(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 24/38 20110101AFI20231212BHJP
H01R 24/60 20110101ALI20231212BHJP
H01R 13/66 20060101ALI20231212BHJP
H01R 13/46 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
H01R24/38
H01R24/60
H01R13/66
H01R13/46 301B
(21)【出願番号】P 2020550327
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(86)【国際出願番号】 JP2019037506
(87)【国際公開番号】W WO2020071197
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】P 2018186426
(32)【優先日】2018-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082762
【氏名又は名称】杉浦 正知
(74)【代理人】
【識別番号】100123973
【氏名又は名称】杉浦 拓真
(72)【発明者】
【氏名】吉野 功高
(72)【発明者】
【氏名】須藤 俊之
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/019027(WO,A1)
【文献】特開平08-022867(JP,A)
【文献】国際公開第2017/122236(WO,A1)
【文献】特開平11-307186(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0329323(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0141818(US,A1)
【文献】特開2017-091670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 24/38
H01R 24/60
H01R 13/66
H01R 13/46
H01R 13/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの芯線
と、前記芯線の周囲に絶縁材を介して配され
たシールド線
と、前記シールド線の外側を覆う被覆を備え
たケーブルと、
前記ケーブルと接続され、レセプタクルと嵌合自在とされたプラグ部と、
前記芯線と前記プラグ部の導電材の接続部
が含まれる第1の円柱部と、前記被覆が除かれた前記芯線及び前記シールド線、並びに前記被覆を有する前記ケーブルの端部が含まれる第2の円柱部とが連続して形成され、前記第1の円柱部の外径に比して前記第2の円柱部の外径が小とされた1次成型部と、
前記1次成型部の前記第2の円柱部の外面と重ねて設けられた2次成型部とを備え、
前記1次成型部の前記第1の円柱部の寸法が前記プラグ部の外径又は厚みであ
り、
前記1次成型部に比して前記2次成型部が柔軟であるコネクタ。
【請求項2】
前記1次成型部
の前記第2の円柱部に、前記2次成型部の抜けを防止する抜け止め部が形成された請求項
1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記抜け止め部は、前記
第2の円柱部の表面に形成された凹部又は凸部である請求項
2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ケーブルが同軸ケーブルである請求項1
又は2に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記ケーブルがデジタル信号伝送ケーブルである請求項1
又は2に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記2次成型部が磁性粉と樹脂を混合したもので形成されるようになされた請求項1、2、
4又は5に記載のコネクタ。
【請求項7】
少なくとも1本以上の信号線と
、前記信号線
の外側を覆う被覆をもつケーブルと、
前記ケーブルと接続され、レセプタクルと嵌合自在とされたプラグ部と、
接続板の先端側が含まれる第1の角柱部と、前記接続板の後端側に接続される前記被覆が除かれた前記信号線、並びに前記被覆を有する前記ケーブルの端部が含まれる第2の角柱部とが連続して形成され、前記第1の角柱部の外径に比して前記第2の角柱部の外径が小とされた1次成型部と、
前記1次成型部の前記第2の角柱部の外面と重ねて設けられた2次成型部とを備え、
前記1次成型部の前記第1の角柱部の寸法が前記プラグ部の
寸法であ
り、
前記1次成型部に比して前記2次成型部が柔軟であるコネクタ。
【請求項8】
前記1次成型部
の前記第2の角柱部に、前記2次成型部の抜けを防止する抜け止め部が形成された請求項
7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記抜け止め部は、前記
第2の角柱部の表面に形成された凹部又は凸部である請求項
8に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記ケーブルが同軸ケーブルである請求項
7又は8に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記ケーブルがデジタル信号伝送ケーブルである請求項
7又は8に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記2次成型部が磁性粉と樹脂を混合したもので形成されるようになされた請求項
7、8、10又は11に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は 例えば同軸コネクタに適用できるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
同軸コネクタは、コネクタ部に対して同軸ケーブルの線材の一端が接続されたもので、テレビジョン信号の伝送などに使用される。コネクタ部と線材を接続する場合において、線材とコネクタの接続部を保護するための1次成型(例えばPP(ポリプロピレン))と人がつまんで使えるようにするために、つかむ部分を保護するために2次成型(エラストマー、塩ビなど)を行って、同軸ケーブルが作成されていた。例えば特許文献1には、防水性能を高めた同軸コネクタが記載されている。特許文献1では、線材の接続部をホットメルトで封止してから全体をオーバーモールドで成型している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の同軸コネクタでは、1次成型と2次成型によって同じ部分を二重の樹脂で覆うためにコネクタ部の外形が大きくなるという問題があった。コネクタ部が大きいということは、複数の同軸コネクタを並べて挿入する構成において、製品側のレセプタクルの間隔(ピッチ)を小さくできないことを意味する。したがって、製品の基板面積の有効な活用が阻害される。
【0005】
したがって、本技術の目的は、コネクタ部を小型することができるコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、少なくとも1つの芯線と、芯線の周囲に絶縁材を介して配されたシールド線と、シールド線の外側を覆う被覆を備えたケーブルと、
ケーブルと接続され、レセプタクルと嵌合自在とされたプラグ部と、
芯線とプラグ部の導電材の接続部が含まれる第1の円柱部と、被覆が除かれた芯線及びシールド線、並びに被覆を有するケーブルの端部が含まれる第2の円柱部とが連続して形成され、第1の円柱部の外径に比して第2の円柱部の外径が小とされた1次成型部と、
1次成型部の第2の円柱部の外面と重ねて設けられた2次成型部とを備え、
1次成型部の第1の円柱部の寸法がプラグ部の外径又は厚みであり、
1次成型部に比して2次成型部が柔軟であるコネクタである。
【発明の効果】
【0007】
少なくとも一つの実施形態によれば、本技術は、コネクタの隣接間ピッチの縮小による製品の基板面積の有効活用を可能となり、また、小型化による使用樹脂の使用量を削減することが可能となる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本技術中に記載されたいずれかの効果であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1A及び
図1Bは、従来の同軸コネクタの1次成型後の平面図及び断面図であり、
図1C及び
図1Dは、従来の同軸コネクタの2次成型後の平面図及び断面図である。
【
図2】
図2A及び
図2Bは、本技術の一実施形態による同軸コネクタの1次成型後の平面図及び断面図であり、
図2C及び
図2Dは、本技術の一実施形態による同軸コネクタの2次成型後の平面図及び断面図である。
【
図3】
図3A、
図3B、
図3Cは、本技術の他の実施形態による同軸コネクタの正面図、水平断面図及び垂直断面図である。
【
図4】
図4A及び
図4Bは、本技術の他の実施形態の1次成型後の斜視図及び2次成型後の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する実施形態は、本技術の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかしながら、本技術の範囲は、以下の説明において、特に本技術を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限定されないものとする。
【0010】
図1A、
図1B、
図1C及び
図1Dを参照して従来の同軸コネクタ例えばIEC(International Electrotechnical Commission)規格の同軸コネクタの一例について説明する。
図1A及び
図1Bは、従来の同軸コネクタの1次成型後の平面図及び断面図であり、
図1C及び
図1Dは、従来の同軸コネクタの2次成型後の平面図及び断面図である。
【0011】
同軸ケーブル1は、芯線2と、芯線2の周囲を覆う絶縁材3と、絶縁材3を覆うシールド線4と、シールド線4を覆う被覆5を有している。同軸ケーブル1がプラグ部11に対して接続される。
【0012】
プラグ部11は、レセクタプルと嵌合自在とされている。すなわち、プラグ部11は、レセプタクルが挿入される受け空間を有する円筒状受け部12と、円筒状受け部12内に取り付けられた絶縁ホルダー13と、円筒状受け部12の中心位置となるように絶縁ホルダー13に圧入された導電材としての中心導体14を備える。絶縁ホルダー13の後面(コネクタ端面と称する)13aに絶縁ホルダー13を貫通した中心導体14の端部14aが突出する。
【0013】
中心導体14の端部14aに対して同軸ケーブル1の芯線2が圧着(カシメ)又は半田付けされる。中心導体14は、銅に金メッキ処理したもの等の導電性を有する金属材料により形成される。さらに、同軸ケーブル1のシールド線4が絶縁ホルダー13のコネクタ端面13a側から円筒状受け部12に向かって延長され、円筒状受け部12の内面に配されている導電部材と半田付けされる。
【0014】
上述した従来の同軸コネクタは、中心導体14の端部14aと同軸ケーブルの芯線2の接続部を含んで樹脂例えばPP(ポリプロピレン)によって1次成型し、1次成型部15が得られる(
図1A及び
図1B参照)。次に、1次成型部15の全体を覆うように、エラストマー、塩化ビニール樹脂で成型して製造される(
図1C及び
図1D参照)。このように2回の成型を行うために、1次形成部15の表面の全体に2次形成部16が重なり、円筒形のプラグ部11の外径Pが15.6mm+/-0.5mm程度となってしまう。
【0015】
図2A、
図2B、
図2C及び
図2Dを参照して本技術の一実施形態について説明する。
図2A及び
図2Bは、本技術の一実施形態による同軸コネクタの1次成型後の平面図及び断面図であり、
図2C及び
図2Dは、本技術の一実施形態による同軸コネクタの2次成型後の平面図及び断面図である。一実施形態は、IEC規格の同軸コネクタの例であり、したがって、上述した従来の同軸コネクタと同様の構成を有している。同軸ケーブル1の芯線2がプラグ部11の導電材としての中心導体14の端部14aに圧着(カシメ)又は半田付けされる。同軸ケーブル1のシールド線4が絶縁ホルダー14のコネクタ端面13aより前面側に延長され、延長端が円筒状受け部12の内面に配されている導電部材と半田付けされる。
【0016】
同軸ケーブル1とプラグ部20の導電部材の接続部、すなわち、芯線2と中心導体14の端部14aの接続部、並びにシールド線4と円筒状受け部12の内面に配されている導電部材の接続部を覆うように、例えばPP(ポリプロピレン)によって1次成型がなされ、1次成型部21が得られる(
図2A及び
図2B参照)。PPは、表面の硬さが、R80~110である。1次成型部21の寸法がプラグ部20の外形の寸法を規定する。1次成型部21の外表面には、1周回ってリング状の凸部21aが形成される。凸部21aは、同軸コネクタを抜き差しする場合の引っ掛かり部となる。
【0017】
さらに、同軸コネクタの同軸ケーブル1が導出される根元側で屈曲の必要な部分がエラストマー、塩ビなどの樹脂によって2次成型され、2次成型部22が形成される(
図2C及び
図2D参照)。軟質PVC材料(塩ビ)の場合、表面硬さが、A50~100である。同軸ケーブル1の導出部側で、1次成型部21の上に2次成型部22が重なる区間が形成され、強度と屈曲性を兼ね備えるようになされている。
【0018】
また、2次形成部22を形成する樹脂の他の例は、磁性粉を合成樹脂に混合させた磁性粉混合樹脂である。磁性粉混合樹脂を使用することによって、ノイズに対する耐性を高めることができる。合成樹脂の一例は、スチレン系エラストマーである。これ以外のオレフィン系エラストマー、PVC等の合成樹脂を使用するようにしても良い。磁性粉の一例は、Ni-Zn系フェライトである。鉄紛、フェライト粉末の割合は、樹脂との重量比70%以上95%以下とされる。磁性粉としては、Ni-Cu-Zn系フェライト、Mn-Zn系フェライト、軟磁性金属系、銅系、マグネシウム系、リチウム系、亜鉛系、鉄系(例えばパーマロイ)、コバルト系等の磁性粉を使用することもできる。
【0019】
1次成型部21の同軸ケーブル1の導出側の近傍の表面に、平行して2本の溝21b及び21cが形成される。これらの溝21b及び21cは、抜け止め部としての作用を有する。溝21b及び21cは、例えば断面が矩形で、1次成型部21の表面をそれぞれ1周するものである。2次成型時には,2次成型用の樹脂が溝21b及び21c内に入り込む。これによって、同軸コネクタを抜き差しする時に、2次成型部22が1次成型部21から抜けることを防止できる。また、溝21b及び21cを設けることによって同軸ケーブル1が屈曲しやすくなる利点もある。
【0020】
上述した本技術の一実施形態は,同軸コネクタの外径Pを規定するのが1次成型部21のみであるため,外径Pを従来より小さくすることができる。例えば外径Pが13.7mm+/-0.3mmとできる。また、プラグ部20の成型が1回でよいので、公差も2回成型と比較して小さくすることができ、寸法精度が高い同軸コネクタを実現することができる。さらに、成型樹脂の使用量を削減することができ、環境負荷を小さくし、コストを低減することができる。
【0021】
上述した本技術の一実施形態による同軸コネクタは、引張り強度試験(49Nの力で10秒引っ張る)の結果、2次成型部22が抜けるおそれがないことを確かめた。
また、屈曲試験(100gの錘を付けて、毎分40回で、左右90°屈曲の往復を1回とする試験)の結果、500回持つことが確かめられた。
【0022】
本技術は、上述した同軸コネクタに限らず、他のケーブル付コネクタ(USB(Universal Serial Bus)ケーブル、HDMI(登録商標)(High-definition multimedia interface)ケーブル、電源ケーブルなど)に対しても適用することができる。
図3A、
図3B、
図3Cは、本技術が適用されたUSB Type-Cのコネクタの正面図、水平断面図及び垂直断面図である。
図4Aは、1次成型後のコネクタの斜視図であり、
図4Bは、2次成型後のコネクタの斜視図である。
【0023】
USB Type-Cは、表裏のどちらの面を上にしてもレセプタクルに挿入できるリバーシブルのコネクタであり、且つ、パワーデリバリー、高速伝送を兼ね備えたコネクタである。USB Type-Cのコネクタは、2組のピンの配列を有する。一方の配列(Aサイド)及び他方の配列(Bサイド)がそれぞれ12個のピンを有している。プラグが挿入される側(レセプタクル)も同様に、Aサイド及びBサイドにそれぞれ12個の接点が設けられている。
【0024】
USB Type-Cにおいてピン割当は下記のように規定されている。
Aサイド
A1:GND:グラウンド
A2:SSTXp1:USB3.1で規定されているデータ伝送の+側
A3:SSTXn1:USB3.1で規定されているデータ伝送の-側
A4:VBUS :バスパワー
A5:CC1:コンフィギュレーションチャネル
A6:Dp1(又はD+):USB2.0で規定されているデータ伝送の+側
A7:Dn1(又はD-):USB2.0で規定されているデータ伝送の-側
A8:SBU1:サイドバンドユース
A9:VBUS :バスパワー
A10:SSRXn2:USB3.1で規定されているデータ伝送の-側
A11:SSRXp2:USB3.1で規定されているデータ伝送の+側
A12:GND:グラウンド
【0025】
Bサイド
B12:GND:グラウンド
B11:SSRXp2:USB3.1で規定されているデータ伝送の+側
B10:SSRXn2:USB3.1で規定されているデータ伝送の-側
B9:VBUS :バスパワー
B8:SBU2:サイドバンドユース
B7:Dn2(又はD+):USB2.0で規定されているデータ伝送の+側
B6:Dp2(又はD-):USB2.0で規定されているデータ伝送の-側
B5:CC2:コンフィギュレーションチャネル
B4:VBUS :バスパワー
B3:SSTXn2:USB3.1で規定されているデータ伝送の-側
B2:SSTXp2:USB3.1で規定されているデータ伝送の+側
B1:GND:グラウンド
【0026】
このコネクタは、プラグ部31を有し、プラグ部31に対してケーブル32が接続される。ケーブル32は、上述したUSB Type-Cの規格に基づくデジタル信号伝送ケーブルであり、複数の芯線33、シールド、外部皮膜などからなる。芯線33は、導体を絶縁体で被覆した絶縁電線である。芯線33及びシールドがプラグ部31内のプリント回路基板34に対して接続される。
【0027】
プラグ部31のレセプタクルに対して挿入される前面側に金属シェル35を有する。金属シェル35は、導電性金属板材を所定の形状に打ち抜き、曲げ加工することにより筒状に形成されたものである。金属シェル35の内部に上述したAサイド及びBサイドのピンが設けられている。
【0028】
他の実施形態のコネクタでは、
図4Aに示すように、プリント回路基板34と、金属シェル35の一部、ケーブル33の芯線33及びプリント回路基板34上の電極の接続部(半田付け部)を含むように、例えばPPによって1次成型を行う。
図3A及び
図3Bに示すように、1次成型部41には、外表面を1周するような溝41a及び41bが形成される。また、1次成型部41のケーブル導出側は、厚みが薄くされている。
図3及び
図4において、1次成型部41の範囲を斜線領域で表す。
【0029】
さらに、ケーブル32が導出される根元側で屈曲の必要な部分がエラストマー、塩ビなどの樹脂によって2次成型され、2次成型部42が形成される。
図3及び
図4において、2次成型部42の範囲を1次成型部41に対する斜線と異なる傾きの斜線領域で表す。2次成型部42を形成する樹脂は、1次成型部41を形成する樹脂より柔らかいものとされる。また、2次形成部42を形成する樹脂として、磁性粉を合成樹脂に混合させた磁性粉混合樹脂を使用してもよい。
【0030】
2次成型時には,2次成型用の樹脂が溝41a及び41b内に入り込む。これによって、コネクタを抜き差しする時に、2次成型部42が1次成型部41から抜けることを防止できる。また、1次成型部41のケーブル導出側の一部分に対して、2次成型部42が重なる区間が形成される。この区間の1次成型部41の厚みが薄くされており、プラグ部31の厚みがほぼ均一となり、厚みが増加することを防止できる。この1次成型部41及び2次成型部42の重なる区間を設けることによって、屈曲性と強度の両方を兼ね備えることができる。
【0031】
上述した本技術の他の実施形態は、一実施形態と同様に、USB Type-Cコネクタの厚みを規定するのが1次成型部41のみであるため,厚みを従来より小さくすることができる。また、プラグ部31の成型が1回でよいので、公差も2回成型と比較して小さくすることができ、寸法精度の高いUSB Type-Cコネクタを実現することができる。さらに、成型樹脂の使用量を削減することができ、環境負荷を小さくし、コストを低減することができる。
【0032】
以上、本技術の一実施形態について具体的に説明したが、本技術は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、本技術は少なくとも1本以上の信号線で構成される被覆をもつケーブルに対して適用することができる。また、2次成型部の抜け止めは、溝に限らず突起であってもよい。また、1次成型及び2次成型にそれぞれ使用する樹脂としては、上述したもの以外の種々のものを使用できる。また、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料及び数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料及び数値などを用いてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1・・・同軸ケーブル、2・・・芯線、4・・・シールド線、12・・・円筒状受け部、13a・・・コネクタ端面、14・・・中心導体、20・・・プラグ部、21・・・1次成型部、22・・・2次成型部、31・・・プラグ部、32・・・ケーブル、
33・・・芯線、34・・・プリント回路基板、41・・・1次成型部、
42・・・2次成型部