費報酬システム1が投稿者端末20や閲覧者端末30(以下「端末等」とする。)に表示させるインターフェース(UI)について、図を用いて説明する。
以下で説明するユーザーインターフェースは、プロセッサ122が端末等のブラウザに表示させるものを簡略化したものである。
【0025】
また、説明に必要な機能に関わるアイコン等のみ表示することとし、それ以外の公知のアイコンなどは省略する。例えば、直前に表示されていたページに戻るための戻るボタンなどは省略している。
【0026】
なお以下において、簡単のため、「サーバ10のプロセッサ122が、端末からのリクエストを受けて、当該端末のブラウザに表示するためのデータを返す」ことを、「プロセッサ122が端末のブラウザに表示する(させる)」または「プロセッサ122が表示する(させる)」などと記載する場合がある。
また同様に、「サーバ10のプロセッサ122が、記憶部14のデータ記憶部14bにデータを保存させる」ことを、「プロセッサが(データを)保存する(させる)」などと記載する場合がある。
【0027】
コンテンツ消費報酬システム1において、サーバ10は、投稿者が作品を投稿し、読者が当該投稿を閲覧するためのプラットフォームとなるウェブサイトWを表示する。この場合、サーバ10はウェブサーバとして機能する。
ウェブサイトWは、ログインしなくても閲覧できる一般ページと、ログインすることにより閲覧できるユーザページがある。
まず、ログインしなくても閲覧可能な一般ページについて説明する。
【0028】
図2は、ウェブサイトWにおけるトップページの画面(ランキング画面)を示す図である。
プロセッサ122はランキング画面において、投稿者や読者(閲覧者)の課金額に応じて、コンテンツ(ここでは小説)を上から順に表示する。ランキングアルゴリズムの詳細については後述する。
【0029】
本実施形態のランキング画面において、プロセッサは小説のサブタイトルごとに概要表示欄UI-11を表示する。
概要表示欄UI-11はリンクボタン(図中角丸四角部分)になっており、ユーザが当該リンクボタンを押下すると、プロセッサ122は後述するコンテンツ内容表示画面(図5)を表示し、その小説の本文を表示する。
なお、以下の画面でもプロセッサ122は概要表示欄UI-11を表示するが、デザインや機能等が異なる場合があるため、添え字で区別する。
【0030】
図2に示すように、概要表示欄UI-11aにおいてプロセッサ122は、その小説の順位(ランキング)、サムネイル画像、サブタイトル、小説タイトル、作者名、ジャンル、報酬発生残時間(図中時計マークで表示)、報酬獲得人数(リンゴマーク)、コメント数(吹き出しマーク)、コンテンツ分量(ここでは小説の文字数)、およびステータスイラスト(概要表示欄UI-11右端の木のイラスト)、を示す。
【0031】
ランキングは概要表示欄UI-11a左端に表示される数字である。
サムネイル画像は、投稿者が用意してあらかじめアップロードした画像である。本実施形態ではランキングの右側の正方形枠部分に表示される。
【0032】
小説タイトルはその小説のタイトルであり、サブタイトルはその小説内におけるサブタイトル(章立て、見出しなど)である。
例えば、小説タイトルが「吾輩は猫である」であれば、サブタイトルは当該小説に含まれる「一」、「二」などとなる。
本実施形態の概要表示欄UI-11aにおいて、プロセッサ122は、サブタイトルを先(上側、上段)に表示し、小説タイトルをその次(下側、下段)に表示する。
【0033】
ジャンルは、小説のジャンル(例えば「恋愛」、「異世界」、「SF」など)を示す。ジャンルは投稿者が決定する。
【0034】
報酬発生残時間(時計マーク)は、報酬が発生するまでの残り時間を示す。投稿者の投稿により報酬発生残時間のカウントダウンが始まり、報酬発生残時間が0になると、その小説に課金された額に応じて報酬が配分される。詳細は後述する。
以下において、報酬発生残時間は「有効期限」とも称する。
【0035】
報酬獲得人数(リンゴマーク)は、報酬を獲得できる人数を示す。
コメント数(吹き出しマーク)は、そのサブタイトルの内容に対するコメントの数を示す。
報酬獲得人数やコメント数は、その小説の人気度の指標にもなり得る。
【0036】
コンテンツ分量は、コンテンツの分量を示す。本実施形態のようにコンテンツが小説の場合、文字数またはページ数などを示す。
【0037】
ステータスイラスト(概要表示欄UI-11右端の木のイラスト)は、報酬発生残時間をイラストで示したものである。
プロセッサ122は、上述した報酬発生残時間が0でなければ木の生木のイラストを表示し、報酬発生残時間が0になったら枯れ木のイラストを表示する。
【0038】
図3は、検索条件画面を示す図である。
ユーザはトップページから検索条件画面に移動することができる。
検索条件画面において、プロセッサ122は検索条件ボタンUI-12(ジャンル選択ボタンUI-12a、タグ選択ボタンUI-12b、レーティング選択ボタンUI-12c)を表示し、読者が読みたい小説を検索するための条件の設定画面を表示する。
なお図3において、ボタンアイコンを示す部分の斜線はそのアイコンが選択されていることを示す(例えばジャンル選択における「恋愛」ボタンの部分など。)。
【0039】
読者は検索条件画面において、複数の検索条件により検索が可能である。
例えば、図3に示すように、第一の検索条件として小説のジャンル、第二の検索条件として投稿者が付与しているタグ、第三の検索条件として投稿者または管理者が付すレーティング(年齢制限)が挙げられる。
【0040】
本実施形態において、読者は小説のジャンルとして、「恋愛」、「異世界」、「SF」、「青春」、「ファンタジー」、「歴史」、「ホラー」、「児童文学」、「コメディー」、「学習」、「ミステリー」、または「エッセイ」を選択することができる。
【0041】
また、読者は「全ジャンル」を選択することもできる。この場合、読者はほかの特定のジャンルを選択できない。「全ジャンル」などの「すべて」を意味する選択については以下のタグ選択などでも同様であるため、説明は省略する。
【0042】
本実施形態において読者は、「恋愛」、「異世界」、「SF」、「青春」、「ファンタジー」、「歴史」、「ホラー」、「児童文学」、「コメディー」、「学習」、「ミステリー」、または「エッセイ」のタグを選択することができる。
【0043】
本実施形態において、読者はレーティングとして「R-15」または「R-18」を選択することができる。
【0044】
検索条件を設定後、読者が「この条件で検索」ボタンを押下することで、プロセッサは検索条件に該当する小説をウェブサイトW(より正確にはデータベース)内から検索し、次項の検索結果画面に表示する。
【0045】
図4は、検索結果画面を示す図である。
検察結果画面において、プロセッサ122は読者の検索条件に応じた検索結果、つまり検索条件に合致する小説をサブタイトル単位で一覧表示する。
【0046】
図4に示すように、検索結果画面においてプロセッサ122は、検索条件(検索件数、選択されたジャンル名やタグ名)を検索条件表示欄UI-13に表示し、また、検索条件に合致した小説とその概要を概要表示欄UI-11bとして一覧表示する。
【0047】
概要表示欄UI-11bは次項のコンテンツ内容表示画面へのリンクボタン(図中角丸四角部分)になっている。
なお、読者は、画面右上の検索条件変更ボタンUI-14を押下することにより検索条件を変更することができる。
【0048】
図5は、コンテンツ内容表示画面を示す図である。
本実施形態のコンテンツ内容表示画面において、プロセッサ122は小説の内容と、その小説に対する読者のコメントを表示する。
【0049】
図5に示すように、コンテンツ内容表示画面においてプロセッサ122は、小説タイトル表示部UI-15、コンテンツ表示部UI-16、コメント入力欄UI-17、コメント表示欄UI-18、およびコンテンツリンクボタンUI-19を表示する。
【0050】
小説タイトル表示部UI-15においてプロセッサ122は表示している小説のタイトルを表示する。小説タイトル表示部UI-15はリンクボタンになっており、ユーザがここを押下するとプロセッサ122は後述するコンテンツ概要表示画面を表示する。
【0051】
コンテンツ表示部UI-16においてプロセッサ122はコンテンツである小説の内容を表示する。つまり、投稿者によってアップロードされたテキストファイルのテキストをプロセッサ122が表示する。
【0052】
コメント入力欄UI-17は、閲覧者等がコメントを入力するためのテキストボックスである。プロセッサ122はコメント入力欄UI-17に入力された内容をコメントデータとして取得する。
なおプロセッサ122は、ユーザがログインしている場合に限りコメント入力欄UI-17をコンテンツ内容表示画面に表示する。ログインやユーザページについては後述する。
【0053】
コメント表示欄UI-18は、コメント入力欄に入力されたコメントをプロセッサ122が表示する欄である。
【0054】
コンテンツリンクボタンUI-19は、例えば次のページや前のページなど、表示しているサブページから他のサブページなどへのリンクである。本実施形態において、コンテンツリンクボタンUI-19は、コンテンツ表示部UI-16の右側と下側に表示される。
【0055】
後述する報酬付与処理において、投稿者はコメント表示欄UI-18に表示されたコメントから報酬を与えるコメントを選択する。
コメントを選択して報酬を付与する投稿者用の画面については省略するが、報酬発生残時間(有効期限)内に報酬獲得人数分のコメントを選択して決定すると、有効期限経過後にプロセッサ122がそのコメントの投稿者に報酬(アイテム(果実))を付与する。
なお本実施形態において、一つのコメントに2つ以上の報酬(アイテム(果実))は付与できない仕様である。
【0056】
本実施形態において、コンテンツである小説は、投稿者が投稿したテキストデータに基づいてhtml形式で表示される。つまり、本実施形態においてコンテンツの小説はテキストデータで構成される。テキストデータはデータ量が少ないため、通信負担が少なく、閲覧者端末において表示までの時間が短いという利点がある。表示までの時間が短いことにより、閲覧者が気軽にコンテンツを楽しむことができる。
【0057】
テキストデータで構成されるとは、テキストデータのみで構成される場合に限らない。例えば、本文のテキストデータに加え、挿絵などのために画像データを含む態様であってもよい。
【0058】
また、小説を表示する態様はこれに限るものではなく、テキストが記載された画像(pdf画像やjpg画像)をプロセッサ122が掲載するようにしてもよい。
【0059】
図6は、コンテンツ概要表示画面を示す図である。
本実施形態のコンテンツ概要表示画面において、プロセッサ122は小説の詳細情報や目次を表示する。
【0060】
図6に示すように、本実施形態のコンテンツ概要表示画面においてプロセッサ122は、書誌事項表示部UI-20と、概要表示欄UI-11cを表示する。
概要表示欄UI-11cはコンテンツ内容表示画面へのリンクボタン(図中角丸四角部分)になっている。
【0061】
書誌事項表示部UI-20は、選択した小説の書誌的事項を表示する。本実施形態において、書誌事項表示部UI-20は、小説のタイトル、作者、ジャンル、タグ、フォロワー数、小説の概要を表示する。
【0062】
また、プロセッサ122は、画面右上に「この小説をフォローする」ボタンを表示する。ユーザがボタンを押下すると、プロセッサ122は表示されている小説にタグを付し、ユーザがフォロー中小説一覧表示画面からその小説を読むことができるようにする。
【0063】
概要表示欄UI-11cは、サブタイトルのほか、報酬発生残時間(時計マーク)、報酬獲得人数(リンゴマーク)、コメント数(吹き出しマーク)、コンテンツ分量(ここでは小説の文字数)、およびステータスイラストを表示する。
【0064】
またプロセッサ122は、概要表示欄UI-11cの内部に、水遣りボタンUI-21を表示する。
読者がアイテム(水)を所有している場合、読者が水遣りボタンUI-21を押下することで木を成長させることができる。木が成長すると、その木が生み出すアイテム(果実)の量が多くなる。
つまり、木には種を蒔いてから枯れるまでの有効期限があり、その有効期限が経過するとその木はアイテム(果実)を生成する。木は、有効期限内に得たアイテム(水)の量によって生成するアイテム(果実)の量を変化させる。
【0065】
例えば本実施形態において、金の種から生長する木の有効期限は1週間である。金の種から生長する木には金の水のみが有効である。
その有効期限内に生成するアイテム(果実)の量は、アイテム(種)の量と、使用されたアイテム(水)の量に応じて変化する。アイテム(種)を5個使用、アイテム(水)を1個使用した場合に発生するアイテム(果実)の数は6個である。アイテム(果実)の数により、報酬を得られる読者の人数が定まる。
【0066】
なお本実施形態においてステータスイラストは、有効期限内であれば生木(図6参照)であり、有効期限経過後であれば枯れ木のイラストである(不図示)。
【0067】
また本実施形態において、有効期限が切れて一度枯れ木のイラストが表示されたとしても、投稿者がその投稿に対してアイテム(種)を使用した場合、ステータスイラストが枯れ木から再度生木になり、アイテム(水)の使用が可能となる。また、その有効期限が経過すると、その小説についてアイテム(果実)が発生する。
【0068】
続いて、ユーザページについて説明する。
例えば作品を投稿する投稿者や、報酬申請を行う読者は、自分用のユーザページを作成する。
投稿者や読者などのユーザは、あらかじめ定めたパスワードによりユーザページにログインする。
【0069】
図7は、ユーザページ画面を示す図である。
ユーザページ画面において、プロセッサ122はそのユーザ(投稿者や読者)が保有するポイント情報や、各操作のためのメニュー選択ボタンUI-22を表示する。
ユーザが保有するポイントは、プロセッサが画面上部に表示する。図7の例において、ユーザは20,000ポイントを保有し、そのうち10,000ポイントが有償ポイント、10,000ポイントが無償ポイントである。なおポイント表示は以下の画面でも同様であるため、説明を省略する。
【0070】
本実施形態において、プロセッサ122が表示するメニュー選択ボタンUI-22は「プロフィール編集」、「フォロー中小説」、「アイテム管理」、「報酬申請」、「パスワード変更」、「ログアウト」である。
【0071】
ユーザが「プロフィール編集」ボタンを押下すると、プロセッサ122はユーザが自己のプロフィールを編集するためのプロフィール編集画面を表示する(図示省略)。
同様に、ユーザが「フォロー中小説」ボタンを押下するとユーザがフォローしている小説を一覧表示するフォロー中小説一覧表示画面を表示し、「パスワード変更」ボタンを押下するとログインパスワードを変更するためのパスワード変更画面を表示し、ユーザが「ログアウト」ボタンを押下すると、プロセッサ122はログアウト画面を表示する(いずれも図示省略)。
【0072】
以下、「アイテム管理」ボタンから遷移するアイテム管理画面、「報酬申請」ボタンから遷移する報酬申請画面について説明する。
【0073】
アイテム管理画面はさらに、「アイテム購入画面」、「所有アイテム表示画面」、「ポイント購入画面」の3項目を含む。
本実施形態において、ユーザが「アイテム管理」ボタンを押下すると、アイコン管理画面のうちアイテム購入画面が表示される(不図示)。ただし以下ではポイント購入画面から説明する。
【0074】
図8は、アイテム管理画面のうちのポイント購入画面を示す図である。
ここでアイテム管理画面において、画面上部右側の「アイテム購入|所有アイテム|ポイント購入」の部分はそれぞれのページへのリンクを含むボタンになっている。例えば、ユーザが「所有アイテム」ボタンを押下すると所有アイテム表示画面にページが遷移する。
図8において、現在表示している画面を下線のない太文字(「ポイント購入」の部分)で示している。
【0075】
図8に示すポイント購入画面において、プロセッサ122はユーザが購入可能なポイントとその費用を表示する。
【0076】
図8に示すように、プロセッサ122は、ポイント購入画面に購入ポイント選択ボタンUI-23を表示する。この例の場合、500ポイントが500円で、2,100ポイントが2,000円で、5,500ポイントが5,000円で購入できることを示す。
投稿者は購入したいポイント数を選択して購入ポイント選択ボタンUI-23を押下する。
【0077】
投稿者がボタンを押下するとプロセッサ122は確認画面、決済画面を表示し(不図示)、投稿者は表示される内容に従ってポイントを購入することができる。
なお、確認画面や決済画面の表示や処理は、ネットショップ等における公知の方法を用いることができる。
【0078】
図9は、アイテム管理画面のうちのアイテム購入画面を示す図である。
アイテム購入画面において、プロセッサ122は投稿者や読者などのユーザが購入可能なアイテムやその購入に必要なポイント数を表示する。
【0079】
図9に示すように、プロセッサ122は、アイテム購入画面にアイテム選択ボタンUI-24を表示する。この例の場合、リンゴの種とリンゴの水が100ポイントで、銀の種と銀の水が1,000ポイントで、金の種と金の水が5,000ポイントでそれぞれ購入できることを示す。
投稿者または読者は、購入したいアイテムを選択してアイテム選択ボタンUI-24を押下する。
投稿者または読者がボタンを押下すると、プロセッサ122は確認画面を表示し(不図示)、投稿者は表示される内容に従ってアイテムを購入することができる。
【0080】
図10は、報酬申請画面(前半部分)を示す図である。
報酬申請画面において、プロセッサ122は読者から報酬の申請を受け付け、また、プロセッサ122は報酬付与の履歴などを表示する。
【0081】
図10に示すように、プロセッサ122は報酬申請画面に所有アイテム(果実)表示欄UI-25、利用数選択窓UI-26、合計ポイント表示欄UI-27、報酬決定ボタンUI-28を表示する。
【0082】
所有アイテム(果実)表示欄UI-25は、読者が所有するアイテム(果実)の種類と数を表示する。
利用数選択窓UI-26は、読者によるアイテム(果実)の利用数の入力を受け付ける。読者は数字を直接入力してもよいし、右側の上下アイコンで数を増減することができる。
合計ポイント表示欄UI-27は、報酬申請が可能なポイント数を表示する。図10の例では、1個80ポイントのリンゴが1個選択されているため、合計は80ポイントとなる。
報酬決定ボタンUI-28は、読者が受け取りたい報酬の種別の入力を受け付ける。図10の例では、ポイントはギフト券か無償ポイントと交換できる。
読者が報酬決定ボタンUI-28を押下すると、プロセッサ122は確認画面を表示し(不図示)、投稿者は表示される内容に従って報酬を得ることができる。
【0083】
読者が利用するアイテムの数と種類を選択し、報酬決定ボタンUI-28を押下すると、プロセッサ122は確認画面を表示する(不図示)。投稿者は表示される内容に従って報酬の確認等を行うことにより、報酬を得ることができる。
【0084】
図11は、報酬申請画面(後半部分)を示す図である。
図11に示すように、プロセッサ122は報酬申請画面(後半部分)に果実変換履歴表示欄UI-29、果実獲得履歴表示欄UI-30を表示する。
【0085】
果実変換履歴表示欄UI-29は、アイテム(果実)の報酬への変換日、アイテム(果実)の変換先、変換により変動したポイント数、およびギフトコードを表示する。
【0086】
例えば図11中、変換日が2023年7月2日のものについては、ユーザ(閲覧者)は保有しているポイントのうち、240ポイントを無償ポイントに変換して取得している。
また、変換日が2023年7月6日については、保有している2,400ポイントに相当するギフトカードをギフトコードの形で取得している。
【0087】
果実獲得履歴表示欄UI-30は、アイテム(果実)の獲得日(図中では「収穫日」と表示)、獲得したアイテム(果実)の種類、アイテム(果実)の獲得に係る小説のタイトルとサブタイトル、アイテム(果実)をポイントやギフトカードに交換済みか否か、および得たアイテム(果実)のポイント換算値(図中「P価値」と記載)を表示する。
【0088】
例えば図11中、2023年6月30日の収穫日にユーザ(閲覧者)は、小説タイトル「Novel1」のサブタイトル「第1話」の小説に対して投稿したコメントが投稿者に選出され、アイテム(果実)のうち「リンゴ」を獲得している。そしてそのアイテム(果実)のポイント価値は80ポイントである。
【0089】
以上のような構成により、読者(閲覧者)は自分に合うと思う小説を検索し、気軽に楽しむことができる。また、読んだ小説が気に入った場合にはコメントすることができるほか、ポイントを購入してその小説を応援することができる。
コメントが投稿者に選ばれると読者は報酬を得ることができることから、読者と投稿者(創作者)がより密なコミュニケーションを取ることができる。
グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)により、読者はストレスなく小説を読むことができる。
【0090】
2.プログラム処理
<コンテンツ消費報酬処理>
本実施形態のコンテンツ消費報酬システム1において行われるプログラム処理について説明する。
【0091】
本実施形態において、プロセッサ122は、コンテンツ消費報酬プログラムP1に基づき、コンテンツ消費報酬処理を行う。
コンテンツ消費報酬プログラムP1は、以下に示す投稿受付公開プログラムP12、報酬付与プログラムP14、報酬加算プログラムP16、および掲載位置更新プログラムP12aを含み、プロセッサ122はこれらの各プログラムに基づいて、投稿受付公開処理、報酬付与処理、報酬加算処理、および掲載位置更新処理をそれぞれ実行する。
また、これらのP12、P14、P16およびP12aの各プログラムは、上述した各種処理の実行により、コンピュータを投稿受付公開手段、報酬付与手段、報酬加算手段および掲載位置更新手段として機能させる。
【0092】
なお以下において、小説はサブタイトル単位で投稿され、またサブタイトル単位で報酬が決定・付与される。例えば、連続小説が1話ごとに投稿されるイメージである。
また以下において、種のアイテム、水のアイテム、果実のアイテムをそれぞれアイテム(種)、アイテム(水)、アイテム(果実)と表記する。
【0093】
ユーザがポイントやアイテム(以下「ポイント等」とする。)を購入する、またはプロセッサがユーザにポイント等を付与するとは、ユーザのポイント等を管理するデータベース(ポイントアイテムデータベースD11や取引履歴データベースD12など)において、プロセッサ122がポイント等に係る数値を増やすことを意味する。
同様に、ユーザがアイテムを消費するとは、プロセッサ122がユーザのポイント等を管理するデータベースにおいてポイント等の数を減じることを意味する。
【0094】
<2-1.投稿受付公開処理>
プロセッサ122は、投稿受付公開プログラムP12に基づき、投稿受付公開処理を行う。
投稿受付公開処理において、プロセッサ122は、投稿者からコンテンツ(本実施形態では小説)の投稿を受け付けて、ウェブサイトW上に公開する。
【0095】
図12は、投稿受付公開処理を示すシーケンス図である。
本実施形態においてプロセッサ122は、ポイント購入画面においてユーザがポイント購入に係る決済処理ボタンの押下を受け付けることにより、投稿受付公開処理を開始する。
【0096】
投稿者から料金の支払いを受けると(ステップ1)、プロセッサ122はその投稿者にポイント(有償ポイント)を付与する(ステップ2)。
つまり、プロセッサは、投稿者による課金である投稿者課金を受け付ける(投稿者課金受付処理)。
なお本実施形態において、有償ポイントの有効期限は6か月である。
【0097】
投稿者はポイントを消費することにより、アイテム(種)を購入することができる。すなわちプロセッサ122は、投稿者が保有するポイントを減じて(ステップ3)、投稿者が所望するアイテム(種)を付与する(ステップ4)。
【0098】
ここで、コンテンツの投稿に使用するアイテムを「第一アイテム」と称する。ここではアイテム(種)が第一アイテムとなる。
つまりプロセッサ122は、投稿者課金に基づいて、コンテンツの投稿に使用する第一アイテムを投稿者に付与する(第一アイテム付与処理)。
【0099】
投稿者はアイテム(種)を消費して、小説を投稿することができる。つまり、プロセッサ122は投稿者が保有するアイテム(種)の数を減らすとともに、投稿者から小説に係るデータを受け付けて保存する(ステップ5)。
言い換えると、プロセッサ122は、課金している投稿者からコンテンツの投稿を受け付ける(投稿受付処理)。
逆に、課金していない、すなわちポイントを購入していないユーザは投稿することができない。
本実施形態に即して言い換えると、プロセッサ122は、投稿者の保有する第一アイテムと引き換えに、当該投稿者からコンテンツの投稿を受け付ける(投稿受付処理の一態様)。
【0100】
またプロセッサ122は、投稿者がアイテム(種)を消費して小説を投稿したときに、報酬発生残時間のカウントダウンを計時部128に開始させる。
本実施形態において、報酬発生残時間は種の種類によって異なる。例えば、投稿者がアイテム「金の種」を使用して投稿した場合、報酬発生残時間は1週間である。(アイテム「金の種」から生長する木の有効期限は1週間である)。
【0101】
なお本実施形態において、小説の投稿に必要な種の数は最低5個である。しかしこの最低限必要な種の数は管理者が変更することができる。
【0102】
プロセッサ122は、受け付けた投稿に係る小説についてウェブサイトWにおける掲載位置を決定し、ウェブサイトW上に公開する(ステップ6)。
すなわちプロセッサ122は、コンテンツ公開用のウェブサイトに投稿者からのコンテンツを公開し、投稿者と閲覧者を含むユーザ間で当該コンテンツを共有させる(コンテンツ公開処理)。
【0103】
またこのときプロセッサ122は、投稿者が投稿に使用したアイテム(種)に係るポイント数に応じて、投稿された小説のウェブサイトWにおける掲載位置を決定する。
【0104】
すなわちプロセッサ122は、少なくとも投稿者課金の額に基づいて、ウェブサイトWにおけるコンテンツの掲載位置を決定する(掲載位置決定処理)。
【0105】
なお、この掲載位置は定期的に見直される。後述するアイテム(水)の使用によりコンテンツに紐づくポイント数が変動するためである。本実施形態において、コンテンツに紐づくポイントに基づく掲載位置の変更は、24時間ごとに行われる。詳細は(2-4.掲載位置更新処理)の項で後述する。
【0106】
読者は、ウェブサイトWにて小説を読み、また当該小説に対するコメントを投稿することができる。つまりプロセッサ122は、投稿者のコンテンツに対する閲覧者のコメントの投稿を受け付ける(ステップ7・コメント投稿受付処理)。
なお、コメントの投稿はログインしている読者のみ可能である。
【0107】
読者からコメントが投稿されると、プロセッサ122は投稿者にその旨を通知する(ステップ8)。
通知は、投稿者のユーザ画面に表示される(不図示)。ただしこれに限られるものではなく、投稿者のメールアドレスがあらかじめ登録されているのであれば、そのメールアドレスに通知してもよい。
【0108】
なお、アイテム(種)を使用して有効期限が到来し、再度その小説に投稿者がアイテム(種)を使用した場合、ステップ5以降同様のプロセスをプロセッサ122は実行する。例えば、ステップ6においてプロセッサ122は、ステータスイラストを枯れ木から生木に替えて表示する。ただし、すでに小説は公開されているため、再度公開するなどの処理は本実施形態では行わない。
【0109】
以上のように、本実施形態の投稿受付公開処理は、投稿者課金受付処理、第一アイテム付与処理、投稿受付処理、コンテンツ公開処理、掲載位置決定処理、および、コメント投稿受付処理、を含む。
すなわち、投稿受付公開プログラムP12を含むコンテンツ消費報酬プログラムP1は、コンピュータを投稿者課金受付手段、第一アイテム付与手段、投稿受付手段、コンテンツ公開手段、掲載位置決定手段、および、コメント投稿受付手段、として機能させる。
またこのとき、プロセッサ122を備える制御部12は(投稿受付公開処理を実行する)投稿受付公開部132として機能し、また、投稿受付公開部132は投稿者課金受付部132a、第一アイテム付与部132b、投稿受付部132c、コンテンツ公開部132d、掲載位置決定部132e(後述の掲載位置更新部132fを含む)、および、コメント投稿受付部132gを含む。
【0110】
投稿受付公開処理により、ポイントを購入等してコンテンツ(小説)を投稿した投稿者の投稿のみがウェブサイトWに表示される。このことにより、スパムのような投稿は表示されないため、投稿者の信頼度が向上し、また、読者も安心して小説などのコンテンツを楽しむことができる。
また、ポイントとアイテム(種)を購入するシステムにすることにより、投稿者は種のアイテムを育てるという楽しみを得ることができる。
【0111】
<2-2.報酬付与処理>
プロセッサ122は、報酬付与プログラムP14に基づき、報酬付与処理を行う。
報酬付与処理において、プロセッサ122は、公開されているコンテンツを閲覧した閲覧者に対し、報酬を付与する。本実施形態において、報酬を付与する読者(閲覧者)は投稿者が決定する。
また、プロセッサ122は、少なくとも投稿者課金の額に基づいて前記報酬の額(報酬額)を決定する(報酬額決定処理)。
【0112】
図13は、報酬付与処理を示すシーケンス図である。
本実施形態においてプロセッサ122は、小説(サブタイトル単位)の報酬発生残時間が0になると、報酬付与処理を開始する。
【0113】
プロセッサ122は、ステータスイラストを生木のイラストから枯れ木のイラストに切り替える(ステップ11)。
【0114】
本実施形態において、プロセッサ122は、対象となる小説に対して使用されたアイテム(種)とアイテム(水)の種類と数に基づいて報酬の額を決定する。
具体的には、使用されたアイテム(種)を購入する際に必要なポイントと、使用されたアイテム(水)を購入する際に必要なポイントの和を算出し、その80%が報酬額となる。
【0115】
つまりプロセッサ122は、少なくとも投稿者課金の額および閲覧者課金の額に基づいて(閲覧者に付与する)報酬の額を決定する(ステップ12・報酬額決定処理の一態様)。
【0116】
例えば、投稿者がアイテム「金の種」(1個5,000ポイント)を5個使用して小説を投稿し、三人の読者がその小説に対してアイテム「金の水」(1個5,000ポイント)を1個ずつ(計3個)使用したとする。
この場合、5,000×5+5,000×3=40,000ポイントの80%である32,000ポイントが報酬額となる。
【0117】
プロセッサ122は、この報酬額を報酬獲得人数で等分して読者1人当たりの報酬額を決定する。
【0118】
本実施形態において、報酬獲得人数は対象となる小説に対して使用されたアイテム(種)とアイテム(水)の和で決まる。
上記の例の場合、使用されたアイテム(種)が5個、使用されたアイテム(水)が3個であるから、報酬獲得人数は8人となる。
そして、報酬額が32,000ポイントであるから、これを8等分して1人当たり4,000ポイントが報酬となる。
【0119】
本実施形態において、プロセッサ122は、報酬をギフトカードなどに交換可能なアイテム(果実)として付与する。
【0120】
本実施形態において、「金の果実」、「銀の果実」、「リンゴの果実」はそれぞれ4,000ポイント、800ポイント、80ポイント相当の価値がある。
これは、アイテム(種)やアイテム(水)の購入に必要なポイント数の80%となる設計である。
【0121】
例えば、アイテム「金の種」または「金の水」の購入に必要なポイント数は5,000ポイントであり、アイテム「金の果実」から得られるポイント数は4,000ポイントである。
【0122】
上記の例では、対象となる小説に、アイテム「金の種」(1個5,000ポイント)が5個、アイテム「金の水」(1個5,000ポイント)が3個使用されているため、プロセッサ122は、アイテム「金の果実」(1個4,000ポイント)8個を報酬として読者に分配する。
【0123】
また上記の例において、使用されたアイテム(種)が5個、使用されたアイテム(水)が3個の場合、報酬として配分されるアイテム(果実)の数は8個であり、これが報酬獲得人数となる。
【0124】
ここで、コンテンツ(小説)を閲覧した閲覧者(読者)に報酬として付与されるアイテムを「第二アイテム」と称する。ここではアイテム(果実)が第二アイテムとなる。
本実施形態において、プロセッサ122は、公開されているコンテンツを閲覧してかつコメントを投稿した前記閲覧者に対し、報酬として第二アイテムを付与する(第二アイテム付与処理)。
また、プロセッサ122は、投稿者課金および閲覧者課金に基づいて報酬を決定し、第二アイテムを分配する。
【0125】
図13に戻り、投稿者は、報酬発生残時間が0になってから所定の期間が経過する前に報酬を与える対象となるコメントを選出する。また投稿者は、報酬獲得人数の数だけコメントを選出する。
そしてプロセッサ122は、投稿者が選出したコメントを受け付ける(ステップ13)。
【0126】
なお本実施形態において、投稿者が期間内にコメントを選出しない場合、プロセッサ122がランダムで報酬付与の対象を決定する。
また、ネガティブワードを含んだコメントは選出されないようになっている。つまりプロセッサ122は、ネガティブワードを含むコメントを選択できないように除外する。
【0127】
図13に戻り、投稿者のコメント選出を受けて、プロセッサ122は選出されたコメントを投稿した読者にアイテム(果実)を付与する(ステップ14)。
【0128】
つまり、第二アイテム付与処理において、プロセッサ122は、第一アイテムと引き換えにプロセッサ122が投稿者の投稿を受け付けてから一定期間(報酬発生残時間)の経過後、コンテンツの投稿を行った投稿者の選択により、コメントの投稿を行った閲覧者に対して第二アイテム(果実)を付与する。
言い換えると本実施形態において、閲覧者は、公開されているコンテンツを閲覧し、コメントを投稿し、かつ投稿者にそのコメントが選出されることにより、報酬を得ることができる。
【0129】
読者は報酬申請画面において、獲得したアイテム(果実)を消費して報酬を申請することができる(ステップ15)。
報酬申請を受け付けると、プロセッサ122は読者が保有するアイテム(果実)の数を減らすとともに、読者に対して報酬を付与する(ステップ16)。本実施形態において、読者が受け取る報酬とはギフトカードや無償ポイントである。
なお本実施形態において、報酬申請は200ポイント以上のアイテム(果実)が必要である。
【0130】
ここで、読者が報酬として無償ポイントを選択した場合、読者はその無償ポイントを投稿者に譲渡することができる(ステップ17)。無償ポイントを譲渡することで、投稿者はお気に入りの投稿者を応援することができる。
なお本実施形態において、譲渡できる無償ポイントは最低10ポイントからで、10ポイント単位で譲渡できる。また本実施形態は、有償ポイントを譲渡することはできない仕様である。
【0131】
以上のように、本実施形態の報酬付与処理は、報酬額決定処理および第二アイテム付与処理を含む。
すなわち、報酬付与プログラムP14を含むコンテンツ消費報酬プログラムP1は、コンピュータを報酬額決定手段および第二アイテム付与手段として機能させる。
またこのとき、プロセッサ122を備える制御部12は(報酬付与処理を実行する)報酬付与部134として機能し、また、報酬付与部134は報酬額決定部134aおよび第二アイテム付与部134bを含む。
【0132】
報酬付与処理により、小説などのコンテンツを閲覧した閲覧者は報酬を得ることができるため、閲覧者がコンテンツを閲覧するインセンティブ(動機)となる。
閲覧者がコンテンツを積極的に閲覧するようになるため、投稿者にとって自分が創作したコンテンツを見てもらえる可能性が高くなる。
また、プロセッサ122が報酬の量などを果実のイラストで表示することにより、閲覧者は報酬付与を果実の収穫のように楽しみながら待つことができる。
このほか、金銭を直接取り扱うのではなく、アイテムという形のシステム内通貨で取引することにより、コミュニティ内で結束しやすくできる。また金銭をやり取りすることの心理的障壁が軽減できることが考えられる。
【0133】
<2-3.報酬加算処理>
プロセッサ122は、報酬加算プログラムP16に基づき、報酬加算処理を行う。
報酬加算処理において、プロセッサ122は、読者によるポイントの消費を受け付けて、読者が指定するコンテンツ(小説)の報酬を加算する。
【0134】
ここで報酬加算処理は、報酬付与処理の一部と言える。つまり、投稿受付公開処理により小説が投稿されて、読者が当該小説を閲覧して報酬付与処理が可能なときに実行できる処理であるためである。
【0135】
図14は、報酬加算処理を示すシーケンス図である。
本実施形態においてプロセッサ122は、アイテム購入画面においてユーザがアイテム(水)の購入に係る決済処理ボタンの押下を受け付けることにより、報酬加算処理を開始する。
【0136】
読者はポイントを消費することにより、アイテム(水)を購入することができる。
すなわちプロセッサ122は、読者が保有するポイントを減じて(ステップ21)、読者にアイテム(水)を付与する(ステップ22)。
つまりプロセッサ122は、閲覧者による課金である閲覧者課金を受け付ける(閲覧者課金受付処理)。
【0137】
読者はアイテム(水)を消費して、支援したい小説の果実を増やすことができる。
すなわちプロセッサ122は、読者が保有するアイテム(水)を減じて(ステップ23)、読者が対象として選択する小説のアイテム(果実)の数を増加させる(ステップ24)。
本実施形態において、支援したい小説に対してアイテム(水)を1個消費するごとに、当該小説の報酬(アイテム(果実))が1個増加する。
【0138】
ここで、第二アイテムの増加に使用するアイテムを「第三アイテム」と称する。ここではアイテム(水)が第三アイテムとなる。
つまりプロセッサ122は、閲覧者課金に基づいて、第二アイテムの増加に使用する第三アイテムを閲覧者に付与する(第三アイテム付与処理)。
【0139】
第三アイテム付与処理においてプロセッサ122は、第一アイテムと引き換えに前記投稿者の投稿を受け付けてから一定期間(報酬発生残時間)の経過前において、閲覧者によるコンテンツの選択を受け付けて当該コンテンツに紐づく第二アイテムの数を増加させる。
【0140】
図14に戻り、プロセッサ122は、アイテム(水)の提供があった場合、その対象となる小説の投稿者に通知する(ステップ25)。
【0141】
以上のように、本実施形態の報酬加算処理は、閲覧者課金受付処理および第三アイテム付与処理を含む。
すなわち、報酬加算プログラムP16を含むコンテンツ消費報酬プログラムP1は、閲覧者課金受付手段および第三アイテム付与手段として機能させる。
またこのとき、プロセッサ122を備える制御部12は(報酬加算処理を実行する)報酬加算部136として機能する。報酬加算部136は、閲覧者課金受付部136aおよび第三アイテム付与部136bを含む。
【0142】
報酬加算処理により、読者は気に入った小説を応援することができる。特に、著者が種を蒔いて成長させている木に対し、水を与えるという行為を模擬することにより、読者はその小説をともに育てるという楽しみを得ることができる。
【0143】
<2-4.掲載位置更新処理>
プロセッサ122は、掲載位置更新プログラムP12aに基づき、掲載位置更新処理を行う。
掲載位置更新処理においてプロセッサ122は、コンテンツに対する投稿者課金の額および閲覧者課金の額に基づいて、当該コンテンツのウェブサイトWにおける掲載位置を更新(決定)する。
掲載位置更新処理は上述した掲載位置決定処理の一態様である。
【0144】
本実施形態においてプロセッサ122は、あらかじめ定められたタイミングで(例えば毎日17時)、投稿されている全小説の全サブタイトルごとに、獲得しているポイントを集計し、各小説の掲載位置(ランキング)を更新する。
【0145】
獲得しているポイントとは、投稿者が対象となる小説の投稿時に使用したアイテム(種)に応じたポイントと、読者が対象となる小説に使用したアイテム(水)に応じたポイントの和である。
【0146】
例えば、投稿者が金の種(5,000ポイント)を5つ消費して小説(サブタイトルに係る部分)を投稿したとする。そして、読者の一人がその小説に金の水(5,000ポイント)を1つ消費したとする。
この場合、この小説(サブタイトルに係る部分)のポイントは投稿者による25,000ポイント(5,000ポイント×5)と読者による5,000ポイントの計30,000ポイントである。
【0147】
プロセッサ122は、このように投稿者が投じたポイントと読者が投じたポイントの合計を計算し、その合計ポイントが多い順に小説(サブタイトルにかかる部分)の概要(概要表示欄UI-○○○a)をランキング表示する。
【0148】
以上のように、本実施形態の掲載位置決定処理は掲載位置更新処理を含む。
すなわち、掲載位置更新プログラムP12aを含むコンテンツ消費報酬プログラムP1は、コンピュータを掲載位置更新手段として機能させる。
またこのとき、プロセッサ122を備える制御部12は掲載位置更新部132fとして機能する。
【0149】
掲載位置更新処理により、プロセッサ122は、投稿後にアイテム(水)が使用された場合のランキングを適切に表示することができる。
アイテム(種)の使用量だけでランキングを決定する場合と比べ、プロセッサ122は、投稿した小説の読者である読者の人気も加味したランキングを表示することができる。
【0150】
以上のような構成により、投稿者と読者(閲覧者)の間にコンテンツ消費報酬システム1が介在し、コンテンツ消費報酬システム1は投稿の公開や報酬の付与を円滑に処理する。つまり、投稿者は自身の投稿をより多くの閲覧者に見てもらうことができ、また、閲覧者は報酬を得ながら多くの作品に触れることができるプラットフォームを、コンテンツ消費報酬システム1が提供する。
特に、投稿者は投稿に際して課金を行い、また、閲覧者は報酬を得るためにコメントを投稿する必要であることから、コンテンツ消費報酬システム1は投稿者側、閲覧者側の双方に能動的な行動を促す。このことにより、投稿者および閲覧者によるコミュニティが形成され、活性化するという利点がある。
投稿者が無名の作者であったとしても、このようなコミュニティを形成する機会が得られるという点で従来のプラットフォームと大きく異なる。
【0151】
3.データ
以下、本実施形態のコンテンツ消費報酬システム1が扱うデータについて、図を用いて説明する。
本実施形態のコンテンツ消費報酬システム1は、サーバ10の記憶部14(データ格納部14b)にサーバデータベースD10を備える。
サーバデータベースD10は、ポイントアイテムデータベースD11、取引履歴データベースD12、および投稿データベースD13を備える。
以下それぞれについて説明する。
【0152】
【表1】
【0153】
表1はポイントアイテムデータベースD11が備えるデータを例示するものである。
ポイントアイテムデータベースD11は、ユーザが所有するポイントやアイテム(ポイント等)に関するデータ(ポイントデータ、アイテムデータ)を記憶するデータベースである。
【0154】
ポイントアイテムデータベースD11により、プロセッサ122は、ユーザの保有するポイント等をユーザの端末に表示することができ、ユーザはそれを見て自己の保有するポイント等を確認することができる。
【0155】
ポイントアイテムデータベースD11はデータとして、一意のユーザIDと、ユーザが所有するポイント数およびアイテム数を備える。
表1に示すように、本実施形態のポイントアイテムデータベースD11は、ポイント数について有償ポイント数(表1において「有償P」と略記)、無償ポイント数(無償P)、保有ポイント数(保有P)を記憶する。
同様に本実施形態において、ポイントアイテムデータベースD11は、アイテム数について金の種(種a)、銀の種(種b)、リンゴの種(種c)、金の水(水a)、銀の水(水b)、リンゴの水(水c)、金の果実(果a)、銀の果実(果b)、およびリンゴの果実(果c)のそれぞれの個数データを含む。
【0156】
【表2】
【0157】
表2は、取引履歴データベースD12が備えるデータを例示するものである。
取引履歴データベースD12は、ユーザのポイントやアイテムの増減を記憶するデータベースである。
【0158】
取引履歴データベースD12により、ユーザや管理者は、ポイントやアイテムの取引の履歴を追跡することができる。
例えば本実施形態において、取引履歴データベースD12のデータを用いてプロセッサ122は報酬申請画面の果実変換履歴表示欄UI-29や果実獲得履歴表示欄UI-30を表示する。
【0159】
表2に示すように、本実施形態の取引履歴データベースD12はデータとして、一意の取引ID、ユーザがポイント等を取得・消費した日付である変動日、ユーザID、ポイントが有償ポイントか無償ポイントかを示すポイント種別、増減したポイント数、増減したアイテムの種類と数、果実と引き換えられたギフトカードの額、およびギフトを使用するためのギフトコードを含む。
【0160】
表2を例に説明する。ここで、表2のユーザは同一のユーザである。
ユーザは、2023年9月1日に20,000ポイントの有償ポイントを購入し、取得している。
次に、ユーザは翌9月2日に3,000ポイントを消費して銀の種(種b)を3つ購入し、9月15日に5,000ポイントを消費して金の種(種a)を1つ購入している。
【0161】
また、ユーザは9月20日に1,000ポイントの無償ポイントを獲得している。これは投稿者としてのユーザに対し、読者が無償ポイントを譲渡したものによる。
【0162】
ユーザは9月25日に2,000ポイントを消費してリンゴの水(水c)を購入している。
なお、表2のユーザは種と水の双方を購入しているので、種を購入する投稿者でもあり、水を購入する読者でもあることがわかる。
【0163】
ユーザは読者として報酬申請を行い、9月30日に3つ分の銀の果実(果実b)をギフトカードに変換している。銀の果実1個が800ポイント相当であるため、銀の果実3つ分の2,400ポイントを2,400円分のギフトカードと交換している。
【0164】
【表3】
【0165】
表3は、投稿データベースD13が備えるデータを例示するものである。
投稿データベースD13は、あるコンテンツ(小説)に係るデータをサブタイトル単位で記憶するデータベースである。
【0166】
投稿データベースD13により、プロセッサ122は小説をサブタイトル単位で管理する。例えば、そのサブタイトルの小説に紐づくポイントなどを記憶する。
【0167】
表3に示すように、投稿データベースD13はデータとして、一意の投稿IDと、小説タイトル、サブタイトル、そのサブタイトルの小説(以下「小説単位」とする。)に紐づくアイテム(種)の種類、投稿者がその小説単位の投稿に使用したアイテム(種)の数、読者がその小説単位に使用したアイテム(水)の数、投稿者によるアイテム(種)の使用によりその小説単位が得た投稿者ポイント(投稿者P)、読者によるアイテム(水)の使用によりその小説単位が得た閲覧者ポイント(閲覧者P)、投稿者ポイントと閲覧者ポイントの和である取得ポイント(取得P)、取得ポイントにより定まる掲載順位、報酬発生残時間、報酬獲得人数(果実数)、コメント数、コンテンツ分量、およびステータスイラストに係る符号、を含む。
【0168】
なお、表3では省略しているが、投稿データベースD13はデータとして上記のほか、「小説タイトル」、「その小説単位の投稿日」、「その小説単位の最終更新日」、「その小説単位が掲載されているURL」を含む。
【0169】
表3の投稿ID「100001」を例に説明する。
この小説単位の投稿に投稿者が使用したアイテム(種)の種類は「金の種」であり、使用個数は8個である。これにより、投稿者ポイントは5,000×8=40,000ポイントである。
また、この投稿に対して読者により使用されたアイテム(水)の使用個数は2個であり、これによる閲覧者ポイントは5,000×2=10,000ポイントである。
よって、この投稿が取得している取得ポイントは40,000+10,000=50,000ポイントである。
掲載順位はこの取得ポイントにより定まる。
【0170】
報酬獲得人数(果実数)は、アイテム(種)の使用個数である8とアイテム(水)の使用個数である2を足して10となる。
【0171】
報酬獲得人数、果実数、コメント数、コンテンツ量は、プロセッサ122が上述した概要表示欄UI-11に反映する。
【0172】
以上のような構成により、サーバデータベースD10はユーザのデータや、投稿に係るデータ、アイテム等に係るデータを多く記憶しているため、プロセッサ122はユーザの利便性が高くなる画面表示を行うことができる。
例えば、図11の報酬申請画面(後半部分)などはその一例である。
【0173】
4.ハードウェア構成
図1に示すように、本実施形態におけるコンテンツ消費報酬システム1は、サーバ10、投稿者端末20、および閲覧者端末30を備える。また、これらの各装置は、ネットワークNを介して接続されている。ネットワークNは例えばインターネットなどである。
サーバ10はコンテンツ消費報酬プログラムP1を含む。また、サーバ10には本実施形態に係るコンテンツ消費報酬システム1を動作させるためのソフトウェア(アプリケーションソフトウェア)がインストールされており、当該ソフトウェアの機能により、各種処理が実行される。
以下、各ハードウェアについて説明する。
【0174】
<サーバ10>
サーバ10は、コンテンツ消費報酬プログラムP1を実行するためのコンピュータである。
図1においてサーバ10は1台のみ図示しているが、数は1台に限られるものではなく、複数のサーバにより実現してもよい。
例えば、投稿者からの課金受付や閲覧者(読者)への報酬支払を処理するサーバと、ウェブサイトを表示するウェブサーバは別のサーバであってもよい。
また負荷分散や可用性の観点から、さらに複数のサーバを用いてもよい。
【0175】
図15は、サーバ10のハードウェア構成図である。
図15に示すように、サーバ10は、制御部12、記憶部14、および通信制御部16を備える。
また制御部12は、プロセッサ122、ROM124、RAM126、計時部128を備える。それぞれの基本的な機能については後でまとめて説明する。
【0176】
プロセッサ122は、サーバ10においてコンテンツ消費報酬部130としても機能する(不図示)。コンテンツ消費報酬部130は、コンテンツ消費報酬プログラムP1を実行してコンテンツ消費報酬処理を行う。
【0177】
また、一のプログラムは、別のプログラムを含んでいてもよい。例えば本実施形態において、コンテンツ消費報酬プログラムP1は、投稿受付公開プログラムP12や報酬付与プログラムP14、報酬加算プログラムP16などを含む。
【0178】
図15に示すように、記憶部14は、プログラム格納部14aとデータ格納部14bを備え、各種処理に必要なプログラムやデータを備える。
例えば、プログラム格納部14aには、本実施形態に係るコンテンツ消費報酬プログラムP1のほか、サーバ10に接続されている機器を制御するための制御プログラム、例えば通信制御部16を制御する通信制御プログラムなどが格納されている。
【0179】
通信制御部16は、サーバ10と、外部にある端末等との間で通信を行うための装置である。外部にある端末とは例えば、後述する投稿者端末20などである。図1に示すように、通信制御部16はサーバ10をネットワークNに接続する。
【0180】
上記のほか、サーバ10は、命令やデータの入力を行うための入力部(例えばキーボード)や、情報を何らかの形で出力するための出力部(例えば音声出力装置)などを備えていてもよい(不図示)。また、本実施形態の用途のために追加的に必要な装置や、本実施形態の用途について利便性を向上させるための装置を備えていてもよい。
【0181】
<投稿者端末20>
投稿者端末20は、投稿者がコンテンツ消費報酬システム1を利用するための情報処理装置である。投稿者は、投稿者端末20を用いて自己の作品等を投稿する。
【0182】
本実施形態において、投稿者端末20はデスクトップPCである。ただし、投稿者端末20はこれに限られるものではなく、スマートフォンやタブレットなどの携帯型端末であってもよい。
【0183】
図16は、投稿者端末20のハードウェア構成図である。
図16に示すように、投稿者端末20は、制御部22、記憶部24、通信制御部26、および入出力部28を備える。
制御部22は、サーバ10の制御部12と同様に、プロセッサ(プロセッサ222)のほか、ROM、RAM、および計時部を備える。これらの基本的な機能については後述する。ただし、各部の機能について説明済みの内容と重複するものは説明を省略する。
【0184】
投稿者端末20のプログラム格納部24aには、本実施形態に係るウェブサイトWを閲覧するためのブラウザが格納(インストール)されており、投稿者によるブラウザ上での各種操作を受け付けてプロセッサ222が各種処理を実行する。
【0185】
各種処理とは、サーバ10から取得した情報などに基づく出力(画面表示、音声出力)や、ユーザの入力受付、または各種通信を含む。
【0186】
通信制御部26は、投稿者端末20と、外部にある端末等との間で通信を行うための装置である。外部にある端末等とは例えば、サーバ10である。図1に示すように、通信制御部26は投稿者端末20をネットワークNに接続する。
【0187】
<閲覧者端末30>
閲覧者端末30は、閲覧者(読者)がコンテンツ消費報酬システム1を利用するための情報処理装置である。
読者は、閲覧者端末30を用いて投稿されている小説を読む。また、読者は閲覧者端末30を用いて報酬申請などを行う。
【0188】
本実施形態において、閲覧者端末30は読者のデスクトップPCである。ただし、閲覧者端末30はこれに限られるものではなく、スマートフォンやタブレットなどの携帯型端末であってもよい。
閲覧者端末30には本実施形態に係るウェブサイトWを閲覧するためのブラウザが格納(インストール)されている。
また、閲覧者端末30は、制御部、記憶部、通信制御部、および入出力部を備える。各部の機能について、説明済みの内容と重複するものは説明を省略する。
【0189】
(コンピュータの基本的機能に係る説明)
以下、制御部(プロセッサ、ROM、RAM、計時部)、記憶部、通信制御部、入力部、および出力部について説明する。
なお、本実施形態のいずれの端末においても、機能部間の接続態様(ネットワークトポロジ)は特に限定されない。例えばバス型であってもよいし、スター型、メッシュ型などであってもよい。
【0190】
プロセッサは、ROMや記憶部などに記憶されたプログラムに従って、情報処理や各種装置の制御を行う。本実施形態において、プロセッサはCPU(Central Processing Unit)である。
【0191】
ただし、プロセッサはCPUに限られない。CPU、DSP(Degital Signal Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、またはGPGPU(General Purpose computing on GPU)など、各種プロセッサを単独で、あるいは組み合わせて用いてもよい。
例えば、CPUとGPUを統合したプロセッサはAPU(Accelerated Proessing Unit)などと呼ばれるが、このようなプロセッサを用いてもよい。
【0192】
ROMは、プロセッサが各種制御や演算を行うための各種プログラムやデータがあらかじめ格納された、リードオンリーメモリである。
【0193】
RAMは、プロセッサにワーキングメモリとして使用されるランダムアクセスメモリである。このRAMには、本実施形態の各種処理を行うための各種エリアが確保可能になっている。
【0194】
計時部は、時間情報の取得などに係る計時処理を行う。コンピュータが通信制御部を備える場合は、NTP(ネットワーク・タイム・プロトコル)により外部から時間情報を取得してもよい。
【0195】
記憶部は、プログラムやデータなどの情報を記憶するための装置である。記憶部はストレージとも称する。記憶部は内蔵型か、外付型かを問わない。
【0196】
記憶部は、データの読み書きが可能な記憶媒体と、当該記憶媒体に読み書きするドライブとを含む。
記憶媒体は例えば、内蔵型や外付型があり、HD(ハードディスク)、CD-ROM、フラッシュメモリなどが挙げられる。
ドライブは例えば、HDD(ハードディスクドライブ)、SSD(ソリッドステートドライブ)などが挙げられる。
【0197】
記憶部は、機能部としてプログラム格納部とデータ格納部を備える。
プログラム格納部には、各種機器を制御するための制御プログラム、例えば通信を制御する通信制御プログラムなどが格納されている。
【0198】
通信制御部は、端末などの間で通信を行うための装置である。通信制御部は、当該通信制御部を備える端末をネットワークNに接続する。
【0199】
通信制御部の通信方式は公知の方式であり、機器に応じて有線による方式や無線による方式が適用される。
例えば、端末がデスクトップPCであれば有線、無線の両方の場合が考えられ、また、端末がスマートフォンであれば、無線による通信方式が考えられる。
【0200】
有線であれば、例えばIEEE802.3(例えばバス型やスター型の有線LAN)で規定される通信方式を好適に用いることができるが、それ以外にも、IEEE802.5(例えばリング型の有線LAN)で規定される通信方式などを用いてもよい。
【0201】
無線であれば、例えばIEEE802.11(例えばWi-Fi)で規定される通信方式を好適に用いることができるが、それ以外にも、IEEE802.15(例えばブルートゥース(登録商標)、BLE(ブルートゥース(登録商標)ローエナジー)など)、IEEE802.16(例えばWiMAX)、または赤外線通信などの光通信で規定される通信方式などを用いてもよい。
【0202】
入力部および出力部は、それぞれ端末に対する入力と出力を担う装置である。入力部および出力部をあわせて入出力部と称する場合がある。
入力部はユーザからの入力を受け付ける装置である。このような入力部として例えば、キーボード、ポインティングデバイスとしてのマウス、トラックパッド、タブレット、またはタッチパネルなどが挙げられる。
【0203】
端末がタブレットやスマートフォンなどであって、入力部がタッチパネルの場合、入力部はタッチスクリーンなど、画像などを表示する表示部の表面に配置される。この場合、入力部は、表示部に表示される各種操作アイコンに対応したユーザのタッチ位置を特定し、ユーザによる入力を受け付ける。
【0204】
出力部は例えば、画像や音声、帳票などを出力するための装置である。
出力部として例えば、タッチスクリーンやディスプレイ(液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ)などの表示装置や、スピーカなどの音声出力装置、プリンタなどの帳票出力装置が挙げられる。
【0205】
以上のような構成により、サーバ10はウェブサイトWという形で投稿者と読者にプラットフォームを提供するとともに、小説の投稿管理やコメントの投稿管理、ポイント等の付与に係る各種処理を実行し、投稿者と読者のコミュニケーションが円滑になるよう支援する。これにより、投稿者は自分のパソコンやスマートフォンなどの端末を用いて小説を投稿することができ、また、読者は自分のスマートフォンなどの端末用いて小説を気軽に楽しむことができる。
【0206】
(変形例)
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
【0207】
上述した実施形態の検索条件画面(図3)において、読者はコンテンツのタグとして、ジャンル名と重複するタグ(「恋愛」、「異世界」、など)を選択することができたが、これに限られない。
例えば、タグの選択肢として小説のイメージに関するもの、例えば「明るい」、「楽しい」、「さわやか」、「怖い」、「泣ける」、「感動する」といったタグであってもよい。
【0208】
このほか、検索条件は上述した3つ(ジャンル、タグ、およびレーティング)以外のものがあってもよく、また、タグも2種類以上あってもよい。例えば上記とは異なるタグとして、「10代向け」、「20代向け」などの年齢別のタグがあってもよい。
【0209】
さらに、検索条件画面は、キーワードで検索できるものであってもよい。例えば小説のタイトル、著者名などを、キーワードで検索できるようにしてもよい。このときキーワード検索は、完全一致検索のほか、部分検索などができるものであってよい。
このほか検索条件画面による検索は、キーワードやタグを組み合わせて検索できるものであってよい。
検索条件画面を以上(異なる種類のタグなどによる検索、キーワード検索)のようにすることにより、閲覧者の利便性が向上する。
【0210】
検索条件画面をこれらのようにすることにより、読者の検索利便性が向上し、読者が希望する小説を見つけやすくなるという利点がある。
【0211】
上述した実施形態において、木のイラストと、種、水、および果実のアイテムとを用いていたが、これに限られるものではない。
例えば、木の生長の代わりに生物の成長を表現してもよい。一例として、木のイラストの代わりに、実在(犬や猫など)の、または架空(ドラゴンや怪獣など)の生物等のキャラクターのイラストを用い、また、種、水、および果実のアイテムの代わりに卵、エサ、および(そのキャラクターからの)プレゼントなどとしてもよい。
また、木の生長の代わりに何らかの無機物や概念など、例えば街の発展を表現してもよい。一例として、木のイラストの代わりに街のイラストを用い、また、種、水および果実のアイテムの代わりに発展前の街、投資、およびリターンなどとしてもよい。
ただし、木をみんなで育てる、果実をつける、複数の果実をみんなで分け合う、というイメージとしては果実が成る木であることがより好ましい。
【0212】
上述した実施形態の掲載位置更新処理において、プロセッサ122は獲得しているポイント(投稿者が対象となる小説の投稿時に使用したアイテム(種)に応じたポイントと、読者が対象となる小説に使用したアイテム(水)に応じたポイントの和)によって掲載順位を決定しているが、計算式はこれに限られない。
例えば、投稿者によるポイント(投稿者が対象となる小説の投稿時に使用したアイテム(種)に応じたポイント)または読者によるポイント(読者が対象となる小説に使用したアイテム(水)に応じたポイント)に重み付けをしてもよい。
一例を挙げると、読者によるポイントに比重をかければ(読者によるポイントは1.2倍して計算する、など)、読者人気をより反映したランキング表示とすることができる。
【0213】
上述した実施形態において、投稿者が期間内にコメントを選出しない場合、プロセッサ122がランダムで報酬付与の対象を決定していたが、これに限られない。
例えば、投稿者が期間内にコメントを選出しない場合、古いコメントから順に報酬付与の対象としてもよい。
また、人工知能を用いて適したコメントを自動で選出するようにしてもよい。
【0214】
上述した実施形態において、閲覧者は、公開されているコンテンツを閲覧し、コメントを投稿し、かつ投稿者にそのコメントが選出されることにより、報酬を得ることができるが、これに限られない。
例えば、コンテンツを閲覧した閲覧者の一部または全員に、またはコンテンツを閲覧してかつコメントを投稿した閲覧者の一部または全員に報酬を付与してもよい。
この場合、一人当たりの報酬額は少なくなるものの、多くの閲覧者が報酬を得られるため、コミュニティがより活性化し得る。
【0215】
上述した実施形態において、報酬はギフト券などと交換可能なウェブサイトW上のアイテムであったが、これに限られない。
アイテムを介さず、ギフト券などを直接の報酬としてもよい。この場合、報酬がより明確になりやすいという利点がある。
また報酬は、例えば独自イラストの画像データのように、音声、画像、映像などの各種データなどであってもよい。このほか、コミュニティ内で通用する通貨や、ランキングのためのポイントなどであってもよい。つまり、データをダウンロードする権利や、ランキングで上位表示される権利といった各種権利が報酬となりうる。
【0216】
本実施形態を含む発明は、換言すると以下の特徴を備える。下記は本願出願時における特許請求の範囲と対応する。ただし、出願後における特許請求の範囲の補正により、当該補正後の特許請求の範囲の記載とは異なる場合がある。
(1)第1の発明は、投稿者による課金である投稿者課金を受け付ける投稿者課金受付部、
課金している前記投稿者からコンテンツの投稿を受け付ける投稿受付部、
コンテンツ公開用のウェブサイトに前記投稿者からのコンテンツを公開し、前記投稿者と閲覧者を含むユーザ間で当該コンテンツを共有させるコンテンツ公開部、
少なくとも前記投稿者課金の額に基づいて、前記ウェブサイトにおける前記コンテンツの掲載位置を決定する掲載位置決定部、
公開されている前記コンテンツを閲覧した前記閲覧者に対し、報酬を付与する報酬付与部、および、
少なくとも前記投稿者課金の額に基づいて前記報酬の額を決定する報酬額決定部、
を備えることを特徴とする、コンテンツ消費報酬システムを提供する。
(2)第2の発明は、さらに、閲覧者による課金である閲覧者課金を受け付ける閲覧者課金受付部を備え、
前記報酬額決定部が、少なくとも前記投稿者課金の額および前記閲覧者課金の額に基づいて前記報酬の額を決定する報酬額決定部であることを特徴とする、第1の発明に記載のコンテンツ消費報酬システムを提供する。
この場合、閲覧者が報酬額を増額できるため、閲覧者が気に入った投稿者を支援することができる。これにより、投稿者と閲覧者のコミュニケーションが促進される。
(3)第3の発明は、前記掲載位置決定部が、前記投稿者課金の額および前記閲覧者課金の額に基づいて、前記ウェブサイトにおける前記コンテンツの掲載位置を更新することを特徴とする、第2の発明に記載のコンテンツ消費報酬システムを提供する。
この場合、閲覧者の課金額がウェブサイト(ウェブサイトW)における掲載位置(ランキング)に関与するため、ランキングが閲覧者人気を反映することができる。閲覧者は、投稿者による課金額が多いコンテンツだけではなく、人気が高いコンテンツを閲覧して報酬を得ることができる。
(4)第4の発明は、さらに、前記投稿者課金に基づいて、コンテンツの投稿に使用する第一アイテムを前記投稿者に付与する第一アイテム付与部を備え、
前記投稿受付部が、前記投稿者の保有する前記第一アイテムと引き換えに、当該投稿者からコンテンツの投稿を受け付ける投稿受付部であることを特徴とする、
第2の発明に記載のコンテンツ消費報酬システムを提供する。
この場合、アイテムと言う媒体を用いることにより、投稿者が課金や投稿を楽しむことができる。例えば、第一アイテム(アイテム(種))を使って種を植える、という行動を模擬することにより、種を育てる、ひいてはコンテンツを育てるという楽しみを投稿者が得ることができる。
(5)第5の発明は、さらに、前記投稿者のコンテンツに対する前記閲覧者のコメントの投稿を受け付けるコメント投稿受付部を備え、
前記報酬付与部が、公開されている前記コンテンツを閲覧してかつコメントを投稿した前記閲覧者に対し、報酬として第二アイテムを付与する第二アイテム付与部であり、
前記第二アイテム付与部は、前記第一アイテムと引き換えに前記投稿者の投稿を受け付けてから一定期間の経過後、前記コンテンツの投稿を行った投稿者の選択により、前記コメントの投稿を行った閲覧者に対して第二アイテムを付与することを特徴とする、第4の発明に記載のコンテンツ消費報酬システムを提供する。
この場合、閲覧者からのコメントを投稿者が見ることで、投稿者と閲覧者双方のコミュニケーションが取れる。また、閲覧者は最終的に第二アイテム(アイテム(果実))という形で報酬を受け取れることになるため、閲覧者は投稿者やほかの閲覧者とともに作品を育てる楽しみを得ることができる。さらに、コメントを投稿する、という能動的な行動があって初めて報酬が付与されるため、投稿者と閲覧者の間のコミュニケーションが密になる利点がある。
(6)第6の発明は、さらに、前記閲覧者課金に基づいて、前記第二アイテムの増加に使用する第三アイテムを前記閲覧者に付与する第三アイテム付与部を備え、
前記第三アイテム付与部は、前記第一アイテムと引き換えに前記投稿者の投稿を受け付けてから一定期間の経過前において、閲覧者によるコンテンツの選択を受け付けて当該コンテンツに紐づく前記第二アイテムの数を増加させることを特徴とする、第5の発明に記載のコンテンツ消費報酬システムを提供する。
この場合、閲覧者は報酬を増額することを通じて作品を育てることに能動的に関わることができるため、投稿者と閲覧者のコミュニケーションがより密になるという利点がある。
(7)第7の発明は、前記コンテンツが、少なくとも小説を含む読み物であり、当該読み物はテキストデータで構成されることを特徴とする、第1の発明または第2の発明に記載のコンテンツ消費報酬システムを提供する。
この場合、テキストデータはデータ量が少ないことから、通信負担が少なく、その結果、閲覧者端末20のおける表示までの時間が短いという利点がある。表示までの時間が短いことにより、動画などのほかのコンテンツと比べ、気軽に楽しむことができるという利点がある。
(8)第8の発明は、コンピュータを、投稿者による課金である投稿者課金を受け付ける投稿者課金受付手段、
前記投稿者課金に基づいて、コンテンツの投稿に使用する第一アイテムを前記投稿者に付与する第一アイテム付与手段、
前記投稿者の保有する前記第一アイテムと引き換えに、当該投稿者からコンテンツの投稿を受け付ける投稿受付手段、
コンテンツ公開用のウェブサイトに前記投稿者からのコンテンツを公開し、前記投稿者と閲覧者を含むユーザ間で当該コンテンツを共有させるコンテンツ公開手段、
閲覧者による課金である閲覧者課金を受け付ける閲覧者課金受付手段、
前記投稿者課金の額および前記閲覧者課金の額に基づいて、前記ウェブサイトにおける前記コンテンツの掲載位置を決定する掲載位置決定手段、
前記投稿者のコンテンツに対する前記閲覧者のコメントの投稿を受け付けるコメント投稿受付手段、
公開されている前記コンテンツを閲覧してかつコメントを投稿した前記閲覧者に対し、報酬として第二アイテムを付与する第二アイテム付与手段、
前記閲覧者課金に基づいて、前記第二アイテムの増加に使用する第三アイテムを前記閲覧者に付与する第三アイテム付与手段、および、
前記投稿者課金の額および前記閲覧者課金の額に基づいて前記報酬の額を決定する報酬額決定手段、として機能させ、
前記第二アイテム付与手段は、前記第一アイテムと引き換えに前記投稿者の投稿を受け付けてから一定期間の経過後、前記コンテンツの投稿を行った投稿者の選択により、前記コメントの投稿を行った閲覧者に対して第二アイテムを付与し、
前記第三アイテム付与手段は、前記第一アイテムと引き換えに前記投稿者の投稿を受け付けてから一定期間の経過前において、閲覧者によるコンテンツの選択を受け付けて当該コンテンツに紐づく前記第二アイテムの数を増加させることを特徴とする、コンテンツ消費報酬プログラムを提供する。
【産業上の利用可能性】
【0217】
小説に限らず、教育や娯楽用の各種コンテンツ(文章コンテンツ、音声コンテンツ、画像コンテンツ、動画コンテンツなど)を投稿し、閲覧するためのプラットフォームとしての応用に適用できる。
【符号の説明】
【0218】
1 コンテンツ消費報酬システム
10 サーバ
12 制御部
122 プロセッサ
124 ROM
126 RAM
128 計時部
130 コンテンツ消費報酬部
132 投稿受付公開部
132a 投稿者課金受付部
132b 第一アイテム付与部
132c 投稿受付部
132d コンテンツ公開部
132e 掲載位置決定部
132f 掲載位置更新部
132g コメント投稿受付部
134 報酬付与部
134a 報酬額決定部
134b 第二アイテム付与部
136 報酬加算部
136a 閲覧者課金受付部
136b 第三アイテム付与部
14 記憶部
14a プログラム格納部
14b データ格納部
16 通信制御部
18 入出力部
20 投稿者端末
22 制御部
222 プロセッサ
24 記憶部
26 通信制御部
28 入出力部
30 閲覧者端末
UI-11 概要表示欄
UI-12 検索条件ボタン
UI-13 検索条件表示欄
UI-14 検索条件変更ボタン
UI-15 小説タイトル表示部
UI-16 コンテンツ表示部
UI-17 コメント入力欄
UI-18 コメント表示欄
UI-19 コンテンツリンクボタン
UI-20 書誌事項表示部
UI-21 水遣りボタン
UI-22 メニュー選択ボタン
UI-23 購入ポイント選択ボタン
UI-24 アイテム選択ボタン
UI-25 所有アイテム(果実)表示欄
UI-26 利用数選択窓
UI-27 合計ポイント表示欄
UI-28 報酬決定ボタン
UI-29 果実変換履歴表示欄
UI-30 果実獲得履歴表示欄
P1 コンテンツ消費報酬プログラム
P12 投稿受付公開プログラム
P12a 掲載位置更新プログラム
P14 報酬付与プログラム
P16 報酬加算プログラム
D10 サーバデータベース
D11 ポイントアイテムデータベース
D12 取引履歴データベース
D13 投稿データベース
【要約】
【課題】作品を創作して投稿する投稿者が投稿用ウェブサイトに自己の作品を投稿したときに、投稿者の作為により、その作品がより閲覧者の目につきやすいようにする。
【解決手段】コンテンツ消費報酬システム1は、コンテンツを投稿するためのウェブサイトWにおいて、課金額の大きい投稿者の投稿を上位表示する。ウェブサイトWに掲載されているコンテンツを視聴した閲覧者は、投稿者に対してコメントを送信することができる。投稿者がそのコメントの中から気に入ったコメント選ぶと、コンテンツ消費報酬システム1はそのコメントを投稿した閲覧者に対し報酬を付与する。さらに閲覧者は、気に入った投稿者に対して課金により応援することができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16