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特許7401324基板搬送管理装置、基板搬送管理方法、および装着部品振り分けシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】基板搬送管理装置、基板搬送管理方法、および装着部品振り分けシステム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
H05K13/02 U
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020012237
(22)【出願日】2020-01-29
(65)【公開番号】P2021118313
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千賀 章弘
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-185188(JP,A)
【文献】特開2014-036174(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送した基板に部品の装着作業を行う部品装着機が複数台並設された部品装着ラインに適用され、
前記基板の搬送速度に関する搬送条件を前記部品の種類ごとに示す搬送条件情報を記憶する記憶部と、
複数の前記部品装着機の前記装着作業に分担される前記部品の種類を示す分担情報、および前記搬送条件情報に基づいて、前記基板の前記搬送速度、加速度、および減速度の少なくとも一つを複数の前記部品装着機の搬送区間の各々に設定する設定部と、を備え
前記設定部は、前記部品装着ラインの下流に向かうにつれて、前記搬送速度、前記加速度、および前記減速度の少なくとも一つを単調減少させる、
基板搬送管理装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記基板に装着済みの前記部品の前記搬送条件情報を満足する前記搬送速度、前記加速度、および前記減速度の少なくとも一つを設定する、請求項1に記載の基板搬送管理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記部品の形状情報を記憶する形状記憶部、および、前記形状情報に基づいて前記搬送条件を演算する演算部からなる、請求項1または2に記載の基板搬送管理装置。
【請求項4】
前記形状情報は、前記部品の外形形状、外形寸法、質量、重心位置、および装着面積の少なくとも一つを含む、請求項に記載の基板搬送管理装置。
【請求項5】
搬送した基板に部品の装着作業を行う部品装着機が複数台並設された部品装着ラインに適用され、
前記基板の搬送速度に関する搬送条件を前記部品の種類ごとに示す搬送条件情報を記憶する記憶部と、
複数の前記部品装着機の前記装着作業に分担される前記部品の種類を示す分担情報、および前記搬送条件情報に基づいて、前記基板の前記搬送速度、加速度、および減速度の少なくとも一つを複数の前記部品装着機の搬送区間の各々に設定する設定部と、
各前記部品装着機に複数種類の前記部品の前記装着作業を振り分けたときに、前記装着作業に要する装着時間と、前記基板の搬送に要する搬送時間とを加算したサイクルタイムが各前記部品装着機で均等になるように振り分け方を調整する調整部と、
を備える装着部品振り分けシステム。
【請求項6】
搬送した基板に部品の装着作業を行う部品装着機が複数台並設された部品装着ラインに適用され、
前記基板の搬送速度に関する搬送条件を前記部品の種類ごとに示す搬送条件情報を記憶する記憶ステップと、
複数の前記部品装着機の前記装着作業に分担される前記部品の種類を示す分担情報、および前記搬送条件情報に基づいて、前記基板の前記搬送速度、加速度、および減速度の少なくとも一つを複数の前記部品装着機の搬送区間の各々に設定する設定ステップと、を備え
前記設定ステップにおいて、前記部品装着ラインの下流に向かうにつれて、前記搬送速度、前記加速度、および前記減速度の少なくとも一つを単調減少させる、
基板搬送管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、部品装着機が複数台並設された部品装着ラインに適用されて、基板の搬送を管理する装置、方法、および各部品装着機に複数種類の部品の装着作業を振り分けるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線が施された基板に対基板作業を実施して、基板製品を量産する技術が普及している。さらに、対基板作業のうち部品の装着作業を受け持つ部品装着機を複数台並設して、部品装着ラインを構成することが行われている。一般的に、部品装着機は、基板の搬送を行う基板搬送装置と、複数種類の部品を供給する部品供給装置と、基板への部品の装着作業を行う部品移載装置とを備える。ここで、基板を搬送するときに衝撃が発生すると、クリーム状半田を用いて装着された部品は、転倒したり横滑りしたりするおそれがある。このため、基板の搬送速度や加速度等の搬送条件を制御する必要がある。基板の搬送条件の制御に関する技術例が特許文献1、2に開示されている。
【0003】
特許文献1のプリント基板搬送装置は、基板を搬送する搬送アームと、搬送アームを駆動する駆動装置と、駆動装置を制御する制御装置とを備える。そして、制御装置に、搬送アームの加速パターンおよび減速パターンを記憶させた記憶手段と、それぞれのパターンに基づいて駆動装置を制御する制御手段とを設けたことを特徴とする。これによれば、基板の搬送時にその上に装着されている部品の重心位置や接触面積等に応じてその加速・減速パターンを最適に制御でき、高速で搬送することができる、とされている。
【0004】
また、特許文献2の電子部品実装方法では、基板に装着済みの部品の慣性パラメータを基板搬入部で求め、慣性パラメータの大小に対応して基板の搬送速度の動作パラメータの遅速を自動設定する。さらに、慣性パラメータとして、装着済み部品の高さや装着面積、体積を用いることが示されている。これによれば、部品の装着状況が変化しても適切な搬送速度で基板を搬送することができるので、部品のずれや飛散等を生じさせることがなくなり、また、無駄に搬送速度を下げることなく生産性を向上できる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平4-299898号公報
【文献】特開2003-51698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1の技術では、基板に装着されている部品の種類に対応して、複数種類の加速・減速パターンを選択的に使用することになる。このため、部品装着ラインで生産する基板製品の種類を変更する際の段取り替え作業で、複数の部品装着機の加速・減速パターンを手動で設定変更する必要がある。したがって、オペレータは、設定の手間がかかる。
【0007】
これに対して、特許文献2の技術では、基板搬入部に設けたセンサ(高さ計測部など)を用いて装着済み部品の慣性パラメータを求め、搬送速度の遅速を自動設定するので、省力化が実現される。しかしながら、センサの追加設置は、装置コストの上昇を伴い、加えて、センサの検出信号の処理が終わるまで搬送動作が制約される。
【0008】
本明細書は、部品装着ラインを構成する部品装着機の各々が基板を搬送するときの搬送速度、加速度、および減速度の少なくとも一つを適正に自動設定することができる基板搬送管理装置および方法を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書は、搬送した基板に部品の装着作業を行う部品装着機が複数台並設された部品装着ラインに適用され、前記基板の搬送速度に関する搬送条件を前記部品の種類ごとに示す搬送条件情報を記憶する記憶部と、複数の前記部品装着機の前記装着作業に分担される前記部品の種類を示す分担情報、および前記搬送条件情報に基づいて、前記基板の前記搬送速度、加速度、および減速度の少なくとも一つを複数の前記部品装着機の搬送区間の各々に設定する設定部と、を備える基板搬送管理装置を開示する。
【0010】
また、本明細書は、搬送した基板に部品の装着作業を行う部品装着機が複数台並設された部品装着ラインに適用され、前記基板の搬送速度に関する搬送条件を前記部品の種類ごとに示す搬送条件情報を記憶する記憶部と、複数の前記部品装着機の前記装着作業に分担される前記部品の種類を示す分担情報、および前記搬送条件情報に基づいて、前記基板の前記搬送速度、加速度、および減速度の少なくとも一つを前記複数の部品装着機の搬送区間の各々に設定する設定部と、各前記部品装着機に複数種類の前記部品の前記装着作業を振り分けたときに、前記装着作業に要する装着時間と、前記基板の搬送に要する搬送時間とを加算したサイクルタイムが各前記部品装着機で均等になるように振り分け方を調整する調整部と、を備える装着部品振り分けシステムを開示する。
【0011】
さらに、本明細書は、搬送した基板に部品の装着作業を行う部品装着機が複数台並設された部品装着ラインに適用され、前記基板の搬送速度に関する搬送条件を前記部品の種類ごとに示す搬送条件情報を記憶する記憶ステップと、複数の前記部品装着機の前記装着作業に分担される前記部品の種類を示す分担情報、および前記搬送条件情報に基づいて、前記基板の前記搬送速度、加速度、および減速度の少なくとも一つを前記複数の部品装着機の搬送区間の各々に設定する設定ステップと、を備える基板搬送管理方法を開示する。
【発明の効果】
【0012】
本明細書で開示する基板搬送管理装置および方法において、基板に装着済みの部品が転倒したり横滑りしたりするおそれがなく、かつ生産効率を良好とする適正な搬送条件情報を、部品の種類ごとに記憶することができる。さらに、分担情報を参照することにより、部品装着ラインの任意の位置で、基板に装着済みの部品が判明する。したがって、分担情報および搬送条件情報に基づいて、部品装着機の各々が基板を搬送するときの搬送速度、加速度、および減速度の少なくとも一つを適正に自動設定することができる。これにより、良好な生産効率を確保することができ、加えて、オペレータの設定の手間がかからない。
【0013】
また、本明細書で開示する装着部品振り分けシステムは、上記した基板搬送管理装置に調整部を追加して構成される。したがって、本システムによれば、基板搬送管理装置と同様、部品装着機の各々が基板を搬送するときの搬送速度、加速度、および減速度の少なくとも一つを適正に自動設定することができる。さらに、本システムでは、各部品装着機に複数種類の部品の装着作業を振り分けるときに、部品の装着時間を考慮するだけでなく、基板搬送管理装置によって管理される基板の搬送時間をも考慮して調整を行う。したがって、基板の搬送時間の変化を考慮しない従来技術と比較して、本システムによれば、部品装着機ごとのサイクルタイムの演算精度が向上し、部品装着ライン全体のラインサイクルタイムを短縮する効果が顕著となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態の基板搬送管理装置を適用する部品装着ラインの構成例を示す斜視図である。
図2】部品装着機の構成例を示す斜視図である。
図3】実施形態の基板搬送管理装置の機能ブロック図である。
図4】部品が転倒しない条件、および横滑りしない条件を模式的に説明する図である。
図5】搬送制御タイプの基板搬送装置を概念的に示した図である。
図6】ストッパタイプの基板搬送装置を概念的に示した図である。
図7】基板搬送管理装置の動作を説明する動作フローの図である。
図8】実施形態の装着部品振り分けシステムの機能ブロック図である。
図9】装着部品振り分けシステムの動作を説明する動作フローの図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
1.部品装着ライン2の構成例
まず、実施形態の基板搬送管理装置1を適用する部品装着ライン2の構成例について、図1を参考にして説明する。部品装着ライン2は、2台の同一構造の部品装着機を搭載した共通ベース2A1、2A2、2A3、2A4が4個並設されて構成される。したがって、部品装着ライン2は、合計8台の部品装着機(21~28)が並設されて構成される。なお、部品装着ライン2を構成する部品装着機の台数は、8台以外でもよい。部品装着ライン2の上流側に図略の半田印刷機および印刷検査機が並設され、下流側に図略の基板外観検査機およびリフロー機が並設される。
【0016】
図1の左奥側の部品装着機21がライン上流側、右手前側の部品装着機28がライン下流側となる。また、図中のXY座標軸に示されるように、8台の部品装着機21~28が順番に基板を搬送する方向をX軸方向とし、水平面内でX軸方向に直交する方向をY軸方向とする。共通ベース2A4の1個分すなわち2台の部品装着機27、28を示す図2を参考にして、部品装着機28の装置構成を詳述する。
【0017】
部品装着機28は、基板搬送装置3、部品供給装置4、部品移載装置5、および部品カメラ6などが基台2Bに組み付けられて構成される。基板搬送装置3は、部品装着機28のY軸方向の中央付近に配置される。基板搬送装置3は、第1搬送装置31および第2搬送装置32が並設された、いわゆるダブルコンベアタイプの装置である。第1搬送装置31および第2搬送装置32の搬送路の略中央に、装着実施位置が設定される。装着実施位置の下側に、搬送された基板を基台2B側から押し上げて位置決めするクランプ装置(符号省略)が設けられる。なお、基板搬送装置3は、シングルコンベアタイプの装置でもよい。
【0018】
部品供給装置4は、部品装着機28のY軸方向の前部(図2の左前側)に配置される。部品供給装置4は、複数のカセット式フィーダ41が配列されて構成される。カセット式フィーダ41は、フィーダ本体42と、フィーダ本体42の後部に回転可能かつ脱着可能に装着された供給リール43と、フィーダ本体42の先端上部に設けられた部品供給部44とを備える。供給リール43には、多数の部品を一定の間隔で保持したキャリアテープ(図略)が巻回されている。このキャリアテープの先端が部品供給部44まで引き出されて、部品が供給される。
【0019】
部品移載装置5は、部品装着機28の長手方向の後部から部品供給装置4の上方にかけて配置される。部品移載装置5は、X軸方向およびY軸方向に移動可能な、いわゆるXYロボットタイプの装置である。部品移載装置5は、ヘッド駆動機構51および装着ヘッド52などにより構成される。ヘッド駆動機構51は、装着ヘッド52をX軸方向およびY軸方向に駆動する。装着ヘッド52の下部に、ロータリツール53が設けられる。ロータリツール53は、複数の吸着ノズル(図略)を回転可能かつ昇降可能に保持する。吸着ノズルは、部品供給装置4から部品を採取して基板上の装着位置に装着する部品装着具の代表例である。なお、装着ヘッド52の下部に、他の部品装着具、例えば、大型の1本の吸着ノズルや挟持式装着具が設けられてもよい。
【0020】
部品カメラ6は、部品供給装置4と第1搬送装置31との間の基台2B上に配置される。部品カメラ6は、部品移載装置5の吸着ノズルが吸着採取した部品を下方から撮像して、画像データを取得する。この画像データが画像処理されて、部品の良否が判定されるとともに、部品の吸着状態が認識される。画像処置の結果は、吸着ノズルの装着動作に反映される。
【0021】
図略の制御部は、制御線を用いて基板搬送装置3、部品供給装置4、部品移載装置5、部品カメラ6、および操作表示部62に通信接続されている。制御部は、基板製品の種類ごとに定められたジョブデータに基づいて、部品の装着作業を制御する。操作表示部62は、カバー2Cの前側の上部に配置される。操作表示部62は、オペレータと制御部の間で情報を授受するマンマシンインターフェースの役割を果たす。
【0022】
2.実施形態の基板搬送管理装置1の機能構成
実施形態の基板搬送管理装置1の説明に移る。図3に示されるように、8台の部品装着機(21~28)は、ライン管理装置71に通信接続される。ライン管理装置71は、CPUを有してプログラムで動作するコンピュータ装置である。ライン管理装置71は、記憶装置72へのアクセスが可能となっている。記憶装置72は、ライン管理装置71の専用である必要はなく、他のコンピュータ装置と共用にされていてもよい。
【0023】
ライン管理装置71は、さらに、生産管理装置8に通信接続される。生産管理装置8は、生産する基板製品の設計情報等の各種情報、基板製品の種類、数量、生産日程などを管理する。ライン管理装置71は、生産管理装置8からの指令にしたがい、8台の部品装着機(21~28)を総括して制御する。8台の部品装着機(21~28)は、複数種類の部品の装着作業を分担して実施する。
【0024】
基板搬送管理装置1は、記憶部11、設定部15、および分担情報記憶部16により構成される。記憶部11は、形状記憶部12および演算部13からなる。演算部13および設定部15は、ライン管理装置71のプログラムによって実現される。形状記憶部12および分担情報記憶部16は、記憶装置72に記憶されるデータによって実現される。
【0025】
基板搬送管理装置1は、基板製品を生産する際に、元になる基板や生産途中の基板を搬送するときの搬送条件(使用する搬送条件)を生産開始以前に予め設定する。使用する搬送条件として、基板の搬送速度、加速度、および減速度の少なくとも一つが設定される。基板搬送管理装置1は、当該の基板製品に関する分担情報を生産管理装置8から取得して、分担情報記憶部16に記憶する。分担情報は、8台の部品装着機(21~28)の装着作業に分担される部品の種類を示すデータである。
【0026】
記憶部11は、基板の搬送速度に関する搬送条件を部品の種類ごとに示す搬送条件情報を記憶する。詳述すると、記憶部11を構成する形状記憶部12は、部品の形状情報を記憶する。形状情報は、部品の外形形状、外形寸法、質量、重心位置、および装着面積の少なくとも一つを含む。この記憶動作は、全種類の部品を対象として予め実施されてもよく、生産する基板製品に必要となる種類の部品を対象としてその都度実施されてもよい。
【0027】
次に、記憶部11を構成する演算部13は、部品の種類ごとの形状情報に基づいて搬送条件を演算し、部品の種類と対応付けて搬送条件情報とする。この演算動作は、当該の部品の装着作業を分担する部品装着機(21~28)に関係なく行われる。また、演算された搬送条件は、基板の搬送速度、加速度、および減速度の少なくとも一つの上限許容値を表し、実際に使用する搬送条件と相違する。
【0028】
演算部13の演算内容の一例について、図4を参考にして説明する。演算部13は、基板Kに装着済みの部品Pが転倒せず、かつ横滑りしない範囲で搬送条件を求める。図4において、部品Pは、クリーム状半田Hを用いて基板Kの上面に装着されている。また、白抜き矢印Mに示されるよう、基板Kを右方に加速しながら搬送している状況を想定する。部品Pの重心Gには、加速に伴う後向きの力F1、下向きの力F2、および力F1に釣り合う前向きの力F3が作用する。
【0029】
ここで、部品Pが転倒しない条件は、部品Pの後下点RUの周りの回転モーメントに関する不等式(1)、および不等式(1)を書き換えた不等式(2)で示される。
F1・Y < F2・X ……………………(1)
ma・Y < (mg+f)・X …………(2)
ただし、mは部品Pの質量、aは基板Kの加速度、gは重力加速度、fはクリーム状半田Hの粘着力、Yは重心Gの基板K上面からの高さ、Xは重心Gと後下点RUの水平距離である。なお、クリーム状半田Hの粘着力fは、基板Kと部品Pの間の装着面積に依存する量である。
【0030】
また、部品Pが横滑りしない条件は、水平方向の力の大小関係の不等式(3)、および不等式(3)を書き換えた不等式(4)で示される。
F1 < F3 ……………(3)
ma < mgu …………(4)
ただし、uはクリーム状半田Hの粘性に依存する静止摩擦係数である。
【0031】
演算部13は、不等式(2)および不等式(4)の両方を満足する加速度aの上限値を求める。演算部13は、次に、上限値を1より大きな安全係数で除算して加速度の上限許容値とし、部品Pの種類ごとの搬送条件情報とする。なお、縦に長い部品Pは、転倒しやすいので、多くの場合に不等式(2)が制約条件となる。一方、横に長い部品Pは、転倒しにくいので、多くの場合に不等式(4)が制約条件となる。また、基板Kを減速しながら搬送する状況を想定することができ、演算部13は、同様の考え方で、減速度の上限許容値を演算する。縦に長い部品Pや、大きな質量mの部品Pは、厳しい搬送条件情報(小さな上限許容値)をもつ傾向にある。
【0032】
なお、不等式(2)に含まれるクリーム状半田Hの粘着力f、および、不等式(4)に含まれる静止摩擦係数uは、クリーム状半田Hの温度に依存して変化する。そこで、クリーム状半田Hの温度を実測し、または推定した結果に基づき、搬送条件情報を補正してもよい。クリーム状半田Hの温度を実測する装置として、赤外線を検出する非接触型温度計を例示できる。クリーム状半田Hの温度を推定する方法として、基板Kにクリーム状半田Hが印刷されてからの経過時間と温度低下の関係を表す特性曲線に基づく方法を例示できる。また、演算部13は、不等式(2)および不等式(4)以外の演算式により搬送条件を演算してもよい。
【0033】
さらに、記憶部11は、形状記憶部12と演算部13の組み合わせに限定されない。例えば、部品メーカは、部品に許容される搬送条件の上限許容値を推奨する場合がある。この場合、記憶部11は、搬送条件の上限許容値を入力する入力部と、入力された上限許容値を記憶する許容値記憶部と、により構成されてもよい。
【0034】
また、搬送条件情報の具体的な項目は、基板搬送装置3の構成に依存する。基板搬送装置3として、図5に概念的に示される搬送制御タイプの基板搬送装置3A、および図6に概念的に示されるストッパタイプの基板搬送装置3Bを例示できる。図5および図6において、基板Kは、装着実施位置に示されている。
【0035】
搬送制御タイプの基板搬送装置3Aは、例えば、搬送コンベア33、駆動スプロケット34D、従動スプロケット34F、基板検出センサ35、パルスモータ36、およびコンベア制御部37で構成される。駆動スプロケット34Dおよび従動スプロケット34Fの一方は搬入口に設けられ、他方は搬出口に設けられる。搬送コンベア33は、駆動スプロケット34Dと従動スプロケット34Fの間に、輪転可能に架け渡される。なお、三つ以上のスプロケットが併用されてもよい。搬送コンベア33の上に、基板Kが載置される。基板検出センサ35は、搬送コンベア33の前縁部分すなわち搬入口付近に設けられて、基板Kを検出する。基板検出センサ35として、搬送路を横断する検出光が遮光されることにより基板Kを検出する光電センサを例示できる。
【0036】
パルスモータ36は、駆動スプロケット34Dを回転駆動して、搬送コンベア33を図5の時計回り(矢印Q参照)に輪転させる。基板検出センサ35が基板Kの到来を検出すると、コンベア制御部37は、制御パルスを出力してパルスモータ36を制御する。これにより、コンベア制御部37は、基板Kの搬送速度の増減を制御しつつ搬入して、装着実施位置に停止させる。この構成の場合、力F1の発生原因として、基板Kに作用する加速度および減速度のうち大きな側を考慮すればよい。したがって、演算部13は、搬送条件情報として加速度および減速度の少なくとも一方を求める。
【0037】
一方、ストッパタイプの基板搬送装置3Bは、例えば、搬送コンベア33、駆動スプロケット34D、従動スプロケット34F、一般的なモータ38、およびストッパ部材39で構成される。搬送コンベア33は、駆動スプロケット34Dと従動スプロケット34Fの間に、輪転可能に架け渡される。搬送コンベア33の上に、基板Kが載置される。モータ38は、オンオフの切り替えが可能であり、駆動スプロケット34Dを回転駆動して、搬送コンベア33を図6の時計回り(矢印Q参照)に輪転させる。ストッパ部材39は、装着実施位置の前側に、上下動可能に設けられる。
【0038】
この構成で、基板Kは、ストッパ部材39に衝突して停止し、その後にモータ38がオフとなる。つまり、力F1の発生原因として、基板Kの衝突により搬送速度が急激に減少するときの減速度を考慮する必要がある。したがって、演算部13は、搬送条件情報として搬送速度を求める。
【0039】
設定部15は、分担情報および搬送条件情報に基づいて、基板の搬送速度、加速度、および減速度の少なくとも一つを8台の部品装着機(21~28)の搬送区間の各々に設定する。搬送区間は、搬入口から装着実施位置までの搬入区間と、装着実施位置から搬出口までの搬出区間とに分けて考えることができる。設定部15は、基板Kに装着済みの部品Pの搬送条件情報を満足する搬送条件(搬送速度、加速度、および減速度の少なくとも一つ)を設定する。
【0040】
ここで、設定部15は、小さな搬送条件を設定すれば部品Pの転倒や横滑りを確実に防止できるが、搬送時間が長くなって部品装着ライン2の生産効率が低下する。したがって、設定部15は、装着済みの複数種類の部品Pの搬送条件情報のうち最も小さな上限許容値を、使用する搬送条件に設定することが好ましい。これにより、部品装着ライン2の良好な生産効率を確保することができる。
【0041】
また、部品装着ライン2の下流に向かうにつれて、基板Kに装着済みの部品Pの点数が増加するため、搬送条件情報の制約が増大する。さらに、部品装着ライン2の上流寄りでは、緩い搬送条件情報(大きな上限許容値)をもつ低背の小型の部品Pが装着され、下流寄りでは、厳しい搬送条件情報(小さな上限許容値)をもつ大型の部品や特殊形状の部品が装着される。したがって、設定部15は、部品装着ライン2の下流に向かうにつれて、搬送速度、加速度、および減速度の少なくとも一つを単調減少させる。単調減少とは、途中で値が増加せず、同じ値を維持し、または値が減少することを意味する。設定部15の機能については、次の動作の説明の中で詳細に述べる。
【0042】
3.基板搬送管理装置1の動作
次に、基板搬送管理装置1の動作について、図7の動作フローを参考にして説明する。動作フローの開始以前に、生産する基板製品は決定されている。図7のステップS1で、形状記憶部12は、生産する基板製品に必要となる種類の部品Pを対象として、形状情報を記憶する。次のステップS2で、演算部13は、部品Pの種類ごとの形状情報に基づいて搬送条件の上限許容値を演算し、部品Pの種類と対応付けて搬送条件情報とする。
【0043】
次のステップS3で、設定部15は、分担情報を取得する。次のステップS4で、設定部15は、最上流の部品装着機21に着目する。次のステップS5で、設定部15は、着目した部品装着機21の搬入区間および搬出区間における基板Kへの装着済み部品を抽出する。搬入区間において、当然ながら、装着済み部品は無い。また、搬出区間において、装着済み部品は、分担情報を参照すれば、部品装着機21で装着される部品Pと容易に判る。
【0044】
次のステップS6で、設定部15は、部品装着機21の搬入区間および搬出区間に対して、使用する搬送条件(搬送速度、加速度、および減速度の少なくとも一つ)をそれぞれ設定する。搬入区間では、装着済み部品が無いため、大きな搬送条件が設定される。搬出区間では、部品装着機21で装着された部品Pの搬送条件情報を満足する搬送条件が設定される。換言すると、基板Kに装着された部品Pが転倒せず、かつ横滑りしない条件を満足する搬送条件が設定される。ただし、部品装着機21の搬送コンベア33に2枚の基板Kが載置されて搬入と搬出が同時に行われる場合、搬入区間では、大きな搬送条件でなく搬出区間と同じ搬送条件が設定される。それでも、搬出区間の搬送条件は、搬入区間の搬送条件より大きくならない。
【0045】
次のステップS7で、設定部15は、最下流の部品装着機28に対する設定が終了したか否かを判定する。終了していない場合のステップS8で、設定部15は、次の下流側の部品装着機22に着目して、動作フローの実行をステップS5に戻す。2回目のステップS5で、設定部15は、着目した部品装着機22の搬入区間および搬出区間における基板Kへの装着済み部品を抽出する。搬入区間において、装着済み部品は、部品装着機21の搬出区間における装着済み部品に一致する。また、搬出区間において、装着済み部品は、分担情報を参照すれば、2台の部品装着機21、22で装着される部品Pと容易に判る。
【0046】
2回目のステップS6で、設定部15は、部品装着機22の搬入区間および搬出区間に対して、使用する搬送条件をそれぞれ設定する。搬入区間では、部品装着機21の搬出区間と同じ搬送条件が設定される。搬出区間では、2台の部品装着機21、22で装着された部品Pの搬送条件情報を満足する搬送条件が設定される。ただし、部品装着機22の搬送コンベア33に2枚の基板Kが載置されて搬入と搬出が同時に行われる場合、搬入区間では、搬出区間と同じ搬送条件が設定される。それでも、搬出区間の搬送条件は、搬入区間の搬送条件より大きくならない。
【0047】
この後、動作フローの実行は、ステップS7、ステップS8を経由して、再びステップS5に戻される。3回目のステップS5で、設定部15は、着目した部品装着機23の搬入区間および搬出区間における基板Kへの装着済み部品を抽出する。搬入区間において、装着済み部品は、部品装着機22の搬出区間における装着済み部品に一致する。また、搬出区間において、装着済み部品は、分担情報を参照すれば、3台の部品装着機21、22、23で装着される部品Pと容易に判る。
【0048】
3回目のステップS6で、設定部15は、部品装着機23の搬入区間および搬出区間に対して、使用する搬送条件をそれぞれ設定する。搬入区間では、部品装着機22の搬出区間と同じ搬送条件が設定される。搬出区間では、3台の部品装着機21、22、23で装着された部品Pの搬送条件情報を満足する搬送条件が設定される。ただし、部品装着機23の搬送コンベア33に2枚の基板Kが載置されて搬入と搬出が同時に行われる場合、搬入区間では、搬出区間と同じ搬送条件が設定される。
【0049】
以下、同様の動作により、ステップS5~ステップS7が8回繰り返して実行される。これにより、8台の部品装着機(21~28)の搬入区間および搬出区間に対して、使用する搬送条件がそれぞれ設定される。例えば、最下流の部品装着機28の搬出区間に対して、8台の部品装着機(21~28)で装着されたすべての部品Pの搬送条件情報を満足する搬送条件が設定される。設定された搬送条件は、各部品装着機(21~28)のジョブデータの一部となる。この後、ステップS7の条件が成立して、動作フローは終了する。
【0050】
実施形態の基板搬送管理装置1において、基板Kに装着済みの部品Pが転倒したり横滑りしたりするおそれがなく、かつ生産効率を良好とする適正な搬送条件情報を、部品Pの種類ごとに記憶することができる。さらに、分担情報を参照することにより、部品装着ライン2の任意の位置で、基板Kに装着済みの部品Pが判明する。したがって、分担情報および搬送条件情報に基づいて、部品装着機(21~28)の各々が基板Kを搬送するときの搬送速度、加速度、および減速度の少なくとも一つを適正に自動設定することができる。これにより、良好な生産効率を確保することができ、加えて、オペレータの設定の手間がかからない。
【0051】
また、基板搬送管理装置1は、プログラムとデータの組み合わせによって実現される。したがって、センサ等のハードウェアの追加設置は不要であり、装置コストの上昇が抑制される。さらに、基板搬送管理装置1は、基板製品の生産開始以前に基板Kの搬送条件(搬送速度、加速度、および減速度の少なくとも一つ)を予め設定することができる。このため、センサの検出信号の処理が終わるまで搬送動作が制約されるという弊害は生じない。
【0052】
4.実施形態の装着部品振り分けシステム1A
次に、実施形態の装着部品振り分けシステム1Aについて説明する。装着部品振り分けシステム1Aは、図8に示されるように、基板搬送管理装置1の構成に調整部17が追加されて構成される。調整部17は、ライン管理装置71のプログラムによって実現される。そして、分担情報は、固定されたデータでなく、調整部17によって調整される可変データとして扱われる。
【0053】
分担情報を調整する従来技術として、特開2004-146641号公報に記載されたシミュレーション方法がある。この従来技術では、1つの基板についての装着作業を複数の部品装着機に振り分けて、サイクルタイムをシミュレーションする。しかしながら、この従来技術では、振り分けられた部品の種類は考慮されても、装着された部品に応じて基板の搬送速度を変更することは考慮されていなかった。したがって、部品装着機(21~28)の各々について個別に搬送条件を設定する基板搬送管理装置1を、上記の従来技術と組み合わせても、サイクルタイムの演算精度が低下する。
【0054】
この問題点に関して、実施形態の装着部品振り分けシステム1Aは、サイクルタイムの演算精度を向上して、部品装着ライン2全体のラインサイクルタイムを短縮することを二つ目の課題とする。追加された調整部17は、各部品装着機(21~28)に複数種類の部品Pの装着作業を振り分ける振り分け方を、生産開始以前に予め調整する。詳細には、調整部17は、装着作業に要する装着時間と、基板Kの搬送に要する搬送時間とを加算したサイクルタイムが各部品装着機(21~28)で均等になるように調整する。
【0055】
装着部品振り分けシステム1Aの動作は、図9の動作フローに示される。図9のステップS11で、調整部17は、各部品装着機(21~28)に複数種類の部品Pの装着作業を振り分ける一つの振り分け方を仮設定する。換言すると、調整部17は、一つの分担情報を仮設定する。次のステップS12で、図7の動作フローの全体が実行され、各部品装着機(21~28)で使用する搬送条件が試算される。
【0056】
次のステップS13で、調整部17は、ステップS12で試算された搬送条件に基づいて、各部品装着機(21~28)での基板Kの搬送時間を試算する。このとき、基板Kを装着実施位置に位置決めする時間、および、位置決めされた基板Kの実位置を確認または補正する時間は、搬送時間に含まれる。
【0057】
次のステップS14で、調整部17は、仮設定された分担情報に基づいて、各部品装着機(21~28)での部品Pの装着時間を試算する。このとき、調整部17は、装着時間に影響を及ぼす他要因を併せて調整する。他要因として、各部品装着機(21~28)における複数種類の部品Pの配列位置(カセット式フィーダ41の並び順)、装着作業の順序、および使用する部品装着具(吸着ノズルなど)の種類および大きさを例示することができる。
【0058】
次のステップS15で、調整部17は、部品装着機(21~28)ごとのサイクルタイムを試算する。サイクルタイムは、装着時間と搬送時間を加算して求められる。次のステップS16で、調整部17は、部品装着ライン2のラインサイクルタイムを試算する。ラインサイクルタイムは、部品装着機(21~28)ごとのサイクルタイムのうちの最大値となる。
【0059】
次のステップS17で、調整部17は、分担情報を変更してラインサイクルタイムを短縮できる可能性の有無を判定する。可能性が有る場合のステップS18で、調整部17は、分担情報を変更設定して、動作フローの実行をステップS12に戻す。例えば、部品装着機(21~28)ごとのサイクルタイムが均等化されていない場合、装着作業の負荷分担が不均等であることを意味する。この場合、サイクルタイムが長い部品装着機への振り分けを軽減して、サイクルタイムが短い部品装着機へ振り向けることにより、可能性が生じる。つまり、部品装着機(21~28)ごとのサイクルタイムを均等化することにより、ラインサイクルタイムを短縮することができる。
【0060】
ステップS12~ステップS18までが繰り返されて、変更できる分担情報がなくなると、動作フローの実行は、ステップS17からステップS19に進められる。ステップS19で、調整部17は、試算した中で最も短いラインサイクルタイムを採用し、対応する分担情報(振り分け方)および対応する搬送条件を採用する。採用された分担情報および搬送条件は、各部品装着機(21~28)のジョブデータの一部となる。これで、動作フローが終了する。
【0061】
実施形態の装着部品振り分けシステム1Aは、基板搬送管理装置1に調整部17を追加して構成される。したがって、本システム1Aによれば、基板搬送管理装置1と同様、部品装着機(21~28)の各々が基板Kを搬送するときの搬送速度、加速度、および減速度の少なくとも一つを適正に自動設定することができる。さらに、本システム1Aでは、各部品装着機(21~28)に複数種類の部品Pの装着作業を振り分けるときに、部品Pの装着時間を考慮するだけでなく、基板搬送管理装置1によって管理される基板Kの搬送時間をも考慮して調整を行う。したがって、基板Kの搬送時間の変化を考慮しない従来技術と比較して、本システム1Aによれば、部品装着機(21~28)ごとのサイクルタイムの演算精度が向上し、部品装着ライン2全体のラインサイクルタイムを短縮する効果が顕著となる。
【0062】
5.実施形態の応用および変形
なお、実施形態の基板搬送管理装置1は、記憶ステップと設定ステップとを備える基板搬送管理方法として実施することもできる。また、実施形態の装着部品振り分けシステム1Aの動作を表す図9のステップS17およびステップS18で、調整部17は、明らかに不合理な振り分け方以外の全ての振り分け方を試行するようにしてもよい。また、二つの実施形態において、演算部13、設定部15、および調整部17は、ライン管理装置71以外のコンピュータ装置に設けられてもよい。二つの実施形態は、その他にも様々な応用や変形が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1:基板搬送管理装置 11:記憶部 12:形状記憶部 13:演算部 15:設定部 16:分担情報記憶部 17:調整部 1A:装着部品振り分けシステム 2:部品装着ライン 21~28:部品装着機 3、3A、3B:基板搬送装置 33:搬送コンベア 36:パルスモータ 37:コンベア制御部 38:モータ 39:ストッパ部材 4:部品供給装置 5:部品移載装置 71:ライン管理装置 72:記憶装置 8:生産管理装置 K:基板 P:部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9