(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20231212BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20231212BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20231212BHJP
G07G 1/06 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G07G1/12 361D
G07G1/00 311A
G07G1/01 301E
G07G1/06 B
(21)【出願番号】P 2019051618
(22)【出願日】2019-03-19
【審査請求日】2021-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】原 世明
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-041137(JP,A)
【文献】特開2017-215794(JP,A)
【文献】特開平02-271494(JP,A)
【文献】特開平02-309497(JP,A)
【文献】特開2015-176394(JP,A)
【文献】特開平02-300998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
G06Q 10/00-50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を識別する商品コードを入力する入力手段と、
前記入力手段を介して入力された商品の税額を当該商品に対して課せられる税の税率として、当該商品が軽減税率対象の商品の場合には軽減税率で、当該商品が軽減税率対象外商品の場合には通常税率で算出する第1演算手段と、
前記入力手段を介して入力された商品の商品コード、
単価、税種、税率
、第1価格、第2価格及び前記第1演算手段で算出された税額を含
み、前記第1価格は、前記単価と前記税種と前記税率とで特定される金額とし、前記第2価格はゼロとするトランザクションデータを作成する作成手段と、
前記税率の変更を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記税率の変更が検出されると、前記商品が前記軽減税率対象の商品である場合に限り当該商品の税額を通常税率で算出する第2演算手段と、
前記第2演算手段により税額が算出された商品の前記トランザクションデータの税率を前記軽減税率から前記通常税率に変更し、税額を前記第2演算手段で算出された税額に変更
し、第2価格を前記第2演算手段により算出された税額と前記税種と前記軽減税率対象の商品の単価とから特定される第2価格に変更する変更手段と、
前記税率の変更が検出されていない商品については、前記第1演算手段で算出された税額で商品の会計金額を処理し、前記税率の変更が検出された前記軽減税率対象の商品については、前記第2演算手段で算出された税額で商品の会計金額を処理する処理手段と、
前記検出手段により前記税率の変更が検出された前記軽減税率対象の商品について、税率の変更により価格が前記第1価格から前記第2価格に変更されたことを表示する価格表示手段と、
を具備する商品販売データ処理装置。
【請求項2】
テンキーと複数のファンクションキーとを備えた入力デバイス、
をさらに具備し、
前記検出手段は、前記入力デバイスに対して所定のキー操作があると、前記税率の変更を検出する請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記所定のキー操作は、テンキーと第1のファンクションキーとの組み合わせ操作である、請求項2記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記所定のキー操作は、第2のファンクションキーの単一操作である、請求項2記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記処理手段により前記会計金額が処理された前記商品の情報を表示する表示手段と、
前記第1演算手段により税額が算出された商品と前記第2演算手段により税額が算出された商品とで、前記情報の表示形態を異ならせる第1制御手段と、
をさらに具備する請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
前記処理手段により前記会計金額が処理された前記商品の情報が記録されたレシートを発行する発行手段と、
前記第1演算手段により税額が算出された商品と前記第2演算手段により税額が算出された商品とで、前記レシートに記録される情報を異ならせる第2制御手段と、
をさらに具備する請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項7】
商品販売データ処理装置のコンピュータを、
入力手段を介して入力された商品の税額を当該商品に対して課せられる税の税率として、当該商品が軽減税率対象の商品の場合には軽減税率で、当該商品が軽減税率対象外商品の場合には通常税率で算出する第1演算手段、
前記入力手段を介して入力された商品の商品コード、
単価、税種、税率
、第1価格、第2価格及び前記第1演算手段で算出された税額を含
み、前記第1価格は、前記単価と前記税種と前記税率とで特定される金額とし、前記第2価格はゼロとするトランザクションデータを作成する作成手段、
前記税率の変更を検出する検出手段、
前記検出手段により前記税率の変更が検出されると、前記商品が前記軽減税率対象の商品である場合に限り当該商品の税額を通常税率で算出する第2演算手段、
前記第2演算手段により税額が算出された商品の前記トランザクションデータの税率を前記軽減税率から前記通常税率に変更し、税額を前記第2演算手段で算出された税額に変更
し、第2価格を前記第2演算手段により算出された税額と前記税種と前記軽減税率対象の商品の単価とから特定される第2価格に変更する変更手
段、
前記税率の変更が検出されていない商品については、前記第1演算手段で算出された税額で商品の会計金額を処理し、前記税率の変更が検出された前記軽減税率対象の商品については、前記第2演算手段で算出された税額で商品の会計金額を処理する処理手段、及び、
前記検出手段により前記税率の変更が検出された前記軽減税率対象の商品について、税率の変更により価格が前記第1価格から前記第2価格に変更されたことを表示する価格表示手段、
として機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置及びコンピュータを当該装置として機能させるための制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の消費に対して税が課せられる税制に関しては、飲料品又は食料品等のように生活に直接関与する商品の税率を他の商品よりも低く抑える、いわゆる軽減税率制度がある。軽減税率制度では、軽減税率の対象となる商品に対する税率は、対象とならない商品に対する通常税率よりも低くなる。ただし、軽減税率の対象となる商品であっても、消費の形態によっては対象とならないケースがあり得る。例えば、軽減税率の対象となる商品が「外食を除く飲料品又は食料品」と定義されていた場合、店舗で購入した飲料品又は食料品を持ち帰る、いわゆる持ち帰りであれば、軽減税率の対象となる。しかし、店舗内で飲料品又は食料品を飲食する、いわゆる店内飲食又はイートインの場合には外食扱いとなるため、軽減税率の対象とはならない。
【0003】
購入した飲料品又は食料品を持ち帰るのか店舗内で飲食するのかは、消費者が決める事項である。このため、店内飲食が可能な店舗では、会計担当の店員が、軽減税率の対象となる食料品等を購入した消費者に対して持ち帰りなのか店内飲食なのかを口頭で確認する。そして店内飲食であれば、軽減税率ではなく通常税率でその商品の販売データが処理されるように、POS(Point Of Sales)等の商品販売データ処理装置を操作する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、商品に課せられる税の税率が消費の形態によって変化する場合でも簡単な操作で対処できる商品販売データ処理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、商品販売データ処理装置は、識別手段と、第1演算手段と、検出手段と、第2演算手段と、処理手段とを備える。識別手段は、商品を識別する。第1演算手段は、識別手段により識別された商品の税額を当該商品に対して課せられる税の税率で算出する。検出手段は、税率の変更を検出する。第2演算手段は、検出手段により税率の変更が検出されると、識別手段により識別された商品の税額を変更後の税率で算出する。処理手段は、税率の変更が検出されていない商品については、第1演算手段で算出された税額で商品の販売データを処理し、税率の変更が検出された商品については、第2演算手段で算出された税額で商品の販売データを処理する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態であるPOS端末の要部回路構成を示すブロック図。
【
図2】本実施形態において、商品マスタファイルに保存される商品レコードの主要なデータ構造を示す模式図。
【
図3】POS端末のキーボードに配置される主要なキーのレイアウトを示す模式図。
【
図4】POS端末が有する税率テーブルの主要なデータ構造を示す模式図。
【
図5】POS端末が有するSIテーブルの主要なデータ構造を示す模式図。
【
図6】POS端末のメインメモリに形成される主要なワークエリアを示す模式図。
【
図7】トランザクションエリアに記憶されるトランザクションデータの主要なデータ構造を示す模式図。
【
図8】POS端末のプロセッサが実行するスキャニング処理の手順を示す流れ図。
【
図9】POS端末のプロセッサが実行するSIキー処理の手順を示す流れ図。
【
図10】POS端末のプロセッサが実行するイートインキー処理の手順を示す流れ図。
【
図11】POS端末のプロセッサが実行する非課税変更処理の手順を示す流れ図。
【
図12】POS端末のプロセッサが実行する外税変更処理の手順を示す流れ図。
【
図13】POS端末のプロセッサが実行する内税変更処理の手順を示す流れ図。
【
図14】POS端末のプロセッサが実行する税率変更処理の手順を示す流れ図。
【
図15】2点目の商品登録を終えた後の登録画面の一表示例を示す図。
【
図16】3点目の商品登録を終えた後の登録画面の一表示例を示す図。
【
図17】4点目の商品登録を終えた後の登録画面の一表示例を示す図。
【
図18】非課税変更処理の後の登録画面の一表示例を示す図。
【
図19】内税変更処理の後の登録画面の一表示例を示す図。
【
図20】税率変更処理の後の登録画面の一表示例を示す図。
【
図21】小計キー入力後の合計画面の一表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、商品に課せられる税の税率が消費の形態によって変化する場合でも簡単な操作で対処できる商品販売データ処理装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態では、一般の商品に課せられる税の通常税率を10%とし、外食を除く飲料品又は食料品に課せられる税の税率を軽減税率8%とする。すなわち、飲料品又は食料品に課せられる税の税率は、持ち帰りの場合には軽減税率8%となるが、店内飲食の場合には通常税率10%となる。そして、店内飲食が可能なイートインスペースを備えた小売店舗の会計場所に設置されるPOS(Point Of Sales)端末を、一実施形態の商品販売データ処理装置として例示する。
【0009】
図1は、POS端末10の要部回路構成を示すブロック図である。POS端末10は、プロセッサ101、メインメモリ102、補助記憶デバイス103、時計104、釣銭機インターフェース105、通信インターフェース106、キーボード107、スキャナ108、第1ディスプレイ109、第2ディスプレイ110、プリンタ111及びシステム伝送路112を備える。システム伝送路112は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路112は、プロセッサ101と、メインメモリ102、補助記憶デバイス103、時計104、釣銭機インターフェース105、通信インターフェース106、キーボード107、スキャナ108、第1ディスプレイ109、第2ディスプレイ110及びプリンタ111とを相互に接続する。プロセッサ101、メインメモリ102及び補助記憶デバイス103がシステム伝送路112で接続されることにより、POS端末10のコンピュータが構成される。
【0010】
プロセッサ101は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ101は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、POS端末10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0011】
メインメモリ102は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ102は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ102は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ102は、プロセッサ101が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ102は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ101によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0012】
補助記憶デバイス103は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス103となり得る。補助記憶デバイス103は、プロセッサ101が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ101での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス103は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0013】
メインメモリ102又は補助記憶デバイス103に記憶されるアプリケーションプログラムには、POS端末10で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ102又は補助記憶デバイス103にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ102又は補助記憶デバイス103にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0014】
時計104は、POS端末10の時刻情報源として機能する。プロセッサ101は、時計104によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時間を計時する。
【0015】
釣銭機インターフェース105は、自動釣銭機との間でデータ通信を行う。釣銭機インターフェース105は、自動釣銭機から投入金額のデータ、貨幣収納枚数のデータ等を受信する。釣銭機インターフェース105は、釣銭データを自動釣銭機へと送信する。
【0016】
通信インターフェース106は、有線LAN(Local Area Network)又は無線LAN等のネットワークを介して接続されるストアサーバ20との間でデータ通信を行う。ストアサーバ20は、商品マスタファイル21を備える。商品マスタファイル21は、ストアサーバ20が内蔵する記憶装置に形成されていてもよいし、ストアサーバ20の外部に接続された記憶装置に形成されていてもよい。
【0017】
商品マスタファイル21は、商品レコード21R(
図2を参照)を保存する。商品レコード21Rは、商品毎に作成される。商品レコード21Rの主要なデータ構造を
図2の模式図で表す。
図2に示すように、商品レコード21Rは、商品コード、商品名、単価、税率、税種、属性等のデータ項目を含む。
【0018】
商品コードは、各商品を識別するために商品毎に設定された固有のコードである。通常、各商品には、商品コードをバーコード化したバーコードシンボル、若しくは二次元データコード化した2次元データコードシンボルが付されている。あるいは、商品コードを記憶したRFID(Radio Frequency Identification)タグが付されていてもよい。POS端末10は、上記のバーコードシンボル、2次元データコードシンボル又はRFIDタグのデータを読取装置で読み取ることで、商品の販売データを登録処理することができる。
【0019】
商品名及び単価は、商品コードで識別される商品の名称及び1点当たりの価格である。以下、商品コードで識別される商品を当該商品と表す。税率は、当該商品の消費に課せられる税の税率である。当該商品が軽減税率対象でない場合、税率は通常税率10%である。当該商品が軽減税率対象の場合、税率は軽減税率8%である。
【0020】
税種は、上記税の税金分が価格に含まれている内税なのか、価格に含まれていない外税なのか、あるいは税が課せられない非課税なのかを識別する情報である。本実施形態では、内税の税種を“3”とし、外税の税種を“2”とし、非課税の税種を“1”とする。
【0021】
属性は、軽減税率対象の商品なのか否かを識別する情報である。本実施形態の場合、外食を除く飲料品又は食料品が軽減税率対象となる。このため、飲料品又は食料品の属性は、軽減税率対象の商品に属することを示す情報となる。その他の商品の属性は、軽減税率対象の商品に属することを示す情報ではない。
【0022】
キーボード107及びスキャナ108は、POS端末10の入力デバイスとして機能する。キーボード107は、
図3に示すように、テンキーK1と、クリアキーK2、乗算キーK3、小計キーK4、預/現計キーK5、SI(Selective Itemize)キーK6、イートインキーK7等の複数のファンクションキーとを配置したPOS端末10専用のキーボードである。第1のファンクションキーであるSIキーK6と、第2のファンクションキーであるイートインキーK7との用途については、後述する。
【0023】
スキャナ108は、バーコード、二次元データコード等のコードシンボルを読み取る読取装置の一例である。スキャナ108は、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0024】
第1ディスプレイ109及び第2ディスプレイ110は、POS端末10の表示デバイスとして機能する。第1ディスプレイ109は、POS端末10のオペレータである店員に対して情報の表示を行う。第2ディスプレイ110は、POS端末10において購入する商品の登録が行われている客に対して情報の表示を行う。この種の表示デバイスとしては、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等を利用できる。第1ディスプレイ109又は第2ディスプレイ110としてタッチパネルを用いてもよい。
【0025】
プリンタ111は、レシート用紙に対して各種の文字列又は画像等を印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタ111としては、例えばサーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタ等を利用できる。
【0026】
かかる構成のPOS端末10は、
図4に示すデータ構造の税率テーブル31と、
図5に示すデータ構造のSIテーブル32とを備えている。税率テーブル31とSIテーブル32とは、補助記憶デバイス103で記憶されている。税率テーブル31とSIテーブル32とは、メインメモリ102の不揮発性領域に記憶されていてもよい。
税率テーブル31は、通常税率と軽減税率とを記憶する。本実施形態では、通常税率として10%を記憶し、軽減税率として8%を記憶している。
【0027】
SIテーブル32は、SIコード別に、税率、税種及び表示情報を記述したデータテーブルである。具体的には、SIコード“1”と関連付けて、税率“0”、税種“1”及び表示情報「非課税」が記述されている。SIコード“2”と関連付けて、税率“10”、税種“2”及び表示情報「外税」が記述されている。SIコード“3”と関連付けて、税率“10”、税種“3”及び表示情報「内税」が記述されている。SIコード“4”と関連付けて、税率“10”、税種“-”及び表示情報「税率10%」が記述されている。SIテーブル32の用途については、後述する。
【0028】
またPOS端末10は、
図6に示すように、メインメモリ102の揮発性領域に、トランザクションエリア41、会計金額エリア42、外税合計額エリア43、内税合計額エリア44及び変更税率エリア45のワークエリアを形成している。
【0029】
トランザクションエリア41は、1取引として販売される商品のトランザクションデータ41D(
図7を参照)を記憶するためのエリアである。1取引として複数の商品が販売される場合、各商品のトランザクションデータ41Dがトランザクションエリア41に記憶される。
【0030】
図7は、トランザクションデータ41Dの主要なデータ構造を示す模式図である。トランザクションデータ41Dは、商品コード、商品名、単価、税種、属性、点数、税額、第1価格、第2価格、変更ステータス等のデータ項目を含む。商品コード、商品名、単価、税種及び属性は、商品レコード21Rのデータである。点数は、販売点数である。税額は、商品に課せられる税の金額である。第1価格、第2価格及び変更ステータスの用途については、後述する。
【0031】
会計金額エリア42は、1取引の会計のために客が支払う支払金額を記憶するためのエリアである。外税合計額エリア43は、その1取引で販売される商品に課せられる税の外税額を記憶するためのエリアである。内税合計額エリア44は、その1取引で販売される商品に課せられる税の内税額を記憶するためのエリアである。変更税率エリア45には、軽減対象の商品が軽減対象外となったときの変更税率を記憶するためのエリアである。本実施形態では、変更税率は通常税率と等しい10%である。変更税率は、必ずしも通常税率と一致していなくてもよい。
【0032】
次に、POS端末1のプロセッサ101を主体とするコンピュータの主要な動作について説明する。そして、この動作説明により、SIキーK6及びイートインキーK7の用途、SIテーブル32の用途、第1価格、第2価格及び変更ステータスの用途を明らかにする。
【0033】
図8乃至
図14は、プロセッサ101が実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。プロセッサ101は、メインメモリ102または補助記憶デバイス103で記憶されている制御プログラムに従い、この情報処理を実行する。なお、情報処理の手順はこれに限定されるものではない。同様な結果を得ることが可能であれば、情報処理の手順は種々変形して実施することができる。
【0034】
図8は、スキャニング処理の手順を示す流れ図である。プロセッサ101は、スキャナ108のスキャニングによりで読み取られたコードシンボルのデータを取り込むと、スキャニング処理を開始する。先ず、プロセッサ101は、ACT1としてコードシンボルのデータに商品コードが含まれているか否かを確認する。コードシンボルのデータに商品コードが含まれていない場合、プロセッサ101は、ACT1においてNOと判定し、他の処理を実行する。例えば、割引券に印刷されているバーコードがスキャナ108でスキャニングされた場合、プロセッサ101は、割引処理を実行する。
【0035】
コードシンボルのデータに商品コードが含まれている場合、プロセッサ101は、ACT1においてYESと判定し、ACT2へと進む。プロセッサ101は、ACT2においてその商品コードで特定される商品を識別するために、当該商品コードで関連付けられた商品データを取得する。具体的には、プロセッサ101は、商品データの問合せを行うように通信インターフェース106を制御する。この制御により、通信インターフェース106からストアサーバ20に対して商品データの問合せコマンドが発信される。問合せコマンドには、商品コードが含まれる。問合せコマンドは、ネットワークを介してストアサーバ20へと送信される。問合せコマンドを受信したストアサーバ20は、商品マスタファイル21を検索して、当該コマンドに含まれる商品コードが記述された商品レコード21Rを読み出す。そしてストアサーバ20は、この商品レコード21Rのデータを含む応答コマンドを、問合せコマンド送信元のPOS端末10に宛てて送信する。応答コマンドは、ネットワークを介してPOS端末10の通信インターフェース106で受信される。かくしてプロセッサ101は、商品コードで特定される商品を識別し、その商品の商品データとして商品名、単価、税率、税種、属性等を取得する。
【0036】
商品データを取得したプロセッサ101は、ACT3としてその商品データの税種を検出する。ここで、税種が“1”、つまり非課税商品の商品コードが読み取られた場合には、プロセッサ101は、ACT3からACT4へと進む。プロセッサ101は、ACT4として商品データの単価を第1価格とする。そしてプロセッサ101は、ACT5として第1価格を会計金額エリア42に加算する。
【0037】
税種が“2”、つまり外税商品の商品コードが読み取られた場合には、プロセッサ101は、ACT3からACT6へと進む。プロセッサ101は、ACT6として商品データの単価と税率とから、以下の(1)式により外税額を算出する。
外税額=単価×税率 …(1)
外税額を算出し終えたならば、プロセッサ101は、ACT7として外税額を外税合計額エリア43に加算する。またプロセッサ101は、ACT8として単価に外税額を加算した金額を第1価格とする。そしてプロセッサ101は、ACT9として第1価格を会計金額エリア42に加算する。
【0038】
税種が“3”、つまり内税商品の商品コードがスキャニングされた場合には、プロセッサ101は、ACT3からACT10へと進む。プロセッサ101は、ACT10として商品データの単価と税率とから、以下の(2)、(3)式により内税額を算出する。
本体価格=単価/(1+税率) …(2)
内税額=単価-本体価格 …(3)
内税額を算出し終えたならば、プロセッサ101は、ACT11として内税額を内税合計額エリア44に加算する。またプロセッサ101は、ACT12として単価を第1価格とする。そしてプロセッサ101は、ACT13として第1価格を会計金額エリア42に加算する。
【0039】
ACT5、ACT9又はACT13の処理を終えると、プロセッサ101は、ACT14としてトランザクションデータ41Dを作成する。すなわちプロセッサ101は、商品データに含まれる商品コード、商品名、単価、税種、税率及び属性と、点数、税額、第1価格、第2価格及び変更ステータスとで、トランザクションデータ41Dを作成する。ここで、点数は、スキャニング入力の直前にテンキーK1と乗算キーK3とにより乗数が入力されていた場合にはその乗数となり、乗数が入力されていない場合には“1”となる。税額は、非課税商品の場合には“0”であり、外税商品の場合には、ACT6の処理で算出された外税額であり、内税商品の場合には、ACT10の処理で算出された内税額である。第1価格は、非課税商品の場合には単価となり、外税商品及び内税商品の場合には税込み価格となる。第2価格は、この時点では“0”である。
【0040】
トランザクションデータ41Dを作成し終えると、プロセッサ101は、ACT15としてそのトランザクションデータ41Dの変更ステータスを“0”とする。そしてプロセッサ101は、ACT16としてトランザクションデータ41Dをトランザクションエリア41に登録する。さらにプロセッサ101は、ACT17として第1ディスプレイ109及び第2ディスプレイ110に対して、トランザクションデータ41Dの商品名、点数、単価等が表示されるように制御する。以上で、プロセッサ101は、スキャニング処理を終了する。
【0041】
図15、
図16及び
図17は、スキャニング処理を終えた後の第1ディスプレイ109の表示例である。
図15は、1取引として販売される1点目の商品「AAAAA」の商品コードが読み取られ、続いて2点目の商品「BBBBB」の商品コードが読み取られたときの登録画面50Aを示している。ここで、商品「AAAAA」は、単価100円の内税商品である。商品「BBBBB」は、単価100円の非課税商品である。
【0042】
登録画面50Aは、明細エリア51と最新エリア52とに区分されている。明細エリア51には、1点目の商品「AAAAA」に関する情報として、商品名「AAAAA」、点数「1」、単価「100」、値割引金額「0」、金額「100」、税種「内」等が表示されている。金額は、単価に点数を乗算して算出された金額である。税種「内」は、内税商品であることを示している。
【0043】
最新エリア52には、2点目の商品「BBBBB」に関する情報として、商品名「BBBBB」、点数「1」及び単価「100」が表示され、さらに合計点数「2」及び合計金額「200」が表示されている。合計点数「2」は、トランザクションエリア41に登録されたトランザクションデータ41Dの点数を合計した値である。合計金額「200」は、会計金額エリア42に記憶されている金額である。この他、最新エリア52の領域521には、商品「BBBBB」が非課税商品であることを表す情報「非課税」が表示されている。
【0044】
1点目の商品「AAAAA」は軽減税率対象外の内税商品であるので、税率テーブル31から通常税率10%が読み出される。そして、単価100円に対する通常税率10%の内税額9円が内税合計額エリア44に加算される。また、会計金額エリア42には、税込み価格である単価100円が加算される。2点目の商品「BBBBB」は非課税商品であるので、単価100円がそのまま会計金額エリア42に加算される。かくして、合計金額は200円となる。
【0045】
図16は、
図15の登録画面50Aが第1ディスプレイ109に表示されている状態で、さらに3点目の商品「CCCCC」の商品コードが読み取られたときの登録画面50Bを示している。ここで、商品「CCCCC」は、単価100円の内税商品である。
【0046】
登録画面50Bの明細エリア51には、1点目の商品「AAAAA」及び2点目の商品「BBBBB」に関する情報が表示されている。因みに、税種「非」は、非課税商品であることを示している。
【0047】
最新エリア52には、3点目の商品「CCCCC」に関する情報として、商品名「CCCCC」、点数「1」及び単価「100」が表示され、さらに合計点数「3」及び合計金額「300」が表示されている。3点目の商品「CCCCC」は内税商品であるので、税率テーブル31から通常税率10%が読み出される。そして、単価100円に対する通常税率10%の内税額9円が内税合計額エリア44に加算されて、内税額が18円となる。また、会計金額エリア42には、税込み価格である単価100円が加算されて、合計金額は300円となる。この他、最新エリア52の領域521には、商品「CCCCC」が内税商品であることを表す情報「内税」が表示されている。
【0048】
図17は、
図16の登録画面50Bが第1ディスプレイ109に表示されている状態で、さらに4点目の商品「DDDDD」の商品コードが読み取られたときの登録画面50Cを示している。ここで、商品「DDDDD」は、単価100円の内税商品である。商品「DDDDD」は、軽減税率対象の商品、例えば食料品である。
【0049】
登録画面50Cの明細エリア51には、1点目から3点目までの商品「AAAAA」、「BBBBB」及び「CCCCC」に関する情報が表示されている。
【0050】
最新エリア52には、4点目の商品「DDDDD」に関する情報として、商品名「DDDDD」、点数「1」及び単価「100」が表示され、さらに合計点数「4」及び合計金額「400」が表示されている。4点目の商品「DDDDD」は軽減税率対象の内税商品であるので、税率テーブル31から軽減税率8%が読み出される。そして、単価100円に対する軽減税率8%の内税額7円が内税合計額エリア44に加算されて、内税額が25円となる。また、会計金額エリア42には、税込み価格である単価100円が加算されて、合計金額は400円となる。その他、最新エリア52の領域521には、商品「DDDDD」が軽減税率対象の商品であることを表す情報「軽減税率対象」が表示されている。
【0051】
流れ図の説明に戻る。
図9は、SIキー処理の手順を示す流れ図である。プロセッサ101は、キーボード107のSIキーK6が入力操作されたことを検知すると、SIキー処理を開始する。先ず、プロセッサ101は、ACT21としてトランザクションデータ41Dがトランザクションエリア41に登録されているか否かを確認する。登録されていない場合、プロセッサ101は、ACT21においてNOと判定し、SIキー処理を終了する。
【0052】
トランザクションデータ41Dがトランザクションエリア41に登録されている場合には、プロセッサ101は、ACT21においてYESと判定し、ACT22へと進む。プロセッサ101は、ACT22としてSIキーK6の入力直前にテンキーK1の入力操作により置数されているか否かを確認する。置数されていない場合、プロセッサ101は、ACT22においてNOと判定し、SIキー処理を終了する。
【0053】
SIキーK6の入力直前に置数されている場合には、プロセッサ101は、ACT22においてYESと判定し、ACT23へと進む。プロセッサ101は、ACT23として“1”が置数されていたか否かを確認する。“1”が置数されていた場合、プロセッサ101は、ACT23においてYESと判定し、ACT24へと進む。プロセッサ101は、ACT24としてSIテーブル32を参照し、SIコード“1”に関連付けられた税率、税種及び表示情報を取得する。そしてプロセッサ101は、ACT25として非課税変更処理を実行する。
【0054】
“1”が置数されていなかった場合には、プロセッサ101は、ACT23においてNOと判定し、ACT26へと進む。プロセッサ101は、ACT26として“2”が置数されていたか否かを確認する。“2”が置数されていた場合、プロセッサ101は、ACT26においてYESと判定し、ACT27へと進む。プロセッサ101は、ACT27としてSIテーブル32を参照し、SIコード“2”に関連付けられた税率、税種及び表示情報を取得する。そしてプロセッサ101は、ACT28として外税変更処理を実行する。
【0055】
“2”が置数されていなかった場合、プロセッサ101は、ACT26おいてNOと判定し、ACT29へと進む。プロセッサ101は、ACT29として“3”が置数されていたか否かを確認する。“3”が置数されていた場合、プロセッサ101は、ACT29においてYESと判定し、ACT30へと進む。プロセッサ101は、ACT30として、SIテーブル32を参照し、SIコード“3”に関連付けられた税率、税種及び表示情報を取得する。そしてプロセッサ101は、ACT31として内税変更処理を実行する。
【0056】
“3”が置数されていなかった場合、プロセッサ101は、ACT29においてNOと判定し、ACT32へと進む。プロセッサ101は、ACT32として“4”が置数されていたか否かを確認する。“4”が置数されていた場合、プロセッサ101は、ACT32においてYESと判定し、ACT33へと進む。プロセッサ101は、ACT33として、SIテーブル32を参照し、SIコード“4”に関連付けられた税率、税種及び表示情報を取得する。そしてプロセッサ101は、ACT34として税率変更処理を実行する。
【0057】
“4”が置数されていなかった場合、プロセッサ101は、ACT32においてNOと判定し、ACT35へと進む。プロセッサ101は、ACT35として上述した非課税変更処理、外税変更処理、内税変更処理または税率変更処理以外の他の処理を実行する。他の処理については、特に限定されるものではないので、ここでは言及しない。非課税変更処理、外税変更処理、内税変更処理または税率変更処理の詳細については、後述する。
【0058】
図10は、イートインキー処理の手順を示す流れ図である。プロセッサ101は、キーボード107のイートインキーK7が入力操作されたことを検知すると、イートインキー処理を開始する。先ず、プロセッサ101は、ACT41としてトランザクションデータ41Dがトランザクションエリア41に登録されているか否かを確認する。登録されていない場合、プロセッサ101は、ACT41においてNOと判定し、イートインキー処理を終了する。
【0059】
トランザクションデータ41Dがトランザクションエリア41に登録されている場合には、プロセッサ101は、ACT41においてYESと判定し、ACT42へと進む。プロセッサ101は、ACT42として税率変更処理を実行する。税率変更処理は、テンキーK1で“4”が置数された後にSIキーK6が入力操作された場合のSIキー処理で実行される税率変更処理と同様である。すなわちPOS端末10では、商品登録後にテンキーK1で“4”を置数し、続いてSIキーK6を入力操作する、という組み合わせ操作をした場合と、イートインキーK7の単一操作をした場合とにおいて、税率変更処理が実行される。
【0060】
次に、非課税変更処理、外税変更処理、内税変更処理及び税率変更処理について説明する。
図11は非課税変更処理の手順を示す流れ図である。プロセッサ101は、非課税変更処理に入ると、ACT51として直前にトランザクションエリア41に登録されたトランザクションデータ41Dの税種が、非課税商品を示す“1”であるか否かを確認する。以下、直前にトランザクションエリア41に登録されたトランザクションデータ41Dをトランザクションデータ41Dxと表す。本実施形態において、非課税変更処理の対象となる商品は、外税商品又は内税商品である。プロセッサ101は、トランザクションデータ41Dxの税種が“1”である場合、ACT51においてYESと判定し、非課税変更処理を終了する。
【0061】
トランザクションデータ41Dxの税種が“1”以外である場合、プロセッサ101は、ACT51においてNOと判定し、ACT52へと進む。プロセッサ101は、ACT52としてその税種が外税商品を示す“2”であるのか、内税商品を示す“3”であるのかを確認する。
【0062】
税種が“2”である場合、プロセッサ101は、ACT52においてYESと判定し、ACT53へと進む。プロセッサ101は、ACT53としてトランザクションデータ41Dxの単価と税率とから、前述した(1)式により外税額を算出する。またプロセッサ101は、ACT54としてトランザクションデータ41Dxの単価を、当該トランザクションデータ41Dxの第2価格とする。さらにプロセッサ101は、ACT54として外税合計額エリア43から、ACT53の処理で算出した外税額を減算する。同様に、プロセッサ101は、ACT55として会計金額エリア42から外税額を減算する。その後、プロセッサ101は、ACT60へと進む。ACT60の処理については後述する。
【0063】
ACT52において、税種が“3”であった場合には、プロセッサ101は、ACT52においてNOと判定し、ACT57へと進む。プロセッサ101は、ACT57としてトランザクションデータ41Dxの単価と税率とから、前述した(2),(3)式により本体価格と内税額とを算出する。またプロセッサ101は、ACT58として、ACT57の処理で算出した本体価格を、当該トランザクションデータ41Dxの第2価格とする。さらにプロセッサ101は、ACT59として内税合計額エリア44から、ACT57の処理で算出した内税額を減算する。その後、プロセッサ101は、ACT60へと進む。
【0064】
プロセッサ101は、ACT60としてトランザクションデータ41Dxの税種を非課税の税種“1”に変更し、税額を“0”とする。またプロセッサ101は、ACT61としてトランザクションデータ41Dxの変更ステータスを“1”とする。そしてプロセッサ101は、ACT62として変更ステータス“1”に従い、第1ディスプレイ109及び第2ディスプレイ110の表示を変更する。
【0065】
このようにオペレータが、商品登録後に“1”を置数し、続いてSIキーK6を操作すると、POS端末10では非課税変更処理が実行される。すなわち、トランザクションデータ41Dxの税種が“2”、つまり外税商品の登録後に非課税変更処理が実行されると、その外税商品の外税額が算出される。そして、外税合計額エリア43及び会計金額エリア42から外税額が減算される。また、トランザクションデータ41Dxの第2価格が単価となり、税種が“1”となり、税額が“0”となる。したがって、外税商品のトランザクションデータ41Dxが非課税商品のトランザクションデータ41Dxに変更されて登録されたこととなる。そしてこのとき、変更ステータスが“1”となる。すなわち変更ステータスの“1”は、税種が外税から非課税に変更されたことを示す。そして、第1ディスプレイ109及び第2ディスプレイ110には、外税商品が非課税商品に変更されて登録されたことがわかるように、表示内容が変更される。
【0066】
一方、トランザクションデータ41Dxの税種が“3”、つまり内税商品の登録後に非課税変更処理が実行された場合には、その内税商品の本体価格と内税額とが算出される。そして、内税合計額エリア44から内税額が減算される。また、トランザクションデータ41Dxの第2価格が本体価格となり、税種が“1”となり、税額が“0”となる。したがって、内税商品のトランザクションデータ41Dxが非課税商品のトランザクションデータ41Dxに変更されて登録されたこととなる。そしてこのとき、変更ステータスが“1”となる。すなわち変更ステータスの“1”は、税種が内税から非課税に変更されたことをも示す。そして、第1ディスプレイ109及び第2ディスプレイ110には、内税商品が非課税商品に変更されて登録されたことがわかるように、表示内容が変更される。
【0067】
図18は、
図16に示した登録画面50Bが表示された状態で、商品「CCCCC」に対して非課税変更処理が実行された場合の登録画面50Dである。商品「CCCCC」の単価100円は、通常税率10%の内税額9円が含まれているので、本体価格は91円である。したがって、非課税変更処理が実行された場合には、商品「CCCCC」の単価は第2価格として保存された本体価格91円となる。そして、最新エリア52には、内税から非課税に変更されたことを示す表示として、情報「内税→非課税」とともに、単価が、第1価格の税込み価格100円から第2価格の本体価格91円に変更されたことを示す情報「100→91円」が表示される。さらに最新エリア52の領域521には、ACT24の処理においてSIテーブル32から取得した表示情報「非課税」が表示される。
【0068】
流れ図の説明に戻る。
図12は、外税変更処理の手順を示す流れ図である。プロセッサ101は、外税変更処理に入ると、ACT71として直前にトランザクションエリア41に登録されたトランザクションデータ41Dxの税種が、非課税商品を示す“1”であるか否かを確認する。本実施形態において、外税変更処理の対象となる商品は、非課税商品である。プロセッサ101は、トランザクションデータ41Dxの税種が“1”以外である場合、ACT71においてNOと判定し、外税変更処理を終了する。
【0069】
トランザクションデータ41Dxの税種が“1”、つまりは直前に登録された商品が非課税商品の場合、プロセッサ101は、ACT71においてYESと判定し、ACT72へと進む。プロセッサ101は、ACT72としてトランザクションデータ41Dxの単価と通常税率10%とから前記(1)式により税額を算出する。またプロセッサ101は、ACT73として単価をトランザクションデータ41Dxの第2価格にセットする。そしてプロセッサ101は、ACT74として税額を外税合計額エリア43に加算する。また、プロセッサ101は、ACT75として税額を会計金額エリア42に加算する。
【0070】
プロセッサ101は、ACT76としてトランザクションデータ41Dxの税種を外税の税種“2”に変更し、税額をACT72の処理で算出された金額に変更する。またプロセッサ101は、ACT77としてトランザクションデータ41Dxの変更ステータスを“2”とする。そしてプロセッサ101は、ACT78として変更ステータス“2”に従い、第1ディスプレイ109及び第2ディスプレイ110の表示を変更する。
【0071】
このようにオペレータが、商品登録後に“2”を置数し、続いてSIキーK6を操作すると、POS端末10では外税変更処理が実行される。すなわちトランザクションデータ41Dxの税種が“1”、つまり非課税商品の登録後に外税変更処理が実行されると、その商品の単価に対して通常税率10%の外税額が算出され、この外税額が外税合計額エリア43及び会計金額エリア42に加算される。また、トランザクションデータ41Dxの第2価格が単価となり、税種が“2”となり、税額が“0”からACT72の処理で算出した税額に変更される。したがって、非課税商品のトランザクションデータ41Dxが外税商品のトランザクションデータ41Dxに変更されて登録されたこととなる。そしてこのとき、変更ステータスが“2”となる。すなわち変更ステータスの“2”は、税種が非課税から外税に変更されたことを示す。そして、第1ディスプレイ109及び第2ディスプレイ110には、非課税商品が外税商品に変更されて登録されたことがわかるように、表示内容が変更される。
【0072】
例えば最新エリア52には、非課税から外税に変更されたことを示す表示として、情報「非課税→外税」が表示される。金額は、第2価格の単価である。最新エリア52の領域521には、ACT27の処理においてSIテーブル32から取得した表示情報「外税」が表示される。
【0073】
図13は、内税変更処理の手順を示す流れ図である。プロセッサ101は、内税変更処理に入ると、ACT81として直前にトランザクションエリア41に登録されたトランザクションデータ41Dxの税種が、非課税商品を示す“1”であるか否かを確認する。本実施形態において、内税変更処理の対象となる商品は、非課税商品である。プロセッサ101は、トランザクションデータ41Dxの税種が“1”以外である場合、ACT81においてNOと判定し、内税変更処理を終了する。
【0074】
トランザクションデータ41Dxの税種が“1”、つまりは直前に登録された商品が非課税商品の場合、プロセッサ101は、ACT81においてYESと判定し、ACT82へと進む。プロセッサ101は、ACT82としてトランザクションデータ41Dxの単価と通常税率10%とから前記(1)式により税額を算出する。またプロセッサ101は、ACT83として単価と税額とを合算した金額をトランザクションデータ41Dxの第2価格にセットする。そしてプロセッサ101は、ACT84として税額を内税合計額エリア44に加算する。また、プロセッサ101は、ACT85として税額を会計金額エリア42に加算する。
【0075】
プロセッサ101は、ACT86としてトランザクションデータ41Dxの税種を内税の税種“3”に変更し、税額をACT82の処理で算出された金額に変更する。またプロセッサ101は、ACT87としてトランザクションデータ41Dxの変更ステータスを“3”とする。そしてプロセッサ101は、ACT88として変更ステータス“3”に従い、第1ディスプレイ109及び第2ディスプレイ110の表示を変更する。
【0076】
このようにオペレータが、商品登録後に“3”を置数し、続いてSIキーK6を操作すると、POS端末10では内税変更処理が実行される。すなわちトランザクションデータ41Dxの税種が“1”、つまり非課税商品の登録後に内税変更処理が実行されると、その商品の単価に対して通常税率10%の税額が算出され、この税額が内税合計額エリア44及び会計金額エリア42に加算される。また、トランザクションデータ41Dxの第2価格が単価と税額とを加算した税込み価格となり、税種が“3”となり、税額が“0”からACT82の処理で算出した税額に変更される。したがって、非課税商品のトランザクションデータ41Dxが内税商品のトランザクションデータ41Dxに変更されて登録されたこととなる。そしてこのとき、変更ステータスが“3”となる。すなわち変更ステータスの“3”は、税種が非課税から内税に変更されたことを示す。そして、第1ディスプレイ109及び第2ディスプレイ110には、非課税商品が内税商品に変更されて登録されたことがわかるように、表示内容が変更される。
【0077】
例えば最新エリア52には、非課税から内税に変更されたことを示す表示として、情報「非課税→内税」が表示される。金額は、第2価格の税込み価格である。最新エリア52の領域521には、ACT30の処理においてSIテーブル32から取得した表示情報「内税」が表示される。
【0078】
図19は、
図15の登録画面50Aが表示された状態で、非課税商品「BBBBB」に対して内税変更処理が実行された場合の登録画面50Eである。上述した内税変更処理により、商品「BBBBB」の単価100円と通常税率10%とから税額10円が算出され、税込み価格110円が算出されて、第2価格となる。そして、直前エリアには情報「非課税→内税」とともに、第1価格100円から第2価格110円に変更されたことを示す情報「100→110円」が表示される。また、合計金額が210円になるとともに、領域521に表示情報「内税」が表示される。
【0079】
流れ図の説明に戻る。
図14は、税率変更処理の手順を示す流れ図である。プロセッサ101は、税率変更処理に入ると、ACT91として直前にトランザクションエリア41に登録されたトランザクションデータ41Dxの属性を取得する。そしてプロセッサ101は、この属性が軽減税率対象の商品に属することを示す情報であるか否かを確認する。本実施形態では、直前に登録された商品が飲料品又は食料品ではない場合、軽減税率対象の商品ではない。この場合、プロセッサ101は、ACT91においてNOと判定し、税率変更処理を終了する。
【0080】
本実施形態では、直前に登録された商品が飲料品又は食料品である場合、軽減税率対象の商品である。この場合、プロセッサ101は、ACT92においてYESと判定し、ACT93へと進む。プロセッサ101は、ACT93としてトランザクションデータ41Dxの税種を調べる。本実施形態では、飲料品又は食料品は、内税商品又は外税商品である。したがって、トランザクションデータ41Dxの税種は、“2”又は“3”である。
【0081】
プロセッサ101は、トランザクションデータ41Dxの税種が“2”である場合、つまり外税商品の場合には、ACT93においてYESと判定し、ACT94へと進む。プロセッサ101は、ACT94としてトランザクションデータ41Dxの税率と単価とから、前記(1)式により変更前税額Aを算出する。因みに、トランザクションデータ41Dxの税率は、軽減税率8%である。
【0082】
プロセッサ101は、ACT95として変更税率エリア45から変更税率を取得する。変更税率は、通常税率10%である。プロセッサ101は、ACT96としてこの変更税率10%と単価とから、前記(1)式により変更後税額Bを算出する。プロセッサ101は、ACT97としてトランザクションデータ41Dxの第2価格を単価とする。またプロセッサ101は、ACT98として変更後税額Bから変更前税額Aを減じた差分値を外税合計額エリア43に加算する。同様に、プロセッサ101は、ACT99として上記差分値を会計金額エリア42に加算する。その後、プロセッサ101は、ACT108へと進む。ACT108の処理については後述する。
【0083】
一方、プロセッサ101は、トランザクションデータ41Dxの税種が“3”である場合、つまり内税商品の場合には、ACT93においてNOと判定し、ACT100へと進む。プロセッサ101は、ACT100としてトランザクションデータ41Dxの税率と単価とから、前記(2)、(3)式により単価に含まれる本体価格と内税額とを算出する。因みに、トランザクションデータ41Dxの税率は、軽減税率8%である。
【0084】
プロセッサ101は、ACT101として変更税率エリア45から変更税率を取得する。変更税率は、通常税率10%である。プロセッサ101は、ACT102としてこの変更税率10%と単価とから、前記(1)式により変更後税額Cを算出する。プロセッサ101は、ACT103としてトランザクションデータ41Dxの第2価格を、単価に変更後税額Cを加算した内税の金額とする。
【0085】
プロセッサ101は、ACT104として内税合計額エリア44から内税額を減算する。そしてプロセッサ101は、ACT105として変更後税額Cを内税合計額エリア44に加算する。同様に、プロセッサ101は、ACT106として会計金額エリア42から内税額を減算する。そしてプロセッサ101は、ACT107として変更後税額Cを会計金額エリア42に加算する。その後、プロセッサ101は、ACT108へと進む。
【0086】
プロセッサ101は、ACT108としてトランザクションデータ41Dxの税率を変更税率に変更し、税額を変更後税額B又は変更後税額Cに変更する。またプロセッサ101は、ACT109としてトランザクションデータ41Dxの変更ステータスを“4”に更新する。そしてプロセッサ101は、ACT110として変更ステータス“4”に従い、第1ディスプレイ109及び第2ディスプレイ110の表示を変更する。
【0087】
このようにオペレータが、商品の登録後に“4”を置数し、続いてSIキーK6を操作すると、POS端末10では税率変更処理が実行される。また、商品の登録後にイートインキーK7が操作された場合においても、POS端末10では税率変更処理が実行される。詳しくは、トランザクションデータ41Dxの属性が軽減税率対象の商品に属することを示す情報であるときに税率変更処理が実行されると、その商品の税額が、軽減税率8%の税額から変更税率10%の税額に変更される。したがって、軽減税率対象の商品が変更税率の商品に変更されて登録されたこととなる。そしてこのとき、変更ステータスが“4”となる。すなわち変更ステータスの“4”は、税率が軽減税率から変更税率に変更されたことを示す。そして、第1ディスプレイ109及び第2ディスプレイ110には、税率が軽減税率から変更税率に変更されて登録されたことがわかるように、表示内容が変更される。
【0088】
図20は、
図17の登録画面50Cが表示された状態で、軽減税率対象の内税商品「DDDDD」に対して税率変更処理が実行された後の登録画面50Fである。上述した税率変更処理により、商品「DDDDD」の単価100円に対する軽減税率8%の内税額7円と本体価格93円とが算出される。また、本体価格93円と変更税率10%とから変更後税額Cとして9円が算出される。そして第2価格が本体価格93円に変更後税額9円を加算した内税の金額102円となる。かくして、直前エリアには情報「税率変更」とともに、第1価格100円から第2価格102円に変更されたことを示す情報「100→102円」が表示される。また、合計金額が402円になるとともに、領域521に表示情報「税率10%」が表示される。
【0089】
さて、
図20の登録画面50Fが表示された状態で、小計キーK4が操作されると、第1ディスプレイ109の画面は、例えば
図21に示す内容の合計画面60となる。合計画面60は、明細エリア61と合計エリア62とからなる。明細エリア61には1取引として登録された商品の品名、点数、単価、値割引金額、金額、税種等が表示される。そして、税率変更が行われた商品「DDDDD」については、税率変更が行われたことを示すマークM1が表示されて、他の商品と区別される。合計エリア62には、合計点数及び合計金額と内税額とが表示されている。
【0090】
図21の合計画面60が表示された状態で、現金支払いにより預/現計キーK5が操作されると、例えば
図22に示すレイアウトのレシート70がプリンタ111によって印刷される。
図22に示すように、レシート70には、税率変更された商品「DDDDD」に関して、変更前の税込み価格(¥100)及び内税額(¥7)と、変更後の税率による税込み価格(¥102)及び内税額(¥9)とが印字される。そして、変更前の税込み価格及び税額には、取消線が重ねて印字される。また、商品「DDDDD」は、マーク「軽」によって軽減税率対象の商品であることを示すとともに、その後の印字情報「イートイン(8%→10%)」により、店内飲食により税率が軽減税率8%から変更税率10%に変更されたことが示されている。
【0091】
ここに、本実施形態のPOS端末10において、プロセッサ101を主体とするコンピュータは、スキャナ108等の読取装置と協働して
図8のACT1及びACT2の処理を実行することにより、商品を識別する識別手段を構成する。また、同コンピュータは、
図8のACT6又はACT10の処理を実行することにより、第1演算手段を構成する。すなわち同コンピュータは、識別手段により識別された商品の外税額または内税額を、当該商品に対して課せられる税の通常税率で算出する。
【0092】
また、同コンピュータは、キーボード107と協働して
図9のACT21、ACT22、ACT32、ACT33の処理、又は、
図10のACT41の処理を実行することにより、検出手段を構成する。すなわち同コンピュータは、税率の変更を検出する。詳しくは、同コンピュータは、テンキーK1と複数のファンクションキーとを備えた入力デバイスであるキーボード107に対して所定のキー操作があると、税率の変更を検出する。ここで、所定のキー操作とは、テンキーK1と第1のファンクションキーであるSIキーK6との組み合わせ操作、または第2のファンクションキーであるイートインキーK7の単一操作である。
【0093】
また、同コンピュータは、
図14のACT93乃至ACT96及びACT100乃至ACT102の処理を実行することにより、第2演算手段を構成する。すなわち同コンピュータは、検出手段により税率の変更が検出されると、識別手段により識別された商品の税額を変更後の税率で算出する。
【0094】
また、同コンピュータは、
図8のACT7乃至ACT9、ACT11乃至ACT14、
図14のACT97乃至ACT99及びACT103乃至ACT108の処理を実行することにより、処理手段を構成する。すなわち同コンピュータは、税率の変更が指示されていない商品については、第1演算手段で算出された税額で商品の販売データを処理し、税率の変更が指示された商品については、第2演算手段で算出された税額で商品の販売データを処理する。
【0095】
このような構成を有したPOS端末10によれば、商品に課せられる税の税率が消費の形態によって変化する場合でも、オペレータは、簡単な操作で対処することができる。具体的にはオペレータは、キーボード107に対する所定のキー操作によって、税率の変更に対処することができる。例えばオペレータは、テンキーK1で“4”を置数し、SIキーK6を操作すればよい。あるいはオペレータは、イートインキーK7を操作すればよい。
【0096】
ここで、テンキーK1とSIキーK6との組み合わせ操作によって税率変更に対処するか、イートインキーK7の単一操作によって税率変更に対処するのかは任意である。組み合わせ操作の場合、外税又は内税から非課税、あるいは非課税から外税又は内税に税種を変更する場合と操作手順が共通する。したがって、操作に慣れたオペレータの場合には、組み合わせ操作の方が使い勝手がよいと考えられる。しかしその一方で、組み合わせ操作の場合には2種類のキーを操作しなければならない煩雑さがある。このため、操作に不慣れなオペレータの場合には、イートインキーK7の単一操作の方が使い勝手がよいと考えられる。
【0097】
なお、本実施形態においてオペレータは店員を想定しているが、オペレータは必ずしも店員に限定されるものではない。商品の登録から会計までを客自身が行うようにしたセルフ式のPOS端末の場合には、オペレータは客となる。
【0098】
POS端末10は、表示手段として第1ディスプレイ109を備えている。そしてプロセッサ101を主体とするコンピュータは、第1ディスプレイ109に、
図21に示すレイアウトの合計画面60が表示されるように、第1ディスプレイ109を制御している。ここに、同コンピュータは、第1制御手段を構成する。すなわち同コンピュータは、第2演算手段により税額が算出された商品にマークM1を表示することで、税率が変更された商品を、税率が変更されていない商品と区別するようにしている。したがって、オペレータは、合計画面60の情報から、税率が変更された商品を容易に特定することができる。
【0099】
またPOS端末10は、レシートの発行手段としてプリンタ111を備えている。そしてプロセッサ101を主体とするコンピュータは、
図22に示すレイアウトのレシート70を発行するようにプリンタ111を制御している。ここに、同コンピュータは、第2制御手段を構成する。すなわち同コンピュータは、第2演算手段により税額が算出された商品を、税率が変更されていない商品と区別するようにしている。具体的には、同コンピュータは、第1演算手段により税額が算出された商品については、税率変更前の金額及び税額と、税率変更後の金額及び税額とを併記し、税率変更前の金額及び税額については取消線を印字するようにしている。したがって、レシート70を受け取った客は、そのレシート70の情報から、税率が変更された商品の変更前の金額及び税額と変更後の金額及び税額とを容易に確認することができる。
【0100】
以上、商品に課せられる税の税率が消費の形態によって変化する場合でも簡単な操作で対処できる商品販売データ処理装置の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0101】
たとえは前記実施形態では、税率の変更を指示するオペレータの操作として、テンキーK1とSIキーK6とを組み合わせる第1の操作と、イートインキーK7を単一で操作する第2の操作とを備えたPOS端末10を例示した。この点に関しては、複数のキーを組み合わせる第1の操作だけを備えたPOS端末10であってもよい。あるいは、単一キーによる第2の操作だけを備えたPOS端末10であってもよい。
【0102】
また、オペレータの操作は、必ずしもキー操作に限定されるものではない。例えば、入力デバイスとしてタッチパネルを備えたPOS端末の場合には、タッチパネルの所定の部位がタッチされたことを検出したことにより、プロセッサ101を主体とするコンピュータが税率の変更を指示するオペレータの操作として検出してもよい。また、オペレータの操作ではなく、例えばオペレータのジェスチャーから税率の変更を検出してもよい。
【0103】
前記実施形態では、第1演算手段により商品の税額を当該商品に対して課せられる税の税率で算出した後、検出手段により税率の変更が検出されると、第2演算手段により商品の税額を変更後の税率で算出するようにした。この点に関しては、第1演算手段により商品の税額を当該商品に対して課せられる税の税率で算出する前に、検出手段により税率の変更が検出された場合には、第2演算手段により商品の税額を変更後の税率で算出するようにしてもよい。
【0104】
例えばオペレータは、軽減税率対象商品のコードシンボルをスキャナ108で読み取り操作する前に、客に店内飲食であるか否かを確認する。そして、店内飲食である場合には、例えばイートインキーK7を押下してからコードシンボルをスキャナ108で読み取り操作する。このような操作に対し、プロセッサ101は、
図8のACT3において税種が“2”であることを確認した場合には、
図14のACT95及びACT96の処理を実行し、続いて
図8のACT7乃至ACT9及びACT14乃至ACT17の処理を実行すればよい。プロセッサ101は、
図8のACT3において税種が“3”であることを確認した場合には、
図14のACT101乃至ACT102の処理を実行し、続いて
図8のACT10乃至ACT17の処理を実行すればよい。
【0105】
前記実施形態では、
図9のACT22において、SIキーK6の入力直前にテンキーK1の入力操作により置数されているか否かを確認した。この点に関しては、SIキーK6の入力後にテンキーK1の入力操作を待ち受けてもよい。この場合、プロセッサ101は、テンキーK1により例えば“1”が置数されるとACT24の処理へと移行し、“2” が置数されるとACT27の処理へと移行し、“3”が置数されるとACT30の処理へと移行し、“4” が置数されるとACT33の処理へと移行することとなる。
【0106】
前記実施形態では、テンキーK1との組み合わせ操作で用いる第1のファンクションキーをSIキーK6としたが、第1のファンクションキーはSIキーK6に限定されるものではない。要は、テンキーK1との組み合わせで、税率の変更を指示するオペレータの操作であることを特定できるファンクションキーであればよい。また、テンキーK1による置数の値も“4”に限定されないのは言うまでもないことである。この点に関しては、第2のファンクションキーについても同様であり、必ずしもイートインキーK7に限定されるものではない。第2のファンクションキーは、単一の操作で税率の変更を指示するオペレータの操作であることを特定できるファンクションキーであればよい。
【0107】
前記実施形態では、第1ディスプレイ109に登録画面50A~50F及び合計画面60を表示する場合を例示した。他の実施形態としては、これらの登録画面50A~50F及び合計画面60を第2ディスプレイ110に表示してもよい。また、レシート70は、電子レシートであってもよい。
【0108】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]商品を識別する識別手段と、前記識別手段により識別された商品の税額を当該商品に対して課せられる税の税率で算出する第1演算手段と、前記税率の変更を検出する検出手段と、前記検出手段により前記税率の変更が検出されると、前記識別手段により識別された商品の税額を変更後の税率で算出する第2演算手段と、前記税率の変更が検出されていない商品については、前記第1演算手段で算出された税額で商品の販売データを処理し、前記税率の変更が検出された商品については、前記第2演算手段で算出された税額で商品の販売データを処理する処理手段と、を具備する商品販売データ処理装置。
[2]テンキーと複数のファンクションキーとを備えた入力デバイス、をさらに具備し、前記検出手段は、前記入力デバイスに対して所定のキー操作があると、前記税率の変更を検出する付記[1]記載の商品販売データ処理装置。
[3]前記所定のキー操作は、テンキーと第1のファンクションキーとの組み合わせ操作である、付記[2]記載の商品販売データ処理装置。
[4]前記所定のキー操作は、第2のファンクションキーの単一操作である、付記[2]記載の商品販売データ処理装置。
[5]前記処理手段により前記販売データが処理された前記商品の情報を表示する表示手段と、前記第1演算手段により税額が算出された商品と前記第2演算手段により税額が算出された商品とで、前記情報の表示形態を異ならせる第1制御手段と、をさらに具備する付記[1]乃至[4]のうちいずれか1項に記載の商品販売データ処理装置。
[6]前記処理手段により前記販売データが処理された前記商品の情報が記録されたレシートを発行する発行手段と、前記第1演算手段により税額が算出された商品と前記第2演算手段により税額が算出された商品とで、前記レシートに記録される情報を異ならせる第2制御手段と、をさらに具備する付記[1]乃至[4]のうちいずれか1項に記載の商品販売データ処理装置。
[7]商品販売データ処理装置のコンピュータを、商品を識別する識別手段、前記識別手段により識別された商品の税額を当該商品に対して課せられる税の税率で算出する第1演算手段、前記税率の変更を検出する検出手段、前記検出手段により前記税率の変更が検出されると、前記識別手段により識別された商品の税額を変更後の税率で算出する第2演算手段、及び、前記税率の変更が検出されていない商品については、前記第1演算手段で算出された税額で商品の販売データを処理し、前記税率の変更が検出された商品については、前記第2演算手段で算出された税額で商品の販売データを処理する処理手段、として機能させるための制御プログラム。
【符号の説明】
【0109】
10…POS端末、101…プロセッサ、102…メインメモリ、103…補助記憶デバイス、104…時計、105…釣銭機インターフェース、106…通信インターフェース、107…キーボード、108…スキャナ、109…第1ディスプレイ109…第2ディスプレイ、111…プリンタ、112…システム伝送路、20…ストアサーバ、21…商品マスタファイル、31…税率テーブル、32…SIテーブル、41…トランザクションエリア、42…会計金額エリア、43…外税合計額エリア、44…内税合計額エリア、45…変更税率エリア、K1…テンキー、K6…SIキー、K7…イートインキー。