(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】生体物質を印刷する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
C12N 13/00 20060101AFI20231212BHJP
C12N 5/071 20100101ALI20231212BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
C12N13/00
C12N5/071
C12M1/00 A
(21)【出願番号】P 2019570352
(86)(22)【出願日】2018-03-09
(86)【国際出願番号】 US2018021850
(87)【国際公開番号】W WO2018165613
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-03-08
(32)【優先日】2017-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519327412
【氏名又は名称】プレリス バイオロジクス,インク.
(74)【復代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】マシュー,メラニー ピー.
【審査官】太田 雄三
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/075103(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/018304(WO,A1)
【文献】CONDLIFFE, J.,ホログラムでたった数秒!光造形3Dプリンタがまた進歩,MIT technology Review[online],2017年02月20日,インターネット〈https://www.technologyreview.jp/s/28625/this-super-fast-3-d-printer-is-powered-by-holograms/〉,[検索日 2022.04.14]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 13/00
C12N 5/00
C12M 1/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元(3D)生体物質を印刷するための方法であって、
(a)1つ以上のポリマー前駆体を含む媒体を含む、媒体チャンバを提供する工程
、及び
(b)1つ以上の前記ポリマー前駆体から形成されたポリマーを含む前記3D生体物質の少なくとも一部を形成するべく、コンピュータメモリーにおける前記3D生体物質を印刷するためにコンピュータ命令に従って前記媒体チャンバ中の前記媒体の量全体にわたって同時の3Dホログラフィック投影としてパターン化される複数の非干渉
の焦点を生成するために、少なくとも1つのエネルギービームを使用する工程
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記(b)工程の前に、コンピュータメモリーにおける前記3D生体物質のポイントクラウド表現又はラインベース表現を生成する工程、及び、前記コンピュータ命令を生成するために前記ポイントクラウド表現又はラインベース表現を使用する工程を更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポイントクラウド表現又はラインベース表現を画像に変換する工程、及び、前記3Dホログラフィック投影としてパターン化される前記複数の非干渉
の焦点を生成するために前記画像を使用する工程を更に含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記画像は、前記量の全体にわたって同時に前記3Dホログラフィック投影としてパターン化される前記複数の非干渉
の焦点を生成する前に分解され且つ再構成される、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ポイントクラウド表現又は前記ラインベース表現は、前記3D生体物質に相当する多次元構造要素を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのエネルギービームはコヒーレント光を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのエネルギービームは位相変調される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上のポリマー前駆体は少なくとも2つの異なるポリマー前駆体を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記3D生体物質の少なくとも他の部分を形成するために前記(b)工程を繰り返す工程を更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記3D生体物質の少なくとも他の部分は、前記(b)工程で形成された3D生体物質に結合される、ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記3D生体物質の少なくとも他の部分は、前記(b)工程で形成された3D生体物質に結合されない、ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記(b)工程は更に、前記媒体チャンバにおける前記媒体の多数の部分が前記3D生体物質の少なくとも一部を同時に形成することを可能にするために、少なくとも2つのエネルギービームを使用する工程を更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも2つのエネルギービームは同一波長である、ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも2つのエネルギービームは異なる波長である、ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記3D生体物質の少なくとも一部は、前記複数の細胞に1つ以上の栄養素を提供するために微小血管系を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記微小血管系は1μm~20μmの断面を持つ、ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記3D生体物質は100μm~5cmの厚み又は直径を持つ、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記媒体は複数のビーズを更に含み、且つ(b)において、前記3D生体物質の少なくとも一部は、形成されると前記複数のビーズを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記複数のビーズはシグナル分子又はタンパク質を更に含む、ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記シグナル分子又はタンパク質は、臓器機能を可能にするために前記3D生体物質の形成を促進する、ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記3D生体物質は複数の細胞含有スキャフォールドを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記複数の細胞含有スキャフォールドの第1の細胞含有スキャフォールドが、前記複数の細胞含有スキャフォールドの第2の細胞含有スキャフォールドに結合される、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記複数の細胞含有スキャフォールドは、複数の鎖を含むネットワークを含む、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の鎖の個々の鎖は、0.1nm~5cmの厚みを持つ、ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記複数の細胞の少なくとも部分集合は、少なくとも2つの異なるタイプの細胞を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項26】
(a)において、前記複数の細胞は、前記少なくとも2つの異なるタイプの細胞を含まず、前記3D生体物質の少なくとも一部を形成した後、前記複数の細胞の前記少なくとも部分集合の少なくとも一部は、前記少なくとも2つの異なるタイプの細胞を形成するために分化にさらされる、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つのエネルギービームは多光子エネルギービームである、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記媒体はグルタチオンを更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記多光子エネルギービームは二光子エネルギービームである、ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記3Dホログラフィック投影は、デジタルマイクロメーターデバイスではない空間光変調器(SLM)を使用して生成される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項31】
複数の細胞を提供する工程を更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記3D生体物質の少なくとも一部は前記複数の細胞の少なくとも部分集合を含む、ことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2017年3月10日出願の米国仮特許出願第62/469,948号の利益を主張し、該出願は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
細胞生物学、マイクロ流体工学、工学技術、及び三次元印刷の分野における著しい進歩にもかかわらず、現在まで、従来の手法は、ヒト臓器を構築するのに必要な厚い組織を供給且つ支持する機能性キャピラリーを再生成することができなかった。現在まで、組織工学におけるこのような手法は、恒久的な血管新生を達成するために組織工学により作成されたデバイスへの血管の内部成長に依存している。この戦略は、膀胱壁置換などの非常に薄い組織、又は、機能に脈管構造を必要としない骨置換などの組織である、一部の組織に機能している。しかし、現行の組織工学技術は、肝臓、腎臓、厚皮、及び心臓を含む、大きな重要臓器などの複合組織の作成には達していない。より大きな組織は、より小さな組織サブユニットの組織化と見なすことができ;例えば、腎臓は数十万のネフロンユニットで構成され、肺の機能ユニット、即ち肺胞腔は、70~80平方メートル(m2)の組み合わせた表面積を有しているが、1つの細胞壁、即ち5~10マイクロメートル(μm)の厚みしかない。現行の組織印刷方法は、300マイクロメートル(μm)よりも厚い組織を支持するのに必要な細かい微小血管系を再生成できないだけでなく、臓器機能に必要な構造的配向及びニッチへと細胞を組織化することもできない。
【0003】
多光子レーザーベースの励起が、光重合反応を使用したサブナノメートルの分解能での微小構造の生成のための化学及び物理学において使用され、光重合は、物質の光ベースの重合である。重合を引き起こす二光子顕微鏡検査の使用が先ず、1981年に説明された。これは後に、x-y次元でピンポイント焦点レーザーをラスタースキャンし、行ごとに構造をなぞることによって、マイクロメートル~ナノメートルのスケールのパーツ及びツールを構築するために使用される。二光子励起の高分解能ピンポイントにより、サブナノメートル印刷分解能、及び、光重合され得るプラスチックでの付加的な製造が可能になった。進展した二光子技術及び二光子励起がレーザースキャン顕微鏡検査と組み合わさると、生きた組織の画像化が可能になった。多光子励起に使用される、典型的に700ナノメートル(nm)を超える長波長により、レーリー散乱の減少、蛍光プローブの最小の光ブリーチング、及び検出可能な組織毒性が最小~全くないことに起因する、より大きな組織浸透が可能となった。故に、多光子レーザー励起は、単一光子レーザーベースの焦点画像化により達成可能なものよりも大きな深度での組織の非侵襲的画像化のために、生物学において有用となった。
【0004】
二光子及び三光子の吸収によって励起される内因的プローブの使用を介した、典型的には数時間を超える長時間の生細胞画像化が、そのすぐ後に説明された。二光子画像化の第1の用途のうち1つは植物学の分野にあり、これは先ず、生細胞への二光子励起の本質的に低い毒性を説明している。神経シグナル伝達に関する研究での使用により、二光子顕微鏡検査は、哺乳動物細胞における重要な低毒性の光画像化ツールであることを実証され、ここで二光子励起は、外部刺激が適用されるまで単一ニューロンの興奮(firing)を誘発しないほど十分に軽度なものであった。2002年に、ビデオレート二光子画像化が、リンパ節などの全体組織における哺乳類生細胞に対して毒性ではないと実証された。その後、皮膚、肺、脾臓、肝臓、及び様々な他の組織における生細胞が、二光子顕微鏡検査を使用して検査された。長時間の画像化期間は現在、細胞の生物活性又は生存度に対する観察可能な負の効果を伴うことなく最大24時間であり、多数の哺乳動物細胞及び組織において実施されている。
【0005】
共に、生体物質を重合する能力と組み合わせた個々の細胞の高い生存度は、多光子励起を、無細胞培地、及び埋め込まれる細胞を含む培地の両方における物質の重合に理想的なツールにした。故に、多光子レーザーベースの励起は、幾つかの三次元組織構造の組織工学に対して使用されているが、現行の技術により記載されるような二次元ラスタースキャンでの複雑な構造の印刷に関連付けられる速度の著しい制限は、現在までの機能器官を含む複雑で多細胞の三次元組織構造の作成を、不可能なものにしている。これは、単一ユニット(スキャンライン)プロセスに対する製造速度及び分解能における固有のトレードオフによるものである。例えば、1立法センチメートルの組織を作成するのに十分に細かな分解能でのレーザーのラスタースキャンは、実行までに30年以上かかる場合があることが、推定される。しかし、組織工学の分野において、三次元組織構造の展望は、臓器移植を必要とする患者に有望な処置オプションの望みを与え、且つ、エラーにさらされる、動物モデルではなく全体のヒト由来の組織に基づいて創薬及び調査を改善した。
【0006】
組織工学の多光子励起方法は、ノズルを通って予め定められたパターン又は形態生成構造(form generating structure)へと送り込まれる物質の堆積に依存する、押し出し又はスプレーベースの印刷技術よりも優れていると示されている。スプレー又は小滴ベースの細胞印刷は、分解能と生体適合性を欠き、比較的遅く、且つ拡張性がないため、組織全体が構築可能ではない。全ての臓器及び組織に存在する微小血管系又は毛細管は、例えば5~10マイクロメートルの最大直径を持つ。この細かく構造化された脈管構造は、組織が生存可能であるために必要なものである。現行の小滴又はスプレー印刷方法は、50マイクロメートル未満の血管構造を産生する能力を持たない。それ故、現在まで、酸素拡散及び廃棄物交換の限界である、例えばほぼ250~300マイクロメートルより厚い組織構造は、生存可能とは報告されていない。微小血管系からの厳密な潅流なしに、例えば250~300マイクロメートルより厚い組織は、低酸素となって栄養素が不足し、最終的には壊死して、インサイドアウト(iside out)により死滅する。更に、組織の完全性及び機能の支持に必要な微小血管系を印刷するのに必要な単一細胞層及び細かな分岐は、現行の押し出し又は小滴ベースの印刷方法を使用して達成することはできない。
【0007】
その細胞レベルでの分解能の欠如は、多数の細胞型又は細胞の層の直接相互作用に依存する、複雑な又は小規模の三次元構造及び細胞ニッチの発達を、更に制限する。しかし、微細構造の事前印刷、又は事前印刷された無細胞スキャフォールドの使用は、微小血管系を作成するのに必要な分解能を達成することができるが、これらの構造は、細胞播種を必要とし、特異的な配向又はニッチに細胞を配する能力を制限し、組織の発達時間を増大し、及び、多くの細胞播種技術が小さな多孔構造への細胞の埋め込みを強制することを要するときに細胞の生存率の減少に繋がる。更に、印刷されたスキャフォールド構造の疎剛性は、細胞により誘導される構成上及び構造上の変化を制限すること、及び、新たな血管の発達を制限することにより、完全に適合可能な生物学的に機能性の組織の発達を妨害する。加えて、印刷されたスキャフォールド構造の疎剛性は、細胞が固定され且つ僅かなタイプの細胞のみがそのような剛性構造で堆積され得るので、血管組織の発達を妨げる、機能的で、ニッチに適合する、構成上の変化を制限する。
【0008】
押し出し印刷において、細胞の生存率も損なわれ、印刷時間が遅すぎることから、組織構造を印刷するのに必要な長い期間にわたって細胞の生存率を維持することができない。分解能の問題を解決しないように押し出し印刷のスケーラビリティも本質的に制限され、故に、押し出し印刷は大規模で組織を印刷する能力を持たない。印刷された組織のサイズ及び機能は、一連の要因により制限される。これらの制限因子は、より大きなサイズの臓器構造に規模を合わせることができないこと(印刷までの時間)、多細胞の三次元ニッチを作成できること、天然の細胞誘発性の発達が生じ得るような最終構造の不変性、及び、最大の組織厚みが例えば250~300マイクロメートルになるのを可能にする微小血管系の欠如を含む。故に、組織工学における現行の押し出し印刷技術の有用性は、産生のための広範な時間、及び、複雑で血管新生された三次元構造を正確に産生するのに十分な細かさの分解能の欠如によって、制限される。加えて、押し出し技術は多くの場合、細胞が印刷媒体に直接配されるのを可能とせず、生体適合性でなく、及び、発達プロセスにわたり構造変化を可能にしない。
【0009】
二光子励起は、産生までの時間を早めて印刷の分解能を改善するために、組織微細加工の分野に利用されている。パルスされた二光子レーザーは、波長調整可能であり、物質のピンポイントで超高速のサブナノメートル分解能の重合をもたらす。二光子の光重合は、定めた構造内の単一細胞型の単離に適用されている。しかし、細胞技術の二光子閉じ込めのための技術は、多くの理由、主に、三次元構造の段階的な追加の作成に関連する時間により著しく制限されており、それ故、血管新生された組織を産生するのに必要な複雑な毛細血管網又は多細胞構造をもたらすことができない。
【0010】
主な制限は、大部分が生物学的に不適合な光開始剤への依存に起因して、これら技術が必ずしも生体適合性とは限らないという問題を含む。更なる制限は、限定されないが、ほんの少数の細胞を含む小さな構造のみが細胞の生存率のウィンドウ内で産生可能であるような印刷の速度を含む。それ故、現行の二光子細胞閉じ込め法は、臓器移植、及び大半の組織ベースの用途に有用となるのに十分に大きな組織構造を生成することができない。加えて、組織の増殖及び発達中の細胞上部構造の必要な流れ、及び細胞間接着の促進を可能にする規定はなく、その両方は、機能組織の増殖及び発達に必要なものである。導入されるべき付加的な細胞層に関する規定はない。そして最後に、特定の張力が発達細胞の土台、即ち、血管発達に必要な工程に適用されることを可能にする、ネットワークの特定の構造化に関する規定はない。
【0011】
現行の印刷技術又は堆積技術は、特異的な細胞運動、細胞間相互作用、及び組織構造の結果として生じた発達を可能としない。発達中に自然に生じるこれら細胞内因性の挙動は、生組織の形成に不可欠である。組織は、各々が特異的な機能を持つ、様々な状態の分化の細胞で構成された三次元構造である。代替細胞として効果的に実行可能な、生物学的に活性且つ自己保持型の組織の発達は、脈管構造、腱、骨基質、及び組織の他の構造要素などの他の細胞及び構造要素の両方に対して細胞の厳密な局在化を必要とする。分化は多くの場合、遺伝学的な変化によって導かれ、これは結果として、退縮、構造の著しい推移などの構造変化を直接もたらし、及び/又は、組織に特異的な構造タンパク質、機能タンパク質、又はシグナル伝達タンパク質の発現の変化を介して組織発達を促進し得る。形態形成、創傷治癒、及び癌侵襲中に、例えば、細胞は、急速な接触ベースの力生成又は集合的な極性化を可能にする、大きなシート、鎖、又はクラスタとして総体的に移動する。これらの細胞運動は集団で、厳密な組織形成及び機能に必要である。これらの細胞運動、及び、血流などの異なる環境的影響力への曝露は、機能組織の分化に対して重大な発達上の合図の原因となる。例えば、動脈性及び静脈性毛細血管が、表現型分化を導き且つ同じ細胞型から生じる機能的な血管構造物を結果としてもたらす、遺伝子発現における相当な変化を受ける、均一な前駆細胞から形成される。更に、伸張及び圧力の変化に対する構造的な耐性の支持及び許容は、血管機能及び血管内皮細胞同一性の維持に必要である。実際に、血管壁には、それらの主構成要素の1つとして弾性繊維堆積がある。バイオプリンティング技術で血管を発達させるための多数の方法にもかかわらず、報告又は仮定された現行のプロセスは、シート又は鎖の構成要素における血管発達又は細胞運動に対する細胞ニッチの作成のために、鎖ベースの構造の組み合わせ堆積を可能にする。要するに、組織ベースの細胞印刷のための、現行の発達され且つ記載された構造は、これらの力に耐える又はそれを支持するようには設計されておらず、厳密な血管新生又は毛細血管(キャピラリー)の発達は未だに実証されていない。毛細管での血管新生なしに、印刷された細胞は、廃棄物及び栄養素の交換を提供するために酸素及び栄養素の拡散によって、例えば200-300マイクロメートルに制限される、極めて薄いシートにおいてのみ残存することができる。それ故、微小血管系なしに機能性の移植可能組織を発達させることは可能でない場合がある。
【発明の概要】
【0012】
本明細書では、組織形成構造への細胞の印刷のための以前に記載された方法に伴う様々な問題が認識される。このような方法は、(i)複雑な血管組織を作成するのに必要な実に様々な細胞;(ii)更なる分化に必要な育成的変化の必要要素として生じる、或いはそれを促進する上部構造運動を可能としない堅い構造;(iii)発達中に同様の又は異なる細胞層間の細胞間相互作用を促進する又はそれに適合可能である様々な構造剛性の要素;(iv)細胞型の特異的なチャネル又はネットの欠如;(v)事前に印刷された(第1工程)又は再印刷された(中間又は最終工程)血管細胞の欠如;(vi)細胞間相互作用を可能にする一方で、組織内での血管の発達、分化、及び機能に必要な圧力、張力、ねん曲、伸張、又は動作を含む機械力に耐えるように設計された構造によって、制限され得る。
【0013】
加えて、一面の光の単一光子ラスタースキャン印刷及び二次元投影は共に、本明細書で提供される方法及びシステムよりも製造プロセスが大幅に遅い場合がある。幾つかの例において、単一光子のラスタースキャンでの作成に数十年、及び2D投影の場合には数週間かかる構造は、本明細書で提供される三次元(3D)ホログラフィック印刷の方法及びシステムにより約24時間以下で作成され得ることが、推定される。更に、本明細書で提供される3Dホログラフィック印刷の方法及びシステムは、印刷が体積内の全ての点で同時に行われることから、構造全体が一度に投影されると独立したフィルファクタとなり得る。それ故、印刷速度は、本明細書で提供される3Dホログラフィック印刷の方法及びシステムによって使用されるものなどのホログラフィック印刷投影の使用時に、分解能から切り離すことができる。本明細書で提供される3Dホログラフィック印刷の方法及びシステムの使用時に、印刷速度は体積に依存し、印刷体積は静的な光学コンポーネントにより影響を受け得る。
【0014】
これまでのところ、組織工学の分野は、ヒト抗体などの、移植、系統統合的な薬物検査、及び/又は生物学的治療の発達に有用である、十分に大きな構造での天然組織として作用する、反応的で生物学的に活性な血管組織を産生することができなかった。
【0015】
二光子レーザーは、以下に基づいて低細胞毒性プロファイルを提供し得る:1)ピークレーザー力がサンプル全体にわたって拡散されないように、x、y、及びz次元で焦点からの距離の二乗に応じて低下する、二光子励起のピンポイント部位;2)細胞が励起の時点でピークレーザー力にさらされ得る時間を最小化する励起点の急速なx、yスキャン;及び3)少数~ゼロの光子が物質又は細胞に結合している(engaging)時間で間隙を可能とする、超短のサブピコ秒のパルス幅。
【0016】
一態様において、本開示は、三次元(3D)生体物質を印刷するための方法を提供し、該方法は、(a)(i)複数の細胞及び(ii)1つ以上のポリマー前駆体を含む媒体を含む、媒体チャンバを提供する工程;及び(b)(i)複数の細胞の少なくとも1つの部分集合、及び(ii)1つ以上のポリマー前駆体から形成されたポリマーを含む3D生体物質の少なくとも一部を形成するべく、コンピュータメモリーにおける3D生体物質を印刷するためにコンピュータ命令に従って、3D投影へとパターン化される少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバ中の媒体に、少なくとも1つのエネルギービームを向ける工程を含む。
【0017】
幾つかの実施形態において、生体物質は生物学的に機能性の組織へと発達する。幾つかの実施形態において、前記方法は、(b)の前に、コンピュータメモリーにおける3D生体物質のポイントクラウド表現又はラインベース表現を生成する工程、及び、コンピュータ命令を生成するためにポイントクラウド表現又はラインベース表現を使用する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、前記方法は、ポイントクラウド表現又はラインベース表現を画像に変換する工程を更に含む。
【0018】
幾つかの実施形態において、画像はホログラフィック様式で投影される。幾つかの実施形態において、画像はホログラフィック様式での投影前に分解且つ再構成される。幾つかの実施形態において、ポイントクラウド表現又はラインベース表現は、3D生体物質に相当する多次元構造要素を含む。幾つかの実施形態において、ポイントクラウド表現又はラインベース表現は二次元で構造要素を含み、構造要素は組織機能及び/又は細胞分離に関連付けられる。幾つかの実施形態において、ポイントクラウド表現又はラインベース表現は三次元で構造要素を含み、構造要素は組織機能及び/又は細胞分離に関連付けられる。
【0019】
幾つかの実施形態において、少なくとも1つのエネルギービームはコヒーレント光を含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのエネルギービームはレーザーによって生成される。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのエネルギービームは位相変調される。幾つかの実施形態において、1つ以上のポリマー前駆体は、少なくとも2つの異なるポリマー前駆体を含む。
【0020】
幾つかの実施形態において、前記方法は、3D生体物質の少なくとも他の部分を形成するために1つ以上の追加のエネルギービーム経路に沿って(b)を繰り返す工程を更に含む。幾つかの実施形態において、3D生体物質の少なくとも他の部分は、(b)で形成された3D生体物質に結合される。幾つかの実施形態において、3D生体物質の少なくとも他の部分は、(b)で形成された3D生体物質に結合されない。幾つかの実施形態において、(b)は更に、媒体チャンバにおける媒体の多数の部分が3D生体物質の少なくとも一部を同時に形成することを可能にするために、コンピュータ命令に従って、少なくとも2つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける媒体に少なくとも2つのエネルギービームを向ける工程を更に含む。
【0021】
幾つかの実施形態において、少なくとも2つのエネルギービームは同一波長である。幾つかの実施形態において、少なくとも2つのエネルギービームは異なる波長である。幾つかの実施形態において、3D生体物質の少なくとも一部は、複数の細胞に1つ以上の栄養素を提供するための微小血管系を含む。幾つかの実施形態において、微小血管系は、血液微小血管系、リンパ性微小血管系、又はそれらの任意の組み合わせである。幾つかの実施形態において、微小血管系は約1μm~約20μmの断面を持つ。幾つかの実施形態において、3D生体物質は、約100μm~約5cmの厚み又は直径を持つ。
【0022】
幾つかの実施形態において、媒体は複数のビーズを更に含み、且つ(b)において、3D生体物質の少なくとも一部は、形成されると複数のビーズを含む。幾つかの実施形態において、ビーズはシグナル分子又はタンパク質を更に含む。幾つかの実施形態において、シグナル分子又はタンパク質は、臓器機能を可能にするために3D生体物質の形成を促進する。幾つかの実施形態において、3D生体物質の少なくとも一部は、複数の細胞の少なくとも部分集合を含む細胞含有スキャフォールド含む。幾つかの実施形態において、3D生体物質は細胞含有スキャフォールドを含む。
【0023】
幾つかの実施形態において、細胞含有スキャフォールドは一体となって結合される。幾つかの実施形態において、細胞含有スキャフォールドは、凝集して(cohesively)又は機械的に一体となって結合される。幾つかの実施形態において、細胞含有スキャフォールドは、ジョイント、ヒンジ、ロックジョイント及びヒンジ、Velcro様の要素、スプリング、コイル、伸張の点、インターロッキングループ、ソケット、ギヤ、ラチェット、ネジ、及びチェーンリンクから成る群から選択された1つ以上の部材を介して機械的に一体となって結合される。幾つかの実施形態において、細胞含有スキャフォールドは、複数の鎖を含むネットワークを含む。幾つかの実施形態において、複数の鎖は、メッシュ構造、格子構造、シート構造、又はチューブ構造を形成する。幾つかの実施形態において、複数の鎖の個々の鎖は、約0.1nm~約5cmの厚みを持つ。
【0024】
幾つかの実施形態において、(b)に続いて、3D生体物質の少なくとも他の部分は、3D生体物質の少なくとも一部内に形成される。幾つかの実施形態において、コンピュータ命令は、3D生体物質に相当する画像のセットを含む。幾つかの実施形態において、コンピュータ命令は、少なくとも(i)3D生体物質の形成中に時間に応じて少なくとも1つのエネルギービームの1つ以上のパラメータ、及び/又は(ii)3D生体物質が形成されるステージの位置の調節を指示する。
【0025】
幾つかの実施形態において、前記方法は、少なくとも2つの異なるタイプの細胞を形成するために複数の細胞の少なくとも部分集合の少なくとも一部を分化にさらす工程を更に含む。幾つかの実施形態において、複数の細胞の少なくとも部分集合は、少なくとも2つの異なるタイプの細胞を含む。幾つかの実施形態において、(b)において、複数の細胞は、少なくとも2つの異なるタイプの細胞を含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのエネルギービームは多光子エネルギービームである。幾つかの実施形態において、多光子エネルギービームは二光子エネルギービームである。
【0026】
一態様において、本開示は、三次元(3D)生体物質を印刷する方法を提供し、該方法は、(a)第1の複数の細胞及び第1のポリマー前駆体を含む第1の媒体を含む、媒体チャンバを提供する工程;(b)3D生体物質の第1の部分を形成するべく媒体チャンバにおける第1の媒体の少なくとも一部をさらすために、コンピュータメモリーにおける3D生体物質を印刷するためのコンピュータ命令に従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける第1の媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向ける工程;(c)媒体チャンバにおける第2の媒体を提供する工程であって、第2の媒体は第2の複数の細胞及び第2のポリマー前駆体を含み、第2の複数の細胞は第1の複数の細胞とは異なるタイプである、工程;及び(d)3D生体物質の少なくとも第2の部分を形成するべく媒体チャンバにおける第2の媒体の少なくとも一部をさらすために、コンピュータ命令に従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける第2の媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向ける工程を含む。
【0027】
幾つかの実施形態において、生体物質は生物学的に機能性の組織である。幾つかの実施形態において、前記方法は、(d)に続いて、媒体チャンバに3D生体物質の第1の部分を残すために、媒体チャンバから第1の媒体の残りを取り除く工程を更に含む。幾つかの実施形態において、媒体チャンバに残される3D生体物質の第1の部分は、媒体チャンバに取り外し可能に固定される。幾つかの実施形態において、前記方法は、(b)の前に、コンピュータメモリーにおける3D生体物質のポイントクラウド表現又はラインベース表現を生成する工程、及び、コンピュータ命令を生成するためにポイントクラウド表現又はラインベース表現を使用する工程を更に含む。
【0028】
幾つかの実施形態において、前記方法は、生体構造が一次元で投影されるように、前記ポイントクラウド表現又はラインベース表現を、入射コヒーレント光源を空間的に調節するために使用される画像又は画像セットへと変換する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、前記方法は、生体構造が二次元で投影されるように、前記ポイントクラウド表現又はラインベース表現を、入射コヒーレント光源を空間的に調節するために使用される画像又は画像セットへと変換する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、前記方法は、生体構造が三次元で投影されるように、前記ポイントクラウド表現又はラインベース表現を、入射コヒーレント光源を空間的に調節するために使用される画像又は画像セットへと変換する工程を更に含む。
【0029】
幾つかの実施形態において、前記方法は、生体構造が一次元、二次元、及び/又は三次元の構造の組み合わせで投影されるように、前記ポイントクラウド表現又はラインベース表現を、少なくとも1つの入射コヒーレント光源を空間的に調節するために使用される画像又は画像セットへと変換する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、画像又は画像セットはホログラフィック様式で投影される。幾つかの実施形態において、画像又は画像セットは、ホログラフィック様式での投影前に部分要素又は代表的構造へと分解され且つ再構成される。
【0030】
幾つかの実施形態において、ポイントクラウド表現又はラインベース表現は、3D生体物質に相当する多次元構造要素を含む。幾つかの実施形態において、ポイントクラウド表現又はラインベース表現は二次元で構造要素を含み、構造要素は組織機能及び/又は細胞分離に関連付けられる。幾つかの実施形態において、ポイントクラウド表現又はラインベース表現は三次元で構造要素を含み、構造要素は組織機能及び/又は細胞分離に関連付けられる。
【0031】
幾つかの実施形態において、少なくとも1つのエネルギービームはコヒーレント光を含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのエネルギービームはレーザーによって生成される。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのエネルギービームは位相変調される。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのエネルギービームは、サンプル媒体全体にわたって位相変調され且つラスタースキャンされる。幾つかの実施形態において、3D生体物質の少なくとも一部は、複数の細胞に1つ以上の栄養素を提供するための微小血管系を含む。幾つかの実施形態において、微小血管系は、血液微小血管系、リンパ性微小血管系、又はそれらの任意の組み合わせである。幾つかの実施形態において、微小血管系は約1μm~約20μmの断面を持つ。幾つかの実施形態において、3D生体物質は、約100μm~約5cmの厚み又は直径を持つ。
【0032】
幾つかの実施形態において、第1の媒体及び/又は第2の媒体は複数のビーズを更に含み、且つ(b)において、3D生体物質の少なくとも一部は、形成されると複数のビーズを含む。幾つかの実施形態において、ビーズはシグナル分子又はタンパク質を更に含む。幾つかの実施形態において、シグナル分子又はタンパク質は、臓器機能を可能にするために3D生体物質の形成を促進する。幾つかの実施形態において、3D生体物質は、最大約350時間の期間で印刷される。幾つかの実施形態において、3D生体物質は、最大約72時間の期間で印刷される。幾つかの実施形態において、3D生体物質は、最大約12時間の期間で印刷される。
【0033】
幾つかの実施形態において、3D生体物質の少なくとも一部は、複数の細胞の少なくとも1つの部分集合をスキャフォールド含む細胞含有スキャフォールド含む。幾つかの実施形態において、3D生体物質は、形成されると、複数の細胞含有スキャフォールドを含む。幾つかの実施形態において、複数の細胞含有スキャフォールドは一体となって結合される。幾つかの実施形態において、複数の細胞含有スキャフォールドは、接着構造を形成するために一体となって結合される。幾つかの実施形態において、複数の細胞含有スキャフォールドは機械的に一体となって結合される。幾つかの実施形態において、複数の細胞含有スキャフォールドは、ジョイント、ヒンジ、ロックジョイント及びヒンジ、Velcro様の要素、スプリング、コイル、伸張の点、インターロッキングループ、ソケット、ギヤ、ラチェット、ネジ、及びチェーンリンクから成る群から選択された1つ以上の部材を介して機械的に一体となって結合される。
【0034】
幾つかの実施形態において、細胞含有スキャフォールドは、複数の鎖を含むネットワークを含む。幾つかの実施形態において、複数の鎖は、メッシュ構造、格子構造、シート構造、又はチューブ構造を形成する。幾つかの実施形態において、複数の鎖は、約0.1nm~約5cmの厚みを持つ。幾つかの実施形態において、(d)に続いて、3D生体物質の少なくとも他の部分は、3D生体物質の第1の部分及び/又は第2の部分内に形成される。幾つかの実施形態において、第1の媒体及び/又は第2の媒体は、グルタチオン又はその機能変異体を更に含む。
【0035】
一態様において、本開示は、三次元(3D)生体物質を印刷するためのシステムを提供し、該システムは、(a)少なくとも2つの異なるタイプの細胞を含む複数の細胞、及び1つ以上のポリマー前駆体を含む、媒体を含むように構成された媒体チャンバ;(b)媒体チャンバに少なくとも1つのエネルギービームを向けるように構成された少なくとも1つのエネルギー源;及び(c)少なくとも1つのエネルギー源に動作可能に結合された1つ以上のコンピュータプロセッサであって、1つ以上のコンピュータプロセッサは、(i)コンピュータメモリーから3D生体物質を印刷するためのコンピュータ命令を受け;及び(ii)3D生体物質の少なくとも一部を形成するべくポリマー前駆体の少なくとも一部をさらすために、コンピュータ命令に従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向けるように、少なくとも1つのエネルギー源を向けるように個々に又は総体的にプログラムされる、コンピュータプロセッサを含む。
【0036】
幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、コンピュータメモリーにおける3D生体物質のポイントクラウド表現又はラインベース表現を生成し、且つ、コンピュータメモリーにおける3D生体物質を印刷するためのコンピュータ命令を生成するべく前記ポイントクラウド表現又は前記ラインベース表現を使用するように、個々に又は総体的にプログラムされる。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、ポイントクラウド表現又は前記ラインベース表現を画像に変換するように個々に又は総体的にプログラムされる。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、ホログラフィック様式で画像を投影するように個々に又は総体的にプログラムされる。
【0037】
幾つかの実施形態において、少なくとも1つのエネルギー源は複数のエネルギー源である。幾つかの実施形態において、複数のエネルギー源は、複数の少なくとも1つのエネルギービームを配向する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのエネルギー源はレーザーである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのエネルギー源はコヒーレント光源に由来する。幾つかの実施形態において、コヒーレント光源は、約300nm~約5mmの波長を含む。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、3D生体物質の少なくとも他の部分を形成するべく少なくとも1つのエネルギービームを1つ以上の追加のエネルギービーム経路に沿って向けるために、少なくとも1つのエネルギー源を配向するように個々に又は総体的にプログラムされる。幾つかの実施形態において、1つ以上の追加のエネルギービーム経路は、x軸、x及びy面、又はx、y、及びz面に沿う。
【0038】
幾つかの実施形態において、前記システムは、媒体チャンバにおける媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向けるための少なくとも1つの対物レンズを含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの対物レンズは水浸対物レンズを含む。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、3D生体物質の縁の画像を受け取るように個々に又は総体的にプログラムされる。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、3D生体物質の他の組織との結合を誘導するように個々に又は総体的にプログラムされ、前記結合は前記コンピュータ命令に従う。幾つかの実施形態において、複数の細胞は、少なくとも2つの異なるタイプの細胞を含む。幾つかの実施形態において、媒体はグルタチオン又はその機能変異体を更に含む。
【0039】
一態様において、本開示は、三次元(3D)生体物質を印刷するためのシステムを提供し、該システムは、(a)複数の細胞及び複数のポリマー前駆体を含む媒体を含むように構成された媒体チャンバ;(b)媒体チャンバに少なくとも1つのエネルギービームを向けるように構成された少なくとも1つのエネルギー源;及び(c)少なくとも1つのエネルギー源に動作可能に結合された1つ以上のコンピュータプロセッサであって、1つ以上のコンピュータプロセッサは、(i)コンピュータメモリーから3D生体物質を印刷するためのコンピュータ命令を受け;(ii)3D生体物質の少なくとも一部を形成するべくポリマー前駆体の少なくとも一部をさらすために、コンピュータ命令に従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向けるように、少なくとも1つのエネルギー源を向け;及び(iii)3D生体物質の少なくとも第2の部分を形成するべく媒体チャンバにおける第2の媒体の少なくとも一部をさらすために、コンピュータ命令に従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける第2の媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向けるように、少なくとも1つのエネルギー源を向けるように構成される、コンピュータプロセッサを含み、第2の媒体は第2の複数の細胞及び第2のポリマー前駆体を含み、第2の複数の細胞は第1の複数の細胞とは異なるタイプである。
【0040】
幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、3D生体物質のポイントクラウド表現又はラインベース表現を生成し、且つ、コンピュータメモリーにおける3D生体物質を印刷するためのコンピュータ命令を生成するべく前記ポイントクラウド表現又は前記ラインベース表現を使用するように、個々に又は総体的にプログラムされる。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、ポイントクラウド表現又は前記ラインベース表現を画像に変換するように個々に又は総体的にプログラムされる。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、ホログラフィック様式で画像を投影するように個々に又は総体的にプログラムされる。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのエネルギー源は複数のエネルギー源である。幾つかの実施形態において、複数のエネルギー源は、複数の少なくとも1つのエネルギービームを配向する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのエネルギー源はレーザーである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つのエネルギー源はコヒーレント光源に由来する。
【0041】
幾つかの実施形態において、コヒーレント光源は、約300nm~約5mmの波長を含む。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、3D生体物質の少なくとも他の部分を形成するべく少なくとも1つのエネルギービームを1つ以上の追加のエネルギービーム経路に沿って向けるために、少なくとも1つのエネルギー源を配向するように個々に又は総体的にプログラムされる。幾つかの実施形態において、1つ以上の追加のエネルギービーム経路は、x軸、x及びy面、又はx、y、及びz面に沿う。幾つかの実施形態において、前記システムは、媒体チャンバにおける媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向けるための少なくとも1つの対物レンズを更に含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの対物レンズは水浸対物レンズを含む。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、3D生体物質の縁の画像を受け取るように個々に又は総体的にプログラムされる。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、3D生体物質の他の組織との結合を誘導するように個々に又は総体的にプログラムされ、前記結合は前記コンピュータ命令に従う。幾つかの実施形態において、媒体はグルタチオン又はその機能変異体を更に含む。
【0042】
一態様において、本開示は、三次元(3D)物体を印刷するための方法を提供し、該方法は、1つ以上の前駆体から形成された物質を含む3D物体を生成するために、1つ以上の前駆体を含む媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向ける工程を含み、少なくとも1つのエネルギービームは、3D物体に相当する3D投影として媒体に向けられる。
【0043】
幾つかの実施形態において、物質はポリマー材料である。幾つかの実施形態において、媒体は、細胞又は細胞構成成分を含む。幾つかの実施形態において、1つ以上の前駆体はポリマー前駆体である。幾つかの実施形態において、1つ以上の前駆体は1つ以上の金属を含んでいる。幾つかの実施形態において、3D投影はホログラムである。幾つかの実施形態において、媒体はグルタチオン又はその機能変異体を更に含む。
【0044】
一態様において、本開示は、三次元(3D)生体物質を印刷するための方法を提供し、該方法は、(a)3D生体物質の第1の部分を生成するために、(i)第1の複数の細胞、及び(ii)第1のポリマー前駆体を含む第1の媒体を含む媒体チャンバに、第1のエネルギービームを向ける工程;及び(b)3D生体物質の第1の部分に隣接する3D生体物質の第2の部分を生成するために、(i)第2の複数の細胞、及び(ii)第2のポリマー前駆体を含む第2の媒体を含む媒体チャンバに、第2のエネルギービームを向ける工程を含む。
【0045】
幾つかの実施形態において、少なくとも第1のエネルギービーム及び少なくとも第2のエネルギービームは、同じエネルギー源に由来する。幾つかの実施形態において、少なくとも第1のエネルギービーム及び少なくとも第2のエネルギービームは、レーザービームである。幾つかの実施形態において、第1の複数の細胞及び第2の複数の細胞の細胞は、異なるタイプである。幾つかの実施形態において、第1の複数の細胞及び第2の複数の細胞の細胞は、同じタイプである。幾つかの実施形態において、第1のポリマー前駆体及び第2のポリマー前駆体は、異なっている。幾つかの実施形態において、第1のポリマー前駆体及び第2のポリマー前駆体は、同じである。幾つかの実施形態において、第1の媒体及び/又は第2の媒体は、グルタチオン又はその機能変異体を更に含む。
【0046】
本開示は、多光子励起源の空間的光変調を使用した多層の血管組織の急速な生成のための方法及びシステムを提供する。この手法を使用して、細胞含有構造の急速な作成のための方法は、微小血管系などの機械的及び/又は生物学的な要素が埋め込まれた、細胞のサイズに特異的なネットを層にすることによって提供される。コラーゲン、又は別の生物適合可能な或いは不活性の物質のネットに含まれる細胞の堆積は、三次元(ホログラフィック)投影、二次元投影に基づき、及び/又はx、y、x、z、或いはy、zなどの平面軸における、急速で反復的なプロセスであり、多光子レーザー励起のスキャンと組み合わせてもよい。三次元スキャン、二次元スキャン、及びラスタースキャンは、完全な構造の急速な作成を達成するために様々な組み合わせで同時に使用されてもよい。レーザー投影のモード間での動的な推移は、大きな視野で複雑な構造の急速な作成を可能にしつつ、マイクロメートル~ナノメートルの微細な分解能を維持する。この方法は、大きな(例えば、最大約5センチメートル(cm))の多層並びに小さな脈管構造(例えば、1-10マイクロメートル(μm))の単細胞層の脈管構造の、急速な生成を可能にする。
【0047】
本開示は、多数の細胞型、サイズ、又は複雑性によって制限されない様式で組織が構築され得るように、二次元及び/又は三次元で多数の細胞型の層状化を可能にする。場合によっては、これは、例えばレーザーによって提供され得るように、多光子(例えば二光子)の励起光を使用して達成される。
【0048】
本開示の別の態様は、1つ以上のコンピュータプロセッサによる実行に際し、上記又は本明細書のあらゆる場所の方法の何れかを実行する、機械実行可能コードを含む非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。
【0049】
本開示の別の態様は、1つ以上のコンピュータプロセッサ、及びそれに繋がれたコンピュータメモリーを含む、システムを提供する。コンピュータメモリーは、1つ以上のコンピュータプロセッサによる実行に際し、上記又は本明細書のあらゆる場所の方法の何れかを実行する、機会実行可能コードを含む。
【0050】
本開示の付加的な態様及び利益は、以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかとなり、ここでは、本開示の例示的な実施形態のみが示され且つ記載される。実現されるように、本開示は、他の及び異なる実施形態においても可能であり、その様々な詳細は、全てが本開示から逸脱することなく、様々な明白な点において改変することができる。従って、図面と記載は事実上例示的とみなされ、限定的とは見なされない。
【0051】
引用による組み込み
本明細書で言及される出願公開、特許、及び特許出願は全て、あたかも個々の出願公開、特許、或いは特許出願がそれぞれ参照により組み込まれるように具体的且つ個々に指示されるように同じ程度にまで、参照により本明細書に組込まれる。参照により組み込まれる刊行物、特許、又は特許出願が本明細書に含まれる開示に矛盾するという程度まで、本明細書は、そのような矛盾のある題材に取って代わる及び/又はそれに優先するように意図される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
本発明の新規な特徴は、特に、添付の特許請求の範囲内に明記される。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が用いられる例示的実施形態を説明する以下の詳細な説明と、以下の添付図面(本明細書では「図(“Figure” and “FIG.”)」とも称する)とを引用することによって得られるであろう。
【
図1】所望の組織の急速な多光子印刷のためのシステムの実施形態を例示する。
【
図2A】媒体チャンバ内の所望の組織の生成のステージの例を例示する。
図2Aは、第1の細胞群を含む媒体を含有している媒体チャンバを例示する。
【
図2B】媒体チャンバ内の所望の組織の生成のステージの例を例示する。
図2Bは、第2の細胞群を含む媒体を含有している媒体チャンバを例示する。
【
図2C】媒体チャンバ内の所望の組織の生成のステージの例を例示する。
図2Cは、媒体への多光子レーザービームのパルスの送達を例示する。
【
図2D】媒体チャンバ内の所望の組織の生成のステージの例を例示する。
図2Dは、媒体含有スキャフォールド(scaffolding)が媒体チャンバの底部に沿って印刷される実施形態を例示する。
【
図3A】レーザーシステムの実施形態を例示する。
図3Aは、単一の多光子レーザー源を持つレーザーシステムの実施形態を例示する。
【
図3B】レーザーシステムの実施形態を例示する。
図3Bは、多数のレーザーラインを持つレーザーシステムの実施形態を例示する。
【
図3C】レーザーシステムの実施形態を例示する。
図3Cは、多数のレーザーライン、光電子増倍管(PMT)、及び対物レンズを含むレーザーシステムの実施形態を例示する。
【
図4A】印刷システムの実施形態を例示する。
図4Aは、ビームエクスパンダ、光集束レンズ、付加的なレーザー集束レンズを含み、及びアキシコンレンズ或いはTAGレンズを含まない、印刷システムの実施形態を例示する。
【
図4B】印刷システムの実施形態を例示する。
図4Bは、ビームエクスパンダ、光集束レンズ、付加的なレーザー集束レンズ、及びアキシコンレンズ或いはTAGレンズを含む、印刷システムの実施形態を例示する。
【
図4C】印刷システムの実施形態を例示する。
図4Cは、周辺の細胞、及び与えられたZ工程により印刷された結果として生じる構造を印刷するための、2D、x、yシート、又はホログラム投影に対する単一のSLM又はDMDを含むZ工程投影印刷設定を例示する。
【
図5A】多光子組織印刷ヘッドの実施形態を例示する。
図5Aは、単一の直立した対物レンズを含む多光子組織印刷ヘッドの実施形態を例示する。
【
図5B】多光子組織印刷ヘッドの実施形態を例示する。
図5Bは、構造を画像化するためにオプティックスを逆にした多光子組織印刷ヘッドの実施形態を例示する。
【
図6A】着脱自在の光ファイバーケーブルアクセサリの実施形態を例示する。
図6Aは、光ファイバーケーブルアクセサリ及び光ファイバーケーブルを例示する。
【
図6B】着脱自在の光ファイバーケーブルアクセサリの実施形態を例示する。
図6Bは、所望の複合組織構造を印刷するために使用されている光ファイバーケーブルアクセサリを例示する。
【
図7】印刷ヘッドオプティックスが少なくとも3つの物体を含む実施形態を例示し、各物体は単一の媒体チャンバへと配向された光ファイバーケーブルアクセサリを含む。
【
図8】印刷ヘッドオプティックスが少なくとも6つの物体を含む実施形態を例示し、各物体は、マルチウェルプレートの別個のウェルなどの別個の媒体チャンバへと配向された光ファイバーケーブルアクセサリを含む。
【
図9】印刷ヘッドとして作用する一連の物体を持つ印刷ヘッドオプティックスの実施形態を例示する。
【
図10】レーザービーム投影を各ウェルに送達するためにX及びYの方向でマルチウェルプレート上を動くようにプログラムされた物体を例示する。
【
図11】重合可能な物質から形成されたネット構造の一例を例示する。
【
図12A】ネット構造の実施形態を例示する。
図12Aは、約0.1マイクロメートルの厚みを持つ鎖で構成されたネットを例示する。
【
図12B】ネット構造の実施形態を例示する。
図12Bは、約5マイクロメートルの厚みを持つ鎖で構成されたネットを例示する。
【
図13】ネット内で一時的に捕捉された円形細胞を例示する。
【
図14】細胞が開口部を通って移動して生理学的条件下で結合(engage)可能となるように、互いに接近して配置された第1のネット及び第2のネットを例示する。
【
図15A】ネット構造(500)内のそのような構造的特徴の領域を作成する方法を例示する。
図15Aは、ネット構造の生成を例示する。
【
図15B】ネット構造(500)内のそのような構造的特徴の領域を作成する方法を例示する。
図15Bは、ネット構造内の特定の座標を標的とするレーザービームからの多光子レーザービームの第2の投影を例示する。
【
図15C】ネット構造(500)内のそのような構造的特徴の領域を作成する方法を例示する。
図15Cは、ネット鎖の予め決められた交点にて補強の様々な点を持つ最終のネット構造を例示する。
【
図16A】ネット内のそのような構造的特徴の領域を作成する別の方法を例示する。
図16Aは、多光子組織印刷の印刷ヘッドのオプティックスからの多光子レーザービームを媒体へと投影することによるネット構造の生成を示す。
【
図16B】ネット内のそのような構造的特徴の領域を作成する別の方法を例示する。
図16Bは、ネット構造内の特定の座標を標的とする多光子レーザービームの第2の投影を例示する。
【
図16C】ネット内のそのような構造的特徴の領域を作成する別の方法を例示する。
図16Cは、補強されたジグザグ形状の構造的特徴を持つ最終ネット構造を例示する。
【
図16D】ネット内のそのような構造的特徴の領域を作成する別の方法を例示する。
図16Dは、構造的な変形を配向する、より厚いネット領域を例示する。
【
図17A】組織構造を折り重ねる又はしわを寄せるためのネット内の構造的特徴の使用を例示する。
図17Aは、構造的な補強を含む、媒体内で形成されたネット構造を例示する。
【
図17B】組織構造を折り重ねる又はしわを寄せるためのネット内の構造的特徴の使用を例示する。
図17Bは、互いに向かって引き付けられる第1のネット鎖及び第2のネット鎖を例示する。
【
図18A】組織構造を折り重ねる又はしわを寄せるためのネット内の構造的特徴の使用を例示する。
図18Aは、折り重ねを形成するために、細胞が移動し且つ伝達するときの(矢印により示される)細胞の下方への動きを例示する。
【
図18B】組織構造を折り重ねる又はしわを寄せるためのネット内の構造的特徴の使用を例示する。
図18Bは、第1のネット鎖、第2のネット鎖、及び、第1のネット鎖と第2のネット鎖を互いに向かって引き付ける第3のネットの間に、折り重ねを形成した細胞を例示する。
【
図19A】厚みの領域が増大したネットの別の実施形態を例示する。
図19Aは、媒体内に形成されたネット構造を例示し、該ネット構造は、第1の構造補強、第2の構造補強、及び第3の構造補強を含む。
【
図19B】厚みの領域が増大したネットの別の実施形態を例示する。
図19Bは、互いに向かって引き付けられる第1のネット鎖及び第2のネット鎖を例示する。
【
図19C】厚みの領域が増大したネットの別の実施形態を例示する。
図19Cは、折り重ね及びしわを形成する、共に引き付けられる第1の未補強部分、第2の未補強部分、及び第3の未補強部分を示す組織の側面図を提供する。
【
図20】低密度ネット領域によって囲まれる高密度ネット領域を持つネット構造を例示する。
【
図21】ネット構造の密度の変動が細胞の動き及び相互作用を誘導する別の実施形態を例示する。
【
図22】三次元組織構造を製造するためにネット構造の密度の変動が細胞の動き及び相互作用を誘導する別の実施形態を例示する。
【
図23A】細胞接着又は細胞誘引を促進し得る、ネット鎖に沿ったテクスチャード要素を例示する。
図23Aは、テクスチャード要素の第1の例を例示する。
【
図23B】細胞接着又は細胞誘引を促進し得る、ネット鎖に沿ったテクスチャード要素を例示する。
図23Bは、テクスチャード要素の第2の例を例示する。
【
図23C】細胞接着又は細胞誘引を促進し得る、ネット鎖に沿ったテクスチャード要素を例示する。
図23Cは、テクスチャード要素の第3の例を例示する。
【
図23D】細胞接着又は細胞誘引を促進し得る、ネット鎖に沿ったテクスチャード要素を例示する。
図23Dは、テクスチャード要素の第4の例を例示する。
【
図23E】細胞接着又は細胞誘引を促進し得る、ネット鎖に沿ったテクスチャード要素を例示する。
図23Eは、テクスチャード要素の第5の例を例示する。
【
図24A】細胞接着又は細胞誘引を促進し得る、ネット鎖に沿ったテクスチャード要素を例示する。
図24Aは、テクスチャード要素の第6の例を例示する。
【
図24B】細胞接着又は細胞誘引を促進し得る、ネット鎖に沿ったテクスチャード要素を例示する。
図24Bは、テクスチャード要素の第7の例を例示する。
【
図25】細胞接着又は細胞誘引を促進する、ネット鎖に沿ったテクスチャード要素のまた別の例を例示する。
【
図26】切断部位を持つネットの実施形態を例示する。
【
図27A】枢動ジョイントを含む機械要素の実施形態を例示する。
図27Aは、第1の突起部及び第2の突起部を含む枢動ジョイントを例示する。
【
図27B】枢動ジョイントを含む機械要素の実施形態を例示する。
図27Bは、第1のネット構造に付けられている第1の突起部、及び第2のネット構造に付けられている第2の突起部を例示する。
【
図28A】ボール-ソケットジョイントを含む機械要素の実施形態を例示する。
図28Aは、円形ボールヘッドを持つ第1の突起部、及び凹型ソケットヘッドを持つ第2の突起部を含むボール-ソケットジョイントを例示する。
【
図28B】ボール-ソケットジョイントを含む機械要素の実施形態を例示する。
図28Bは、第1の突起部が第1のネット構造に付けられ、第2の突起部が第2のネット構造に付けられるように印刷される、ボール-ソケットジョイントを例示する。
【
図29A】サドルジョイントを含む機械要素の実施形態を例示する。
図29Aは、第1の突起部、及びサドル形状の凹みを持つ第2の突起部を含む、サドルジョイントを例示する。
【
図29B】サドルジョイントを含む機械要素の実施形態を例示する。
図28Bは、第1の突起部及び第2の突起部がネット構造に付けられるように印刷されるサドルジョイントを例示する。
【
図30】第1の突起部、及びソケット形状の空洞を持つ第2の突起部を含む、ソケットジョイントの実施形態を例示する。
【
図31】第1の突起部及び第2の突起部がネット構造に付けられるように印刷されるソケットジョイントの実施形態を例示する。
【
図32】第1のヘッド、及び溝と螺合部を持つソケット形状の空洞を備えた第2のヘッドを有する第1の突起部を含む、螺合状態ジョイントの実施形態を例示する。
【
図33】第1の突起部及び第2の突起部がネット構造に付けられるように印刷される螺合状態ジョイントの実施形態を例示する。
【
図34A】コイル又はスプリングを含む機械要素の実施形態を例示する。
図34Aは、スプリングの実施形態を例示する。
【
図34B】コイル又はスプリングを含む機械要素の実施形態を例示する。
図34Bは、その端部がネット構造に付けられるように印刷されるスプリングの実施形態を例示する。
【
図35A】鎖を含む機械要素を例示する。
図35Aは、2つの端部と4つの連結部を含む鎖の実施形態を例示する。
【
図35B】鎖を含む機械要素を例示する。
図35Bは、その端部がネット構造に付けられるように印刷される鎖の実施形態を例示する。
【
図36A】フックジョイントを含む機械要素の実施形態を例示する。
図36Aは、湾曲形状のフックジョイントの実施形態を例示する。
【
図36B】フックジョイントを含む機械要素の実施形態を例示する。
図36Bは、フックがネット構造に付けられるように印刷されるフックジョイントの実施形態を例示する。
【
図37A】Velcro(登録商標)と同様の様式で機能するフック-ループジョイントを含む、機械要素の実施形態を例示する。
図37Aは、ループ面と対合可能なフック面を含む、フック-ループジョイントの実施形態を例示する。
【
図37B】Velcro(登録商標)と同様の様式で機能するフック-ループジョイントを含む、機械要素の実施形態を例示する。
図37Bは、非係合状態であるフック-ループジョイントの実施形態を例示する。
【
図37C】Velcro(登録商標)と同様の様式で機能するフック-ループジョイントを含む、機械要素の実施形態を例示する。
図37Cは、フック面がネット構造に付けられるように印刷される、フック-ループジョイントの実施形態を例示する。
【
図38A】ヒンジを含む機械要素の実施形態を例示する。
図38Aは、ブラケットを含むヒンジの実施形態を例示する。
【
図38B】ヒンジを含む機械要素の実施形態を例示する。
図38Bは、2つのブラケットを介して伸長し且つそれらを結合するロッドを例示する。
【
図38C】ヒンジを含む機械要素の実施形態を例示する。
図38Cは、ブラケットがネット構造に付けられるように印刷されるヒンジの実施形態を例示する。
【
図39】ネットに捕捉された細胞で構成される組織構造の実施形態を例示し、ネットは機械要素の存在によりループしている。
【
図40】ネットに捕捉された細胞で構成される組織構造の実施形態を例示し、ネットは機械要素の存在により捻じれている。
【
図41A】2つの別個のネット構造に位置する2つの別個の細胞群間の細胞間相互作用を誘導するように設計される実施形態を例示する。
図41Aは、縁を持つ2つのネットを例示する。
【
図41B】2つの別個のネット構造に位置する2つの別個の細胞群間の細胞間相互作用を誘導するように設計される実施形態を例示する。
図41Bは、互いに細胞間相互作用の発生に都合の良い、縁に沿って保持される細胞を例示する。
【
図42A】細胞鎖を生成するために使用され得る可変密度ネットの実施形態を例示する。
図42Aは、第1の開口部が特定の細胞を捕捉するようにサイズ調製され、且つ周囲の第2の開口部が細胞を除外するようにサイズ調製される、長手方向領域を含むネット構造を例示する。
【
図42B】細胞鎖を生成するために使用され得る可変密度ネットの実施形態を例示する。
図42Bは、可変密度ネットを使用した細胞鎖の作成を例示する。
【
図43】本明細書で提供される方法を実施するようにプログラム又は構成されるコンピュータ制御システムを示す。
【
図44】時間的収束(temporal focusing)のない印刷システムの実施形態の光学コンポーネント及び光学経路を例示する。
【
図45】時間的収束を含む印刷システムの追加の実施形態の光学コンポーネント及び光学経路を例示する。
【
図46】時間的収束のない印刷システムのまた別の実施形態の光学コンポーネント及び光学経路を例示する。
【
図48A】ホログラフィック印刷によって生成される、細胞化された三次元(3D)の非透過性微小血管系構造の例を示す。
図48Aは、3D微小血管系の平面図を示す。
【
図48B】ホログラフィック印刷によって生成される、細胞化された三次元(3D)の非透過性微小血管系構造の例を示す。
図48Bは、3D微小血管系の外部管の平面図を示す。
【
図48C】ホログラフィック印刷によって生成される、細胞化された三次元(3D)の非透過性微小血管系構造の例を示す。
図48Cは、完全な3D微小血管系構造を示す。
【
図48D】ホログラフィック印刷によって生成される、細胞化された三次元(3D)の非透過性微小血管系構造の例を示す。
図48Dは、細胞を封入している3つの微小血管系構造の蛍光画像を示す。
【
図48E】ホログラフィック印刷によって生成される、細胞化された三次元(3D)の非透過性微小血管系構造の例を示す。
図48Eは、ホログラフィック印刷の5日後の、細胞を封入している3つの微小血管系構造の明視野画像を示す。
【
図49】ホログラフィック印刷を使用した細胞含有構造の生成の典型的なプロセスを示す。
図49のAは、コンピュータが細胞含有構造の三次元(3D)画像を生成したことを示す。
図49のBは、細胞含有構造の3D画像のポイントクラウド表現を示す。
図49のCは、細胞含有構造の3D画像のポイントクラウド表現に相当するホログラムを示す。
図49のDは、コンピュータ印刷システムを例示する。
図49のEは、液体印刷媒体に漂う細胞のクラスタの画像を示す。
図49のFは、ポイントクラウド表現の三次元印刷後の生細胞の同じクラスタの画像を示す。
図49のGは、印刷された3Dの細胞含有構造内の細胞を示す切断画像を示す。
図49のHは、印刷後の完全な3Dの細胞含有構造の代表的な画像を示す。
【
図50A】「Stanford Bunny」のホログラフィック印刷の画像を示す。
図50Aは、コンピュータが「Stanford Bunny」の三次元(3D)画像を生成したことを示す。
【
図50B】「Stanford Bunny」のホログラフィック印刷の画像を示す。
図50Bは、コンピュータで作成された「Stanford Bunny」の3D画像の平面図を示す。
【
図50C】「Stanford Bunny」のホログラフィック印刷の画像を示す。
図50Cは、明視野顕微鏡検査を使用して画像化されるような「Stanford Bunny」の代表的な3D印刷を示す。
【
図51A】2つの異なる製剤のホログラフィック印刷に相当する、二光子レーザービーム露光時間(ミリ秒)対レーザー力(ワット)のグラフを示す。
図51Aは製剤Aでの印刷のための閾値を示す。
【
図51B】2つの異なる製剤のホログラフィック印刷に相当する、二光子レーザービーム露光時間(ミリ秒)対レーザー力(ワット)のグラフを示す。
図51Bは製剤Bでの印刷のための閾値を示す。
【
図52A】ホログラフィック印刷を使用して標的とされた単細胞封入を示す。
図52Aは、印刷媒体に漂う、複数の封入された細胞及び封入されていない細胞を示す。
【
図52B】ホログラフィック印刷を使用して標的とされた単細胞封入を示す。
図52Bは、複数の封入された細胞のズームイン画像を示す。
【
図52C】ホログラフィック印刷を使用して標的とされた単細胞封入を示す。
図52Cは、複数の封入されていない細胞のズームイン画像を示す。
【
図53】ホログラムを投影する拡大レーザービームを示す。
【
図54A】異なるレーザー印刷モードを例示する。
図54Aは、感光性印刷媒体を含有する媒体チャンバへの単一光子レーザービームの投影を例示する。
【
図54B】異なるレーザー印刷モードを例示する。
図54Bは、多光子吸収プロセスを例示する。
【
図54C】異なるレーザー印刷モードを例示する。
図54Cは、ホログラムを生成するための波面形成の代表的な図を例示する。
【
図54D】異なるレーザー印刷モードを例示する。
図54Dは、複雑な構造のホログラフィック印刷を可能とする、複数面での完全な画像投影(即ち、3Dホログラム)を例示する。
【
図55A】以前に印刷された3Dの毛細血管の構造内の球体のホログラフィック印刷を示す。
図55Aは、印刷された微小血管系構造を例示する。
【
図55B】以前に印刷された3Dの毛細血管の構造内の球体のホログラフィック印刷を示す。
図55Bは、印刷された微小血管系構造の画像を示す。
【
図55C】以前に印刷された3Dの毛細血管の構造内の球体のホログラフィック印刷を示す。
図55Cは、3D微小血管系構造の内腔へ球体のホログラムを投影するための、多光子レーザービームの使用を例示する。
【
図55D】以前に印刷された3Dの毛細血管の構造内の球体のホログラフィック印刷を示す。
図55Dは、多光子レーザービームが3D微小血管系構造の内腔へと球体のホログラムを投影するために使用されたときの、3D微小血管系構造の画像を正確に示す。
【
図55E】以前に印刷された3Dの毛細血管の構造内の球体のホログラフィック印刷を示す。
図55Eは、微小血管系構造の内腔の内部の球体を例示する。
【
図55F】以前に印刷された3Dの毛細血管の構造内の球体のホログラフィック印刷を示す。
図55Fは、(破線で描かれた)球体が分裂なしに微小血管系構造の内腔内に堆積したことを示す。
【
図56A】本明細書で提供される方法及びシステムを使用して印刷されたポリマー脈管構造ベッドを示す。
図56Aは、ホログラフィック印刷プロセス中の脈管構造ベッドの画像を示す。
【
図56B】本明細書で提供される方法及びシステムを使用して印刷されたポリマー脈管構造ベッドを示す。
図56Bは、ホログラフィック印刷プロセス完了後の脈管構造ベッドの画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明の様々な実施形態が本明細書中に示され記述された一方、そのような実施形態が一例としてしか提供されていないことは当業者にとって明白だろう。多数の変形、変更、及び置き換えは、本発明から逸脱することなく、当業者によって想到され得る。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が利用され得ることを理解されたい。
【0054】
本明細書で使用される用語は、特定の事例のみを記載することを目的としており、本発明を制限することを意図していない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が他に明白に示していない限り、同様に複数形を含むように意図される。更に、用語「含んでいる(including)」、「含む(includes)」、「有している(having)」、「有する(has)」、「含んだ(with)」、又はそれらの変異形が発明を実施するための形態及び/又は請求項のいずれかで使用される程度には、上記のような用語は「含んでいる(comprising)」との用語に類似する手法で包括的であることを意図している。
【0055】
用語「約」又は「およそ」は、その増分を含む、約10%、5%、又は1%により明示された量に近い量を指す。例えば、「約」又は「およそ」は、特定の値を含み、且つ、その値の10%以下から10%以上に及ぶ、範囲を意味し得る。
【0056】
用語「生体物質」は、本明細書で使用されるように、化学的又は生物学的な機能を果たすことができる任意の物質を一般的に指す。生体物質は、生物学的に機能性の組織、又は機能性の組織であり、生体力学又は生物学的な機能を果たすことが可能な生体構造であり得る。生物学的に機能性の組織は、互いに拡散距離内にある細胞を含み、各細胞が毛細管又は血管のネットワーク構成成分の拡散距離内にある少なくとも1つの細胞型を含み、タンパク質機能の遂行を促進及び/又は阻害し、或いはそれらの任意の組み合わせを行い得る。生物学的に機能性の組織は、重要臓器などの組織又は臓器の少なくとも一部であり得る。幾つかの例において、生体物質は、例えば異なる治療薬により多数の細胞又は組織をスクリーニングするなど、薬物開発に使用され得る。
【0057】
生体物質は、細胞などの物質の1つ以上のタイプを含む、ポリマーマトリックスなどのマトリックスを含み得る。生体物質は様々な形状、サイズ、又は構成であってもよい。幾つかの例において、肉、又は肉の様な物質などの生体物質は、被験体(例えば動物)によって消費可能であり得る。
【0058】
用語「三次元印刷」(また「3D印刷」)は、本明細書で使用されるように、3D部分(又は物体)を生成するためのプロセス又は方法を一般的に指す。そのようなプロセスは、3D生体物質などの3D部分(又は物体)を形成するために使用され得る。
【0059】
用語「エネルギービーム」は、本明細書で使用されるように、エネルギーのビームを一般的に指す。エネルギービームは電磁エネルギー又は電磁放射線のビームであり得る。エネルギービームは粒子ビームでもよい。エネルギービームは、光線(例えばγ波、X線、紫外線、可視光、赤外線、マイクロ波、又は無線電波)でもよい。輻射の誘導放出による光増幅(「レーザー」)によって提供され得るように、光線はコヒーレント光ビームでもよい。幾つかの例において、光線はレーザーダイオード又は多数のダイオードレーザーによって生成される。
【0060】
本開示は、三次元(3D)生体物質を印刷するための方法及びシステムを提供する。一態様において、3D生体物質を印刷するための方法は、(i)複数の細胞及び(ii)1つ以上のポリマー前駆体を含む媒体を含む、媒体チャンバを提供する工程を含む。次に、少なくとも1つのエネルギービームは、コンピュータメモリーにおける3D生体物質を印刷するためのコンピュータ命令に従って、3D投影へとパターン化される少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って、媒体チャンバにおける媒体に向けられ得る。これは、(i)少なくとも2つの異なるタイプの複数の細胞の少なくとも部分集合を含む、複数の細胞の少なくとも部分集合、及び(ii)1つ以上のポリマー前駆体から形成されたポリマーを含む、3D生体物質の少なくとも一部を形成することができる。
【0061】
本開示の方法及びシステムは、3D生体物質などの3D物体の多層を同時に印刷するために使用されてもよい。そのような3D物体は、ポリマー材料、金属、金属合金、複合材料、又はそれらの任意の組み合わせから形成され得る。幾つかの例において、3D物体は、場合によっては生体物質(例えば1つ以上の細胞又は細胞構成成分)を含む、高分子材料から形成される。場合によっては、3D物体は、3D物体の少なくとも一部を形成するべく重合及び/又は架橋結合を誘導するために、ポリマー材料の1つ以上の前駆体に3D投影(例えばホログラム)としてエネルギービーム(例えばレーザー)を向けることによって形成され得る。これは、3D物体の多層を同時に形成するために使用されてもよい。
【0062】
代替手段として、3D物体は、例えば金、銀、白金、タングステン、チタン、又はそれらの任意の組み合わせなどの、金属又は金属合金から形成され得る。そのような場合、3D物体は、例えば金属又は金属合金の粒子を含む粉末ベッドにエネルギービーム(例えばレーザービーム)を向けることによって達成され得るように、金属粒子を焼結又は融解することにより形成され得る。場合によっては、3D物体は、粒子の焼結又は融解を促進するために粉末ベッドへと3D投影(例えばホログラム)としてエネルギービームを向けることにより形成され得る。これは、3D物体の多層を同時に形成するために使用されてもよい。3D物体は、グラフェンなどの有機物から形成され得る。3D物体は、シリコーンなどの無機物から形成され得る。この場合、3D物体は、例えば有機物及び/又は無機物の粒子を含む粉末ベッドにエネルギービーム(例えばレーザービーム)を向けることによって達成され得るように、有機粒子及び/又は無機粒子を焼結又は融解することにより形成され得る。場合によっては、3D物体は、有機粒子及び/又は無機粒子の焼結又は融解を促進するために粉末ベッドへと3D投影(例えばホログラム)としてエネルギービームを向けることにより形成され得る。
【0063】
エネルギービーム浸透の深度は、ビーム波長と、与えられた金属、金属合金、無機物、及び/又は有機物の電界とのの相互作用によって決定され得る。有機物はグラフェンであり得る。無機物はシリコーンであり得る。これらの粒子は、与えられたエネルギービームとのより強い又は弱い相互作用を可能にするために、機能化され又は組み合わせられ得る。
【0064】
幾つかの例において、少なくとも1つのエネルギービームは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、又はそれ以上のエネルギービームである。少なくとも1つのエネルギービームはコヒーレント光であるか、又はそれを含み得る。場合によっては、少なくとも1つのエネルギービームはレーザービームである。
【0065】
少なくとも1つのエネルギービームは、画像又は画像セットとして配向され得る。画像は、経時的に固定され、又は経時的に変化され得る。少なくとも1つのエネルギービームは、映像として配向され得る。
【0066】
コンピュータ命令は、3D生体物質のコンピュータモデル又は表現に相当し得る。コンピュータ命令はコンピュータモデルの一部であり得る。幾つかの実施形態において、コンピュータ命令は、3D生体物質に相当する画像のセットを含み得る。
【0067】
少なくとも1つのエネルギービームは、ホログラフィック画像又は映像として配向され得る。これは、例えば多層にて(例えば重合により)ポリマーマトリックスの形成を同時に誘導するために、媒体における様々な点を少なくとも1つのエネルギービームに同時にさらすことを可能にし得る。場合によっては、3D画像又は映像は、例えば空間光変調器(SLM)使用して、異なる焦点で媒体へと投影され得る。
【0068】
コンピュータ命令は、例えば少なくとも1つのエネルギービームの源への電力の適用(例えばレーザーオン/オフ)など、3D生体物質の形成中に時間に応じて少なくとも1つのエネルギービームの1つ以上のパラメータの調整を含み、及び/又はそれを配向し得る。そのような調整は、3D生体物質に相当する画像又は映像(例えばホログラフィック画像又は映像)に従って行われてもよい。代替的に又は付加的に、コンピュータ命令は、3D生体物質が形成されるステージの位置の調整を含む、及び/又はそれを配向し得る。
【0069】
場合によっては、3D生体物質の形成中又はその後に、複数の細胞の少なくとも部分集合の少なくとも一部は、少なくとも2つの異なるタイプの細胞を形成するために分化にさらされ得る。これは、例えば薬剤に細胞をさらす、又は分化を引き起こす条件に細胞をさらすことによって、利用され得る。代替的に又は付加的に、細胞は脱分化にさらされ得る。
【0070】
本開示の別の態様は、第1の媒体を含む媒体チャンバを提供して、3D生体物質を印刷するための方法を提供する。第1の媒体は、第1の複数の細胞及び第1のポリマー前駆体を含み得る。少なくとも1つのエネルギービームは、3D生体物質の第1の部分を形成するべく媒体チャンバにおける第1の媒体の少なくとも一部をさらすために、3D生体物質を印刷するためのコンピュータ命令に従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける第1の媒体に向けることができる。次に、第2の媒体が媒体チャンバに提供され得る。第2の媒体は、第2の複数の細胞及び第2のポリマー前駆体を含み得る。第2の複数の細胞は、第1の複数の細胞とは異なるタイプであり得る。次に、少なくとも1つのエネルギービームは、3D生体物質の少なくとも第2の部分を形成するべく媒体チャンバにおける第2の媒体の少なくとも一部をさらすために、コンピュータ命令に従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける第2の媒体に向けること向けることができる。
【0071】
本開示の他の態様において、3D生体物質を印刷するためのシステムは、少なくとも2つの異なるタイプの細胞を含む複数の細胞と1つ以上のポリマー前駆体とを含む媒体を含有するように構成された媒体チャンバ;媒体チャンバに少なくとも1つのエネルギービームを向けるように構成された少なくとも1つのエネルギー源;及び少なくとも1つのエネルギー源に動作可能に結合された1つ以上のコンピュータプロセッサであって、1つ以上のコンピュータプロセッサは、(i)コンピュータメモリーから3D生体物質を印刷するためのコンピュータ命令を受け;及び(ii)3D生体物質の少なくとも一部を形成するべくポリマー前駆体の少なくとも一部をさらすために、コンピュータ命令に従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向けるように、少なくとも1つのエネルギー源を向けるように個々に又は総体的にプログラムされる、コンピュータプロセッサを含む。
【0072】
他の態様において、3D生体物質を印刷するためのシステムは、複数の細胞及び複数のポリマー前駆体を含む媒体を含むように構成された媒体チャンバ;媒体チャンバに少なくとも1つのエネルギービームを向けるように構成された少なくとも1つのエネルギー源;及び少なくとも1つのエネルギー源に動作可能に結合された1つ以上のコンピュータプロセッサであって、1つ以上のコンピュータプロセッサは、(i)コンピュータメモリーから3D生体物質を印刷するためのコンピュータ命令を受け;(ii)3D生体物質の少なくとも一部を形成するべくポリマー前駆体の少なくとも一部をさらすために、コンピュータ命令に従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向けるように、少なくとも1つのエネルギー源を向け;及び(iii)3D生体物質の少なくとも第2の部分を形成するべく媒体チャンバにおける第2の媒体の少なくとも一部をさらすために、コンピュータ命令に従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける第2の媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向けるように、少なくとも1つのエネルギー源を向けるように構成される、コンピュータプロセッサを含み、第2の媒体は第2の複数の細胞及び第2のポリマー前駆体を含み、第2の複数の細胞は第1の複数の細胞とは異なるタイプである。
【0073】
本開示の他の態様において、三次元(3D)物体を印刷するための方法は、1つ以上の前駆体から形成された物質を含む3D物体を生成するために、1つ以上の前駆体を含む媒体へと少なくとも1つのエネルギービームを向ける工程を含み、少なくとも1つのエネルギービームは、3D物体に相当する3D投影として媒体へと配向される。
【0074】
他の態様において、三次元(3D)生体物質を印刷するための方法は、3D生体物質の第1の部分及び第2の部分を生成するために、少なくとも1つのエネルギービームを、1)第1の複数の細胞及び第1のポリマー前駆体を含む第1の媒体、及び2)第2の複数の細胞及び第2のポリマー前駆体を含む第2の媒体に向ける工程を含む。
【0075】
図1を参照すると、所望の組織の急速な多光子印刷のためのシステム(100)の実施形態が例示される。ここで、システム(100)は、ソリッドモデルのコンピュータ利用設計(CAD)モデリングシステム(112)によって駆動されるレーザー印刷システム(110)を含む。本実施形態において、CADモデリングシステム(112)は、所望の組織及び追加のパラメータのCADモデルに基づいてレーザー印刷システム(110)を制御するコンピュータ(114)を含む。レーザー印刷システム(110)は、完全な部分又は特定の部分において所望の構造に一致するために媒体チャンバ(122)へと多光子レーザービーム(120)の波形を投影する、多光子組織印刷ヘッド(118)と通信状態のレーザーシステム(116)を含む。多光子組織印刷ヘッド(118)は、媒体チャンバ(122)内にCADモデル化組織の二次元及び/又は三次元の、且つ従ってホログラフィック投影を提供するために、媒体チャンバ(122)の側面及び軸面において多光子レーザービーム(120)を送達する、少なくとも1つの対物レンズ(124)を含む。対物レンズ(124)は、水浸対物レンズ、空気対物レンズ、又は油浸対物レンズでもよい。二次元及び三次元のホログラフィック投影は、同時に生成され、且つレンズ制御によって異なる領域へと投影され得る。媒体チャンバ(122)は、細胞、重合化可能な物質、及び培養媒体で構成された媒体を含有している。重合化可能な物質は、生物適合性であり、溶解可能であり、場合によっては生物学的に不活性である、重合化可能な単量体単位を含み得る。単量体単位(又はサブユニット)は、生成される組織に特異的な細胞基質及び基底膜構造などの、細胞含有構造を作成するために、多光子レーザービーム(120)に応じて重合し、架橋し、又は反応し得る。単量体単位は、マトリックスを形成するために重合及び/又は架橋し得る。場合によっては、重合化可能な単量体単位は、所望の組織マトリックスに応じてパーセンテージを変動させるために、エラスチン及びヒアルロン酸を含むがこれらに限定されない他の細胞外マトリックス構成成分とコラーゲンとの混合物を含み得る。
【0076】
細胞含有構造を作成するために使用される細胞外マトリックス構成成分の非限定的な例は、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、及びケラタン硫酸などのプロテオグリカン、ヒアルロン酸、コラーゲン、及びエラスチンなどの非プロテオグリカン多糖、フィブロネクチン、ラミニン、ニドゲン、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。これらの細胞外マトリックス構成成分は、多光子励起により、又は1つ以上の化学的なドープ剤の多光子励起により直接引き起こされた架橋結合を促進するために、アクリラート、ジアクリラート、メタクリラート、シンナモイル、クマリン、チミン、又は他の側鎖基、或いは化学的に反応性の部分により官能化され得る。場合によっては、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーは、細胞含有構造を作成するために細胞外マトリックス構成成分と合わせて使用され得る。光重合性マクロマーの非限定的な例は、ポリエチレングリコール(PEG)アクリラート誘導体、PEGメタクリラート誘導体、及びポリビニルアルコール(PVA)誘導体を含み得る。幾つかの例において、細胞含有構造を作成するために使用されるコラーゲンは、I、II、III、V、及びX型のコラーゲンなどの原繊維性コラーゲン、IX、XII、及びXIV型のコラーゲンなどのFACITコラーゲン、VIII及びX型のコラーゲンなどの短鎖コラーゲン、IV型コラーゲンなどの基底膜コラーゲン、VI型コラーゲン、VII型コラーゲン、XIII型コラーゲン、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0077】
単量体単位の特定の混合物は、重合されたバイオゲルの最終的な特性を変えるために作成され得る。このベース印刷混合物は、合成され、且つ生物物質及び合成物質の混成物を含む哺乳動物組織に固有でない、他の重合性単量体を含有し得る。混合物の一例は、約50%w/vのポリエチレングリコールジアクリラート(PEGDA)を加えた約0.4%w/vのコラーゲンメタクリラートを含み得る。重合を引き起こす光重合開始剤は、紫外線(UV)、赤外線(IR)、又は可視光線範囲において反応性であり得る。2つのそのような光開始剤の例は、エオシンY(EY)及びトリエタノールアミン(TEA)であり、これらは組み合わせられると、可視光(例えば約390~700ナノメートルの波長)への曝露に応じて重合し得る。光重合開始剤の非限定的な例は、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ベンゾイン誘導体、ベンジケタール(benziketals)、ヒドロキシアルキルフェノン、アセトフェノン誘導体、トリメチロールプロパントリアクリラート(TPT)、アクリロイルクロライド、過酸化ベンゾイル、カンファーキノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、及び2-ヒドロキシ-1-[4-(ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-メチル-1-プロパノンを含み得る。ヒドロキシアルキルフェノンは、4-(2-ヒドロキシエチルエトキシ)-フェニル-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)ケトン(Irgacure(登録商標)295)、1-ヒドロキシシクロヘキシル-1-フェニルケトン(Irgacure(登録商標)184)、及び2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン(Irgacure(登録商標)651)を含み得る。アセトフェノン誘導体は、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン(DMPA)を含み得る。チオキサントンはイソプロピルチオキサントンを含み得る。
【0078】
生体物質の単量体単位の特定の混合物は、重合されたバイオゲルの最終的な特性を改変するために作成することができ、混合物の例は、約1mg/mLのI型コラーゲン-メタクリラート、約0.5mg/mLのIII型コラーゲン、約0.2mg/mLのメタクリル化ヒアルロン酸、約0.1%のエオシンY、及び約0.1%のトリエタノールアミンを含み得る。
【0079】
場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の少なくとも約0.01%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の約10%以上を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の約0.1%を含む。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.2%、約0.01%~約0.3%、約0.01%~約0.4%、約0.01%~約0.5%、約0.01%~約0.6%、約0.7%~約0.8%、約0.9%~約1%、約0.01%~約2%、約0.01%~約3%、約0.01%~約4%、約0.01%~約5%、約0.01%~約6%、約0.01%~約7%、約0.01%~約8%、約0.01%~約9%、又は約0.01%%~約10%を含み得る。
【0080】
重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の約0.05%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の0.1%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の0.2%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の0.3%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の0.4%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の0.5%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の0.6%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の0.7%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の0.8%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の0.9%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の1%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の1.1%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の1.2%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の1.3%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の1.4%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の1.5%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の1.6%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の1.7%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の1.8%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の1.9%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の2%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の2.5%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の3%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の3.5%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の4%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の4.5%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の5%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の5.5%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の6%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の6.5%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の7%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の7.5%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の8%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の8.5%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の9%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の9.5%を含み得る。重合されたバイオゲルは、光重合開始剤の10%を含み得る。
【0081】
場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの少なくとも約10%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約99%以上を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約50%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約10%~約15%、約10%~約20%、約10%~約25%、約10%~約30%、約10%~約35%、約10%~約40%、約10%~約45%、約10%~約50%、約10%~約55%、約10%~約60%、約10%~約65%、約10%~約70%、約10%~約75%、約10%~約80%、約10%~約85%、約10%~約90%、約10%~約95%、又は約10%~約99%を含み得る。
【0082】
場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約10%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約15%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約20%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約25%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約30%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約35%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約40%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約45%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約50%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約55%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約60%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約65%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約70%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約75%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約80%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約85%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約90%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約95%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約96%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約97%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約98%を含み得る。場合によっては、重合されたバイオゲルは、光重合性マクロマー及び/又は光重合性モノマーの約99%を含み得る。
【0083】
二光子吸収は非線形であり、且つ、化学物質の単一光子吸収特性に基づいて正確に予測又は算出することができない。光反応性の化学物質は、単一光子吸収の二倍又は約二倍のピーク二光子吸収を持つ、或いは、吸収スペクトルにおいてわずかに赤方偏移され得る。それ故、900ナノメートル又は約900ナノメートル~約1400ナノメートルの波長は、重合反応の触媒、例えばEY又はTEAの混合を刺激することによるモノマー物質の重合のために使用され得る。単一波長重合は全ての構造要素の作成に十分かもしれないが、印刷プロセスの速度を更に上げるために、多波長が、同じ印刷装置を通って且つ同じ印刷チャンバへと同時に利用されてもよい。
【0084】
異なる吸収帯を含む触媒との重合化可能な単量体単位の予備混合又は予備反応は、媒体チャンバ(122)内に異なる基質ベースの構造要素を同時に形成するために異なる波長での印刷を可能にし得る。故に、特定の構造要素は、特定の波長にレーザーの励起波長を合わせることにより生成され、その後、他の構造要素は、より高い効率で1つの物質基部の重合を開始する異なる光重合開始剤を相互作用し得る異なる励起波長に、別の又は同じレーザーを合わせることにより、既存の要素のまわりで生成され得る。同様に、異なる波長は異なる構造要素のために使用されてもよく、疎剛性の増加は一部の位置に望ましく、軟性又は弾性の構造は他の位置に望ましい。重合化可能な物質の異なる物理的性質のために、これは、潜在的により剛性で、軟性で、又は弾性の構造が、単にレーザーの励起波長を電子的に合わせること、異なるレーザーとの間で切り替えること、又は2つの異なる波長を同時に投影することによって、同じ細胞での同じ印刷工程において作成されることを、可能にし得る。
【0085】
図2A-2Cは、媒体チャンバ(122)内の所望の組織の生成のステージの例を例示する。
図2Aは、第1の細胞群、重合化可能な物質、及び培養媒体で構成された媒体(126)を含有している媒体チャンバ(122)を例示する。本実施形態において、多光子レーザービーム(120)のパルスは、所望の組織の血管構造物及び微小血管系に相当するCADモデルに従い、媒体(126)に送達され得る。幾つかの例において、第1の細胞群は、内皮細胞、毛細血管の内皮細胞、周皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞、内皮の始原細胞、幹細胞、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、血管及び/又は毛細血管の細胞を含み得る。故に、媒体(126)の部分は、所望の組織の脈管構造及び微小血管系を表わす細胞含有スキャフォールド(128)を形成するために、重合し、架橋し、又は反応し得る。その後、本実施形態において、媒体(126)は、第1の細胞群及び関連する媒体を取り除くために、第1のポート(130a)、第2のポート(130b)、第3のポート(130c)、第4のポート(130d)、及び第5のポート(130e)を介して排出され得る。幾つかの例において、媒体チャンバ(122)は少なくとも1つのポートを含み得る。幾つかの例において、媒体チャンバ(122)は、少なくとも1つのポートから最大100のポートに及ぶ複数のポートを含み得る。媒体チャンバ(122)は少なくとも2つのポートを含み得る。媒体チャンバ(122)は少なくとも3つのポートを含み得る。媒体チャンバ(122)は少なくとも4つのポートを含み得る。媒体チャンバ(122)は少なくとも5つのポートを含み得る。
【0086】
図2Bを参照すると、媒体チャンバ(122)は、ポート(130)を介して、第2の細胞群、重合化可能な物質、及び培養媒体を含有している媒体(126)に充填され得る。この第2の細胞群は、既存の細胞含有スキャフォールド(128)のまわりに組織構造を生成するために使用され得る。幾つかの例において、細胞含有スキャフォールド(128)は血管スキャフォールドでもよい。印刷された血管スキャフォールドは、内皮細胞、血管内皮細胞、周皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞、内皮の始原細胞、幹細胞、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0087】
第1の細胞群及び/又は第2の細胞群は、内皮細胞、毛細血管の内皮細胞、周皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞、内皮の始原細胞、リンパ細胞、ヘルパーT細胞及び細胞傷害性T細胞などのT細胞、B細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、細網細胞、肝細胞、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。第1の細胞群及び/又は第2の細胞群は、外分泌腺の分泌性上皮細胞、ホルモン分泌細胞、上皮細胞、神経細胞、脂肪細胞、腎臓細胞、膵細胞、肺細胞、細胞外マトリックス細胞、筋細胞、血液細胞、免疫細胞、生殖細胞、間質細胞、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0088】
第1の細胞群及び/又は第2の細胞群は、唾液腺粘液細胞、乳腺細胞、エクリン腺細胞及びアポクリン汗腺細胞などの汗腺細胞、皮脂腺細胞、II型肺細胞、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、外分泌腺の分泌性上皮細胞を含み得る。
【0089】
第1の細胞群及び/又は第2の細胞群は、下垂体前葉製剤細胞、脳下垂体中葉細胞、大形細胞の神経分泌細胞、腸管細胞、気道細胞、甲状腺細胞、副甲状腺細胞、副腎細胞、ライディッヒ細胞、内卵胞膜細胞、黄体細胞、傍糸球体細胞、緻密斑細胞、周血管極細胞、メサンギウム細胞、α細胞、β細胞、δ細胞、PP細胞、及びε細胞などの膵島細胞、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、ホルモン分泌細胞を含み得る。
【0090】
第1の細胞群及び/又は第2の細胞群は、ケラチノサイト、基底細胞、及び毛幹細胞などの角質化上皮細胞、重層偏平上皮の表面上皮細胞、角膜上皮の基底細胞、及び泌尿器系の上皮細胞などの階層化された障壁上皮細胞、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、上皮細胞を含み得る。
【0091】
第1の細胞群及び/又は第2の細胞群は、感覚変換器細胞、自律神経性ニューロン細胞、末梢性ニューロン支持細胞、介在ニューロンなどの中枢神経系ニューロン、紡錘体ニューロン、錐体細胞、星細胞、アストロサイト、オリゴデンドロサイト、脳室上衣細胞、グリア細胞、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、神経細胞又はニューロンを含み得る。
【0092】
第1の細胞群及び/又は第2の細胞群は、壁細胞、有足細胞、メサンギウム細胞、遠位尿細管細胞、近位尿細管細胞、ヘンレ係蹄の薄いセグメント細胞(Loop of Henle thin segment cells)、集合管細胞、間質腎臓細胞、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、腎臓細胞を含み得る。
【0093】
第1の細胞群及び/又は第2の細胞群は、I型肺細胞、肺胞細胞、毛細管内皮細胞、肺胞マクロファージ、気管支上皮細胞、気管支平滑筋細胞、気管上皮細胞、小気道上皮細胞、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、肺細胞を含み得る。
【0094】
第1の細胞群及び/又は第2の細胞群は、上皮細胞、線維芽細胞、周皮細胞、軟骨細胞、骨芽細胞、骨細胞、骨原性細胞、星細胞、肝臓星細胞、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、細胞外マトリックス細胞を含み得る。
【0095】
第1の細胞群及び/又は第2の細胞群は、骨格筋細胞、心筋細胞、プルキニエ繊維細胞、平滑筋細胞、筋上皮細胞、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、筋細胞を含み得る。
【0096】
第1の細胞群及び/又は第2の細胞群は、赤血球、巨核球、単球、マクロファージ、破骨細胞、樹状細胞、小膠細胞、好中球、好酸球、好塩基球、マスト細胞、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、細胞傷害性T細胞、ナチュラルキラーT細胞、B細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、網状赤血球、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、血液細胞及び/又は免疫細胞を含み得る。
【0097】
図2Cは、残りの組織のCADモデルに従う、媒体(126)への多光子レーザービーム(120)のパルスの送達を例示する。故に、媒体(126)の追加の部分は、既存の血管スキャフォールド(128)を傷つけず又は影響を及ぼすことなく既存の細胞含有スキャフォールド(128)(これ以上視認できない)のまわりに細胞含有構造(132)を形成するために、重合し、架橋し、又は反応し得る。媒体(126)を排出する工程、新たな媒体(126)に再充填する工程、及びレーザーエネルギーを送達する工程は、所望の複合組織を作成するために任意の回数を繰り返され得る。
【0098】
図2Dは、細胞含有スキャフォールド(128)が媒体(126)を含有する媒体チャンバ(122)の底部に沿って印刷され得る実施形態を例示する。故に、スキャフォールド(128)は、独立して立たない、又は独立して浮遊しない場合がある。多チャネル入力は、一方向からの総体流、総体流が小さな特徴から望まれない細胞を洗浄しない際の微細構造の不均一な洗浄、及び組織印刷チャンバへと循環される際の新たな細胞含有媒体の不均一な分布に関連付けられる剪断力を減少し得る。多数の入力は、上部、底部、側面、又は3つ全てから同時に生じ得る。多数の入力は、細胞含有構造が比較的脆弱であり、且つチャンバを介した媒体交換に関連付けられる流体力の適用によって潜在的に分裂されるので、組織印刷に特に望ましい。
図2Dは、組織が媒体チャンバの底プレート上で印刷され得ることを示す。幾つかの実施形態において、細胞及び組織は、媒体チャンバの底部に対してフラッシュ印刷され得る。加えて、この設計は、印刷組織の容易な輸送、及びレーザー印刷ヘッド(収束物体)下で位置決めすることを可能にし、及び、媒体交換及び印刷が大気への暴露無しに行われることを可能にするクローズドシステムである。これは、大気への曝露が、有用な組織の発達を妨害する又は完全に破壊し得る細胞培養媒体へと感染因子を導入することができるため、望ましい場合がある。
【0099】
レーザー印刷システム
一態様において、本開示は、三次元(3D)生体物質を印刷するためのシステムを提供する。x、y及びz次元は、本明細書で提供されるシステムによって同時にアクセスされ得る。3D生体物質を印刷するためのシステムは、細胞含む複数の細胞と1つ以上のポリマー前駆体とを含む媒体を含有するように構成された媒体チャンバを含み得る。複数の細胞は、少なくとも1つのタイプの細胞を含み得る。複数の細胞は、少なくとも2つの異なるタイプの細胞を含み得る。前記システムは、媒体チャンバに少なくとも1つのエネルギービームを向けるように構成された少なくとも1つのエネルギー源を含み得る。前記システムは、媒体チャンバ及び/又は細胞含有チャンバに少なくとも1つのエネルギービームを向けるように構成された少なくとも1つのエネルギー源を含み得る。前記システムは、少なくとも1つのエネルギー源に動作可能に繋がれた1つ以上のコンピュータプロセッサを含み、1つ以上のコンピュータプロセッサは、コンピュータメモリーからの3D生体物質を印刷するためのコンピュータ命令を受け;及び3D生体物質の少なくとも一部を形成するべくポリマー前駆体の少なくとも一部をさらすために、コンピュータ命令に従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向けるように、少なくとも1つのエネルギー源を向けるように個々に又は総体的にプログラムされる。
【0100】
他の態様において、本開示は、複数の細胞及び複数のポリマー前駆体を含む媒体を含有するように構成された媒体チャンバを含む、3D生体物質を印刷するための追加のシステムを提供する。前記システムは、媒体チャンバに少なくとも1つのエネルギービームを向けるように構成された少なくとも1つのエネルギー源を含み得る。加えて、前記システムは、少なくとも1つのエネルギー源に動作可能に繋がれ得る1つ以上のコンピュータプロセッサを含み得る。1つ以上のコンピュータプロセッサは、(i)コンピュータメモリーからの3D生体物質を印刷するためのコンピュータ命令を受け;(ii)3D生体物質の少なくとも一部を形成するべくポリマー前駆体の少なくとも一部をさらすために、コンピュータ命令に従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向けるように、少なくとも1つのエネルギー源を向け;及び(iii)3D生体物質の少なくとも第2の部分を形成するべく媒体チャンバにおける第2の媒体の少なくとも一部をさらすために、コンピュータ命令に従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける第2の媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向けるように、少なくとも1つのエネルギー源を向けるように構成され、第2の媒体は第2の複数の細胞及び第2のポリマー前駆体を含み、第2の複数の細胞は第1の複数の細胞とは異なるタイプである。
【0101】
1つ以上のコンピュータプロセッサは、コンピュータメモリーにおける3D生体物質のポイントクラウド表現又はラインベース表現を生成し、且つ、コンピュータメモリーにおける3D生体物質を印刷するためのコンピュータ命令を生成するべく前記ポイントクラウド表現又は前記ラインベース表現を使用するように、個々に又は総体的にプログラムされる。1つ以上のコンピュータプロセッサは、3D生体物質の少なくとも他の部分を形成するべく少なくとも1つのエネルギービームを1つ以上の追加のエネルギービーム経路に沿って向けるために、少なくとも1つのエネルギー源を配向するように個々に又は総体的にプログラムされ得る。
【0102】
前記システムは、少なくとも1つのエネルギー源及び/又は少なくとも1つの光パターン化要素に動作可能に繋がれた1つ以上のコンピュータプロセッサを含み得る。コンピュータモデルのポイントクラウド表現又はラインベース表現は、ホログラフィックポイントクラウド表現又はホログラフィックラインベース表現であり得る。1つ以上のコンピュータプロセッサは、少なくとも1つのエネルギー源によって照射されるようにホログラフィック画像を再投影するために、光パターン化要素を使用するように個々に又は総体的にプログラムされ得る。
【0103】
場合によっては、1つ以上のコンピュータプロセッサは、ポイントクラウド表現又は前記ラインベース表現を画像に変換するように個々に又は総体的にプログラムされ得る。1つ以上のコンピュータプロセッサは、ホログラフィック様式で画像を投影するように個々に又は総体的にプログラムされ得る。1つ以上のコンピュータプロセッサは、ホログラムとして画像を投影するように個々に又は総体的にプログラムされ得る。1つ以上のコンピュータプロセッサは、部分的なホログラムとして画像を投影するように個々に又は総体的にプログラムされ得る。場合によっては、1つ以上のコンピュータプロセッサは、アルゴリズムの変換を介して一連のホログラフィック画像へと完全な画像セットのポイントクラウド表現又はラインベース表現を変換するように個々に又は総体的にプログラムされ得る。その後、この変換された画像セットは、システムを介して、空間光変調器(SLM)又はデジタルミラーデバイス(DMD)などの光パターン化要素によって順に投影され、印刷チャンバ内の投影画像を、2D及び/又は3Dで同時に分布される投影光と反応させる。拡大され又は広げられたレーザービームは、ホログラフィック画像の投影システムとして機能する、SLM及び/又はDMD上へと投影され得る。場合によっては1つ以上のコンピュータプロセッサは、ホログラフィック様式で画像を投影するように個々に又は総体的にプログラムされ得る。場合によっては、1つ以上のコンピュータプロセッサは、ホログラフィック様式でより大きな3D構造を形成するために、映像として一度に全て又は順番に再生された画像を投影するように個々に又は総体的にプログラムされ得る。
【0104】
ホログラフィーは、多次元(例えば2D及び/又は3D)ホログラフィック画像又はホログラムを投影する技術である。媒体を光重合することが可能なレーザーがホログラムとして投影されると、レーザーは、光重合し、凝固し、架橋し、結合し、硬化し、及び/又は、投影されたレーザー光経路に沿って媒体の物理特性を変化させ;故に、レーザーは、3D構造の印刷を可能にし得る。ホログラフィーは、ホログラフィック画像を作成するためにレーザー光線又はコヒーレント光の源などの光源を必要とし得る。ホログラフィック画像は、経時的に一定、又は経時的に変動し得る(例えばホログラフィック映像)。更に、ホログラフィーは、レーザー光経路を開く又は移動させるためのシャッタ、レーザー光を別個の経路に分割するビームスプリッター、レーザー光経路を配向するためのミラー、ビームを拡大するための発散レンズ、及び追加のパターン化要素又は光配向要素を必要とし得る。
【0105】
物体のホログラフィック画像は、発散レンズでレーザービームを拡大すること、及び、拡大したレーザービームを、ホログラムの上、及び/又は例えば空間光変調器又はSLMなどの少なくとも1つのパターン形成要素の上へと向けることによって、作成され得る。パターン形成要素は、レーザービーム経路へとホログラフィック画像を含むパターンをコードし得る。パターン形成要素は、レーザービーム経路へと部分的なホログラムを含むパターンをコードし得る。次に、パターンは、印刷物質(即ち、複数の細胞及びポリマー前駆体を含む媒体)を含有している媒体チャンバの方へと配向され且つそこに焦点を合わせられ、ここで、パターンは、印刷物質(即ち、媒体)で発見された光反応性の光重合開始剤を励起させることができる。次に、光反応性の光重合開始剤の励起は、ポリマーベースの印刷物質の光重合を引き起こすことができ、所望のパターン(即ち、ホログラフィック画像)で構造を形成する。場合によっては、1つ以上のコンピュータプロセッサは、別個のエネルギービーム経路に沿ってエネルギー源を向けることによってホログラフィック画像を投影するように個々に又は総体的にプログラムされ得る。
【0106】
場合によっては、少なくとも1つのエネルギー源は複数のエネルギー源であり得る。幾つかの実施形態において、複数のエネルギー源は、複数の少なくとも1つのエネルギービームを配向し得る。エネルギー源はレーザーであり得る。幾つかの例において、レーザーはファイバーレーザーでもよい。例えば、ファイバーレーザーは、例えばエルビウム、イッテルビウム、ネオジム、ジスプロシウム、プラセオジム、ツリウム、及び/又はホルミウムなどの、希土類元素の要素でドープされた光ファイバーを含む、活性利得媒質を伴うレーザーでもよい。エネルギー源は短パルスレーザーでもよい。エネルギー源はフェムト秒パルスレーザーでもよい。フェムト秒パルスレーザーは、約500フェムト秒(fs)、250、240、230、220、210、200、150、100、50fs、40fs、30fs、20fs、10fs、9fs、8fs、7fs、6fs、5fs、4fs、3fs、2fs、1fs以下のパルス幅を有し得る。フェムト秒パルスレーザーは、例えばチタン:サファイア(Ti:Sa)レーザーでもよい。少なくとも1つのエネルギー源は、コヒーレント光源に由来し得る。
【0107】
コヒーレント光源は、約300ナノメートル(nm)~約5ミリメートル(mm)の波長を持つ光を提供することができる。コヒーレント光源は、約350nm~約1800nm、又は約1800nm~約5mmの波長を含み得る。コヒーレント光源は、少なくとも約300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2mm、3mm、4mm、5mm、又はそれ以上の波長を持つ光を提供することができる。
【0108】
コンピュータプロセッサは、3D生体物質の少なくとも他の部分を形成するべく少なくとも1つのエネルギービームを1つ以上の追加のエネルギービーム経路に沿って向けるために、少なくとも1つのエネルギー源を配向するように個々に又は総体的にプログラムされ得る。幾つかの実施形態において、1つ以上の追加のエネルギービーム経路は、x軸、x及びy面、又はx、y、及びz面に沿う場合がある。1つ以上の追加のエネルギービーム経路はx軸に沿う場合がある。1つ以上の追加のエネルギービーム経路はy軸に沿う場合がある。1つ以上の追加のエネルギービーム経路はz軸に沿う場合がある。エネルギービーム経路は、同じ軸上で1つ以上の他のビームに収束し得る。1つ以上の追加のエネルギービーム経路はx及びy面に存在し得る。1つ以上の追加のエネルギービーム経路はx及びz面に存在し得る。1つ以上の追加のエネルギービーム経路はy及びz面に存在し得る。1つ以上の追加のエネルギービーム経路は、x、y、及びz面に存在し得る。
【0109】
前記システムは、媒体チャンバにおける媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向けるための少なくとも1つの対物レンズを更に含み得る。幾つかの例において、少なくとも1つの対物レンズは水浸対物レンズを含み得る。幾つかの例において、少なくとも1つの対物レンズは水浸対物レンズを含み得る。幾つかの例において、少なくとも1つの対物レンズは水浸(water dipping)対物レンズを含み得る。幾つかの例において、少なくとも1つの対物レンズは油浸対物レンズを含み得る。幾つかの例において、少なくとも1つの対物レンズは、色消し対物レンズ、セミアポクロマート対物レンズ、プラン対物レンズ、液浸対物レンズ、ホイヘンス対物レンズ、ラムスデン対物レンズ、ペリプラン対物レンズ、補償対物レンズ、広視野対物レンズ、超視野対物レンズ、コンデンサ対物レンズ、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。コンデンサ対物レンズの非限定的な例は、アッベ集光レンズ、非染色性コンデンサ、及び一般的なコンデンサを含み得る。
【0110】
幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、3D生体物質の縁の画像を受け取るように個々に又は総体的にプログラムされ得る。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、3D生体物質の外部表面の画像を受け取るように個々に又は総体的にプログラムされ得る。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、3D生体物質の内部表面の画像を受け取るように個々に又は総体的にプログラムされ得る。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、3D生体物質の内部の画像を受け取るように個々に又は総体的にプログラムされ得る。
【0111】
幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、3D生体物質の他の組織との結合を誘導するように個々に又は総体的にプログラムされ、前記結合は前記コンピュータ命令に従い得る。1つ以上のコンピュータプロセッサは、3D印刷物質を既に印刷された構造と直接連結し、統合し、結合し、又は接合させるように個々に又は総体的にプログラムされ、前記結合は前記コンピュータ命令に従い得る。場合によっては、3D生体物質の他の組織との結合は、化学的架橋、機械的結合、及び/又は凝集的カップリングを含み得る。
【0112】
他の態様において、前記システムは、複数の細胞及び複数のポリマー前駆体を含む媒体を含有するように構成された媒体チャンバを含み得る。前記システムは、媒体チャンバに少なくとも1つのエネルギービームを向けるように構成された少なくとも1つのエネルギー源を含み得る。前記システムは、少なくとも1つのエネルギー源に動作可能に繋がれた1つ以上のコンピュータプロセッサを含み、1つ以上のコンピュータプロセッサは、コンピュータメモリーにおける3D生体物質のコンピュータモデルを受け;コンピュータメモリーにおける3D生体物質のコンピュータモデルのポイントクラウド表現又はラインベース表現を生成し;3D生体物質の少なくとも一部を形成するべくポリマー前駆体の少なくとも一部をさらすために、3D生体物質のコンピュータモデルに従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向けるように、少なくとも1つのエネルギー源を向け;及び3D生体物質の少なくとも第2の部分を形成するべく媒体チャンバにおける第2の媒体の少なくとも一部をさらすために、3D生体物質のコンピュータモデルに従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける第2の媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向けるように、少なくとも1つのエネルギー源を向けるように、個々に又は総体的にプログラムされ、第2の複数の細胞は、第1の複数の細胞とは異なるタイプである。
【0113】
細胞構造のレーザー印刷において、最小限に毒性のレーザー励起を使用する急速な三次元構造生成は、細胞の生存率の維持に重要であり、且つ、機能性組織の印刷の場合には、大フォーマット、高分解能、多細胞組織生成に必要である。二光子印刷の他の方法は、二次元平面(x、y)における二光子励起のラスタースキャン(例えば、選択的なレーザー)に依存しつつ、三次元構造を作るためにz方向で顕微鏡又はステージを動かすことができる。この技術は、細胞生存率が複雑な構造の印刷中に恐らく維持することができなくなるように、大フォーマットの組織印刷を極端に遅くし得る。高い重合速度を持つ特定のヒドロゲルも、1枚の構造がx、y、又はz面において各工程で投影されるように時間を合わせられる、組織シートの二次元投影のために利用され得る。加えて、シートを表わす又は直交スライスを含む混合平面角も、利用され得る。ヒドロゲルを急速に重合する場合、これらの投影は、組織印刷に適合可能な時間スケールで作用し、一方でレーザー焼結又はラスタースキャン(例えば、層ごとの堆積)は、複雑な構造の構築を極端に遅くし得る。
【0114】
本開示のレーザー印刷システム(110)は、細胞含有構造の急速な作成のために側面及び軸面における三次元又は二次元のホログラフィック投影の収束化を可能にし得る、対物レンズ(124)を備えてもよい。対物レンズ(124)は、水浸対物レンズ、空気対物レンズ、又は油浸対物レンズでもよい。場合によっては、レーザー印刷システム(110)は、多数のレーザーラインを持つレーザーシステム(116)を含み、且つ、細胞含有媒体へのホログラフィック投影を介したフォトリソグラフィのために画像の三次元ホログラフィック投影を可能にし得る。
【0115】
図3Aは、第1の多光子レーザー源(140a)を持つレーザーシステム(116)の実施形態を例示する。ここで、レーザーライン、多光子レーザービームは、投影されている三次元構造の急速な変化を可能とするために、画像投影のためのビデオレート又はより速いリフレッシュレートで空間光変調器(SLM)によって反射され得る。
【0116】
場合によっては、空間光変調器(SLM)は3D生体物質を印刷するために使用され得る。場合によっては、本明細書に提供される方法は、コンピュータメモリーにおける3D生体物質のコンピュータモデルを受け取る工程、及び、コンピュータモデルが層へと「スライス」されて各層の二次元(2D)モデルを作成するようにコンピュータモデルを更に処理する工程を含み得る。コンピュータモデルはコンピュータ利用設計(CAD)モデルでもよい。本明細書に開示されるシステムは、印刷される3D生体物質の境界輪郭及び/又は充填配列を判定する、「スライスされた」コンピュータモデルに基づいてレーザースキャン経路を算出するように個々に又は総体的にプログラムされ得る、少なくとも1つのコンピュータプロセッサを含み得る。ホログラフィック3D印刷は、本明細書に記載された1つ以上のポリマー前駆体と共に使用され得る。SLMは、本明細書に記載された2つ以上のポリマー前駆体と共に使用され得る。
【0117】
空間光変調器(SLM)は、固定された空間的(即ち、ピクセル)パターンに従って空間及び時間における光波の振幅、位相、極性化、伝播方向、強度、又はそれらの任意の組み合わせを調節する可能な、電気的にプログラム可能なデバイスである。SLMは、半透明、例えば液晶ディスプレイ(LCD)マイクロディスプレイに基づき得る。SLMは、反射型、例えばシリコン基板上の反射型液晶(LCOS)マイクロディスプレイに基づき得る。SLMは、マイクロチャネル空間光変調器(MSLM)、平行配向ネマチック液晶空間光変調器(PAL-SLM)、プログラム可能な位相モジュレータ(PPM)、位相空間光変調器(LCOS-SLM)、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。LCOS-SLMは、シリコン基板の上部に配置された液晶層を含むチップを含み得る。回路は、半導体技術の使用によりチップのシリコン基板上に構築され得る。LCOS-SLMチップの上部層は、それらの電位を独立して制御することができるアルミニウム電極を含有し得る。ガラス基板は、液晶物質により充填される一定の間隙を維持しながらシリコン基板に配置され得る。液晶分子は、シリコン及びガラスの基板に設けられる位置合わせ制御技術によって平行に位置合わせされ得る。この液晶層にわたる電場は、ピクセルごとに制御され得る。光の位相は、電場の制御により調節することができ;電場の変化は、液晶分子を適宜傾かせる場合がある。液晶分子が傾斜すると、液晶屈折率は変化し、光路長を変更し、故に位相差異を引き起こし得る。
【0118】
SLMは3D生体物質を印刷するために使用され得る。シリコン基板上の反射型液晶(LCOS)-SLMは3D生体物質を印刷するために使用され得る。液晶SLMは3D生体物質を印刷するために使用され得る。SLMは、3D生体物質のコンピュータモデルのポイントクラウド表現又はラインベース表現を投影するために使用され得る。本明細書に開示される方法は、ポイントクラウド表現又はラインベース表現をホログラフィック画像に変換する工程を含み得る。SLMは、3D生体物質のコンピュータモデルのホログラフィック画像を投影するために使用され得る。SLMは、3D生体物質のコンピュータモデルのポイントクラウド表現又はラインベース表現の光の位相を調節するために使用され得る。SLMは、3D生体物質のコンピュータモデルのホログラフィック画像の光の位相を調節するために使用され得る。
【0119】
三次元での多光子励起の投影も、二重のデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)システム単独、又は空間光変調器(SLM)と組み合わせての使用により達成することができる。一対のDMDは、本明細書に記載される方法を使用して3D物質を印刷するために一対のSLMと共に使用され得る。少なくとも1つのSLM及び少なくとも1つのDMDは、本明細書に記載される方法を使用して3D物質を印刷するために使用され得る。一対のSMLは、本明細書に記載される方法を使用して3D物質を印刷するために使用され得る。一対のDMDは、本明細書に記載される方法を使用して3D物質を印刷するために使用され得る。少なくとも1つのSLMは、本明細書に記載される方法を使用して3D物質を印刷するために使用され得る。少なくとも1つのDMDは、本明細書に記載される方法を使用して3D物質を印刷するために使用され得る。DMDは、高速の、効率的で、確実な空間的光変調を可能にする、電気入力、光出力の、微小電気機械システム(MEMS)である。DMDは、長方形の配列で配置された複数の顕微鏡ミラー(通常、何十万又は何百万ほど)を含み得る。DMDの各顕微鏡ミラーは、表示される画像のピクセルに相当し、且つ、例えば約10-12°で「オン」又は「オフ」状態に回転され得る「オン」状態において、プロジェクタバルブからの光は、顕微鏡ミラーへと反射され、その相当するピクセルをスクリーン上で明るく見せる。「オフ」状態において、光は、他の場所に(通常、ヒートシンク上)に向けられ、顕微鏡ミラーの相当するピクセルを暗く見せる。DMDの顕微鏡ミラーは、高度に反射的なアルミニウムで構成され、その全長はおよそ16マイクロメートル(μm)である。各顕微鏡ミラーは、関連する半導体メモリーセルの上部に構築され、且つ、順にトーションヒンジを介して一対のサポートポストに接続されるヨーク上へと取り付けられ得る。各顕微鏡ミラーの動きの程度は、「1」又は「0」を各基礎的な半導体メモリーセルに搭載することにより制御され得る。次に、電圧が印加され、これにより、各顕微鏡ミラーは、トーションヒンジの周囲で静電引力を介して関連する+/-程度の状態へと静電気学的に偏向され得る。
【0120】
図3A-3Cを参照すると、ビームエクスパンダ、続いて固定されたアキシコン又は調整可能な音響勾配(TAG)レンズのいずれかであるベッセルビーム生成レンズの追加は、特に濁った溶液における、より高い分解能及びより深い組織印刷深度を達成するべくレーザーの特性を改質するために追加され得る。随意のビームエクスパンダ及び/又はベッセルビーム生成レンズを含み得るレーザーラインは、組織印刷に関連付けられる特定の構造の形成に都合の良い物質を備えた別個の投影システムへと、高速切替ミラーにより配向される。場合によっては、SLMシステムと協働する高分解能DMDミラーは、2つのSLMシステムにより有能なものよりも高い軸方向分解能を達成し得る。最後に、レーザーラインは、軸面のいずれにおいても二次元画像のスキャンが少ない投影を可能とするためにミラーと協働してする単一のDMD又はSLMシステムと共に使用され得る。3D投影パターンはまた、より大きな視野にわたってラスタースキャンされ、ここで、レーザー放射パターン、波長、及び/又はパワーは、凝集性及び複雑な構造が堆積され得るようにラスタースキャン速度を一致させるために制御される。1より多くのレーザーラインを含有しているシステム内で、構成は、二重のSLM、二重のDMD、単一のSLM、単一のDMD、又は単純な平面のスキャンの任意の組み合わせであり得る。
【0121】
場合によっては、
図3A-3Cに示されるものなどの1つ以上の光路は、独立して又は一斉に使用され得る。
図3Aに記載されるように、光路内で光又はエネルギービームを収束し且つ分配する、レンズ、回折格子、及びミラーは、主要要素を通じて光を分配する又は回折格子の場合には入射光を調節するために必要な、主要な波面形成要素間に配され得る。少なくとも1つの回折格子又はミラーは、入力レーザー光を収束し、分配し、又は縮める(clipping)ために、波面形成要素「F」間(即ち、SLM、DMD、及び/又はTAGレンズの間)に配され得る。光波面形成デバイスFは、SLM、LCOS-SLM、DMD、TAGレンズ、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0122】
場合によっては、DMDは3D生体物質を印刷するために使用され得る。DMDは、3D生体物質のコンピュータモデルのポイントクラウド表現又はラインベース表現を投影するために使用され得る。本明細書に開示される方法は、ポイントクラウド表現又はラインベース表現をホログラフィック画像に変換する工程を含み得る。DMDは、3D生体物質のコンピュータモデルのホログラフィック画像を投影するために使用され得る。DMDは3D生体物質を印刷するために使用され得る。
【0123】
場合によっては、少なくとも1つのSLM及び少なくとも1つのDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために本明細書に開示される方法で使用され得る。少なくとも1つのSLM及び少なくとも1つのDMDの組み合わせは、連続して配置され得る。少なくとも1つのSLM及び少なくとも1つのDMDの組み合わせは、平行に配置され得る。3D生体物質を印刷するために使用されると、SLMの任意の数及びDMDの任意の数の組み合わせは、連続して配置され得る。3D生体物質を印刷するために使用されると、SLMの任意の数及びDMDの任意の数の組み合わせは、平行に配置され得る。
【0124】
少なくとも2つのSLM及び少なくとも1つのDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも3つのSLM及び少なくとも1つのDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも4つのSLM及び少なくとも1つのDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも5つのSLM及び少なくとも1つのDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも10のSLM及び少なくとも1つのDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも20のSLM及び少なくとも1つのDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。
【0125】
少なくとも1つのSLM及び少なくとも2つのDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも1つのSLM及び少なくとも3つのDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも1つのSLM及び少なくとも4つのDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも1つのSLM及び少なくとも5つのDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも1つのSLM及び少なくとも10のDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも1つのSLM及び少なくとも20のDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。
【0126】
少なくとも2つのSLM及び少なくとも2つのDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも3つのSLM及び少なくとも3つのDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも4つのSLM及び少なくとも4つのDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも5つのSLM及び少なくとも5つのDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも10のSLM及び少なくとも10のDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも20のSLM及び少なくとも20のDMDの組み合わせは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。
【0127】
液晶SLMは3D生体物質を印刷するために使用され得る。複数のSLMは3D生体物質を印刷するために使用され得る。複数のSLMは連続して配置され得る。複数のSLMは平行に配置され得る。少なくとも1つ以上のSLMは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも2つ以上のSLMは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも3つ以上のSLMは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも4つ以上のSLMは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも5つ以上のSLMは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも10以上のSLMは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも20以上のSLMは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも1~約50以上のSLMは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも1~約20以上のSLMは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも1~約15以上のSLMは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも1~約10以上のSLMは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも1~約5以上のSLMは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。
【0128】
複数のDMDは3D生体物質を印刷するために使用され得る。複数のDMDは連続して配置され得る。複数のDMDは平行に配置され得る。少なくとも1つ以上のDMDは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも2つ以上のDMDは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも3つ以上のDMDは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも4つ以上のDMDは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも5つ以上のDMDは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも10以上のDMDは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも20以上のDMDは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも1~約50以上のDMDは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも1~約20以上のDMDは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも1~約15以上のDMDは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも1~約10以上のDMDは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。少なくとも1~約5以上のDMDは、3D生体物質を印刷するために使用され得る。
【0129】
この設計において、SLMは液晶SLMを指し、DMDの機能はSLMと同様であり得る。これらのレーザーは、多数のレーザーラインの位置及び印刷タイミングに対処するべく1つ以上のコンピュータ入力によって制御され得る。随意の一連の励起経路を含む、光路の全体設計の一例は、表1に提供される要素の更なる記載とともに、
図3Aに例示される。二光子励起光のパケット間の広範なパルス幅のために、非干渉的なこれらレーザーラインの任意の組み合わせは、印刷、及び同時の画像化による印刷のために同時に使用され得る。これは、ビームが交差しないように、ビーム間の干渉が実質的に低くなることを可能にし得る。それ故、最小~ゼロの干渉を伴う多数のレーザーラインの使用は、表1に提供される要素の更なる記載とともに、
図3B-3Cに例示されるように可能である。この構成における群遅延分散光学素子は、ピーク電力出力が特定の構成で使用される場合に光ファイバーケーブルを破損しないように、二光子パケットを分散させるために使用され得る。加えて、群遅延分散は、より多くのエネルギーが焦点に、又はより迅速な印刷を可能にする投影画像において付与されるように、光子をより短いパルス幅へと光子を集中することができる。
【0130】
二光子励起パルスは、単一スポットでの励起がフェムト秒~ナノ秒の長さの範囲のパルスで生じるように一時的に制御され、一方でこれら光子パケット間のタイミングは、そのパルス幅よりも3~6桁だけ長い。これは、多数のレーザーの連続使用時に可能な同時印刷のために、多数のレーザーを使用するレーザー励起の最小の交差経路干渉を可能にし得る。構造の堆積のための3つの異なる理論的波長での多数のレーザー投影の一例は、
図3Bに示される。多光子レーザーは調整可能であり;故に、これらは、波長の範囲が選択されることを可能にし得る。これは組織印刷に都合の良いものであり、ここで、異なる波長に反応する重合に対する異なる光重合開始剤は、余剰の物質の望まれない重合を防ぐべく、組み合わせで又は一連で使用され得る。それ故、これらのレーザーラインの各々は、異なる多光子出力波長に合わせられ、異なるピーク電力出力を持ち、及び、組織構造を含むCAD画像の異なる要素を投影し得る。
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
【0135】
図4A-4Bは、アキシコン又は調整可能な音響勾配(TAG)レンズの前の随意のビームエクスパンダの配置を実証する。これは、焦点忠実度の損失なしに印刷中に組織及び不明瞭な媒体における深度浸透の増加のためにベッセルビームの生成を可能にし得る。この特徴は、電力損失なしに不明瞭な媒体又は既に形成された組織を介した印刷の深度を改善し得る。
【0136】
レンズは、二重のSLM又はDMDの組み合わせの後にレーザーを広げる或いは事前に収束させるために使用され得る。加えて、コンピュータ制御されるレーザー減衰仕掛け又はフィルタリングホイールが、印刷の部位にてレーザーパワー出力を制御するためにオプティックスを収束させる前に追加され得る。
【0137】
図4Cは、ビームコレクタ(B)上にレーザービームを投影するレーザー源(A)を例示する。ビームコレクタ(B)を出ると、レーザービームは、細胞付近でのコラーゲンネット印刷に対して2Dのx、yシート投影、及び与えられたZ工程で印刷された結果として生じる構造のために、光TAG又はアキシコン(C)に向けられ、更に、移動可能な単一のSLM又はDMD(D)に向けられる。レーザービームは、SLM又はDMD(D)からミラー(G)に向けられ、その後、印刷ヘッドオプティックス(H)上へと反射され得る。この例において、二次元(2D)投影は、投影のフレームレートに一致するz-運動-段階的動作を伴う単一のSLMで作成され得る。z-スタックスライスの二次元映像投影は、各工程が2D画像を上下に印刷する別個の画像を投影するように、z-動作で時間調整される単一のDMD又は単一のSLMにより達成され得る。別の実施形態において、複雑な構造は、側面、ボトムアップ、或いは異なるアーティキュレーション(articulation)から投影され、且つ、スライスごとに、多光子又は代替的なレーザー励起源を使用して2D投影及び印刷され得る。CAD画像の源(F)は、コンピュータ(E)からシステムに向けられ得る。システムは、Z投影の工程レート(ミリ秒~秒)及び工程サイズに一致し得る、モーター駆動ステージ(I)を含み得る。工程サイズは、ミクロン~ナノメートルほどであり得る。
図4Cにおいて、1、2、及び3は、平面の投影構築工程の例を例示する。
【0138】
図44は、三次元印刷システムの実施形態の光学コンポーネント及び光学経路を例示する。
図44に示される光学コンポーネント及び光学経路は、時間的収束を使用しない三次元印刷システムを提供し得る。三次元印刷システムはエネルギー源(1000)を含み得る。エネルギー源(1000)はコヒーレント光源であり得る。エネルギー源(1000)はレーザー光であり得る。エネルギー源(1000)はフェムト秒パルスレーザー光源であり得る。エネルギー源(1000)は、第1のレーザー源(140a)、第2のレーザー源(140b)、又は第3のレーザー源(140c)であり得る。エネルギー源(1000)は多光子レーザービーム(120)であり得る。エネルギー源(1000)は二光子レーザービームであり得る。エネルギー源(1000)はコンピュータシステム(1101)によって制御され得る。エネルギー源(1000)はコンピュータシステム(1101)によって調整され得る。コンピュータシステム(1101)は、印刷プロセス前、又はその間に、エネルギー源(1000)のエネルギー波長を制御及び/又は設定し得る。それらコンピュータシステム(1101)は、エネルギー源(1000)の波長の設定により異なる励起波長を生成し得る。
【0139】
エネルギー源(1000)はパルスされ得る。エネルギー源(1000)は約500キロヘルツ(kHz)のレートでパルスされ得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から1,000,000μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から100,000μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から1,000μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から100μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、少なくとも約10マイクロジュール(μJ)から100μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から50μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から20μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から50μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、少なくとも約40マイクロジュール(μJ)から80μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、少なくとも約120マイクロジュール(μJ)から160μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。
【0140】
エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約10μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約20μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約30μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約40μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約50μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約60μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約70μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約80μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約90μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約100μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約110μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約120μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約130μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約140μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約150μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約160μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約170μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約180μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約190μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約200μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約20,000μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約100,000μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約1,000,000μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。
【0141】
エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、例えば少なくとも約300nm~約5mm以上の波長を持つエネルギービーム(例えば光線)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、少なくとも約600~約1500nm以上の波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、少なくとも約350nm~約1800nm以上の波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、少なくとも約1800nm~約5mm以上の波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約300nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約400nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約600nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約700nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約800nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約900nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約1000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約1100nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約1200nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約1300nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約1400nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約1500nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約1600nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約1700nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約1800nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約1900nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約2000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約3000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約4000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1000)(例えばレーザー)は、約5000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。
【0142】
図44に示されるように、エネルギー源(1000)は、シャッター(1004)を介してレーザービーム(1002)を投影し得る。一旦、レーザービーム(1002)がシャッター(1004)を出ると、レーザービーム(1002)は回転する1/2波長板(1006)を介して配向され得る。回転する1/2波長板は、大半が光線の偏光状態を操作するために使用され得る複屈折の特定量を持つ透明なプレートであり得る。回転する1/2波長板は、共にレーザービーム(1002)の方向に垂直である、遅い軸及び速い軸(即ち、2つの偏光方向)を有し得る。回転する1/2波長板(1006)は、2つの直線偏光方向間の位相後退における差異がπとなるように、レーザービーム(1002)の偏光状態を変えることができる。位相後退の差異は、λ/2の距離以上の伝播位相シフトに相当し得る。他のタイプの波長板は本明細書に開示されるシステムで利用され;例えば、回転する4分の1波長板が使用されてもよい。回転する1/2波長板(1006)は、真ゼロオーダー波長板、低位波長板、又は多オーダー波長板でもよい。回転する1/2波長板(1006)は、結晶性のクオーツ(SiO
2)、方解石(CaCO
3)、フッ化マグネシウム(MgF
2)、サファイア(Al
2O
3)、雲母、又は複屈折ポリマーで構成され得る。
【0143】
レーザービーム(1002)は、回転する1/2波長板(1006)を出て、偏光ビームスプリッタ(1008)を介して配向され得る。偏光ビームスプリッタ(1008)は、レーザービーム(1002)を第1のレーザービーム(1002a)及び第2のレーザービーム(1002b)へと分割しうる。第1のレーザービーム(1002a)はビームダンプ(1010)に向けられ得る。ビームダンプ(1010)は、レーザービームの迷走部分を吸収するために使用され得る光学素子である。ビームダンプ(1010)は第1のレーザービーム(1002a)を吸収し得る。第1のレーザービーム(1002a)は迷走したレーザービームであり得る。ビームダンプ(1010)は第2のレーザービーム(1002b)を吸収し得る。第2のレーザービーム(1002b)は迷走したレーザービームであり得る。レーザービーム(1002)は、ビームダンプ(1010)へと丸ごと向けられ、それ故、印刷システムのデフォルト「オフ」状態として機能し得る。第2のレーザービーム(1002b)はビームエクスパンダ(1012)に向けられ得る。ビームエクスパンダ(1012)は、レーザービーム(1002b)のサイズを拡大することができる。ビームエクスパンダ(1012)は、入力第2のレーザービーム(1002b)の直径を、出力拡大レーザービーム(1054)の更に大きな直径に増大することができる。ビームエクスパンダ(1012)はプリズムビームエクスパンダであり得る。ビームエクスパンダ(1012)は伸縮自在なビームエクスパンダであり得る。ビームエクスパンダ(1012)は多プリズムビームエクスパンダであり得る。ビームエクスパンダ(1012)はガリレオ式ビームエクスパンダであり得る。ビームエクスパンダ(1012)は、約2X、3X、5X、10X、20X、又は40Xのビームエクスパンダ能力を提供し得る。ビームエクスパンダ(1012)は、約2X~約5Xに及ぶビームエクスパンダ能力を提供し得る。ビームエクスパンダ(1012)は、約2X~約5Xの連続ビーム拡大を提供し得る。ビームエクスパンダ(1012)は、約5X~約10Xに及ぶビームエクスパンダ能力を提供し得る。ビームエクスパンダ(1012)は、約5X~約10Xの連続ビーム拡大を提供し得る。拡大レーザービーム(1054)はビームエクスパンダ(1012)を出た際にコリメートされ得る。
【0144】
ビームエクスパンダ(1012)を出た後、拡大レーザービーム(1054)は、第1のミラー(1014a)に向けられ、これは、空間光変調器(SLM)(1016)に拡大レーザービーム(1054)を再度配向し得る。SLM(1016)はコンピュータシステム(1101)によって制御され得る。SLM(1016)は、特定の画像又は本明細書に開示される方法及びシステムを使用して印刷される特定画像或いは物質の画像の特定部分を投影するために配向され得る。印刷される物質は生体物質であり得る。生体物質は三次元生体物質であり得る。特定画像又は画像の特定部分は、一次元、二次元、及び/又は三次元であり得る。SLM(1016)は、異なる波長の光において少なくとも1つの画像を同時に投影するために配向され得る。SLM(1016)は、コンピュータシステム(1101)の代わりにミラーを使用することにより印刷される物質の異なる態様を投影するために配向され得る。場合によっては、少なくとも1つのミラーは、印刷される物質の異なる態様又は部分を印刷するために、特定の光路又はレーザービームを再配向するべく、或いはそれらを「オフ」又は「オン」にするべく、使用され得る。
【0145】
SLM(1016)を出た後、拡大レーザービーム(1054)は、f1レンズ(1018)に向けられ得る。f1レンズ(1018)は集束レンズであり得る。f1レンズ(1018)を出た後、拡大レーザービーム(1054)は、遮断要素(1020)に向けられ得る。遮断要素(1020)は固定され得る。遮断要素(1020)は、ゼロオーダースポットからの照射を抑えることができる。ゼロオーダーは、回折されず且つ反射と屈折の法則に従い挙動する拡大レーザービーム(1054)からのエネルギーの一部であり得る。遮断要素(1020)を出た後、拡大エネルギービーム(1054)は、f2レンズ(1022)に向けられ得る。f2レンズは集束レンズであり得る。
【0146】
f2レンズ(1022)を出た後、拡大レーザービーム(1054)は第2のミラー(1014b)上に向けられ、続いて第3のミラー(1014c)上に向けられ得る。第3のミラー(1014c)は、ロングパスダイクロイックミラー(1024)を介して拡大レーザービーム(1054)を再配向し得る。第1のミラー(1014a)、第2のミラー(1014b)、及び/又は第3のミラー(1014c)は、反射率を改善するために赤外線(IR)コーティングを含み得る。第1のミラー(1014a)、第2のミラー(1014b)、及び/又は第3のミラー(1014c)は、赤外線(IR)コーティングを含まない場合もある。IRコーティングの非限定的な例は、保護された金ベースのコーティング、及び保護された銀ベースのコーティングを含む。第1のミラー(1014a)、第2のミラー(1014b)、及び/又は第3のミラー(1014c)は、コンピュータシステム(1101)で制御され得る。コンピュータシステム(1101)は、望まれるように拡大レーザービーム(1054)を再配向するために、第1のミラー(1014a)、第2のミラー(1014b)、及び/又は第3のミラー(1014c)を「オン」又は「オフ」にすることができる。
【0147】
ダイクロイックミラーはショートパスダイクロイックミラーでもよい。ロングパスダイクロイックミラー(1024)は、拡大レーザービーム(1054)を収束物体(1032)へと反射し得る。幾つかの例において、ビームコンバイナーが、ロングパスダイクロイックミラー(1024)を使用する代わりに拡大レーザービーム(1054)を収束物体(1032)へと再配向するために使用され得る。ロングパスダイクロイックミラー(1024)は、収束物体(1032)へと拡大レーザービーム(1054)を再配向するためにコンピュータシステム(1101)により制御され得る。収束物体(1032)は、印刷チャンバ(1034)へと投影されると拡大レーザービーム(1054)を集中し得る。印刷チャンバ(1034)は媒体チャンバ(122)であり得る。印刷チャンバ(1034)は、細胞含有媒体、複数の細胞、細胞構成成分(例えば細胞小器官)、及び/又は少なくとも1つのポリマー前駆体を含み得る。
【0148】
発行ダイオード(LED)コリメーター(1040)は、コリメートしたLED光(1056)の源として使用され得る。LEDコリメーター(1040)は、コリメータレンズ及びLEDエミッタを含み得る。LEDは、無機LED、高輝度LED、量子ドットLED、又は有機LEDであり得る。LEDは、単色LED、二色LED、又は三色LEDであり得る。LEDは、青色LED、紫外線LED、白色LED、赤外線LED、赤色LED、オレンジ色LED、黄色LED、緑色LED、スミレ色LED、ピンク色LED、又は紫色LEDであり得る。LEDコリメーター(1040)は、f4レンズ(1038)を介してコリメートしたLED光(1056)のビームを投影し得る。f4レンズ(1038)は集束レンズであり得る。一旦、コリメートしたLED光(1056)がf4レンズ(1038)を介して伝えられると、コリメートしたLED光(1056)は光収束物体(1036)向けられ得る。光収束物体(1036)は、印刷チャンバ(1034)へとコリメートしたLED光(1056)を収束することができる。光収束物体(1036)は、サンプル媒体におけるコリメートしたLED光(1056)を収束することができる。光収束物体(1036)は、細胞含有媒体におけるコリメートしたLED光(1056)を収束することができる。コリメートしたLED光(1056)は、印刷チャンバ(1034)を通って収束物体(1032)へと伝えられ得る。一旦、コリメートしたLED光(1056)が収束物体(1032)を出ると、コリメートしたLED光(1056)はロングパスダイクロイックミラー(1024)上へと向けられ得る。ロングパスダイクロイックミラー(1024)から反射されるコリメートしたLED光(1056)は、サンプル放出物(1026)であり得る。ロングパスダイクロイックミラー(1024)は、f3レンズ(1028)へとサンプル放出物(1026)を再配向し得る。f3レンズ(1028)は集束レンズであり得る。一旦、サンプル放出物(1026)がf3レンズ(1028)を通って送られると、検出システム(1030)は画像化のためにサンプル放出物(1026)を検出する及び/又は集める。検出システム(1030)は少なくとも1つの光電子増倍管(PMT)を含み得る。検出システム(1030)は少なくとも1つのカメラを含み得る。カメラは、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)カメラ、科学的CMOSカメラ、電荷結合素子(CCD)カメラ、又は電子増倍型電荷結合素子(EM-CCD)であり得る。検出システム(1030)は少なくとも1つのアレイベースの検出器を含み得る。
【0149】
図45は、三次元印刷システムのまた別の実施形態の光学コンポーネント及び光学経路を例示する。
図45に示される光学コンポーネント及び光学経路は、時間的収束を使用しない三次元印刷システムを提供し得る。三次元印刷システムはエネルギー源(1100)を含み得る。エネルギー源(1100)はコヒーレント光源であり得る。エネルギー源(1100)はレーザー光であり得る。エネルギー源(1100)はフェムト秒パルスレーザー光源であり得る。エネルギー源(1100)は、第1のレーザー源(140a)、第2のレーザー源(140b)、又は第3のレーザー源(140c)であり得る。エネルギー源(1100)は多光子レーザービーム(120)であり得る。エネルギー源(1100)は二光子レーザービームであり得る。エネルギー源(1100)はコンピュータシステム(1101)によって制御され得る。エネルギー源(1100)はコンピュータシステム(1101)によって調整され得る。コンピュータシステム(1101)は、印刷プロセス前、又はその間に、エネルギー源(1100)のエネルギー波長を制御及び/又は設定し得る。それらコンピュータシステム(1101)は、エネルギー源(1100)の波長の設定により異なる励起波長を生成し得る1100。
【0150】
エネルギー源(1100)はパルスされ得る。エネルギー源(1100)は約500キロヘルツ(kHz)のレートでパルスされ得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から1,000,000μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から100,000μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から1,000μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から100μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、少なくとも約10マイクロジュール(μJ)から100μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から50μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から20μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から50μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、少なくとも約40マイクロジュール(μJ)から80μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、少なくとも約120マイクロジュール(μJ)から160μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。
【0151】
エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約10μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約20μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約30μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約40μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約50μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約60μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約70μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約80μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約90μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約100μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約110μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約120μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約130μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約140μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約150μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約160μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約170μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約180μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約190μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約200μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約20000μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約100000μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、パルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。
【0152】
エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、約300nm~5mm、600nm~1500nm、350nm~1800nm、又は1800nm~5mmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1100)(例えばレーザー)は、少なくとも約300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2mm、3mm、4mm、5mm、又はそれ以上の波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。
【0153】
図45に示されるように、エネルギー源(1100)は、シャッター(1104)を介してレーザービーム(1102)を投影し得る。一旦、レーザービーム(1102)がシャッター(1104)を出ると、レーザービーム(1102)は回転する1/2波長板(1106)を介して配向され得る。回転する1/2波長板(1106)は、2つの直線偏光方向間の位相後退における差異がπとなるように、レーザービーム(1102)の偏光状態を変えることができる。位相後退の差異は、λ/2の距離以上の伝播位相シフトに相当し得る。他のタイプの波長板は本明細書に開示されるシステムで利用され;例えば、回転する4分の1波長板が使用されてもよい。回転する1/2波長板(1106)は、真ゼロオーダー波長板、低位波長板、又は多オーダー波長板でもよい。回転する1/2波長板(1106)は、結晶性のクオーツ(SiO
2)、方解石(CaCO
3)、フッ化マグネシウム(MgF
2)、サファイア(Al
2O
3)、雲母、又は複屈折ポリマーで構成され得る。
【0154】
レーザービーム(1102)は、回転する1/2波長板(1106)を出て、偏光ビームスプリッタ(1108)を介して配向され得る。偏光ビームスプリッタ(1108)は、レーザービーム(1102)を第1のレーザービーム(1102a)及び第2のレーザービーム(1102b)へと分割し得る。第1のレーザービーム(1102a)はビームダンプ(1110)に向けられ得る。ビームダンプ(1110)は、レーザービームの迷走部分を吸収するために使用され得る光学素子である。ビームダンプ(1110)は第1のレーザービーム(1102a)を吸収し得る。第1のレーザービーム(1102a)は迷走したレーザービームであり得る。ビームダンプ(1110)は第2のレーザービーム(1102b)を吸収し得る。第2のレーザービーム(1102b)は迷走したレーザービームであり得る。レーザービーム(1102)は、ビームダンプ(1110)へと丸ごと向けられ、それ故、印刷システムのデフォルト「オフ」状態として機能し得る。第2のレーザービーム(1102b)はビームエクスパンダ(1112)に向けられ得る。ビームエクスパンダ(1112)は、第2のレーザービーム(1102b)のサイズを拡大することができる。ビームエクスパンダ(1112)は、入力の第2のレーザービーム(1102b)の直径を、出力拡大レーザービーム(1154)の更に大きな直径に増大することができる。ビームエクスパンダ(1112)はプリズムビームエクスパンダであり得る。ビームエクスパンダ(1112)は伸縮自在なビームエクスパンダであり得る。ビームエクスパンダ(1112)は多プリズムビームエクスパンダであり得る。ビームエクスパンダ(1112)はガリレオ式ビームエクスパンダであり得る。ビームエクスパンダ(1112)は、約2X、3X、5X、10X、20X、又は40Xのビームエクスパンダ能力を提供し得る。ビームエクスパンダ(1112)は、約2X~約5Xに及ぶビームエクスパンダ能力を提供し得る。ビームエクスパンダ(1112)は、約2X~約5Xの連続ビーム拡大を提供し得る。ビームエクスパンダ(1112)は、約5X~約10Xに及ぶビームエクスパンダ能力を提供し得る。ビームエクスパンダ(1112)は、約5X~約10Xの連続ビーム拡大を提供し得る。拡大レーザービーム(1154)はビームエクスパンダ(1112)を出た際に視準を合わせられ得る。
【0155】
ビームエクスパンダ(1112)を出た後、拡大レーザービーム(1154)は、第1のミラー(1114a)に向けられ、これは、第1の空間光変調器(SLM)(1116a)に拡大レーザービーム(1154)を再度配向し得る。第1のSLM(1116)を出た後、拡大レーザービーム(1154)は、f1レンズ(1118)に向けられ得る。f1レンズ(1118)は集束レンズであり得る。f1レンズ(1118)を出た後、拡大レーザービーム(1154)は、回折格子(1142)に向けられ得る。回折格子(1142)は回折レーザービームスプリッタであり得る。回折格子(1142)はホログラフィック回折格子であり得る。回折格子(1142)は規定された回折格子であり得る。回折格子(1142)はサブ波長回折格子であり得る。回折格子(1142)は、拡大レーザービーム(1154)を複数の拡大レーザービームへと分割及び/又は回折し得る(
図45に示さず)。回折格子(1142)は分散素子として作用し得る。一旦、拡大レーザービーム(1154)が回折格子(1142)によって分割され、回折され、及び/又は分散されると、拡大レーザービーム(1154)はf2レンズ(1122)を介して伝えられ得る。f2レンズ(1122)は集束レンズであり得る。f2レンズ(1122)を出た後、拡大レーザービーム(1154)は、第2のSLM(1116b)に向けられ得る。SLM(即ち、第1のSLM(1116a)及び第2のSLM(1116b))は、コンピュータシステム(1101)によって制御され得る。SMLは、上述のような、
図44に示されたSLM(1016)の機能を全て実行し得る。
【0156】
第2のSLM(1116b)を出た後、拡大レーザービーム(1154)は、f3レンズ(1128)に向けられ得る。f3レンズ(1128)は集束レンズであり得る。f3レンズを出た後、拡大レーザービーム(1154)は、遮断要素(1120)に向けられ得る。遮断要素(1120)は固定され得る。遮断要素(1120)は、ゼロオーダースポットからの照射を抑えるために使用され得る。遮断要素(1120)を出た後、拡大エネルギービーム(1154)は、f4レンズ(1138)に向けられ得る。f4レンズ(1138)は集束レンズであり得る。f4レンズ(1138)を出た後、拡大レーザービーム(1154)は第2のミラー(1114b)上に向けられ、続いて第3のミラー(1114c)上に向けられ得る。第3のミラー(1114c)は、ロングパスダイクロイックミラー(1124)を介して拡大レーザービーム(1154)を再配向し得る。第1のミラー(1114a)、第2のミラー(1114b)、及び/又は第3のミラー(1114c)は、コンピュータシステム(1101)で制御され得る。コンピュータシステム(1101)は、望まれるように拡大レーザービーム(1154)を再配向するために、第1のミラー(1114a)、第2のミラー(1114b)、及び/又は第3のミラー(1114c)を「オン」又は「オフ」にすることができる。ダイクロイックミラーはショートパスダイクロイックミラーでもよい。ロングパスダイクロイックミラー(1124)は、拡大レーザービーム(1154)を収束物体(1132)へと反射し得る。幾つかの例において、ビームコンバイナーが、ロングパスダイクロイックミラー(1124)を使用する代わりに拡大レーザービーム(1154)を収束物体(1132)へと再配向するために使用され得る。ロングパスダイクロイックミラー(1124)は、収束物体(1132)へと拡大レーザービーム(1154)を再配向するためにコンピュータシステム(1101)により制御され得る。収束物体(1132)は、印刷チャンバ(1134)へと投影されると拡大レーザービーム(1154)を集中し得る。印刷チャンバ(1134)は媒体チャンバ(122)であり得る。印刷チャンバ(1134)は、細胞含有媒体、複数の細胞、細胞構成成分(例えば細胞小器官)、及び/又は少なくとも1つのポリマー前駆体を含み得る。
【0157】
印刷チャンバ(1134)は移動可能ステージ(1146)に取り付けられ得る。移動可能ステージ(1146)は、xyステージ、zステージ、及び/又はxyzステージであり得る。移動可能ステージ(1146)は手動で位置決めされ得る。移動可能ステージ(1146)は自動的に位置決めされ得る。移動可能ステージ(1146)はモーター駆動ステージであり得る。移動可能ステージ(1146)はコンピュータシステム(1101)によって制御され得る。コンピュータシステム(1101)は、x、y、及び/又はz方向での移動可能ステージ(1146)の動きを制御し得る。コンピュータシステム(1101)は、所望のx、y、及び/又はz位置で移動可能ステージ(1146)を自動的に位置決めし得る。コンピュータシステム(1101)は、最大約3μmの位置精度で、所望のx、y、及び/又はz位置で移動可能ステージ(1146)を位置決めし得る。コンピュータシステム(1101)は、最大約2μmの位置精度で、所望のx、y、及び/又はz位置で移動可能ステージ(1146)を位置決めし得る。コンピュータシステム(1101)は、最大約1μmの位置精度で、所望のx、y、及び/又はz位置で移動可能ステージ(1146)を位置決めし得る。コンピュータシステム(1101)は、三次元印刷の前、又はその間に、移動可能ステージ(1146)の位置を自動的に調整し得る。コンピュータシステム(1101)は、コンピュータ制御のZ軸(即ち、垂直方向)の位置決め、及び動的な位置フィードバックを提供するために、圧電気(ピエゾ)制御装置を含み得る。コンピュータシステム(1101)は、ユーザーが移動可能ステージ(1146)の位置を制御することを可能とするために、ジョイスティックコンソールを含み得る。ジョイスティックコンソールは、z軸コンソール及び/又はX軸及びY軸コンソールであり得る。移動可能ステージ(1146)は印刷チャンバホルダーを含み得る。印刷チャンバホルダーは、ブラケット、クリップ、及び/又は凹型サンプルホルダーであり得る。移動可能ステージ(1146)は、多スライドホルダー、スライドホルダー、及び/又は、ペトリ皿ホルダーを含み得る。移動可能ステージ(1146)は、位置フィードバックを提供するためのセンサを含み得る。センサは容量センサであり得る。センサはピエゾ抵抗センサであり得る。移動可能ステージ(1146)は、移動可能ステージ(1146)を移動させる(又は位置決めする)、少なくとも1つのアクチュエーター(例えば圧電アクチュエーター)を含み得る。
【0158】
発行ダイオード(LED)コリメーター(1140)は、コリメートしたLED光(1156)の源として使用され得る。LEDコリメーター(1140)は、コリメータレンズ及びLEDエミッタを含み得る。LEDは、無機LED、高輝度LED、量子ドットLED、又は有機LEDであり得る。LEDは、単色LED、二色LED、又は三色LEDであり得る。LEDは、青色LED、紫外線LED、白色LED、赤外線LED、赤色LED、オレンジ色LED、黄色LED、緑色LED、スミレ色LED、ピンク色LED、又は紫色LEDであり得る。LEDコリメーター(1140)は、f6レンズ(1148)を介してコリメートしたLED光(1156)のビームを投影し得る。f6レンズ(1148)は集束レンズであり得る。一旦、コリメートしたLED光(1156)がf6レンズ(1148)を介して伝えられると、コリメートしたLED光(1156)は光収束物体(1136)に向けられ得る。光収束物体(1036)は、印刷チャンバ(1134)へとコリメートしたLED光(1156)を収束することができる。光収束物体(1136)は、サンプル媒体におけるコリメートしたLED光(1156)を収束することができる。光収束物体(1136)は、細胞含有媒体におけるコリメートしたLED光(1156)を収束することができる。コリメートしたLED光(1156)は、印刷チャンバ(1134)を通って収束物体(1132)へと伝えられ得る。一旦、コリメートしたLED光(1156)が収束物体(1132)を出ると、コリメートしたLED光(1156)はロングパスダイクロイックミラー(1124)上へと向けられ得る。ロングパスダイクロイックミラー(1124)から反射されるコリメートしたLED光(1156)は、サンプル放出物(1126)であり得る。ロングパスダイクロイックミラー(1124)は、f5レンズ(1144)へとサンプル放出物(1126)を再配向し得る。f5レンズ(1144)は集束レンズであり得る。一旦、サンプル放出物(1126)がf5レンズ(1144)を通って送られると、検出システム(1130)は画像化のためにサンプル放出物(1126)を検出する及び/又は集める。検出システムシステム(1130)は少なくとも1つの光電子増倍管(PMT)を含み得る。検出システムシステム(1130)は少なくとも1つのカメラを含み得る。カメラは、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)カメラ、科学的CMOSカメラ、電荷結合素子(CCD)カメラ、又は電子増倍型電荷結合素子(EM-CCD)であり得る。検出システムシステム(1130)は少なくとも1つのアレイベースの検出器を含み得る。
【0159】
図46は、三次元印刷システムの追加の実施形態の光学コンポーネント及び光学経路を例示する。
図46に示される光学コンポーネント及び光学経路は、時間的収束を使用しない三次元印刷システムを提供し得る。三次元印刷システムはエネルギー源(1200)を含み得る。エネルギー源(1200)はコヒーレント光源であり得る。エネルギー源(1200)はレーザー光であり得る。エネルギー源(1200)はフェムト秒パルスレーザー光源であり得る。エネルギー源(1200)は、第1のレーザー源(140a)、第2のレーザー源(140b)、又は第3のレーザー源(140c)であり得る。エネルギー源(1200)は多光子レーザービーム(120)であり得る。エネルギー源(1200)はコンピュータシステム(1101)によって制御され得る。エネルギー源(1200)はコンピュータシステム(1101)によって調整され得る。
コンピュータシステム(1101)は、印刷プロセス前、又はその間に、エネルギー源(1200)のエネルギー波長を制御及び/又は設定し得る。それらコンピュータシステム(1101)は、エネルギー源(1200)の波長の設定により異なる励起波長を生成し得る。
【0160】
エネルギー源(1200)はパルスされ得る。エネルギー源(1200)は約500キロヘルツ(kHz)のレートでパルスされ得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から1,000,000μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から100,000μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から1,000μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から100μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、少なくとも約10マイクロジュール(μJ)から100μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から50μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から20μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、少なくとも約1マイクロジュール(μJ)から50μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、少なくとも約40マイクロジュール(μJ)から80μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、少なくとも約120マイクロジュール(μJ)から160μJ以上のパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。
【0161】
エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約10μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約20μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約30μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約40μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約50μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約60μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約70μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約80μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約90μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約100μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約110μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約120μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約130μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約140μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約150μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約160μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約170μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約180μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約190μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約200μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約20000μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約100000μJのパルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、パルスエネルギー(1つのパケット当たり)を伴うエネルギーパケットを持つ、エネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。
【0162】
エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、例えば少なくとも約300nm~約5mm以上の波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、少なくとも約600~約1500nm以上の波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、少なくとも約350nm~約1800nm以上の波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、少なくとも約1800nm~約5mm以上の波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約300nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約400nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約600nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約700nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約800nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約900nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約1200nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約1200nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約1200nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約1300nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約1400nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約1500nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約1600nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約1700nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約1800nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約1900nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約2000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約3000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約4000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギー源(1200)(例えばレーザー)は、約5000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。
【0163】
図46に示されるように、エネルギー源(1200)は、シャッター(1104)を介してレーザービーム(1202)を投影し得る。一旦、レーザービーム(1202)がシャッター(1204)を出ると、レーザービーム(1202)は回転する1/2波長板(1206)を介して配向され得る。回転する1/2波長板(1206)は、2つの直線偏光方向間の位相後退における差異がπとなるように、レーザービーム(1202)の偏光状態を変えることができる。位相後退の差異は、λ/2の距離以上の伝播位相シフトに相当し得る。他のタイプの波長板は本明細書に開示されるシステムで利用され;例えば、回転する4分の1波長板が使用されてもよい。回転する1/2波長板(1206)は、真ゼロオーダー波長板、低位波長板、又は多オーダー波長板でもよい。回転する1/2波長板(1206)は、結晶性のクオーツ(SiO
2)、方解石(CaCO
3)、フッ化マグネシウム(MgF
2)、サファイア(Al
2O
3)、雲母、又は複屈折ポリマーで構成され得る。
【0164】
レーザービーム(1202)は、回転する1/2波長板(1206)を出て、偏光ビームスプリッタ(1208)を介して配向され得る。偏光ビームスプリッタ(1208)は、レーザービーム(1202)を第1のレーザービーム(1202a)及び第2のレーザービーム(1202b)へと分割し得る。第1のレーザービーム(1202a)はビームダンプ(1210)に向けられ得る。ビームダンプ(1210)は、レーザービームの迷走部分を吸収するために使用され得る光学素子である。ビームダンプ(1210)は第1のレーザービーム(1202a)を吸収し得る。第1のレーザービーム(1202a)は迷走したレーザービームであり得る。ビームダンプ(1210)は第2のレーザービーム(1202b)を吸収し得る。第2のレーザービーム(1202b)は迷走したレーザービームであり得る。レーザービーム(1202)は、ビームダンプ(1210)へと丸ごと向けられ、それ故、印刷システムのデフォルト「オフ」状態として機能し得る。第2のレーザービーム(1202b)はビームエクスパンダ(1212)に向けられ得る。ビームエクスパンダ(1212)は、第2のレーザービーム(1202b)のサイズを拡大することができる。ビームエクスパンダ(1212)は、入力の第2のレーザービーム(1202b)の直径を、出力拡大レーザービーム(1254)の更に大きな直径に増大することができる。ビームエクスパンダ(1212)はプリズムビームエクスパンダであり得る。ビームエクスパンダ(1212)は伸縮自在なビームエクスパンダであり得る。ビームエクスパンダ(1212)は多プリズムビームエクスパンダであり得る。ビームエクスパンダ(1212)はガリレオ式ビームエクスパンダであり得る。ビームエクスパンダ(1212)は、約2X、3X、5X、10X、20X、又は40Xのビームエクスパンダ能力を提供し得る。ビームエクスパンダ(1212)は、約2X~約5Xに及ぶビームエクスパンダ能力を提供し得る。ビームエクスパンダ(1212)は、約2X~約5Xの連続ビーム拡大を提供し得る。ビームエクスパンダ(1212)は、約5X~約10Xに及ぶビームエクスパンダ能力を提供し得る。ビームエクスパンダ(1212)は、約5X~約10Xの連続ビーム拡大を提供し得る。拡大レーザービーム(1254)はビームエクスパンダ(1212)を出た際に視準を合わせられ得る。
【0165】
ビームエクスパンダ(1212)を出た後、拡大レーザービーム(1254)は、第1のミラー(1214a)に向けられ、これは、第1の空間光変調器(SLM)(1216a)に拡大レーザービーム(1254)を再度配向し得る。第1のSLM(1216)を出た後、拡大レーザービーム(1254)は、f1レンズ(1218)に向けられ得る。f1レンズ(1218)は集束レンズであり得る。f1レンズを出た後、拡大レーザービーム(1254)は、遮断要素(1250)に向けられ得る。遮断要素(1250)を備えたミラーは、ゼロオーダースポットからの照射を抑えるために使用され得る。
【0166】
一旦、拡大レーザービーム(1254)が遮断要素(1250)を備えたミラーによって反射されると、拡大レーザービーム(1254)はf2レンズ(1222)を通って伝達され得る。f2レンズ(1222)は集束レンズであり得る。f2レンズ(1222)を出た後、拡大レーザービーム(1254)は、第2のSLM(1216b)に向けられ得る。SLM(即ち、第1のSLM(1216a)及び第2のSLM(1216b))は、コンピュータシステム(1101)によって制御され得る。
図44及び45それぞれに示されるように、SMLは、上述のようなSLM(1016)の機能を全て実行し得る。
【0167】
第2のSLM(1216b)を出た後、拡大レーザービーム(1254)は、f3レンズ(1228)に向けられ得る。f3レンズを出た後、拡大レーザービーム(1254)は、遮断要素(1220)に向けられ得る。遮断要素(1220)は固定され得る。遮断要素(1220)は、ゼロオーダースポットからの照射を抑えるために使用され得る。遮断要素(1220)を出た後、拡大エネルギービーム(1254)は、f4レンズ(1238)に向けられ得る。f4レンズ(1238)は集束レンズであり得る。f4レンズ(1238)を出た後、拡大レーザービーム(1254)は第2のミラー(1214b)上に向けられ、続いて第3のミラー(1214c)上に向けられ得る。第3のミラー(1214c)は、ロングパスダイクロイックミラー(1224)を介して拡大レーザービーム(1254)を再配向し得る。第1のミラー(1214a)、第2のミラー(1214b)、及び/又は第3のミラー(1214c)は、コンピュータシステム(1101)で制御され得る。コンピュータシステム(1101)は、望まれるように拡大レーザービーム(1254)を再配向するために、第1のミラー(1214a)、第2のミラー(1214b)、及び/又は第3のミラー(1214c)を「オン」又は「オフ」にすることができる。ダイクロイックミラーはショートパスダイクロイックミラーでもよい。ロングパスダイクロイックミラー(1224)は、拡大レーザービーム(1254)を収束物体(1232)へと反射し得る。幾つかの例において、ビームコンバイナーが、ロングパスダイクロイックミラー(1224)を使用する代わりに拡大レーザービーム(1254))を収束物体(1232)へと再配向するために使用され得る。ロングパスダイクロイックミラー(1224)は、収束物体(1232)へと拡大レーザービーム(1254)を再配向するためにコンピュータシステム(1101)により制御され得る。収束物体(1232)は、印刷チャンバ(1234)へと投影されると拡大レーザービーム(1254)を集中し得る。印刷チャンバ(1234)は媒体チャンバ(122)であり得る。印刷チャンバ(1234)は、細胞含有媒体、複数の細胞、細胞構成成分(例えば細胞小器官)、及び/又は少なくとも1つのポリマー前駆体を含み得る。
【0168】
印刷チャンバ(1134)は移動可能ステージ(1246)に取り付けられ得る。移動可能ステージ(1246)は、xyステージ、zステージ、及び/又はxyzステージであり得る。移動可能ステージ(1246)は手動で位置決めされ得る。移動可能ステージ(1246)は自動的に位置決めされ得る。移動可能ステージ(1246)はモーター駆動ステージであり得る。移動可能ステージ(1246)はコンピュータシステム(1101)によって制御され得る。コンピュータシステム(1101)は、x、y、及び/又はz方向での移動可能ステージ(1246)の動きを制御し得る。コンピュータシステム(1101)は、所望のx、y、及び/又はz位置で移動可能ステージ(1246)を自動的に位置決めし得る。コンピュータシステム(1101)は、最大約3μmの位置精度で、所望のx、y、及び/又はz位置で移動可能ステージ(1246)を位置決めし得る。コンピュータシステム(1101)は、最大約2μmの位置精度で、所望のx、y、及び/又はz位置で移動可能ステージ(1246)を位置決めし得る。コンピュータシステム(1101)は、最大約1μmの位置精度で、所望のx、y、及び/又はz位置で移動可能ステージ(1246)を位置決めし得る。コンピュータシステム(1101)は、三次元印刷の前、又はその間に、移動可能ステージ(1246)の位置を自動的に調整し得る。コンピュータシステム(1101)は、コンピュータ制御のz軸(即ち、垂直方向)の位置決め、及び動的な位置フィードバックを提供するために、圧電気(ピエゾ制御装置を含み得る。コンピュータシステム(1101)は、ユーザーが移動可能ステージ(1246)の位置を制御することを可能とするために、ジョイスティックコンソールを含み得る。ジョイスティックコンソールは、z軸コンソール及び/又はX軸及びY軸コンソールであり得る。移動可能ステージ(1246)は印刷チャンバホルダーを含み得る。印刷チャンバホルダーは、ブラケット、クリップ、及び/又は凹型サンプルホルダーであり得る。移動可能ステージ(1246)は、多スライドホルダー、スライドホルダー、及び/又は、ペトリ皿ホルダーを含み得る。移動可能ステージ(1246)は、位置フィードバックを提供するためのセンサを含み得る。センサは容量センサであり得る。センサはピエゾ抵抗センサであり得る。移動可能ステージ(1246)は、移動可能ステージ(1246)を移動させる(又は位置決めする)、少なくとも1つのアクチュエーター(例えば圧電アクチュエーター)を含み得る。
【0169】
発行ダイオード(LED)コリメーター(1240)は、コリメートしたLED光(1256)の源として使用され得る。LEDコリメーター(1240)は、コリメータレンズ及びLEDエミッタを含み得る。LEDは、無機LED、高輝度LED、量子ドットLED、又は有機LEDであり得る。LEDは、単色LED、二色LED、又は三色LEDであり得る。LEDは、青色LED、紫外線LED、白色LED、赤外線LED、赤色LED、オレンジ色LED、黄色LED、緑色LED、スミレ色LED、ピンク色LED、又は紫色LEDであり得る。LEDコリメーター(1240)は、f6レンズ(1248)を介してコリメートしたLED光(1256)のビームを投影し得る。f6レンズ(1248)は集束レンズであり得る。一旦、コリメートしたLED光(1256)がf6レンズ(1248)を介して伝えられると、コリメートしたLED光(1156)は光収束物体(1236)に向けられ得る。光収束物体(1236)は、印刷チャンバ(1234)へとコリメートしたLED光(1256)を収束することができる。光収束物体(1236)は、サンプル媒体におけるコリメートしたLED光(1256)を収束することができる。光収束物体(1236)は、細胞含有媒体におけるコリメートしたLED光(1256)を収束することができる。コリメートしたLED光(1256)は、印刷チャンバ(1234)を通って収束物体(1232)へと伝えられ得る。一旦、コリメートしたLED光(1256)が収束物体(1232)を出ると、コリメートしたLED光(1256)はロングパスダイクロイックミラー(1224)上へと向けられ得る。ロングパスダイクロイックミラー(1224)から反射されるコリメートしたLED光(1256)は、サンプル放出物(1226)であり得る。ロングパスダイクロイックミラー(1224)は、f5レンズ(1244)へとサンプル放出物(1226)を再配向し得る。f5レンズは集束レンズであり得る。一旦、サンプル放出物(1226)がf5レンズ(1244)を通って送られると、検出システム(1230)は画像化のためにサンプル放出物(1226)を検出する及び/又は集める。検出システムシステム(1230)は少なくとも1つの光電子増倍管(PMT)を含み得る。検出システムシステム(1230)は少なくとも1つのカメラを含み得る。カメラは、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)カメラ、科学的CMOSカメラ、電荷結合素子(CCD)カメラ、又は電子増倍型電荷結合素子(EM-CCD)であり得る。検出システムシステム(1230)は少なくとも1つのアレイベースの検出器を含み得る。
【0170】
図47は光検出システム(1330)を例示する。光検出システム(1330)は、連続して配置された複数のロングパスダイクロイックミラーを含み得る。光検出システム(1330)は、平行に配置された複数のロングパスダイクロイックミラーを含み得る。光検出システム(1330)は、連続して且つ平行に配置された複数のロングパスダイクロイックミラーを含み得る。
図44-46で示されるように、光学経路は、収束物体上にコリメートしたLED光(1356)のビームを投影するLEDコリメーターを含み得る。一旦、コリメートしたLED光(1356)が第1のロングパスダイクロイックミラー(1324a)から反射されると、コリメートしたLED光(1356)はサンプル放出物(1326)に変換され得る。サンプル放出物(1326)はf5レンズ(1344)を介して配向され得る。f5レンズ(1344)は集束レンズであり得る。サンプル放出物(1326)がf5レンズ(1344)を出た後、サンプル放出物(1326)は、
図47に示されるように、第2のロングパスダイクロイックミラー(1324b)、第3のロングパスダイクロイックミラー(1324c)、第4のロングパスダイクロイックミラー(1324d)、及び第5のロングパスダイクロイックミラー(1324e)を含む、一連のロングパスダイクロイックミラーに向けられ得る。サンプル放出物(1326)は、第2のロングパスダイクロイックミラー(1324b)から、第1の光検出器(1352a)上へと反射され得る。サンプル放出物(1326)は、第3のロングパスダイクロイックミラー(1324c)から、第2の光検出器(1352b)上へと反射され得る。サンプル放出物(1326)は、第4のロングパスダイクロイックミラー(1324d)から、第3の光検出器(1352c)上へと反射され得る。サンプル放出物(1326)は、第5のロングパスダイクロイックミラー(1324e)から、第4の光検出器(1352d)上へと反射され得る。サンプル放出物(1326)は、第5のロングパスダイクロイックミラー(1324e)から、第5の光検出器(1352e)上へと反射され得る。光検出器は光電子増倍管(PMT)であり得る。光検出器はカメラであり得る。光検出器は、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)カメラ、科学的CMOSカメラ、電荷結合素子(CCD)カメラ、又は電子増倍型電荷結合素子(EM-CCD)であり得る。光検出器はアレイベースの検出器であり得る。光検出システム(1330)は、次第に赤色に推移したカットオフ波長を持つ複数のロングパスダイクロイックミラーを含み得る。幾つかの例において、第2のロングパスダイクロイックミラー(1324b)には約460nmのカットオフ波長があり、第3のロングパスダイクロイックミラー(1324c)には約500nmのカットオフ波長があり、第4のロングパスダイクロイックミラー(1324d)には約540nmのカットオフ波長があり、第5のロングパスダイクロイックミラー(1324e)には約570nmのカットオフ波長があり得る。
【0171】
光検出システム(1330)はコンピュータシステム(1101)によって制御され得る。コンピュータシステム(1101)は、第1の光検出器(1352a)、第2の光検出器(1352b)、第3の光検出器(1352c)、及び第4の光検出器(1352d)によって得られた信号を集め及び/又は処理することができる。コンピュータシステム(1101)は、コンピュータシステム(1101)によって集められ及び/又は処理され得る、光検出システム(1330)の光検出器信号に基づいて三次元印刷システムに制御フィードバックを提供することができる。コンピュータシステム(1101)は、
図44-46に記載される光学経路の光学コンポーネント及び/又はハードウェアにわたり制御フィードバックを備え得る。コンピュータシステム(1101)は、
図47に示される光検出システム(1330)の光学コンポーネント及び/又はハードウェアにわたり制御フィードバックを備え得る。コンピュータシステム(1101)は、光検出システム(1330)からの信号に応じて、例えば、SLM、シャッタ、移動可能ステージ、ミラー、レンズ、収束物体、ビームエクスパンダ、LEDコリメーター、回折格子、及び/又は遮断要素を制御することができる。
【0172】
図5Aは、多光子組織印刷ヘッド(118)の実施形態を例示する。多光子印刷ヘッド(118)は、レーザーシステム(116)から多光子レーザービーム(120)(1つ以上の波長を含む)を受けることができ、且つ、随意のスキャンヘッド、後方散乱光の収集及び記録用のロングパスミラー、及び収束物体(200)から成るフィニッシングオプティックス(finishing optics)で構成される最終の光学経路を介してビーム(120)を収束することができ、ビーム(120)を媒体チャンバ(122)に投影する。光は、印刷に使用されるような同じ物体により集められ、その後、ロングパスミラーを介して、単一又は一揃いのPMT或いはCCDカメラに移される。
【0173】
幾つかの設計において、オプティックスは、光が組織印刷管に堆積する場所のより容易な制御のために光ファイバーケーブルを介してレーザーを送ることができる。
【0174】
本明細書に開示されるシステムは、例えば倍率が徐々に小さくなる、収束物体の範囲を例えば活用することができ;視野は徐々に大きくなり得る。場合によっては、視野は、単一の投射野において、顕微鏡が可能な印刷領域であり得る。場合によっては、5x、10x、又は20xの物体が利用され得る。場合によっては、少なくとも約0.6~約1.2以上に及ぶ高い開口数を持つ物体が利用され得る。本明細書に開示されるシステムは、例えば約1x~約100xに及ぶ倍率を有する対物レンズを使用し得る。本明細書に開示されるシステムは、約1xの倍率を有する対物レンズを使用し得る。本明細書に開示されるシステムは、約2xの倍率を有する対物レンズを使用し得る。本明細書に開示されるシステムは、約3xの倍率を有する対物レンズを使用し得る。本明細書に開示されるシステムは、約4xの倍率を有する対物レンズを使用し得る。本明細書に開示されるシステムは、約10xの倍率を有する対物レンズを使用し得る。本明細書に開示されるシステムは、約20xの倍率を有する対物レンズを使用し得る。本明細書に開示されるシステムは、約40xの倍率を有する対物レンズを使用し得る。本明細書に開示されるシステムは、約60xの倍率を有する対物レンズを使用し得る。本明細書に開示されるシステムは、約100xの倍率を有する対物レンズを使用し得る。
【0175】
印刷された組織の構造的な忠実度を維持するために、水浸対物レンズが、細胞含有液体バイオゲル媒体(126)内で入射角に実質的に一致するのに理想的であり得る。印刷が大気とは大幅に異なる屈折率を持つ液体培地で生じると、屈折率変化を補正した水浸対物レンズが使用され得る。
【0176】
図5Bは、第1の対物レンズ(200a)及び第2の対物レンズ(200b)を含む印刷ヘッド(118)を例示する。
図5Bは、構造を画像化するための反転したオプティックスを例示する。本実施形態において、光は、反転したオプティックスによって集められ、多色画像を生成するために、
図5Bに示されるように、CCDカメラ、単一のPMT、或いは一揃いのPMTに導かれる。幾つかの実施形態において、第2の対物ヘッドは反転され、画像は、一連のロングパス又はバンドパスミラーでPMTにより読み取られた組織及び入射光の下側から集められ得る。
【0177】
多光子ベースのプリンタを印刷モードから画像化モードへ切り替えるために、x、yラスタースキャンが行われ、DMD又はSLMの経路は回避され、装置はオフ又は不活性の位置で与えられ、或いは、x、yスキャンオプティックスに当たるレーザーラインが1つだけ存在するようにそれらを光路から取り除く。DMD又はSLMの経路は、場合によっては画像化に使用され得る。
【0178】
画像化モードへの切り替えは、印刷プロセス中に様々な用途を備え得る:1)画像化は、二光子励起が構造にわたってスキャンされるときのプロセスである第2の高調波発生を介してコラーゲンが自然に放射を生成したときの、コラーゲン生成率をモニタリングするために使用され得る、2)印刷された組織の縁は、投影空間の縁に沿って血管及び他の組織構造の適切な結合を促進する画像化モードを使用して見出すことができる、3)印刷した組織構造は、リアルタイムで投影した画像に対する構造的一体性及び忠実度について検証され得る、及び4)一時的に標識された細胞が使用される場合、それらは検証又はモニタリングのプロセスのために印刷された組織内に位置し得る。上記実施形態のレーザーシステム(116)は、以下を含むがこれらに限定されないソフトウェア制御の様々な点を備え得ることが認識できる:CAD画像は、SLM及び/又はDMDデバイスに接続される変化をプログラムすることにより投影され得る;TAGレンズがBesselビームを作成するために使用される場合、TAGレンズの調整可能な音響勾配(TAG)を引き起こすために生成された電流は、コンピュータソフトウェアの制御下にある;単一ビームの形でレーザー励起を配向する、且つ複数レーザー設計用のオン/オフスイッチとして作用し得るミラーは、コンピュータソフトウェアによって制御され得る;減衰ホイール及び異なる周波数への調整を介したレーザー光量は、ソフトウェア入力によって制御され得る;顕微鏡ステージ動作はソフトウェア制御下にある;顕微鏡対物レンズ又は関連する光ファイバーの動作はソフトウェア制御下にある;動作又はオン/オフ状態による縁の発見、照射、及び反転物体の制御は、ソフトウェア制御下にある;画像化又は光路の制御(ミラー、シャッタ、スキャンオプティックス、SLM、DMDなど)も、ソフトウェア制御下にある。
【0179】
急速な印刷を適合させるために、物体(200)は光ファイバーケーブルを搭載してもよい。
図6Aは、着脱自在の光ファイバーケーブルアクセサリ(250)の実施形態を例示する。本実施形態において、アクセサリ(250)は、光ファイバーケーブル(252)、及び、多光子組織印刷の印刷ヘッド(6A-6Bに示されない)に取り付け可能な取り付け器具(
図6A-6Bに示されない)を含み得る。その後、光ファイバーケーブル(252)は、
図6Bに例示されるように、媒体チャンバ(122)の媒体(126)内に位置決めされ得る。故に、多光子レーザービーム(120)は、物体(200)及び光ファイバーケーブル(252)を通過して、レーザーエネルギーを媒体(126)に送達して、所望の複合組織構造(260)を作成する。印刷プロセス中に顕微鏡物体、又は微細な組織構造を含む印刷管を動かさないために、光ファイバーケーブル自体が、組織のより大きな領域を印刷する必要がある場合に動かされ得る。場合によっては、アクセサリ(250)は、媒体(126)への直接挿入が無菌性を損なわない、或いは印刷した細胞を交差汚染しないように、滅菌する又は置き換えることができる。
【0180】
光ファイバーケーブルへのパワー入力に依存して、多光子レーザーは、光ファイバーケーブルのコアへの回復不能な損傷を誘導することが可能な場合がある。故に、場合によっては、群遅延分散(GDD)により誘導される波長チャーピングが、レーザーパルスを延ばすために光子を効果的に分散させることにより、この潜在的な損傷を最小化するために提供され得る。これは、印刷媒体における細胞への損傷を最小化する又は光ファイバーケーブルの寿命を延ばすために使用され得る。そのような場合、GDDデバイスは、SLM又はDMDの後、及び印刷ヘッドオプティックス(118)への進入の前に、レーザーシステム(116)に設けられ得る。
【0181】
場合によっては、所望の組織の三次元印刷は、単一の物体(200)、又は光ファイバーアクセサリ(250)が付属する物体(200)により実行することができ、ここで、1~3つの異なる構成は、各々別個のレーザーラインに関連付けられ且つ組織の別個の形状又は部分を表すものであり、同じ物体(200)を通じてパルスされ得る。この場合、時間調整したシャッターシステムが、突出される画像間の干渉が最小又はゼロとなるように設置され得る。故に、レーザー多重化が、多数の点で組織構造の部分の生成を同時に可能にしつつ、組織構造の同じCADモデルを利用するために、利用され得る。同様に、レーザー多重化は、異なるが隣接するCADベースの組織モデルを利用し、より大きな構造印刷に必要な動作を最小化しつつ、全体的な印刷時間を更に減らすことができる。例えば、血管床には、正常な循環での静脈の逆流を妨げる、より大きな血管における弁などの内部構造があり得る。これら弁構造は血管壁と同時に印刷され得る。そのような場合、弁構造及び/又は血管壁に関連付けられるスキャフォールドは、個々に印刷するのが困難な場合がある。
【0182】
瞬間的に形成された三次元構造は、1回の印刷中に印刷空間の至る所で反復され得る。生物系において、小単位は多くの場合、構造全体にわたって反復され得る。それ故、1回の印刷における同じ構造の反復された生成は、機能性組織を生成するのに有用であり得る。同じ細胞印刷物質からの追加の、非反復的で、細かな特別の構造及び続く構造は、印刷された第1の構造と並んで又はそれに連結して作成され得る。
【0183】
幾つかの実施形態において、多光子組織印刷の印刷ヘッド(118)は、
図7-8に例示されるように、第1のレーザー物体(200a)、第2のレーザー物体(200b)、及び第3のレーザー物体(200c)を介して多光子励起の多数の印刷「ヘッド」又はソースを含み得る。
図7は、多光子組織印刷の印刷ヘッド(118)が、第1のレーザー物体(200a)、第2のレーザー物体(200b)、及び第3のレーザー物体(200c)を含み、第1のレーザー物体(200a)が第1の光ファイバーケーブルアクセサリ(250a)を含み、第2のレーザー物体(200b)が第2の光ファイバーケーブルアクセサリ(250b)を含み、第3のレーザー物体(200c)が第3の光ファイバーケーブルアクセサリ(250c)を含み得る、実施形態を例示する。第1の光ファイバーケーブルアクセサリ(250a)、第2の光ファイバーケーブルアクセサリ(250b)、及び第3の光ファイバーケーブルアクセサリ(250c)は、単一の媒体チャンバ(122)へ向けられ得る。媒体チャンバ(122)は、各光ファイバーケーブルアクセサリによって(即ち、第1の光ファイバーケーブルアクセサリ(250a)、第2の光ファイバーケーブルアクセサリ(250b)、及び第3の光ファイバーケーブルアクセサリ(250c)を介して)アクセスされるポートを持つ開放上部又は密閉上部を有し得る。この配置は、大きく急速な組織印刷の速度を上げつつ、最終の組織構造にわたって制御を維持することができる。場合によっては、第1の光ファイバーケーブルアクセサリ(250a)、第2の光ファイバーケーブルアクセサリ(250b)、及び第3の光ファイバーケーブルアクセサリ(250c)は、同じ組織構造の投影を送達することができる。その他の場合、第1の光ファイバーケーブルアクセサリ(250a)、第2の光ファイバーケーブルアクセサリ(250b)、及び第3の光ファイバーケーブルアクセサリ(250c)はそれぞれ、異なる組織構造の第1のレーザービーム投影(120a)、第2のレーザービーム投影(120b)、及び第3のレーザービーム投影(120c)をそれぞれ送達することができる。複数のレーザー物体の柔軟な配置、及び媒体チャンバ(122)内の同じ領域へ光ファイバーケーブルを配向する能力により、組織構造は同時に印刷され得る。結果として生じる組織構造は一体的に結合される、又は結合されない場合がある。与えられた組織構造の印刷時間は、動作制約に関する幾つかの考慮、及び追加の励起元各々に対する考慮と共に、レーザー送達要素の数との反比例関係を有し得る。
【0184】
図8は、多光子組織印刷の印刷ヘッド(118)が、第1の物体(200a)、第2の物体(200b)、第3の物体(200c)、第4の物体(200d)、第5の物体(200e)及び第6の物体(200f)を含み、各物体が、第1の光ファイバーケーブルアクセサリ(250a)、第2の光ファイバーケーブルアクセサリ(250b)、第3の光ファイバーケーブルアクセサリ(250c)、第4の光ファイバーケーブルアクセサリ(250d)、第5の光ファイバーケーブルアクセサリ(250e)、及び第6の光ファイバーケーブルアクセサリ(250f)をそれぞれ含み、これらはそれぞれ、別個の第1の媒体チャンバ(122a)、第2の媒体チャンバ(122b)、第3の媒体チャンバ(122c)、第4の媒体チャンバ(122d)、第5の媒体チャンバ(122e)、及び第6の媒体チャンバ(122f)に向けられる、実施形態を例示する。複数の媒体チャンバはマルチウェルプレートでもよく、マルチウェルプレートの各ウェルは別個の個々の媒体チャンバである。場合によっては、第1の光ファイバーケーブルアクセサリ(250a)、第2の光ファイバーケーブルアクセサリ(250b)、第3の光ファイバーケーブルアクセサリ(250c)、第4の光ファイバーケーブルアクセサリ(250d)、第5の光ファイバーケーブルアクセサリ(250e)、及び第6の光ファイバーケーブルアクセサリ(250f)は、同じ組織構造の少なくとも1つの投影を送達することができる。これは、組織構造の多数の複製を同時に提供する。その他の場合、第1の光ファイバーケーブルアクセサリ(250a)、第2の光ファイバーケーブルアクセサリ(250b)、第3の光ファイバーケーブルアクセサリ(250c)、第4の光ファイバーケーブルアクセサリ(250d)、第5の光ファイバーケーブルアクセサリ(250e)、及び第6の光ファイバーケーブルアクセサリ(250f)は、異なる組織構造の第1の多光子レーザービーム投影(120a)、第2の多光子レーザービーム投影(120b)、及び第3の多光子レーザービーム投影(120c)を送達することができる。場合によっては、印刷時間は、多数の複製を同時に生成する能力のため、大幅に減少され得る。
【0185】
幾つかの実施形態において、多光子組織印刷の印刷ヘッド(118)は、
図9に例示されるように、第1の物体(200a)、第2の物体(200b)、及び第3の物体(200c)を含む物体の連続配列を含み得る。本実施形態において、各物体は別個の媒体チャンバと位置合わせされ得る。例えば、第1の物体(200a)は第1の媒体チャンバ(122a)と位置合わせされ、第2の物体(200b)は第2の媒体チャンバ(122b)と位置合わせされ、第3の物体(200c)は第3の媒体チャンバ(122c)と位置合わせされ得る。幾つかの例において、多数の媒体チャンバは、マルチウェルプレート(300)のウェルであり得る。幾つかの実施形態において、第1の物体(200a)、第2の物体(200b)、及び第3の物体(200c)は、同じ組織構造の投影を送達することができる。その他の場合、レーザービーム投影は1つのウェルごとに相違し得る。第1の物体(200a)、第2の物体(200b)(
図10に示されない)、及び第3の物体(200c)(
図10に示されない)は、レーザービーム投影を各ウェルに送達するために、
図10に例示されるように、x及びyの方向でマルチウェルプレート(300)上を動くようにプログラムされ得る。代替的に、物体が静止したままである一方、マルチウェルプレート(300)がx及びyの方向に動くことが、認識できる。故に、例えば、3つの物体を持つ連続配列は、2工程:同時に3つの組織構造、及び次いで同時に3つ以上の組織構造で、6ウェルプレートに組織を印刷することができる。少なくとも約96ウェル~約394ウェル以上を含むがこれらに限定されない、任意数のウェルを持つプレートが使用され得ることが、認識できる。マルチウェルプレート(300)は少なくとも第1の媒体チャンバ(122a)を含み得る。マルチウェルプレート(300)は少なくとも1ウェルを含み得る。マルチウェルプレート(300)は少なくとも4ウェルを含み得る。マルチウェルプレート(300)は少なくとも6ウェルを含み得る。マルチウェルプレート(300)は少なくとも8ウェルを含み得る。マルチウェルプレート(300)は少なくとも12ウェルを含み得る。マルチウェルプレート(300)は少なくとも16ウェルを含み得る。マルチウェルプレート(300)は少なくとも24ウェルを含み得る。マルチウェルプレート(300)は少なくとも48ウェルを含み得る。マルチウェルプレート(300)は少なくとも96ウェルを含み得る。マルチウェルプレート(300)は少なくとも384ウェルを含み得る。マルチウェルプレート(300)は少なくとも1536ウェルを含み得る。
【0186】
本明細書に記載される実施形態において、より大きな空間を印刷するために、顕微鏡ステージは移動することができ、顕微鏡ヘッドは移動することができ、及び/又は、印刷物体に取り付けられた関連する光ファイバーケーブルは移動することができることが、認識できる。
【0187】
3D印刷方法
一態様において、本開示は、三次元(3D)生体物質を印刷するための方法を提供する。x、y及びz次元は、本明細書で提供される方法によって同時にアクセスされ得る。生体物質は生物学的に機能性の組織であり得る。生体物質は生物学的に機能性の組織へと発達し得る。生体物質は、壊死を妨げる助けとなる十分な濃度の栄養素及び酸素の送達及び/又は拡散を提供し得る、完全に形成された、印刷された脈管構造、微小血管系、多孔性ネットワーク、管のネットワーク、及び/又は孔構造を含み得る。生体物質は、間質液恒常性、免疫系の調節、循環系の調節、炎症の調節、及び脂質吸収を含むがこれらに限定されない生物学的機能を可能にし得る、印刷されたリンパ性ネットワーク、リンパ性脈管構造、及び/又は、リンパ性の微小血管系を含み得る。生体物質は、複製しようと試みる天然組織と同様の構造及び/又は構成で配置された細胞を含み;故に、天然組織の生物学的機能と同様の生物学的機能を可能にし得る。限定されないが毛細管などの微細な血管、組織の単一細胞層、及び骨、軟骨、及び/又は腱の力学的性質を持つ硬組織及び/又は軟組織などの、超微細な組織構造の印刷が、作成され得る。
【0188】
前記方法は、コンピュータメモリーにおける3D生体物質のコンピュータモデルを受信する工程を含み得る。コンピュータモデルはコンピュータ利用設計(CAD)モデルでもよい。CADモデルは、3Dワイヤーフレーム、パラメトリックモデル及び直接的又は明示的なモデルなどの3Dソリッドモデル、及び/又は自由形式サーフェースモデルであり得る。CADモデルは、物理的な原型が、3Dスキャナ、コンピュータトモグラフィー(CT)スキャニング装置、構造化した光3Dスキャナ、調節された光3Dスキャナ、レーザースキャナ、顕微鏡、又は磁気共鳴撮像(MRI)デバイスなどのデバイスを使用してスキャンされ及び/又は画像化された後、コンピュータによって生成され得る。場合によっては、原型画像又はスキャンは、原型画像又はスキャンをサーフェースモデル、メッシュモデル、又は体積モデルへと変換するアルゴリズムの使用により、CADモデルに変換される。前記方法は、3D生体物質の部分的な3D構造及び/又は完全な3D構造を含むコンピュータモデルを受け取る工程を含み得る。
【0189】
次に、前記方法は、複数の細胞及び1つ以上のポリマー前駆体を含む媒体を含む媒体チャンバを提供する工程を含み得る。媒体は、細胞構成要素(例えば細胞小器官)を含み得る。媒体は、グルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を更に含み得る。複数の細胞は、少なくとも2つの異なるタイプの細胞を含み得る。前記方法は、少なくとも2つの異なるタイプの細胞を形成するために複数の細胞の少なくとも部分集合の少なくとも一部を分化にさらす工程を更に含み得る。複数の細胞の少なくとも部分集合は、少なくとも2つの異なるタイプの細胞を含み得る。複数の細胞は、少なくとも2つの異なるタイプの細胞を含み得る。
【0190】
媒体チャンバは、マルチウェルプレート、チャンバスライド、組織培養スライド、容器、フラスコ、バイオリアクターチャンバ、管、細胞培養バッグなどのバッグ、ペトリ皿、ローラーボトル、又はカスタム製造のウェルであり得る。媒体チャンバは、ポリスチレン、ガラス、クオーツ、ポリプロピレン、シクロオレフィン、又はポリ塩化ビニル(PVC)で構成され得る。媒体チャンバは表面処理され得る。表面処理の非限定的な例は、血漿表面処理、細胞接着を促進するためのカルボキシル基、ヒドロキシル基、遊離アミノ基、及び/又はポリ-D-リジンでのコーティング、及び/又は、細胞接着を阻害するための親水性で且つ中性的に荷電されたヒドロゲル層でのコーティングを含む。媒体チャンバは、例えば少なくとも約1μl~約30Lに及ぶ体積を含み得る。媒体チャンバは、例えば少なくとも約1μl~約5Lに及ぶ体積を含み得る。媒体チャンバは、例えば少なくとも約1μl~約1Lに及ぶ体積を含み得る。媒体チャンバは、例えば少なくとも約1μl~約0.5Lに及ぶ体積を含み得る。媒体チャンバは、例えば少なくとも約1μl~約250mlに及ぶ体積を含み得る。媒体チャンバは、例えば少なくとも約1μl~約100mlに及ぶ体積を含み得る。媒体チャンバは、例えば少なくとも約1μl~約50mlに及ぶ体積を含み得る。媒体チャンバは、例えば少なくとも約1μl~約25mlに及ぶ体積を含み得る。媒体チャンバは、例えば少なくとも約1μl~約10mlに及ぶ体積を含み得る。媒体チャンバは、例えば少なくとも約1μl~約5mlに及ぶ体積を含み得る。媒体チャンバは、例えば少なくとも約1μl~約1mlに及ぶ体積を含み得る。媒体チャンバは、例えば少なくとも約1μl~約500μlに及ぶ体積を含み得る。媒体チャンバは、例えば少なくとも約1μl~約100μlに及ぶ体積を含み得る。媒体チャンバは、例えば少なくとも約1μl~約50μlに及ぶ体積を含み得る。媒体チャンバは、例えば少なくとも約1μl~約25μlに及ぶ体積を含み得る。媒体チャンバは、例えば少なくとも約1μl~約10μlに及ぶ体積を含み得る。媒体チャンバは、例えば少なくとも約1μl~約5μlに及ぶ体積を含み得る。
【0191】
媒体チャンバは約1μlの体積を含み得る。媒体チャンバは約10μlの体積を含み得る。媒体チャンバは約100μlの体積を含み得る。媒体チャンバは約1000μlの体積を含み得る。媒体チャンバは約5mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約10mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約20mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約30mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約40mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約50mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約60mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約70mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約5mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約80mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約90mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約100mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約200mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約300mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約400mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約500mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約600mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約700mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約800mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約900mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約1000mlの体積を含み得る。媒体チャンバは約2Lの体積を含み得る。媒体チャンバは約3Lの体積を含み得る。媒体チャンバは約4Lの体積を含み得る。媒体チャンバは約5Lの体積を含み得る。媒体チャンバは約6Lの体積を含み得る。媒体チャンバは約7Lの体積を含み得る。媒体チャンバは約8Lの体積を含み得る。媒体チャンバは約9Lの体積を含み得る。媒体チャンバは約10Lの体積を含み得る。媒体チャンバは約20Lの体積を含み得る。媒体チャンバは約30Lの体積を含み得る。媒体チャンバは約40Lの体積を含み得る。媒体チャンバは約50Lの体積を含み得る。媒体チャンバは約60Lの体積を含み得る。媒体チャンバは約70Lの体積を含み得る。媒体チャンバは約80Lの体積を含み得る。媒体チャンバは約90Lの体積を含み得る。媒体チャンバは約100L以上の体積を含み得る。
【0192】
媒体は、複数の細胞、1つ以上のポリマー前駆体、細胞構成要素(例えば細胞小器官)、及び/又は細胞培養培地を含み得る。ポリマー前駆体は少なくとも2つの異なるポリマー前駆体を含み得る。ポリマー前駆体は重合化可能な物質でもよい。ポリマー前駆体はコラーゲンを含み得る。媒体におけるコラーゲン型の非限定的な例は、I、II、III、V、及びX型のコラーゲンなどの原繊維性コラーゲン、IX、XII、及びXIV型のコラーゲンなどの断続性三重らせんを有する線維付随性コラーゲン(FACIT)コラーゲン、VIII及びX型のコラーゲンなどの短鎖コラーゲン、IV型コラーゲンなどの基底膜コラーゲン、VI型コラーゲン、VII型コラーゲン、XIII型コラーゲン、又はそれらの任意の組み合わせを含む。ポリマー前駆体は、限定されないが、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、及びケラタン硫酸などのプロテオグリカン、ヒアルロン酸、及びエラスチンなどの非プロテオグリカン多糖、フィブロネクチン、ラミニン、ニドゲン、又はそれらの任意の組み合わせを含む、細胞外マトリックス構成成分を含み得る。幾つかの例において、ポリマー前駆体は、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、アルギン酸塩、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリ酸化プロピレン、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、キトサン、フィブリン、フィブリノゲン、ポリ乳酸-ポリグリコール酸(PLGA)コポリマー、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ(フマル酸プロピレン)(PPF)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(β-アミノエステル)、ゼラチン、デキストラン、コンドロイチン硫酸、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。細胞培養培地の非限定的な例は、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、血清遊離細胞培養培地、RPMI 1640培地、最小必須培地(MEM)、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)、及びOpti-MEM(商標)I Reduced血清培地を含む。
【0193】
培地は複数のビーズを更に含み得る。場合によっては、3D生体物質の少なくとも一部は、形成されると、複数のビーズを含み得る。3D生体物質の少なくとも一部は、形成されると、複数の小球体及び/又は粒子を含み得る。ビーズ、小球体、及び/又は粒子は、約1ナノメートル~約200マイクロメートルに及ぶサイズであり得る。ビーズ、小球体、及び/又は粒子は化学的に不活性であり得る。ビーズ、小球体、及び/又は粒子は中空であり得る。ビーズ、小球体、及び/又は粒子は固形であり得る。ビーズ、小球体、及び/又は粒子は、コア及びシェルを含み得る。ビーズ、小球体、及び/又は粒子は、ポリマー性、磁気性、多孔性、金属性、蛍光性、染色性、ヒドロゲル、脂質、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。ビーズ、小球体、及び/又は粒子は、ラテックス、少なくとも1つのタイプの細胞外マトリックスタンパク質、細胞、薬物、生体高分子、脂質、生体適合性ポリマー、小分子又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。生体高分子の非限定的な例は、フィブリン、フィブリノゲン、キトサン、セルロース、デキストラン、キチン、ゼラチン、コラーゲン、グリコゲン、デンプン、及びリグニンを含む。生体適合性ポリマーの非限定的な例は、コラーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸、アルギン酸塩、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ酸化プロピレン、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、キトサン、フィブリン、ポリ乳-co-グリコール酸(PLGA)コポリマー、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0194】
ビーズはシグナル分子又はタンパク質を更に含む。シグナル分子又はタンパク質は、臓器機能を可能にするために3D生体物質の形成を促進し得る。ビーズ、小球体、及び/又は粒子は、タンパク質、核酸、及び/又は染料により官能化され得る。ビーズ、小球体、及び/又は粒子はストレプトアビジンで官能化され得る。ビーズ、小球体、及び/又は粒子の表面は、少なくとも1つのシグナル分子、抗体などのタンパク質、DNA及び/又はRNA分子などの核酸、ポリマー、小分子、及び/又は染料でコーティングされ得る。ビーズ、小球体、及び/又は粒子は、例えば、細胞、薬物、シグナル分子、タンパク質、核酸、小分子、染料、及び/又は、生体高分子などのポリマーなどの、ペイロード(payload)を封入し得る。生物分解性のビーズ、小球体、及び/又は粒子はペイロードの制御放出を備え得る。ビーズ、小球体、及び/又は粒子は中空であり得る。生物分解性のビーズ、小球体、及び/又は粒子は、制御された及び/又はカスタマイズ可能な分解率を有し得る。ビーズ、小球体、及び/又は粒子は非生物分解性であり得る。シグナル分子、タンパク質、核酸、及び/又は、ビーズ、小球体、及び/又は粒子に含まれる他のあらゆる物質は、臓器機能を可能にするために3D生体物質の形成を促進し得る。アゴニスト、アンタゴニスト、増殖、及び/又は細胞分化活性を持つ、抗体などのシグナル分子、小分子、及びタンパク質の非限定的な例は、形質転換増殖因子-β(TGF-β)、血管内皮増殖因子(VEGF)、FGF-1及びFGF-2などの繊維芽細胞成長因子(FGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、アンジオポエチン-1(Ang1)、Ang2、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)、δ様リガンド4(Dll4)、クラス3のセマフォリン、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、骨形態形成蛋白質4(BMP4)、形質転換増殖因子(TGF)、アクチビンA、レチン酸(RA)、上皮成長因子(EGF)、チアゾビビンを含む。
【0195】
次に、前記方法は、3D生体物質の少なくとも一部を形成するべく、コンピュータメモリーにおける3D生体物質を印刷するためのコンピュータ命令に従って3D投影へとパターン化される少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って、媒体チャンバにおける媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向ける工程を含み得る。3D生体物質の部分は、複数の細胞の少なくとも部分集合、及び1つ以上のポリマー前駆体から形成されたポリマーを含み得る。幾つかの実施形態において、3D生体物質の少なくとも一部は、複数の細胞に1つ以上の栄養素を提供するための微小血管系を含み得る。微小血管系は、血液微小血管系、リンパ性微小血管系、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。微小血管系は、約1マイクロメートル(μm)~約20μmの断面を有し得る。3D生体物質は、約100μm~約5センチメートル(cm)の厚み又は直径を有し得る。
【0196】
前記方法は、3D生体物質の少なくとも一部を形成するべく、ポリマー前駆体の少なくとも一部をさらすために、3D生体物質のコンピューターモデルのポイントクラウド表現又はラインベース表現に従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って、媒体チャンバにおける媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向ける工程を含み得る。前記方法は、3D生体物質の部分的な3D構造及び/又は完全な3D構造のコンピュータモデルに従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って、媒体チャンバにおける媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向ける工程を含み得る。
【0197】
前記方法は、3D生体物質の少なくとも他の部分を形成するべく1つ以上の追加のエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向ける工程を更に含み得る。前記方法は、媒体チャンバにおける媒体の多数の部分が3D生体物質の少なくとも一部を同時に形成することを可能にするために、コンピュータ命令に従って、少なくとも2つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける媒体に少なくとも2つのエネルギービームを向ける工程を更に含み得る。少なくとも2つのエネルギービームは同一波長であり得る。少なくとも2つのエネルギービームは異なる波長であり得る。
【0198】
幾つかの実施形態において、コンピュータ命令は、3D生体物質に相当する画像のセットを含み得る。コンピュータ命令は、少なくとも3D生体物質の形成中に時間に応じて少なくとも1つのエネルギービームの1つ以上のパラメータ、及び/又は3D生体物質が形成されるステージの位置の調節を指示し得る。
【0199】
3D生体物質の少なくとも他の部分は、少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向けることにより形成された3D生体物質に結合され得る。3D生体物質の少なくとも他の部分は、1つ以上の追加のエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける媒体に1つのエネルギービームを向けることにより形成された3D生体物質に結合され得る。3D生体物質の少なくとも他の部分は、少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向けることにより形成された3D生体物質に結合されない場合がある。3D生体物質の少なくとも他の部分は、1つ以上の追加のエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける媒体に1つのエネルギービームを向けることにより形成された3D生体物質に結合されない場合がある。
【0200】
エネルギービームは多光子レーザービーム(120)であり得る。少なくとも1つのエネルギービームはコヒーレント光を含み得る。少なくとも1つのエネルギービームは、レーザーにより生成され得る。少なくとも1つのエネルギービームは位相変調され得る。エネルギービームは、偏光され、及び/又は他のビームと再度組み合わせられ得る。代替手段として、エネルギービームは非コヒーレント光でもよい。少なくとも1つのエネルギービームは多光子エネルギービームでもよい。多光子エネルギービームは二光子エネルギービームであり得る。エネルギービーム源(例えばレーザー)は、例えば約300nm~約5mmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、例えば約350nm~約1800nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、例えば約1800nm~約5mmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約300nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約400nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約600nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約700nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約800nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約900nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約1000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約1200nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約1300nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約1400nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約1500nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約1600nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約1700nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約1800nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約1900nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約2000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約3000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約4000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。エネルギービーム(例えばレーザー)は、約5000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。
【0201】
次に、前記方法は、コンピュータメモリーにおける3D生体物質のコンピュータモデルのポイントクラウド表現又はラインベース表現を生成する工程を含み得る。前記方法は、媒体チャンバにおける媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向ける前にそのような表現を生成することができる。前記方法は、コンピュータ命令を生成するためにポイントクラウド表現又はラインベース表現を使用することができる。幾つかの実施形態において、ポイントクラウド表現又はラインベース表現は、3D生体物質に相当する多次元構造要素を含み得る。ポイントクラウド表現又はラインベース表現は、二次元の構造要素を含み得る。ポイントクラウド表現又はラインベース表現は、三次元の構造要素を含み得る。ポイントクラウド表現又はラインベース表現は、二次元及び三次元両方の要素を含み得る。構造要素は、組織機能及び/又は細胞分離に関連付けられる場合がある。構造要素は、血管、リンパ管、脈管構造、微小血管系、筋肉、靱帯、腱、骨基質、軟骨基質、結合組織マトリックス、細胞外マトリックス、神経網、スキャフォールド、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。構造要素は、膠原線維、細網繊維、弾性繊維、神経繊維、ポリマー繊維、チャネル、マイクロチャネル、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0202】
ポイントクラウド表現は、物体(即ち、原型)の外部表面を表わすx、y、及びz面×x、y、z座標によって定められたデータポイントのセットである。ポイントクラウド表現は、CADファイルを生成する3Dモデリングプログラム、又はあらゆる線画セットによっても生成され得る。幾つかの例(例えば、プラスチック又は金属部品の印刷)において、3Dスキャナが物体の3Dモデルを生成するために使用され得る。3Dスキャン技術の非限定的な例は、レーザー三角測量3Dスキャン、構造化した光3Dスキャン、写真測量法、接触に基づく3Dスキャン、及びレーザーパルス又は飛行時間の3Dスキャンを含む。レーザー三角測量3Dスキャン技術は、物体の表面上にレーザービームを投影する工程、及びセンサを介してレーザー光線の変形を測定する工程を含む。レーザー光線及び三角測量の変形に基づいて、レーザー三角測量システムは特定の偏差角を算出する。算出された偏差角は、物体からスキャナまでの距離に直接リンクされる。レーザー三角測量3Dスキャナが十分な距離を集めると、物体の表面をマッピングして3Dスキャンを作成することができる。構造化した光3Dスキャン技術は、物体の表面の3Dスキャンを生成するために物体の表面上の光パターンの変形を測定する。構造化した光3Dスキャンは、三角測量も使用するが、レーザービームの投影の代わりに一連の線形パターンの投影に依存する。構造化した光3Dスキャンシステムはその後、パターンにおける各線の縁を検査し、スキャナから物体の表面までの距離を算出することができる。写真術から3Dスキャンとも呼ばれる写真測量法は、計算幾何学アルゴリズムを使用して、2D画像で捕捉された物体を3Dで再構築する。写真測量法の原理は、異なる観点から得られた静的な物体の様々な写真を分析し、且つ、同じ物理的な点に相当するピクセルを自動的に検出することである。ユーザーから要求されるデータ入力は、焦点距離及びレンズ歪みなどの、カメラのパラメータである。その後、計算幾何学アルゴリズムは、座標間の距離を算出し、物体の3D画像再構成を出力する。接触に基づく3Dスキャン又はデジタル化は、探針の変形によって測定される、物体の表面上の様々な点のサンプリングに依存し得る。接触3Dスキャナは、物理的タッチを介して物体を探索し、その間に物体は適所に堅く保持されている。タッチされている探針は、3D情報を記録するために物体の表面上を移動する。プローブは時折、更なる精度のためにその各構成及び角度を全て集めることができる多関節アームに付けられている。レーザーパルスに基づく3Dスキャン、又は飛行時間3Dスキャンは、レーザービームの飛行時間に基づき得る。レーザーパルスに基づく3Dスキャンにおいて、レーザービームは表面上に投影され、センサによって集められる。放射と受理との間のレーザービームの移動時間は、物体の表面の幾何学的な情報を提供する。
【0203】
本開示の方法及びシステムは、少なくとも1つ以上のアルゴリズムによって実施することができる。アルゴリズムは、中央処理装置(1105)による実行の後にソフトウェアによって実施することができる。アルゴリズムは、例えば、コンピュータモデルに基づいて、ホログラム又はホログラフィック画像を作成することができる。アルゴリズムは部分的なホログラムを作成することができる。光のパルス成形は、後に一、二、及び/又は三次元で画像を再作成するために投影され得る構造要素の二元性のホログラフィック画像を作成するために、Gerchberg-Saxtonアルゴリズム又は重み付けGerchberg-Saxtonアルゴリズムを適用することにより、1つ以上のSLMにわたって達成され得る。波面成形に有用な他のアルゴリズムは、限定されないが、Lohmann、LohmannのIII型、及び混合領域振幅自由(mixed-region amplitude freedom)(MRAF)アルゴリズムを含む。画像の追加の前処理及び後処理は、異なるタイプの所望の構造印刷、入射光パルスに対する異なる印刷媒体応答、光学システム又は細胞の生存率の任意の制限或いは投影システムの変化を適合するために行われ得る。データ処理におけるこのような変化は、限定されないが、フーリエ変換、ピクセル除去を結果としてもたらす選択的なマスク、及び/又は3Dホログラムを生成するために異なる面で同時に印刷するためのホログラムのオーバーレイを含み得る。加えて、これらのプロセスは、ホログラフィックデータの追加のスライシング又は再分布を必要とし得る。
【0204】
3D生体物質のコンピュータモデルのラインベース表現は、ライン、頂点、縁、表面、ドットの収集、或いは、様々なサイズの連結されたドット及び/又は3D生体物質の形状を画定する面の収集として、定められ得る。この面は、三角形(三角形メッシュ)、四辺形、凸状の多角形、凹状の多角形、及び/又は穴を持つ多角形を含み得る。コンピュータメモリーにおける3D生体物質のコンピュータモデルのラインベース表現の非限定的な例は、3D線画法、2D線画法、多角形メッシュ、及び自由形式サーフェースモデルを含み得る。多角形メッシュは、3Dコンピュータモデリングで物体の形状を画定する、頂点、縁、及び面の収集である。自由形式サーフェースモデルは、3D物体の表面を記載する。自由形式サーフェースモデルは、後に表面の形状を画定する極又は制御点を介した表面の操作を通じて、及びそれによって3D表面がスイープされる曲線の構築によって、作成され得る。
【0205】
3D生体物質のコンピュータモデルのポイントクラウド表現又はラインベース表現の生成後、前記方法は、ポイントクラウド表現又はラインベース表現を画像に変換する工程を更に含む。画像はホログラム又はホログラフィック画像であり得る。画像は部分的なホログラムであり得る。画像はホログラフィック様式で投影され得る。画像は部分的なホログラムとして投影され得る。画像はホログラフィック様式での投影前に分解され且つ再構成され得る。
【0206】
前記方法は、3D生体物質の少なくとも他の部分を形成するために、1つ以上の追加のエネルギービーム経路に沿って、少なくとも2つの異なるタイプの細胞を含む複数の細胞と1つ以上のポリマー前駆体とを含む媒体を含むまた他の媒体チャンバを提供する工程を更に含む。3D生体物質の他の部分は、形成された第1の3D生体物質に結合され得る。3D生体物質の他の部分は、形成された第1の3D生体物質に化学的に架橋され得る。3D生体物質の他の部分は、形成された第1の3D生体物質に機械連結され得る。機械的なカップリングの非限定的な例は、ジョイント、ヒンジ、ロックジョイント及びヒンジ、Velcro様の要素、スプリング、コイル、伸張の点、インターロッキングループ、ソケット、ギヤ、ラチェット、ネジ、及びチェーンリンクを含む。3D生体物質の他の部分は、形成された第1の3D生体物質に凝集的に結合され得る。3D生体物質の他の部分は、3Dホログラフィック印刷を使用して構造の印刷及び動的な堆積を介して第1の3D生体物質、細胞、細胞によって堆積された細胞外マトリックス、及び/又は他の非生物学的な手法によって形成された既存の構造に結合され得る。3D生体物質の別の部分は、形成された第1の3D生体物質に重合され得る。3D生体物質の別の部分は、形成された第1の3D生体物質に結合されない場合がある。
【0207】
前記方法は、他の組織との3D生体物質の直接結合を含み、この結合はコンピューターモデルに従う場合がある。前記方法は、3D印刷物を既に印刷された構造と直接結合するか、統合するか、接着するか、溶接する工程を含み、この結合はコンピュータモデルに従う。場合によっては、前記方法は3D生体物質の他の組織との結合を提供することができ、これは、化学的架橋、機械的結合、及び/又は凝集的カップリングを含み得る。
【0208】
前記方法は、媒体チャンバにおける媒体の多数の部分が3D生体物質の少なくとも一部を同時に形成することを可能にするために、3D生体物質のコンピュータモデルに従って、少なくとも2つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける媒体に少なくとも2つのエネルギービームを向ける工程を更に含み得る。少なくとも2つのエネルギービームは同一波長であり得る。2つのエネルギービームは異なる波長であり得る。
【0209】
3D生体物質の一部は、複数の細胞に1つ以上の栄養素を提供するための微小血管系を含み得る。微小血管系は、血液微小血管系、リンパ性微小血管系、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。微小血管系は、例えば約1μm~約20μmの断面を有し得る。断面は、例えば約1μm~約10μmであり得る。3D生体物質は、例えば約100μm~約5センチメートル(cm)の厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約200μm~約3cmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約300μm~約1cmの厚み又は直径を有し得る。
【0210】
3D生体物質は、例えば約0.1μm~約10cmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約5cmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約4cmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約3cmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約2cmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約1cmの厚み又は直径を有し得る。
【0211】
3D生体物質は、例えば約0.1μm~約9mmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約8mmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約7mmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約6mmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約5mmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約4mmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約3mmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約2mmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約1mmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約0.5mmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約0.1mmの厚み又は直径を有し得る。
【0212】
3D生体物質は、例えば約0.1μm~約90μmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約80μmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約70μmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約60μmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約50μmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約40μmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約30μmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約20μmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約10μmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約5μmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約4μmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約3μmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約2μmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約1μmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約0.75μmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約0.5μmの厚み又は直径を有し得る。3D生体物質は、例えば約0.1μm~約0.25μmの厚み又は直径を有し得る。
【0213】
3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約700時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約600時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約500時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約400時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約350時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約300時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約250時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約200時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約150時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約100時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約72時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約48時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約36時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約24時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約12時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約6時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約3時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約2時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約1時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、例えば少なくとも約0.01時間~約0.5時間の期間で印刷され得る。
【0214】
3D生体物質(又は物体)は、最大約350時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、最大約300時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、最大約250時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、最大約200時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、最大約150時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、最大約100時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、最大約72時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、最大約48時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、最大約36時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、最大約24時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、最大約12時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、最大約6時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、最大約2時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、最大約1時間の期間で印刷され得る。
【0215】
3D生体物質の少なくとも一部は、細胞含有スキャフォールドを含み得る。細胞含有スキャフォールドは、複数の細胞の少なくとも部分集合を含み得る。3D生体物質は、複数の細胞の少なくとも部分集合を含む、細胞含有スキャフォールドを含み得る。幾つかの実施形態において、3D生体物質は、形成されると、複数の細胞含有スキャフォールドを含み得る。3D生体物質は細胞含有スキャフォールドを含み得る。複数の細胞含有スキャフォールドは一体となって結合され得る。細胞含有スキャフォールドは、凝集的に又は機械的に結合され得る。細胞含有スキャフォールドは、空、多孔性、及び/又は中空であり得る。細胞含有スキャフォールドは、支持構造、集合管、又は血管要素の完全な要素又は部分として機能し得る。複数の細胞含有スキャフォールドは凝集的に一体となって結合され得る。複数の細胞含有スキャフォールドは機械的に一体となって結合され得る。幾つかの実施形態において、複数の細胞含有スキャフォールドは、ジョイント、ヒンジ、ロックジョイント及びヒンジ、Velcro様の要素、スプリング、コイル、伸張の点、インターロッキングループ、ソケット、ギヤ、ラチェット、ネジ、及びチェーンリンクから成る群から選択された1つ以上の部材を介して機械的に一体となって結合され得る。
【0216】
細胞含有スキャフォールドはネットワークを含み得る。ネットワークは複数の鎖を含み得る。複数の鎖はメッシュ構造を形成し得る。複数の鎖は格子構造を形成し得る。複数の鎖はシート構造を形成し得る。複数の鎖はチューブ構造を形成し得る。複数の鎖は孔ネットワークを形成し得る。複数の鎖は円柱状構造を形成し得る。複数の鎖は長方形構造を形成し得る。複数の鎖は正方形構造を形成し得る。複数の鎖は断層又は階層構造を形成し得る。複数の鎖は格子構造を形成し得る。複数の鎖は多孔構造を形成し得る。複数の鎖は網状構造を形成し得る。複数の鎖は相互連結構造を形成し得る。複数の鎖はチャネル状構造(channeled structure)を形成し得る。複数の鎖は六角形構造を形成し得る。複数の鎖はケージ状構造を形成し得る。複数の鎖は球体を形成し得る。複数の鎖は多角形を形成し得る。
【0217】
複数の鎖の個々の鎖は、約0.1ナノメートル(nm)~約5cmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約10cmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約5cmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約4cmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約3cmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約2cmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約1cmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約0.5cmの厚みを有し得る。
【0218】
複数の鎖は、例えば約0.1nm~約1000μmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約900μmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約800μmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約700μmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約600μmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約500μmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約400μmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約300μmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約200μmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約100μmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約50μmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約25μmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約10μmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約1μmの厚みを有し得る。
【0219】
複数の鎖は、例えば約0.1nm~約900nmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約800nmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約700nmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約600nmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約500nmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約400nmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約300nmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約200nmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約100nmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約50nmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約25nmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約10nmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約1nmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約0.5nmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1nm~約0.25nmの厚みを有し得る。
【0220】
複数の鎖は、例えば約0.1nm~約800μmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約0.1μm~約1μmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約1μm~約100μmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約1ミリメートル(mm)~約100mmの厚みを有し得る。複数の鎖は、例えば約1cm~約5cmの厚みを有し得る。
【0221】
前記方法は、3D生体物質の少なくとも一部の中に形成され得る、3D生体物質の少なくとも他の部分を含み得る。
【0222】
前記方法は、媒体チャンバにおける媒体に少なくとも1つのエネルギービームを最初に向けた後、最初に形成される3D生体物質の部分内に3D生体物質の他の部分を形成する工程を含み得る。前記方法は、以前に印刷された3D物体の内部で3D物体を印刷する工程を含み得る。前記方法は、以前に印刷された3D物体の内部で3D生体物質を印刷する工程を含み得る。以前に印刷された構造は、ポリマー材料、金属、金属合金、複合材料、又はそれらの任意の組み合わせから形成され得る3D物体であり得る。3D物体は、場合によっては生体物質(例えば1つ以上の細胞又は細胞構成成分)を含む、高分子材料から形成され得る。以前に印刷された3D物体の内部で3D物体を印刷する工程は、x、y、及びz面において正確な精密印刷及びエネルギービーム励起によって可能であり得る。
【0223】
前記方法は、近赤外線スペクトルでの波長を持つ少なくとも1つのエネルギービームの使用により、以前に印刷された3D構造の内部で3D物体を印刷する工程を含み得る。近赤外線波長は組織及び構造に浸透することができる。前記方法は、3D物体に対応する3D投影により3D投影が以前に印刷された3D物体に浸透するのを可能にすると、近赤外線スペクトルでの波長を持つ少なくとも1つのエネルギービームを媒体に向ける工程を含み得る。前記方法は、3D生体物質に対応する投影により3D投影が以前に印刷された3D生体物質に浸透するのを可能にすると、近赤外線スペクトルでの波長を持つ少なくとも1つのエネルギービームを媒体に向ける工程を含み得る。3D投影はホログラムであり得る。3D投影は部分的なホログラムであり得る。近赤外線スペクトルでの波長を持つエネルギービームは、最小又はゼロの散乱を有し得る。3D投影を媒体に向けると、近赤外線スペクトルでの波長を持つエネルギービームは、組織又は以前に印刷された3D物体、構造、及び/又は生体物質の内部でホログラムとして合着することができる。
【0224】
近赤外線スペクトルは、約650ナノメートル(nm)~1ミリメートル(mm)まで変動することができる。近赤外線スペクトル内で、近赤外線(NIR)ウィンドウ(即ち、光学窓又は治療濃度域)は、光が組織における浸透の最大深度を有する、例えば約650~1350nmの波長の範囲を定める。更に、遠赤外線スペクトルは約710nm~約850nmまで変動することができる。本明細書に開示される方法に使用されるエネルギービームは、NIR光スペクトルでの波長を持つNIRエネルギービームであり得る。本明細書に開示される方法に使用されるエネルギービームは、NIRウィンドウ光スペクトルでの波長を持つNIRエネルギービームであり得る。本明細書に開示される方法に使用されるエネルギービームは、遠赤外線スペクトルでの波長を持つNIRエネルギービームであり得る。
【0225】
NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約650nm~約1mmに及ぶ波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約710nm~約850nm以上に及ぶ波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約650nm~約1350nm以上に及ぶ波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約650nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約700nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約710nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約750nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約800nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約850nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約900nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約950nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約1000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約1200nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約1300nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約1350nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約1500nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約2000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約2500nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約3000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約3500nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約4000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。NIRエネルギービーム(例えばレーザー)は、約5000nmの波長を持つエネルギー(例えばレーザービーム)を提供し得る。
【0226】
NIR光スペクトルでの波長を持つエネルギービームは、3D生体物質のポイントクラウド表現、ラインベース表現、部分的な3D構造、完全な3D構造、又は3D投影(即ち、ホログラム又は部分的なホログラム)に従って、少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける媒体に向けられ得る。幾つかの例において、部分的又は完全な3D構造は、媒体へと同時に投影される。NIR光スペクトルでの波長を持つエネルギービームは、媒体チャンバ内の以前に形成された構造に浸透することができる。NIR光スペクトルでの波長を持つエネルギービームは、媒体チャンバ内の以前に形成された細胞含有スキャフォールドに浸透することができる。NIR光スペクトルでの波長を持つエネルギービームは、媒体チャンバ内の以前に形成された3D生体物質に浸透することができる。媒体チャンバにおける媒体に向けられるNIR光スペクトルでの波長を持つエネルギービームは、3D生体物質の少なくとも以前に形成された部分内の3D生体物質の少なくとも一部を形成するために、ポリマー前駆体の少なくとも一部をさらすことができる。媒体チャンバにおける媒体に向けられるNIR光スペクトルでの波長を持つエネルギービームは、3D物体の少なくとも以前に形成された部分内の3D物体の少なくとも一部を形成するために、ポリマー前駆体の少なくとも一部をさらすことができる。本明細書で提供される方法に使用されるエネルギービームの特定のNIR波長は、3D生体物質の3D投影(即ち、ホログラム又は部分的なホログラム)に従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って以前に形成された構造に浸透させることによって、以前に形成された構造内の3D生体物質の印刷を可能とすることができる。
【0227】
別の態様において、本開示は、三次元(3D)生体物質を印刷するための追加の方法を提供する。前記方法は、コンピュータメモリーにおける3D生体物質のコンピュータモデルを受信する工程を含み得る。
【0228】
次に、前記方法は、コンピュータメモリーにおける3D生体物質のコンピュータモデルのポイントクラウド表現又はラインベース表現を生成する工程を含み得る。
【0229】
次に、前記方法は、第1の複数の細胞及び第1のポリマー前駆体を含む第1の媒体を含む、媒体チャンバを提供することができる。第1の媒体は、グルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。
【0230】
次に、前記方法は、3D生体物質の第1の部分を形成するべく媒体チャンバにおける第1の媒体の少なくとも一部をさらすために、コンピュータメモリーにおける3D生体物質を印刷するためのコンピュータ命令に従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける第1の媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向ける工程を含み得る。
【0231】
次に、前記方法は、媒体チャンバにおける第2の媒体を提供する工程であって、第2の媒体は第2の複数の細胞及び第2のポリマー前駆体を含み、第2の複数の細胞は第1の複数の細胞とは異なるタイプである、工程を含み得る。第2の媒体は、グルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。
【0232】
次に、前記方法は、3D生体物質の少なくとも第2の部分を形成するべく媒体チャンバにおける第2の媒体の少なくとも一部をさらすために、コンピュータ命令に従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける第2の媒体に少なくとも1つのエネルギービームを向ける工程を含み得る。
【0233】
前記方法は、媒体チャンバにおける3D生体物質の第1の部分を残すために媒体チャンバから第1の媒体の残りを取り除く工程を更に含み得る。幾つかの実施形態において、媒体チャンバに残される3D生体物質の第1の部分は、媒体チャンバに取り外し可能に固定され得る。
【0234】
前記方法は、コンピュータメモリーにおける3D生体物質のポイントクラウド表現又はラインベース表現を生成する工程を更に含み得る。前記方法は、コンピュータ命令を生成するためにポイントクラウド表現又はラインベース表現を更に使用し得る。前記方法は、生体構造が一次元で投影されるように、前記ポイントクラウド表現又はラインベース表現を、入射コヒーレント光源を空間的に調節するために使用される画像又は画像セットへと変換する工程を更に含み得る。前記方法は、生体構造が二次元で投影されるように、前記ポイントクラウド表現又はラインベース表現を、入射コヒーレント光源を空間的に調節するために使用される画像又は画像セットへと変換する工程を更に含み得る。前記方法は、生体構造が三次元で投影されるように、前記ポイントクラウド表現又はラインベース表現を、入射コヒーレント光源を空間的に調節するために使用される画像又は画像セットへと変換する工程を更に含み得る。前記方法は、生体構造が一次元、二次元、及び/又は三次元の構造の組み合わせで投影されるように、前記ポイントクラウド表現又はラインベース表現を、少なくとも1つの入射コヒーレント光源を空間的に調節するために使用される画像又は画像セットへと変換する工程を更に含み得る。前記方法における画像又は画像セットはホログラフィック様式で投影され得る。画像又は画像セットは、ホログラフィック様式での投影前に部分要素又は代表的構造へと分解され且つ再構成され得る。幾つかの実施形態において、ポイントクラウド表現又はラインベース表現は、3D生体物質に相当する多次元構造要素を含み得る。ポイントクラウド表現又はラインベース表現は、二次元の構造要素を含み得る。構造要素は、組織機能及び/又は細胞分離に関連付けられる場合がある。ポイントクラウド表現又はラインベース表現は三次元で構造要素を含み、前記構造要素は組織機能及び/又は細胞分離に関連付けられ得る。
【0235】
少なくとも1つのエネルギービームはコヒーレント光を含み得る。少なくとも1つのエネルギービームは、レーザーにより生成され得る。少なくとも1つのエネルギービームは位相変調され得る。少なくとも1つのエネルギービームは、サンプル媒体全体にわたって位相変調され且つラスタースキャンされ得る。3D生体物質の少なくとも一部は、複数の細胞に1つ以上の栄養素を提供するための微小血管系を含み得る。培地は複数のビーズを更に含み得る。3D生体物質の少なくとも一部は、形成されると、複数のビーズを含み得る。3D生体物質は、最大約350時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、最大約72時間の期間で印刷され得る。3D生体物質は、最大約12時間の期間で印刷され得る。前記方法は、3D生体物質の第1の部分及び/又は第2の部分内に形成され得る3D生体物質の少なくとも他の部分を含み得る。
【0236】
数例を挙げると、血管、リンパ性脈管構造、間質細胞ネットワーク、細胞ニッチ、又は細胞の弾性構造を含む厚く複雑な組織層などの、様々な組織構造が、急速な多光子印刷システム(100)により生成することができる。多くの場合、コンピュータ生成された三次元モデルからの三次元投影は、天然組織の正確な複製を可能にする天然組織構造のスキャン又はマップから作成され得る。そのような組織は、様々な異なる細胞型で構成され、その各々が、特定構造を生成する又は特定機能を提供するように特定様式で組織化し得る。例えば、動脈及び静脈などの血管は、内皮細胞、基底板(細胞外マトリックスの層)、結合組織、及び平滑筋細胞の層で構成され得る。組織含有血管も、血管を取り囲む組織を形成する細胞を含み得る。例えば、肝臓組織は肝細胞も含み得る。肝細胞は、肝臓において同様の機能ユニットへと分類され、同様の外観を持つが、位置に応じて異なる遺伝子を発現することができる。この区画化は、肝臓が異なる位置で肝臓の多面的機能を実行することを可能にし得る。全ての細胞は、タンパク質の酸化、活性酸素種の解毒化、及び胆汁産生に関与しない場合がある。これらのタスクは、肝臓における位置に応じて肝細胞の異なる群に与えられ得る。(総体的に非実質細胞と呼ばれる)肝臓における細胞の静止は、大規模な数の肝細胞間の区画に見出すことができる。故に、肝臓組織の印刷時、血管の形成に関連する細胞型は、これらの細胞の血管への組織化を促進及び支持するように適切に配置され;及び、肝細胞及び非実質細胞は同様に、所望の最終結果組織を形成するために適切に配置され得る。そのような構成は、三次元での一時的な細胞組織化のための組織内のネット及び他の構造の層の印刷により達成され得る。大半の臓器の構造は、複数の細胞型が機能ユニットとして層状にされる及び分類されることを必要とし、ここで一部の細胞は上述のようなこれらユニットの機能を支持し、幾つかは実際の機能要素である。臓器は、全体臓器を含むこれら機能ユニット内の細胞の健康を維持するために導管化され得る。免疫系機能の場合、リンパ節の高度に組織化された構造は、細胞が感染因子に適切に応答する能力を促進し得る。適切に感染症に応答するために、多数の細胞型は、免疫応答を引き起こしている病原体又は薬剤のまわりでの細胞表面接触を介して情報を交換するべく互いに接触状態にあってもよい。これら接触は、細胞シグナル分子の放出によって編成することができ、且つパターン及び接触タイミングを有し得る。細胞が散在する又は組織内の正常領域に存在しない、細胞間相互作用の崩壊又はリンパ組織の分裂は、免疫系が抗体に対して選択されたものに適切に応答する又は高度に発達させることができないことを原因とする、或いはそれに関連付けられ得る。それ故、移植又は薬物開発のためのこのような組織の再構築は、細胞を育て且つ支持する微小血管系の配置だけでなく、感染因子への応答中にリンパ節に必要とされるような組織機能を実行するのに必要なシグナルに相互作用し且つそれを産生するために細胞が組織化され得るような細胞自体の配置から、利益を得ることができる。
【0237】
一態様において、本開示は、三次元(3D)物体を印刷するための方法を提供する。前記方法は、3D物体を生成するために1つ以上の前駆体を含む媒体へと少なくとも1つのエネルギービームを向ける工程を含み得る。3D物体は、1つ以上の前駆体から形成された物質を含み得る。1つ以上の前駆体はポリマー前駆体であり得る。1つ以上の前駆体は1つ以上の金属を含み得る。1つ以上の前駆体はガラス又は砂の前駆体を含み得る。1つ以上の前駆体は粉末であり得る。物質はポリマー材料であり得る。物質は少なくとも1つの金属を含み得る。物質はガラス又は砂(例えば生砂)を含み得る。物質は、ポリマー前駆体、金属前駆体、及び/又はガラス前駆体の混合物を含み得る。例えば、物質は、アルミド(alumide)(即ち、ポリアミドとアルミニウムの混合物)、ポリアミドとガラスの混合物、及び/又はナイロンとガラスの混合物であり得る。ポリマー材料は粉末であり得る。ポリマー材料は製造粉末ベッドに含有され得る。ポリマー材料の非限定的な例は、ナイロン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、及びポリオキソメチレンを含み得る。ナイロン物質は、ガラス充填ナイロン、繊維充填ナイロン、又は永続性のナイロンであり得る。ポリアミドは難燃性のポリアミドであり得る。金属の非限定的な例は、鋼、チタン、金属合金混合物、及びアルミニウムを含み得る。金属合金混合物は、ニッケルクロム及びコバルトクロムの合金を含み得る。
【0238】
次に、少なくとも1つのエネルギービームは3D投影として媒体に向けられ得る。3D投影は3D物体に相当し得る。3D投影はホログラムであり得る。3D投影は部分的なホログラムであり得る。3D投影はホログラフィック画像であり得る。ホログラム又はホログラフィック画像は、一次元、二次元、及び/又は三次元画像であり得る。前記方法は、コンピュータメモリーにおける3D物体のコンピュータモデルを受信する工程を含み得る。コンピュータモデルはコンピュータ利用設計(CAD)モデルでもよい。CADモデルは、3Dワイヤーフレーム、パラメトリックモデル及び直接的又は明示的なモデルなどの3Dソリッドモデル、及び/又は自由形式サーフェースモデルであり得る。CADモデルは、物理的な原型が、3Dスキャナ、コンピュータトモグラフィー(CT)スキャニング装置、構造化した光3Dスキャナ、調節された光3Dスキャナ、レーザースキャナ、顕微鏡、又は磁気共鳴撮像(MRI)デバイスなどのデバイスを使用してスキャンされ及び/又は画像化された後、コンピュータによって生成され得る。場合によっては、原型画像又はスキャンは、原型画像又はスキャンをサーフェースモデル、メッシュモデル、又は体積モデルへと変換するアルゴリズムの使用により、CADモデルに変換される。前記方法は、3D物体の部分的な3D構造及び/又は完全な3D構造を含むコンピュータモデルを受け取る工程を含み得る。3D生体物質の印刷のために使用される、本明細書に開示されるシステムは、3D物体の印刷のために使用されるシステムと同じであり得る。
【0239】
媒体は細胞又は細胞構成要素を含み得る。細胞構成要素は、限定されないが、ミトコンドリア、母核、リボソーム、小胞、ゴルジ体、細胞骨格構成成分、滑面小胞体、液胞、及び葉緑体などの細胞小器官;リン脂質;及び細胞膜を含み得る。
【0240】
一態様において、本開示は、三次元(3D)生体物質を印刷するための方法を提供する。前記方法は、第1の媒体を含む媒体チャンバへ少なくとも第1のエネルギービームを向ける工程を含み得る。第1の媒体は、3D生体物質の第1の部分を生成するために第1の複数の細胞及び第1のポリマー前駆体を含み得る。前記方法は、第2の媒体を含む媒体チャンバへ少なくとも第2のエネルギービームを向ける工程を含み得る。第2の媒体は、3D生体物質の第2の部分を生成するために第2の複数の細胞及び第2のポリマー前駆体を含み得る。3D生体物質の第2の部分は、3D生体物質の第1の部分に隣接し得る。
【0241】
少なくとも第1のエネルギービーム及び少なくとも第2のエネルギービームは、同じエネルギー源に由来し得る。少なくとも第1のエネルギービーム及び少なくとも第2のエネルギービームは、レーザービームであり得る。第1の複数の細胞及び第2の複数の細胞の細胞は、異なるタイプであり得る。第1の複数の細胞及び第2の複数の細胞の細胞は、同じタイプであり得る。第1のポリマー前駆体及び第2のポリマー前駆体は異なり得る。第1のポリマー前駆体及び第2のポリマー前駆体は同じであり得る。
【0242】
ネットの作成
ネットは、細胞中に所望のネット構造(500)を作るようなパターン及び様式で重合化可能な物質を重合することにより、媒体(126)内に作成され得る。
図11は、重合化可能な物質から形成されたネット構造(500)の一例を例示する。この例において、ネット構造(500)はネット鎖(502)から形成される格子形状を有し得る。ネット鎖(502)は、例えば少なくとも約0.0001マイクロメートル~約100マイクロメートルの厚みを有し得る。
図12Aは、厚みがおよそ0.1マイクロメートルである鎖(502)で構成されたネット構造(500)を例示し、
図12Bは、厚みが少なくとも約5マイクロメートルである鎖(502)で構成されたネット構造(500)を例示する。異なるサイズの鎖は、異なるメッシュネット構造に関連付けられる弾性、強度、又は圧縮力の差異が生じるように、細胞間の伝達を促進するべく異なるサイズ及び密度のメッシュネットワークを作成し、細胞移動が促進又は妨げられるのを可能にし、或いは組織特性を支持するために使用され得る。
図11に示されるように、場合によっては、ネット構造(500)は、特定の細胞(506)が通過するのを可能にし且つ他の細胞の通過を制限するようにサイズ調整された、開口部(504)を有し得る。場合によっては、開口部(504)は、例えば少なくとも約3マイクロメートルから約100マイクロメートルのサイズにおよぶ場合がある。
図11は、全体にわたり少なくとも約4マイクロメートルのサイズ(例えば、約4マイクロメートル~約100マイクロメートル)である任意の細胞(506)の通路を妨げるようにサイズ調整され及び構成された開口部(504)を持つ、ネット構造(500)を例示する。これは、ネット構造(500)が生成されると、一時的にネット構造(500)内の細胞(506)を捕捉し得る。ネット構造は、円形、六角形、八角形、又は正方形などの任意の幾何学的形状の様々な開口部(504)を有し得ることが、認識できる。
【0243】
場合によっては、これら細胞のサイズに特異的なネットは、特定のタイプの円形細胞を単離するように設計され得る。細胞の円形化は、環境に対する化学変化又は温度の変化によって引き起こされ、これらの組み合わせが印刷プロセス中に使用され得る。特定の生理学的条件での円形細胞は、移動も徐行もしないが、適所で浮遊され得る。
図13は、ネット構造(500)内で一時的に捕捉された円形細胞(506)を例示する。この例では、媒体(126)中に浮遊されると、開口部(504)は細胞型の円形直径よりも小さいが、細胞核の推定された直径よりも大きい場合がある。幾つかの例において、開口部(504)は、細胞核と同じサイズ、或いはその約1マイクロメートル未満であり得る。これらのサイズは特定の細胞(506)の一時的な制限を作成するために選択され得る。細胞は、細胞核よりも大きい開口部を通過できるが、より小さい開口部によって制限され得る。本実施形態において、ネット(500)は、ネット(500)によって捕捉されるように細胞(506)を円形化する条件下で印刷され得る。一旦、印刷物が生理的条件に戻ると、
図14に例示されるように、細胞(506)はこれ以上円形ではなく、開口部(504)を通って徐行且つ移動することができる。
図14は、細胞(506)が開口部(504)を通って移動し、生理学的条件下で結合して細胞間接触、再整理、及び自然増殖を可能にしつつ、総体の構造的な構成及び支持を維持するように、互いに近く配置された第1のネット構造(500a)及び第2のネット構造(500b)を示す。共に、第1のネット構造(500a)及び第2のネット構造(500b)によって作成された細胞層及びニッチは、培養物中の三次元組織の発達中に細胞間接触及び動作を促進するように設計された細胞含有要素の上述の構造を形成することができる。
【0244】
その後、第1のネット構造(500a)及び第2のネット構造(500b)は、組織発達の最終段階によって配置され、再吸収され、分解され、或いは、損失され得る。幾つかの例において、第1のネット構造(500a)及び第2のネット構造(500b)は、マトリックスメタロプロテイナーゼを発現する細胞による酵素消化、又は他の方法によって損失され得る。
【0245】
ネット特徴
ネットは、様々なタイプの組織及び組織構造の作成を補助するために様々な特徴を含み得る。そのような特徴は、限定されないが、厚み、密度、並びに、ネット構造(500)内の細胞の移動及び/又はネット(500)の全体形状に影響を及ぼす構造的設計の変動を含み得る。付加的な特徴は、限定されないが、自身又は他のネットへのネットの結合部分などの全体的なネット(500)を形成するのを補助するための、及び最終組織構造の形成に更に影響を及ぼすための機械要素を含み得る。これら及び他のネット特徴が本明細書に記載される。
【0246】
場合によっては、ネットは、強度を変更すること、曝露を延ばすこと、或いは、媒体(126)内の様々な部位にて投影された多光子レーザービーム(120)の曝露を繰り返すことにより、様々な構造的特徴で作成され得る。幾つかの例において、媒体(126)中の特定の臨界点での強度変化又は長期被曝は、堆積された細胞の密度に影響を及ぼし得る構造において特徴を作成し得る。これは、組織構築に使用可能なこれらの点において機械的な差異をもたらすことができる。
図15A-15Cは、ネット構造(500)内のそのような構造的特徴の領域を作成する方法を例示する。
図15Aは、多光子組織印刷の印刷ヘッド(118)のオプティックスから媒体(126)へ多光子レーザービーム(120)を投影することによるネット構造(500)の生成を示す。
図15Bは、ネット構造(500)内の特定の座標(520)を標的とするレーザービームからの多光子レーザービーム(120’)の第2の投影を例示する。本実施形態において、特定の座標(520)は、ネット構造(500)のネット鎖(502)の予め決められた交点と一致し得る。第2の投影(120’)は、第1の投影(150)から同じ又は異なる波長であり得る。多光子レーザービーム(120’)のこの第2の投影は、特定の座標(520)でのネット物質の密度を増大することができる。
図15Cは、ネット鎖(502)の予め決められた交点にて補強の様々な点を持つ最終のネット構造(500)を例示する。
【0247】
図16A-16Cは、ネット構造(500)内のそのような構造的特徴の領域を作成する別の方法を例示する。
図16Aは、多光子組織印刷の印刷ヘッド(118)のオプティックスから媒体(126)へ多光子レーザービーム(120)を投影することによるネット構造(500)の生成を示す。
図16Bは、ネット構造(500)内の特定の座標(520)を標的とする多光子レーザービームの第2の投影(120’)を例示する。本実施形態において、特定の座標は、ジグザグ形状を持つ構造的特徴(530)を一体的に形成する様々なネット鎖と一致し得る。多光子レーザービーム(120’)の第2の投影は、多光子レーザービーム(120)の第1の投影と同じ又は異なる波長であり得る。多光子レーザービーム(120’)のこの第2の投影は、特定の座標(520)でのネット物質の密度を増大することができる。
図16Cは、補強されたジグザグ形状の構造的特徴(530)を持つ最終ネット構造(500)を例示する。線形の毛細管の平行な管の支持及び補強と同様に、多くの管には支持され得る分岐がある。組織及び細胞ネットに対する補強のジグザグ形状は、一例において、印刷された組織における分岐毛細管構造を支持するために平行な印刷補強部において使用され得る。別の実施形態において、ジグザグ形状の層は、垂直の圧縮力及び平行な剪断力に応じて構造的な支持を提供することができる。
【0248】
細胞ネット内の高密度の線又は領域を備えることで、細胞が特定のガイドラインに沿って組織を変形させることが可能になる。そのような構造的使用の1つの実証は、血管を形成することを意味する、血管上皮細胞のまわりの組織を形成するための線維芽細胞の組織化であり得る。線維芽細胞の単純なシートは結果として、毛細管の管構造を支持せず、故に印刷された毛細管構造の機能及び構造を損なう変形をもたらし得る。代わりに、平行な線補強部などのより厚いネット領域は、
図16Dに例示されるように、血管内皮細胞の管などの所望の組織構造を支持する様式で構造的な変形を誘導することができる。
【0249】
幾つかの実施形態において、ネット構造(500)に沿った厚みの増大した領域は、高圧の相互作用で結合するべく細胞に影響を及ぼすために使用される。そのような相互作用は、全体のネット構造(500)に、最終の組織構造に望ましい折り目又はしわを形成させ得る。
図17A-17B及び18A-18Bは、組織構造に、培養物における三次元組織発達中に細胞間接触及び動作の結果として特定の様式で折り目又はしわを付けさせるための、ネット内の構造的特徴の使用を例示する。
図17Aは、媒体(126)内に形成されたネット構造(500)を例示し、ネット構造(500)は、特定のネットに沿った構造的補強部(540)、その間のネットの第1の未補強部分(503a)及び第2の未補強部分(503b)を含む。幾つかの実施形態において、そのような構造的補強部(540)は、異なる直径のネット鎖でネット構造(500)を構築することにより製造される。
図17Aの実施形態において、第1のネット鎖(502a)及び第2のネット鎖(502b)は、ネット構造(500)内の他の鎖よりも大きな直径を持ち、一定距離を離れて互いに並行して配置される。より大きな直径は補強部として役立つ。第3のネット鎖(502c)は、第1のネット鎖(502a)及び第2のネット鎖(502b)よりも小さな直径を持ち、その間に位置する第1のネット鎖(502a)及び第2のネット鎖(502b)と並行して配置される。第3のネット鎖(502c)も、少ない程度で補強される。示されるように、残りのネット部分は補強されず、強化される第1のネット鎖(502a)と、第2のネット鎖(502b)と、第3のネット鎖(502c)との間に存在する。線維芽細胞などの細胞(506)は、補強される第1のネット鎖(502a)と、第2のネット鎖(502b)と、第3のネット鎖(502c)との間で、ネット構造(500)、とりわけネット構造(500)の第1の未補強部分(503a)及び第2の未補強部分(503b)内に捕捉される。その後、細胞(506)は、細胞の相互作用及び細胞運動のプロセスを始める。細胞(506)がネット構造(500)の第1の未補強部分(503a)及び第2の未補強部分(503b)内を自由に移動することができるので、張力が細胞間相互作用から生じる。これは、
図17Bに例示されるように、互いに向かう第1のネット鎖(502a)及び第2のネット鎖(502b)を描く。第3のネット鎖(502c)は、第1の未補強部分(503a)及び第2の未補強部分(503b)を離間したままにし、折り目又はしわを付け始める。第3のネット鎖(502c)は少ない程度で強化されるので、しわに沿った細胞(506)は、第3のネット鎖(502c)の上及びそのまわりで相互作用し、折り重ねられた形状を更に安定させることができる。
図18A-18Bは、側面からの
図17A-17Bのネット構造(500)の実施形態を例示する。
図18Aは、折り重ねを形成するために、細胞が移動し且つ伝達するときの(矢印(532)により示される)細胞(506)の下方への動きを例示する。
図18Bは、第1のネット鎖(502a)、第2のネット鎖(502b)、及び、第1のネット鎖(502a)と第2のネット鎖(502b)を互いに向かって引き付ける第3のネット(502c)の間に、折り重ねを形成した細胞(506)を例示する。
【0250】
図19A-19Cは、高圧の相互作用で結合するように細胞に影響を及ぼす又はそれを強制させ、折り目又はしわをもたらすために厚みの増大した領域を持つネット構造(500)の他の実施形態を例示する。
図19Aは、媒体(126)内に形成されたネット構造(500)を例示し、ネット構造(500)は、第1の構造補強部(540a)、第2の構造補強部(540b)、及びその間のネットの特定のネット鎖及び未補強部分に沿った第3の構造補強部(540c)を含む。より詳細には、第1の構造補強部(540a)、第2の構造補強部(540b)、及び第3の構造補強部(540c)は、ネット構造(500)の第1の未補強部分(503a)及び第2の未補強部分(503b)の部分が間に存在するように、平行な様式で位置決めされる線の形状又は伸長した領域を持つ。線維芽細胞などの細胞(506)は、ネット構造(500)、とりわけ第1の未補強部分(503a)及び第2の未補強部分(503b)の中で、及び第1の構造補強部(540a)と第2の構造補強部(540b)と第3の構造補強部(540c)との間で捕捉される。その後、細胞(506)は、細胞の相互作用及び細胞運動のプロセスを始める。細胞(506)がネット構造(500)の第1の未補強部分(503a)及び第2の未補強部分(503b)内を自由に移動することができるので、張力が細胞間相互作用から生じる。これは、
図19Bに例示されるように、互いに向かう第1のネット鎖(502a)及び第2のネット鎖(502b)を描く。補強部は、第1の未補強部分(503a)及び第2の未補強部分(503b)を離間したままにし、折り目又はしわを付け始める。
図19Cは、共に引き付けられて折り重ね及びしわを形成する、第1の未補強部分(503a)、第2の未補強部分(503b)、及び第3の未補強部分(503c)を示す組織の側面図を提供する。
【0251】
幾つかの実施形態において、ネット構造(500)の密度の変動は、細胞(506)の移動及び相互作用を誘導する。
図20は、低密度ネット領域(562)によって取り囲まれる高密度ネット領域(560)を有するネット構造(500)の一例を例示する。高密度ネット領域(560)は、低密度ネット領域(562)の開口部よりも小さい開口部で構成される。それ故、高密度領域(560)は低密度ネット領域(562)に比べて多くの開口部を持つ。高密度ネット領域(560)の小さな開口部サイズは、中を通る細胞(506)の動作に抵抗する。故に、細胞(506)が移動し相互作用すると、細胞(506)は、高密度ネット領域(560)を回避して、組織構造をまわりに作り、高密度ネット領域(560)を取り囲む。故に、一旦、ネット構造(500)が溶解し、分解し、又は取り除かれると、穴又は通路は、高密度ネット領域(560)の適所にとどまる。高密度ネット領域が位置合わせされるように多数のネットが層状にされると、内腔は細胞(506)を取り囲む本体を介して形成され得る。これは、他の領域における細胞を濃縮する間の細胞の低密度領域が、単一の印刷された構造にもたらされる1つの方法である。
【0252】
場合によっては、高密度ネット領域(560)は、シグナル分子、サイトカイン、タンパク質、表面コーティング、親水性ポリマーなどのポリマー、及び/又は、細胞移動、付着、及び/又は牽引を阻害するプラズマ処理などの表面処理を含み得る。場合によっては、低密度ネット領域(562)は、シグナル分子、サイトカイン、タンパク質、表面コーティング、疎水性ポリマーなどのポリマー、及び/又は、細胞移動、付着、及び/又は牽引を促進する表面処理を、含み得る。
【0253】
図21は、ネット構造(500)の密度の変動が細胞(506)の動き及び相互作用を誘導する別の実施形態を例示する。本実施形態において、ネット構造(500)は、第1のネット部分(570)及び第2のネット部分(572)を含み、その間に高密度ネット領域(574)が存在する。加えて、ラダー(576)は、高密度ネット領域(560)を介して拡張し、第1のネット部分(570)及び第2のネット部分(572)を架橋する、低密度ネット領域で形成される。故に、第1のネット部分(570)及び/又は第2のネット部分(572)に捕捉された細胞(506)は、高密度ネット領域(560)を回避しつつラダー(576)に沿って移動することができる。これは、予め決められた方向に細胞(506)を誘導し、細胞(506)が予め決められた形状に従って組織構造を形成するのを可能にする。他の実施形態において、高密度ネット領域(560)は存在せず、ネット物質も存在しないことが、認識できる。これはまた、特にラダー(576)が細胞接着又は牽引を促進する特徴を含むときに、ラダー(576)に沿って細胞(506)を誘導する。
【0254】
図22は、三次元組織構造を製造するためにネット構造(500)の密度の変動が細胞(506)の動き及び相互作用を誘導する別の実施形態を例示する。本実施形態において、ネット構造(500)は、第1のネット部分(570)及び第2のネット部分(572)を含み、その間に高密度ネット高密度ネット領域(560)が存在する。故に、第1のネット部分(570)及び/又は第2のネット部分(572)に捕捉された細胞(506)は、高密度ネット領域(560)が原因で移動することができない。これは、予め決められた方向に細胞(506)を誘導し、細胞(506)が予め決められた形状に従って組織構造を形成するのを可能にする。
【0255】
図23A-23E、24A-24B、25は、細胞の接着、牽引、及び/又は相互作用を促進する、ネット鎖(502)に沿ったテクスチャード要素(600)を例示する。テクスチャード要素は、ディボット、隆起したノッチ、粗い縁、又は、細胞接着及び/又は表面との細胞相互作用のために完全に滑らかでない表面を故意に作る任意の要素で、構築され得る。
【0256】
マトリックスメタロプロテイナーゼの天然活性が、細胞の移動、流れ、及び/又は細胞間相互作用を可能とするべく印刷された構造を再構成するのを促進されるように、細胞ネットは、自然の構造物質の一部として特定の酵素切断部位で形成され得る。タンパク質ベースの構造内のそのような酵素切断部位の非限定的な例のリストを、表2で提供する。
【0257】
【0258】
図26は、切断部位(610)を持つネット構造(500)の実施形態を例示する。故に、ネット構造(500)は、切断可能でないポリマー鎖及び切断可能なポリマー鎖を含む。本実施形態において、ネット構造(500)は、細胞(506)が中を通過するのを可能とする線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)を含む。細胞含有バイオゲルを作るために印刷プロセスにおいて重合されるモノマーはまた、細胞が堆積された構造の機能的なリモデリングにおいて結合することを可能にするために、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)切断部位を持つタンパク質を組み込むことができる。印刷媒体に組み込まれる、又は特定構造へと重合するために使用され得る、MMP反応性タンパク質は、限定されないが、タンパク質;コラーゲンI、II、III、VII、VIII、X、ゼラチン、フィブロネクチン、及びエラスチンを含む。
【0259】
幾つかの実施形態において、ネットは、組織構造内の特定の機能を提供する、又は様々な組織構造を共に結合するのを補助するように設計される、印刷された機械的要素を含む。そのような機械的要素の非限定的な例は、数例を挙げると、ジョイント、ヒンジ、ロックジョイント及びヒンジ、Velcro様の要素、スプリング、コイル、伸張の点、インターロッキングループ、ソケット、ギヤ、ラチェット、ネジ、及びチェーンリンクを含む。機械的要素は、ネット内で埋め込まれるように印刷され、(平面又は縁などに沿って)ネットの表面に沿って配置され、或いは、ネットの2つの部分又は2つの別個のネットを共に結合又は連結するように適所にある場合がある。故に、幾つかの実施形態において、層状の組織構造は、機械的要素の使用により個々のネットを連結することによって形成される。他の実施形態において、未連結の構造ニッチは、印刷された血管ネットワーク内に埋め込まれる。ニッチが、未連結の近位構造、又は以前に印刷された構造に付けられた連結を持つ新たな構造として印刷されると、これらの細胞含有ネットは、動く細胞、及び、培養物での組織発達中の細胞間接触及び移動を促進するように設計された追加の要素で構成される、半自律性の活性構造を形成する。
【0260】
機械的要素の多くは、ヒンジの2つの結合可能部分又は2つのインターロッキングループなどの、共に対となることが可能な個々の部分で構成されることが、認識できる。そのような実施形態において、機械的要素の部分は、対となった構成で印刷され得る。他の実施形態において、その部分は、対となることが可能なユニットを持つシート又は縁としの印刷が、細胞発達及びそれに及ぼされた力に応じて、或いは、気道又は脈管構造に沿った圧力などの外力に応じて組織の動作中に近位にもたらされた後に、対とされ得る。幾つかの実施形態において、機械的要素は、第1の部分が第1のネットに付けられ且つ第2の部分が第2のネットに付けられるように、印刷される。対とするのに際して、第1及び第2のネットは、機械的要素の位置にて互いに対して移動することができる。これは、特に発達プロセスにおいて関連動作から利益を得る様式で、複雑な三次元組織構造を作成するために様々なネット構造を共に結合するのを補助することができる。機械的要素は代替的又は付加的に、第1の部分がネットの第1の部分に付けられ且つ第2の部分が同ネットの第2の部分に付けられるように印刷され、ネットの一部は機械的要素の位置にて互いに対して移動することが、認識できる。これは、発達プロセス中にネット内での巻き付き、ループ、捻れ、又は他の所望の動作を補助することができる。
【0261】
図27A-27Bは、枢動ジョイント(700)を含む機械要素の実施形態を例示する。本実施形態において、
図27Aに示されるように、枢動ジョイント(700)は、円形表面(705)を備えた第1のヘッド(704)を持つ第1の突起部(702)、及び凹曲面(709)を備えた第2のヘッド(708)を持つ第2の突起部(706)を含む。第1のヘッド(704)が、ロッキング動作などの一方向で凹曲面(709)に対して枢動することができるように、凹曲面(709)は円形表面(705)と対になることができる。幾つかの実施形態において、
図27Bに例示されるように、第1の突起部(702)が第1のネット構造(500a)に付けられ且つ第2の突起部(706)が第2のネット構造(500b)に付けられるように、ジョイント(700)は印刷される。対とするのに際して、第1のネット構造(500a)及び第2のネット構造(500b)は、枢動ジョイント(700)の位置にて互いに対して枢動することができる。
【0262】
図28A-28Bは、ボール-ソケットジョイント(720)を含む機械要素の実施形態を例示する。本実施形態において、
図28Aで断面図として示されるように、ボール-ソケットジョイント(720)は、円形ボールヘッド(724)を持つ第1の突起部(702)、及び凹状ソケットヘッド(728)を持つ第2の突起部(706)を含む。円形ボールヘッド(724)が解剖学的にボール-ソケットジョイントと同様の様式で凹状ソケットヘッド(728)内を回転することができるように、凹状ソケットヘッド(728)は円形ボールヘッド(724)と対になることができる。幾つかの実施形態において、
図28Bに例示されるように、第1の突起部(702)が第1のネット構造(500a)に付けられ且つ第2の突起部(706)が第2のネット構造(500b)に付けられるように、ボール-ソケットジョイント(720)は印刷される。対とするのに際して、第1のネット構造(500a)及び第2のネット構造(500b)は、ボール-ソケットジョイント(720)の位置にて、多くの方向で互いに対して回転することができる。
【0263】
図29A-29Bは、サドルジョイント(740)を含む機械要素の実施形態を例示する。本実施形態において、
図29Aに示されるように、サドルジョイント(740)は、サドル形状凹部(745)を備えた第1のヘッド(704)を持つ第1の突起部(702)、及び対応する第2のサドル形状凹部(749)を備えた第2のヘッド(708)を持つ第2の突起部(706)を含む。例示されるように、第1の凹部(745)及び第2の凹部(749)が対になるように、第1のヘッド(704)及び第2のヘッド(706)は90度のオフセットで配向され得る。故に、第1のヘッド(704)及び第2のヘッド(706)は、一方向で互いの回りを回転することができる。幾つかの実施形態において、
図29Bに例示されるように、第1の突起部(702)が第1のネット構造(500a)に付けられ且つ第2の突起部(706)が第2のネット構造(500b)に付けられるように、サドルジョイント(740)は印刷される。対とするのに際して、第1のネット構造(500a)及び第2のネット構造(500b)は、サドルジョイント(740)の位置にて、一方向で互いに対して枢動することができる。
【0264】
図30-31は、ソケットジョイント(760)を含む機械要素の実施形態を例示する。本実施形態において、
図30に示されるように、ソケットジョイント(760)は、ソケット形状空洞部(765)を備えた第1のヘッド(704)を持つ第1の突起部(702)、及びソケット形状空洞部(765)内に適合するよう形成された第2のヘッド(708)を持つ第2の突起部(706)を含む。本実施形態において、ソケット形状空洞部(765)は管状形状であり、第2のヘッド(708)は、ソケット形状空洞部(765)へと挿入できるように円筒形状である。第2のヘッド(708)は長手方向に摺動し、ソケット形状空洞部(765)内を回転することができる。幾つかの実施形態において、
図31に例示されるように、第1の突起部(702)が第1のネット構造(500a)に付けられ且つ第2の突起部(706)が第2のネット構造(500b)に付けられるように、ソケットジョイント(760)は印刷される。対とするのに際して、第1のネット構造(500a)及び第2のネット構造(500b)は、ソケットジョイント(760)の位置にて互いに対して摺動且つ回転することができる。
【0265】
図32-33は、螺合ジョイント(770)を含む機械要素の実施形態を例示する。本実施形態において、
図32に示されるように、螺合ジョイント(770)は、第1の溝(777a)、第2の溝(777b)、及び第3の溝(777c)を持つソケット形状空洞部(765)を備えた第1のヘッド(704)を持つ第1の突起部(702)、及び、第1のネジ(779a)、第2のネジ(779b)、及び第3のネジ(779c)を備えた第2のヘッド(708)を持つ第2の突起部(706)を含む。ここで、第2のヘッド(708)は第1のネジ(779a)、第2のネジ(779b)、及び第3のネジ(779c)がスクリュー式様式で第1の溝(777a)、第2の溝(777b)、及び第3の溝(777c)と対になるように、ソケット形状空洞部(765)内に適合するように形成される。幾つかの実施形態において、
図33に例示されるように、第1の突起部(702)が第1のネット構造(500a)に付けられ且つ第2の突起部(706)が第2のネット構造(500b)に付けられるように、螺合ジョイント(770)は印刷される。対とするのに際して、第1のネット構造(500a)及び第2のネット構造(500b)は、ネジによる長手方向の摺動に対する抵抗により、螺合ジョイント(770)の位置に互いに対して回転することができる。
【0266】
図34A-34Bは、コイル又はバネ(800)を含む機械要素の実施形態を例示する。本実施形態において、
図34Aに示されるように、バネ(800)は、第1の端部(802)、第2の端部(804)、及び、第1の端部(802)と第2の端部(804)の間にバネ張力をもたらすようにコイル状又は螺旋状の構成を持つ。幾つかの実施形態において、
図34Bに例示されるように、第1の端部(802)が第1のネット構造(500a)に付けられ且つ第2の端部(804)が第2のネット構造(500b)に付けられるように、バネ(800)は印刷される。故に、第1のネット構造(500a)及び第2のネット構造(500b)は、バネ(800)が接続を維持する間に互いに対して移動することができる。
【0267】
図35A-35Bは、鎖(810)を含む機械要素の実施形態を例示する。本実施形態において、
図35Aに示されるように、鎖(810)は、第1の端部(802)、第2の端部(804)、並びに、第1の端部(802)及び第2の端部(804)を共に接続するような鎖構成において、第1のリンク(816a)、第2のリンク(816b)、第3のリンク(816c)、及び第4のリンク(816d)を持つ。幾つかの実施形態において、
図35Bに例示されるように、第1の端部(802)が第1のネット構造(500a)に付けられ且つ第2の端部(804)が第2のネット構造(500b)に付けられるように、鎖(810)は印刷される。故に、第1のネット構造(500a)及び第2のネット構造(500b)は、鎖(810)が接続を維持する間に互いに対して移動することができる。
【0268】
図36A-36Bは、フックジョイント(820)を含む機械要素の実施形態を例示する。本実施形態において、
図36Aに示されるように、フックジョイント(820)は、曲線形状を持つ第1のフック(822)及び曲線形状を持つ第2のフック(824)を含む。例示されるように曲線形状が共に掛けられるように、第1のフック(822)及び第2のフック(824)は対になることができる。幾つかの実施形態において、
図36Bに例示されるように、第1のフック(822)が第1のネット構造(500a)に付けられ且つ第2のフック(824)が第2のネット構造(500b)に付けられるように、フックジョイント(820)は印刷され、ここで、複数のフックジョイント(即ち、第1のフックジョイント(820a)、第2のフックジョイント(820b)、第3のフックジョイント(820c)、及び第4のフックジョイント(820d))が示される。故に、第1のネット構造(500a)及び第2のネット構造(500b)は、第1のフックジョイント(820a)、第2のフックジョイント(820b)、第3のフックジョイント(820c)、及び第4のフックジョイント(820d)が接続を維持する間に互いに対して移動することができる。
【0269】
図37A-37Cは、Velcro(登録商標)と同様の様式で機能するフック-ループジョイント(830)を含む、機械要素の実施形態を例示する。本実施形態において、フック-ループジョイント(830)は、複数の小さなフックを持つフック面(832)、及び複数の小さなループを持つループ面(834)を含む。フック面(832)は、小さなフックが小さなループに係合し、
図37Aに例示されるように、フック面(832)及びループ面(834)を共に保持する、ループ面(834)と対になることができる。しかし、フック面(832)及びループ面(834)は、
図37Bに例示されるように、互いから離れて、フック面(832)及びループ面(834)を引くことによって外れることができる。幾つかの実施形態において、
図37Cに例示されるように、フック面(832)が第1のネット構造(500a)に付けられ且つループ面(834)が第2のネット構造(500b)に付けられるように、フック-ループジョイント(830)は印刷される。故に、第1のネット構造(500a)及び第2のネット構造(500b)は、フック面(832)の相互作用によって互いに対して結合且つ保持され、ループ面(834)は十分な引っ張り力で外れることができる。
【0270】
図38A-38Cは、ヒンジ(840)を含む機械要素の実施形態を例示する。幾つかの実施形態において、
図38Aに例示されるように、ヒンジ(840)は、中を通る第1のブラケット開口部(846)を備えた第1のブラケット突起部(844)を持つ第1のブラケット(842)、及び、中を通る第2のブラケット開口部(852)を備えた第2のブラケット突起部(850)を持つ第2のブラケット(848)を含む。ヒンジ(840)は、第1のブラケット開口部(846)及び第2のブラケット開口部(852)を通って拡張するようにサイズ調整され且つ構成される、ロッド(854)を更に含む。
図38Bは、第1のブラケット(842)及び第2のブラケット(848)を共に結合しつつ、第1のブラケット(842)及び第2のブラケット(848)が旋回且つ回転して互いに向かって又は離れて移動するのを可能にするべく、ロッド(854)が第1のブラケット開口部(846)及び第2のブラケット開口部(852)を通って拡張するように、第1のブラケット(842)及び第2のブラケット(848)を例示する。幾つかの実施形態において、
図38Cに例示されるように、第1のブラケット(842)が第1のネット構造(500a)に付けられ且つ第2のブラケット(848)が第2のネット構造(500b)に付けられるように、ヒンジ(840)は印刷される。故に、第1のネット構造(500a)及び第2のネット構造(500b)は、ヒンジ(840)によって互いに対して結合且つ保持されるが、互いに対して旋回且つ傾斜することができる。
【0271】
前述のように、機械的要素は、特に発達プロセスにおける関連動作から利益を得る様式で、複雑な三次元組織構造を作成するべく、ネットの一部及び/又は様々なネット構造を共に結合するなど、様々な機能を提供する。これは、発達プロセス中にネット内での巻き付き、ループ、捻れ、又は他の所望の動作を補助することができる。
図39は、ネット構造(500)に捕捉された細胞(506)で構成される組織構造の実施形態を例示し、ネット構造(500)は機械要素の存在によりループしている。
図40は、ネット構造(500)に捕捉された細胞(506)で構成される組織構造の実施形態を例示し、ネット構造(500)は機械要素の存在により捻じれている。
【0272】
他の実施形態において、ネットは、近接して保持された細胞(506)によって共に連結又は結合される。
【0273】
図41A-41Bは、2つの別個のネット構造に位置する2つの別個の細胞群間の細胞間相互作用を誘導するように設計される実施形態を例示する。
図41Aは、第1の縁(900)を持つ第1のネット構造(500a)、及び第2の縁(902)を持つ第2のネット構造(500b)を例示し、第1の縁(900)及び第2の縁(902)は近接している。第1のネット構造(500a)及び第2のネット構造(500b)は、第1の縁(900)に接する第1の低密度領域(562a)、及び第2の縁(902)に接する第2の低密度領域(562b)を備えて印刷される。更に、第1のネット構造(500a)及び第2のネット構造(500b)は、第1の低密度領域(562a)に接する第1の高密度領域(560a)、及び第2の低密度領域(562b)に接する第2の低密度領域(562b)を備えて印刷される。第1の低密度領域(562a)及び第2の低密度領域(562b)は、特定の細胞(506)を捕捉するようにサイズ調整される。第1の低密度領域(562a)及び第2の低密度領域(562b)に隣接する、第1の高密度領域(560a)及び第2の低密度領域(562b)は、細胞(506)を除外するようにサイズ調整される。故に、細胞(506)は、
図41Bに例示されるように、互いに第1の縁(900)及び第2の縁(902)に沿って保持され、及び細胞間相互作用を支持する。これは、第1の縁(900)及び第2の縁(902)を共に結合して、第1のネット構造(500a)及び第2のネット構造(500b)を連結又は結合する。
【0274】
他の実施形態において、様々な密度ネットが、
図42A-42Bに例示されるように細胞鎖を生成するために使用され得る。例えば、
図42Aに示されるように、幾つかの実施形態において、ネット構造(500)は、長手方向領域を備えて印刷され、第1の開口部(504)は特定の細胞(506)を捉えるようにサイズ調整され、周囲の第2の開口部(504’)は細胞(506)を除外するようにサイズ調整される。そのような実施形態において、細胞(506)は、
図42Bに示されるように、長手方向の領域内で近接して保持され、互いの細胞間相互作用を支持して、細胞の長手方向の鎖を作成する。
【0275】
幾つかの実施形態において、ネット構造は、自己集合を促進する要素、又は、細胞の「圧搾(squeezing)」及び細胞質ゾルの流れを可能にする構造を介して、細胞のシート、鎖、ネットワーク、群、又は個々の細胞の動作を制限、促進、又は可能にするために一次構造変形又は他の力吸収伸張要素を必要としない圧縮を可能とする構造要素を含むことが、認識できる。同様に、幾つかのネットは、圧力、伸張、又は組織間緊張の機械力における、圧力、張力、進行性又は脈動性の局所的推移に応じて細胞の形成又は分化を可能にする。幾つかの例において、発達する組織内の移動、環境的応答、及び細胞間接触は、機能器官、組織、及び細胞の発達に重要である。これらの非限定的な例は、より大きなネットワークの一部である又は一部ではない、個々の細胞間相互作用を含む。調整ネットワーク内の細胞の移動は、二次元又は三次元の細胞シートの流れ、折り畳み、しわ付け、変形、又は捻じれ、或いは、鎖の形成、機能組織の発達及び形態形成に必要な多層状スフェロイド形成又は連結を含み得る。
【0276】
結合又は分泌されたシグナル分子、受容体、及び/又は刺激抗体或いは遮断抗体を含有しているビーズは、方向的又は局所的な自己集合の促進のために印刷され得る。そのようなシグナル分子の非限定的な例は、血管成長及び分岐を促進するためのVEGF;リンパ性脈管構造成長及び発達を促進するためのVEGF-C;神経発達又は腎臓中の腎蕾分岐を促進するためのGDNF;或いは組織依存性の発達的なパタニングを促進するためのSHHを含む。そのようなシグナル分子ビーズも、軸索経路検索を誘導するために使用されてもよい。正常な神経発達において、発達する軸索の成長円錐は、軸索を含む細胞骨格アクチンの組み立てを介して軸索伸長を促進する誘引性の合図、及び、アクチン組み立てを阻害する及び/又はアクチン分解を促進することによって軸索伸長を妨げる反発的な合図に応答する。誘引性の及び反発的な合図は適切な経路検索に必要である。誘引性の合図はEphrinB及びネトリンを含み;反発的な合図はEphrinA、セマフォリン、及びSlitを含む。所望の位置でのシグナル伝達ビーズ内の誘引性の及び反発的な合図の印刷は、印刷された神経の始原細胞からの軸索増殖を促進且つ制御するための機構を提供する。
【0277】
印刷媒体及び印刷条件
前述のように、媒体チャンバ(122)は、細胞、重合化可能な物質、及び培養媒体で構成された媒体を含有している。重合化可能な物質は、生物適合性であり、溶解可能であり、場合によっては生物学的に不活性である、重合化可能な単量体単位を含む。単量体単位は、生成される組織に特異的な細胞基質及び基底膜構造などの、細胞含有構造を作成するために、多光子光子レーザー励起(120)に応じて重合し、架橋し、又は反応する。媒体チャンバは、グルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含む媒体を含み得る。
【0278】
幾つかの実施形態において、媒体は、光活性剤又は光活性剤の無い重合可能な単位の何れかを含有する、粘度が例えば少なくとも約0.2mPa・s~約10Pa・sの溶液を含む。溶液は、非ニュートン性となるように溶液挙動を改変するために、化学的及び/又は生物学的活性を発現して又は発現することなく、化学的及び/又は生物学的構成成分で浸され得る。そのような挙動は、媒体が剪断力を受けるとあまり粘着性でなくなるずれ揺変特性、或いは、媒体が振動又は振盪によりあまり粘着性でなくなるチキソトロピー媒体の場合に特に有用であり;そのような媒体は、媒体置換中に改善され且つより優れて制御された流出を示すことができる。細胞含有印刷媒体に加えられるそのような構成成分の非限定的な例は、様々な量のヒアルロン酸、ヘパリン硫酸塩、I~X型のコラーゲン、エラスチン、及びフィブリノゲンを含有している、細胞外マトリックスタンパク質混合物を含む。追加の有機的又は非有機的な要素は、電子雪崩の速度の増加を引き起こすために細胞含有印刷媒体へと導入され得る。これら粒子の非限定的な例は、非毒性ナノ粒子、セレニウム又はリチウムなどの多くの自由に入手可能な電子を含む単体における中程度の増加を含む。
【0279】
場合によっては、ネット構造(500)及びその中の構成成分の多光子印刷を使用して多数の細胞層の構築を促進するために、特定の条件が印刷プロセス中に使用され得る。そのような条件は、数例を挙げると、細胞呼吸の減少、細胞球状化、移動の最小化、及び細胞損傷の最小化をもたらす。場合によっては、細胞の球状化及び付着の減少は、ネットにおける細胞の捕捉、及びネットに捕捉されない細胞の効果的な除去に望ましい場合がある。これは、例えば少なくとも約1℃~約36℃の範囲で、重合可能な単位、或いは追加の細胞又は重合性単量体を含有していない媒体を含有している印刷媒体の温度を維持することにより達成可能である。この温度範囲は細胞呼吸を抑え、細胞「球状化」を促進し、レーザー誘発の温度効果を減少し、且つ細胞の移動を最小化することができる。温度は、能動的又は受動的な冷却機構によって制御され得る。具体的には、バイオゲルを作成するために使用される媒体又は印刷媒体は、細胞印刷のために熱交換プラットフォームを備えることにより、又は冷凍室などの冷却された周囲温度で印刷することにより、冷却可能である。
【0280】
一般的に、多光子印刷のために使用される赤外線光子は散在性であり、及び/又は、短い圧縮された一時的に別個の光子パケットで構成され得る。しかし、焦点付近では、これら光子パケットは、次第に圧縮されるようになり、赤外線(IR)照射の濃度の局所的な増加を結果としてもたらすことができる。故に、印刷プロセスは、焦点面の外部の周囲媒体に熱を加える場合があり、これはレーザーパワーの増加に直接相関して増大する問題となる。それ故、多光子波長自体に直接関連する或いは非放射性腐食(光子放射前の励起電子のエネルギー損失)の一部としての、赤外線に応じた熱は、細胞に損傷をあたえかねない著しい熱を与える場合がある。冷たい印刷媒体は、この潜在的な熱毒性を減らすことができる。
【0281】
幾つかの例において、焦点付近の高強度の光子吸収に関連付けられるエネルギーによる熱の高度に局所的な増加は、幾つかの物質の望ましくない重合又は酸化を引き起こしかねない。冷却媒体は、一般的な赤外線、焦点、及び焦点付近の熱生成の拡散を促進し、それにより生細胞への潜在的な熱毒性を減らすことができる。赤外線からの熱毒性の減少に加えて、冷却媒体は、細胞が均一に分配され続けるように、多数の重合された物質の構造剛性を改善し、印刷媒体の粘度を増大することができる。このように、冷却温度での構造剛性の増加、及び可撓性の減少は、堆積した構造に損傷を与えることなく、印刷の更なるラウンドのための細胞含有媒体の交換の速度改善を可能とし得る。
【0282】
幾つかの例において、焦点付近の高強度の光子吸収に関連付けられるエネルギーによる熱の高度に局所的な増加は、幾つかの物質の重合又は酸化を引き起こし得る。モノマー及び細胞含有印刷物質の幾つかの調合において、熱の高度に局所的な増加は、多くの生体適合性モノマーが細胞ネットを作成するために鎖へと重合可能であるため、望ましい場合がある。このプロセスは、異なる波長での放射熱放散を使用することにより調整可能であり、及びモノマーの重合は熱放射にのみ特異的であり得る。幾つかの調合において、このことは、光子吸収、光誘導印刷、及び/又は光重合に反応的でない熱重合化化合物の仕様によって達成され得る。
【0283】
キレート化剤の添加による、カルシウム及び/又はマグネシウムなどのカチオンの除去は、細胞間の及び細胞と細胞外マトリックスとの間のタンパク質間相互作用を減らし、移動を減らし、細胞球状化を促進し、且つ、細胞分化の進行を一時的に遅くする又は加速することができる。それ故、場合によっては、印刷バイオゲル及び媒体は、例えば少なくとも約0~約1.8ナノモル(nM)のカルシウム濃度の範囲内で維持することができる。自然に低いカルシウム濃度媒体が使用され、或いは、カルシウムキレート剤の添加が細胞含有印刷媒体に組み込まれ得る。場合によっては、カチオンキレート化剤が、カルシウム、マグネシウム、又はナトリウムを含むがこれらに限定されないカチオンのモル濃度を減少するために添加されてもよい。キレート化剤の非限定的な例は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール-ビス(β-アミノエチルエーテル)-N,N,N’,N’-4酢酸(EGTA)、及び1,2-ビス(o-アミノフェノキシ)エタン-N,N,N’,N’-四酢酸(BAPTA)を含む。場合によっては、細胞によって放たれた自然発生の小分子及び化学物質は、細胞呼吸の減少を促進し、細胞呼吸回復を促進し、或いは印刷プロセスによって生成されたラジカルをクエンチするために、印刷媒体の特定の調合に添加される。非限定的な例は、硫化水素(H2S)、ナトリウム水硫化物(NaHS)、亜酸化窒素、グルタチオン、リン酸塩、β-グリセロリン酸塩、ピルビン酸ナトリウム、L-グルタミン、炭素ベースの糖、微量栄養素、ヒト血清タンパク質と成長因子の混合物、代謝作用因子(インスリン)、サイトカイン、ケモカイン、及び、Rho/Rac経路、PI3キナーゼ経路、又はユビキチナーゼ阻害剤などの内部細胞経路と相互作用する化合物を含む。他の代案として、一旦、印刷プロセスが完了する、又は部分的に完成すると、新しく印刷された構造を取り囲む媒体は、細胞が正常な恒常性機能及び活発な運動性に戻るのを可能とするために生理的条件に戻すことができる。
【0284】
場合によっては、グルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)は、印刷媒体の調合(即ち、媒体)に添加され得る。グルタチオン(GSH)は生物体に重要な抗酸化剤であり;これは細胞の健康の促進するフリーラジカル捕捉剤である。グルタチオンは、限定されないが遊離基、過酸化物、過酸化脂質、及び/又は重金属などの活性酸素種によって引き起こされた細胞損傷を妨げることができる。グルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)は、製造プロセス及び/又は印刷プロセスに使用され得る。グルタチオンは、細胞を含む、製造プロセス及び/又は印刷プロセスに使用され得るフリーラジカル阻害剤である。グルタチオン又は機能変異体(又は誘導体)は、細胞を使用する、製造プロセス及び/又は印刷プロセスに使用され得る。場合によっては、グルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)は、3Dホログラフィック印刷プロセスによって生成されたラジカルをクエンチすることができる。グルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)は、ラジカル反応をクエンチすることにより所望の印刷領域外部のあらゆる付加的な重合を抑えることができる。本明細書で提供される方法及びシステムは、組織工学に必要な超微細な構成の印刷を達成するために、3Dホログラフィック印刷プロセス中に重合反応を制御するべくグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を使用し得る。グルタチオンの機能変異体及び/又は誘導体は、限定されないが、ピルビン酸ナトリウム及びL-グルタミンを含み得る。
【0285】
媒体は、グルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を更に含み得る。媒体は、少なくとも約0.1ミリモル(mM)~約50mM以上のグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.01ミリモル(mM)~約50mM以上のグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.05ミリモル(mM)~約50mM以上のグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.5ミリモル(mM)~約50mM以上のグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約1ミリモル(mM)~約50mM以上のグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約5ミリモル(mM)~約50mM以上のグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約10ミリモル(mM)~約50mM以上のグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約20ミリモル(mM)~約50mM以上のグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約30ミリモル(mM)~約50mM以上のグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約40ミリモル(mM)~約50mM以上のグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。
【0286】
媒体は、少なくとも約0.01mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.02mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.03mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.04mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.05mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.06mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.07mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.08mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.09mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.1mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.2mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.3mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.4mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.5mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.6mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.7mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.8mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約0.9mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約1mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約2mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約3mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約4mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約5mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約6mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約7mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約8mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約9mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約10mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約15mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約20mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約25mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約30mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約35mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約40mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約45mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、約50mM以上のグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約75mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。媒体は、少なくとも約100mMのグルタチオン又はその機能変異体(又は誘導体)を含み得る。
【0287】
共に、低カルシウム及び冷たい温度は、細胞挙動、代謝プロセス、及び多層組織印刷に重要な環境に対する生理学的反応に対し、重要な効果を持つ場合がある。これらは、限定されないが、i)低カルシウム(Ca2+)濃度及び冷たい媒体において維持された細胞は、円形を呈し、突起部を取り除く;ii)細胞の低いカルシウム(Ca2+)及び冷たい媒体の条件は、インテグリン、ムチン(及び他のタンパク質)を機能的に改変する。低いCa2+濃度は、完全に存在しない場合に細胞接着が大幅に減らされるように、物理的なタンパク質立体配座を改変し得る。加えて、冷たい温度は、タンパク質間相互作用の正確性を減らす場合がある。iii)低いCa2+、冷たい媒体は、外部の細胞間相互作用に関連付けられるシグナル伝達、並びに環境反応及び遺伝学的変化に関連付けられる内因性細胞シグナル伝達を停止させる場合がある;及びiv)細胞間相互作用の傾向を減少は、低い又はゼロの細胞凝集形成での高密度の単細胞浮遊を可能にし得る。細胞凝集形成の減少又は最小化は、制限構造内の細胞の分布及び配置に対しても重要な場合がある。
【0288】
共に、これら条件は、球状化の重要な物理的変化、マトリックス-細胞相互作用及び細胞間相互作用の減少、細胞呼吸の減少、及び、CO2緩衝を介した細胞呼吸の生化学的な支持を引き起こし得る。CO2緩衝は、細胞含有印刷媒体に様々な小分子又は薬剤を添加することによって達成することができる。
【0289】
加えて、pHの変化は、粘度、細胞生存、又は印刷媒体特性を大幅に改変することができる。それ故、細胞含有媒体、バイオゲル、又は印刷物質のpHの変化又は安定化は、様々なpH緩衝液の添加によって達成され得る。幾つかの例において、印刷媒体のpHは、印刷プロセス中、及び回復期間中に細胞の健康及び機能に対して重要であり得る。それ故、場合によっては、細胞印刷媒体のpHの制御を補助する緩衝液は、媒体に含まれ得る。そのようなpH緩衝液は、印刷プロセス、細胞呼吸、又は媒体を印刷するため添加され得る他の構成成分に関連するpH変化又は変動を減少するために添加され得る。細胞適合性及び印刷適合性のpH緩衝液の非限定的な例は、以下を含み得る:2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-トリス(ヒドロキシメチル)メタン(BIS-TRIS)、2-[(2-アミノ-2-オキソエチル)-(カルボキシメチル)アミノ]酢酸(ADA)、2-(カルバモイルメチルアミノ)エタンスルホン酸(ACES)、1,3-ビス(トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ)プロパン(BIS-TRIS PROPANE)、ピペラジン-N,N’-ビス(2-エタンスルホン酸)(PIPES)、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)、2-ヒドロキシ-3-モルホリン-4-イルプロパン-1-スルホン酸(MOPSO)、コラミンクロリド、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)、2-[[1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イル]アミノ]エタンスルホン酸(TES)、2-[4―(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル]エタンスルホン酸(HEPES)、3-(N,N-ビス[2-ヒドロキシエチル]アミノ)-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、4-(N-モルホリノ)ブタンスルホン酸(MOBS)、2-ヒドロキシ-3-[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]-1-プロパンスルホン酸(TAPSO)、アセトアミドグリシン、トリス-酢酸塩-エチレンジアミン四酢酸(TAE)、ピペラジン-1,4-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸二水和物(POPSO)、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(HEPPSO)、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンプロパンスルホン酸(EPS)、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンプロパンスルホン酸(HEPPS)、トリシン、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール(TRIZMA)、グリシンアミド、グリシル-グリシン、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N’-(4-ブタンスルホン酸)(HEPBS)、ビシン、3-{[1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イル]アミノ}プロパン-1-スルホン酸(TAPS)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール緩衝液(AMPB)、2-(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、N-(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-3-アミノ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、3-(シクロヘキシルアミノ)-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸(CAPSO)、3-(シクロヘキシルアミノ)-1-プロパンスルホン酸(CAPS)、4-(シクロヘキシルアミノ)-1-ブタンスルホン酸(CABS)。
【0290】
多重光子励起の三次元投影に関連するような細胞のまわりの光子ベースの且つ熱で誘導された重合プロセスを介してポリマーの印刷プロセスを増強するための追加の方法が、提供される。まず、生物学的に適合性又は生物学的に不活性な電子供与体は、多光子ベースの重合の割合を増大する電子カスケード現象を増強し得る。場合によっては、この現象は、接地状態と励起状態との間の遷移を容易にするために近エネルギー状態で電子殻を備えるなど、特定の特性を持つバイオゲル又は細胞を含有する印刷物質の使用により、利用され得る。電子カスケード開始の効果又は尤度の増強は、システムへの即座の電子供与体として機能するべくバイオゲルに追加の要素を添加することによって達成され得る。
【0291】
場合によっては、組織の生体印刷の速度は、電子カスケード事象の生成、光重合のダイナミックレンジの調整、又はそれを行う多光子波長の選択の目的のために、活性化因子として細胞適合性の電子供与体のドープによって増強され得る。これらの電子供与体は、リチウム、セレニウム、ヨウ素、又は、ニコチン酸及びリボフラビンなどのより大きな有機分子などのイオンを含むがこれらに限定されない、染料、ナノ粒子、又は生物学的に活性な電子供与体を含み得る。重合が、重合を誘導するためにドープ剤として使用される粒子、分子、又は化合物からのエネルギー伝達の結果として生じるように、バイオゲルのドープは、光子ベースの重合のための感度の範囲を拡大する場合もある。光子カスケードも二光子重合の場合に使用されてもよく、ドープ粒子は、接地状態に向かって無作為及び代替的な経路に基づいて異なる波長の光を放つ能力に対して、選択され得る。
【0292】
更に、場合によっては、重合のためのダイナミックレンジの調整は、共にボクセルサイズを増大する励起の持続時間又は励起の強度を単に変更することによってポリマー密度の比較的増大又は減少した領域を含む、追加の構造特性が細胞ネットに追加されるのを可能にすることができる。このような同じ印刷経路内の密度又は厚みの増加は、構造において特異的に選択されたスポット又は領域が長時間のレーザー暴露時間を受けて、様々な構造要素の導入を可能にするように、3次元画像の特定の部分又は構成成分のみを投影し、或いは明滅させることによって、達成され得る。
【0293】
共に、これらの特徴は、細胞への損傷を最小限にして、より大きな構造を印刷する間の長期の印刷時間、より長く且つ均一な細胞分散、及び浮遊中の分布を可能にし得る。加えて、これら条件は、多層の印刷プロセス中に細胞ネットに固定されない細胞のより完全な除去を促進することができる。共に、これら印刷媒体条件は、複数回の細胞含有構造の堆積に必要な長期の期間中に、細胞のより制御された配置、細胞生存の増加、及び除去の促進を可能にし得る。
【0294】
コンピュータ制御システム
本開示は、本開示の方法を実施するようにプログラムされるコンピュータ制御システムを提供する。
図43は、コンピュータメモリーにおける3D生体物質のコンピュータモデルを受け取り;コンピュータメモリーにおける3D生体物質のコンピュータモデルのポイントクラウド表現又はラインベース表現を生成し;及び3D生体物質のコンピュータモデルに従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバにおける媒体にエネルギービームを向けるために、並びに3D生体物質の少なくとも一部を形成するべくポリマー前駆体の少なくとも一部をさらすために、少なくとも1つのエネルギー源を向けるようにプログラムされる又は構成される、コンピュータシステム(1101)を示す。コンピュータシステム(1101)は、例えば、印刷される望ましい三次元(3D)生体物質構造のコンピュータ利用設計(CAD)モデルを受け取る又は生成することなど、コンピュータモデルの生成及び設計、画像生成、ホログラフィック投影、及び光変調の様々な態様を調節することができる。コンピュータシステム(1101)は、印刷される所望の三次元(3D)生体物質構造の画像へと、ポイントクラウドモデル又はラインベースモデルなどのコンピュータモデルのCADモデル、又は他のあらゆるタイプを変換することができる。コンピュータシステム(1101)は、画像、望ましい三次元(3D)生体物質構造をホログラフィーで投影することができる。コンピュータシステム(1101)は、光路又はエネルギービーム経路がコンピュータシステム(1101)によって作成されるように、光源、エネルギー源、又はエネルギービームを調節することができる。コンピュータシステム(1101)は、光路又はエネルギービーム経路に沿って光源、エネルギー源、又はエネルギービームを配向することができる。コンピュータシステム(1101)はユーザー又はコンピュータシステムの電子デバイスであり、ユーザー又はコンピュータシステムは電子デバイスに対して遠隔に位置付けられる。電子デバイスはモバイル電子デバイスでもよい。
【0295】
コンピュータシステム(1101)は、単一コア又はマルチコアプロセッサ、或いは並列処理のための複数のプロセッサとすることができる、中央処理装置(CPU、本明細書では「プロセッサ」及び「コンピュータプロセッサ」)(1105)を含む。コンピュータシステム(1101)は、メモリ又は記憶場所(1110)(例えばランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ)、電子記憶装置(1115)(例えばハードディスク)、1つ以上の他のシステムと通信するための通信インターフェース(1120)(例えばネットワークアダプタ)、及びキャッシュ、他のメモリ、データ記憶装置、及び/又は電子ディスプレイアダプターなどの周辺機器(1125)も含有する。メモリ(1110)、記憶装置(1115)、インターフェース(1120)、及び周辺機器(1125)は、マザーボードなどの通信バス(実線)を通じて、CPU(1105)と通信する。記憶装置(1115)は、データを保存するためのデータ記憶装置(又はデータレポジトリ)であり得る。コンピュータシステム(1101)は、通信インターフェース(1120)の助けによってコンピューターネットワーク(「ネットワーク」)(1130)に動作可能に連結され得る。ネットワーク(1130)は、インターネット及び/又はエクストラネット、インターネットと通信状態にあるイントラネット及び/又はエクストラネットであり得る。場合によっては、ネットワーク(1130)は、電気通信及び/又はデータのネットワークである。ネットワーク(1130)は、1つ以上のコンピューターサーバーを含むことができ、これはクラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にすることができる。ネットワーク(1130)は、場合によってはコンピュータシステム(1101)の助けにより、ピアツーピア・ネットワークを実施することができ、これは、コンピュータシステム(1101)に連結されたデバイスが、クライアント又はサーバーとして動くことを可能にし得る。
【0296】
CPU(1105)は、プログラム又はソフトウェア中に埋め込まれる、機械読み取り可能な命令のシーケンスを実行できる。この命令は、メモリ(1110)などのメモリ位置に保存され得る。この命令は、CPU(1105)に向けることができ、これは後に、本開示の方法を実施するようにCPU(1105)をプログラム又は構成することができる。CPU(1105)により実行される動作の例は、フェッチ、デコード、実行、及びライトバックを含み得る。
【0297】
CPU(1105)は集積回路などの回路の一部であり得る。システム(1101)の1つ以上の他のコンポーネントを回路に含めることができる。場合によっては、回路は特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0298】
記憶装置(1115)は、ドライバー、ライブラリ、及び保存されたプログラムなどのファイルを記憶できる。記憶装置(1115)は、ユーザーデータ、例えばユーザーの嗜好性及びユーザーのプログラムを保存することができる。コンピュータシステム(1101)は、場合によっては、イントラネット又はインターネットを通じてコンピュータシステム(1101)と通信状態にあるリモートサーバー上に位置付けられるなど、コンピュータシステム(1101)の外側にある1つ以上の追加のデータ記憶装置を含み得る。
【0299】
コンピュータシステム(1101)は、ネットワーク(1130)を介して1つ以上の遠隔コンピュータシステムと通信できる。例えば、コンピュータシステム(1101)はユーザーのリモートコンピュータシステムと通信できる。リモートコンピュータシステムの例は、パーソナルコンピュータ(例えば、持ち運び可能なPC)、スレート又はタブレットPC(例えばApple(登録商標)iPad(登録商標)、Samsung(登録商標)Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えばApple(登録商標)iPhone(登録商標)、Android-enabledデバイス、Blackberry(登録商標))、クラウドベースのコンピューティングサービス(例えばAmazon Web Services)、又は携帯情報端末を含む。ユーザーは、ネットワーク(1130)を介してコンピュータシステム(1101)にアクセスすることができる。
【0300】
本明細書に記載されるような方法は、コンピュータシステム(1101)の電子記憶場所、例えば、メモリ(1110)又は電子記憶装置(1115)などに記憶された機械(例えば、コンピュータ処理装置)実行可能なコードとして実行され得る。機械実行可能又は機械可読コードは、ソフトウェアの形で提供することができる。使用中、コードはプロセッサ(1105)により実行され得る。場合によっては、コードは、記憶装置(1115)から検索され、且つプロセッサ(1105)による即時のアクセスのためにメモリ(1110)に保存することができる。幾つかの状況において、電子記憶装置(1115)は除外することができ、機械実行可能命令がメモリ(1110)に保存される。
【0301】
コードは、コードを実行するように適合されたプロセッサを有する機械と共に使用するために予めコンパイルされ且つ構成され、或いは実行時にコンパイルされ得る。コードは、予めコンパイルされた又はアズコンパイルされた(as-compiled)様式でコードが実行を可能にするために選択可能な、プログラミング言語で供給され得る。
【0302】
コンピュータシステム(1101)などの本明細書中に提供されるシステム及び方法の態様は、プログラミングにおいて具体化され得る。この技術の様々な態様は、典型的に一種の機械可読媒体上で運ばれる又はそれに埋め込まれる機械(又はプロセッサ)実行可能コード及び/又は関連データの形で、「製品」又は「製造用品」として考慮され得る。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)又はハードディスクなどの電子記憶装置に記憶することができる。「記憶」型の媒体は、様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどの、コンピュータやプロセッサの有形メモリ、或いはその関連するモジュールの何れか又は全てを含むことができ、これらは、ソフトウェアのプログラミングのためにいかなる時も非一時的な記憶を提供し得る。ソフトウェアの全て又は一部は、インターネット又は様々な他の電気通信ネットワークを介して時々通信される。そのような通信は、例えば、1つのコンピュータ又はプロセッサから別のものへの、例えば、管理サーバー又はホストコンピュータからアプリケーションサーバーのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのローディングを可能にし得る。故に、ソフトウェア要素を持ち得る別のタイプの媒体は、有線及び光地上通信線ネットワークを通じた、及び様々なエアリンク(air-links)上での、ローカルデバイス間の物理インターフェースにわたって使用されるものなどの、光波、電波、及び電磁波を含む。有線又は無線リンク、光リンクなどの、そのような波を運ぶ物理要素はまた、ソフトウェアを持つ媒体と考慮され得る。本明細書で使用されるように、非一時的で有形の「記憶」媒体に制限されなければ、コンピュータ又は機械「可読媒体」などの用語は、実行のためのプロセッサに命令を提供することに関与する媒体を指す。
【0303】
従って、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、有形ストレージ媒体、搬送波媒体、又は物理的伝送媒体を含むが、これに限定されない、多くの形態をとってもよい。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示されるデータベースなどを実施するために使用され得るものなど、コンピュータなどにおける記憶デバイスの何れかといった、光ディスク又は磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリを含む。有形送信媒体は、同軸ケーブル;コンピュータシステム内のバスを含むワイヤーを含む、銅線及び光ファイバーを含んでいる。搬送波送信媒体は、無線周波(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されたものなどの、電気信号又は電磁気信号、或いは音波又は光波の形態をとり得る。それ故、コンピュータ可読媒体の共通の形態は、例えば:フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の磁気媒体、CD-ROM、DVD若しくはDVD-ROM、他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する他の物理的な記憶媒体、RAM、ROM、PROM及びEPROM、FLASH-EPROM、他のメモリチップ若しくはカートリッジ、データ若しくは命令を輸送する搬送波、そのような搬送波を伝達するケーブル若しくはリンク、又はコンピュータがプログラミングのコード及び/又はデータを読み取り得る他の媒体を含む。コンピュータ可読媒体のこれらの形態の多くは、実行のためにプロセッサに1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを運ぶことに関係し得る。
【0304】
コンピュータシステム(1101)は、電子ディスプレイ(1135)含む又はそれと通信することができ、電子ディスプレイ(1135)は、例えば印刷プロセスの状態を提供する(例えば、プロセスの完了前に印刷された3D組織部分を表す3D生体物質のイラストを表示する)ためのユーザーインターフェース(UI)(1140)、エネルギービームの手動制御(例えばエネルギービームのオン/オフ状態を制御する非常停止ボタン)、及び、例えば媒体チャンバ内の遠隔の酸素、二酸化炭素、湿度、及び温度の測定値を表示するように設計されたディスプレイを含む。UIの例は、限定されないが、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)及びウェブベースのユーザーインターフェースを含む。
【実施例】
【0305】
実施例1-本明細書に記載される方法及びシステムを使用した生物学的に機能性の大動脈弁のホログラフィック印刷
【0306】
一例では、患者は、息切れ、胸痛、及び心雑音などの症状を示す。医師は、大動脈弁狭窄の患者を診断し、大動脈弁置換手術を推奨する。患者は、大動脈弁のコンピュータトモグラフィー(CT)スキャンを受ける。その後、大動脈弁のCTスキャンは、コンピュータ利用設計(CAD)モデルに変換され、本明細書に開示されるシステムのコンピュータプロセッサによって受け取られる。コンピュータプロセッサは、コンピュータメモリーにおける大動脈弁CADモデルのポイントクラウド表現を生成する。コンピュータプロセッサは更に、大動脈弁のポイントクラウド表現を立体画像などの画像に変換する。システムは更に、三次元画像を分解且つ再構成し、これを媒体チャンバにおいてホログラフィック様式にて投影する。媒体チャンバは、線維芽細胞、軟骨を支持する軟骨細胞、及び部分的に分化された間葉系幹細胞などの細胞;心筋細胞保存培地などの細胞培養培地;重合化可能な物質(例えば2mg/mLのコラーゲンメタクリレート及び50%w/vのポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA));及び光重合開始剤(例えば、エオシンY)を含む。次に、システムは、3Dの生物学的に機能性の大動脈弁を形成するべく重合化可能な物質をさらすために、患者の大動脈弁のポイントクラウド表現に従って少なくとも1つのエネルギービーム経路に沿って媒体チャンバに少なくとも1つのエネルギービームを向ける。その後、3D印刷された生物学的に機能性の大動脈弁は、組織培養培地の条件で成長させられ、機能性及び構造的な特性を評価され、そして大動脈弁置換手術中に患者の罹患した大動脈弁を置換するために最終的に使用される。
【0307】
実施例2-血管柄付き三次元皮膚移植のホログラフィック印刷
【0308】
別の例において、医師は、患者の重度の皮膚病又は熱傷を処置し、代替組織が必要とされる。医師は、患者又は患者の遺伝的に同等なもの(genetic match)由来である健康な皮膚の一部から、原始細胞数の要件に依存して、約3mm~10cmの皮膚生検をとる。医師は、Prellis Biologicsに皮膚生検を送る。Prellis Biologicsは皮膚を分離する;即ち、Prellis Biologicsは、新たな血管柄付き皮膚を印刷するために細胞の十分な数の細胞が得られるまで、限定されないが、様々な分化状態のケラチノサイト、線維芽細胞、上皮細胞、及び幹細胞などの、皮膚からの別個の細胞型の一部を成長させ且つ拡大させる。血管柄付き皮膚のモデル及び層印刷の順序は、新たな皮膚の3D印刷が行われる媒体チャンバにレーザー又はエネルギービームを誘導する光学素子を制御する、コンピュータシステムへとロードされる。例えば、印刷される細胞の順序が決定され、例えば血管細胞が最初に印刷される。微小血管は、本明細書に記載される方法及びシステムを使用して印刷される。細胞含有媒体は、内皮細胞、並びに、1mg/mLのコラーゲンメタクリレート及び50%w/vのポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)の混合物を含む。細胞含有媒体はバイオインクであり得る。一旦、脈管構造が印刷されると、印刷された構造は、細胞含有媒体から取り除かれ、安定した血管系が存在するまで生理的条件で維持される。次に、印刷された血管系の安定性を流体流試験により検証し、皮膚層に存在する残りの細胞型、限定されないが、ケラチノサイト、上皮細胞、幹細胞、及び/又は線維芽細胞などを既存の印刷された脈管構造のまわりに印刷して、真皮層及び表皮層を形成する。残りの細胞型も本明細書に記載された方法及びシステムを使用して印刷される。皮内の構造、限定されないが、毛包及び脂線などは、上皮幹細胞を含む細胞含有媒体を使用して以前に印刷された三次元構造のまわりに印刷され;故に、印刷された三次元皮膚組織が形成される。その後、印刷された三次元皮膚組織は、細胞培養システムによって提供される生理的条件に戻る。三次元印刷された皮膚構造に、栄養豊富な酸化媒体のポンピング、及び/又は血管系の複数の内腔を通じた血液置換を介して、それ自体の潅流システムが提供される。三次元印刷された皮膚組織の分化及び増殖は、時折の生検によってモニタリングされ、十分な発達的な状態に到達すると、三次元印刷された皮膚組織は移植のために医師に返却される。本明細書に記載される血管柄付きの三次元印刷された皮膚移植は、組織が生きているという事実、外科的吻合術、又は血管と患者自身の循環系との接続部を含むがこれらに限定されない、他の解決策で多くの利益を持ち、移植片の機能的な取り込みを可能にする。
【0309】
実施例3-三次元の機能的な印刷された腎臓のホログラフィック印刷
【0310】
別の例において、腎不全を示す患者は、血液から老廃物及び余分な流体を取り除くために透析を週に3回受けている。医師は、患者又は適合した健康なドナー腎臓から腎生検を受け取り、Prellis Biologicsに腎生検を提供する。Prellis Biologicsは腎生検から抽出した細胞を培養し、インビトロで、間葉系幹細胞及び脱分化した尿細管上皮細胞を含むがこれらに限定されない成体の腎臓始原細胞集団を拡大させる。腎臓の毛細管系は、内皮細胞を含む細胞含有媒体、及び1mg/mLのコラーゲンメタクリレート及び50%w/vのポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)の混合物のレーザーで誘導された重合を使用して、成体の腎臓脈管構造系のCADモデルから印刷される。印刷された脈管構造は、機能性の脈管構造が実証されるまで、内皮細胞培地を使用して、生理学的条件下で維持される。一旦、機能性の脈管構造が実証されると、ネフロンの細管構造は、間葉系幹細胞、尿細管上皮細胞、及び感光性細胞外マトリックス(ECM)構成要素を含む、細胞含有媒体を使用して、脈管構造系の中及びそのまわりで印刷される。ECM構成要素は、複数の潅流可能な開いた内腔を持つ3D曲細管構造へと印刷される。間葉系幹細胞及び尿細管上皮細胞は、ECMスキャフォールドのまわりに集密的な上皮組織の単層を形成する。印刷された細管の固有の3D幾可学的形状と組み合わせた、モルフォゲン及び成長因子の制御された潅流は、機能性のネフロンの構成要素の各々を形成する、成熟し偏光された腎臓上皮細胞へと分化を向ける。機能性の印刷された腎臓は少なくとも200,000のネフロンユニットを含む。機能及び組織生存度は、患者への移植前に試験される。三次元の機能性の印刷された腎臓は、患者への移植のために医師に返却される。
【0311】
実施例4-細胞化した(Cellularized)三次元(3D)の非透過性微小血管系構造のホログラフィック印刷
【0312】
別の例において、本明細書に提供される3D印刷の方法及びシステムを使用して、
図48A-48Eに示されるように、細胞化した3Dの非透過性微小血管系構造を印刷した。
図48Aは、印刷の最初の工程の1つにおける3D微小血管系構造の平面図を示す。多光子エネルギービーム(120)を使用して、媒体へと3D微小血管系構造のホログラムを(トップダウンの様式で)投影する。媒体は、細胞培養培地、コラーゲンメタクリレート、PEGDA、エオシンY、及び細胞(506)を含有していた。細胞(506)は内皮細胞を含んでいた。
図48Aに示されるように、3D微小血管系構造の内部管(104)の直径は約10ミクロン(μm)であり、3D印刷プロセスの初期の工程で完了された。
図48Bは、その後にプロセスで形成し始めたときの、3D微小血管系構造の外部管(102)の平面図を示す。外部管(102)の直径は約50μmであった。完成した3D血管構造は、
図48Cに示されるように、インサイツで重合され、その構造のまわりの細胞(506)を捕捉する間に、外部管(102)の内部で内部管(104)を形成した。ホログラフィック印刷された最終的な管長は約250~300μmの長さに及んだ。
図48Dは、内部管(104)及び外部管(102)を含む、3つの微小血管系構造の蛍光画像である。3つの3D印刷された微小血管系構造は、微小血管系構造内で捕捉される蛍光標識された細胞(506)を示した。
図48Eは、細胞(506)を含有している3つの3D印刷された微小血管系構造の明視野画像を示す。3つの3D印刷された微小血管系構造は、生理学的な細胞培養条件下に配され、ホログラフィック印刷の5日後に明視野で画像化された。3D微小血管系構造は培養の5日後に染料(
図48Eに示される暗い領域)を含有しており、このことは、3D微小血管系構造が小分子を通さず、細胞全体が印刷された微小血管系構造の内部で保持されたことを示している。
【0313】
実施例5-ホログラフィック印刷を使用した細胞含有構造の生成
【0314】
別の例において、本明細書に提供される3D印刷の方法及びシステムを使用して、
図49A-49Hに示されるように、細胞含有構造を印刷した。
図49Aは、コンピュータが細胞含有構造の三次元(3D)画像を生成したことを示す。その後、コンピュータプロセッサは、
図49Bに示される細胞含有構造の3D画像のポイントクラウド表現を生成するようにプログラムされた。コンピュータプロセッサは更に、本明細書に提供されるアルゴリズムによって、ポイントクラウド表現を
図49Cに示されるホログラムに変換するようにプログラムされた。ポイントクラウド表現及びホログラムは、3D細胞含有構造を印刷するためのコンピュータ命令を生成するために使用され;これらのコンピュータ命令は
図49Dに示されるコンピュータ印刷システムに中継された。
図49Eに示されるように、レーザービームは、少なくとも1つのポリマー前駆体を含んでいた液体印刷媒体(126)に浮遊された生細胞(506)のクラスタを含有している媒体チャンバ(
図49に示されない)に向けられた。
図49Fは、ポイントクラウド表現の三次元印刷後の生細胞(506)の同じクラスタを示す。この例における印刷視野を、ユーザーによって細胞クラスタに集中させた。
図49Gは、印刷された3Dの細胞含有構造の内部の細胞(506)を示す切断画像を示す。
図49Hは、3Dの細胞含有構造の完全な印刷の代表的な画像を示す。細胞含有構造全体を約7秒で印刷した。
【0315】
実施例6-3D「Stanford Bunny」のホログラフィック印刷
【0316】
別の例において、本明細書に提供される3D印刷の方法及びシステムを使用して、
図50A-50Cに示されるように、三次元(3D)「Stanford Bunny」構造を印刷した。「Stanford Bunny」とは、一般的なコンピュータグラフィックス3D試験モデルである。
図50Aは、コンピュータが「Stanford Bunny」の三次元(3D)画像を生成したことを示す。
図50Bは、コンピュータで作成された「Stanford Bunny」の3D画像の平面図を示す。コンピュータプロセッサは、「Stanford Bunny」の3D画像のポイントクラウド表現を生成するようにプログラムされ、ポイントクラウド表現はホログラムに変換された。レーザービームは、少なくとも1つのポリマー前駆体(
図50に示されない)を含む液体印刷媒体を含有している媒体チャンバへと向けられた。
図50Cは、明視野顕微鏡検査を使用して画像化されるような「Stanford Bunny」の代表的な3D印刷を示す。「Stanford Bunny」の3D構造全体を、約60秒で印刷した。
【0317】
実施例7-二光子依存性プロセスとしてのホログラフィック印刷の実証
【0318】
別の例において、
図51A-51Bは、2つの異なる製剤のホログラフィック印刷に相当する、二光子レーザービーム露光時間(ミリ秒)対レーザー力(ワット)のグラフを示す。二光子吸収は二次プロセスであり、同一又は異なる周波数の二光子は、1つの状態からより高い電子状態へと分子を励起するために吸収される。
図51A-51Bは、二光子依存性プロセスとしてホログラフィック印刷のプロセスを実証する;ここで、印刷サンプルへの二光子レーザー露光時間は、印刷のために記載された時間及び閾値に適合するべく、レーザーシャッタの急速な開口及び閉鎖を指示したコンピュータプロセッサによって制御された。標準の二光子吸収性のプロセスにつき、印刷に必要な露光時間は、二乗された力で分割された固有の印刷物質特性に比例する。
図51Aは、少なくとも約30%のPEG-DA、0.5%のエオシンY、及び1mg/mLのコラーゲンジアクリレートを含む製剤Aにおける印刷のための閾値を示す。対数目盛における生データ点の外挿は、
図51Aの右側のグラフに示されるように、線形減少に適合した。対数目盛グラフに示される製剤Aの線形減少は、二次プロセスについて予想される線形減少モデルに一致した。
図51Bは、少なくとも約45%のPEG-DA、0.5%のエオシンY、及び1mg/mLのコラーゲンジアクリレートを含む製剤Bにおける印刷のための閾値を示す。対数目盛における製剤Bの生データ点の外挿は、
図51Bの右側のグラフに示されるように、線形減少に適合した。対数目盛グラフに示される製剤Bの線形減少は、二次プロセスについて予想される線形減少モデルに対応した。
【0319】
実施例8-ホログラフィック印刷を使用した標的単細胞の封入
【0320】
別の例において、本明細書に提供される3D印刷の方法及びシステムを使用して、
図52A-52Cに示されるように、標的単細胞の封入を実行した。
図52Aは、少なくとも1つのポリマー前駆体を含む印刷媒体に漂う、複数の封入された細胞及び封入されていない細胞を示す。例えば、第1の封入された細胞(142a)、第2の封入された細胞(142b)、第3の封入された細胞(142c)、第1の封入されていない細胞(144a)、第2の封入されていない細胞(144b)、及び第3の封入されていない細胞(144c)が、
図52Aに示される。
図52Bは、第1の封入された細胞(142a)、第2の封入された細胞(142b)、及び第3の封入された細胞(142c)のズームイン画像を示す。これらの細胞は、本明細書で提供される方法及びシステムを使用してホログラフィック印刷された約25ミクロン(μm)の直径を有する3Dポリマー球体によって封入された。
図52Cは、第1の封入されていない細胞(144a)、第2の封入されていない細胞(144b)、及び第3の封入されていない細胞(144c)のズームイン画像を示す。封入されていない細胞は、それらのまわりの3D球体のホログラフィック印刷にはさらされなかった。3Dホログラムは、封入事象1つ当たり最大約50ミリ秒(ms)の間、個々の細胞(例えば第1の封入された細胞(142a))上へと投影された。
【0321】
実施例9-ホログラフィック画像を投影する拡大レーザービーム
【0322】
別の例において、3D印刷システムの代表的な画像が
図53に示され;特に、ホログラフィック画像を投影する拡大レーザービームが示される。
図53は、印刷ヘッドの後部開口部上へとホログラフィック形態でパターン化された拡大レーザービームとして投影されたときの、1035nmの波長(即ち、遠赤外線スペクトルの波長)を持つレーザービームを示す。本実施形態において、印刷ヘッドは標準の生理学的等級の顕微鏡対物レンズであった。
図53に示される画像は、長時間の露光を使用して得られ、一方で赤外線検出レーザーカードは可視域において光路を照射するように光路を流れた。
【0323】
実施例10-様々なレーザー印刷モード
【0324】
別の例において、
図54A-54Dは、単一光子及び多光子の印刷プロセスのオプティックス、及び予想される構造的な結果に基づく、異なるレーザー印刷モードを例示する。
図54Aは、感光性印刷媒体を含有する媒体チャンバへの単一光子レーザービームの投影を例示する。単一光子レーザービームの投影は、焦点の意図した面の遮蔽化又は単離なしに
図54Aにて示され、これは光円錐全体の形状で印刷された構造を後に残すと予測され得る。
図54Bは多光子吸収プロセスを例示し、ここで、光子密度は焦点にて十分に高く、感光性印刷媒体を含有する媒体チャンバにおいてピンポイント構造のみを後に残す。
図54Cは、x、y、及びz面の焦点の多数の点にて多光子の吸収プロセスが生じるホログラムを生成するために形成される波面の、代表的な図を例示する。本実施形態において、完全な構造の3D投影されたホログラム部分間の急速な切り替えを使用して、完全な構造を構築し得る。
図54Dは、複雑な構造のホログラフィック印刷を可能とする、複数面での完全な画像投影(即ち、3Dホログラム)を例示する。一例として
図54Dに示される複雑な構造は、内部管及び外部管を持つ微小血管系構造である。
【0325】
実施例11-以前に印刷された3D微小血管系構造内の球体のホログラフィック印刷
【0326】
別の例において、本明細書に提供される3D印刷の方法及びシステムを使用して、
図55A-55Fに示されるように、以前に印刷された3D微小血管系構造内の球体を印刷した。
図55Aは、中空のチューブ構造を含む印刷された微小血管系構造を例示し、
図55Bに示される画像に対応する。
図55Bは、球体の印刷前の印刷された微小血管系構造の画像を示す。
図55C-55Dに示されるように、近赤外線波長を持つ多光子エネルギービーム(120)を使用して、微小血管系構造の中空管の中心へと球体のホログラムを投影した。微小血管系構造は、コラーゲンメタクリレート、PEGDA、及びエオシンYを含む媒体内で浮遊させられた。
図55Fは、(破線で描かれた)球体が分裂なしに微小血管系構造の内腔内に堆積したことを示す。
図55Eは、
図55Fに示される画像を例示する。球体は、最大約5ミリ秒(ms)で全体がホログラフィック印刷された。
【0327】
実施例12-3D微小血管系ベッドのホログラフィック印刷
【0328】
図56A-56Bは、本明細書で提供される方法及びシステムを使用して印刷されたポリマー脈管構造ベッドを示す。
図56Aは、ホログラフィック印刷プロセス中の脈管構造ベッドの画像を示す。照射された領域は、媒体上へと3D微小血管系ベッドのホログラムを投影する多光子レーザービームに相当する。媒体はポリマー前駆体及び光重合開始剤を含んでいた。
図56Bは、ホログラフィック印刷プロセス完了後の3D微小血管系ベッドの明視野画像を示す。
【0329】
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され且つ記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されるものであることは、当業者に明らかであろう。本発明が明細書内で提供される特異的な例によって制限されることは、意図されていない。本発明は前述の明細書に関して記載されているが、本明細書中の実施形態の記載及び例示は、限定的な意味で解釈されることを目的としていない。多数の変形、変更、及び置き換えは、本発明から逸脱することなく、当業者によって現在想到されるものである。更に、本発明の全ての態様は、様々な条件および変数に依存する、本明細書で述べられた特定の描写、構成、又は相対的比率に限定されないことが理解されるだろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用されるかもしれないことを理解されたい。それ故、本発明は、任意のそのような代替案、修正、変形、又は同等物にも及ぶことが考えられる。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲及びその同等物の範囲内の方法及び構造は、それにより包含されることが、意図されている。