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特許7401193情報処理装置及びその制御方法並びにプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置及びその制御方法並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 12/02 20060101AFI20231212BHJP
   G06F 12/00 20060101ALI20231212BHJP
   G06F 13/10 20060101ALI20231212BHJP
   G06F 3/06 20060101ALI20231212BHJP
   G06F 3/08 20060101ALI20231212BHJP
   G06F 16/13 20190101ALI20231212BHJP
【FI】
G06F12/02 530C
G06F12/00 597U
G06F13/10 310E
G06F3/06 301Y
G06F3/06 304N
G06F3/06 306Z
G06F3/08 H
G06F16/13 120
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019078722
(22)【出願日】2019-04-17
(65)【公開番号】P2020177415
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】小川 達也
【審査官】石坂 知樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-501027(JP,A)
【文献】特開平06-222985(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0275915(US,A1)
【文献】特開2016-177822(JP,A)
【文献】特開2018-032105(JP,A)
【文献】特開2019-057193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 12/02
G06F 12/00
G06F 13/10
G06F 3/06
G06F 3/08
G06F 16/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリと前記不揮発性メモリを制御するメモリ制御部とを有するストレージを制御する情報処理装置であって、
前記不揮発性メモリの空きブロック数を検出する検出手段と、
前記不揮発性メモリに対してデータの書き込みのみを前記メモリ制御部に実施させる第1の書き込みモード、及び前記不揮発性メモリに対してデータの書き込みを前記メモリ制御部に実施させた後にガベージコレクションを前記メモリ制御部に実施させる第2の書き込みモードの一方への切り替えを前記検出された空きブロック数に応じて前記メモリ制御部に対して指示する指示手段とを備え、
前記指示手段は、前記メモリ制御部に対して前記第1及び第2の書き込みモードの一方への切り替え指示を行ってから前記不揮発性メモリに対するデータの書き込み回数が予め設定された値となった場合、前記不揮発性メモリの空きブロック数に応じて、前記メモリ制御部に対して前記第1及び第2の書き込みモードの一方への切り替え指示を再度行うことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記指示手段は、前記不揮発性メモリの空きブロック数が閾値を下回った場合、前記メモリ制御部に対して前記第2の書き込みモードへの切り替え指示を行うことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記指示手段は、前記不揮発性メモリの空きブロック数が閾値を下回っていない場合、前記メモリ制御部に対して前記第1の書き込みモードへの切り替え指示を行うことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記指示手段は、前記ストレージに対して電源投入がされたときに、前記不揮発性メモリの空きブロック数に応じて、前記メモリ制御部に対して前記第1及び第2の書き込みモードの一方への切り替え指示を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記空きブロック数の情報を前記メモリ制御部を介して前記不揮発性メモリから取得することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
不揮発性メモリと前記不揮発性メモリを制御するメモリ制御部とを有するストレージを制御する情報処理装置の制御方法であって、
前記不揮発性メモリの空きブロック数を検出する検出ステップと、
前記不揮発性メモリに対してデータの書き込みのみを前記メモリ制御部に実施させる第1の書き込みモード、及び前記不揮発性メモリに対してデータの書き込みを前記メモリ制御部に実施させた後にガベージコレクションを前記メモリ制御部に実施させる第2の書き込みモードの一方への切り替えを前記検出された空きブロック数に応じて前記メモリ制御部に対して指示する指示ステップとを有し、
前記指示ステップにおいて、前記メモリ制御部に対して前記第1及び第2の書き込みモードの一方への切り替え指示が行われてから、前記不揮発性メモリに対するデータの書き込み回数が予め設定された値となった場合、前記不揮発性メモリの空きブロック数に応じて、前記メモリ制御部に対して前記第1及び第2の書き込みモードの一方への切り替え指示を再度行うことを特徴とする制御方法。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1乃至のいずれか1項に記載された情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びその制御方法並びにプログラムに関し、特に、フラッシュメモリを利用したストレージを搭載するホスト装置として機能する情報処理装置及びその制御方法並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成装置等の情報処理装置のストレージにはハードディスクドライブ(HDD)が用いられており、HDDへのプログラムの格納や画像データの保存や編集などが行われる。
【0003】
ところで、近年、フラッシュメモリを利用したストレージ、特にソリッドステートドライブ(SSD)は、大容量化および低価格化が進み、モバイルPC等のパソコンを中心として急速にストレージとしての普及が進んでいる。
【0004】
SSDはHDDと比べて高速なランダムアクセスが可能であるばかりでなく、低消費電力、軽量、および省スペースという利点がある。また、SSDにおいては、システム起動の際にHDDにおいて必要となるスピンアップ等の初期動作が不要なため、HDDと比較して起動時間をかなり短縮することができる。さらに、SSDにはHDDと異なり衝撃によって破損しやすいディスクの駆動部分が存在しないので、耐衝撃性及び耐熱性に優れている。このため、SSDは画像形成装置のストレージとしても注目されている。
【0005】
但し、SSDに搭載される記憶デバイスであるフラッシュメモリには書き込み可能回数に上限があり、且つそのタイプによってその上限回数も異なる。例えば、SLC(Single Level Cell)のタイプで約10万回、MLC(Multiple Level Cell)のタイプで約1万回である。さらに、半導体の微細化に起因して、フラッシュメモリにおける書き換え可能回数は減少する傾向にある。
【0006】
フラッシュメモリにおける書き込み可能回数の制限(上限)に対処するため、SSDに搭載されるメモリ制御部は、フラッシュメモリにおいて同一の領域に対する書き込みの頻度が集中しないように、書き込み先の領域を平均化させている。これによって、フラッシュメモリ、ひいては、これを搭載するストレージとしてのSSDの寿命を延伸化している。この技術はウェアレベリングと呼ばれている。
【0007】
また、メモリ制御部はフラッシュメモリの空き容量を確保する為、消去対象データが記憶された領域に対して書き込み時と逆方向に電圧をかけることにより、ブロックと呼ばれる単位でデータの消去を行っている(特許文献1,2参照)。以下、かかる方法でのデータの消去をガベージコレクションという。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2007-193883号公報
【文献】特開2018-156600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1,2に記載されるガベージコレクションは、SSDに搭載されるメモリ制御部が実行条件に達したかを判断し実行している。すなわち、従来技術では、SSDをストレージとして搭載するホスト装置側で実行条件に達したかを判断したり、その判断結果に基づき、ホスト装置側からガベージコレクションを実行する旨のコマンドをSSDに送信したりすることは出来ない。またガベージコレクションの実行条件はメモリ制御部の仕様にて異なる。
【0010】
一方、SSDからホスト装置に通知するReturn Status Errorの発生条件の一つに、データが保管されていないブロックの数(以下「空きブロック数」という)が一定値以下であるという要件がある。すなわち、メモリ制御部の仕様によっては、空きブロック数がメモリ制御部での処理ができなくなるまで減ったとしてもガベージコレクションが実行されない事態が生じる。この場合、SSDが動作不良となってしまう。
【0011】
従って、本発明の目的は、空きブロック数の減少による、フラッシュメモリを利用したストレージの動作不良を防止することができる情報処理装置及びその制御方法並びにプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1に係る情報処理装置は、揮発性メモリと前記不揮発性メモリを制御するメモリ制御部とを有するストレージを制御する情報処理装置であって、前記不揮発性メモリの空きブロック数を検出する検出手段と、前記不揮発性メモリに対してデータの書き込みのみを前記メモリ制御部に実施させる第1の書き込みモード、及び前記不揮発性メモリに対してデータの書き込みを前記メモリ制御部に実施させた後にガベージコレクションを前記メモリ制御部に実施させる第2の書き込みモードの一方への切り替えを前記検出された空きブロック数に応じて前記メモリ制御部に対して指示する指示手段とを備え、前記指示手段は、前記メモリ制御部に対して前記第1及び第2の書き込みモードの一方への切り替え指示を行ってから前記不揮発性メモリに対するデータの書き込み回数が予め設定された値となった場合、前記不揮発性メモリの空きブロック数に応じて、前記メモリ制御部に対して前記第1及び第2の書き込みモードの一方への切り替え指示を再度行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、空きブロック数の減少による、フラッシュメモリを利用したストレージの動作不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例1に係る情報処理装置としての画像形成装置が有するコントローラ部の構成を示すブロック図である。
図2図1におけるSSDの内部構成を示すブロック図である。
図3】実施例1における書き込みモード切り替え処理のフローチャートである。
図4】実施例2における書き込みモード切り替え処理のフローチャートである。
図5】実施例3における書き込みモード切り替え処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施例1]
以下、本実施例におけるメモリ制御装置を備える画像形成装置1を例に挙げ、図面を用いて説明する。但し、以下の実施例は本発明をそれらのみに限定するものではなく、また、以下の実施例に記載されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決に必須のものとは限らない。尚、同一の構成については、同一の符号を付して説明する。
【0016】
図1は、本実施例における画像形成装置1が有するコントローラ部100の構成を示すブロック図である。
【0017】
コントローラ部100は、CPU101、ROM102、RAM103、バスブリッジ104、を有し、CPU101は、オペレーティングシステム(以下、OS)に基づき制御される。CPU101は、リアルタイムクロック(以下RTC)115及びバスブリッジ104と接続されており、バスブリッジ104を介して、CPU101の初期起動用プログラムをROM102から読み出す。また、CPU101は不図示のタイマーを内蔵する。
【0018】
バスブリッジ104には、CPU101及びROM102の他、RAM103、操作部インターフェース(操作部I/F)106、及びストレージ制御部112が接続されている。
【0019】
RAM103は、CPU101が制御に伴う演算を行う際の作業領域として用いられる
操作部インターフェース(操作部I/F)106は、操作部に接続され、CPU101は操作部I/F106を介し操作部の制御を行う。
【0020】
ストレージ制御部112は、CPU101からの指示に基づき、SSD113の電源投入を行なったり、SSD113へのプログラムの格納やデータの保存・編集を行う。
【0021】
SSD113には、CPU101のOSを含むメインプログラムの他、画像データが格納される。この画像データは例えば、イメージリーダを用いて、又は、外部PCから外部I/F151を介して取得された画像データや、ユーザの操作部への操作により作成された画像データ等である。また、SSD113には、アプリケーションプログラムや、プリファレンスデータ等も格納される。プリファレンスデータは、操作部の表示、省電力モードへの移行時間等のユーザ設定に関する情報(いわゆる設定情報)と、アドレス帳等の登録情報が格納される。尚、本実施例に係る情報処理装置は画像形成装置1であるが、SSD113をストレージとして搭載するホスト装置としての機能を有する情報処理装置であれば、画像形成装置に限定されない。例えば、ビデオカメラがかかる情報処理装置であってもよい。この場合、SSD113への書き込みデータは画像データではなく映像データや音声データとなる。
【0022】
また、バスブリッジ104には、外部I/F制御部105、操作部I/F106、及びデバイス制御部111が接続されている。
【0023】
外部I/F制御部105は、外部インターフェース(外部I/F)151を制御する。また、外部I/F151は、ネットワークやUSBインターフェース等から構成され、ネットワークやUSB等の外部バスを介して外部PCと接続するインターフェースである。例えば、外部I/F151は、外部PCから受信した印刷データを画像データに展開して出力したり、後述するSSD113内の画像データを外部PCに送信したりする。
【0024】
操作部I/F106は、操作部と接続され。その制御を司る。
【0025】
デバイス制御部111は、不図示の原稿搬送装置制御部、イメージリーダ制御部、プリンタ制御部、折り装置制御部、フィニッシャ制御部と接続され、これらの制御を司る。
【0026】
コントローラ部100は、操作部I/F106や外部I/F151を介して操作部や外部コンピュータ(外部PC)からの指示を受信する。また、コントローラ部100は、この受信した指示に基づき、デバイス制御部111を介して原稿搬送装置制御部やイメージリーダ制御部と通信することで入力される原稿の画像データを取得する。また、コントローラ部100は、デバイス制御部111を介してプリンタ制御部と通信することで、取得した画像データに基づき、用紙等の記録媒体に画像を形成する。さらに、コントローラ部100は、折り装置制御部やフィニッシャ制御部と通信することで、画像形成した用紙を折ったり、ステイプルやパンチといった後加工を実現する。
【0027】
RTC115は、現在時刻を取得可能であり、取得した現在時刻を示すタイムスタンプをCPU101に通知する。
【0028】
図2は、SSD113の内部構成を示すブロック図である。
【0029】
SSD113は、フラッシュ制御部200および不揮発性メモリである複数のフラッシュメモリ203を有する。
【0030】
フラッシュ制御部200は、ストレージI/F201およびメモリ制御部202を備えており、ストレージI/F201はストレージ制御部112に接続されている。つまり、ストレージI/F201はストレージ制御部112との通信するためのモジュールである。本実施例では、ストレージI/F201として、シリアルATA(Serial AT Attachment:以下SATAという)インターフェースが用いられる。
【0031】
メモリ制御部202は、ストレージI/F201を介して受信したストレージ制御部112からの指示に基づいてフラッシュメモリ203に対するデータのリード/ライトを行う。
【0032】
メモリ制御部202は、後述する画像形成装置1のコントローラ部100からの書き込みモードの切り替え指示に応じて第1および第2の書き込みモードの一方の書き込みモードに切り替える。その後、メモリ制御部202は、その切り替えられた書き込みモードに応じて、フラッシュメモリ203に対する処理を実施する。
【0033】
第1の書き込みモードでは、メモリ制御部202は、フラッシュメモリ203のデータが保管されていないページ(以下「空きページ」という。)に書き込みデータを書き込む処理を実施する。
【0034】
第2の書き込みモードでは、まず、メモリ制御部202は、フラッシュメモリ203内のデータが保管されていないブロック(以下「空きブロック」という。)に書き込みデータを書き込む処理を実施する。その後、消去対象データが含まれるブロックに存在する必要なデータのコピーを書き込みデータが保管されたブロックに行い、不要となったコピー元ブロックのデータを消去する処理(ガベージコレクション)を実施する。
【0035】
尚、ブロックとは、フラッシュメモリ203内のデータを消去する単位であり、データにアクセスする単位であるページよりも大きい。
【0036】
以下後述する空きブロック数等を管理するSMART情報はフラッシュメモリ203に保存される。また、ストレージ制御部112からの指示に応じて、メモリ制御部202はSMART情報をフラッシュメモリ203から取得し、ストレージI/F201を介し、ストレージ制御部112へ通知する。
【0037】
図3は、本実施例における書き込みモード切り替え処理を説明するためのフローチャートである。なお、図3に示す処理は、図1に示すコントローラ部100のCPU101がストレージ制御部112を介してSSD113に対して電源投入することに応じて開始する。
【0038】
ステップS301において、まず、CPU101はメモリ制御部202に対しSMART情報の提示要求を行う。この提示要求に応じてメモリ制御部202はフラッシュメモリ203内に管理されるSMART情報を取得し、CPU101に通知する。この通知により、CPUはSMART情報を取得すると、CPU101はそのSMART情報に含まれるフラッシュメモリ203の空きブロック数を検出する。
【0039】
尚、SMART情報にはフラッシュメモリの空きブロック数の他に、ディスクの概要(メーカ、型版、シリアル番号等)、ディスク状態(温度、不良セクタ数、作業時間等)等が登録されている。
【0040】
ステップS302において、CPU101はステップS301で検出したフラッシュメモリ203の空きブロック数が予め設定された空きブロック数の閾値A(以下単に閾値Aという)を下回ったかを判定する。この判定の結果、フラッシュメモリ203の空きブロック数が閾値Aを下回った場合(ステップS302でYES)、ステップS303へ進む。一方、この判定の結果、フラッシュメモリ203の空きブロック数が閾値A以上である場合(ステップS302でNO)、ステップS304へ進む。尚、閾値Aはメモリ制御部202の動作不良が発生する値より大きい値が設定される。
【0041】
ステップS303において、CPU101は書き込みモードを第2の書き込みモードへ切り替えるよう、メモリ制御部202に指示する。またこの指示と並行してCPU101は、RTC115に現在時刻を示すタイムスタンプの提示要求を行う。
【0042】
ステップS304において、CPU101は書き込みモードを第1の書き込みモードへ切り替えるよう、メモリ制御部202に指示する。またこの指示と並行してCPU101は、RTC115に現在時刻を示すタイムスタンプの提示要求を行う。
【0043】
ステップS305において、CPU101は、ステップS303もしくはステップS304の提示要求に応じてRTC115から提示されたタイムスタンプを確認し、タイマーで時間の計測を開始する。
【0044】
ステップS306において、CPU101はタイマーで計測された時間が予め設定された時間Bを経過したかを判定する。この判定の結果、時間Bを経過した場合(ステップS306でYES)、時間B内にステップS303,S304の一方の指示で切り替えられた書き込みモードでの処理がメモリ制御部202において実施された判断し、タイマーをリセットする。その後、ステップS303,S304の一方の指示を再度行うべくステップS301へ戻る。一方、この判定の結果、時間Bをまだ経過していない場合(ステップS306でNO)、ステップS307へ進む。
【0045】
ステップS307において、CPU101は画像形成装置1が省電力モードに移行したか判定する。この判定の結果、画像形成装置1が省電力モードに移行した場合(ステップS307でYES)、CPU101はSSD113への電源を遮断し、本処理を終了する。一方、この判定の結果、画像形成装置1が省電力モードに移行していない場合(ステップS307でNO)、ステップS306へ戻る。尚、ステップS307では、画像形成装置1がSSD113への電源が遮断される状態に移行するかが判定されればよい。例えば、ステップS307で画像形成装置1がシャットダウンされるかを判定するようにしてもよい。
【0046】
以上実施例1によれば、CPU101は、まず、フラッシュメモリ203の空きブロック数が閾値Aを下回ったと判定した場合、データの書き込み後にガベージコレクションを行う第2の書き込みモードへの切り替え指示をメモリ制御部202に行う。これにより、適切なタイミングにて消去対象データがフラッシュメモリ203から消去されるため、空きブロック数の減少によるSSD113の動作不良を防止することができる。
【0047】
更にCPU101は、上記切り替え指示後、時間Bが経過した後に、再度上記判定を行う。この判定の結果、フラッシュメモリ203の空きブロック数が閾値Aを下回っていないと判定した場合、第2の書き込みモードからガベージコレクションは行わずデータの書き込みのみを行う第1の書き込みモードへの切り替え指示をメモリ制御部202に行う。これにより、第2の書き込みモードでの処理において実行されるガベージコレクションによるSSD113のパフォーマンス低下を抑制することが可能となる。
【0048】
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。尚、本実施例において、実施例1と同一の構成及びステップについては同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0049】
図4は、本実施例における書き込みモード切り替え処理を説明するためのフローチャートである。なお、図4に示す処理は、図3と同様、図1に示すコントローラ部100のCPU101がストレージ制御部112を介してSSD113に対して電源投入することに応じて開始する。
【0050】
まず、本処理が開始すると、ステップS301~ステップS304と同じ処理が実行される。但し、ステップS303,S304においてCPU101は、RTC115に現在時刻を示すタイムスタンプの提示要求は行わない。
【0051】
次に、ステップS401において、CPU101はステップS303もしくはステップS304での書き込みモードの切り替えが完了した後、SSD113へのデータの書き込み回数をカウントする。
【0052】
ステップS402において、CPU101はカウントされた書き込み回数が予め設定された値Cとなったかを判断する。この判定の結果、カウントされた書き込み回数が値Cとなった場合(ステップS402でYES)、カウントされた書き込み回数をリセットした後に、ステップS301へ戻る。一方、この判定の結果、カウントされた書き込み回数が値Cとなっていない場合(ステップS402でNO)、ステップS307へ進む。
【0053】
ステップS307は図3と同じ処理が実行される。
【0054】
以上実施例2によれば、CPU101は、第2の書き込みモードへの切り替え指示をメモリ制御部202に行った後、SSD113へのデータの書き込み回数が値Cとなったと判定した場合、第1の書き込みモードへの切り替え指示をメモリ制御部202に行う。これにより、第2の書き込みモードにおいて実行されるガベージコレクションによるSSD113のパフォーマンス低下を抑制することが可能となる。
【0055】
[実施例3]
次に、実施例3について説明する。尚、本実施例において、実施例1と同一の構成及びステップについては同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0056】
図5は、本実施例における書き込みモード切り替え処理を説明するためのフローチャートである。
【0057】
まず、ステップS501において、図1に示すコントローラ部100のCPU101は、操作部に対してSSD113へのデータ書き込みのユーザ指示があったか判定する。この判定の結果、データ書き込みのユーザ指示があった場合、図1のステップS301~S304と同じ処理が実行された後、本処理を終了する。但し、ステップS303,S304においてCPU101は、RTC115に現在時刻を示すタイムスタンプの提示要求は行わない。
【0058】
以上実施例3によれば、SSD113へのデータ書き込みのユーザ指示がある毎に、フラッシュメモリ203の空きブロック数が閾値Aを下回ったか否かを判定する。この判定の結果、フラッシュメモリ203の空きブロック数が閾値Aを下回った場合、データの書き込み後にガベージコレクションを行う第2の書き込みモードへの切り替える指示をメモリ制御部202に対して行う。一方、この判定の結果、フラッシュメモリ203の空きブロック数が閾値Aを下回っていないと判定した場合、ガベージコレクションは行わずデータの書き込みのみを行う第1の書き込みモードへの切り替え指示をメモリ制御部202に行う。これにより、適切なタイミングで消去対象データがフラッシュメモリ203から消去されるため、空きブロック数の減少によるSSD113の動作不良を防止することができる。
【0059】
尚、実施例1~3では、本発明における空きブロック数の減少によるSSD113の動作不良を防止する方法を説明したが、これに限定されない。例えば、フラッシュメモリを利用した他のストレージ、例えばeMMCに対しても実施例1~3で説明した方法を適用することができる。
【0060】
[その他の実施例]
本発明の目的は、前述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、装置に供給することによっても、達成されることは言うまでもない。このとき、供給された装置の制御部を含むコンピュータ(またはCPUやMPU)は、記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。
【0061】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0062】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0063】
また、上述のプログラムコードの指示に基づき、装置上で稼動しているOS(基本システムやオペレーティングシステム)などが処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0064】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、装置に挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれ、前述した実施例の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。このとき、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行う。
【符号の説明】
【0065】
1 画像形成装置
100 コントローラ部
101 CPU
106 操作部I/F
112 ストレージ制御部
113 SSD
115 RTC
200 フラッシュ制御部
202 メモリ制御部
203 フラッシュメモリ
図1
図2
図3
図4
図5