(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】コップ状蓋体付き容器
(51)【国際特許分類】
B65D 41/26 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
B65D41/26
(21)【出願番号】P 2019039197
(22)【出願日】2019-03-05
【審査請求日】2022-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】504039177
【氏名又は名称】小林 太
(74)【代理人】
【識別番号】100141221
【氏名又は名称】山田 和明
(72)【発明者】
【氏名】小林 太
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0223817(US,A1)
【文献】米国特許第04693410(US,A)
【文献】特表2018-527263(JP,A)
【文献】米国特許第04150761(US,A)
【文献】米国特許第04273247(US,A)
【文献】カナダ国特許出願公開第02077195(CA,A1)
【文献】実開平05-094198(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 41/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、この容器本体の開口を塞ぐコップ状蓋体とからなり、このコップ状蓋体は、容器本体の上部に離脱可能に嵌合する中空形状の外枠部と、この外枠部の中央に設け容器本体の開口を塞ぐ蓋部と、外枠部の上下間に設けた底部と、底部から外枠部の上下方向に、前記蓋部と前記外枠部との間に設けた補強板とを有し、
前記コップ状蓋体により、前記容器本体の開口を塞いだ際、前記蓋部の外周面と前記補強板は、外部表面に露出して成り、
前記補強板は、前記蓋部と前記外枠部との間に、前記蓋部と前記外枠部とに一体形成して成り、前記コップ状蓋体を容器本体の開口から離脱して、内容物を入れる際は、前記コップ状蓋体の前記補強板とは反対側の空間に前記容器本体の内容物を収納可能にしてなるコップ状蓋体付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コップ状蓋体付き容器に関し、詳しくは、容器本体と、この容器本体の蓋とからなるコップ状蓋体付き容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料用容器として、例えば、ペットボトルでは、容器本体と、この容器の開口を塞ぐ蓋をコップとして使用するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-81303号公報
【文献】特開2016-67468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、従来の飲料用容器は、容器の開口を塞ぐ蓋とコップとを一体に形成して成るが、コップとして使用する際、このコップを置台に置いた時、コップの底面が置台に接する面積が広く、置台からの影響により、コップ内部の内容物の温度変化に大きく影響するので、置台とコップの底面との接地面積を狭くするために、コップの底面に凸部を形成しているが、コップの底面に凸部を形成するには、凸部を形成する工程が必要で、その分コストが生じるし、置台にコップを安定的に置くには、凸部の位置をバランスよく形成する必要があり、凸部の形成作業が面倒である(特許文献1)。
また、高齢者、子供等の手に力がない人や、手が不自由な人であっては、飲料用容器の開口を塞ぐ蓋を開けることは容易ではないので、蓋回しの機能を有する蓋回し補助具付きの部材の提案があるが、この様な部材により蓋を開けるのは、面倒である(特許文献2)。
【0005】
本発明は、簡単な構造で、コップの底面が置台に接する接地面積を最小限とし、蓋回しが容易なコップ状蓋体付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコップ状蓋体付き容器は、容器本体と、この容器本体の開口を塞ぐコップ状蓋体とからなり、このコップ状蓋体は、容器本体の上部に離脱可能に嵌合する中空形状の外枠部と、この外枠部の中央に設け容器本体の開口を塞ぐ蓋部と、外枠部の上下間に設けた底部と、底部から外枠部の上下方向に設けた補強板とを有し、コップ状蓋体の補強板とは反対側の空間に容器本体の内容物を収納可能にしてなる。
【0007】
容器本体の内容物をコップ状蓋体に収納する際、コップ状蓋体の中空形状の外枠部が置台に接するだけなので、置台に接する接地面積を最小限とすることができる。
【0008】
また、コップ状蓋体の底部は、外枠部の上下間に設けられているので、この底部と置台とが離間しているので、置台からの温度変化の影響を最小限にすることができる。
【0009】
また、コップ状蓋体は、その底部から外枠部の上下方向に補強板を設けているので、容器本体の内容物を収納しても、補強板により補強されている底部に生じる内容物の荷重に耐えることができる。
【0010】
また、この容器本体の開口を塞ぐコップ状蓋体を容器本体の開口から取り外してコップとして使用する際、コップ状蓋体には外枠部と補強板とにより窪地が形成されているので、高齢者、子供等の手に力がない人や、手が不自由な人であっても、この窪地に指を差し込んで回すと、指が補強板、外枠部に引っ掛かり、コップ状蓋体を容器本体の開口から容易に開閉することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コップ状蓋体を容器本体の開口から容易に開閉することができ、
コップの底面が置台に接する接地面積を最小限とするコップ状蓋体付き容器を構造簡単で提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】
図2に示すコップ状蓋体のIII-III線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態につき、
図1乃至
図3に基づき説明する。
コップ状蓋体付き容器1は、容器本体2と、この容器本体2の開口2aを塞ぐコップ状蓋体3とからなる。
【0014】
容器本体2は、円柱形状からなり、上部には開口2aが設けられ、この開口2aから内容物、例えば水を注入、抽出することができる。ここでは、水について説明するが、内容物は水に限らず、液体状の物であればよい。
【0015】
コップ状蓋体3は、容器本体2の上部に離脱可能に嵌合する中空形状の外枠部4と、この外枠部4の中央に設け容器本体2の開口2aを塞ぐ蓋部6と、外枠部4の上下間に設けた底部5と、底部5から外枠部4の上下方向に設けた補強板7とを有している。
【0016】
外枠部4は、円柱形状からなり、容器本体2の上部に離脱可能に嵌合する。この外枠部4の中央には、蓋部6が外枠部4の上下方向に設けられる。
図1に示す蓋部6の上辺6aは、
図1に示す外枠部4の上辺4aと同じ位置で、外枠部4の上下方向に沿って形成され、この蓋部6が容器本体2の開口2aを塞ぐべく、蓋部6と開口2aとがスクリュー状の雌雄となっている。蓋部6の
図1に示す下辺6bは、外枠部4の下辺4bよりも上方で外枠部4の内部に設けられている。
【0017】
更に、外枠部4には、その内部に、蓋部6の
図1に示す下辺6bの箇所に、コップとして使用する際の底となる底部5が外枠部4の上下間を塞ぐように形成されている。その為、
コップ状蓋体3をコップとして使用する際は、
図2,3に示すように、容器本体2の内容物は蓋部6と底部5より上方の外枠部4の内部に入れることができ、外枠部4から漏れることがなく、外枠部4内の水を飲料することができる。
【0018】
更に、外枠部4の内部には、
図1に示す、外枠部4内を仕切る補強板7、7,7,7が底部5から外枠部4の上下方向に設けられている。この補強板7は90度間隔で、底部5上に4板形成されている。ここでは、90度間隔に設けているが、これに限られず、例えば、120度間隔としても良く、補強板7の設置数は変更できる。
【0019】
この補強板7は、
図1に示すように、底部5から外枠部4の上辺4aまで形成されており、コップ状蓋体3をコップとして使用する際は、
図2,3に示すように、外枠部4、補強板7、蓋部6が置台に接するだけとなる。また、外枠部4内の水は、
図2,3に示すように、蓋部6と外枠部4の底部5より上方に収納され、底部5が補強板7,7,7,7により補強されているので、底部5が水の重さにより底抜けすることがない。
また、この補強板7に孔を設け、この孔に取って紐を通すことにより、利用者はコップ状蓋体付き容器を取って紐により持ち運びすることができる。
【0020】
コップ状蓋体3は、
図1に示すように、蓋部6と外枠部4の底部5とにより窪地8となっており、容器本体2からコップ状蓋体3を取り外してコップとして使用する際、高齢者、子供等の手に力がない人や、手が不自由な人であっても、この窪地8に指を差し込み、指を回すと補強板7、外枠部4に指が引っ掛かり、コップ状蓋体3を容器本体2の開口2aから開け易くなる。また、逆に、容器本体2にコップ状蓋体3を取り付ける際、高齢者、子供等の手に力がない人や、手が不自由な人であっても、この窪地8に指を差し込み、この指が補強板7、外枠部4に引っ掛かり、コップ状蓋体3で容器本体2の開口2aを塞ぎやすくなる。
【0021】
この様に、容器本体2からコップ状蓋体3を取り外してコップとして使用することができるので、公の場所において、容器本体2の開口2aから直接内部の飲料を飲むことなく、コップ状蓋体3をコップとして使用することがでる。そのため、容器本体2の内容物をスムーズに飲むことができる。
容器本体2の開口2aに直接口をつける必要がないので、容器本体2の開口2aを衛生的に保つことができる。
【符号の説明】
【0022】
1はコップ状蓋体付き容器
2は容器本体
2aは開口
3はコップ状蓋体
4は外枠部
5は底部
6は蓋部
7は補強板
8は窪地