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特許7401290店舗システム、情報処理装置及びその制御プログラム、並びに、会計機及びその制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】店舗システム、情報処理装置及びその制御プログラム、並びに、会計機及びその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20231212BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G07G1/12 321L
G07G1/01 301D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019230393
(22)【出願日】2019-12-20
(65)【公開番号】P2021099598
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】五反田 剛
(72)【発明者】
【氏名】平松 顕也
(72)【発明者】
【氏名】平山 晃子
(72)【発明者】
【氏名】日高 詩織
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-190067(JP,A)
【文献】特開2014-038424(JP,A)
【文献】特開2019-053786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子マネーの残高を取得する取得手段、
購買商品が登録される毎に代金を算出する算出手段、及び、
前記電子マネーの残高と前記代金との間に所定の条件が成立すると、ユーザにより電子マネーをチャージすることを入力された場合、モバイル端末と関連付けて電子マネーのチャージ指示情報を記憶する記憶手段、
を備えた情報処理装置と、
前記モバイル端末からの会計指示を受け付ける受付手段、及び、
前記チャージ指示情報が関連付けられていないモバイル端末からの会計指示を受け付けた場合には会計に関するデータの入力を受け付ける会計モードを選択し、前記チャージ指示情報が関連付けられているモバイル端末からの会計指示を受け付けた場合には電子マネーのチャージに関するデータの入力を受け付けるチャージモードを選択するモード選択手段、
を備えた会計機と、
を具備する店舗システム。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記代金が前記電子マネーの残高を超え、ユーザにより電子マネーをチャージすることを入力された場合、前記モバイル端末と関連付けて電子マネーのチャージ指示情報を記憶する、請求項1記載の店舗システム。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記電子マネーの残高から前記代金を減じた差額が設定金額以下又は未満で、ユーザにより電子マネーをチャージすることを入力された場合、前記モバイル端末と関連付けて電子マネーのチャージ指示情報を記憶する、請求項1記載の店舗システム。
【請求項4】
電子マネーの残高と購買商品が登録される毎に算出される代金との間に所定の条件が成立すると、ユーザにより電子マネーをチャージすることを入力された場合、モバイル端末と関連付けて電子マネーのチャージ指示情報を記憶する情報処理装置とともに店舗システムを構成する会計機であって、
前記モバイル端末からの会計指示を受け付ける受付手段と、
前記チャージ指示情報が関連付けられていないモバイル端末からの会計指示を受け付けた場合には会計に関するデータの入力を受け付ける会計モードを選択し、前記チャージ指示情報が関連付けられているモバイル端末からの会計指示を受け付けた場合には電子マネーのチャージに関するデータの入力を受け付けるチャージモードを選択するモード選択手段と、
を具備する会計機。
【請求項5】
電子マネーの残高を取得する取得手段と、
ユーザがモバイル端末を使用して購買商品が登録される毎に代金を算出する算出手段と、
前記電子マネーの残高と前記代金との間に所定の条件が成立すると、前記ユーザにより電子マネーをチャージすることを入力された場合、前記モバイル端末と関連付けて電子マネーのチャージ指示情報を記憶する記憶手段と、
を具備する情報処理装置。
【請求項6】
電子マネーの残高と購買商品が登録される毎に算出される代金との間に所定の条件が成立すると、ユーザにより電子マネーをチャージすることを入力された場合、モバイル端末と関連付けて電子マネーのチャージ指示情報を記憶する情報処理装置とともに店舗システムを構成する会計機のコンピュータを、
前記モバイル端末からの会計指示を受け付ける受付手段、及び、
前記チャージ指示情報が関連付けられていないモバイル端末からの会計指示を受け付けた場合には会計に関するデータの入力を受け付ける会計モードを選択し、前記チャージ指示情報が関連付けられているモバイル端末からの会計指示を受け付けた場合には電子マネーのチャージに関するデータの入力を受け付けるチャージモードを選択するモード選択手段、
として機能させるための制御プログラム。
【請求項7】
情報処理装置のコンピュータを、
電子マネーの残高を取得する取得手段、
ユーザがモバイル端末を使用して購買商品が登録される毎に代金を算出する算出手段、及び、
前記電子マネーの残高と前記代金との間に所定の条件が成立すると、前記ユーザにより電子マネーをチャージすることを入力された場合、前記モバイル端末と関連付けて電子マネーのチャージ指示情報を記憶する記憶手段、
として機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、店舗システム、情報処理装置及びその制御プログラム、並びに、会計機及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、客が、売り場での買い回り時に、モバイル端末(カート端末、スマートフォン等)を利用して購買商品を登録することで、会計時における購買商品の登録操作を簡略した店舗システムが種々考案されている。
【0003】
このような店舗システムでは、モバイル端末を利用する客、いわゆる利用者が購買商品の登録を終えて会計機の設置場所に移動すると、会計機のタッチパネルに現金、クレジットカード、電子マネー等の支払方法の選択を利用者に促すための支払方法選択画面が表示される。ここで、電子マネーをチャージしたい利用者は、先ず、支払方法として「電子マネー」を選択する。そうすると、画面が電子マネーの支払画面に切り替わる。支払画面には、電子マネー支払いボタン以外にチャージボタンが表示されているので、利用者はチャージボタンにタッチする。そうすると、画面がチャージ画面に切り替わる。そこで、利用者はチャージ金額を指定して入金を行う。こうして、電子マネーのチャージを終えると、画面が再び支払方法選択画面に戻るので、利用者は、支払方法を選択する。
【0004】
このように、会計機で電子マネーをチャージしてから決済を行う場合には煩雑な操作が要求されるため、時間を要し、決済が滞る懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-53786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、会計機で電子マネーをチャージする際の操作ステップ数を減らすことができる店舗システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、店舗システムは、情報処理装置と会計機とを具備する。情報処理装置は、取得手段と、算出手段と、記憶手段とを備える。取得手段は、電子マネーの残高を取得する。算出手段は、購買商品が登録される毎に代金を算出する。記憶手段は、電子マネーの残高と代金との間に所定の条件が成立すると、モバイル端末と関連付けて電子マネーのチャージ指示情報を記憶する。会計機は、受付手段と、モード選択手段とを備える。受付手段は、モバイル端末からの会計指示を受け付ける。モード選択手段は、チャージ指示情報が関連付けられていないモバイル端末からの会計指示を受け付けた場合には会計に関するデータの入力を受け付ける会計モードを選択し、チャージ指示情報が関連付けられているモバイル端末からの会計指示を受け付けた場合には電子マネーのチャージに関するデータの入力を受け付けるチャージモードを選択する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る店舗システムの概略構成を示す模式図。
図2】モバイル端末の要部回路構成を示すブロック図。
図3】モバイル端末が設けられたショッピングカートの一例を示す斜視図。
図4】店舗サーバの要部回路構成を示すブロック図。
図5】会計機テーブルの一例を示す模式図。
図6】仮想POSサーバの要部回路構成を示すブロック図。
図7】購買登録リストの一例を示す模式図。
図8】購買商品データの一例を示す模式図。
図9】会計機の要部回路構成を示すブロック図。
図10】モバイル端末におけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図11】仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図12】仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図13】仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図14】仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図15】会計機におけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図16】モバイル端末において表示される購買登録画面の一例を示す模式図。
図17】モバイル端末において表示されるチャージ選択画面の一例を示す模式図。
図18】モバイル端末において表示される会計バーコード及び会計機案内画面の一例を示す模式図。
図19】会計機において表示されるチャージ金額入力画面の一例を示す模式図。
図20】会計機において表示される現金投入画面の一例を示す模式図。
図21】会計機において表示される支払方法選択画面の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について、図面を用いて説明する。なお、この実施形態は、ショッピングカートに取り付けられたタブレット端末(いわゆるカート端末)をモバイル端末として利用する場合である。
【0010】
図1は、一実施形態に係る店舗システム1の概略構成を示す模式図である。
【0011】
店舗システム1は、店舗サーバ10、会員サーバ20、電子マネー管理サーバ30、通信サーバ40、仮想POSサーバ50、会計機60、モバイル端末70及びアクセスポイント80を含む。店舗サーバ10、会員サーバ20、通信サーバ40、仮想POSサーバ50、会計機60及びアクセスポイント80は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク2に接続されている。電子マネー管理サーバ30は、専用のネットワーク3を介して通信サーバ40に接続されている。
【0012】
モバイル端末70は、購買者である利用者が、購入しようとする商品、いわゆる購買商品の登録に係るデータの入力をセルフで行うことを可能とした機器である。モバイル端末70は、ショッピングカートCに設けられている。以下では、ショッピングカートCを単にカートCと称する。複数のカートCに、それぞれモバイル端末70が設けられている。カートCは、そのカートCのユーザである利用者の購買商品を搬送する搬送体の一例である。
【0013】
モバイル端末70は、無線ユニット74(図2を参照)を備えている。モバイル端末70は、アクセスポイント80と無線通信を行う。アクセスポイント80は、ネットワーク2に繋がる各機器、すなわち店舗サーバ10、会員サーバ20、電子マネー管理サーバ30、通信サーバ40、仮想POSサーバ50及び会計機60と、モバイル端末70との通信を中継する。アクセスポイント80は、図1では1台のみ示しているが、店舗の規模等により2台以上あってもよい。
【0014】
会計機60は、購買商品の会計を店員若しくは利用者が行うことを可能とした機器である。会計機60の台数は、特に制限されない。
【0015】
店舗サーバ10は、商品データベースを管理する。商品データベースは、店舗で販売されている商品のデータを記述した商品データレコードを保存する。商品データレコードは、商品コード、商品名、価格等の項目を含む。商品コードは、商品を個々に識別するために商品毎に設定された商品識別データである。各商品には、通常、商品コードを表したバーコードが付されている。
【0016】
会員サーバ20は、会員データベースを管理する。会員データベースは、会員毎に会員データを記述した会員データレコードを保存する。会員データレコードは、会員ID、氏名、性別、メールアドレス、電子マネーユーザID等を含む。会員IDは、会員の識別コードである。電子マネーユーザIDは、客がプリペイド式の電子マネーを購入した際に発行されたものである。
【0017】
電子マネー管理サーバ30は、電子マネーユーザID毎に電子マネーの残高を管理するコンピュータである。
【0018】
通信サーバ40は、会計機60または仮想POSサーバ50と電子マネー管理サーバ30との間で、専用のネットワーク3を介して行われるデータ通信処理を実行する。
【0019】
仮想POSサーバ50は、モバイル端末70と協働して、そのモバイル端末70を、POS端末の機能を実現するように動作させる。
【0020】
図2は、モバイル端末70の要部回路構成を示すブロック図である。モバイル端末70は、プロセッサ71、メインメモリ72、補助記憶デバイス73、無線ユニット74、タッチパネル75、スキャナ76、リーダ77、カメラ78及びシステム伝送路79を備える。システム伝送路79は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。モバイル端末70は、システム伝送路79に、プロセッサ71、メインメモリ72、補助記憶デバイス73、無線ユニット74、タッチパネル75、スキャナ76、リーダ77及びカメラ78を接続する。モバイル端末70では、プロセッサ71、メインメモリ72及び補助記憶デバイス73と、これらを接続するシステム伝送路79とによってコンピュータが構成される。
【0021】
プロセッサ71は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ71は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、モバイル端末70としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ71は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0022】
メインメモリ72は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ72は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ72は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ72は、プロセッサ71が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ72は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ71によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0023】
補助記憶デバイス73は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス73となり得る。補助記憶デバイス73は、プロセッサ71が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ71での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス73は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0024】
メインメモリ72又は補助記憶デバイス73に記憶されるアプリケーションプログラムには、モバイル端末70で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ72又は補助記憶デバイス73にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ72又は補助記憶デバイス73にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0025】
無線ユニット74は、アクセスポイント80との間で無線通信プロトコルに従いデータの無線通信を行う。
【0026】
タッチパネル75は、モバイル端末70の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル75は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ71に出力する。
【0027】
スキャナ76は、商品に付されたバーコード、二次元データコード等のコードシンボルを読み取る。商品には、その商品コードを表すコードシンボルが付されている。スキャナ76は、読み取ったコードシンボルのデータをプロセッサ71に出力する。スキャナ76は、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0028】
リーダ77は、記録媒体に記録されたデータを読み取り、読み取ったデータをプロセッサ71に出力する。リーダ77は、記録媒体が磁気カードの場合は磁気カードリーダであり、接触式ICカードの場合にはICカードリーダである。非接触式ICカード又はスマートフォン等のようにRFID(Radio Frequency Identification)を使用した記録媒体の場合には、RFIDリーダがリーダ77として使用される。
【0029】
カメラ78は、カートCの籠受部に置かれた籠を上方から撮影できるように、カートCに設けられている。カメラ78は、カートCのユーザである利用者が購買商品を正しく籠に入れたか否かを監視するためのものである。
【0030】
以上のような回路構成要素を備えたモバイル端末70において、プロセッサ71、メインメモリ72、補助記憶デバイス73、無線ユニット74及びタッチパネル75は、タブレット端末TMによって構成されている。そしてこのタブレット端末TMに、スキャナ76、リーダ77及びカメラ78を電気的に接続することで、モバイル端末70が構成されている。
【0031】
図3は、モバイル端末70が設けられたカートCの一例を示す斜視図である。カートCは、移動用のキャスタ部C1と、ハンドルフレーム部C2と、籠受部C3とを備えている。キャスタ部C1は、床面上を円滑に移動させるための4輪の車輪C11を有している。またキャスタ部C1は、買物カゴSBに入らないような大きな荷物を置くための受け部C12を備えている。ハンドルフレーム部C2は、キャスタ部C1の後輪側に立設された一対の縦フレームC21,C21と、これら縦フレームC21,C21の上端を連結するハンドルバーC22と、を含む。籠受部C3は、ハンドルフレーム部C2の中途部位から前方にある。カートCは、籠受部C3に、店備え付けの買物カゴSBを載置することができる。買物カゴSBは、商品を収容するためのものである。
【0032】
スキャナ76は、ハンドルバーC22の中途部にある。スキャナ76は、手前側に読取窓が位置するようにハンドルバーC22に取り付けられている。手前側は、ハンドルバーC22を持ってカートCを押す利用者が立つ側である。
【0033】
一方の縦フレームC21に、ポールC4が取り付けられている。ポールC4は、その先端がハンドルバーC22よりも上方に位置している。タブレット端末TMは、タッチパネル75の画面を手前にしてポールC4の先端部に取り付けられている。リーダ77は、カードスリットが手前側に位置するようにタブレット端末TMに取り付けられている。図3においては、リーダ77を磁気カードリーダとしている。カメラ78は、籠受部C3に置かれた買物カゴSBの全体を上方から撮像するように、ポールC4の中途部に取り付けられている。
【0034】
バッテリBTは、ハンドルフレーム部C2の下端側に、縦フレームC21,C21に亘って取り付けられている。バッテリBTは、タブレット端末TM、スキャナ76、リーダ77及びカメラ78の駆動電源となる。
【0035】
図4は、店舗サーバ10の要部回路構成を示すブロック図である。店舗サーバ10は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、通信インターフェース14及びシステム伝送路15を備える。システム伝送路15は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。店舗サーバ10は、システム伝送路15に、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13及び通信インターフェース14を接続する。店舗サーバ10では、プロセッサ11、メインメモリ12及び補助記憶デバイス13と、これらを接続するシステム伝送路15とによってコンピュータが構成される。
【0036】
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、店舗サーバ10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ11は、例えばCPUである。
【0037】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0038】
補助記憶デバイス13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス13となり得る。補助記憶デバイス13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ11での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス13は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0039】
通信インターフェース14は、ネットワーク2に接続される。通信インターフェース14は、ネットワーク2を介して接続される他の機器との間で通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0040】
かかる構成の店舗サーバ10は、メインメモリ12の揮発性メモリ領域の一部を、会計機テーブル121として使用する。
【0041】
図5は、会計機テーブル121の一例を示す模式図である。図5に示すように、会計機テーブル121は、一連の会計機番号順に、会計機60のステータスを記述したものである。ステータスは、対応する会計機番号で識別される会計機60の状態を示す情報である。会計機60の状態には、「アイドル中」及び「支払中」がある。「アイドル中」は、前の利用者の会計を終えてから、次の利用者の会計が開始されるまでの状態である。「支払中」は、一人の利用者の会計が開始されてから終了するまでの状態である。なお、会計機60の状態は、「アイドル中」及び「支払中」に限定されるものではない。
【0042】
図6は、仮想POSサーバ50の要部回路構成を示すブロック図である。仮想POSサーバ50は、プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、通信インターフェース54及びシステム伝送路55を備える。システム伝送路55は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。仮想POSサーバ50は、システム伝送路55に、プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53及び通信インターフェース54を接続する。仮想POSサーバ50では、プロセッサ51、メインメモリ52及び補助記憶デバイス53と、これらを接続するシステム伝送路55とによってコンピュータが構成される。
【0043】
プロセッサ51は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ51は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、仮想POSサーバ50としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ51は、例えばCPUである。
【0044】
メインメモリ52は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ52は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ52は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ52は、プロセッサ51が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ52は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ51によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0045】
補助記憶デバイス53は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス53となり得る。補助記憶デバイス53は、プロセッサ51が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ51での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス53は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0046】
通信インターフェース54は、ネットワーク2に接続される。通信インターフェース54は、ネットワーク2を介して接続される他の機器との間で通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0047】
かかる構成の仮想POSサーバ50は、メインメモリ52の揮発性メモリ領域の一部を、購買登録リスト521の作成領域としている。仮想POSサーバ50は、この領域に複数の購買登録リスト521を作成することができる。
【0048】
図7は、購買登録リスト521の一例を示す模式図である。図7に示すように、購買登録リスト521は、会員ID、電子マネーユーザID、電子マネー残高、チャージフラグ、表示フラグ、購買商品データ522(図8を参照)、合計金額及び会計バーコードをそれぞれ記憶するための領域を有する。チャージフラグ、表示フラグ及び会計バーコードは、後述する。合計金額は、購買商品データ522に含まれる購買金額の合計である。購買登録リスト521は、モバイル端末70の会員IDと関連付けて作成される。
【0049】
図8は、購買商品データ522の一例を示す模式図である。図8に示すように、購買商品データ522は、一連の番号順に、利用者が購入する購買商品の商品コード、商品名、価格、購買点数、購買金額等を含む。購買点数は、その商品コードで識別される商品の購買数であり、購買金額は、価格と購買数とを乗算した金額である。
【0050】
図9は、会計機60の要部回路構成を示すブロック図である。会計機60は、プロセッサ611、メインメモリ612、補助記憶デバイス613、時計614、釣銭機インターフェース615、通信インターフェース616、タッチパネル617、スキャナ618、リーダ619、プリンタ620及びシステム伝送路621を備える。システム伝送路621は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路621は、プロセッサ611と、メインメモリ612、補助記憶デバイス613、時計614、釣銭機インターフェース615、通信インターフェース616、タッチパネル617、スキャナ618、リーダ619及びプリンタ620とを相互に接続する。プロセッサ611、メインメモリ612及び補助記憶デバイス613がシステム伝送路621で接続されることにより、会計機60のコンピュータが構成される。
【0051】
プロセッサ611は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ611は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、会計機60としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ611は、例えばCPUである。
【0052】
メインメモリ612は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ612は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ612は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ612は、プロセッサ611が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ612は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ611によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0053】
補助記憶デバイス613は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス613となり得る。補助記憶デバイス613は、プロセッサ611が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ611での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス613は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0054】
メインメモリ612又は補助記憶デバイス613に記憶されるアプリケーションプログラムには、会計機60で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ612又は補助記憶デバイス613にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ612又は補助記憶デバイス613にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0055】
時計614は、会計機60の時刻情報源として機能する。プロセッサ611は、時計614によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時間を計時する。
【0056】
釣銭機インターフェース615は、自動釣銭機との間でデータ通信を行う。釣銭機インターフェース615は、自動釣銭機から投入金額のデータ、貨幣収納枚数のデータ等を受信する。釣銭機インターフェース615は、釣銭データを自動釣銭機へと送信する。
【0057】
通信インターフェース616は、ネットワーク2に接続される。通信インターフェース616は、ネットワーク2を介して接続される他の機器との間で通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0058】
タッチパネル617は、会計機60の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル617は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ611に出力する。
【0059】
スキャナ618は、バーコード、二次元コード等のコードシンボルを読み取る読取装置の一例である。スキャナ618は、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0060】
リーダ619は、記録媒体に記録されたデータを読み取り、読み取ったデータをプロセッサ611に出力する。リーダ619は、記録媒体が磁気カードの場合は磁気カードリーダであり、接触式ICカードの場合にはICカードリーダである。非接触式ICカード又はスマートフォン等のようにRFIDを使用した記録媒体の場合には、RFIDリーダがリーダ619として使用される。
【0061】
プリンタ620は、レシート用紙に対して各種の文字列又は画像等を印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタ620としては、例えばサーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタ等を利用できる。プリンタ620は、会計機60の印刷デバイスとして機能する。
【0062】
図10は、モバイル端末70におけるプロセッサ71の要部制御手順を示す流れ図である。図11乃至図14は、仮想POSサーバ50におけるプロセッサ51の要部制御手順を示す流れ図である。図15は、会計機60におけるプロセッサ61の要部制御手順を示す流れ図である。
【0063】
以下、これらの流れ図を用いて、会員である利用者がカートCのモバイル端末70を使用して購買商品の登録から決済までをセルフで行う場合の店舗システム1の主要な動作について説明する。なお、以下に説明する動作は一例である。同様な結果が得られるのであれば、その手順は特に限定されるものではない。
【0064】
はじめに、カートCを使用して買物を行う利用者は、タッチパネル75にタッチする。タッチパネル75がタッチされると、アイドル状態であったプロセッサ71が起動する。プロセッサ71は、図10の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
【0065】
プロセッサ71は、ACT1としてタッチパネル75にログイン画面を表示させる。ログイン画面は、会員に対してログイン操作を指示するための画面である。会員である利用者は、自身の会員コードが記録された会員カードを所持している。ログイン画面を確認した利用者は、その会員カードのデータをリーダ77に読み取らせる。リーダ77で会員カードのデータが読み取られると、その会員カードのデータがプロセッサ71へと与えられる。
【0066】
ログイン画面を表示させたプロセッサ71は、ACT2としてログインを待ち受けている。プロセッサ71は、リーダ77からデータを受け取り、そのデータが会員IDを含む会員カードのデータであることを確認すると、ログインが行われたと判定する。すなわちプロセッサ71は、ACT2においてYESと判定し、ACT3へと進む。
【0067】
プロセッサ71は、ACT3としてログインコマンドを仮想POSサーバ50に送信するように無線ユニット74を制御する。この制御により、無線ユニット74は、ログインコマンドを無線送信する。ログインコマンドは、アクセスポイント80で受信され、ネットワーク2を経由して仮想POSサーバ50へと送られる。ログインコマンドには、リーダ77で読み取られた会員カードの会員IDが含まれている。
【0068】
仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、通信インターフェース54を介してモバイル端末70からコマンドを受信すると、そのコマンドの種類を確認する。そして受信コマンドがログインコマンドであった場合、プロセッサ51は、図11の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0069】
プロセッサ51は、ACT21としてログインコマンドから会員IDを検出する。そしてプロセッサ51は、ACT22としてその会員IDで識別される会員の認証を行う。具体的にはプロセッサ51は、その会員IDを含む会員データレコードが会員データベースに存在するか否かを会員サーバ20に問い合わせる。その結果、会員サーバ20から該当する会員データレコードが会員データベースに存在するとの応答を受けた場合には、プロセッサ51は、会員認証が有効であると認定する。これに対し、会員サーバ20から該当する会員データレコードが会員データベースに存在しないとの応答を受けた場合には、プロセッサ51は、会員認証が無効であると認定する。
【0070】
プロセッサ51は、ACT23として会員認証の結果を確認する。ここで、認証結果が無効であった場合、プロセッサ51は、ACT23においてNOと判定し、ACT24へと進む。プロセッサ51は、ACT24としてモバイル端末70に否認応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は否認応答コマンドを送信する。否認応答コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント80から無線送信され、ログインコマンド送信元のモバイル端末70で受信される。
【0071】
認証結果が有効であった場合には、プロセッサ51は、ACT23においてYESと判定し、ACT25へと進む。プロセッサ51は、ACT25として会員IDで識別される会員の会員データを会員サーバ20に要求し、会員サーバ20から当該会員IDを含む会員データを取得する。
【0072】
プロセッサ51は、ACT26として購買登録リスト521をメインメモリ52に作成する。そしてプロセッサ51は、ログインコマンドに含まれていた会員IDを購買登録リスト521に書き込む。
【0073】
プロセッサ51は、ACT27として取得した会員データに含まれる電子マネーユーザIDで電子マネー管理サーバ30に電子マネー残高を問い合わせる。この問合せにより、電子マネー管理サーバ30は、電子マネーユーザIDと関連付けられた電子マネー残高を読出し、仮想POSサーバ50へと応答する。しかしてプロセッサ51は、電子マネー残高を取得する。
【0074】
プロセッサ51は、ACT28として購買登録リスト521にて電子マネー残高を記憶する。残高を記憶し終えると、プロセッサ51は、ACT29としてモバイル端末70に承認応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は承認応答コマンドを送信する。承認応答コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント80から無線送信され、ログインコマンド送信元のモバイル端末70で受信される。
【0075】
このように、ログインコマンドを受信した仮想POSサーバ50は、そのログインコマンド送信元のモバイル端末70に対し、ACT24またはACT29において否認又は承認応答コマンドを送信する。プロセッサ51は、いずれかの応答コマンドを送信し終えると、ログインコマンド受信処理を終了する。
【0076】
図10の説明に戻る。
ACT3においてログインコマンドの送信を制御したモバイル端末70のプロセッサ71は、ACT4として仮想POSサーバ50からの応答コマンドを待ち受ける。仮想POSサーバ50から否認応答コマンドを受信した場合、プロセッサ71は、ACT4においてNOと判定し、ACT2に戻る。したがって利用者は、再びログインを行うこととなる。
【0077】
仮想POSサーバ50から承認応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ71は、ACT4においてYESと判定し、ACT5へと進む。プロセッサ71は、ACT5としてその承認応答コマンドに含まれている会員IDをメインメモリ72にて記憶する。またプロセッサ71は、ACT6としてタッチパネル75に購買登録画面SC1(図16を参照)を表示させる。
【0078】
図16は、購買登録画面SC1の一例を示す模式図である。図16に示すように購買登録画面SC1には、購買登録された商品の商品名及び購買金額と合計金額とを表示するための領域が形成される。また、会計を指示するための会計ボタンBT1の画像が表示される。
【0079】
購買登録画面SC1を確認した利用者は、売場を回り、購買商品をカートCに収容する。例えば利用者は、籠受部C3に載置された買物カゴSBに購買商品を入れる。利用者は、購買商品を買物カゴSBに入れる前に、スキャナ76を操作してその商品に付されているコードシンボルを読み取る。スキャナ76でコードシンボルが読み取られると、そのコードシンボルで表わされた商品コードがモバイル端末70に入力される。すなわち商品コードで識別される商品が登録される。
【0080】
なお、生鮮食品などの一部の商品にはコードシンボルが付されていないことがある。図示しないが、購買商品にコードシンボルが付されていない場合、利用者は、タッチパネル75の画面に表示される商品ボタンから購買商品に対応した商品ボタンにタッチする。商品ボタンがタッチされたことで、その商品ボタンに対応した商品の商品コードがモバイル端末70に入力される。すなわち商品コードで識別される商品が登録される。なお、別の手段として、例えば、青果等の商品の周りに配置された値札近傍にバーコードや二次元コード等のコードシンボルを設け、そのコードシンボルをスキャナ76が読み取るようにしてもよい。
【0081】
図10の説明に戻る。
【0082】
ACT5及びACT6の処理を終えると、プロセッサ71は、ACT7として購買登録が行われたか否かを確認する。プロセッサ71は、購買登録が行われたことを確認すると、ACT7においてYESと判定し、ACT8へと進む。プロセッサ71は、ACT8として購買登録コマンドを仮想POSサーバ50に送信するように無線ユニット74を制御する。この制御により、無線ユニット74は、購買登録コマンドを無線送信する。購買登録コマンドは、アクセスポイント80で受信され、ネットワーク2を介して仮想POSサーバ50へと送られる。購買登録コマンドには、メインメモリ72にて記憶した会員IDと、登録商品の商品コードとが含まれる。
【0083】
購買登録コマンドを受信した仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、図12の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
プロセッサ51は、ACT31として購買登録コマンドから会員IDを検出する。そしてプロセッサ51は、ACT32としてその会員IDが記述された購買登録リスト521を抽出する。
【0084】
ACT31及びACT32の処理を終えると、プロセッサ51は、ACT33として購買登録コマンドに含まれる商品コードを基に購買商品データ522を作成し、その購買商品データ522を購買登録リスト521に書き込む。またプロセッサ51は、ACT34として購買登録リスト521の合計金額を、新たに書き込まれた購買商品データ522の購買金額を加算した金額に更新する。
【0085】
プロセッサ51は、ACT35として更新後の合計金額が電子マネー残高を超えるか否かを確認する。合計金額が電子マネー残高を超えない場合、プロセッサ51は、ACT35においてYESと判定し、購買登録コマンド受信処理を終了する。
【0086】
合計金額が電子マネー残高を超える場合には、プロセッサ51は、ACT35においてNOと判定し、ACT36へと進む。プロセッサ51は、ACT36として表示フラグが“0”であるか否かを確認する。表示フラグは、モバイル端末70にチャージ選択画面SC2(図17を参照)を表示するまでは初期状態の“0”であり、表示すると“1”にセットされる1ビットデータである。
【0087】
チャージ選択画面SC2を既に表示している場合、プロセッサ51は、ACT36においてNOと判定し、購買登録コマンド受信処理を終了する。しかしながらこの時点では、モバイル端末70にチャージ選択画面SC2をまだ表示していないので、表示フラグは初期状態の“0”である。したがって、プロセッサ51は、ACT36においてYESと判定し、ACT37へと進む。
【0088】
プロセッサ51は、ACT37としてモバイル端末70にチャージ選択画面SC2の表示を行うように、通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54はチャージ選択画面SC2の表示を通知する表示コマンドを送信する。表示コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント80から無線送信され、購買登録コマンド送信元のモバイル端末70で受信される。表示コマンドを受信したモバイル端末70においては、タッチパネル75にチャージ選択画面SC2が表示される。
【0089】
図17は、チャージ選択画面SC2の一例を示す模式図である。図17に示すように、チャージ選択画面SC2には、電子マネー残高が不足していることを通知するメッセージと、現在の電子マネー残高と、購買登録された商品の合計金額と、会計前にチャージすることを問い合わせるメッセージとが表示される。またチャージ選択画面SC2には、「チャージする」ボタンBT2及び「チャージしない」ボタンBT3の画像が表示される。
【0090】
会計前に電子マネーをチャージする利用者は、「チャージする」ボタンBT2にタッチする。電子マネーをチャージしない利用者は、「チャージしない」ボタンBT3にタッチする。
【0091】
図12の説明に戻る。
モバイル端末70にチャージ選択画面SC2を表示したので、仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、ACT38として表示フラグを“1”に更新する。以上で、プロセッサ51は、購買登録コマンド受信処理を終了する。
【0092】
図10の説明に戻る。
ACT8において購買登録コマンドの送信を制御したモバイル端末70のプロセッサ71は、ACT9として仮想POSサーバ50からチャージ選択画面SC2の表示コマンドを受信したか否かを確認する。表示コマンドを受信しない場合、すなわち合計金額が電子マネー残高を超えない場合、プロセッサ71は、ACT9においてNOと判定し、ACT14へと進む。
【0093】
仮想POSサーバ50からチャージ選択画面SC2の表示コマンドを受信した場合には、プロセッサ71は、ACT9においてYESと判定し、ACT10へと進む。プロセッサ71は、ACT10としてタッチパネル75にチャージ選択画面SC2を表示させる。
【0094】
プロセッサ71は、ACT11として「チャージする」ボタンBT2がタッチされたか否かを確認する。「チャージする」ボタンBT2がタッチされず、「チャージしない」ボタンBT3がタッチされた場合、プロセッサ71は、ACT11においてNOと判定し、ACT14へと進む。
【0095】
「チャージする」ボタンBT2がタッチされた場合には、プロセッサ71は、ACT11においてYESと判定し、ACT12へと進む。
【0096】
プロセッサ71は、ACT12としてチャージコマンドを仮想POSサーバ50に送信するように無線ユニット74を制御する。この制御により、無線ユニット74は、チャージコマンドを無線送信する。チャージコマンドは、アクセスポイント80で受信され、ネットワーク2を経由して仮想POSサーバ50へと送られる。チャージコマンドには、リーダ77で読み取られた会員カードの会員IDが含まれている。
【0097】
仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、通信インターフェース54を介してモバイル端末70からコマンドを受信すると、そのコマンドの種類を確認する。そして受信コマンドがチャージコマンドであった場合、プロセッサ51は、図13の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0098】
プロセッサ51は、ACT41としてチャージコマンドから会員IDを検出する。そしてプロセッサ51は、ACT42としてその会員IDが記述された購買登録リスト521を抽出する。
【0099】
ACT41及びACT42の処理を終えると、プロセッサ51は、ACT43としてチャージコマンドから検出した会員IDと関連付けて購買登録リスト521にて記憶されているチャージフラグを“1”に更新する。チャージフラグは、チャージ選択画面SC2において「チャージする」ボタンBT2がタッチされたか否かを識別するための1ビットデータである。すなわちチャージフラグは、チャージ指示情報である。本実施形態では「チャージする」ボタンBT2がタッチされた場合のチャージフラグを“1”、「チャージする」ボタンBT2がタッチされない場合、すなわち「チャージしない」ボタンBT3がタッチされた場合のチャージフラグを“0”とする。この時点では、「チャージする」ボタンBT3がタッチされたので、チャージフラグが“1”となる。
【0100】
プロセッサ51は、ACT44としてモバイル端末70にチャージ実行を行うように、通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54はチャージ実行コマンドを送信する。チャージ実行コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント80から無線送信され、チャージコマンド送信元のモバイル端末70で受信される。チャージ実行コマンドには、チャージコマンドから検出した会員IDが含まれる。チャージ実行を行ったプロセッサ51は、チャージコマンド受信処理を終了する。
【0101】
図10の説明に戻る。
ACT12においてチャージコマンドの送信を制御したモバイル端末70のプロセッサ71は、ACT13として仮想POSサーバ50からのチャージ実行コマンドを待ち受ける。仮想POSサーバ50からチャージ実行コマンドを受信した場合、プロセッサ71は、ACT13においてYESと判定し、ACT14へと進む。プロセッサ71は、ACT14として、購買登録画面SC1を更新する。図示しないが、更新後の購買登録画面SC1には、例えば「会計前に電子マネーをチャージしてください」等のメッセージが表示される。なお、プロセッサ71は、ACT9またはACT11においてNOと判定し、ACT14へと進む場合、購買登録画面SC1には、会計前に電子マネーのチャージを促すメッセージは表示されない。購買登録画面SC1を更新したプロセッサ71は、ACT7に戻る。ACT7の待ち受け状態においてプロセッサ71は、再び購買登録が行われたことを確認すると、ACT8乃至ACT14の処理を、前述した場合と同様に実行する。したがって仮想POSサーバ50においても、プロセッサ51は、図12に示す購買登録コマンド受信処理と、図13に示すチャージコマンド受信処理とを再度実行する。
【0102】
購買登録が行われていない場合、プロセッサ71は、ACT7においてNOと判定し、ACT15へと進む。プロセッサ71は、ACT15として会計が指示されたか否かを確認する。
【0103】
購買登録画面SC1の一部には、会計ボタンBT1の画像が表示されている。購買を終えた利用者は、会計ボタンBT1にタッチする。プロセッサ71は、会計ボタンBT1がタッチされた場合に、会計が指示されたと認識する。会計が指示されていない場合、プロセッサ71は、ACT15においてNOと判定し、ACT7に戻る。
【0104】
プロセッサ71は、会計が指示されたことを確認すると、ACT15においてYESと判定し、ACT16へと進む。プロセッサ71は、ACT16として会計コマンドを仮想POSサーバ50に送信するように無線ユニット74を制御する。この制御により、無線ユニット74は、会計コマンドを無線送信する。会計コマンドは、アクセスポイント80で受信され、ネットワーク2を介して仮想POSサーバ50へと送られる。会計コマンドには、メインメモリ72にて記憶した会員IDが含まれる。
【0105】
会計コマンドを受信した仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、図14の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
プロセッサ51は、ACT51として会計コマンドから会員IDを検出する。そしてプロセッサ51は、ACT52としてその会員IDが記述された購買登録リスト521を抽出する。
【0106】
ACT51及びACT52の処理を終えると、プロセッサ51は、ACT53として会計バーコードのデータを生成する。会計バーコードは、会計機60で会計を行う利用者を識別するためのものである。会計バーコードは、会計機60で会計を行う利用者毎に生成される。プロセッサ51は、ACT54として購買登録リスト521にて会計バーコードを記憶する。
【0107】
プロセッサ51は、ACT55として店舗サーバ10に会計機テーブル121を問い合わせる。この問合せにより、店舗サーバ10は、会計機テーブル121を読出し、仮想POSサーバ50へと応答する。しかしてプロセッサ51は、会計機テーブル121を取得する。
【0108】
プロセッサ51は、ACT56として取得した会計機テーブル121のデータを基に会計機案内画面SC3(図18を参照)を作成する。会計機案内画面SC3には、ACT53において生成した会計バーコードも含まれる。プロセッサ51は、ACT57としてモバイル端末70に会計機案内画面SC3の表示を行うように、通信インターフェース54を制御する。この制御により、通信インターフェース54は会計機案内画面SC3の表示を通知する画面コマンドを送信する。画面コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント80から無線送信され、会計コマンド送信元のモバイル端末70で受信される。会計機案内画面SC3の表示を通知したプロセッサ51は、会計コマンド受信処理を終了する。
【0109】
図10の説明に戻る。
【0110】
ACT16において会計コマンドの送信を制御したモバイル端末70のプロセッサ71は、ACT17として仮想POSサーバ50からの画面コマンドを待ち受ける。仮想POSサーバ50から画面コマンドを受信した場合、プロセッサ71は、ACT17においてYESと判定し、ACT18へと進む。プロセッサ71は、ACT18としてタッチパネル75に会計機案内画面SC3を表示させる。
【0111】
図18は、会計機案内画面SC3の一例を示す模式図である。図18に示すように会計機案内画面SC3には、会計バーコードの表示エリアAR1と、会計機案内画像の表示エリアAR2とが形成されている。表示エリアAR1には、会計バーコードBC1と、購買登録された商品の合計金額と、この会計バーコードを会計機60でスキャンすることを促すメッセージとが表示される。表示エリアAR2には、利用可能な会計機60の設置場所を示すメッセージとともに、店内マップが表示されている。店内マップは、会計機テーブル121を基に作成される。会計機テーブル121のステータスが「アイドル中」すなわち利用者がこの時点で利用可能な会計機60の設置場所は実線の二重丸印で表示される。会計機テーブル121のステータスが「支払中」すなわち利用不可能な会計機60の設置場所は点線の二重丸印で表示される。なお、図18に表示されているメッセージの内容及び店内マップは一例である。利用者に対して会計バーコードを通知し、利用可能な会計機を案内する内容であればよい。
【0112】
図10の説明に戻る。
【0113】
ACT18において会計機案内画面SC3を表示させたモバイル端末70のプロセッサ71は、情報処理手順を終了する。
【0114】
会計機案内画面SC3を確認した利用者は、利用可能な会計機60の設置場所に行き、その会計機60に備えられたスキャナ618で会計機案内画面SC3に表示されている会計バーコードを読み取らせる。
【0115】
図15中のACT61において、会計機60のプロセッサ61は、会計バーコードを読み取ったか否かを確認する。会計バーコードを読み取った場合、プロセッサ61は、ACT61においてYESと判定し、ACT62へと進む。
【0116】
プロセッサ61は、読み取った会計バーコードで仮想POSサーバ50に購買登録リスト521を問い合わせる。この問合せにより、仮想POSサーバ50は、問い合わせのあった会計バーコードが記述された購買登録リスト521を読出し、会計機60へと応答する。しかしてプロセッサ61は、ACT62として購買登録リスト521を受信したか否かを確認する。購買登録リスト521を受信した場合、プロセッサ61は、ACT62においてYESと判定し、ACT63へと進む。プロセッサ61は、ACT63として受信した購買登録リスト521にて記憶されているチャージフラグが“1”であるか否かを確認する。チャージフラグが“1”である場合、すなわち利用者が電子マネーをチャージする場合、プロセッサ61は、ACT63においてYESと判定し、ACT64へと進む。プロセッサ61は、ACT64としてチャージモードに移行する。すなわちプロセッサ61は、会計機60に備えられたタッチパネル617にチャージ金額入力画面SC4(図19を参照)を表示させて、電子マネーのチャージに関するデータの入力を受け付ける。
【0117】
図19は、チャージ金額入力画面SC4の一例を示す模式図である。図19に示すようにチャージ金額入力画面SC4には、残高表示エリアAR3と、金額ボタン表示エリアAR4と、チャージ金額表示エリアAR5とが形成されている。また、チャージ金額入力画面SC4には、中止ボタンBT4と確定ボタンBT5とが表示されている。
【0118】
残高表示エリアAR3には、電子マネー残高が表示される。図19では、電子マネーの残高として999円が表示されている。
金額ボタン表示エリアAR4には、500円ボタンBT6、1000円ボタンBT7、2000円ボタンBT8、3000円ボタンBT9、5000円ボタンBT10及び10000円ボタンBT11が表示されている。500円ボタンBT6は、チャージ金額500円を入力するためのボタンである。1000円ボタンBT7は、チャージ金額1000円を入力するためのボタンである。他のボタンBT8~BT11も同様である。なお、金額ボタン表示エリアAR4に表示されるボタンの種類は、図19の例に限定されない。
【0119】
チャージ金額表示エリアAR5には、金額ボタンBT6~BT11により入力されたチャージ金額が表示される。
【0120】
チャージ金額入力画面SC4において、該当するチャージ金額の金額ボタンBT6~BT11にタッチした利用者は、続いて確定ボタンBT5にタッチする。なお、利用者がチャージ金額入力を中止する場合には、中止ボタンBT4にタッチする。
【0121】
図15の説明に戻る。
【0122】
チャージ金額入力画面SC4を表示させたプロセッサ61は、ACT65として金額ボタンBT6~BT11がタッチされるのを待ち受ける。金額ボタンBT6~BT11がタッチされた場合、プロセッサ61は、ACT65においてYESと判定し、ACT66へと進む。プロセッサ61は、ACT66として確定ボタンBT5がタッチされるのを待ち受ける。確定ボタンBT5がタッチされた場合、プロセッサ61は、ACT66においてYESと判定し、ACT67へと進む。プロセッサ61は、ACT67としてタッチパネル617の画面をチャージ金額入力画面SC4から現金投入画面SC5(図20を参照)へと切り替える。
【0123】
図20は、現金投入画面SC5の一例を示す模式図である。図20に示すように、現金投入画面SC5には、現金の投入を促すメッセージが表示されている。また現金投入画面SC5には、中止ボタンBT12の画像と、チャージ金額エリアAR6と、投入金額エリアAR7と、釣銭エリアAR8と、チャージ後残高エリアAR9とが配置されている。投入金額エリアAR7は、自動釣銭機に投入された現金の金額を表示するためのエリアである。釣銭エリアAR8は、投入金額とチャージ金額とから得られる釣銭額を表示するためのエリアである。チャージ後残高エリアAR9は、チャージ金額をチャージした後の電子マネーの残高を表示するためのエリアである。なお、図20では、投入金額エリアAR7、釣銭エリアAR8及びチャージ後残高エリアAR9に金額が表示されているが、ACT67の時点では、金額は表示されていない。
【0124】
図15の説明に戻る。
【0125】
プロセッサ61は、ACT68として自動釣銭機に現金が投入されるのを待ち受ける。現金が投入された場合、プロセッサ61は、ACT68においてYESと判定し、ACT69へと進む。プロセッサ61は、ACT69として現金投入画面SC5にチャージ結果を表示する。具体的にはプロセッサ61は、図20に示すように、投入金額エリアAR7に投入金額の値を表示し、釣銭エリアAR8に釣銭額を表示し、チャージ後残高エリアAR9に、投入金額の値を加算した後の残高を表示する。
【0126】
プロセッサ61は、ACT70として電子マネーの決済処理を実行する。この決済処理は既存の処理で周知なので、具体的な説明は省略する。
【0127】
チャージフラグが“1”でない場合、すなわち利用者が電子マネーをチャージしない場合には、プロセッサ61は、ACT63においてNOと判定し、ACT71へと進む。プロセッサ61は、ACT71として会計モードに移行する。すなわちプロセッサ61は、タッチパネル617に支払方法選択画面SC6(図21を参照)を表示させて、会計に関するデータの入力を受け付ける。
【0128】
図21は、支払方法選択画面SC6の一例を示す模式図である。図21に示すように支払方法選択画面SC6には、支払方法の選択を促すメッセージが表示されている。また支払方法選択画面SC6には、現金ボタンBT13、クレジットボタンBT14及び電子マネーボタンBT15の各画像と、合計金額エリアAR10とが配置されている。
【0129】
現金ボタンBT13は、現金支払の宣言を受け付けるためのボタン画像である。クレジットボタンBT14は、クレジットカード支払の宣言を受け付けるためのボタン画像である。電子マネーボタンBT15は、電子マネー支払の宣言を受け付けるためのボタン画像である。合計金額エリアAR10は、購買登録リストにて記憶されている合計金額を表示するためのエリアである。
【0130】
図15の説明に戻る。
【0131】
支払方法選択画面SC6の表示を制御したプロセッサ61は、ACT72として支払方法が選択されるのを待ち受ける。具体的にはプロセッサ61は、現金ボタンBT13がタッチされるか、クレジットボタンBT14がタッチされるか、電子マネーボタンBT15がタッチされるのを待ち受ける。
【0132】
支払方法が選択されたならば、プロセッサ61は、ACT72においてYESと判定し、ACT73へと進む。
【0133】
プロセッサ61は、ACT73として電子マネーボタンBT15がタッチされたか否かを確認する。電子マネーボタンBT15がタッチされない場合、すなわち現金ボタンBT13またはクレジットボタンBT14がタッチされた場合、プロセッサ61は、ACT73においてNOと判定し、ACT70へと進む。プロセッサ61は、ACT70としてその選択された支払方法による決済処理を実行する。すなわち現金ボタンBT13がタッチされた場合には、プロセッサ61は、現金支払による決済処理を実行する。クレジットボタンBT14がタッチされた場合には、プロセッサ61は、クレジット支払による決済処理を実行する。これらの決済処理は既存の処理で周知なので、具体的な説明は省略する。
【0134】
電子マネーボタンBT15がタッチされた場合、プロセッサ61は、ACT73においてYESと判定し、ACT74へと進む。そしてプロセッサ61は、ACT74として電子マネー残高が不足しているか否かを確認する。電子マネー残高が不足してない場合、プロセッサ61は、ACT74においてNOと判定し、ACT70へと進む。すなわちプロセッサ61は、ACT70として電子マネーの決済処理を実行する。
【0135】
電子マネー残高が不足している場合、プロセッサ61は、ACT74においてYESと判定し、ACT64に戻る。そしてプロセッサ61は、それ以降のACT64乃至ACT70の処理を前述したのと同様に繰り返す。以上で、図15の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0136】
以上の説明から明らかなように、情報処理装置の一例である仮想POSサーバ50は、プロセッサ51が図11のACT21乃至ACT28の処理を実行することにより、取得手段を構成する。すなわち仮想POSサーバ50は、会員IDで識別される利用者が所有する電子マネーの残高を、通信サーバ40を介して電子マネー管理サーバ30から取得する。
【0137】
また仮想POSサーバ50は、プロセッサ51が図12のACT31乃至ACT34の処理を実行することによって、算出手段を構成する。すなわち仮想POSサーバ50は、利用者が購入する購買商品が登録される毎に、それまで登録された購買商品の購買金額を合算して代金を算出する。
【0138】
さらに仮想POSサーバ50は、プロセッサ51が図12のACT35乃至ACT37、そして図13のACT41乃至ACT44の処理を実行することによって、記憶手段を構成する。すなわち仮想POSサーバ50は、電子マネーの残高と代金との間に所定の条件が成立すると、モバイル端末70と関連付けて電子マネーのチャージ指示情報を記憶する。
【0139】
会計機60は、プロセッサ61が図15のACT61及びACT62の処理を実行することにより、受付手段を構成する。すなわち会計機60は、モバイル端末70からの会計指示を受け付ける。
【0140】
また会計機60は、プロセッサ61が図15のACT63乃至ACT74の処理を実行することにより、モード選択手段を構成する。すなわちチャージ指示情報が関連付けられていないモバイル端末70からの会計指示を受け付けた場合には会計に関するデータの入力を受け付ける会計モードを選択し、チャージ指示情報が関連付けられているモバイル端末70からの会計指示を受け付けた場合には電子マネーのチャージに関するデータの入力を受け付けるチャージモードを選択する。
【0141】
会計機60がチャージモードを選択する場合、会計機60で会計バーコードが読み取られると、タッチパネル617の画面がチャージ金額入力画面SC4に切り替わる。利用者は、この画面SC4に表示されたソフトウェアキーを操作することで、電子マネーをチャージすることができる。したがって、このような情報処理装置及び会計機を備えた店舗システム1であれば、会計機60のプロセッサ61は図15のACT71乃至ACT74の処理を要さないため、会計機60の処理操作ステップを減らすことができる。その結果、会計機の処理負荷が軽減される。また会計機で電子マネーをチャージする時間を短縮することができるので、決済が滞るのを未然に防ぐことができる。
【0142】
また、会計バーコード及び会計機案内画面SC3には、利用可能な会計機60の設置場所が表示されている。したがって、利用者は、利用可能な会計機60の設置場所を事前に知ることができるので、効率的である。
【0143】
以上、店舗システム、情報処理装置、会計機及び制御プログラムの実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0144】
前記実施形態では、利用者が購入する購買商品が登録される毎に、それまで登録された購買商品の購買金額を合算して算出された代金が電子マネー残高を超え、表示フラグが“0”である場合には、チャージ選択画面SC2を表示するものとした。電子マネーの残高と代金との間の所定の条件はこれに限定されるものではない。例えば、電子マネー残高から合計金額を減じた金額が、設定金額以下又は未満になった場合としてもよい。この場合において、設定金額は、客が予め設定してもよい。
【0145】
因みに、代金が電子マネーの残高を超えると所定の条件が成立するとみなすようにした場合には、買物によって電子マネーの残高が不足する客に対して電子マネーのチャージを指示することができる。したがって客は、電子マネーの残高が不足する場合に、効率よくチャージを行うことができる。一方、電子マネーの残高から代金を減じた差額が設定金額以下又は未満になると所定の条件が成立するとみなすようにした場合には、買物によって電子マネーの残高が設定金額以下又は未満となる客に対して電子マネーのチャージを指示することができる。したがって客は、電子マネーの残高が設定金額以下又は未満になる場合に、効率よくチャージを行って残高を増額することができる。しかも、設定金額を客が自ら設定可能とすることによって、チャージするときの残高を客毎に決めることができる。
【0146】
前記実施形態では、支払方法選択画面SC6にて、現金支払、クレジット支払、電子マネー支払を例示した。支払方法はこれらの3つに限定されるものではない。
【0147】
前記実施形態では、モバイル端末70をカートCに取り付けた場合を例示した。モバイル端末70は、必ずしもカートCに取り付けられていなくてもよい。例えば、利用者が所有するスマートフォン、タブレット端末等をモバイル端末70としてもよい。
【0148】
前記実施形態では、仮想POSサーバ50を情報処理装置の一態様として説明した。仮想POSサーバ50は、前記実施形態で説明したものに限定されるものではない。例えば店舗サーバ10、会員サーバ20、電子マネー管理サーバ30、または通信サーバ40のうち少なくとも1つのサーバとしての機能をさらに備えた仮想POSサーバ50を情報処理装置としてもよい。換言すれば、仮想POSサーバ50としての機能を備えた店舗サーバ10、会員サーバ20、電子マネー管理サーバ30、または通信サーバ40を情報処理装置としてもよい。
【0149】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0150】
1…店舗システム、2,3…ネットワーク、10…店舗サーバ、11,51,71,611…プロセッサ、12,52,72,612…メインメモリ、13,53,73,613…補助記憶デバイス、14,54,616…通信インターフェース、15,55,79,621…システム伝送路、20…会員サーバ、30…電子マネー管理サーバ、40…通信サーバ、50…仮想POSサーバ、60…会計機、70…モバイル端末、74…無線ユニット、75,617…タッチパネル、76,618…スキャナ、77,619…リーダ、78…カメラ、80…アクセスポイント、121…会計機テーブル、521…購買登録リスト、522…購買商品データ、614…時計、615…釣銭機インターフェース、620…プリンタ。
図1
図2
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