(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 13/02 20060101AFI20231212BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G05B13/02 M
G05B23/02 Z
G05B23/02 G
(21)【出願番号】P 2019200039
(22)【出願日】2019-11-01
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000220675
【氏名又は名称】東京都下水道サービス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【氏名又は名称】荒 則彦
(72)【発明者】
【氏名】粕谷 誠
(72)【発明者】
【氏名】真下 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】北島 秀彦
(72)【発明者】
【氏名】今 修平
(72)【発明者】
【氏名】原品 竜馬
(72)【発明者】
【氏名】青山 俊治
(72)【発明者】
【氏名】金刺 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼倉 正佳
【審査官】牧 初
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/058508(WO,A1)
【文献】特開平11-259444(JP,A)
【文献】特開平03-015902(JP,A)
【文献】実開平07-029461(JP,U)
【文献】特開2003-216696(JP,A)
【文献】特開2002-244504(JP,A)
【文献】特開2019-016759(JP,A)
【文献】米国特許第5619619(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00-23/02
G05B 11/00-13/04
G06Q 50/04-50/06
G06N 3/0 -3/10
G06N 20/00-20/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントの制御に関する条件と前記プラントの制御に使用される情報とを示す複数の教師データに基づいて
複数の機械学習アルゴリズム
を用いて複数の学習済みモデル
をそれぞれ生成する学習済みモデル生成部と、
前記プラントの制御に関する最新の条件を示す条件情報と、
前記複数の学習済みモデルと、に基づいて、前記プラントを制御するための情報を示す
複数の制御情報を生成する制御情報生成部と、
前記複数の制御情報のうち、前記プラントを制御できることを示す制御情報を選択する制御情報選択部と、
前記選択された制御情報に基づいて動作したプラントから計測された計測情報と前記選択された制御情報とに基づいて、前記教師データの選択指示をユーザから受け付ける分析部と、
前記分析部からの情報を前記ユーザによって操作される携帯端末装置に送信するとともに、前記携帯端末装置からの情報を受信する通信部と、
を備え、
前記分析部は、前記複数の学習済みモデルを生成する過程において生成される中間層の特徴量を取得し、取得された前記中間層の前記特徴量を前記携帯端末装置に送信し、
前記携帯端末装置は、前記分析部から送信された前記中間層の前記特徴量を表示し、
前記学習済みモデル生成部は、前記選択指示によって選択された教師データに基づいて前記
複数の学習済みモデル
の少なくとも1つを生成する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記携帯端末装置は、前記中間層の前記特徴量を、2次元平面上にマッピング表示する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記通信部は、前記携帯端末装置からの要求に応じて、前記プラントの管理に関する作業の内容を複数の画像で示す作業情報を前記携帯端末装置に送信する、
請求項1
又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記通信部は、前記選択された制御情報を前記プラントに送信し、前記プラントから計測情報を取得する、
請求項
3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記分析部は、前記選択された制御情報と前記計測情報とに基づいて、前記選択された制御情報の予測精度を推定する、
請求項1から
4のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
第1制御部と第1通信部と記憶部とを有する情報処理装置と、
ユーザによって操作される携帯端末装置であり、第2制御部と第2通信部と表示部と入力部とを有する前記携帯端末装置と、
を備える情報処理システムであって、
前記第1制御部は、
プラントの制御に関する条件と前記プラントの制御に使用される情報とを示す複数の教師データに基づいて複数の機械学習アルゴリズムを用いて複数の学習済みモデルをそれぞれ生成する学習済みモデル生成ステップと、
前記プラントの制御に関する最新の条件を示す条件情報と、前記複数の学習済みモデルと、に基づいて、前記プラントを制御するための情報を示す複数の制御情報を生成する制御情報生成ステップと、
前記複数の制御情報のうち、前記プラントを制御できることを示す制御情報を選択する制御情報選択ステップと、
前記選択された制御情報に基づいて動作したプラントから計測された計測情報と前記選択された制御情報とに基づいて、前記教師データの選択指示をユーザから受け付ける分析ステップと、
前記教師データが示す情報の重要度であり、前記機械学習アルゴリズムにおける前記教師データの影響度合いを表す前記重要度を出力する重要度出力ステップと、
を有し、
前記複数の学習済みモデルは、第1の学習済みモデルと第2の学習済みモデルとを含み、
前記第2制御部は、前記第1の学習済みモデルに基づく前記重要度を示す第1情報と、前記第2の学習済みモデルに基づく前記重要度を示す第2情報と、を前記表示部に表示させる表示ステップを有し、
前記学習済みモデル生成ステップにおいて、前記選択指示によって選択された教師データに基づいて前記学習済みモデルの少なくとも1つを生成する、
情報処理システム。
【請求項7】
前記表示ステップは、前記第1情報と前記第2情報とを散布図又はグラフとして前記表示部に表示させる、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータが、
プラントの制御に関する条件と前記プラントの制御に使用される情報とを示す複数の教師データに基づいて
複数の機械学習アルゴリズム
を用いて複数の学習済みモデルを
それぞれ生成する学習済みモデル生成ステップと、
前記プラントの制御に関する最新の条件を示す条件情報と、
前記複数の学習済みモデルと、に基づいて、前記プラントを制御するための情報を示す
複数の制御情報を生成する制御情報生成ステップと、
前記複数の制御情報のうち、前記プラントを制御できることを示す制御情報を選択する制御情報選択ステップと、
前記選択された制御情報に基づいて動作したプラントから計測された計測情報と前記選択された制御情報とに基づいて、前記教師データの選択指示をユーザから受け付ける分析ステップと、
前記複数の学習済みモデルを生成する過程において生成される中間層の特徴量を、前記ユーザによって操作される携帯端末装置に表示させる表示ステップと、
を有し、
前記学習済みモデル生成ステップにおいて、
前記選択指示によって選択された教師データに基づいて前記学習済みモデルを生成する、
情報処理方法。
【請求項9】
前記表示ステップは、前記中間層の前記特徴量を、2次元平面上にマッピング表示する、
請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
請求項1から
7のいずれか一項に記載の情報処理システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラントが安定して稼働するには、プラントを適切に管理・運用することが求められる。プラントの安定した稼働は、長年の業務によって培われた経験や技術の暗黙知等のノウハウによって実現されていることが多い。しかしながら、プラントの管理・運用を継続するには、将来的に人員不足に陥ることが予測されている。このため、プラントの管理・運用する者は、経験や技術の暗黙知等のノウハウを別の者に継承していくことが難しいというリスクを有する。プラントでは、非特許文献1に記載されているように、現場の情報を一元的に集約処理して、効率的にプラントの監視と制御を行う監視システムが活用されている。このような、監視システムは、現場の情報に基づいて、プラントの監視と制御を効率的に行うことを目的としたシステムである。しかし、監視システムでは、経験や技術の暗黙知等のノウハウをワンストップ体制で実践的に継承したり、人材を育成したり、することは考慮されていないという問題があった。このため、日常のルーティン業務を通じて、ワンストップ体制で経験や技術の暗黙知等のノウハウを継承しながら、人材を育成することが求められている。
【0003】
また、プラントを効率的に管理・運用するためにAI(Artificial Intelligence)を活用したシステムが検討されている。しかしながら、従来のAIを活用したシステムは、センサやロボット等の装置を用いて新しくデータを収集したり、プラント毎にAIをカスタマイズしたり、することが必要となる。また、従来のAIを活用したシステムでは、AIに学習をさせるために既存のデータや過去に収集されたデータを活用することも検討されている。AIを活用したシステムは、少ない量のデータでは十分な精度を得ることができない。このため、AIを活用したシステムは、膨大な量のデータを新しく収集する必要がある。このため、AIを活用したシステムは、プラントを管理・運用できる精度になるまでには長い時間を要する。このため、既存データ、過去のデータ及び少ないデータをICT技術の活用によって、精度を高めつつ、カスタマイズすることなく使用できるAIを活用したシステムが求められている。また、システムは、精度向上に応じてCPS(Cyber Physical System)を実現することが求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】渡邉 晃、“民間委託時の自治体管理業務支援システムに関する研究”、[online]、[令和1年7月22日検索]、インターネット<URL:https://www.jiwet.or.jp/quarterly/n005/pdf/n005-006.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、経験や技術の暗黙知等のノウハウをワンストップ体制で実践的に継承することができ、少ないデータを用いてプラントを適切に管理・運用する情報処理システム、情報処理方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、プラントの制御に関する条件と前記プラントの制御に使用される情報とを示す複数の教師データに基づいて機械学習アルゴリズム毎に学習済みモデルを生成する学習済みモデル生成部と、前記プラントの制御に関する最新の条件を示す条件情報と、複数の前記学習済みモデルと、に基づいて、前記プラントを制御するための情報を示す制御情報を前記学習済みモデル毎に生成する制御情報生成部と、複数の前記制御情報のうち、前記プラントを制御できることを示す制御情報を選択する制御情報選択部と、選択された制御情報に基づいて動作したプラントから計測された計測情報と前記選択された制御情報とに基づいて、前記教師データの選択指示をユーザから受け付ける分析部と、を備え、前記学習済みモデル生成部は、選択指示によって選択された教師データに基づいて前記学習済みモデルを生成する、情報処理システムである。
【0007】
本発明の一態様は、上記の情報処理システムであって、プラントの管理に関する作業を行うユーザによって操作される携帯端末装置が生成した前記教師データを前記携帯端末装置から受信する通信部と、をさらに備え、前記通信部は、前記携帯端末装置からの要求に応じて、前記プラントの管理に関する作業の内容を複数の画像で示す作業情報を前記携帯端末装置に送信する。
【0008】
本発明の一態様は、上記の情報処理システムであって、前記通信部は、前記選択された制御情報を前記プラントに送信し、前記プラントから計測情報を取得する。
【0009】
本発明の一態様は、上記の情報処理システムであって、前記分析部は、前記選択された制御情報と前記計測情報とに基づいて、前記選択された制御情報の予測精度を推定する。
【0010】
本発明の一態様は、コンピュータが、プラントの制御に関する条件と前記プラントの制御に使用される情報とを示す複数の教師データに基づいて機械学習アルゴリズム毎に学習済みモデルを生成する学習済みモデル生成ステップと、前記プラントの制御に関する最新の条件を示す条件情報と、複数の前記学習済みモデルと、に基づいて、前記プラントを制御するための情報を示す制御情報を前記学習済みモデル毎に生成する制御情報生成ステップと、複数の前記制御情報のうち、前記プラントを制御できることを示す制御情報を選択する制御情報選択ステップと、選択された制御情報に基づいて動作したプラントから計測された計測情報と前記選択された制御情報とに基づいて、前記教師データの選択指示をユーザから受け付ける分析ステップと、を有し、前記学習済みモデル生成ステップにおいて、選択指示によって選択された教師データに基づいて前記学習済みモデルを生成する、情報処理方法である。
【0011】
本発明の一態様は、上記の情報処理システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、経験や技術の暗黙知等のノウハウをワンストップ体制で実践的に継承することができ、少ないデータを用いてプラントを適切に管理・運用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態の情報処理システム1のシステム構成を示すシステム構成図である。
【
図2】実施形態の情報処理装置100の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】実施形態の携帯端末装置200の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】実施形態の端末装置300の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】実施形態の制御情報と計測情報との一致度の一具体例を示す図である。
【
図6】実施形態の制御情報と計測情報とを比較した情報の一具体例を示す図である。
【
図7】実施形態の学習済みモデルの中間層の特徴量の一具体例を示す図である。
【
図8】実施形態の作業情報に関する画面の一具体例を示す図である。
【
図9】実施形態の制御情報の生成の処理の流れの一具体例を示す図である。
【
図10】実施形態の計測情報の分析の処理の流れの一具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、実施形態の情報処理システム1のシステム構成を示すシステム構成図である。情報処理システム1は、情報処理装置100、携帯端末装置200及び端末装置300を備える。情報処理システム1では、制御情報が生成される。制御情報は、プラント400を制御するための情報を示す。例えば、プラント400が、例えば下水道処理に関するプラントである場合、制御情報は次亜塩注入率を示してもよいし、残留塩素濃度を示してもよい。プラント400が、例えば製鉄に関するプラントである場合、制御情報は原料の配合を示してもよいし、燃焼パターンを示してもよい。なお、制御情報が示す情報は上記に限定されない。制御情報は、プラント400の種類に応じて異なる情報を示してもよい。情報処理システム1は、制御情報に基づいてプラント400を制御してもよい。また、情報処理システム1のユーザが、制御情報に基づいてプラント400を制御してもよい。本実施形態ではプラント400は下水道処理に関する施設であるとして説明する。なお、プラント400は、第1プラント及び第2プラントのように、複数のプラントで構成されていてもよい。
【0015】
情報処理装置100、携帯端末装置200、端末装置300及びプラント400は、いずれもネットワーク500を介して通信可能に構成されてもよい。ネットワーク500は、例えばWAN(Wide Area Network)又はインターネット等の広域通信網であってもよい。ネットワーク500は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク500は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。ネットワーク500は、VPN(Virtual Private Network)等の閉域通信網であってもよい。なお、ネットワーク500は、各装置の通信を実現するためのネットワークの具体例にすぎず、各装置の通信を実現するためのネットワークとして他の構成が採用されてもよい。例えば、特定の装置間の通信が他の装置間の通信に用いられるネットワークとは異なるネットワークを用いて実現されてもよい。具体的には、情報処理装置100とプラント400との間の通信は、情報処理装置100、携帯端末装置200及び端末装置300の各装置間の通信とは異なるネットワークで実現されてもよい。
【0016】
図2は、実施形態の情報処理装置100の機能構成を示す機能ブロック図である。情報処理装置100は、パーソナルコンピュータ又はサーバ等の情報処理装置を用いて構成される。情報処理装置100は、制御情報を生成するための機能(以下「制御情報生成処理」という。)が実装されている。制御情報生成処理の機能は、ハードウェアによって情報処理装置100に実装されてもよいし、ソフトウェアのインストールによって実装されてもよい。情報処理装置100は、通信部101、教師データ記憶部102、学習済みモデル記憶部103、作業情報記憶部104、計測情報記憶部105及び制御部106を備えてもよい。
【0017】
通信部101は、ネットワークインタフェース等の通信装置であってもよい。通信部101は所定のプロトコルでネットワーク500に通信可能に接続されてもよい。通信部101は、制御部106の制御に応じてネットワーク500を介して、他の装置との間でデータ通信してもよい。
【0018】
教師データ記憶部102は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成されてもよい。教師データ記憶部102は、携帯端末装置200から受信した教師データを記憶してもよい。教師データは、機械学習アルゴリズムにおける例題及び答えに関するデータであってもよい。また、教師データ記憶部102は、過去の情報とデータとに基づいて生成された情報を予め教師データとして記憶していてもよい。教師データ記憶部102は、日々の業務で生成された情報やデータを教師データとして蓄積していくように構成されてもよい。教師データは、学習済みモデルの生成に使用されてもよい。教師データは、学習済みモデルによって出力される制御情報と同じ内容を示す所定の情報と、所定の情報に関係する情報と、を対応付けされてもよい。所定の情報は、例えば、次亜塩注入率や残留塩素濃度等のプラント400の制御に用いられた情報であってもよい。所定の情報は、教師データの答えに関するデータに相当する情報であってもよい。所定の情報に関係する情報とは、プラント400を制御するための条件に関する情報(以下、「条件情報」という。)であってもよい。所定の情報に関係する情報は、教師データの例題に関するデータに相当する情報であってもよい。条件情報は、プラント400を正常に制御するために考慮される条件を示してもよい。条件情報とは、所定の情報がプラント400の制御に用いられた際の、プラント400に設けられた計器の数値であってもよい。計器の数値とは、例えば、残留塩素濃度、戻り水流量、戻り水の残塩量、配水量、次亜塩残量、アンモニア量等の含有物の量等のプラント400に設けられた計器によって計測される数値であればどのような数値であってもよい。また、条件情報とは、気象の状態であってもよい。気象の状態とは、例えば、天気、湿度、気温、昼夜、季節又は降水量であってもよい。条件情報は、プラント400の種類及び制御の内容に応じて異なってもよい。教師データは、プラント400の種類に応じて異なるデータを示してもよい。教師データ記憶部102は、複数の教師データを記憶するように構成されてもよい。
【0019】
学習済みモデル記憶部103は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成されてもよい。学習済みモデル記憶部103は、教師データに基づいて生成された学習済みモデルを記憶してもよい。学習済みモデルは、学習済みの機械学習のモデルであってもよい。学習済みモデルは、機械学習のアルゴリズム毎に生成されてもよい。学習済みモデルは、制御情報を生成するために使用されてもよい。学習済みモデル記憶部103は、複数の学習済みモデルを記憶してもよい。
【0020】
作業情報記憶部104は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成されてもよい。作業情報記憶部104は、作業情報を記憶してもよい。作業情報記憶部104は、複数の作業情報を予め記憶していてもよい。作業情報は、プラント400の管理に関する作業の内容を示してもよい。作業情報は、プラント400内で作業を行う者に作業のやり方を示す情報であってもよい。作業情報は、例えば作業の内容を複数の画像で示してもよい。作業情報は、作業情報毎に異なる作業の内容を示してもよい。
【0021】
計測情報記憶部105は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。計測情報記憶部105は、複数の計測情報を記憶する。計測情報記憶部105は、複数の制御情報を記憶してもよい。計測情報記憶部105に記憶される制御情報は、過去に制御情報生成部164によって生成された制御情報であってもよい。計測情報は、制御情報に基づいて動作したプラント400から計測される情報である。計測情報は、制御情報と同じ内容を示してもよい。計測情報記憶部105は、同日に生成された制御情報と取得された計測情報とを対応付けて記憶してもよい。
【0022】
制御部106は、情報処理装置100の各部の動作を制御する。制御部106は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ及びRAM(Random Access Memory)を用いて構成される。制御部106は、プロセッサが特定のプログラムを実行することによって、通信制御部161、教師データ取得部162、学習済みモデル生成部163、制御情報生成部164、制御情報選択部165及び分析部166として機能する。
【0023】
通信制御部161は、所定の通信プログラムを実行することによって、他の装置と通信してもよい。例えば、通信制御部161は、携帯端末装置200から教師データを受信してもよい。通信制御部161は、受信した教師データを教師データ記憶部102に記録してもよい。また、通信制御部161は、携帯端末装置200からの要求に応じて作業情報を携帯端末装置200に送信してもよい。この場合、通信制御部161は、要求が示す作業情報を作業情報記憶部104から取得してもよい。通信制御部161は、取得した作業情報を携帯端末装置200に送信してもよい。また、通信制御部161は、選択指示を端末装置300から受信してもよい。選択指示は、学習済みモデルの生成に用いられた教師データのうち、ユーザによって選択された教師データを示してもよい。また、通信制御部161は、プラント400に制御情報を送信してもよい。この場合、プラント400は、制御情報が示す情報に基づいて動作してもよい。
【0024】
教師データ取得部162は、学習済みモデルの生成に用いられる教師データを取得してもよい。教師データ取得部162は、学習済みモデルの生成に関する所定の条件(以下「モデル生成条件」という。)を満たす教師データを教師データ記憶部102から取得してもよい。モデル生成条件について説明する。モデル生成条件とは、教師データ記憶部102に記憶された教師データのうち、機械学習に用いられる教師データを教師データ取得部162が判別するための条件であってもよい。モデル生成条件には、教師データをクラスタリングする手法が用いられてもよい。クラスタリング手法は、公知の手法が用いられてもよい。例えば、教師データ取得部162は、教師データを日時に基づいてクラスタリングしてもよい。日時とは、例えば教師データ記憶部102に教師データが記憶された日時であってもよい。教師データ取得部162は、クラスタリングされた教師データのうち、特定の日時でクラスタリングされた教師データを機械学習の対象として選択してもよい。なお、モデル生成条件は、日時に限定されない。例えば、教師データ取得部162は、モデル生成条件として、天気、水温又は含有物等の教師データが示す情報であればどのような情報に基づいて教師データをクラスタリングしてもよい。モデル生成条件は、機械学習のアルゴリズムに応じて異なっていてもよい。この場合、教師データ取得部162は、機械学習のアルゴリズム毎に教師データを選択してもよい。また、モデル生成条件は、端末装置300から受け付けた選択指示によって指定された教師データであることを条件の1つとしてもよい。
【0025】
学習済みモデル生成部163は、教師データに基づいて学習済みモデルを生成する。学習済みモデル生成部163は、複数の機械学習アルゴリズムを記憶する。学習済みモデル生成部163は、記憶された機械学習アルゴリズム毎に、学習済みモデルを生成する。学習済みモデル生成部163は、生成された学習済みモデルを学習済みモデル記憶部103に記録してもよい。機械学習アルゴリズムは、例えば、SGD(Stochastic Gradient Descent)、ランダムフォレスト、線形回帰、決定木又はCNN(Convolutional Neural Network)等の公知の機械学習アルゴリズムであればどのようなアルゴリズムであってもよい。
【0026】
制御情報生成部164は、学習済みモデルと最新の条件情報とに基づいて制御情報を生成する。最新の条件情報とは、最後に取得された条件情報である。制御情報生成部164は、条件情報を学習済みモデルに入力することで制御情報を生成する。制御情報生成部164は、学習済みモデル毎に制御情報を生成する。すなわち、制御情報生成部164は、複数の制御情報を生成する。なお、制御情報生成部164は、制御情報の生成にあたって、条件情報をネットワーク500を介して外部の装置から取得してもよい。外部の装置とは、例えば端末装置300であってもよいし、プラント400に設けられた装置であってもよいし、公開されたサーバであってもよい。
【0027】
制御情報選択部165は、生成された複数の制御情報のうち、プラント400を制御できることを示す制御情報を選択する。例えば、制御情報選択部165は、過去所定期間内に同一の学習済みモデルによって生成された制御情報と、過去所定期間内に取得された計測情報と、の一致度が最も高い学習済みモデルによって生成された制御情報を選択してもよい。制御情報選択部165は、プラント400を最も安定して制御できることを示す制御情報を選択してもよい。過去所定期間とは、例えば1カ月であってもよいし、3カ月であってもよい。教師データ記憶部102に教師データが記憶されてから、制御情報生成部164が最後に制御情報を生成するまでの期間であればどのような期間であってもよい。
【0028】
図5は、実施形態の制御情報と計測情報との一致度の一具体例を示す図である。
図5(a)は、第1の学習済みモデルによって生成された制御情報とその制御情報に基づいて動作したプラント400から計測された計測情報との散布図を示す。
図5(a)の左側のグラフは、教師データが示す各情報の重要度を示す。重要度とは、機械学習アルゴリズムにおける教師データの影響度合いを表す。重要度の絶対値が大きい情報ほど、学習済みモデルによって出力される制御情報に対して影響を与える。
図5(a)では、配水量、残留塩素濃度、昼夜、戻り水流量、戻り水の残塩量、降水量及びアンモニア量の順に重要度の絶対値が小さくなる場合の一具体例を示す。重要度の絶対値が小さい場合、その教師データが示す情報は、制御情報に対して影響を与えなくなるように構成されてもよい。重要度は、機械学習アルゴリズム毎に定められる。重要度は、端末装置300のユーザからの指示に応じて、変更されてもよい。
【0029】
図5(a)の右側のグラフ(以下、「第1の散布図」という。)は、第1の学習済みモデルによって出力される制御情報と、その時のプラント400の計測情報との散布図を示す。第1の散布図の縦軸は制御情報を示す。第1の散布図の横軸は計測情報を示す。制御情報と計測情報との値が同じ値である場合、サンプルは散布図上に記載された線上にプロットされる。すなわち、散布図上に記載された線上あるいは線の近くにプロットされる情報が多いほど、第1の学習済みモデルによって出力される制御情報の精度は高くなる。
【0030】
図5(b)は、第2の学習済みモデルによって生成された制御情報とその制御情報に基づいて動作したプラント400から計測された計測情報との散布図を示す。
図5(b)の左側のグラフは、教師データが示す各情報の重要度を示す。重要度とは、機械学習アルゴリズムにおける教師データの影響度合いを表す。
図5(b)では、配水量、残留塩素濃度、昼夜、戻り水流量、戻り水の残塩量、降水量及びアンモニア量の順に重要度の絶対値が小さくなる。
【0031】
図5(b)の右側のグラフ(以下、「第2の散布図」という。)は、第2の学習済みモデルによって出力される制御情報と、その時のプラント400の計測情報との散布図を示す。第2の散布図の縦軸は制御情報を示す。第2の散布図の横軸は計測情報を示す。制御情報と計測情報との値が同じ値である場合、サンプルは散布図上に記載された線上にプロットされる。すなわち、散布図上に記載された線上あるいは線の近くにプロットされる情報が多いほど、第2の学習済みモデルによって出力される制御情報の精度は高くなる。
【0032】
分析部166は、端末装置300から受け付けた選択指示に基づいて、教師データが次回以降の学習済みモデルの生成に用いられるように設定を行うように構成されてもよい。例えば、分析部166は、プラント400から計測情報を取得してもよい。次に、分析部166は、制御情報選択部165によって選択された制御情報を生成した学習済みモデルによって生成された過去の制御情報を計測情報記憶部105から取得してもよい。また、分析部166は、計測情報記憶部105から取得された制御情報と同じ期間の計測情報を計測情報記憶部105から取得してもよい。分析部166は、制御情報と計測情報とを比較した情報を生成してもよい。分析部166は、生成した情報を端末装置300に送信してもよい。
【0033】
図6は、実施形態の制御情報と計測情報とを比較した情報の一具体例を示す図である。
図6は、プラント400の第1プラント及び第2プラントの計測情報と制御情報とを比較した情報を示す。
図6の横軸は、日付を示す。
図6の縦軸は、次亜塩注入率[mg/l]を示す。
図6の第1プラントの図は、領域10のように2018年8月9日から2018年8月15日頃にかけて、計測情報が制御情報を大きく上回っている日があることを示す。
図6の第2プラントの図は、領域20のように2018年8月24頃に、制御情報が計測情報を大きく下回っている日があることを示す。このように領域10及び領域20は、学習済みモデルの精度を下げる教師データが用いられていることを示す。端末装置300のユーザは、分析部166によって送信された情報に基づいて、学習済みモデルの精度を下げるデータについて予測を立てることが可能になる。なお、分析部166は、
図6に示す情報以外に、
図5に示すような散布図を端末装置300に送信してもよい。
【0034】
図2に戻って、分析部166の説明を続ける。分析部166は、学習済みモデルを生成する過程の中間層の特徴量を示す情報を端末装置300に送信してもよい。以下、具体的に説明する。分析部166は、制御情報選択部165によって選択された制御情報を生成した学習済みモデルの生成に用いられた教師データを教師データ記憶部102から取得してもよい。分析部166は、教師データに基づいて学習済みモデルを生成する過程において生成される中間層を取得してもよい。分析部166は、取得された中間層の特徴量を取得してもよい。例えば、分析部166は、取得された中間層に対して、主成分分析等の次元削減手法を用いて2次元まで次元削減を行ってもよい。分析部166は、次元削減された中間層を2次元平面上にマッピングすることで特徴量を取得してもよい。分析部166は、取得された特徴量を端末装置300に送信してもよい。
【0035】
図7は、実施形態の特徴量の一具体例を示す図である。
図7は、
図6の第2プラントの2018年8月24日に生成された中間層の特徴量を示す。特徴量は、生成された学習済みモデルの中間層の特徴量であってもよい。
図7では、横軸は主成分分析された第一主成分、縦軸は主成分分析された第二主成分を示す。
図7では、教師データは、機械学習アルゴリズムによって分類された種類に応じて、グルーピングされてもよい。
図7によると、領域30に小さなグループが見られる。領域30にマッピングされる教師データは、まだデータ数が少ない。このため、このようなグループは、学習済みモデルによって出力される制御情報の精度を下げる要因となる。
【0036】
図2に戻って、分析部166の説明を続ける。分析部166は、教師データの選択指示を端末装置300から受け付けてもよい。分析部166は、受け付けた選択指示に基づいて選択された教師データを、次回以降の学習済みモデルの生成に用いられるように設定を行ってもよい。以下、具体的に説明する。分析部166から情報を受信した端末装置300は、ユーザから教師データの選択を受け付けてもよい。端末装置300は、選択された教師データを示す選択指示を情報処理装置100に送信してもよい。分析部166は、選択指示によって示される教師データを、教師データ記憶部102から取得してもよい。分析部166は、取得された教師データを、次回以降の学習済みモデルの生成に用いられるように設定してもよい。分析部166は、例えば教師データのフラグを立てたり、優先度を高めたりすることで設定してもよい。また、分析部166によって行われた設定は、永続的なものではなく、所定回数の学習済みモデルの生成が行われた場合に、削除されてもよい。
【0037】
図3は、実施形態の携帯端末装置200の機能構成を示す機能ブロック図である。携帯端末装置200は、タブレットコンピュータ、ノートパソコン又はスマートフォン等の可搬型の情報処理装置を用いて構成されてもよい。携帯端末装置200は、プラント400の管理に関する作業を行うユーザによって操作されてもよい。携帯端末装置200は、教師データを情報処理装置100に送信するための機能が実装されてもよい。教師データを情報処理装置100に送信するための機能は、ハードウェアによって携帯端末装置200に実装されてもよいし、ソフトウェアのインストールによって実装されてもよい。携帯端末装置200は、通信部201、入力部202、表示部203及び制御部204を備えるように構成されてもよい。なお、実施形態の携帯端末装置200は、教師データを収集することができる装置であればどのような装置であってもよい。
【0038】
通信部201は、ネットワークインタフェース等の通信装置であってもよい。通信部201は所定のプロトコルでネットワーク500に通信可能に接続されてもよい。通信部201は、制御部204の制御に応じてネットワーク500を介して、他の装置との間でデータ通信してもよい。
【0039】
入力部202は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の入力装置を用いて構成されてもよい。入力部202は、ユーザの指示を携帯端末装置200に入力する際にユーザによって操作されてもよい。入力部202は、入力装置を携帯端末装置200に接続するためのインターフェースであってもよい。この場合、入力部202は、入力装置においてユーザの入力に応じて生成された入力信号を携帯端末装置200に入力してもよい。
【0040】
表示部203は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、電子泳動方式ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の画像表示装置であってもよい。表示部203は、制御部204の制御に応じて画像を表示してもよい。表示部203は、画像表示装置を携帯端末装置200に接続するためのインターフェースであってもよい。この場合、表示部203は、制御部204の制御に応じた画像を表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力してもよい。
【0041】
制御部204は、携帯端末装置200の各部の動作を制御してもよい。制御部204は、CPU等のプロセッサ及びRAMを用いて構成されてもよい。制御部204は、プロセッサが特定のプログラムを実行することによって、通信制御部241、教師データ生成部242及び画面生成部243として機能するように構成されてもよい。
【0042】
通信制御部241は、所定の通信プログラムを実行することによって、他の装置と通信してもよい。例えば、通信制御部241は、情報処理装置100に教師データを送信してもよい。また、通信制御部241は、作業情報の要求を情報処理装置100に送信してもよい。この場合、通信制御部241は、携帯端末装置200のユーザによって操作される入力部202を介して作業情報の要求を受け付けてもよい。通信制御部241は、情報処理装置100によって送信された作業情報を受信してもよい。また、通信制御部241は、情報処理装置100から制御情報と計測情報とを比較した情報や、特徴量を受信してもよい。
【0043】
教師データ生成部242は、携帯端末装置200のユーザによって入力された情報に基づいて教師データを生成してもよい。例えば、携帯端末装置200のユーザがプラント400内で、プラント400に対する入力日の計測情報と、プラント400内に設けられた計器の数値、気象情報、日時等のプラント400の制御に用いられる情報と、を対応付けて携帯端末装置200に入力してもよい。教師データ生成部242は、入力された情報に基づいて教師データを生成してもよい。携帯端末装置200への入力には、入力部202が用いられてもよい。
【0044】
教師データ生成部242は、教師データに属性情報を付与するように構成されてもよい。属性情報は、携帯端末装置200によって入力された情報を一意に識別するための情報であってもよい。属性情報は、例えばURI(Uniform Resource Identifier)等の識別子であってもよい。教師データ生成部242は、例えばオブジェクトストレージのような公知の技術を用いて属性情報を付与してもよいし、情報処理装置100に教師データを送信する際に属性情報を付与してもよい。教師データ生成部242は、教師データに属性情報を付与することで、教師データ間の関連性や、既存情報と教師データとの関連性を明確にすることができる。このため、教師データ生成部242は、複数の異なるアプリケーションを介して入力された情報や、アプリケーション毎に管理された情報であっても、一元的に扱うことが可能になる。このため、教師データ生成部242は、複数の異なるアプリケーション毎に管理された情報に基づいて教師データを生成することが可能になる。
【0045】
画面生成部243は、情報処理装置100から受信した情報に基づいて画面を生成してもよい。画面生成部243は、生成された画面を表示部203に出力してもよい。例えば、画面生成部243は、情報処理装置100から作業情報を受信すると、
図8に示すような画面を生成してもよい。
【0046】
図8は、実施形態の作業情報に関する画面の一具体例を示す図である。
図8は、プラント400の保全作業の流れに関する作業情報の画面(以下、「作業画面」という。)であってもよい。表示部203は、作業画面を出力してもよい。作業画面は、部分画面231~236を含むように構成されてもよい。携帯端末装置200のユーザは、6つの部分画面231~236を含む作業画面に基づいて、プラント400に対する作業を簡単に遂行することができる。
【0047】
部分画面231は、作業に必要となる道具の準備に関する画面を示してもよい。部分画面231は、作業に必要となる道具を並べた画面を示してもよい。携帯端末装置200のユーザは、部分画面231に基づいて、作業に必要となる道具を把握することができる。
【0048】
部分画面232は、作業が行われる場所に関する画面を示してもよい。部分画面232は、作業対象となるプラント400の設備の外観と、作業対象となる場所とを示してもよい。携帯端末装置200のユーザは、部分画面232に基づいて、どこで作業を行なえばよいのか把握することができる。
【0049】
部分画面233は、作業に用いられる道具の身に着けた状態に関する画面を示してもよい。部分画面233は、作業者と、作業者に装着された道具とを示してもよい。携帯端末装置200のユーザは、部分画面233に基づいて、どの道具をどのように身に付ければよいのか把握することができる。
【0050】
部分画面234は、作業に用いられる道具をプラント400の設備に取り付けた状態に関する画面を示してもよい。携帯端末装置200のユーザは、部分画面234に基づいて、作業を遂行するにあたって、どの道具を用いればよいのか把握することができる。
【0051】
部分画面235は、作業に伴う動作に関する画面を示してもよい。携帯端末装置200のユーザは、部分画面235に基づいて、作業を遂行するにあたって、どのように道具を使えばよいのか把握することができる。
【0052】
部分画面236は、作業が行われた後に関する画面を示してもよい。部分画面236は、作業対象となるプラント400の設備の外観と、作業対象となる場所とを示してもよい。携帯端末装置200のユーザは、部分画面236に基づいて、どのような状態になっていれば作業完了したとみなせるのか把握することができる。
【0053】
なお、作業画面の構成は
図8のように限定されない。
図8では、作業画面は、6つの部分画面を含むように構成されたが、部分画面は6つに限定されない。作業画面は部分画面をいくつ含むように構成されてもよい。部分画面は、動画であってもよい。例えば、なお、部分画面235は、ドライバーがねじを回転させる動画として示されてもよい。
【0054】
図4は、実施形態の端末装置300の機能構成を示す機能ブロック図である。端末装置300は、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ又はサーバ等の情報処理装置を用いて構成されてもよい。端末装置300は、例えばワープロや表計算ソフト等の業務アプリケーションがインストールされていてもよい。端末装置300は、例えば、ユーザによって日常の業務で使用される装置であってもよい。端末装置300は、選択指示を情報処理装置100に送信するための機能が実装されてもよい。選択指示を情報処理装置100に送信するための機能は、ハードウェアによって端末装置300に実装されてもよいし、ソフトウェアのインストールによって実装されてもよい。端末装置300は、通信部301、入力部302、表示部303及び制御部304を備えるように構成されてもよい。
【0055】
通信部301は、ネットワークインタフェース等の通信装置であってもよい。通信部301は所定のプロトコルでネットワーク500に通信可能に接続されてもよい。通信部301は、制御部304の制御に応じてネットワーク500を介して、他の装置との間でデータ通信してもよい。
【0056】
入力部302は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の入力装置を用いて構成されてもよい。入力部302は、ユーザの指示を端末装置300に入力する際にユーザによって操作されてもよい。入力部302は、入力装置を端末装置300に接続するためのインターフェースであってもよい。この場合、入力部302は、入力装置においてユーザの入力に応じて生成された入力信号を端末装置300に入力してもよい。
【0057】
表示部303は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子泳動方式ディスプレイ、CRTディスプレイ等の画像表示装置であってもよい。表示部303は、制御部304の制御に応じて画像を表示してもよい。表示部303は、画像表示装置を端末装置300に接続するためのインターフェースであってもよい。この場合、表示部303は、制御部304の制御に応じた画像を表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力してもよい。
【0058】
制御部304は、端末装置300の各部の動作を制御してもよい。制御部304は、CPU等のプロセッサ及びRAMを用いて構成されてもよい。制御部304は、プロセッサが特定のプログラムを実行することによって、通信制御部341として機能するように構成されてもよい。
【0059】
通信制御部341は、所定の通信プログラムを実行することによって、他の装置と通信してもよい。例えば、通信制御部341は、情報処理装置100から制御情報と計測情報との一致度を示す情報を受信してもよい。この場合、通信制御部341は、
図5に示すような画面を表示部203に出力してもよい。また、通信制御部341は、情報処理装置100から制御情報と計測情報とを比較した情報を受信してもよい。この場合、通信制御部341は、
図6に示すような画面を表示部203に出力してもよい。また、通信制御部341は、情報処理装置100から学習済みモデルの中間層の特徴量を示す情報を受信してもよい。この場合、通信制御部341は、
図7に示すような画面を表示部203に出力してもよい。また、通信制御部341は、選択指示を情報処理装置100に送信してもよい。この場合、通信制御部341は、端末装置300のユーザから入力部302を介して選択指示を受け付けてもよい。選択指示は、入力部302を介して選択された教師データを示してもよい。ユーザは、表示部203に表示された情報に基づいて、教師データを選択してもよい。
【0060】
図9は、実施形態の制御情報の生成の処理の流れの一具体例を示す図である。制御情報の生成の処理は、プラント400の制御を行う際に所定のタイミングで実行される。所定のタイミングは、例えば一日1回であってもよいし、週に1回であってもよいし、予め定められたタイミングであってもよい。情報処理装置100の制御情報生成部164は、最新の条件情報を取得する(ステップS101)。例えば、制御情報生成部164は、制御情報の生成に必要となる条件情報をネットワーク500を介して外部の装置から取得する。
【0061】
情報処理装置100の教師データ取得部162は、教師データを取得する(ステップS102)。例えば、教師データ取得部162は、モデル生成条件を満たす教師データを教師データ記憶部102から取得してもよい。
【0062】
情報処理装置100の学習済みモデル生成部163は、取得された教師データに基づいて学習済みモデルを生成する(ステップS103)。なお、学習済みモデル生成部163は、複数の機械学習アルゴリズムを記憶する。このため、学習済みモデル生成部163は、まだ用いられていない機械学習アルゴリズムに基づいて学習済みモデルを生成する。
【0063】
制御情報生成部164は、生成された学習済みモデルと最新の条件情報とに基づいて制御情報を生成する(ステップS104)。制御情報生成部164は、全ての学習済みモデルで制御情報を生成したか否かを判定する(ステップS105)。例えば、制御情報生成部164は、学習済みモデル生成部163が記憶する全ての機械学習アルゴリズム毎に学習済みモデルを生成してもよい。次に、制御情報生成部164は、最新の制御情報と生成された学習済みモデルとに基づいて制御情報を生成した場合に、全ての学習済みモデルで制御情報を生成したと判定してもよい。制御情報生成部164は、まだ生成されていない学習済みモデルがある場合、全ての学習済みモデルで制御情報を生成していないと判定してもよい。
【0064】
全ての学習済みモデルが制御情報を生成していない場合(ステップS105:NO)、処理はステップS103に遷移する。この場合、学習済みモデル生成部163は、まだ用いられていない機械学習アルゴリズムに基づいて学習済みモデルを生成してもよい。全ての学習済みモデルが制御情報を生成している場合(ステップS105:YES)、情報処理装置100の制御情報選択部165は、生成された複数の制御情報のうち、プラント400を制御できることを示す制御情報を選択する(ステップS106)。例えば、制御情報選択部165は、生成された複数の制御情報のうち、プラント400を最も安定して制御できることを示す制御情報を選択してもよい。
【0065】
情報処理装置100の通信制御部161は、選択された制御情報をプラント400に送信してもよい(ステップS107)。情報処理装置100の分析部166は、プラント400に制御情報を送信した結果を分析してもよい(ステップS108)。
【0066】
図10は、実施形態の計測情報の分析の処理の流れの一具体例を示す図である。計測情報の分析の処理は、プラント400の制御を行った際に、プラント400から計測情報を取得したタイミングで実行されてもよいし、計測情報を取得した後、所定のタイミングで実行されてもよい。分析部166は、プラント400から計測情報を取得する(ステップS201)。分析部166は、制御情報と計測情報とを比較した情報を生成する(ステップS202)。例えば、分析部166は、制御情報選択部165によって選択された制御情報を生成した学習済みモデルによって生成された過去の制御情報を計測情報記憶部105から取得してもよい。次に、分析部166は、計測情報記憶部105から取得された制御情報と同じ期間の計測情報とを取得してもよい。分析部166は、制御情報と計測情報とを比較した情報を生成してもよい。分析部166は、生成した情報を端末装置300に送信してもよい。
【0067】
分析部166は、特徴量を取得する(ステップS203)。例えば、分析部166は、制御情報選択部165によって選択された制御情報を生成した学習済みモデルの生成に用いられた教師データを教師データ記憶部102から取得してもよい。分析部166は、教師データに基づいて学習済みモデルを生成する過程において生成される中間層を取得してもよい。分析部166は、例えば、取得された中間層に対して、主成分分析等の次元削減手法を用いて特徴量を取得してもよい。分析部166は、取得された特徴量を端末装置300に送信してもよい。
【0068】
分析部166は、教師データの選択指示を端末装置300から受け付ける(ステップS204)。分析部166は、取得された教師データを、次回以降の学習済みモデルの生成に用いられるように設定する(ステップS205)。
【0069】
このように構成された情報処理システム1では、学習済みモデル毎にプラントの制御に関する制御情報を生成する。次に、制御情報選択部165が、生成された制御情報のうち、プラント400を制御することができる制御情報を選択する。分析部166が、選択された制御情報と、プラントから計測された計測情報とに基づいて、教師データの選択を受け付けてもよい。このように構成されることで、ユーザは、制御情報と計測情報とに基づいて、どの教師データが学習済みモデルの精度に影響しているのかを把握することができる。また、ユーザは、制御情報と計測情報とに基づいて学習済みモデルの精度に影響している教師データを選択してもよい。このように、ユーザは、情報処理システム1を操作することで、ワンストップ体制でプラント400の管理・運用から制御を行うことまでできる。このため、情報処理システム1は、日常のプラント400の制御等のルーティン業務を通じて、プラント400の管理・運用に関する経験や技術の暗黙知等のノウハウを継承したり、人材を育成していくことができる。
【0070】
教師データ記憶部102は、過去の情報とデータとに基づいて生成された情報を予め教師データとして記憶したり、日々の業務で生成された情報やデータを教師データとして蓄積していくように構成されてもよい。このように構成されることで、情報処理システム1は、常に新しいデータに基づいて、学習済みモデルを生成することができる。このため、情報処理システム1は、通常業務で使用されているうちにプラント400等の環境に順応し、精度を向上させていくことができる。このため、ユーザは、環境毎に情報処理システム1をカスタマイズすることなく使用することができる。
【0071】
また、情報処理システム1では、学習済みモデル生成部163が、ユーザによって選択された重要な教師データに基づいて学習済みモデルを生成してもよい。このため、情報処理システム1は、重要な教師データが選択されることで、少ないデータであっても、より高い精度でプラント400を制御していくことが可能になる。また、情報処理システム1では、選択された教師データを用いて機械学習を続けることで、さらに高い精度でプラント400を管理・運用から制御することまでが可能になる。情報処理システム1は、例えばプラント400から他のプラントに物質を移動した場合、プラント間で情報交換を行う。ユーザは、交換された情報に基づいてそれぞれの管理・運用から制御を行う。しかし、情報処理システム1は、物質が移動したことで生じた変化を示す教師データを用いて機械学習を行うことで、プラント間で情報交換をする必要なく、プラント400を管理運用から制御まですることが可能になる。情報処理システム1は、プラント間で情報交換をする必要がない水準まで機械学習された学習済みモデルをプラント400毎に備えるように構成されてもよい。このように構成されることで、情報処理システム1は、ユーザの代わりにプラント400を自立して制御できるCPSを実現することが可能になる。
【0072】
また、情報処理システム1では、制御情報生成部164が、複数の学習済みモデルから、プラント400を制御できることを示す制御情報を選択する。このため、情報処理システム1では、プラント400を制御できることを示す制御情報を選択することで、機械学習に用いられる教師データの数が少ない場合であっても、高い精度でプラント400を制御することが可能となる。
【0073】
また、情報処理システム1では、携帯端末装置200から教師データを取得してもよい。携帯端末装置200は、携帯端末装置200のユーザがプラント400の管理を通じて入力された情報に基づいて教師データを生成してもよい。このように、情報処理システム1は、携帯端末装置200のユーザが有するノウハウ等の暗黙知を教師データとして取得及び記憶することが可能になる。
【0074】
また、情報処理システム1は、生成された制御情報に基づいて、プラント400を制御しなくてもよい。このように構成されることで、情報処理システム1とプラント400との提供業者を分けることが可能になる。このため、情報処理システム1とプラント400とのベンダーロックインを回避することが可能になる。例えば、ユーザは、情報処理システム1によって生成された制御情報に基づいて、異なる業者によって提供されたプラント400を制御することが可能になる。
【0075】
分析部166は、生成された制御情報の予測精度を推定するように構成されてもよい。予測精度とは、生成された制御情報と計測情報との近さを示す指標である。具体的には分析部166は、
図5に示す散布図に基づいて予測精度を推定してもよい。分析部166は、制御情報と計測情報とが一致している場合と、実際にプロットされた散布図との乖離の度合いを公知の手法で推定してもよい。公知の手法は、例えば相関係数を推定することであってもよい。例えば、
図5に示す第1の散布図の予測精度は63%である。また
図5に示す、第2の散布図の予測精度は93%である。第1の散布図の予測精度と第2の散布図の予測精度とでは、第2の散布図の方が予測精度が高い。これは、配水量が予測精度の高さに大きな影響を及ぼしているためだと考えられる。この場合、ユーザは、機械学習アルゴリズムにおける配水量の重要度を高める指示を情報処理装置100に指示してもよい。このように構成されることで、情報処理システム1は、予測精度を高めていくことが可能になる。
【0076】
情報処理装置100は、教師データ生成部242を備えるように構成されてもよい。このように構成されることで、情報処理装置100は、他のシステムに記憶されている情報に基づいて教師データを生成することができる。具体的には、情報処理装置100は、他のシステムから情報を取得する。情報処理装置100の教師データ生成部242は、取得された情報に基づいて教師データを生成する。他のシステムに記憶されている情報とは、例えばプラント400を管理・運用するために使用されていた既存の情報であってもよい。他のシステムに記憶されている情報とは、例えば過去にプラント400を管理・運用するために使用されていた情報であってもよい。
【0077】
情報処理装置100は、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の情報処理装置を用いて実装されてもよい。この場合、情報処理装置100が備える各機能部は、複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。例えば、教師データ取得部162、学習済みモデル生成部163、制御情報生成部164及び制御情報選択部165と分析部166とはそれぞれ異なる情報処理装置に実装されてもよい。
【0078】
上述した実施形態における情報処理装置100、携帯端末装置200又は端末装置300をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0079】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0080】
1…情報処理システム, 100…情報処理装置, 101…通信部, 102…教師データ記憶部, 103…学習済みモデル記憶部, 104…作業情報記憶部, 105…計測情報記憶部, 106…制御部, 161…通信制御部, 162…教師データ取得部, 163…学習済みモデル生成部, 164…制御情報生成部, 165…制御情報選択部, 166…分析部, 200…携帯端末装置, 201…通信部, 202…入力部, 203…表示部, 204…制御部, 241…通信制御部, 242…教師データ生成部, 243…画面生成部, 300…端末装置, 301…通信部, 302…入力部, 303…表示部, 304…制御部, 341…通信制御部, 400…プラント, 500…ネットワーク