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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】端子抜き治具
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/22 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
H01R43/22
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020001297
(22)【出願日】2020-01-08
(65)【公開番号】P2021111479
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】中村 将寿
(72)【発明者】
【氏名】大▲高▼ 一人
(72)【発明者】
【氏名】雨宮 大樹
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-297522(JP,A)
【文献】特開2002-231362(JP,A)
【文献】独国特許発明第102017109078(DE,B3)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/42
H01R43/027-43/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なるランスのランス解除リブが2つ並んで配置された治具挿入孔に挿入される挿入ロッド部と、
前記挿入ロッド部の先端部に設けられ、最先端が最も低くて前記挿入ロッド部の根元方向に向かって徐々に高さが高くなるテーパ形状で、前記治具挿入孔への挿入過程で前記ランス解除リブを持上げるランス持上げ面と、
前記挿入ロッド部の先端部で、且つ、隣りの前記ランス解除リブ側の側面に設けられ、前記ランス持上げ面の幅が最も狭い幅狭寸法で、前記ランス持上げ面の外側縁部から前記挿入ロッド部の根元方向に向かって外側に傾斜して前記挿入ロッド部の幅寸法を広くするテーパ形状の隣ランス逃がし面とを有し、
前記ランス持上げ面及び前記隣ランス逃がし面が隣接している、端子抜き治具。
【請求項2】
前記隣ランス逃がし面は、前記ランス持上げ面の最下端から途中高さにまでのみ設けられ、
前記ランス持上げ面は、前記隣ランス逃がし面が設けられている部位が幅狭寸法に、前記隣ランス逃がし面より上方の部位が幅広寸法に設けられている、請求項1に記載の端子抜き治具。
【請求項3】
前記隣ランス逃がし面の上端には、前記ランス持上げ面の幅狭寸法の部位と幅広寸法の部位との段差によって、隣ランス持上げ阻止面が設けられている、請求項2記載の端子抜き治具。
【請求項4】
前記挿入ロッド部は、間隔を置いて設けられた一対であり、
一対の前記挿入ロッド部は、端子収容室の両隣りに設けられた一対の前記治具挿入孔に挿入される、請求項1から3のいずれか一項に記載の端子抜き治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子抜き治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例の端子抜き治具は、把持部と、把持部に支持された一対の挿入ロッド部とを有する。一対の挿入ロッド部は、コネクタハウジングの端子挿入孔の両隣りに配置された一対のランス挿入孔に挿入可能な間隔に配置されている。各挿入ロッド部の先端部には、テーパ状の端子持上げ面が設けられている。
【0003】
端子抜き治具が使用されるコネクタハウジングは、両側に側壁がそれぞれ設けられ、並列して配置された複数の端子収容室と、各側壁にそれぞれ設けられた複数の治具挿入孔と、各端子収容室に収容された端子にそれぞれ係止する複数のランスとを備えている。
【0004】
各ランスには、両隣りに位置する双方の治具挿入孔に突出する一対のランス解除用リブが設けられている。両端位置より中央位置の治具挿入孔には、両隣りに位置する双方のランスのいずれか一方のランス解除リブが2つ並んで配置されている。
【0005】
次に、端子の解除作業を説明する。端子抜き治具の一対の挿入ロッド部を、解除目的の端子が収容された端子収容室の両隣りの治具挿入孔に挿入する。挿入した一対の挿入ロッド部で一対のランス解除リブを持上げ、ランスを端子解除位置とする。この状態で端子をコネクタハウジングより引き抜く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2002-231362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、各治具挿入孔には、解除目的のランスのランス解除リブと、隣りのランスのランス解除リブが2つ並んで配置されている。そのため、挿入ロッド部の先端側が正規の位置より開いた状態で挿入されると、隣りのランス解除リブを持上げて隣りのランスを解除する虞れがある。
【0008】
ここで、挿入ロッド部の先端側を一律に幅狭部として、挿入ロッド部の先端側が正規の位置より多少開いた状態で挿入されても、隣りのランスのランス解除リブを持上げないように形成することが考えられる。しかし、挿入ロッド部の先端側の幅狭部が解除目的のランスのランス解除リブと隣りのランスのランス解除リブの間に入り込んで解除目的のランスのランス解除リブを持上げできない虞れがある。
【0009】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、解除目的のランスのみを確実に解除できる端子抜き治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の態様に係る端子抜き治具は、異なるランスのランス解除リブが2つ並んで配置された治具挿入孔に挿入される挿入ロッド部と、前記挿入ロッド部の先端部に設けられ、最先端が最も低くて前記挿入ロッド部の根元方向に向かって徐々に高さが高くなるテーパ形状で、前記治具挿入孔への挿入過程で前記ランス解除リブを持上げるランス持上げ面と、前記挿入ロッド部の先端部で、且つ、隣りの前記ランス解除リブ側の側面に設けられ、前記ランス持上げ面の幅が最も狭い幅狭寸法で、前記ランス持上げ面の外側縁部から前記挿入ロッド部の根元方向に向かって外側に傾斜して前記挿入ロッド部の幅寸法を広くするテーパ形状の隣ランス逃がし面とを有する。
【0011】
前記隣ランス逃がし面は、前記ランス持上げ面の最下端から途中高さにまでのみ設けられ、前記ランス持上げ面は、前記隣ランス逃がし面が設けられている部位が幅狭寸法に、前記隣ランス逃がし面より上方の部位が幅広寸法に設けられていることが好ましい。
【0012】
前記隣ランス逃がし面の上端には、前記ランス持上げ面の幅狭寸法の部位と幅広寸法の部位との段差によって、隣ランス持上げ阻止面が設けられていることが好ましい。
【0013】
前記挿入ロッド部は、間隔を置いて設けられた一対であり、一対の前記挿入ロッド部は、端子収容室の両隣りに設けられた一対の前記治具挿入孔に挿入されることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、解除目的のランスのみを確実に解除する端子抜き治具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態を示し、(a)は端子抜き治具の斜視図、(b)は(a)のIb部の拡大図、(c)は(b)のIc-Ic線断面図、(d)は挿入ロッド部の先端部の側面図である。
図2】第1実施形態を示し、コネクタの正面図である。
図3】第1実施形態を示し、(a)はランス解除開始状態の図2のIIIa-IIIa線断面図、(b)はランス解除開始状態の図2のIIIb-IIIb線断面図である。
図4】第1実施形態を示し、ランス解除完了状態のコネクタの側面図である。
図5】第1実施形態を示し、(a)は図4のVa-Va線断面図、(b)は(a)のVb部拡大図である。
図6】第1実施形態を示し、(a)は図4のVIa-VIa線断面図、(b)は(a)のVIb部拡大図である。
図7】第1実施形態を示し、(a)はランス解除完了状態の図2のIIIa-IIIa線断面図、(b)はランス解除完了状態の図2のIIIb-IIIb線断面図である。
図8】第1実施形態を示し、(a)はランス解除開始状態の要部斜視図、(b)はランス解除開始状態の要部断面図である。
図9】第1実施形態を示し、(a)はランス解除途中状態の要部斜視図、(b)はランス解除途中状態の要部断面図である。
図10】第1実施形態を示し、(a)はランス解除完了状態の要部斜視図、(b)はランス解除完了状態の要部断面図である。
図11】第2実施形態を示し、(a)は端子抜き治具の斜視図、(b)は(a)のXIb部の拡大図である。
図12】第2実施形態を示し、(a)はランス解除開始状態の要部斜視図、(b)は(a)のXIIb部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて各実施形態に係る端子抜き治具A1、A2を詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0017】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る端子抜き治具A1は、図1に示すように、把持部1と、把持部1に支持され、根元近くより先端に向かって分岐された一対の挿入ロッド部2とを有する。一対の挿入ロッド部2の間隔d1は、コネクタハウジング12の両隣りに配置された2つの治具挿入孔16の間隔d2に設定されている。
【0018】
各挿入ロッド部2の先端部には、ランス持上げ面3と隣ランス逃がし面4が設けられている。ランス持上げ面3は、最先端が最も低く挿入ロッド部の根元方向に向かって徐々に高さが高くなるテーパ状である。ランス持上げ面3の最先端は、治具挿入孔16への挿入過程で下記するランス解除リブ18の下方に入り込む位置となっている。
【0019】
隣ランス逃がし面4は、挿入ロッド部2の先端部で、且つ、治具挿入孔16への挿入過程で隣りのランス解除リブ側の側面に設けられている。隣ランス逃がし面4は、ランス持上げ面3の幅が最も狭い幅狭寸法t1で、ランス持上げ面3の外側縁部から挿入ロッド部2の根元方向に向かって徐々に外側に傾斜して挿入ロッド部2の幅寸法を広くするテーパ形状である。
【0020】
隣ランス逃がし面4は、ランス持上げ面3から挿入ロッド部2の根元方向に向かって一定の幅寸法bのテーパ面に形成されている。隣ランス逃がし面4は、治具挿入孔16への挿入過程で隣りのランス解除リブ18を解除目的のランス解除リブ18より徐々に離間させるテーパ状である。
【0021】
隣ランス逃がし面4から挿入ロッド部2の根元方向に連続する側面は、挿入ロッド部2の挿入方向fに延びる治具開き防止面5に形成されている。
【0022】
各挿入ロッド部2の最先端部位で隣ランス逃がし面4の反対側には、テーパ状の挿入孔拾い面6が設けられている。挿入孔拾い面6は、挿入ロッド部2の最先端部位が治具挿入孔16の開口位置よりシフトしている場合に、挿入ロッド部2の最先端部位を治具挿入孔16に案内する。
【0023】
次に、端子抜き治具A1が使用されるコネクタ11を説明する。図2図7に示すように、コネクタ11は、コネクタハウジング12と、コネクタハウジング12に収容された複数の端子20とを有する。
【0024】
コネクタハウジング12は、ハウジング本体12Aにフロントホルダ12Bが組付けられることによって構成されている。コネクタハウジング12は、両側が側壁13でそれぞれ仕切られ、横方向に並列して配置された複数の端子収容室15と、各側壁13にそれぞれ設けられた複数の治具挿入孔16とを備えている。コネクタハウジング12は、各端子収容室15に収容された端子20にそれぞれ係止する複数のランス17を備えている。この実施形態では、端子収容室15、端子20及びランス17は、2つであり、治具挿入孔16は、3つである。
【0025】
各ランス17は、各端子20の係止孔21に入り込んで端子20を係止している。各ランス17は、弾性変形によって係止孔21より離脱する端子解除位置に変位可能に設けられている。各ランス17には、一対のランス解除リブ18が設けられている。一対のランス解除リブ18は、端子収容室15の両隣りに位置する双方の治具挿入孔16に突出している。
【0026】
両端位置より中央の治具挿入孔16には、両隣りに位置する双方のランス17のいずれか一方のランス解除リブ18が2つ並んで配置されている。両端位置の各治具挿入孔16には、一方のランス17のランス解除リブ18と治具押さえリブ19が2つ並んで配置されている。
【0027】
次に、端子20の解除作業を、図8図10を参考にして説明する。解除目的の端子20が収容された端子収容室15の両隣りの治具挿入孔16に、端子抜き治具A1の一対の挿入ロッド部2が挿入する。すると、先ず、図8に示すように、各挿入ロッド部2のランス持上げ面3が各ランス解除リブ18の下方に入り込み、図9に示すように、各挿入ロッド部2の進入が進むに従って一対のランス解除リブ18を徐々に持上げる。
【0028】
各挿入ロッド部2の隣ランス逃がし面4は、各挿入ロッド部2の進入が進むに従って隣りのランス解除リブ18を解除目的のランス解除リブ18より離間する方向に変位させる。これにより、隣りのランス解除リブ18が解除目的のランス解除リブ18と共に持ち上がるのを防止する。又、隣ランス逃がし面4は、挿入ロッド部2が正規の位置より開いた状態(隣りのランス解除リブ側に近い状態)で挿入された場合、解除目的のランス解除リブ18を隣りのランス解除リブ18からの反力によって正規な位置に戻す機能もある。
【0029】
治具開き防止面5には、各挿入ロッド部2の挿入過程で隣ランス逃がし面4の後に隣りのランス解除リブ18に当接し、挿入ロッド部2の先端部が解除目的のランス解除リブ18より外れる方向に変位することを防止する。これにより、図10に示すように、挿入ロッド部2が解除目的のランス解除リブ18のみをランス解除位置に持上げた状態を保持する。
【0030】
このようにして、各挿入ロッド部2が解除目的の一対のランス解除リブ18のみを徐々に押圧して解除目的のランス17のみを持上げ、ランス17が端子解除位置まで変位する。この状態で端子20をコネクタハウジング12より引き抜くことができる。
【0031】
以上説明したように、第1実施形態に係る端子抜き治具A1は、挿入ロッド部2と、挿入ロッド部2の先端部に設けられたランス持上げ面3及び隣ランス逃がし面4とを備えている。そして、挿入ロッド部2は、異なるランス17のランス解除リブ18が2つ並んで配置された治具挿入孔16に挿入されるものである。ランス持上げ面3は、最先端が最も低くて挿入ロッド部2の根元方向に向かって徐々に高さが高くなるテーパ形状で、治具挿入孔16への挿入過程でランス解除リブ18を持上げる。隣ランス逃がし面4は、隣りのランス解除リブ側の側面に設けられ、ランス持上げ面3の幅が最も狭く幅狭寸法t1で、ランス持上げ面3の外側縁部から挿入ロッド部2の根元方向に向かって徐々に外側に傾斜して挿入ロッド部2の幅寸法を広くするテーパ形状である。
【0032】
従って、挿入ロッド部2を治具挿入孔16に挿入すると、挿入ロッド部2のランス持上げ面3がランス解除リブ18をランス解除方向に持上げる。また、挿入ロッド部2の隣ランス逃がし面4が隣りのランス解除リブ18を解除目的のランス解除リブ18より離間する方向に逃がすため、解除目的のランス解除リブ18のみを持上げてランス17を解除位置に変位させる。以上より、隣りのランス17を解除することがなく解除目的のランス17のみを確実に解除する端子抜き治具A1を提供できる。
【0033】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る端子抜き治具A2は、前記第1実施形態のものと比較するに、各挿入ロッド部2の先端部には、ランス持上げ面3、隣ランス逃がし面4の構成が相違する。
【0034】
つまり、図11に示すように、隣ランス逃がし面4は、ランス持上げ面3の最下端から挿入ロッド部2の途中高さにまでのみ設けられている。隣ランス逃がし面4は、ランス持上げ面3の途中高さより最上端までには設けられていない。
【0035】
ランス持上げ面3は、隣ランス逃がし面4が設けられている部位が幅狭寸法t1に、隣ランス逃がし面4より上方の部位が幅広寸法t2に設けられている。
【0036】
隣ランス逃がし面4の上端には、ランス持上げ面3の幅狭寸法t1の部位と幅広寸法t2の部位との段差によって、隣ランス持上げ阻止面7が設けられている。
【0037】
挿入ロッド部2の下面から隣ランス持上げ阻止面7までの高さh1(図11図12に示す)は、治具挿入孔16の底面からランス解除リブ18の上面までの高さh2(図12に示す)よりも高く設定されている。
【0038】
コネクタ11の構成も含めて他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。図面の第1実施形態と同一構成の箇所には、同一構成符号を付して明確化を図る。
【0039】
この第2実施形態に係る端子抜き治具A2でも、前記第1実施形態と同様の理由によって、隣りのランス17を解除することがなく解除目的のランス17のみを確実に解除する端子抜き治具A2を提供できる。
【0040】
隣ランス逃がし面4は、ランス持上げ面3の最下端から挿入ロッド部2の途中高さにまでのみ設けられ、ランス持上げ面3は、隣ランス逃がし面4が設けられている部位が幅狭寸法t1に、隣ランス逃がし面4より上方の部位が幅広寸法t2に設けられている。従って、ランス持上げ面3の全域が幅狭寸法t1である場合に較べて、ランス持上げ面3によるランス解除リブ18の持上げ面積が広くなるため、挿入ロッド部2がランス解除リブ18に食い込むことを防止できる。
【0041】
隣ランス逃がし面4の上端には、ランス持上げ面3の幅狭寸法t1の部位と幅広寸法t2の部位との段差によって、隣ランス持上げ阻止面7が設けられている。従って、仮に隣りのランス解除リブ18が解除目的のランス解除リブ18と共に一旦は持上げられても、隣りのランス解除リブ18が隣ランス持上げ阻止面7に当接し、これ以上持ち上がることが阻止される。これによって、隣りのランス解除リブ18が目的のランス解除リブ18と共に解除位置まで持ち上がることが防止できる。隣りのランス解除リブ18は、撓み復帰変形によって元の位置に戻る。
【0042】
隣ランス持上げ阻止面7が設けられているため、ランス逃がし面4の幅寸法b及びテーパ角を精度良く設けなくても隣りのランス解除リブ18が解除位置までの持上がることを防止できる。従って、ランス逃がし面4の幅寸法b及びテーパ角の精度が要求されず、製造性が向上する。
【0043】
挿入ロッド部2の下面から隣ランス持上げ阻止面7までの高さh1は、治具挿入孔16の底面からランス解除リブ18の上面までの高さh2よりも高く設定されている。従って、隣りのランス解除リブ18の共に持上げ開始する時点では、隣りのランス解除リブ18が挿入ロッド部2の隣ランス持上げ阻止面7の下方に位置する。そのため、仮に隣りのランス解除リブ18が目的のランス解除リブ18と共に持上げられるような事態が生じても、隣りのランス解除リブ18の持上げを確実に防止できる。
【0044】
各実施形態では、端子収容室が2つであるが、3つ以上であっても良い。
【0045】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0046】
A1、A2 端子抜き治具
2 挿入ロッド部
3 ランス持上げ面
4 隣ランス逃がし面
7 隣ランス持上げ阻止面
15 端子収容室
16 治具挿入孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12