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特許7401252情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/02 20220101AFI20231212BHJP
【FI】
H04L67/02
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019187030
(22)【出願日】2019-10-10
(65)【公開番号】P2021064055
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】山本 光一
(72)【発明者】
【氏名】池田 睦
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-523056(JP,A)
【文献】特表2012-501507(JP,A)
【文献】国際公開第2014/020737(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタブを生成可能であり、複数のタブのうちの前面タブのWebページを表示するWebブラウザ機能を有する情報処理装置であって、
前記前面タブの切り替えにより背面タブとなる背面タブのタイトルとURLを保存する保存手段と、
前記背面タブに代替ページを読み込み、前記保存手段により保存された背面タブのタイトルを前記背面タブのタイトルとして上書きする管理手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記管理手段は、前記背面タブが前面タブに変化すると、前記保存手段により保存された背面タブのURLを基に、Webページを表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記代替ページは、空ページであることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
メモリ使用率が閾値より高い場合、前記保存手段は、メモリ消費量が大きい要素を利用している背面タブのタイトルとURLを保存し、前記管理手段は、前記メモリ消費量が大きい要素を利用している背面タブに代替ページを読み込み、前記保存手段により保存された背面タブのタイトルを前記メモリ消費量が大きい要素を利用している背面タブのタイトルとして上書きすることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記メモリ消費量が大きい要素は、img要素であることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
CPU使用率が閾値より高い場合、前記保存手段は、CPU消費量が大きい要素を利用している背面タブのタイトルとURLを保存し、前記管理手段は、前記CPU消費量が大きい要素を利用している背面タブに代替ページを読み込み、前記保存手段により保存された背面タブのタイトルを前記CPU消費量が大きい要素を利用している背面タブのタイトルとして上書きすることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記CPU消費量が大きい要素は、script要素であることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記管理手段は、前記背面タブに代替ページを読み込む場合に、警告を表示することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記管理手段は、前記メモリ消費量が大きい要素を利用している背面タブを前面タブに変化させようとすると、警告を表示することを特徴とする請求項4または5に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記管理手段は、前記CPU消費量が大きい要素を利用している背面タブを前面タブに変化させようとすると、警告を表示することを特徴とする請求項6または7に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記保存手段は、背面タブのファビコン情報を保存することを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記保存手段は、タブに表示可能な文字数以下でタイトルを保存することを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
複数のタブを生成可能であり、複数のタブのうちの前面タブのWebページを表示するWebブラウザ機能を有する情報処理装置の情報処理方法であって、
前記前面タブの切り替えにより背面タブとなる背面タブのタイトルとURLを保存する保存ステップと、
前記背面タブに代替ページを読み込み、前記保存ステップで保存された背面タブのタイトルを前記背面タブのタイトルとして上書きする管理ステップと
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1~12のいずれか1項に記載された情報処理装置の各手段と
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
Webブラウザ(以下、ブラウザという)は、メモリまたはCPU等の多くのリソースを消費することがある。これは、ユーザが複数のWebページを利用するほど発生しやすい。例えば、ユーザが多くのタブを開いて、複数のWebページを利用することが挙げられる。このとき、ブラウザ以外の処理が多くのリソースを必要とする場合、ブラウザのリソースを解放する事例が考えられる。しかし、ブラウザは、消費したメモリの詳細をユーザに伝達する手段がない。このため、ブラウザを終了させることで、ブラウザが利用していたリソースを解放させる方法がある。一方、ブラウザを終了させる場合、ブラウザを再開させるときに、以前開いていたタブが表示されないことにより、ユーザの利用性が低下してしまう課題がある。
【0003】
特許文献1には、ブラウザ終了前に、タブの状態情報を保存しておき、ブラウザ再開時に全面タブだけを表示し、背面タブを退避状態にすることで、ユーザの利用性を向上させつつ、ブラウザ再開時のリソースを削減させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2014-523056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術は、ブラウザ終了前にタブの状態情報の保存を行い、退避タブが選択されると、保存した状態情報を基に退避タブの回復を行う。しかし、この場合、保存した状態情報を基に退避タブの回復を行うため、保存しておく情報量が大きくなってしまい、リソースを圧迫してしまう。このため、使用できるリソースの少ない機器にとっては問題となる可能性がある。
【0006】
また、ブラウザは、使用したメモリ空間をタブごとで管理しておらず、任意のタイミングで特定タブのメモリ空間を解放できないため、特定のタブのリソースのみを解放することは困難である。
【0007】
本発明の目的は、ユーザの利用性低下を防ぎつつ、ブラウザで使用するリソースを削減できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報処理装置は、複数のタブを生成可能であり、複数のタブのうちの前面タブのWebページを表示するWebブラウザ機能を有する情報処理装置であって、前記前面タブの切り替えにより背面タブとなる背面タブのタイトルとURLを保存する保存手段と、前記背面タブに代替ページを読み込み、前記保存手段により保存された背面タブのタイトルを前記背面タブのタイトルとして上書きする管理手段とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザの利用性低下を防ぎつつ、ブラウザで使用するリソースを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】情報処理装置の機能構成例を示す図である。
図4】タイトル情報保持の一例を示す図である。
図5】ブラウザの一例を示す図である。
図6】情報処理装置の処理の流れを説明するフローチャートである。
図7】情報処理装置の処理の流れを説明するフローチャートである。
図8】情報処理装置の処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に関る本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一な構成については、同じ符号を付して説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態による情報処理システムの構成例を示す図である。情報処理システムは、情報処理装置100と、ネットワーク101と、サーバ装置102を有する。ネットワーク101には、情報処理装置100とサーバ装置102が接続されている。情報処理装置100は、サーバ装置102との間で、リクエストおよびレスポンス処理に基づいて通信可能である。また、サーバ装置102も、情報処理装置100との間で、リクエストおよびレスポンス処理に基づいて通信可能である。ネットワーク101は、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、およびLAN(Local Area Network)、等の複合であっても実現可能である。
【0013】
図2は、情報処理装置100のハードウェア構成例を示す図である。情報処理装置100は、例えば、コンピュータ装置である。
【0014】
Central Processing Unit(CPU)201は情報処理装置100を制御する。Read Only Memory(ROM)202は、変更を必要としないプログラムやパラメータを格納する。Random Access Memory(RAM)203は、外部装置などから供給されるプログラムやデータを一時記憶する。
【0015】
グラフィカルインタフェース204は、保持するデータや供給されたデータを表示するための画面、およびユーザからの操作を受けてデータを入力するマウスなどのポインティングデバイス、キーボードなどの入力デバイス、およびタッチパネルのグラフィカルインタフェースである。ネットワークインタフェース205は、ネットワーク101に接続する。バス206は、各構成要素を通信可能に接続するシステムバスである。
【0016】
また、情報処理装置100に固定して設置されたハードディスクやメモリカード等があってもよい。あるいは、情報処理装置100から着脱可能なフレキシブルディスク(FD)やCompact Disk(CD)等の光ディスク、磁気や光カード、ICカード、メモリカードなどを含む外部記憶装置等があってもよい。
【0017】
図3(a)は、第1の実施形態による情報処理装置100の機能構成例を示す図である。CPU201は、プログラムを実行することにより、図3(a)の機能を実現する。
【0018】
通信部301は、情報処理装置100がネットワーク101を介して行う通信を制御する。解析部302は、Webページに関するファイルの解析を行う。
【0019】
ブラウザ管理部303は、ブラウザの状態を管理する。ブラウザ管理部303は、グラフィカルインタフェース204の画面へのブラウザの表示、およびブラウザの開始、終了条件の判定を行う。
【0020】
表示タブ判定部304は、前面にあるタブの判定を行う。表示タブ判定部304は、グラフィカルインタフェース204のブラウザに前面で表示されており、Webページを表示しているタブを前面タブと判定する。それ以外のタブは背面タブとし、背面タブのWebページはグラフィカルインタフェース204のブラウザに表示されない。ただし、背面タブのタイトルは、グラフィカルインタフェース204のブラウザに表示される。
【0021】
タイトル情報保持部305は、タブのタイトル、およびURLを保持する。タイトル保存部306は、タイトル情報保持部305に対して、情報の保存を行う。また、タイトル保存部306は、背面タブのタイトルの上書きも行う。
【0022】
図4(a)~(e)は、それぞれ、タイトル情報保持部305の状態を表す。タイトル情報保持部305は、タイトル保存部306により状態が更新され、図4(a)~(e)の様に状態が更新される。状態遷移の様子は、後述する。
【0023】
図5(a)~(i)は、それぞれ、グラフィカルインタフェース204で表されるブラウザの状態を表す。ブラウザは、主にURL、タブのタイトル、およびWebページを表示する。図5(a)を例に挙げると、図5(a)は、URL501と、タブのタイトル502と、Webページ503を表す。URL501には、現在Webページを表示しているタブのURLが表示される。タイトル502には、現在開いているタブのタイトルが表示され、現在Webページを表示しているタブのタイトルはグレーに表示される。Webページ503には、URL501を参照して表示されたページが表示される。状態遷移の様子は、後述する。情報処理装置100は、複数のタブを生成可能であり、複数のタブのうちの前面タブのWebページを表示するWebブラウザ機能を有する。
【0024】
図6は、第1の実施形態による情報処理装置100の情報処理方法を説明するフローチャートである。このフローチャートは、情報処理装置100がブラウザを起動した場合に開始される。第1の実施形態では、ブラウザでWebページを閲覧中に新規タブを開く事例を説明する。
【0025】
ステップS601では、ブラウザが起動したことにより新規タブが開かれ、ブラウザ管理部303は、ブラウザのホームとして保存されているURLを参照し、新規タブにWebページを表示する。この処理の流れを次に示す。ブラウザ管理部303は、通信部301、ネットワークインタフェース205、およびネットワーク101を介して、サーバ装置102からファイルの取得を行う。その後、解析部302は、取得したファイルの解析を行い、新規タブにWebページを表示する。例えば、ブラウザのホームとして保存されているURLが“https://www.sampleA.com”で、そのWebページのタイトルが“title1”である場合を説明する。このとき、グラフィカルインタフェース204で表されるブラウザの状態は、図5(a)となる。
【0026】
ステップS602では、表示タブ判定部304は、判定の結果、前面タブが変化したと判定した場合(S602でYes)には、ステップS603に進み、前面タブが変化していないと判定した場合(S602でNo)には、ステップS608に進む。例えば、表示タブ判定部304は、新規タブを開くため、前面タブが変化したと判定する。また、新規タブは、URLに“https://www.sampleB.com”を指定し、そのWebページのタイトルは“title2”である場合を説明する。このとき、グラフィカルインタフェース204で表されるブラウザの状態は、図5(b)となる。
【0027】
ステップS603では、タイトル保存部306は、背面タブのタイトルとURLの保存を行う。これにより、タイトル情報保持部305は、図4(a)から図4(b)の状態になる。背面タブは、URLが“https://www.sampleA.com”であり、タイトルが“title1”である。
【0028】
ステップS604では、ブラウザ管理部303は、背面タブに代替ページとしてabout:blank(空ページ)を読み込む。ブラウザ管理部303は、about:blankを読み込むことで、Webページで使用していたリソースを解放することができる。このとき、グラフィカルインタフェース204で表されるブラウザの状態は、図5(c)となる。
【0029】
ステップS605では、ブラウザ管理部303は、タイトル情報保持部305で保持しているタイトルを背面タブのタイトルとして上書きする。このとき、グラフィカルインタフェース204で表されるブラウザの状態は、図5(b)となる。
【0030】
ステップS608では、ブラウザ管理部303は、ブラウザを終了させる条件であるか否かの判定を行う。ブラウザ管理部303は、ブラウザを終了させる条件である場合(S608でYes)には、図6のフローチャートの処理を終了し、ブラウザを終了させる条件でない場合(S608でNo)には、ステップS602に戻る。
【0031】
なお、タイトル情報保持部305が図4(b)の状態、かつ、グラフィカルインタフェース204で表されるブラウザが図5(b)の状態で、“title1”のタブを開く場合を説明する。ブラウザ管理部303は、背面タブが前面タブに変化すると、タイトル情報保持部305で保持しているURLを基に、“title1”のタブのWebページを表示する。ブラウザ管理部303は、前面タブが“title1”に変化したため(S602でYes)、ステップS603~S605の処理を行う。最終的に、タイトル情報保持部305は、図4(c)の状態になり、グラフィカルインタフェース204で表されるブラウザは、図5(d)の状態になる。
【0032】
(第2の実施形態)
図3(b)は、第2の実施形態による情報処理装置100の機能構成例を示す図である。CPU201は、プログラムを実行することにより、図3(b)の機能を実現する。図3(b)は、図3(a)に対して、リソース使用状況判定部317とリソース消費要素判定部318を追加したものである。以下、第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。
【0033】
リソース使用状況判定部317は、情報処理装置100のメモリ使用状況またはCPU使用状況を判定する。リソース使用状況判定部317は、情報処理装置100のメモリ使用状況を監視し、メモリ使用率がある閾値より高い場合に、メモリ使用率が高いと判定し、メモリ負荷状態をオンにし、メモリ使用率がある閾値以下の場合に、メモリ負荷状態をオフにする。また、リソース使用状況判定部317は、情報処理装置100のCPU使用状況を監視し、CPU使用率がある閾値より高い場合に、CPU使用率が高いと判定し、CPU負荷状態をオンにし、CPU使用率がある閾値以下の場合に、CPU負荷状態をオフにする。
【0034】
リソース消費要素判定部318は、ブラウザ管理部303で表示されているブラウザのタブでリソース消費要素を利用しているタブは存在するか判定する。リソース消費要素判定部318は、メモリ消費量の大きい要素を利用しているタブと、CPU消費量の大きい要素を利用しているタブを判定する。
【0035】
第2の実施形態では、ブラウザでWebページを閲覧中に新規タブを開き、その後、ブラウザ処理より優先度の高いメモリ使用率の高い処理とCPU使用率の高い処理を実施する事例を説明する。また、第2の実施形態では、メモリ消費量が大きい要素としてimg要素、CPU消費量が大きい要素としてscript要素を例に挙げ、説明する。
【0036】
図7は、第2の実施形態による情報処理装置100の情報処理方法を説明するフローチャートである。情報処理装置100は、メモリとCPUの使用率を測定可能になった場合に、図7のフローチャートの処理を開始する。
【0037】
ステップS701では、リソース使用状況判定部317は、メモリ使用率が閾値より高いか否かを判定する。リソース使用状況判定部317は、メモリ使用率が閾値より高いと判定した場合(S701でYes)には、ステップS702に進み、メモリ使用率が閾値より高くないと判定した場合(S701でNo)には、ステップS703に進む。
【0038】
ステップS702では、リソース使用状況判定部317は、メモリ負荷状態をオンにし、ステップS704に進む。
【0039】
ステップS703では、リソース使用状況判定部317は、メモリ負荷状態をオフにし、ステップS704に進む。
【0040】
ステップS704では、リソース使用状況判定部317は、CPU使用率が閾値より高いか否かを判定する。リソース使用状況判定部317は、CPU使用率が閾値より高いと判定した場合(S704でYes)には、ステップS705に進み、CPU使用率が閾値より高くないと判定した場合(S704でNo)には、ステップS706に進む。
【0041】
ステップS705では、リソース使用状況判定部317は、CPU負荷状態をオンにし、ステップS707に進む。
【0042】
ステップS706では、リソース使用状況判定部317は、CPU負荷状態をオフにし、ステップS707に進む。
【0043】
ステップS707では、情報処理装置100は、メモリとCPUの使用率を測定できなくなったか否かを判定する。情報処理装置100は、測定できなくなった場合(S707でYes)には、図7のフローチャートの処理を終了し、測定できる場合(S707でNo)には、ステップS701に戻る。
【0044】
図8は、第2の実施形態による情報処理装置100の情報処理方法を説明するフローチャートである。情報処理装置100は、ブラウザを起動した場合に、図8のフローチャートの処理を開始する。なお、図7の処理と図8の処理は並列に動作する。
【0045】
ステップS801では、ブラウザが起動したことにより新規タブが開かれ、ブラウザ管理部303は、ブラウザのホームとして保存されているURLを参照し、新規タブにWebページを表示する。この処理の流れを次に示す。ブラウザ管理部303は、通信部301、ネットワークインタフェース205、およびネットワーク101を介して、サーバ装置102からファイルの取得を行う。その後、解析部302は、取得したファイルの解析を行い、新規タブにWebページを表示する。例えば、ブラウザのホームとして保存されているURLが“https://www.sampleA.com”で、そのWebページのタイトルが“title1”である場合を説明する。その後、ブラウザ管理部303は、URLに“https://www.sampleB.com”を指定し、新規タブを開く。そのWebページは、タイトルが“title2”で、img要素が含まれている。その後、ブラウザ管理部303は、URLに“https://www.sampleC.com”を指定し、新規タブを開く。そのWebページは、タイトルが“title3”で、script要素が含まれている。その後、“title1”のタブを前面タブにした場合を説明する。このとき、グラフィカルインタフェース204で表されるブラウザは、図5(e)の状態になる。
【0046】
ステップS802では、リソース使用状況判定部317は、メモリ負荷状態がオンの場合(S802でYes)には、ステップS803に進み、メモリ負荷状態がオフの場合(S802でNo)には、ステップS807に進む。例えば、タイトル情報保持部305が図4(a)の状態で、グラフィカルインタフェース204で表されるブラウザが図5(e)の状態になった際に、情報処理装置100がメモリ使用率の高い処理を行い、メモリ負荷状態がオンになった場合を説明する。
【0047】
ステップS803では、表示タブ判定部304が前面タブを判定し、リソース消費要素判定部318がimg要素を利用しているタブを判定する。リソース消費要素判定部318は、判定の結果、img要素を利用している背面タブが存在する場合(S803でYes)には、ステップS804に進み、img要素を利用している背面タブが存在しない場合(S803でNo)には、ステップS807に進む。
【0048】
ステップS804では、タイトル保存部306は、img要素を利用している背面タブのタイトルとURLの保存を行う。これにより、タイトル情報保持部305は、図4(a)から図4(d)の状態になる。
【0049】
ステップS805では、ブラウザ管理部303は、img要素を利用している背面タブに代替ページとしてabout:blankを読み込む。ブラウザ管理部303は、about:blankを読み込むことで、Webページで使用していたリソースを解放することができ、メモリの負荷を抑制できる。このとき、グラフィカルインタフェース204で表されるブラウザの状態は、図5(f)となる。
【0050】
ステップS806では、ブラウザ管理部303は、タイトル情報保持部305で保持しているタイトルを、img要素を利用している背面タブのタイトルとして上書きする。このとき、グラフィカルインタフェース204で表されるブラウザの状態は、図5(e)となる。
【0051】
ステップS807では、リソース使用状況判定部317は、CPU負荷状態がオンの場合(S807でYes)には、ステップS808に進み、メモリ負荷状態がオフの場合(S807でNo)には、ステップS812に進む。例えば、タイトル情報保持部305が、図4(d)の状態で、グラフィカルインタフェース204で表されるブラウザが図5(e)の状態になった際に、情報処理装置100がCPU使用率の高い処理を行い、CPU負荷状態がオンになった場合を説明する。
【0052】
ステップS808では、表示タブ判定部304が前面タブを判定し、リソース消費要素判定部318がscript要素を利用している背面タブを判定する。リソース消費要素判定部318は、script要素を利用している背面タブが存在する場合(S808でYes)には、ステップS809に進み、script要素を利用している背面タブが存在しない場合(S808でNo)には、ステップS812に進む。
【0053】
ステップS809では、タイトル保存部306は、script要素を利用している背面タブのタイトルとURLの保存を行う。これにより、タイトル情報保持部305は、図4(d)から図4(e)の状態になる。
【0054】
ステップS810では、ブラウザ管理部303は、script要素を利用している背面タブに代替ページとしてabout:blankを読み込む。ブラウザ管理部303は、about:blankを読み込むことで、Webページで使用していたリソースを解放することができ、CPUの負荷を抑制できる。このとき、グラフィカルインタフェース204で表されるブラウザの状態は、図5(g)となる。
【0055】
ステップS811では、ブラウザ管理部303は、タイトル情報保持部305で保持しているタイトルを、script要素を利用している背面タブのタイトルとして上書きする。このとき、グラフィカルインタフェース204で表されるブラウザの状態は、図5(e)となる。
【0056】
ステップS812では、ブラウザ管理部303は、ブラウザを終了させる条件であるか否かの判定を行う。ブラウザ管理部303は、ブラウザを終了させる条件である場合(S812でYes)には、図8のフローチャートの処理を終了し、ブラウザを終了させる条件でない場合(S812でNo)には、ステップS802に戻る。
【0057】
第1および第2の実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、限定されない。第1の実施形態の場合、リソース使用量に関係なく、背面タブに代替ページを読み込むため、リソースに余裕がある場合において、利用性が低下する場合がある。このため、第2の実施形態では、リソースに余裕がない場合のみ、背面タブに代替ページを読み込むことで、利用性の低下を回避している。また、余裕のないリソースの種類に応じて代替ページを読み込む背面タブを変化させることにより、利用性の低下を最小限にとどめている。
【0058】
また、第1および第2の実施形態では、保持しておくタブの情報として、タイトルとURLの二つのみを保持する。これにより、背面タブの回復に必要なリソースの削減を実現している。
【0059】
また、第1および第2の実施形態では、背面タブに代替ページを読み込む。背面タブのタイトルも代替ページのものに上書きされてしまうが、その後、ブラウザ管理部303が、タイトル情報保持部305で保持していたタイトルで上書きを行うことにより、背面タブのタイトルを回復することができ、ユーザの利用性低下を防ぐことができる。
【0060】
また、第1および第2の実施形態において、代替ページは、空ページであるabout:blankでもよいし、リソース解放の効果を期待できるリソース使用量が少ないページでもよい。また、代替ページを読み込んでリソースを解放することにより、ブラウザエンジンにOSS等の改変可能なソースコードを利用する場合でも、メモリ空間を特定する改変を行う必要がなくなるため、開発コストを削減できる。
【0061】
また、第1および第2の実施形態において、タイトル保存部306、背面タブのファビコン情報を保存してもよい。これにより、ユーザは、さらにタブを視覚的に判別しやすくなるため、利用性向上が期待できる。
【0062】
また、第1および第2の実施形態において、ブラウザ管理部303は、タブに表示可能なタイトル文字数を管理する。タイトル保存部306は、タブに表示可能な文字数以下でタイトルを保存する。これにより、タイトルの保持文字数を削減できる場合があり、リソースの削減が期待できる。
【0063】
また、第1および第2の実施形態において、ブラウザ管理部303は、背面タブに代替ページを読み込む場合に、ポップアップの警告を表示することで、図5(h)のような警告をユーザに知らせてもよい。これにより、ユーザの利用性向上が期待できる。図5(h)は、グラフィカルインタフェース204で表されるブラウザが図5(e)の状態で“title2”のタブを選択したときに表示される警告の例である。
【0064】
また、第2の実施形態において、リソース負荷状態がオンの場合に前面タブを変化させようとした場合、グラフィカルインタフェース204がポップアップを表示することで、図5(i)のような警告をユーザに知らせてもよい。これにより、ユーザの利用性向上が期待できる。図5(i)は、第2の実施形態において、メモリ負荷状態がオンの場合に、グラフィカルインタフェース204で表されるブラウザが図5(e)の状態で“title2”のタブを選択したときに表示される警告の例である。ブラウザ管理部303は、img要素を利用している背面タブを前面タブに変化させようとすると、警告を表示する。同様に、ブラウザ管理部303は、script要素を利用している背面タブを前面タブに変化させようとすると、警告を表示する。
【0065】
また、第1および第2の実施形態において、ブラウザ管理部303は、Webページの画面のスクリーンショットを保持してもよい。代替ページを表示しているタブが、URLを参照しWebページを表示するまでの間に、ブラウザ管理部303は、保持しておいたスクリーンショットを表示させることで、ユーザが過去に表示していたWebページの内容を参照でき、利用性向上が期待できる。また、ブラウザ管理部303は、スクリーンショットの画像を低画質で保持することにより、リソース消費を抑えることができる。
【0066】
なお、上述した各処理部のうち、表示タブ判定部304、リソース使用状況判定部317およびリソース消費要素判定部318等 については、その代わりとして、機械学習された学習済みモデルを代わりに用いて処理しても良い。その場合には、例えば、その処理部への入力データと出力データとの組合せを学習データとして複数個準備し、それらから機械学習によって知識を獲得し、獲得した知識に基づいて入力データに対する出力データを結果として出力する学習済みモデルを生成する。学習済みモデルは、例えばニューラルネットワークモデルで構成可能である。そして、その学習済みモデルは、前記処理部と同等の処理をするためのプログラムとして、CPUあるいはGPUなどと協働で動作することにより、前記処理部の処理を行う。なお、上記学習済みモデルは、必要に応じて一定の処理後に更新しても良い。
【0067】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0068】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0069】
301 通信部、302 解析部、303 ブラウザ管理部、304 表示タブ判定部、305 タイトル情報保持部、306 タイトル保存部
図1
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