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特許7401253液体または半液体食品の製造のための機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】液体または半液体食品の製造のための機械
(51)【国際特許分類】
   A23G 9/22 20060101AFI20231212BHJP
   F25C 1/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
A23G9/22
F25C1/00 Z
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019187346
(22)【出願日】2019-10-11
(65)【公開番号】P2020065544
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】102018000009648
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518089540
【氏名又は名称】エイエルアイ グループ ソチエタ ア レスポンサビリタ リミタータ カルピジャーニ
【氏名又は名称原語表記】ALI GROUP S.r.l.CARPIGIANI
【住所又は居所原語表記】Via Gobetti 2/A,20063 CERNUSCO SUL NAVIGLIO (MILANO),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア コッキ
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ラッザリーニ
【審査官】川崎 良平
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02279669(EP,A2)
【文献】中国特許出願公開第101444247(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0102128(US,A1)
【文献】特開2008-178409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G 1/00- 9/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイスクリーム製品を製造するための処理チャンバ(15)を備えた、液体または半液体食品を製造するための機械(1)であって、
前記チャンバ(15)へのアクセスを提供する開口部(16)を画定するフレーム(10)と、
前記チャンバ(15)内に取り付けられた撹拌機(17)と、
前記チャンバ(15)を冷却するために前記チャンバ(15)と熱交換するために前記チャンバ(15)に関連付けられた少なくとも1つの熱交換器を備えた冷却システムと、
前記フレーム(10)に接続され、前記開口部(16)を少なくとも部分的に閉塞する閉鎖構成と、前記開口部(16)を介して前記チャンバ(15)へのアクセスを可能にする開放構成との間で移動可能な閉鎖手段(20)であって、前記フレーム(10)にヒンジで連結された少なくとも1つのドア(21;22; 23)を含む閉鎖手段(20)と、
前記閉鎖手段(20)を前記閉鎖構成に保つために前記閉鎖手段(20)に作用する保持手段(30)と、を備え、
前記保持手段(30)は、前記少なくとも1つのドア(21; 22; 23)および前記フレーム(10)の一方に接続された回転要素(31)と、前記少なくとも1つのドア(21;22; 23)および前記フレーム(10)の他方に関連する止め具(35)とを備え、前記回転要素(31)は、前記止め具(35)と係合して前記少なくとも1つのドア(21;22; 23)の開動作を停止する保持構成と、前記止め具(35)との係合を解除して前記少なくとも1つのドア(21;22; 23)の前記開動作を許容する非係合構成との間で、対応するそれぞれの回転軸(R)の周りに回転可能に移動可能であり、
前記保持手段(30)は、前記保持構成から前記非係合構成へ、および前記非係合構成から前記保持構成へ移行するために回転される前記回転要素(31)を必要とし、
前記保持構成と前記非係合構成との間で前記回転要素を回転させることにより、前記閉鎖構成と、前記少なくとも1つのドア(21;22; 23)が前記開口部(16)を介して前記チャンバ(15)へのアクセスを制限する半開構成との間で前記ドア(21;22; 23)の拘束運動が引き起こされる、機械(1)。
【請求項2】
前記回転要素(31)は、前記回転軸(R)の周りに螺旋円筒状に延び、前記止め具(35)と係合して前記開放構成に向かう前記少なくとも1つのドア(21;22; 23)の移動を制限するように構成された山部(32)を有する、請求項1に記載の機械(1)。
【請求項3】
前記回転要素(31)は、前記山部(32)の連続する巻き部によって規定される螺旋円筒ガイド(33)を有し、前記螺旋円筒ガイド(33)は、前記止め具(35)を受け入れて、前記保持構成と前記非係合構成の間の前記回転要素(31)の回転に応じて、前記止め具(35)と共に、前記閉鎖構成と前記半開構成の間で前記少なくとも1つのドア(21;22; 23)の位置を調整するように構成されたカムを画定するように構成される、請求項2に記載の機械(1)。
【請求項4】
前記回転要素(31)は、前記ガイド(33)に隣接し、前記回転要素(31)が前記非係合構成にある場合に前記止め具(35)と前記ガイド(33)との係合を互いに解除できるように構成および/または配置される係合解除部分(33a)を規定し前記止め具(35)は、前記半開構成と前記開放構成の間で前記少なくとも1つのドア(21;22; 23)の移動中に前記係合解除部分(33a)に係合する、請求項に記載の機械(1)。
【請求項5】
連続する巻き間で測定された前記螺旋円筒の山部(32)のピッチは、30mmと10mmの間である、請求項からいずれか一項に記載の機械(1)。
【請求項6】
前記回転要素(31)が、前記回転軸(R)に沿って配置されたグリップ部分(34)を有し、前記回転要素(31)が手動で操作されることを可能にする、請求項からいずれか一項に記載の機械(1)。
【請求項7】
前記回転要素(31)は、前記回転軸(R)に沿って延び、前記山部(32)および前記グリップ部分(34)が設けられた本体を備える、請求項に記載の機械(1)。
【請求項8】
前記本体は一体として作られている、請求項7に記載の機械(1)。
【請求項9】
前記本体は、前記フレーム(10)にヒンジで連結され、前記止め具(35)は、前記少なくとも1つのドア(21;22; 23)に設けられる、請求項7または8に記載の機械(1)。
【請求項10】
前記閉鎖手段(20)が、前記開口部(16)に関連した内側ドア(22)であって、当該内側ドア(22)が閉鎖位置にある場合に前記チャンバ(15)への部分的なアクセスを可能にするように構成されたさらなる開口部を備えた内側ドア(22)と、前記内側ドア(22)に当接して配置され、前記さらなる開口部の前に配置される閉鎖構成と、前記さらなる開口部を少なくとも部分的に外側に露出させる開放構成との間で移動可能である外側ドア(23)とを備え、前記回転要素(31)と止め具(35)は、前記外側ドア(23)と前記内側ドア(22)の両方を前記閉鎖構成に保つために前記外側ドア(23)に作用する、請求項1から9のいずれか一項に記載の機械(1)。
【請求項11】
前記閉鎖手段(20)は、前記開口部(16)に関連した内側ドア(22)であって、当該内側ドア(22)が閉鎖位置にある場合に前記チャンバ(15)への部分的なアクセスを可能にするように構成されたさらなる開口部を備えた内側ドア(22)と、前記内側ドア(22)に当接して配置され、前記さらなる開口部の前に配置される閉鎖構成と、前記さらなる開口部を少なくとも部分的に露出させる開放構成との間で移動可能である外側ドア(23)とを備え、前記回転要素(31)と前記止め具(35)は、前記内側ドア(22)を前記閉鎖構成に保つために前記内側ドア(22)にのみ作用する、請求項1から9のいずれか一項に記載の機械(1)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
従来技術で知られているアイスクリーム製造機は、容器、当該容器の内部に取り付けられてその内容物を撹拌する撹拌機、および撹拌機によって撹拌されている間に容器の内容物を冷却するための冷却システムを備える。
【0002】
撹拌機は、典型的には、特定のインタフェースを介して操作者が制御可能な電動回転機構を備える。
【0003】
その高い回転速度と結果として生じる慣性モーメントのために、回転機構はスイッチを切ると徐々に減速し、通常は完全に停止するまで数秒かかる。
【0004】
従来技術の機械には、容器内部の空間および撹拌機へのアクセスを可能にするドアも備えられている。
【0005】
撹拌機が動作している間、ドアは閉じられて内部空間を密閉しており、例えば、メンテナンスやクリーニングの目的で内部空間にアクセスできるのは、撹拌機が動作していない場合のみである。
【0006】
上述の従来技術の機械では、撹拌機が完全に停止する前に、操作者がドアを開くことが理論的には可能である。
【0007】
しかし、このリスクは現在の機械のユーザマニュアルによって効果的に回避されるが、この方法で事故が発生する可能性は最小限に抑えられるものの、ますます厳しくなる安全基準と規制により、撹拌機が完全に停止する前に内部空間へのアクセスを得る可能性を制限するデバイスを提供する必要が生じている。
【0008】
さらに、不利なことに、撹拌機が完全に停止する前にドアを開くと、撹拌機がまだ動いているため、内部空間の内容物が外部に飛び散る可能性がある。
【発明の概要】
【0009】
これに関連して、本発明の基礎を形成する技術的目的は、従来技術の上述の欠点の少なくともいくつかを克服する、液体または半液体食品を製造するための機械を提案することである。
【0010】
より具体的には、本発明は、従来技術の機械によって保証される安全レベルを改善することができる、液体または半液体食品を製造するための機械を提供することを目的とする。
【0011】
本発明の別の目的は、製品が飛び散ることを防止する、液体または半液体食品を製造するための機械を提案することである。
【0012】
示された技術的目的と特定された目的は、添付の特許請求の範囲の請求項の1つ以上に記載された技術的特徴を含む、液体または半液体食品を製造するための機械によって実質的に達成される。従属請求項は、本発明の可能な実施形態に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明のさらなる特徴および利点は、液体または半液体食品を製造するための機械の好ましい非限定的な実施形態を参照して、以下の詳細な説明においてより明らかになる。
【0014】
説明は、本発明の範囲を制限することなく、例示の目的のためにのみ提供される添付の図面を参照して以下に示される。
図1】液体または半液体食品を製造するための本発明による機械の斜視図である。
図2】本発明の代替実施形態における液体または半液体食品を製造するための機械の斜視図である。
図3】本発明の代替実施形態における液体または半液体食品を製造するための機械の斜視図である。
図4図1の機械の詳細の正面図を示す。
図5】異なる動作構成における図1の機械の詳細の正面図を示す。
図6図1の機械の詳細の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照すると、液体または半液体食品、具体的にはアイスクリームを製造するための本発明による機械が添付の図面に示されており、参照番号1により一般的に示されている。
【0016】
便宜上、この機械は以下では単に「機械1」と呼ばれる。
【0017】
機械1は、その本体および各内部空間を画定するフレーム10を備える。
【0018】
フレーム10は、アイスクリーム製品を製造するように構成された、好ましくは円筒形の処理チャンバ15と、それへのアクセスを許容する開口部16とを画定する。
【0019】
チャンバ15の内部に、機械1は、好ましくは、チャンバ15自体の延長軸の周りを回転する複数のブレードを備えた撹拌機17を備える。
【0020】
機械1は、少なくとも冷却システムも備え、冷却システムは、その最も簡単な形態では、少なくとも、チャンバ15に関連する第1の熱交換器と、第2の熱交換器と、それらの間で動作する圧縮機と、(蒸気圧縮サイクルを実施するよう適合された)冷凍サイクルを実行してチャンバ15を冷却する減圧要素とを備える。
【0021】
機械1はまた、開口部16でフレーム10に接続され、図1から図4に示される閉鎖構成と図5に示される開放構成との間で移動可能な閉鎖手段20を備える。
【0022】
閉鎖構成では、閉鎖手段20は、開口部16を少なくとも部分的に閉塞して、チャンバ15へのアクセスを防止する。
【0023】
言い換えれば、閉鎖構成では、閉鎖手段20により、液状、粒状、または粉末状の物質をチャンバ15に入れることができ、および/または最終製品をチャンバから取り出すことができ、同時に操作者が物理的にチャンバ15にアクセスするのを防ぐことができる。
【0024】
開放構成では、閉鎖手段20により、操作者は、開口部16を介してチャンバ15にアクセスして、クリーニングおよび/またはメンテナンス作業を行い、および/または製品を取り出すことができる。
【0025】
図3に示される少なくとも第1の実施形態では、閉鎖手段20は、フレーム10にヒンジで連結され、閉鎖構成と開放構成との間で対応するヒンジの周りを移動可能な単一ドア21を備える。
【0026】
図1、2、4および5に示される第2の実施形態では、閉鎖手段20は、フレーム10に接続され、閉鎖構成と開放構成との間で移動可能な内側ドア22を備える。
【0027】
より正確には、内側ドア22はフレーム10にヒンジで連結される。
【0028】
内側ドア22には、開口部16よりもサイズが小さく、チャンバ15への部分的なアクセスを可能にするように構成された1つ以上のさらなる開口部が設けられ、内側ドア22が閉鎖位置にある場合に、例えば、物質が内部に入れられ、および/または製品が取り出されることを許容する。
【0029】
1つ以上のさらなる開口部はそれぞれ、好ましくは、1つ以上のさらなる開口部を少なくとも部分的に閉塞するように適合されたさらなる閉鎖カバーを備えることに留意されたい。
【0030】
第2の実施形態では、閉鎖手段20は、フレーム10にヒンジで連結された外側ドア23も備える。内側ドア22が閉鎖構成にある場合に、外側ドア23は、図1図2および図4に示される閉鎖構成と開放構成との間で、内側ドア22とは独立して対応するヒンジを中心に移動可能である。
【0031】
閉鎖構成では、外側ドア23は内側ドア22に当接して内側ドア22が開く可能性を制限し、さらなる開口部の少なくとも1つの前に位置してそこへのアクセスを制限または防止する。
【0032】
開放構成では、外側ドア23はさらなる開口部を少なくとも部分的に露出して、例えば、操作者がそれをクリーニングすることを許容する。
【0033】
本発明による機械1は、閉鎖手段20に作用してそれらを閉鎖構成に保つ保持手段30を備える。
【0034】
有利には、保持手段30は、その回転軸「R」の周りで回転可能であり、機械1のドアの少なくとも1つに関連付けられた回転要素31を備える。
【0035】
より具体的には、第1の実施形態では、回転要素31は単一ドア21に関連付けられ、第2の実施形態は、回転要素31が外側ドア23に関連付けられる、図1、3および4に示される第1の変形例と、回転要素31が内側ドア22に関連付けられる、図2に示される第2の変形例とを有する。
【0036】
説明を簡単にするために、回転要素31に関連するドアはドア21と呼ばれ、それに関して述べられることは、第2の実施形態の内側ドア22または外側ドア23に類推によって適用できる。
【0037】
好ましくは、回転要素31は、ドア21に近接してフレーム10に接続される。図示されていない代替実施形態では、回転要素31は、ドア21に取り付けられる。
【0038】
好ましい実施形態では、回転要素31は、回転軸「R」の周りを巻く円筒螺旋の形態の山部32を有し、好ましくは25mmと5mmの間、さらにより好ましくは、20mmおよび5mmの間の巻き部間のピッチを持つ。
【0039】
さらなる変形例では、回転要素31は、回転軸「R」の周りを巻く円筒螺旋の形態の山部32を有し、好ましくは15mmと5mmの間の巻き部間のピッチを持つ。
【0040】
また、回転要素31は、ねじ状構造を形成するために山部32の連続する巻き部によって画定される円筒螺旋ガイド33を有する。
【0041】
好ましくは、回転要素31は、回転軸「R」に沿って配置されたグリップ部34を有し、回転軸「R」周りに回転させることにより回転要素31を手動で操作できるようにする。
【0042】
図示の実施形態では、回転要素31は、回転軸「R」に沿って延在し、山部32およびグリップ部34が設けられた、好ましくは一体として作られた本体を備える。
【0043】
より具体的には、本体は電球(bulb)形状であり、グリップ部34は、その一端に作られ、回転軸「R」の周りに角度的に等間隔に配置された3つの凹部によって画定される。
【0044】
保持手段30はまた、回転要素31に関連する止め具35を備える。
【0045】
特に、回転要素31がフレーム10に接続される実施形態では、止め具35はドア21に取り付けられ、一方、回転要素31がドア21に取り付けられる図示されない実施形態では、止め具35は構造的にフレーム10に接続される。
【0046】
回転要素31は、図1から図4に示す保持構成と図5に示す非係合構成との間で回転軸「R」の周りを回転可能に移動可能である。
【0047】
保持構成では、回転要素31は止め具35と係合してドア21を閉鎖構成にロックし、非係合構成では、回転要素31は止め具35を解除してドア21が開放構成に自由に移動できるようにする。
【0048】
第2の実施形態の第2の変形例では、保持構成の回転要素31は、内側ドア22が開くことも防止するように、外側ドア23を閉鎖構成にロックして内側ドア22に当接するように構成される。
【0049】
より具体的には、非係合構成では、回転要素31により、ドア21がヒンジを中心に自由に回転することができる。
【0050】
好ましくは、保持手段30は、少なくとも半回転だけ回転して保持構成から非係合構成に移行する回転要素31を必要とする。
【0051】
より好ましくは、保持手段30は、保持構成から非係合構成に移行するために少なくとも1回完全に回転する回転要素31を必要とする。
【0052】
より好ましくは、保持手段30は、保持構成から非係合構成に移行するために少なくとも2回完全に回転する回転要素31を必要とする。
【0053】
好ましい実施形態では、回転は、回転要素31の2から4回転の間、好ましくは約3回転である。
【0054】
好ましくは、回転要素31を保持構成から非係合構成にするために必要な回転数だけ回転要素31を手動で回転させるのに要する時間の長さは、撹拌機17がスイッチオフされた後に完全に停止するまでに要する時間の長さよりも長い。
【0055】
より具体的には、山部32は、保持構成と非係合構成との間の回転要素31の全回転中に、ドア21の開放構成への移動を制限するために止め具35と係合するように構成される。
【0056】
換言すれば、回転要素31が保持構成と非係合構成との間の位置に回転される場合に、山部32は、ドア21がヒンジを中心に自由に回転することを防止する。
【0057】
好ましくは、回転要素31を保持構成と非係合構成との間で回転させると、対応する拘束運動が生じ、それによりドア21が閉鎖構成と半開構成との間を移行する。
【0058】
半開構成では、機械1の操作者がチャンバ15への制限されたアクセスを有し、開口部16が液体、粉末または顆粒の通過のために十分な大きさの隙間を残すように、ドア21がフレーム10近くに実質的に引き寄せられる。
【0059】
さらに、ガイド33は、止め具35を受け入れるように構成されて止め具35と共にカムを規定し、当該カムは、保持構成と非係合構成の間で回転要素31によって実行される回転の回数に応じて、閉鎖構成と半開構成との間でドア21の位置を一意に調整することができる。
【0060】
より具体的には、ガイド33は、止め具35が保持構成と非係合構成との間の中間位置で回転要素31に係合する場合に、回転要素31の回転とは無関係にドア21が移動することを防ぐように構成される。
【0061】
代替実施形態では、止め具35には、同様のカムを形成するために回転要素31の山部32に接続可能なフォークが設けられている。
【0062】
好ましくは、回転要素31は、ガイド33に隣接し、回転要素31が非係合構成に配置された場合に止め具35とガイド33との係合を解除できるように構成および配置される係合解除部分33aを画定する。
【0063】
より詳細には、好ましい実施形態では、係合解除部分33aは、回転要素31の材料の溝または欠如によって画定され、非係合構成においてガイド33内に止め具35の位置に隣接するように配置される。
【0064】
回転要素31がフレーム10に取り付けられる(図示の)実施形態では、係合解除部分33aは、フレーム10から最も遠いガイド33の端部に配置される。
【0065】
回転要素31がドア21に取り付けられる実施形態(図示せず)では、係合解除部分33aは、ドア21に最も近いガイド33の端部に配置される。
【0066】
止め具35および係合解除部分33aは、ドア21の半開構成と開放構成との間の移動中に、止め具35が係合解除部分33aに係合するような形状である。
【0067】
係合解除部分33aは、回転要素31の回転とは無関係に、止め具35、したがってドア21がフレーム10から離れるように移動することを可能にする。また、止め具35がガイド33を離れ、回転要素31を解放することを可能にする。
【0068】
同様に、ドア21が閉じられると、係合解除部分33aにより、止め具35が回転要素31、特にガイド33に再び係合することが可能になる。
【0069】
本発明は、従来技術の欠点を克服することにより、設定された目的を達成する。
【0070】
有利には、回転要素および止め具の構成により、ドアが開くまでにかかる時間が十分な長さになることが保証され、操作者が処理チャンバへのアクセスを得ることができる前に撹拌機を完全に停止させることができる。
【0071】
この側面は、回転要素が保持構成と非係合構成の間に位置する場合に、操作者が内部チャンバにアクセスすることを防ぐので、安全レベルを向上させる。
【0072】
さらに、閉鎖構成と半開構成との間のドアの動きは回転要素の回転に制約されるので、誤って回転要素を保持構成に適切に回転させないことによる不正確な閉鎖は不可能である。したがって、この状況では、ドアが適切に閉じられていない限り、操作者が生産プロセスを開始することはできない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6