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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】画像形成装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231212BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231212BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
H04N1/00 885
G03G21/00 398
G03G21/00 396
B41J29/38 104
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019174693
(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公開番号】P2021052328
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 崇明
(72)【発明者】
【氏名】荻野 昇
(72)【発明者】
【氏名】張替 誠
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-213703(JP,A)
【文献】特開2011-018188(JP,A)
【文献】特開2010-176671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03G 21/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート上に現像材を用いて画像を形成する画像形成ユニットと、
シート上の画像を読み取る画像読取部と、
他の装置と通信し、通信を制御するプロセッサーを有する通信装置と、
自装置を第一省電力状態と、第二省電力状態と、通常状態と、の少なくとも3つの状態に制御する制御部と、を備え、
前記第一省電力状態では、少なくとも前記画像形成ユニット、前記画像読取部及び前記制御部が起動していない状態に制御され、且つ、前記通信装置は起動している状態に制御され、
前記第二省電力状態では、少なくとも前記画像形成ユニット及び前記画像読取部のいずれか一方又は双方が起動していない状態に制御され、且つ、前記通信装置及び前記制御部が起動している状態に制御され、
前記通常状態では、少なくとも前記画像形成ユニット、前記画像読取部、前記通信装置及び前記制御部が起動している状態に制御され
前記制御部は、自装置が前記第一省電力状態である場合に、即時の画像形成の実行が予定されていない随時画像形成の実行の指示である指示データが受信された場合には、前記通常状態には移行せずに前記第二省電力状態に移行し、
前記制御部は、自装置が前記第一省電力状態である場合に、即時の画像形成の実行が予定されている逐次画像形成の実行の指示である指示データが受信された場合には、前記通常状態に移行する、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、自装置が前記第二省電力状態である場合に、即時に画像形成の実行が予定されている逐次画像形成の実行の指示である指示データが受信された場合には、前記第二省電力状態から前記通常状態に自装置を移行させる、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、自装置が前記第二省電力状態である場合に、即時の画像形成の実行が予定されていない随時画像形成の実行の指示である指示データが受信された場合には、前記通常状態には移行せずに前記第二省電力状態のままで状態を維持する、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記通信装置のプロセッサーは、予め定められた種別の通信である第一通信のデータが受信された場合には応答し、前記第一通信とは異なる種別の通信である第二通信のデータが受信された場合には、前記制御部を起動させる信号である起動信号を出力し、
前記制御部は、前記プロセッサーから前記起動信号を受けると、自装置を前記第二省電力状態又は前記通常状態のいずれかに制御する、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
シート上に現像材を用いて画像を形成する画像形成ユニットと、シート上の画像を読み取る画像読取部と、他の装置と通信し、通信を制御するプロセッサーを有する通信装置と、自装置を第一省電力状態と、第二省電力状態と、通常状態と、の少なくとも3つの状態に制御する制御部と、を備える画像形成装置が、
前記第一省電力状態では、少なくとも前記画像形成ユニット、前記画像読取部及び前記制御部が起動していない状態に自装置を制御し、且つ、前記通信装置を起動している状態に制御し、
前記第二省電力状態では、少なくとも前記画像形成ユニット及び前記画像読取部のいずれか一方又は双方が起動していない状態に自装置を制御し、且つ、前記通信装置及び前記制御部を起動している状態に制御し、
前記通常状態では、少なくとも前記画像形成ユニット、前記画像読取部、前記通信装置及び前記制御部を起動している状態に制御し、
自装置が前記第一省電力状態である場合に、即時の画像形成の実行が予定されていない随時画像形成の実行の指示である指示データが受信された場合には、前記通常状態には移行せずに前記第二省電力状態に移行し、
自装置が前記第一省電力状態である場合に、即時の画像形成の実行が予定されている逐次画像形成の実行の指示である指示データが受信された場合には、前記通常状態に移行する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から消費電力の低減は画像形成装置の大きな課題である。そのため、画像形成装置における消費電力を低減させるための種々の技術が提案されている。しかしながら、未だに消費電力を低減させる要求は引きつづき存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6238723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、画像形成装置における消費電力をさらに低減させることができる画像処理装置及び制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の画像形成装置は、画像形成ユニットと、画像読取部と、通信装置と、制御部と、を持つ。画像形成ユニットは、シート上に現像材を用いて画像を形成する。画像読取部は、シート上の画像を読み取る。通信装置は、他の装置と通信し、通信を制御するプロセッサーを有する。制御部は、自装置を第一省電力状態と、第二省電力状態と、通常状態と、の少なくとも3つの状態に制御する。画像形成装置は、前記第一省電力状態では、少なくとも前記画像形成ユニット、前記画像読取部及び前記制御部が起動していない状態に制御され、且つ、前記通信装置は起動している状態に制御される。画像形成装置は、前記第二省電力状態では、少なくとも前記画像形成ユニット及び前記画像読取部のいずれか一方又は双方が起動していない状態に制御され、且つ、前記通信装置及び前記制御部が起動している状態に制御される。画像形成装置は、前記通常状態では、少なくとも前記画像形成ユニット、前記画像読取部、前記通信装置及び前記制御部が起動している状態に制御される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の画像形成システム500の構成例を示す図である。
図2】実施形態に係る画像形成装置100のハードウェアブロック図である。
図3】通信装置200のハードウェアブロック図である。
図4】画像形成システム500の全体の動作の流れの具体例を示すフローチャートである。
図5】通常状態における処理の具体例を示すフローチャートである。
図6】第二省電力状態における処理の具体例を示すフローチャートである。
図7】第一省電力状態における処理の具体例を示すフローチャートである。
図8】通信装置200の処理の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の画像形成装置及び制御方法を、図面を参照して説明する。図1は、実施形態の画像形成システム500の構成例を示す図である。画像形成システム500は、画像形成装置100と、ユーザー端末300とを備える。画像形成装置100は、シート上に画像を形成する装置である。画像形成装置100は、例えば複合機である。ユーザー端末300は、画像形成装置100に対して画像形成の要求を送信する情報処理装置である。画像形成装置100の通信装置200とユーザー端末300とは、有線又は無線で通信する。ユーザー端末300は、通信装置200を介して画像形成装置100に対し種々の指示を送信する。例えば、ユーザー端末300は、探索データやビーコンを送信することがある。このような探索データやビーコンの具体例として、Bluetooth(登録商標、以下同様。)で定義されている信号がある。また、ユーザー端末300は、画像形成の指示や画像読取の指示を送信することがある。以下、各装置について詳細に説明する。
【0008】
図2は、実施形態に係る画像形成装置100のハードウェアブロック図である。まず、図1及び図2を用いて画像形成装置100について詳細に説明する。画像形成装置100は、画像読取部10、ディスプレイ110、コントロールパネル120、画像形成ユニット130、シート収容部140、記憶部150、通信部160、外部インターフェース170及び制御部180を備える。
【0009】
画像形成装置100は、トナーやインクなどの現像剤を用いてシート上に画像を形成する。現像剤がトナーである場合には、現像剤は加熱されることによってシート上に定着される。現像剤がインクである場合には、現像剤はシート上に滴下されることによってシート上に画像が形成される。シートは、例えば紙やラベル用紙である。シートは、その表面に画像形成装置100が画像を形成できる物であればどのような物であってもよい。
【0010】
画像読取部10は、例えばスキャナーである。画像読取部10は、読み取り対象の画像情報を光の明暗として読み取る。画像読取部10は、読み取られた画像情報を記録する。記録された画像情報は、画像形成装置100の記憶部150に保存されてもよいし、ネットワークを介して他の情報処理装置に送信されてもよい。記録された画像情報は、画像形成ユニット130によってシート上に画像形成されてもよい。
【0011】
ディスプレイ110は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの画像表示装置である。ディスプレイ110は、画像形成装置100に関する種々の情報を表示する。
【0012】
コントロールパネル120は、複数のボタンを有する。コントロールパネル120は、ユーザーの操作を受け付ける。コントロールパネル120は、ユーザーによって行われた操作に応じた信号を、画像形成装置100の制御部(後述する制御部180)に出力する。なお、ディスプレイ110とコントロールパネル120とは一体のタッチパネルとして構成されてもよい。
【0013】
画像形成ユニット130は、画像読取部10によって生成された画像情報又は受信された画像情報に基づいて、シート上に画像を形成する。画像形成ユニット130は、例えば現像器、転写器及び定着器を備える。画像形成ユニット130内には、シートの搬送路が形成されている。処理対象のシートは、搬送路に設けられたローラーによって搬送される。搬送の過程でシート上に画像が形成される。
【0014】
画像形成ユニット130は、例えば以下のような処理によって画像を形成する。画像形成ユニット130の現像器は、画像情報に基づいて感光体ドラム上に静電潜像を形成する。画像形成ユニット130の現像器は、静電潜像に現像剤を付着させることによって可視像を形成する。
【0015】
画像形成ユニット130の転写器は、可視像をシート上に転写する。画像形成ユニット130の定着器は、シートに対して加熱及び加圧を行うことによって、可視像をシート上に定着させる。なお、画像が形成されるシートは、シート収容部140に収容されているシートであってもよいし、手差しされたシートであってもよい。
【0016】
シート収容部140は、画像形成ユニット130における画像形成に用いられるシートを収容する。
【0017】
記憶部150は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部150は、画像形成装置100が動作する際に必要となるデータを記憶する。記憶部150は、画像形成装置100において形成される画像のデータを一時的に記憶したり、保存したりしてもよい。
【0018】
通信部160は、通信インターフェースを用いて構成される。通信部160は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して他の装置(例えばパーソナルコンピューター等の情報端末)と通信する。
【0019】
外部インターフェース170は、他の装置に備えられたインターフェースと接続されることによって、他の装置と通信する。外部インターフェース170は、例えばUSB(Universal Serial Bus)を用いて構成されてもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標、以下同様。)を用いて構成されてもよいし、他の技術を用いて構成されてもよい。画像形成装置100と通信装置200とは、外部インターフェース170を介して接続される。
【0020】
制御部180(コントローラ)は、Central Processing Unit(CPU)等のプロセッサーとメモリとを用いて構成される。制御部180は、記憶部150に予め記憶されているプログラムを読み出して実行する。制御部180は、画像形成装置100に備えられる各機器の動作を制御する。制御部180は、例えば通信装置200から画像形成の指示を受信すると、受信された指示に応じた画像をシート上に形成するように自装置を制御してもよい。制御部180は、例えば通信装置200から画像形成の指示を受信すると、画像読取部10によって読み取られた画像のデータを、指示の送信元である通信装置200へ送信するように自装置を制御してもよい。
【0021】
画像形成装置100は、制御状態として、少なくとも第一省電力状態と、第二省電力常置と、通常状態と、を有する。第一省電力状態では、少なくとも画像形成ユニット130及び制御部180が起動していない状態に制御され、且つ、通信装置200は起動している状態に制御される。第一省電力状態の具体例として、いわゆるスーパースリープがある。
【0022】
第二省電力状態では、少なくとも画像読取部10及び/又は画像形成ユニット130が起動していない状態に制御され、且つ、通信装置200及び制御部180が起動している状態に制御される。第二省電力状態の具体例として、一般的な画像形成装置の省電力モードやスタンバイモードがある。
【0023】
通常状態では、少なくとも画像読取部10及び/又は画像形成ユニット130、制御部180及び通信装置200が起動している状態に制御される。通常状態の具体例として、一般的な画像形成装置において画像形成が可能になっている状態がある。
【0024】
次に、画像形成装置100における画像形成について説明する。画像形成装置100において実行される画像形成の処理には少なくとも2つの種類がある。逐次画像形成と、随時画像形成である。逐次画像形成は、逐次動作の一具体例である。逐次画像形成とは、即時に画像形成の実行が予定されている画像形成である。例えば、画像形成対象の画像データや文書データと指示データとが画像形成装置100に送信され、すぐに画像形成装置100において画像形成を実行して排紙トレイにシートが出力されるような処理が、逐次画像形成である。例えば、いわゆる一般的な印刷指示は、逐次画像形成の指示である。
【0025】
随時画像形成とは、即時には画像形成の実行が予定されていない画像形成である。例えば、画像形成対象の画像データや文書データと指示データとが画像形成装置100に送信されるものの、実行条件が満たされるまでは画像形成が実行されず画像形成の実行が待機されるような処理が、随時画像形成である。実行条件の具体例として、例えば指示データを送信したユーザーが画像形成装置100のコントロールパネル120で画像形成の実行を指示する、という条件がある。実行条件の具体例として、例えば指示データを送信したユーザーのユーザーIDを含む無線信号が画像形成装置100において受信された、という条件がある。実行条件は、その他どのような条件として設計されてもよい。
【0026】
次に、画像形成装置100における画像読取について説明する。画像形成装置100において実行される画像読取の処理には少なくとも2つの種類がある。逐次画像読取と、随時画像読取である。逐次画像読取は、逐次動作の一具体例である。逐次画像読取とは、即時に画像読取の実行が予定されている画像読取である。例えば、画像読取対象のシートが画像形成装置100の画像読取部10に設置されており、指示データが画像形成装置100に送信され、すぐに画像形成装置100において画像読取が実行されるような処理が、逐次画像読取である。この場合、読み取られた画像は、画像形成装置100の記憶部150に記録されてもよいし、通信部160又は通信装置200を介して他の装置へ送信されてもよい。例えば、いわゆる一般的な画像読取指示は、逐次画像読取の指示である。
【0027】
随時画像読取とは、画像読取の実行が予定されていない画像読取である。例えば、画像形成装置100の記憶部150に既に記憶されている画像データを、通信装置200や他の指定された情報処理装置に対して送信する処理が、随時画像読取である。その他、画像読取部10が動作しない処理であればどのような処理が随時画像読取として定義されてもよい。
【0028】
図3は、通信装置200のハードウェアブロック図である。次に、通信装置200の詳細について説明する。通信装置200は、電源インターフェース210、通信モジュール220、外部インターフェース230及びプロセッサー240を備える。
【0029】
電源インターフェース210は、電源に接続されることによって自装置(通信装置200)に電力を供給する。例えば、電源インターフェース210は、自装置(通信装置200)の通信モジュール220及びプロセッサー240に対し電力を供給する。電源インターフェース210が接続される電源は、画像形成装置100が第一省電力状態や第二省電力状態になっていたとしても電力を供給可能な電源である。そのため、通信装置200は、画像形成装置100が第一省電力状態や第二省電力状態であったとしても、電力を受けて動作することが可能である。
【0030】
通信モジュール220は、他の装置と通信するモジュールである。通信モジュール220は、例えば無線通信のモジュールであってもよいし、有線通信のモジュールであってもよい。例えば通信モジュール220が無線通信のモジュールとして構成される場合には、Bluetoothを用いた通信が行われてもよい。例えば通信モジュール220が有線通信のモジュールとして構成される場合には、USBを用いた通信が行われてもよい。
【0031】
通信モジュール220は、通信インターフェースを用いて構成される。通信部160は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して他の装置(例えばパーソナルコンピューター等の情報端末)と通信する。
【0032】
外部インターフェース230は、他の装置に備えられたインターフェースと接続されることによって、他の装置と通信する。外部インターフェース170は、例えばUSBを用いて構成されてもよいし、HDMIを用いて構成されてもよいし、他の技術を用いて構成されてもよい。画像形成装置100と通信装置200とは、外部インターフェース230を介して接続される。
【0033】
プロセッサー240は、CPU等のプロセッサーである。プロセッサー240は、通信モジュール220を介して受信されたデータに応じて動作する。プロセッサー240は、予め定められた種別の通信である第一通信のデータが受信された場合には、第一通信のデータに対して応答する。一方、プロセッサー240は、第一通信とは異なる種別の通信である第二通信のデータが受信された場合には、第二通信のデータに対して応答しない。そのかわり、プロセッサー240は、画像形成装置100の制御部180を起動させる信号である起動信号を、外部インターフェース230を介して出力する。画像形成装置100の制御部180は、起動信号を受信することに応じて起動する。起動信号には、起動してから第二省電力状態として動作することを指示する信号が含まれてもよい。起動信号には、起動してから通常状態として動作することを指示する信号が含まれてもよい。
【0034】
図4は、画像形成システム500の全体の動作の流れの具体例を示すフローチャートである。まず、画像形成装置100の電源がオンになると(ACT101)、制御部180が起動する(ACT102)。その後、制御部180から起動信号が出力され、この起動信号に応じて通信装置200が起動する(ACT103)。さらに、制御部180は、画像読取部10や画像形成ユニット130を起動させる(ACT104)。その後、制御部180は通常状態として自装置を制御する。
【0035】
その後、所定の操作がなされることなく予め定められた第二指定時間が経過するまでは(ACT105-NO)、制御部180は自装置を通常状態として制御する。一方、所定の操作がなされることなく第二指定時間が経過してしまうと(ACT105-YES)、制御部180は自装置を第二省電力状態として制御する。例えば、制御部180は、画像読取部10や画像形成ユニット130をオフにする(ACT106)。このような制御により、画像形成装置100は第二省電力状態になる。なお、所定の操作とは、例えばコントロールパネル120に対する操作や、ネットワークを介して画像形成の指示が受信されるような操作である。
【0036】
その後、所定の操作がなされることなく予め定められた第一指定時間が経過するまでは(ACT107-NO)、制御部180は自装置を第二省電力状態として制御する。一方、所定の操作がなされることなく第一指定時間が経過してしまうと(ACT107-YES)、制御部180は自装置を第一省電力状態として制御する。例えば、制御部180は、制御部180をオフにする(ACT108)。このような制御により、画像形成装置100は第一省電力状態になる。第一省電力状態では、第二省電力状態よりも多くの消費電力を節電することができる。
【0037】
図5は、通常状態における処理の具体例を示すフローチャートである。通信装置200に対して通信が送信されると(ACT201-YES)、通信装置200がデータを受信する(ACT202)。通信装置200は、受信されたデータを制御部180に転送する(ACT203)。その後、制御部180は、受信されたデータに基づいて処理を行う(ACT204)。このときの処理には、画像形成処理や画像読取処理も含まれる。また、第一省電力状態において通信装置200が行う処理について変更(情報更新)があった場合には(ACT205-YES)、通信装置200のプロセッサー240は記憶装置に更新後の情報を記録する(ACT206)。また、画像形成装置100の制御部180も、記憶部150に更新後の情報を記録する。その後、所定の操作がなされることなく予め定められた第二指定時間が経過すると(ACT207-YES)、制御部180は自装置を第二省電力状態として制御する。
【0038】
図6は、第二省電力状態における処理の具体例を示すフローチャートである。通信装置200に対して通信が送信されると(ACT301-YES)、通信装置200がデータを受信する(ACT302)。通信装置200は、受信されたデータを制御部180に転送する(ACT303)。その後、制御部180は、受信されたデータに基づいて処理を行う(ACT304)。実行する処理に、画像読取部10又は画像形成ユニット130を使用する処理が含まれる場合(ACT305-YES)、制御部180は、使用される対象となる機器(画像読取部10又は画像形成ユニット130)を起動させる(ACT306)。その結果、画像形成装置100は通常状態へ移行する。
【0039】
実行する処理に、画像読取部10を使用する処理も画像形成ユニット130を使用する処理も、いずれもが含まれない場合(ACT305-NO)、制御部180は、画像読取部10及び画像形成ユニット130を起動させない。その結果、画像形成装置100は第二省電力状態のままとなる。第一省電力状態において通信装置200が行う処理について変更(情報更新)があった場合には(ACT307-YES)、通信装置200のプロセッサー240は記憶装置に更新後の情報を記録する(ACT308)。また、画像形成装置100の制御部180も、記憶部150に更新後の情報を記録する。その後、所定の操作がなされることなく予め定められた第一指定時間が経過すると(ACT309-YES)、制御部180は自装置を第一省電力状態として制御する。
【0040】
図7は、第一省電力状態における処理の具体例を示すフローチャートである。通信装置200に対して通信が送信されると(ACT401-YES)、通信装置200がデータを受信する(ACT402)。受信されたデータが、通信装置200で応答可能な内容である場合(ACT403-YES)、通信装置200のプロセッサー240が応答処理を行う(ACT404)。
【0041】
通信装置200で応答可能な内容の具体例として、探索データの保持パターンや、ビーコンがある。探索の内容が、通信装置200において応答内容が予め保持されている内容(以下「保持パターン」という。)である場合には、通信装置200が応答可能である。また、ビーコンは、応答内容が予め決まっているため、その応答内容を予め保持しておくことで通信装置200が応答可能である。
【0042】
受信されたデータが、通信装置200で応答可能な内容ではない場合(ACT403-NO)、プロセッサー240は、受信されたデータで指示された処理が逐次動作であるか否か判定する(ACT405)。受信されたデータで指示された処理が逐次動作である場合(ACT405-YES)、プロセッサー240は、画像形成装置100の制御部180、画像読取部10、画像形成ユニット130を起動させる(ACT406)。その結果、画像形成装置100は通常状態へ移行する。受信されたデータで指示された処理が逐次動作ではない場合(ACT405-NO)、プロセッサー240は、画像形成装置100の制御部180を起動させる(ACT407)。その結果、画像形成装置100は第二省電力状態へ移行する。
【0043】
図8は、通信装置200の処理の具体例を示すフローチャートである。通信装置200は、保持パターンの探索応答が受信されると(ACT501-YES、ACT502-YES)、予め定められている応答内容で応答する(ACT504)。通信装置200は、ビーコンが受信された場合も(ACT501-NO、ACT503-YES)、予め定められている応答内容で応答する(ACT504)。
【0044】
一方、通信装置200は、保持パターンではない探索応答が受信されると(ACT501-YES、ACT502-NO)、画像形成装置100の制御部180を起動させる(ACT505)。その結果、画像形成装置100は第二省電力状態へ移行する。
【0045】
また、通信装置200は、探索応答ではなくビーコンでもないデータが受信されると(ACT501-NO、ACT503-NO)、そのデータが、自身が接続されている画像形成装置100宛(以下、単に「自装置宛」という。)であるか否か判定する(ACT506)。自装置宛ではない場合(ACT506-NO)、受信されたデータについての処理を終了する。一方、自装置宛である場合(ACT506-YES)、受信されたデータの送信元が信用できる接続先であるか否か判定する(ACT507)。信用できる接続先とは、例えば接続先として予め通信装置200において登録されている装置である。このような信用できる接続先の具体例として、Bluetoothのペアリング済みの装置がある。信用できない接続先である場合には(ACT507-NO)、プロセッサー240は画像形成装置100の制御部180を起動させる(ACT505)。その結果、画像形成装置100は第二省電力状態へ移行する。
【0046】
一方、信用できる接続先である場合には、プロセッサー240は、受信されたデータで指示された処理が逐次動作であるか否か判定する(ACT508)。受信されたデータで指示された処理が逐次動作である場合(ACT508-YES)、プロセッサー240は、画像形成装置100の制御部180、画像読取部10、画像形成ユニット130を起動させる(ACT509)。その結果、画像形成装置100は通常状態へ移行する。受信されたデータで指示された処理が逐次動作ではない場合(ACT508-NO)、プロセッサー240は、画像形成装置100の制御部180を起動させる(ACT505)。その結果、画像形成装置100は第二省電力状態へ移行する。
【0047】
このように構成された画像形成システム500では、第一省電力状態と、第一省電力状態よりも消費電力は多いが通常状態よりも消費電力は少ない第二省電力状態と、通常状態と、の少なくとも3つの状態で制御される。そのため、画像形成装置100における消費電力をさらに低減させることが可能となる。例えば、第一省電力状態と通常状態との2つの状態で制御される場合に比べて消費電力をさらに低減できる。その理由は、上記の2つの状態で制御される場合に通常状態として制御される場合であっても、画像形成システム500では第二省電力状態として制御することが可能であり、その結果として消費電力を抑えることが可能となる。
【0048】
また、このように構成された画像形成システム500では、画像形成の指示が受信された場合であっても、画像形成の種類に応じて異なる制御が行われる。すなわち、逐次画像形成の実行の指示が受信された場合には、通常状態に制御されるが、随時画像形成の実行の指示が受信された場合には、第二省電力状態に制御される。このように、画像形成の指示が受信された場合であっても、常に通常状態になるのではなく、随時画像形成の実行の場合にはより消費電力が低い第二省電力状態として制御される。そのため、上述したように、画像形成の指示が受信された場合であっても、画像形成の種類に応じて異なる制御が行うことで、消費電力をより低くすることが可能となる。
【0049】
また、このように構成された画像形成システム500では、画像読取の指示が受信された場合であっても、画像読取の種類に応じて異なる制御が行われる。すなわち、逐次画像読取の実行の指示が受信された場合には、通常状態に制御されるが、随時画像読取の実行の指示が受信された場合には、第二省電力状態に制御される。このように、画像読取の指示が受信された場合であっても、常に通常状態になるのではなく、随時画像読取の実行の場合にはより消費電力が低い第二省電力状態として制御される。そのため、上述したように、画像読取の指示が受信された場合であっても、画像読取の種類に応じて異なる制御が行うことで、消費電力をより低くすることが可能となる。
【0050】
(変形例)
画像形成装置100の制御部180は、通常状態として自装置を制御する場合に、常に画像読取部10及び画像形成130を起動させた状態となるように制御を行ってもよい。制御部180は、通常状態として自装置を制御する場合に、動作が必要となった機器のみを起動させた状態となるように制御を行ってもよい。例えば、逐次動作として逐次画像形成の指示が入力されたものの逐次画像読取の指示は入力されていない場合、制御部180は、画像形成ユニット130を起動させつつ、画像読取部10を起動させないように制御を行ってもよい。例えば、逐次動作として逐次画像読取の指示が入力されたものの逐次画像形成の指示は入力されていない場合、制御部180は、画像読取部10を起動させつつ、画像形成ユニット130を起動させないように制御を行ってもよい。また、逐次動作として逐次画像形成の指示と逐次画像読取とが入力された場合、制御部180は、画像形成ユニット130と画像読取部10とをそれぞれ起動させるように制御を行ってもよい。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0052】
10…画像読取部、110…ディスプレイ、120…コントロールパネル、130…画像形成ユニット、140…シート収容部、150…記憶部、160…通信部、170…外部インターフェース、180…制御部、200…通信装置、210…電源インターフェース、220…通信モジュール、230…外部インターフェース、240…プロセッサー
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