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特許7401218画像処理システム、画像処理器、撮像装置及び処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】画像処理システム、画像処理器、撮像装置及び処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20231212BHJP
   G06T 7/12 20170101ALI20231212BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20231212BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20231212BHJP
【FI】
H04N23/60 500
H04N23/60 300
G06T7/12
G06T7/00 350B
G06N20/00 130
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019139266
(22)【出願日】2019-07-29
(65)【公開番号】P2021022886
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-03-11
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】田野 正貴
(72)【発明者】
【氏名】近藤 正義
(72)【発明者】
【氏名】濱口 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】大川 敬祐
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-019843(JP,A)
【文献】特開2018-072293(JP,A)
【文献】国際公開第2016/035350(WO,A1)
【文献】特開2017-054337(JP,A)
【文献】特開2017-058252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
G06T 7/12
G06T 7/00
G06N 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理器を含むサーバと、前記サーバに撮像画像を送信可能、通信網で構成されるマーケット上に対象商品を出品可能、且つ、前記撮像画像を撮像するためのカメラを備える撮像装置と、を含む画像処理システムであって、
前記サーバは、
前記撮像画像の特徴成分を前記画像処理器に検出させ、
前記特徴成分に基づいて被写体に応じた距離測定位置を特定させると共に前記距離測定位置が示す距離を前記画像処理器に計測させ、
前記距離測定位置が示す距離を前記撮像装置に送信し、
前記撮像装置は、
前記撮像画像及び前記距離測定位置が示す距離を対象商品情報として入力又は選択し、前記撮像画像及び前記距離測定位置が示す距離を含む前記対象商品情報を前記マーケット上にアップロードし、前記対象商品を出品
前記画像処理器は、
前記特徴成分を検出し且つ前記撮像画像に含まれる前記被写体を特定し、
前記特徴成分及び特定された前記被写体に基づいて前記被写体に応じた前記距離測定位置を特定する、画像処理システム。
【請求項2】
機械学習器を含み、
前記機械学習器は、
学習用の撮像画像及び前記学習用の撮像画像に対応する被写体の名称を入力データとラベルとの組として取得し、
前記入力データと前記ラベルとの組を訓練データとして学習を行うことにより、撮像画像に含まれる被写体が何を示すのかを学習する、請求項に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記機械学習器は、前記サーバ又は前記撮像装置に備えられる、請求項に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記機械学習器は、前記訓練データを多層構造で演算する、請求項又はに記載の画像処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システム、画像処理器、撮像装置及び処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被写体を撮影することで、画像中において被写体及びその大きさ(長さ)を簡単に把握することが可能な電子カメラが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-142938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の電子カメラでは、自動で被写体の大きさを算出することができないという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、より簡便な操作で撮像画像に含まれる被写体の所望の長さを計測することができる画像処理システム、画像処理器、撮像装置及び処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る画像処理システムは、画像処理器を備え、前記画像処理器は、撮像画像の特徴成分を検出し、前記特徴成分に基づいて被写体に応じた距離測定位置を特定する。
【0007】
第2の態様に係る画像処理器は、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、撮像画像の特徴成分を検出し、前記特徴成分に基づいて被写体に応じた距離測定位置を特定する。
【0008】
第3の態様に係る撮像装置は、第2の態様に係る画像処理器とカメラとプロセッサとを備え、前記画像処理器は、前記カメラにより撮像された撮像画像の特徴成分を検出し、前記特徴成分に基づいて被写体に応じた距離測定位置を特定する。
【0009】
第4の態様に係る処理方法は、画像処理器を備える画像処理システムで実行され、撮像画像の特徴成分を検出し、前記特徴成分に基づいて被写体に応じた距離測定位置を特定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、より簡便な操作で撮像画像に含まれる被写体の所望の長さを計測することができる画像処理システム、画像処理器、撮像装置及び処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態に係る画像処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
図2図2は、一実施形態に係る管理サーバ10の機能ブロックの一例を示す図である。
図3図3は、一実施形態に係る画像処理器20の機能ブロックの一例を示す図である。
図4図4は、図3に示す画像処理器20の機能の一例を説明するための図である。
図5図5は、図3に示す画像処理器20の機能の一例を説明するための図である。
図6図6は、図3に示す画像処理器20の機能の一例を説明するための図である。
図7図7は、一実施形態に係る機械学習器30の機能ブロックの一例を示す図である。
図8図8は、図2に示す管理サーバ10の機能ブロックの一例を示す図である。
図9図9は、一実施形態に係る撮像装置40の機能の一例を説明するための図である。
図10図10は、第1実施形態に係る画像処理システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。
図11図11は、第2実施形態に係る画像処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
図12図12は、一実施形態に係る撮像装置40の機能ブロックの一例を示す図である。
図13図13は、第2実施形態に係る画像処理システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。
図14図14は、第3実施形態に係る画像処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
図15図15は、一実施形態に係る撮像装置40の機能ブロックの一例を示す図である。
図16図16は、第3実施形態に係る画像処理システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0013】
但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係又は比率が異なる部分が含まれている場合があることは勿論である。
【0014】
(第1実施形態)
以下、図1図10を参照して、第1実施形態について説明する。
【0015】
図1は、第1実施形態に係る画像処理システム1の全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像処理システム1は、管理サーバ10と、撮像装置40と、出品装置50と、通信網で構成されるマーケット2とを有している。
【0016】
また、本実施形態に係る画像処理システム1では、図2に示すように、管理サーバ10は、通信インタフェース11と、プロセッサ12と、画像処理器20と、機械学習器30とを備えている。
【0017】
通信インタフェース11は、無線回線又は有線回線を用いて、撮像装置40から、カメラ41により撮像された撮像画像を取得するように構成されている。また、通信インタフェース11は、無線回線又は有線回線を用いて、撮像装置40に対して、プロセッサ12から取得した距離測定位置が示す距離を送信するように構成されている。
【0018】
プロセッサ12は、画像処理器20の処理に基づき、通信インタフェース11によって取得された撮像画像に含まれる被写体に応じた距離測定位置を特定すると共に距離測定位置が示す距離を計測するように構成されている。
【0019】
図3に示すように、画像処理器20は、プロセッサ21と、記憶部22とを有している。
【0020】
プロセッサ21は、通信インタフェース11によって取得された撮像画像の特徴成分を検出する。プロセッサ21は、さらに、撮像画像に含まれる被写体を特定してもよい。特徴成分の検出は、エッジ検出を含む。プロセッサ21は、各種手法を適用することによって、撮像画像のエッジを検出できる。各種手法とは、1次微分又は2次微分を用いる手法であってもよい。1次微分を用いる手法は、例えば、ソーベルフィルタ及びプレヴィットフィルタを含む。2次微分を用いる手法は、例えば、ラプラシアンフィルタを含む。
【0021】
また、プロセッサ21は、検出された特徴成分に基づいて、撮像画像に含まれる被写体に応じた距離測定位置を特定するように構成されている。
【0022】
ここで、距離測定位置は、第1点及び第1点とは異なる第2点を少なくとも含んでいてもよい。また、距離測定位置は、第1点及び第1点とは異なる第2点を含む線分であってもよい。線分は、直線であっても曲線であってもよい。
【0023】
プロセッサ21は、検出された特徴成分に基づいて、被写体領域(セグメンテーション画像)を特定してもよい。被写体領域を示す画像は、セグメンテーション画像ともいう。また、プロセッサ21は、検出された特徴成分に基づいて、被写体の輪郭を特定してもよい。
【0024】
ここで、検出された特徴成分に基づいて撮像画像に含まれる被写体に応じた距離測定位置を特定することは、撮像画像全体又は被写体領域(セグメンテーション画像)に対して所定の座標に位置する被写体領域上又は被写体の輪郭上の点を特定することであってもよい。
【0025】
また、検出された特徴成分に基づいて撮像画像に含まれる被写体に応じた距離測定位置を特定することは、特定の条件を満たし且つ被写体の輪郭(又は、輪郭周辺)に位置する点又は領域を特定することであってもよい。
【0026】
また、検出された特徴成分に基づいて撮像画像に含まれる被写体に応じた距離測定位置を特定することは、特定の条件を満たす被写体領域(セグメンテーション画像)内の2点を結ぶ直線を特定することであってもよい。
【0027】
また、検出された特徴成分に基づいて撮像画像に含まれる被写体に応じた距離測定位置を特定することは、特徴成分に基づき特定された被写体の輪郭(又は、輪郭周辺)の少なくとも一部に沿う線分の延長線と交わる輪郭(又は、輪郭周辺)に位置する点を特定することであってもよい。
【0028】
また、プロセッサ21は、検出された特徴成分及び特定された被写体に基づいて、撮像画像に含まれる被写体に応じた距離測定位置を特定するように構成されていてもよい。例えば、プロセッサ21は、特定された被写体に応じて、距離測定位置を特定するために検出された特徴成分が満たすべき条件を判定してもよい。
【0029】
例えば、図4に示すように、プロセッサ21は、撮像画像に含まれる被写体がTシャツを示すと特定した場合に、かかる距離測定位置として、着丈を測るための点5及び点6、袖丈を測るための点1及び点9(又は、点2及び点10)、裄丈を測るための点1、点5及び点9(又は、点2、点5及び点10)、身幅(胸囲)を測るための点3及び点4、ウエスト(又は、胴囲)を測るための点7及び点8、肩幅を測るための点9及び点10のうちの少なくとも1つを特定してもよい。
【0030】
すなわち、図4に示すように、プロセッサ21は、撮像画像に上衣が含まれる場合(すなわち、被写体が上衣を示すと特定された場合)に、特定された被写体及び検出された特徴成分に基づいて、着丈、袖丈、裄丈、身幅(すなわち、胸囲)、ウエスト(すなわち、胴囲)及び肩幅のうちの少なくとも1つの寸法が計測されるように距離測定位置を特定してもよい。なお、ここでいうウエストは、上衣の胴部分の周囲のうち、胴部分において最も距離が短い周囲を指す。
【0031】

図4において、X軸は、撮像画像の左右方向に対応し、Y軸は、撮像画像の上下方向に対応する。或いは、プロセッサ21が、撮像画像に含まれる被写体を特定できる場合、X軸は、被写体の左右方向に対応し、Y軸は、被写体の上下方向に対応してもよい。
【0032】
例えば、図4において、点1及び2は、撮像画像に含まれる被写体ZのX軸方向(左右方向)の端点である。すなわち、点1及び2は、袖の先端の上側(すなわち、肩側の袖の先端)に位置する点である。点1及び点2は、撮像画像全体又は被写体領域(セグメンテーション画像)に対して所定の座標に位置する被写体領域上又は被写体の輪郭上の点の一例である。
【0033】
点3及び4は、袖の付け根の下側(すなわち、脇側の袖の付け根)の点である。点3及び点4は、特定の条件を満たし且つ被写体の輪郭(又は、輪郭周辺)に位置する点又は領域の一例である。ここで、特定の条件とは、点3において、X軸方向の負方向(左方向)及びY軸の負方向(下方向)に特徴成分が存在することである。ここで、特定の条件とは、点4において、X軸方向の正方向(右方向)及びY軸の負方向(下方向)に特徴成分が存在することである。
【0034】
点5及び6は、点3と点4とを結んだ直線の垂直二等分線L2と被写体Zにおける境界線X1との交点である。すなわち、点5は、衿の付け根且つ被写体Zの中心に位置する点であり、点6は、裾の先端且つ被写体Zの中心に位置する点である。点5及び点6は、撮像画像全体又は被写体領域(セグメンテーション画像)に対して所定の座標に位置する被写体領域上又は被写体の輪郭上の点の一例である。
【0035】
点7及び点8を結ぶ直線は、点3及び点4に対してY軸の負方向(下方向)にある被写体Zの端点同士をX軸に対して並行に結ぶ直線のうち、最も距離が小さい直線である。点7及び点8を結ぶ直線は、特定の条件を満たす被写体領域(セグメンテーション画像)内の2点を結ぶ直線の一例である。ここで、特定の条件とは、距離が最も小さいことである。
【0036】
点9は、点3と点7とを通る直線L4と被写体Zにおける境界線X1との交点である。点10は、点4と点8とを通る直線L5と被写体Zにおける境界線X1との交点である。すなわち、点9及び点10は、袖の付け根の上側(すなわち、肩側の袖の付け根)に位置する点である。点9及び点10は、特徴成分に基づき特定された被写体の輪郭(又は、輪郭周辺)の少なくとも一部に沿う線分の延長線と交わる輪郭(又は、輪郭周辺)に位置する点の一例である。
【0037】
なお、プロセッサ21は、撮像画像に含まれる被写体がTシャツを示すと特定した場合に、距離測定位置として点1~10を特定してもよいが、被写体がTシャツを示すと特定することなく、検出した特徴成分のみに基づいて点1~10を特定してもよい。
【0038】
或いは、図5に示すように、プロセッサ21は、撮像画像に含まれる被写体がズボンを示すと特定した場合、かかる距離測定位置として、股上の長さを測るための点1及び点5、または点2及び点6、股下の長さを測るための点1及び点3、または点2及び点4、総丈を測るための点3及び点5、または点4及び点6、わたり幅(すなわち腿周り)を測るための点1及び点14、並びに点2及び点13、ウエスト(すなわち胴囲)を測るための点5及び点6、膝幅を測るための点7及び点8、並びに点9及び点10、裾幅を測るための点3及び点11、並びに点4及び点12のうち少なくとも1つ点1~14を特定してもよい。
【0039】
すなわち、図5に示すように、プロセッサ21は、撮像画像に下衣が含まれる場合(すなわち、被写体が下衣を示すと特定された場合)に、股上、股下、総丈、ウエスト(すなわち、胴囲)、わたり幅(すなわち、腿周り)、膝幅及び裾幅のうちの少なくとも1つの寸法が計測されるように距離測定位置を特定してもよい。
【0040】
例えば、図5において、点4及び点12(並びに、点3及び点11)は、裾部分の両端に位置する点である。点2及び点13(並びに、点1及び点14)は、着用者の太腿に対応する部分の両端に位置する点である。点9及び点10(並びに、点7及び点8)は、着用者の膝に対応する部分の両端に位置する点である。点5及び点6は、着用者の胴に対応する部分の両端に位置する点である。
【0041】
或いは、図6に示すように、プロセッサ21は、撮像画像に含まれる被写体がバッグを示すと特定した場合、かかる距離測定位置として、底面における幅を測るための点1及び点2、底面における奥行きを測るための点2及び点3、高さを測るための点1及び点6(又は、点2及び点5、或いは、点3及び点4)、上面における幅を測るための点5及び点6、上面における奥行きを測るための点4及び点5のうち少なくとも1つを特定してもよい。
【0042】
すなわち、図6に示すように、プロセッサ21は、撮像画像に立体物が含まれる場合(すなわち、被写体が立体物を示すと特定された場合)に、高さ、幅及び奥行きのうちの少なくとも1つの寸法が計測されるように距離測定位置を特定してもよい。ここで、立体物は、家具、家電及びバッグのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0043】
その他、プロセッサ21は、人間若しくは動物の身長、又は、魚若しくは植物のサイズを測るための点を特定するように構成されていてもよい。
【0044】
記憶部22は、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等を含む記憶装置或いはハードディスクやフラッシュメモリ等の補助記憶装置によって構成されており、プロセッサ21によって特定された距離測定位置を記憶するように構成されている。
【0045】
図3に示すように、機械学習器30は、取得部31と、プロセッサ32と、記憶部33とを有している。
【0046】
取得部31は、学習用の撮像画像及び学習用の撮像画像に対応する被写体の名称を入力データとラベルとの組として取得するように構成されている。
【0047】
プロセッサ32は、入力データとラベルとの組を訓練データとして学習を行うことにより、撮像画像に含まれる被写体が何を示すのかを学習するように構成されている。
【0048】
ここで、プロセッサ32は、上述の訓練データを多層構造で演算する、すなわち、深層学習(Deep Learning)によって、撮像画像に含まれる被写体が何を示すための学習済モデルを生成するように構成されていてもよい。
【0049】
記憶部33は、FRAM(登録商標)(Ferroelectric Random Access Memory)等の記憶装置或いはハードディスクやフラッシュメモリ等の補助記憶装置によって構成されており、プロセッサ32によって生成された学習済モデルを記憶するように構成されている。
【0050】
また、画像処理器20のプロセッサ21は、機械学習器30の学習済モデルに基づいて、撮像画像に含まれる被写体が何を示すのかを特定するように構成されていてもよい。
【0051】
さらに、管理サーバ10のプロセッサ12は、画像処理器20によって特定された距離測定位置に基づいて、かかる距離測定位置が示す距離を計測するように構成されていてもよい。
【0052】
例えば、プロセッサ12は、撮像画像に上衣が含まれる場合に、着丈、袖丈、裄丈、身幅、ウエスト及び肩幅のうちの少なくとも1つの寸法を計測するように構成されていてもよい。
【0053】
具体的には、プロセッサ12は、図4に示すように、着丈の寸法として、点5と点6との間の距離を計測するように構成されていてもよい。また、プロセッサ12は、図4に示すように、袖丈の寸法として、点1と点9との間の距離(及び/或いは、点2と点10との間の距離)を計測するように構成されていてもよい。
【0054】
また、プロセッサ33は、図4に示すように、裄丈の寸法として、点1と点9との間の距離と点5と点9との間の距離とを足し合わせた距離(及び/或いは、点2と点10との間の距離及び点5と点9との間の距離とを足し合わせた距離)を計測するように構成されていてもよい。
【0055】

また、プロセッサ12は、図4に示すように、身幅の寸法として、点3と点4との間の距離を計測するように構成されていてもよい。また、プロセッサ33は、図4に示すように、ウエストの寸法として、点7と点8との間の距離を計測するように構成されていてもよい。また、プロセッサ12は、図4に示すように、肩幅の寸法として、点9と点10との間の距離を計測するように構成されていてもよい。
【0056】
また、プロセッサ12は、撮像画像に下衣が含まれる場合に、股上、股下、総丈、ウエスト、わたり幅、膝幅及び裾幅のうちの少なくとも1つの寸法を計測するように構成されていてもよい。
【0057】
具体的には、プロセッサ12は、図5に示すように、股上の寸法として、点1と点5との間の距離(及び/或いは、点2と点6との間の距離)を計測するように構成されていてもよい。また、プロセッサ12は、図5に示すように、股下の寸法として、点1と点3との間の距離(及び/或いは、点2と点4との間の距離)を計測するように構成されていてもよい。また、プロセッサ12は、図5に示すように、総丈の寸法として、点3と点5との間の距離(及び/或いは、点4と点6との間の距離)を計測するように構成されていてもよい。また、プロセッサ12は、図5に示すように、ウエストの寸法として、点5と点6との間の距離の2倍を計測するように構成されていてもよい。また、プロセッサ12は、図5に示すように、わたり幅の寸法として、点1と点14との間の距離(及び/或いは、点2と点13との間の距離)の2倍を計測するように構成されていてもよい。また、プロセッサ12は、図5に示すように、膝幅の寸法として、点7と点8との間の距離(及び/或いは、点9と点10との間の距離)の2倍を計測するように構成されていてもよい。また、プロセッサ12は、図5に示すように、裾幅の寸法として、点3と点11との間の距離(及び/或いは、点4と点12との間の距離)の2倍を計測するように構成されていてもよい。
【0058】
また、プロセッサ12は、撮像画像に立体物が含まれる場合に、高さ、幅及び奥行きのうちの少なくとも1つの寸法を計測するように構成されている。
【0059】
ここで、距離測定位置が示す距離は、立体物である被写体の表面の2点を結ぶ距離又は平面とみなせる被写体の端部の2点を結ぶ距離であってもよい。具体的には、プロセッサ12は、図6に示すように、高さの寸法として、点1と点6との間の距離(及び/或いは、点2と点5との間の距離、点3と点4との間の距離)を計測するように構成されていてもよい。また、プロセッサ12は、図6に示すように、幅の寸法として、点1と点2との間の距離を計測するように構成されていてもよい。また、プロセッサ12は、図6に示すように、奥行きの寸法として、点2と点3との間の距離を計測するように構成されていてもよい。
【0060】
その他、プロセッサ12は、撮像画像に人間又は動物が含まれる場合に、これらの身長を計測するように構成されていてもよい。また、プロセッサ12は、撮像画像に魚又は植物が含まれる場合に、これらのサイズを計測するように構成されていてもよい。
【0061】
また、図8に示すように、プロセッサ12は、撮像画像に含まれるタグ情報からメーカー又はブランドを検出し、かかるメーカー又はブランドのサイズ表から距離測定位置が示す距離を特定するように構成されていてもよい。
【0062】
また、本実施形態に係る画像処理システム1において、撮像装置40は、通信網で構成されるマーケット2上に対象商品を出品可能である。かかる場合、撮像装置40は、例えば、所謂スマートフォンのような通信端末やタブレット等の携帯用通信端末であってもよい。
【0063】
ここで、撮像装置40は、ユーザ操作に応じて、撮像画像及び距離測定位置が示す距離を対象商品情報として入力又は選択し、かかる撮像画像及び距離測定位置が示す距離を含む対象商品情報をマーケット2上にアップロードすることで対象商品を出品することができるように構成されている。
【0064】
なお、本実施形態に係る画像処理システム1において、出品装置50は、通信網で構成されるマーケット2上に対象商品を出品可能である。かかる場合、出品装置50は、例えば、ラップトップコンピューター、デスクトップコンピューター、スマートスピーカー等であってもよい。
【0065】
ここで、出品装置50は、ユーザ操作に応じて、撮像装置40から撮像画像及び距離測定位置が示す距離を取得し、撮像画像及び距離測定位置が示す距離を対象商品情報として入力又は選択し、撮像画像及び距離測定位置が示す距離を含む対象商品情報をマーケット2上にアップロードすることで対象商品を出品することができるように構成されている。
【0066】
なお、図9に示すように、撮像装置40及び出品装置5は、計測用の撮像画像に距離測定位置が示す距離をオーバーレイさせ、距離測定位置が示す距離がオーバーレイされた撮像画像を、商品画像及び距離測定位置が示す距離を含む対象商品情報としてマーケット2上にアップロードしてもよい。
【0067】
図10は、本実施形態に係る画像処理システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0068】
図10に示すように、撮像装置40は、ステップS1001において、カメラ41によって被写体を含む撮像画像を撮像し、ステップS1002において、管理サーバ10に対して、かかる撮像画像を送信する。
【0069】
管理サーバ10は、ステップS1003において、取得した撮像画像に含まれる被写体に応じた距離測定位置を特定すると共に距離測定位置が示す距離を計測し、ステップS1005において、撮像装置40に対して、計測した距離測定位置が示す距離を送信する。
【0070】
撮像装置40は、ステップS1006において、ユーザ操作に応じて、撮像画像及び距離測定位置が示す距離を対象商品情報として入力又は選択し、ステップS1007において、かかる撮像画像及び距離測定位置が示す距離を含む対象商品情報をマーケット2上にアップロードする。
【0071】
ステップS1008において、かかる対象商品情報が、マーケット2上に出品される。
【0072】
本実施形態に係る画像処理システム1によれば、管理サーバ10に備えられている画像処理器20によって撮像画像に含まれる被写体に応じた距離測定位置を特定することで、撮像画像に含まれる被写体における所望の寸法を自動的に計測することができる。
【0073】
また、本実施形態に係る画像処理システム1によれば、各撮像装置40において画像処理器を備える必要がないので、携帯用通信端末等で簡便に撮像画像に含まれる被写体における所望の寸法を自動的に計測することができる。
【0074】
(第2実施形態)
以下、図11図13を参照して、第2実施形態について、上述の第1実施形態との相違点に着目して説明する。
【0075】
図11に示すように、本実施形態に係る画像処理システム1において、画像処理器20は、管理サーバ10ではなく撮像装置40に備えられる。
【0076】
図12に示すように、撮像装置40は、通信インタフェース41と、カメラ42と、プロセッサ43と、画像処理器20とを有している。
【0077】
通信インタフェース41は、無線回線又は有線回線を用いて、管理サーバ10及び通信網(マーケット)2と通信することができるように構成されており、カメラ42は、被写体を含む撮像画像を取得することができるように構成されている。
【0078】
プロセッサ43は、プロセッサ12と同様に、画像処理器20の処理に基づき、カメラ42によって撮像された撮像画像に含まれる被写体に応じた距離測定位置を特定すると共に距離測定位置が示す距離を計測するように構成されている。
【0079】
画像処理器20は、第1実施形態の場合と同様に、カメラ42により撮像された撮像画像に基づき被写体が何を示すのかを特定し且つ被写体の特徴成分を検出し、特定された被写体及び特徴成分に基づいて撮像画像に含まれる被写体に応じた距離測定位置を特定するように構成されている。
【0080】
図13は、本実施形態に係る画像処理システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0081】
図13に示すように、管理サーバ10は、ステップS2001において、入力データとラベルとの組を訓練データとして学習を行うことにより、撮像画像に含まれる被写体が何を示すための学習済モデルを生成し、ステップS2002において、撮像装置40に対して、かかる学習済モデルを送信する。
【0082】
撮像装置40は、ステップS2002において、受信した学習済モデルに基づいて撮像画像に含まれる被写体が何を示すのかを特定すると共に被写体の特徴成分を検出し、特定された被写体及び検出された特徴成分に基づいて撮像画像に含まれる被写体に応じた距離測定位置を特定し、ステップS2003において、かかる距離測定位置が示す距離を計測する。
【0083】
撮像装置40は、ステップS2004において、ユーザ操作に応じて、撮像画像及び距離測定位置が示す距離を対象商品情報として入力又は選択し、ステップS2005において、かかる撮像画像及び距離測定位置が示す距離を含む対象商品情報をマーケット2上にアップロードする。
【0084】
ステップS2006において、かかる対象商品情報が、マーケット2上に出品される。
【0085】
本実施形態に係る画像処理システム1によれば、撮像装置40に備えられている画像処理器20によって撮像画像に含まれる被写体に応じた距離測定位置を特定することで、撮像画像に含まれる被写体における所望の寸法を自動的に計測することができる。
【0086】
(第3実施形態)
以下、図14図16を参照して、第3実施形態について、上述の第1実施形態及び第2実施形態との相違点に着目して説明する。
【0087】
図14に示すように、本実施形態に係る画像処理システム1において、画像処理器20及び機械学習器30は、撮像装置40に備えられている。また、図15に示すように、撮像装置40は、画像処理器20と、機械学習器30と、通信インタフェース41と、カメラ42と、プロセッサ43とを備えている。
【0088】
ここで、プロセッサ43は、カメラ31により撮像された撮像画像に基づき、周囲環境の3次元情報及び撮像装置40の位置を特定し、かかる周囲環境の3次元情報、撮像装置40の位置、第1点及び第2点に基づき、撮像装置40から第1点までの距離及び撮像装置40から第2点までの距離を特定し、撮像装置40から第1点までの距離及び撮像装置40から第2点までの距離に基づき、第1点から第2点までの距離を特定するように構成されていてもよい。すなわち、プロセッサ43は、例えば、Virtual SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を用いて、各点(すなわち、各距離推定位置)の間の距離を計測するように構成されていてもよい。
【0089】
図16は、本実施形態に係る画像処理システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0090】
図16に示すように、撮像装置40は、ステップS3001において、入力データとラベルとの組を訓練データとして学習を行うことにより、撮像画像に含まれる被写体が何を示すための学習済モデルを生成し、ステップS3002において、かかる学習済モデルに基づいて撮像画像に含まれる被写体が何を示すのかを特定すると共に被写体の特徴成分を検出し、特定された被写体及び検出された特徴成分に基づいて撮像画像に含まれる被写体に応じた距離測定位置を特定し、かかる距離測定位置が示す距離を計測する。
【0091】
撮像装置40は、ステップS3003において、ユーザ操作に応じて、撮像画像及び距離測定位置が示す距離を対象商品情報として入力又は選択し、ステップS3004において、かかる撮像画像及び距離測定位置が示す距離を含む対象商品情報をマーケット2上にアップロードする。
【0092】
ステップS3005において、かかる対象商品情報が、マーケット2上に出品される。
【0093】
本実施形態に係る画像処理システム1によれば、撮像装置40に備えられている画像処理器20によって撮像画像に含まれる被写体に応じた距離測定位置を特定することで、撮像画像に含まれる被写体における所望の寸法を自動的に計測することができる。
【0094】
撮像装置40、管理サーバ10、画像処理器20、機械学習器30が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0095】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0096】
1…画像処理システム
2…通信網(マーケット)
10…管理サーバ
11…通信インタフェース
12…プロセッサ
20…画像処理器
21…プロセッサ
22…記憶部
30…機械学習器
31…取得部
32…プロセッサ
33…記憶部
40…撮像装置
41…通信インタフェース
42…カメラ
43…プロセッサ
50…出品装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16